―桃色―
世の中の男性が、全て同じだとは思って無い。
「私の付き合う人達」が特別だって、分かってる。
でも…
昔からことごとく浮気されて、今の彼に限って私は4番目の女…
そりゃ、男を信じられなくなるでしょ。
ただ、甘い恋がしたいだけなのに…
「おめでとう」の言葉も、プレゼントも無いまま、彼の腕の中で30歳の誕生日を迎えた―
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祐輔は、焦げたハンバーグを美味い美味いと残さず食べてくれた。
食べ終わった食器を洗っていると、ソファーでくつろぐ祐輔の視線を背中に感じる。
「…あのさ」
「何?」
「リコは俺の事ばかり言うけど、リコの事も狙ってるヤツがいるの知ってた?」
「えー?知らないよ」
私はエプロンを外しながらソファーに向かった。
「田代さん、リコが好きなんだって」
「田代さんがぁ!?」
田代さんは、私の2歳年上で先輩だ。
イケメンの部類に入る人で、私と同じぐらいの女性社員は、結構狙ってる人がいる。
私は、仕事絡みの会話しかした事が無い。
「誰から聞いたの?」
「今日、喫煙ルームで本人からリコの事を色々聞かれた」
「色々って?」
「彼氏いるのかとか、趣味はとか…。
最近、俺達が一緒に飯食ったりしてるのがかなり気になるらしい…」
祐輔はクッションを抱えて小さく丸まった。
「それで、祐輔は何て答えたの?」
「俺もリコに片思いしてますって…」
「田代さんは?」
「お前には負けないからって…」
祐輔はクッション越しに私を上目使いで見ている。
私はフッと笑って、祐輔の頭を撫でた。
「明日、田代さんに俺達の事言っていい?」
「ん…いいよ」
安心した表情を見せた祐輔が、私の膝に寝転んだ。
「他の男に想われて、嬉しい?」
「嬉しいって言ったら?」
私は少しイジワルっぽく聞き返した。
「ヤダ…」
祐輔は悲しい表情で私を見上げている。
「明日、きっかけがあったら、私もみんなに言うね?」
そう言うと、祐輔はニコッと笑って私の膝の上で甘えてた。
― よしっ!私、頑張る!!
― 翌日
今日の私はいつもと違う。朝から気合いが入っていた。
この気合いは、仕事に向けられたモノじゃないけど…
(さて、どのタイミングで言おう…)
そう、これが問題…いきなり女の子達に声を掛けて打ち明けるのも変だし、まして今ここで大声で公表する訳にもいかず…
そんな事を考えながらパソコンと向き合っていると、後ろから肩を叩かれた。
里沙だと思って振り向いたら、田代さんだった…
「神谷さん、これ…コピーお願い」
「あ、はい…」
昨日、祐輔にあんな事を聞いてしまった為か、変に意識して田代さんの顔が見れない…
差し出された書類を受け取り、祐輔の方に目線を移すと、祐輔は合図をするように小さく頷いた。
私もそれに答えるように頷いた。
「田代さんっ!ちょっと、タバコ吸いに行きません?」
祐輔が田代さんに声を掛け、二人はオフィスを出て行った。
― キーンコーン…
二人が出て行ったと同時に、昼休みを知らせるチャイムが鳴った。
(時間が経つのが早いな…)
祐輔がどうゆう風に田代さんに話すのかが気になったけど、とりあえず里沙と食堂に向かう事にした。
「ごめん、私トイレ行きたい」
「あ、なら私もっ」
私は足早にトイレに向かう里沙を追い掛けた。
― キャハハハ…
トイレの個室に入ると、若い女の子達の笑い声が近付いてきた。
どうやら、鏡の前で話しをしているらしい。
「そういえば、木村先輩と神谷先輩と田中先輩…変に仲良くない?」
話しの内容から、同じ部署の子達みたいだ。
出るに出れなくて、私は個室の中で息を潜めた。どうやら里沙も同じらしく、隣の個室から出る気配が無い。
私達は、彼女達の話しに聞き耳を立てた。
「仲良いって言っても、一緒にお昼ご飯食べてるだけじゃん?」
「でも、木村先輩って『リコさん』って呼んでない?あの二人が怪しい感じ?」
「私もそれ思ったぁ。本当なら最悪~」
「でも神谷先輩って営業部の人と別れてから、あまり間空いてないよね?」
「若い男に乗り換えたって事?」
「遊んでないで、さっさと結婚しろよって感じ~」
「言えてる~」
キャハハハ…
(言わせておけば、言いたい事いいやがって…)
ワナワナと怒りが込み上げてきた。
(ええいっ!今だ!!)
― バンッ
(あれ…?)
私がドアを開ける前に、隣の里沙の方のドアが勢いよく開いた。
「田中先輩っ!?」
女の子達の恐怖混じりの、驚いた声が聞こえる。
(出そびれたぁぁ…)
今更威勢よく出れるはずもなく、個室の中でドアに張り付いていると…
「リコ、出ておいでよ」
里沙が低い声で私を呼んだ…
私は、そろ~っとドアを開けて顔を出した。
「…っ!?」
私の姿を見た女の子達は、声を無くしている。
「アハハハ…」
私は苦笑いするしかなかった。
目の前に居る5人は、今年入ってきた新人の子達。
みんな俯き加減で顔を見合わせているけど、ただ1人だけ、私を睨み付けていた。
白石紗英、23歳。社内で結構人気のある女の子。
祐輔をデートに誘ったりと、かなり積極的な子だ。
里沙は、腕組みをして彼女達を睨んでいる。
「あの、えっと…」
言い訳しようにも言い逃れが出来ない彼女達は、お互いに助けを求めるように目をキョロキョロさせていた。
そんな周りの子達を差し置いて、紗英が鋭い眼差しで、一歩私の方に近付いてきた。
「神谷先輩」
「な、何かしら?」
すごい剣幕で睨み続ける紗英に、私は必死で平静を装った。
「木村先輩と、どういう関係なんですか?」
(ナイス質問!!)
私は祐輔との事を打ち明ける絶好のチャンスに、心の中で小さくガッツポーズをした。
「どういう関係って、私と祐輔は、つ…付き合ってるけど?」
精一杯気取って言ってみた。
「えっ…!?」
俯いてた子達は、一斉に私の顔を見る。
そして、身を寄せてコソコソと話しだした。
(やっと、やっと言えた…)
打ち明けた事への達成感と、この後どんな事言われるのかという不安で、体が少し震えた。
「最悪…」
「は…?」
紗英が驚く程の低い事で呟いた。
とまどう私に、紗英は冷たい視線を送り続ける。
「木村先輩の事、本気なんですか?
ただ、若い子と遊びたいだけなんじゃないですか?」
「は、はぁっ!?」
よくもまぁ、こんな事を先輩に向かって言えたもんだ。
さすがの私も、眉間にシワを寄せて不快感をあらわにした。
「本気に決まってんでしょ?祐輔とは、もう一緒に暮らしてんのよ?」
どうだっ!と、言わんばかりに紗英を睨みつけた。
そんな私をあざ笑うかのように、紗英は顎を突き出して腕組みをした。
「木村先輩に、いくら払ったんですか?」
「何を言って…」
「だってそうでしょ?お金でも払わなきゃ、木村先輩がおばさんなんかと付き合うはず、無いじゃないですかぁ?」
「紗英っ!ヤバイって!」
さすがにマズイと思った後ろに居る子達は、紗英の肩を後ろから揺さぶっている。
紗英はその手を振り払い、続けた。
「神谷先輩、前の彼氏と別れてから、どのぐらい経ちます?」
「2ヶ月ちょっとだけど…」
「木村先輩と付き合い始めてからは?」
「に…、2ヶ月ぐらい…」
たまらず俯く私を、紗英は呆れたように鼻で笑った。
「ますます最悪」
「あんた、いい加減にしなよ!!」
今まで黙ってた里沙が、さすがに我慢できなくなったのか、大声で紗英を怒鳴りつけた。
ものすごい剣幕で睨む里沙を、紗英は横目で見ながら微笑した。
「そうやって大声出せば、私がビビると思ってるんですか?
私、喧嘩には慣れてるんで。
田中先輩には関係無い事なので、黙っててもらえます?」
馬鹿にしたような言い回しの紗英に、さすがの里沙もア然として言葉を失った。
「…白石さんは、どうしても私と祐輔の事を認めたく無いみたいね?」
私は、必死で大人の対応をした。
「当たり前じゃないですかぁ。私だって木村先輩の事、本気で好きなんですから」
「でも、祐輔はあなたの気持ちには応えられないって言ってるけど?」
「私は、木村先輩を振り向かせる自信ありますから」
(何言ってんの?この子…)
呆れ返る私と里沙をよそに、紗英は自信満々の表情をしている。
「どんなにあなたが頑張っても、祐輔があなたを好きになるとは思えないんだけど…」
私は同情の目で紗英を見た。
「なら、試してみます?」
「は?」
「木村先輩が私を好きになるかどうか」
「一体何を…?」
「神谷先輩から、木村先輩を奪ってみせます」
「…っ!?」
私と里沙は、ポカンとしながら顔を見合わせた。
「あなたに祐輔は渡せ無いわ?
私も本気で祐輔の事が好きだから」
「私の方が、木村先輩を好きな気持ちが強いと思いますけど?」
この自信は一体どこから来るのか…
呆れて言葉も出ない…
「神谷先輩」
「ハァ…。なに?」
「宣戦布告します」
「…なにを?」
「木村先輩を神谷先輩から奪います」
「だからねぇ…」
「失礼します」
「えっ!?ちょっ…」
紗英はプイッと私達に背を向けて、スタスタとトイレを出て行った。
残りの子達も軽く私達に頭を下げて、紗英を追い掛けた。
残された私達は、しばらく立ち尽くした。
「リコさん…?」
「なんでしょう、里沙さん…」
「面倒な事になりましたね…」
「そうみたいですね…」
イライラが振り返してきて、グァ~ッと顔を掻きむしった。
― キーンコーン…
虚しく、昼休み終了を知らせるチャイムが鳴り響く…
「うそ…?」
「ご飯抜きぃ…?」
私達はヘナヘナとその場にしゃがみ込んだ。
― 白石紗英…
面倒臭い子に絡まれたな…
午後は…
もう仕事どころでは無かった。
あまりの空腹と、紗英に対するイライラと…
祐輔が昼休みから帰って来た時は、満面の笑みでピースをされた。
多分、田代さんに上手く話せたんだろう。
でも、私は苦笑いする事しか出来なかった…
私の様子を不審に思った祐輔の視線が、パソコン越しに突き刺さっていたけど、気付かないフリをし続けた。
それと同時に、周囲からも冷たい視線を浴びていた。そして、コソコソと話す声も…
(紗英達が、私と祐輔の噂を広めているんだろうな…)
安易に想像がついた。
だけど苛立ちの方が大き過ぎて、周りの事なんか気にならなかった。
多少仕事が残っていたけど、今日は定時のチャイムと同時に、ロッカールームに走った。
制服から私服に着替え終わると、さっきまで身を寄せ合ってコソコソしてた女子社員が、私と里沙を囲んだ。
「噂で聞いたんですけど…」
(はいはい…)
この子達が聞きたい事は分かってる。
「私と木村君は、真剣にお付き合いしています。今まで隠しててごめんなさい」
私は棒読みでみんなに公表をした。
噂が真実だと分かって、少しザワついた。
(芸能人でもあるまいし…)
多少予想はしていた事だったけど、いざとなると面倒臭い…
私はイライラが増してきて、早くこの場を立ち去りたい。
里沙も私の様子を見て、何も言わずにドアに向かって後ずさりを始めた。
里沙がドアノブに手を掛けたと同時に、反対側からドアを開けられた。
「あ…」
昼休みに紗英と一緒に居た子達が入ってきて、私の顔を見て気まずそうにしている。
その中に、紗英の姿は無かった。
なんか、ロッカールームの中の空気が重い…
息苦しい…
「あのっ、神谷先輩…」
相当勇気を出したんだろう。紗英の取り巻きの一人が震えた声で私の名前を呼んだ。
「…何?」
「あの…昼休みの時は…。
すみませんでしたっ!!」
「すみませんでしたっ!!」
一人が頭を下げたら、他の3人も声を揃えて頭を下げた。
「別に気にしてないし…」
ちょっと気にしてたけど…
本音を見透かされないように、私は目線を下げた。
「リコ、帰ろ…?」
この空気に耐えられなくなった里沙に手を引かれて、ロッカールームを後にした。
「大丈夫…?」
「うんっ」
心配そうな顔の里沙に、精一杯笑顔を見せて、会社の前で別れた。
私は帰りの電車の中で、ボーッと窓の外を眺めながら考え事をしていた。
― 年下の男の子と付き合う事が、そんなにいけない事なのかな…
どうして私が、コソコソ噂されて、冷たい視線を浴びなきゃいけないの?
不思議で仕方無かった。
紗英には、『いくら払った』とまで言われるし…
精神的に疲れ切った私は、アパートに着いた時にはフラフラだった。
部屋の中に入ると、真っ暗で静まり返っている。
祐輔はまだ帰って無かった。
とりあえず夕食の支度をしようと思ったけど、何もやる気がしない…
化粧だけ落として、ベッドに潜り込んだ。
「ただいまぁ?リコ~?」
(あれ…?)
どうやら少し眠ってしまっていたみたい。
祐輔の声に返事をする気力も無く、ベッドの中で丸くなっていた。
「リコどうしたの!?
具合悪いのっ!?」
何も言わずに寝転がる私を、祐輔が心配そうに揺さぶった。
「…大丈夫。眠いだけ…」
「本当に?」
祐輔の顔を見ていたら、ずっと我慢していた涙が溢れ出した。
「リコ…?」
声を押し殺して泣く私の手を祐輔は強く握りしめてくれた。
「会社で何かあった?」
一通り泣いてスッキリした私に、祐輔がコーヒーを入れてくれた。
私はコーヒーを一口飲んで、今日みんなに打ち明けた事と、紗英に言われた言葉と、みんなから冷たい視線を受けていた事を祐輔に話した。
「あ~、それでか…」
祐輔は何かを思い出したように、小刻みに頷いていた。
「どうしたの?」
「いや、今日帰る時に、白石がやたらと絡んできたんだよ。
うっとおしいから、『彼女居るから』って言ったら、『知ってる』って。『でも、私には関係無い』とか言われて…」
紗英の行動の早さに呆れた。
紗英に対する苛立ちから、私の体が強張った。
「リ~コ?」
唇を噛み締める私の背中を、祐輔が優しく撫でてくれた。
「白石の事は俺もなんか腹立つけど、上手く流すし、リコは何も心配しなくていいからね?」
「…うん」
「それよりもさぁ、なんか変じゃない?」
祐輔は納得いかない表情で、ソファーに寄り掛かった。
「何が?」
「リコが白石達に話したのが昼休みで、午後には、もうみんなに広まってたんでしょ?」
「何か変?」
「それにしても、広まるのが早過ぎない?
しかも、なんでリコがそこまで冷たい視線で見られなきゃいけないワケ?」
「…」
私は『さぁ~?』というように、首を傾げる事しかできなかった。
確かに言われてみれば…
私は手に持ったマグカップをジィ~ッと見つめていた。
「なんか、裏がありそう…」
「えっ?」
不安げに顔を上げると、祐輔は私の頭をポンッと叩いて台所に向かった。
「腹減った~」
「あ、ごめん。夕飯作ってない…」
「いいよっ、今日は俺が作るから!」
「祐輔料理できるの?」
期待の眼差しで祐輔を見ていると、ワイシャツの袖を捲くりながら、流しの下を物色し始めた。
「これぞまさしく、3分クッキング!!」
威勢よく立ち上がった祐輔の手には、インスタントラーメンが2つ握られていた。
「プッ…なんか、ガッカリ~」
「料理は愛情!!」
「まぁ確かに?」
クスクス笑っていると、テーブルに熱々のインスタントラーメンが並んだ。
「ところで、田代さんには言ったの?」
私が問い掛けると、ラーメンを口いっぱいに頬張った祐輔が、モグモグしながらピースをした。
「田代さんの反応は、どうだった?」
「ちょっと…いや、かなりショック受けてたみたいだったけど、『二人仲良くな』って言ってくれたよ」
「大人だねぇ~。誰かさんと違って」
「本当ねぇ~。誰かさんと違って」
私の口調をマネする祐輔と、顔を見合わせてケラケラ笑った。
「そういえば、最近クリームソーダ飲んでねぇなぁ~」
「そうだね。次の休みの日に『orange』行こうか?」
「わ~い!愛しのクリームソーダちゃんに会える!」
「クリームソーダにも、ちゃんと私達が付き合ってる事言ってよ?」
ツンッとしながら横目で祐輔を見たら、キョトンとした後に吹き出した。
「リコ、最高!!」
いつまでも笑い続ける祐輔に釣られて、私も一緒になって笑った。
― 大丈夫。
祐輔が紗英なんかに心変わりするはずが無い。
私は自分に言い聞かせていた。
でも、他の女の子達と溝が出来てしまった事が、少し寂しかった…
翌日からの紗英は…
本当にスゴかった。
仕事中も、やたらと祐輔の仕事を手伝おうとしたり、何度もお茶を入れ直したり…
紗英もタバコを吸うらしく、祐輔が喫煙ルームに行くと、その度に追い掛けて行った。
昼休みの時も、しつこく祐輔を誘っていた。
紗英が祐輔に絡む度に、祐輔は思い切り迷惑そうな顔をして突き放していた。
それでも紗英は、祐輔に話し掛ける事を止めなかった。
私も、紗英と話す事が出来る時は、
「いい加減にしたら?祐輔も迷惑がってるし…」
と何度も言い聞かせたけど、紗英は…
「邪魔しないで下さい」
の一点張りだった。
休みの日が来るまで、こんな日が続いた…
「ハァ~…」
「祐輔、大丈夫…?」
やっと土曜日が来て、私達は約束通り『orange』に来ている。
祐輔は愛しのクリームソーダを前にしても、溜め息ばかりだった。
「俺…疲れたよ…」
「そうだろうね…」
私はカフェオレに砂糖を入れて、スプーンでクルクル掻き混ぜ続けていた。
「あぁ、そうだ。
クリームソーダちゃん、紹介します。
彼女のリコです…」
「もぅ、いいって…」
いつもなら笑えるはずの祐輔の冗談も、今日はキレが悪くて笑えない。
紗英のあまりにも目に余る行動に、痺れを切らした里沙が、
「私からガツンッと言ってやる!!」
と言ってくれたけど、今回は断った。
私達の力で、なんとか解決したかったから。
でも今は、里沙の申し出を断った事を、ちょっと後悔している…
「どうしたらいいかな…」
遠くを見つめながらクリームソーダを飲む祐輔の頭に、一本の白髪があった。
(私がもっと強ければ…)
カフェオレを飲みながら、何気なくお店の出入り口の方を見た時、私の表情が一瞬にして凍り付いた。
険しい表情で一点を見つめる私に気付いた祐輔が、ゆっくり視線の先の方に振り向いた。
「ゲッ…!」
思わず声を出した祐輔が、慌てて体を小さくしてソファーに身を隠した。
『リコも隠れてっ!!』
祐輔は小さい声で必死に訴えている。
でも、私は身を屈める事無く、視線の先の人物を睨み続けた。
(この際だから、ここで決着をつけるべきか…)
視線の先には『白石 紗英』…
私は、空いてる席を探してウロウロしている紗英を見ながら、色んな事を考えていた。
私達の近くの席が空いてる事に気付いた紗英が、こちらに近付いてくる。
席に着いた紗英が、不意にこちらの方を見て、私達の存在に気が付いた。
「あ~!木村先輩だぁ~っ」
紗英は満面の笑みで、鼻にかかった声を出しながら近付いて来た。
祐輔は大きな溜め息と同時に、テーブルにうなだれた。
「木村先輩と、こんなトコで会うなんてっ!やっぱり、私達は運命の相手なんですねっ」
(たまたま偶然会っただけだろーが…)
私は何も言わずに横目で紗英を見ていた。
「あれ、神谷先輩も居たんですかぁ?全然気付かなかったぁ~」
(そんな訳無いだろっ!私…やっぱり、この子嫌い!)
紗英は、うなだれる祐輔の隣にグイグイ座ってきた。
「なんで座ってくんだよ…」
祐輔は俯き加減で紗英を横目で見た。
見るからに不機嫌そう…
「紗英も、木村先輩とデートするぅ~」
甘ったるい声で、紗英は祐輔の腕に絡みついた。
祐輔は、思い切り紗英の腕を振り払った。
そんな祐輔の態度に、紗英はプクッと頬っぺたを膨らませる。
「ねぇ、白石さん。
何でココに居るの?ハッキリ言って迷惑なんだけど…」
私が冷めた目で見ていると、紗英はタバコに火を付けた。
「家に居ても暇だったから、暇潰しにココに来ただけですぅ。
そしたら、木村先輩が居るんだもん!運命感じるしか無いじゃないですかぁ」
紗英は、頬杖をついて祐輔を見つめていた。
祐輔はクリームソーダを飲みながら、窓の外をずっと見ていた。
紗英が弾丸トークを浴びせても、顔色一つ変える事無く、無視したままだった。
「白石さん?今、私達二人の時間なの。悪いけど、席外してくれる?」
私は平静を装うのに必死だった。
紗英は私の言葉も聞かずに、祐輔を連れ出そうとしている。
私は呆れて溜め息をつくしか無かった。
すると、今まで黙っていた祐輔が口を開いた。
「白石…」
「紗英って呼んでくださいよぅ?」
「嫌だ。
あのさ、ハッキリ言って迷惑なんだけど。お前に興味ないし」
祐輔の冷たい言葉を聞いた紗英は、意味深な笑みを浮かべた。
「そんな事言っても、結局みんな、紗英の事が好きになるんですよ?」
(は…?何言ってんのこの子…)
紗英の言ってる意味が、私も祐輔も理解出来なかった。
キョトンとする私達を鼻で笑って、紗英はタバコに火を着けた。
私に向かってフゥーっと煙を吐き、不気味に笑う紗英が、少し怖かった。
「俺はリコしか目に入らないし、どう転んでも白石を好きにはならない」
祐輔は真っ直ぐに紗英の顔を見て話し続けた。
「てか、一つ聞きたいんだけど」
「なんですかぁ~?」
「お前、みんなにどうやって俺達の噂流した?広まるのが、やけに早かったみたいだけど」
「なんだ、そんな事…」
祐輔の質問が気に食わないのか、紗英は急にふて腐れた表情を見せた。
「そんなの簡単ですよぉ?社内メールがあるじゃないですかぁ」
「社内メール?」
「っそ。
数人に送っちゃえば、噂なんてあっとゆう間に流れますよ?」
「白石さん…あなた、社内メールをそんな使い方していいと思ってるの!?」
私は紗英のした事に呆れて、思わず声を荒らげた。
紗英は、とぼけた顔をしてタバコを吹かしている。
「お前、どんな内容送ったんだ?」
「真実ですよぉ?」
「嘘だろ?じゃなきゃ、俺達が付き合ってるってだけで、あんなに変な目で見てくるはずないじゃん」
紗英は祐輔を横目で見ながら、小さく溜め息をついて、タバコの火を消した。
「面倒くさ…」
「は!?」
「そんな事よりぃ…
木村先輩、どこか二人きりになれる場所行きませんかぁ?」
「お前なぁ…」
紗英は祐輔の質問をはぐらかし、胸元を強調しながら祐輔にすり寄った。
ここまで来たら、私も黙っちゃいられない!
「あんた!いい加減に…っ」
「白石…ちょっと来い」
「えっ…!?」
突然祐輔が立ち上がり、紗英をソファーから追い出して外に連れ出そうとした。
私は困惑したまま固まっていた。
そんな私を、紗英は勝ち誇った顔で見ていた。
「リコも…」
祐輔は座ったままの私をチラッと見て、紗英を連れて会計をしに行った。
訳が分からないまま、私も急いで二人を追い掛けた。
祐輔は黙ってスタスタ歩いて行く。
紗英は祐輔の腕に絡みついていた。
私は一人で小走りになりながら二人の後ろを歩いていたけど、なんか惨めな気分…
そんな状態のまま、駅の近くのショッピングモールに入って行った。
(こんな所まで来て、祐輔はどうするつもり…?)
私が後ろから呼び掛けても、祐輔は黙って前を向いたまま歩き続けた。
祐輔の後を追って、人気の無い階段の踊り場に着いた。
小走り気味だった私は、少し息が上がっていた。
紗英は、これから何が起こるのかと、ワクワクしながら祐輔に絡みついたままだ。
「ハァ~…。
ゆ…すけ?一体何を…?」
私が壁に手をついて寄り掛かっていたら、突然祐輔は紗英の腕を振り払って、私を抱きしめた。
「えっ!?ちょっ…、祐輔!?」
『リコ、ごめんな…』
祐輔の理解不能な行動にテンパる私の耳元で、祐輔が小さな声で囁いた。
(一体なんなの…?)
紗英は、あからさまにムッとした表情で私を見ていた。
私を抱きしめたまま、祐輔は一瞬紗英に視線を送り、私の頬を両手で包み込んだ。
「リコ、怒らないでね…?」
「祐…んんっ!?」
祐輔は私を壁に押さえつけて、口を塞ぐようにキスをした。
私は訳が分からず、目を真ん丸にしていた。
引きはがそうにも、祐輔が足をガッチリ絡ませているから身動きが取れない…
「ちょっ…んっ…祐…」
喋る事さえも許さないように、祐輔は深く激しいキスを続ける。
見られているという恥ずかしさから、私は紗英の方を見る事が出来なかった。
紗英は、目の前で起きている状況を理解出来ないでいるようだ。眉間にシワを寄せて、固まっていた。
祐輔は唇を重ねたまま、私の背中を激しく撫で回し、髪をかき上げる。
だんだん祐輔のキスが心地よくなってきた。
トローンとしながら、祐輔の肩に両腕を回した瞬間…
「いい加減にしてくださいっ!!」
紗英が今にも泣き出しそうな声で叫んだ。
祐輔はゆっくりと唇を離し、私を後ろから抱きしめて紗英を見た。
「一体、どうゆうつもりなんですか…」
紗英は顔を真っ赤にして唇を噛み締めている。
私は紗英の顔がまともに見れなかった。
「俺、リコが大好きなんだよね。もう、一緒に居るだけでムラムラしてくるんだわ」
祐輔は冷めた口調で話し出した。
「そんなおばさんのドコがいいんですか…
紗英の方が若いし、体にも自信がありますっ!!」
紗英の言葉に少し傷付いて俯く私の耳元で、祐輔は大きな溜め息をついた。
「白石…リコはおばさんなんかじゃないよ?可愛い俺の彼女なのっ。
体に自信あるって言われても…俺は今ココでお前が全裸になっても、全く反応しない自信あるけど?」
「ひどいっ…」
祐輔が淡々と冷たい言葉を口にするから、紗英はかなり傷付いたんだろう…
大粒の涙が目からこれ落ちた。
なんだか、可哀相な事をしてしまったような罪悪感から、私は掛ける言葉が見つからない。
紗英は、その場にしゃがみ込んで小さく丸まっていた。
祐輔の顔を見上げると、ちょっと申し訳無さそうな表情で紗英を見ていた。
「白石…さん?」
私が一歩足を踏み出すと、紗英はスクッと立ち上がり、私達をキッと睨みつけた。
「恥かかせやがって…
ふざけんなっ!!
こんな事して、ただで済むと思うなよっ!?会社に居られなくしてやるからなっ!!」
普段からは想像もつかない程の、どすの利いた声で怒鳴り散らし、紗英は走り去って行った。
私と祐輔はア然としていた。
紗英が走り去った方を見たまま、私は立ち尽くしていた。
「リコ…?」
祐輔が不安げな表情を浮かべながら、私の手を握る。
でも、私は返事すら出来ないでいた。
なんとも言えない気持ちが、私の胸を押し潰す。
「帰ろう?」
祐輔の言葉に私は小さく頷いて、二人で歩き出した。
帰り道、私は一言も喋らなかった。
祐輔も私の気持ちを察してくれて、何も喋らないでいた。
アパートに着いた頃には18時を回っていて、私はすぐにシャワーを浴びた。
シャワーを浴びれば、少しでも気持ちがスッキリしてくれるんじゃないかなって…
― きっと紗英に、何かヒドい事をされるんじゃないか…
― 会社のみんなに、デタラメな噂を流したりするのかな…
― もっと言葉で、ハッキリ紗英に言えてれば…
― ただ好きな人と一緒に居たいだけなのに、どうして邪魔されなきゃいけないの…
頭からシャワーを浴びながら、私は色んな事を考えた。
でも、今悩んでも仕方ないか…
悔やんでもどうしようもない…
気持ちが晴れないまま、私はタオルで髪を拭きながら部屋に戻った。
(あれ?祐輔が居ない…)
ベッドのある部屋を覗いても、祐輔の姿が無い。
(あっちの部屋…?)
いつもは出入りの少ない、玄関のすぐ横の部屋のドアの前に立つと、中から祐輔の話し声が聞こえてきた。
― コンコンッ
一応ノックをして、祐輔の返事を待たずにドアを開けた。
「あ、じゃあそうゆう事で…はい、すみません。宜しくお願いします。では…」
祐輔は私の顔を見て、慌てて電話を切った。
「祐輔?誰と話してたの?」
「ん、いや、別に!」
「なんで隠すの…?」
「会社に行ってからのお楽しみ!!
浮気なんかじゃないよ~?」
祐輔は、少しふざけながら話しているけど、私は笑えなかった。
「リコ…?大丈夫?」
「わかんない…」
「コーヒー入れてあげるっ!あっち行こ?」
祐輔に背中を押されて、リビングに向かった。
ソファーで縮こまる私に、祐輔は熱々のコーヒーを手渡して、隣に座った。
「ありがと…」
「リコ、怒ってる?」
「何に?」
「キスした事…」
「別に…」
「ごめんね…
でも、あれぐらいしないと白石みたいなタイプは、諦めてくれないかなって思って…」
「でも、最後にすごい捨て台詞吐いてったね…」
膝を抱えてコーヒーをちびちび飲む私の頭を、祐輔は優しく撫でてくれた。
「大丈夫だよ?リコは俺が守るから」
「…なんか頼りないわ」
「なんですとっ!?」
プクッと頬っぺたを膨らませた祐輔の顔を見て、プッと吹き出した。
そんな私を見て、祐輔は優しく微笑んでいた。
結局、次の日も気分が晴れないままだった。
せっかくの休みだったけど、私は部屋着のままソファーでゴロゴロしっぱなしだった。
祐輔は私に対して何も言わず、気分転換にDVDを借りて来てくれたり、ご飯を作ってくれたり…
一日中、祐輔に甘えっぱなしだった。
なんだか申し訳なくなって、さすがに夕飯は私が作った…
夜、ベッドの上で祐輔は、後ろから私を抱きしめていてくれた。
「…明日会社に行きたくない」
私は小学生のようにゴネた。
「大丈夫だよ、リコ…明日会社に行けば、なにもかも上手くいくよ?」
「どうして分かるの?」
「それは、俺だからだよ」
「プッ…意味分かんない」
「フッ…やっぱりリコは、そうやって笑った顔の方が可愛いよ?」
「今見えて無いじゃん?」
突然祐輔は私の肩を掴んで、グイッと振り向かせた。
「見えたっ」
「今、私笑って無いけど?」
一瞬考え事をした祐輔は、私にキスをした。
すると口移しで、私の口の中に何かを入れてきた。
「んっ!?なにこれっ!?」
「さっき食べてたスルメ。飲み込むタイミングが掴めなくて…」
「ずっと噛んでたのっ!?」
「うん。あ、そのスルメ返してくれる?」
「プッ…まだ噛むの?」
「ほら、リコ笑った!」
「あ…」
その後は、二人でケラケラ笑い続けた。
―― 祐輔の言葉を信じよう。
二人で乗り越えるんだ!!
ハァ~…
昨日意気込んで、会社に出勤して来たはいいけど…
やっぱり紗英に会い辛い…
始業のチャイムが鳴るまで、なんだか落ち着かなくて、給湯室でみんなのお茶を入れていた。
「神谷先輩?おはようございます」
― ドキッ
声がする方を振り向くと、紗英が不気味な笑みを浮かべながら立っていた。
「お、おはよう…」
私は挨拶だけして、すぐに視線を逸らした。
「なに、ビビってんですか?」
「え…?」
再度紗英に視線を合わせると、紗英はニヤッと笑って去って行った。
(やっぱり、何かする気なんだ…)
― キーンコーン…
ものすごい不安に押し潰されたまま、始業を知らせるチャイムが鳴り響いた…
休み明けだけは、朝礼をする事になっている。
私はお茶を入れるのを中断して、みんなが集まっている所に走った。
『おはよ、リコ』
『里沙、おはよう』
里沙と小声で挨拶を交わして、慎也さんの話しを聞いた。
一通り連絡事項などを聞いて、そろそろ朝礼も終わりかなと思った時…
「俺からの連絡は以上だが、今日は木村からみんなに話したい事があるそうだ」
(えっ…!?)
私と里沙は顔を見合わせた。
「木村、前に出ろ」
「はいっ」
慎也さんに呼ばれて、祐輔は背筋をピンと伸ばしてみんなの前に立った。
(祐輔、一体何をする気…?)
「えっと…あっ!!おはようございますっ」
突然の祐輔の登場にとまどい、部署内のみんなもそれぞれ顔を見合わせていた。
「今日は、俺…じゃないや…
僕から、皆さんにお伝えしたい事がありますっ」
私は里沙の腕にしがみつき、ハラハラしながら祐輔を見ていた。
「僕と神谷律子さんは…今、真剣にお付き合いをしています」
部署内がシーンとなる。
「皆さんは既にご存知だとは思います。ですが、多分変な噂が流れていて、皆さんが誤解してる部分があるのではと思い、今日はこの場をお借りして、きちんと僕の口からご報告したいと思いました」
祐輔は、イキイキとした表情で話し続けた。
「神谷さんと僕は確かに年の差はありますが、決して、僕がお金で買われた訳でも、遊ばれてる訳でもありません」
一瞬、部署内がザワッとなる。
「僕が入社した時に一目惚れをして、神谷さんが前の彼氏と別れたのを知ってから、アタックしました。そして、現在に至ります。今は二人で暮らしています」
更にみんながザワつく。
私はハラハラし過ぎて気持ち悪くなってきた…
私は里沙に隠れるようにして、不安げな顔で祐輔を見ていた。
すると祐輔が一瞬私の方を見て、『大丈夫だよ』と言うように、小さく頷いた。
「僕は、神谷さんを心から愛してます。神谷さんも、僕の気持ちに応えてくれています。
なので皆さん、これからは、温かい目で僕たちを見守ってください。
宜しくお願いします」
そう言って、祐輔は深々と頭を下げた。
どうしたらいいのか分からない様子で、シーンとしたまま、部署内の視線が頭を下げ続ける祐輔に向けられていた。
― パチパチパチパチ…
みんなの視線が、拍手の音がする方に向けられた。
視線の先には、笑顔で拍手をする慎也さん。
慎也さんの拍手に合わせるように、里沙が私に笑顔を送りながら、拍手を始めた。
そして、一人…また一人と拍手をし始め、いつしかその音がオフィス中に鳴り響いた。
祐輔は顔を上げて、照れ臭そうに笑っていた。
(みんなが認めてくれたんだ…)
安心した瞬間、急に涙がこぼれた。
里沙は私の肩を抱いてくれた。
みんなからの祝福の拍手は、いつまでも鳴り止まなかった。
ただ一人、腕組みをして俯いている子がいたけど…
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