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アドル・エルク( ♂ VWrHh )
09/07/11 16:06(更新日時)

当選通知が来た。正直、当選するとは思っていなかったので驚いた。大会の開会式は、来月の最終土曜日だと言う事だ。内容を読み返したが、私からの要望はほぼ聞き入れられていた。当選の余韻に30分ほど浸っていたら、電話が掛かってきた。大会の開催本部からだった。簡単な確認の後で、最初の打ち合わせの日程が決められた。電話を切ると、ようやく実感が湧いて来た。よし。一つやってやろうかという気分だ。この時代、高度に発達したネットワーク環境と、バーチャル表現・体感システムの融合・発展により、巨大で緊密なゲーム環境の構築が可能になっていた。個人用・家庭用のゲーム機及び、それらのためのゲーム環境にも、もちろんこれは反映され、実に様々なゲーム機械・ネットワークの中でのゲーム環境・ゲームソフトが整備され、販売されていた。私が応募したのは、テレビ局が新しいバラエティ番組として企画した、多数の芸能人を起用して出演させ展開させる、艦対艦のシミュレーション対戦ゲームだった。その中の企画の一つとして、素人の一般人を艦長として起用し、芸能人クルーを指揮させて戦わせると言うコーナー企画に私は応募して、当選した

No.1158666 09/03/21 14:29(スレ作成日時)

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No.51 09/04/27 20:10
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 50 から、この認識番号と貴女の名前を、コンピューターに音声で登録して下さい。それでデファイアントが、貴女を副長として認めますので…どうぞ?』
『はい。コンピューター!…認識番号・α1079!γ2917!ローラ・ウェアー!』
『認識番号確認・登録完了。ようこそデファイアントへ、ローラ・ウェアー副長。歓迎します』
『おめでとう。副長…それじゃあ早速ですが、他の司令部スタッフの、人事配置を進めましょう。と言うのもね、副長の人事配置だけは艦長の専任・専決事項なんですが、他の司令部スタッフの人事配置には、副長の承認が必要なんです。だから、ここから先は私達二人で進めていきます。…質問は?…』
『はい。あ、いえ、ありません。解りました。次に決めるスタッフポストは何でしょう?』
『そうですね…2番目に重要なポストは、参謀だと思うので、参謀から決めましょう…』
そう言いながら私は、デスクの上のデータパッドを取り上げ、テーブルに置いて起動させた。
『参謀と言うのは、作戦参謀のことですね…戦うべき相手の艦をこちらが探知した場合に、どの様に戦うのか、と言う基本的な作戦方針について、助言や提案をして貰う役割です』

No.52 09/04/30 15:03
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 51 『…副長には…この参謀の任に就いて貰うのに…思い当る人がいますか?…』
そう言いながら私は、データパッドの表示画面にクルーのリストを呼び出した。
『…エマさんはどうでしょう?…あの人なら、人を見る眼も確かだとは思いますが…?』私は一息吐いてソファに据わり直した。
『エマ・ラトナーさんには…もっと戦闘行動に、直接的に関わるポストに就いて貰おうかと…考えているんですよ…これもまぁ、私の直感の部分が大きいんですが…彼女のプロフィールファイルを読んだ時に…感じた人となりや、性格から受ける印象でそう思いました。恐らく集中した戦闘力と言う点で言えば…彼女の右に出る人は、クルーの中にはいないと思います』
『そんな訳で、彼女には砲術長のポストを…と考えています』
ローラはロングヘアを一つ掻揚げた。
『そうですか…となると、誰が良いんでしょう?…』
『副長は…クヌース・ニューウェルさんについて、何か知っていますか?…』
『?…あぁ!…コサージュを付けてくれた方ですね?…』
と、私の胸元を見ながら言ったので、改めて気が付いた。
『…彼女とは以前にドラマで半年ほど共演した事があります…』
(それで?…)と私が

No.53 09/05/01 12:48
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 52 眼で促したのを受けてまた話を続ける。
『…とても誠実で気配りの出来る人…という印象でしたね』
『監督やスタッフとの関係はどうでしたか?…』
『良かったですよ…話を合せるのが上手かったですね…撮影でも大体テイク2で、OKが出ていたと思います』
『…という事は、相手の意図する処を早く正確に読み取り、適切に対応していたと?…』
『ええ、そう思います…』
『率直に言ってどうですか?…彼女には人を見る眼と言うか…高いレベルでの人物を観察して…評価する能力があると思いますか?』
『私は、あると思います』
その一言で私は立ち上がった。
『決まりですね。それでは副長、クヌース・ニューウェルさんを呼んで下さい』
『わかりました』
ローラが立ってブリッジに戻って行くのを見送りながら、私はグラスとカップを片付けた。
一分も経たない内にクヌース・ニューウェルは、ローラに伴われて控室に入って来た。
『どうぞ、掛けて…楽にして下さい。何か飲みますか?…同じ物でも?』
と、ソファを勧めながら訊いてみる。
『それじゃアップルソーダをお願いします』
それまで飲んでいたらしいグラスをローラに手渡して応えた。

No.54 09/05/02 06:26
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 53 彼女が座る前に控室の中を見回したので、
『…ここが艦長(私)の控室です。ちょっとした打ち合わせにも使いますよ…まだ今日が初めてなんで、殺風景ですけれどもね…』
彼女は座ったまま、微笑みながら頷いた。
彼女が座ったのは、先にローラが座っていた場所とは反対の位置にあるソファだ。
私は彼女が希望したアップルソーダの調合をローラに任せ、先程と同じ位置に座った。
私から見てクヌースは、左前に座っている。
ローラがトレイに飲み物を三つ乗せて来た。
一つをクヌースの前に置き、一つを私の前に置いて自分はそのまま私の正面のソファに座った。
私の前に置かれたのはティーカップで、芳醇な香りを醸し出していたので思わず手に取ると、ダージリンだった。
…紅茶での好みは、アールグレイだったのだが…まぁ良い…。
『…先ず紹介しましょう。ローラ・ウェアー副長です。先程、私からの要請を受けて就任して貰いました』
ローラが微笑みながら会釈したので、クヌースも笑顔で応じた。
『もうお気付きかも知れませんが、今はこの艦の司令部を構成するメインスタッフの人事配置を進めているところです』
『そこで…早速で済みませんが、貴女には参謀の

No.55 09/05/04 05:50
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 54 ポストに就いて頂きたいと考えています』
クヌースは、別段驚いた様な素振りは見せなかったが、脚を揃えてソファに浅く座り直すと、少し固い表情を作った。
『…参謀と言うのはどう言う立場で、どの様なことをするんでしょうか?…』
『参謀とは、作戦参謀のことですが…この艦内では、私と副長に続く第3位の指揮権を持つ立場になります。…言わば第2副長と言いますか…セカンド・オフィサーですね…そして、任務と言うか役割についてですが…戦うべき相手の艦をこちらが探知した場合に、どの様に戦うのか、と言う基本的な作戦方針について、助言や提案をして貰うと言う事になりますね…勿論もっと大きい戦略についてとか、艦の細かい運用についても意見を聞きますよ…』
『…私にそれが出来ると思いますか?…』
表情は変えなかったが、興味は持って貰えた様だった。
『…はい。そう思います…今回クルーとして集まって貰ったメンバーの中では…貴女が参謀に最適だと判断しました…どうでしょう?…受けて貰えませんか?…』
『…その前に…私が副長に選ばれなかったのは何故なんでしょう?…』
おっと!…そうきたか
『…それは、私が艦長として下した適材適所の

No.56 09/05/06 13:27
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 55 判断によると考えて下さい。貴女方のリストにあった、プロフィールファイルからそれぞれの経歴も含めて、ある程度の人間性やら性格やら人となりを読み取って、それらを基に私の直感も踏まえて判断しました…これでよろしいですか?…』
…気が付かなかったが、彼女の表情がいつの間にか変わり、柔らかく微笑んでいる。
私は少し安心して話を続けた。
『…(笑)あまり深刻に考えなくても大丈夫ですよ…取り敢えずローラ・ウェアー副長と一緒に、私を補佐して頂ければ結構です…本艦の司令部スタッフは、私を含めて8人配置しますが…大事な案件は司令部全体で協議して決めますから、一人に負担が掛る様な事にはなりません。…まぁ何か解らない事があれば、いつでも良いですから何でも訊いて下さい。…どうでしょう?…受けてくれませんか?…』
『…よく解りました…私で良ければ、やらせて頂きたいと思います…全く何も分りませんが、よろしくお願いします…』
『ありがとうございます。安心しました…それでは改めて、作戦参謀への就任、おめでとうございます…そしてクヌース・ニューウェル参謀の本艦への着任を歓迎します…』
そう言いながら立ち上がって差し出した私

No.57 09/05/06 20:32
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 56 の右手を彼女も立ち上がって握り返した。
『ありがとうございます…私なりに頑張ってみます』
『それで良いんですよ…それでは…ですね…先ず貴女にはこれを…』
そう言いながらデスクの引出しを開けようとした私に、ローラが何かを差し出した。
『はい艦長。これが参謀用のモバイルデータパッドです。既に起動しました』
『あぁ!…ありがとう。副長…これが参謀用のモバイルパッドです…この中に本艦の参謀として知って置くべき情報の総てが記載されていますので、最初は読みながらでも良いですからやって下さい。時間があれば、出来るだけ頭に入れるようにして下さい』
そう言いながらローラから受け取ったパッドを、そのままクヌースに手渡した。
『ありがとうございます…よろしくお願いします』
『こちらこそ…それでは貴女を本艦に登録します…この最初に表示されている数列が貴女の認識番号です…これと一緒に貴女の名前を貴女の声でコンピューターに登録して下さい…どうぞ?…』
『!はいっ、コンピューター、認識番号δ7893・θ3921、クヌース・ニューウェル!』
『認識番号確認・副長はこの人事配置を承認しますか?』
ローラは急に問掛けられて

No.58 09/05/07 16:33
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 57 怪訝な顔を見せた。
『?はい?』
『副長は、承認するなら承認すると答えて、承認コードを言って下さい』
私に言われてローラは慌てて自分のパッドを操作し、承認コードを見付け出した。
『はい。承認します。承認コード・πβ034621』
『登録完了しました。ようこそデファイアントへ、クヌース・ニューウェル参謀、歓迎します』
『私も歓迎します、クヌース参謀…早速なんですが、あと5人、司令部スタッフの人事配置を決めなければなりません。急ぐとしましょう』
『…そうですね…それで残り5つのポストとは、具体的に何ですか?…』
『…機関部長・補給部長・メインパイロット・砲術長・通信及びセンサーオペレーター…ですね…』
『艦長…3番目に決めるべきポストは…?』
ローラが私の隣に座って訊いた。
『機関部長か、又は補給部長なんですが…どちらから決めようかな…?』
『2つのポストを同時に決める事も出来ますね?…』
クヌースが立ち上がって言った。
『!そうですね…それじゃ、2つのポストを同時に決めるとしましょうか…』
『では副長、ビルジニー・ドデュさんと、シリン・エバディさんを呼んで下さい』
『了解…』

No.59 09/05/09 11:22
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 58 ローラがドアを開けてブリッジに入り、クヌースはグラスやカップを片付けた。
ビルジニー・ドデュとシリン・エバディは、程無くローラに伴われて控室に入って来た。
『やあ、どうもお待たせして済みません。どうぞ掛けて…楽にして下さい…何か飲みますか?』
二人とも控室のデスクから見て反対側のソファに座った。
『…飲み物は、もう結構です』
と、ビルジニー。
『…皆もう待ちくたびれています。早く進めましょう』
と、シリン。
二人ともいささか不機嫌そうな表情だ。
早く進めねばなるまい。
『済みませんですね…でも、今からは早く進めていけると思いますよ…では先ず紹介しますが、つい先程就任して貰いました、ローラ・ウェアー副長とビルジニー・ドデュ参謀です…』
二人とも立ったまま座っている二人に対して会釈した。
座っている二人も、同じようにして会釈を返した。
私は二人が座っているソファの向い側に腰を降ろした。
続いてローラが右側のソファに座り、クヌースは左側に腰を降ろした。
『改めて…お待たせして済みませんでしたが、二人とも…もうお気付きの事と思いますが、今は…本艦の中枢を構成する司令部スタッフの人事配置を決定し

No.60 09/05/09 18:56
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 59 ている段階ですので、多少は時間が掛ります。済みませんがご了承下さい。…早速ですが、お二人にも就任をお願いしたい司令部ポストがあります。…一つは補給部長…これを、ビルジニー・ドデュさんにお願いしたいと考えています。…もう一つが機関部長ですが、これはシリン・エバディさんにお願いしたいと考えています…』
『その二つのポストについて、説明して頂けますか?…』
と、ビルジニー。
『勿論です。先ず機関部長についてですが、機関部門全般、エンジンルームのチーフです…エンジンの管理とコントロールの総てを委ねます。…次に補給部長についてですが、艦内で消費される総ての物資やエネルギー…食料・水・医薬品・ミサイル・修理用資材に至るまで管理し、在庫状況を監視しつつ必要に応じて補給する役割です…これでよろしいですか?…』
『…役割については、よく解りました…では、なぜ補給部長を私にやらせたいんですか?…』
『…それは、私が貴女のプロフィールファイルを読んだ時に…ある程度感じ取れた、人間性・性格・人となり等に私の直感も踏まえて、貴女に…補給部長としての適性があると判断した、と言う事もありますし経歴も含めて貴女の今の

No.61 09/05/10 17:36
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 60 お仕事を見れば、貴女に…いかに物事の全体を大局的に見て、状況を監視しながらバランスを取った運用を行う能力が備わっているのかは…解りますからね…ですから私は貴女を選出した、と言う事です…』
『…よく解りました…そこまで私の事を買って下さっているんでしたら…お引き受けします…』
『ありがとうございます…助かります』
『…それでは…シリン・エバディさんは如何ですか?…何か…訊きたい事はありますか?…』
『…あの…私には何も専門的な知識は無いんです。なのに…どうしてエンジンを見る仕事が…出来ると思ったんですか?…』
『…シリンさん、そう思われるのはもっともです。これからの私の話を…よく聞いて下さいね…確かに、エンジンにまつわる総てを一手に引受ける…機関部長の仕事は、専門の知識が無いと出来ません。…だから、この仕事に就いて貰う人には…他に余分な専門知識を、一切持っていない人が望ましいんです。それが先ず前提になっている人でないと…エンジンに関する膨大な量の専門知識は、身に付けられません。…そして、私がなぜ貴女を機関部長として選出したかと言うと…貴女が…学んだ事や環境や状況に先入観を持たずに、

No.62 09/05/12 22:39
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 61 ありのままを身に付けられる…吸収出来る特性に優れた…高い順応性を備える…極めて柔軟な思考…記憶形態を持っている人であると…私が貴女のプロフィールファイルを読んだ時に…感じ取ったからです……解って頂けますか?…』
『…解ります…と言うか…プロフィールファイルを読んだだけで、よくそこまで解りますね…?』
『💧…そこがまあ一番説明しずらい所なんですけれどもね……それで…受けて頂けますか?…』
『…私が持っている特性については…買い被りだと思いますけれども…そこまで私の事を買って下さっているんですから、…お引き受けします…』
『良かった💧…ありがとう。感謝します。…それで…当面はですね…エンジン関係は暫くの間、私とペアで見ましょう。シリンさんが慣れるまでは、それでいこうと思います…』
『…お世話になります…』
『…良いんですよ。それではですね…二人には先ずこれを…』
そこまで言ったところで、ビルジニー・ドデュ新任補給部長にはクヌース・ニューウェルから、シリン・エバディ新任機関部長には、ローラ・ウェアーから、モバイルデータパッドが手渡された。

No.63 09/05/13 23:44
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 62 『それは貴女方専用のパッドです。もう起動してありますから、そこに表示されている数列を貴女方の名前と一緒に、デファイアントのメインコンピューターに音声で登録して下さい。その数列は、貴女方の認識番号ですから…どうぞ?…』
ここで二人は初めて顔を見合わせた。
シリンが柔らかく微笑んで頷いて見せたのを受けて、ビルジニーから口を開いた。
『コンピューター!…認識番号・ε6841・ι0931、ビルジニー・ドデュ!』
新任機関部長も後に続いた。
『…認識番号・γ0132・ζ7219、シリン・エバディ!』
『認識番号、共に確認しました、副長はこの人事配置を承認しますか?…』
『承認します、承認コード・πβ034621』
『2名の登録を完了しました。ようこそデファイアントへ、ビルジニー・ドデュ補給部長、シリン・エバディ機関部長、着任を歓迎します…』
『…さて…では改めてお二人の着任を歓迎します。ようこそデファイアントへ、これからどうぞよろしく』
私は立ち上がって改めて二人と握手を交わした。
二人も立ち上がって笑顔で応えた。
『よろしくお願いします…』
副長と参謀も、それぞれ二人と笑顔で握手を交わした。

No.64 09/05/14 23:21
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 63 『…今渡したパッドには、二人それぞれの職務に必要な情報の総てが入っています。初めは読みながらでも良いですから、常に携行してやって下さい……さて…これで、司令部スタッフのポストで残るのは三つ。…メインパイロットと砲術長とメインセンサーオペレーターですね…』
私はソファから立ち上がると、デスクを回り込み初めて自分の椅子に座った。
リクライニング出来る背もたれが気持ち良い…ソファに座りっ放しだと腰にクる。
30秒程リクライニングで腰を伸ばしてからデスクに向き直り、両手を組んでそれで顔を支えた。
『…それでは…副長、エマ・ラトナーさんを呼んで下さい…参謀は、ロザリンド・マイヤーズさんを呼んで下さい…そして補給部長は、アラニス・モリセットさんを呼んで下さい…』
『…その3人で、本当に良いんですか?…』
と、クヌース・ニューウェルが訊いてきた。
こう言う訊き方をして来てくれるのが良い…やはり彼女を参謀に据えたのは間違いではなかった。
『…良いと思います…読み取れる性格・人となり・経歴や能力も考え合わせれば、この3人以外には考えられないですね…』
『…解りました…』

No.65 09/05/16 15:00
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 64 3人がほぼ同時に立ち上がってブリッジに入っていった。
デスクから見て右側のソファから、シリン・エバディが私を見ているので、(…?)と目で問い掛けると、
『…お疲れですか?…』
と、訊いてきた。
『…いや、まだ大丈夫です…済みませんがコーヒーを貰えますか?』
『分かりました…ブレンドは?…』
『ブルーマウンテンのストレートホットで。砂糖は一つで、ミルクはいりません』
シリンがドリンク・パケットタワーに歩み寄るのを見遣りながら、私は一つ息を吐いた。
一服点けたかったが、今は我慢するしかない。
全員の配置が決まったら、一度休憩しよう。
そう思った時にドアが開いて6人が入って来た。
『もう待ちくたびれているんですけれども~何とかして貰えません?…』
エマ・ラトナーが入るなり言って、ソファに座った。
『もう何でもやりますから、早く決めましょう?…』
アラニス・モリセットが、幾分投げやり気味に言って座った。
『私、操縦士やっても良いですよ!…』
と、ロザリンド・マイヤーズが手を挙げた。
『皆さん、お待たせしてしまって本当に済みませんですね。

No.66 09/05/19 09:29
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 65 申訳ありませんが、司令部スタッフの人事配置は非常に重要な案件ですので、もう暫くお付き合い下さい…改めて何か…飲みますか?…』
と、シリンからコーヒーを受け取りながら訊いてはみたが、3人とも些か辟易したように首を振っただけだった。
『…解りました…では早速ですが、単刀直入に申上げます。…先ずエマ・ラトナーさんには、砲術長に就いて頂きたいと考えています。…そして、ロザリンド・マイヤーズさんには、本艦のメインパイロットに就任して頂きたいと考えています。…最後に、アラニス・モリセットさんには、通信及びメインセンサーオペレーターとして、頑張って頂きたいと考えています。…何か質問はありますか?…』
エマ・ラトナーが手を挙げて口を開いた。
『…あの~砲術って、大砲を撃つんですよね?…でしたら確か…射撃の出来る人が…いましたよね?…その人が砲術長をやった方が良いんじゃないんですか?…』
『…確かに射撃の出来る人もクルーとして選出しました…その人も勿論…本艦の戦闘部門に入って貰いますけれども、戦闘部門全般を統括して操艦と有機的に連携して、本艦の攻撃力を最大限効果的に発揮して貰う為の指揮を任せられる人は、

No.67 09/05/19 18:02
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 66 エマさんしかいないと判断しました。…判断した理由については…私が貴女のファイルを読んだ時に感じ取った…性格や、人となりから受けた印象に…私の直感を加えて…という事にして下さい…』
エマ・ラトナーは、少しの間黙って私の顔を見ていたが…、
『…何だかよく解りませんけど…艦長が私のことを高く買って下さっているのは解ります…何も分りませんが、私で良ければやらせて貰います…』
『…感謝します…他に質問はありますか?…』
ロザリンド・マイヤーズが口を開いた。
『私はメインパイロットを引受けます。…多分私以上に乗り物を動かせる人は…ここにはいないと思いますから…』
『…感謝します…まさしくその通りです。貴女以外には頼めません…最初から貴女に頼むつもりでしたので、よろしくお願いします』
『頑張ります』
『…アラニス・モリセットさんは如何ですか?…』
『…私のプロフィールファイルも読まれた上で、選んで下さったんですよね?…でしたら私もお引き受けします…コンピューターの扱いには…私も自信がありますから…』
『…感謝します…貴女ならセンサーを的確に操って正確な情報を伝えて貰えると信じます…』

No.68 09/05/19 22:47
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 67 ここでようやく一息吐いて、コーヒーを飲み干した。
『…それでは3人ともありがとうございます…先ずお渡しする物があります…』
そこまで言ったところで、エマ・ラトナーには副長から、ロザリンド・マイヤーズには参謀から、アラニス・モリセットには補給部長から、それぞれモバイルパッドが手渡された。
『今お渡ししたモバイルデータパッドですが、既に起動しています。また、常時本艦のメインコンピューターとリンクしていまして、それぞれが貴女方専用の端末となっています。中には、貴女方が職務上で知って置くべき情報の総てが入っていますので、初めは読みながらでも良いですから常に携行して使って下さい…そして時間があれば、出来るだけ頭に入れるようにして下さい…今表示されているその数列は、貴女方それぞれの認識番号です…先ず皆さんには、認識番号と一緒に名前をコンピューターに音声で呼び掛けて登録して下さい…それでこの艦が皆さんを司令部スタッフとして認めますので…では、エマさんからどうぞ…』
『はい?…え~っとこれですね?…コンピューター!…認識番号、ξ5029、ψ9127、エマ・ラトナー』

No.69 09/05/20 22:15
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 68 『認識番号、ρ4013、η2019、ロザリンド・マイヤーズ』
『認識番号、υ0371、ν9120、アラニス・モリセット』
『3名の認識番号を確認しました、副長はこの人事配置を承認しますか?』
『承認します。承認コード・πβ034621、ローラ・ウェアー』
『3名の登録を完了しました。ようこそデファイアントへ、エマ・ラトナー砲術長…ロザリンド・マイヤーズ主任操舵手…アラニス・モリセット、メインコミュニケイト・センサーオペレーター…着任を歓迎します…』
『私からも改めて、皆さんの着任を歓迎します…どうぞよろしく』
そう言いながら私は立ち上がって歩み寄り、3人と握手を交わした。
3人とも笑顔で応えてくれた。
副長を初め4人のメインスタッフもそれぞれに歩み寄り、握手を交わし合った。
『…さてこれで、司令部スタッフのポストが総て埋まりました。…ですがまだ…配置の決まっていないクルーが23名残っています。…勿論この23名もそれぞれの適性に合せて、皆さんの指揮下に入って貰う形で本艦の七つの部門に所属することになります。…それに関しては私が考えた案も皆さんのパッドに入っていますが、

No.70 09/05/23 10:42
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 69 ここからは更にスピードを上げて、残るクルーの人事配置を決定していきたいと思いますので、皆さんにも協力をお願いします…』
『…それでは私の案に基き、それぞれの部門に於いてクルーの人事配置と登録を行っていきましょう。…先ず副長。』
『!はい…』
『副長には直属の保安要員を2名、指揮下に置きます。…候補者はジャニス・マニアさんとアン・ピューシーさんです。…保安要員の役割については、パッドを見て確認して下さい…この部屋の反対側にある部屋は、副長の控室です。…副長は候補者2名を呼んで、向こう側の控室で説明の上、人事配置と認識番号の登録を行って下さい…よろしくお願いします…』
『…分かりました…では、行って来ます』
『あぁ…二人のパッドを忘れないで…』
『はいっ!…』
パッドを携えて控室を出て行くローラを見送りながら…、
『…次にクヌース参謀…』
『はい…』
『…参謀には、その直下に参謀補佐を1名置きます。…候補者はジェイミー・プラムさんです。…更にその下には作戦士官を2名置きます。候補者は、キャロリン・パロマスさんとハンナ・ウェアーさんです。…参謀補佐と作戦士官の役割や任務については、

No.71 09/05/23 11:54
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 70 パッドを見て確認して下さい…参謀はこの候補者3名を呼んで作戦室にて説明の上、人事配置と認識番号の登録を行って下さい…作戦室は、ブリッジを出て直ぐ右側の部屋です…3人のパッドを忘れないように…人事配置の承認を求められますから、自分の承認コードを答えて下さい…何か質問は?…』
『…今のところありません。…それでは行って来ます』
『よろしくお願いします』
立ち上がってパッドを携え、控室から出て行くクヌース参謀に声を掛けた。
『…さて次は…機関部長。』
『はい…』
『機関部長にもその下に補佐を置きます。…候補者は、フィービー・パイクさんです。…また機関部士官として2名を置きます。…候補者は、オーナ・グラウアーさんとレニー・ケイトさんです。…機関部門の役割や任務の全般については、パッドを見て確認して下さい…そして機関部長はこの3名を呼んで、作戦室の更に右側にある士官室にて説明の上、人事配置と認識番号の登録を行って下さい…最後に承認コードを訊かれますから、それを答えれば終わりです。…また、暫くの間は私も入って機関部門全般を一緒に見て行くつもりですので、3人にもその様に伝えて下さい…何か質問は?…』

No.72 09/05/30 20:13
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 71 『…今は特にありません…』
『…では、宜しくお願いします…』
『分かりました…行って来ます…』
パッドを携えて控室から出て行こうとする姿が、何か頼り無げに見えた。
『そんなに思い詰めないでも大丈夫ですよ。話に詰まるようでしたら、私を呼んで下さい。…自信を持って話せば大丈夫ですよ…』
『…ありがとうございます…行って来ます…』
ドアが閉まるまで、私は彼女を見送った。
『…次は…補給部長…』
『はい…』
『補給部長の元にも補佐を置きます。候補者は、ナレン・シャンカーさんです。また直属の補給部士官として2名を置きます。候補者は、カリ・マチェットさんとシャナン・プリーストリーさんです。…補給部門の役割や任務の内容については、パッドを見て確認して下さい…』
と、ここまで言ったところでドアチャイムが鳴った。
『どうぞ…』
ドアが開くと、副長がジャニス・マニアとアン・ピューシーを伴って入って来た。
『アドル艦長…終わりました…』
『ご苦労様。登録も終わりましたか?…』
『はい、無事に終わりました…』
私は立ち上がって二人の新任保安部員に歩み寄った。

No.73 09/05/30 22:53
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 72 『ジャニス保安部員・アン保安部員…改めて二人の着任を歓迎します…何かあれば、何でもやって貰うのが保安部員ですから…大変な時もきっとあると思いますが、何でもやると言う事では私も同じですから(笑)これからどうぞよろしく…』
笑顔で二人と握手を交わし合った。
『…それでは、補給部長…』
『はい…』
『副長の控室が空きましたので、そちらを使って下さい…さっき言った3人の候補者を呼んで、補給部門についての説明の上、人事配置と認識番号の登録を行って下さい…何か質問はありますか?…』
『…特にありません…大丈夫です。行って来ます』
力強くはないが自信があるようには見えた。
『…よろしくお願いします』
パッドを携えて副長の控室に向かう姿を、ドアが閉まるまで見送った。

No.74 09/06/06 16:28
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 73 『…待たせました…それでは、エマ・ラトナー砲術長…』
『は~い…』
『砲術部門と言うのは本艦における戦闘行動の総てを担当しますので、貴女の下に配置されるスタッフの数も多くなります…では…先ず砲術補佐を配置します…候補者は、カリーナ・ソリンスキーさんです…そして砲術長とその補佐直属の砲術士官として2名を配置します…候補者は、ジェレイント・セキュラさんとハル・ハートリーさんです…次にミサイルオペレーターとして2名を配置します…候補者は、カレン・ウェスコットさんとミーナン・ヘザーさんです…更にミサイルコントローラーとしても2名を配置します…候補者は、リーア・ミスタンテさんとキム・キャトラルさんです…以上、貴女も含めて8名で…本艦の戦闘行動の総てを担当して貰う事になります…ここまでで、何か質問はありますか?…』
『え~と…先ず…8人は多いと思います…私1人で7人を動かしていく自信も…正直に言って無いですし…砲術部門と…ミサイル関係ですか?…分けた方が良いんじゃないですか?…あと…ミサイルオペレーターとミサイルコントローラーって、どう違うんですか?…』

No.75 09/07/11 16:06
アドル・エルク ( ♂ VWrHh )

>> 74 『…それも良い質問ですね…エマさんは、率直な性格なので助かりますよ…詳しくは貴女に差し上げた、専用のデータパッドを読んで欲しいんですが…戦闘艦の攻撃部門にとって重要な要件の1つに、指令系統は一本であるべき、と言うのがあります…指令の出発点は、勿論艦長である私になりますが…例えば私が発した主砲・ビーム砲やミサイルを使った攻撃に関する複数の指令を…できればダイレクトに受け取って、同時に起動・遂行して欲しいんです』

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