…君色…
あなたと出会ったのは
桜が舞い散る今の季節…。
この時期になると あなたを思い出すよ。
私達 それぞれの人生 歩んでるね。
もう会う事もない。
たまに思い出すのは出会った頃のあなたと、 あなたの家の電話番号…。
楽しい思い出…。
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今から16年前に 初めてあなたを見つけたよ。
…あなたと私…。共に高校生になったばかり。
中学の卒業アルバム、あなたの笑顔に一目惚れしたよ。
そんなあなたと恋人同士になるなんて。
奇跡にも私の友人とあなたの友人が同じ高校だったんだよね。
初めてあなたと会ったのは…友人宅だったね。
あなたは遅刻してきたね。
一生懸命 自転車こいで…その姿も大好きだったよ。
少し無口なあなた。私の方がお喋りだから ちょうどよかったよね。
あなたとあなたの自転車で近くの公園に行ったね。
私はブランコに座り…あなたは自転車にうなだれる。
たわいもない話したね。
少し話て 友人宅へ戻ったら 自転車を中々 止めようとしないあなた…。
どうしたの?
……あっ あのっ よかったら俺と付き合ってくれない?。
~ほんと?~私でいいの?
…うん…。
ありがとう。
幸せだったよ。
でも…二度とその言葉を聞く事はなかったね。
>> 12
バイト先の先輩が、私に言ってきた。
『ねぇねぇ、あの二人のうちどっちが好き?私は光君が好き。』
そう言われて、私は咄嗟に『良君の方かな』
…ほんとは光の方が好きになりかけてた。 先輩に嫌われたくない一心で 嘘をついた。
それから、先輩は私と良を付き合わせようとした。
わざと 私だけバイトの日に二人を連れてきて 光といちゃついたり…。
私は 嫉妬した。
そんな私に良は優しくした。
この人と付き合っても別にいいかぁ。
軽い気持ちで付き合い出した。
良は私を好きになってくれた。
原付きに私の名前を入れた。
左腕に私の名前を彫った。
私は罪悪感でいっぱいになった。
ほんとは軽い気持ちで付き合い出したのに…。
これ以上 良の事 受け止めれない。
そう思った私は、彼に別れを告げた。
彼は泣いていた。
私の心の中に まだあの人がいた。
良と付き合ってる時も 時間を作って会いに行ってた。
あなたを忘れられない。
やっぱりあなたが好き。
>> 13
良との事で、益々 私はあなたへの思いが強くなった。
あなたは 普通に会ってくれた。
前と何も変わらなかった。
あなたの気持ちが分からなかった。
それでも あなたの傍に居たかった。
そんな時、光が私にアプローチしてきた。
これは あなたを忘れられる最後のチャンスかもしれない…。
光の事は嫌いじゃなかった。
もうあなたから解放されたい。
私は光の彼女になった。
光は 人気があったらしく 光を好きな子が私を見に よくバイト先まで来ていた。
何だか気持ちがよかった。
光は私の事 愛してくれた。
…でも、やっぱり…心の中にあなたがいた。
光に隠れて あなたに会いに行った。
あなたは変わりなく私と会った。
片思いでもいい。
あなたが好き。
あなたを好きな自分も好き。
光にばれた…。
- << 16 光は急いでバイト先までやってきて 『それでもいい』って言った。 私は無理だった…。 光をどれだけ考えさせ傷付けたかわからない。 もう…無理…。 私は、やっぱりあの人が忘れられない。 光からきつく抱きしめられた。 愛の言葉を沢山並べられた。 殆ど 悲鳴にも似た声だった。 周りの目も気にせずに、抱きしめられた私は、その腕の中からスルッと抜け出した。 良を傷付け、その友達である光も傷付けた。 私は最低最悪の人間だ。 …そんな時でも、あなたに会いたい。 声が聞きたい。 …そう思った。
>> 14
良との事で、益々 私はあなたへの思いが強くなった。
あなたは 普通に会ってくれた。
前と何も変わらなかった。
あなたの気持ちが分か…
光は急いでバイト先までやってきて 『それでもいい』って言った。
私は無理だった…。
光をどれだけ考えさせ傷付けたかわからない。
もう…無理…。
私は、やっぱりあの人が忘れられない。
光からきつく抱きしめられた。
愛の言葉を沢山並べられた。
殆ど 悲鳴にも似た声だった。
周りの目も気にせずに、抱きしめられた私は、その腕の中からスルッと抜け出した。
良を傷付け、その友達である光も傷付けた。
私は最低最悪の人間だ。
…そんな時でも、あなたに会いたい。
声が聞きたい。
…そう思った。
>> 23
…今日は みんなで集まる日。
私には関係なかった。
聡美がしつこく言ってくる。
『今日一緒に行こう!あいつ来ないらしいからさ』
あんまり乗り気じゃなかったケドあの人が来ないなら。
会場に到着。
見慣れた人達。
あっ、康司がいた。
そう言えば 康司も来てるんだ。
私はすっかり忘れていた。
康司は笑顔で私の方に寄って来て『また会えたね。待ってたよ』そう言った。
それから康司は 帰るまで 私の隣から離れなかった。
私は康司に心を許し始めていた。
私の方が二つ年上なのに、康司は私よりしっかりしていた。
帰る時 今度は私の連絡先を聞いてきた。
私は迷う事なく教えた。
この時の康司は メモするものは何も持ってなく 頭の中に必死に叩き込んでいたケド 電話番号の一桁を間違ってて 結局 また連絡が取れないんだけど…。
>> 26
やがて 私は康司と付き合っていた。
康司と付き合う事で私は 初めて 愛される喜びを知った。
今までの恋愛…。
それは ほんとに幼稚な恋愛だった。
相手にされなくてもいい。 あの人を好きな自分が好きだった。
典型的な自己満足な一人ヨガリの恋愛。
康司と毎日会った。
康司の家まで原チャリで行って。
…ある夜 康司が 泊まりに来いと言ってきた。
親の目を盗んで…。康司が先に玄関に入り 私は 音を立てない様に 康司の部屋に入り込み すぐに押し入りの上の方に隠れ 布団を被った。
その間に 康司がお風呂を済ませる。
康司がお風呂に行ったのと入れ違いに 康司のお母さんが部屋にやって来た。
私は心臓が跳び出しそうなくらいドキドキした。 このドキドキが静まりかえった部屋に響くんじゃないかと思うくらい。
押し入れの隙間から光が漏れていて、康司のお母さんが行ったり来たりする度に光が動いた。
そして、康司のお母さんは『あらっ?おかしいわね…』と言いながら 押し入れの方へ手を差し出した。
…やばい…。
>> 27
…もうダメだ。
そう思った瞬間、何故か 康司のお母さんは手を止め 部屋を後にした。
私は胸を撫で下ろした。
康司がお風呂から上がってきた。
よかった。
それから寝るまで ヒソヒソ話をした。
康司は温かかった。
次の日の朝。 幸いにも 康司の家族は出かけていた。
私達は嬉しかった。
私の中で完全にあの人を忘れてた半年間だった。
いつもの様に原チャリで康司へ会いに行く途中、信号待ちの向かい側に 見た事ある人を発見。
むこうから近寄って来た。
『よぅ。久しぶり』それは、光だった。友達とニケツで ニコニコしながら話かけてきた。
私も普通に話ていた。
2、3分話した後 光とは別れ 康司の家へ急いだ。
>> 28
康司は 幼い頃 交通事故に遭い 今でも その後遺症に悩まされていた。
突然 気を失う事があるらしく 将来は車の免許も取得する事も出来ないらしい。
もちろん 原チャリの免許も取れない為、会いに行くのは いつも私の方からだった。
そんな中 私は卒業を間近にして車の免許を取得した。
これで 行動範囲が広くなる。
康司を乗せて何処へも行ける。
そう思った。
…でも 康司を乗せる事は一度もなかった。
…春休みに入り 私は就職も決まっていた為 3学期は ほとんど 遊びまくっていた。
友達の 朋子に誘われ 朋子の家へ遊びに行く事になった。
朋子の家までは高速バスで一時間。 かなり遠い。
バス停で降りる。
朋子が迎えに来てくれていた。
朋子の後ろに 知らない男の人がいた。
彼の名は『啓一』。
軽く会釈をして いったん別れる。
朋子の家で一休み。
彼は朋子の幼なじみらしい。
…へぇ。 そんなノリだった。
>> 29
夕方になり朋子と二人 食事に行った。
私達には、かなり贅沢な ステーキだった。
ステーキハウスへ二人っきりで行く。
学生の分際で すごい贅沢。
それは、朋子は社長令嬢だったから。
そのまま 昼会った啓一と一緒に 朝まで遊んだ。
啓一はすでに運転免許を取得して自分の車も持っていた。
ステーキハウスの前まで迎えに来ていた。
途中 啓一の友達を一人迎えに行った。
四人で夜の砂浜へ行ったり カラオケ行ったりした。
帰りは朝方だったから 啓一の友達一人を送り 私達は啓一の家に泊まった。
部屋に入り少し眠かったから横になってると 啓一と朋子は私が寝たと思い 二人で話始めた。
最初はたわいもない昔の思い出話。
その後、私の事を話始めた。
朋子『今日、会えてよかった?』
啓一『ほんとよかった。朋子サンキュー。』
朋子『起きたらほんとの事話したら?』私『なになに?』←心の叫び。
啓一『話したいケド彼氏がいるから何だか言えない』
朋子『私から言ってあげよっか?啓一は写真を見て一目惚れしたんだって!』
啓一『俺、言う時はきちんと自分で伝えるから』
ドキドキして 結局 一睡も出来ず…。
>> 30
2.3時間 横になって起き上がり とりあえず朋子の家に お風呂と着替えをしに帰った。
また啓一と会う約束をしていたから、私達は急いで支度をした。
その当時 ソバージュパーマが流行っていたので 私も いっちょ前にパーマをかけていた。
パーマがかかった髪の毛を整え 化粧をして それから また啓一の家に出かけた。
家に着くと そこには 啓一の友達らしき人達が 沢山集まっていた。 十数人はいたと思う。
六畳の部屋で みんな肩寄せ合って タバコをふかし 部屋は煙でいっぱいになっていた。
私は 啓一とちょうど向かい合わせのところに座った。
…すると 玄関のチャイムがなった。
…ピンポーン!
>> 31
啓一の母親が出て 2階にいる啓一を呼んだ。
啓一は 慌てて下に降りたが 一分もしない内に 2階に上がってきて 友達の一人とコソコソ話し、その後 二度と下へは降りて行かなかった。
代わりに 友達が対応していた。
その友達が2階に上がってきて啓一に言った。
『最後くらい会って来てやれよ。』
……?……。
何故 最後なんだろう? 私は全く意味がわからなかった。
啓一は一言、『もう関係ないから』。
そう言った。
私は思いきって 啓一に聞いてみた。
『最後って?』
すると啓一は『俺、就職が県外に決まってんだ』
…な・る・ほ・ど…!!
私はピンときた。
さっき来たのは 啓一の元カノ、啓一に別れを言いにきたんだ!
って言うか 啓一って県外行っちゃうんだ。
何だか 場が盛り下がる。
啓一の友達は 一人、また一人 帰って、結局また啓一と朋子と私の三人だけになった。
>> 34
毎日毎日 私は私なりに尽くした、つもりだった。
しかし そんな時だった。いつものように 病室へ行くと、何だか 朝から機嫌が悪い。
私に対して いちいちケチをつけてくる。
私はそんな事気にしないで普通の会話をしだす。
康司『今日も一日つまらねぇなぁ』
私 『…そんな事ないよ。外に散歩行ってみる?』
そうして 私達は表口まで二人で行き康司はタバコを蒸してみた。
ふぅ。康司がタバコをふかす。
私は康司に甘えるつもりで 『康司、早く退院できるといいね。私寂しいよ』そう言った。
その時…康司は血相を変え『俺だって好きで入院してんじゃねーよ、それくらいわからねーのかよ』
すごく大きな罵声が響いた、と同時に 目の前にある灰皿を思い切り蹴飛ばし 彼は去って行った。
>> 38
付き合おう。なんて言われなかった。
でも啓一に言わせると あの晩から私達は恋人同士になっていたらしい。
私の中で啓一の存在が大きくなって行く。
啓一は毎日 電話をくれた。 私は嬉しかった。
楽しい日々もあと二週間となった。
啓一は就職が県外に決まっていた事をうっかり忘れかけていた。
そして啓一の旅立ちの日…。
沢山の人達が啓一を空港まで送りに来ていた。
女性も何人かいた。朋子もいた。
啓一と二人きりでゆっくり話も出来ないまま 時間になった。
啓一が 来てくれた人、一人一人に 一言ずつ 声をかけていた。
…最後 私の番…。
啓一が私の体を引き寄せ みんなから少し離れる。
そして こう言った。
『お前の事を1番愛してる』
『ほんと?』
嬉しさと悲しさとで涙が止まらなかった。
その後 啓一は旅立って行った。
こうして 私達の遠距離恋愛が始まった。
>> 40
私はポケベルを持つ様にした。
これで二人の距離は近付くはずだった。
…でもポケベルは鳴らない日が多く、逆に寂しくなってきていた。
やっと繋がった電話も『仕事が忙しい』『先輩達と飲みに行ってた』…そんなのばかり。
私は決心した。
そうだ!啓一に会いに行こう!
私から会いに行けばいいんだ。
早速 航空チケットの手配をした。
それから出発の日。
私は胸が高鳴った。
もうすぐ会える。
啓一のいる町、到着。
ここで感激の再開の予定だった。 …が、啓一は迎えには来なかった。
もちろん、すぐ寮に電話した。
繋がらなかった。
何度も何度も電話した。
…やっぱり繋がらなかった。
啓一に会えないと泊まり所もなかった。
泊まる所は啓一が用意してくれるばずだったから。
悲しくなった。虚しくなった。
自分が惨めになった。
私は最終便でそのまま家に帰った。
>> 41
ポケベルの電源を切った。
涙が止まらなかった。
家に帰っても 暫く 頭の中が真っ白だった。
…そんな時 家の電話が鳴った。
母が出た。
私に取り次いだ。
きっと啓一だろう…。
そう思った。
『もしもし』
『あっ、俺、謙一』『…』
それは懐かしい声だった。
もう二度と好きになるまい!と決めていた あの人の声。
私は あの人の声を聞いて 今まで 押さえてた涙が 出てしまった。
あの人は少し戸惑いながらも ずっと電話を切らずにいてくれた。
私は またあの人に対して 勘違いをしようとしていた。
今 思う、あの人は何故 私の中に 入って来てたんだろう?
私をどうしたかったんだろう?
…でもあの頃は単純に あの人からの電話が嬉しかった。
あの人と遊ぶ約束をして電話を切った。
>> 42
私の心は 晴れていた。 啓一の事での悲しさよりも あの人と会える嬉しさの方が 強かった。
単純な女…。
啓一からは あれから なんと三日後に電話があったが、もうどうでもよかった。
仕事の都合上 会えなかった。と、啓一は言った。
色々 突っ込みたかったケド もうやめた。 あっさり啓一を許した。
そんな事よりも私はあの人に会える喜びに溢れていたから。
- << 47 今日 あの人に会える。 仕事が手につかない。 よし!仕事は終わった。 急いで家に帰る。 会うまでに少し時間がある。 …私は風呂に入って汗を流した。 私の中での決まり事で 夜 人と会う時は必ず お風呂に入ってから出かけた。 汗の臭いがするから。 さぁ出発。 あの人との待ち合わせ場所に到着。 私の方が先に着いてしまった。 暫く待つ。 あの人が来た。 …あれっ?歩き? じゃぁ 私の運転かぁ。 まぁいっか! あの人を助手席に乗せ出発した。 めちゃくちゃ緊張してるケド 何もないようなフリをした。 ドキドキが止まらない。 そうして 車を走らす事20分 ようやく 目的地の居酒屋に到着した。 あの人と居酒屋に来るなんて初めてだった。 焼鳥を頼んだのは覚えてるケド あとは 何を食べたか忘れました。 そろそろ帰る頃…。 スゥっと席を立ち あの人が 精算している。 その姿さえも かっこよく映った。 帰り際 レジでガムを受け取る時に 店員さんが言った一言、今でも耳に焼き付いています。 『お似合いのカップルですね』
>> 43
私の心は 晴れていた。 啓一の事での悲しさよりも あの人と会える嬉しさの方が 強かった。
単純な女…。
啓一からは あれから なんと三日…
今日 あの人に会える。 仕事が手につかない。
よし!仕事は終わった。
急いで家に帰る。
会うまでに少し時間がある。
…私は風呂に入って汗を流した。
私の中での決まり事で 夜 人と会う時は必ず お風呂に入ってから出かけた。
汗の臭いがするから。
さぁ出発。
あの人との待ち合わせ場所に到着。
私の方が先に着いてしまった。
暫く待つ。
あの人が来た。
…あれっ?歩き?
じゃぁ 私の運転かぁ。
まぁいっか!
あの人を助手席に乗せ出発した。
めちゃくちゃ緊張してるケド 何もないようなフリをした。
ドキドキが止まらない。
そうして 車を走らす事20分 ようやく 目的地の居酒屋に到着した。
あの人と居酒屋に来るなんて初めてだった。
焼鳥を頼んだのは覚えてるケド あとは 何を食べたか忘れました。
そろそろ帰る頃…。
スゥっと席を立ち あの人が 精算している。 その姿さえも かっこよく映った。
帰り際 レジでガムを受け取る時に 店員さんが言った一言、今でも耳に焼き付いています。
『お似合いのカップルですね』
>> 47
私は 本気で照れた。 あの人もケラケラ笑っていた。
まさに…気分は恋人同士だった。
さぁ これからどこへ行こうか?
あてもなく車を走らせ そうしている内に あの人の家の前まで来てしまった。
まだ一緒に居たかった…ケド 今日はおとなしく帰るか。
そう思った時 あの人が『運転変わろう』って言って来た。(この時、私は自分の車を購入していた)
私は嬉しくて 二つ返事で変わった。
あの人が私の車を運転している。
それだけでも嬉しい。
そして向かった先は…ラブホだった。
私は正直 驚いた。
ハッキリ言ってあの人とは Kissもした事がないプラトニックloveだったから…。
慣れた手つきであの人は 入って行く。
後に続いた。
部屋に着いた。
ドキドキ絶頂。
あの人はベットの上に寝そべってテレビを付けた。
私は 緊張のあまり『シャワー浴びてくるね』そう言った。
シャワーを浴び 来てきた洋服をきた。
勇気を出して シャワールームを出た。
>> 48
あれれ?
…ね、寝てる??
なんだもぉ、自分一人緊張して 何やってるんだろう。
きっと眠かったんだろう。
そう思った私は あの人の横に 少しくっつく様にして 寝た。
その時…。
『起きてるよ』
そう言って あの人は笑いながら 私の鼻を軽くつまんだ。
そして その右手は そのまま私の胸まで行った。
遠慮しがちに 胸に手を置く程度だった。
その手に力が入りそうな時
…私のバックに入れてたポケベルが鳴り響いた。
ブーブーブー。
一瞬 止まったが 私も あの人もポケベルを無視した。
しかし ポケベルは しつこい位 一分置き位に鳴った。
もう こんな時に 一体誰?
ポケベルの画面をみた。
…啓一からだった。
心臓が一瞬 止まりそうだった。
>> 50
あの人に別れを告げ急いで 公衆電話に走った。
『もしもし』
『連絡遅い、何しとったん?』
『ごめん、友達と一緒だった』
『お前、聞いて驚くなよ、俺、今度 そっちに帰って来るから』
『…』正直 あんまり嬉しくなかった。『おい、聞いてんのか?』
『うん聞いてる。』『絶対空港まで迎えに来いよ!』
『うん』
そう言って電話を切った。
私は 何故か嬉しくなかった。
何か理由をつけて すっぽかすかな、なんて考えてしまった。
私の心が またあの人へ向かい始めていた。
あの人と あの夜以来 私はまた 勘違いし始めていた。
…そして啓一が帰って来る日。
空港まで迎えに行った。
啓一の姉とその彼氏も迎えに来ていた。
その後 姉の家に行く途中 ショッピングをした。
宝石を見ていた啓一は 私に ゴールドの指輪を買ってくれ、と 駄々をこねた。
その金額…なんと六万円。
自分が一万だすからあとは出してくれと言った。
私は嫌だったが 仕方なく 五万円支払った。
もう帰りたかった私は 今から仕事に行くから、と伝え 一人 先に帰った。
その後 啓一は一週間 滞在したが一度も会う事もなく 見送りに行く事もなく帰って行った。
- << 54 啓一への想いが 薄れて行く。 啓一からの電話も減っていった。 ポケベルも 鳴らなくなってきた。 私の方からもあんまり電話はしなくなっていた。 そんな時でも あの人とは普通に電話で話したり 会ったりしていた。 あの人が言う。 『電話もしてもいいし、会ったりするのも全然構わないから。』 私は それでも幸せだった。 傍に居れるだけでよかった。 もう啓一と終わりにしよう。 啓一に電話した。 こんな時は寮にいるんだ。 一回で繋がった。 『もしもし、私』 『うん、どした?』『話があって電話した』 『…なに?』 『ごめん、私達、別れよう』 『…は…?何で?』『もう無理、やってけない…私、好きな人ができた』 『マジで?…』 電話越しに 啜り泣く声がした。 『俺、お前の事めちゃくちゃ好きだった。女に振られたのお前が初めてやん』 …そう言った。 何故 もっと早く 好きって事を言ってくれなかったんだろう? もし 早く聞いてたら何かが変わったかもしれない。 変わらなかったかもしれない。 ただ言えるのは 報われない、あの人への愛が 一層 強くなっただけだった。
>> 51
あの人に別れを告げ急いで 公衆電話に走った。
『もしもし』
『連絡遅い、何しとったん?』
『ごめん、友達と一緒だった』
『お前、聞いて驚く…
啓一への想いが 薄れて行く。
啓一からの電話も減っていった。
ポケベルも 鳴らなくなってきた。
私の方からもあんまり電話はしなくなっていた。
そんな時でも あの人とは普通に電話で話したり 会ったりしていた。
あの人が言う。
『電話もしてもいいし、会ったりするのも全然構わないから。』
私は それでも幸せだった。
傍に居れるだけでよかった。
もう啓一と終わりにしよう。
啓一に電話した。
こんな時は寮にいるんだ。
一回で繋がった。
『もしもし、私』
『うん、どした?』『話があって電話した』
『…なに?』
『ごめん、私達、別れよう』
『…は…?何で?』『もう無理、やってけない…私、好きな人ができた』
『マジで?…』
電話越しに 啜り泣く声がした。
『俺、お前の事めちゃくちゃ好きだった。女に振られたのお前が初めてやん』
…そう言った。
何故 もっと早く 好きって事を言ってくれなかったんだろう?
もし 早く聞いてたら何かが変わったかもしれない。
変わらなかったかもしれない。
ただ言えるのは 報われない、あの人への愛が 一層 強くなっただけだった。
>> 54
私は思いっきりあの人を愛した。
何度も部屋に遊びに行った。
あの人の一つ年上のお姉さんと よく顔を合わせる事があったが その度に『いらっしゃい』と笑顔で迎えてくれた。
私はもう気分は彼女。
ほんとに私は勘違い女王!
あの人に思いきって告白しよう。
絶対OK貰える。
そう思って告白した。
『私、あなたが好き。私じゃあなたの彼女にはなれないかな?』
あの人は優しい顔で『うーん…付き合うのはやめとこう』
そう言った。
まただ…。
訳が分からない。
じゃあ何故突き放す事もしないんだろう?
この状況が苦しかった。
それでも あの人を失いたくなかったから 我慢した。
いつかきっと必要としてくれる、そう信じた。
そんな時 懐かしい人から電話がきた。
>> 55
光だった。
私は よく別れた人から 後に連絡が入って来る。
久しぶりの光の声。
『元気してた?』
『うん。』
『今、付き合ってる奴いる?』
『今はいないケド…。好きな人はいる』そう伝えた。
光は変わらない口調で 『今度遊ぼう。』 …そう言った。
どうでもよかったから 適当に返事をした。
その数日後、ほんとに光は会いに来た。
光の笑顔は すごく眩しくて 一瞬 ドキっとした。
一緒に夜のドライブに行った。
光の運転。
それが嬉しかった。
あの人と会う時は いつも私の運転。
迎えに行って、そのまま出かけるから…。
会いに行くのも私ばっかり。
だから助手席に憧れていた。
新鮮だった。
光が かっこよく見えた。
あの人に対して 私は弱かったが光には沢山わがままが言えた。
その心地よさを覚えてきた。
あの人を愛しても この先 どうにもならない、もし あの人に好きな人ができれば 私は 消えなければならない。
光が現れたのは もしかして あの人を忘れる 最後のチャンスかもしれない。
…そう考えるようになってきた。
>> 56
あの人と 別に付き合ってる訳じゃないから 別れを告げる必要はない。
光は 付き合おう。なんて言って来なかったが、いつの間にか 恋人になっていた。
光は 専門学校に通っていた。
私は社会人一年生。
ある日 仕事中 突然 胃の辺りに違和感を感じた。
一週間 続いた。
まさか…妊娠?
そういえば生理も遅れてる…。
とりあえず光に伝えなくては…。
光に思い切って伝えた。
『私、妊娠してるかもしれない』
『マジで?』 少し困ったような顔をしていた。
『ごめん、堕ろして』
この男 最低!
私は 光と別れる事を胸に決めた。
数日後 光が着いて来るからと言い、産婦人科へ行った。
光は 車の中で待機していた。
私は診察した。
妊娠してなかった…。
でも光には気持ちがなかった。
車に戻って 妊娠してない事を言った時の嬉しそうな顔が 何だかムカついて 思わず、『車から降りて、さっさと降りろ』そう言って 光を引きずり降ろした。
光もムカついたみたいで 怒りならが車から降りた。
それ以来 光とは別れました。
>> 57
そんな時だった。
女友達四人で夜のドライブに行った。
私の車で行った。
タバコをふかしながら その当日 少しヤンチャだった。
車も 女ながらに少々 手を加えていて 結構 目立っていた。
夜の海岸に行き 四人ではしゃいだ。
結構 人がいた。
花火をしてる人もいた。
そろそろ帰るか。なんて言いながら車に乗り込んだ。
海岸を出て町までは一本道。
そんな時、後ろからベっタリと車が着いて来ていた。
最初は気にしてなかったが その車は 運転席の方へ回って来て 『俺らと遊ばない?』そう言った。
よくみると前後左右四代の車で囲まれていた。
隣に乗っていた早智子が 『絶対止まったらダメ! 止まったら絶対あいつらにやられる』そう言った。
私は必死に運転した。
そのうち早智子が運転を代わって。自分の方が道に詳しいから…。そう言った。
私はブレーキをかけすぐ早智子と運転を代わった。
その交代が 悪夢へと変わる…。
>> 58
早智子に代わった瞬間から早智子はどんどんスピードを上げて行った。
そのスピードはますますあがり…私達三人は 追われる恐怖よりも スピードの出し過ぎの方に恐怖を感じ出してきた。
私は早智子に言った『もう、いいんじゃない?』
早智子が言った。『まだまだ!』
…と、その時…目の前に右カーブ!
早智子はカーブが見えてなかったらしく慌ててハンドルをきった。(時速80キロは出ていたと後での現場検証で警察に言われた)
慌ててハンドルきりすぎた車は5.6回 横に周り電柱に正面からぶつかり ようやく止まった。 ボンネットから シューっという音と共に煙が出ていた。
私はシートベルトをしていたが 激しく車の中で体中打ち付け自力で車から降りる事も出来なかった。
後ろに乗っていた一人は ガラスが割れ そこから 飛び出し 車の中にはいなかった。 もう一人の友達は 天井が落ちて頭を怪我していた。運転していた早智子は 割と 軽傷だった。
そんな状況の中 追ってきていた男達はすぐに私達の所に来て 事故の状況を作りあげていた。
自分達が追ってきて私達が事故った事を言われたらまずいと思ったんだろう。
>> 59 男達の中の一人が 警察と消防に電話した。私はようやく 車から這い出した。アスファルトにそのまま 倒れ込んだ。その時早智子が私に言った『私が運転してた事、内緒にしてくれる?車の持ち主はあんただからあんたの運転だった事にして』そう言った。私は気が動転していて 返事すら出来なかった。そうしてる間に救急車が来た。三人共 先に救急車に乗った。私一人 担架で縛られた。ピーポーと言うサイレンの音と共に病院に搬送された。それぞれに治療をする。その間に自宅へ連絡が入る。父も母もきっと驚くだろう。泣くだろう。治療が終わった。両親が到着していた。『大丈夫か?』父が言った。『うん』この時、父も母も私が運転していたものだと思い込み 三人の両親に謝り続けていた。両親が小さくなっていた。休む間もなく次は警察からの事情聴取。私は嘘をついた。私が運転していたと言ってしまった。事故の状況も車で追って来ていた男達が言ったように嘘の供述をした。この時早智子は私達三人に対し脅しともとれる発言をしていた。『私のバックには〇〇〇がついてるんだからね。だからあたしの言ったようにしてよね』(〇は怖いお兄さんの事です。)
>> 60
私は人生最大の嘘をついてしまった。
最後に治療してた早智子が首に鞭打ち用のギブスをして出て来た。
横には しっかり怖いお兄さんがついていた。
そして そのお兄さんが私に向かって『早智子は入院させてもらいますから』そう言った。
やっぱり私一人が悪者。
はっきり言って早智子は1番の軽傷。入院の必要なんてないのに…、なんて思っていた。
いつ、ほんとの事を言おうか ずっと頭の中が混乱していた。
とりあえず家に帰った。
まだ陽も昇っていない。
私はずっと葛藤した。
1番仲のよかった真由に電話した。
『やっぱりほんとの事話しようと思ってる』と伝えようと思ったが 真由の両親は やっぱり私が運転手だと思ってて 電話も取り次いでもらえなかった。
両親は慌ただしく朝から保険やら病院やら対応していたので私はついに姉にほんとの事を言った。
姉は慌てて 両親に伝えた。
それから私達四人はそれぞれまた警察署で聴取をとられ、嘘の供述をした私には『犯人隠匿罪』←(漢字があってるかわからない)が課せられ、保護監がつきました。
私は事故当日より 約 二週間入院しました。
>> 61
入院中の私は 毎日 点滴。食欲もなく、その頃は携帯もなく…。
母は仕事を休んで毎日 私のベットの横で 編み物をしたり 本を読んだりして、寝る時以外はずっと傍にいてくれました。
父も毎日 仕事の帰りにお見舞いに来てくれました。
事故をおこした事に対して 怒られる事はなく 『生きててくれただけでいい』そう言われた時には涙が溢れました。
入院中に何故か光がお見舞いに来ました。
何回かきました。
普通に話 普通に別れ それ以上はなにもなく。
普通の友達、そんな感じでした。
何故だか、あの人には 入院してる事が伝えられませんでした。
事故って入院…きっと軽蔑されるだろうなって思ったから。あの人には 良い所だけ見せておきたかったんだと思います。
そんな時 珍しく あの人からポケベルにメッセージが入る。
あの人への電話は多い時で一日一回、少ない時でも三日に一回はしてたので、電話がない事を不思議に思ったんだろう。
メッセージにはあの人の電話番号が…。
とりあえず 病院の公衆電話から電話をした。
>> 62
『もしもし、私…。』
『最近、電話ないやん?』
『あっ…うん』
『どうしたん?』
『…』
『なんかあったん?』
『…私、事故っちゃって、今入院してる』
『はぁ?なんでもっと早く言わんの?』『言えんかった、もう明後日には退院するから』
『大丈夫?退院したら会いに行くから、すぐ電話して!』
あー、また得意の勘違いが始まりました。
私は浮かれた。
入院生活 残りわずか…。
退院が待ち通しい。
浮かれながら自分の病室に帰ると、そこには 見慣れない人が居た。
誰だろう…。
あっ早智子のお母さんだ。
深々と私に頭を下げ手土産をおいた。
私の容態を一通り聞くと お大事にと言って帰って行きました。
さぁいよいよ退院の日。
この事故で失ったもの…三年ローンで買って まだ一度も支払ってなかった車と二人の友達。(真由とは今でも付き合ってます)
…これが 私達がおこした事故の代償…。
久しぶりの我が家に到着。
とりあえず 寝た。
そして夕方になり、あの人に電話した。
あの人は携帯を持っていたから いつでも電話だけは繋がった。
仕事帰りに家に来る、って私の家なんてどこにあるか知ってるのかなぁ?
>> 63 あの人は約束の時間にやってきた。すぐに家からあの人の待つ玄関先に走って行った。初めてのるあの人の車。助手席。久しぶりにあの人の香水の匂い。私の家がよく分かったねと言ったら、家には何回か来てた。と言った。私の頭の中???一時間程ドライブして また家まで送り届けてくれた。もちろんまた会う約束をして…。私の心はやはりあの人を求めている。家に帰った私を父も母も心配していた。早智子と怖いお兄さんが私を呼び出したんだと思ったらしい。黙って出かけた私が悪かった。二、三日休んだら いよいよ仕事復帰。それからは 相変わらずあの人とは連絡とったりしてました。あの人とあの人の友達と私と私の友達 四人で 最初で最後、一回きりのカラオケにも行きました。私は十八番の『TOMORROW』を歌いました。上手いねって言ってくれた横顔…。大好きな横顔でした。仕事復帰して間もなく、先輩が私に一人の男性を紹介しました。あんまり乗り気ではなかったが先輩の手前もあったのと その時はすでに私の家の電話番号教えてるからと言われ、まぁ適当にやっておこう! そんな軽い気持ちでした。この男性が これからの私の人生を左右するとは…。
>> 64
早速 先輩が紹介した人から 家に電話が入った。
私はどうでもよかった。
今度 食事に行こう、と誘われた。
私は この男性の事を真剣に悩み始めていた。
なぜなら、私は あの人の事どうしようもないくらい大好きで大好きで。
でも あの人は 私の事 一人の友達としてしか見てくれず、今だにキスもなければ 体の関係なんて全くなかった。
気持ちが一方通行だった。 それに私の一人よがり…。
ただ愛されたい。ただそれだけ…。
今 このチャンスを掴まなければ、私はずっと あの人に心が依存してしまう、そう考える様になっていた。
あの人の気持ちがわからないまま 出会ってから四年目を迎えていた。
紹介された男性は私より八つも年上。
私は ただ誰かに愛されたかっただけなのかもしれない。
あの人を好きな気持ちは確かだったが これ以上 どうにもならない関係に私は疲れてしまっていた。
>> 65
八つ年上の男性、良樹と初めて食事に行った。やっぱり年上だけあって じゃんじゃんリードしてくれる。
お迎えから始まってレストランの予約 帰りはもちろん家まで送ってくれた。
私はお姫様気分だった。
私、二十歳の出来事。
それから 良樹と親密交際になるまでにはそう時間がかからなかった。
でも やっぱり あの人とも 普通に会っていた。
私は私の中で割り切った。
あの人は友達…、そう、友達……。
あの人は私が誰と付き合おうと 何も言わなかった。
今思えば関心が無かったんでしょう。
そんな付き合いが それから一年続いた。
良樹は 決して 二枚目では なかった。
付き合ってる事を会社の人には内緒にしていた。社内恋愛はわりと面倒臭い事が多いから。
そんな時 私は良樹にプロポーズされた。
>> 66
良樹のプロポーズを断る理由はなく あの人とも 友達以上の関係には発展するはずもなく…。
私は女として幸せになりたかった。
良樹の事は嫌いではなかった。
この人なら私を幸せにしてくれる、そう信じ プロポーズを受ける事を決めた。
あの人に 言いに行った。
『あの…話あるんだけど』
『なに?』
『私、結婚するんだ。』
『…そうなん?幸せになれよ』
…私は何故だか涙が止まらなかった。
あの人は びっくりするかな?悲しんでくれるかな? 結婚するなって言ってくれるかな?なんて 少しの期待を胸に抱いていたから…。
私は 馬鹿だ…。大馬鹿、それに あの人にとって私はただの遊び友達だったんだ。
そう確信に変わった。
一晩中泣いた。
一晩中泣いて 私の心から あの人を一生 消し去らなければ、私は不幸になる。
良樹と結婚しようとする私、心だけはあの人のものだった。
そうして 私は あの人との連絡を絶った。
私から連絡しなければ あの人から連絡なんてないから きっと終われる。
…それから 良樹との盛大な結婚式が終わり 私達は新婚生活に入った。
これから地獄の結婚生活の始まりとも知らず…。
私 22歳。
>> 67
良樹と結婚しても 仕事は続けていた。
そういえば、父だけは この結婚を反対していたが 最後は『お前が幸せになるなら』って 心から祝福してくれた。
私の父は六人兄弟の下から二番目。お兄ちゃん達が頑張って父だけは高校まで卒業させてくれたらしい。1番上の兄は二十歳前に病死。物凄く兄弟仲がいい。
…母は、金使いがあらく この後 何度も借金を繰り返す、この母親、良樹との結納金にまで手を出し花嫁道具一式 買ったのはいいが 支払いが出来なくて 結局 私は自分で五十万の支払いをした。母親は 私や姉の通帳から勝手にお金を引き出したりもしていた。
そんな母親が大嫌いで 早く この家から出たい!そういう気持ちもあったんだと思う。
私は結婚する事を簡単に考え過ぎていた。 結婚に憧れた、と言うか、結婚式に(ウエディングドレス)に憧れた。
…良樹との結婚生活で お金には不自由はしなかった。
ただ…愛情が無かった。
>> 68
良樹と結婚した事で私は社内異動をした。
そこで私は人生初のいじめにあう。
結婚してまだ一ヶ月。1番楽しいはずの毎日が苦痛でいっぱいだった。
異動先では また一から仕事を覚えなくてはならなくて 私の教育担当は一つ年下の子(美香)がついた。
私の覚えが悪かったのかもしれないが 随分 私は美香から詰られていた。
でも我慢した。
それが気に入らなかったらしく今度は二つ年上の(ゆか)が私に文句をつけてきた。 この ゆか、今まで彼氏が出来たことがなく私に一言『幸せそうな奴見るとムカつくんだよね』っと言ってきた。 ジャイコにそっくりだった為 私は陰で『ジャイコ』とあだ名を付けてやった。
このジャイコ くせ者で 私がする事なす事 すべてに文句をつけて来てはすぐ上司に言い付けた。『仕事が出来ない』とか『やる気がない』とか…。こんな事を言われてたら 給料なんてあがるはずもない。 ただこの上司は 私の旦那が同じ会社だと言う事だけで私自身に何も言ってこなかった。それがまたジャイコは気に入らないみたいだった。
>> 69
思い切って 良樹に相談した。
返ってきた返事は『そんなにグチグチ言うんだったらやめろ』でした。
私は仕事でストレスが溜まり家に帰っても 苛々して 夜中にチョコレート ラーメン 等 食べまくり…みるみる内に10㌔ 見るも無惨な姿に変わってしまいました。 それでも 自分が太ったなんて気付く事なく…。
良樹は 結婚してからと言うもの…私に優しさをくれませんでした。
決定的だったのは、私が職場で熱を出し車で帰るのが困難だった為 上司が気を利かせて 旦那を呼び 一緒に帰ったらと言ってくれた時は『はぁ?何しつるん?自分で帰れよ』そう言って怒鳴られました。私も意地で フラフラしながら一時間の道のりを運転して帰りました。
遅れる事10分、旦那も帰って来ました。 早速 病院に行こうと言ってくれたので私は 行く準備をしましたが『お前が運転しろ』そう言われた時は さすがの私もキレ『運転出来る訳ないじゃん、だったら行かない』『じゃあ歩いて行くぞ』 シブシブ歩いて行きました。
良樹は私に対して 物凄く厳しく そんな良樹に対して私は恐怖感を覚えるようになりました。
>> 70
私は結婚したら 早くに子供が欲しいと思ってましたが、良樹は 毎回『子供はいらない』そう言いました。
夫婦のすれ違い。
ある晩 私は衝撃的なものを見てしまったのです。
良樹とは夫婦の営みは滅多にありませんでした。
そんな時に 良樹はよく一人で他県まで出かけて行き DVDを買って来てました。
洋楽が何枚かあり その中には H系のDVDも二、三枚ありました。
そんな時 私は先に寝室で休んでいると急にトイレに行きたくなり隣の部屋を覗くとドアの隙間から光が漏れてました。
そぅーっと覗いて見て見ると はぁはぁ言いながら 自己処理する良樹の後ろ姿…。
私は そのまま寝室に引き返しました。
ひどい…私は妻なのに…。
セックスレス…。
良樹はますます横暴になってきました。
言葉で詰られ…。ケンカが絶えなくなりました。
最初は口喧嘩…次第にエスカレートしていき、暴力を受ける様になりました。
毎日の様に繰り広げられるケンカ。
隣には良樹の両親 姉妹がすんでいましたが 時には良樹の母親が 私の首を締めかかる息子をとめに入る事もありました。
>> 71
今で言うDV…。
泣きながら一時間半の道のりを車で運転し 親には心配かけまいと 必死に涙を拭いて 笑顔で 『ただいま、今日泊まりに来たよ』なんて明るく 振る舞った事が何度もありました。
ある時は 熱湯を頭からかけられ 火傷させられたり、毎回 力いっぱい 殴られたり蹴られたりするので体中 アオアザだらけになったり…そうとは知らず一人で温泉に行ったら 知らないおばさんに『体どうしたの?』なんて声かけられるし、骨折して病院にもかかりました。
そこまでして良樹と別れなかった理由は両親を悲しませたくない。ただその思いだけでした。
でも もう私の体も心も ボロボロになってました。
骨折した左手小指は未だに 痛む事があり 痛む度に あの頃の思い出が巡ってしまいます
>> 72 こうなった原因、私自身の結婚に対しての軽い考えも一つの原因だったと思う。毎日毎日繰り返される暴言、暴力。私はただ耐える事だけしか出来なかった。下にうずくまり体を丸めて耐えるしかなかった。反抗すればますますひどくなる。ある日いつもの様にケンカの最中、良樹が私に言った一言『お前を蹴ったり殴ったりしても俺はお前に対して何も思わないからな』…最悪。私は毎日 良樹の顔色をうかがいながら生活をした。少しでも気に入らない事があると また暴力を奮われる。ただ この良樹、一つだけ良い所があり自分の身内(父親、母親、姉、妹)には物凄く優しかった。妹からは『お兄ちゃんお兄ちゃん』って慕われていた。ある日は 姉から良樹に電話が入り 仕事場の駐車場でバッテリーがあがり車が動かなくなったからすぐ来て欲しい、と言われれば自分の用事は ほっといて有無を言わさず飛んで行ったのには私はびっくりしました。なぜなら 前に一度、私の車のタイヤがパンクした時 同じ様に良樹に電話したら『はぁ?何してる、近くのスタンドに電話して見てもらえ』そう冷たく言われたから…。私は良樹の何なんだろう…。この頃は ただの同居人になっていました。
- << 75 この頃の私には『離婚』と言うものは してはいけないもので、もし離婚したら周りの人達から軽蔑されるもの、だと思ってました。 何より両親が悲しむと…。 ただ勇気がなかったんだと思います。 いつまでも良い子でいたかったんだと思います。 幸いな事に、それから 半年間、良樹とは 仕事のローテーションが変わり一緒にいる時間が少なくなりました。 私は心身共にリラックスしてました。 ある日 仕事の帰りに 1番仲良くしてた理子に 思い切って相談しました。 理子は驚いていました。 八つも年上だから いっぱい可愛がってもらってると思った、そう言われました。 私は思わず涙が出てしまいました。 誰にも 言えなかったから 理子に言えた事で精神的に楽になりました。
>> 73
こうなった原因、私自身の結婚に対しての軽い考えも一つの原因だったと思う。毎日毎日繰り返される暴言、暴力。私はただ耐える事だけしか出来なかった…
この頃の私には『離婚』と言うものは してはいけないもので、もし離婚したら周りの人達から軽蔑されるもの、だと思ってました。 何より両親が悲しむと…。
ただ勇気がなかったんだと思います。 いつまでも良い子でいたかったんだと思います。
幸いな事に、それから 半年間、良樹とは 仕事のローテーションが変わり一緒にいる時間が少なくなりました。
私は心身共にリラックスしてました。
ある日 仕事の帰りに 1番仲良くしてた理子に 思い切って相談しました。
理子は驚いていました。 八つも年上だから いっぱい可愛がってもらってると思った、そう言われました。
私は思わず涙が出てしまいました。
誰にも 言えなかったから 理子に言えた事で精神的に楽になりました。
>> 75
良樹と結婚した事で私には出来る事が制限されました。
会社の飲み会は毎回欠席する事、旅行ももちろん行ったら駄目、会社帰りの寄り道禁止…、等…。こんなんだから 会社の人との話にもついて行けず 何だかいつも孤立してました。 誘ってくれる先輩達も 何度も断るうちに もう声もかけてくれなくなり…。
良樹に一度 聞いてみました。
『何故、私は行ったら駄目なの?』と…。 その答は…『お前が出掛ける事で俺の評価が下がる』って。
きっと私って信用されて なかったんだろうな。
- << 78 二、三日実家に帰ろう。 そう 二、三日だけ…。 そう思い二、三日分の着替えをバックに詰め 私は実家へ迎いました。 この頃の良樹は夜勤になっていた為、実家の両親には『夜、一人で居ると危ないから帰ってきた』そう言いました。 実家へ帰ったときの居心地の良さ…、格別。 三日目、正直 帰りたくなくなってました。 しかし、帰らなければならない。 実家の父が『帰らなくてもいいのか?』と、心配そうに聞いてきた。『…うーん。』私は言葉を詰まらせた。 後に父は 私の返事の仕方で 家に帰りたくない何かがある!そう確信したそうです。 とりあえずまた良樹のいる家に帰った。 もちろん良樹がいない時間に…。 しかし 私は 自分の着替えを取り 良樹のいる家を後にした。
>> 76
良樹と結婚した事で私には出来る事が制限されました。
会社の飲み会は毎回欠席する事、旅行ももちろん行ったら駄目、会社帰りの寄り道禁止…、等……
二、三日実家に帰ろう。 そう 二、三日だけ…。 そう思い二、三日分の着替えをバックに詰め 私は実家へ迎いました。
この頃の良樹は夜勤になっていた為、実家の両親には『夜、一人で居ると危ないから帰ってきた』そう言いました。
実家へ帰ったときの居心地の良さ…、格別。
三日目、正直 帰りたくなくなってました。
しかし、帰らなければならない。
実家の父が『帰らなくてもいいのか?』と、心配そうに聞いてきた。『…うーん。』私は言葉を詰まらせた。
後に父は 私の返事の仕方で 家に帰りたくない何かがある!そう確信したそうです。
とりあえずまた良樹のいる家に帰った。
もちろん良樹がいない時間に…。
しかし 私は 自分の着替えを取り 良樹のいる家を後にした。
>> 78
それから一ヶ月、私は実家で過ごした。
会社の人には気付かれない様に 出勤時間と退社時間を少しづつ、ずらした。
実家に帰ってる間、良樹からの電話はない。
私からも電話をかける事もない。
両親が心配している…。どうしよう。
ある晩 父が言ってきた『何かあったんか?』
私は 今 言わなければ もう言うチャンスはない、と思い 今までのすべての事を話た。
父は黙って聞いていた。 私はそのまま 急いで 理子の家に行った。 ずっと心配かけていたから、真っ先に報告したくて…。
理子も黙って聞いてくれてた。
しばらく話して家に帰った。
父は いつもと変わらない態度で私を迎えてくれ 『もう我慢しないで帰って来なさい』と言ってくれた。
その言葉に涙が溢れた。
>> 79
別居生活も もう三ヶ月 過ぎたある日、珍しく 良樹から電話がなる(この頃は携帯を持っていた) 今度の休みに 何処かに食事に行こう、そう言われた。
とりあえず 一度 帰らなければ…。
夕方に帰った。 そのまま焼肉を食べに行った。
良樹が焼肉を焼きながら話かけてきた『元気してた?痩せたんじゃない?』
私『うん、元気してたよ、少し痩せたかも』 その時 私は太る前の体重よりも痩せていた。
焼肉を食べ終わると良樹がパチンコに行こうと言い出した。
私はどうでもよかったが 着いて行った。
前からパチンコには良樹と よく行っていたが 隣合わせで打っていた。 しかし その日は 別行動。
良樹への愛情はなくなっていた。
しばらくたって家に帰ったが 私は先に寝た。
次の日、私はまた実家へ帰った。
それから更に一ヶ月が過ぎた。
この状況をどうにかしないといけない。
そう思いながらまた三ヶ月が過ぎた。
>> 80
離婚。 そう考えだしたのは その頃からだった。
私は思いきって 良樹の携帯に電話を入れた。
『もしもし、私。』『何?』
『私達これからどうする?』
『別れよっか?』
『うん』
呆気なく 離婚成立。
電話を切った後 声を出して泣いてしまいました。
そんな時に限って 良樹との楽しかった思い出ばかりが頭をよぎって…。
しかし泣いてばかりもいられません。
私にはしなければならない事が山程あります。
まず良樹からの条件で 三月いっぱいは離婚しないとの事。
なぜなら 三月いっぱいで会社を辞めるから…(希望退職制度により私も退職する事になっていた)
と言っても 良樹が会社を辞める事は全然知りませんでした。
それに慰謝料の50万。 一緒に貯めた貯金のほんの一部。
以上が良樹の条件。
私からの条件は、良樹の親、仲人に きちんと良樹から話をしてほしいと言う事。 以上。
それから私は 離婚に向けて 着々と準備を始めました。
まず 引越し、下見なしで見積もりをしてくれる所を電話帳をめくって一件一件あたってみました。あの家に行くのは最後の一度だけにしたかったから…。
>> 81
引越し業者が決まり後は 日にちを決めるだけ…。
一応 良樹に連絡をとり 日にちを告げる。
持って帰るもの、洋服タンス、整理タンス、食器棚、ドレッサー、テレビ、ビデオデッキ、私用の布団、洋服、私が持って行ってた食器類、などなど…。
いよいよ引越し。業者が来る一時間前に良樹の待つ家に先に行って 片付けをしなければ…。そう思い 一足先に到着。
玄関が開いていた、隣の玄関も開いていて良樹のお母さんの姿が見えた、が 私が通り掛かるとスゥーっと玄関を閉められた。 離婚って こういう事なんだと その時 実感しました。
とりあえず 急いで荷物をまとめ 業者も積み込み終了、さぁ出よう!とした時、良樹が用意していた離婚届けを持ってきました。私の名前と印鑑が押すだけになっていました。
保証人の欄には 良樹の母と姉の名前が書いてありました。私は 名前を書き 印鑑を押して 帰りました。
あぁ すべて終わる。
離婚って思ってたより かなり 精神的にも体力的にも 疲れる。
私はようやく 仮面夫婦から解放されました。
>> 82
将来 一人で生きて行こう、そう心に決めました。 男なんて懲り懲り。
私、25歳。
この頃の私 仕事を辞め 失業中、しかし 毎日 精神的には全然 楽でした。
失業手当も そろそろ終わりに近付き 私は近所の会社へ面接を受けに行きました。 なんと合格!
早速 明日から…。
次の日から早速 出社。 物凄く 忙しい会社で毎日 3、4時間の残業は当たり前。 しかし ここの専務というのが くせ者で、相当 威張りまくって 俗に言う『嫌われもの』私も大っ嫌いでした。
一ヶ月も過ぎた頃 事件が起きました。
それは 専務が間違ってした事を 人のせいにし 一人一人に容疑をかけられ最終的には私の責任になりました。
私は新人だった為 疑いをかけられても弱い立場でした。
そして 自分がやったと分かった時も 当たり前のような顔をしてました。
私は悔しくて みんなの前で泣いてしまいました。
そして次の日 私は退職しました。
すべてに於いて脱力感、何もいらない、何もしたくない…私は約一ヶ月間 家から出ませんでした。
>> 83 そんな私に友達から誘いの電話がなる。『今日一緒に飲みに行かない。』『べつにいいよ』それから電車に一時間も揺られ友達との待ち合わせ場所に着く。すごい繁華街。田舎育ちの私には眩しかった。まず食事をとった、それからBARに行く。そのBARでは多国籍いろんな人達がお酒を楽しんでいた。私は緊張していた。一人の男性が私に話かけてきた。名前は健吾。カクテル片手に話を始める。この健吾、私より六つも下、私に年齢を聞いてきた、私、咄嗟に同級生と言った。それでも健吾は疑わなかった。我ながら笑えた。私は軽い男が大嫌いでこの健吾の事も手っ取り早く追っ払おう、そんな気持ちでした。名前も教えたくなかった為、偽名を使っちゃいました。メルアド交換して、その日は帰りました。そんな時父の病気が発覚。病名…ガン。余命三ヶ月…。そんな馬鹿な、父がガンな訳がない。一度だって病気という病気はしたことがない、この父が…。家族みんな 現実を受け止められませんでした。ただ、もう手遅れ…それだけ。いろんな所に転移していた。私も こんな事はしてられない、仕事を探さないと!ようやく 私も元の私に戻ってきた。
>> 84
とにかく面接を受けまくった。
ようやく仕事が決まった頃、父は入院した。
手術…その手術も ガンを摘出するのではなく 食事をする為だけの手術。
手術が始まった。
待ち時間が長く、何だか苛々した。
手術が終わった。摘出した大腸を見せられた。
医師の説明を聞いたが全然耳に入らない。 父がベットに乗って出て来た。
すぐに手を握った。ゴツゴツした手だった。
そして何よりも冷たかった。
父が目を覚ます。
『痛い』そう言った。 その日は安静。
私達は母を残して一旦、家に帰った。
私の仕事も順調。
思いがけない人からメールが入る。
健吾…。あっ忘れてた。メルアドだけ教えてたんだ。
それから健吾とは 度々メール。
たわいもない話。
朝『おはよう』のメールから始まる。
そんな日が続くと メールがない日は すごく気になってしまう様になる。
父は入退院の繰り返し。
母は介護。姉は父の病気を心配し娘二人と旦那を連れて 私達の住んでる家に引越してきました。
大人五人に子供二人の生活が始まる。
>> 86
この頃の私は毎日の様に健吾とメールのやり取りをしてました。
…健吾から一通のメール、『俺、好きになったかも?』
私も健吾に対して心を開く様になってました。
私の方こそ好きかも?
二人が付き合い出したのはその後すぐでした。
そんな矢先…父の病状は悪化。
発病から二年…父は眠る様に亡くなりました。
病院のベットの上で…。
私達が駆け付けた時には 静かに息をひきとってました。
私は父に孫の顔も見せてあげれませんでした。
それどころか心配ばかりかけて 親孝行の一つも出来ないまま…。
父が亡くなってから私は 毎晩 狂った様にお酒を飲んでは吐くの繰り返しでした。
現実を受け入れ様としない自分と 現実だと言い聞かせ様とする自分との葛藤でした。
ただ私を救ってくれたのは他でもない、健吾でした。
離婚歴がある私、暴力に怯えながら生活した記憶のある私にとって、男は皆、力で女性を押さえ付ける、人格を無視した思いやりのない人、だと 勝手に思っていましたが、健吾は私を女性扱いしてくれる唯一の人でした。
>> 87 しかし…この健吾との突然の別れ。理由は 些細なケンカが原因…。みんながカウントダウンしてる中 私は健吾から着拒されメール返って来ず、最後に来たメールは『もう電話もメールも止めてね、良い思い出だけが残ります様に』でした。あんなに好きだった健吾に 別れを告げられた…。私は一人、布団の中で泣きながら年越しました。そして朝、最悪な正月。父もいない、頼りにしてた健吾もいない…私は一人ぼっちになっちゃいました。友達から一本の電話。今日飲みに行くから一緒に行こうよ。私暇だしモヤモヤするから 一緒に行く、と二つ返事。早速待ち合わせして繁華街にあるBARに行きました。店に着くまでに変な男達が色々と話かけてきました。俗に言うナンパ…。初めてナンパされ少し緊張しました。BARにはビリヤードがありやった事がない私は夢中で楽しみました。それを手取り足取り教えてくれた人がいました。名前は恭太。同じ歳で親しみやすく親切に教えてくれました。少し仲良くなり楽しそうに笑う私が気に入らないのは 私をBARに連れて来た友達でそんな私達をみると帰るから準備して!そう言いました。咄嗟に恭太が私の携帯を貸して、と言い私の携帯
>> 88
私の携帯から自分の携帯に電話して『登録しとくからいつでも電話して』そう言いました。
その後電話はする事はありませんでした。
照れ臭い様な 嬉しい様な…。
それから家に帰りました。
正月休みも五日には明け さぁまた今日から仕事です。
いつもと変わらない毎日。
仕事から帰って携帯の『新着メール』に気付く。
ショートメールだ。
あっ、健吾だ…。
『この前はごめん、もう一度やり直したい』
私は 正直 嬉しかった、大好きだったから。
メールの返事を送る『やり直す事なんて出来るの?あんな事されてどれだけ私が傷ついたかわかる?』 『ほんとに悪かったと思ってる』
それから再び私は健吾と付き合い始めました。
…ただ 一つ言ってない事が…。
ほんとは同級生じゃなくて六歳も年上だって事と名前が違うって事は 最初に付き合ってる頃に言いましたが 自分がバツイチだって事は なかなか言えませんでした。
これを言ったら離れて行きそうな気がして…。
>> 89
私は 健吾に いつホントの事を言おうか…胸が締め付けられる思いで毎日を過ごしました。
健吾は 私の中で1番 私の事を女性扱いしてくれる人でした。
前の旦那の暴力により 男なんてみんな同じだ、好きになんかなれない、そう思っていた私に健吾は優しさを沢山くれました。
私は健吾のおかげで女性としての喜びを持てる様になりました。
そんな時 買い物に行ってると どこか懐かしいような 見た事のある後姿を見付けました。
な、な、なんと…六年ぶりに あの人に偶然 会ってしまったのです。
- << 93 私は あの人の方を見た。 あの人も私の方を見た。 小さく会釈をした。 私は声を掛けようか迷ってると あの人の方から 話掛けて来た。 『久しぶり、元気?』 『あっ…うん…そっちは?』 『あっ俺?俺の方はぼちぼち…』 『そっか』 正直な私の気持ち…微妙。 なんと言うか 私が大好きだった あの人とは少し違っていた。 髪はボサッとしてて疲れてると言うか…。 私達は携帯番号を交換して別れた。 それから数日後 あの人から携帯に連絡が入った。 久しぶりの再開、会うべきか…悩む…。 私には彼氏がいる…。 一度だけ会うか…、そう思い あの人と約束をする。 私は緊張していた。 …約束の日。 懐かしいあの人の家までの道…。 あの人の家の近くまで行き携帯を鳴らす。 しばらくして あの人が出て来た。 私の車に乗り込み とりあえず食事に行く。 焼鳥屋に着く。 生ビールを注文する。 再開に乾杯。 何から話していいのか…、私の第一声『私、離婚したんだ』 あの人 あまり表情を変えず 頷く。
>> 90
私は 健吾に いつホントの事を言おうか…胸が締め付けられる思いで毎日を過ごしました。
健吾は 私の中で1番 私の事を女性扱いしてくれる人で…
私は あの人の方を見た。
あの人も私の方を見た。
小さく会釈をした。
私は声を掛けようか迷ってると あの人の方から 話掛けて来た。
『久しぶり、元気?』
『あっ…うん…そっちは?』
『あっ俺?俺の方はぼちぼち…』
『そっか』
正直な私の気持ち…微妙。
なんと言うか 私が大好きだった あの人とは少し違っていた。
髪はボサッとしてて疲れてると言うか…。
私達は携帯番号を交換して別れた。
それから数日後 あの人から携帯に連絡が入った。
久しぶりの再開、会うべきか…悩む…。
私には彼氏がいる…。
一度だけ会うか…、そう思い あの人と約束をする。
私は緊張していた。
…約束の日。
懐かしいあの人の家までの道…。
あの人の家の近くまで行き携帯を鳴らす。
しばらくして あの人が出て来た。
私の車に乗り込み とりあえず食事に行く。
焼鳥屋に着く。
生ビールを注文する。
再開に乾杯。
何から話していいのか…、私の第一声『私、離婚したんだ』
あの人 あまり表情を変えず 頷く。
>> 93
それから 懐かしい昔話…。
あの人は あまり自分の事を話さなかったが、結婚はしてなく 今は付き合ってる女性もいないらしい。
私は今は付き合ってる人が居る事を伝えた。
あまり気にしてる様でもなさそう。
そっか!私に対して別に恋愛感情がある訳でもないだろうし…。
私は彼氏がいながらまたまた懐かしい『勘違い』をしてしまいそうになった。
これのお陰で私は何度 振り回されたか分からない。
もう あの時みたいな失敗は繰り返したくない。
それより何より 私には彼氏がいる。
まるで言い聞かせてるみたい。
それでも 昔 愛した人、嫌いではない。
とりあえず その日は 食事をして 別れた。
帰ってからの私…。
何だか 懐かしさと 大好きだった記憶が甦ってきた。
なんか 危険な香り…。
私の心が ウキウキしだした。
>> 94
あれから、あの人と毎日の様にメールしたり電話で話したりした。
彼氏の家までは車で一時間半かかるのに対して あの人の家まではたったの15分、この差は大きかった。
彼氏とは週末しか会えない、週末も仕事が入ったら 全然会えない。
彼氏は私の家に来る事が 遠いから大変ってよく言った。
あの人は近いから毎日でも会おうと思えば会えた。
この頃の私、彼氏とあの人を よく比べる様になっていた。
相変わらず あの人からは 毎日メール、電話があった。
彼氏からは 三日に一回 あるかないか…。
近くに居るあの人に心が揺らぎ始めた。
話する会話も 恋人同士みたいになってきた。
彼氏が仕事の日曜日、あの人と会う約束をした。
待ち合わせ場所は 市街にある おっきな公園の駐車場。
あの人が先に来ていた。
少し遅れて 私 到達。
姿を見付け『よっ』声をかける。
公園内をしばらく歩く…。 自然と手をつなぐ。
何だか照れ臭い。
昔とは違う…、二人共 子供ではない。
ただ 昔と変わらないのは あの人の気持ちが分からない事…。
あの人は 私をどうしたいんだろう?
それからも 毎日の様にメールや電話をした。
>> 95
そんな時、嫌な出来事が…。
私は 会社の取引先の社長に誘われ 食事に行く事になった。
二人っきり…。
どうも それが気になる所だが…。
社長は 私を家まで迎えに来てくれた。
それから予約していたレストランに行き軽くお酒も口にする。
社長との会話で『今度は泊まりで飲みに行こう』って 言われて 私は 酔いが冷める程 引き(冗談じゃない) そろそろ帰る時間…。社長がタクシー代を持たせてくれる。 タクシーが来るまで 縛らく待ってると この社長…私の腕を掴み 強引にキスをしてきた。
げぇー最悪。
少し酔っていた私、振り払う手に力がなく 精一杯の声で『止めて下さい』
そう言って社長から離れた。
タイミングよくタクシーが来たので一言『おごちそうさまでした。』そう言って後にした。
タクシーの中で 自分の軽率な態度が腹立たしくて涙が止まらなかった。
信じていた社長だけあって(色んな相談にものってくれたり) ショックでした。
この事を 友達に話したら 友達は 始めから下心があるに決まってる。
あんたの話を聞いてた限りじゃ私は最初からそう思っていた。 そう言われました。
私ってホントに考えが甘い。
>> 96
その後、社長とは一切の連絡を絶ちました。
そんな私を変に思ったのか 社長は会社に来て 周りが見ていない所で『最近どうしたの?』と声をかけてきました。
私『…』
『キスしたから?』『はい』
『そんな事くらいで?』
『すみません』
『もうあんな事しないから電話くらい出てよ』
『…』
『それじゃまた来るよ!』
そう言って帰って行った。
キスくらい許せない私が小さいのか?
もうプライベートで関わるのは止めよう…。そう決めました。
あの人とは相変わらず毎日連絡をとっていました。
あのキス事件の時はさすがに連絡とる気力もなく そのままにしてると 心配してる、とメールが来てました。
この頃の私、彼氏とうまく行ってませんでした。
彼氏を第一にしてきた私だったが、メールを送っても返事もなく携帯鳴らしても連絡はなく…。
自然消滅…?と思うくらい 連絡がない時がありました。
前の私なら3日、4日 連絡がないと 心配で心配で…。
でも、今の私には 彼氏と連絡取れなくても 近くに あの人がいる。
あの人は毎日 連絡くれる。 寂しくない。
>> 97
もうすぐ私の誕生日。
彼氏から誕生日くらいは連絡あるだろう。
もしかして 私をびっくりさせる為に今 連絡してこないのかも…。 なんて自分に都合のいい様に考えてました。
いよいよ誕生日。
朝からドキドキ。
いつ連絡がくるか 仕事中も携帯をスカートのポケットに忍ばせて…肌身離さず持ってました。
午前中…連絡ない。
午後から…あっ携帯が鳴った。急いでトイレに行き確認する…はぁ?広告メール? なんだもぉ…。
次に期待して…。
縛らく経って また携帯が鳴った。
今度こそ!トイレに駆け込む。
お誕生日おめでとうメールだ。
…あの人からだ…。
まぁとりあえず ありがとうメールを送る。
その後 彼氏から連絡はありませんでした。
誕生日から二日後、何回も何回も電話して やっと彼氏か連絡がきた。
『何回も電話して一体何?』
『いや…用って言うか、一昨日、私誕生日だったんだよ』
『あっそっか、ごめん仕事が忙しくて暇がなかった』
『…。』私は悲しかった。 彼氏は1番におめでとうって言ってくれると思ったから。
>> 98
誕生日を境に 私は彼氏との距離を感じてしまう。
相変わらずマイペースな彼氏と 私の事をどう思ってるのか分からないあの人と…。
この頃の私は 彼氏に対して相当 強気だった。
彼氏が駄目なら あの人がいる。そんな感じでした。
あの人との距離は縮まる事もなく、それでいて現状維持…。
そんな時 また一人の男性が私の前に現れる。
その名は『准』。
私の会社に弁当を売りに来る声が大きく明るい人。 …これが私の持つ彼への印象。
来る度に よく話かけ、仕事が忙しい時にはうざく感じてました。
そんな准が 今度飲みに行きませんか?と誘ってきた。
断った。 准はまぁ私のタイプではなく、特に 飲みに行く仲でもないし…。
そんな准は 今度はもう一人の事務員の沙織を誘ったみたいだった。
すると、その沙織から『今度弁当屋さんに食事に誘われたから一緒に着いてきて、向こうも、もう一人連れてくるみたいだし』
私は 行きたくなかった。 何だか つまらなさそう…。
それでも沙織の何回ものお願いに 私は着いて行く事になる。
いよいよ約束の日…。
>> 99
店に着くと 先に 准とその友達が来ていた。
『こんばんは。』
『…こんばんは。』
それじゃあ 生ビールで乾杯しよ!
准が言った。
沙織は楽しいのか?私は少しも楽しくない。
会話も弾まない。
イライラしてきた。
みんなタバコを吸わないみたいだから わざと 目の前で吸ってみせる。
それでも 持て余す。
次はトイレと言って席を立つ。
そして彼氏には電話をせず、あの人に電話をしてみる。
…でない。 何してるんだろう?
一応 彼氏にも電話してみる。
電源切れてる?はぁ?
電話で話す相手もいない。
はぁあ 仕方なく席に戻るかぁ。
とその時 准がこちらに向かってくる。
『何処行ってたの?』
『…トイレだけど』『そっかぁ、今日は来てくれてありがとう』
そう言うと 准は席へと戻って行った。
それから 今度はカラオケに行くらしい。
私は帰りたかった、が またまた沙織のお願いで 着いて行く事になる。
准が車を出し 四人は乗り込み カラオケに到着。
みんな楽しそう。
そんな時 私の携帯が鳴った。
やった、あの人だ。しばらくこの場から逃れられる。
>> 100
『電話した?』
『うん、したした。』 『どうしたん?』 『別に用はないケド…今友達とカラオケに来てるんだけどあんまり楽しくなくて』 『そうなん』 『…』
それから電話を切りまた部屋に戻ろうとした時 准がこちらに向かってきた。
『はい、これ』そう言って差し出されたのは カルアミルク。 部屋に入らず 外で話す。
『今日俺物凄く幸せ』 『…?』 『だって初めて弁当売りに来た時からすごく気になってて』『…』『これから友達からの付き合いをお願いしたいんだけど』
『私、彼氏いるし』『だから友達からでいいから』『友達ならいいケド』『やった、オッケーって事だね』『だから友達なら』その後 携帯番号なんて教えてもいなかったのに 私の携帯に電話をしてくるようになる。
きっと沙織だ。
准は彼氏気取りで毎日電話してきた。
携帯に出ない時は職場にまで電話してきた。
正直 迷惑だった。
彼氏とは相変わらずあの人も今一歩。
私って 男運ないのかなぁ?
今度 二人で遊びに行こうって准から誘われる。 もちろん断った。 すると准は もう絶対 最後にするからと私に頼んできた。 それを条件に 一度だけ遊びに行く事にした。
>> 101
准は最初からハイテンション。
しかし誘った割に食事からレジャーすべて割り勘。
まぁおごってもらうのも気が引けるケド。
私が言った『いつも元気だね』『そうそう、元気だけが取り柄だからね』『へぇ』それからいろんな話をしてきた。
そんな中 准から衝撃的な告白。
『実は俺すごい借金があって』『なんの借金?』『俺の親の借金で』『…』『毎日の様に携帯に知らない電話番号からかかって来るんだよね』
この告白…私は何だか嫌な予感が…。
それから 家に帰ったが 途中 准から電話が入る。
『今日は楽しかった、ありがとう。』
『いえ』『また誘ってもいい?』『えっ?』 『お願い、また誘わせて』『…』
准って めちゃくちゃしつこい。
早く縁を切りたい。
これからはシカトしよう。
そう決めました。
…しかし この准 なかなかしつこくて ほとんど毎日電話してきました。
電話に出ないと もう大変。 一日に何度も何度もかけてくる、メールも何回も送ってくる。
この事を思い切ってあの人に相談しました。 あの人は 特に何も言わず ただ黙って聞いてるだけでした。
今日も また准からのメール、大事な話があるから時間がある時に連絡くれ、との事。
- << 105 准の大切な話って何だろう? まぁいいか、暫くシカトしとこ。 しつこい准にはシカトが耐えられないらしく 『今日は仕事忙しいの?』とか『休み時間にでも連絡下さい』など 相変わらず何度もメールしてきた。 仕方なく『今、時間少しあるけど』ってメールすると すぐに電話がかかってきた。 『もしもし、俺だけど』『何?』『今電話大丈夫?』『少しなら』『実は折り入ってお願いがあるんだけど…。』『何?』 『俺、お前にしか頼む人いなくて』嫌な予感がした。 『実はお金貸して欲しい』 …出たぁぁ。 何となくそんな気がしていた。 『いくら?』『五万、今月の支払いが間に合わなくて、給料入ったらすぐに返すからお願いします。』 『…ごめん、私そんな貸すお金ない』『そっかぁ、俺の方こそ変な事言ってごめん。頑張って他を当たってみる』准はそう言った。 こういう男 大嫌い。 すぐ人に頼る、自分で作った借金 自分の力でなんとかしろって心の中で叫びまくり…。 ただ…この准、何よりもしつこかった。
>> 102
准は最初からハイテンション。
しかし誘った割に食事からレジャーすべて割り勘。
まぁおごってもらうのも気が引けるケド。
私が言った『いつ…
准の大切な話って何だろう?
まぁいいか、暫くシカトしとこ。
しつこい准にはシカトが耐えられないらしく 『今日は仕事忙しいの?』とか『休み時間にでも連絡下さい』など 相変わらず何度もメールしてきた。
仕方なく『今、時間少しあるけど』ってメールすると すぐに電話がかかってきた。
『もしもし、俺だけど』『何?』『今電話大丈夫?』『少しなら』『実は折り入ってお願いがあるんだけど…。』『何?』 『俺、お前にしか頼む人いなくて』嫌な予感がした。
『実はお金貸して欲しい』 …出たぁぁ。 何となくそんな気がしていた。
『いくら?』『五万、今月の支払いが間に合わなくて、給料入ったらすぐに返すからお願いします。』 『…ごめん、私そんな貸すお金ない』『そっかぁ、俺の方こそ変な事言ってごめん。頑張って他を当たってみる』准はそう言った。
こういう男 大嫌い。 すぐ人に頼る、自分で作った借金 自分の力でなんとかしろって心の中で叫びまくり…。
ただ…この准、何よりもしつこかった。
>> 105
翌日 また准から電話。
『お金、頑張ってみたんだけどやっぱり無理だった』 『…』『お願いだから今回だけ貸して欲しい』 『だから無理だって言ったよね』 そう言うと一度は諦めた様に見せかけ、何度も何度も言ってきた。 その度に 断ったが ついに泣き落としをしてきた。泣きながら『ほんとにあと二日しかないんだ、お願いします、今回だけ助けて下さい。』『私、泣く男って嫌いなんだケド、もう少し人に頼らず自分の力で何とかしたら?』そう言うと 今度は逆切れしてきた。
『お前は一人の人間を駄目にするのか?』等…。 罵声を浴びさせられた。
最後は自宅の番号をどうにかして調べて家にまでかけてくるようになった。
次第に私は恐怖を感じてくる。
もういい。 何故こんな思いしなければならないんだろう?
私はお金を貸す代わりに 一切の連絡を絶つ様に約束させ、指定された口座へ振込んだ。
これで准と切れるなら もうお金なんて返って来なくてもいい。 そう思った。
…しかし この准、相当しつこくて その後も 何食わぬ顔で連絡してきた。
そのうちに 私の自宅まで来る様になった。
>> 106
私が仕事から帰る時間に電話してきて『近くまで来てるから』とか 『お金を返したいから』とか。
私は会いたくなかったから『お金は返さなくていいから』そう言って 裏口から友達に迎えに来てもらい 出かけたりした。
しかし、ついに私の家のチャイムを鳴らしに来る。
たまたま私は外出。姉が出た。
何かケーキを渡して帰ったと 後に聞いた。
そうやって 何度も家にプレゼントを持って訪ねて来た。
姉にほんとの事を話した。 姉は『わかった』そう言った。
私も着信拒否したりして抵抗したが 逆効果になっていた。
毎日の様に電話の嵐、ちょっとでも連絡しないと大騒ぎし 会社、自宅にまで連絡する始末。
そんな時、私は准から夜、呼出される。覚悟を決めた。今日はすべての思いを准に伝える。私は この人から殺されるんじゃないか?
そんな恐怖があった。
友達に電話して一時間以上経っても私から連絡がなかったら警察に連絡して、そう言って 私は准に会いに行った。
准の車に乗り込む。
ポケットの中の携帯を握りしめる。
私がこれだけの覚悟をしてるのに この男、涼しい顔しやがって…。
話を始める。
>> 107
自分の事ばかり話始める。
どうでもいい話ばかり…。
私は思い切って話をする。
『もうこういうの止めて欲しい、私には彼氏がいるし悪いケド好意は持ってない』頑張って言った。
すると准は『お前彼氏と別れろよ』いつもより強い口調で言ってきた。
『別れるつもりはない』 そう言った途端 私の体を掴んで無理矢理キスしてきた。 気持ち悪いのと恐怖感でいっぱいになって震えていた。 それから体を押し倒し 触り始めた。 怖い…怖い…誰か助けて。
私は無我夢中で准に抵抗した。 そしたら この男、手を止めて 今度は平謝り…。 『ごめん、こんな事するつもりはなかった、許して』泣きながら言ってきた。何こいつ。訳が分からない。理解できない。私はもう一切の連絡をしないように約束させ その日は帰った。
しかし 私の考えは甘かった。
それからも准は何食わぬ顔で電話もメールもしてきた。
私 一人ではどうにも出来ない所まで来てしまってる。
頼れるのは あの人?彼氏?自分?友達?
>> 108
准は 時には優しく、時には逆切れ、時には泣き落とし、いろんな手段で私に電話したり 会いにきたりした。
私はもう 半分ノイローゼになりそうだった。
これ以上 続く様なら 警察に届けよう、そう心に決めた。
そして久しぶりにあの人と約束をして、会う事になった。
あの人と会う時は よく緊張したけど、今では 何も感じなくなってきている。
一度 准の事を相談してみよう。
相変わらず 私の方が あの人の家まで迎えに行く。
そしてご飯を食べに今日はファミレスへ行く。
食事の最中 准の話をしてみる。
すると あの人は 驚いていたが、助けてくれる様な事は言わなかった。
…ショック…。
私が勝手に期待してただけだから、まぁしょうがない。
あの人は最後に言った『警察に行った方がいいんじゃない?』
そして 家に帰った。
あの人への思いが何だか 薄れて行く。
私にとって あの人は 所詮 学生時代の思い出。 なのかな…。
こんなんでも 私は あの人を繋ぎ止めて置きたかった。
彼氏がいながら…。
>> 109
久しぶりの彼氏からの連絡。
嬉しかった。
今週末は会える。
彼氏に 准の事を相談しようか? どうしよう…。
彼氏に黙って 准と会ってた事が すごく後ろめたい。
…言えない。
言って 彼氏に別れを告げられたら、どうしよう。
これは私の問題だから 私が解決しなければいけない。そう言い聞かせた。
そして彼氏と会った。 久しぶりの笑顔、声、すべてが愛おしい。
一緒にショッピング、一緒にランチ、全部 楽しかった。
…もう言おう。
『実は話があるんだけど…。』
『何?嫌な話?』
『ちょっと引くかも?』
『言って。』
そう言って准の事を話始めた。
時折 彼氏の表情をみながら…。 彼氏は 拳を握りしめジッと私の話を聞いていた。
最後まで話すと 『何故 もっと早く言わなかった? 俺 頼りないか?携帯貸して』 そう言って私の携帯から准に電話し始めた。
プルルルル…。
准の奴 こんな時には電話に出ない。
ほんとむかつく奴。
何回か携帯を鳴らしたケド 出なかったが 暫くして 准の方から かかってきた。
『あーもしもし、電話出れなくてごめんね』
『今までの事、彼氏に話た』そう言って彼氏に電話を渡した。
>> 110
彼氏は電話を代わった途端に『お前人の女に何、手出してんだ?あー?』
『…いやっ、あのっ』 『これ以上、変な真似したらお前潰すぞコラァ』『…すみません…』 『お前、借りた金くらい返せよ、俺が今からそっちに行こうか?』『いえっ、会社に持って行きますっ…』『二度と電話もメールもするな、もししたら お前潰す!』 『…はいっ分かりました。』
そう言って 話は終わった。
涙が溢れた。 今までの事が 怖かった思い、もう自分一人では どうにも出来ない所まで来ていたから…。
彼氏が頼もしく思えた。
彼氏が私に言った。『一人で悩んで辛かったね、こんな時はすぐ俺に言ってきて』 『うん、ありがとう』
そう言って彼氏の胸にうずくまった。
温かかった。
この一件以来 私は あの人の事も 准の事も 忘れていられた。
もう彼氏一筋にしよう! そう心に決めれば あの人から連絡が入ったりする。
あの人はいつもの調子。
あの人とも きちんとしなければ…。
守ってくれた彼氏に申し訳ない。
きちんと話をしよう!
そう心に決めました。
>> 111
あの人と会う約束。私に対して無関心なのかな?感情を表す言葉を聞いた事がない。
私はあの人が好きだったんだ…。
笑った顔が特に…。
話す時のちょっと低音な声も…。
何より 綺麗な瞳も大好きだった。
そんなあの人に きちんとお別れをしなければ…。
何度 さよならをしてきたかわからない。
今度は ほんとのお別れ…。
もうすぐあの人の家に着く。
この道も 今日で最後…。
すべての景色も最後…。
そう心に決めた。
あの人の家に到着。
あの人は 今日 私が言おうとしてる事なんて何も知らない。
すべてが普通…。
食事に行く。
今日は 釜あげうどん。
なんか言いづらいな…。
とりあえず食事終了。
店を出る。
車の中で話始める。
『あのさ、もう会ったりするの止めようと思って』
>> 112
あの人の えっ?て言う横顔が…。
『何故?彼氏に何か言われた?』
『ううん、そうじゃないよ』
『このままで良くない?』
『…。』私 またまた悩んでしまう。
確かに きちんと彼氏が居る事は伝えてるし 体の関係は一度もない。
それに、彼氏にはまだ離婚歴がある事 言えないでいるケドあの人にはちゃんと伝えている。
私ってずるい女。
彼氏が居ながら 近くにいる あの人とこうやって 遊んでる。
私って弱い人間だ。
結局 その日は このままで、と言う事で帰った。
複雑…。
彼氏にも きちんと離婚歴がある事を伝えなければならない。
怖い。 彼氏を失うのも怖い。
しかし 彼氏に黙ってる事への罪悪感の方が強くなってきた。
彼氏、きっと呆れるだろうな…。
年齢詐称から始まって、偽名、揚げ句の果ては バツいち…。
嫌われて当然。
でも黙ってる方が辛い。
言わなければ!
思い切って彼氏にメールをした。
「大事な話があります。時間がある時連絡下さい。」
>> 113
すると、 5分もしない内に携帯が鳴った。
彼氏からだ!
ドキドキ…。
震えながら電話に出る。
『はい、もしもし』『大事な話って何?』 『…うーん、すごく言いづらい』
『何?きちんと話して』『…』『いいから言って』『…あの、私、実は離婚歴がある…』 『…えっ?』『今まで言えなくてごめんね。決して騙してた訳じゃなくて、私がバツイチだって分かったら嫌われると思って言えなかった。ほんとにごめんなさい』 『…ごめん、俺ちょっと混乱してる、今、仕事中だからまたかけ直す』そう言って彼氏は電話を切りました。
電話を切った後 私は 覚悟を決めました。 振られて当然の事をした、しかたない。 もうクヨクヨしない。
それから夕方になり私は もう自分の中では振られたと思い込んでいました。
すると 彼氏から電話がかかってきました。
『さっきは仕事中でゆっくり話が出来なかった、電話で言った事、ほんとの事?』 『うん』『ごめん、ちょっと考えがまとまらなくて、また明日電話するから』 そう言って 電話を切りました。
私の恋…終わっちゃたのかな?
すべては私が悪いんだ。
>> 114
またまたタイミングよくあの人から電話。
いつもの私なら 先約があっても 断ってでも あの人と会っていた。
しかし…今日は会う気がしないな…。
『ごめん、ちょっと具合悪くて』
『大丈夫なんか?』『うん、ただの風邪だから一日寝たら治るよ』『そっか、あんまり無理すんなよ』 そう言って電話を切った。
眠れないまま朝を迎える…。
仕事の時間…。
何だか ほんとに風邪っぽくなってきた。
でも頑張って行かなきゃ。
気持ちがスッキリしないまま 仕事終了。
早く家に帰ろう。
家に帰ったら すごく眠くなってきた。
私は それから暫く熟睡していた。
携帯の音で起きる。
この着信音、彼氏からだ、
>> 116
彼氏と順調の様にみえたが…。
彼氏は 私を中々、自分の家には連れて行ってはくれませんでした。
私が送り迎えするときも 必ず 家の近くになったら 『ここまででいいよ』と言い、車から降りていました。
私は、きっと彼氏は私が六つも年上で しかもバツイチだから 親には会わせられないんだろうと思う様になってました。
彼氏は私との事を内緒にしてるみたいでした。
私の家には 泊まったり 遊びに来たりしていましたが、その度に 友達の家に行く、と言って出て来てました。
そんなんだから 彼氏の友達にも誰ひとり会った事もなく…。
彼氏は 私を頼る事が多くなりました。
そして相変わらず 連絡が無い日も多々あり 毎日でも会いたい、毎日 声が聞きたい私には とても辛く感じる様になってました。
>> 118
入院と言っても2、3日の検査入院って事だった。
だから お見舞いなんて来なくていいよ、って言われてたけど 私は仕事が終わったら即効であの人が入院している病院に車を走らせた。
初日…花籠を持って行った。 あの人の病室のテレビの上に飾った。
二日目、ケーキを持って行った。
もちろん一緒に食べようと思って 私の好きなケーキばかり買って行った。
いよいよ明日は退院…のはずだった。
『俺、明日退院出来なくなっちゃてさ』『…えっ?』
『せっかくだからもっと他の場所も検査する事になったんだ』 『そっかぁ』
私もあの人も 何も考えてなかった。
私は毎日、あの人の病院に会いに行った。
それから一週間が経ち あの人はどうやら治療を始めるらしかった。
次に私が行った時には あの人は点滴をしていた。
何?一体何? あの人は 病気なの?
私は何もわからない。
あの人も何も言わない。
あの人はいつもと変わらない。
>> 119
毎日 病院に行った。
もちろん 一人の友人として…。
あの人の友達も よくお見舞いに来てた。 その中の一人から声をかけられた。
『よっ!久しぶり、元気?』 すごい懐かしい、昔 よくあの人と私と一緒にカラオケに行った 康一だった。
『ほんと久しぶりだね、元気してた?』
それから私達は屋上に言って少し話始めた。 昔の懐かしい思い出。
それから康一は 私とあの人との関係は とっくに終わってると思ってた、とも言った。 私は これまでの自分の事を 全部話した。
康一は笑って話を聞いていた。
一通り話が終わって康一は私に言った『あいつ、病気らしい、詳しい事は俺もよく分からないケドあいつの母ちゃんが先生から呼ばれて話があったみたいでさ』『病気って誰に聞いたの?』
『あいつ自分で言ってた、病名は聞いてないらしいケド…』 『…』絶句。言葉が出ない。
病気って何? 酷いの? 治るの? 何の病気?
私は不安でたまらなかった。
それから 康一とバイバイして あの人の待つ病室に向かった。
私は普通を装った。
まだ病気は何なのかわからない、分からない内から 悪い方に考えたら駄目!そう言い聞かせた。
>> 120
あの人は、毎日 点滴をしていた。
こんな時は 彼氏から連絡がない事がよかったって思えた。
毎日 仕事帰りに病院へ向かった。
あの人のお姉ちゃんと久しぶりに会った。
『お久しぶりです。』 私の方から声をかけた。お姉ちゃんは すぐに 私だと分かってくれて、いつもお見舞いに来てくれてありがとう。と言った。
それから少しして あの人のお母さんが来た。沢山の着替えを両手いっぱいの紙袋に入れて…。
私は軽く会釈をした。 お母さんからも御礼を言われた。
私は あの人の病気は一体何なのか この時 聞こうかどうか迷ったが 聞けなかった。 聞くのが怖かった。
あの人が笑ってるから今のままでもいいか、位にしか考えてなかった。
そうやって 時間だけが過ぎて行った。
そんなある日…。
あの人といつもの様に話をする。
と、あの人が 言う『俺さ、ガンかも?』
『はぁ?何で?先生が言ったの?』
『…言わないんだよね、誰も、だから俺ってさ治らない病気なんじゃねぇ?』
『そんな事ないよ、きっとたいしたことないから誰も何も言わないんじゃないの?』 私は 必死だった。
…しかし 後に あの人の病気が明らかになる。
>> 121
あの人の病名…ガン。
信じられない。
何故 あの人がガンなんかにならなければならないの?
ガンだって聞いたのは あの人 本人からだった。
ガンを告知したのは あの人、自身がそうして欲しいと言ったらしく あの人の両親は かなり悩んで告知することを決心したらしいです。
あの人は全然普通に私に『俺って、やっぱガンだった。』そう言った。 明るく装ってたのかもしれない。
ガン…。 私の父がガンで亡くなった時の事が 頭を過ぎった。
でも、あの人のガンは きっと治るはず、そう 絶対治る。
何日か経ち あの人のお母さん また会った時に 病状が悪い事 このままだと 命が あと僅かだと言う事を聞かされました。後 若いから進行が早いとも…。
それを聞いた日は さすがの私も涙が止まらず あの人には会えず そのまま家に帰りました。
帰り際に『今日は残業で行けそうもないから又明日ね!』そうメールを送りました。
家に着いても 涙は止まりません。
あの人から返事が来る。 『いつもお見舞いありがとう。仕事頑張れよ!また明日な』 そのメールを見てまた涙。 私の方が頑張れって言って貰ってる。
>> 122
次の日…。
いつもと変わらない様に平然を装って あの人の病院へ向かった。
抗がん剤治療…。
あの人はいつも私の前で笑っていた。
『毎日ありがとな。でも お前 彼氏の方は大丈夫なんか?』
『平気だよ、そんな心配しなくていいよ』
『そうだよな。俺のせいでお前等の仲が駄目になったなんて、死んでも死にきれないな』あの人は笑いながら言った。
私は『死』と言う言葉にドキッとした。
多分 引き攣りながら笑ってたと思う。
毎日毎日 病院に行った。
これが夢であって欲しいと何度も願った。
相変わらず病院に通う日が続く…そんな時 あの人のお母さんに呼び止められた。
『いつも来てくれてありがとね、あなたが毎日来てくれるお陰であの子も私達も救われてるのよ。出来れば もう少し あの子に付き合ってあげて』 『私でよければ』 『あの子ね余命三ヶ月って言われたのよ』 そう言ってお母さんは崩れ落ちた。
その後 私は どうやって家に帰ったかさえ覚えていません。
余命…余命って勝手に決めるな、あの人に限って 後三ヶ月のはずがない。余命なんて絶対信じない。
私は 自分に言い聞かせた。
>> 124
今日は日曜日、彼氏は休日出勤で会えない為 朝から病院へ向かう。
いつもは夕方しか行った事がないから 朝の病院内は 少し緊張した。
日曜日だけあって 沢山の人達が入れ代わりにお見舞いに来ている。
あの人のお母さんも朝から来ていたが 私が来たら『また夕方位に来るから後お願いしてもいい?』そう言って 洗濯物を持って帰って行った。
入院は 看病される側も する側も すごく 精神的にも体力的にも しんどい。父の時に経験してたから あの人の家族も きっと 疲れているだろうと思った。
あの人のお母さんが帰ったら 次は 康一が来た。
康一は よくお見舞いに来てるらしい。
平日は私が来る前に 来てるみたいだった。
康一が帰る時に私は表口まで送って行った。
その間 康一が『あいつ痩せたな』と一言だけ言った。
私は返事すら出来なかった。
康一を見送って病室に帰る。
ふと病室を覗くとベットに横たわり 外を見ている あの人の横顔が見えた。
物凄く寂しさを感じた。
私は思い切ってあの人を屋上に誘った。
>> 125
『ねぇ、屋上に外の空気を馬鹿みたいに吸いに行こう!』
おどけてみせた。
『いいぜ、馬鹿になるまで吸いに行くか』 そう言って あの人を車椅子に乗せ 屋上まで行った。
『かぁー気持ちいいねぇ、外最高』
『あははっ』あの人の久しぶりの笑顔。
よかった!屋上に来てほんとよかった。心からそう思った。
あの人が昔の話をし始めた。
私も自分の話を少しした。
あの人が言った。
『お前、今の彼氏と結婚とか考えてんの?』
『うーん、自分でもよく分からなくて。』
『どうしたん?』
『私ってさぁ、バツイチじゃん、しかも六つも年上でさぁ、こんな女で悪いなぁって思っちゃって、彼氏の同級生は年下の子とかと付き合ってるみたいだし、下手すりゃその彼女と八つ九つ…そんなに違うんだよね、なんか自分に自信がない、彼氏に対して申し訳ないって思ってしまう』
『お前アホか』
『…確かにアホかも?』
『そんなに弱気でどうする?そんな気持ちやったら絶対幸せになんか無理やね、自分に自信もたな!』
『分かってる、ケド未だに彼氏の家族にも友達にも会った事がなくて、それも不安でね、きっと彼氏も言い出しにくいんだろうなって思って』
>> 126
私は あの人に言った事で少し気持ちが楽になった。
『お前はガンガン当たって砕けるタイプやろ?頑張れよ、なぁ?』
『まぁね、私は何度も誰かさんに砕かれたからね』笑って言った。
『彼氏に砕かれたら今度は俺がお前を貰ってやるよ』
一瞬 耳を疑った。
冗談なのか本気なのか…。
『あー砕かれること楽しみにしてるやろー?』私は照れながら言った。
涙が出た。 もう駄目…。 あの人の前では ずっと我慢してきた涙も もう限界…。 止まらない、我慢しようとすると逆に 涙が溢れる。
あの人が私の両手を掴んで 『お前は笑ってるほうが似合うよ』 そう優しく言った。
そして 『俺さ、空が大好きでさ、 生まれて初めて付き合ったのがお前で あの頃は 恋愛の仕方も分からなくて 変な付き合い方してたよな~で お前に振られて また付き合い出したケド俺は変なプライドがあってお前とは付き合わなくて それでも どっかで繋がってたくて、まぁ俺のワガママやね、だから 俺は罰が当たって お前は結婚した。おめでとうも言えなかった。居なくなって気遣いた。でも遅かった。それから毎日 空を見た。 お前がどこかで見てるだろうと思って…。
>> 127
あの人は続けた、
『お前とまた偶然会えた事は俺にとって奇跡に近い事だった。 でもお前には彼氏がいる。 俺はあの時 お前にしてきた事が 今 自分に返って来てると思ってる。 だから 俺は お前が幸せで笑ってるなら それでいいかな!って考える様にしたんだ。 勝手な事ばっかり言ってごめんな』
『ほんと勝手だよ』それが私があの人に言った言葉だった。
涙が溢れて これ以上 言葉が出なかった。
それから 一時退院の許可が出た。
あの人は家に帰った。
私も誘われたが せっかく 久しぶりの一家団欒の邪魔はしたくなかったので 用があると言って断った。
あの人からメールが入る。
『何しよる?』
『今、友達とディナーに来てるよ!』ほんとは家にいた。
『そっかぁ楽しんで来いよ。』『オフコース!』 いつもと変わらない様に返信した。
それからあの人は病院に戻った。
>> 128
病院に戻ると また闘病生活に戻る。
あの人の容態…悪かった。
病院側からは『治療が限界まできていて 後は治療の施し様がない』そう言われたらしい。
そして 病院も治療をしない為 ホスピス患者として受け入れてくれる病院に移らなければならないらしい。
あまりにも残酷…。
日本の医学は進歩してるなら どうして この病気は治らないの? 死を待つだけなんて おかしい。
治らないなんて 絶対ない、私は この話を聞かされてもまだ 現実を受け入れられませんでした。
あの人に会うのが 辛い…。
でも 病気と闘ってるあの人の方が もっと辛いはず…。
私は あの人に何もしてあげれない。
もどかしくて 情けなくて自分自身に腹が立ちました。
あの人が言った
『お前さ、絶対もう泣くなよ、お前は笑顔が1番似合ってるよ』 『…うん。』
出てきそうな涙、頑張れ、泣くな私!
頑張って堪えた。
それから あの人は 病院を変わった。
いつ急変するか分からない状態になっていた。
>> 129
病院を変わっても 毎日 お見舞いに行った。 前の病院よりも 少し私の会社に近くなった。
あの人は食事もあまり摂らなくなっていた。
部屋は個室になっていた。
いつもの様にお見舞いに行く。
あの人と話をする。
『俺さ、病気になったお陰で 自分に素直になれた気がする。ずっと伝えたかったんだ。 今はホッとしてるよ』
また 涙が出そうになる…頑張れ 頑張れ。
言葉がみつからなかった。
その頃は もう屋上に行く体力さえも無くなっていた。
私が帰る時 いつも途中まで送ってくれてたけど、こっちの病院に来てからは 病室でバイバイしていた。
一週間が過ぎた頃…。
あの人の容態が急変した。
危篤状態になっていた。
仕事中、康一から電話がなる。
『あいつ、危ないらしい、今から来れるか?』 『すぐに行く』震えが止まらない。『お前、気が動転してて危ないから俺が会社まで迎えに行く、20分位で着くから待ってろ』 『わかった』怖い…怖い…怖い…あの人が…あの人が…。
それから康一の車で病院に向かった。
>> 130
車中 私も康一も無言のまま…。
病院に到着した。
車を降りて 康一と一緒に病室まで走った。
あの人の病室には お父さん、お母さん、お姉ちゃんが来ていた。
私と康一が 病室に入ると あの人のお母さんが 目を腫らしながら『今日がやまですって』そう言った。
みんな 泣いていた。
私は あの人の右手を握った。 温かかった。
両手で握った。
また涙が出てきた。
あの人に話かけた。
『ねぇ、けんけん、』
『…』
『ありがとう。私は今とっても幸せだよ』
もうこれ以上言葉が出ない。
それから一度、病室を出た。
康一が 冷たいコーヒーを買って来てくれてた。
受け取ったコーヒーは 飲む気がしなくて そのまま病室の外の椅子に座り込んだ。
あの人と初めて出会った時から つい最近の事までが 頭の中を駆け抜ける。
あの人が『俺がお前を貰ってやるよ』って言ってくれた言葉が、また胸に突き刺さる。
私も狂った様に泣きじゃくる。
それを見兼ねた康一が ギュッと抱きしめてくれた。
私は…私は…。
そして その日の深夜、家族に見守られて あの人は静かに息を引き取った。
>> 131 あの人が息を引き取ったと康一からの電話で聞かされました。それは、明け方でした。康一の迎えでもう一度病院に向かいました。あの人の病室の前…。入れない…。康一が私に言った。『会っとけよ、あいつ待ってるから』涙しか出ない。あの人は白い布を被せられていた。あの人の頬に触れた。痩せ細った頬に…。まだ温かい。こんなに温かいのにもう息はしてない。その痩せ細った頬に私はキスをした。あの人と私の最初で最後の一度きりのキス。さようなら、ありがとう、大好きだった人。それからあの人の お通夜、お葬式は行われた。あの人はあの人が大好きな空に昇って行った。享年 28歳。それから二年後…、私は 当時 付き合っていた彼氏と二度目の結婚をしました。その翌年 子供を授かり そして今も妊娠中です。あの人との事は 本当に ドラマみたいな展開になってしまい、あの人のお陰で今 私は 幸せな毎日を暮らしてるんだって思います。あの人に貰ったもの、人を愛する素晴らしさ、勇気、優しさ、楽しかった思い出。きっとどこかで笑いながら見てるんだろうな。 今 私はあの人に胸を張って言いたい。『幸せだよ』って。
>> 142
当たり前の様に 毎日が過ぎて行った。
時間ってすごい。
悲しい事も過去にしてくれる。
また慌ただしく毎日が始まる。
私は相変わらず彼氏とは付き合いを続けていた。
変わったのは よく会いに来てくれる様になった事。 随分 恋人っぽくなってきた。
変わらないのは、彼氏の家には一度も行った事がない事と 連絡が無い日が 度々ある事。
連絡が無い日は やっぱり寂しくて仕方なかった。
紛らす為に仕事を頑張った。 遅くまで残業した。
毎日 一度は携帯鳴らしてみる…が、携帯に出ない、折り返し電話はない。
仕事が早く終わってしまった時は 会社の制服の上からカーディガンを羽織ってスロットうちに直行していた。
>> 143
スロットは楽しかった。
隣り合わせで見ず知らずの人と仲良くなったり、ジュースおごって貰ったり。
その頃は 女友達(梨華)と 仕事帰りに待ち合わせして 二人でよくスロットうちに行っていました。
勝つ方が多かったから 勝った時は 次の資金にとっておいて余った分で二人で食事したりして…。
それの繰り返し…。
トントン、誰かに肩を叩かれた。
振り向くケド…私の知らない人…。
梨華がニヤニヤしながら私を見てる。
何? つーか この人誰?
『これ終わったら一緒に食事行かない?』 そう言ってきた。
『……はぁ。』 戸惑った。 梨華の彼氏の友達らしかった。
その日は 負けていた為 多少イライラもしていた。
私より二つ年下らしい。
>> 145
肉を焼き始める。
珍しく携帯が鳴った。
あー彼氏からだ。
本当に久しぶり、一週間ぶり…。
『もしもし、俺』
『うん』 『ごめん怒ってる?』 『怒ってるよ、全然連絡無しじゃん』 『ごめん』 仕事が忙しかったらしい。
今週は会える。
電話を切った後 心が弾んだ。 やっぱり彼氏からの電話は嬉しかった。
さぁ席に着いて 食事をする。
梨華が私に言った『何だか嬉しそう』
『うん、まぁね。彼氏から電話があったから』 『そう、よかったね』
食事中の会話はスロットの話で持ち切りだった。
彼の名は哲也。みんなから『哲』って呼ばれていた。
この哲也 めちゃくちゃスロットに詳しかった。 ある意味 尊敬した。
話は楽しかった。
またね、そう言ってみんな帰って行った。
>> 150
『借りてたお金を返したい。』今度は そう言ってきた。
いらない…。
無視した。 しつこかった。
『俺はせっかく出会えたんだから友達のままでいたい』
はぁ? 私は友達にもなりたくなかった。
二度と顔は見たくなかった。
そんな准が 勝手に高速に乗って 私の家に来た。 お金を返したら すぐ帰ると言って…。
夜 会いに来た。 私は会わなかった。
友達の家に避難した。 明け方 家に帰った。
准も 車の中で 明け方近くまで待ってたらしい。 怖い…。
家に着いて少し寝ようと した時 また着信の嵐…。 無視。
次はショートメール。
『事故った。すぐ連絡して』
???
本当なのか嘘なのか…?
>> 151
准からのメール…。
無視した。
しつこくメール。
『お願い、電話ください。』 『俺、どうしたらいいのかわからない』…等…。
私は すべて無視した。
次の日 会社に電話かけてきた。
私の会社は二人しか事務員がいない為、准からの電話に出る確率は二分の一。
私が出た電話は准からだった。
『あっ俺だけど…。』 『はい、何のご用件でしょうか?』『昨日、事故っちゃって大変だったんだよ。どうして電話に出てくれなかった?』 『私には関係ない事ですから』『冷たいなぁ、俺はお前の家に来て、その帰りに事故ったんだよ』 『だから?』『責任とれよ』『はぁ?意味が分かりません。』 そう言った途端 准は怒って電話を切った。
正直 こっちから切りたかったからホッとした。
…それもつかの間。
また電話。
『さっきはごめんな。興奮しちゃって。事故の事で色々と忙しくて』
准は いつも 怒っては謝る、の 繰り返し。 やっぱり前と変わってない。
もう 本当に終わりにしたい。
>> 153 スロットに行けば 顔なじみがいる。『あの台はどーだ、この台はどーだ』なんて 情報交換から始まる。もちろん哲也もいる、梨華もいる、梨華の彼氏もいる。 何だか 仲間って感じがして 居心地がよかった。『今日、俺がおごるから夕飯一緒にどう?』そう言ってきたのは梨華の彼氏。今日は花金、明日は休みだ。 お言葉に甘えて 行っちゃお。 みんな車は別。別々に集合。 今日は 焼鳥屋。焼鳥屋に着いてもスロットの話で盛り上がる。食事しながらいろんな話をした。楽しかった。その帰り、梨華が私を呼び止めた。『ねぇ、哲也どう思う?』 『どうって?』 『はっきり言うケド、哲也はあんたに好意を持ってるよ、彼氏とうまく行ってるならいいケド、相変わらず連絡ないみたいだし、それであんたが幸せなら私は何も言わないよ』 『ごめん、私、自分でも、よく分からないんだ。彼氏の存在、私はどうしたいのか、ただ彼氏を繋ぎ止めておきたいだけなのか?』『焦らなくていいよ。哲也だって彼氏がいるって、ちゃんと分かってる事だから』『心配してくれてありがとう。』そう言って 家に帰った。
>> 155
休日の午後…またスロットに行く。
一応 梨華にも連絡するが…やっぱり彼氏とデート。
しょうがない。
一人で出かけた。
いつもの場所。
今日は 人が多くて空き台が 中々 見つからない。
何だか打つ気がしなくなってきた。
帰ってもする事がないしな。
とりあえず もう一回りする。
哲也がいた。 すごい勝ち盛りしてる。
声をかけてみよう。
『すごいじゃん、バリ勝ち』 『すごいやろ?今日は一人?梨華ちゃん達は?』
『デートだよ!』
『あっそっかぁ』そう言って 哲也は手を止めて席を立ち上がり 私の手を引いて 自販機コーナーへと移動した。
『今、来たん?』『そう、人すごいね』『今日は彼氏とデートは?』 『…仕事』とりあえず そう答えた。 なぜか連絡がないなんて言えなかった。
>> 157
ちょっと高めの焼肉屋。
二人で行く初めての焼肉屋。
焼肉屋に行く途中 梨華から携帯に連絡が入った。
哲也と焼肉屋に行くって言って電話を切った。
焼肉屋に到着。
向かい合わせて座る。
話はスロットの話。
途中 彼氏から電話が鳴る。
初めて 彼氏からの電話を無視した。
二回目…。 チラチラ携帯を見る私を見て 哲也が言った。
『彼氏から?気にしなくていいから電話でたら?』
『…うん、ちょっとごめんね』そう言って席を離れた。
『もしもし?』『おー久しぶり、仕事忙しくて中々電話出来なくてごめんな』
『仕事忙しんならしかたないよ』 それから5分程 話をして電話を切った。
席に戻る。
『ごめんね』何故か咄嗟に 謝った。
哲也は いつもと変わらない表情で 『おう!』そう言ってまたスロットの話を始めた。
>> 159
私は 哲也に惹かれ始めていた。
仕事が終わって スロットに行くのが楽しみになっていた。
スロットが楽しみではなく 哲也に会うのが楽しみになっていた。
ある日 一緒に花火大会に行く約束をした。
彼氏とも一緒に行った事がなかったから誘われた事が 嬉しかった。
その頃の私は 彼氏に対して 罪悪感はなく むしろ ほったらかしにしてる方が悪い、くらいにしか思って いなかった。
いよいよ花火大会。
何を着て行くか 相当 悩んだ。
浴衣? んーやっぱり ジーパンにキャミ。 これでいいや。
支度を済ませ 哲也との約束場所まで歩いて行った。
家の近くまで迎えに来てくれていた。
約束場所に一台の車が止まっていた。
哲也だ。 黒のシーマ。
私は何だか照れ臭かった。
哲也がおりて来て
『よっ』と一言 言った。
その時の笑顔が眩しかった。 かっこよく見えた。
>> 162
夜の海。
車から降りてみる。
何も見えない。
怖くなってきた。
ザブーン ザブーンと波の音だけがする。
どこからが海なのかも分からないくらい真っ暗。
怖くて 私の方から哲也の腕にしがみついた。
哲也は 大笑いした。
私もつられて 大笑いした。
砂浜に座って話をした。
哲也が言った。
『今日の花火綺麗だったね。人が多かったけどね』
『私、男の人と初めて花火大会行ったよ』
『そうなんだぁ』
『そうだよ!』
『初めてが俺でごめんね』『全っ然。楽しかったよ』
そんな会話をしながら 何だか泣けてきた。
心が寂しかった。
何より 彼氏に会えない寂しさを哲也に埋めて貰ってる事実が 申し訳なかった。
>> 165
食べてる途中、哲也が私に言った。
『俺に対して申し訳ないとか思わないで、俺は自分の意思でやってる事なんだから。それが迷惑ならきちんと言ってくれていいから』
『…』
また申し訳ないって思ってしまった。
哲也…顔も悪くない、性格もどちらかと言うと温厚。
私は 何故 彼氏と別れないでいるんだろぅ?
哲也なら きっと毎日 会いに来てくれるし 電話だってメールだって 沢山くれるはず。
彼氏と別れない理由が 私自身もわからなくなっていた。
モスを後にする…。
時間は23時ちょい過ぎ。
車は路肩に止まった。
そして 哲也の手が私の首に周った。
引き寄せられたと思ったら 突然キス…。
私は目を閉じた。
哲也の事が愛おしく感じた。
>> 168
哲也とは 平日に会った。
彼氏とは週末に会った。
そんな時 私は ガンジタ膣炎になってしまった。
二人の男性と関係を持った私に対しての天罰…。
移ったのが どちらかなのか分からない。
でも この事実を二人に言って 二人にも病院に行ってもらわなくては…。
哲也には すぐに言えた。
病院に行った。
陽性。
哲也からの感染だった。
私は哲也に対して とやかく言う筋合いはない。
でも 哲也は 私に『一度だけ会社の先輩の誘いで…』と言って謝った。
本当に申し訳なかった。
私のせいで この人を縛り付けて、傷付けて…。
付き合いが長くなればなる程 傷付けてしまう。
私自身 早く決断を出さなくては…。
>> 170
相変わらずな毎日を過ごす。
二股にも 慣れてしまっていた。
久しぶりの休日、彼氏と会う約束。
私の家に来てくれるらしい。
何だか嬉しかった。
仕事が終わったら そのまま来る。
ワクワクした。
彼氏が家にやって来た。
玄関先まで迎えに行った。
照れ臭い。 やっぱり嬉しい。
ちょっと遅目の夕食。二人で囲む。
楽しい。それからお風呂に入る。
お風呂から上がったら タバコ吸いながら話をしたりテレビを見たり…ゴロゴロTime。
梨華の結婚の話をする『梨華、今度結婚するんだよ。』 『へぇーそうなんだ。』 『梨華が次はあんただねって言ってたよ』どんな反応するか彼氏に行ってみた。
『俺達?んーあと二年は考えられないね』 『…?』 あと二年。
…長いなぁ。
>> 172
哲也と会う約束…。
何から切り出そう。
約束の場所まで哲也が来てくれた。
いつもと変わらない笑顔。
…言えない。
…でも言わなければいけない。
顔を見ると 言いづらいな…。
でも 言わなければ。
心臓がドキドキ、哲也に聞こえるんじゃないかってくらい…。
『…あのね、』
『何?』
『…』
『ごめん、言いたい事、分かってる』
『…私、すごく酷い人間だね』
『そんな事ないよ、俺が好きで勝手にやってきた事。今まで付き合わせてごめんな、お前か一番辛かったな』
哲也の言葉に 胸が苦しくなって 涙が溢れた。
私という人は こんなに 優しい人を傷付けている。
殴られても おかしくない立場で それでも哲也は私を一度だって責めたりしなかった。
哲也が言った。
『俺はいつもお前の味方だから、何も遠慮すんなよ』
ありがとう、本当にありがとう。
>> 173
次の日から 私は仕事に打ち込んだ。
元々 事務職だったのを 営業に回して下さいとお願いした。
私の勤める会社では女性の営業はいなかった。
みんな男性ばかり…。
男の営業マンからすれば、きっと生意気な女って思われただろう。 女のくせに…。なんて陰口が聞こえた。
でも私は気にもとめなかった。
一から学びたい。 その気持ちだけ…。
そんなある日 部長から呼び出された。
営業の話だった。
女性営業マンは初だから 期待してる…、と。
私は胸が高鳴った。
漲った。
その日から まず自分が営業する商品をしっかり勉強した。
商品の名前だけでなく 実際 手で触れたり、現場に何度も足を運んだり…。
私の教育担当の営業マンは日頃から兄の様に慕う人だった為、心身共に楽に教育が受けられた。
>> 174
営業に回ったが、事務職も していたので 中々 本格的な営業は させて貰えなかった。
…屈辱。
結局 所詮 女…。
そういう考えが 部長自身にあったみたいで。
すごくもどかしかった。
恋愛…後2年は 結婚はない…。
仕事も中途半端…。
頑張れば頑張るだけ空回り…。
みんなが鼻で笑ってる。
やっぱり女だからね、なんて言われる。
仕事をさせてくれない、チャンスをくれない…。
段々、腹立たしくなってきた。
私はまた、毎晩 お酒に酔い潰れた。
飲んで吐いて…、の繰り返し。
そして そんな酔っ払い中によく思い出すのは 亡くなった父とあの人の事…。
父が居たら きっと叱ってただろうな、とか あの人が 生きてたら 私はあの人と結婚でもしてたかな?とか…。
そんな事を思い出しながら涙してました。
そして また朝が来る。
>> 175
朝になれば すべてリセットされた。
二日酔いなんてしなかった。
朝起きて、化粧して、朝食は抜き。
通勤途中の缶コーヒー。
会社まで10分の道程、車の中で必ず三本 タバコを吸い 缶コーヒーを飲む。
会社に着いたら 元気な挨拶から始まる、当番の時は給湯室から出られないくらい朝は忙しい。
何だか、毎日 つまらなかった。
相変わらず営業なんて名ばかり…。
営業マンのお手伝い程度。
その頃からか 私は転職を考え始めた。
この会社に居ても何のメリットもない。
しかも たった二人しかいない事務員のもう一人の事務員を部長はすごく気に入っていた。
いわゆる、えこ贔屓。
後から入社したにも関わらず 私よりすべての待遇がよかった。
これも この頃 知りました。
もうショックが大きい。
自分自身が惨めになってきた。
もう辞めようかな?
>> 176
もう一人の事務員…。私より七ツも年上。 独身、彼氏はいないらしい。 本人いわく、結婚はしたい、お見合いも何度かしたらしい。
そんな彼女…。
何だか 私は 嫉妬する様になっていた。
部長に気に入られてる、ただそれだけで彼女は すべて優遇された。
もちろん 給料面に於いては 私とは著しく差が出ていた。
こんな事が現実にあるなんて…。
何だかドラマの中の世界。
ある日、私は一人の営業マンから『女の武器を使ったらいいじゃん』なんて鼻で笑いながら言われた。
女の武器? 何だろう? 私の教育担当の営業マンに聞いてみた。
『それは一つしかないじゃん』 『?』『体を使えって事だよ』『…最低だね』
あーもう すべてが嫌になってきた。
営業に出たくても 事務所から出させて貰えない。
…?もしかして、私、この会社には要らない人材なのかな?
…早くも挫折…。
私は何をやっても いつも中途半端。
仕事も恋愛も…。なにもかも…。
もう どうなってもいい。
>> 178
私が向かった先…。
スロット。
制服の上からカーディガンを一枚羽織り、缶コーヒー片手にドキドキしながら 店に入った。
営業マンが どこをうろついてるか分からない。
でも、まっ見つかったら見つかったで 別にいいか。
そんな勢いだった。
その日のスロットは面白い程 絶好調だった。
時間も忘れるくらい。
お昼ご飯なんか 気にならないくらい。
気付けば時間は夕方になっていた。
スロット中に何度も会社の上司から電話が鳴ってた、が無視した。
あんまりしつこいので もしかして スロットがばれた?
思い切って 電話した。
すると、心配してた、そう言われた。
心配かけてすみません。 明日は出社します。 そう伝えて電話を切った。
それから またスロットに戻る。
すると 見慣れた人とばったり会った。
哲也…。
>> 179
相変わらず 優しい笑顔。
何だか癒された。
『仕事帰り?』哲也が言った。
『ずる休み』
『珍しい、何かあったん?』『うーん、まぁ色々と』 『何だよ、勿体ぶらずに言っちゃえよ』 『話しだしたら長くなるし、もう大丈夫になったよ』そう言ってスロットに戻ろうとした。
哲也に心配かけたらいけない、そう思ったから。
そんな時 珍しく彼氏から電話が鳴った。
彼氏にはずる休みなんて言えない。
携帯持って 慌てて店の外へ出て 電話に出る。
『あっ俺』 『うん』 嬉しかった。たわいもない話。
普通に電話を切った。 そしてスロットに戻る。
ぼちぼち帰ろう。
私は3箱分、換金した。
哲也には何も言わずに店を出た。
帰りの車中、虚しさだけが残った。
そして明日からまた仕事、と言う現実に戻ってしまった。
>> 180
朝が来る。
体は正直…、行きたくない…、けど行かなきゃいけない。
渋々 制服に着替える。
いつもの通勤路、タバコをくわえる。
途中 自販機に寄り缶コーヒーを買う。
会社に到着。
扉を開ける、と共に『おはようございます。昨日はすみませんでした』と大きな声で言ってみせた。
大丈夫?なんて誰も言わないし、なんか変な雰囲気。
すると所長が寄って『もう大丈夫?』って言ってきた。
とりあえず 席について 昨日の分の仕事から始めた。
一日 休むと かなり仕事がたまってしまう。
お陰で その日は昼食を摂る時間もなかった。
トイレに行き タバコを数本 吸っただけだった。
こんな時でも 営業マンは私には声さえ掛けてこなかった。
>> 182
休憩時間に 職を探す。 インターネット、求人誌、色んなものを検索した。
自宅から近い所で一件 面接まで辿りついた。
小さな町工場の事務員。
早速 面接に行った。
ボロボロの工場の片隅に事務所らしき建物があった。
そこで面接をした。
手応えは感じた。
しかし、返事は『不採用』。 理由、こんな所に あなたみたいな人に来てもらうのは勿体ない…。
当たり障りない断られ方。
全てにイライラした。
また次を探さなければならない。
もう一件 面接した。 そこも不採用…。
人生そんなに甘くなかった。
最後に選択したのは…キャバ嬢。
もう職種なんて選んでる暇なし。
とにかく 今の会社を辞めたい。
ただそれだけ…。
>> 184
私って…、結局 今の会社に しがみついていないといけないのかな?
何をしても中途半端。
そう言えば、今度の休日は 梨華の結婚式だった。
友人代表のスピーチを頼まれていたんだっけ。
その事も考えなければならないし、頭がいっぱいいっぱい…。
とりあえず 今の仕事をしなければならない。
もう…やけくそ。
勝手に営業に回ってこよう。
私は仕事中は事務所から出させてもらえない為、仕事が終わって 即効で一日一件、営業に回りました。
他の営業マンに何て言われようと気にもせず…。
そして週末。
明日は梨華の結婚式。
早目に帰り支度をしていると、取引先の社長から 食事の誘いがありました。
はい、と二つ返事。
そして 社長との待ち合わせ場所につき食事を始める。
もちろん 仕事の話。
>> 186
週末、梨華の結婚式に出席。
とても感じる結婚式でした。
久しぶりに哲也とも会った。相変わらず優しい眼差し。
二次会では哲也は結構モテてました。
哲也が寄ってきて彼氏の事を聞いたので順調だよ、そう答えました。
それから 次の日、私は 部長に 営業に回して下さいと直談判しました。
もちろん最初は鼻で笑われました。
『もし営業に出て成績が悪い様であるなら会社辞めます』
そこまで言ったら 部長も首を縦に振った。
しかし、条件付き。
…社用車は出さない、移動は全て 自家用車。
…交通費も出さない。…試用期間は二ヶ月。
これが条件。
はっきり言って他の営業マンとは待遇が違うが まだ見習い期間中、これくらいは仕方ない。
絶対 みんなを見返してやる。
その勢いだけだった。
>> 187
早速 営業らしい事ができる。
私が営業担当になったのは三件。
挨拶回りから始める。
まず一件目。 小さい個人経営の工場。
そこの社長に挨拶。
名刺なんて作って貰ってない、名前は 何度も足を運ぶ内に覚えて貰った。
好感触。出だし好調。
次、二件目。
社長は男性だが専務は女性。 従業員30名の工場。専務に挨拶した。社長は留守。専務とは歳は同じくらい、話も合った。
こちらも好感触。
次、三件目。
こちらは夫婦で経営してる町工場。
旦那さんが社長、挨拶をする。
美男美女のカップル。
こちらも好感触。
とりあえず今日は挨拶回りだけして帰った。
これから この三件から 目まぐるしく注文が殺到する。
そんな事とは思いもしない私は 暢気に缶コーヒー飲んで 車中 タバコをふかしながら 会社へ戻っていた。
>> 188
相変わらず 営業マンの目線は冷たかった。 手のひらを返した様に もう一人の事務員も 冷たかった。
けど その頃の私は そんな周りの人達なんて どうでもよかった。
目標が出来ただけで考え方も変わった。
毎日 忙しく仕事をこなした。
午前中は 事務処理。 午後から 営業。
全て完璧にした。
私を鼻で笑った人達を見返す為に…。
そんな中 私は 自分でも 驚くくらいの契約が舞い込んで来た。
それは突然の電話、電話の相手は 二件目に挨拶に言った所からだった。
これから 全て私に任せたい、と。
突然の事で何が何だかわからなかった。
とりあえず 工場に向かった。
その専務いわく、これから使う材料は全て私に頼む、と言う事で、今までの営業マンに少々 不満があり そんな中での担当交代、決してベテランではない私だけど誠意ある態度がよかったと、これなら信頼できる。
とまで言って貰いました。
私は正直 涙が出そうになりました。
頑張ってよかった、この時 初めてそう思いました。
>> 189
その日から 私は 毎日の様に 工場に足を運びました。
私なんかより 工場の人達は 全てに於いて詳しいし 教えて貰う事が沢山で、毎日 充実してました。
あとの二件も コンスタントに注文が入り、決して私の成績は悪くはなかったと思います。
あんまり 順調に行き過ぎると また営業マンの嫌味をかうことになり…。
うまくいかないと鼻で笑われ、うまくいき過ぎると あいつは客と寝ただの、色目使っただの…。
私って結局 どうなっても 何か言われるんだなぁって軽く流してました。
何故か 忙しくなったと同時に彼氏からよく連絡が来る様になり、今まで 待ってばかりの私でしたが 逆に彼氏を待たせる様になってました。
>> 191
そんな時 私に舞い込んだ話…。
それは一本の電話から始まりました。
取引先の社長から『今日、仕事が終わったら話たい事があるから時間を取って』との事…。
?何だろう?
仕事が終わり、社長との約束の場所まで行く。
まずい、私ったら社長を待たせていた。
それでも社長は笑顔で これこの間のお土産だよって言ってワインをくれた。
ワインを受け取り いざ 本題に入る。
お洒落なお店。
個室に通される。
もう一人 男の人がいた。 別の取引先の部長だった。
『こんばんは、遅くなりました。すみません』そう言って席に着く。
とりあえず乾杯した。
いよいよ本題に入る。
社長が『最近、営業の方はどう?』と聞いてきた。
私は正直に今思ってる事、会社の待遇の事や営業としての仕事が中々出来ない事など話した。
静かに聞いてくれてた。
そして社長が言った。
『隣にいる部長の会社からあなたを引き抜きたいって話がある』 『???えっ』 頭が混乱した。
>> 193
しっかり考えなくては…。
これは 私の人生を変えるかもしれない。 今後の私の人生を大きく左右するかもしれない。
悩む…。答えは もう出ていたはずなのに、やっぱり悩んだ。
私を馬鹿にした人達を見返したい、そう思ったり。不安になったり…。
彼氏に一度 相談してみよう、そう思った。
毎週 毎週 彼氏と会った。 彼氏は仕事の帰りに会いに来てくれた。
そして、ついにこの日が来たぁーーー。
『今度、俺の家に来いよ』って。
嬉しかった、初めて行ける。
どんな家だろう?
想像ばっかりが膨らんだ。
そして彼氏に会社の事を相談する。
彼氏の答え…『周りが何と言っても結局、決めるのは自分なんだから…』冷静だった。
>> 194
今日は久しぶり梨華と会う。
新婚ほやほやの梨華。
新居のアパートまで行く。
久しぶりに見た梨華は 何だか少し疲れてみえた。
『新婚生活はどう?』 聞いてみた。
『うーん…』
『どうした?』
『うん、実は旦那が定職に就いてくれなくて…』
『今までの仕事は?』
『全部、すぐ辞めるんだよね』
『そうなん』
『私、疲れちゃって、毎日お金の事で言い合いになるんよ』『生活、どうしてるの?』
『私の貯金が少しあるからそれを使ってるケドもう無くなる、先月は実家に借りたんだ』
『えー?!』私はびっくりした。
よく話を聞いてみると、勝手に資格とるために 学校に申し込んだり、もちろん入学金から授業料は梨華の貯金から…仕事は友達の家の手伝いで週に2、3回…。
支払いは税金 年金と沢山あって…。全然足りてない。 梨華はパートに出ていたがマイナス。
そのくせ 旦那は スロットに行ったり 何か言えば 逆切れしたり…。
梨華が 哀れに思えた。 自分が買いたいものも買わず我慢して 旦那の為に尽くしていた。
>> 196
私もその頃 色々と考えさせられる時期だった。
仕事の事。
そういえば 引き抜きの返事 まだ先延ばしにしていた。
真剣に考えなくては…。
そう思った。
そんな時 久しぶりに哲也からメールが来た。
元気にしてるか?…、と。
久しぶりに食事に行く約束をした。
その時 色んな話をした。
彼氏の事、仕事の引き抜きの事…。
梨華の事を話そうか悩んだケド 止めました。
私が口だす問題でもないし…。
それから また哲也とは頻繁に連絡を取る様になりました。
彼氏は週末、毎週の様に家に泊まりに来る様になりました。
ある日 近くのコンビニに私一人で出かける為に 彼氏に留守番をお願いしました。
コンビニから帰ると彼氏は 少し態度が変。
それから間もなく家に帰ると言って帰りました。
この日は泊まる予定だったのに…。
それから すぐ携帯に電話してみたら 彼氏は泣いていました。
>> 199
その日から 私は哲也との連絡も一切しなくなりました。
恋は順調…。
仕事も ぼちぼち…。
相変わらず 会社から私への評価は低く…。
そんな時 彼氏から思いがけない電話…。
いつも通り携帯に出る、『もしもし』『あっ、俺だけど。』何だか声のトーンが低いな。
何だろ、不安になる。
『俺と結婚して…。』
思いがけない電話でのプロポーズ。
『あっ、私でいいの?』
『お前じゃなきゃ駄目だ』
『うん』
そうして私は彼氏のプロポーズを受けました。
それは、もうすぐ春が来る頃。
- << 202 彼氏からのプロポーズを機に、仕事の引き抜きの話を断る事にしました。 私にとって、とてもいい話だったと思います、ただ私の中で結婚イコール幸せ、そう思ったからです。 引き抜きの話だけでなく 会社を見事に寿退社する事になりました。 正直、会社の人はみんな大嫌いでした。 私は会社では 常に一人…。 誰だってそうなのかもしれませんが 私は結婚退社することで優越感に浸りました。 私を見下した人達に対して 幸せを見せ付ける事だけが私の精一杯の見栄になりました。 結婚…、あの人が『俺がお前を貰ってやるよ』そう言った言葉が 昨日の事の様に 頭の中に蘇ります。 あれから二年…。 私、29歳…。 …続君色…完。 …君色…最終章へ
>> 200
その日から 私は哲也との連絡も一切しなくなりました。
恋は順調…。
仕事も ぼちぼち…。
相変わらず 会社から私への評価は低く…。
…
彼氏からのプロポーズを機に、仕事の引き抜きの話を断る事にしました。
私にとって、とてもいい話だったと思います、ただ私の中で結婚イコール幸せ、そう思ったからです。
引き抜きの話だけでなく 会社を見事に寿退社する事になりました。
正直、会社の人はみんな大嫌いでした。
私は会社では 常に一人…。
誰だってそうなのかもしれませんが 私は結婚退社することで優越感に浸りました。
私を見下した人達に対して 幸せを見せ付ける事だけが私の精一杯の見栄になりました。
結婚…、あの人が『俺がお前を貰ってやるよ』そう言った言葉が 昨日の事の様に 頭の中に蘇ります。
あれから二年…。
私、29歳…。
…続君色…完。
…君色…最終章へ
- << 204 …君色…最終章。 会社を辞めます。 私は部長の机に辞表を提出した。 営業マン達がざわざわ言ってる。 でも もう何も気にならない。 だって私は幸せだもん。 部長に別室に呼ばれた。 『急にどうした?』部長が言う。 『急ですみません。結婚が決まりまして』 自然と顔がニヤケてしまう。 『わかりました。』部長が言う。 おいおい、一度くらい止めてくれよ、なんて心の中で思いながら でも気持ちは晴れ晴れしていた。 さぁ早速 営業先へ退職の挨拶に回らなければ…。 まず一件目。事情を説明する。『えー辞めるの?あなたが辞めるなら取引先変えよかな』 心の中でニヤつく。 ケド心とは裏腹に『そんな事言わないで下さいよ、後はベテランの島田さんに頼んでますから、後で島田を連れてご挨拶に来ます』 そう言って後にした。 残りの三軒も だいたい同じ反応だった。 退職まであと半月、引き継ぎで忙しい。 この頃 彼氏のお母さんとメールのやり取りをする様になってました。
>> 202
彼氏からのプロポーズを機に、仕事の引き抜きの話を断る事にしました。
私にとって、とてもいい話だったと思います、ただ私の中で結婚イコール幸せ…
…君色…最終章。
会社を辞めます。
私は部長の机に辞表を提出した。
営業マン達がざわざわ言ってる。
でも もう何も気にならない。
だって私は幸せだもん。
部長に別室に呼ばれた。
『急にどうした?』部長が言う。
『急ですみません。結婚が決まりまして』 自然と顔がニヤケてしまう。
『わかりました。』部長が言う。
おいおい、一度くらい止めてくれよ、なんて心の中で思いながら でも気持ちは晴れ晴れしていた。
さぁ早速 営業先へ退職の挨拶に回らなければ…。
まず一件目。事情を説明する。『えー辞めるの?あなたが辞めるなら取引先変えよかな』 心の中でニヤつく。
ケド心とは裏腹に『そんな事言わないで下さいよ、後はベテランの島田さんに頼んでますから、後で島田を連れてご挨拶に来ます』 そう言って後にした。
残りの三軒も だいたい同じ反応だった。
退職まであと半月、引き継ぎで忙しい。
この頃 彼氏のお母さんとメールのやり取りをする様になってました。
>> 204
私と彼氏の結婚の話は 当人達が思うよりも 早く進んで行きました。
大好きな人と結婚できる。
前の失敗は繰り返さない。
ある日 私は彼氏の両親に呼び出されました。
彼氏の地元の料亭で待ち合わせ。
中に入る。彼氏と両親と彼氏の妹と私、個室に通される。
彼氏の父親が口を開く。
『離婚歴があるのは聞いてる、ただ一つ確認したい事がある』『はい』『子供はいないんだね?』『はい、いません』『絶対だね?後で話が変わってもいけない事だからね』 そう言われたら 涙が溢れてしまった。
涙の訳は…、彼氏の両親に話した事で今まで背負っていたモノが スゥーっと無くなった気がした。
父親は続けた。
『同居も喜んでしてくれるって聞いて安心したよ』
って、えー?同居?何の話? 喜んで?
訳がわからない。
画して、私の同居が勝手に決まった瞬間でした。
>> 206
それは、増改築が始まった頃の事。
彼氏のお母さんからのメール。
『お父さんの胸に写っているのはどうやら癌みたい。』
…私は返す言葉が見つからなかった。
必死になってメールした内容は、『まだ悪性だって決まった訳じゃないんでしょ?』…だった。
お母さんからの返事は『それが…悪性だった。病院のベットが空き次第、即入院』
そんなに悪いの?
私は あの日の事を思い出していた。
癌で亡くなった 父、そして…あの人の事。
癌…、今まで他人事だと思っていた。父が、そして、あの人が亡くなった事実をようやく 最近になって受け止めれる様になった矢先。
これから ゆっくり引越しの準備でもしよう、と思っていたが なるべく早く こちらに引越して来て欲しい、身一つで来てね。と…。
泊まる回数は週に2~3回から始まり、いつの間にか 私はほんとに身一つで来てしまっていた。
>> 208
大好きな彼氏が旦那になった。
家族になった。
新婚生活が始まった。
色んな事がいっぺんに始まった。
それでも私は毎日 充実していた。
朝5時に起きて 朝ごはんの準備をする。 お弁当は旦那の分と義妹の分と義母の分と三人分 作った。
食事が終われば 後片付け。祖父母以外はみんな仕事。
送り出した後に 掃除。部屋が多く2階だけで5部屋、1階には8部屋。掃除するだけでも一時間かかってしまう。
それから トイレ 風呂掃除。
掃除が終わったら買い物に出掛ける。
買い物から帰ったら昼食の準備をする。
昼食が終わったら 後片付けして少しの休憩タイムに入る。
昼からは 義父の病院に行く。
病院から帰ったら 夕食の準備に取り掛かる。
…毎日 繰り返す。
義父は何度も入退院を繰り返した。
増改築が終わって いよいよ私達は一階のお座敷から2階へと引越し。
20畳の部屋にWベット一つ。
そんな時 またまた災難が降り懸かる。
>> 214
いつもの様に旦那の病院へ向かった。
何だか機嫌が悪そう。
『どうしたの?』
『…。』
『何かあった?』
『トイレ行きたいケド行けないし、寝たきりだから簡易トイレでしろって言われても力も入れられないし出るわけない』
…たしかに…、旦那は寝たきりだし 渡された簡易トイレはおしりサイズの浮輪みたい。
私でも無理っぽい。しかも、四人部屋だしカーテン閉めただけで 人の声はするし、何だかプライバシーもクソもない。
その事で苛々していた。
そして 苛々は絶頂に!!
ついに、持っていた携帯を真っ二つにへし折った。
『個室にしてもらおう、私ちょっと看護師さんに言ってくる』
そう言って看護師さんに当たり散らした。
運よく個室が開いていた。
すぐ移動出来る。
差額ベット代くらいは致し方ない。
私達は同じ階の一番端の部屋に移動した。
夜8時…消灯時間。
旦那がいない、旦那の家族だけがいる家に帰る時間。
家に帰ったらテーブルにケーキが置いてあった。
>> 216
旦那が入院して一週間後の事。
そろそろ病院を移動しなければならなくなっていた。
地元の病院へと移る日が決まった。
どうやら救急車で搬送されるらしい。
…当日の朝。
身支度を済ませる。少しの荷物を片手に持ち 旦那から先に救急車に乗せられる。
続いて私が乗り込む。
さぁ いよいよ出発。
すると 救急車のサイレンが鳴った。
びっくりした。
ケドそれ以上に 何だか くすぐったい感じがして 二人で目を合わせて クスッと笑ってしまった。
30分以上かけて地元の病院に到着。
病院に着いたら すぐレントゲン室に入って 検査をした。
それから病室に入る。
四人部屋。
みんなおじさんばかり。
一人は糖尿病を患いながら 胸辺りの手術をした 熊のぬいぐるみみたいな親父。
もう一人は 土建屋の社長。
もう一人は 趣味が折り紙と言う親父。
この病院は整形外科専門の為に 皆さん よく喋る、よく食べる、禁止されてるお酒は飲む、もちろん煙草も、いつも喫煙室は満員だった。
>> 217
こっちの病院に移って来てから すごく楽しかった。
前の病院では 起き上がる事は禁止、とにかくベットから起きたらダメだった。
こっちに移ってからはリハビリと称して当日から動き回っていた。
旦那と二人で煙草を吸いに行く。
カーテンを閉めて 旦那の代わりに私がベットに寝転がったり、二人で並んでテレビを見たり。
ある日 ふと思い立って外出してみた。
行き先はパチスロ。
2時間程 抜け出し パチスロに行く。
おもしろい様に勝ちまくった。
必ず昼から 外出した。
その頃の私の一日、朝6時起床。
朝ごはんの準備。
後片付け。
部屋掃除。
買い物。
昼は弁当を持って旦那の病院へ自転車で向かう。
だいたい 5時過ぎに帰宅。
夕食の準備。
後片付け。
風呂。
就寝。
…これの繰り返し。
この生活に慣れて来た頃、旦那の退院が決まった。
物凄く 嬉しい。
やっと 真新しいWベットに旦那と二人で寝られる。
旦那がいない 孤独だけだった この家に 帰ってくる。
そう思うだけで幸せ。
>> 219
慌ただしい一日が終わった。
初めて旦那と二人でベットに横たわった。
明日から毎日リハビリに通わなければならない。
それでも旦那と一緒だと思うだけで幸せになった。
それと並行して結婚式の準備もしなくてはならなかった。
結婚式は初冬と決めていた。
理由は…旦那の父の容態がその頃には回復してるであろう、と予測しての事だった。
とにかく今日は寝よう。
初めて二人並んでベットに寝た。
- << 223 次の日の朝、私は誰よりも1番早く起きて 朝ごはんの支度をした。 みんなの分の目玉焼きを焼き サラダを盛り付ける。これで一品目。 ヨーグルトにバナナを混ぜて ハチミツをかける。二品目。浅漬けを漬ける。三品目。 お味噌汁を作る。四品目。 それに、勤めにでる義母と義妹の為に弁当も作った。 毎日 ご飯の支度だけで一時間もかかっていた。 ちょうど朝ごはんが出来上がる頃 義祖父が起きて来る。
>> 226
義祖父は 温厚なタイプ、怒ったトコは見た事がないくらい、一代で事業を築き上げ大成功を成し遂げる。 趣味は無くアルコール類が大好物で朝からでもお酒を飲んでいる事が多々ある。
義祖母は そんな義祖父と共に苦労を重ね 今では趣味は吟詠、カラオケ、書道、華道、と何不自由なく暮らしている。性格は自己中でお節介、しかも何でも自分が顔を出さないといけないと思うタイプ。
義父は この事業の後継者として 婿養子として嫁いでくる。 性格は竹を割った様な感じ、義祖母と仲が悪い。 よく言い争っている。
義母は小さい頃から義祖母から『あなたは跡取りだから』と育てられ 義祖母の言う事は 必ず聞いている。 性格は温厚。 母親と旦那の間に挟まれて 苦労していた
>> 229
旦那が仕事復帰してから、義祖父母と一緒に居る時間が長くなりました。
義祖母は元気が良すぎる為、その元気が嫌味に見える事さえありました。
この頃から義祖母の嫌がらせにも似た行動が始まりました。
朝 顔を合わせれば必ず私の方から『おはようございます』と言い、返事が返ってくるのは 10回に1回くらい…。あとは無視されてる。
他のみんなに対しては自分から『おはよう』って言ってる…、朝からイラッとくる。
その後 朝食。
朝食は みんなバラバラに食べるケド いつも私は義祖母と同じ時間帯になっていた。 私の目の前に座る義祖母は いつも ムスッと怒った様な顔をして食べていて…。
だから私は義祖母と同じ時間帯にならない様にずらして食べる様にしました。が、ずらしてるのにいつも一緒になってしまう。
それが苦痛…。
>> 230
それから、食べ物に関しては 優先順位が決まってました。
果物やお菓子など 頂き物がある場合、必ず義祖母は義妹から食べさせていました。
迂闊にも私が食べようとしようものなら決まって『これはみどりちゃん(義妹の名前)が大好物だから食べない様に』………。
言葉もありません。
こんな感じで 食べ物の事では嫌な事が多い。
つーか 私に食べさせたくないんだなって後でわかりました。
一度 2階に上がり 1階に忘れ物を取りに行った時 聞いてしまったんです。
義祖母が 義母と義妹に『あの子、勝手に食べるから半分しか残ってないんだよ』って。
え?私 一つ足りとも食べてませんが…。その場で言いたかったが グッと堪えました。
心の中で叫びました、『くそババァァァーー』って。
>> 231
しかし義祖母は 自分の友人、知人等には私の事をめちゃくちゃ褒めて言ってました。
しかも何の資格も無い私が いつのまにか看護師になってました。
義祖母、電話で『うちの孫の嫁は看護師なんですよ~』って…。
もう私は知らない…。
そんなに私って駄目な人間なんだろうか? ありのままではいけないんだろうか?
家庭内での事ならば我慢も出来た。が、私が知らない内に私が私じゃなくなってきている。
旦那に話してみよう。
でも、言えなかった。
仕事で疲れて帰ってくる旦那に家の中の愚痴を言って もっと疲れさせたくなかった。
それに旦那は 毎日 休憩時間にメールをして私を気遣かってくれた。
そんな旦那を困らせたくなかった。
>> 232
そんな生活が続いた。
ある日の朝、旦那が義祖父と些細な事で言い争ってしまった。
そのまま仕事に行った。
その後から義祖母の態度が一変した。
私が義祖母に話かけた、すると、完璧無視。
大人げない。
私に八つ当たり。
この時ばかりは頭にきた。
もういい、こんな家、義祖父にだけ行き先を告げ家を出た。
行き先は買い物。
あの頃の私には車がなく交通手段はバスしかなかった。
バスの中でムカムカが止まらなかった。
そして、こんな事までされて それでも自分が夕飯の買い物に出てる事にも腹立たしくなり、買った物を一度家に持ち帰り、荷物をまとめ暫く実家に帰ろう、そう心に決め 家路を急いだ。
玄関に着くと 私が戸を開ける前に義祖母が駆け寄り にこやかな笑顔で『おかえり』そう言ってきた。
私もアホだからその笑顔に騙され、実家に帰る事を忘れてしまった。
こんな事の繰り返し…。
しかし、信頼していた義母からも 嫌な仕打ちが待っていた。
>> 233
義母は洋品店に勤めていた。
この洋品店は子供から大人までの服を取り扱っていて義母は店の店長をしている。
年齢の割にはセンスがいいし 優しいし、私は好きだった。
ケド…ある日から 嫌いになってしまった。
私は何度か義母の店に行った事があり、お店の従業員さんとは顔なじみになった。
そんなある日の事…、義母の店に買い物に行った。
ちょうど義母は休憩らしく店内には居なかった。
そんな時、レジをしていた一人の従業員さんから話かけられた。
『あなた、お義母さん優しくていいわね』 『はい』 『先日もあなたにって言って洋服買って帰ったでしょ、いいお義母さんよね~』って…。
???
私 洋服なんて一度も買ってきて貰ってない。
初めて買ってきて貰ったのは タオルハンカチ一つだけ、だけど…。
義母は恰も私に買って行く、と従業員さん達に豪語しておきながら、実は自分の娘に買って行っていました。
娘がいらないって言った服達は 値札がついたままゴミ箱へ捨てられていました。
それを義祖母は勿体ないと言って 拾っておいて、自分が買ってきたと言わんばかりに 私に持ってきていました。
>> 234
この家の中で信頼出来る人間は…旦那だけ。
義父も とっても優しかった。
自分も嫁いで来た身だから 私の気持ちがよくわかる、よくそう言っていた。
私は義父を物凄く尊敬した。
あんな義祖母達とよく今まで生活してたよなぁ~、それに 実家で勤めていた職を辞して ゼロから家業を継いだ、これって大変な事だと思う。
義父の苦労がよくわかる。
義祖母が言う義父の悪口は決まって、『いっつも飲みに行ったりして全然家にはいなかった』と…。
私はその気持ちがわかる気がする。
あんたと一緒にいたくなかったんじゃん。
ストレスも相当なモノだったと私は思う。
私が勝手に思う事、義祖母があんなだから義父は病気になったんだ、と。
義父の病気の原因がタバコにあるらしい。
イライラさせる義祖母が悪いんだ、って心の中でずっと思っている。
>> 235
まだ結婚式を挙げていない私達は 着々と準備に取り掛かった。
義父の容態が思わしくない。
入退院の繰り返し…。
今度の入院は最後になるかもしれない…、と。
もう家に帰れないかもしれない…。
ある日、義母が病院に呼ばれた。
…余命が宣告された。
…あと三ヶ月…。
病院から帰って来た義母は 車庫に車を止め、中々 降りて来ようとしない…。
涙を拭っていた。
それから家に入って来た。
余命が言い渡されたとみんなに話ていた。
……ガン…、またガン。
あの人と父の命を奪ったガン。
そして、また、ガン…。
もう気持ちが麻痺していた。
ガン、イコール……死。
私の中でそう思う様になっていた。
>> 236
緩和ケア…。
義父には余命は言わない事にしたらしい。
義母が独断と偏見で決めていた。
日に日に弱っていく体、痩せ細っていく体。
私は毎日毎日 病院に行った。
義母は仕事の為 夕方からしか行けず、義祖母は 習い事やらで忙しく 中々 病院には寄り付かなかった。
結婚式まであと二ヶ月。
余命三ヶ月。
私は病院に通いながら 結婚式の準備をし 家の事もすべて手を抜かずにやった。
こんな時でも夕食を囲む時 義祖母は義父の実家の悪口を言ってきた。
義祖母いわく『自分の息子が余命三ヶ月なのに病院に見舞いにも来ないなんてどういう神経してんだか』…。
私は呆れた。
そんなの毎日でも会いに行きたいに決まってる、でも 田舎から出て来るだけでも2時間はかかるし、交通の便は悪いしあちらの祖父母は体も悪い。 寝たきりで来たいケド来れないだけなのに…。
そんなに言うんなら自分が迎えに行けよ、そう思った。
>> 240
私達の結婚式の日にちが決まり いよいよ一週間後になった。
私はこの頃から実家に帰って実家の母、姉、姪っ子と楽しく過ごしていた。
しかしまた母親の借金癖が発覚。
情けない事に携帯は止められ、光熱費も二ヶ月滞納していた。
もう嫌気がさした。我が母親ながら、父の代わりに…、とまで思う様になっていた。
親戚が集まった。
もう親子の縁を切りなさい、と言われた、が、出来ない。この母親をほって置いたらとんでもない事になる、それと、やっぱりなんだかんだ言っても母親…見捨てるわけにもいかない、そう思ったから。
ただ今回は金額が少なかった為姉が全てのお金の管理をする、母親は通帳は持たせない、車ももう乗らない、そう約束させた。
そして今回もまた私が借金の肩代わりとなった。
今までに立て替えた金額…数百万…。
少しばかりの貯金、結婚式はあさってだというのに…。
>> 241
結婚式前日…。
旦那からの電話。
『明日の結婚式、親父出れなくなった…』『…わかった』『ごめんな』『お父さん具合悪いの?』『うん』『そんなに悪いの?』『結婚式の間、体力がもたなくて』『明日は一人で大丈夫なの?』『寝てれば大丈夫』『わかった。お父さん無理しない様にしてあげてね』『明日早いからもう寝よう』『おやすみ』 そう言って電話を切った。
しかし全然眠れない。
いろんな事を考えた。
これまでの自分の人生…。
小さい頃の事…。
亡くなった父の事…。
大好きだったあの人の事…。
そして借金癖のある母の事…。
離婚してる姉の事…。
こんな環境で育つ姪っ子の事…。
今ガンと戦ってる義父の事…。
それに何より、私は今 なんて幸せなんだ、と涙が出た。
明日 私は二回目の結婚式を挙げ様としている。
結婚式を二回もするなんて…。
今度は絶対 幸せになる、そう亡くなった父に誓った。
眠れぬまま朝が来てしまった。
>> 242
結婚式当日…。
私は姉と共に一足先に会場入りした。
ウエディングドレスに着替え、髪をセットする。
化粧もバッチリしてもらう。
旦那が到着。
旦那も着付けてもらう。
うん、かっこいい。
『今日、親父来てるから』『えっ?』『這ってでも行くって言って来た』『そう、ありがとう』『良い結婚式にしような』 『うん!』
みんなに支えられ、結婚式も無事終了。
二次会、三次会…。
ホテルに帰り着いたのは 朝の5時…。
それから 新婚旅行へと旅立ちました。
新婚旅行中は楽しくて楽しくてたまらなかったケド、いざ 家に帰るとなると 現実がドーンと待っている。
義理家族が待っている。
そう考えただけでため息が出ちゃうし…。
>> 243
新婚旅行から地元に帰って来た。
空港から自宅までタクシーで30分…。家族の分の沢山のお土産を抱えて…。
家に到着。
旦那はワクワクしてるみたい…。
私は……微妙…。
勢いよく玄関を開ける。『ただいまぁぁ』『まぁまぁお帰りなさい。』と義祖母。おっと、帰宅早々 1番見たくない顔が現れ 一瞬で 現実に戻った。
早速 仏間に行き ご先祖様にご挨拶をする。それから 皆が待つリビングへ。
新婚旅行どうだった?なんて聞いてくる人なんて一人もいない。
あっ、お土産か…。この人達はお土産を待ってるんだ。お土産もかなり奮発したと私は思ったんだけど…。
義祖父には美味しそうなお酒。 結構、高かった。義祖母にはCHANELのスカーフ。 義父母には お揃いのVUITTONの財布。義妹にはフェラガモの靴とバック。私の実家のお土産はチョコレート一つと姪っ子達へ キーホルダー。
この時点でも めちゃくちゃ差があると思うんだけど…。
しかも ブランド物のお土産 頼んでおきながら餞別もなし…。
私の実家からは餞別貰ったのに…。
>> 244
色んな不満を抱え、また同居生活が始まる。
義父は 結婚式が終わったその足で病院に帰っていた。
早速 病院に お土産を持って行く。
財布ともう一つ 大きなお土産を抱えて。
病院に着いた。
病室へと急ぐ。
トントン…。
返事はない。 義父はテレビを見ていた。
旦那の顔をみると すごく嬉しそうに笑った。
『はい、これお土産』 そう言って手渡す。
『ありがとう』そう言って受け取ってくれた。
新婚旅行はどうだった?って聞いてくれた。
少し話をして、今度は大きなお土産を渡す。
『もう一つ親父に報告があるんだけど』旦那が言った。
『何?』
『俺達に赤ちゃんが出来たよ。親父もおじいちゃんになるよ。』
義父は 少しハニカミながら『よかったね』そう言った。
どうしても1番に伝えたかった。
これで もっともっと生きて欲しい。
その想いを込めた。
- << 247 余命宣告から 三ヶ月目に入った。 義父の容態はかなり悪くなっていた。 この頃になると もう食事も出来なくなっていた。 起き上がる事も出来なくなり ついに寝たきりになってしまった。 私は赤ちゃんの超音波写真を持って行った。 その写真を見て笑顔になってくれた。 そしてその次の日、容態が変わった。 危篤状態になった。 家族みんな病院に駆け付けた。 あちらのご両親も兄弟も 甥も姪も駆け付けた。 仕事中の旦那に電話した。 すぐ駆け付けた。 病室に入ると義父の息だけが 鳴り響いた。 ズーズーズー…。 時間が深夜になり義母とあちらのご両親を残して一度 帰る事にした。 エレベーターを降りて 駐車場に出ようとした まさにその時、 『早く!早く!』 その声にただならぬ予感が…。
>> 245
色んな不満を抱え、また同居生活が始まる。
義父は 結婚式が終わったその足で病院に帰っていた。
早速 病院に お土産を持って行く。
財布…
余命宣告から 三ヶ月目に入った。
義父の容態はかなり悪くなっていた。
この頃になると もう食事も出来なくなっていた。
起き上がる事も出来なくなり ついに寝たきりになってしまった。
私は赤ちゃんの超音波写真を持って行った。
その写真を見て笑顔になってくれた。
そしてその次の日、容態が変わった。
危篤状態になった。
家族みんな病院に駆け付けた。
あちらのご両親も兄弟も 甥も姪も駆け付けた。
仕事中の旦那に電話した。
すぐ駆け付けた。
病室に入ると義父の息だけが 鳴り響いた。
ズーズーズー…。
時間が深夜になり義母とあちらのご両親を残して一度 帰る事にした。
エレベーターを降りて 駐車場に出ようとした まさにその時、
『早く!早く!』 その声にただならぬ予感が…。
>> 253
旦那からすぐ電話がきた。
よかった。 本当よかった。 仕事も手につかなかったらしい。
それから 悪阻もそろそろおさまった頃義祖父母から嫌な事を言われる。
義祖母『○○さん家は上は男の子、今度生まれてくる子は女の子らしいよ。上手い事やってるね~。』『…』だから何?
『うちも跡取りが居るからね~。』
………。
まだ性別が分かる前から こんな事 言われるなんて…。
私は この家に跡取りを生みに嫁いできたのか?
長男の嫁はここまで言われなきゃいけないのか?
それから毎日 義祖母の顔を見るとイライラしてました。
何かにつけて男の子と言ってくる…。
もし女の子だったら絶対触らせるもんか、そう思う事しかできませんでした。
毎日 毎日 ストレスは溜まっていきました。
妊婦の私でしたが誰ひとりとして労ってくれる人はいません。
ゴミの日も大きなゴミ袋下げてゴミ捨て場まで抱えて行く。
我が家には女は四人も居るのに…、なんて考えながら…。
>> 257
家を出る…。
はっきり言って そこまで考えてなかった。
ただ聞いてくれた、私の味方になってくれた、ただそれだけでスッキリしていた。
単純。
それから 何もなかったかの様な毎日が過ぎていった。
妊婦生活も もう9ヶ月目を迎えていた。
里帰り出産。
そろそろ実家に帰る支度を始めなければならない。
しかしまた義祖母からの嫌な一撃…、
『こっちで出産するんでしょう』『いえっ実家の方で…』
『あら、そう?わざわざ帰らなくてもいいのよ』『初めての出産だから…今回は帰らせて頂きます。』
そう言って出産予定日の二週間前に帰った。
実家に着いたらあさってには入院が決まっていた。
今回の出産は帝王切開になっていたから。
私は実家に帰るのはこれでもギリギリだと思っていたんだけど、義家族には早かったらしい。
どうやら私がいない間の 家事全般、やるのが嫌だったらしい。
義母も義妹も仕事に出ていた為、必然的に義祖母がする事になっていた。
私は思った。
これで少しは私の有り難みが分かるだろう、と…。
>> 258
里帰りしてから 義家族の方からは何の連絡もない。
私の方からも特に…しない。
手術当日。
旦那から電話がなる。
『今日はいよいよだね。頑張って!楽しみにしてるよ』 『うん、頑張るよ!』
朝から緊張…。 昨夜は一睡も出来なかった。
トントン。迎えが来た。 一度 診察があるらしい。
ベットに横になる。
『はい、もう起きていいですよ~いよいよですね、頑張りましょうね』
手術室まで歩いて行く。
手術台に寝る。
麻酔がうたれる。
横向きに寝る。
海老みたいに寝かされる。
それから 三人掛かりで押さえられ麻酔。
麻酔が効いてくるまで暫く待つ。
両足がしびれてきた。
どうやら麻酔が効いてるらしい。
さぁ いよいよ手術開始。
『では始めます。
メス…』
超超超超超、緊張…。
>> 260
涙で滲んで 赤ちゃんがよく見えない。
先生が聴診機をあてて『うん、大丈夫』そう言った。
その後 私は 縫合される。
縫合されたら別の部屋に移された。
そこで 暫く横になったまま…。
その間に 自分で持って来ていた カメラで写真を撮ったり、携帯持ち込みオッケーだった為 旦那に電話した。
『無事生まれたよ』『お疲れ様、そしてありがとう』
私は嬉しくて また涙が止まらなかった。
その次に電話をしたのは 義理家。
プルルル…プルルル……ん?誰も出ない。
今日が手術だって伝えておいたのに、何処に行ってんだか?
少しくらい心配とかしてくれてもいいのに…。
最悪家族。
後でわかったのは、義理家族はこの日、義祖父母、義母、義妹 四人で一泊旅行に行ったらしい。
………。
>> 262
激痛が続く。
相当我慢した。
丸二日 激痛との戦いだった。
私の赤ちゃん…。
まだ抱っこもしてあげれない。
涙が出た。
まだ抱っこしてあげれなくてごめんね。
三日目 尿カテーテルがとれた。
今日から歩いてトイレに行かなくてはいけない。
久しぶりにベットから起き上がる。
いたたた…。
あまりの激痛で ベットから起き上がる事も出来ない。
それでも何とか起き上がり 這うようにしてトイレまで行った。
トイレまで約10㍍。所要時間20分。
今日から待ちに待った赤ちゃんが私の部屋にやってくる。
超楽しみ。
- << 266 私の赤ちゃん、看護師さんが 連れて来てくれた。 初めて抱っこした。 ずしっと赤ちゃんが重たく感じた。 この重み、これが命の重み。 可愛くて可愛くて仕方ない。 お腹の痛みなんて どこかに飛んでいった。 初めて母乳を飲ませる。 なかなか上手く 飲ます事が出来ない。 看護師さんが付きっきりで 手伝ってくれる。 …でも上手くいかない。 そのうち赤ちゃんが疲れて寝てしまった。 授乳後 毎回 赤ちゃんの体重を計りに行った。 …あんまり増えない。 そして次の日 看護師さんから注意される。 『赤ちゃんに直接、母乳あげるの止めてね、赤ちゃん、お腹いっぱいで寝てるんじゃなくてオッパイ飲む事に疲れて寝てるんだよ』 『……えっ?』 そして次の日から母乳を搾乳してあげる様に 指導を受けた。 これがなかなか辛い。
>> 263
激痛が続く。
相当我慢した。
丸二日 激痛との戦いだった。
私の赤ちゃん…。
まだ抱っこもしてあげれない。
涙が出た。
まだ抱…
私の赤ちゃん、看護師さんが 連れて来てくれた。
初めて抱っこした。
ずしっと赤ちゃんが重たく感じた。
この重み、これが命の重み。
可愛くて可愛くて仕方ない。
お腹の痛みなんて どこかに飛んでいった。
初めて母乳を飲ませる。
なかなか上手く 飲ます事が出来ない。
看護師さんが付きっきりで 手伝ってくれる。
…でも上手くいかない。
そのうち赤ちゃんが疲れて寝てしまった。
授乳後 毎回 赤ちゃんの体重を計りに行った。
…あんまり増えない。
そして次の日 看護師さんから注意される。
『赤ちゃんに直接、母乳あげるの止めてね、赤ちゃん、お腹いっぱいで寝てるんじゃなくてオッパイ飲む事に疲れて寝てるんだよ』
『……えっ?』
そして次の日から母乳を搾乳してあげる様に 指導を受けた。
これがなかなか辛い。
>> 267
入院一週間後 ようやく義家族が赤ちゃんを見に来た。
…全然嬉しくない。
って言うか、もう来なくてもいいのに…って思っていた矢先。
義母、義妹の二人でやってきた。
来るや否や すぐに赤ちゃんを抱っこした。
今頃 来たくせに…。
私の実家の母も半分 呆れていた。
ちょうど お昼時に来た為 実家の母が義母と義妹を昼食に連れて行ってくれた。
さすがに昼食は断るだろうと思っていたが図々しい事に『せっかくだから』と言って着いて行った。
そして 昼食が終わると すぐに帰ったらしい。
…何しに来たんだろ? ご飯食べに来たのか?
お祝い…そういえば義母と義妹の連名で貰ってる。
開けてみる。
一万円。
…。
くれただけでも有り難く思おう。
>> 272
いよいよ 義家族が待つ家に帰らなければならない日がきてしまった。
正直…帰りたくない。
時間は刻一刻と過ぎていった。
名残惜しいが実家に挨拶をして いざ出発。
気持ちを切り替えなければ…。
…いよいよ到着。
家に着いたが 誰の姿もない。
なんじゃこいつら、帰ってくる日くらい誰か家で待ってろよ! そう思ってしまった。
タイミングよく義母が車で帰ってきた。
どこに行ってたのか知らないが。
車から降りると すぐに 私が抱いてる赤ちゃんを 自分の方に抱き上げた。
旦那がすかさず『あらら、もう赤ちゃん取り上げられたん』そう言った。
おかえり、くらい言えよ、心の中で呟いた。
しかし 帰ってくるってわかってるのに誰も家にいないとは…。
私が期待のしすぎなのか?
この頃から 私は 変わっていきました。
>> 273
帰ってまず しなければならない事…ご先祖様へ ご挨拶。
それから リビングへ。
どこから沸いて出たのか義祖父がいた。
『おかえり』そう言ってくれた。
沢山の荷物を2階へと運ばなければ…。
旦那と二人で 運んだ。
義母の知り合いから譲って貰ったと言うベビーベットが何故だかリビングに置いてあった事に驚いた。
なぜ 私達の部屋じゃないんだろう?
そんな不安に駆り立てられながら 夕食の準備に取り掛かる。
義母が言った。
『私、これから店に出なきゃならないからここにお金おいとくから好きな出前でもとって夕食すませておいて』 そう言って渡されたのは、五千円札 一枚…。
義祖父母に旦那に私に義妹。大人五人分。 考えて出前とらなければ。
義祖母が帰って来てから 私は寿司がいいだの何だの…。
結局 特上頼みやがった。 もちろん足りない分のお金なんて出してくれるはずもなく。
しかも 義妹はピザまで食べたいと言い出し頼む羽目に。
もちろんピザ代も私達持ち。
帰って早々 何だか ふに落ちませんでした。
それでも せっかく帰って来たんだから、と つとめて明るく振る舞いました。
>> 277
オッパイも みんなが見てる前で やった。
わざわざ場所を移動するのは 赤ちゃんが泣いて可哀相だから すぐにやりなさい、私達は家族なんだから、と。
義母は何かにつけて、家族なんだから、とか 兄弟なんだから、とか 親戚なんだから、とか言う。
それが イライラする時があった。
義母はよく口出しはするくせに 仕事仕事で 家の事は何もしない人だった。
私は 何もしないなら口出しするなよ、とよく思っていた。
赤ちゃんが生まれてから 義理家族 全員が嫌いになっていった。
特に義祖母は、ますます大嫌いになった。
何かに付けて赤ちゃんを自分の部屋に連れて行っていた。
旦那いわく 自分が小さい時は 婆ちゃんのオッパイ吸わされてたらしいから 怪しいぞ。
……ゲェーマジやだ。 考えただけで吐き気がした。
>> 278
義祖母が赤ちゃんを勝手に部屋に連れて行き 自分の布団に寝かせていた。
私は 意味がわからなかった。
義祖母の部屋は、みんながいるリビングからは1番離れているし 何より ベビーベットはリビングに置いてあるし…。
1番心配してる ババァのオッパイ、吸わされてないかな……。
義妹が仕事から帰ってきて『あれ?赤ちゃんは?』私に尋ねる。
私『婆ちゃん達の部屋だよ』『えーどうして?連れて行く意味がわからない。』『…私もそう思う』そう言って 義祖母の部屋へ行き 赤ちゃんを返してもらう。
私にとって 初めての赤ちゃん。 家事よりも育児を優先したい。
赤ちゃんが泣いてたら 家事と代わって欲しい。
毎回 そう思った。
>> 280
その病院で処方された薬を飲んでも 全然 変わらなかった。
私は 結婚する前に行っていた 実家近くの胃腸科に行く事にした。
その時も『赤ちゃんは置いて行ったら?私が見てるから』と義祖母。
怖い…置いて行ける訳がない、何をされるかわからない。
早速 病院に行くと言い 実家へ帰った。
実家に着くとすぐ 胃腸科へ行った。
胃腸科では 胃カメラをした方がいい、そう言われた。
次の日に予約した。
いろんな説明を聞いた。
安定剤を飲むと 胃カメラが終わっても暫く 安静にしとかないといけない、困った、泣きじゃくる赤ちゃんをほったらかして ゆっくり寝てる暇はない。
私は 安定剤なしで お願いします、そう伝えた。
安定剤なしだと相当、辛いが 終わったらすぐに帰れる。
頑張る、そう決めた。
- << 283 胃カメラ…、始まった。 何度も鳴咽が…。 早く終わって。 そう願うだけだった。 やっと終わった…。 横になってる暇なんてない。 すぐベットから起きて 赤ちゃんが待つ一階まで降りて行った。 結果…、異常なし。 ホッとした。 そして次の日、義家族が待つ家に帰って行った。 誰一人 私に 体調の事を聞いてくる事はなかった。
>> 285
毎日 節約した。
食費、少し安い米にした。毎月 米は40㌔も買わなければならなく 無くなる頃、義祖母が高い米を買ってきては 米代を渡さなければならなかったから、 無くなる前に買って来て 米びつに移していた。
でも ついに言われた。
それは いつもと変わらない朝、義祖母『最近、米が美味しくないし炊き方が硬い』
私『それはすみません』
義祖母『どこの米?水加減も気をつけて』
私『だったら自分で炊けよ』と言えるはずもなく…。
聞き流す。
とりあえず 話は終わった。
あー朝からイライラする。
- << 290 とにかく家にいるのが嫌だった。 町の支援センターやら公園やら あるとあらゆる所に 出かけていた。 そのうち ママ友も増えていった。 仲良しになる程 いろんな話をする様になっていった。 もちろん私は義理家族の事。 そのうち 家に遊びに行ったり来たり…。 話を聞いてくれるおかげで 大分 イライラが減っていった。
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