【続】あの時違う道を選んでいたら…
あの時違う道を選んでいたら…
の続きになります。
ミツルと別れてからの
道のりを綴っていきたいと思います。
14/03/03 16:15 追記
性的描写を一部含みます
苦手な方は、閲覧注意して下さいね。
パートナーに何を求めるの⁉
と直樹に聞いた事があった
お互いの感性を刺激しあえる関係だと直樹は言った
家事や育児に全力を注ぐのではなく
自分を磨き
お互いが、高めあえるような関係だと…
“仕事と私のどっちが大切⁉“
なんて聞いちゃいけない事だとわかっている…
そんな言葉を口にした時点で、直樹に呆れられるって十分にわかっている
聞く事自体が愚問なのだ
直樹は、おそらく、そんな家庭は望んでいないのだ…
あくまで自分の高い目標を達成し得るまで、大きな野望を持っている
自信があるのだろう
努力を惜しまない精神力も持ち合わせている
“成功者“になりたいのだ…
それはビジネスの世界でと言うこと…
いつも穏やかで、ポーカーフェイスの直樹が
“連れて行きたい“
と、ストレートに口にしてくれた
答えは
ただ、直樹に全てをまかせて着いていけばいいだけなのだから…
『行く前に、きちんと、倫子ちゃんのご両親に挨拶して、婚約の形を取って行きたい…』
『試験が終わって…
年明けたら、成人式だろ⁉
来春、3月にでも入籍をしたいって考えてる。』
“えっ⁉“
そこまで考えてるの⁉
直樹は、私に相談することなく、人生設計を立てていたことに、
苛立ちを感じていた
直樹は、よく“自分の目標を持ちなさい“って、私にも言っていた
今年の目標
3年後にどうなっていたいか⁉
5年後にどうなっていたいか⁉
10年後にどうなっていたいか⁉
その為には、何を“今“努力しなくちゃならないのか⁉
目標が明確になっていれば、おのずとやるべき事が見えるだろ⁉
って…
私は、ずっと一人前になりたいってこの2年頑張ってきたつもりだ
試験も控え、、
目標が達成される⁉
その先は………⁉
普通に毎日働いて
普通に結婚して
普通に子供を産んで育てて…
“普通“しか考えてなかった…
“サポートはするからやりたい事をやればいい“
って直樹は言ってくれていたし
おそらく何不自由しない暮らしが出来るんじゃないかななんて、打算的な考えもなくもなかった…
ただ…なんとなく…
ホントにこれでいいのか⁉
って感じていた
直樹は…
自由も与え与えてくれるし…
喜ばす事もしてくれる…
でもどこかで
釣り合わないものを感じていた
それは、年齢と経験を重ねれば直樹と同じステージに立てるのかなとも思ったが…
年齢差は埋まらない
『今は、待って‼』
と、直樹に言っていた
『今はって…
いつならいいの⁉
俺は、2年も3年も先には出来ない。』
と直樹に言われた
『試験が終わって…
成人式が終わるまで…』
『俺は、シンガポール行く前に、きちんとして行きたい。』
直樹の気持ちは変わらないようだった
結局、
7月いっぱいは、
直樹も仕事に追われ、両親との休みも合わず
挨拶に来る機会は作れなかった
8月に入って
7月いっぱいで店を辞めるはずになっていたが…
引き継ぎや残務整理もあり荷造りとバタバタとしていた
さすがの直樹にも苛立ちが見え始めていた
『次の日曜日には、挨拶に行くから、ご両親に伝えておいて欲しい』
と言われた
母親に
『付き合ってる人が挨拶に来たいと言ってるんだけど…』
と伝えた
母親には
『まだ倫子は、
資格も取得してない半人前なのに、“挨拶“って何⁉
付き合う事には、反対しないけど、まさか結婚なんて言い出さないわよね⁉』
と言われてしまった
直樹に、母親の言葉を伝えたが…
それでも挨拶には行くからと言い切られた…
母親にきちんと話は通せなかったが、直樹にまかせるしかないと思っていた
きっと直樹と会えば
両親も反対はしないだろうと思っていた
『ベッドへ行くよ…』
直樹に促され
ベッドへと移動した
優しく唇を重ねる
首筋から…
乳首へ
舌を這わせ吸い付く
横向きされ
身体を密着させる
直樹の体温が伝わってきた
後ろから
抱き締められる
直樹の指が
乳首を弄ぶ
もう片方の手が
下へと滑り込む…
敏感なツボミを探しあて
優しく波打つようにゆっくりと刺激する
背中にキスされ
身体がビクッと反応した
声が漏れた
『あっ……』
身体の奥から
溢れてくるのがわかった…
直樹の指がツボミの奥へと滑り込む
『すごいよ…』
我慢出来ずに
腰を反らし
直樹の方へと
お尻を突き出した
直樹のモノが
入口にあてがわれる
満たされたいのに
入口にあてがわれたそれでジラすように
撫でている
やがて
ゆっくりと
埋め込まれた…
くの字になった身体が
ピッタリと密着された
香の店に寄っていた
『元気ないじゃん⁉』
『うん…
行っちゃったんだ…』
『そっか…』
『香は、結婚して
大変じゃない⁉』
『う~ん…
楽しいよ。』
『楽しいんだ⁉』
『喜びが二倍ってヤツかな(笑)』
『香、頑張ってるもんね…』
『頑張ってはいないよ(笑)
適当だよ。
ただいま~って帰って来た時に、空っぽの弁当箱見るとさ、、
明日も早起きして
作ろうって思える(笑)
小さな幸せだよ。』
『小さな幸せの
積み重ねだね。』
私の幸せは…
いつも、目の前まできて…
遠くに逃げて行っちゃうような気がする
何も悪いことしてないのにな…
直樹と出会って
付き合って
夢のような時間だった…
いつも穏やかな直樹に包まれていた
大きな存在だった
私は、直樹に
何かをしてあげられたのかな⁉
直樹には
夢のような時間と
仕事のことも…
生き方も…
いっぱい、いっぱい
もらってばかりいたような気がする…
勝手な事を言ってても
怒ることもなかったし…
胸の中がポッカリと
空いたような気がしていた
直樹…
逢いたいよ…
寂しい…
その頃、母は
大半をお婆ちゃんの家に泊まり、入院中のお婆ちゃんの世話をして
週末だけ家に帰って来る生活をしていた
家に帰ってきていた
ある日の夕食時に
『もう暫くしたら、退院出来そうなんだけど…
どうしようかしらね⁉』
母が言った
『どうしようって⁉』
父が聞く
『一人暮らしは
もう厳しいかもしれない…』
『こっちの家に連れて来て
暫くは養生してもらって
様子見てみたらいいんじゃないか⁉』
『お父さん、いいんですか⁉』
『娘は、お前一人なんだ…お前しか頼る人は居ないだろう⁉』
そんな父と母の会話を聞いていた
幸い後遺症もあまりなく
普通に生活は出来そうな感じではあったが、家事等の負担を考えて病み上がりのお婆ちゃんを一人暮らしにさせる訳にはいかないだろうとの配慮だった
退院の日
父は仕事だったから、母と私と迎えに来ていた
お世話になった同室の方や先生、看護婦さんに挨拶をして、見送られた
一度は自分の家に帰りたいとお婆ちゃんが言うので、お婆ちゃんちへ寄っていた。
玄関をあがると、一番最初に仏壇にお茶を入れて、お線香をつけ、なにやらお爺ちゃんに報告をしているようだった
『やっぱり家が一番いいねぇ…』
お婆ちゃんがしみじみと言った
近所のおばちゃんちもやってきて
『良かったねぇ、早くに退院が出来て…』
と言われて、お婆ちゃんも嬉しそうだった
『暫くは、娘の家にお世話になるから、留守するけどよろしくね。』
お婆ちゃんが言った
『そう、寂しくなるけど、その方が安心だよ。
ゆっくり養生しておいで、帰ってくるのを待ってるからね。』
とおばちゃんが言った
線香も燃え尽き
戸締りをして、お婆ちゃんちを後にした
タクシーに乗り込み駅まで来ていた
電車と新幹線を乗り継ぎ、また電車を乗り継ぎ3時間はかかる距離だ
新幹線の窓から外を眺めながら
『何年ぶりだろうね~…』
お婆ちゃんがポツリとつぶやいた
ホントは、住み慣れた家に居たいんだろうな…
と感じてた
1階の納戸に使っていた部屋が和室だったので、お婆ちゃんの寝室にした
後から聞いた話だが
父が、いつかは母の両親を迎える日が来るかもしれないと、1階に和室をひと部屋用意していたそうだ
一人娘の母を嫁にした時から、母の両親の行く末を案じていたのだと父が言った
いつもは、頼り無げが父がその時は、ちゃんと考えていたんだ…
と、ちょっと見直していた
お婆ちゃんは、最初こそ嬉しそうにしていたが、半月も過ぎる頃から
『家に帰りたい』
と口にするようになっていた
顔見知りのいない場所での暮らしは、お婆ちゃんにとっては寂しかったのだろう…
世話になっていると言う負い目もあったのかもしれない
『私は一人で大丈夫だから…
そろそろ家に帰ろうかねぇ…』
と言い始めていた
そんなお婆ちゃんのことがあったおかげで
直樹と離れた寂しいさも少しは気が紛れていた
『倫子ちゃんは、ボーイフレンドはいないのかい⁉』
お婆ちゃんが聞いてきた
『ボーイフレンド⁉
友達ならいっぱいいるよ。(笑)』
『そうかよ~。(笑)
遠くにお嫁さんに行くんじゃないよ。
近くにしなよ。』
お婆ちゃんが言った
『近くって、どのくらい⁉』
『そうだね~…
スープの冷めない距離ってことかね~(笑)』
まさか、海外へ行くなんてお婆ちゃんには言えないな…
なんて頭の中で考えていた
『お婆ちゃんは、お爺ちゃんのどこが良かったの⁉』
『どこもなにも…
昔のことだから、親が決めたようなもんだよ。
結婚前に1度会っただけで、次に会ったのは結婚式だったから…(笑)
結婚式と言っても、田舎だったからね。
昔は家で親戚の顔合わせみたいにしただけだよ。』
『1回会っただけで、嫌じゃなかったの⁉』
『嫌もなにもないよ。
親が決めたんだから。』
『お爺ちゃんで良かった⁉』
『そうだね~。
働き者だったからね。(笑)今頃、爺さんクシャミしてるだろ~よ。
早くお迎えに来てくれるといいんだが…』
『お婆ちゃん、何言ってんの‼
ひ孫の顔見たいでしょ⁉』
『いつのことになるんやら…
そんなに長生き出来やしないよ…(笑)』
そんな会話を交わしていた……
1ヶ月を過ぎる頃から
お婆ちゃんの元気がなくなってきていた
“帰りたい“
と口にすることも増えていた
そんな時に
いつもの香のお店の常連さんで恒例のバーベキューの話があったから、お母さんに話して、お婆ちゃんを誘い出していた
『私はいいよ…』
と最初は遠慮していたが、連れ出していた
健ちゃんが車で迎えに来てくれた
健ちゃんの車はワゴン車だったから、お婆ちゃんが乗り込みやすいように、健ちゃんが踏み台の箱を用意してくれていた
『ありがとう、
健ちゃん感謝する‼』
もうバーベキューが始まっていた
『お婆ちゃん、
どうぞ、どうぞ‼』
皆がお婆ちゃんに
声を掛けてくれた
久しぶりの賑やかな場所に嬉しそうだった
『倫子ちゃんには、お友達がいっぱいいるんだね…』
『お友達って言うか~…
知り合いかな…』
『疲れてない⁉』
『大丈夫だよ
大勢で食べると
美味しいね~』
お婆ちゃんがニコニコしながら言っていた
あまり長い時間になると疲れちゃうといけないと思って早めに帰ることにした
『健ちゃん、悪い
送ってくれる⁉』
『OK👌』
健ちゃんに送ってもらった
『どうも
お世話になっちゃって。』
お婆ちゃんが
健ちゃんに言っている
『遠慮しないで下さい
買い出しのついでですから…』
健ちゃんが言った
『そうですか⁉
悪いですね
迷惑かけちゃって…』
お婆ちゃんが言っていた
『大丈夫ですよ。
ちっとも迷惑なんかじゃないですから。』
『行も帰りも
お世話になっちゃって…
倫子ちゃんをよろしくお願いしますね。』
何をよろしくなのか
わからないが…(笑)
健ちゃんが調子にのって
『大船に乗ったつもりで、まかせて下さい。』
なんて言っていた(笑)
お婆ちゃんを家まで
送り届けた
玄関に母が出てきた
『すっかりお世話なっちゃって、健ちゃんありがとうね。』
と、母が健ちゃんに声を掛けた
『いいっスよ。
お婆ちゃんと話が出来て
楽しかったっスから…』
『お母さん‼
私も続き行くから、今日は夕飯いらないからね‼
遅くなるからね。』
と母に告げ助手席へと
乗り込んだ
『ありがと‼
健ちゃん。』
お婆ちゃんは
父や母が
“いつまでも居てもいいんだから…“
と説得したが…
“住み慣れた
家に帰りたい“と帰ることになった
ここでは、茶飲み友達もいないから、一日中家にこもる生活だ
日中は、誰も家には居なくなる
寂しかったのだろう
田舎の家を処分して
一緒に住もうと言う話も出ていたが…
お婆ちゃんが嫌がった
田舎に帰れば
近所のおばちゃんちも
気にかけて
夕飯時分になると
お皿を持って行き来するような
まだ、隣近所との付き合いも多いような所だった
何かとお婆ちゃんを気にかけて、よく家にやってきた健ちゃんが車で送ってくれるという話になっていた
宅急便で荷物を送って
新幹線で帰った方が、
楽じゃないかと提案したが…
お婆ちゃんは、
“健ちゃんに送ってもらうから…“と言い張っていた
『ごめんなさいね…
健ちゃんに甘えちゃって
お婆ちゃんも言うこときかないんだから…
困ったもんだわ…』
母が健ちゃんに言っていた
『いいですよ。
俺も田舎のお婆ちゃんに
何も孝行してやれなかったから…
そんな真似事が出来て、俺もちょっと、嬉しいんです。』
健ちゃんが答えていた
『ホントに
世話になったね
ありがとうね…
ありがとうね…』
お婆ちゃんが何度も何度も健ちゃんにお礼を言っていた
『気にしないでください。俺も楽しかったですから…』
『ありがとう…
ありがとう…
倫子ちゃんをよろしくね。』
お婆ちゃんが健ちゃんの手にお年玉袋を渡した
『こんなん貰えないですよ』
と健ちゃんがお婆ちゃんに返していたが…
『帰りに二人で
美味しいもんでも食べて帰りな…』
またお婆ちゃんが
健ちゃんの手に…
『お婆ちゃんの気持ちだから…
受け取ってあげて。』
と母が言って
健ちゃんが受け取っていた
母は、2日程お婆ちゃんちに泊まる事になっていた
私は、
健ちゃんの車に乗り込み
家路についた
何日か過ぎて
家も、落ち着きを
取り戻していた
香の店に来ていた
『お婆ちゃん、どう⁉』
健ちゃんが言った
『大丈夫みたいだよ。
家に帰れば一人暮らしだからね。
何でも自分でやらなきゃならないから大変だろうけど…
元々、働き者のお婆ちゃんだから、
こっちに居た時よりも
元気みたい。』
『そうか
良かったな。』
『うん、
健ちゃん、ありがとう
お世話になりました。』
『いいんだよ
気にするなよ。』
『次の休みにでもさ
ドライブがてら、
行かないか⁉』
『えっ⁉』
『お婆ちゃんち…』
話を聞いていた香も加わって、徹ちゃんも一緒に4人で、
お婆ちゃんちに草むしりに行こうと話ていた
『いいよ、いいよ…
草むしりなんて…』
と断ったが…
『い~んだよ。
皆でドライブがてら
遊びに行こうよ‼』
って盛り上がってしまった
『おはよう‼』
『おはよう‼』
私と香と徹ちゃんで、
健ちゃんの運転する車に乗り込み
お婆ちゃんちに向かっていた
『悪いね…』
『悪くなんかないよ~。
私らが勝手に遊びに行くんだからさ~。
なんかワクワクする
うちはさ、両親地元だから、田舎がないからさ、なんか楽しみなんだ。』
香が言った
『そうだよ。
ドライブ、ドライブ‼』
徹ちゃんも言っていた
“ありがとう“
皆の気持ちが嬉しかった…
『こんにちは~‼
お婆ちゃんいる~⁉』
『はい、はい
居ますよ…』
奥からお婆ちゃんが出てきた
『草むしりに
来たよ~‼』
『さっさっ
お上がりなさいな
朝早くに出たんでしょ⁉
大変だったね、
お茶飲んでよ。』
お茶を一杯飲んでいた
『お婆ちゃん、元気そうだね⁉』
『ありがとう。
おかげさまで
元気になったよ~。』
お茶を飲み干したところで草むしりを始めた
そんなに広い訳ではなかったが…
放置した庭は草がボーボーと生い茂っていた
健ちゃんと徹ちゃんが作業着に着替えた
『あらっ…
本格的だわね…(笑)』
お婆ちゃんが言った
『職人ですから(笑)』
健ちゃんが答えていた
『お茶入れたよ~‼』
3時になっていた
お茶と漬物、
お婆ちゃん手作りの蒸しパンがあった
ふかふかのまだ温かい
ほんのり甘い蒸しパン
『すっかりキレイになったね
ありがたいよ~…』
お婆ちゃんが言った
『お婆ちゃん、
お茶飲んだら帰るね。』
『そうかい⁉
ゆっくり休んでもらいたいけど…
帰るのが遅くなっちゃうからね…
部屋はあるから泊まって行ければいいんだけどね~…』
『うん、ありがと
皆、明日は仕事があるからさ。』
『ホントにありがたいよ。
また、いつでも来てよ。
今度は、泊まりでおいでよ。』
『うん、また来るよ。』
“これ少ないけど、皆で夕飯になんか食べて“
お婆ちゃんが私に1万円を握らせた
お婆ちゃんの気持ちと思って受け取った
お婆ちゃんに見送られ
お婆ちゃんちを後にした
出勤していた
差し入れのお土産が
休憩室に置いてあった
チョコレート
マーライオンの形をしていた
『誰のお土産ですかぁ~⁉』
『あ~、昨日、
百合子さんが来たんだよ。』
『ふ~ん…』
『倫子ちゃんに
会いたがってたよ。
連絡欲しいってさ。』
“マーライオン“って
シンガポールだよね…
百合子さん、シンガポールに行ったってことだよね⁉
まさか…
直樹に会いに⁉
連絡欲しい⁉
なんだろ⁉
仕事が終わって
百合子さんに電話を入れていた
☎『もしもし…』
☎『あっ…倫子ちゃん⁉』
☎『はいっ…チョコレートいただきました。ごちそうさまでした…』
☎『久しぶり~、今度ご飯一緒にしない⁉』
☎『あ…はいっ…』
ご飯を一緒にする約束をした
このタイミングで
お料理が運ばれてきた
『食べよ、食べよ‼
お腹空いてたんだぁ~⤴』
なんとなく
話をはぐらかされた気がした
『あ~っ…美味しい』
『百合子さん…』
『何⁉』
『知り合いって…
綾野さんですか⁉』
ストレートに聞いていた
『・・・・
倫子ちゃん
私なら、足手まといにならずに、綾野さんをしっかり支えられると思うの‼』
“足手まとい⁉“
私が⁉
『付き合ってたんでしょ⁉』
『・・・・』
『悪いけど…
そ~ゆ~ことだから‼』
百合子さんが、
お金を置いて
店から出ていった
“そ~ゆ~こと⁉“
ど~ゆ~こと⁉
付き合ってたって…
過去形⁉
百合子さんは、直樹の連絡先を知ってたの⁉
頭の中がパニックだった…
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連絡すらくれずに
連絡先も知らない私…
それなのに、
百合子さんは
直樹と会ってきた⁉
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