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【続】あの時違う道を選んでいたら…

レス493 HIT数 125174 あ+ あ-

りんご( ♀ UNyGh )
14/06/12 19:10(更新日時)



あの時違う道を選んでいたら…


の続きになります。



ミツルと別れてからの
道のりを綴っていきたいと思います。




14/03/03 16:15 追記
性的描写を一部含みます
苦手な方は、閲覧注意して下さいね。



No.2053560 14/01/24 14:07(スレ作成日時)

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主のみ
付箋

No.1 14/01/24 14:17
りんご ( ♀ UNyGh )


真智子と二人
帰りの飛行機の搭乗を
待っていた。


せわしなく
二泊三日で
やってきた沖縄


最終日もギリギリまで
沖縄で遊んで
夜のフライトとなっていた


修学旅行も新幹線だったから、二人とも、飛行機での旅行は初めてだった。



No.2 14/01/24 14:23
りんご ( ♀ UNyGh )



『真智子、楽しかったね。』


『うん、メチャメチャ楽しかった。』


『また来ようね。』


『今度はさ、石垣とか離島に行ってみたいよね⁉』


『うん、二泊三日じゃなくて、、最低三泊はしたいよね⁉』


『うん。』


『遊び足りないもんね⁉』

『うん、遊び足りないと言えば…足りないね(笑)』


『いっそ…住んじゃいたいよね。』



そんな会話をしていた

No.3 14/01/24 22:24
りんご ( ♀ UNyGh )

『どうやって帰ろうか⁉』

当初、空港から地元までの直行バスに乗るつもりだったのだが…

飛行機ってヤツは
1時間や2時間くらいは
離陸でも着陸でも
簡単にズレる⤵


空港の上まで来たのに
ゲリラ豪雨だか
雷だかで…
と、機内アナウンスが入り
上空をクルクル旋回してて
なかなか着陸してくれなかった


結果…直行バスの最終便には間に合わない時間になってしまっていた


もちろん、公共交通機関も間に合わない…


タクシーなんてもったいないし…
翌朝まで空港で時間を潰すしかないのもかね~
なんて、にわか沖縄ボケした二人はノンキに話していた。



No.4 14/01/24 22:53
りんご ( ♀ UNyGh )


今だに…


離陸とか着陸とか

着陸の
ゴーッと助走から
ガァーッと行って
フッと浮いた瞬間
地に足が着いてないってゆうか…
(その通りなのだが…)


また、離陸のその瞬間の
ドスンッと
足が着いた瞬間の
スピードの速さに
ちゃんと止まるのかと
いちいち、不安になるのは
慣れればなくなるのだろうか⁉(笑)


トイレに行けなくなった瞬間のランプを見ては
なぜかトイレに行きたい衝動にかられたり(笑)


田舎者丸出しで
やたらゴソゴソと
いじくれるものを
探りだしてみたり

席が窓際じゃない時は
子供のようにガッカリしちゃうんだよね~…



No.5 14/01/24 23:01
りんご ( ♀ UNyGh )

やっと着いた

ゾロゾロとモタモタと
人波の流れに乗って
ついて行く


ベルトコンベアーから
流れくる荷物を探し出す

同じような荷物が流れてくるから
これがまた大変な作業で

見つけた瞬間
ゲットしなくちゃと
荷物は逃げないのに
妙に緊張したりするもんです(笑)



『あった‼あった‼』


二人して、無事
荷物を手に喜びを分かち合う⤴


さて次は…
出口…出口…



No.6 14/01/26 21:25
りんご ( ♀ UNyGh )


荷物を引きづりながら
出口を探して歩いていたら

前から見慣れた顔が
歩いてきた


『あれ~っ、どうしたの⁉』と声を掛けた


『迎えに来たんだよ。』


『へぇ~誰の⁉』


『誰のって…』


『えっ⁉』


『えっ⁉じゃないよ。』


『えっ⁉』
『えっ⁉もしかして私の⁉』


『もしかしなくても、お前‼』


『え~っ…うそっ⁉』
『なんで⁉』


『なんでって、来ちゃマズかった⁉』


『いやいや、、なんでわかったの⁉』




会話の相手は…


健ちゃんだった




No.7 14/01/26 21:41
りんご ( ♀ UNyGh )



『今日は、朝から雨だったから、仕事が休みでさ』

『おばさんに、縁側の縁台の修理をを頼まれてたから、お前んちに行ったら…
おばさんから、今日旅行から帰って来るって聞いてさ…』

『雨で暇だったから…』
と言った


『えっ⁉えっ⁉』
『いつから来てたの⁉』


『昼過ぎくらいからかな…』


『え~っ⁉』




母には、帰りの便の時間までは言っていなかった…

昼過ぎから、ずっと
沖縄からの到着便が来る度に、見ていたというのか⁉


『いい暇つぶしになったよ。』



『健ちゃん、ありがとう。』


『だいたい、こんな時間に到着して…
どうするつもりだったんだよ⁉』


『・・・・』


『まったく…』
『ほらっ、荷物よこせよ。』


私と真智子の荷物を持って、スタスタと駐車場へと健ちゃんは向かって歩き始めた


『誰⁉』
真智子が聞く


『知り合いのペンキ屋さん。』



『すいません…
ありがとうございます。』
真智子が言った


『いや、気にしないで、
暇つぶしに来ただけだから…』
と健ちゃんが
笑って答えた



No.8 14/01/26 22:00
りんご ( ♀ UNyGh )



『健ちゃん、お母さんに頼まれても断っていいんだよ。
健ちゃんはペンキ屋さんなんだからさ、大工さんじゃないんだから…
お母さんも、なんでも健ちゃんに言えば直してくれるって思っちゃって図々しいんだから、ごめんね。
健ちゃんも人が良すぎるよ…』


『いや、いいんだよ。
暇な時でいいからって、おばさんも言ってたしさ…』


後部座席で真智子と二人座っていた


『お腹空いてないの⁉』
健ちゃんが尋ねた


『ちょっと空いてる…』


『じゃ、ファミレスかどっか寄るか⁉』


『うん⤴』


で、、開いてた牛丼屋に寄っていた


『楽しんで来たのか⁉』


『うん⤴』

『でも、遊び足りない…』


『そりゃ、贅沢ちゅ~もんだ。
俺だって沖縄なんて行ったことないのに…』


ガツガツと牛丼を平らげた



『ごちそうさま。』


『私までご馳走になって、ありがとうございます。
ごちそうさまでした。』
真智子が言った


『ど~いたしまして‼』

『しかし、まぁ~、
ガツガツ牛丼平らげて、
色気ね~よな~。』
健ちゃんが言ってる


『健ちゃんに色気出したってさぁ~…(笑)』


『早く帰るべ、、
家で心配するからさ。
家に電話入れとけよ。』


公衆電話の横に車を停車してくれた


真智子と二人で家に電話を入れた




No.9 14/01/26 22:14
りんご ( ♀ UNyGh )


真智子の家に到着した

『ありがとうございます。
助かりました。』


『リンゴ、またね✋』


『またね~✋』



『健ちゃん、ホントにありがとうね。』


『いや、いいんだよ。
暇だったからさ…』

『でもさ、ちゃんと考えろよ、
俺が迎えに行かなかったら、どうするつもりだったんだか…』


『は~い…』


『じゃ、、
コーヒー1杯付き合えよ。』


『は~い。』

健ちゃんとファミレスに入った


『沖縄の海ってね
すっごくキレイなんだよ。
すっごく澄んでて、お魚がいっぱい泳いでるのが見えるんだよ。
バナナボートにも、乗ったんだよ。』


後から後から喋っていた


健ちゃんは
『うん、うん、それで⁉』
『うん、うん、良かったなっ。』

って笑って聞いていた。


コーヒー1杯だけ飲んで

『もう遅いから、、話はまた聞きたいから、この次に聞かしてよ。』


『うん、そ~だね。』

少し走って家に着いた


『健ちゃん、ありがとう
ホントに助かった。』


『ど~いたしまして。』


『ありがとう。』
『またね。』


『あぁ、続きの話楽しみにしてるから…
おやすみ✋』


『ありがと‼
おやすみ。』






No.10 14/01/26 22:25
りんご ( ♀ UNyGh )


『ただいま~‼』


『お帰り。』

『健ちゃん、迎えに行ってくれたのね⁉』


『行ってくれたのね、じゃないよ。
お母さんが言ったんでしょ⁉』


『今日、帰ってくるのよ~って話をしただけよ。』


『だいたい、健ちゃんはペンキ屋さんなんだからね‼
何でも屋さんじゃないんだから…
なんでもかんでも頼むの止めてよ。
恥ずかしいよ…』


『なんかあったら、なんでも言ってくださいって言ってたから…』


『も~…
それが図々しいんだよ。』


おばちゃんヤツは…




No.11 14/01/26 22:33
りんご ( ♀ UNyGh )



次の日
沖縄土産定番の
【ちんすこう】を持って職場へ行った


『お休みありがとうございました。』
と一人一人に挨拶していた



『おはよう、
楽しかった⁉』
綾野さんが声をかけてくれた


『お休み
ありがとうございました。
充電出来ました。⤴』


『良かったね。』


『ハイッ』



なんか、妙にやる気になっていた。(笑)



沖縄で気持ちを整理して
スッキリして
充電したからかな⁉



No.12 14/01/26 22:44
りんご ( ♀ UNyGh )



そう…

真智子と二人
傷心旅行


失恋のキズを
癒しに行こうって
目的で旅立った沖縄だった


もう、ミツルは…
すでに入籍も済ませ
子供まで産まれてる…


この時点で…
考えてもしょうがない

諦めるしかないと思っていた


あんなに自分の家族を欲しがって…
あんなに子供を欲しがってたミツル…


欲しいものが
手に入ったんだね…





私は…より一層
自分の夢に向かって
頑張ろうって思っていた




No.13 14/01/27 13:24
りんご ( ♀ UNyGh )


そんなある日
学校が終わって、
仲間数人と食事に行った


『最近どう⁉』
明君が言った


『何が⁉』


『仕事だよ。』
『人間関係がさ…』


『何かあったの⁉』


『なんか、やりづらくてさ…』


明君の店も
どちらかと言うと
大きなチェーン店だった


『一番下っぱだからさ、しょうがないんじゃないの⁉どこも同じようなもんじゃないの⁉』
と誰かが言った


『なんか、辞めたくてさ…』
明君が言う


『今は見習いなんだから
我慢して、
頑張るしかないよ。』


明君が言うには、仕事場に馴染めないらしい
イジメのような
仲間外れにされていて辛いと言うのだ…


どの業界にも
少なからず
イジメや仲間外れはあるのだろう…

仕事の辛さじゃなく
人間関係の辛さは
難しいものがある…



No.14 14/01/27 13:32
りんご ( ♀ UNyGh )


明君は、仕事も学校も
段々と休みがちになっていた…


明君に電話を入れた

☎『学校も来ないで
何してるの⁉』


☎『何もしてないよ。』


☎『学校おいでよ。
皆、心配してるよ。』


☎『ありがとう…』
『でも…
もう辞めようと思ってる…』


☎『そんな簡単に辞めちゃっていいの⁉』


☎『・・・』


☎『明日、必ず学校は来なよ‼』


☎『あぁ…』



そう言って電話を切った



No.15 14/01/27 13:43
りんご ( ♀ UNyGh )


結局、明君は、学校に来ることはなく…


簡単に夢を諦めて
辞めていった


皆、残念がっていた

皆が頑張ってると
思うから
多少辛い事があっても
自分も頑張らなきゃ
って思っていたのに…


何かもっと
相談にのってあげられたら

残念だった…


No.16 14/01/29 01:09
りんご ( ♀ UNyGh )

相変わらず

仕事に勉強に
忙しくしていた


と言うより、
忙しくしていたかった


忙しくしていれば
ミツルの事を思い出さなくて済むから…


沖縄旅行で
ふっ切ったつもりでも…


なんで…⁉
どうして…⁉


ミツルの口から
真意を聞きたい
自分も居た…


確かめたところで
納得なんて出来るはずもなく…


そんなで
忙しくしていたかったのだ…


No.17 14/01/29 14:54
りんご ( ♀ UNyGh )



『頑張ってるね。』
綾野さんに声を掛けられた


『ありがとうございます。』


『今日、終わってから予定ある⁉』


『ありませんけど…』


『よかったら、また食事付き合ってくれない⁉
一人の食事はど~も味気なくてね…』

『じゃ、、終わったら…』


返事をする間もなく
終わったら…
と言われてしまっていた…


なんか綾野さん、
緊張するんだよね…


尊敬してるんだけど
誘ってもらえて
嬉しいような
微妙なものがあった


No.18 14/01/29 15:08
りんご ( ♀ UNyGh )



綾野さんが目で合図して
先に店を出た
『お先に~‼』

『お疲れさまで~す。』


暫くしてから
私も店を出て
角を曲がった所に
綾野さんの車が停まっていた


『お邪魔します。』


『ど~ぞ。』


『何、食べたい⁉』

綾野さんは、必ず聞いてくれる。


『あの…
緊張しないところで…』


『肉⁉魚⁉
どっちがいい⁉』


『お肉のがいいかな…』


『了解』


車を走らせた

暫く走って
店の駐車場に車を入れた


焼肉でも行くのかなと
思っていたのに…


ステーキハウスと
書かれた店だった


入り口でスーツを着た人がドアを開けくれた

『綾野様、どうぞ』

名前まで知ってるんだ…

鉄板が丸くなっている
中で目の前でコックさんがステーキを焼いてくれる店だった…


またまた、こんな店
緊張するじゃん💦




No.19 14/01/29 15:21
りんご ( ♀ UNyGh )


メニューを出された

あ゛っ…
あり得ないほど
高すぎる…💦

困っていると


『まかせてもらっていいのかな⁉』


『あの…』
綾野さんの耳元で
小さい声で
『私、こうゆう店初めてで…』


『大丈夫だよ、じゃまかせてもらうよ。』
笑って綾野さんが言った


恥ずかしぃ…


最初に
小さいサラダと
生牡蛎がサーブされた

車ということで
ノンアルコールの
飲み物で

『お疲れさま』と乾杯をした

綾野さんが横に座っている
近い…


No.20 14/01/29 15:34
りんご ( ♀ UNyGh )


『こちらのお肉になります。』
『焼き方は⁉』

『ミディアムレアで。』

『ニンニクは、お入れしてよろしいでしょうか⁉』

綾野さんが、私の方を見る
コクンッと頷く

『入れて。』
綾野さんが答える


目の前でステーキが焼かれる…


一口大に切り分けられて
お酒が振りかけられて
炎があがった…



ひぇ~…💦
ステーキなんてものは
ファミレスでしか食べた事がない…
ファミレスじゃ、
炎があがるような
パフォーマンスはしない



目の前のお皿に分けられた

ご飯と味噌汁と
タレが出された


『どうぞ。』
お皿をそっと押し出された


『いただきます。』


No.21 14/01/29 15:49
りんご ( ♀ UNyGh )


『まずは塩だけで食べてみて。』
綾野さんが言った

塩をちょっとだけつけて
食べてみた


甘い⁉
肉汁が口に広がり
甘味があって
数回噛んだだけで
喉へと流れていった…


今まで食べてたステーキとはあきらかに違うというのは、十分にわかった…


『美味しい⁉』


『ハイッ、とっても‼』


『どうぞ‼』


色気より食い気…
夢中で食べていた

お箸が嬉しい

目の前で野菜が焼かれていた




『ごちそうさま』

『美味しかったです。』


『それは、よかった。』
横で綾野スマイルに見つめられると…
照れちゃうじゃないか…


ガツガツ食べていた自分が急に恥ずかしくなっていた…


『綾野様、こちらへどうぞ。』


『ありがとう。』


何かと思ったら…


デザートと食後の飲み物は
別室に通された


『お飲み物は⁉』

『コーヒーで…』
綾野さんが私を見る
私もと軽く頷く


落ち着いた席で
シャーベットと
コーヒーが出された


No.22 14/01/29 15:56
りんご ( ♀ UNyGh )



『ホントに、美味しそうに食べるね。(笑)』


『美味しいそうじゃなく、美味しいからです。』

『こんな美味しいお肉食べたの初めてで…』

『こうゆうお店も初めてで…』


『喜んでもらえて、よかった。』



ゆっくりと時間が流れる



No.23 14/01/29 16:06
りんご ( ♀ UNyGh )



『ねぇ…』

『嫌じゃないよね⁉』


『もちろん。
ただ、こないだのお店も…
私には、高級過ぎて
場違いみたいで…』


『いや…
そ~じゃなくて…』

『付き合ってくれるかな⁉』


『どちらかと言うと、庶民的な店のが…』


『クックックッ…』
笑ってる

『そうじゃなく…
俺と付き合って欲しいって事…』


『ん⁉・・・・』

『え~っ‼』



突然の予期せぬ
綾野さんの申し出に
驚いた…




No.24 14/01/29 17:38
りんご ( ♀ UNyGh )



『無理、無理、
絶対に無理です‼』




『キッパリ言うね⁉』



『・・・・』

『私なんて、綾野さんに
ふさわしくないです…』


『ふさわしくないなんて…どうして⁉』


『・・・・』

『綾野さんは、大人で…
私は、こんなお店も初めてで、マナーも知らなくて…』



『嫌い⁉』




『トップスタイリストで…
憧れてます…』

『でも…』




『でも⁉』



『・・・・』

『ごめんなさい…』
『今は、見習いで…
自分は、ちゃんと卒業して資格を取る目標があります。』

『私…器用じゃないんで…
恋愛と両立する自信がないです…』





No.25 14/01/29 17:48
りんご ( ♀ UNyGh )



『答えは…すぐじゃなくていいよ。』
『考えてね。』



“考えてね“なんて言われたって…
考えようがないよ…

だって、綾野さんは
憧れの人で…

恋愛対象としては
まったく見てはいなかった

お客様にも人気があって…お店でも人望もあって…


あれ⁉
綾野さんて、いくつなんだろう⁉
年すら知らない…


でも、ちょっとナルシストで…(笑)



No.26 14/01/29 17:55
りんご ( ♀ UNyGh )


第一…

今は、まだ…


そんな気になれないよ…




“そんな気になれない“
それが一番の理由だろう…




No.27 14/01/29 18:01
りんご ( ♀ UNyGh )



『送って行くよ。』

車に乗り込む



ちょっと気まずい💦💦



『あの…』


『何⁉』


『綾野さんて…
おいくつですか⁉』


『32才』

『対象外かな⁉』



『いや…
そ~ゆ訳じゃなく
年も知らないなって
思って…』



『いろんな事を
これから知っていけば
い~んじゃない⁉』



『・・・・』






No.28 14/01/29 20:27
りんご ( ♀ UNyGh )


『あの~…』


『何⁉』


『綾野さんは、なんで私なんか…』




『真っ白だから…』



『えっ⁉』



『まだ色がついてないから…』

『素直で…』
『どんな色にも染まってない感じかな…』





No.29 14/01/31 18:12
りんご ( ♀ UNyGh )


お店が休みの日
香の店に来ていた


『なんかあった⁉』
察しのいい香が言った


『うん…』


『言ってみな⁉』


『お店のさ~…』
香にいきさつを話た


『で⁉』


『・・・』


『付き合うの⁉』


『綾野さんは、尊敬してる。』


『好きなの⁉』


『憧れはあるけど…
好きか嫌いと言われたら…嫌いじゃないよ…』


『じゃ、付き合えばい~じゃん。』


『でもさ…
同じ店って気まずいよ…』


『また~…“でも“とか言ってるよ(笑)』


『もてるし…』


『もてない男なんて魅力ないんじゃないの~⁉』


『綾野さん目当てのリピーターも多いし…』


『でもさ、その人がリンゴを選んだ訳じゃん⁉』


『・・・』



『まだ、引きずってんの⁉』




No.30 14/01/31 18:19
りんご ( ♀ UNyGh )


“まだ、引きずってる“

つもりはないけど…


恋愛に臆病になってるのは否めないかも…


しかも、綾野さんは
32才で独身で居る訳で…
そりゃ、何度も恋愛なんてしているはずで…

もっと大人な、ふさわしい人がいるはずで…



………………
……………
……………
……

………………
…………



やっぱ無理…





No.31 14/01/31 18:22
りんご ( ♀ UNyGh )



『おはようございま~す。』

『おはよう‼』


いつもと変わらない
綾野さんがいる


ドギマギ意識してるのは
私だけか…



1日が普通に過ぎていった



No.32 14/01/31 18:59
りんご ( ♀ UNyGh )


あれから1週間が過ぎようとしていた


綾野さんは変わりなく
普通で…


私も普通を装っていた


空いてる時間に
裏で食事をしていた


スタッフの先輩の
百合子さんが食事をしにきた


『あっ…お茶入れます。』

『ありがとう。』

『新しい店舗が出来るみたいよ。』


『そ~なんですか⁉』


『綾野ちゃんあたりが、任されるんじゃないかってウワサだよ。』


『・・・』


『ニューオープンのお店の店長なんて、やりがいあるよね~。』




No.33 14/01/31 19:13
りんご ( ♀ UNyGh )



『お疲れさま~
お先に失礼しま~す。』


『お疲れさま~』


今日も一日無事
終わりました~。


家路を急ぐ…


あっ…
綾野さんの車だ…


『乗って‼』


『あっ…ハイッ』


車が走り出す


『お疲れさま
お腹空いたでしょ⁉』


『・・・・』


『何、食べたい⁉』


『お蕎麦食べたいかな⁉』

『じゃ、お蕎麦にしようか。』


お蕎麦屋さんに入った


『何にする⁉』


『ん~…鴨南蛮』


『じゃ、俺も』





No.34 14/01/31 19:25
りんご ( ♀ UNyGh )



蕎麦を食べる


『ん~美味しい⤴』


『ホント、美味しいそうに食べるね。(笑)』


『食べてる時が一番幸せかも…』


『クックックッ(笑)』



『新しいお店任されるって…ウワサですけど…』


『たぶんね…』


『・・・・』


『遠くじゃないから。』


お蕎麦を食べ終え
店を出た


『コーヒー飲もう。』

ホテルのラウンジで
綾野さんはコーヒー
私にはケーキも付けてくれた。


『いただきます。』
『ん~…美味しい⤴』


『クックックッ(笑)』

また、笑われた⤵


No.35 14/01/31 19:44
りんご ( ♀ UNyGh )



『静かな所で話をしたいんだけど…いいかな⁉』


『・・・・』


コーヒーを飲み終えて
綾野さんはフロントでカードキーをもらってきた



ここまでついてきて
子供じゃないんだから…

駐車場に車を入れた時点でもしかしたら…
とは思わなくもなかったが…



綾野さんにエスコートされエレベーターに乗り込む、部屋の前で

ピッ
とカードキーの音がした


綾野さんに促され
部屋に入った


足が動かない…


綾野さんが
突然ギューッ抱き締めてきた…



『くっ…苦しいよ…』



『ゴメン…
ずっと、こうしたかった…』

あのいつも冷静な穏やかな綾野さんが…



『座って…』


『ハイッ』


『ゴメン、驚かせたね…』


『・・・・』



No.36 14/01/31 20:15
りんご ( ♀ UNyGh )



『返事、聞いていいかな⁉』


『私、まだ見習いで…』


『俺のこと嫌い⁉』


『嫌い…じゃないです…』


『誰か他に好きな人がいるの⁉』


『それは…ないです…』
『でも…』


『でも⁉』


『・・・・』
『綾野さんは、憧れです。
それはスタイリストとして目標で…
私も綾野さんみたいな、お客様からもスタッフからも慕われるような……』



綾野さんに抱き締められ、唇を塞がれた…

普段の穏やかな綾野さんからは
想像もつかないような…


激しいキス…





No.37 14/01/31 20:31
りんご ( ♀ UNyGh )



足の力が抜けて…
ヘナヘナと座り込む…



私、何してるんだろ⁉
ここまでノコノコ
ついてきて…


何、言い訳してるんだろ⁉


自分がどうしていいのか
わからなかった…



『俺、初めてなんだ…
自分からこんなに手に入れたいって、、
思ったのは…』

『真っ白な倫子ちゃんを
俺の色に染めたい…』




No.38 14/02/01 10:47
りんご ( ♀ UNyGh )



はっ…⁉

そんなこと言われたって…
真っ白じゃないし…

綾野さん
なんか思い違いしてる⁉


なんか妙に客観的に冷静な自分もいた…




そう…
いつも私って、可愛くない…

ミツルにだって

きっとあの時
『離れたくない…』って言ってたら、
違っていたんだろうな…

ちゃんと聞いていたら
違っていたのかもしれない…


肝心な時に
自分の気持ちにウソつく…
出来ない言い訳を作ってるのは自分なんだ…

わかってる

石橋を叩いて
壊しちゃうタイプ⁉




No.39 14/02/01 11:19
りんご ( ♀ UNyGh )



『俺のパートナーになって欲しい…』


『パートナー⁉』


『遊びで付き合うつもりはないから…』

『真面目に結婚を前提として、付き合って欲しい…』


『・・・・』

『私なんか綾野さんの、足手まといになります…
まだ見習いだし…
学校も…』


『大丈夫だよ。
ちゃんとサポートするから。』


『・・・・』



No.40 14/02/01 11:31
りんご ( ♀ UNyGh )


『いい⁉』





『・・・・』





『わかった…
今日は、やめよう…
無理矢理する気はないから…』



No.41 14/02/01 11:45
りんご ( ♀ UNyGh )


綾野さん
なんか重い…


“結婚“て何⁉


家を出たい気持ちはあるけど…
それは自立したいって思ってる訳で…(自由になりたい)

今は、“結婚“は、したくはない…


同棲にはちょっと憧れはあるけど…

“結婚“とは違う…



綾野さんのことは…
“好き“かも…
イヤ、、“好き“だと思う

年上で、オシャレで、気配りも出来て…

でも、お店での綾野さんは、仕事の顔で…


あんな激しいキスする人だと思わなかった…


No.42 14/02/01 12:07
りんご ( ♀ UNyGh )



そ~言えば…

唯のママが言ってた言葉を思い出していた


『なんか、本物の社長さんとか、偉い人とか、出世する人って、ただ座ってるだけで、オーラがあるんだよ。
存在感て言うのかな⁉
自信に充ちてて、秘めたる熱い炎が燃えてる威圧感がある。

いくらお金を持っててチヤホヤされて派手に使ってても、人間として魅力のない薄っぺらな人には誰もついていかない。
ペラペラな感じ。』


『人並み以上の事するには…人の何倍も努力をしなくちゃ、楽してたらなれないんだよ。』

お酒が入ると
ママは、よく人生についてみたいな事を話始めた


何度も聞いてる唯にとっては耳タコみたいだったが…

普通の家庭に普通に育った私は、深いと思って聞いていた


No.43 14/02/01 12:15
りんご ( ♀ UNyGh )


綾野さんは、静かな物腰で穏やかな感じだけど…

芯は強くて、、
強いオーラ⁉を放ってる感じがする




綾野さんに任せてついていけばいいのかな⁉




No.44 14/02/01 15:22
りんご ( ♀ UNyGh )



“無理矢理する気はないから“ と…

綾野さんは言った


おそらく…
押し倒されても
抵抗はしなかったかも…


ただ…
綾野さんと付き合って
お店の人にバレたら
どうなるのかな⁉
なんて考えていた…


綾野さんは、
“遠くじゃないから“
と言ったが…
今まで近くに居た人と
離れて付き合っていく
自信はない…


お店では、尊敬出来る人だけど…

信頼出来るほど
綾野さんのことを
知らない


32才って…
大人だよね…


私は、まだ結婚なんて…


そう思ってた


No.45 14/02/01 18:51
りんご ( ♀ UNyGh )



そんな事があっても
綾野さんはお店では
今までと変わりない


次の週にまた仕事が終わって、食事に行った


『これ、家の電話番号だから、いつでも電話していいから…』


『あの…お休みの日は何をしてるんですか⁉』


『今は、新店舗の準備に追われてる…
普段は、掃除とか、洗濯したり…
一人暮らしだから。』


『忙しそうですね…』


『あぁ…』

ちょっと疲れてるように見える

いま一歩、綾野さんには踏み込めない感じがしていた…


『新店舗オープンはいつの予定なんですか⁉』


『一応、年明けの予定』


『じゃ、益々忙しくなりますね…』




『これから…よかったら、家来る⁉』


『大丈夫だから(笑)』



家来るって言われても…
一人暮らしとわかってて、ついて行くって…



No.46 14/02/01 18:59
りんご ( ♀ UNyGh )


結局、、ノコノコついてきてしまった…


『お邪魔します…』


『ど~ぞ‼』


ワンルームって言うのかな…
結構広い


壁一面、美容系の業界紙で埋まっていた…


『すごいですね…』

やっぱり、違う人は見えない所で人一倍勉強してるんだな…


『コーヒーでいい⁉』


『あっ…ハイッ』


ガァーッて豆を挽いて
コーヒーのいい香りが辺りに広がった…


『オシャレさんですね。』

『えっ⁉』


『うちなんて、インスタントですから(笑)』





No.47 14/02/01 19:09
りんご ( ♀ UNyGh )



『倫子ちゃんて、育ちがいいよね⁉』


『そんな事ないです…
普通の家ですよ…』


『そうじゃなくてさ…
ちゃんと躾されて育ったって感じする。
お母さんに感謝だね。』


『そんなことないです…』


『はいっ、ど~ぞ。』


『ありがとうございます。いただきます。』


『なんかホッとする…』


『綾野さんてもてるじゃないですか…ステキな女性からアプローチされたりしてますよね⁉』


『それはないよ。』


『お客様も綾野さん目当ての方もいらっしゃいますよ。』


『仕事だからね。
女性の嫌うような事はしないよ(笑)』


No.48 14/02/01 20:02
りんご ( ♀ UNyGh )



『私…綾野さんのこと、なにも知らないんですよね…』


『何を知りたいの⁉』


『お店の顔しか…』


『倫子ちゃんが何構えてるのかわからないけど…
俺は、こ~ゆヤツだって自己紹介が必要って事⁉』


『・・・』


『俺は、直感かな…』
『こないだも言ったけど、初めて自分から手に入れたいって思った…』


綾野さんに見つめられると…
ドキドキする…


『悪いけど…ちょっとシャワーだけ浴びてきていいかな⁉
仕事から帰って、まずシャワー浴びたいんだ…
毛もついてるし…』


『あっ…ごめんなさい…
私、帰りますね…』


『いやゴメン、ちょっとだけ待ってて…』


綾野さんはバスルームへ行った



No.49 14/02/01 23:57
りんご ( ♀ UNyGh )



15分ほどでバスルームから出てきた


タオルで濡れた髪の毛を拭きながら

Tシャツにスウェットを履いていた


お店では決して見ることはない姿


『ゴメン、待たせたね。』


『疲れてるのに、図々しくお邪魔しちゃったのは私ですから…』

『そろそろ帰りますね…』


『明日、休みでしょ…
泊まっていかない⁉』


『・・・・』



ご飯をご馳走になって
ノコノコ一人暮らしの男の人の家にあがりこんで…
帰りますね、、は…
ないだろう⁉
って、私も思ってはいた…

軽はずみに来てしまったな…



『困ってる⁉』


『ハイッ…』


『もうちょっと待ってよ。髪の毛乾かしたら、ちゃんと送って行くから。(笑)』
『俺、焦ってないから…』




年上の余裕だろうか…






No.50 14/02/02 00:06
りんご ( ♀ UNyGh )



綾野さんの事を
もっと知りたかった


もっと身近に感じたかった


週に1度程
食事して送ってもらうだけの関係が

付き合っているような…
付き合っていないような…


お店では、何も変わりない綾野さん…
当たり前なんだけど…

それが余計に
距離感を感じて
冷たく感じていた



それ以外に
デートなんてした事もない

今は、新店舗オープンで忙しいってわかってるけど…



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