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レス481 HIT数 49745 あ+ あ-

Saku( SWdxnb )
10/05/18 22:44(更新日時)

誰にでも、たった一人、
忘れられない人が居るハズ…


私にとって、彼は、
かけがえのない
大切な人。


淡くて、霞んでしまいそうな日々は、
キラキラ輝いた思い出の日々でもあったー

No.1259632 10/02/28 00:51(スレ作成日時)

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No.301 10/04/21 20:02
Saku ( SWdxnb )

>> 300 私は1階から、敦史の為に用意しておいたおにぎりと野菜スープを運んできた。

「これ加世が作ったの?」

「うん。」

「スゲー嬉しい」

敦史はそう言って食べはじめた。

「私はあと少し、本当に勉強するね」

私が笑むと、敦史も横目でニヤリと笑んだ。

No.302 10/04/21 20:11
Saku ( SWdxnb )

>> 301 暫くして、私が問題集をやり終えて振り向くと、敦史はベットの前で腕を組んだまま眠っていた。

疲れてるんだな…

私は席を立ち、ベットからタオルケットを取ると、敦史にソッと掛けた。


体を起こしたとき、

「終わった?」

敦史は顔を上げて私を見た。

「うん」

その眼差しに胸がときめいた。

No.303 10/04/21 20:19
Saku ( SWdxnb )

>> 302 「加世、ここに来て」

敦史はタオルケットを脇に置き、両手を広げた。
私はその中に後ろから抱き抱えられる姿勢で座った。

「思い出すな、秘密基地」

高一のクリスマス、この格好で朝まで一緒にいたんだーー

敦史は私の髪を優しく撫で、

「加世」

と呼ばれ、振り向いた唇所でを合わせた。

抱きしめている手が私の胸を触るーー

「加世って何カップ?」

「…C、かな」

「きっともっとあるよ」

そう言って、Tシャツの上からプチッと手品の様にブラのフォックを外した。

「敦史?!」

No.304 10/04/21 21:14
Saku ( SWdxnb )

>> 303 敦史は又キスで口を塞ぎながら、私の胸を弄った。

「変な…気分…」


「加世の全部を見せて」


「エ…」


「約束は守るよーー最後まではしないからーー」


敦史はそう言うと、私のTシャツをたくしあげ、頭から脱がせた。
ブラも外され、私は上半身裸になってしまった。

「敦史、…恥ずかしいよ」

私は腕を組んで胸を隠した。
敦史は立って部屋の電気を消すと、自らTシャツを脱ぎ上半身裸になった。

「俺も同じだよ」

そう言うと敦史は、ソッと私の手を取り、そのまま引き寄せた。

No.305 10/04/21 21:51
Saku ( SWdxnb )

>> 304 学習机の蛍光灯の光が私たちの体を照らした。

私は見られるのが恥ずかしくて敦史に抱きついた。

肌と肌が触れ合うーー
緊張していたけど、敦史のぬくもり、肌の感触が心地良く感じられた。

敦史は私を抱き抱える様にベットの上に運んだ。

髪を撫でながら
唇に、おでこ、目元、ほっぺ、耳、そして又、唇にキスをーー

「加世、凄くキレイだよ」

ゆっくり、優しく私の体を探っていった。

No.306 10/04/21 22:03
Saku ( SWdxnb )

>> 305 「敦史、私、おかしい… どうにかなっちゃいそうで怖いよ…」

「大丈夫だよ
加世に感じてほしいだけ
俺を信じてーー」

私はいつの間にか、生まれたままの姿になり、
敦史の手や口で、知られない所が無いくらいに愛撫された。

「ハアア…」

そして訳が分からないまま、興奮の波にのまれてしまったーー


暫くして一人で乱れてしまったことが恥ずかしくて、恐る恐る敦史の顔を見る。

敦史は変わらない優しい眼差しで、

「大好きだよ加世」

と言ってキスをし抱きしめてくれた。

そして、最後まですることはなく、肌を重ね抱きしめあったまま二人で眠ったーー。

No.307 10/04/22 12:06
Saku ( SWdxnb )

>> 306 翌朝早く、マンタの吠える声で目が覚めた。
時計を見ると朝の5時前。
隣に敦史の姿がない事に気づいた私は、起きて服を着て廊下に出た。

すると、マンタの遊ぶスペースでマンタとじゃれ合っている敦史を見つけた。

私に気付いたマンタが駆け寄ってくると、敦史も振り向き微笑んだ。

「ヨッ」


敦史の元へ喜んで戻っていくマンタの後を私はついて行った。

「居ないから心配しちゃった」

「性的処理にトイレ行ってたの。
好きな子の裸抱いてて、普通じゃいられなくてね」

私は恥ずかしくて、マンタに視線を移したけど、マンタは敦史にお腹を見せて甘えていた。

「マンタァ…番犬なのに」

「もう親友。男同士で話してたんだよな~」

敦史はマンタの体を撫で、私も敦史の隣で膝をかかえ、マンタの頭を撫でた。

No.308 10/04/22 12:27
Saku ( SWdxnb )

>> 307 「おはよ」

敦史は顔を近付け私に軽くキスをした。

「おはよう」

何だか照れ臭くて、目を合わせずに答えた。

「加世よく寝てたな」

「そう、だった?」

「あんな事やこんな事しても起きなかった」

「エッ!?」

驚いて敦史の顔を見ると、敦史はクックックと笑った。

「冗談!
でも、加世の体は目に焼き付けたから、
当分は一人で…フフフ」

「ヤーダ、物凄くエッチ!」

「エッチですよー。
昨日分かったろ?」

敦史は横目で爽やかに笑んだ。
私は昨日の出来事が蘇り一気に顔が熱くなった。


「そろそろ帰るわ」

敦史は立ち上がった。

「え?」

「家でシャワー浴びたいし、遅くなるとご近所さんに見つかるっしょ?」

敦史が言う事に納得した。
ーー納得したけど、たまらなく寂しくなってしまった。

敦史は手を差し出し、その手を掴んで立ち上がった私を抱きしめた。
そしてどちらからとなく唇を合わせた。


「上手になっちゃって…
俺が加世をエッチにさせてんだな」

優しい声、優しい眼差しの敦史がそこにいた。

No.309 10/04/22 21:00
Saku ( SWdxnb )

>> 308 この日以降、今までとは違う感覚で
敦史に恋するようになった――。

高校では期末テストの結果が出て、
貼りだされた順位表の前で佐藤君に会った。
1番は佐藤君で私は5番だった。

「すごいね」

「真中も」

私たちはお互いを誉めあって笑った。


その時、廊下の先で、友だちと笑い合っている敦史を見かけた。

フイにこちらを向いた敦史は、私に気づくと、
優しく微笑み、そのまま友だちと去っていった。
私は微笑ながら、敦史の背中をトキメキながら見送った。

「真中の彼氏なんだってな?」

背後から佐藤くんが声を掛ける。

「・・・うん」

「有名な話らしいけど、俺知らなかったよ」

そう言って佐藤君は微苦笑した。

No.310 10/04/23 00:34
Saku ( SWdxnb )

>> 309 夏休みに入り、私と敦史は休日にお決まりの
敦史のバイト間の中抜けデートを繰り返していた。

でも真夏の日差しを浴びる外で会うのは辛くって、
私が、バスや電車で敦史の地元へ行き、図書館やデパート、
大型スーバーのフードコートなどで会うことが多かった。

その日も私は、フードコートで敦史が来るのを
本を片手に待っていた。
すると、派手で賑やかな女の子のグループが、
少し離れたところから私を見て、ヒソヒソと何やら話すと、
私の元にやってきた。

「ねぇねぇ、敦史の彼女?」

私はキョトンとしてただ見つめるだけだった。

「そうだよね、結構一緒にいるもんね」

と、別の子が聞く。
けど、私は萎縮するように、下を向いた。

「そうだって、ほら、アオイ」

その言葉に私は顔を上げると、
アオイと呼ばれた子が後ろから現れた。

No.311 10/04/23 00:48
Saku ( SWdxnb )

>> 310 その子は小柄で色白で、まるでお人形のような
クリクリの目をした可愛い子だった。
ただ、茶髪とお化粧は似合っていなかった。

「へぇ、敦史の趣味、変わったんだねぇ」

その子はキャハハと、悪びれることなく笑った。
アオイ・・・その名前を聞けば、思いつくのは一人だけ。
敦史の元カノだ。

「ねぇ、敦史とエッチした?」

初対面でそんな質問をされて、面食らってしまった。
その子は、私の耳元に顔を寄せ、

「敦史、いいでしょ?」

と言った。
私は心臓がバクバクして、もう顔を上げることが出来なかった。


その時、

「何してんのお前たち」

敦史がやってきた。

「新旧彼女同士で挨拶してたの」

アオイさんが答える。

「いらないから」

敦史は私と彼女たちの間に立った。

No.312 10/04/23 00:55
Saku ( SWdxnb )

>> 311 アオイさんは、敦史の前に近づき、
甘えるような上目遣いをした。

「ねぇ敦史、また今度遊ぼう」

「暇ないよ」

「ちょっと位ならいいでしょ?
そうだ、彼女連れてきたっていいし――
前みたいに敦史の家に集まろうよ」

「アオイさ、お前男いるんだろ?」

「別れちゃったの~。
やっぱり敦史がいいな~」

私は今すぐにでもその場を離れたい気持ちだった。
それを察したのか敦史が、私の腕をとった。

「バカか。
もうメールも電話もしてくんなよ」

そう言い残し、私を引っ張りその場を離れた。

「何で~?
友だちとしてだよぉ」

敦史は振り返ることはなかった。

No.313 10/04/23 07:01
Saku ( SWdxnb )

>> 312 エレベーターに乗ると、敦史は大きなため息をついた。

「負の遺産だわー」


「…メールや電話、してたんだ」

「向こうから一方的にだよ。俺は無視してたよ」

「敦史のお家にも行ってたんだね」

「昔の話だよ。
ーー加世、妬いてんの?」

図星だったから、俯いたまま拗ねた顔をしたかもしれないーー
敦史はずっと私の顔を見ていた。

「これから、ウチ来る?」

「ーー」

「覚悟あるなら」

ほんの少し笑ったのか?ーー敦史は真面目な表情で私を見つめた。

No.314 10/04/23 19:37
Saku ( SWdxnb )

>> 313 敦史の家は、2DKのアパートだった。
DKを抜けると、お母さんの部屋があって、
その隣に引き戸続きで、8畳ほどの敦史の部屋があった。

「狭いだろ?
洋史が居たときは間にカーテン引いて、もっと狭かったよ」

敦史は恥ずかしそうに笑った。
敦史の部屋は殺風景な位、キレイに片付いていた。
そのせいか、ベットがやたらと目立って見えた。

「ごめんな、この部屋クーラー付いてなくて」

敦史は窓を全開にし、2台の扇風機を強くかけた。

それでも、敦史の顔や首もとは汗をいっぱいかいていた。

「俺、シャワー浴びてくるわ」

そう言うと、敦史は私に背中を向けて
Tシャツを脱いだ。

骨張った逆三角形の背中は、細いのに逞しくて、
私は急にドキドキしてしまった。
 
と、フイに敦史が振り向いた。

No.315 10/04/23 20:20
Saku ( SWdxnb )

>> 314 私はぎこちなく視線を外した。

すると、敦史は腰を曲げて、
私の頬にキスをした。
見返した私に手を差し出し、私がその手を取ると、
引っ張って立ち上がらせた。

顔と顔が近づく――
俯いている私の顔を起すように
唇を重ねた。

敦史はキスをしたまま、
私の服を肩からずらして、首元から肩にキスをした。

ゾクゾクッと体が震え、私は敦史の首に手を回した。

フッと、唇を離し、敦史は目の前に顔を持ってきた。
私も敦史を見る――

「たまらなく好きだ」

「・・・私も」

至近距離で見つめ合い、どれ程好きなのかを確認しあい、
深く、激しく唇を重ねあった。

No.316 10/04/23 20:37
Saku ( SWdxnb )

>> 315 その時、玄関から、小さな物音が聞こえた。
その後に続く、人の気配で、敦史は唇を離して振り向いた。

と、次の瞬間、部屋の戸が開いた。

「お客さんだったの?」

敦史のお母さんだった。
私は乱れた首元を慌ててなおした。

「勝手に開けんなよ!」

「あら、ごめんなさいね」

敦史のお母さんは微笑み、戸を閉めた。

敦史は眉間にしわを寄せ、新しいTシャツを出して着替えた。

「加世行こう」

「う、うん・・・」

私は敦史の後をついて行った。
戸を開けると、クーラーのかかる部屋で
お母さんがこちらを見た。

「あの、お邪魔しました・・・」

「もう帰るの?ゆっくりしていけばいいのに」

「加世、行くよ」

敦史はお母さんに背を向けたまま、
靴を履いた。
私は敦史のお母さんに会釈をした。

「敦史が彼女つれてくるなんて、久しぶりね。
お名前は?」

「いいよ加世」

「そう、加世ちゃん。どうぞ敦史のことヨロシクね」

私は妙な雰囲気の中靴を履き、頭を下げて
敦史と一緒に外へ出た。

No.317 10/04/23 20:53
Saku ( SWdxnb )

>> 316 外に出て、歩く間も敦史はずっと不機嫌だった。

「敦史のお母さんって、何歳?」

「40」

「へぇ、すごく若くてキレイだよね」

「化けもんだよ」

「・・・」

敦史が、お母さんの事を嫌っているのは
何となく知っていたけど、
私にはキレイで優しそうなお母さんに見えたから、
どうも腑に落ちない感じだった。

歩きながら、いつの間にか私たちは
駅の路地裏周辺に来ていた。
ここは以前、担任と敦史のお母さんの姿を見た辺り・・・
と、突然歩くのを止め、敦史が振向いた。

「シャワー浴びたいんだけど」

そう言うと、敦史は背後に頭を傾げた。
そこらはラブホテルが建ち並んでいた。

「一緒に来る?」

私は動揺して、返事が出来なかった。

No.318 10/04/23 21:11
Saku ( SWdxnb )

>> 317 初めて、ラブホテルに入った。

「18時までサービスタイムなんだって。
タカヤンに交渉するわ」

そう言って、敦史は携帯から電話をかけた。

その間私は、部屋の中を観察した。
いかにも・・・という部屋ではなく、
部屋に熱帯魚の水槽があり、白と青でオシャレな内装だった。

「サンキュ!
――やぁり、19時出勤~!」

時計を見ると、まだ15時30分だった。
気づくと、敦史が隣にいた。

「さっきから、一言も話してないんですけど?」

「そぉう?」

敦史はクックックッと笑って、

「シャワー浴びてくるわ」

と、バスルームの方へ歩いていった。

No.319 10/04/23 22:00
Saku ( SWdxnb )

>> 318 少し経って、シャワーの音が聞こえてきた。

私は緊張して、ソワソワして、どうしていいか分からなかった。
ふと、目に入った水槽の前に行き、美しくライトアップされた水中を
泳ぐ熱帯魚を目で追った。

そうしている内に、気持ちも落ち着き
ビデオで見たある映画を思い出した。

暫くたって、私の後ろに敦史が立った。

「何してるの?」

「水槽見てて――映画、思い出してた」

「ああ――」

そう言うと、敦史は水槽の反対側に立って、
水中越しにこちらを見て微笑んだ。

「フフ、加世の好きなレオ様には及ばない?」

「――」

及ばないなんて・・・
敦史の濡れた髪、キラキラと輝く瞳、そして眼差し――
全てが、憧れの俳優を超え、たまらなくドキドキした――。

No.320 10/04/23 23:18
Saku ( SWdxnb )

>> 319 「この映画、この後どうなったっけ?」

敦史は水槽を少しずつ伝って、近づいてきた。

「想い合っている二人は、結局結ばれない悲劇だよ」

「ラストじゃなくて、このシーンの後」

「このシーンは出会いのシーンだから、一目ぼれして見惚れてるかな」

「じゃあ、この後の後の後あたり」

敦史は水槽の陰から首をかしげて微笑んだ。

「何だろう・・・?」

私が言う口を塞ぐ様に、敦史はキスをした。

「これでしょう?」

「・・・あったかな?」

「あったよ!」

ムキになって答えた敦史に、
ちょっと笑ってしまった。

そんな私を見て、敦史も笑んだ。

No.321 10/04/24 08:27
Saku ( SWdxnb )

>> 320 「やっと笑った」

敦史はベットの縁に座り、私の両手を指を重ねて握った。

「嫌がる事、する気はないよ」

そう言った優しい眼差しに又トキメイて、
私は膝をついて、自分から敦史にキスをした。

「…私もシャワー浴びてきていい?」

敦史は私を見たまま、少し笑んだ。

「入り方分かる?」

「分かるよ」

私は手を放して、バスルームへ向かう私の後を、敦史がついて来た。

「一緒に入って教えてあげようか?」

「もう、分かるってば!」

面白がっている敦史を残して、ドアを閉めた。

No.322 10/04/24 11:29
Saku ( SWdxnb )

>> 321 シャワーで全身を洗いながら、頭で、この後どうなるんだろう…と考えていた。

浴室を出て、脱衣所の大きな鏡に映った、自分の体を隠す様に素早く下着を着て、
敦史も着ていたバスローブを身につけた。

そして部屋に行った。

と、敦史は目の前のベットに座り、こちらを見ていた。

「ありゃ、髪も洗ったの?」

「だって、敦史も…」

敦史はフフと笑って、

「そのままじゃ風邪ひくよ。ほら、乾かすよ」

敦史は私の手を掴み、今出てきた脱衣所へ戻った。

No.323 10/04/24 13:13
Saku ( SWdxnb )

>> 322 大きな鏡の前で、後ろから敦史がドライヤーで髪を乾かしてくれている間、私はただ鏡越しに敦史を見ていた。

ドクン、ドクンと胸が高鳴るーー

「OK」

ドライヤーを置いた敦史と、鏡越しに目が合った。

敦史はフッと笑んで、後ろから腕を回してきた。

No.324 10/04/24 17:55
Saku ( SWdxnb )

>> 323 そして首元に顔を寄せた敦史に、答えるように私も横を向き唇を合わせた。

敦史は開いた手で肩からバスローブをずらしていき、ブラのひもを指に挟んだ。

「これもいらない」

そういって、手を滑り込ませて、ブラのフォックを外すと、バスローブを、腰で結んだ所まで下げた。
ブラも外され、上半身裸になってしまった。

「敦史、恥ずかしい…」

「恥ずかしがらなくていいよーー
ありのままの加世を見せて」

敦史は私の胸を揉みながら、私の首元から肩へキスをしていった。

No.325 10/04/24 18:30
Saku ( SWdxnb )

>> 324 敦史は私の真後ろに立つと、うなじにキスをし、そのまま下に唇を這わせたーー
私は痺れる様な快感に、ヘナヘナ~と座りこんでしまった。

「アレ…エッ?…」

一体何が起こったのかーー
放心している私の前に、敦史が膝をつき顔を近付けた。

「あの日知っちゃったの、加世の感じるところ」

そう言って、指先で背筋をツツツーとなぞった。

「アッ…」

私は思わず体を反った。

「なっ」

敦史は微笑むと、私を抱き上げて、そのままベットへと運んだ。

No.326 10/04/24 20:38
Saku ( SWdxnb )

>> 325 敦史は私の上に膝と手をついて向かい合うと、話しはじめた。

「あの映画、確か一晩泊まったよな」

「…うん」

「じゃあ、加世の入試が終わったら、旅行に行こうよ。俺達の卒業旅行」

「うん」

「泊まりでな」

「ーーうん…」

「その頃俺18だし」

「フフ…うん」

「何?」

「18?って」

「結婚出来る年齢」

「……」

「責任取れるでしょ?」

「……」

「だから、それまでは、最後までしないからーーきっとね」

私は敦史の首に腕を回してキスをした。

そしてその日も、お互いの体を知るように体を重ね合い、最後まではしなかった。

No.327 10/04/24 21:46
Saku ( SWdxnb )

>> 326 『結婚』という言葉にときめいた。
敦史と結婚出来たら嬉しいのに・・・。

感じるという感覚
濡れるという感覚

すべてを敦史に教えてもらった。

肌と肌を隙間なく合わせながら、
敦史に抱きしめられるだけで、
言いようのない幸福感に包まれた。

最後までしたら、何か変わるのだろうか・・・
私は今のままで、十分だった。


「それじゃ彼が可哀想」

夏休みのある日、美咲から連絡があって、
会いに行った。

No.328 10/04/24 23:38
Saku ( SWdxnb )

>> 327 美咲は1学期は休みがちで、
ティーンズ向けのファッション雑誌の中で、
チラホラと見かけるほどになっていた。

「そこまでしてて、最後まではダメなんて、
加世ってば、男の生理を分かってないなぁ」

「私じゃないよ。敦史が、してこないの。
責任とれるまでは、って・・・」

美咲は、ポカンとして私を見て、微笑んだ。

「本気なんだね、彼。
加世、愛されてるね」

私は照れくさくて、嬉しくて、少し俯いた。
と、同時に、以前美咲が話そうとして、教えられなかった事を思い出した。

「ねぇ、美咲。ずっと前に敦史の中学時代のこと、
話そうとして止めたけど、何だったの?」

「ああ。・・・今の彼は別人みたいだから言うけど――
すごくモテてて、言い寄ってくる子も多かったみたいで・・・」

「うん」

「その殆どの子と、やってたんだって」

「やる、って・・・」

「H」

「・・・」

「それで、『バージンキラー』って呼ばれてたんだって」

美咲は可笑しく言ってちょっと笑ったけど、
私は苦笑するしかなかった。

No.329 10/04/24 23:48
Saku ( SWdxnb )

>> 328 「でも敦史、彼女いたんだよ」

「彼女居ても、やってたらしいよ。
だから、すごくダサい子でも彼相手に処女喪失できたんだって」

「・・・」

「あちゃ~、やっぱりショックか・・・」

美咲は黙り込んだ私の頭を、何度も撫でた。

ショック・・・というより、不思議な気持ちだった。
私の知っている敦史と、美咲の話の敦史が繋がらなくて、
ただの噂話かもしれないな、とその時は思った。

「そうだ加世、私、高校止めるから」

「エッ?!」

その一言に、ショックを受けた。

No.330 10/04/25 00:21
Saku ( SWdxnb )

>> 329 美咲は雑誌のサンプルを私に見せた。
その一番上は、美咲が一面に載った表紙だった。

「すごい!可愛い」

「今度出るの。今の高校は芸能活動とかってダメじゃない。
このままいったら出席日数も足りなくなるし、
2学期から東京の夜学に転入する予定」

「もう決まってるの?」

「うん」

「お母さんやお父さんは何て?」

「何も。この家には私は居ない方がいいのよ」

「そんな・・・」

私は美咲の部屋の、内側から施錠された鍵を見つめた。

「加世には、話そうかな・・・」

「?」

美咲は、同じように鍵を見ていた視線を私に移した。

No.331 10/04/25 07:14
Saku ( SWdxnb )

>> 330 「小6の時、父親が亡くなってね、
まさに路頭に迷っていた私と母親を、
父の兄で銀行員の叔父さんが、色々面倒をみてくれたの。
保険金の受取から母親の仕事の世話までいたせりつくせりやってくれてた…」

私は美咲の話を、一言一句聞き逃さない様に、相槌もせずに黙って美咲を見つめいた。

「母親は全幅の信頼を寄せていたわ。
伯父さんはよき父親がわりでもあり私の勉強もよく見てくれた。
家庭教師の様に、私の部屋で、マンツーマンでね…」

「ーー」

「でもね、家庭があるのに、頻繁にウチへ来るのを怪しまなきゃいけなかったのよーーうちの母親はさ……」

美咲はぼんやりと窓を見つめながら、思い出すように小さく笑んだ。


「お母さんが伯父さんに不審を抱いた時には、
私はとっくに処女を喪失していたってわけ」


「エッ…」


美咲は私を見て寂しそうに笑った。

No.332 10/04/25 20:22
Saku ( SWdxnb )

>> 331 「その後すぐ、逃げる様に此処へ引越してきて、
中学で加世に会ったってわけ」

美咲を見つめる私の目から、ポロポロと涙がこぼれた。

「かーよ、泣かないでー」

美咲は私の傍に座り、頭を撫でた。

「だって・・・」

私は言葉が出ず、ただ美咲を抱きしめた。


「・・・陽ちゃんに話した時と、同じだ――
陽ちゃんも、涙目になって、私を強く抱きしめて・・・
『そんなクソ親父のことなんて忘れさせてやる!』って・・・
あの時、嬉しかったな・・・」

美咲の声は、最後に涙声に変わった。

「うっう・・・」

私はのどの奥から言葉にならない声と同時に、
涙が溢れて止まらなかった。

No.333 10/04/25 21:34
Saku ( SWdxnb )

>> 332 何故、大人に守られるべき子どもが、
大人に傷付けられなきゃいけないんだろう・・・。


美咲は言った。
『初めての相手は嫌でも忘れられない』
と・・・。

この先もずっと、幾度となく
美咲の頭や心に去来するだろう・・・

消せない過去を、苦痛な思い出を、
傷つけられた美咲が、
背負っていかなければならないんだ・・・。



家に帰った私は、ショックを引きずったまま、
敦史からもらったオルゴールを、繰り返しネジを巻いて、
長い時間見つめていた。

そこに、敦史からメールが届いた。

No.334 10/04/25 22:07
Saku ( SWdxnb )

>> 333 『バイト終わったー。

朗報。

母親に男ができました。

パチパチパチパチ!』


敦史のお母さんは、男性が居ないとダメな人だって、
以前敦史は言っていた。
でも、『お母さん』なのに・・・。

「はあぁ・・・」

私は、その時『大人』に対して、言いようの無い
嫌悪感を感じた。
何故もっとしっかり出来ないのか?
何故もっと責任ある行動が出来ないのか?
何故?何故??何故???

大人になった今、
擁護するわけでなく答えるなら、
「人は完璧じゃないから」

――なんてご都合主義な答え。



私は気力のないまま、敦史に返信した。

『バイトお疲れさま。

良かったね。

おやすみなさい。

with love 加世」

その日ばかりは、美咲のことで頭がいっぱいで、
敦史へのトキメキは影をひそめていた。

No.335 10/04/25 22:30
Saku ( SWdxnb )

>> 334 すると、暫くたって、携帯が鳴った。
敦史からの着信だった。

「もしもし」

「加世、何かあったの?」

私は少し笑ってしまった。

「ん?」

「凄いな、って。
どうして分かるの?」

「なぁ、凄いだろ?俺って」

敦史はふざけたように言った。

「ホントに凄い」

「で?何があったの?」

「ふうん。
――友だちの悩みを聞いて、ちょっと落ち込んでたの」

「どんな?」

「それは言えないんだ・・・」

「そっか」

敦史の返事はとても優しかった。
優しくて、胸の中の殺伐とした感情が、
溶けていくようだった。

No.336 10/04/26 18:13
Saku ( SWdxnb )

>> 335 「困っちゃうな…」

涙が出てきた。

「泣くなよぉ」

「フフ、ねっ」

その後の沈黙も、敦史に見守られているような感覚に包まれた。


「敦史が居てくれるなら、他に何もいらない」

「フフ…」

「ずっとそばに居てね」

「……卒業するまでは」

「……」

「…その後は東京だよ」

「ヤダよ」

また違う涙が出てきた。

No.337 10/04/26 21:30
Saku ( SWdxnb )

>> 336 「ずっと分かってたことじゃん」

敦史の言葉通り。
でも、離れ離れになることを想像したら、
一気に心細くなった。

「俺は自信あるよ」

「――」

「離れても、俺の中で
加世が一番であり続けるって――」

「――」

「加世も言ったじゃん。
『変わらない自信ある』って――
だったら、どっちがその自信通せるか、
競争してみない?
きっと俺の方が勝つから」

「私だよ」

「ヒヒヒ、俺だって」

「・・・フフ」

なみだ目で笑ってしまった。

No.338 10/04/26 21:49
Saku ( SWdxnb )

>> 337 「離れること考えるの止め!
今はもっと楽しいことをさ――
そうだなぁ・・・加世は旅行どこ行きたい?」

私は咄嗟に有名なテーマパークを口にした。

「かんべーん」

敦史の困ったような言葉に笑い合い、
その後、旅行の話を楽しんで続けた。


今一緒に居られる時間を楽しんで大切にしなきゃ・・・。


そう切り替えて、過ごせたのは、
今振り返ってみても本当に良かった・・・。


夏休み中、美咲は東京へ引っ越すことになった。
当分は事務所が用意してくれた部屋で一人暮らしをするらしい。

「いつでも遊びにおいで」

駅まで見送りに行った私に美咲は言った。
美咲の両親も寂しそうに、心配そうに見送っていた。

私はこの時、いつか、東京へ行きたいと思った。
美咲が居て、敦史が行こうとしている東京へ――

No.339 10/04/26 22:14
Saku ( SWdxnb )

>> 338 夏休みが終わり2学期になると、
進学クラスの雰囲気は受験モード一色となった。

私の第一志望は佐藤くんと同じ地元の大学。
先生に推薦入学を勧められ、両親とも相談して了承した。

勉強はもちろん続けたけど、何よりも敦史と会う事を優先させた。

敦史とは、池の公園や敦史の地元で会い、
たまに、二人の気持ちがお互いの肌を求めた時、
敦史の家に行くこともあった。

私たちはお互いの体を知り尽くしていたけど、
いつでも最後まではしなかった。

ある日敦史の部屋で、
敦史は専門学校のパンフレットを私に見せながら、
学習机の鍵のかかった引き出しの中身を見せてくれた。

「エ!」

私は思わず絶句した。
中には一万円札の束があった。

「150万。学校に納める分。
後は銀行に東京で生活する分を残してあるの」

敦史が頑張ってバイトして貯めたお金だった。

「凄いね」

ずっと見てきたから、
敦史のことを心から尊敬した。

No.340 10/04/26 23:28
Saku ( SWdxnb )

>> 339 敦史は引き出しに鍵をかけ、その鍵を机の上に無造作に置いた。

大金を入れてある所の鍵を、そんな所に・・・
なんて、思って見ていた私に敦史はキスしてきて、
そのまま、ベットに傾れ込んだ。



2学期後半に、敦史は専門学校へ願書を提出した。
試験(面接)日が複数日あり、敦史は私の入試と合わせて
1月の試験を選んだ。


そして、1月。
敦史は東京へ面接を受けに行き、
私は地元の大学へ面接と作文の推薦入試へ向かった。

その後、私と敦史は、
それぞれ合格の通知を受け取った。

No.341 10/04/27 00:05
Saku ( SWdxnb )

>> 340 私の合格通知が届いた日、敦史から旅行のチケットを渡された。

中を見ると、以前私が言った、
テーマパークのチケットと
その付近にあるホテルの宿泊券が入っていた。
日にちは2日後。

「これ・・・」

「とうの昔に用意済み。
早いけど、加世の18歳の誕生日プレゼント兼ねてるから」

敦史のその言葉は、
『お金はいらない』と暗に言っていた。


「ありがとう」

私は敦史に微笑んだ。

No.342 10/04/27 19:35
Saku ( SWdxnb )

>> 341 両親には、美咲の所へ泊まりに行くと話した。

大学に合格したばかりということもあって、両親は快諾してくれた。
ーーちょっぴり心が痛んだ。


待ち合わせの駅のホームに敦史は既に来ていた。

シンプルながらカッコイイ私服姿にトキメキながら、斜め掛けリュック一つの身軽さにア然とした。

敦史は、大きな荷物を抱えてきた私を見ると、

「家出してきた?」

と言って苦笑した。

No.343 10/04/28 21:47
Saku ( SWdxnb )

>> 342 敦史と二人きりで、地元を離れるのは初めてで、
ソワソワした気持ちと、ワクワクした気持ちが入り混じりながら、
電車を乗り継ぎ、3時間かけて目的のテーマパークへ着いた。

先にホテルに荷物を預けに寄った。
テーマパークも眺められる、とても素敵なホテルで、
色々と手配してくれた敦史に、心がときめいた。

オープンしてから数年しか経っていなくて、
ヨーロッパの雰囲気の漂う建物などもとてもキレイだった。
アトラクションというより、園内を敦史と二人で歩いたり、
眺めているだけで、楽しくて、あっという間に時間は過ぎていった。

最後に花火を眺め、私たちはホテルへと帰った。

No.344 10/04/28 21:59
Saku ( SWdxnb )

>> 343 部屋は最上階で、窓からはテーマパークと海が臨めた。

「キレイ」

夜景がとてもきれいで、ずっと眺めていられそうだった。

「風呂、お湯溜めるな」

敦史はそう言って、バスルームへ消えた。

「うん・・・」

私は、ソファーに座り込んだ。

「張り切りすぎたかな――
凄い、足パンパン・・・」

一日中歩き回って、日ごろの運動不足もたたってか、
足が一回り太くなった感じだった。

「裸足になるといいよ」

脱衣所で手を拭きながら振り向きながら敦史が言い、
私は靴と靴下を脱いで、足を揉んだ。

「どれ、かしてみ」

やってきた敦史は、ソファーの前に座り、
私の足を持って、ふくらはぎを優しくマッサージしてくれた。

「気持ちいい・・・敦史、上手だね」

No.345 10/04/28 22:33
Saku ( SWdxnb )

>> 344 敦史は上目遣いで微笑み、マッサージを続けた――
その手は、ひざを越え、ゆっくりと太腿の方へなぞられた。

一気に2人だけの密約の空気に変わった。

敦史はもう片方の足にキスをし、
そのまま上へ上へと唇を這わせた。

私はゾクゾクする快感に息を吐き、
敦史の動きに集中した。

私の足をなぞりながらスカートをたくし上げられ、
下着が露わになる。
敦史は足の付け根を指と舌でなぞった。

「・・・敦史」

私の声に、敦史が顔をあげた時、
バスルームから、お湯が溜まったことを知らせる
アラームが鳴った。

敦史は体を起こして、私と向かい合って見つめ合うと、
長く語るようなキスをした。

「風呂、一緒に入る?」

唇を離した敦史が聞く。

「今は、恥ずかしいから、先に入って」

敦史はフッと笑んだ。

「今は、な」

敦史は立ち上がり、

「次は、・・・な」

そう意味深に笑み、バスルームへと消えた。

No.346 10/04/29 00:13
Saku ( SWdxnb )

>> 345 シャワーの音が聞こえてきた。

敦史とのこんなシチュエーション、何度も経験しているのに、
緊張してしまう・・・


敦史とのキス、肌を重ねること、
イヤラシイと感じていた事も、
もどかしい想いを伝える手段のように思えた。

きっと、私は・・・敦史しか知らない私は
ひどくHな女の子かもしれない。

だけど、私のすべてを受け入れてくれる敦史には、
すべてをさらけ出せた。

だから、ここにこうして居るのも自然なこと。
――だけど、余りにも緊張してしまい、
一人で待っていたら、逃げ出したくなった。


「ガチャ」

バスルームのドアが開いて、
下にバスタオルを巻いて出てきた敦史を見て、
ビクンと反応してしまった。

「イヒヒ!」

敦史は声を出して笑った。

No.347 10/04/29 00:23
Saku ( SWdxnb )

>> 346 「なぁに?」

「フフフ!
――どうぞ、空きましたので」

敦史はお風呂へと誘導するように手を広げ、
ボーイの様に頭を下げた。

「フフ」

私も緊張の糸が切れ、やっと笑うことが出来た。
そして、ちょっと威張ったフリをして敦史の前を通り過ぎ、
バスルームへと向かった。

「覗いても――」

「ダメ!」

敦史の声を素早く遮って、
ドアを閉めた。

No.348 10/04/29 00:37
Saku ( SWdxnb )

>> 347 シャワーを浴び、湯船にゆっくりと浸かった。
側にあった入浴剤を開けて入れると、お湯がピンク色になり
花びらが浮かび上がった。

「わぁー」

私は思わず感嘆の声をあげた。

「どうした?」

敦史の声が隣の脱衣所から聞こえ、
ドキッとした。

「入浴剤いれたら、ピンク色になってバラの花びらが浮かんだの」

「俺も見たーい」

「えー」

私は湯船に顔が浸かるまで、深く沈んだ。
と、浴室のドアが開いて笑顔の敦史が入ってきた。

「うわっ、まじエロ色」

私はピンクのお湯に隠れるように、更に沈みながら
敦史の顔を見上げた。

「フフ、丸見えなんですけど」

ピンクのお湯は透明だった・・・

「入っていい?」

微笑みながら聞いてきた敦史に
私はコクリと頷いた。

敦史は腰に巻いたバスタオルを外し、
湯船に入ってきた。

No.349 10/04/29 12:32
Saku ( SWdxnb )

>> 348 お湯が溢れだす――
敦史はお風呂の端に寄りかかる様に座った。
向かい合っていた私は、敦史に背中を向け寄り添った。

「大胆」

敦史は優しく言うと、後ろから腕を回した。
正面から見られるよりいいから――
私はお湯の中だけど、敦史の肌に触れ、
ドキドキしながらも安心していった。

敦史の手は私の胸をさりげなくなぞっていた。

「今日楽しかったな」

「うん」

「あそこ、水が出るところでの加世、笑えた」

「だって、ビックリしたんだもん」

私たちはお風呂で裸で密接しているのに、
いつものたわいない会話を続けた。

No.350 10/04/29 12:59
Saku ( SWdxnb )

>> 349 そうしている内に、私の緊張した気持ちは消えていた。

「のぼせる前にそろそろ出ようか」

「うん」

敦史は、先に立って、バスルームと脱衣所の電気を消し、
洗面台のライトだけの照明だけにしてくれた。

「加世は暗い方がより一層大胆になるもんな」

そんな事を言って笑った敦史だったけど、
さっきから、私を気遣ってくれているのが分かって、
その優しさに又ときめいていた。

私は湯船を出て、脱衣所で待つ敦史の所へ行った。

敦史はタオルで私の体を拭き、ドライヤーで髪を乾かしてくれた。
いつかのラブホテルのことを思い出す・・・。
あの時は恥ずかしくてたまらなかった。
今は、恥ずかしさよりも、早く敦史と肌を重ねたいと思った。

私は敦史の方を向き、頬に手をあててキスをした。

敦史はドライヤーのスイッチを消し、
更に深いキスで答えた。

「やっぱり大胆になったな」

そうニヤリ言うと、裸の私を抱きかかえ
部屋へと向かった。

  • << 351 部屋は間接照明の明かりだけになっていた。 ベットにソッと私を置き、 敦史はさっきの続きのような深いキスをした。 唇を離しキラキラと輝く敦史の瞳に 見惚れて、手をかざした。 「キレイな瞳・・・ 目は心を映す鏡だって言うよ」 「じゃあ、目だけ別物だ」 「そんなことないよ。敦史の心はキレイだよ」 敦史は、微苦笑した。 「今、心で凄いこと考えてるのに?」 私はその意味するところを感じ取りながらも 敦史から目を離さなかった。 私の心は、それを求めていた。 敦史は見透かしたように、イタズラに微笑むと 私の手を取って、指先を口にふくみ、 それが始まりのように、体の隅々まで調べ上げていった。
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