―桃色―
世の中の男性が、全て同じだとは思って無い。
「私の付き合う人達」が特別だって、分かってる。
でも…
昔からことごとく浮気されて、今の彼に限って私は4番目の女…
そりゃ、男を信じられなくなるでしょ。
ただ、甘い恋がしたいだけなのに…
「おめでとう」の言葉も、プレゼントも無いまま、彼の腕の中で30歳の誕生日を迎えた―
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祐輔がみんなに公言をした日から、私に冷たい視線を送ってくる人は居なくなった。
なぜか、ちょこちょこ私に謝ってくる子達がいたけど、何故謝られているのか、その時の私には理解できなかった。
後から分かった事は…
紗英に祐輔と付き合っている事を言った直後、紗英は数人の子達に社内メールを送っていたらしい。
そのメールの内容を聞いた時は愕然とした。
紗英が送ったメールの内容は…
『[title] この話しは、本人から聞いた本当の話しです。
神谷律子さんは、木村先輩が自分に気がある事を知り、本当は別れていない営業部の彼氏から乗り換えるつもりらしいです。
現在彼氏が居るのにも関わらず、付き合っても居ない木村先輩と付き合っていると言い触らしています。
先程本人から直接聞きました。
私は神谷先輩が許せません。
皆さん、神谷先輩の魔の手から木村先輩を守りましょう』
よくもまぁ、ここまで根も葉も無い嘘を作り上げたものだ…
でも、こんな幼稚なメールが送られた事よりも、このメールをみんなが信じていたという事がショックだった…
でも、謝ってくれたからいっか。
私は今回の件で、少しだけ強くなれたようだ。
私と祐輔は、お互いに会社での接し方が少し変わった。
公私の区別はつけているつもりだけど、少しだけ、恋人同士の私達を周りに見せる事があった。
会社にも、手を繋いで通勤している。
みんなは、「見せ付けるな」ってからかったりしてきた。
だけど、そんな風にからかわれる事も、私達には心地よかった。
一方、紗英はというと…
何かしてくるどころか、祐輔に絡む事も、私に喧嘩を売る事もしなくなった。
と、言うより…
そんな事も出来ない状況なのかも。
祐輔が公言した日以降、みんなが紗英に対して冷たい視線を送るようになっていた。
里沙と祐輔は、「自業自得だ」って言うけど、私には気掛かりだった。
お人よしって言われても、やはり見ていて気分のいいものでは無いから…
月も変わり、9月に入った。
昼休みの終わりがけ、会社の給湯室でお茶を入れている紗英を見つけた。
「白石さん…?」
久しぶりに紗英に話し掛けた。
「あ…お疲れ様です…」
紗英には、この間までの勢いは無くなり、すっかり大人しくなっていた。
「大丈夫?」
「あ…はい…」
あの一件以来、紗英に話し掛ける人が減ったように思える。
でも、私にはそれが納得いかなかった。
確かに紗英は嘘の噂を流したけど、真実を確かめずに、それを信じた周りも悪いと思っていた。
今更紗英を責めるつもりも無かった。
「神谷先輩…」
「ん?」
「あの、私…」
紗英は言葉を詰まらせ、泣き出した。
「どうしたのっ?」
「ごめ…なさい…」
「もぅいいから…」
私は紗英の背中を撫でた。
「私…本当に…本当に木村先輩が好きだった…んです…」
紗英の顔は、涙でグチャグチャになっていた。
私は何も言わずに紗英の言葉を聞いていた。
「私、人を好きになると、どうしても手に入れたくなって…
それで…っ」
「私は、もう大丈夫だから…ね?」
紗英は小さく頷き、私が差し出したハンカチで涙を拭いた。
(この子は不器用なんだろうな…
いい恋をしてほしいな…)
今の私には、紗英への恨みよりも、素直に先輩として後輩の未来を応援したい気持ちの方が大きかった。
その日の夜、私は祐輔の耳掃除をしながら、今日の紗英の話しをした。
「祐輔ぇ、色々あったけどさ、白石さんには幸せになってもらいたいねぇ」
「ほわぁ~…気持ちいいっ。次左の耳ねっ」
祐輔はゴロンと体勢を変え、私の膝の上でウトウトし始めた。
「ちょっと、私の話し聞いてるの?」
「聞いてる、聞いてる。
うまい事、白石の涙に騙されたねぇ~」
「どうゆう事?」
「今日帰り際に、『神谷先輩に飽きたら、いつでも言ってくださいね~』て、白石に言われたけど?」
「はぁっ!?」
「いってぇーっ!!」
祐輔の言葉を聞いて、思わず手に力が入り、祐輔の耳の奥に耳かきを突っ込んでしまった。
「あ、ごめん」
「ふぉぉ~…
あー、あー。よし、聞こえるっ」
左耳を押さえながら、祐輔はソファーの上で縮こまっていた。
「なんだ…白石さんの事、心配して損した…」
「まぁまぁ。もぅいいじゃんっ?
俺達も会社で堂々としてられるんだしさっ」
「まぁ…ね…」
「そんな事よりぃ…
今日こそ、一緒に風呂入ろうよぉ~」
私達が同棲を始めてから、まだ一度も一緒にお風呂に入った事が無い。
露天風呂には入ったけど、やっぱりなんか恥ずかしい。
狭いし明るいし…
でも今日は、耳かきで痛い思いさせちゃったしな。
「祐輔がお風呂洗ってくれるなら…」
いい返事を期待していなかった祐輔の表情が、みるみるうちに輝いた。
「まじでっ!?いいのっ!?」
「さ、さっさと洗ってきてよっ!!」
「なんで怒ってんの!?」
「いいから!!」
照れ隠しで大声を出す私を鼻で笑った後、祐輔はスキップしながら浴室に向かった。
はぁ~っと大きく溜め息をつくと、私の携帯が鳴った。
(電話…?お母さんからだっ)
久しぶりの実母からの電話だった。
「もしもしっ?」
『あ、りっちゃん?』
母は30になった娘を、未だに『ちゃん付け』で呼ぶ…
「ごめんね、なかなか連絡しなくて…」
『いいのよ、家は近いんだからぁ。それより元気?』
「うんっ」
私の実家は、とても近い。電車で一駅の所にある。
近いがゆえに、いつでも会える安心感から、ついつい連絡を忘れてしまう。
「お父さんも、ユメも元気?」
ユメは私の2歳下の妹。歳が同じなのもあって、里沙とも仲がいい。
『こっちもみんな元気よぉ。
それより、りっちゃん?トモヤ君とは上手くいってるの?そろそろ結婚も近いんじゃないの?』
「あ~…」
トモヤと付き合い始めの頃、まだ実家暮らしだった私は、トモヤを家に連れて行った事が何度かあった。
家を出てからも、母にトモヤの話しをしていた。もちろん、他に女が居た事は言って無いけど…
『あ~って、なによ?まさか別れたの!?』
「その、まさかです…」
『何やってるの~!!!あなたもいい歳なんだからっ。
てっきりトモヤ君と結婚するのかと…』
「色々ありまして…」
トモヤが私の事を本気じゃなかっただなんて、口が裂けても言えない…
携帯電話を耳に付け、気まずそうな表情を浮かべていると、祐輔が洗面所から顔を覗かせた。
私は祐輔を手招きして、自分の膝をポンポンっと叩いた。
祐輔はパッとした笑みを浮かべながら走って来て、私の膝に寝転がった。
私は母の小言を聞きながら、祐輔の髪を撫でていた。
『りっちゃん…
もう30歳なんだから、早くイイ人見つけなさいよ!?』
「イイ人ってゆーか、彼氏なら居るよ?」
『あら、そうなの!?』
「お母さんには言ってなかったんだけど…今、一緒に暮らしているの…」
『あら~っ!!
なら、結婚も近いわねっ』
「や、まだそこまでは…」
『近々彼をウチに連れてらっしゃいねっ。ちゃんと紹介しなさい!!』
「えっ、だからまだ…」
『お父さんも、早く孫の顔が見たいって言ってたから喜ぶわぁ~』
「だからねっ…」
『はぁ~。これで一安心。じゃ、またねっ』
「ちょっ…」
― プーップーッ…
一方的に電話を切られた…
祐輔は会話が聞こえていたのか、顔を手で隠しながらクックックッと笑っている。
「リコの母ちゃん、面白いね?」
「毎回、ちゃんと人の話しを聞かないんだからっ」
「クックックックックックッ…」
「祐輔、笑い過ぎ~」
「だってっ…」
いつまでも肩を震わせて笑う祐輔を横目に、私は大きく溜め息をついた。
(そういえば、祐輔は結婚の事とか話さないな…
やっぱりまだ、遊んでたいよね…)
「ねぇ、祐輔…?」
「ん~?」
下から私の顔を見上げる祐輔の真っ直ぐな目を見たら、聞きたい事が聞けなくなった。
「呼んだだけ~」
「なんじゃそらっ」
祐輔はクスッと笑って、私の顔を下から見続けていた。
「ねぇリコ?」
「ん~?」
「リコの鼻の穴って、いい形だね…」
「なに見てんのっ、バカッ!!!」
私は鼻を手で隠したまま祐輔を跳ね退け、洗面所に走った。
そして中から鍵をかけて服を脱ぎ、ピカピカに掃除された浴槽に一人で浸かった。
洗面所の向こう側では、祐輔が半ベソをかきながらドアを叩いていた。
あまりにもうるさいから仕方なく鍵を開けたら、祐輔が勢いよく飛び込んで来て、タオルで体を纏った私をギュッと抱きしめた。
「ん~…」
祐輔が私の耳元で甘えた声を出す。
私は祐輔のこの甘えた声が好き。
なんだか無性に愛おしくなる。
そっと祐輔の耳にキスをすると、祐輔は自分の服を脱ぎ捨てて、私を浴室に押し込んだ。
もう、私は恥ずかしい気持ちは無くなっていた。
熱く深いキスをしながら、お互いの体温を素肌で感じていた。
全身に祐輔のキスを浴びながら、幸せに浸った。
そして、また祐輔からの熱い口づけを受け入れて、二人で強く抱きしめ合った。
決して大きいとは言えない浴槽に、二人で小さくなって入った。
祐輔は私を後ろから抱きしめながら、肩に顔をうずめてゴロゴロ甘えている。
(祐輔は、結婚とか考えてるのかな…)
私は今まであまり気に留めてなかったけど、母に言われて、ちょっと祐輔との結婚を意識し始めた。
「祐輔は、今何考えてるの?」
「高校生の男子が、毎日考えるコト~」
「もうっ…」
「なんでまた怒るの!?」
「女心が分かってないっ!!」
「えぇ~??」
私は一人でいじけていた。
―― 女、30歳。
そりゃ、結婚を意識するのが普通っしょ。
そう自分に言い聞かせて、勝手に祐輔に対して不満を持った事を正当化しようとした。
―― 私、祐輔のお嫁さんになりたいな…
―― 月日は流れ、12月
街はクリスマスムード一色で、恋人達が更に愛を深め合う季節になった。
母から電話があってから、一度だけ一人で実家に行ったけど、祐輔を連れて来いとうるさく言われた。
祐輔に、親が私の結婚相手として会いたがってるから一緒に来てなんて、言えなかった。
まぁ、私と母のやり取りは電話越しに聞いてただろうけど…
二人で生活してる中で、一度も結婚の話しをした事も無いのに、言えないよ…
それに、自分から切り出したくなかった。
変なプライドなのかもしれないけど…
ひたすら祐輔から、結婚という話題が出るまで、待ち続けた。
でも…
結局一度もそんな話しをする機会も無かった…
最近の私には、もう一つ、気になっている事がある。
それは、里沙と慎也さんの関係。
なんだか、ぎくしゃくしてるような…
ってゆうより、里沙が慎也さんに対して、冷たい態度をとってる気がする。
あんなにラブラブだったのに…
それに、クリスマスを目前にして、こんな二人を見てるのも辛い。
あの二人には、一生寄り添い合っていてほしい。
これは、私と祐輔の勝手な願い。
私と祐輔は、今日も二人の話題で持ち切りだった。
「やっぱり最近の里沙、ちょっと変だよね?」
「リコは里沙さんに、何か聞いたの?」
今日は休日。
祐輔は大好きな『orange』特製のクリームソーダを頬張っている。
「聞いたけど、なんか話しを逸らそうとするんだよね…」
「他に好きな人できたとか?」
「里沙に限って、そんな事はっ…!」
私は思わず大声を張り上げた。
周りが一瞬シーンとした。
「クックックッ…」
祐輔は下を向いて笑いを堪えている。
「もうっ…こっちは真剣にっ…」
「わーかってるって!
ごめん、ごめん」
私はちょっとムッとしながら、カフェオレに砂糖を入れ続けた。
「リコがムッとした時の唇って、なんかそそるよねぇ~」
「また、ふざける…
今は里沙の話しでしょ?」
ありえない量の砂糖が入ったカフェオレを飲みながら、祐輔を細い目で見た。
すると祐輔は、唇を尖らせて不満顔だ。
「どうしたの?」
「そりゃ里沙さんと慎也さんの事は、俺も気になるよぉ?
でもさぁ最近、リコ、俺の事まともに相手してくれないじゃーん」
祐輔は、いじけながらクリームソーダをグリグリ掻き混ぜた。
そういえば…
最近は里沙の事も気になって、祐輔とはそんな話しばっかりだった。
それじゃあ、私達の結婚話なんか出る訳ないか…
ちょっと反省…
「ごめんね、祐輔…
祐輔は今、どんな話したいの?」
「話しってゆうかぁ~…」
「うんうん?」
「キスしたいっ」
「はい?」
祐輔はスプーンをくわえたまま、上目使いで私を見つめる。
「ば、ばっかじゃないの?こんな所で…」
「照れてるリコ、可愛い~」
「べ、別に照れてなんか…」
私は、ひたすらカフェオレを飲み続けた。
「いいもんっ。勝手に奪うからぁ」
祐輔はニヤッと笑って、クリームソーダを食べ始めた。
「てかさ、よくこんな寒いのに、アイスなんか食べれるね?
体冷えない?」
「後で、リコに温めてもらうから、いいのー」
私は顔を赤くして俯いた。
そんな私を、祐輔はニヤニヤしながら見ていた。
日も暮れてきたから、私達は家に帰る事にした。
街中、イルミネーションでキラキラ輝いている。
「綺麗…」
そんな中に居るだけで、ロマンチックな雰囲気になる。
「リーコ?」
イルミネーションにうっとりとしながら立ち止まる私に、祐輔が手を差し延べた。
私は小走りして、祐輔の手を掴もうとしたら、ヒョイッとかわされた。
祐輔は、手を掴み損なってヨロける私を、ギュッと抱きしめて支えた。
「捕まえたっ」
「もうっ、危ないじゃ…んっ!?」
歩道のド真ん中で、周りに通行人がいるのにも関わらず、祐輔に唇を奪われた。
咄嗟の事で、私は唇を塞がれたまま目を見開いて、周りを見渡した。
みんな見てる…
ゆっくり唇を離した祐輔は、まだ私を抱きしめ続ける。
「人が…見てるよ…」
「知ってる」
祐輔は私の肩に顔をうずめたまま、離れようとしない。
私は、ただただ固まっていた。
「リコ…俺と…」
「えっ?」
祐輔が耳元で何かを囁いたけど、聞き取れなかった。
「なに?なんて言ったの?」
「…」
黙ったまま祐輔は、私の額にキスをしてフッと笑った。
「ねぇ、なんて言ったの…?」
「大好きだよって言ったのー」
「嘘だぁ!『俺と』何なのっ?」
「そんな事言ったかなぁ~?」
祐輔は、ニヤけ顔でとぼけたまま歩き出した。
「ちょっ、待ってよっ」
――『俺と』…なんだろ…?
結局何度聞き返しても、祐輔はとぼけて教えてくれなかった。
楽しい休日は、あっとゆう間に終わる。
翌日の昼。
私は里沙を会社の屋上に誘って、二人でご飯を食べた。
私の前では、 いつもと変わらない里沙。
なのに、慎也さんの前になると一変する。
私は気になって仕方なかった。
「ねぇ、里沙?慎也さんとは…」
「まぁ~たその話しぃ?別に何もないってばぁ」
里沙は少し呆れたように、おにぎりを頬張った。
「最近、慎也さんの家に泊まりに行ってるの?」
「んーん」
「連絡は?」
「んーん」
「何も無い訳ないじゃない…」
「…何も、無いよ」
里沙は一瞬悲しそうな表情を見せたけど、すぐにふざけて笑った。
何も話してくれない里沙との間に、見えない壁がある気がする…
「里沙…
私達、友達でしょ?何か悩んでるなら、なんでも相談してよ…?」
ちょっと切ない表情で里沙を見つめると、里沙も悲しそうな表情を浮かべた。
「ありがとう、リコ…
でも、本当に何もないからさ。大丈夫だよっ」
「本当に…?」
「本当にっ!」
ニカッと笑って見せる里沙の顔を見て、全く気持ちがスッキリしなかったけど、仕方なく話しを終わらせた。
昼休みが終わってからも、私の気分は晴れなかったけど、里沙の前ではいつも通り振る舞った。
― キーンコーン…
年末で忙しい時期だけど、だいたいの人が定時で仕事を終えて帰って行く。
祐輔も仕事にキリがついたらしく、私の席に来て、私の仕事が終わるのを隣で待っていた。
すると、慎也さんがゆっくりと私の方に近付いてきた。
「神谷…この後、ちょっと時間あるか?」
「えっ…」
私が祐輔の方に視線を移すと、祐輔は悟ったように小さく頷いた。
「俺、先帰ってるねっ」
「木村、悪いな…
ちょっと神谷を借りるわ」
「どうぞ、どうぞ!
お疲れ様でした~」
祐輔は足早にオフィスを後にした。
祐輔の後ろ姿を見送り、ハッとして振り向くと、里沙が席から私達を見ていた。
「里沙…?」
「お疲れ様でしたぁ~」
「里沙っ!?」
私が引き止めても、里沙は歩きながら手をヒラヒラさせながら帰って行った。
そんな里沙を、慎也さんは無言で見ていた。
「あの、慎也さん…?」
「神谷、その仕事、もうすぐ終わるか?」
「あ、はい…」
「なら待ってるから、終わったら声かけて?」
「分かりました…」
慎也さんは小さく溜め息をつきながら、自分の席に戻って行った。
私は大急ぎで仕事にキリをつけた。
「慎也さん、終わりました…」
「よし、なら『flower』に行こう。
先に行ってるから、着替えたら来て?」
「はい」
慎也さんとその場で一度別れて、ロッカールームに走った。
慎也さんが何を話したいのか、だいたい予想は出来ている。
私も一度、慎也さんの気持ちを聞きたかったから、ちょうど良かった…
着替えを終えて、祐輔に『flowerに行く』とメールだけしておいた。
私は、少し小走りで『flower』に向かう。
店のドアを開けて店内を見渡すと、慎也さんが窓際の席で、外を眺めながらタバコを吸っていた。
なんだか、とても疲れた顔をしている…
私は、慎也さんの顔を見ながら、ゆっくり席に近付いた。
「お待たせしました」
「ん?あぁ、こっちこそ悪かったな」
「いえ…」
私が席に着くと、すぐに店員さんが温かいカフェオレを運んで来てくれた。
「先に注文しておいたんだ。それでよかったか?」
「はい、ありがとうございます」
私は早速砂糖を入れて、冷えた体をカフェオレで温めた。
「里沙の事なんだけど…」
慎也さんが話し始め、私は慌ててカフェオレをテーブルに置いて、姿勢を正した。
「神谷は、アイツから何か聞いてる?」
「いえ…何度聞いても、何も話してくれないんです…
里沙と何かあったんですか?」
「何も無いから、悩んでるんだ…」
慎也さんは額に手を当てて、俯いた。
俯く慎也さんを前に、掛ける言葉が見つからなかった。
慎也さんは、大きな溜め息をついてタバコに火をつける。
フゥー…と煙を吐き、窓の外を見つめる表情が悲しそうだ。
「あの…、どうして里沙は結婚を渋っているのでしょうか?」
「神谷は、知らないのか?」
「慎也さんと結婚したら、名前が田舎っぽくなるとしか…」
そう言うと、慎也さんは呆れたように鼻で笑った。
「アイツは、何がしたいのかねぇ~」
「えっ、どういう…」
私が首を傾げると、慎也さんはフィルターぎりぎりまでタバコを吸い切った。
「俺には、『まだ遊んでた~い』って言ってたな」
「私は、別に遊んでいたい訳じゃないと聞いてますが…」
「ははっ」
何故か慎也さんは笑い出した。
もう、何がなんだかわからなくて笑うしかないのだろう…
しばらく会話も無いまま、時間だけが過ぎていった。
私は、おかわりしたカフェオレを飲み終え、時計に目をやった。
その仕草に気付いた慎也さんが、残りのコーヒーをグイッと飲み干した。
「悪かったな、時間割いてもらって。
木村も待ってるだろ?帰ろうか」
「あ、いえ…こちらこそ力になれなくて…」
「いや、感謝してるよ」
慎也さんが会計を済ましてくれて、店を出た。
そして、私は慎也さんに車でアパートまで送ってもらった。
「今日は、ありがとうな。
また明日」
「おやすみなさい」
慎也さんの車を見送り、小走りで玄関の前まで走った。
玄関のドアノブに手を掛けようとした瞬間、ガチャッと中から扉が開かれた。
「お帰り~」
「すごいタイミング…ビックリしたぁ」
「なんとなく、リコが帰ってくる気がしてさっ!見事にビンゴ」
「フフッ、すごいね」
部屋の中に入ると、いい香りがする!
「祐輔、夕飯作ってくれたの?」
「カレーぐらいしか作れないんだけどね」
祐輔は、ちょっと照れたように、はにかんだ。
そんな祐輔の顔を見たら、さっきまでモヤモヤしていた気分が、一気に吹き飛んだ。
「ごめんね、待っててくれたんだね。お腹空いたでしょ?」
「ん~、味見しまくってたから、そんなに空いてないよっ」
祐輔は、話しながら家の中をあちこち歩き回る私の後に、ずっとくっついて来ていた。
なんだか、犬みたい…
一緒に暮らしてきた中で気付いたのは、祐輔って意外と寂しがり屋。
家の中でも、私の事をよく追い掛けている。
最初は、うっとうしいと思った事もあったけど、慣れてくると可愛いくて仕方ない。
部屋着に着替え、テーブルの前で座って待っていると、祐輔が澄ました顔でカレーを運んで来た。
「お客様、お待たせ致しました。当店自慢の自家製カレーでございますっ」
「ありがと」
私も澄ました顔で返した。
二人で顔を見合わせて、クスクス笑いながら、祐輔の作ったカレーを食べ始めた。
― ガリッ…
「んんっ!?」
私は眉間にシワを寄せたまま、口の中の物をティッシュに吐き出した。
「リコ、どうしたのっ!?」
「ジャガ芋が、生です…」
「ええっ、うそ!?」
「他は煮えてるのに、どうしてジャガ芋だけ固いの…いつのタイミングで入れた?」
「リコは、カレーとかの煮込み料理で、ジャガ芋がドロドロになってるのは嫌いって言ってたから、最後に入れたんだ…
できるだけ原形残そうと思って…」
祐輔はショボンと肩を落として落ち込んでいた。
私の為を思ってやってくれた事…
祐輔のその気持ちが、何より嬉しかった。
優しさが身に染みた。
― やっぱり、結婚するなら、思いやりのある人だよね。
祐輔は、どストライクなんだけどなぁ。
肩を落としたまま、カレーをグリグリ掻き混ぜる祐輔の顔を覗き込んだ。
「祐輔、料理長に伝えておいて?
美味しいですって」
すると、祐輔は上目使いで私を見た。
「ジャガ芋固いのに…?」
「カレー自体は、すごくいい味だよ?」
すると祐輔は、パッと顔を明るくさせて、ニッコリ笑った。
「伝えとくっ。料理長も喜ぶよ!」
二人、顔を見合わせて微笑んで、ジャガ芋を除けながらカレーを堪能した。
夕食を済ませ、私がお風呂に入っている間に祐輔が後片付けをしてくれて、コーヒーも入れてくれた。
入れ違いで祐輔もお風呂に入った。
ソファーでコーヒーを飲みながら、私は里沙の事を考えている。
(一体、里沙に何があったんだろう…
慎也さんにも心辺りが無いなんて…)
ソファーに大の字で寄り掛かって伸びていると、里沙から携帯に電話が掛かってきた。
ガバッと起き上がり、ワタワタと電話に出た。
「も、もしもし!?」
『あ、リコ?何慌ててんの?』
「ううん、大丈夫!!」
『プッ…何が大丈夫なの?』
「あ、いや…それより、どうしたのっ?」
『うん…』
「何かあった?」
電話の向こう側で、里沙が黙り込んだ。
「もしもーし?」
『私、慎ちゃんと別れようと思って』
「はっ!?」
『それだけリコに伝えておこうと思ってさ』
「ちょ、ちょっと待って!意味わからないよ!なんで?どうして?」
私が携帯を耳に当てたまま、ソファーの周りをグルグル歩き回っていると、祐輔が洗面所の前で不思議そうな顔をして立っていた。
祐輔に助けを求めるように、私は片手をバタバタさせながら合図を送った。
祐輔は首を傾げる。
『そうゆう事だから…じゃ、おやすみ』
「待って里沙!?りっ…」
― プープーッ…
電話が切れて、私はヘナヘナとその場に座り込んだ。
「電話、里沙さん?」
祐輔が、髪をタオルで拭きながら近付いて来る。
私は祐輔の顔を見ながら、ボー然としていた。
「リコ~?どうしたの?」
「里沙が…」
「里沙さんが?」
「慎也さんと…別れるって…」
「ええっ!?どうして!?」
「わからない…」
しばらく沈黙が続いた。
「ちょっと待って?」
祐輔が何かに気付き、目線だけ上げてハッとした。
「どうしたの?」
「別れるって、まだ別れて無いんだよね?」
「別れるからっとしか、言わなかったけど…」
「わざわざ予告してきたの?」
祐輔の問い掛けに、私も里沙の言葉に違和感を感じてきた。
すぐに里沙にかけ直したけど、留守電になる。
「だめ、里沙の携帯通じない…」
携帯を握りしめて不安げな表情を浮かべる私の頭を、祐輔がポンッと叩いた。
「もしかしたら、里沙さんからリコに対してのSOSかもよ?」
首を傾げながら祐輔の顔を見ると、祐輔はフッと笑った。
(SOS…?)
里沙が私に助けを求めてるって事…?
ますます里沙が心配になった。
「大丈夫、里沙さんはまだ慎也さんと別れないよ」
「なんで分かるの?」
「ん~…男の勘?」
「プッ、何それ。アテになるの?」
「さぁ…女の勘には負けるだろうね?」
祐輔は、優しい表情で私に安心感を与えてくれた。
「私、どうしたら…」
「里沙さんと慎也さん、最近まともに話してないんじゃない?」
「そうかも…」
「なら、話し合いの場を設けようっ」
「え?」
「二人には内緒にして、俺は慎也さんを。リコは里沙さんを飯に誘うんだよ。
んで、対面させちゃうワケ」
「やり方、古くない?」
「古くない!!!」
祐輔は、頬っぺたをプクッと膨らました。
「フフッ、祐輔ありがとう」
「何が?」
「私の親友の事を想ってくれて」
「リコの大切な人は、俺にとっても大切な人だよ」
「ありがとう、祐輔っ」
私は祐輔の頬っぺにキスをした。
それから私と祐輔は、里沙と慎也さんを会わせる為の計画を立てた。
会わせるまで、気付かれてはいけない…
一度きりのチャンスを無駄には出来ないから、念入りに作戦を立てた。
「よし、ならば次の土曜日に決行だ!」
「祐輔、本当にありがとう」
「お礼は、この作戦がうまくいってからにして?」
「フフッ、そうだね」
私は、里沙と慎也さんみたいなカップルが目標だった。
何も言わなくても、お互いの気持ちを理解できてるというか、心から信頼しあってるというか…
今は、少し関係が崩れてしまってるみたいだけど、二人にはまた前のように仲良しカップルに戻ってほしい。
この時の私は、自分勝手な思いしかなかった。
里沙の事を、全く分かってなかったと、後々後悔する事になるなんて…
ちっとも思ってもなかった。
― 金曜日の仕事終わり
「里~沙っ」
ロッカールームで着替える里沙に、声を掛けた。
「ん~?」
「明日の夜、予定ある?」
「何も無いけど?」
「なら、二人で飲みに行かない?
いい所見つけたんだっ」
「いいけど木村君は、いいの?」
「ゆ、祐輔も出掛けるみたいでさっ…」
里沙が私の顔をジーッと見る。
(やばい、気付かれた…?)
顔に出やすい私の性格を知り尽くす里沙に嘘をつくのは、ある意味私にとって挑戦だ。
「里沙…?」
「いいよ。何時にドコ行けばいい?」
全力でホッとした。
里沙に待ち合わせ場所と時間を伝えて、会社の前で別れた。
家に帰り、夕食の支度をしながら、残業をしている祐輔の帰りを待った。
すべてを作り終え、テーブルに料理を並べて、ソファーに座って伸びをした。
― ピンポーン
玄関に走り、扉を開けると、寒さで凍えきった祐輔が立っている。
「お帰り、お疲れ様っ」
「ただいま~っ。さみ~っ!!」
祐輔は手を大きく広げて、私に飛び込んで来た。
「祐輔、顔つめたっ!」
祐輔は私の頬っぺに、顔を寄せている。
「ん~、リコあったか~いっ」
祐輔が冷たい唇でキスをしてきた。
それでも、私の唇の熱で、すぐに温かくなる。
熱い口づけを交わして、二人でリビングに向かった。
「わぁ~、手作りコロッケだぁっ!」
テーブルに並べられた料理を見た祐輔が、子供のような歓声を上げる。
「早く着替えておいでよ」
「うんっ」
部屋着に着替えた祐輔が、テーブルの前に座る。
私は、温め直した味噌汁を祐輔の前に置いた。
「いただきま~す!」
祐輔は嬉しそうに、コロッケを口いっぱいに頬張った。
感想は聞かなくても、幸せそうに食べている祐輔の顔を見れば分かる。
「そういえば祐輔、慎也さんは誘えた?」
「うん、ばっちりだよっ!リコは?」
「ちょっと危なかったけど、なんとか…」
「よーっし!明日は気合い入れてくぞ!」
そう言って、祐輔は熱々の味噌汁をグイッと飲んだ。
「ぶはぁっ!!あちーっ」
祐輔は勢いよく味噌汁を吹き出した。
「あ~あ…」
呆れながらも、私は半笑いで台所から持ってきたフキンを祐輔に渡した。
本当なら、恋人同士の里沙と慎也さんを会わせる事なんて、そこまで気合いを入れる程の事でもないのに…
なんだか、とっても緊張する。
とにかく、話し合いだ!
頑張るぞっ!
― 翌日の夜
「リコ~っ!!」
待ち合わせ場所の駅前で待つ私に向かって、里沙が手を振りながら走ってくる。
「電車一本、乗り遅れちゃって…
ごめんね~、待った?」
「ううん、大丈夫だよ!」
今日の里沙の格好は、黒を基調としていて、いつもより少し大人っぽい。
私の案内で、祐輔と相談して決めた和食屋さんに向かった。
「里沙、慎也さんとは…?」
これだけは、先に確認しておかなければならない。
「まだ、別れてないよ…」
「そう」
一瞬暗い表情を見せる里沙とは裏腹に、私は安心して微笑んだ。
「ここだよっ。個室があるみたいで、ゆっくりできるかなって思って」
「へぇ~、初めて来たぁ」
「さ、入ろうっ?」
祐輔は、私達より先に慎也さんと待ち合わせをして、この店に来ている。
さっきメールで、『個室の席に入った』と連絡が来た。
私は店内に入る時、メールをするフリをして祐輔にワン切りをした。
今から中に入るよという、合図だ。
「いらっしゃいませ~」
店に入り、店員に席は個室がいいと伝えて、案内をしてもらう。
この時の私は、吐き気がする程心臓が早く動いていた。
店員の後について、里沙と二人で店の奥へ歩いて行くと、祐輔が一つの個室から出て来て、私達の前に姿を現した。
「あれぇ~、リコと里沙さんだぁ」
「あれぇ~、祐輔じゃなーい。偶然ねぇ~」
残念なぐらい、私達は演技がヘタだった…
白々しいにも程がある…
私は里沙の顔が見られないまま、祐輔とお芝居を続けた。
「俺、偶然にも慎也さんと一緒なんだよぉ」
「え~!ホント偶然!」
「よかったら、リコ達も一緒に飲もうよっ!」
「そうだね!」
私と祐輔は、引きつった笑顔のまま、里沙の顔をチラリと見た。
里沙は、無表情…いや、かなり冷たい表情だ。
私達は、今にも泣き出しそうになりながらも、必死で作り笑顔で固まっていた。
しばらく沈黙の後…
「ブッ…クククク…」
個室の中から、慎也さんが顔を出し、吹き出した。
「プッ…フフフフ…」
そんな慎也さんを見て、里沙も釣られて笑い出す。
私と祐輔は、キョトンとしながら顔を見合わせた。
笑いをこらえながら、慎也さんが話し出した。
「ほんっと、お前ら…
いいなぁ」
私達は、キョトンとしたまま慎也さんを見る。
「木村に誘われてココに来たけど、なんかおかしいと思ってたんだよな。
男二人で飯食いに来て、個室の中に入るなり、木村が俺の横に座ってんだもんな。
明らかに、前の席に誰か座りますって感じだったし」
慎也さんは、思い出したようにまた笑い出した。
里沙もクスクス笑い続けてる。
祐輔の顔を見ると、顔を赤くして下を向いていた。
「私も何かあるな、とは思ってたけど…」
里沙が私の顔を見て話し出した。
「リコも木村君も、演技力無さ過ぎっ!
見てて痛々しかったわぁ~」
私も急に恥ずかしくなって、下を向いた。
祐輔は黙って私の背中をポンポンッと叩いた。
「ありがとうな」
慎也さんの意外な言葉に驚き、私と祐輔は顔を上げた。
「俺達の事、心配してくれてたんだな。
俺も、ちゃんと里沙と話したかったから、いい機会だ。
…里沙?」
慎也さんが呼び掛けると、急に里沙の表情が緊張しだした。
「ちゃんと話し聞かせてくれないか?」
「…うん」
「せっかくだけど、場所変えよう。
飯食いながらじゃなくて、真剣に話しを聞きたい」
慎也さんの言葉を聞いて、咄嗟に私は口を開いた。
「なら、うちに来ませんか?
ここからなら、私の家が一番近いし…」
祐輔も隣で何度も頷いている。
「そしたら、お邪魔していいか?」
「はい、どうぞ!」
私も里沙の気持ちを聞きたかったから…
祐輔は店員さんに帰る事を告げ、先に注文してたビール代だけ支払いをした。
そして祐輔と慎也さん、私と里沙に別れてタクシーで私の家に向かった。
タクシーの中では、里沙は何も話さなかった。
ただ黙って、窓の外を見つめたままだった。
「お邪魔します」
「コーヒー入れますね」
私の家に着き、慎也さんと里沙をソファーの方に誘導した。
コーヒーを二人の前に置き、私と祐輔はダイニングテーブルの方に座った。
なんだか私まで緊張してきちゃった…
ソワソワと落ち着かない私とは違い、祐輔は真剣な眼差しで二人を見ていた。
慎也さんはコーヒーを一口飲むと、正座をしながら俯いている里沙に、話し掛けた。
「里沙、最近…」
「慎ちゃん…、別れよう?」
慎也さんの話しを遮るように、里沙が口を開く。
私と祐輔は里沙の言葉に衝撃を受けて、口を開けたまま顔を見合わせた。
だけど、慎也さんは何故か冷静だった。
顔を上げる事の無い里沙を、慎也さんは真正面から見つめていた。
心なしか、少し厳しい表情だ。
慎也さんは、小さく溜め息をついて口を開いた。
「俺と別れたい理由は?」
「…」
里沙は唇をキュッと噛み締めて、何も言わない。
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