コイアイのテーマ
誰にでも、たった一人、
忘れられない人が居るハズ…
私にとって、彼は、
かけがえのない
大切な人。
淡くて、霞んでしまいそうな日々は、
キラキラ輝いた思い出の日々でもあったー
新しいレスの受付は終了しました
- 投稿制限
- スレ作成ユーザーのみ投稿可
>> 157
「今度遊びに来て」
「おっとー…?大胆発言」
「フフ、ちゃんと親に紹介するから」
「フフ、そういうことか」
後はバイバイするだけなのに、別れがたい…
「じゃあ」と、相手が言うのを、二人とも待っている雰囲気だった。
「加世の親に紹介されたら、悪いこと出来なくなるな」
「悪いことって?」
と、聞いた瞬間、敦史は短くキスをした。
「こういうこと」
またまた一気に顔が熱くなった。
「悪いこと、なの?」
「加世はどう思う?」
「私は…」
胸の中の正直な気持ちを探った。
「ちょっと恥ずかしいけど…敦史だから嬉しいし
ーー幸せだよ」
敦史は優しく微笑んだ。
「それはこっちの台詞だよ」
そう言って、またキスをした。
唇の暖かさが分かる長めのキスだった。
>> 162
「敦史?」
「うん。
カーテン開くと思ったんだ。だから、5分待ってみようってね」
さっきまでと変わらない、優しい声だった。
「私も、敦史が居る気がしたの」
「ヘェ、以心伝心ってやつだ」
「フフ、そうだね」
足元でおすわりしたままシッポを振るマンタと目が合った。
「そうだ、敦史ーー」
私は携帯を肩で挟んで、マンタを抱き抱えた。
「マンタだよ、見える?」
「おっ、ライバル!」
母の冗談や紳士話も話していた。
「部屋に入ってるじゃん」
「あぁ…マンタもねTSUNAMIが好きで、着信音が鳴ったから入ってきちゃったんだ」
「俺も好きですけど」
「ハハ、そうだよね。
敦史が好きだったから、私も好きになったんだもん」
息をはく様に敦史は笑った。
「マンタは、退散」
私はマンタを降ろし、
入口の方を指差すと、マンタは大人しく部屋を出て行った。
>> 166
翌日のHR直前、ベランダの窓枠からチョコンと美咲が顔を出した。
「昨日どうだった?」
「わっーーおはよ…
うん、楽しかったよ」
笑顔で答えたけど、美咲の顔が見れない。
その時、始業チャイムが鳴った。
「詳しくはお昼に屋上でね」
そう言って美咲はウインクをして帰って行った。
昨日見たこと…美咲に話すか話さないか、昨日からずっと悩んでいた。
どうしよう…
ベルが鳴り終わると同時に、敦史が入ってきた。
「オース」
けだるい感じに挨拶を交わしながら、
途中から、私を見ると、目を離さずにやってきた。
また胸がトキメクーー
「オス」
「おはよ」
私の椅子の背もたれをポンと叩いて、後ろの席に座った。
>> 171
駅に着くと、改札口を出た所で敦史が待っていてくれた。
目が合い微笑み合った時ーー
「敦史じゃん」
私の後ろから、他校の制服を着たグループの一人が、敦史に声を掛けた。
「よお」
私は敦史の後方に離れた。
「もう休み入ってんの?」
「今日終了式。そっちは?」
「明日。どこも終わってんのに、タリィよ」
その時、敦史が私の居場所を確認するようにチラッと振り向いた。
「ーー彼女?」
「うん」
「ヘェ、相変わらず、羨ましいね~。ーーじゃあな」
「おう、またな」
敦史の友達は、こちらを見て小さく頭を下げると、待っていた仲間達と去って行った。
「ゴメン、行こうか」
私服姿の敦史は、今日もまた格好良くて、私はドキドキしていた。
>> 172
敦史の地元は栄えていて、駅周辺はテナントの入ったビルや色んなお店が建ち並んでいた。
「ココ、俺のバイト先」
駅から程なくした所にあるピザ屋だった。
と、敦史は誰かを見つけて店内に入って行った。
ヒョロっと長身で眼鏡をかけた男の人と敦史が話している時、私は入口付近に立っていた。
「タカヤーンお願い!」
敦史は拝み倒す姿勢だった。
「ウッソーン!無理だから~」
「借りはちゃんと返すから!」
フイに男の人がこちらを見た。
「おっと…彼女?」
「そう。だから今日の一時間って貴重でしょ?
「こんにちはー。
マセタ年下に上手いこと使われてる高谷でーす」
高谷さんは、敦史の頭の上から私に挨拶してきた。
「こんにちは、真中です」
私も頭を下げた。
「イイ子そ~う。
アッシの為じゃなく、真中さんの為にーー1時間な!」
最後は敦史を見てどすを利かせた声で言った。
「ハハ、タカヤン最高!」
敦史は高谷さんとハンドタッチをして出てきた。
>> 183
「30分位かかるって」
お店の外で待っていた私の元にきて敦史が言った。
「私からのクリスマスプレゼントはどうしよう…
敦史、何か欲しいものない?」
私が聞くと、敦史はいらないと答えた。
でも、何かプレゼントしたいと引き下がらない私に対して、
「うーん…じゃあ、加世の全て」
「エッ?!」
敦史はクックックッと笑った。
「じゃあ加世の私物で、俺にあげてもいい物ちょうだいよーーパンツとか」
「エッ!!」
今度はお腹を抱えて笑いだした。
「どこまで本気なのっ!?」
私が怒って聞き返すと、
笑うのを止め、
「加世のものなら何だって嬉しいってことだよ」
とドキリとする男前な顔を向けられた。
>> 185
その後、敦史の地元を歩いて回った。
中学校や、よく買い食いしたというお店など、
知らない敦史の過去に触れられて嬉しかった。
あっという間に時間は過ぎて、
敦史と一緒にいられるのもあとわずかだな・・・
と、ストラップをつけた携帯で時間を確認していると、
「他にどこか見たいとか、行きたい所ある?」
と敦史に聞かれた。
「敦史の家とか?」
さっき洋史君も言ってたもんね――
なんて、軽い気持ちで聞いてみた。
「家には絶対連れて行かない」
「え、なんで?」
絶対とまで言われて、気になった。
「いろんな意味で、加世を汚したくないから」
「・・・」
「あ、もうタイムオーバーぎりぎり!
さ、戻るぞー」
敦史は踵を返して歩き出した。
>> 186
そんなに遠くなければ、家に行く時間はあったのに――
汚す・・・って、どういうことかな?
そんな事を考えながら、敦史の後をついて行った。
少しずつ、ネオンの明かりが増えていく――
繁華街の裏路地辺りに来たとき、
敦史が歩みを止めた。
「?」
隣に立って、顔を覗くと、
敦史の視線は、道路の赤信号で止まっている一台の車に向いていた。
「あれ?・・・」
その車は運転席に見慣れた顔の男性と、助手席に女の人が座っていた。
青信号に変わると、車は左折して
私たちの前を横切り、狭い路地へと入っていった。
「今のって、担任の先生だった、よね?」
私が言うと、敦史は無言で頷き、車の背後を見送った。
車はゆっくりとラブホテルの中へ入っていくところだった。
>> 193
帰宅し、真っ先に、部屋の棚に置いた宝箱を開けた。
敦史に言われた時から決めていたーー
それは、
初めて家族で行った海外旅行のオーストラリアで、父親が自分のために買おうとしていたキーホルダーだった。
レジの上で、光に照らされ、丸い黒石の中から、七色に輝いた魚が浮かび上がったーー
「この魚なぁに?」
「マンタだよ」
「キレイ…」
父は同じものをもう一つレジに並べ、袋を別にして、一つを私にくれた。
「旅行の思い出にーー大切にするんだぞ」
父に言われた通り、私はビニール袋に入れ大切に宝箱へ入れておいた。
だから新品の様にキレイーー
海をモチーフにした映画が好きと言った敦史に、喜んでもらえる気がした。
>> 199
「夕方からもバイトだよね?」
「うん、17時な。
だから――2時間居られる。
なぁ、冬休み中、この時間に、ここで会わない?」
「でもバイトで疲れてるのに、
この往復もじゃ・・・大変」
「逆に、疲れが吹っ飛ぶんですけど」
敦史はイーと笑った。
「じゃあ、私が敦史の地元に行くよ」
「いいって、俺ココ好きなの」
「私も」
「じゃぁ、決まり」
そうして、冬休み中は
中抜けデートをすることになった。
- << 201 午後2時から、5時まで―― 敦史が自転車の往復をする約1時間を除けば、 たった2時間だったけど、毎日敦史に会えると思うと嬉しかった。 クリスマスイブの今日も、私は朝から勉強し、 14時に「散歩」と言って、水筒とプレゼントを持参して家を出た。 両親は出かけるのを喜んでいた。 ゆっくり歩いて15分で着いた。 もう少しで敦史がやってくると思うだけで、ドキドキした。 そんな緊張した私を和ませてくれるように、 カモが目の前の水面を行き来してくれた。 30分過ぎても敦史は来ない―― 1時間過ぎた時、知らない番号から着信があった。 「もしもし・・・?」 「加世、オレ」 「敦史?」 「うん。悪い、まだバイト先でさ、 マジ混みで、まだ引かなくてさ」 苛ついているのが分かった。 「大丈夫だよ、気にしないで」 「マジごめん。又連絡するから」 「うん」 そのまま電話は切れた。
新しいレスの受付は終了しました
小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。
- レス新
- 人気
- スレ新
- レス少
- 閲覧専用のスレを見る
-
-
君は私のマイキー、君は俺のアイドル9レス 122HIT ライターさん
-
タイムマシン鏡の世界4レス 111HIT なかお (60代 ♂)
-
運命0レス 77HIT 旅人さん
-
九つの哀しみの星の歌1レス 91HIT 小説好きさん
-
夢遊病者の歌1レス 94HIT 小説好きさん
-
私の煌めきに魅せられて
そうだそうだ、今日は新しい男だった。なんか今日はやけに視線が,,,。歓…(瑠璃姫)
64レス 724HIT 瑠璃姫 -
また貴方と逢えるのなら
,,,。何も,,,できることなんか,,,。 !!!私の能力!! …(読者さん0)
2レス 208HIT 読者さん -
仮名 轟新吾へ(これは小説です)
ち!書き間違えたわ❗❗ あなたと私が 1987年からずっと恋人とし…(匿名さん72)
198レス 2937HIT 恋愛博士さん (50代 ♀) -
君は私のマイキー、君は俺のアイドル
女友達と外へ出て紹介する。 私とマイキは、会う前に通話したり …(ライターさん0)
9レス 122HIT ライターさん -
神社仏閣珍道中・改
(続き) この桐生市の本町通りに面した不動堂、『新田不動尊』は、…(旅人さん0)
283レス 9841HIT 旅人さん
-
-
-
閲覧専用
🌊鯨の唄🌊②4レス 139HIT 小説好きさん
-
閲覧専用
人間合格👤🙆,,,?11レス 148HIT 永遠の3歳
-
閲覧専用
酉肉威張ってマスク禁止令1レス 154HIT 小説家さん
-
閲覧専用
今を生きる意味78レス 523HIT 旅人さん
-
閲覧専用
黄金勇者ゴルドラン外伝 永遠に冒険を求めて25レス 978HIT 匿名さん
-
閲覧専用
🌊鯨の唄🌊②
母鯨とともに… 北から南に旅をつづけながら… …(小説好きさん0)
4レス 139HIT 小説好きさん -
閲覧専用
人間合格👤🙆,,,?
皆キョトンとしていたが、自我を取り戻すと、わあっと歓声が上がった。 …(永遠の3歳)
11レス 148HIT 永遠の3歳 -
閲覧専用
酉肉威張ってマスク禁止令
了解致しました!(小説好きさん1)
1レス 154HIT 小説家さん -
閲覧専用
おっさんエッセイ劇場です✨🙋🎶❤。
ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1408HIT 檄❗王道劇場です -
閲覧専用
今を生きる意味
迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 523HIT 旅人さん
-
閲覧専用
サブ掲示板
注目の話題
-
これって付き合ってると思いますか?
職場に好きな人がいて、なんとなくその人の動向を見てて気づいたのですがどうでしょうか…。 まずそ…
20レス 758HIT OLさん (20代 女性 ) -
箱入り妹について
初めまして昨年12月に入籍した32歳です。夫の家族について相談させていただきたいです。 夫の家系は…
18レス 440HIT 聞いてほしい!さん (30代 女性 ) -
連れ子が嫌いと言われた
ステップファミリーで結婚して8年経ちます。 私には13歳7歳4歳の子供がいて13歳の子は私の連れ後…
40レス 825HIT どうしようないお母さん (30代 女性 ) -
子ありと子なしはどちらが老後安泰?
子あり夫婦と子なし夫婦は、どちらが老後安泰? 子どものデキにもよるけど…
18レス 369HIT おしゃべり好きさん -
気になる人が社内恋愛。それを理由に仕事をやめるのはありか
どうやら好きな人は同じ部署に付き合ってる人がいるみたいです。 パートさんの噂なので、ある意味信憑性…
15レス 420HIT 通りすがりさん (20代 女性 ) -
同僚から紹介された相手とどうするのがよいでしょうか…
会社の同僚から独身か聞かれて全く恋愛経験が無かったのでそう答えたら女性を紹介されました。 二回食事…
9レス 211HIT 匿名さん (30代 男性 ) - もっと見る