【続】あの時違う道を選んでいたら…
あの時違う道を選んでいたら…
の続きになります。
ミツルと別れてからの
道のりを綴っていきたいと思います。
14/03/03 16:15 追記
性的描写を一部含みます
苦手な方は、閲覧注意して下さいね。
『今日は、朝から雨だったから、仕事が休みでさ』
『おばさんに、縁側の縁台の修理をを頼まれてたから、お前んちに行ったら…
おばさんから、今日旅行から帰って来るって聞いてさ…』
『雨で暇だったから…』
と言った
『えっ⁉えっ⁉』
『いつから来てたの⁉』
『昼過ぎくらいからかな…』
『え~っ⁉』
母には、帰りの便の時間までは言っていなかった…
昼過ぎから、ずっと
沖縄からの到着便が来る度に、見ていたというのか⁉
『いい暇つぶしになったよ。』
『健ちゃん、ありがとう。』
『だいたい、こんな時間に到着して…
どうするつもりだったんだよ⁉』
『・・・・』
『まったく…』
『ほらっ、荷物よこせよ。』
私と真智子の荷物を持って、スタスタと駐車場へと健ちゃんは向かって歩き始めた
『誰⁉』
真智子が聞く
『知り合いのペンキ屋さん。』
『すいません…
ありがとうございます。』
真智子が言った
『いや、気にしないで、
暇つぶしに来ただけだから…』
と健ちゃんが
笑って答えた
『健ちゃん、お母さんに頼まれても断っていいんだよ。
健ちゃんはペンキ屋さんなんだからさ、大工さんじゃないんだから…
お母さんも、なんでも健ちゃんに言えば直してくれるって思っちゃって図々しいんだから、ごめんね。
健ちゃんも人が良すぎるよ…』
『いや、いいんだよ。
暇な時でいいからって、おばさんも言ってたしさ…』
後部座席で真智子と二人座っていた
『お腹空いてないの⁉』
健ちゃんが尋ねた
『ちょっと空いてる…』
『じゃ、ファミレスかどっか寄るか⁉』
『うん⤴』
で、、開いてた牛丼屋に寄っていた
『楽しんで来たのか⁉』
『うん⤴』
『でも、遊び足りない…』
『そりゃ、贅沢ちゅ~もんだ。
俺だって沖縄なんて行ったことないのに…』
ガツガツと牛丼を平らげた
『ごちそうさま。』
『私までご馳走になって、ありがとうございます。
ごちそうさまでした。』
真智子が言った
『ど~いたしまして‼』
『しかし、まぁ~、
ガツガツ牛丼平らげて、
色気ね~よな~。』
健ちゃんが言ってる
『健ちゃんに色気出したってさぁ~…(笑)』
『早く帰るべ、、
家で心配するからさ。
家に電話入れとけよ。』
公衆電話の横に車を停車してくれた
真智子と二人で家に電話を入れた
真智子の家に到着した
『ありがとうございます。
助かりました。』
『リンゴ、またね✋』
『またね~✋』
『健ちゃん、ホントにありがとうね。』
『いや、いいんだよ。
暇だったからさ…』
『でもさ、ちゃんと考えろよ、
俺が迎えに行かなかったら、どうするつもりだったんだか…』
『は~い…』
『じゃ、、
コーヒー1杯付き合えよ。』
『は~い。』
健ちゃんとファミレスに入った
『沖縄の海ってね
すっごくキレイなんだよ。
すっごく澄んでて、お魚がいっぱい泳いでるのが見えるんだよ。
バナナボートにも、乗ったんだよ。』
後から後から喋っていた
健ちゃんは
『うん、うん、それで⁉』
『うん、うん、良かったなっ。』
って笑って聞いていた。
コーヒー1杯だけ飲んで
『もう遅いから、、話はまた聞きたいから、この次に聞かしてよ。』
『うん、そ~だね。』
少し走って家に着いた
『健ちゃん、ありがとう
ホントに助かった。』
『ど~いたしまして。』
『ありがとう。』
『またね。』
『あぁ、続きの話楽しみにしてるから…
おやすみ✋』
『ありがと‼
おやすみ。』
そんなある日
学校が終わって、
仲間数人と食事に行った
『最近どう⁉』
明君が言った
『何が⁉』
『仕事だよ。』
『人間関係がさ…』
『何かあったの⁉』
『なんか、やりづらくてさ…』
明君の店も
どちらかと言うと
大きなチェーン店だった
『一番下っぱだからさ、しょうがないんじゃないの⁉どこも同じようなもんじゃないの⁉』
と誰かが言った
『なんか、辞めたくてさ…』
明君が言う
『今は見習いなんだから
我慢して、
頑張るしかないよ。』
明君が言うには、仕事場に馴染めないらしい
イジメのような
仲間外れにされていて辛いと言うのだ…
どの業界にも
少なからず
イジメや仲間外れはあるのだろう…
仕事の辛さじゃなく
人間関係の辛さは
難しいものがある…
綾野さんが目で合図して
先に店を出た
『お先に~‼』
『お疲れさまで~す。』
暫くしてから
私も店を出て
角を曲がった所に
綾野さんの車が停まっていた
『お邪魔します。』
『ど~ぞ。』
『何、食べたい⁉』
綾野さんは、必ず聞いてくれる。
『あの…
緊張しないところで…』
『肉⁉魚⁉
どっちがいい⁉』
『お肉のがいいかな…』
『了解』
車を走らせた
暫く走って
店の駐車場に車を入れた
焼肉でも行くのかなと
思っていたのに…
ステーキハウスと
書かれた店だった
入り口でスーツを着た人がドアを開けくれた
『綾野様、どうぞ』
名前まで知ってるんだ…
鉄板が丸くなっている
中で目の前でコックさんがステーキを焼いてくれる店だった…
またまた、こんな店
緊張するじゃん💦
『まずは塩だけで食べてみて。』
綾野さんが言った
塩をちょっとだけつけて
食べてみた
甘い⁉
肉汁が口に広がり
甘味があって
数回噛んだだけで
喉へと流れていった…
今まで食べてたステーキとはあきらかに違うというのは、十分にわかった…
『美味しい⁉』
『ハイッ、とっても‼』
『どうぞ‼』
色気より食い気…
夢中で食べていた
お箸が嬉しい
目の前で野菜が焼かれていた
『ごちそうさま』
『美味しかったです。』
『それは、よかった。』
横で綾野スマイルに見つめられると…
照れちゃうじゃないか…
ガツガツ食べていた自分が急に恥ずかしくなっていた…
『綾野様、こちらへどうぞ。』
『ありがとう。』
何かと思ったら…
デザートと食後の飲み物は
別室に通された
『お飲み物は⁉』
『コーヒーで…』
綾野さんが私を見る
私もと軽く頷く
落ち着いた席で
シャーベットと
コーヒーが出された
お店が休みの日
香の店に来ていた
『なんかあった⁉』
察しのいい香が言った
『うん…』
『言ってみな⁉』
『お店のさ~…』
香にいきさつを話た
『で⁉』
『・・・』
『付き合うの⁉』
『綾野さんは、尊敬してる。』
『好きなの⁉』
『憧れはあるけど…
好きか嫌いと言われたら…嫌いじゃないよ…』
『じゃ、付き合えばい~じゃん。』
『でもさ…
同じ店って気まずいよ…』
『また~…“でも“とか言ってるよ(笑)』
『もてるし…』
『もてない男なんて魅力ないんじゃないの~⁉』
『綾野さん目当てのリピーターも多いし…』
『でもさ、その人がリンゴを選んだ訳じゃん⁉』
『・・・』
『まだ、引きずってんの⁉』
『静かな所で話をしたいんだけど…いいかな⁉』
『・・・・』
コーヒーを飲み終えて
綾野さんはフロントでカードキーをもらってきた
ここまでついてきて
子供じゃないんだから…
駐車場に車を入れた時点でもしかしたら…
とは思わなくもなかったが…
綾野さんにエスコートされエレベーターに乗り込む、部屋の前で
ピッ
とカードキーの音がした
綾野さんに促され
部屋に入った
足が動かない…
綾野さんが
突然ギューッ抱き締めてきた…
『くっ…苦しいよ…』
『ゴメン…
ずっと、こうしたかった…』
あのいつも冷静な穏やかな綾野さんが…
『座って…』
『ハイッ』
『ゴメン、驚かせたね…』
『・・・・』
そ~言えば…
唯のママが言ってた言葉を思い出していた
『なんか、本物の社長さんとか、偉い人とか、出世する人って、ただ座ってるだけで、オーラがあるんだよ。
存在感て言うのかな⁉
自信に充ちてて、秘めたる熱い炎が燃えてる威圧感がある。
いくらお金を持っててチヤホヤされて派手に使ってても、人間として魅力のない薄っぺらな人には誰もついていかない。
ペラペラな感じ。』
『人並み以上の事するには…人の何倍も努力をしなくちゃ、楽してたらなれないんだよ。』
お酒が入ると
ママは、よく人生についてみたいな事を話始めた
何度も聞いてる唯にとっては耳タコみたいだったが…
普通の家庭に普通に育った私は、深いと思って聞いていた
そんな事があっても
綾野さんはお店では
今までと変わりない
次の週にまた仕事が終わって、食事に行った
『これ、家の電話番号だから、いつでも電話していいから…』
『あの…お休みの日は何をしてるんですか⁉』
『今は、新店舗の準備に追われてる…
普段は、掃除とか、洗濯したり…
一人暮らしだから。』
『忙しそうですね…』
『あぁ…』
ちょっと疲れてるように見える
いま一歩、綾野さんには踏み込めない感じがしていた…
『新店舗オープンはいつの予定なんですか⁉』
『一応、年明けの予定』
『じゃ、益々忙しくなりますね…』
『これから…よかったら、家来る⁉』
『大丈夫だから(笑)』
家来るって言われても…
一人暮らしとわかってて、ついて行くって…
15分ほどでバスルームから出てきた
タオルで濡れた髪の毛を拭きながら
Tシャツにスウェットを履いていた
お店では決して見ることはない姿
『ゴメン、待たせたね。』
『疲れてるのに、図々しくお邪魔しちゃったのは私ですから…』
『そろそろ帰りますね…』
『明日、休みでしょ…
泊まっていかない⁉』
『・・・・』
ご飯をご馳走になって
ノコノコ一人暮らしの男の人の家にあがりこんで…
帰りますね、、は…
ないだろう⁉
って、私も思ってはいた…
軽はずみに来てしまったな…
『困ってる⁉』
『ハイッ…』
『もうちょっと待ってよ。髪の毛乾かしたら、ちゃんと送って行くから。(笑)』
『俺、焦ってないから…』
年上の余裕だろうか…
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