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白銀翼の彼方

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アルミ( yXSV )
08/03/23 15:15(更新日時)

しばらく違う所に書いていたのですが、思いきってここに載せてみようと思いました。

ヘタクソですが長い目で見てやって下さい。

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No.628538 07/01/01 20:38(スレ作成日時)

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No.101 07/04/21 20:48
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 100 銃弾が足下に当たる。アルミ達は四方に散った。そして奪った銃で撃ち返した。手下の何人かに当たり倒れる。しかしまだ手下共は増える。サザナは笑いながら言った。

『残念だな…。俺は倒せない…。』ガイがそれを聞くとまたサザナに向かって走って行った。サザナがガイに向けて銃を撃った。だが右に避け当たらない。

『サザナお前こそあま~い。喰らえ~。』刀を横に振った。サザナは避け銃を撃った。ガイはしゃがみ今度は斜めに斬りつけた。サザナは片手でそれを受けた。金属同士をぶつけるような音がした。サザナの腕には金属製の小手がはめられていた。その頃周りの手下共をアルミ達は次から次と倒していた。そして最後の1人を神崎が蹴り飛ばした。

『残るはヤツのみ…。』神崎が言うとガイの近くに寄った。

『コイツは俺が倒す。お前らは下がっていろ…。兄貴の仇だ…。』ガイは片手を横に上げて言った。

『兄貴だと…。』サザナが尋ねた。

『俺の兄の名は藤堂鉄馬。知らないとは言わせないぞ。』ガイは構え直した。

『ふはははは…。あの馬鹿な男の事か…。』サザナは笑いながら構えた。

No.102 07/04/22 21:19
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 101 サザナが鋭い蹴りを連発する。ガイは紙一重でよける。すかさずガイが刀を斬りつけた。しかし空を斬り地面に当たる。そのまま地面を走らせ下から上に斬り上げた。だがサザナはそれをよける。

『ふん。その程度の剣裁き見切れるわ…。』サザナは高々に笑った。

『どうした…。かかって来ないのか…。ならば俺から行くぞ。』サザナはニヤリと笑うとガイに向かって行く。袖の中からスルリと剣が出て来た。それで斬りつける。素早くガイは刀で受ける。小競り合いになりお互い一歩も譲らない。いったん離れ構える。

『お前は俺には勝てぬ…。兄のように死ぬが良い…。』そう言うと剣を斬りつけてきた。ガイは素早くよけ刀を振る。2人は目に止まらない動きで戦っている。空を斬る音と刀と剣が当たる音が辺りに響いていた。そして最後の瞬間が訪れた。サザナが剣を刀に当てるとガイは跳ね退け刃先をスルリと滑らせそのままサザナの体を斬った。しばらくそのまま2人は立っていた。サザナが前に倒れた。

『甘かったな…。兄のようにはいかなかったようだな…。』ガイは振り返り微笑んだ。

No.103 07/04/24 22:19
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 102 アルミ達も周りに居た手下共を倒し終わっていた。

『ガイやったな。これで鉄馬さんの仇はとれたな…。』神崎が歩み寄りながら言った。だが皆が思っている答えとは違った。

『いやまだ終わってはいない…。』皆は驚いた。終わっていないとはどう言う事なんだ。アルミは不思議に思い尋ねた。

『なぜ終わりじゃないんだ…。』ガイは洞窟を見つめながら語りだした。

『ヤツがどこにいるのかはわからない…。その名はナスダックだ。』皆はその言葉に驚いた。

『ホイルの手下だったヤツか…。』ガイは頷いた。

『そうナスダックはサザナに兄を殺すように命令した。そして殺したのだ…。』少し涙ぐんでいるようだった。

『それなら俺が調べた話が正しいのなら…。もしかするとあのホイルがナスダックかもしれない…。ナスダックは一度姿を消している…。だがその頃からホイルの様子が変わったらしいのだ…。』エドワードは以前話した事を改めて話した。

『ナスダックだと特定出来る何かがあれば良いのだが…。』神崎がそう言って考え込む。するとガイが思い出したのか話を切り出した。

『それならヤツには兄がつけた傷があるはずだ…。』ガイは確信に迫った。

No.104 07/04/25 02:56
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 103 『どのくらい前なんだろうか…。兄とナスダックは同じ師範の道場に居た…。もちろん俺も同じ道場なんだが…。ある日道場内での試合があり最終的に残ったのが兄とナスダックだった。2人の試合は今までになく凄い物だった。その末勝ったのは兄だった。ナスダックは負けた事にかなり悔しがっていたらしく、何日か経ってから闇討ちを仕掛けて来た。しかし兄も負けずナスダックに一撃をくらわしていた。その一撃をよける時ガードする為に出した腕に斬り傷がついているのだ。』ガイの話を聞きエドワードが尋ねた。

『その腕ってどっちなんだ…。』アルミ達もそう思っていたのかガイの方を見た。

『それは左腕だ。左腕の手首近くに大きな傷があるはずだ…。』ガイは自分の左腕を眺めていた。その時アルミはホテルで会った時のホイルの事を思い出していた。あのカートから出た時ホイルが驚いてあげた左腕にあったような無かったような…記憶が曖昧だ。アルミは1人頭の中で記憶を巡らしていた。

『誰も知る者がいないのなら調べるしかないよな…。』神崎の言葉は的を得ていた。確かにわからないのなら調べるしかないのだ。皆の気持ちは1つになった。

No.105 07/04/30 16:29
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 104 アルミ達はホイルのいる洞窟に向かう事にした。森を抜け目の前に洞窟の入り口が見えてきた。辺りでは手下共がウロウロして警戒している。

『まだ警備が堅いな…。どうする…。』ガイは辺りを伺いながら言った。

『以前来た時近くに他の入り口があったがあそこなら…。』アルミは神崎を見ながら言った。

『しかしあそこから高すぎて降りにくい…。』神崎は頭を抱える。

『あの時はクルミが居たから止めたが今回は男4人じゃないか…。多少の事なら大丈夫じゃないのか…。他に方法もないのだから…。』アルミは強い意志を示した。神崎は顔を上げ頷いた。ガイもエドワードも頷いていた。

『それじゃ行きますか…。』アルミ達はもう1つの入り口を目指した。アギトが先に行く。たまに後ろを見ながら歩いている。入り口が見えて来た。神崎が手を横に上げた。皆が立ち止まる。

『まずは俺が入る。問題なければ合図するから…。では…。』アギトはすでに入り口の穴に入っていた。続くように神崎も入って行く。しばらくの沈黙が続く。すると穴からひょこっと手が覗く。神崎が上がって来たのだった。

『大丈夫だ。皆来い。』そう言われ皆は入り口に入って行った。

No.106 07/05/01 15:54
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 105 入り口は思ったより広く神崎を先頭に降りて行く。しばらく降りるとそこには平らになった場所があった。アルミ達はそこで辺りを伺った。下の方では何人かの手下共が銃を持ち警戒していた。洞窟はかなり広く高さは10mはあると思われた。壁には見たことのない虫が這っていた。そして苔がびっしり生えている。手下共が居なくなるのを見計らって下に降りた。地面は濡れている性か何度か滑りそうになった。ホイル達がやったのであろう壁に等間隔で松明が置かれていた。その1つを取り前を照らした。

『よし奥の方に行ってみよう…。』神崎が指差して言った。陰になるところで身を隠しながら奥へと進む。目の前で何かが動いた。

『なんだ…。』アルミはそう言うと目を凝らした。それはアギトだった。入り口を見つける前に居なくなっていた。すでにここまで来ていたのだ。アギトは何か言うが如く先を歩いて行く。その後をついていく事にした。

『あそこを見ろ…。』エドワードが何かに気付いたのか指差した。アルミ達はその方向見た。今までより明るく照らされていた。その方向に近づくと何人かの影が揺れていた。アルミ達は身を隠した。

No.107 07/05/04 15:38
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 106 神崎が手を挙げるとニヤリと笑い明かりの方に近づき様子を伺った。すると手招きをして皆を呼んだ。

『見てみろ扉が開いている。』洞窟にある扉が開いていた。扉には狼のような彫刻が施されていた。その狼の目の部分には緑色に光る物があった。多分ホイルが持っているグリーンダイヤだろう。

『どうする…。』アルミは皆に尋ねるみたい

『そりゃ入るしかないでしょう。』ガイはやる気満々のようだ。皆は開いた扉に向かった。そこに居た手下共が気づき銃を向けるが神崎とガイの動きには間に合わなかった。銃は空中に舞い手下共は次々と倒れて行く。そして最後の男が倒れた。その時後ろから声がした。

『残念だったな…。手を挙げてもらおうか…。』アルミの背中に銃を押し当てている。アルミは従って手を挙げる。続いて他の皆も手を挙げた。

『良い子だ…。そこに並んで…。』アルミ達は従い並んだ。ガイがアルミに耳元で小声で言った。

『まあ見ていろ…。』そう言うと口笛を吹いた。

『何している…。殺されたいのか…。』と言った瞬間何かが手下の銃を奪った。唖然としている手下に素早い動きでガイが殴り飛ばした。白目をむいて倒れた。

No.108 07/05/05 03:30
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 107 そこには銃を持った赤穂が居た。キキィッと言ってそれをガイに渡す。

『よくやった。褒美だホレッ。』赤穂はそれを美味しそうに食べた。改めて扉の彫刻を見た。そして首にしているネックレスを握りしめ母の言葉を思い出していた。〈あなたを守ってくれる…〉そして開かれた扉を通り中に入っていった。

『意外に奥があるな…。しかし不思議だな入り口はあんなに厳重なのにこの辺には人っ子1人もいない…。』その言葉に皆が立ち止まった。皆の頭に浮かんだのは〈罠〉だった。後ろ方で扉の閉まる音が響いた。

『しまった…。はめられた…。』そう言うと洞窟内にあの男の声が響いた。

『残念でしたね…アルミ君。こんな簡単な罠ひっかかるとはね。』その声はホイルの物だった。

『そこはね…。君達を捕らえる為にわざわざ作ったのだよ…。』そう言うと大笑いした。

『ちきしょう…。』アルミ達は悔しがった。そして周りの壁を調べる。

『アルミ壁自体は本物だ。どうする…。』神崎が尋ねる。アルミ達はしばらく考えた。

『奥に行ってみよう…。』そう言い出したのはエドワードだった。

『後ろがダメなら前だよな…。なあアルミ…。』アルミ達は顔を見合わせた。

No.109 07/05/05 05:21
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 108 『君達何をごちゃごちゃ言っているのかね…。』ホイルの言葉に皆は黙った。

『そこは鳥籠の中だよ。君達は捕らえられた鳥だ。どこにも出られる場所は無い。』考えが甘い事に今更ながら気が付いた。

『しばらくそこに居てもらおう…。また後で会おう。』ホイルはそう言い残し、それからは何も聞こえてこなくなった。

『おいおい俺達は何しているんだ…。』ガイがそうボヤく。確かに何をしているのだろうマーナを助ける為に来たのに自分達が捕まるとは…。情けない。

『どうするこれから……。』エドワードの言葉に皆は頭を傾げた。すると上に何かが居る気配がした。皆は見上げた。そこにはアギトがこっち見下ろしていた。

『アギト…。なぜお前そこに…。』見上げながら言うとまるでこっちに来いとばかりアギトが吠えた。アルミ達は顔を見合わせ洞窟の壁を登り始めた。壁の上には人が通れるぐらいの穴がありアギトはその中に入っていった。続くように皆はその中に入っていく。しばらく這って行くと明かりが見えて来た。

『おいここは…。』そこから出ると洞窟の真上にだった。辺りを見渡せば島全体が一望できた。

No.110 07/05/07 04:20
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 109 海はコバルトブルーで遠くまで透けて見えていた。島のほとんどが森でこの洞窟の周りも木が生い茂っている。改めて見ると素晴らしい所である…こんな事にならなければゆっくりと休養をとりたい気分だ。しばらく辺りを見渡していると洞窟の入り口から人が出てきた。ホイル達だ。中にマーナもいた。

『マーナ…。』エドワードが叫びそうになったのをアルミはとめた。

『今俺達の場所がバレたら意味がないだろう…。』それを聞いてエドワードは黙った。

『踏んだり蹴ったりだな…。どうしたら良いものか…。』神崎は海の上に飛ぶ鳥を見ていた。出るには出られたけれど辺りは崖のようになっていて降りるのには道具でもなければ降りられそうにない。本当に踏んだり蹴ったりだ。するとエドワードが話し出した。

『なあ降りられそうにもないから洞窟の中で待った方が良いのではないか…。』言われてみれば武器を取られた訳でもないし無理して降りても怪我してしまったら意味がない…。アルミは決めた。

『エドワードの言う通りだ。中でホイルの動きを待とう。』アルミが言うと皆は納得したのか、さっき登って来た穴から降りて行った。

No.111 07/05/11 02:23
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 110 洞窟内は静まり返っている。アルミ達は座れそうな岩に腰掛けた。アルミは辺りを見渡しながら不思議に思った。それはアギトが居ない事に気が付いた。

『そう言えばアギトはどこだ…。姿が見えないが…。』皆も辺りを見渡したがいない。良く考えたらどこから来たのだろう…。あの崖はどう考えても降りられない…。その時扉から白い煙が入ってきた。

『なんだあれは…。』その声にアルミ達は扉を見た。

『あれは催眠ガス…。逃げないと…。』そう言って神崎はケースを出し開いた。中には色々入っていた。その中から1つを取り出し話出した。

『これはガスマスク。ここには2つある。付けられるのは2人…。誰が残るかだが…。』煙が洞窟を覆ってきた。

『残りは先ほどの穴から洞窟の上に逃げろ。そして2人が残りヤツらを待つと言う事だ。』皆はお互いの顔を見合わせた。

『それなら俺が残る。』言ったのはアルミだった。適任かもしれない。結果アルミと神崎が残りガイとエドワードはさっきの穴から外に出た。

『いいか…。この煙が充満したらヤツらは入って来るだろう。それがチャンスだ。一気にたたくぞ。』神崎はアルミに小声で言った。

No.112 07/05/11 03:05
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 111 煙が洞窟じゅうを埋め尽くした。2人はガスマスクしたまま岩陰に身を隠した。しばらく経って扉が開く音がした。すると煙が薄れてくる。その中から人影がいくつか見えてきた。良く見ると彼らもマスクをしていた。

『おい。ヤツらは見えるか…。』手下の1人が持っている懐中電灯を照らしアルミ達を探している。

『どこにもいないぞ。どこに行った…。逃げる所はないはずだ…。』1人が言うともう1人が言い返した。

『つべこべ言わず良く探せ…。』まだアルミ達の居場所を見つけ出せないようだった。突然1人が倒れた。アルミは驚き横を見たがさっきまで神崎がいたはずなのにいなくなっていた。再び倒れた手下を見るとそこには神崎が立っていた。

『きさらま―。』凄い声をあげもう1人が襲ってきた。結果は見えていた。地面に吸い込まれるように倒れた。

『アルミ…。コイツらに連れて行ってもらおうぜ。』倒れた1人の横にしゃがみ神崎は自分のマスクを外しながら言った。そして手下をロープで縛りマスクを外した。向こうに倒れている手下も同じようにした。

『おい起きろ…。』そう言いながら顔を手のひらで叩く。

No.113 07/05/13 18:10
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 112 手下が目を覚ました。

『うっ貴様ら…。なぜあのガスの中平気なんだ…。』そう聞かれ神崎は近くにあったマスクを見せた。納得したのかその男は下を向いた。

『さぁホイルの居場所を教えてもらおうか…。』襟を掴み神崎は尋ねた。

『ふん…お前らに教えるわけなかろう…。』そっぽを向き答えようとしない。すると神崎は腰にあった銃を抜き手下に向けた。

『これでも答えないつもりか…。』手下は少し怯んだが答えようとしない。神崎は手下の頭に銃を突きつけた。それでも答えない。

『仕方ないな…。』そう呟くと神崎はもう1人の手下に銃を向け引き金をひいた。手下を見ると胸の辺りから煙があがっていた。アルミは驚いた。

『神崎なんて事を…。殺さなくても良いじゃないか…。』そう言うと神崎はウィンクをした。

『どうだお前もああなりたいか…。』手下は震えている。こんな事になるとは思ってなかったのだろう。

『わかった…。だから撃たないでくれ…。』さっきの銃声が聞こえたのだろうガイとエドワードが降りてきた。

『おい大丈夫か…。』アルミは撃たれた手下を見ながら軽く頷いた。

No.114 07/05/15 00:25
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 113 『エドワードこいつがホイルの居場所を教えてくれる。これを渡しておく使ってくれ。さっきの銃ではなく懐からもう1つ出し渡した。エドワードは受け取るとガイと出て行った。すると先ほど撃たれた手下が動いた。アルミは驚いた。今になって神崎のウィンクの意味がわかった。

『まさかその銃は…。』神崎はニヤリとして答えた。

『そうだ…。これは殺傷能力はない。せいぜい気絶程度だ。』アルミは思い出していた。前ニュースでやっていた。アメリカの警察が犯人を捕らえる為に開発した銃だった。

『ちょっと改良しているから威力はあるがな……。しばらくは夢の中だよ。こいつはここに閉じ込めて…。俺達も行こうか…。』アルミの肩に手をかけ神崎は出口に向かった。扉を閉めると鍵を掛けた。先を歩いているエドワード達に追いつく。

『おいっ待ってくれ…。何か聞こえないか…。』ガイが辺りを見渡しながら言った。皆は耳をすましてみた。微かではあるが人の足音がいくつか聞こえる。誰かが近づいているのだ。神崎が捕まえた手下に近づき尋ねる。

『お前ら何人居るんだ…。』手下は口を開かない。神崎は先ほどの銃を押し当てもう一度聞いた。

No.115 07/05/15 17:04
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 114 『あと3人いる……。』手下は震えながら言った。

『多分そいつらだ。そこに隠れよう。』素早く皆は身を隠した。足音が近づいてくる。少し顔を出し覗くと手下が言った通り3人が近づいていた。

『おーい……さっきの銃声はなんだったんだ……。』手下の1人が叫んでいる。ガイと神崎は顔を見合わせ地面を転がり手下共の前に出た。
『お前達は……。』手下の1人がそう叫んで銃を撃とうとしたが遅かった。ガイは腰に下げた刀を抜き右側の手下に切り倒した。そして神崎は銃で左側の手下を撃ち、すかさずもう1人も撃った。バタバタと手下共は倒れた。

『ふーっ。やったな。』ガイと神崎はガシッと手を組んだ。

『さぁ行きますか…。』皆は洞窟の入り口を目指した。外の明かりが見えてきた。外に出ると辺りには木箱が積まれておりその横には機械がいくつかあった。そして離れた所にワゴン車が1台停まっていた。アルミ達はそれに乗り込む。キーはついたままだった。ひねりエンジンをかけた。

『さぁどっちに行ったら良いんだ…。』銃を突きつけている神崎が言った。

『あっちだ……。』手下は指差した。ホイルの屋敷の方だった。

No.116 07/05/17 17:30
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 115 ワゴン車はホイルの屋敷に向かった。そして近くまで来た。

『このまま正面突破だ。突っ込むぞ。』神崎はそう言うとワゴン車を屋敷に走らせた。門の前には手下が数人いる。こちらに気づき銃を乱射してきた。ワゴン車の至る所に銃弾が当たる。だが怯む事なく屋敷に向かった。正面に着くとドアを開けアルミ達は屋敷の扉を開けた。追ってくる手下に向かって銃を撃つ。何人かが倒れる。向こうも負けじと撃ってくる。中に入るとホイルの部屋に向かおうと階段を登りかけた。すると上から声がした。

『銃を捨てなさい…。さもないとこの子の命がないわよ。』その声は燐銘だった。横にはマーナがいる。頭に銃が突きつけられている。口はガムテープで塞がれており何かを言っているが唸っているように聞こえていた。仕方なく銃を投げ捨てた。後ろからぞろぞろと手下共が入って来る。ところが燐銘が急に銃を捨てた。なぜならそこにはガイが刀を首にあてていたからだった。そう正面から入ってきたのは3人だった。ガイは1人騒ぎを横目に違う所から侵入していたのだ。

『はーい皆さんこの人の命欲しければ銃を置きなさい。』ガイは燐銘を突き出すと言った。

No.117 07/05/18 23:21
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 116 手下達の動きが止まった。ガイは燐銘の首元に腕をまわした。そして素早くマーナの縄を切った。

『さぁ兄さんの所に行きな…。』マーナは口に貼られたテープを剥がした。

『ありがとうございます。助かりました。』マーナはお辞儀をするとアルミ達の方へ降りていった。続いてガイ達も降りていった。

『お兄ちゃん…。』マーナはアルミに飛びつくように抱きついた。

『マーナ遅くなったな…。大丈夫か…。』アルミは抱き寄せるとそう言った。マーナは軽く頷いた。そしてエドワードの方に近寄った。

『マーナ無事で良かった。』2人は見つめ合っていた。

『エドワード会いたかった…。』そう言うと抱き合った。見てられなかったのかアルミ達はそっぽ向いた。だがその時男の声が響いた。

『美しい話だ…。再会出来た所悪いが今の状況良く見るがよい……。』それはホイルであった。周りを見るとさっきより手下達が増えていて非常にマズい状態になっていた。

『何を言っているコイツがどうなっても良いのか……。』ガイは燐銘に刀を突きつけ言った。ホイルは笑った。

『そいつが本物ならばな。』意外だった。そんな答えが返ってくるとは思っていなかった。

No.118 07/05/19 00:14
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 117 捕らえられた女は顔に手をあてるとビリビリと音をたて皮を剥いだ。中から出て来たのはサザナだった。アルミ達はさらに驚いた。

『ふふふ…。驚いたかね…。』サザナは笑いながら言った。声はまだ燐銘のままだった。

『おっといけない。声がまだだったな…。』そう言うと口の中に指を入れると小さい機械を取り出した。油断していた。サザナはスルッと抜け出しアルミ達から離れた。

『これで良い。さぁどうする…。』相変わらず甲高い声である。またアルミ達は不利な状況になってしまった。

『アルミ君。助けない訳でもないがどうするかな…。君次第だが…。』ホイルは余裕で言った。アルミは考えたが今の状況はやはり不利である。

『一体どうしたら良いのだ……。』仕方なくそう言った。

『あははは…。観念したかね…。ならば君の持つ宝を出してもらおう。』ホイルはアルミ達に近づきながら言った。皆を傷つける訳にはいかない。アルミは懐に入れたタートルダイヤを取り出そうとした。

『止めろ…。お前は黙って見ていろ…。』止めたのはガイだった。そしてホイルに向かい飛び出した。刀を高く振り上げ斬りつけた。しかしホイルも素早くよけた。

No.119 07/05/20 17:12
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 118 微かにホイルの袖が切れ中から腕が見えた。そこには大きな切り傷が見えた。

『お前……。ナスダックだな。その腕の傷が証拠だ。忘れもしない兄がつけた傷だ。』ガイが叫ぶ。ホイルは笑いながら答えた。

『あははは…。バレてしまっては仕方ない…。私がナスダックだ。』すると顔に手を当てビリビリと皮を剥いだ。中からナスダックの素顔が現れた。

『お芝居も疲れた所だった。ちょうど良かった。さてお前らどうしてくれようか…。』アルミ達を見渡した。

『ホイル…いや叔父さんはどうした…。』アルミがそう聞くとナスダックはまた笑った。

『ヤツならこの屋敷の地下に居るさ…。燐銘と一緒にな…。』ナスダックの意外な言葉にアルミ達は驚いた。何故に燐銘までが捕らえられているのだ。

『何故燐銘が一緒なのだ…。』アルミが訊いた。その答えはすぐにわかった。

『ホイルと燐銘は親子だ…。アルミ君の従姉妹だよ…。あははは…』それを聞いて皆の動きが止まった。

『俺と燐銘が従姉妹……。』アルミは確かに驚きはしたが実は薄々気がついていたのだ。会った時から何故か親しみを覚えていたのだ。

No.120 07/05/20 18:45
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 119 『なら余計に貴様を倒す理由が増えた。』ガイは刀をナスダックに向けた。そして構えナスダックに向かった。すると目の前にサザナが現れガイの刀を受けた。

『お前の相手は俺がする。』2人の小競り合いが続く。

『ふんお前など一瞬で倒す…。うりゃー。』ガイは飛ぶように離れ再び斬り込んだ。負けじとサザナも剣を振る。ガイはすっと下によけ、すかさず横に斬る。手応えがあった。しばらく2人は立ったままだった。そしてサザナが倒れた。

『お前の動きなどもう見切っている。』ガイはそう言うと鞘に刀を収めた。

『ほーなかなかやるではないか…。だがお前らはここで死ぬ…。』ナスダックは手下達に合図すると周りから一斉に銃が撃たれた。アルミ達は素早くよけ撃ち返した。手下達が何人も倒れていく。神崎が手下達に突っ込みバタバタと倒す。続いてガイも刀を抜き手下達を斬り倒した。援護するようにアルミとエドワードも銃を撃つ。気が付くと残るはホイルだけとなった。ガイが前に立った。

『お前達思ったよりやるな…。だがそれもこれまで…。』ナスダックは持っていた杖を両手で握り開くようにするとそれは剣になっていた。抜くとガイに向けて構えた。

No.121 07/05/22 17:24
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 120 『お前の相手は俺だ。兄の敵とらしてもらう。』ガイは叫ぶとナスダックに斬りかかった。それを軽々よけガイに斬りつけた。ガイの服がスッと切れた。それを見てまた斬りかかる。刀と剣が交わり鍔迫り合いになった。

『お前藤堂の弟か…。ヤツは愚かだった。お前を助ける為に俺の言った事を真に受け刀を持たずお前を助けにやってきた。刀を持たぬ藤堂など相手になる訳がない。後はお前がしる所よ…。ふふふふふお前も同じように死んで行け…。』ナスダックはガイを跳ね飛ばすと再び斬り付けてきた。そして刀と剣がぶつかり凄まじい音と共に両者は離れた。キンッと音がしてガイの刀が半分から折れた。

『あはははお前の負けだな…。』ナスダックはガイに剣を向け笑う。

『ナスダックよ…。それはどうかな…。』ガイは不適に笑った。

『何を言って……。うううっ…。何っ…。』ナスダックの体が横に切れた。血を吹き出しながらナスダックは倒れた。

『残念だったな…。俺の刀は折れても真空波がお前を斬ったのだ。あの世で兄に詫びを入れろ…。』ガイは振り返りアルミ達の元に歩み寄った。後ろでナスダックは息絶えた。

No.122 07/05/23 18:01
アルミ† ( 20代 ♂ yXSV )

>> 121 全てが終わった。ガイは少しだけ誇らしげにしている。

『皆終わったな。下の2人を助けに行こう。』アルミはそう言うと地下を探した。最初に神崎が閉じ込められた場所の更に奥に部屋があった。

『ここに居るのか…。』神崎が耳を当て確認する。そして中に向けて言った。

『ここに誰か居るか……。』中から物音が聞こえた。

『ドアの近くから離れろ…。』そう言うとドアのノブに向けて銃を撃った。するとドアが開き中が少し見えた。神崎が引っ張りドアを開けた。そこには燐銘と本物のホイルが居た。

『君達は…何者なんだ…。』ホイルはアルミ達を見渡しながら言った。神崎は2人に近づき縛られたロープを切って解放した。ホイルは縛られた所が痛いのか揉むように腕を触っている。

『すまない…。お陰で助かった。コイツは娘のリーシアだ。』燐銘の頭を撫でながら言った。アルミ達は驚いた。

『リーシア……。燐銘ではないのか…。』すかさず聞いたのはガイだった。ホイルはそれを聞きながら答えた。

『それはナスダックが付けた名前だろう…。今は記憶を無くしているようだが…。』ホイルが立ち上がった。

No.123 07/05/24 01:15
アルミ† ( 30代 ♂ yXSV )

>> 122 『燐銘が…いやリーシアが記憶を無くしているとはいったいどう言う事なんだ…。』アルミが訊くとホイルはアルミを見て何かに気づき話し出した。

『お前アルバートか…。母親に似ているな…。お前がまだ小さい時に一度あっただけだから覚えてないだろうが…。』昔の話を軽くした後またリーシアの話をし出した。

『ナスダックは変わった術を使う。一種の催眠術のような者だ。私も術をかけられていたのだ…。勿論リーシアもだが…。ヤツはそれで私になりすましリーシアを部下にした。それは人質として近くに置いとく為だろう…。何かあった時の切り札に出来る。』アルミは以前ナスダックが言っていた“愛しい人”と言う意味がこれでわかった。ホイルは一通り話すと辺りを見回した。

『ところで君達がここに居ると言う事はナスダックを倒したと言う事だね…。』アルミは頷いた。

『そう倒したよ。このガイ様がね。』ガイはまた誇らしげに胸を張った。しかしホイルは不安そうな顔をした。

『本当にヤツだったのか…。ちゃんと確認したのかな…。』皆の心に不安がよぎった。もしかしたら術に掛かっていたかもしれないと…。

No.124 07/05/24 15:53
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 123 アルミ達は再び上に上がった。先ほどと何も変わらなかった。ナスダックも倒れていた。ガイが近寄りナスダックの体を調べた。ホイルも確認したが間違いなく本人だったようだ。

『おいコイツはナスダックだ。これで本当に全てが終わったな…。』神崎はガイの肩を叩いた。

『お前の兄さんもあの世で喜んでくれているよ。』そう言うと皆で笑った。笑いの中エドワードが言った。

『これからどうする…。』アルミは皆を見た。

『後もう一つ解決しなくてはならない事がある…。我が家の家宝の事だ。もう一度洞窟に行ってみたい。あそこにあるはずだ…。』それにホイルが答えた。

『確かに洞窟の奥にあるようだ。しかし扉がありいくつかの宝石が必要だ。フォード家の2つのグリーンダイヤ、そしてタミヤ王国のブルーダイヤ、どこかの国のブラックダイヤ、後もう一つあるらしいのだがそれが何かはわからない…。』するとガイが不思議そうに言った。

『我が家の家宝に…。いやこの刀に石がはめ込まれているのだが、前兄が言っていたのだがこれはある扉を開く鍵の1つと言っていた。もしかしたらこれがその1つではないだろうか…。』ガイは刀の柄を見せた。

No.125 07/05/24 21:41
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 124 確かにそこには石らしき物がはめ込まれていた。ホイルは刀を受け取り石を確認した。

『おうこれこそブラックダイヤではないか…。残るは後1つだな…。そうだその書籍がこの屋敷にあるはずだ…。調べてみよう…。』そう言うと屋敷の書籍の部屋に向かった。アルミはナスダックの服の中を調べた。それは奪われた家宝の1つを探す為だ。内ポケットに何かがある。取り出すとそれはまさしくグリーンダイヤだった。

『あったぞ…。後1つが分かれば…。』するとホイルが何かを持って出て来た。

『書籍はあったが詳しい事が書いた部分のページがない…。』ここまで来て最後に躓くとは思わなかった。

『ちきしょう…こうなったら行くだけ行ってみようか…。』エドワードがアルミに言った。

『もう一度洞窟に行ってみよう。』アルミ達は洞窟に向かう事にした。外にあるワゴン車に乗り込み走らせた。しばらく走らせ洞窟に着いた。周りは少し暗くなってきていた。皆はワゴン車から降りると洞窟の中に入ろうとした。すると森の中からクルミがアギトと歩いて来た。

『クルミどうした…。危ないじゃないか…。』アルミが言うとクルミは駆け寄った。

No.126 07/05/25 15:18
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 125 クルミは手話で話かけてきた。

《あのね…ダンの店にいたらアギトがここに引っ張ってきたの…。良くはわからないのだけど…。》アルミはそれを見ると言った。

『そうだったか。さっき俺達も助けてもらった。今度も何か意味があるのかな…。』クルミは不思議そうな顔をした。何故なら…。

《アギトはずっと私と居たよ…ダンの店にね》アルミは何の事か分からなかった。確かにアギトと何度かあった。その時はいつもアギトだけであった。

『おいアルミ行くぞ。何考え込んでいるんだ…。』エドワードはそう言うと洞窟の中に入って行く。

『あっ今行くよ。』アルミは走り入って行った。洞窟の中は松明の灯りでほんのり明るい。灯りを頼りに奥へ進んだ。しばらく行くと先ほど閉じ込められた扉が見えた。

『この扉は何だ…。俺が調べた時はこんな物なかったぞ…。』ホイルはそう言いながら扉に近づいた。

『そりゃナスダックが作らせた罠の部屋だ…。俺達も騙されたがね…。』神崎は呆れたように言った。するとアギトが吠えた。洞窟の奥から吠えている。アルミ達はその方向に向かった。アギトは更に奥へと進んだ。

No.127 07/05/27 00:25
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 126 アギトは鼻をヒクヒクさせながら進んで行く。そして奥に扉らしき物が見えてきた。

『これが最初の扉だな…。』アルミがそう言い扉を照らした。その扉には彫刻が施されていた。良く見ると巨大な狼のようだ。2つの首をした狼だ。調べていくと中央に何か窪みがあった。

『この形はフォード家のだな…。アルバートお前の持っているのをはめてみろ…。』ホイルがそう言うとアルミはタートルダイヤをはめてみた。するとガチャと音がした。そしてガァーと扉が開いた。中を松明で照らした。何かがキラキラしている。皆は宝があると思い近寄る。だがそれは洞窟についた水滴が松明に反射してキラキラしていただけだった。皆は少しガックリとしていた。

『さぁ皆更に奥がありそうだ…。ガイ落ち込み過ぎだぞ。』アルミが言うと皆は笑う。ガイは気まずそうに先を歩いた。また目の前に扉が見えた。そこにも同じように窪みがあり丸い形をしていた。ガイの持つ刀のブラックダイヤが一番近いようだ。柄の下の部分が動きそうだ。今までは気にもしていなかったがスライドしそうである。スライドさせると面白いように宝石は取れた。そしてそれをはめた。

No.128 07/05/27 17:36
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 127 どこからか光があたっているのか黒いの宝石が白く輝きだしある一点に光があたる。その壁に蛇のように線が走り壁が動きだし中から階段が現れた。

『階段だな。降りてみるか…。』神崎が言うとエドワードがオドオドしている。

『さぁ行くぞ。』ガイは何も気にせず降りていく。皆もそれに続き降りて行った。ホイルは降りながら書籍を見て言った。

『多分この先にあるだろうな…』アルミ達は胸踊らせていた。階段の先には部屋になっていた。そこには巨大な狼が座っている像があった。目の片方に窪みがある。そこにもう一つのタートルダイヤはめてみた。すると涙のように像の頬を光が走り台座の中央に流れる。それにも窪みがある。しかし1つ皆は忘れていた。タミヤ王国のブルーダイヤの事をあれはミツキ姫が持っているはずだった。するとガイは笑った。

『皆お探しはこれかな…。』見せたのはまさしくブルーダイヤだった。

『何故それを…。』アルミが聞くとブルーダイヤを手のひらで転がした。

『いざという時の為に姫から預かっていた。預かっていて正確だったな。』そう言うと台座に近づきブルーダイヤをはめ込んだ。

No.129 07/05/29 14:14
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 128 ブルーダイヤは青く輝きだした。すると像の真ん中から裂け新たに階段が出て来た。これが父が言っていた事なんだろう。そして階段を降りる。松明の灯りが揺らめく。不思議な事が起きた。目の前にアギトが座っていたのだ。その後ろには四角柱の石が建っていた。

『何故お前ががそこにいるのだ…。』神崎がアルミの肩を叩き不思議そうな顔をする。

『アルミお前誰と話しているのだ…。誰もいないと思うのだが…。』アルミは困惑した。目の前にいるアギトに誰もが見えていなかった。と言う前にアギトは皆の後ろに居たのである。では目の前の狼はいったいなんなんだろう。そんな事を考えているとエドワードが四角柱を指差した。

『何か文字が書いてあるぞ…。なんて書いてあるのかわからないな…。』確かにどこの国の言葉かわからない文字で書いてあった。するとホイルが声かけてきた。

『もしかするとこれはフォード家に伝わる文字だ。何々…。』そう言うと解読し始めた。

【ここに来し者よ。汝は選ばれし者。最後の鍵によって我が宝の力を与えよう。如何なる物も全て元に戻せるだろう。汝に任せん。】ホイルはそう読み説いた。

No.130 07/05/30 11:14
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 129 『おい…するとなんだ…。この四角柱がお宝と言う事なのか…。』ガイががっかりした言い方をした。多分海賊などが隠したお宝みたいな金や宝石が山のようにあると思っていたのだろう。アルミもそう思っていた。それよりも元に戻せるとはどういう事なんだろうか…。だがその為の鍵がない…。後1つはなんなのだろうか…。するとクルミとアギトが近づいて言った。

《ねぇもしかしたらこれ違うかな…。アギトがくわえていたの》クルミは手に持っていた物を渡した。それはまさしく破かれた部分のページだった。

『これをどこで…。』クルミは洞窟の入り口の方を指差した。アルミはそれをホイルに渡す。

『おお…これはまさしくさっきの続きじゃないか…。何々…。』そう言いながらホイルは読みだした。それに書かれていた事は【オオカミの導きに従う。満月にオオカミと輝く石が現れるだろう。そしてすべてを包むだろう…。】と書いてあった。肝心な鍵については何も書いていなかった。

『結局残る1つが何かわからなかったな…。まだここに来るのは早かったのかもしれないな…。』ホイルがそう言いながらアルミに近づいた。

No.131 07/05/31 02:02
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 130 洞窟の中は沈黙に包まれていた。ここまで来て最後の鍵がわからないのである。落胆してしまうのも仕方ない事である。だがアルミは1人違う事を思っていた。そう目の前にいる狼の事だった。自分以外誰にも見えていない。だが良く考えるとナスダックに閉じ込められた時に見た狼はアギトではなかったのだろうか。あの時は皆には見えてなかったのだろうか…。

『あの…。皆ナスダックに閉じ込められた時なんだがあの時に狼を見たよな…。』アルミはあえてアギトと言わず狼と言った。

『藪から棒になんだよ…。狼って…。確かにアギトは居たが…それがどうかしたか…。』エドワードが不思議に答えた。

『いやそれなら良いのだが……。』アルミはしばらく考えた。そして話し出した。

『皆には見えていないのかもしれないが実はさっきから目の前に狼がいるのだ。アギトではなく狼がいるのだ…。』アルミはそう言って皆を見渡した。

『そこにさっきから座ってこちらをジッと見ている。』アルミが四角柱を指差した。そこに皆が注目する。しかし誰1人として見えてはいなかった。するとホイルがさっきの紙を見ながら言った。

No.132 07/06/02 17:27
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 131 『この【満月に】が気になってな…。今度の満月はいつだったかな…。』すると神崎が答えた。

『ここに来る時に月を見た。あれは満月だった。』ホイルはそれを聞きもう1つ尋ねた。

『すまない何度も今日は何日だ…。』ホイルの質問に神崎が答える。

『今日は5月31日だ。間違いなく今日は満月だな。』はっきりと答えが出た。

『今夜何かが起こるはずだ。』ホイルがそう言った。洞窟の上から微かに明かりが差し込んで来た。その明かりが一筋の光になり地面にあたる。少しづつ四角柱の方に近づいていく。その光はある物を浮かび上がらせた。シルエットが見えてそして狼が現れた。それは皆にも見えている。そして語りだした。

《選ばれし者よ。胸にあるそのペンダントを光にあてよ。それが最後の鍵になろう》声は耳からではなく直接頭の中に聞こえていた。アルミは胸にしていた母の形見のペンダントを外し光にあてた。すると眩いばかりの光が辺りを包んだ。四角柱が動きだし下からせり出してきた。

《さあクルミよ。中に入りなさい。お前の言葉を取り戻せるだろう》アルミはその言葉は聞きクルミを四角柱の中に入れた。すると光がクルミを包み一瞬今まで以上に光った。

No.133 07/06/02 18:09
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 132 クルミが光の中から出てきた。狼は何がしたかったのだろうか…。すると声がした…。

『アルミ…アルミお兄ちゃん…私話せる…話せるよ』アルミはクルミを見た。クルミの声が戻ったのだ。そしてさっきまでいた狼は居なくなっていた。狼はクルミを使って教えたかったのだろう。この古代の素晴らしい機械の事を…。この仕組みがわかればもしかしたらすべての病を治せるのかもしれない。

アルミ達は洞窟を後にした。

『アルミ、神崎、そして皆世話になったな…。俺の目的も終わらせる事が出来た。またどこかで会えたら良いな…。じゃまたな…。』そう言ってガイは去って行った。

『アルバートよ。助けてくれて有難う。また兄にも会いに行く…。その時は一緒に酒でも飲もう。あの装置はこの後私が調べて実用させてみせるよ。それではまた…』ホイルとリーシアは頭を下げると屋敷へと帰って行った。アルミ達はダンの店に戻った。ダンは1人カウンターに座っていた。

『ダンおかげですべて片付いたよ。』アルミは手を差し出した。握手をすると店を後にした。

No.134 07/06/02 18:28
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 133 『お兄ちゃん有難う。声が戻って嬉しい。いつかまた遊びに来てね…。美味しい料理作って待っているから…』クルミは今までにない笑顔で手を振りアルミ達を見送った。アルミ達はジェット機に乗り込みその島を飛び出した。窓から見える島は美しい。あんな事があったとは思えない。《いつかまたこの島に帰って来るよ》とアルミは心に思った。



『アルバート様今日は午後から会議です。よろしいですか…。』神崎は相変わらず口うるさい。

『わかった、わかった。』明らかに嫌そうに言った。神崎はまたブツブツ言っている。アルミは隙を見て逃げ出した。

『アルバート様ーっ』神崎は追いかけて来る。アルミは心で思った。

《いつかまた行きたいな…白銀翼の彼方に…》

      ー完ー

No.135 07/06/02 18:40
アルミ† ( ♂ yXSV )

『おいおいそれはそうとパーティーはどうなったんだよ!』アルミは神崎に言った。

『何言っているだよ。あんな事になって行けなかっただろう!』神崎はスケジュール帳を見ながら言った。

『明日の予定だが…午前から飛行機でナインアイランドに行くぜ!!』神崎ニヤリとしながら言った。アルミ驚き神崎を見る。

『あははは久しぶりに休暇を楽しみますかね!』アルミの新たなる冒険が始まった。

No.136 07/06/04 23:52
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 135 ‐後日談‐

ホイル達は洞窟の中にいた。四角柱の辺り調べていた。

『おいリーシアこれを見てみろ!』そこには棺のような物があった。リーシアは駆け寄りその棺を見た。四角柱の奥に扉のような物があり開けるとその中に棺があったのだ。

『ここに何か書いてあるな…。ちょっとわからない何と書いているのだろうか…。』
『パパこれって古代文字じゃないかしら?』
『古代文字?確かにそうは見えるがどちらかと言うと中世の文字にも思えるが…』ホイルとリーシアは2人共頭を傾げていた。

『あははは!それは暗号でしょう!ワザと分かりにくいようにしたのでしょう…』そう言ったのはホイルが雇っている考古学の助教授で長谷川 隆だった。

『多分この中にはよほど大切な物が入っているのでしょう!だってここに【大切な】と書いてありますからね!』長谷川は笑っていた。確かに昔の文字ではあるが“important”と崩した文字で書いてあった。その後にはまるで狼が座っているような絵が彫ってあった。ホイルとリーシアは見合って笑った。皆で読んでいくと【この棺の中には私を助けてくれた大切な狼が眠る】と書いてあった。

No.137 07/06/05 17:20
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 136 下には【アキ・ラ・アルバート】と書いている。アルバート家の先祖がやはりここに装置を作りその奥には墓も作ったのだろう。他の所を読むとこの装置を教えてくれたのは白銀の狼である事も書いてあった。もしかすると先祖は狼の姿をした宇宙人と遭遇したのかもしれない。それとも日本では狼の事を【大神】、【神の使い】とも言われていた。まあどちらにせよ不思議な事にあったのは間違いない。今の技術でこの装置は作れるのだろうか…。ホイル達は今までの経緯をアルミに伝えていた。そう今頃アルミ達はジェット機の中だろう。間もなく彼らはここに来る。我が家のルーツがここにある。今後何が見つかるのだろうか…。

『さぁそろそろ迎えに行こうかリーシア!』リーシアは頷く。

『アルミ達元気にしているかな?』洞窟の入り口に近づいたとき小麦色の少女が駆け寄ってきた。

『おじちゃん!』屈託のない明るい声だった。

『おじちゃんそろそろ行くのでしょう?』
『あぁ今から向かう所だよ!』
『私も連れて行って?』
『それじゃ一緒に行こうな!アルミ達も喜ぶだろう!』そう言ってホイル達は空港に向かった。

No.138 07/06/07 16:58
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 137 洞窟の前には4駆の車があった。皆はそれに乗り込み空港へと向かった。森の中の道を進む。舗装していないからかなり揺れている。そんな中クルミは楽しそうに歌を歌っていた。声が出るようになったせいか良く歌っている。多分嬉しいのだろう。森の中では時より動物などに遭遇する。さっきも親子の鹿に出くわした。予想通りクルミがそれを見てはしゃいでいた。

『クルミはしゃぐのは構わないが怪我しないようにな!』ホイルは笑いながら言った。

『大丈夫よおじちゃん!もうジッとしておくから!』クルミは後部座席にちゃんと座り直した。そうこうする内に空港に近づいた。車を空港の入り口の近くに停めた。ちょうど空には着陸体制をとっているジェット機が飛んでいた。

『おじちゃん!あれにお兄ちゃん達が乗っているのかな?』『多分そうだろうね!』ホイル達は車の外で待つ事にした。しばらく待っていると空港から次々と人が出て来た。その中にアルミと神崎が見えた。

『お兄ちゃん!』クルミは手を振った。

『おぉクルミ元気にしていたか?叔父さんお久しぶりです。アルバート家の謎は解けましたか?』アルミはそう言ってホイルに近づいた。

No.139 07/06/10 05:53
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 138 『まあ少しはわかった!今から行ってみるか?』
『そうだな!行ってみようかな!』アルミ達は車に乗り込み洞窟へと向かった。

『久しぶりに来たな…ここがこんなに綺麗だったとは思わなかった!あんな事があって景色などまともに見てなかったからな……』
『仕方ないさ!まあ今日はゆっくり観光していったら良いさ!』ホイルはアルミに言った。

『そう言えばリーシアは記憶戻ったのか?』
『あの事件の間の事はあまり思い出されないけど…』リーシアは上を見ながら首を傾げ言った。

『お姉ちゃんあの時は本当に怖がったよ!まるで怪獣かと思った!!』
『えーっクルミ怪獣って…そこまで言わなくても…』リーシアは少し落ち込んだ風だった。確かに今のリーシアとは全く正反対の性格だった。クルミにそう言われても仕方ないのかもしれない。そうこうしている内に洞窟に着いた。

『さあ着いた!皆降りた降りた!』ホイルはエンジンを止め真っ先に降りた。ホイルを先頭にアルミ達は洞窟へと入って行った。あの時とは違って松明の代わりにライトが付いていた。明るさも増している為洞窟の中がはっきり見えた。あの時は気付かなかったが洞窟の中には水溜まりがあった。

No.140 07/06/12 02:13
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 139 『こんな所に水溜まりがあったのだな…』
『うんそうなの!照明が暗かったからスタッフの1人が気が付かないで落ちちゃってね…それでわかったのだけどね!』リーシアがそう言うと改めてアルミはライトを水溜まりの方に向けた。見た事の無い魚や虫などが蠢いた。水はかなり澄んでいて水底が見えるほどだった。

『これはどこまで続いているのかな?』アルミは興味を示した。

『かなり奥まで続いているようだよ!まぁその前に四角柱に行かないとな…』ホイルは半分困り顔だった。なんの為ここに来たのかわからなくなるからである。

『では行くぞ!』そう言って四角柱のある方へ向かった。扉を抜けてさらに奥へと進む。そして四角柱のある部屋に着いた。

『新しく見つかったのがあそだ!』ホイルは指差した。アルミ達はその中に入る。

『これは……?』アルミは驚いた。

『これは棺のようだ!この中にはアルバート家の言い伝えにある狼が眠っているみたいだ!?』
『狼が…?あの先祖を助けた狼ですか?』
『まだ開けた訳ではないからわからんけどな!ははははっ』ホイルが笑う中アルミは棺のじっくり見渡した。そして棺の上には文字が書いてある事に気が付いた。

No.141 07/06/12 12:18
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 140 『これは…文字のようだが、古代文字…いや違うな色々な文字が混ざっている…』そう言うとホイルが答えた。

『リーシアとも言っていたのだが暗号だろうとな!』
『それで墓じゃないかなって思ったのはこの文字なんだけど…』リーシアはさっきわかった所を指差した。

『ここに【大切な狼が眠る】と書いてあるの…』
『なるほどな…【大切な狼が眠る】か…確かに墓のようだな…で他に何かわかっているのかい?』アルミは振り返りきいた。

『それが、まだ見つけたばっかりでわからないのだけど…後は長谷川さんが調べてくれているはずなんだけど……あれっ?そういえば長谷川さんがいないけど?』辺りを見渡すが見当たらない。すると後ろからクルミが話かけてきた。

『ねぇねぇあそこに何かいるみたいだけど…?』指差した先に何かがいた。照明の影になっているせいかはっきりしない。何か変な音も聞こえてくる。地の底から響いてくるような音であった。確かにその方向に何かがいるのである。

『アルミ!俺が先に近づいてみる!』そう言ったの神崎だった。神崎はその影にいる物にゆっくりと近づいて行った。すると神崎が振り返りこちらに来るように手招きした。

No.142 07/06/12 17:39
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 141 皆でおそるおそる近づくとそこには長谷川が座っていた。

『長谷川君……おい長谷川君大丈夫か?』ホイルは肩をつかみ軽く揺すった。すると長谷川はびっくりしたのか飛び上がった。

『うわわわ―っびっくりした…あっすみません!つい寝てしまいました。』
『最近寝てなかったみたいだもんね!』リーシアは長谷川にそう言った。

『皆さんが空港に行ったからちょっと休もうと…』長谷川は照れて顔が真っ赤になった。

『でも1つわかった事があるのですよ!』長谷川はムクッと立ち上がり言った。

『この水が何か関係あるみたいなんです!』そう言うと四角柱の方に歩き出した。そして棺の文字の1つを指差した。

『この文字を訳すと【水の中に】となる…だからあの水溜まりの事を調べる必要があると思います。』長谷川はそう言うとホイルに見た。

『なら調べるしかないだろう!』ホイルはそう答えた。

『調べるのか?なら俺も手伝うよ!』アルミは少し興奮している。

『いや今日はこれまでにして明日また調べましょう!』リーシアが言うと皆は納得した。そして洞窟を出る時アルミには見えていた。白銀の狼が……

No.143 07/06/17 02:40
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 142 ホイルの屋敷に着いたアルミ達は食堂の方に連れて行かれた。使用人達が料理を運んで来た。フランス料理のフルコースのような料理が並んで行く。高級ワインを開け皆で乾杯をした。雑談をしながら今の状況などを話していた。

『とこでアルミ会社の方はどうだ?』
『まあまあかな…最近は原油の量が減って値段が上がってしまった。その事もあり昨年より売上が下がったのは事実だ。今は新しい事業を進めている所だ。』
『ほう新しい事業ね…どんな事だい?』ホイルは興味深そうに尋ねた。

『実は…』
『社長!!』神崎はアルミが言いそうになったのを止めた。

『改めて社長と呼ばれるとなんか恥ずかしいなぁ…』
『何言っているんですか?アルミはれっきとした社長でしょうが!』神崎はニヤリとした。

『神崎お前ワザと言っているな!?』
『当たり前だ!アルミが社内の極秘の事を話そうとするからだ!』神崎はアルミを叱りつけるように言った。

『だが、ここにいるのは身内じゃないか?少しぐらい良いではないか?』
『アルミよ…会長が言っていたが、社長の自覚が足りないぞ!』アルミは申し訳なさそうにしている。

No.144 07/06/18 03:02
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 143 『すまんすまん!私が聞いたのが悪かった。この話はここまでにしておこう!』ホイルのその言葉で終わりにした。

『そう言えば長谷川さん棺に書いていた文字だけどどこまでわかっているのかな?』アルミは長谷川に話し掛けた。

『あれですか?一応全体的に解読はできました。』
『ほう…全部解読できたのか!』ホイルは流石助教授だと思った。

『えぇ一応ですがあれが狼の墓である事と水の中に何かがあると言っているようで…そのある物が何なのかはまだわかっていません。それは明日また行ってからと言う事になりますが…それでこれが写した物です。』長谷川は一枚の紙をテーブルの上に出した。

『ねぇ…まだ食事中だしそれは後でも良いのではなくて?』リーシアが不機嫌そうに言った。

『そうだな!それは後でゆっくり見せてもらうよ。とりあえず食事を済まそう!』ホイルがそう言うと長谷川はその紙をしまい込んだ。アルミ達も黙ったまま食事をした。するとホイルから意外な質問があった。

『ところで神崎君は独身かな?』
『えっ私ですか?私は独身ですがそれが何か?』神崎は不思議そうな顔をした。ホイルはニッコリと笑った。

No.145 07/06/19 00:21
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 144 『いやね…家の娘も年頃だ。そろそろ結婚しても良いのではと思ってな。それで神崎君はどうかなって思って…』
『パパ何言っているのよ!私はまだ結婚なんてしないわよ!』リーシアは顔を赤らめながら慌てて言った。ホイルは大笑いしながら手を叩いた。その中長谷川だけ浮かない顔していた。アルミはそれに気付き声をかけた。

『長谷川さんどうしたんですか?』
『えっいえ別に何も…』今度は長谷川が顔を赤らめた。アルミは思った。もしかしたら長谷川はリーシアの事が好きなんではないだろうか?アルミはそう思いながら長谷川をしばらく見ていた。すると長谷川と目があった。

『アルミさんどうしたんですか?』
『いや別に何でもないよ!』アルミはそう言うとワインを飲んだ。

『おっアルミなかなかいける口だな?もう一杯どうだ?』ホイルはそう言ってグラスにワインを注いだ。

『叔父さんもどうですか?』
『おぉすまないな!』ホイルはかなりのワイン好きのようである。現にワインの瓶を1人で2本も空けている。たわいのない話しをしながら食事は終わった。ホイルはかなり酔っている。少しふらついていた。

No.146 07/06/19 01:31
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 145 ホイルが何かに躓きそうになるのをリーシアが支えた。

『皆すまぬ…私は飲み過ぎたようだ!お先に休ませてもらうよ』そう言ってリーシアに担がれ寝室に入って行った。しばらくしてリーシアが帰ってきた。

『ところで長谷川さん!棺の文字の事だが食事も済んだ事だし話して欲しいのだが?良いですか?』
『そうですね!良いですよ!』長谷川は先ほど出した紙をテーブルの上に広げた。元々の文字が書いてありその下には解読した文字が書いてあった。最初の方は狼が眠っている事が書いてありその後から水について書いてあった。

『私なりの解釈なんですが…この部分には【我が敵は地の底から這い出て我らの平穏を打ち破った】と書いてあるようです!?』
『地の底とはどういう事だ?』
『私も良くわからないのですが…』アルミは何かとてつもない事に触れてしまったのではないかと思った。

『それでその後はなんと書いてあるんだ?』
『はい!その後は【それを水により塞ぐ】と書いてあるみたいです!』
『と言う事はあの水は地底から出てくるのを防いでいると言う訳なんだな?』
『多分そうだと思いますね!』アルミ達は頭の中が混乱してきた。

No.147 07/06/20 03:09
アルミ† ( ♂ yXSV )

>> 146 アルミ達は話をそこまでにして明日に控え寝る事にした。客用の部屋に通され就寝した。アルミはなかなか眠れなかった。洞窟の事が気になっていたのだ。

『地底から何が出て来たのだろう…?』ベッドの中でそんな事を思っていた。《まさか怪獣とかじゃないよな?まさかな……。あの白銀色の狼が全ての鍵なんだろうか?しかし何故俺だけに見えているのだろうか?何かを伝えたいのだろうけど…》アルミはそう思いながらいつの間にか眠っていた。

チュンチュン
『アルミ起きろ!起きろアルミ!いつまで寝ているんだ…』
『ん?あっおはよう!朝っぱらからわいのわいの言うなよ…まだ7時じゃないか…たまの休みぐらいゆっくり寝かしてくれよ!』アルミはぐしゃぐしゃになった髪をかき分けながら起こしに来た神崎に言った。

『何を言っている生活の乱れは人をダメにする!つべこべ言わず起きろ!朝食の準備が出来ているから着替えたら下に来いよ!』
『お前は俺のお袋か!』小さな声でアルミは言った。

『何か言ったか?』『いえ何も…』神崎は地獄耳だなとアルミは思った。アルミはベッドから降り乱れた髪を直し服を着替え下に降りて行った。

No.148 07/06/22 12:33
アルミ‡ ( ♂ yXSV )

>> 147 『皆おはよう!』アルミは大きな欠伸をしながら挨拶をした。

『昨日は眠れなかったのか?目が赤いぞ!』ホイルがコーヒーを飲みながら言った。

『色々考えていたらなかなか寝れなくなって…でもいつの間にか寝てしまっていたようですが…』頭を掻きながらテーブル奥の席に腰掛けた。目の前には長谷川が日本食を1人だけ食べていた。

『あははは…お前も考える事があったか?』
『どういう意味だ!』神崎がからかうように言うとアルミは少しムッとして近くにあったサラダの上にあったプチトマトを投げつけた。神崎はパッと手でそれをキャッチした。

『おいおい食べ物を粗末にしたらダメじゃないか!』神崎は手に捕ったプチトマトを食べながらアルミに言った。するとアルミはちょうど握っていたフォーク投げた。神崎は後ろにのけぞるように避けた。

『アルミ危ないじゃないか!俺を殺す気か!?』
『何言っている!食べ物を粗末にするなと言ったのはお前の方だろ?』アルミはニッと笑った。神崎は悔しそうに軽くテーブルを叩いた。

『おいっ…食事中だ!静かに食べられないか?』ホイルの一言に皆は静まり返った。

No.149 07/06/22 17:53
アルミ‡ ( ♂ yXSV )

>> 148 しばらく静まりかえっていた。それを打ち破ったのはアルミだった。食堂に来てから気になっていた。

『ところで長谷川さんだけ何故日本食なんですか?』
『あっすみません…私は朝はご飯と味噌汁じゃないと落ち着かないのですよ…どうしてもパンとかだと食べた気になれなくて…』
『あははは!わかるわかる俺も朝はコーヒーじゃないとダメだな』アルミ達はそんな話をしながら朝食を終わらせた。その後談話室で雑談をしていた。

『アルミ、葉巻は吸うのかな?』いきなりホイルがそんな事を聞いてきた。

『普段は煙草ですがたまには吸いますけど…それが何か?』
『実はな…メキシコ産の良いのが有るのだけどどうかと思ってね…』
『良いですね!ならいただきたいですね!』
『わかった…リーシア!私の書斎にあるのを持って来てくれないか?』
『パパ…吸いすぎは良くなくってよ…』
『葉巻は煙草とは違うから良いのだよ…』
『仕方ないわね…ちょっと待ってて取ってくるから…』そう言ってリーシアは書斎に向かった。しばらくして木箱を持って降りて来た。

『これで良かったかしら?』
『それで良い!こっちに頼む…』リーシアはホイルに木箱を渡した。

No.150 07/07/05 18:07
アルミ‡ ( ♂ yXSV )

>> 149 木箱の中には高級そうな葉巻が並んでいた。ホイルは1本取るとカッターで先を切り火をつけた。煙が辺りに広がった。甘い香りが広がる。

『うむ、メキシコ産の葉巻は美味しい!アルミお前もどうだ?』アルミは受け取るとホイルと同じようにして火をつけた。

『叔父さんちょっと気になっていたのだけど…葉巻でメキシコ産ってあるの?これってキューバ産じゃないかな?箱にも書いてあるし!』ホイルは驚いた顔をした。

『あ、あっそうだなキューバ産だった…な!』ホイルは気まずそうな顔をしていた。アルミはそれを見てマズい事を言ってしまったと思った。

『それにしてもなんとも言えないですね!』
『おお、そうだな!この香りがなんとも言えないな!』とっさに言ったが少しは誤魔化せたかな?リーシアがクスクス笑っていた。アルミはチラリと見て舌を出した。

『さてそろそろ洞窟の方に行きましょうか?』
『そうだな!早速準備して出かけよう!皆準備してくれ!』皆はホイルの言葉を聞いて頷き準備にかかった。玄関前に集まると車に乗り込んだ。しかし何か気になって仕方ない。何か物足りないのだ。車の中を見渡してそれがわかった。1人乗っていなかったのだった。

  • << 151 そう肝心な人、長谷川がいなかったのだ。すると玄関から髪を乱しながら長谷川が走ってきた。車の近くに来たとたん何かに躓いて転んだ。持っていたカバンなどがそこら一面に散らばった。それを見ていたアルミ達は笑った。神崎については呆れ顔だった。 『長谷川君大丈夫か?』心配して言っているホイルも下向きに笑っていた。 『あっすみません!すぐ乗りますから…』長谷川は散らばった物をカバンに詰め込み車に乗り込んだ。 『本当にすみません。昔からそそっかしいもので…小さな頃は体中傷だらけでした』長谷川は下を向きもじもじしながら言っている。 『さぁ行くぞ!』ホイルはそう言うと車を走らせた。洞窟への道はいつもと変わらず静かだった。 『あれ…?あそこに誰かいますよ!』長谷川が何かに気が付きそう言った。アルミ達が見るとそこには黒服の男が歩いていた。 『あれはガイじゃないか!車を止めて下さい!』アルミはホイルに言うと車を止めた。ガイもこちらに気づき立ち止まった。 『ガイ久しぶりだな!』 『おぉ誰かと思えばアルミではないか!お前も来ていたのか?』
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