【続】あの時違う道を選んでいたら…
あの時違う道を選んでいたら…
の続きになります。
ミツルと別れてからの
道のりを綴っていきたいと思います。
14/03/03 16:15 追記
性的描写を一部含みます
苦手な方は、閲覧注意して下さいね。
ダンスホールを
覗きに来てた
結構、いい年した
おじ様、おば様達が
華麗なステップで
踊り明かしている
『直樹は、踊れるの⁉』
『いや…
社交ダンスは
出来ないよ。(笑)』
良かった(笑)
これでダンスまで
踊られたら
引いてしまう(笑)
ただグラス片手に
ダンスホールの
雰囲気に酔いしれているのも楽しかった…
『そろそろ、
夜食の時間かな⁉』
直樹が言った
『夜食⁉』
直樹に着いていくと
軽食とケーキ、フルーツがバイキング形式で
用意されていた
適当な皿に盛り合わせ
席につく
『楽しんでる⁉』
『こんな世界が
あるんだね…
直樹と付き合って
なかったら…
絶対に知ることのない
世界だと思う…』
『そんな事ないでしょ⁉』
『そんな事あるよ‼』
船の寝心地は…
よくない
寝ていると
不快なエンジンの振動が
グンッグンッグンと
伝わってくる
詳しいことは
わからないが…
発電とかの関係も
あるのだろう
エンジンを止めることはない
しかも、揺れはほとんどないと言われていたが…
そこは、やはり海上である
ベッドに入ると
ファファとした感じはする
翌朝、目覚めると
船酔いしていた
寝ている間に
酔っていたのだ
『おはよう』
直樹に声を掛けられた
『頭がクラクラする…
気持ち悪い…⤵』
『船酔いしたかな⁉』
『そ~みたい…』
『薬飲む⁉』
『うん…』
直樹が酔い止めの薬を貰ってきてくれた
『ベッドで寝てるより
外の空気に当たった方がいよ。
デッキに行こうか⁉』
『ごめんね…』
直樹につかまり
デッキに行った
デッキでは
朝早くから
体操が始まっていた
参加する
船内では
船内新聞が届けられ
1日のスケジュールが
書かれていた
食事の案内やら
イベント
エンターテイメント
コンサート案内
シアター案内など…
フィットネス案内
ソシアルダンススクールや
絵手紙スクールなんかも
やっていた
気に入ったものがあれば
自由に参加出来た
何年かぶりに
ラジオ体操なんかした(笑)
ストレッチが
身体をほぐしてくれた
冷たい風のせいか
目眩が少し良くなった
ような気がした
ラウンジでは
モーニングコーヒー&ティーとデニッシュ・ペストリーが置いてあった
早起きした人の為の
朝食前のひとつまみって
感じだろうか⁉
朝食は
アメリカンブレックファーストと
和食膳
洋食ビュッフェ
と3つに別れている
『食べられる⁉
なんか食べた方がいいよ。』
『うん…
お味噌汁が飲みたいかな…』
和食にした
おかゆをチョイスした
鮭におろし大根
炊き合わせ
胡麻豆腐
おひたし・香の物・などが
お膳にのせられて
出てきた
『あ~…
お味噌汁が美味しい…』
『良かった、
食べられそうだね。』
船酔いしてると言うのに…
直樹がコーヒーを飲みたいと言うので…
和食膳を食べ終えて
洋食ビュッフェへと
足を運んでいた
コーヒーと
フルーツを食べていた
船の中の飲食は
アルコール以外は
ほぼフリーだと言うことを初めて知った
食べようが
食べなかろうが
クルーズ料金に全て含まれていると言うのだ
だから、どこで何を飲食しようが、サインも現金もいらなかったのかと理解出来た
モーニングコーヒーから
朝・昼・晩の三食
ティータイム
アフタヌーンティーに
テラスでは好きな時に
いくらでも飲み食い出来た(笑)
夜食まで…
一般庶民の浅はかさと言うのか…
全てを網羅しないと
いけないような衝動にかられていた…(笑)
ついさっきまで
“気持ち悪い…“
なんて言ってたのが
嘘のようだった(笑)
着替えて
お茶を飲みに行った
ミニサイズの
ケーキとクッキーと紅茶をもらい
ラウンジに座る
回りは、見渡す限り
“海“
当たり前だが…
ゆっくりと時間が流れる
一度乗り込んでしまえば
ホテルごと移動しているようなものだ
車で目的地まで移動して
観光してホテルにチェックインして…
なんて煩わしさはない
何もしたくなければ
部屋で一日くつろいでいても目的地まで着いてしまうのだ
荷物を持っての移動も
乗船・下船のカウンターまでで済んでしまう
俗世の時間に囚われる
気忙しさは
微塵もない
ホントに余程の
緊急時でもなければ
電話すら繋がらないと言う訳だ
連絡が取れた所で
戻る術がないのだから…
俗世間からは
まったく離れた世界が
ここにはある
船内新聞と
にらめっこしていた
『ねぇ~ねぇ~
ソシアルダンスの
初心者講習に参加したい…』
『行っておいで✋』
『ねぇ~…
直樹も一緒に行こうよ~』
『パス…
寝てるよ』
しかたがないので
直樹を残して
一人ソシアルダンス講習に参加した
おじ様、おば様に混じり講師の先生からステップを教わる
1時間もすると
初歩の簡単なステップならつっかえながらもなんとかと言う状態になった
曲に合わせて
踊る
先生のリードに
引っ張られ
気持ちいい感じ
初心者同士だと
もうどうにもならなくなっちゃう感じ(笑)
運動を兼ねた
ダンス講師は終了した
『是非とも夜のダンスパーティーにご参加ください
お待ちしております。』
との挨拶で締めくくられた
船内には
エステやマッサージ
理・美容室まである
まぁ、何ヶ月にもなる
ロングクルーズになれば
髪の毛をカットしたりも必要になるだろうし
ドレスコードがフォーマルだと和装なんかも認められるから、髪の毛をアップしたり、着付けもしてくれる
フォーマルのオシャレを
楽しむのも
また、別世界を満喫する喜びでもある
ロングクルーズになると
段ボール何箱にも及ぶ衣装が宅急便で運び込まれるのも、頷けるような気がする
乗船者一人一人が主賓になれるのだから…
幼い頃に夢見た
お城の舞踏会のような
華やかな世界がここにはあった
何も知らずに紛れ込んでしまった私は
乗船直前に直樹に
買っもらった
フォーマルな感じの
ワンピース1枚だったのをちょっと後悔していた…
ディナーまでは
時間があったから
また大浴場まで足を運んでいた
直樹にヘアメイクをしてもらう
いつもとは、ヘアもメイクも違う
きっと直樹は、
こんなメイクが好きなんだろうな…
そう思っていた
直樹に真剣な顔で見つめられるとドキドキしてしまう…
リップグロスをつけてもらう
筆が唇に触れると
直樹にキスされたような
錯覚に陥る
『ダメだよ(笑)
そんな顔しても…
キスはおあずけだよ
グロスが散るからね(笑)』
『も~…
直樹ったら~…』
『さっ…
ディナーに
向かいましょうか⁉』
直樹にエスコートされて
ディナーへと向かう
三歩下がってが美徳とされる日本式と違って…
どこでもレディーファーストでエスコートされる
何とも言えない
優越感があった…
『今日は、カジノに
行こうか⁉』
直樹について行くと
ルーレットや
カードゲームをしていた
外国映画で見た“その場面“があった
『預けてあるチップを出して…』
『はい、かしこまりました。』
暫くしたら、直樹が預けたチップが来た
『ここは、日本海域だからね、カジノと言っても現金での賭けは出来ないから、雰囲気を楽しむゲームなんだよ。
前回乗船した時のチップもキープしておいてもらえるんだよ。』
と直樹が言った
前回って…
いつ⁉
誰と⁉
そんな疑問が頭の中を駆け巡る
直樹は、誰かとこんな時間を過ごしたと言うことなのだろうか⁉
どんな人⁉
直樹にとってどんな存在の人だったの⁉
聞きたいが…
今は、それを飲み込んだ
私は、ルールがよくわからなかったから直樹の横で眺めていた
ルーレットが回される
勢いよく玉が回り始め
コロンと数字の枠に入る度に歓声とため息があがる
『ちょっと喉乾いた
何か飲みに行こうか⁉』
バーへと来た
薄暗く落ち着いたバーだった
カクテルを頼む
『美味しい…』
カクテルはスキー場で飲んだ時に、足がフラフラした経験をしたばかりだったから、美味しかったが1杯にした(笑)
直樹とは、いつも車だったから、外で一緒にお酒を飲む機会はめったになかったから、なんか大人の付き合いをしてるみたいだな…
なんて思ってみたりしていた…
『ど~したの⁉
ニヤニヤしてるよ。』
『直樹と一緒にお酒飲むことってなかったから…』
『あ~…そうだね。
いつもは車だからね。』
『この後、
どうする⁉』
『ダンスホール
行きたい…』
直樹とダンスホールにやってきた
生バンドの演奏で
ダンスパーティーが繰り広げられてる
昼間、ダンス講習で一緒になったおば様もいた
圧倒的におば様ばかりなのだが…
中に素敵な男性が数名いた
船のクルーが正装して
ダンスに入っていた
これも、圧倒的に多い女性客を楽しませる演出の一つなのだろう
カップルで楽しんでる人も居た
50代か、60代だろうか⁉
夫婦でドレスアップしてダンスを楽しむなんて素敵だなと思った
『お嬢様かと思ってたら、お連れ様がいらしたのね⁉せっかく習ったのに、踊らないの⁉』
昼間一緒に習ったおば様に声を掛けられた
『ええ…
見てても楽しいですから…』
何曲か眺めていた…
曲がスローなチークタイムになった
直樹が手を掴み中へと促された…
『私、踊れないよ…』
『暗いから、
大丈夫だよ。』
直樹のリードにまかせて
身を委ねる
“なんか、いいな“
キュンキュンしていた
一曲だけ踊ると
外に捌けていた
『よかった⁉』
『キュン、キュン
キュン、キュンした⤴』
『それは、それは…(笑)』
直樹は、
仕事柄か、ナルちゃんだからか⁉
手のケアにも
拘りがある
今でこそ
メンズの爪のケアなんてもあるが、当時は爪にまで拘る男の人はそういなかったと思う
だから、いつも指先までキレイだった
おそらく、指先の動きまで、
キレイに見えるように
していたのだろう
直樹の
プロ意識だったのかもしれない
ベッドに横になり
後ろから抱きしめられた
ピタッと密着した
身体の体温が伝わってくる
キレイな直樹の指先が
優しく身体を擦る
優しく乳房を撫で回し
包み込む
直樹の指先の動きにだけ
神経が集中させられる
どちらかと言えば
胸の大きくない私は
上向きになるのは
あまり好きでない…
横向きの方が
胸の膨らみも
感じられる
そんな私のコンプレックスを見抜いたのか…
『俺の手のひらサイズの
形のいいオッパイだね…』
って誉めてくれたことがあった
そんな乙女心を
察するのが上手かった
身支度を整え
荷物のパッキングを
大方済ませてから
朝食へと出向いた
昨日は、和食を頂いたから
今日は、洋食にした
サラダを皿に盛り付け
ウィンナとベーコンを少し
オムレツは注文してから
目の前で焼いてもらえる
卵液を流し入れ
クルクルとフライパンを回す
キレイなオムレツが
出来あがる
直樹は、ロールパンを
私は、フレンチトーストを焼いてもらった
今までに食べたことのないような
中まで卵の染み込んだ
ふあふあの
フレンチトーストに
メイプルをかける
バターの香と
甘いメイプルの香がした
『朝から、
よく食べられるね(笑)』
『直樹といると
太っちゃうね(笑)』
『俺のせい⁉』
朝日の射し込む
ラウンジで
向かい合って
朝食を食べる
回りからは
どんなカップルに
見られているのだろうか⁉
夫婦に見られるかな⁉
なんて、ちょっと思ってみたりした
直樹が
ゆっくりと
二杯目のコーヒーを飲む
私はフルーツにパクつく
『疲れた⁉』
『ううん…
大丈夫…』
直樹がコーヒーを
入れてくれる
『留守電チカチカしてるよ…』
『あぁ…
後で聞くよ』
どんな留守電が入っているのか
ちょっと興味があったけど
あっさり、かわされてしまった…
郵便物に目を通している
直樹はやっぱり、
現実に戻ると
忙しいんだよね
また、逢えない日が続くんだ……
ちょっぴり寂しい気持ちになる
『帰ろうかな…』
『そう…
送るよ…』
自分で帰ると言っておきながら
引き留めてくれないだって思っていた
『ここでいい…』
『家までちゃんと送らせてくれないかな⁉』
『・・・・』
『今日は、ここで…』
『わかった…』
大通りで降ろしてもらった
そのまま
真っ直ぐ家には帰らず
香の店に寄っていた
『ソーダ水ちょ‼』
『どっか行ってきたの⁉』
『うん…
綾野さんと…』
『どうした⁉
元気ないじゃん…』
『旅行は楽しかったんだけどね…
一緒に居るときはいいんだけど…
離れると…
私なんかでいいのかなって思うんだよね…』
『ふ~ん…』
『なんか…
わかんないけど…』
『香はそんな事ない⁉』
『ない、ない(笑)
徹、わかりやすいから』
そっか…
綾野さんは
わかりにくいからなんだ…
あまり本心を見せないって言うか、
自分の事はあまり話さないような気がする…
詮索しちゃいけないんだって思って、私も聞かないし…
好きになればなるほど
なんでも知っていたいような気持ちになるけど
綾野さんのがずっと大人だからって思って…
5月も終わり
香の結婚が
近くになっていた
香の店に来ていた
『結婚するって
どんな感じ⁉』
香に聞いてみる
『どんなって…
一緒になるんだなって感じ…』
『パパさん‼
まだ早いとか思わなかったの⁉』
カウンターの中で
タバコを燻らしていた
パパさんに聞いてみる
『徹君は、いい子だし
反対した所で
香の人生だからね…
香が好きになって
一緒になりたいって言うんだから、早かれ、遅かれ、いつかは嫁に出るんだ…
本人達が決めたことだよ…』
ちょっと寂しそうな
パパさんだった
『でも、結婚しても
お店は手伝いに来るし
近くに済むからさっ。』
香が言った
結婚式は、近くの神社で
親族だけで済まして
レストランで
会費制でパーティーをすると言う
お金のない若い二人は
入籍だけすると言ったらしいが…
そこは一人娘、
パパさんがどうしても
ケジメで花嫁姿で嫁に出したいと言ったそうだ
親心なんだね…
香の結婚式の当日を迎えていた
神社での式は親族だけだったので、呼ばれてはいなかったが、仲間何人かと花嫁姿を見に来ていた
白無垢に綿帽子を被った香がシズシズと神前へ向かう
『香~
おめでとう~‼』
『キレイだよ~‼』
声を掛ける
照れ臭そうに
香がVサインを出してる
一番の親友の
香の花嫁姿を目にして、
感動して
涙が溢れてきた
パーティーの受付を健ちゃんと頼まれていたので健ちゃんの車でパーティー会場のレストランへと向かっていた
『香、キレイだったね…』
『馬子にも衣装ってヤツだな(笑)』
『健ちゃん、ひど~い
女の人が一生で一番綺麗な時なんじゃない⁉』
『そうなん⁉(笑)』
『これから、人生いろいろ経験重ねて、女って色艶が出て綺麗になるんじゃね~の⁉』
健ちゃんが言った
『健ちゃんて熟女好きなの⁉(笑)』
『そ~じゃね~よ。
結婚はゴールじゃなくて
スタートだろ⁉
男にしたら
そいつの人生まで一生背負って行くってことだべ⁉
徹に相談された時も
中途半端な気持ちじゃダメだぞって言ってやったんだよ。
そしたら徹、中途半端じゃね~って言いきりやがったよ。』
『へぇ~、重たいね⁉
まぁ、結婚してない健ちゃんに言われても、説得力はないかも~(笑)』
『まぁな…(笑)』
『お前も、花嫁衣装着たいの⁉』
『わかんない…』
『健ちゃんは、
結婚しないの⁉』
『きっつぅ~…
一人じゃ出来ないべさ…』
『そりゃ、そ~だ(笑)』
(笑)(笑)(笑)
お酒の強い
健ちゃんはめったに
酩酊状態になるような事はなかったが
徹ちゃんの結婚が
余程、嬉しかったのだろう
徹ちゃんは、健ちゃんを頼って田舎から出てきた
同郷の弟みたいなもんだったから…
しかたないから、健ちゃんの車を運転して送ることにする
健ちゃんを車に押し込む
『倫子ちゃ~ん
ありがと~
大好きだよ~‼』
『も~酔っ払い💢
捨ててくよっ‼』
『酔ってないです‼
捨てないで~…』
ふざけた野郎だ💢
酔ってる奴に限って
酔ってないと言い切る(笑)
健ちゃんのアパートまで
なんとかたどり着いた
『健ちゃんっ‼
健ちゃんっ‼
アパート着いたよ‼
起きてよっ‼』
『酔ってませんっ‼』
部屋まで健ちゃんを連れて行く
次の日
仕事帰りに
香の店に来ていた
『新婚旅行は
行かないの⁉』
『冬になったら
北海道に5日くらいスキーに行く予定なんだ』
『いいなぁ~…』
『昨日はありがとうね。
酔っ払い連中大丈夫だった⁉』
『うん、大丈夫だったよ。』
健ちゃんとの出来事は
香にも話さなかった…
『コーヒー‼
昨日はど~も、
世話かけたなっ‼』
仕事の終わった
健ちゃんがやって来た
『世話かけたなって……』
健ちゃんは
何も覚えていないようだった…
アレだけ泥酔していたから
覚えてないのだろうか⁉
『久々に酔っ払って
今日一日中
二日酔いで仕事キツかったよ⤵』
健ちゃんが言った
『自業自得だよ。
フフンッ…』
『今度、世話になったお礼に飯でもおごるからさっ』
『結構ですっ‼』
『なに怒ってんの⁉』
コイツ~ッ…
でも、覚えてなくて
良かった…
ちょっとホッとしていた
梅雨明けの待ち遠しい
7月になっていた
久々の連休に
綾野さんの
マンションへと来ていた
『大事な話があるんだけど…』
『大事な話⁉』
もしかして
“結婚“⁉
香が結婚してから
いつでも一緒に居られる
生活にちょっと憧れを感じていた
一緒に居たいのに
近い距離に居るのに
なかなか忙しくて
逢えない直樹に
“私のことなんか
どうでもいいんだ⁉“
って苛立ちを感じていた
『8月になったら
シンガポールへ行くことにした』
『シンガポール⁉
旅行⁉』
『旅行じゃない…』
『どうゆ~事⁉』
『世界を見てみたいと思ってる…』
『世界⁉』
『先ずはシンガポールから…』
『なんでシンガポールなの⁉』
『知り合いがシンガポールで店を出してる
来ないかって誘われてる』
『行くことにしたって…
決めてるってことだよね⁉』
『あぁ…』
そ~言えば…
だいぶ前に、直樹の部屋で英語の教材を目にした事があったのを思い出した
『・・・・』
『出来れば、ちゃんとして一緒に連れて行きたい…
でも、もうじき国家試験の大事な時だよな…
試験が終わったら、来てほしい…』
『試験が終わるまでは、待てないって事だよね⁉』
『なんでいつも
先に言ってくれないの⁉
直樹は私に相談してくれないよね⁉
なんで⁉』
『なんでって…』
『いつ帰ってくるの⁉』
『いつとは…』
『だから、連れて行きたいって言ってるだろ⁉』
『ちゃんとしたいって
思ってる…』
『ちゃんと⁉』
『俺にまかせてくれれば大丈夫だから…』
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