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話つく③ダンテスティン・サーガ~魔法のペンダント~

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カズ( 20代 ♂ wYw8h )
11/03/18 03:28(更新日時)

7つの惑星を舞台に登場人物たちが連合軍と言う巨大組織と闘うストーリーです👮是非、皆さん読んでみて下さい。

↓関連スレ

話つく
http://mikle.jp/zatsudan1/dispthread.cgi?th=10434

話つく②
http://mikle.jp//zatsudan1/dispthread.cgi?th=22445

📖✏🚀parallelworld🌏
http://mikle.jp//friends/dispthread.cgi?th=10367

No.1158142 08/06/11 15:41(スレ作成日時)

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No.1 08/06/11 15:51
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

関連スレ↓

「話つく」関係者限定③だぜ✌😁

http://mikle.jp//zatsudan1/dispthread.cgi?th=36586

応援スレとかコメントとかここに頂けたら嬉しいです。
(o_ _)o

No.2 08/06/11 16:02
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 1 番号持ち
【登場人物】

①クリス
②ハーク
③セレナ
④バジリス
⑤セロ
⑥ドイス
⑦凱
⑧ナタレー
⑨ライオネル
⑩キメラ
⑪リオ
⑫雷
⑬竜王
⑭キック
⑮アイシス
⑯リード
⑰フォックス
⑱ドグロ

【その他、登場人物】

・ハン・ディス博士
・サマー
・ドラー
・ミスチル
・レッガ
・タカ
・オジオン
・マリーン
・グラカス
・カラス
・サム
・ベンガル
・ジャッカル
・ボリック
・コイル
・エリトリア王子
・ダリル
・ラ・ドル
・スモッグ
・ルーブル議員
・スス
・ゴウ
・ニシ
・トリ
・ラブ
・ファ
・軍義
・戦義
・パーフェクト
・砦
・鳥
・鬼
・蟷螂
・エア
・魔法老
・アーム
・ミスター
・ベネズエラ


など他もろもろ…

No.3 08/06/11 16:05
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 2 【7つの惑星】

・ダンテスティン星
・ライジング星
・ムーク星
・イース星
・シーラ星
・フラク星雲レイカ星
・ピンタゴ星雲ウマンダ星

No.4 08/06/11 17:16
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 3 ①クリス

母星:ダンテスティン星

年齢:18~20歳程度

連合軍の雷将軍とは兄弟である。神剣と呼ばれる自然界の力を剣に宿し、風のオーラの攻撃を得意とする。

愛剣は父ダリルから授かった剣である。

父母を《あの事件》と呼ばれるダンテスティン国を壊滅状態にした殺戮で亡くした後、孤児院となっていた修道院に兄と共に身を置き、数年間を過ごした経験がある。

兄を追い修道院を出てからは(セロと一緒に逃亡後)兄を探しながら剣の腕前をかわれ用心棒として生計を立てていた。

ダンテスティン国のセレナ王女の用心棒として雇われたのが、連合軍との戦いに参加したきっかけだが、《あの事件》の首謀者であるドイス(連合軍指導者)に父母を殺された恨みをもっていた。

あの事件:連合軍発足の起源とも言える事件、大量の人々が殺され、ドイスが深く関わっている以外の詳細な話はまだされていない。

No.5 08/06/11 17:35
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 4 ②ハーク

母星:ダンテスティン星

年齢:70歳程度

青年時代にダンテスティン国のお抱えの魔法使いとして雇われてから数十年の間、王国の繁栄に力を注いできた。セレナ王女やエリトリア王子の教育係にして、世界に7人しかいない大賢者の一人である。

風の魔法や回復魔法を得意とし、風の大賢者と呼ばれている。元、風の賢者。

弟子を二人もつ。
ラ・ドルにスモッグ。

愛用の杖は木製で水色の水晶が先端についており、青年時代に師匠ラブ(恋の賢者)から授かったものである。

《あの事件》でダンテスティン国の王や王妃を殺され、君主を守れなかった自分を悔やんでいる。

セレナ王女のためなら自らの命すら簡単に差し出すほどセレナを自分の子のように愛している。

大賢者:魔法界の主、魔法老に選ばれし7人の賢者の中の賢者。7つの惑星に各一人ずつおり、世界の兆候の監視役でもある。

風の賢者ハーク
空の大賢者エア
雷の大賢者マリーン
地の大賢者オジオン

と今まで四人の大賢者が登場している。

No.6 08/06/15 20:04
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 5 ③セレナ

母星:ダンテスティン星
年齢:18~20歳

ダンテスティン国の王女。連合軍の侵略により、国を追われ、戦いにより、父母(国王・王妃)を失った。国の復興、連合軍を打破するため日々、奮闘している。

兄であるエリトリア王子との再開を望んでいる。

幼き頃から魔法の才を持ち、ハークの指導を受け、現在では賢者並の力を持つ魔法使いである。銀色に輝く軽装な杖は大賢者ハークから授かったものである。

亡き母から受け取った首飾りをいつも身につけている。銀色に輝く首飾りは金でダンテスティン国の紋章が刻まれている。

連合軍の指導者ドイスはその首飾りを狙っており、セレナに莫大な賞金をかけている。

ダンテスティン国の閉ざされた地下(魔王の巣・過去の遠き日:参照)と首飾りは深く関わっているらしいのだが…

No.7 08/06/15 21:39
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 6 ④ハジリス

母星:ダンテスティン星
年齢:40歳程度

ダンテスティン国の将軍として軍事に関わる重役を勤めていたが欲に洗脳され、今は国を裏切り連合軍側にその身をおく。

あの事件で国力が落ちていたとはいえ大賢者ハークが守るダンテスティン国があっけなく侵略された原因も内部情報を漏洩させたバジリスの裏切りが大きい。

重装備の分厚い鎧をいつも身につけており、武器は魔科具と呼ばれる機械手を使う。エネルギー砲・触手攻撃を得意とする。

剣術・体術・頭脳ともに優秀で野心家でもある。

元、連合軍三大将軍の一人。現在は失態により降格され福将軍としてリード将軍の補佐を勤めているが、リード将軍をよくは思ってはいない。

魔科具:協会と呼ばれ組織が作り出した科学と魔法を融合させた兵器・武器のこと

連合軍三大将軍:雷将軍・キメラ将軍・リード将軍と連合軍の軍隊を指揮する中軸とも言える三人の将軍のこと。

協会:暗殺者・傭兵・賞金稼ぎ・用心棒と裏の稼業の仕事を束ねる組織。不透明な点が多く存在自体が謎あり、連合軍と密接な関係らしいと言うことまで分かっている。戦闘員は魔科具使い《魔科》と呼ばれる戦士である。

No.8 08/06/15 22:06
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 7 ⑤セロ

母星:ダンテスティン星
年齢:18~20歳

幼き頃に親を亡くし修道院(子寺院)で半生を過ごす。

修道院でクリスと出会い修道院から逃亡することになった。その後は数年間クリスと共に行動し、連合軍との戦いに参加するまではダンテスティン国の整備士の仕事についていた。

優秀なメカニックで、趣味は読者である。

武器は短銃を使うが最近手に入れた父の形見の黄金の二丁の魔法銃を使う。

クリスとは恋人未満友達以上…

No.9 08/06/15 22:26
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 8 ⑥ドイス

母星:?
年齢:?

全てが謎に包まれている人物である。強力な闇の力を有し、魔法界すら手が出せない悪の元凶にして連合軍の頂点に君臨する者である。

黒いローブに深く被ったフード。外見からはドイスのその中身を判断することはできない。

フラク星雲レイカ星の連合軍本拠地の黒の塔にいる。

世界征服を掲げる連合軍を導きながら真の目的である世界の破壊のため、裏で暗躍している。

連合軍:世界最大の軍隊。人口の多いフラク星雲の人々から構成される人間族の軍隊。世界征服のため、ドイスの指揮のもと奮闘している。

魔法界:魔法老と呼ばれ魔法を司る者が住む世界で魔法使いだけの世界であり、良き魔法使いの集まり・総称をさす。金色に輝く光の中の別世界である。

No.10 08/06/16 13:43
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 9 ⑦凱(ガイ)

母星:ピンタゴ星雲ウマンダ星
年齢:35歳(男)

竜族の最強ともいわれる戦闘竜ことブラックドラゴンの鱗から術法を用いて作られた漆黒の鎧をいつも身につけている。2m近い長身で外見からは想像できないほど素早いのが特長。

クリスたちと連合軍を倒すため、共に旅をしている頼もしい仲間の一人。それ以前は賞金稼ぎとして、一匹狼の狩人であったが、セレナ姫にかけられた10憶サーチの賞金目当てをきっかけにクリスたちと出会う。

協会が作った魔科具に属する漆黒の鎧はアンチマジック(魔法耐性)の鎧でもある。

武器は
《妖刀覇王》
《黒魔剣》

で二刀流の剣士。オーラを剣に宿し、様々な技を使う。

右手のこうにはハイエント文字が浮かび上がっており、黒魔剣に宿った四天王の精霊たちを操り、地・水・火・風とあらゆる属性の力を使うことができる。

主な技:
ガイブレイド
三重残像剣
七重残像剣
爆炎阿修羅斬
トルネードガイブレイド
デッド・ツェッペリオン

宇宙船の操縦技術も飛び抜けた才能を持っており、小型挺の愛船シャドーmkⅢを持っている。

サーチ:世界唯一の国際通過の単位。

シャドーmkⅢ:狐族の戦艦機のシャドーシリーズの船を改造した凱の愛船。搭載するAIはシャドー。

No.11 08/06/16 17:36
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 10 ⑧ナタレー

母星:シーラ星
年齢:?

エルフ族の女性であり、ライオネルの母。肉体を捧げ、魂だけの身となり人柱としてエルフの国を支えていたが、連合軍の侵略戦争から国を守るためにその力を使い果たし一時は消滅の危機だったが、大賢者ハークに救われ一命をとりとめた。現在は魔法界で鋭気を養っている。

遥か昔の契約により肉体を失い半透明の身体になった彼女だが、エルフの民のため身を捧げた彼女に後悔はない。

聖なる魔力の使い手。《守りの賢者》の称号をもつ、精霊にもっとも近い人でもある。

賢者:魔法界が認めた魔法使いの中の魔法使い。その力強さはもちろんこと人徳にも優れた者しかなることができない。

エルフ族:シーラ星に住む人々のこと。尖った耳に美形の顔立ちが多く、魔法の才に長けたものが多いのが特長である。寿命は数百歳と人間の約十倍である。

エルフ族の魔法使いは肌が黒くダークエルフと呼ばれている。

No.12 08/06/16 22:19
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 11 ⑨ライオネル

母星:シーラ星
年齢:300歳程度(男)

シーラ星は春・夏・秋・冬と4つ分かれていた。だが、現在は統一され、エルフ国と呼ばれ一つの国となっている。ライオネルはその国の王であり、民からは総王と呼ばれている。

剣術・弓矢に長け、魔力を宿わせた技を得意とする。

数百歳生きてはいるが外見は二十歳程度あり、その美形の容姿は数多くの乙女の心を魅了してきた。

クリスにたいして、少なからずの好意を抱いている。

エルフ国:壊滅状態の春夏秋冬国を統一した新たな国、ライオネル(総王)を指導者として、シーラ星に再建されているエルフ族の国である。

No.13 08/06/18 09:42
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 12 ⑩キメラ

母星:フラク星雲レイカ星
年齢:70歳程度(男)

連合軍三大将軍の一人である。魔法将軍の称号を持つ、強力な闇の魔法使い。

元は炎の大賢者として偉大なる賢人の一人であったが、闇に手を染め、今は連合軍側についている。

風の大賢者ハークとは大賢者時代から対立が多く、犬猿の中であり、親友でもある複雑な仲。

世界からかき集めた優秀な魔法使いだけの軍隊、魔法軍の指揮官である。

魔法軍:キメラ将軍が率いる魔法使いの戦闘集団。連合軍最強部隊の雷部隊に次ぐNo.2の組織である。

No.14 08/06/19 13:50
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 13 ⑪リオ

母星:ピンタゴ星雲
年齢:10~15歳(男)

幼き顔立ちの彼だが、その若さにして錬金術を扱う賢人である。

自在に金属を操り、様々な技を使う。頼もしい仲間の一人である。

銀狼の女の子リーマに恋愛中。

No.15 08/06/19 14:08
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 14 ⑫雷(ライ)

母星:ダンテスティン星
年齢:20歳程度(男)

父の形見である長剣を愛用する剣士。

連合軍三大将軍の一人。大将軍と呼ばれおり、その剣術の凄腕から《世界最強の剣士》とも呼ばれている。

彼が剣を振れば大地は割れ、天は裂けるとうたわれるほど世界の人々から恐れられている。連合軍の恐怖の象徴とも言える存在である。

雷鳴りのように一瞬で放たれる剣撃からは何人も逃げることはできない。

クリスの実の兄である。

No.16 08/06/19 21:23
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 15 ⑬竜王(リュウオウ)

母星:イース星
年齢:?

竜族の族長である。普段は竜人(りゅうじん)の姿だが、本来の姿である竜へと変わることが出来る唯一の竜人である。

竜王戦艦と名づけた戦艦に乗り込み、竜人艦隊を率いて今はライジン星・ムーク星を連合軍から解放するためクリスたちとは別行動で奮闘している。

竜族:イース星に住む竜人・竜の総称。

竜人:人型の竜のこと。竜から進化した生き物。力より、知性を選んだ竜族。

No.17 08/06/26 03:40
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 16 ⑭キック

母星:イース星
年齢:500歳程度(男)

竜人である彼は竜王の25人の子の一人であり、子らで最も強い力を持つ。竜王の右腕的な存在でもある。

愛用する剣は《竜剣》と呼ばれる竜族に代々伝わる剣であり、竜人の中に眠る竜の血を目覚めるための剣である。竜剣は武器にして、武器にあらず、真の力を目覚めさせる剣。

竜族の宿敵である【サム】を倒すため、腕を磨いている。

主な技:竜剣一閃・龍竜

サム:連合軍7中将の一人。老剣士の異名を持つ、凄腕の剣豪。世界最強の剣士だった最盛期のタカと互角に渡り合えた唯一の男でもある。その昔、己を鍛えるため、単身イース星に乗り込み、数多くの竜族を殺めた。竜族とっては憎き剣士でもある。

No.18 08/06/29 19:42
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 17 ⑮アイシス

母星:ピンタゴ星雲ウマンダ星
年齢:30歳(女)

医者であり、自称、凱の専門医である。

爆弾・幻薬使い手であるが、彼女は基本的に争いを好まない平和主義者の銀狼の女性である。

凱とは幼なじみで、昔から無茶をし怪我をする凱を手当していた。彼女を医師になった理由も少なからず、凱が影響しているのかもしれない。

銀狼:満月の夜に狼人間へと変化する種族。

No.19 08/06/29 19:54
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 18 ⑯リード

母星:フラク星雲レイカ星
年齢:?

連合軍三大将軍の一人。冷酷な性格をあらわすかのようにその氷のような眼に睨まれれば常人は立っていることすら出来ない。

魔法使いであり、強大な闇の魔力をもつ。2本の杖を持つ一風変わった魔法使いである。

ドイスと深く関わる謎の多い人物でもある。

No.20 08/06/29 20:56
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 19 ⑰フォックス

母星:ピンタゴ星雲ウマンダ星
年齢:数千歳(男)

狐族の族長。

数千年の月日を歩んできたとは思えない外見。いつも白着物を着ており、扇子を扇ぐのが癖である。

彼の7本の尻尾は狐族の象徴であり、絶対的存在である。

狐族(キツネゾク):狐人(キツネビト)と呼ばれる人々の総称。狐人の尻尾の数はその強さの象徴でもある。ウマンダ星の人々からは狐人は神のように崇められている。ウマンダ星にある狐寺が住まい。種族の中でも希少種に類しており、剣術・妖術に長けた少数精鋭の人々である。

No.21 08/06/29 21:07
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 20 ⑱ドグロ

母星:ピンタゴ星雲
年齢:?(男)

銀狼族の長。宇宙海賊の船長でもある。

黒眼鏡をかけ、黒マントと黒一色に統一された服装を好む。
非情な性格と愛に満ちた男である。

No.22 08/06/29 22:14
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 21 本編再開

⑯リード「世界は我ら連合軍に屈する運命なのだ。いくら足掻こうとも」

見渡すかぎりを埋め尽くす数万の連合軍艦隊。

その艦隊から放たれるX砲は宇宙に散らばる流星群を飲み込み、何者にもその勢いを遮られることなく、ただ、一直線に目標へと向かっていく。


そう。

黒の惑星へと……

⑯「死…そう…無こそ。究極の美の形…運命からは逃れられない」

リード将軍が微笑む中、巨大過ぎる光の線光は…

悪の思うがまま、進みのであった。

  • << 42 本編再開 ⑦凱「きやがった!」 レザーに捉えた政府軍艦隊の信号が次々と消えていく。 それが、何を意味するのか凱は瞬時に理解した。 一瞬にして数万の人々の命がX砲に飲み込まれているのだ。悲鳴すら叫ぶ暇すら与えられず、その生命を奪われている。 ⑦「くそ。なんで…」 凱は歯を食いしばり、ただ、その場に立ちつくす。 自分には何もできない無力さに怒りを感じていた。 ⑱ドグロ「フォースフィールド!!」 目の前に迫る膨大なエネルギーの塊であるX砲に飲み込まれていく政府軍艦隊は勢いを妨げる抵抗にもならず、X砲はその脅威をなくすことなくキングを襲う。 対して、キングは全体を覆う青白い光が、その宿主を守るため強さを増し、輝きはその強固さを表していた。 ゴオォォォォォォ~!!!

No.23 08/06/29 23:24
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 22 【番外編:タカ伝】

世界には7つの惑星がある。

そして、そこには星の数ほどの剣士がいる。

兵士・傭兵・暗殺・賞金稼ぎと

彼らは様々な職業につき、様々な剣術が使う。

そんな剣士たちの頂点に立つ者に与えらる名がある。

《世界最強》

単純明解なその名称を聞くと誰もが口を揃えて…

ある男の名を口にする。

そう。タカと…


一世代前の世界最強の剣士の物語を少しだけ、語るとしよう。

人々に

永遠に

語り継がれる
であろう

物語

《タカ伝》を…

No.24 08/06/30 13:19
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 23 【タカ伝】

「オヤジ!酒だ!酒!酒をもっとくれ!」

古びた酒屋のカウンターに座る巨漢の男が大声を上げる。

赤・緑・黄色と大小様々な酒瓶が並ぶ店内には男のほかに数人の客がいるが、皆、興味がないのか男には一瞥もくれず、無表情のまま酒を口に運んでいる。

「お客さん…飲みすぎだよ」

年配の店主はそう返したが、酔った男は店主の胸ぐらを掴み上げる。

「酒を出せ!何度言わせるつもりだ!」

店主の心配の言葉を仇で返すように暴力行為に出た男。しかし、そんな一触即発の店内の状況に他の客は無関心のままである。ごろつきの溜まり場と言ったところだろうか、店主に暴力を振るう男を含め、この店にいる客全員がわけありの輩ばかりである。

「わ…分かった。離してくれ!兵士を呼ぶぞ!」

子供と大人ほどの体格差がある男と店主。店主は宙ぶらりんになりながら必死にそう言うと男はつばを吐きつけ、店主から手を離した。

「けっ!兵士なんぞ!戦事で忙しくて町にいやしねぇよ!」

男は出された酒を一気に飲み干すと再び、酒の注文をするのであった。

No.25 08/06/30 13:55
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 24 【タカ伝】

チャリン

「いらっしゃい」

入口の扉が開き鈴の音が鳴る。冷や汗を拭った店主は新たなに店にやってきた客を歓迎する。

「パーニ酒をくれないか」

客は注文を早々と済ませると巨漢の酔っ払いの隣席に座った。巨漢の男に睨まれたが、気にしている様子はない。


「パーニ酒は酸味が強いが…構わないかい?お客さん?」

「あぁ」

革製のマントに身を包み、鍔の大きい帽子を深く被っているため顔を伺うことはできないが、声や長く伸びた黒髭からして男だろう。

「お客さん。旅人かい?」

地元の服装ではない客に店主は聞いた。客は店主の問いにただ頷く。

「シーラ星も争いが絶えぬ星になってしまったようだな」

注文した酒を口に運びながら、旅人である客が目にしてきたシーラ星の現状を思い浮かべながらそんな言葉を口にする。

「そうさ…ここ百年は戦場が拡大する一方でね。私たち平民は争いにいつ巻き込まれるか…心配で夜もおちおち寝てられんよ」

溜め息混じりの店内言葉。おそらくシーラ星の住む人々皆の本心であろう。

誰もが平和を望んでいる。

だが、争いはなくらない。

No.26 08/06/30 16:12
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 25 【タカ伝】

「秋国や夏国の王の戦好きのせいで…平民はえらい迷惑を受けてる。どうにかして欲しいよ…はぁ」

「冬国を覆う結界があったが?アレは?」

旅人はシーラ星に4つある国の一つである冬国を脳裏に思い浮かべていた。国一つを覆う巨大な青き結界を。

「アレは…聖女ナタレー王女の結界だよ。冬国は争いを拒み、百年以上も鎖国状態だ」

「冬国に入りたいんだが…何か方法はないか?」

店主は
さぁと手を広げて見せた。

「秋国の大賢者にでも聞くんだな!」

隣で黙って二人のやりとりを聴いていた巨漢の男が皮肉気に笑いながら言う。

「貴殿の言う大賢者とは…マリーン殿のことか?」

「あぁん!そうだとも…あの方は大層美しい方だそうだが!白塔の天辺にこもって誰にも会われないらしいぜ!殺し合いを高みの見物とはいいご身分だぜ!ったく!」

水を飲み干すように容器に注がれた酒を飲み干すと巨漢の男はまじまじと旅人を見つめる。

No.27 08/06/30 16:34
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 26 【タカ伝】

「お前どっかで見たことあるような…何処だったっけか」

「話を聴かせてもらって助かった。礼を言わせてもらう…これは勘定だ」

巨漢の男が首を傾げながら旅人を見つめる中、カウンターに旅人は金貨を一枚置く。明らかにパーニ酒一杯の代金にしては不釣り合いな大金である。おそらくはこの店一軒丸ごと買えるである純金の金貨。

「お…お客さん!ち…ちょっと!こんなに貰えないよ…!」

店主が呼び止めるが旅人は振り返ることなく店を出ていった。




















「とまれぇ!ここが秋国の領土と知って進むか!」

秋国へと向かう一本道に設けられた関所に一人の男がやってきた。

男は古びた帽子を深く被り、マントで身を包んでいる。

「私は旅をしている者です。偉大なる大賢者マリーン殿を一目見たく…遥々参ったしだい。どうか兵士方、ここを通しては下さらぬか?」

自らを旅人と名乗る男はやけに丁寧な口調で関所に詰めていた兵士たちに言った。無論、不審極まりない男をすんなり兵士が通すわけもなく、兵士は槍をつきつける。

「残念だが、貴様のような何処の輩と分からぬ者とマリーン殿はお会いはしない!」

No.28 08/06/30 19:00
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 27 【タカ伝】

「では、致し方あるまい」

旅人はマントを翻し、その下に隠していた剣を抜いた。兵士たちは銀色に輝く剣を目にした瞬間、意識か遠退きその場に倒れ込む。

「すまないが。少し眠って頂く」

旅人は手慣れた動きて剣を鞘に戻すとマントにくるまり、身を覆う。

周りには訳も分からぬまま寝息を立てる兵士たちがいた。



















秋国の国土は巨大な城壁で囲まれている。国全体が一つの城のような作りであり、その中心部には天をも見下ろす、巨大な白い塔が立っている。国民からは白塔の愛称で呼ばれている美しく華麗な塔である。その塔の主こそ女神とまで呼ばれる雷の大賢者マリーンなのだ。

「お前、知ってるか?」

「何を?」

「タカがこの星に戻ってきてるらしいぞ」

その白塔の入口を警備する兵士たち。戦時中と言うこともあり、一個団体以上の兵士が常駐している。

「あの7剣帝や神剣ダリルを倒した?タカか!?」

兵士たちの間では世界最強の男の話でもちきりであった。

竜狩りのサムを倒し!

魂食いのググルを倒し!

たった一人で3000人を斬り倒し!

何百もの王国を救い!

数多くの伝説を持つ男。

No.29 08/06/30 19:59
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 28 【タカ伝】

「諸君ら…失礼する」

夜空に輝く星たち。

そんな天から一人の男が降ってきた。男は土煙を上げながら着地するとマントを翻し、剣を抜く。

「だ…」

一瞬硬直した兵士たちだが、流石は訓練された兵士たちだ。直ぐ様、状況を判断し各々の武器を構える。

「動くな!何者だ!」

「私か…私はタカ。私が進む道に立ちはだかるなら斬る」

銀色に輝く剣は彼の心を移すように純粋な力をあらわしている。そして、その剣に刻まれたエルフ族の紋章は彼の強い意思をあらわしているかのようだ。

「と…止まれ!」

ただ、彼は真っ直ぐ白塔の入口へと進んでいく。兵士たちは手を出すことなく後退りして、道をあけてゆく。

「ま…待って」

圧倒的な実力差。たとえ千人いや二千人いようとも勝てないとここにいる兵士たちは思った。

それほど圧倒的…

「こ…これが…世界最強…」

絶句する兵隊を残し、タカは白塔へと消えていった。兵士らも数多くの場数を踏み、危険を乗り切った戦士たちだ。だが、そんな経歴すら子供騙しに思えるしまう…

「世界最強の剣士…」

そこにいる誰もが一同にそう口にした。

No.30 08/07/01 11:53
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 29 【タカ伝】

永遠に続いているかと思うほど長い螺旋上の階段は《永久(トワ)》の象徴のようである。

「綺麗なところだ」

白塔の中は潔白の白だけの世界であった。そんな螺旋階段を一人の男が上っていく。

薄汚れた帽子に年期の入ったマントを被り、とても身なりが綺麗とは言えないが、彼からは気高い気品がなぜか感じられる。

上や下の方向すら見失ってしまう。不思議な空間である。異次元の世界なのであろうか。

上を見やげれば地平の彼方を見ているように階段が渦を巻き、何処までも続いている。

階段を一段一段、踏みしめる音以外には何も聞こえない。

この空間は時間が止まっているのだろうかという錯覚すら与えられる。

男はただ先を見つめひたすら階段を上っていった。








《永遠》の平和


だが、この白塔ですら実現できないそれは…

世界が手にすることができるのであろうか。

No.31 08/07/01 12:40
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 30 【タカ伝】

「ふう」

男は足を止めた。

何時間のぼってきただろうか?

気が遠のくほど続く螺旋階段に流石の彼も弱音の色が顔に出てきていた。

茶色い帽子を脱ぐ。汚れでその色になったのか、元々だったのかあやしい帽子を彼は傍らに置くとゆっくり腰を下ろす。酷使してきた身体が一気に楽になってゆく。

マントを翻し、腰につけた水袋(動物の皮を張り合わせたもの)を手にとり、渇いた喉に水を流し込んでいく。

つかの間の休息…

彼は無言で上を見やげながら町で買った携帯食料レンバスを口に運んでいき満足気に味わっていく。

幼き頃から食べ馴れた味だ。

だが、ここ数年は一度も口にしていなかった。

香ばしい香り、懐かしい味に思わず涙腺が緩む。

戦いに明け暮れる日々、頂点を目指し戦ってきた。

この螺旋階段を上っていくように、ひたすら上へ上へと進んできた。



だが、彼が得た物はなにもなかった。

失うものは大きかったが、得られたものなどただの称号だけ…

《世界最強》

つまりは

《孤独》

という名だけだった。

No.32 08/07/01 12:59
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 31 【タカ伝】

目の下や口回りに深く刻まれた皺(シワ)を指でなぞっていく。

その行為自体に何の意味もない。ただ、彼の癖になっていた。

エルフ族は老いをしらない種族だが、エルフであるはずの彼は年老いていく。

なぜ彼だけなのだろうか。

なぜ皆とは違い彼は醜くなっていくのだろうか。

なぜ?

しかし、彼は受けいれていた。

彼は多くの者を殺してきた。

殺めたのは悪の道に走った者だけではある。

しかし、所詮は偽善者なのだ。

己は殺めることで解決する野蛮な生き物…と彼は言う。

彼が殺してきた者たちの呪いなのだと…

彼の背中は世界の裏の側面を語っていた。

世界には多くの英雄と呼ばれる者がいるが彼らも人殺しと同類。いや、正義を盾に人を殺めている彼らのほうがよっぽどの悪人なのかもしれない。

矛盾の上で成り立つ世界は…













脆い。

No.33 08/07/01 14:09
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 32 【タカ伝】

「鼠が迷いこんだようですね」

白塔の天辺に位置する《天の間》と呼ばれる場所に女はいた。

黒い肌とは正反対の白いドレスを纏(マト)った美女である。

《美しい》という言葉は彼女のためにあるのかもしれない。

「しかしながらご安心を…侵入者は魔法階段を永遠にのぼり続けることになりましょう」

女に頭を下げ、ダークエルフの老人たちは言う。

「いえ。彼はここにくるでしょう。塔は彼を呼んでいますから」

女は笑みを浮かべ、天の間の中央にある泉に素足をつける。

泉の水面に映し出された男の映像は波紋によって乱れ、虚しく拡がっていく。
















「しっかり下準備をしてくれば良かったな」

一人で旅を続けてきた彼は独り言もまた癖になっていた。当然だれからの返事があるわけではない。

この階段がいつまで続くのか分からない以上、それなりの準備なしにこれ以上進むのは危険である。そんな不安を彼は口にしたのであった。

だが、引き返すことはしなかった。

今の彼は例え目の前に死が待っていようと躊躇することなく飛び込んでいくだろう。

彼が望んでいるものは一つ

安らぎだ。

たとえ

それが

死だとしても…

No.34 08/07/03 21:45
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 33 【タカ伝】

天空をも見下ろすこの塔は誰か何のために創ったのだろう。

そして、何ゆえ彼をここに歩ませたのだろうか。

幾多の強敵を倒し

世界最強の名を手にいれた。

長年目指してきた地位についた彼は自然と足がシーラ星に向いていた。

そして、今、故郷の地を踏んでいる。

だが、祖国は結界を張り、固くその口を閉じていた。まるで彼を受け入れるのを拒むように。

しかし、彼は諦めきれずに《安らぎ》を求め、国へ入る手段を探っている。

そして、ここ白塔に行き着いたのだ。

偶然と運命は紙一重、彼がここにやってきたのも運命なのかもしれない。

「あれが…頂上か」

帽子を深く被り直す。彼の見つめる先にはついに階段が途切れる場所があった。まだ距離はあるが先程からの道程を考えれば大したものではない。早やる気持を抑え終着点へと上っていく。

No.35 08/07/08 21:24
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 34 【タカ伝】

近づけば近づくほどそれに魅了されてゆく。

階段を一歩踏み間違えれば塔の奈落に落ちてしまうが、彼ですらそれに目を奪われ、おぼつかない足取りで残り少ない螺旋階段をのぼっていく。

頂上にあったのはこの世のものとは思えぬ美しい扉であった。それには戯れる数人の美女が描かれいた。だが、ただの絵ではない。その絵は動き、タカに向かって微笑み手を振っている。

この扉の先に大賢者マリーンがいるのだろうか。

手を振り歓迎する絵の美女たちに思わず、彼も口元が緩む。

だが、それもつかの間であった。

突然、扉が開き、美女たちは見なくなってしまう。

「止まられよ。旅人よ」

代わりに白装束のダークエルフたちが現れ、やっとの思いで天辺に辿りついたタカへと杖を向ける。

「私はタカ。大賢者マリーン殿にお会いしたく参った。盗賊まがいの行為…非礼を御詫び致す」

「残念ながらそれは叶わぬ願いだ。帰って頂こうか」

魔法使いたちが持つ杖が鈍く輝き始める。

その行為が何を意味するか彼は理解していた。だが、剣に触れる素振りすら彼は見せない。

No.36 08/07/09 18:02
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 35 【タカ伝】

ダークエルフたちは呪文を唱える。彼らの持つ杖は輝きを増し、タカは鈍い光に包まれていく。

賢者クラスの魔力を持つ魔法使いが八人。タカは冷静に状況を見極めていた。

その気になればダークエルフたちが呪文を言い終える前にその首を切り落とすことも彼なら造作もないことであったが、移動魔法を唱えられ強制送還されようとしても手を出すことはしなかった。

「度重なる失礼をお許し下さい」

タカはマントを翻し、しゃがみ込むと右手の袖の裾を捲り上げ、その小麦色の逞しい腕をあらわにした。

筋肉質の腕には黒い刺青が入っている。

現在使われているどの文字とも類しない。

文字のような絵のような。

彼の腕に刻まれたそれは…

何故か懐かしいくて
何処か恐ろしくもある。

「そ、それは…」

その刺青を目にしたダークエルフたちはどよめく。彼らの放った魔法はその文字に吸い込まれ、完全に無効化した。


この世にあってはならないその文字…

「貴殿らの魔法は私には通用しない。まだ私のゆく道を塞ぐおつもりなら覚悟されよ。賢人とあれど容赦は致さぬ」

鷹のような鋭い眼光は賢者たちすら恐れをなして退いていく。

No.37 08/07/13 15:04
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 36 【タカ伝】

「失われし文字!」

「呪われし文字!」

「破滅・滅亡の象徴!」

ダークエルフたちはわめき声を上げながら尻餅をついていく。

「世界最強の男よ。それは世界が持つべきものではない!世界を破滅されることになるぞ!」

腰を抜かす賢者たちの間を歩いていくタカの足を一人が掴むが、微力なその手をタカは簡単に足払う。

「この文字は本来そのような意味ではない。世界は失ってはいけないものをなくしてしまっている」

独り言を言うように彼は呟く。

その目は遥か遠くを見つめていた。

世界の行く先を…

「では、失礼致す」

ダークエルフたちの脇を通り過ぎ、タカは大賢者の待つ《天の間》へと入っていく。

No.38 08/07/13 15:52
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 37 【タカ伝】

「貴方が大賢者マリーン殿ですか…」

中央に小さな泉がある白一色の部屋。

そこに一人の美女がいた。

泉で水遊びをする彼女。

水しぶきの輝きは更に彼女の美しさを際立て、見るものを魅了していた。

「あら、私が大賢者で不服かしら?」

「いえ。これほど美しい方とは思ってませんでしたので…」

微笑む彼女に思わず顔を赤らめるタカは場が悪そうにマリーンから目を反らした。

「私も世界最強の男はもっと逞しい人だと思ってたわ。意外と普通ね」

ドレスを靡かせて、泉から上がると彼女は杖を手にする。

白い杖には無数の鈴がついており、彼女が動く度に心地よい鈴の音が奏でられる。

チャリン

「大賢者殿にお聞きしたいことがあり、無礼を承知で参りました」

「ふふ。故郷に帰りたいんでしょう?」

「はい。流石は大賢者殿…全てお見通しですか」

彼女はタカへと近づき、杖の先端についた水晶で彼の右腕を指す。そして、小言で呪文を唱える。

「まさか…ここにも」

「ええ。貴方が探している7つの失われし文字の一つがここにあります」

彼の腕に刻まれた3つの文字は鈍く金色に輝き、そして新たな文字が浮かび上がってくる。

No.39 08/07/13 16:18
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 38 【タカ伝】

彼はなぜ?

失われし文字を集めているのだろうか?

なぜ?世界はその文字を失ったのだろうか?

なぜ!?

なぜ!?

なぜなのだろうか。

世界は多くのもを犠牲にして成長してきた。

繁栄の影にある

醜き部分。

魔法も例外ではない人々は犠牲の上、手にした力であるのだ。

世界の人々は知らない失ったものの大切さを…

だが、彼は違う。

彼は失ったものを忘れはしない。


彼という表現ではおかしいのかもしない。

この文字はタカ一人で集めてきたものではないのだから。

世界最強の名を持つ歴代の強者、彼らがこの文字を探し、次なる世代の強者、後継者に引き継いできた。

世界は忘れようと彼らは忘れない。

その身に刻まれし

文字の意味を…。

























《予言書》の最後にはこう書かれている。






世界は彼が救うだろう。と…

No.40 08/07/21 16:25
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 39 【タカ伝】

「4つ目か…」

脈々と強い輝きを放ち、彼の腕には4つの文字が刻まれていた。

それは

世界最強の称号を手にした者に与えられる使命(枷)なのだ。

世界のために集めなくてはならない。

その身に刻まれた文字は…

とても重いことだろう。

「貴方はまだやり残したことがあるわ。故郷に帰るのはお早くなくて?」

可憐な美女は微笑みを浮かべながら彼を見つめた。

「この《失われし文字》を集めるまで…私に平穏はないと言いたいのですか?」

少しの沈黙のあと彼はそう口にした。その言葉にはいつもの力強さがなく、何処か不安な部分も含まれている。

「いえ。貴方では全て集めることはできない…それは貴方の宿命ではないもの」

「貴方は強い…でも永遠に世界最強の名をなのることはできはしないわ。誰だって力は衰えていくし生まれてくる新たな世代の者にとって代わられるものなの。いえ…代わらないといけないの」

「それが世界の均衡であって…ルールよ」

視界は突然、閃光に包まれていく。

こだまする彼女の声。

霞んでゆく彼女の姿は…

美しかった。

No.41 08/07/23 14:17
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 40 【タカ伝】

強風に煽られる一人の男。

彼は遠く彼方に聳(ソビ)え立つ白塔を見つめていた。それは規格外に大きく、美しい塔であった。

そして、母の温もりを感じる不思議な場所でもあった。

だが、塔は彼を受け入れることはしない。

男にはやることが残っていると言って・・・・

「ここにはまだ私の居場所はないらしい」

男に追い討ちをかけるように風は更に強さを増し、小雨が降り始めた。

黒い雨雲を突き抜ける白塔をいとおしく見つめる男は何を想っているのだろうか。

悲しみに満ちたその目は何を見ているのか・・・

天候にも見放された男は古びた帽子を深く被り直し、足取り早く次なる地へ向かうのであった。

次なる地。

次なる戦いへと歩む彼の背には雨に打たれまるで泣いているかのように見える白塔があった。















《終》

No.42 08/07/23 14:43
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 22 本編再開 ⑯リード「世界は我ら連合軍に屈する運命なのだ。いくら足掻こうとも」 見渡すかぎりを埋め尽くす数万の連合軍艦隊。 その艦隊から… 本編再開

⑦凱「きやがった!」

レザーに捉えた政府軍艦隊の信号が次々と消えていく。

それが、何を意味するのか凱は瞬時に理解した。

一瞬にして数万の人々の命がX砲に飲み込まれているのだ。悲鳴すら叫ぶ暇すら与えられず、その生命を奪われている。

⑦「くそ。なんで…」

凱は歯を食いしばり、ただ、その場に立ちつくす。

自分には何もできない無力さに怒りを感じていた。















⑱ドグロ「フォースフィールド!!」

目の前に迫る膨大なエネルギーの塊であるX砲に飲み込まれていく政府軍艦隊は勢いを妨げる抵抗にもならず、X砲はその脅威をなくすことなくキングを襲う。

対して、キングは全体を覆う青白い光が、その宿主を守るため強さを増し、輝きはその強固さを表していた。

ゴオォォォォォォ~!!!

No.43 08/07/25 13:47
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 42 大河のようなX砲はキングすら軽々と覆う。キングはその膨大なエネルギーを受け止め、勢いに押されてゆく。

ミスチル「ドグロ様!!」

⑱ドグロ「慌てるなぁ!キングはこれしきで…ッ!やられねぇよ!」

キングの心臓部の内壁は燃えあがるように赤く染まっていく。大きく振動するキングからはX砲の衝撃の強さが伺える。

③セレナ「きゃあ」

①クリス「セレナ!大丈夫!?」

振動で左右に振られるセレナをクリスは支える。二人は不安そうに真っ赤に染まったキングを見守る。













②ハーク「お…っと」

レッガ「大丈夫ですか!」

②「うむ。足を少し取られただけじゃ」

⑭キック「キングは耐え切れるでしょうか?」

余りの振動の不安からかキックはそう口にした。問われたハークはゆっくり目を瞑り、キングの内壁に手を当てる。

②「耐えるよ。この子は強い。さて…儂らは早くクリスたちと合流せねばな」

レッガ「はい。おそらく心臓部に居られるかと!こちらです!」

ハークたちもまた心臓部へ向かうのであった。

No.44 08/07/27 14:19
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 43 ラ・ドル「美しい。彼女ほどではないですけどね」

⑪リオ「何をのんきなこと言ってるんだよ!」

心臓部はキングの核であり、目で見た画を映像として表示する場所でもある。すなわち、キングの見ている物を移す鏡のようなところである。しかし、今は金色の光以外はなにも見えない。

つまりはX砲の中であると言うことである。

ラ・ドル「貴方も美しくと思いませんか?我が親友よ?」

⑪「X砲に今まさに飲み込まれてるんだよ!のんきに感想なんて言えないよ!」

大きく振動する中、必死に壁に掴まるリオは冷静なラ・ドルに感情的に言うが、ラ・ドルは杖の先端についた頭蓋骨(彼女)を撫でながら笑っている。

①「大丈夫なの?どんどん押されてるわ!!」

⑱ドグロ「うっ!予想以上に強力な力だな…だが、大丈夫だ…多分な」

ゴオォォォォォォ

①「えっ?最後?なんて言った?」

③「多分と私には聞こえましたけど」

⑱「……」

ミスチル「ドグロ様!黒の惑星!大気圏内へ押されていきます!このまま押されるとあと25秒で大気圏です」

心臓部の中心にある操縦席に座るドグロの周りには心配そうなクリス・セレナ・ミスチルがいた。

No.45 08/07/27 14:37
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 44 X砲がキングを捉えた同時刻、連合軍艦隊は黒の惑星へ向け進軍を開始していた。その兵力は政府軍と比べるまでもなく圧倒的で、巨大である。

⑯リード「軍義・戦義よ」

軍義「はっ」

戦義「はっ」

将軍が呼ぶと何処からともなく白仮面を被った剣士二人が現れた。

⑯「キングは思ったより丈夫なようだ。直接、キングの飼い主を消すとしようか」

軍義「はっは。ドグロなぞ我が手にかかれば赤子同然」

戦義「我ら二人にお任せを」

⑯「頼もしいな。だが…奴らは多い。ハジリス副将軍率いる奇襲部隊も同行させよう」

剣士二人が後ろからの気配を感じ振り返る。やってくるのは漆黒の鎧に身をつけた兵団であった。

④バジリス「腕ききの戦闘兵を3000人用意致しました」

⑯「では、行けお前たち…私(連合艦隊)が到着するまえにキングを壊滅させよ」

リード将軍は二本の杖を天に掲げる。

そして

一呼吸置き、移動魔法の呪文を唱えた。

No.46 08/07/27 14:54
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 45 ミスチル「大気圏に入ります…ッ!!」

ミスチルの一言と同時にキングは大きく揺れた。危うく飛ばされそうになったセレナ・リオをクリスとラ・ドルがそれぞれを支えた。

ゴオォォォォォォ

ガガガガガガガ!!

⑱「くっ…」

ミスチル「ドグロ様!大気圏突破しました!この…がぁ!!」

激しい揺れにミスチルが堪えかね、壁に叩きつけられる。慌てて、クリスが代わりにドグロの脇につきパネルに目をやり、状況を言う。

①「くっ。このスピードでは地上に叩きつけられるわ!!もっとスピードを落として」

⑱「無茶言うな!X砲が消えないかぎり減速どころか!コントロールもままならねぇよ!」

X砲は大気圏を通り、威力は衰えているが消えはしない。このまま押さえ込まれ、地上に叩きつけられればキングとてただではすまないだろう。

①「このスピードで行ったら3分後には地上に激突よ!」

⑱「うぅ。いちかばちかに出るしかねぇ!!フォースフィールド(シールド)にエネルギー100%つぎ込んでるが…50%に押さえて残りを原動機に注ぎ込む!!」

No.47 08/07/27 15:09
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 46 ①「でもそれじゃ…っ!!」

シールドのエネルギーを半分にし、原動機に回せば確かにブースター噴射により減速できるかもしれない。だが、100%の出力のフォースフィールドですらここまで押されたのだ。はたして、半分の力で耐えれるのだろうか。

⑱「どのみち、放っておいても粉々になるなら!最後に賭けといこうや!なぁ嬢ちゃん!」

①「ふッ。博打は好かないが…この状況だと一番いい選択かもね」

⑱「はッ!じゃあ、いくぜ!!!!」

ゴオォォォォォォ!!!

キングの揺れが増す。今にも空中分解しそうな揺れに立つことさえ困難になる。

耳を塞ぎなくなる騒音に耐えながら必死に周りのもの掴まるクリスたちを含み、数百万の乗組員(銀狼)たちの殆どが死を覚悟したことだろう。

神に祈る者。

泣き叫ぶ者。

気絶する者。

逃げようとする者。

様々な思いとともにキングは地上に墜落した・・・

No.48 08/07/27 15:30
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 47 おそらく、黒の惑星を飛び越え、宇宙空間まで轟いただろう轟音を上げ、キングは墜落した。

小惑星規模のキングが墜落した衝撃は想像を絶するもので、黒の惑星の2分の1渡っての巨大なクレーターができている。

しかし、大量の砂ぼこり舞い墜落したキングの様子は伺えない。

















⑱「くっ…生きてるか…っ」

頭を抱えながらドグロは立ち上がった。そして、心臓部のこの部屋を見渡す。損傷らしい損傷は見当たらない。

キングは生命体だ。それも強い生命力をもつ船なのだ。心臓部さえ無傷ならどんな損傷でも一週間で完治してしまう。

ミスチル「お二人ともご無事ですか!?」

①「あぁ」

③「えぇ。ありがとう」

クリスとセレナも手を借りて置き上がる。あれほどの衝撃だったにも関わらず、どこにも怪我はしていない。

⑱「礼を言わなくてはな。そこの魔法使いに」

ドグロは割れた黒眼鏡を捨て、新たに同じ黒眼鏡をかけ直すとラ・ドルを見る。

ラ・ドル「いえいえ。お礼などいりませんよ」

⑪「ラ・ドルが墜落する前に魔法で僕たちの身体を保護してくれたんだよ!」

No.49 08/07/27 15:46
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 48 ③「ありがとう。ラ・ドル。貴方が助けてくれなかったら死んでいました」

ラ・ドル「ふふ。彼女ほどではないが…お美しく貴方を死なせるわけにはいきませんよ」

心臓部の内壁はキングの視界を正常に映し出しているが、砂嵐以外は何も確認できない。

ミスチル「ドグロ様。我々は助かりましたが…」

⑱「……」

ここにいる6人はラ・ドルの保護魔法で助かったが、他のキングに乗る数多くの銀狼はどうなったのだろうか。あの衝撃の中、銀狼と言えど無傷ではすまないはずだ。

③「見にいきましょう!怪我人もいるはずです!」

ミスチル「はっ」

心臓部から出ようとクリスたちが出口に向かおうとした時、扉が開く。

⑤セロ「皆、無事か!?」

デビル「おいらは無事だけどね」

宇宙海賊艦隊を収納後に凱たちと合流するため、心臓部から出ていったセロたちが入ってきた。

⑦凱「おっ!元気そうじゃねぇか。慌ててきて損したぜ」

その後に続き凱もやってきた。

①「皆!無事でよかった…でもどうやってあの衝撃を…」

⑦「あぁ。なんかよぅフワフワした光が身体を覆って守ってくれてな」

No.50 08/07/27 16:08
カズ ( 20代 ♂ wYw8h )

>> 49 ③セレナ「他の人たちは?」

②ハーク「心配いらんよ」

キックに支えられながらハークも心臓部にやってきた。だが、表情に精気がなくやつれており、今にも倒れそうである。

①「ハーク様。一体どうなされたんです!!」

クリス・セレナは慌てて、ハークに駆け寄り手を貸す。

ラ・ドル「師匠!ここにお座り下さい!直ぐに癒しの魔法を…!!」

ラ・ドルが魔法で出した椅子にハークを座らせると

⑭キック「ハーク殿は墜落の衝撃からこの船の乗組員全員を守って下さったんだ…その時、大量魔力を使われてしまった」

キックはこうなってしまった経緯を話した。

ミスチル「数百万人をあの衝撃から守られるとは…流石は大賢者です」

レッガ「だが!その代償は大きい。ハーク殿は休養が必要だ…だが、敵は目の前…連合軍の将軍と渡り会えるのはハーク殿しかいないのに…言葉を慎めミスチル!」

ミスチル「すまん」

レッガ隊長も数人の戦闘員を連れ少し遅れて心臓部にやってくる。

③「ラ・ドル!ハークは大丈夫なの!!」

①「セレナ!邪魔しちゃだめだ!彼に任せておこう!」

泣きながらラ・ドルに詰めよるセレナをクリスは止める。

  • << 51 ラ・ドル「ぎりぎりか…これなら大丈夫そうだ」 呼吸が乱れたハーク の胸に杖を当て、呪文を唱える。 ②「手間をとらせてすまんのぅ」 ラ・ドル「何をおっしゃる。少しの間お休み下さい」 すると表情は急に穏やかなり、瞼がゆっくりと下がっていくとハークは眠りについた。 ⑱「どうやら己の限界は越えていないようだな。流石はハーク殿か…」 魔法使いは己の器(魔力)に応じた力しか使うことが出来ない。だが、時として己の器を超え力を使うことがある。器を超えた力を使い続け限界を超えればマリーンのように再起不能となってしまうのだ。だが、今回のハークの場合は限界寸前であったようだ。 ラ・ドル「数時間もすれば魔力も戻り目を覚まされると思います」 セレナ「良かった」 その言葉を聞き、皆が安堵する。 しかし それも束の間であった。 ドガアァァァァァン!!! ⑦「なんだ!?」 連鎖的に爆発が起こり、そして、白仮面を被った剣士が現れた。黒いボディスーツを身につけ、その下には鍛え抜かれた筋肉のラインが描かれている。 軍義「死んでもらうぞ」 剣士は骨のような白い剣を抜き、姿を消す。
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