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【続】あの時違う道を選んでいたら…

レス493 HIT数 125183 あ+ あ-

りんご( ♀ UNyGh )
14/06/12 19:10(更新日時)



あの時違う道を選んでいたら…


の続きになります。



ミツルと別れてからの
道のりを綴っていきたいと思います。




14/03/03 16:15 追記
性的描写を一部含みます
苦手な方は、閲覧注意して下さいね。



No.2053560 14/01/24 14:07(スレ作成日時)

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付箋

No.401 14/03/30 22:44
りんご ( ♀ UNyGh )



シャワーを浴びる

アッ……
初めて、直樹にキスマークをつけられていた





ふぅ~っ…
直樹が帰って来るまで
何しよう…

ソファーに座り
ボォ~ッとしていた


普通なら…こんなとき
掃除したり、、、
料理したりして
帰りを待ってるんだろうな…


でも、直樹の部屋はいつもきちっと片付いていて…
きっと拘りがあるんだろうなって思ってたから、勝手に掃除なんかしない(笑)



手料理⁉
材料もないし…
一人で外に買い出しに行く勇気はない…


このクッション
直樹の匂いがする…


No.402 14/03/30 22:52
りんご ( ♀ UNyGh )



どうなるんだろう…


ここまでは直樹に逢いた一心で来たけど…


仕事も辞めちゃって…


日本には帰らないつもりで来たけど…


じゃ~…
これから、どうする⁉

この先を、何も考えていなかった…



アハハハハ(笑)
笑うしかない


突然来たことを
“嬉しい“とは言ってくれたけど…



どうしよう…



No.403 14/03/30 23:00
りんご ( ♀ UNyGh )



『ただいま~…』


“痛っ…イテテテテ…“
変な恰好でソファーで
寝ちゃっていたから
身体が痛かった…


『何か食べた⁉』


『・・・・・』


『冷蔵庫にあるもの食べていいって言ったろ。』


『うん…』


『ダメだろ、
ちゃんと食べなきゃ
ヨーグルト食べるか⁉
外に食べ行くか⁉』


『まかせる…』


『じゃ…
支度して‼』


パパッと化粧して
身支度を整えた


『じゃ、行こうか…』


直樹に連れられて、
レストランに来ていた



No.404 14/03/31 13:23
りんご ( ♀ UNyGh )



直樹が適当に
メニューから選び
運ばれてきた

ただ黙々と口に運ぶ



『仕事を辞めて、
旅行に行くってだけ言って来たんだよね⁉』
直樹が口を開いた


コクンッと頷いた


『このまま、こっちに住むつもりで⁉』


『・・・・』


『俺は、それでもかまわないよ。』


『・・・・』


『ただ…家出同然じゃ、ご両親は心配するだろうね⁉』


『・・・・』


『それとも、一緒に日本に行こうか⁉
俺が、こっちに来る前に、きちんとご両親に挨拶してから来るべきだったね…』


『・・・・』


『そうしようか⁉』


『・・・・』


『黙ってちゃわからないでしょ⁉』


No.405 14/03/31 13:34
りんご ( ♀ UNyGh )



『倫子ちゃんは、どうしたいの⁉』


『離れているのは…
もう嫌…』


『じゃ、こっちに居る⁉』
『それでも、ちゃんとご両親に話して来なきゃダメだろ⁉』


『・・・・』


『2、3日考えてごらん』
『倫子ちゃんの人生のターニングポイントだよ。』


『俺は、最初から連れて来たかった。
ただ試験や、お婆ちゃんのこととかがあって、寂しい思いをさせたかもしれない。』
『でも…こうして訪ねて来てくれた。
俺は、嬉しいよ。
一緒に居たいと思う。』




No.406 14/04/02 22:18
りんご ( ♀ UNyGh )



人生のターニングポイントか……

考えてごらんって…


私は、自分の人生を
直樹に委ねようとしていた

でも…
直樹は自分で考えてごらんて言った…


ただ逢いたいってだけの気持ちでここまで来た…


けど…
先のことをちゃんと考えなければならない…


結婚⁉

ここで暮らす⁉


そばに居たいってだけじゃだめなの⁉



自問自答を繰り返す…



No.407 14/04/02 22:34
りんご ( ♀ UNyGh )



『ただひとつ言っておかなくちゃならない事がある。』


『何⁉』


『はっきり言っておくけど…
俺の気持ちは、倫子と一緒に人生を歩んで行きたいって思っている。』

『ただ…シンガポールにずっと居るつもりはないんだ…インド、バリ、、ニューヨーク、パリ、を何年かかけて回るつもりでいる。』


『・・・・』


『そして、日本に帰って起業する。』


『倫子が、ずっと一緒に居る事を望むなら、ちゃんとご両親を説得しに日本へ一時帰国して、ちゃんとケジメをつける。』


『家出状態のまま放浪する訳にはいかないだろ⁉』






No.408 14/04/04 21:13
りんご ( ♀ UNyGh )


離れているのは…
もう嫌…


でも、私に海外を転々とする生活が出来るだろうか⁉

私には、直樹のような野望はない…

直樹と一緒には居たい…

知らない土地で…
不安はある…


でも、直樹となら乗り越えられる⁉


直樹に任せていれば大丈夫‼






No.409 14/04/07 07:59
りんご ( ♀ UNyGh )


シンガポール滞在、
3日目を迎えていた


仕事も終わって直樹が帰ってきた


『気持ちは決まった⁉』


『・・・・』
『離れて居るのは…嫌…』


『じゃ、一緒に来るんだね⁉』


『・・・・』
『直樹が仕事している間、私も同じ仕事場に行ける⁉』


『それはわからないよ。』


『ずっと部屋で、直樹の帰りを待ってるだけ⁉』


『色々、見て回ったり、勉強することは、いっぱいあるでしょ⁉』


『一人で⁉』


『そう…そうゆう行動力も必要でしょ⁉』


『・・・・』





No.410 14/04/07 08:08
りんご ( ♀ UNyGh )


『ねぇ…倫子…』

『一度、日本に帰りなさい。』


『・・・・』


『旅行に行くって出てきたんでしょ⁉
このまま帰らないままでは、ご両親が心配するよね⁉』


『・・・・』


『日本に帰って、
よ~く考えて答えをだしなさい。
俺は、焦ってないから…
これからの長い人生の大事な決断だ…』


『直樹は、私が居たら邪魔なの⁉』


『そんな事ないよ。
一緒に居たいって言ってるだろ…
ただね、、家出状態のままじゃダメだろ⁉
ちゃんとご両親に話を通さなければならないと思っている。』

『明日、帰りのチケットを取ってあげるから…
一度、日本に帰って、、』


『・・・・』










No.411 14/04/08 19:36
りんご ( ♀ UNyGh )



このまま一緒に連れて行って、欲しかった…


強引に…


“俺について来い“

“俺にまかせろ“


と言って欲しかった…




でも…
直樹は違った…



おそらくまだ私が年若かったこともあり、両親の気持ちを察したのもあるのだろう…

“ちょっと旅行に行く“
と家を出てきてしまったから…


大人の恋をしてたつもりでも、やってた事は子供だった…




私は、直樹に説得されて、一度日本に帰ることになった…


No.412 14/04/08 19:40
りんご ( ♀ UNyGh )



『直樹…』


『何⁉』


『離れたくないよ…』


『俺だって、離したくないよ…』
『でも、だからこそ、ちゃんと将来を考えて…』



わがままっ子のように
泣きじゃくっていた…



直樹がそっと唇を重ねる…


No.413 14/04/10 22:08
りんご ( ♀ UNyGh )



『シャワー浴びておいで…』


『うん…』


シャワーを浴びていたら、直樹が入ってきた…


『シャンプーしてあげるよ。』


『うん』

やっぱり、直樹のシャンプーが一番気持ちいい…

質のいいシャンプーとトリートメント

アロマなボディソープで、心地いい香りに包まれる


『直樹にもシャンプーしてあげる‼』


『どれだけ腕をあげたかな⁉(笑)』





『うん…上達してるね。(笑)』


『でしょ⁉(笑)』




No.414 14/04/10 22:16
りんご ( ♀ UNyGh )



ボディソープをたっぷりと泡立てて
ボディスポンジで…
直樹の背中を流す


『気持ちいいよ。
ありがとう倫子…』



『愛しい』とは、こうゆうことなのか⁉
と初めて感じていた…







No.415 14/04/12 13:58
りんご ( ♀ UNyGh )



相手の事を思いやる…


家族を含め…
回りに心配をかけないよう…
迷惑をかけないよう…


直樹の大人な配慮だったのだろう…


直樹は、いつも穏やかで
声を荒らげたり、怒るようなことは一度もなかった…

『どうしたの⁉』

『何かあった⁉』

『どうしたい⁉』

って、優しく問いかけてくれる。



でも…
内に秘めた情熱は
感情をあらわにしないだけで、熱い…

仕事に対しても…
自分の夢に向かって突き進む強引な所も…

直樹の芯の強さなんだと思う…




No.416 14/04/12 14:06
りんご ( ♀ UNyGh )



直樹は優しく
唇を重ねる…


『離したくないよ…』
耳元で囁く…


花芯がジュンッと疼く


唇を何度も何度も重ねていた…

首筋から胸…

直樹唇に吸われ…
舌が這う…


直樹の頭が
段々下へと下りていく…




『恥ずかしがらないで…』



No.417 14/04/12 14:20
りんご ( ♀ UNyGh )



お臍の回りに舌を這わせ…

指で花芯をまさぐる…

プックリと膨らんだ花芯を優しく指先で揺らす…


蜜が溢れてくるのを感じいた…

直樹が蜜を確かめるように指先を忍ばす…


『倫子…すごいよ…
溢れてる…』



直樹の舌が花芯にまとわりついてきた…


『イヤッ…』


『恥ずかしがらなくていいよ…』


初めて…
花芯を直樹にさらしていた…


『可愛いよ…
キレイだよ…』


優しく吸われ…
舌で刺激され…


今まで感じたことのない感覚に包まれていた…




『直樹…』


『何⁉』


『ガマンできない…』


『ガマンしなくていいよ…』
『どうして欲しいの⁉』



『・・・・』
『直樹…入れて…』





No.418 14/04/12 14:40
りんご ( ♀ UNyGh )


直樹のソレが入口にあてがわれた…


“早く埋めて満たして欲しい…“


直樹は直樹のソレ自身で、蜜なめ回していた…

入口を確かめるようにゆっくりと力を込める


ガマン出来ずに、腰をあげ直樹をくわえ込もうとした…


『まだ、ダメだよ…』


『・・・・
ガマン出来ないよ…』


『しょうがないな~…』


ジラすようにゆっくりと侵入してきた…


思わず声が漏れる…

“うっ…んっ~…“


ゆっくりと直樹が腰を動かす…


密が溢れ…
したたってきた…


『こんなになったのは、初めてだね…』
直樹が囁く…


“恥ずかしい…“



『嬉しいよ…倫子…
すごいよ…締め付けるよ…』


直樹にみたされて絶頂を迎えていた…
直樹も一緒に…





『大丈夫⁉』


『う…ん…』


『嬉しいよ…倫子…』


『恥ずかしい…』


『恥ずかしがるなよ…』

直樹がティッシュでそっと拭ってくれた


『ありがとう…直樹…』



No.419 14/04/12 14:44
りんご ( ♀ UNyGh )



そのまま…
直樹の腕の中で
眠りについていた…


身も心も…
直樹に包まれて
安心しきって
心地よい…深い眠りに…






No.420 14/04/12 19:35
りんご ( ♀ UNyGh )



部屋に朝日が射し込んでいた


目覚めてしまった…


目覚めたくなかったのに…


ずっと…
ず~っと…
直樹の腕に包まれて心地いい夢にまどろんでいたかったのに…


直樹を起こさないように…ジ~ッと息を潜めて、直樹の顔を見つめていた…



直樹の腕に力が入り、
ギューッと抱きしめられた


『おはよう…』

直樹が目覚めた


直樹の胸に顔を埋める


そのままジッと
直樹は包み込んでくれていた…


今日、、
私は日本へ、帰らなくちゃならない…

また離れ離れになる…







No.421 14/04/12 22:23
りんご ( ♀ UNyGh )



『もうしばらく、ここに居たいな…』
呟いてみた…


直樹は黙っている


『居たいな…』


『居ちゃダメ⁉』
『迷惑⁉』



直樹は何も答えず
ギュッと抱きしめてくれた…




でも…
“ここに居ろよ“とは言っては言葉にはしてくれなかった…








No.422 14/04/13 02:06
りんご ( ♀ UNyGh )



直樹がベッドから抜け出しシャワーを浴びにいった…

『倫子もシャワー浴びてきな…』


嫌々ベッドから抜け出しシャワーを浴びてきた



直樹がコーヒーを入れていた…


見慣れた風景だ…


コーヒーの香りが部屋に漂う


直樹はブラックコーヒー

いつも私には、ミルクをたっぷり入れたカフェオレにしてくれる


『私もブラックでいい…』
苦い…


でも…
今日は、直樹と同じブラックを飲んでいたかった…





No.423 14/04/13 02:14
りんご ( ♀ UNyGh )



苦いコーヒーは減らない…


『ミルク入れてあげようか⁉』


『いらない…ブラックがいい…』


クックックッ…
直樹が笑いを押し殺したように笑う…



『いつまでもコーヒーカップを握ってないで…
支度しなさい。』



黙ってコーヒーカップを握っている私…



嫌々、スーツケースに荷物を詰め込む…



『直樹…』



『ダメだよ。
空港まで送るから…』



“帰りたくない“
って言おうとした言葉を遮られた…




No.424 14/04/13 02:24
りんご ( ♀ UNyGh )



期待していたような展開もなく…



あっさりと空港まで送られて来ていた…



『倫子…ちゃんと家に帰るんだよ…』


黙ったまま下を向いている…



涙がボタボタと落ちてきた…


搭乗アナウンスが流れている…


『ほらっ…』
直樹に背中を押されていた…



そっとキスをして…


ゲートを潜った



曲がる角で振り向くと
直樹が手をふっていた…


ちょっと手をあげ…
角を曲がった…


もう…直樹は見えない…






No.425 14/04/13 02:31
りんご ( ♀ UNyGh )



一人乗り込み


離陸を待つ…


せっかく逢えたのに…


送り返される…
複雑な気持ちだった…



落ち込む…




ずっと、涙を堪えて
寝たふりをしていた…











No.426 14/04/13 11:22
りんご ( ♀ UNyGh )



『倫子~っ‼
起きなさ~い。
お母さん、仕事行くからね~っ。』


母の声で起こされた


ベッドの中にいた



母は、まだ仕事を辞めたことは知らない…


夕べ日本に帰り
そのまま自分の部屋に
引きこもったから
ろくに会話もしてなかった…



仕事から、帰ってきたら
色々聞かれるだろうな…

あ~ぁ…
めんどくさい…


荷物も片付けなきゃ
めんどくさいな…


何もやる気が
起きなかった…



昨日まで直樹と居たことが
夢じゃなかったのかとさえ思えた…





No.427 14/04/13 11:27
りんご ( ♀ UNyGh )



“送り帰された“


直樹には、
突然訪れた私が迷惑だったのかなとさえ感じていた…


寂しさゆえの
被害妄想…








No.428 14/04/13 11:32
りんご ( ♀ UNyGh )



『おはよう
ソーダ水ちょ‼』

香の店に顔を出していた



『お帰り~‼』


『ただいまぁ~…』


『逢えたんでしょ⁉』


『うん…
帰りなさいって…
返品された…』


『えっ…⁉』
香が驚いた顔をしていた









No.429 14/04/13 11:37
りんご ( ♀ UNyGh )



『そっか…』
『綾野さん、大人だね…』


『大人⁉』
『私は子供⁉』


『ちゃんと倫子のことを考えてるからなんじゃないの⁉』


『そ~かな…』


『そ~だよ‼』









No.430 14/04/13 11:40
りんご ( ♀ UNyGh )



一人電車に乗っていた



“お婆ちゃんちに行ってきます“


と、母宛にメモをテーブルに残して…



窓に頭をつけて
外を眺めていた
ガタン、ガタンと
電車の振動が伝わってくる…



家に居たくなかった…
母に色々聞かれるのが
めんどくさかったし…


お婆ちゃんに会いたかった…




No.431 14/04/13 12:01
りんご ( ♀ UNyGh )


ピンポ~ン🎵
呼鈴を押す


出てこない…


庭の方に回ってみる


『お婆ちゃん‼』
お婆ちゃんは、草むしりをしていた


『おやっ…倫子ちゃん
一人で来たの⁉』


『うん…』


『そっか…そっか…
お茶にするかね~。』


縁側に腰かけて
おばちゃんと二人でお茶を飲んでいた


ポカポカが陽射しが気持ちいい

時間がゆっくりと
流れる


『今日…
泊まっていい⁉』


『いいよ。
お母さんには言ってきたかい⁉』


『うん…』

No.432 14/04/13 12:21
りんご ( ♀ UNyGh )



『お婆ちゃん、身体の調子はどうなの⁉』


『ボチボチね
だましだまし、草むしりも出来るよ。(笑)』


『無理しないでね…』


『やっぱり、アタシャ
田舎が合ってるんだよ。』


『倫子ちゃん、
悪いけど、押入れから布団出して、干してくれんかな⁉』


『あっ…うん、やるよ。』



No.433 14/04/13 13:37
りんご ( ♀ UNyGh )



『お婆ちゃんのぬか漬け美味しいね』


『こんなもんしか出来ないからね。』


『こないだ一緒に来た友達の香が、毎日もらった糠みそかき混ぜているって…
美味しいって…』


『そ~かい、そ~かい…
それは良かった。』
『皆、元気かい⁉』


『うん…』



そのとき電話が鳴った

『はい、もしもし…』

『あぁ元気だよ。』

『あぁ…来ているよ…』

お婆ちゃんが私の方を見た
お母さんだ…

『あっ…今、お風呂に入っているよ。』

『はい、はい…じゃ…』


電話を切った


『お婆ちゃん、ありがと…』


『ケンカでもしたんかな⁉』


『そ~ゆ~訳じゃないけど…』


お婆ちゃんは、
それ以上何も言わなかった…



No.434 14/04/13 15:35
りんご ( ♀ UNyGh )



『お婆ちゃん…』


『何⁉』


『私、ここで暮らそうかな…』


『こんな田舎、、
若いもんにゃ、つまらんでしょ⁉』


『こっちのが、
のんびりしてて
私には合ってるみたい…』


『それは、かまわないが…
お母さんがなんて言うか…』


『お婆ちゃん、、
私が居たら迷惑⁉』


『ちっとも…
一人で暮らすにゃ
部屋は空いてるからね。(笑)』








No.435 14/04/13 15:50
りんご ( ♀ UNyGh )


一週間後…

母がやってきた


顔を見ただけで
怒っている様子がわかった


『まったく…
帰って来たと思ったら…
仕事はどうしたの⁉』


『・・・・』


『そう、まくし立てたら
倫子ちゃんだって
なんも喋られないでしょ…』
お婆ちゃんが母に言った


『あんたって子は
いったい何を考えてるの⁉』


『・・・・』


『そう…
怒りなさんなって…』
お婆ちゃんが言った


『お婆ちゃんは、黙っててっ‼』
母が言った


『どうするの⁉』




『ここに居る…』

そう言うのが
精一杯だった…


正直、何も考えてなかったし…

今は、家に居るより
ここのが居心地がよかったから…


『アタシはいいんだよ。
いつまでも居たって…』
お婆ちゃんが助けてくれた


“ありがと…お婆ちゃん“


No.436 14/04/13 15:59
りんご ( ♀ UNyGh )



母は帰って行った


『お婆ちゃん…
ゴメンね…』


『なんも倫子ちゃんが、謝ることないよ。』


『だって…お婆ちゃんまで、お母さんに怒られちゃって…』


『なんも…なんも…
気にすることないよ。』


『ありがと…お婆ちゃん』

それから、半月、、、
私はお婆ちゃんちで
暮らしていた


な~んにも考えずに…
お婆ちゃんと一緒に
草むしりしたり
土いじりしたり…
買物にも行ったり…

のんびりと過ごしていた


たまに母から電話が入っていたが…

適当にかわしていた…




No.437 14/04/13 16:05
りんご ( ♀ UNyGh )



そういつまでも
仕事もせずに
やっかいになっている訳にもいかないな…
そう思い始めていた



どうしようか⁉



また、家に戻るしかないのかな⁉



仕事も探さなきゃ…




直樹…
どうしてるかな…

でも、前ほど辛くなったり寂しくは感じていなかった…
何故だろう⁉
わからないが…
直樹は、直樹の道を突き進んでいるのがわかったからなのか…


のんびりしたここの自然が、気持ちを癒してくれていたのかもしれない…



No.438 14/04/13 16:16
りんご ( ♀ UNyGh )



『お婆ちゃん…
話があるんだけど…』


『なんだい⁉』


『私…ここで暮らしてもいい⁉
ちゃんと仕事も探すから…』


『アタシはかまわないけど…お母さんにちゃんと話してからね。』


『うん…』





No.439 14/04/13 20:47
りんご ( ♀ UNyGh )



家に帰って来ていた


帰って来たと言うより…


着替えを取りに


『私、お婆ちゃんと暮らす…仕事も向こうで探すから…』


お母さんは、何かブツブツ言っていたが…


お父さんは
『お婆ちゃんに、迷惑かけないように…』
とだけ言っていた


次の日
母が仕事に出掛けたのを確認してから、家を出た…



香の店に寄って
香にだけは、
『お婆ちゃんちで暮らすから』
と告げていた


『そっか…
頑張るんだよ‼
たまには行くからさ…』


『ありがと…
お婆ちゃんも泊まりにおいでって言っていたから、遠慮しないでいつでも来てよ…』






No.440 14/04/13 20:59
りんご ( ♀ UNyGh )



一人電車に乗り込み


お婆ちゃんちに向かう


気持ちはスッキリしていた


まずは仕事を探さなくちゃな…






直樹のこと…
別れた訳じゃない…

でも…
もう、こないだみたいに
寂しさに押し潰されそうになることもなかった…

いつ帰ってくるかもわからない…

でも、ただ待っているだけでもない…


よくわからないけど…




ちょっと強くなったのかも…



No.441 14/04/13 21:07
りんご ( ♀ UNyGh )



仕事は、割合いすんなりと見つかった


夫婦で営む
小さい美容室


新しい毎日が始まっていた


従業員がいっぱいいるような最新の繁盛店ではなかったが…

それでも、小さい町の美容室は地元の常連客で、毎日忙しくしていた



毎朝、早起きして
自分でお弁当も作っていた
半分は、お婆ちゃんが前日の夕飯に作ってくれた煮物を詰めていたけど(笑)


親元を離れて
自立はしてないけれど
ちょっぴり親離れは出来たような気がしていた





No.442 14/04/14 09:08
りんご ( ♀ UNyGh )



そんな生活が
1ヶ月を過ぎようとしていた

職場にも慣れ
毎日の生活も落ち着いていた休日

朝からの雨で、
布団も干せないし
お婆ちゃんとの庭いじりも出来ない

お婆ちゃんと、居間でテレビを見ながら、お茶を飲んでいた

そんなまったりとした時間が好きになっていた




ピンポ~ン🎵

玄関の呼鈴が鳴った


“は~い“
玄関まで走る


『はいっ…』


『あれ~っ‼
どうした⁉』


健ちゃんだった…







No.443 14/04/14 09:18
りんご ( ♀ UNyGh )



『雨で仕事が休みになったから…』
健ちゃんが言った



『倫子ちゃん、誰だい⁉』
奥から、お婆ちゃんが出てきた

『あれまっ…
さぁさぁ、お上がりなさいな‼』


『あっ…はいっ…
お邪魔します…』
健ちゃんが言った


お茶を入れて
一緒にお茶を飲んでいた


『遠いところ
大変だったね~。』

お婆ちゃんが健ちゃんに言った


『いや…暇だったんでドライブがてら通りかかったんで…』

『おやまぁ…
わざわざ寄ってくれるなんて、嬉しいよ。』


健ちゃん、ドライブがてらなんて(笑)
ウソが下手くそだな(笑)
でも、ちょっぴり嬉しかった…
健ちゃんとは3ヶ月ぶりくらいになるだろうか⁉



No.444 14/04/14 09:24
りんご ( ♀ UNyGh )



それから健ちゃんは
月に1、2度
長い道のりをわざわざやってきた


雨で仕事が休みになったからとか…

ちょっとした日曜大工みたいな修繕をしに…




『じゃぁ…
また来るわ…✋』


『気をつけてね。』


『あぁ…』




その日も、健ちゃんは帰って行った



No.445 14/04/14 09:55
りんご ( ♀ UNyGh )



私もたまに実家に
帰っていた

季節毎に衣類を取りに行ったり

少しづつ実家の部屋から
お婆ちゃんちへ荷物が移動していた


たまに帰れば、
香の店には必ず顔を出していた


『自転車とタンスを持って行きたいんだけど…
引越し屋さんに頼むしかないかな⁉
それとも、新しいのを買っちゃおうかな⁉』
そんな話を香としていた


『ホントに向こうに住みついちゃうの⁉』


『うん…たぶん…
わからないけど…
今は、仕事も慣れて
毎日がすごく充実しているんだ…』


『そうか~…
今度さ、徹と遊びに行くから、その時にでも運んであげるよ。』


『助かる。ありがと。』






No.446 14/04/14 11:25
りんご ( ♀ UNyGh )



しばらく過ぎた
休みの火曜日


健ちゃんが自転車とタンスを車に積んでやってきた



『えっ⁉えっ⁉😲』


『香ちゃんから聞いたんだ…
余計なお世話だった⁉』


『ううん…ありがと…
でも…仕事は⁉』


『今日は、休み…』

『タンスおろすゾッ‼』


『あっ…うん…』
安物のタンスだったから、そう重たくはなかった。


『健ちゃん、ありがと…』


お婆ちゃんが、お茶を入れてくれた


『倫子ちゃん、自転車が来て良かったね~。』


『うん…』



No.447 14/04/14 11:32
りんご ( ♀ UNyGh )



『ちょっと、いいか⁉』


『何⁉』


『ちょっと…
ドライブ行こうや…』


『あっ…うん…』
『お婆ちゃ~ん、ちょっと出掛けてくる~。』


『あぁ、気をつけてね。』


久しぶりに健ちゃんの車に乗り込む


しかも今日は、お天気だ⤴
気持ちいぃ



No.448 14/04/14 13:19
りんご ( ♀ UNyGh )


1時間も走ったろうか…


のどかな田園風景の広がる道路の路肩に停車した


『俺の田舎に
なんとなく似ていて
ホッとするんだ…』


『そうなんだ…』





『俺さ…

お前のことが好きなんだ…』



『・・・・・』




『お前には、好きなヤツがいるんだろ⁉
俺…一番じゃなくていいから…』



健ちゃんの思いは、
私も薄々は感じていた…



なんと答えればいいんだろう………




No.449 14/04/14 13:29
りんご ( ♀ UNyGh )



『今日は、俺の気持ちを
お前に伝えようと決めてきた…』


『・・・・・』


『たまに、こうして来ちゃダメか⁉』


『そんなことないよ…
嬉しいよ…』


『そっか…
それだけ聞ければいいや…(笑)』



健ちゃんは、また車を走り出していた
ちょっと、ご機嫌で鼻歌を歌いながら…



月に1、2度やって来ては、なんやかんやと修繕したり、植木を切ったりして帰っていった



No.450 14/04/14 13:45
りんご ( ♀ UNyGh )



健ちゃんは、あれ以来
“好き“とか口にしなかった…


それでも毎月、1、2度は来ていた


いつしか、
“今日は来るかな⁉“
なんて、ちょっと期待したりする気持ちも芽生えていた


そう、美容室は夫婦で営んでいるし…
地元じゃないから友達もいない…

健ちゃんは電話する訳でもなく、いつも突然やってくる

私が留守してても、
お婆ちゃんと庭いじりをしたりして時間を過ごしていた




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