一緒にお話つくろう会

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2007/04/12 17:52(更新日時)

ジャンルは未来形戦闘物。スターウォーズみたいな。

ルール
キャラは15人限定!!主人公クリス(主)とそれぞれ医師、メカ強さん、魔女、パイロット、宇宙人、なんでもOK♪♪15人でお話を作っていきましょう。上に番号と役名、名前 性別を書くことが条件。それでは

① 剣士 クリス 女
 
ここは戦地ダテスティン王国。私、クリスは王女の用心棒として王宮にいた。

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No.405545 (スレ作成日時)

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No.401

>> 400 兵士「ぐっ…」

兵士「貴様は…何者なん…だ…ぐっ…」

ドテ

キルト「何者か…闇の暗殺者とでも言っておこうかな…」

キルトは塔を見やげる。

キルト「高いな…」

そう言うと軽い身のこなしで塔の壁を登っていく。









クリスは塔の前まで来た。

兵士「…」

兵士が倒れている。

①「大丈夫ですか!」

兵士に駆け寄る。

兵士「…ぐっ…う…う」

①「なんです?」

兵士「う…え」

クリスは塔をみやげる。

①「アレは…」

古ぼけたフードを被った怪しい奴が塔の壁を登っている。あと少し頂上といったところまで来ているではないか。

デビル「結構高いところまで登ってるね」

①「大変!アイツ!きっとマリーン様の命を狙ってるのよ」

デビル「ふ~ん」

①「どうしよう!中から近道の階段を登って行っても間に合わない…」

デビル「クリス~任せなさい」

①「え?」

サッサササササ

クリスが驚いたのもつかの間、クリスは壁を登っていた。

①「え?え?」

クリスはまだ状況を飲み込めていない。

デビル「やっほぉぉ」

デビルは体毛を長く伸ばして蜘蛛・毛虫の足のように体毛を動かし、クリスを体毛で掴み塔の壁を登っていく。

怪しい奴が最上階の部屋の窓を壊し、中に入っていくが見える。

①「デビル!もっとスピード上げて!間に合わないわ!」

クリスもやっと状況を飲み込めたようだ。

デビル「ラジャー!」

デビルの足(体毛)の動きが更に早くなる。









キルト「ふぅ~着いたか」

壁登りで疲れた腕をぐるぐる回しながら、部屋を見渡す。

キルト「隠密にやりたかったんだが…」

部屋はとても綺麗で床はガラスのようだ。中央には泉がある。

そして、部屋にはベッドに寝た美しい美女と護衛の兵士に魔法使いたち。

兵士「なっ…」

魔法使い「窓から…」

兵士「侵入者ぁ!」

キルト「ふぅ…やになるな」

兵士の叫び声により、部屋の扉が勢いよく開き、部屋の外の警備兵たちが続々入ってくる。

キルト「やれやれ…」

キルトは不自然なかまえをするが武器は何も持っていない。

兵士「とりおさえろ!」

兵士たちはキルトの周りを取り囲み、じりじりと近寄ってくる。

魔法使い「気をつけろよ」

No.402

>> 401 部屋にいる魔法使いたちはキルトに向けて縛りの呪文を唱える。

キルト「…」

兵士「大人しくしろよ!まぁ動けんだろうがな!」

キルト「影の中からやってくる…」

兵士たち「??」

キルト「ふふ…」

キルトの古ぼけたローブのしたからアンチマジック製の鎧が鈍く光る。

魔法使い「!!」

兵士「!!」

消えた。

キルトが消えた。

キルトが再び、姿を見せた時には部屋は血の海とかしていた。

キルト「ふぅ…」

キルトはゆっくりベッドに近づいていく。

キルト「…美人だな」

ベッドの前までいっても、寝ている美女は起きない。

キルト「この騒ぎで起きなかったなんて…ねぼすけな大賢者様だ」

キルトは何かを動かす仕草をするが手には何も持っていない。

キルト「さぁ…雷兄の為に死んで貰うぜ」

カシ~ン!

キルトの手に握られていた物が後ろから投げられた短剣に当たり弾き飛ばされる。

キルト「おいおい…なんで俺の武器のことを知ってる…このことを知ってて生きてるやつはそうはいないはずなんだが…」

キルトはゆっくり後ろを振り返る。

キルト「なっ…」

キルトは動揺の色を隠せないようだ顔がひきっている。

①「久々だね…キルト」

クリスは剣を抜く。

キルト「クリス…」


デビル「え?知り合いなの?」

クリスはゆっくりキルトに近づいていく。

キルト「待て…待てよ…クリス」

クリスの動きが止まる。

キルト「俺とお前の仲だろう…殺り合うなんて…しねぇだろ?」

クリス再び歩き初める。

クリス「キルト…あんたが…兄(雷)についた時点で敵なんだよ…私の敵なんだよ!昔も言っただろう!今度、敵として現れたら…殺すって」

キルト「だが…な…俺は雷さんには逆らえない…兄貴ぶんの雷さんにはな…」

クリス「あんたは変わったよ。逆らえないからって…昔なら殺しなんてしなかった」

キルト「…」

クリス「キルト…兄が変わったのが分からないの!昔の!昔のあなたの兄貴ぶんだったころの兄ではなくなったのよ!!」

キルト「知ってるよ…変わった…でもな…俺は一生雷さんについて行くと誓ったんだよ」

クリスはキルトの目の前に来た。

クリス「なら…ここで…一生…終えていきな!」

クリスは思いとは反対にキルトに斬りかかった。

No.403

>> 402 クリスとキルトの戦いは目にも止まらぬ、攻撃の応酬だ。

①「はっ!」

キルト「くっ」

キルトの研ぎ澄まされた極薄の特殊素材で作られた透明の円形の刃をを巧みにつかいクリスの剣を受けている。

クリスはキルトに剣をふるいながら、昔を思い出していた。あのころ…あの平和だったあのころを

私はダンテスティン星の母、父、兄の四人家族に生まれた。

母、父が生きていた時は本当に楽しかった。いつも笑顔が絶えない家族。

母はとても料理上手で食事の時が一番家族が笑っていたのが記憶に残っている。

父は剣術の道場をやっていて私の剣技、兄もそうだが父に教わったものだ。

父はダンテスティン星一、いや世界一の剣豪だった。父の剣術は自然の力を自在に使う剣術で、【神剣】と言われていた。父は自分の子以外、つまり私と兄だが、子以外には誰一人として【神剣】を教えなかった。何人の弟子希望者を断っているところを見たことか、しかし、それが私たちの幸せを壊す原因になったのだけど。

だが、父を恨んだことは無い。【神剣】を教えなかったのも、正しいと思う。

恨むのは母・父を殺した。ドイスだ。

【あの事件】が兄を変えた。いや兄だけではないかもしれない私も変わった。

ダンテスティン星での【あの事件】で両親を失った私と兄は国の施設に預けられた。【あの事件】で亡くなったのは私の両親だけではない多くの人が亡くなり、私のような孤児になってしまった子供も多い。【あの事件】で死亡者はダンテスティン星の約半分の人達がなくなったらしい。【あの事件】があったせいで国力が強かったダンテスティン国も連合軍に簡単に占領された原因だろう。

キルト「クリス!腕が鈍ったか!」

キルト。そう、セロやキルトは国の施設で一緒に暮らした。

①「よくも、そんな口がたたけたもんだね!キルト!」

キルト「昔の俺じゃねぇぜ!」

キルト「この透明の円剣は…手の内は全部知られてるが…これは知らないはずだ」

消えた。

クリス「なっ!」

クリスの剣が宙を斬る。

キルト「影隠れ…」

キルトはクリスの後ろから、そうクリスの影から現れ、斬りかかる。

クリス「ちっ…」

さすがにクリスの反応も早かったが、キルトの円剣を肩にかすめ、傷を負う。

キルト「さすが…これをかわしたのはクリス…お前が初めてだぜ」

クリス「っ…」

No.404

>> 403 キルト「悲しいよな…クリス」

キルトは肩を押さえ膝をついているクリスの周りを歩きだす。

クリス「っ…」

キルト「昔…あんなに仲がよかった…雷さんとお前は…今じゃ殺し合う仲になっちまった…その点なら俺たちもそうだが」

キルトは手に持っているであろう円剣を回している。

キルト「どうだ。クリス!今ならまだこっちにこれるぜ?」

キルトは無言のクリスに向かって淡々と話し続ける。

キルト「俺もお前には借りがある…出来たら殺したくない…」

クリス「…」

クリスはゆっくり立ち上がる。

キルト「一緒に来い!クリス!俺がどうにかしてやるから!」

クリス「あんたは…」

キルト「??」

クリス「なんにもわかってない…あの時から」

クリス「あんたと…兄も…私の敵…何度言ったらわかるの」

クリスは再び剣をかまえる。

キルト「ふぅ…」

キルトは深くかぶっていたフードを外し、クリスを見つめる。

キルト「死ぬぞ…」

キルトもかまえる。

クリス「私は死なない!兄を止めるまで…」

クリスは胸に剣を当てる。

クリス「風よ」

部屋に風が吹いた。風がクリスを覆う。

キルト「十八番か…スピードだけでは俺は斬れない!」

クリス「はっ!!」

クリスは風のように軽やかに剣をふる。

キルトはクリスの剣を寸前のところでかわし、消えた。

クリス「やっかいな技だ」

自分の影に注意しながらクリスは剣をかまえる。

クリス「!!」

不意を突かれた。

キルト「壁抜け」

キルトが現れたのはマリーンが寝ている上。天井だった。

キルト「クリス!やっぱりお前とは戦えないぜ…用事済ませて帰るぜ!!」

キルトは天井裏の影に移動し、天井を【壁抜け】で抜けたようだ。そのままマリーンに落下していく。

クリス「ちっ…」

クリスは精一杯のスピードでキルトを止めようとするが間に合う距離じゃない。

見えないはずの円剣が鈍く光ったように見えた。

キルト「もらったぁ!」

マリーンの喉に狙い定める。

クリス「マリーン様ぁ~」

クリスがもう駄目だと思った時

キルト「なっ」

ベッドから出てきた黒い毛に叩かれ、キルトは勢いよく床に叩きつけられた。

デビル「忘れてもらったら困るよ」

デビルはマリーンが寝ている横からひょっこと顔を出す。

クリス「デビル!!」

ナイスデビル!後かってにベッドに潜り込むなよ…とクリスは思った。

No.405

>> 404 デビル「痛かったぁかぃ?」

デビルはベッドでぴょんぴょん飛び跳ねている。

キルトは突然の不意打ちで腹が立ったのかデビルを睨みつけながら、ゆっくり身体を起こす。

キルト「なんだぁ!てめぇは!いきなり…ただの餓鬼じゃないな!」

デビル「ん~」

話しを聞いていないのか背筋を伸ばして欠伸をしている。

キルト「く…馬鹿にしやがって!」

デビル「ケラケラ。一人で怒ってやんの~」

キルト「ななめやがって!…」

キルトは勢いよく手に持っているだろう円剣を投げるような仕草をする。

デビルは円剣が見えているかのように、動きを捉え体毛を伸ばし床に叩き落とす。鈍い金属音がなった。

キルト「ちっ」

キルトは左右につけたポーチから、円剣を再び手とる。

どうやら極薄の円剣を複数個持っているようだ。

キルト「くらいやがれ!!」

手慣れた動きで円剣を大量に投げるキルトに対し、デビルは体毛を自在に操り、軽々と弾いていく。

円剣はブーメランのように円を描き、前後左右からデビルを襲うが当たらない。

キルト「これならどうかな…はぁ!!」

キルトの体からオーラが出るのを感じる。

デビル「!」

投げられた円剣はまるで生きているかのように体毛をかわし、デビルを襲う。

デビル「わぁ」

小柄をいかして、どうにか上手くかわしたが、無数の円剣が再び、戻ってきて、デビルを襲う。

クリス「させないよ!!」

円剣とデビルの間にクリスが入り、生きているように動く無数の円剣を全て捉え、弾く。

キルト「くそ…見えてやがるのか」

クリス「たとえ…目に見えなくても、風は私に教えてくれる」

デビル「クリス~」

キルト「ふぅ…止めだ止め」

無数の円剣がキルトのポーチに戻っていく音が聞こえる。

クリス「逃げるきか!」

キルト「…っと」

キルト「その前に…」

デビル「あっ…」

クリス「!!」

クリスの後ろにいたデビルが血を吹き出し、倒れる。

クリス「デビル!」

クリスは直ぐに、デビルを抱き上げ、傷口を手で押さえるが血は止まらない。

キルト「ハハハ!油断してるからだ!餓鬼が!ハハハ!」

クリス「なんて…ことを…しっかりして!デビル!」

デビル「ぅぅ…」

クリス「いったい…どうやって…何も感じなかったのに」

キルト「ハハハ」

No.406

>> 405 キルト「どうやって?殺ったかてっか?」

キルト「簡単さ…ハハハ!その馬鹿な餓鬼を円剣で切っただけ」

キルト「俺は自在に円剣を操ることができるが更に壁抜けの能力を応用させた」

①「壁抜け…」

キルト「壁抜けは俺自身だけではなく。その気になれば物(円剣)だって、壁を抜けらすことが出来るのさ!例えば円剣を操り、床の下を通し、その餓鬼を斬りつけることもな!ハハハ!」

①「油断した…」

キルト「クリス…お前は今日は殺らねぇが…大賢者さんは別だ。あとその餓鬼も…まぁ、そいつはもうじき死ぬがな!ハハハ!」

キルト「見ろ!」

マリーンを指さす。

①「な!」

円剣がマリーンの周りを回っている。(風の力で感じることが出来る)

キルト「さぁ…大賢者さんにも死んでもらうかな」

①「止めて!!」

キルト「これも雷さんの命令だ。悪く思うな!」

デビル「餓鬼…餓鬼ねぇ」

ゴオオオオオ

①・キルト「!!」

デビルの傷口はみるみる治っていく。

①「デビル?」

ゴオオオオオ

部屋が小刻みに揺れている。

デビル「餓鬼餓鬼餓鬼…」

キルト「なんだぁ!この餓鬼は!」

慌てて、ポーチから円剣を手に取る。

デビルの身体からは黒い煙が出ている。

キルト「なんだ!」

煙はデビルの全身を覆うと更に広がっていく。

クリス「デビル…」

近くにいたクリスは煙に飲み込まれないように少し離れ、様子をうかがっている。

煙が消えた時にそこに立っていたのはデビルとは言い難い、長身の若い男だった。

凛々しい顔の男。

彼からは凄まじい力を感じる。

キルト「だれだ…餓鬼は何処いった!」

デビル『その餓鬼だ。小僧。ふっふふ』

彼の声は低く、魔法使いが呪文を唱える声に似ている。

キルト「…ぅ」

キルトは彼の力を感じ取ったのか、近づいてくる彼から後退りしている。

デビル『殺り合わんのか?さっきまでの威勢はどうした?』

キルト「な…な…」

デビル『かまえろ。いくぞ』

キルトは彼の言葉に反応し、円剣ならではのかまえをする。

デビル『運がよかったら…死なんかもな』

彼は右手の拳を広げ、キルトに向ける。

キルト「ぁぁ…」

キルトは動けない。

彼の手が光ったと思った時にはキルトと部屋半分は吹き飛んで消えていた。

デビル『終わったな』

クリス「え…ぇ」

デビルの余りの変わりように動揺を隠せない。

No.407

>> 406 ボン

①「あっ…」

黒い煙が彼の身体から大量に出たと思ったら、元のデビルに戻っていた。

デビル「あっ…戻っちゃったみたい(笑)」

①「貴方は…いったい」

デビル「驚かせちゃったかな?アレが僕の本来の姿なんだ。今は地上に出てきたばかりであの体に維持出来ないけど…数日もあれば完全に…」

①「驚いたけど…最近は色々あったから慣れたわ(笑)」

デビル「それは良かった。(笑)」

クリスはベッドに寝ているマリーンの顔を覗く。

①「マリーン様…」

デビル「僕が横にいた時に何度も揺すったけど起きなかったよ」

①「まるで…死んだように眠ってるわ」

デビル「僕が見るに…魔力の弱り方が尋常ではないよ…今もどんどん減っていってる」

①「早くどうにかしてあげたいけど…」

①「マリーン様以上の魔法使いなんて…あっ」

デビル「?」

①「そうよ!ハークがいるじゃない!そうハークなら!」

デビル「ハークって誰?」

①「風の大賢者よ!今、竜人部隊と一緒にここに向かっている途中なの」

デビル「ふ~ん。なら早い方がいいよ」

①「えっ?」

デビル「この人の魔力は後わずかだし…減りようからみて…あと二時間ももたないよ」

クリス「二時間…」

クリス「とにかく…今は…セレナたちが来るのを待つしかないわ…行きましょう!凱やセロたちのところへ」

デビル「え~何か食べたい(泣)」

クリスはデビルを抱き抱える。

クリス「まずは…塀に行く前に塔の兵士さんたちにここの状況を知らとかないと…また襲われでもしたら大変だし」









バラバラ

「痛てぇ…」

瓦礫の中から、這うようにして古ぼけたローブを着た男が出てきた。

キルト「もう少しで死ぬとこだった…ハァ」

傷ついた体を必死に動かし、やっと瓦礫から出ることが出来た。

キルト「くっ…ダメージが大きい…ここは一旦退くか…」

キルト闇に消えていった。










連合軍の大部隊はもう直ぐ冬国といったところまで進行していた。

ガガガガガガ

アーム「さぁ!イベントが初まるぜ!ガハハハハ!!」

そんな大部隊の中にもちろんアームたちもいた。

ベネズエラ「イベントねぇ…」

福隊長「隊長…今度こそは勝手な行動をとらないで下さいよ!」

アーム「わかっとる。ガハハハハ」

ベネズエラ「はぁ~…」

ミスター「私も頑張ります…」

No.408

>> 407 連合軍の全部隊が冬国を目指している一方で一隻の大型戦艦は他の艦隊とは離れた位置にいた。

補佐官「雷様…」

⑫「…」

補佐官「森も焼き払い終わり…部隊もようやく進行を開始しました。」

⑫「進めんのか…」

補佐官「え?」

⑫「この艦は冬国にまだ行けないのか!と聞いているんだ!」

補佐官「はい!進もうとしましても何かの力で押し戻されてしまい…」

⑫「ふっ…もういい!とっとと出て行け!」

補佐官「はっ!」

雷は机の上に置いてある紅茶を一口飲む。

⑫「キルト…貴様が失敗とは…久々だな」

キルトは床から徐々に出てくる。

キルト「兄貴すいませんでした。なんせ、クリ…」

⑫「クリスか…」

キルト「はっ!」

⑫「…」

己の魂の長剣を見つめる。何時もなら、剣は背中にあるのだが、どうやら食事中だったようで、机の上に置いてある。

キルト「兄貴…クリスを…」

キルトはそれ以上何も言えなかった。雷の冷たい目を見ると何時も何も言えなくなってしまうのだ。

⑫「そんなことより…」

キルトが頷く。

素早い動きで、円剣を投げる。

カシ~ン

キキ「おっと…恐い恐い(笑)」

突然現れた魔法使いはその槍のような杖で円剣を弾く。

キルト「誰だ!お前は!死にてぇか!」

⑫「…」

雷は机の長剣を手に取る。

キキ「戦いにきたんじゃないんだ。」

キルト「なら!何しに来た!」

キキ「あんたらに…いい情報だ」

⑫「言ってみろ」

キキ「もうすぐ、竜人部隊がくる。早いとこけりをつけた方がいい」

キルト「竜人部隊?」

⑫「…」

ついに始めろうとしているシーラ星最後の決戦。エルフと連合軍の戦いの結果は目に見えている。果たして、セレナたちは間に合うのだろうか。

続く

No.409

>> 408 ガガガガガガ

⑤「ぅ…来た」

ゴク

セロはつばを飲み込む。

⑦「しゃあ!」

ほを叩き、気合いを入れる。

兵士「…」

兵士たちに緊張が走る。

サマー「かまえ!」

合図と共に一斉に銃をかまえる。

秋国隊長「絶対にぃ!通すなよ!」

「おおぉ~!!!」

兵士たちの士気が高まる。

①「ついに…始まるのね」

デビル「…」

絶望な状況の中、クリスたちを始め、兵士たちの中には諦めているものは誰一人いない。

カチャ

クリスも普段は使わない銃をかまえ、塀に身をかくす。

長老「見えた…」

『行け行け行けぇ!!』

連合軍の大軍が波となって、押し寄せてくる。

サマー『撃てぇ!!!』

バババババ

ドカァ~ン

ドドドドドドド

連合軍の戦車からは雨のような数の砲弾が放たれる。

ドカァ~ン

⑦「ちっ…なんて火力だ」

凱も普段使わない銃を使っている。いつものように一人で突っ込んで勝てる数ではないのは凱も承知しているのだろう。

ババババババババ

味方の兵士が次々に倒れていく。

ドカァ~ン

サマー「くっ…敵兵(歩兵)を近づけるなぁ!!」

エルフ兵「アレを!!」

サマーは上空を見る。

ゴオオオオオ

太陽の光を全て、隠すような連合軍の艦隊が頭上に飛んでいる。

サマー「なっ…避難だ!退却!」

遅かった。サマーは思った。地上部隊に気をとられすぎて艦隊に気づかなかったなんて

ヒュヒュ

大艦隊から、大量の爆弾が投下される。

ドカァ~ン

ドガァアァ

エルフたちは大した防御力もない塀ごと吹き飛ばされていく。

秋国隊長「撤退ぃ!!」

サマー「撤退!!」

戦車から砲撃、戦艦からの爆撃でエルフ兵たちは大勢の仲間を失いながら、後退していく。

ドカァ~ン

⑦「大丈夫か!」

⑤「あぁ…なんとか」

凱は爆風で飛ばされたセロに手を貸す。

⑦「このままじゃ!爆弾の餌食だ!俺たちも退くぞ!」

⑤「あぁ」

ドカァ~ン

連合軍の兵士たちは撤退していくエルフたちに迫っていく。

連合軍兵「このまま一気に落とせぇ!!」

エルフ兵「俺たちが足止めする!他のものたちは逃げろ!」

ババババババババ

ドカァ~ン

①「きゃあ」

クリスの前に爆弾が落ちる。

デビル「クリス!」

①「はぁはぁ…危なかった…」

デビル「見て!」

デビルは王宮を指さす。

ドガァアァ

No.410

>> 409 ①「王宮が」

艦隊の爆撃は既に王宮いたっていた。

デビル「これじゃ逃げるところもないよ」

艦隊は冬国の上空を埋めつくしている。

冬国の王宮や町は轟音と共に崩れていく。

崩れゆく、王宮で唯一、秋国の塔だけが無傷で立っている。マリーンが生きているかぎりは安泰だろう。

①「とにかく…塔が無事なら」

凄まじい爆撃の中、立っている塔を見て、クリスは頼もしい物を感じた。

デビル「塔の中の人は無事でも…」

周りを見る。

デビル「ここにいる兵士たちは…全滅だよ」

こうしているうちにも、兵士たちは次々に倒れていく。

①「セレナ…早く来て…」

クリスは遠くの空を見つめる。










ババババババババ

⑦「ちっ!銃弾がねぇ!」

後ろには爆撃の雨、前からは砲弾・銃弾の嵐で、凱たちを含め、エルフたちは身動きがとれずにいた。しかし、このままここにいても押し寄せてくる連合軍兵に殺られるだけだろう。

ドガァアァ

サマー「こっちも!玉切れだ!」

⑦「ちっ!こうなりゃ」

凱は剣に手をかける。

サマー「待て!」

凱の肩を押さえる。

サマー「この銃弾が飛びかう戦場に飛びだして行ったらお前でも死ぬぞ!」

ドドドドドドド

⑦「だが…」

⑤「凱!サマー!」

ドガッアァァ

凱とサマーの頭上に爆弾が落ちてきた…が寸前でかわせたようだ。二人は無事だ。

⑦「ふぅ…ここで何回死にかけたか」

サマー「三回目だ」

カチャ

セロが持ってきた銃弾を銃に込める。

⑤「暴れますか(笑)」

セロはロケットランチャーをかまえる。

サマー「ふっ」

⑦「おぉ~!」

向かってくる連合兵に三人はかかんに挑んでいった。

No.411

>> 410 儚く散っていく勇敢なエルフたち。

秋国隊長「怯むな!撃てぇ!撃てぇ!」

どんなに味方がやられようとエルフたちの目は死んではいない。


シーラ星の住民、エルフは誇り高い種族だ。だが、彼らは誇りが高いだけではない。彼は勇気も力も持っている。

サマー「撃てぇ!撃てぇ!」

連合軍の兵士たちは列を作り、進行してくる。

⑦「くっ」

これまでか…と誰もが思った。

「うっ?」

「なんだ?」

「アレは!!」

エルフたちから次々に声が上っていく。

⑤『竜人艦隊だぁ~!味方!味方が来たぞぉ!』

歓喜の声が上がる。

歓喜の声は徐々に大きくなっていく。

連合兵「後方から!大軍です!!」

アーム「主砲を!180度回転!!」

連合軍の兵士たちも後方から来る竜人部隊に気づき、直ぐに向かえうつ準備をし始める。

竜人艦隊は地上部隊を投下しながら、真っ直ぐこっちに向かってくる。

連合兵「攻撃用意!!放て!!」

連合艦隊は爆撃を止め、向かってくる竜人艦隊に総攻撃をしかける。

竜人艦隊も負けじと攻撃をしかける。

凄まじい空中戦が始まった。

サマー「凱!頭上でこんな空中戦をされたら!」

⑦「あぁ!やべぇな!」

⑤「おい!アレ!」

ゴオオオオオ

大型戦艦が炎を上げ、落ちてくる。

連合兵「下がれ!」

連合兵「うわぁぁあ」

ドガァアァ

一隻だけではない、竜人艦隊、連合艦隊の何隻もの戦艦が落ちてくるではないか。

サマー「逃げろ!!」

地上では戦いどころではなくなった。エルフ兵はもちろん、連合兵も落ちてくる戦艦に飲み込まれていく。

連合兵「に…ぐわぁあぁ」

連合軍の大軍は落ちてくる戦艦から逃げようにもの大軍過ぎて、直ぐに移動出来ない。

連合艦隊と竜人艦隊の戦いの方はと言うと流石に数が多い、連合艦隊の方が優勢のようだが、竜人艦隊も負けてはいない。

①「セレナ!間に合ったのね!」

クリスは飛び跳ねて喜んでいる。

デビル「クリス!喜んでる暇ないよ!」

デビルは落ちてくる戦艦を指さす。確かにいつまでもここにはいられない。

①「えぇ!」










ドガァアァ

⑭キック「まともに戦っては勝目はない!混乱している今がチャンスだ」

艦隊から投下された竜人地上部隊は逃げるのに必死な連合軍に攻撃をしかけている。

竜人「エルフを助けろ!!行け行け!!」

No.412

>> 411 ⑭キック「はっ!」

連合兵「ぐっが」

竜人たちは空を自在に飛び回り、連携して連合兵を斬り倒していく。

竜人「はっ!」

竜人「やっ!」

大きな掛け声で一人一人が力を合わし、数が多い連合軍を押さえこむ。洗練された動きだ。

竜人「キック殿!西から連合軍です!」

どうやら伏兵がいたらしい。

⑭キック「向かえうて!!」

竜人「東からもです!」

⑭「左右から…伏兵だと…」

準備が良すぎる。

⑭キック「連合軍め!我らが来るのを知っていたか!くそ」

連合兵は竜人隊を取り囲み、徐々に一ヶ所に集められていく。

竜人「このまま!囲まれたら!数が少ない我らの方が不利です!」

⑭キック「仕方ない…」

キックはライオネルとリオを見る。

⑨ライオネル「うっ?」

⑪リオ「え?」

キックは二人を抱え、空高く飛び上がる。

⑭「作戦変更だ!個人戦でいく!」

⑨「うわぁぁ」

⑪「わぁ!高い!高い!」

竜人「我らもいくぞ!」

他の竜人たちはキックに続く。

連合兵「逃がすな!撃ち落とせ!」

ババババババババ

ドドドドドドド

⑭「竜人の力をみせつけよ!」

『おおぉぉ~!!!』

竜人たちは銃弾を華麗にかわし、急落下してくる。

連合兵「撃て!撃て!」

竜人は先ほどの連携攻撃を止め、一人一人が大軍に向かっていく。

竜人たち『おおぉぉぉ!!』

高所から落下していく勢いで、連合兵を吹き飛ばす。しかし、いくら丈夫な竜人たちでもただでは済まない。もれはの剣だ。

連合兵「我らは!連合軍の中の連合軍!雷部隊だ!竜人どもに怯むなぁ!」

連合兵『おおぉぉ~!!』

地上戦や空中戦を含め、竜人と連合軍の戦いはどちらも一歩も引かない。

No.413

>> 412 地上での竜人と連合軍の戦いを見ているものがいた。

キキだ。浮遊魔法で空を飛んでいる。

キキ「ほぅ…ここまで頑張るとはな」

竜人たちは各々、大軍の中で戦っている。

キキ「俺がわざわざ知らせてやったのに…この様とは」

艦隊同士の空中戦は今だ激しい戦いが繰り広げられている。

キキ「まぁ…いい」

槍のような杖を高く上げる。

キキ「地上の竜人から殲滅してやるか…」

杖が光り始める。光は黒く何もかもを飲み込みそうだ。

キキ「ふふ…」

大魔法を放とうとしているキキには誰も気づいていない。

『させない!』

ゴオオオオオ

キキ「!!」

炎の玉がキキを襲う。

だが、移動魔法でキキは難を逃れた。炎の玉は遠くに飛んでいく。

キキ「貴様は…」

キキは炎の玉を放った主に杖を向ける。

キキ「ふっ…浮遊魔法を使えたとはな(笑)いつも大賢者様がいないと何も出来ないのにな!」

「浮遊魔法ぐらい…使えるわ」

銀色の杖からは眩しい光が放たれている。

キキ「助けてくれる人はまだ宇宙だぞ?貴様一人で何が出来ると言うんだ?姫様?ハハハ」

キキは腹を抱え、笑っている。

③セレナ「笑ってる余裕はあるのかしら?」

セレナはキキの頭上を指さす。

キキ「っ!!」

巨大な炎の玉が落下してきている。

キキ「ふっ…」

キキは瞬時に移動魔法を使い、炎の玉を回避する。

キキ「わざわざ教えてくれるとは…つくづく世間知らずの姫様だ。ハハハ!」

キキ「なっ!」

セレナの姿がない。

③セレナ「こっちよ」

キキ「貴様!!移動魔法も使えたのか!」

慌てて、後ろを振り返る。

セレナ「遅いわ!!!」

キキ「ぐっ!!」

セレナは杖を大きく振りかぶる、杖はキキの腹に深く食い込み、激しい光を放つ。

③セレナ「貴方の敗因は私を舐めたことです。」

杖は光を増す。

キキ「ぐっぐぐ…き」

③「やぁあぁ!!」

セレナは杖を振りきった。

キキ「ぐっはぁ」

キキは勢いよく飛ばされ、杖が離れても、腹部は光を放っている。

ドガァアァ

光が消えた瞬間、爆発した。

③「終わった…」

セレナの杖の光りは急に小さくなる。

どうやら、魔力を使い過ぎたようだ。浮遊魔法もおぼつかなくなっている。

③「ハァ…まだ頑張らなきゃ…クリスのところへ」

セレナは左右に大きく揺れながら、飛んでいく。

No.414

>> 413 『何処え…行くきだ』

③「え?」

キキ「俺を…倒したつもりか…ぐっ」

③「生きていたの…」

キキはダメージは深そうなものの強力な魔力は健在のようだ。彼からは凄まじい魔力を感じる。

キキ「貴様にしては…よくやった…」

キキはボロボロになったローブを脱ぎ捨てる。

キキ「移動魔法が…使えたとは…油断した…ハァ」

キキはローブの下の服も脱ぎすて、上半身裸になっている。結構筋肉質だ。

③「くっ…」

セレナは杖をキキに向ける。杖の光りは弱々しい。

キキ「ふっ…」

キキの杖からは凄まじい光りが放たれる。

キキ「直ぐには…」

消えた。

キキ「殺さん」

キキはセレナの後ろに移動する。

③「!!」

セレナも瞬間に移動魔法を使うが、更にキキも移動魔法を使いセレナの後ろをとる。

③「ハァ…」

キキ「無駄だ!」

キキは杖の刃のついていない方でセレナを殴る。

③「きゃぁ」

殴られた衝撃で浮遊魔法が解け、落下していく。

キキ「ふん」

キキはこのまま落下し、死んでもらっては面白くないらしくセレナを空中に縛り上げる。

③「うっぅ」

セレナは大の字で空中に捕らわれる。

キキ「ふっ…浮遊魔法を使う魔力すら残ってないとはな」

キキ「ほらよ!」

③「あぁぁぁ」

見えない力がセレナを締めつける。手足は今にも折れそうだ。

キキ「そうだ…苦しめ…そして死ね!…この俺様を怒らせるからだ」

③「あぁあ…」

セレナの意識が薄れていく。

キキ「ふっ…もういいだろう…死ね」

⑭「間に合ったな」

風のように空中を飛んでくる一人の竜人。

キキ「!!」

セレナを抱き上げ、魔法から解放すると急落下していく。

キキ「なんだ!あの竜人は!くそ!」

キキもキックの後を追い、急落下していく。

No.415

>> 414 キックはキキが放った複数の電気か炎かよく分からない魔法を軽々と避け、森の焼け後に降り立つ。周りでは竜人と連合軍が激しい戦いをしている。

キキ「こんな戦場のど真ん中に降り立つとは…何を考えてるのか」

キキは浮遊魔法で飛んでいる。

⑭「さぁ!相手になってやる!」

キックはセレナを竜人兵に託す。

竜人兵はセレナを抱え、飛んでいく。

キキ「逃がすか!」

キキはセレナに杖を向ける。

⑨「久々!」

ライオネルが低所に浮遊しているキキの背後から斬りかかる。

キキ「貴様は!」

セレナに杖を向けるのを止め、ライオネルの剣を杖で受け止める。

⑨「久々と言っても…数時間ぶりだけどな!ぐっぐ」

⑭「加勢するぞ!!」

ライオネル、キック二人がかりで、キキに斬りかかる。

キキ「ちっ!」

キキは移動魔法を使い、二人の剣から逃れる。

⑭「移動魔法か…やっかいだ」

⑨「一番得意らしいぞ…逃げるのがな」

キキ「ふっ…今のうちにいいたい事を言っておけ!今、殺してやる」

キキの杖が光った。

黒い光りは天高く上がる。

兵士たち「なんだ?」

⑭「やばいな…」

⑨「同感…」

キキ「俺は機嫌が悪いんだ」

杖の光りが消えた瞬間、地中から光りが出てきて、地割を起こし、地面を持ち上げ、凄まじい爆発が起きる。

ドオオオオオォォ

辺り、一面が吹き飛んでいく。

兵士たちは爆炎に飲み込まれといく。燃えた木、落ちてきた戦艦、戦車なども軽々と爆風で吹き飛んでいく。

なんという威力だ。キキがいた周り数kmが吹き飛んでしまった。

キキ「ハハハ!!」

兵器の残骸や、倒れた兵士たちしか見えない。

キキ「う?」

瓦礫の一部に目をやる。

ガラガラ

瓦礫の中から、ライオネル・キックが出てきた。

⑭「凄い魔法だ」

⑨「あぁ…味方も関係なしに吹き飛ばすとは…」

キキ「貴様ら…なんで生きてる」

キキは杖を二人に向ける。

ガラガラ

瓦礫の中から、もう一人出てきた。

⑪「えっへん!僕の力でした(笑)」

⑨「調子に乗るな!」

キキ「その餓鬼は…」

⑪「ほら」

リオは鉄で出来た大きな瓦礫を動かして見せる。

キキ「ふっ…鉄を集め楯を作ったわけか…」

キキの杖がまた光だす。

キキ「二度目は無いぞ」

No.416

>> 415 手に持っている杖の水晶が眩く輝き出す。

⑭「くっ!」
③「眩しい…。」
⑪「なんだよ、この黒い光りは!?」
⑨「強い、魔力が杖に集まっているみたいだ!!」

みんなが目を手で覆っている間に、キキはハイエント魔法を唱えだした。

キキ「ザードザードエウルム…古により伝わる地獄の亡者よ!全てを腐敗させてしまえ…。」

ギュウオォォン

水晶に凄まじい魔力が凝縮されていく。


⑨「何か、やばい…。」
⑭「ライオネル!リオ!俺につかまれっ早く!」
⑪「分かった。早くセレナも逃げて!」
③「…分かったわ。」

その時、キキの光りを見た竜人と竜たちがセレナたちを助けに来た。

竜人「キック大丈夫か?」
竜人「助太刀に来たぜ!」
竜「ごおあぁぁっ」


⑭「お前たち、来るなーっ」

キキ「貴様等、みんな死んでしまえーっ!!!」

ピカーーーッ










竜人「かっ体か腐って…」
竜人「ドロドロに体がとけ…」
竜たち「グア~ン!!」
「ガガッ」
「うおぉ~ゎん!」

次々と助けに来た竜人と竜たちは、元の形が分からないヘドロのようになって落ちていった…。

No.417

>> 416 何とか、キキの腐食魔法をかわした四人は、体制を整える為その場を離れた。


キックはライオネルとリオを地上に下ろした。
後からセレナも降り立った。

その近くに洞窟が見え歩きだす。(初めて凱が休んでいた洞窟)


パチパチッ
パキッ
パチパチ

⑭「イース星の友よ、すまん…」
キックは、うつむき涙をぐっと堪えた。
③「キック…。」

⑨「わがシーラ星の為に仲間を…すまない…」

ジジッ
焚き火に群がった虫が、燃えてゆらゆら落ちてゆく。

⑭「いや、いいんだ…遅かれ早かれ何時かは連合軍と戦わなくてはいけなかったんだ。」

⑨「…。」

⑭「気にするな、ライオネル。」

ライオネル肩をポンと叩くとキックは、立ち上がった。

③「みなさん、必ず連合軍を倒して、世界を平和にしましょう。そうしないと、いままで戦死していった方々が浮かばれません。」

⑨「うん、そうだね。」
⑭「ああ、仲間の弔い合戦も含め世界平和の為に、命ある限り俺は戦う。」


その傍らでリオはすうすうと寝息を立てていた。

  • << 419 ライオネルは寝ているリオに気づく。 ⑨「こいつ…寝てやがる」 ③「駄目!疲れてるんだから!少し休ませてあげて!」 起こそうとするライオネルの手を叩く。 ⑨「ぅ…すまない(汗)」 ⑭「しかし…こんな隠れたところに洞窟があるとは」 キックは洞窟を見渡している。 ⑨「俺も冬国の近くにこんな洞窟があったなんて知らなかった…何処まで続いてるんだろう」 ライオネルは暗い洞窟の奥を見つめる。 ガサガサ ⑨「!?」 奥で何かが動いた。 ライオネルは腰の剣に手をかける。 ⑭「先客が…いたようだな」 キックも気づいていたらしく、既に剣を抜いている。 ⑨「あぁ…」 ライオネルも慌てて、剣を抜く。 ガサガサ ⑭「セレナ姫…明かりを頼みます」 ③「え?…えぇ!ちょっと待って!」 ⑪「うぅ…う?」 慌てて、杖を洞窟の奥に向け、寝ているリオを起こす。 杖から出た光りは徐々に洞窟を照らしていく。 奥の何者かの姿が徐々に見えてくる。 ⑭「誰だ?」 キック、ライオネルは剣をかまえ、警戒する。 『やぁ…始めまして』 何者かの姿が完全に照らされた。 ⑭「君は…何してるこんなところで」 まだ、十代半ばの少年だ。 『え…えっと…』 少年は槍のような杖をローブの下に隠す、セレナたちは杖には気づかなかったようだ。 ⑨「ローブを着てると言うことは…魔法使いか」 『え?…いや…あの魔法使いではなく…魔法見習いで』 少年はローブの下から魔法書を取り出す。 ③「連合軍?…」 少年は苦笑する。 『いいえ…僕は』 少年は被っていたフードを取って見せる。 ⑨「エルフ族!」 少年の耳はとがっている。エルフ族の典型的な耳の特長だ。 ⑨「連合軍でないのはわかったが…」 エルフで連合軍に味方する者はいない。 ⑨「君みたいな子が…なぜ一人で…しかも、戦場のど真ん中と言わんでも…戦場のすぐ近くで」 『それは…』 少年が言うに自分は春国から来たらしく、命からがら、生きのび、逃げてきたのはいいものの既に戦いが始まっていて冬国には入れず、偶然に洞窟を見つけ、隠れていたと言う。

No.418

>> 417 m(_ _)m【415と416の間のレス抜けてたので補足です…💧アル】

竜人兵はセレナを抱き抱え走った。

竜人「うっ!」

背中に激痛が走る

キキ「逃がすものか、セ・レ・ナ!」

杖に魔力を溜めている、もう片方の手から煙りが上がっていた。

セレナ「ううっ…」

ライオネルはエルフの補助魔法で素早くセレナを抱き抱えながら、少しだけ魔力が回復するエルフの水を飲ませた。

③「ありがとう…ライオネル…少しずつ魔力が戻ってくるみたい。」

⑭「セレナには、安全な場所にと思ったが…しかたない。」
⑪「セレナ、大丈夫?」
③「何とか大丈夫よ。リオ」
⑪「へへっ」
リオは、恥ずかしそうに人差し指で鼻をこすった。

キキの光りは段々黒くなっていく…そして、

No.419

>> 417 何とか、キキの腐食魔法をかわした四人は、体制を整える為その場を離れた。 キックはライオネルとリオを地上に下ろした。 後からセレナも降り… ライオネルは寝ているリオに気づく。

⑨「こいつ…寝てやがる」

③「駄目!疲れてるんだから!少し休ませてあげて!」

起こそうとするライオネルの手を叩く。

⑨「ぅ…すまない(汗)」

⑭「しかし…こんな隠れたところに洞窟があるとは」

キックは洞窟を見渡している。

⑨「俺も冬国の近くにこんな洞窟があったなんて知らなかった…何処まで続いてるんだろう」

ライオネルは暗い洞窟の奥を見つめる。

ガサガサ

⑨「!?」

奥で何かが動いた。

ライオネルは腰の剣に手をかける。

⑭「先客が…いたようだな」

キックも気づいていたらしく、既に剣を抜いている。

⑨「あぁ…」

ライオネルも慌てて、剣を抜く。

ガサガサ

⑭「セレナ姫…明かりを頼みます」

③「え?…えぇ!ちょっと待って!」

⑪「うぅ…う?」

慌てて、杖を洞窟の奥に向け、寝ているリオを起こす。

杖から出た光りは徐々に洞窟を照らしていく。

奥の何者かの姿が徐々に見えてくる。

⑭「誰だ?」

キック、ライオネルは剣をかまえ、警戒する。

『やぁ…始めまして』

何者かの姿が完全に照らされた。

⑭「君は…何してるこんなところで」

まだ、十代半ばの少年だ。

『え…えっと…』

少年は槍のような杖をローブの下に隠す、セレナたちは杖には気づかなかったようだ。

⑨「ローブを着てると言うことは…魔法使いか」

『え?…いや…あの魔法使いではなく…魔法見習いで』

少年はローブの下から魔法書を取り出す。

③「連合軍?…」

少年は苦笑する。

『いいえ…僕は』

少年は被っていたフードを取って見せる。

⑨「エルフ族!」

少年の耳はとがっている。エルフ族の典型的な耳の特長だ。

⑨「連合軍でないのはわかったが…」

エルフで連合軍に味方する者はいない。

⑨「君みたいな子が…なぜ一人で…しかも、戦場のど真ん中と言わんでも…戦場のすぐ近くで」

『それは…』

少年が言うに自分は春国から来たらしく、命からがら、生きのび、逃げてきたのはいいものの既に戦いが始まっていて冬国には入れず、偶然に洞窟を見つけ、隠れていたと言う。

No.420

>> 419 ⑨「そういうことなら…一緒に行こう」

⑭「しかし…ライオネル殿…エルフと言えど連合軍でないとは…いいきれない」

⑨「キック殿…エルフは連合軍には荷担しない」

③「それに…こんな子を置いてはいけませんよ」

⑨「だね~痛てぇ」

ライオネルはリオの頭を叩く。

⑨「年下のお前が言うな」

⑭「皆さんがそこまでいうなら…」

③「君…名前はなんというの?私はセレナ!よろしくね!」

セレナは少年に近づく。

『セレナ…僕は…ベネズエラ…ベネズエラだよ』

⑨「よし…ベネズエラ!我々と一緒に冬国に連れててやるよ!行こう!」

セレナたちは洞窟を出て、再び、戦場に戻る。

⑭「気をつけて下さい!行きましょう!」

凄まじい、爆発や銃弾の嵐だ。

危険を冒してまで冬国を目指すのはベネズエラを冬国まで連れていかなくてはならないし、なにより、クリスたちと合流するため、冬国を目指さなければならない。

ベネズエラ「馬鹿なやつら…」

セレナたちの後を走っているベネズエラは笑みを浮かべる。

ベネズエラ「ふふ」

なんて…お人好しの馬鹿どもだ(笑)しかし…ラッキーだったな。アームのおっさんの戦車に乗るのが疲れて、偶然見つけた洞窟で休んでたら、ドイス閣下からの最優先命令のターゲットのセレナ姫が現れるとは(笑)なんせ幻惑の耳だけで、僕を仲間と信じ込むなんて(笑)笑いが止まらないや…エルフって本当馬鹿…このまま、こいつらについて行って、セレナ姫を…ふふ…

ベネズエラ「…」

セレナたちは戦場を駆け抜けていく。

だが、キキの奴がこの星に来てるのはおどろいたな。少し前の魔力のぶつかり合い(セレナ・キキ)で、キキの魔力を感じた。

ベネズエラ「あいつも馬鹿だな…マジでセレナ姫を殺そうとしてたし…」

もっと効率のいいやり方を見せてやるよ。キキ。手柄は僕が貰う(笑)

ベネズエラ「ハハハ!!あっ!」

こんなことを考えているベネズエラは地面の石に気づかなかった。

そして…転けた。

ベネズエラ「ぐげぇ」

③「大丈夫?」

セレナが駆けよってくる。

ベネズエラ「はい…大丈夫です…ぅ」

直ぐに起き上がり、再び、走りだす。

セレナ「さぁ」

ベネズエラ「ぐ…」

本当についてるのか…僕は…不安になってきた。

No.421

>> 420 艦隊同士の空中戦は押しつ押されつの戦いだが

秋国隊長「下がれ!下がれ!」

地上ではエルフ軍はどんどん押され、連合軍は王宮の直ぐ近くまで迫ってきていた。

竜人「はっ!戦えぇ!」

地上の竜人部隊はそんな連合軍を横から攻めてはいるが連合軍を止めることが出来ない。

やはり、竜人部隊が間に合ったと言っても、不利な状況は変わらなかった。

主力部隊(竜部隊)がいればもう少しましな戦いが出来ただろうが、主力部隊は今だに姿を見せない。

クリスたちは何とか国境(塀)から、逃れ、今は王宮の近くで戦っていた。

①「はっ!!」

連合軍も竜人艦隊に全攻撃力を注いでいるので、王宮や町の爆撃は止んでいる。

連合兵「なんだ!あの女は!ぐわぁ!」

クリスは銃を持った大勢の連合兵に剣一つで挑んでいく。爆撃で破壊された建物(瓦礫)を上手く使い銃弾を防ぎ、間合いをつめて連合兵たちを斬り倒していく。

サマー「クリスさんを!」

⑤「わかってる!援護するよ!」

⑦「はあぁぁ!!ガイブレイド!!」

デビル「やっほぉ~」

その近くではデビル・セロ・凱・サマーたちも戦っている。

サマー「アレを!!」

⑤「う?」

クリスたちの後方(王宮)から、エルフ兵・珍獣族のグウタラどもがやってくる。

サマー「援軍だ!!」

サマーはエルフ兵たちに合図を送る。

エルフ兵「援護!援護しろ!」

エルフ兵たちは援護射撃し、援軍の道を切り開く。

デビル「やっと来たか…遅いんだから」

数百、数千の珍獣族は銃弾ももろともせずに真っ直ぐ向かってくる。

「腹もはったし…」

「ゲラゲラ…」

「暴れてやろう!ガハハハハ!」

『があぁぁぁ』

奇妙な生き物たちは連合兵をまるで、小さな虫でも相手にするかのように薙ぎ倒していく。

珍獣族の活躍は素晴らしいものだったが、膨大な兵力の連合軍を押さえるので精一杯だ。

サマー「撃て…撃つんだ!」

いくら珍獣たちでも連合兵に倒さていく。

⑦「ちっ!いくらなんでも多すぎるぜ!!」

No.422

>> 421 ⑦「くっ、こうなったら…サマー、援護を頼む。」

そう言うと、凱は妖刀「覇王」を抜いた。
サマー「分かった。だが、凱むちゃはするなよ!」

⑦「ああっ、だがやるしかねぇ!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ
凱は、全身全霊のオーラを漆黒の鎧に溜めだした。

⑦「うおぉぉぉぉっ!!!」

辺りの地面に地割れが起きる。

⑦「まだだ、こんなもんじゃ足りねぇ!」
ズゴゴゴゴゴゴッ

この世界で最強と詠われる妖刀「覇王」にもオーラが伝わっていく。

ピカーーッ

覇王が金色に輝き光のオーラが包み込む。
バリバリ バリバリ
⑦「いくぜ!おらーっ!!全てを蹴散らせ!」
「ネオッ・ガイブレードオオォォォッ!!!」

ドゴオオオオォン!!

凄まじいオーラが、一直線に連合軍の大軍に襲いかかり、辺りは、爆煙がもうもうと立ちこめる。

⑦「こいつで、どうだ…。」
ガクッ

サマー「がっ凱!」

ありったけの気を使った凱は、膝間付いた。

ゴゴゴゴゴゴッ

土煙りが風で消えた風景は、木も雪も連合軍も姿がなくなっていた。

サマー「凱、大丈夫か?」

⑦「ああ、これで少しは道が開けたろ…。」
バタンッ

凱は、気を失いその場に倒れてしまった。

サマー「…よくやった凱…。」
「みんな、今だ!このチャンスを逃がすなっ!」

エルフ兵『おおーっ!!』

No.423

>> 422 プスプス

ネオ・ガイブレードの威力は凄まじく、一筋の道が出来ていて地面は抉(えぐ)れ、その場にいた連合軍はまさしく消滅していた。
だが、圧倒的人数の為、少しはたじろいだものの、周りの兵士たちは又攻めだしてきた。

ドドドドドドドドドド

冬国兵「どうしますか?サマー殿!」

サマー「せっかく、凱が道を開いてくれたんだっ。皆いくぞ!」

冬国兵『はい。』

サマー「それから、救護班は凱を王宮で休ませてやってくれ。」

冬国の救護班は、気をうしなっている凱を担ぎ王宮へと歩きだした。

No.424

>> 423 ①「はっ!!」

連合兵「ぐはぁ」

クリスは大混乱となっている戦場で戦っていた。

サマー「無理なさらないで下さい!」

前にですぎているクリスをサマーが止めるがクリスは更に前に出て敵と戦う。

サマー「全く…凱といい…困った人たちだ」

⑤「同感!」

サマー・セロは同じ動きで銃をかまえると的確に敵を撃ち抜いていく。

秋国隊長「撃てぇ!一発も無駄にするな!一発でしとめろ!」

エルフ兵たちも同様に瓦礫に身を隠し、銃を撃つ。

幸いな事に隠れる瓦礫(盾)は山ほどある。

連合軍は自らの爆撃によって、エルフたちに隠れみのを作り、進路に多数の障害(瓦礫の山)を作って、中々前に進めない。

デビル「ややや!!」

珍獣族はエルフの援護射撃の助けもあって、少しずつだが連合軍を押し返していく。

長老はと言うと

長老「やぁあああ!!」

クリスと同じく剣一つで連合軍と戦っていた。クリスに負けないほどの素早い動きだ。

長老「儂も!昔は大剣豪と呼ばれとってな!まだまだ若い者には負けん!」

長老は老人とは思えない力で敵を斬り倒していく。

①「凄い…」

クリスも呆気にとられている。

凱・クリスよりも強いのではないかと思える強さだ。剣技から熟年の力が感じられる。

⑤「長老…すげぇ」

長老はクリスより更に前に出て、大軍の中に進んで行き、もう姿が見えない。

サマー「あの剣の動きは…エルフの英雄【タカ】…冬国の長老殿が…あの有名な大剣豪だったとは…」

カチャ

⑤「タカ?大剣豪?英雄?」

銃に玉を込める。

カチャ

サマー「エルフ族では有名だ…さぁ!タカ伝は戦いの後ゆっくり話します!」

⑤「タカ伝…(笑)」

二人は再び、銃を撃つ。

秋国隊長「竜人が来たぞ!2時の方角!上空!」

サマー「竜人部隊からの伝令か!」

2時の方角から確かに連合軍の上空を数人の竜人たちが飛んで来ているのか確認出来る。

⑤「人を抱えてる!」

銃弾を巧みにかわし、向かってくる。

サマー「そのようですね…」

竜人が誰かを運んでいるようだ。

⑤「アレは!」

運んでいる誰かを確認出来る距離まで、竜人が飛んでくるとエルフたち叫び出した。

『ライオネル王子だ!』

⑤「セレナ!ライオネル!キック!」

No.425

>> 424 ⑨「皆!!」

竜人「ちょ…暴れないで…」

ライオネルは手を大きく振っている。抱えている竜人は大変そうだ。

③「キック!彼処にクリスとセロが…近くに降ろして!」

⑭「了解した」

キックは目で合図を送るとライオネル・ベネズエラを運んでいる竜人や護衛の竜人たちは頷く。

⑤「お!こっち来る!お~い!セレナ!」

セロが身を乗りだすのでサマーが頭を押さえる。

サマー「仲間が来て嬉しいのは分かりますが!戦場です(汗)!頭が吹き飛びますよ!」

⑤「つい興奮して」

慌てて頭を下げる。

③「セロ!!」

キックはセロの真後ろに降り立った。

⑤「セレナ!」

身を低くし、二人は勢いよく抱き合う。

③「間に合って良かった!」

⑭「君は?」

サマー「私はサマーと言います!クリスさんやセロさん・凱とこの戦いで一緒に戦ってきたものです。」

⑭「そうか…私はキックだ!よろしくな!」

戦場だけあって軽く挨拶をかわす、セレナたち。

No.426

>> 425 ⑭キック「そうですか…」

戦場の中、一同は瓦礫の盾に隠れながら、会話している。

サマー「私たちも…き…」

サマーの動きが止まる。

竜人「キック様!この少年はどうすれば?」

ベネズエラ「…」

護衛の竜人たちの後ろからベネズエラが顔を出す。

⑭「ん…忘れてた…すまん…誰かベネズエラ君を」

王宮まで連れて行ってくれないかと言いかけた時

サマー「貴様は!!あの時の!」

サマーはいきなり、剣を抜き、ベネズエラに斬りかかっていく。

⑨「なっ!!」

③「サマーさん!!」

ベネズエラの事を知らないセレナやライオネルはサマーを止める。

サマー「はなして下さい!この少年は…敵なんです!!」

サマーがそう言った瞬間、ベネズエラはローブの下に隠し持っていた杖を取り出す。

⑭「きっ…」

⑨「なっ!!」

⑤「!!」

瞬時にキックやライオネルも動いたが、ベネズエラの魔法は早かった。杖が光ったと思った時にはその場にいたセレナたちは皆倒れ込んでいた。

③「うっ…」

倒れたまま辺りを見渡す。

何が起こったのか理解出来なかったが、直ぐに自分たちがまんまと敵を連れて来てしまったのを認識する。

ベネズエラ「はっはは!!馬鹿だね!お前ら!」

ベネズエラは倒れているセレナたちを見下して見ている。

③「連合軍…だったなんて…」

身体を起こそうとするが起き上がることが出来ない。

⑭「不覚…っ」

⑨「くっそ」

⑤「くっ…」

他の皆も起き上がれないようだ。

ベネズエラ「無駄無駄!当分は起き上がれないよ!痺れの魔法かけたからね!」

③「痺れの魔法…」

セレナは自分の杖を探す。

③「あっ」

あった。セレナの直ぐ横に杖が落ちている。

魔法さえ使えれば痺れの魔法ぐらい解くことが出来る。頭を上げるのすら厳しい身体で、必死に杖に手を伸ばすが

カッ

③「うっ…うう」

ベネズエラ「させないよ~姫様!」

後少しのと言ったところで、手を踏みつけられ、失敗に終わった。

ベネズエラ「僕さ~偉い人って嫌いなんだよねぇ」

ぐっぐぐ

③「あっあぁ」

踏みつける力を更に強くする。

ベネズエラ「馬鹿~!!」

③「きゃあ」

踏みつけていた足を上げるとセレナの顔面を勢いよく蹴る。

ベネズエラ「はっはは!!」

腹部・頭部・腕・足などうずくまっているセレナを蹴りまくる。とても見てられない。

No.427

>> 426 ⑤「止めろぉ!!」

⑭「女だぞ!卑怯な!蹴るなら我にしろ!」

サマー「くそ…セレナ姫」

止めたくても身体が言うことを聞かない。

ベネズエラ「何?喚くなよ~…直ぐにお前らも殺してやるよ」

③「…」

セレナは既に気を失っている。

ベネズエラ「さぁ~最初に殺すのは誰がいい?」

ベネズエラはセレナが気を失ったのを確認するとセロたちを見渡す。

⑨「ふっ…エルフの恥じが殺せるもんなら殺してみろ!」

⑭「殺せるかな?餓鬼の君に私を」

⑤「俺は最後にしてね…っか殺さないで(泣)」

痺れて身動きすらろくにとれない状態にもかかわらず、この男たちはなぜ強くいられるのだろうか。その精神は関心を通り越して、呆れるほどだ。

ベネズエラ「言いたいことはそれだけ??」

ベネズエラも流石の変わり者だ。何を言われても冷静さは失わない。

ベネズエラ「お前からだ」

セロに歩みよる。

⑤「えっ!ちょい待て!俺の意見聞いてた?最後に…っか殺すな!わわわあ」

ベネズエラ「聞こえなぁ~い」

杖の刃をセロの喉元につきつける。

⑭「セロ…残念だったな(笑)」

⑨「はっは。あの顔見ろよ」

⑤「ちょ!キック!ライオネル!どうにかしてぇ!」

セロは最後の力と言うか必死の力で身体を転がし、ベネズエラの杖から逃げる。が直ぐにベネズエラが刃を喉元につきつけ直す。

ベネズエラ「逃げるなよ!ったく」

⑤「わあわあ!一分一分でいいから時間くれぇ~!!」

暴れまくるセロ。

⑭「人間誰もがいつかは死ぬのだよ。セロ…」

⑨「短い間だったが楽しかったよ。セロ…」

⑤「ぎゃあぁ!かってに殺すなぁ!誰か助けてぇ!!」

ベネズエラ「うるさいなぁ!死ね!」

セロの首を斬り裂こうとした時

①「前に出すぎて…戻ってくるのが遅れたわ」

風のごとくにクリスがやってきた。

ベネズエラ「なっ!!」

クリスは杖でガードしようとするベネズエラの杖を剣で弾くと顔面に思いっきり、蹴りを入れた。

ベネズエラ「ぐけぇ」

ベネズエラは投げられた人形のように力なく飛んで行く。

①「セレナのお礼だ!」

そして、クリスは直ぐにセレナに駆けよる。

①「良かった。息はある」

③「っ…」


①「待ってて!直ぐにコイツを倒して、手当てしてあげるから…」

ベネズエラ「ぐっ…うぅ」

ベネズエラは鼻血を出しながら、疼くまっている。

No.428

>> 427 セロは…ショックのあまり気絶したようだ。
ベネズエラ「なんだよ…。あの時の姉ちゃんかよ。あんたとはあんまり戦いたくないんだよね…」
①「あんたは、あたしを怒らせた。」
ベネズエラ「へぇ~。怒らせたらどうな…」
ベネズエラはセリフを言い終わる前に、血を出して吹き飛んだ。
⑨「ええ…。えええ~!?」
⑭「なんだ。今のは…。」

No.429

>> 428 一瞬の出来事だったようなので、ほとんどの人が何が起こったのかわからなかったようだ。

①「この技は強すぎる故、父から使用を禁じられているのに…。怒りすぎて忘れてしまった…。」
⑭「剣に風を巻き付けて奴を斬ったように見えたな。」痺れの魔法から解かれたキックが言った。
①「まあ、そんなようなものかな。少し違うけど…。あ!セレナは!?」
⑤「俺のことは無視かよ…。」気絶から覚めたセロが言った。

ベネズエラ(…今のはヤバかったな…。全魔力をこめた防御魔法使わなきゃ死んでたかな…。もう魔力残ってねーな…。どうしよう…。)

No.430

>> 429 ベネズエラ「っ…」

ベネズエラは仰向けに倒れたままで動かない。多分、動けないのだろう。

⑭「おっ」

⑨「痺れの魔法とやらが切れたようだな」

サマー「ふぅ…」

ベネズエラが倒れたことにより皆にかかっていた魔法も解けたようだ。

①「さぁ。セレナを早く治療しないと」

サマー「なら…王宮へ!!」

サマーは周りから駆けつけてくるエルフ兵たちに指示する。

兵士「お乗り下さい」

③「すいません…っ」

セレナは凱に続き、兵士に担がれ、王宮に向かっていく。

クリスも後を追おうとしたが

⑤「クリス!!」

セロにいきなり、腕を掴まれた。セロの顔は今までになく真剣だ。

①「何?セロ?」

クリスは笑ってみせる。

⑤「クリス…さっきの技は…使うなって言っただろう。約束だったさはずだ」

剣を握っている腕を上げさす。

①「ぁ…っ」

力なく、クリスの手から剣がこぼれた。

⑤「…」

クリスの腕は赤く腫れ上がっているではないか。

⑨「クリス…その腕は…さっきの技で」

ライオネルたちも心配そうに見つめている。

⑭「当然だろうな…あの人間の限界を超えた速さで技を繰り出すんだ。腕が潰れても可笑しくない。」

①「セロ…ごめんなさい…でも…私は」

⑤「いいよ…言わなくても…ただ俺はクリスにもっと自分を大切にしてほしいんだ。」

クリスの腕に自分の服の切れはしを巻き、荒いが簡単な措置をとる。

⑤「あくまでも…応急的な治療だよ…クリスも王宮で治療して貰ったほうがいい」

サマー「そうですよ。クリスさん。その腫れ方を見るかぎり折れてるかもしれません」

①「分かったわ…っ」

クリスが王宮に向かおうとした時、ベネズエラが動いた。

⑭「うっ!」

⑨「まだ動けるのか!」

サマー「ちっ!」

⑤「はぁ…」

ベネズエラはゆっくり立ち上がる。だが、今にも倒れそうだ。

ベネズエラ「いやぁ…油断したなぁ凄い技だったよ…防御魔法で精一杯だった…ふぅ」

手に握られている杖は鈍く光っいる。

⑭「少年を殺すのは気が引けるが…」

キックは剣をかまえる。

ベネズエラ「惜しかったね…後少しで…僕を…倒せたのにさ…ぐっ」

ベネズエラは頭上を指さす。

①「!?」

No.431

>> 430 ⑭「なっ!!」

⑨「お前は!!」

頭上には浮遊魔法で飛んでいる凄まじい魔力を持った魔法使いがいた。

キキ「はっははは!!ざま~ねぇな!ベネズエラ!はははは!!」

ベネズエラ「うるさい…ちょっとミスっただけだよ」

キキ「貸しだぜ」

ベネズエラの身体が鈍く黒い光りに包まれていく。

⑭「さすか!!」

キックは飛び上がり、キキに斬りかかる。だが、キキの杖から放たれた炎のような魔法を直撃し、地面に叩きつけられた。

⑭「ぐっ…」

⑨「キック!!ちっ!」

ベネズエラの身体はどんどん回復していく。

⑤「ライオネル!!サマー!!」

セロが投げた銃を二人は素早く手に取る。

セロたちを含め、周りの兵士たちも一斉にキキに発泡しようとするが、急に身体が動かなくなる。

⑭「っ…」

⑨「これは…さっきの魔法か…くっ」

⑤「お早い回復で…くそ」

倒れたままベネズエラを見つめる。

ベネズエラ「ふぅ…助かった」

ベネズエラの杖は前と同じく強い光りを放っている。

キキ「おい!ベネズエラ!余計なことはするな!銃ぐらい俺はなんともない!」

ベネズエラ「まぁまぁ起こるなよ…」

キキはゆっくり降りてくると周りを見渡す。

キキ「セレナ姫がいないぞ…どうした」

ベネズエラ「王宮にいったよ」

キキ「ちっ…めんどくせぇな」

⑤「また…ピンチかよ…」

①「ついてないわね」

⑭「まったくだ」

⑨「どうするかなぁ」

サマー「一度ならず二度までも…」

クリスたちは痺れの魔法で動けず、ただただキキたちを見ていることしか出来ずにいた。

ベネズエラ「んじゃ…そろそろ」

キキ「俺にやらせろ…コイツらには借りがある…餓鬼(リオ)がいねぇのが残念だがな。まとめて、殺してやる!」

キキの杖から放たれる光りが更に強くなる。

No.432

>> 431 その時だった。

バサ-ーッ

ごおぉぉぅっ!!

雄叫びと共に、キキの頭上から急降下して来る者がいた。

「何っ!?」

目の前に攻撃するのに集中してキキは一瞬気づくのが遅かった。

「貴様は…」

ズバッ

「ぐあああぁぁぁっ!!」

見上げた時には既に後の祭りであった。杖を握っていた右腕、いや正確には右肩から無くなっていた。

「ぬぐうぅぅうっ…」

キキは、女みたいなあどけない顔を激痛で歪ませながら、地上に落ちて行った。
ベネズエラ「キキっキキーっ!!」

慌てて、ベネズエラはキキの落下地点に急ぐ…




⑭「りゅ、竜王様…。」

バサッ バサッ

⑬「皆の者、すまん待たせたな。」
「戦闘準備している顔見知りの奴を見つけたもんでな。お前たちのいる所までの道案内をして貰ったのだ。」

⑪「へへ~ぇ。」

ドラーの背中から、ひょっこりリオが顔を覗かせる。

ドラー「キック、竜王の子でありながら何やってるんだ。ガハハハハッ」

その後ろからはハークの姿も見えた。

②「皆、大丈夫かの…今、かかっている痺れ魔法を解除するからの。それから、回復魔法もじゃ。」

ハークは、杖に力を込め倒れているみんなに魔法をかけた。
①「ハーク無事で、良かった…」
⑤「本当に死ぬかと思ったよ。」

サマー「竜王殿、ハーク殿、噂はかねがね聞いております。よくぞ、このシーラ星に参られた。エルフの夏の国王、いや、この星の皆の代わりにお礼を言わさせて貰います。」
そう言うとサマーは深々と頭を下げた。

No.433

>> 432 ⑨「自分も、冬の国の王子!改めてみんなに、お礼を言いたい。本当に有り難う。」

ライオネルも深々と頭を下げた。

①「みんな、仲間だろ。」

⑭「その通りだ。それに、そのセリフはこの連合軍を倒してからだな。」
キックは、にやっと笑うと肩をポンッと叩いた。

⑤「そうだ、まだ、戦いは終わってない。」

①「セ~ロっ!さっきまで死ぬ殺さないでとか言ってたくせに。」

⑤「クリス、それは言いっこ無しだよ。」
セロはガクッと肩を落とした。
みんな、その光景を見て笑った。




581連合鑑「えぇい怯むなっ!」

102連合艦「何だ、今までの竜どもと違うぞ…」

121連合鑑「うわ~っ!炎が襲ってくる…」
366連合鑑「馬鹿な!主砲が当たらないだと、全砲門発射!!」

チュドン パリン パリン
ドゴーーン!!

その近くの空中では竜人と竜の主力部隊が、圧倒的力で次々と雷率いる連合軍艦隊を破壊していた。
もうもうと爆炎をあげながら、地上に落ちていく…その下には沢山の雷地上部隊がいる。
地上の連合軍の大半は自らの艦隊が次々と落ちていき自滅していった。

⑬「ふっ!我が主力部隊に手も足も出ないみたいだの。」

②「クリス、姫はどうした?」

①「手傷を負って王宮に運ばれた…すまない、ハーク、用心棒の私がついていながら…」
クリスは、うつむいた。

②「気に病むことはないクリスよ、戦場は何があるか分からないのじゃから。」

①「ありがとう。そう言って貰えると気が楽になるよ。」

②「では、王宮に向かいますかな。」
そう言うとハークは歩きだした。

①「私も、セレナと凱が気になるのでついて行きます。」
⑪「じゃあ、ぼくも…」
さっと手を挙げると後ろから、小走りにリオも二人の後をついていった。

No.434

>> 433 キキ『お前らぁ!!逃がさんぞ…ぐっぐぐ』

魔法でも使っているのか、凄まじい大声だ。クリスたちも思わず耳を塞ぐ。

⑬竜王「片腕を失ってまで…まだ…やるきか?」

辺りでは近くまで迫ってきていた連合軍も竜人主力部隊(竜)の猛攻撃により、どんどん後退していく。なにせ空から巨大な竜たちが襲ってきて、珍獣族やエルフ族、竜人族がお互い力を合わせ戦われてはいくら連合軍雷部隊と言っても手におえなくなっている。

キキ「ぐっ…竜王ともあろう者が…不意打ちとは…竜族も地に落ちたな…っ」

キキはベネズエラに支えられながら、立っている。ベネズエラは回復の魔法を使っている様子だが、キキから出る血を止めるので必死のようだ。

⑬「不意打ちか…」

竜王は笑う。

⑭「戦いの中で不意打ちなどと言う言葉は…ない!!」

突然、隙を見計らい空高く飛び上がっていたキックが急落下してキキたちに斬りかかっていく。

ベネズエラ「ちっ!!」

ベネズエラはとっさに杖でガードしたため、キキは支えを失い倒れる。

キキ「っ…」

キキは倒れた衝撃で一瞬目をつぶった。

キキ「なっ…」

⑨「残念だな」

目を開けた時には剣を喉元に突きつけられていた。

⑭「さぁ…仲間を死なせたくないなら杖を捨てろ」

ベネズエラ「参ったよ…」

ベネズエラが杖を捨てると喉元に剣を突きつけられながらも捨てなかったキキも杖を投げた。

⑨「リオ!頼む」

⑪「よし!出番だぁ!」

リオが杖を持たない魔法使い二人に手を向けると二人の手は金属の手枷に縛られる。

サマー「素晴らしい。その年で錬金術を」

⑤「あんまり誉めないほうがいいよ。調子に乗るから(笑)」

縛られた二人はキックとライオネルに引きずられ、竜王とハークの前まで運ばれる。

⑭「竜王…ハーク様…この二人どうしますか」

②「うむ…無力な者を殺すのはのぅ」

⑭「ですが…生かしておいては危険です。」

⑭「幼き魔法使いよ。見てみろ」

竜王は後ろを振り返り、指さす。

⑭「我が同胞たちは強い…時期に勝負はつくだろう」

連合軍はどんどん後退していき、星から撤退する戦艦も出始めている。理由はもちろん主力部隊到着により、流れがエルフたちに傾いたこともあるが、新しい司令官に変わったことで指揮系統が混乱したのも大きかった。戦いで混乱した軍を潰すのは容易いことだ。

No.435

>> 434 ⑭「今なら…降伏し我らの仲間になるなら助けてやるぞ」

二人は笑う。

ベネズエラ「降伏かぁ…やだね」

キキ「竜王…大賢者ハーク…お前らはいつか必ず殺してやるからな」

⑭「貴様ぁ!竜王様に向かって!!」

①「落ちついて!キック!」

⑨「お前らここから逃げれるような口ぶりだな」

⑨「前みたいに移動魔法で逃げれると思うなよ。今は竜王様もハーク様もいる。」

⑤「杖はこっちにあるしぃね」

セロは二人の杖を持ち、見せびらかしている。

⑭「仲間にならんか…なら死ぬしかないな…残念だ…キック」

竜王は最初から殺すつもりだったのだろう。クリスたちのように目には迷いはない。

⑭「では…」

キックは膝をついている魔法使いに剣を向ける。

⑭「苦しい思いはさせない…二人同時に切ってやる」

クリス・ライオネル・セロ・リオ・ハーク・サマーは目を背けている。

ベネズエラ「やれやれ…」

キキ「…」

⑬「早くせんか」

⑭「さらば」

キックは剣を振り下ろす。

カシャン

⑭「なっ…」

剣は地面に刺さり、虚しい音を上げる。

二人の姿はない。

⑬「移動魔法か…」

⑭「馬鹿な!使えないはず!」

目を背けていたクリスたちも、キックが叫んだため、こちらを見ている。

①「どうしたの!」

⑨「死体…いや…二人は何処だ?」

もし、魔法に長けたハークが見ていたなら阻止出来ただろうがハークは目を背けていた。

⑬「移動魔法だ…逃げられた。」

竜王ももしベネズエラ・キキが杖なしでも移動魔法を使え、使ったなら、近くにいたので魔法発動までに止めれただろう。

⑨「どうやって…杖なしで」

⑬「彼処だ…」

竜王は指さす。

が、移動魔法を使ったのはキキでもベネズエラでもなかった。

サマー「新手か…」

瓦礫の上にベネズエラ・キキそして、数人の別の魔法使いもいる。

②「仲間がおったとは…油断したのぅ」

⑤「えっ~また逃げられたの?」


⑪「僕の特製手枷もはずれてるぅ!!」

逃げられたことに頭が一杯で他は気づいていなかったが確かに手枷も外れている。

⑨「どうでもいいだろそこは!!」

⑪「うげぇ」

ライオネルはリオの頭を叩く。

確かにライオネルの言う通りである。(汗)

No.436

>> 435 魔法使い「キキ様…助けに参りました。」

魔法使い数人は深々と頭を下げる。どうやらキキの部下らしい。

キキ「ふっ…部下に助けられるとは情けない」

キキ「帰るぞ…っ」

キキは腕が痛むのか辛そうだ。

サマー「逃がさんぞ!お前たちには多くの同胞が殺されたからな!」

サマーは密かに合図を送っていたようでエルフ兵数十名が瓦礫から姿をあらわし、銃を向ける。キキたち完全囲まれている。

エルフ兵「動くな!!」

エルフ兵「杖を捨てろ!!」

エルフ兵がそう言っても魔法使いたちは杖を一向に捨てようとしない。

それどころか、魔法使いの杖が光り出す。

エルフ兵「撃てぇ!!」

魔法を阻止しようと一斉に発泡するが、魔法の方が一瞬だが早かった。魔法使いたちは消えていた。

⑤「あっ!杖!いつのまに…」

セロが持っていた杖も消えている。

サマー「くそ…」

⑬「キック!我らは戦場に行くぞ!」

⑭「はっ!!」

竜王は逃げられて困惑しているクリスたちをしりめに早々と戦場に飛んでいく。切り替えが早い人だ。

②「クリス…腕を見せてみなさい。もっとしっかり回復魔法を使わんと…」

①「!!」

回復魔法と聞いて、思いだした。マリーン

①「ハーク様!!直ぐに塔に来て下さい!!」

②「おっ?お?」

早くしないとマリーンの命が危ない。クリスはハークの腕を引っ張り、走っていく。ハークは今にも転けそうだ。

⑤「俺らも行くぞ!リオ!」

⑪「うん!!」

⑨「私たちは竜王様の後を追いましょう。」

サマー「はい!!行きましょう!」

ライオネルが帰ってきたことにより、エルフ兵の士気も上がり、竜王が来た事により、竜族の士気も上がった。

連合軍はと言うと風向きが少し悪くなっただけで、司令塔である司令官が星を離れたため、連合軍の指揮は停止。連合軍隊は司令塔の戦艦に続き、撤退していく。

竜人部隊も逃げていく艦隊は追撃することもなく(追撃する力がないと言ってもいいが)戦ってくる連合軍だけを相手していた。

軍の中から逃亡者が出ると次々に出るのが当たり前のことで連合軍のほとんどが星を離れていった。

No.437

>> 436 こうして、連合軍の兵どんどん星を離れていき、ついには完全に連合軍はシーラ星からいなくなっていた。

冬国隊長「終わったのか」

エルフ兵「…」

兵士たちは連合軍の艦隊が空高く飛んでいくところを見つめるていた。

空長老「終わったよ…」

兵士たちがざわめき出す。

サマー「やった…」

⑨「あぁ」

エルフ兵「やった!」

『おおぉぉぉ!!!』

エルフ族・珍獣族・竜族から一斉に歓喜の声が上がる。

兵士のほとんどが泣きながら、叫んでいる。

そう。ついに連合軍に勝利したのだ。

だが、この嬉しさも一瞬だけだ。多くの仲間を失って勝っても誰も心から喜べないだろう。それに連合軍には大半に逃げられている。

長老「しかし…王子。連合軍はなぜああも簡単に撤退したのですかのぅ…まともに戦えはいくら崩れているからと言って、簡単には負けんものを」

⑨「そうですね。こちらに運があったとしかいいようがない」

司令塔が先に逃げ出したとは夢にも思わないだろう。

デビル「あんたさ?変わってるよね?外見人間なのに…羽生えてるし~」

デビルは始めてみる竜人を興味深々に見ている。しかも、竜王を

⑬「お前も変わってるな…」

竜王は迷惑そうにデビルをあしらっている。

⑭「こら!ちっこいの!竜王様だぞ!失礼な!」

デビル「竜王?竜王って何ぃ?」

⑭「なっ…竜王を知らんだと(汗)」

この後、キックはデビルに竜王の説明を2時間したのであった。

王宮・塔にも勝利の知らせが届き、騒がしくなっていた。塔の中に避難していた女性たちは戦いから帰ってくる兵士たちのために祝いの準備をしている。勝ち戦のあと祝いの食事をするのはエルフ族の慣わしだ。リオとセロも手伝っている。

傷つき、王宮に運ばれたセレナと凱はハークの回復魔法で傷はいえたが、安静が必要と言うことで2・3日はベッド生活ようだ。

せっせと女性は料理を作っているのだがクリスは塔の最上階にいた。(決して、料理が出来ないから上に逃げてきたのではなく…マリーンが心配だからだ)

①「そうですか…」

②「一刻を争うでな。今すぐ行かねばならん」

マリーンはどうなったかの説明が遅れたがなんとか命は助かった。だが、流石のハークでも完全に直すことが出来ず、魔法老に力を借りねばならないらしい。そして、ハークは直ぐに魔法界に立たないといけないらしいのだ。

No.438

>> 437 ①「セレナが聞いたら…。何て言うか…。」

②「セレナ殿ももう立派な魔法使いで王女じゃ。平気でしょう。それに、魔法界には長居はせん。マリーン殿のことが終わればすぐに帰ってきます。」

①「セレナにとって…。ハーク殿、あなたは、精神安定剤のようなものなんです。あなたにもしものことがあれば…。ハーク殿…私は…知っています…。あなたの体調が…いま…あまり良くないことを…。」

No.439

>> 438 ボーッ

ハークは、魔法陣を描きクリスの肩を掴んだ。

②「クリス、気付いとったのか…いくら風の大賢者で治癒魔法が凄かろうとも、年には勝てん。遅かれ早かれ人には寿命というものがあるからの。だが、姫が本当の女王になるまでは、このハーク死にはせぬわ!姫には、内緒じゃよ。」

①「ハーク…」

クリスはそれ以上言おうとしたが、言葉に詰まった。

②「そろそろ魔法界の魔法老に会いにいかんとの…その間、姫をたのんだぞ!」

①「分かった!セレナは、まかしときな。」

クリスの両肩を掴んでいた手を離すとハークは、呪文を唱え魔法陣の中に消えた。

No.440

>> 439 ①「…」

クリスは深く頭を下げる。

大賢者の中の大賢者ハーク様。とても寛大な人だ。力も凄い。だが高齢の身体だけあって心配だ。なにせ、魔法界は常人では耐えれない異次元の世界なのだから…

クリスは顔を上げ、下に降りようと後ろの扉の方を振り返る。

①「なっ…」

扉の前に男がいる。

①「…」

気配は一切感じなかったのに

『…』

男はじっとこっちを見ている。

①「あっ…」

この男には言いたいことが山ほどあるはずなのに言葉が出てこない。

男はゆっくり口を開く。

『クリス…私が何しに来たか分かるか?』

①「…(汗)」

数年前に分かれてから必死にこの男の後を追ってきたと言うのに実際目の前にすると迷いが出てくる。

①「…」

私はこの男を殺されねばならないのに手がふるえ、剣にすら手をかけられない。

『クリス…お前は生かしてはおけん…今までなら放って置いても、害はなかったが…今回のこの戦いで…お前の力を幾分か侮っていたのに気づいた。出ている杭は早めに叩かんとならん』

男は背中に背負っている長剣を抜く。懐かしい剣だ。

①「私は…」

クリスも剣を抜く。男と同じ紋章が入った剣を…

『いざ…』

①「…ゴク」

勝てないと分かっている。だが、ここで逃げるわけにはいかない。あの時のようにこの男いや兄に目を背けてはいけないのだ。

①「はぁあああ!!!」

セロとの約束は破ることになるが、あの技を使うしかない。ただでさえ負担が大きい技なのに今日は二発目。腕どころか命の保障もない。

①「はあぁぁぁ!」

⑫「ふっ…」

命をかけて突っ込んでくるクリスを見て雷は笑った。いや笑ったように見えた。泣いているようにも見えた。

クリスの剣。

雷の剣。

父の形見である両者の剣。

お互いの気持・剣が激しくぶつかり、冬国中に聞こえるほどの凄まじい音がなった。音と共に眩い光りも生まれ、光りは部屋を包みやがて消えた。












①「…」

⑫「…」

雷はクリスを見つめる。









⑫「これで…何もかもが終わった…これでいいんだ…」

雷は部屋を出ていく。

⑫「運命だ…妹よ」

バタン

No.441

>> 440 部屋を出ていく兄の背を見る目も段々うつろになってきた。

①「…」

セレナ…いつも笑顔でいてくれて何度その笑顔に励まされたかわからない。本当は一番辛いだろうに…いつも笑っていた。

ライオネル…セロ…キック…ハーク…リオ…

クリスは仲間の事を思いながら、ゆっくり目を瞑っていく。

シーラ星は穏やかな空だった。










それから少しして、剣と剣との噛み合いの衝撃音を聞きつけ、ライオネルたちがやって来た。

⑨「クリ…ス」

⑭「…」

クリスの姿を見るやいなや声を失う。

サマー「早く!手当てを!!」

⑨「あっ…あぁ」

⑭「とにかく!下まで運ぶぞ!!」

急いで、クリスを下まで運んだライオネルたちは直ぐに救護兵の所に連れていったが、思いもよらない言葉が返って来た。

救護兵「手の施しようがありません…」

知らせを聞き、セレナたちも合流していたが一同は黙り込んでしまう。

⑤「何…言ってんだぁ!!もっとよく見ろよ!傷はかすり傷ぐらいじゃないか!!」

セロは救護兵に掴みかかり、泣き始めた。そして、膝を落とし泣き崩れる。

救護兵「お気持ちはさっします」

救護兵「確かに外傷はかすり傷程度です。ですが…クリスさんは起きられない。恐らくですが、頭を強く打たれたのか…敵の技の影響かのどちらかと思われます。」

③「本当にどうにもならないんですか?」

救護兵は泣いているセロをチラッと見ると

救護兵「えぇ。なにぶん戦いで医療器具はほとんど失いましたし…我々(エルフ)の医療術では…直せません」

サマー「エルフの医療術では無理と言うなら…治せる星があるのか??」

救護兵「わかりましたが…医学の発達した星ならなんとかなるやもしれません」

⑨「なら…話しは早い!医学の発達した星を探そう!!」

一同はまた黙り込む。

⑭「ライオネル…そう簡単に見つかるとは思えないぞ」

サマー「しかも…一刻を争います」

③「別の方法を探すしか…そうハークは何処にいったの!!ハークならきっと…」

⑦「星は探す必要もないぜ」

凱がそう発した瞬間、セレナたちの視線は凱に向けられた。

No.442

>> 441 ⑦「ピンタ星雲のウマンダ星だ。俺の生まれ故郷だ。そこにいる俺の主治医っていうか知り合いなら治せると思うぜ」

⑤「ピンタ星雲??」

⑭「ピンタ星雲か…確か…銀狼・狐人・人間の3種族の星だな」

⑦「そうだ。あの星雲は科学も医学も世界一クラスだぜ」

サマー「凱…ピンタ星雲となると距離が大分あるが…間に合うのか」

⑦「その点は問題ねぇ。俺の船のコスモワープを使えば一時間で着く」

⑨「コスモワープ??」

コスモワープ自体はウマンダ星とレイカ星でしか確立されていない技術で、他の星の人はほとんど知らない。

⑦「コスモワープってのは…ん~…まぁ早く行けるってこった」

凱も余り理解していないようだ。

③「なら!今直ぐにでも!」

凱はなにやらブレスレットに呟くと

⑦「今船呼んだから!中庭に行こうぜ!」

③「えぇ」

⑤「俺が連れていくよ」

セロがクリスを抱え上げる。クリスはまるで眠っているようだ。

③「さぁ!行きましょ!!」

凱・セロ・リオは早々と中庭を目指し、部屋を出ていった。

③「ライオネル?キック?」

当然来てくれると思っていたのに二人は動こうとしない。

⑨「セレナ…すまない私はこの星に残ってすることがあるんだ。軍備を整え、後を追うから待っててくれ」

⑭「竜王様は主力部隊(雷部隊)が負け、浮き足だっている今ならライジング星・ムーク星の連合軍を倒し…ライジング星・ムーク星の人々を解放出来ると…直ぐに竜族部隊を率い、ライジング星に立つ気でして…私は竜王様の護衛として一緒に行こうと…終わったら私も直ぐにピンタ星雲に行くから」

③「そうな…の」

寂しいが仕方ない。二人にはすることがあるんだから。

③「じゃぁ…」

セレナが部屋から出ようとした時、入口に竜王がいることに気づいた。

⑬「キック…お前はついて行ってやら、命令だ。」

⑭「しかし…竜王様…」

No.443

>> 442 ⑬「…」

竜王は黙って、キックを見つめる。

⑭「分かりました…どうか、ご無理はなされませんよう」

竜王の命令は絶対だ。キックは心配だが、首を横に振るわけにはいかない。

③「竜王様!有り難うございます!」

⑬「なに…使えん奴だ。好きに使ってくれ」

そうこうしていると部屋に長老・ナタレー・秋国隊長が入ってきた。

長老「セレナ様!この星をお立ちになると聞きましたので、慌てて、駆けつけてきましたじゃ」

秋国隊長「どうか、おきおつけて…凱の船はもう中庭に着いたようですよ。セレナ姫は【まだかぁ~】って叫んでましたよ」

③「えぇ。直ぐに行きます。皆さん有り難うございました。」

③「ナタレー様。もう身体はいいんですか?そう言えばハークをしりませんか?」

⑧「はい。もう大分と魔力も戻ってきています。ハーク殿は…魔法界に行かれました」

③「魔法界ですか…」

セレナとナタレーが話している間に竜王はキックに剣を渡していた。

⑬「キックよ。この【竜刀】を持っていけ。」

⑭「えっ!!その剣は竜王様の…」

⑬「命令だ。受けとれ…」

⑭「はぁ…」

命令には逆らえない。キックは仕方なく竜王の愛剣を受け取ることにした。剣からは魔力に似た力を感じる。

セレナとキックはライオネルや竜王たちに分かれをつげ、中庭に走っていく。

中庭には大勢の人々に囲まれ、凱の船があった。

⑦「遅いぜ!早くしろよ!!」

⑭「悪い待たせたな!」

船の入口にはサマーがいた。どうやら見送りに来てくれたようだ。

⑤「サマー。タカ伝いつ教えてくれるんだい?」

サマー「ふふ。まだ覚えてたのですか…ではコレを…」

サマーは一冊の本をセロに渡す。

サマー「【タカ伝】です。読んで見て下さい。」

そんなこんなで、セレナたちも船に乗り込み、船はゆっくり動き始めた。

ドラー「ガハハハハ!またなぁ~!」

周りのエルフ・珍獣族・竜人・竜などから各々声が上がる。

⑦「よし!出発するぜ!」

船はどんどん上昇していき、ついには見えなくなった。

⑬「これも…また…運命か…」

竜王は蒼き青空を見つめ、そう言った。彼はまるで、今から起こることが分かっているようだ。

  • << 445 ⑤「うわぁ。凄いシステムだ!」 目を輝かせ興味津々にデッキを見回すセロ。 ⑦「このシャドーmkⅡは、最新型の設備をしているからな。」 「それより、キック!クリスの容態はどうだ?」 壁にもたれかかっているキックに話した。 ⑭「ああ、セレナ姫が横について治癒魔法を施しはいるが、取りあえず現状を維持している状態だ…寝室でぐったりなったままだ。」 ⑤「クリス…」 それを聞くとセロは、うなだれてしまった。 ⑦「シャドー、コスモワープの出力はOKか?」 PPP 「ガイ OKダ シーラセイデ ダイブンシュウリ デキタカラ」 ⑦「分かった!」 「しかし戻ったら、この船もガタがきてるし、敵さんも強くなってるからな…パワーアップさせないといけねぇな…」 「ダレノセイデ コウナッタト…」 ⑦「何か言ったか?」 「イヤベツニ」 凱は、ため息をつくとマイクを手に取り叫んだ。 ⑦『セレナ・リオ!!』 『これから、コスモワープするから寝室のシートに座ってベルトを締めな!!ぶっ飛ぶぜ!!』 ⑪『分かったよ』 ③『分かったわ』 ⑦「お前等もシートに座ってベルトを締めてくれ。」 ⑭「分かった。」 ⑤「了解!!」 スチャ パチパチパチパチ カシャカシャカシャ ⑦「座標PU7110341…」 素早くボタンを押すと、左右のレバーを思いっ切り引いた。 ⑦「いくぜ、コスモワープ!!!」 ギュオン ビューーーッ ブーン

No.444

>> 443 凱の船は大気圏も無事に抜け。ピンタ星雲ウマンダ星を目指していた。

⑦「シャドー!コスモワープの調子はどうだ?」

コックピットには凱が座っている。

「シュツリョク 30% マダスコシジカンガカカルヨ アワテルナヨ ガイ」

⑦「出来るだけ早くしてくれよ…命が懸かってるんだからな」

凱は後ろを振り返り、クリスの様子をうかがうと再び、モニターに目を向ける。

⑪「凱~!こんなの見つけたんだけど何??」

リオが船の倉庫から、黒い毛玉を持ってきた。

⑦「うっ?なんだそりゃ…」

凱も手にとって調べてみるが、見覚えはない。エルフが食料を積んでくれた時に紛れこんだのだろうか。

⑦「暖かいなぁ」

⑪「でしょ?なんか生きてるみたいなんだぁ~耳当てて見て、呼吸の音が聞こえるよ」

凱は言われた通りに耳を当ててみる。

スゥー

スゥー

確かに生き物のようだ呼吸している。

⑦「シーラ星の生物かなんかか」

⑪「わかんない…凱…叩いて起こして見てよ…ほら、早く!」

リオは少し距離をとる。

⑦「なんで俺が…うわぁ!!」

黒い毛玉が急に動きだす、凱は驚き、毛玉は手から転がる。

ゴロゴロ

⑪「わぁ!!」

⑦「なっ!」

毛玉がむずむず動く。

そして毛玉から手足が出て、ついには頭も出た。

デビル「いやぁ~寝ちゃったよ~!あれれ?皆さん!始めましてぇですね」

黒い体毛に被われた可愛い子供だ。

⑪「ぎゃあぁぁ~」

リオはデビルの姿を見るやいなやコックピットから飛び逃げていく。

⑦「あわわわ…」

凱は今にも倒れそうだ。

デビル「あらら?言っとくけど僕は悪魔じゃないよ。珍獣族ね」

どうやら、凱たちは悪魔と勘違いしているようだ。無理もない外見はどっから見ても小悪魔だ。

⑦「…」

デビル「あれ?どうしたの?お兄さんや~い?」

⑦「…」

凱は気絶したようだ。

デビル「あらら…困った困った」

カチャ

⑭「動くな!少しでも動こうものなら!首が飛ぶぞ!」

キックはデビルの首に剣を当てる。リオが呼んできたようだ。リオはその後ろから様子をうかがっている。

デビル「あ…あんたは竜王の説明を長々と聞かせてきた竜人!キック!」

キック「なっ…デビルではないか…なぜ貴殿がここに」

⑪「えっ?キック?知り合いなの?その毛玉と…」

No.445

>> 443 ⑬「…」 竜王は黙って、キックを見つめる。 ⑭「分かりました…どうか、ご無理はなされませんよう」 竜王の命令は絶対だ。キックは心配だが… ⑤「うわぁ。凄いシステムだ!」

目を輝かせ興味津々にデッキを見回すセロ。

⑦「このシャドーmkⅡは、最新型の設備をしているからな。」
「それより、キック!クリスの容態はどうだ?」

壁にもたれかかっているキックに話した。

⑭「ああ、セレナ姫が横について治癒魔法を施しはいるが、取りあえず現状を維持している状態だ…寝室でぐったりなったままだ。」

⑤「クリス…」
それを聞くとセロは、うなだれてしまった。

⑦「シャドー、コスモワープの出力はOKか?」
PPP
「ガイ OKダ シーラセイデ ダイブンシュウリ デキタカラ」

⑦「分かった!」

「しかし戻ったら、この船もガタがきてるし、敵さんも強くなってるからな…パワーアップさせないといけねぇな…」

「ダレノセイデ コウナッタト…」
⑦「何か言ったか?」
「イヤベツニ」

凱は、ため息をつくとマイクを手に取り叫んだ。

⑦『セレナ・リオ!!』
『これから、コスモワープするから寝室のシートに座ってベルトを締めな!!ぶっ飛ぶぜ!!』

⑪『分かったよ』
③『分かったわ』

⑦「お前等もシートに座ってベルトを締めてくれ。」

⑭「分かった。」
⑤「了解!!」

スチャ
パチパチパチパチ
カシャカシャカシャ

⑦「座標PU7110341…」
素早くボタンを押すと、左右のレバーを思いっ切り引いた。
⑦「いくぜ、コスモワープ!!!」
ギュオン
ビューーーッ

ブーン

No.446

>> 445 444,445のスレは重複です。すいません⤵

(o_ _)o

え…読書の皆さんには444,445のスレを上手く読み取って頂き…合体させて頂いたら幸いです。すいませんでした。

後訂正です。凱はデビルのことを知らない設定で書きましたが…地下迷宮の話で会ってました…すいません

No.447

>> 446 続きです。

⑦「コスモワープ!!!!」

船は光りに包まれていく。

ピカッ

⑭「おおっ」

⑤「うわぁ」

⑪「やっほぉ~」

③「凄い」

窓の外の星は光りの線となっていて、自分たちがいかに早く移動しているかが分かる。

「ミナサン ワープハハジメテデスカ」

シャドーの声が船内スピーカー聞こえる。

⑭「誰だ!!」

⑪「プログラムだよ…キック(笑)」

「ショウカイガ オクレマシタ シャドーデス ガイトハクサレエンデシテネ」


③「腐れ縁ですか(笑)」

⑦「ったく…余計なことを」

⑤「でも…ワープって聞いたから一瞬で着くと思ってたんだけどなぁ」

⑦「あぁ…コスモワープって言っても…流石に1・2・3で着くのは無理だぜ」

「ワープジタイモ タイヘンキケンナコトデシテ イドウジカンガハヤイホド キケンデス デスノデ アルテイドジカンヲカケナイト」

⑦「まぁ時間がかかるっ~ても…一時間もかかんねぇけどな」

デビル「一時間ならクリスも大丈夫そうだしね」

デビルはクリスの額に手を当て、言う。

⑭「ほぅ…気を読めるのか…デビル」

デビル「まぁ~ね」

⑤「…」

セロは出航の時サマーが手渡してくれた【タカ伝】を読み始める。

⑭「だが…凱はピンタ星雲出の者なのか?やけに詳しい口ぶりだったが…」

⑦「あぁ…ピンタ星雲ウマンダ星生まれだぜ…ウマンダ星には…俺の師匠(フォックス)もいるしな」

⑭「そうか……なら一つ聞くが…ピンタ星雲は今…戦争中なのではないのか?」

⑦「そうだ……戦争中だ…【政府軍】と【宇宙海賊】の争いがもう三年も続いてる…しかも最近ではこの2勢力に【連合軍】まで参加しえらいことになってるらしいな」

⑭「そんな中に入れるのか?」

⑦「あぁ。抜け道を知ってるからな」

⑦「それに…ウマンダ星はまだ戦争地区にはなってねぇよ。なってるのは周辺惑星だ。宇宙海賊の占領地のな」

⑦「この戦争は…はっきり言って…【政府軍】が【宇宙海賊】を虐殺しているようなもんだしな…」

凱は少し寂しそうに見える。

⑭「そうか…ならいいが…」

凱が言うようにピンタ星雲で起こっいる争いは銀狼を認めない【政府軍(人間)】が起こし戦争だ。今は戦争というより、【政府軍】の一方的な虐殺行為になっている。

No.448

>> 447 小一時間、経ったころだろうか、光りの線にしか見えなかった外の景色が徐々に鮮明に見えてきた。

「ガイ トウチャクマデ 10ビョウマエダヨ」

「わかった。よし…手動に切り替えてくれ!!」

「リョウカイ イットクケド アラウンテンハヤメテヨ」

「わかってるわかってる」

凱はハンドルを握る。

寝ていたキックも目を開ける。

⑭「おっ…もう着くころか…」

③「ピンタゴ星雲って…どんなとこなんだろう」

セレナは星雲のような惑星が集まったところは初めてのようで、窓に吐息がかかるぐらい顔を近づけて、外を見ている。

⑪「Zzz」

デビル「ぐぅ…腹ペコ…」

リオとデビルはまだ寝ている。

⑤「…」

セロはと言うと寝ているクリスの横に付き添いながら、【タカ伝】を呼んでいる。

「ワープリダツ」

機体が少し揺れる。

「よし!着いたぜ!」

ワープから抜けると前方に彩りどりの惑星の集まりが見えた。ピンタゴ星雲だ。

③「凄ぃ…綺麗…」

⑭「おぉ」

黄の惑星、緑の惑星、赤の惑星、青の惑星、いくら見ても飽きがこないぐらい美しい。

⑦「久し振りだぜぇ」

大小様々な惑星の中心に一際大きな惑星がある。そうウマンダ星だ。

⑪「わぁ!すげぇ!」

デビル「美味しそう!」

リオとデビルも起きたようだ。窓からピンタゴ星雲に見入っいる。

⑦「さぁさぁ!皆さん!ちょっと揺れるが…勘弁してくれよ!」

凱は船を急加速させる。

⑪「うわぁぁ」

ガダガガガタ

③「きゃぁ」

ガダガガガタ

⑭「おいおい」

船は流星群の中を紙一重で進んでいく。いつ岩にぶっかって可笑しくない運転だ。

ガダガガガタ

⑦「お~!!やっほぉ~!!」

⑤「当たる当たる!もっとスピード落とせぇ!岩が!うわぁぁぁ」

ガダガガガタ

⑦「遊園地のアトラクションと思って楽しんでくれ!」

ガダガガガタ

⑭「こんな…うわぁぁ」

セレナたちは船が動く度に左右に振られる。

ガダガガガタ

⑦「もっと!くっ!安全な道があるんだが…くっ!安全ルートは戦争地域でな!くっ!流星群を行くしかないんだ!」

凱は巧みにハンドルを動かし言う。

No.449

>> 448 ようやく流星群を抜け、汗を拭う凱!

PPP
「ウマンダセイ アステロイドツウカ ゼンシステムイジョウナシ!」

⑦「ふ~っ!やっと突破したぜ…楽しかったろみんな!」

後ろを振り返ると、デビルとキック以外は失神していた。

⑦「ありっ!?」
そう言うと、頭をボリボリ掻いた。

⑭「ムチャクチャな運転をするな…命がいくつあっても足りないぞ。」

デビル「楽しかった!もっと良かったのに」

…ようやく、みんなが目を覚ますと、凱は簡単な説明をしだした。

⑦「あの一番デカい惑星がウマンダ星ってのは、さっき言ったが他に7つの中惑星までが人間の政府軍の勢力下、残り108つの小惑星が銀狼の宇宙海賊の勢力下になっている。」
⑪「何か、スケールが大きいね!」
リオの話しをよそになおも、凱は喋り続ける。
⑦「俺様が出たあとに連合軍が入ってきて3勢力になったが、最近得た情報じゃ、政府軍の一派と連合軍が水面下で手を組んできているみたいだぜ。」
「これから、向かう場所のアイシスはウマンダ星の脇の小惑星にいるぜ。なんせ、あいつは優秀な医者といっても海賊だからよ!」
⑤「そんなんで、大丈夫なのかい?」
③「クリスの命がかかっているのよ!」
⑦「心配するな、腕は確かだ。ガッハッハッ」

No.450

>> 449 ⑭「だが、クリスの容態が悪いのは確かだ。間に合うのか?」

⑦「大丈夫だ。あいつ(アイシス)にしか受信出来ない、通信をしたからな。誰かに傍受されることもない。着いたら、直ぐ治療出来るようスタンバってるぜ。」

みんな、ホッと胸を撫でおろした。

PPP
「ガイ タイキケントツニュウ マデ アト1プン」

⑦「おっと、俺様がお喋りしている内に着いたみてぇだな!」
「みんな、シートに座って備えてくれ!」
ガチャ
「耐熱シールドON」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

もう目の前には、赤い惑星が直ぐそこに近づいてきていた。

  • << 451 PPP 「タイキケン トッパ」 ⑦「よし、みんな、ベルト外していいぜ!!」 カチッ ブーン パネルに外の風景を映す。 ③「綺麗…まるでルビーみたい。」 ⑤「こんな色の海初めて見たよ!」 ⑪「うわ~っ!ぼくも、初めてだよ!」 スクリーンには、赤い海が一面に映り三人は感嘆の声を上げた。 デビル「食欲をそそる色だなあ。ぐふふっ」 ③⑤⑪「…。」 その内に、段々と一つの島に近づいていく。大型鑑が一隻通れる岸壁を凱の小型船は通って行く。 ⑭「して、凱の幼なじみは何処にいるんだ。」 ⑦「まあ、慌てるなよ!」 ピピッ ピピッ 『凱、シャドーmkⅡを確認した。今からハッチを開くぞ。』 ⑦「了解!!ほらなっ。」 目の前の大きな滝が左右に開くと、大きな洞窟が見えた。 ⑭「こんな所に、船置き場があるとは…」 ⑦「へへん!驚いたか!!」
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