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優花( ♀ 6VhO )
12/06/13 08:22(更新日時)

詩や小説など
独り言など・・
思いのままに
気ままに
マイペースに・・
更新したいと思ってます
乱雑な稚拙文章をお許しください・・



∮welcome∮

No.1161258 09/07/16 22:31(スレ作成日時)

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No.251 10/07/08 14:06
優花 ( ♀ 6VhO )

★満月★


究極な選択をあなたに


血のワイングラス
赤い丸テーブル
晩餐の生贄となる
ご機嫌はいかがかしら


究極な選択をあなたに
屈辱的な理性を排除
あなたとワルツ
ドビュッシーとはじけたモーツァルト
雨音はクラシック


究極な選択をあなたに
邪魔で不必要な理性を排除
真っ赤なペディキュアと真紅のルージュ
ゆるやかなワルツ


究極な選択をあなたに
全てを食べてしまうけれど
残したあなたの右目の眼球
私の左目の眼球と共に宝箱へ


踊る私のサテンが飛ぶ
錯乱した脅威
征服した下僕
おいでダーク
私の飼い猫はしたたかに甘えるのよ


究極な選択をあなたに


平凡な満月の夜

No.252 10/07/08 17:34
優花 ( ♀ 6VhO )

★★


追憶のビジョン
背徳のセレモニー
洗礼のコンビネーション
始まりは無言
終わりは苦言


愛撫は奥に奥に
苦し紛れのセリフ
聞こえない
聞こえない


呟きの天使
囁く悪魔
猫と蛇の愛撫
蜘蛛が嫉妬


カインとアベル
兄弟の原点
失笑の快楽
ポルターガイスト
爪痕に剃るナイフ


臨場感
嫌悪感
犠牲愛
花言葉を教えてあげましょう


ああ
始まりは無言
終わりは苦言
黒猫の純心
白猫の邪心


境界線を越えて
抱き合えば
堕落したアダムとイヴ
林檎の真実は毒粉雪


追憶のビジョン
背徳のセレモニー
洗礼のコンビネーション

No.254 10/07/12 07:55
優花 ( ♀ 6VhO )

★シークレット★


見据えた未来にいつまで傍観者でいるつもり
恥じらいを隠して恋愛を殺した
恐いくらいの平凡な日々は淡々と時間を刻む
雨音のリズムは
私に恐怖と不安を与える
もしもあのときあの手を握り返さなければ
私は死んでいたかもしれない
狂おしいほどの狂気を武器に落胆する
隠した左手のナイフ
響いたノイズとスクリーン
シークレット
シークレット
白猫のしたたかさ
黒猫の純朴
あの日の怪文書の送り主は私だから
罪には罪を
罪には制裁を
こんなにもこんなにも
ときめきはまだ胸にあるのに
壊れた脳は理性で埋め尽くされた
激しい雨音のリズム
究極のワルツ
差し出してくれた手を振り払った自分を想像する
どうしようもない自分は見損なった
酷くなる精神疾患
幸せの意味を見つけられずに
何のために生かされているの
シークレット
シークレット
言えない秘密

No.255 10/07/15 23:13
優花 ( ♀ 6VhO )

★遠い記憶★


遠い記憶の片隅
ピントのずれたおばあさんの言葉


悪いことが起きたら
『ありがとう』


良くしてもらえたときは
『感謝します』


あなたの口癖にしてね。
そうすれば
あなたはずっと幸福でいられるわ。


遠い記憶の言葉


人はどうして頭で理解をしても
実行できない生き物なのでしょうか


私はあのおばあさんに
林檎をもらった


食べたら幸福になれたのかもしれない


私は食することを拒否した


もしかしたら
死んだかもしれない


今となってはもう
答えなんてわからない


遠い記憶の片隅に
おばあさんの言葉


人は生き続けることだけが幸福なのだろうか


素直になれない
素直にならない
素直では生きれない


正直に生きていても
獲物にされる


おばあさん
私が言葉の宝石を出せば
うまくいくの?


太陽は
今日も私を
照りつける

No.256 10/07/20 08:26
優花 ( ♀ 6VhO )

★白昼夢★


澄んだライトブルーの景色をバックに
白い龍は高く気高く
夢を見る
現実を見る
君には伝わらないだろうね
雲が龍となり蛇や蜥蜴にもなることは
妄想する頭の乱れたノイズ
辛い
悲しい
苦しい
理解したい
理解されたい
傷つけた
傷つく
この手を広げれば
上に上に逝けるだろうか
君も白昼夢を見るかい
…僕のように
打ち砕かれた心に
君だけの声が響く
もう優しくできない
優しくされなくていい
結論は闇
現実が夢だと思うんだ
生きた証が罪だとすれば
せめてもの償いにこの死を
君には解るかな
自虐的な僕の罪
白い龍と共に風に乗る
争いには何も残らない
罵り合いに何の意味もない
欲は深く深く
人間を支配する


君には解るかな


だから
結局は



僕らは違ったんだ

No.257 10/07/22 12:33
優花 ( ♀ 6VhO )

∮ショート小説∮


★裏の顔★


俺はなんて恵まれているんだろう。この裕福な邸宅に居候して2ヶ月。おばさんは優しいし、飯は雇われシェフの贅沢料理。バイトを探していると言いながらのニート生活。たまらない楽で怠けまくりのだらしない生活。全てはこの優しいおばさんのおかげだ。



2ヶ月前、この街外れの田舎町へと、ツーリングで立ち寄った。大きな湖があって緑に囲まれ、街より気持ちが良かったから、一晩ここに野宿するのもいいなと思った。7月の暑い日、湖のほとりの影で寝っ転がっていた。高校卒業してから印刷工場へ就いたが1ヶ月で辞めた。元々働きたくなかった。親はうるさいし、彼女もうるさい。職場に慣れず必死こいて働く友達からは甘いと言われ、取り合ってもらえず、俺はムシャクシャしていたんだ。逃げ出したいと思ってバイクで県外へ出た。うるさい街はウンザリだったから、この街外れの町にたどり着いた。


ああ…高校は良かったなあ。面白かった…。俺なにしてるんだ一体。周りはみんな頑張ってんのに…バカだ俺…。



『あら、先客さんね。
気持ちいいわよね、ここ。』


『…っ?!』

No.258 10/07/22 12:48
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


話しかけてきたのは50~60?位のおばさんだった。黒い日傘を持ち身なりがいかにも上品な金持ちのおばさんだった。うちの母さんは41だけど、こんなに小綺麗にはしていない。ここ、よく来るのか…てか地元住民だろうな。


『…あなた、ここら辺の方?』

『あ…いえ、○○県の○○です、バイクでふらっと…。』

『あらそう!ふふ、私はこの近所なの。』

『…はあ…。』



ひとりになりたかったのになあ…そう思いながら、場所移動を考えた。おばさんは俺と色々しゃべりたかったみたいで、年とか仕事を聞いてきた。おばさんは若く見えるが64歳だった。50代に見えたと言われすごい喜んでいた。会話してるうち、別にめんどくさいわけでも無くなり、逆に悪い気もせず、俺は今の俺の現状をベラベラ喋っていた。するとおばさんはこう言った。


『大人の男に成長するには、一度親御さんの元を離れてみるのが一番よ。そして曖昧な恋人とは、距離を置いて少し関係を考え直してみるのがいいわね。』


『親御さんには県外のペンションに住み込みで働きだしたとご連絡を入れて、私の元で住み込みで家事を手伝ってくれないかしら?』

No.259 10/07/22 13:00
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『勿論少ないかもしれないけれど報酬はお支払いするわ。外にバイトでも働きに出たいならば、少しでもお家賃として頂ければ部屋を提供出来るわよ。』


『どうかしら…悪い話じゃないでしょう?』


『え…?!今知り合ったのに…なんか頭混乱するなあ!なんでそこまでおばさん…?悪いよそんなの。』


『ふふ。オトナのオトコ!への成長のお手伝いをしたいだけよっ。ふふ。』


聞けばおばさんは、1人暮らしらしい。旦那さんを3年前に亡くし、広い家に1人で、寂しかったらしい。子供がいないため、俺が子供に思えて可愛いと言った。家にシェフとお手伝いを雇っているらしい。数秒悩んで即よろしくお願いします!とお宅にお邪魔した。俺もなかなか人に見守られる運命なのか…。居候としてお世話になる邸宅は、湖の近くにあり、それはそれは半端なかった。俺のリアクションに、おばさんはツボにハマったらしく、しばらく笑っていた。広い邸宅は立派な屋敷で、庭も広く、門構えなんかは金持ち度を超越していた。

No.260 10/07/23 08:13
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


洋風のこの広く立派な邸宅は、なんとおばさんの別荘らしい。立派なご馳走を頂きながら、おばさんと祝杯をあげた。


『ふふ。そんなに驚くことじゃないわ。説明するのが面倒だから…つい地元住民と言ったの。元々の地は東京生まれの東京暮らしよ。ここにはたまに休みに来ていたのだけど、主人が亡くなってからはずっとここに居るわね…。』


『あなたが来てくれて本当に嬉しいわ。これから賑やかになるわね!広い家にこんなおばさん1人じゃ寂しくてね…。』


…俺を招き入れた最大の理由は、やはり寂しさらしい。そりゃそうだよな…初老のおばさん1人、こんな広い家は寂し過ぎる。息子がいたら俺みたいな…って感じもあるんだろうな。


こうして名目は家事手伝い、職探しという、毎日たらふくご馳走を頂き、贅沢な広すぎるジャグジー風呂に入り…夜はシェフのスイーツ。贅沢という贅沢を日々味わいながら2ヶ月がたった。


おばさんは何か大きな会社の会長らしく、昼間はけっこう外出ばかりだった。夜は俺の学生時代の笑い話や彼女の話など、俺の話ばかりして、おばさんは本当に楽しそうだった。

No.261 10/07/28 07:59
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


2ヶ月も職を探しながらという口実の居候ニート生活をしていると、わざわざ自身からこの贅沢三昧の生活を打破して、環境を変えようなどと全く思わなくなる。人間は、甘えた環境にいればいるほど、底穴から抜け出そうなどとはしないらしい。


ああ…この優しいおばさんのおかげだ。なんて優しいんだ。俺の世話をしてくれ、俺を応援してくれる。離れたくないな、ここから。俺は安泰だ。


コンコン!

夜10時を回り、食事も風呂も終わらせ、部屋でTVを見ていたら、おばさんから呼ばれた。こんな時間に珍しいな…。


『はい?どうしたの、おばさん。』


『ねえ!私の部屋の写真を見ない?』


酔ってるのか?…まあいいや。おばさんの部屋は初めて入る。写真て…死んだご主人のかな?


『…ほらほら。入って頂戴。ふふ。』


度肝を抜かれた。部屋中に真っ赤な薔薇が敷き詰められていた。テンガイ付きの白いレース調のベッドの脇のチェストには、大きな写真。それは若く美しい女性だった。


『見て…あの女性は私が二十歳のときの写真よ。どう…?綺麗かしら?』


『あっ…うん!すげえ綺麗だよね!』

No.262 10/07/28 22:56
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『ふふ…嬉しいわ。この頃ね…男を知ったのは。』


??…


『さあ。見て…私、この頃とそんなに変わってないの。見て…。』


!??…
おばさんはガウンを脱いだ…そして黒のベビードールになり、ベッドに座り、俺に手招きする。


『さあ…全身全霊で丹念に舐めていきなさい。』


『……!?はあっ!…ちょっ…おばさん!何考えてんのマジ!こんなんやべえよ…てか俺無理だし!』


『何が無理なの?』


『いやっ…てかおかしいだろ!俺とおばさん40以上離れてるし!できないよこんなん…無理だよ!』


『……。
お黙りなさい。』


『年齢が何なの!
そんなの関係ないわよ。
散々甘い蜜は吸わせたはずよ。
お礼はきちんと返しなさいよ。』


『簡単でしょう?
私に尽くして、私を満足させればいいのよ。
私、二十歳から何も変わってないわ。美は永遠よ。』


『お礼…お返しって…俺がヤレってこと?』


『そうよ!早く丹念に脚から舐めなさい!!』


何てことだ…。
俺は無理だ。
初老のおばさんヤるなんて…。

No.263 10/07/29 14:13
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『冗談やめろよ!おばさん!ヤレるかよ!マジ無理だから!勘弁してよ…。』


『……。
あら。私も見くびられたものねえ…。
こんなにお世話してあげてるのに。』


『僕…。教えてあげましょうか。私の主人、世間では行方不明となっているわ。愛人と駆け落ちしたんじゃないかってね…。』


『…え?死んだんじゃなかったの…?』


『ええ!死んだわよ!ちゃんと見届けてあげたわよ!』


『…行方不明になってるって…なんで…?』


『ふふっ!
はははは!
私が殺したの!
この別荘でね!
中庭に主人がいるわ、眠っているわよ!』


『ひ…!ま…マジかよ…!』


『人殺しに1人も2人も一緒よねえ…僕?』


あ…。俺は…もしかして…底穴から這い上がれもしないのかもしれない…。俺の選択は…甘い生活への地獄だった。


『さあ僕。
始めましょうか。
丹念に舐めて頂戴。』



…俺はもう、平凡な日常には帰れないかもしれない。


この汚い喘ぎ声のババアが…
俺を殺すかもしれないのだから。



end

No.264 10/07/30 22:29
優花 ( ♀ 6VhO )

★★


失笑の雑談
売春婦の溜め息
自律神経交代劇
完全的な支配下
求められた心の死
苦痛の快感
魅惑のクラシック
誘惑のワルツ
狂喜の美声
くだらない戯言
闇の階段
出口のないトンネル
曇る真理眼
殺した名前
亡くした肉体
目覚めた魂
子守歌の涙
止まったオルゴール
選択肢の絶望感
甘い舌
長い睫毛
固い髪
大きな手
自身の殺し方
白い猫と黒い猫
嘘だらけの口
心の不健康
廃虚
オレンジの光
連続殺人犯
焼けた家
焼けた野原
シンデレラの憂鬱

No.265 10/08/06 12:34
優花 ( ♀ 6VhO )

★★


君はあの地獄絵図に耐えられただろうか
君はあの小さな子供2人のように
知らなくてもいい現実を突きつけられても
平気でいられただろうか
悲しくとも笑顔で
苦しくとも描く夢
あの白い家の悲劇
あの曇り空の下
晴れた記憶は何故だか消えていた
周りの中に溶け込む苦痛
合わない会話に自身を庇う
君は知っているかい?
世の中は親も大人も
いじめあっていることを
君は知っているかい?
本当のいじめが同情だということを
惨めな自分を自身が庇う
自分の殺し方は自分のみ知る
それでも君は自分が可哀想だと思えるかい?
表面図の奥には立体感
真理眼を肥やせ
頭を氷のようにクールに
辛く悲しい物語には
小さな子供2人が
幸せに暮らす結末
読み上げてあげようか
君は涙をこらえられるかな
はははは

No.266 10/08/09 08:02
優花 ( ♀ 6VhO )

★★


本当はあちらの世界に逝きたいと願う自分が存在する
本当は全て放棄したいと甘えた自分が存在する


自分自身が楽になる道、会いたい人達に再会したい
この現実には会いたくない醜い人々ばかりだ
人が人をいじめる
人が人を馬鹿にする
人が人を笑い物にする
悪に染まった奴らと一体何故仲良くしなければならないのか
何か正当な理由にかこつけてのいじめ
見て見ぬふりの偽善者共
自身も悪に負けそうになる
母親の自分は本当に母親になっても良かったのか
けれど2人の母親を私は望んでいた
生きてきたのは2人に出会うためだったのだとも思う


あの場所にまた行った
変わりない景色とは逆に
現状は変わり果てた


誰も助けてなどくれない
そして他人を助ける強さも持ち合わせていない


あの電話は
手が震えて、そして全身が震えた
何故だか突然のはずなのに前々から知っていた自分も存在した
ああ、ついに時期がきたのか
いつか死ぬって解っていたから私は平気
恐かった
私は親の死を冷静に受け止めるほどの、冷たい自身を持っていた
いつか独りになるからね
そう言った、もう1人の自分
一体誰が本当の自分なんだろう

No.267 10/08/25 08:23
優花 ( ♀ 6VhO )

★★


自身で飼い慣らす悪魔
激しい頭痛と倦怠感
大蛇は息をひそめて
苦し紛れの言葉は
【殺して】
早く逝きたい
居場所が無い
逃げ場も無い
こんな人生にどうか終止符を
悪魔は囁く
世界はお前の敵だ
不公平なまでに成り立つこの世に未練など無い
物欲も無くなれば尚良い
ブランドばかり買いあさる醜女
同じような洋服ばかり溢れたクローゼット
自身で飼い慣らす悪魔
激しい頭痛と倦怠感
二面性の自分への恐怖
良妻賢母は私じゃない
本当の私は
きっと悪魔に支配されている
あの曲は私を震えさせる
あの電話を思い出すから
激しい頭痛と倦怠感
言葉という暴力
罵声の飛び交う世界に何も求める事などない


例えば
私が消えたら


例えば
私が死んだら


何故だろう

それでも
晴れた空が愛しい

No.268 10/09/14 22:55
優花 ( ♀ 6VhO )

★my way★


やりたいだけやってきた
あたし、遊びたいだけ遊んできた
火遊びの恋もたくさんしたし、欲しい物は大体が手に入ってた
最期には死を選ぶほどに愛する人もいたの
そして愛されたわ
あたし思うのよ
二十年の短い人生で
本気で死ねるほど愛する人が出来たって事
それだけは奇跡じゃないかなって
彼とペットの猫だけが、あたしの信じれる全てだったのよ
法律は何度も踏み外したわ
法律なんてクソくらえ
法律は神経質な人間達が、自分らを住みやすくするために創ったのよ
あたしが手を出した毒は、毒の中の女王様
彼をも毒に染めたあたしは、心までも犯罪者ね
あたし歌が好きだった
彼はあたしのために秘密で曲を書いてくれたのよ
これは彼とあたしの究極の秘密よ
あたし、最期は彼に殺ってほしかった
あたしの希望だったの
彼はどうせ、あたしに会いに上がってくる事位、十分解ってたから
歌はめちゃくちゃよ
そう、だから、究極の秘密なの
愛する人が存在した奇跡
そして愛する人に想われた幸せ
あたし自分に後悔なんて無いわよ
またあたしで生まれたい
アバズレで結構よ
my name is N

No.269 10/09/26 23:38
優花 ( ♀ 6VhO )

★独り言★


心に潜む蜘蛛
頭をはう大蛇
私はいつも満たされはしない
私はいつも愛想笑いと作り笑い
神様は私の大切な人を次々と奪った
孤独に慣れた自分を自身が庇う
どうかもう悪夢を止めてほしい
何故神は人々を平等にしてはくれないのか
この人生に悔やむ
居場所がない
居場所はあるのに
居場所がない
他人には理解してはもらえないだろう
この不公平の不幸を嘆かれない現実を
守りたいものがある
守らなければならない使命がある
それなのに
私はいつも満たされはしない
他人を妬み僻み嫉む
心に住む蜘蛛と
頭をはう大蛇
馬鹿にされるように同情される
強がりは弱さを見せたくないから
私は可哀想なわけじゃない
ただ当たり前に人並みになりたいだけ
身近な人々を切り離したくてたまらない
私は一人
一人なのだから

No.270 10/10/10 00:36
優花 ( ♀ 6VhO )

★★


神が私の頭と手足を奪った
思考回路は遮断され
手足は思うようにならない
神は私を見捨てた
憤りと憎しみ
あんたは私を虐めているね
どれだけ素直になれば悪夢を終わらせてくれるのか
始まりは終わり
この狭い視野で見る世界に
どれだけの涙を流したのだろう
蘇る傷だらけの過去が鮮明に映る
神は今日も私を試す


このプログラムの結末は
狂おしい過去の家族崩壊プログラム


神は私を見捨てた
この手になにか手に入れれたのだろうか


私は。


私は。

No.271 10/10/12 20:55
優花 ( ♀ 6VhO )

∮ショート小説∮


★陰謀★


冴子28歳。独身、1人暮らし。彼氏…無し。21のとき、半年つきあった男性がいた。それからは合コンや紹介など、出会いはそれなりにあっても、恋愛には発展しなかった。
OL歴は10年目になる。同僚や友人…結婚式は結構出席した。招待状は年々苦痛になる。同僚は23~25位をピークに次々結婚していった。寿退社もあれば、子供が出来るまでは…と残る者もいる。
私の部署には6人の女の同僚がいる。3人は結婚していて、2人は結婚予定の彼氏がいる。1人は私と同じ独身、ひとつ下の優子がいる。優子がいるから私は会社を辞めずに頑張れている。優子がいなければ、こんな惨めな私はこの職場では頑張れなかっただろう。
表向きは同僚7人仲良くしているが、私は優しい先輩面をしながらも、実際は優子以外は皆大嫌いだ。3人は幸せな結婚生活を語りウザいし、21~2の2人は彼氏自慢でウザい。彼氏がいながらも合コン三昧。正直消えてほしい。だが私は年長者であり、先輩になる。仕事内容では責任がある。

No.272 10/10/12 22:18
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


仕事にはいつも全力で力を注いできたつもりだ。残業も嫌な顔ひとつせず真面目に取り組んできた。今まで寿退社した同僚も、今いる同僚メンバーも、ヘアメイクやファッション、エステやスキンケアと女に磨きをかける女性ばかりだっだ。仕事においては、いわゆる腰かけのようなおざなりな姿勢が垣間見えて、不愉快になる事は少なくなかった。
私の顔はやはり客観的に見て中の下だ。痩せてないし、よく言えばぽっちゃり、正直デブのラインだろう。25を過ぎたらメイクも面倒になり、薄化粧化した。美容院もあまり行かなくなった。服もずっと買ってない。25を越すと体重増加がヤバくなり、見た目がどうでもよくなっていった。元々ぽっちゃりで入社当時11号の制服だったが、今は15号で68キロある。
優子も私と同じ部類で、私より少し痩せたぽっちゃりさんで、化粧っ気のないブスコちゃんだ。私と同じくヘアメイクやファッションに興味が無く、私達はお互いレディコミとサスペンス映画が大好きという共通の趣味から仲良しだった。

No.273 10/10/14 07:58
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『今月出たレディコミさ、女に嫌われる女買った?』

『もちろ~ん!!買った買った!!』

『面白かったよね~!やっぱり夜はレディコミ見ながらビールとお菓子食べてストレス発散よ!』

『はは…確かに!!私は昨日シメにラーメン食べちゃった。また太るなあ…。』

『いいじゃんいいじゃん!!どうせ独り者なんだし!!』

『そだね~、見せる相手もいないし!!』

『あははは!!』


私と優子の会話はいつもこんなふうだった。優子も昔少し恋愛してから、ずっと男にご無沙汰らしい。私達は共通の趣味で笑い合い、いつもお互いを慰めあう関係だった。
今は晩婚化とか世間では言われているが、職場によってうちみたいに、バタバタ結婚してくようなOLが多いとこだと、残された私や優子みたいな真面目な会社員は会社にとって優遇されるどころか、恥ずかしい惨めな情けない気持ちに苛まれてしまう。仕事がいくらテキパキしていても何故か堂々と出来ないのだ。威張り散らす先輩にも成りきれない。…あんなだから独身なんだ、とも思われ兼ねない。
年はもう30に近づいていた。

No.274 10/10/23 08:00
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『今日の相手はマジに凄いよ!!』

…またか。結婚考えてる彼氏いながら、よくいつもいつも合コンするよなあ…。このキャンキャンした女2人は馬鹿女のくせに若いから仕事が早いのもムカつく。

『でもさ、向こう3人でこっちはうちら2人なんだよね…。美奈が行けなくなったからさ。』

『どーしようね…。』

そんな会話を聞きながら私はちょっとだけ、それなら私行っても…と思ってしまった。正直、毎回男との出会いがあってこの馬鹿女どもが羨ましく思えていた。私も出会いさえあれば結婚できるのに…出会いがある場に自分から行かないだけ、だから彼氏出来ないわけじゃない、作ろうとしてないのよ!!って…いつもそう思っていた。

『あ…っ!!ねえねえ!!
私今夜空いてるんだけど…?』

『……?!!あっ…!!そうなんですか…!!
えっと…その。もうキャンセルするかもなんで…えっと、なんかすいません!!また誘いますね!!』

2人はバタバタと仕事しだした。
…なんなの、その態度!!私は誘いたくないわけ?!!私じゃ何が駄目なわけ?ムカつく…。自分らだけおいしい思いして…人には分けたくないわけね…!!ムカつく…ムカつく!!

No.275 10/10/31 22:12
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


生理前だったからかイライラが収まらなかった私は、資料を取りに行くふりをしてコッソリ、ロッカー室に入った。そしてあらかじめ、隙を見て奴らのデスクの引き出しから盗んでおいたキーで2人のロッカーを開けた。
携帯をチェックして、いつも名前が出てくる彼氏の名前を検索した。
2人の彼氏の電話番号とメールアドレスをササッと控えた後、何も無かったかのように資料を持ち帰り、2人の隙を見てキーを引き出しへ戻した。
自分でも驚く位に冷静沈着だった。


さあ…どうしてくれようか。


レディコミのような展開にワクワクした。こんなに充足した刺激ある気分は久しぶりだった。


どうせ奴らは合コンに出かけるんだから…後をつけようと決めた。
そして私は実際尾行に成功して、出てきた男と出来上がっている2人を激写した。腕を組んで、かなりの泥酔様だ。片方をまたタクシー尾行すると、マンションに入っていった。そして激写に成功した。


はあ~なんて尻軽。アバズレなんだ…あいつは。今まで良くしてあげたのに…恩を仇で返されたからねえ…あははは!!どうしようかしらね!!

No.276 10/11/14 23:02
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


匿名で後輩彼氏に浮気現場画像を送信した。
数日後、かなりやり合って揉めたと焦っていた。後輩らの会話を聞きながら、心の中で笑いが止まらなかった。
私は罪深く汚い雌豚に正義在る制裁を加えただけ。決して汚くも陰湿でもないわ…。
時期に後輩から彼氏とは別れたと聞いて同僚皆で慰めながら、こんなにスリルある刺激的なゲームに快感を得ていた。


次はもうひとりのバカ女ね…。


そしてまたもうひとりの後輩にも同じように制裁を加えた。時期にこの女も彼氏とは別れてしまった。


あははは!
なんて面白いんだろう!
私をバカにして見下した罰だ!これは仕返しだ!私はなんて利口なんだろう。


そんなとき、優子から衝撃的な報告をされた。
なんと2ヵ月前からのおつきあいの彼と結婚を期に退職すると言う。
そしてそれは皆への報告であって、なんと私には事前に何も報告も無かった。
驚きと屈辱、悔しさと怒り…私は体中から震えを感じた。

No.277 10/11/14 23:09
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『…おめでとう。』


『ありがとう冴子。ごめんね言いそびれたわね…。なんだか冴子には悪い気がしちゃってて…。』

『ふふっ。いいのいいの。気を遣ってくれたんでしょう?ありがとう優子。幸せにね…。』


『ありがとう…。』


目頭が熱くなった優子を見ながら固く決意した。
裏切り者には正義在る制裁をしなきゃねえ…。


優子に気を遣ってもらってまで…私はなんて可哀想なんだろう。


いいわ優子。
お返しはたっぷりお祝いしてあげなきゃねえ…。


私は可哀想。
なんて可哀想なの。



end

No.278 10/11/20 08:06
優花 ( ♀ 6VhO )

★羽★


『やっと羽が生えたね』

そう言う女神のような人は真っ白い大きな羽
私の生えた羽はグレー
天使って本当に存在するんだね
じゃあやっぱり悪魔も存在するのかな
良かった
私天使だったんだ
雲と雲の間をすり抜けていたのに
眠りから覚めた私は公園の芝生だった
グレーの私の羽を誰もが気づかない
私でさえも透き通るから触れないの
ああ
誰もかれも羽が生えていない
私だけが神に認められた天使だったんだ
みんな可哀想
きっと心が純粋じゃないんだね


日々グレーだった私の羽は
だんだんと黒に近づいた
そしてついに真っ黒となり
コウモリや吸血鬼を連想させるような黒羽となった
トゲトゲしい黒羽
ああ
やっぱり私
悪魔だったのかな
それとも天使と悪魔は表裏一体なのかな


雲と雲の間をすり抜けて
またいつか聞いてみようか
きっと私
悪魔なんだろうな


ああ
あの女神も
もしかして
悪魔だったのかな…

No.279 10/11/25 08:12
優花 ( ♀ 6VhO )

★★


白い棺にたくさんのお花とタバコ
それからメイク道具


逃げてしまう事が罪ならば罰を受けよう


逃げてしまう事も時には許されるでしょうか


不平等な世界にうんざりして神を憎む
何故弱者を極度に追い詰めるのか
弱者を守る事は神の使命ではないの


馬鹿馬鹿しい物語の末に神に見捨てられた2人


彼等は幸せがあったのだろうか


私の存在が幸せだと?


人が死ぬ事
それは
もう会話ができない事だ


白い棺は未来絵図
私の未来


卑怯者だと罵倒されても
私には愛する者を守れない
精神病?
いいえ
この世は大なり小なり
皆が精神病なのだから


人と人の見えない絆
どうして信じる者は救われないの


タバコの煙が目にしみる


ああ
雲ひとつ無い
綺麗な青空

No.280 10/11/28 23:13
優花 ( ♀ 6VhO )

∮メッセージ∮


【悪口は虫歯のもと】
なんだそうです。悪口や愚痴というものは、悪い気を口の中に溜め込み、それが虫歯へと繋がる…という迷信です。
人は生活する上で大なり小なり悪口や陰口、愚痴など、他人の事について悪く言葉にしてしまいます。実際私も、悪口や暴言をたまに吐いてしまいます。
ある漫画で(笑)美容部員さんが綺麗なピンクの口紅を女性に塗ってあげて、『こんな綺麗な唇から汚い言葉を出せますか』と、問いかけていたシーンをふと思い出しました。。
悪口って言うのも嫌だし、言われるのも嫌だ、聞くのも嫌になりますし、悪口や愚痴ばかり吐く人には、ああ影で私の事もこんなふうに話すんだろうなって思います。
昔の人は現代人よりも、(生活の知恵)をたくさん知っていたのでしょう。この世は妬み僻みで形成されている、と、私の尊敬する方がおっしゃってました。立派で神様のようなその方でも、まだまだ人生の修行中なのだそうです。。
なるべく悪口や陰口、愚痴を吐かない心がけは、私にも出来るように思います。
美しい言葉、優しさは思いやりです。
…頑張ろう!私!

No.281 10/12/25 08:22
優花 ( ♀ 6VhO )

★★


目を肥やせ
見えないものを見ようとする真理眼
目を肥やせ
不平不満ばかりの私の目
見えないものに
小さな幸せの灯
君なら解ってくれる?
君の目に映る悪夢
その先の光
目を肥やせ
光よ導け
敗者と弱者
私は弱者でいい
真理眼の先に
小さな幸せの灯


君なら
君なら…

No.282 10/12/26 23:34
優花 ( ♀ 6VhO )

★★


君を見て
涙が出たよ
君を見て
自分になれた
どこか遠く遠く
走っていけたなら
きっときっと
強くなれた
一片の幸せ
ぎゅっと噛み締めたら
どんなに良い子でいても
それも駄目だと知った
この真っ暗闇の世界
ただただ
君だけは
輝いて見えた
ひとつの光
好きで
好きで
好きで
君を見てたら
涙が出たよ
君を見てたら
自分になれた
守りたいものが
この手にあるんだ
空に空に
この手かざすよ

No.283 11/01/17 22:12
優花 ( ♀ 6VhO )

∮ショート小説∮


★愛の罪★


どこから間違えたのだろう…。
一体いつから
私の子育ては間違えていたのか…。


ひとり息子の俊は、今現在いわゆるニートだ。
引きこもりは高1から始まり、自主退学。
以来、今の19歳まで、自室で過ごしてきた。一日中パソコンや携帯、ゲームに読書、映画鑑賞など…そういうふうに過ごしているらしい。


母親の私は42。結婚してからずっと専業主婦だ。
主人は46、建設会社の役職、帰宅は昔から遅く、出張も頻繁だった。


夫婦仲は、俊が就学前にとっくに終わっていた。
俊が6歳のときに、主人の浮気が発覚した。主人は悪びれる事も無く、私も事を荒立てはしなかった。


私は俊を生んで、とにかく息子に集中した。
可愛い息子…そう、息子のためなら、完璧な環境で豊かな教育と躾…息子のため。俊のため。
父親と母親。


私の中に離婚などという選択肢は無かった。


主人もきっと同じだろうか。家庭に見切りをつける馬鹿なタイプでは無かった。

No.284 11/01/23 23:07
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


俊が小学生の間は、今となって考えれば平穏無事で、人並みに幸せな生活だったと思う。
俊は活発で友達も多く、サッカークラブに入っていて、友達も多かった。よくクラブの帰りにお花を摘んで帰ってくれた。
勉強も中学年から塾に通い始め、自ら進んで取り組んでいた。他の子供より遥かに頭の良かった俊、サッカークラブで目立った俊。
私は主人の事は
『お給料を私達に与えてくれる人』
としか思えてなかった。
実際俊の事は私に任せきりで、外での浮気を平然とし、家庭サービスする人でなかった。
俊の話をしても
『…良かったな』
『…良い子だな俊は』
ただの一言、適当に返されるだけだった。
小学生の俊は私に優しい、勉強もサッカーも頑張る誇らしい息子だった。私はそれだけで十分だったし、主人には呆れるような証拠を残され、朝帰りや長期出張されていたが、そんな馬鹿らしい悩みを捨てて、とにかく息子だけを見つめていた。
家事も怠らない完璧さ。良妻賢母…まさに私にピッタリな言葉。
私なりに幸せな生活を送れていたのだ。

No.285 11/02/14 22:33
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


俊がだんだん変わっていったのは中学からだった。大好きだったサッカークラブも、勉強のために私は見切りをつけた。中学では勉強に励み、進学高校に進み、立派な国立大に合格する事…それが私のレールであり、俊の最善なる幸せな道だ。私はそう考えていたからだ。
中学からは学校外の時間は塾に変わった。俊も勉強には励んでいた、そして、明るかった俊は暗くなって口数が減った。勉強のためには少々大人しくなったほうがいいのよ…私は特に気にしなかった。
中学の3年間、真面目に勉強に取り組んだ俊は、成績が落ちる事もなく、無事に県内最高レベルの進学高校に合格した。
私は最高潮に興奮した。息子のために尽くした成果が、この幸せな事実だと。主人の相変わらずな適当な態度も、立派な息子は私の育て方のおかげだと気分が良かった。


…だが幸せも泡のように消え失せた。
俊は高校に2ヶ月通い、行ったり休んだりを繰り返し、ついには行かないと言い張りだした。
私は頭が混乱し、取り乱して怒鳴ったりわめいたりしてしまった。

No.286 11/02/15 08:43
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『うるせえんだよ!!ババア!!』
『消え失せろ!!死ね!!』

私が取り乱しはじめてから錯乱した末に、息子は母親の私に初めて反抗した。信じられない言葉を吐き出した。まさに青天の霹靂だった。


『俊!!一体何があったって言うのよ!!
せっかく最高レベルの高校に入れたのに!!
甘えるのもいい加減にしなさい!!』


ドンドン!!
『開けなさい!!俊!!
今日は行けるわよね!!
俊!!』


『高校は辞めるっつってんだろーが!!クソババア!!失せろ!!』


日々のやりとりに疲れ果てた私は、結局俊を説得出来ず諦めていった。担任と話し合いもしたが、結果自主退学という最悪な結末となった。

主人も俊が高校に入学しておかしくなってから、あまり家に寄り付かなくなった。どこぞの女と安部屋でも借りているのだろう。あの男にとって、一体私達は何なんだろうか。私も俊も、あの男の人生に不必要なのではないか。
私の人生にあなたは必要だったけどね…人並みよりは良いお給料を運んでくれるから。私と俊のために働けばいいの。早死にしてくれたら一番だけどね。ふふふ…。

No.287 11/02/15 20:13
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


俊が荒い言葉遣いになり、自室に引きこもってから、3年経った。俊も19になっていた。
週に2回、風呂に入りに下に降りてくるが、それ以外は部屋から出ない。
…たまに深夜、出ているようだった。玄関のドアの音で目が覚めた事がある。主人は帰宅していなかった。
逆にあまり外出しないでほしいと思った。近所の目もあるし、3年も経てば周りは皆、うちの事情など分かりきっているだろうが…今の俊はおかしいと思われて当たり前なのだから、例えば変な犯罪でもこの町で起これば、俊が一番に疑われるんじゃないかと考えた。
あらぬ誤解を招くぐらいならば、いっそ家で大人しくしとけばいい…まあ深夜に出かけているのも、ごくたまにだろうから私も放置していた。と、いうか…あまりもう息子に関わりたくなかった。
あの男にしてこの息子…主人の血が強いのか。変人に育った、何を考えているのかさっぱり解らない。私は人並み以上に立派な良妻賢母だったはずだ。要は、子供自身の性格だろう。あの子はただ私について来れなかった。情けなかったのだ、男として。主人の二の舞だ。

No.288 11/02/15 20:31
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


2階を掃除していたら、変な匂いがした。俊の部屋からだった。
なんなの一体…臭いわ。あの子何か食べ物腐らせてゴミ溜めてるんだわ…。

『ちょっと?俊!!
なんなのこの匂い!!
臭いわよ!!掃除するから開けなさい!!』

また無視すると思ったが、すぐ素直にドアを開けた。

『もう…いつも掃除しないからよ!!…ったく本当に臭いわ…』

え………?
??!!
『ひいぃぃ!!!!』


『驚いた?母さん。
死体ってさ、やっぱだんだん腐るとすげー臭いよね。』

あ……あ……

『どうしようかなと思って。母さん…あんたなんとかしてよ。』


『そっ…その女の子…誰よ?!』


『知らない。中学生かな?家出したからって夜中ついてきた。』

『あんた…まさか…
殺した…の?!!!』

『首絞めたら死んだ。
普通ヤったら首絞めるだろ?そしたら…』

『く…首を?!ひぃぃ!!』

『だって父さんの書斎のエロDVD、首締めばかりじゃん、強姦系とか。
だから普通だよ。
ねえ早く死体なんとかしてよ。臭いってマジで。』


私は…私は…
本当に夫婦生活と子育てを間違えていた…


end

No.289 11/02/16 08:16
優花 ( ♀ 6VhO )

★無題★


君が地獄という名の窮地に立たされ
君の目に映る絵は
どんなものだったのだろう
悲しみは強さに
怒りは諦めに
苦しみはトラウマへ
最期の食卓の日を
もう覚えはしないだろう
遠い遠い昔の記憶
君はどうして
あの時期だけ記憶が飛んでいるのかな
脳みそってのは都合の悪い記憶を排除したい仕組みになってるからね
両親よ
苦しませるだけなら
親にならないでほしかったよ
いや
生んでくれてありがとうと言うべきか
基礎も出来てない家族という地獄絵
一般的家庭の周りには到底理解出来ないだろう
誰にも解ってもらえなくてもいい
自分自身が唯一の味方だ


聞こえた
またあのメロディー
聞こえた
家族の笑い声

No.290 11/03/26 08:11
優花 ( ♀ 6VhO )

★無題★


心が壊れ過ぎて
その感覚は麻痺していった
責任?…放棄したい
叶うならば
愛情?…できたら
そんな理解できないものは
排除したいね
死にたい?…ああ
今すぐにでも


人は偽りのベールをまとい生きる術を学ぶ
くだらない人間関係や
くだらない生活
全てを捨てて雲で寝れたらどんなに楽だろう
この私のポジションに
意味はあるのだろうか


ある占い師は言った


(ひとえに平等だとしても、比較的苦労の無い道のりと、苦労してしまう道のりに人は分けられるのは確かだ)


甘えることを知らない私は
可愛げが無いだろうね
理解者は自分だけで結構
くだらない周り
くだらない自分


今日も私を造る
さあ私という人間の演技を

No.291 11/03/31 20:49
優花 ( ♀ 6VhO )

∮ショート小説∮


★命★


いつもの薬を貰った。
精神安定剤に眠剤…。
これがなきゃやってられない。


両親は10代でふたりとも他界した。
兄弟はいない、祖父母も小さい頃に死んでいる。

高校を辞めて16から、ひとり暮らしを始めた。
今年で私は26になった。


天涯孤独…というのは、こういう私みたいな人間。


そう。
例えば、今夜。
ひとり暮らしの私がまた手首を切りすぎて、出血が収まりつかなかったとしたら…?



死んでも誰も気づかない。友人はいない。
適当につきあってる男どもは2、30人はいるけど、私のこの自宅マンションを誰も知りはしない。



私は10年、同じ飲み屋に出ている。ママから寮としてアパートの一室を借りている。


寮を自宅だと言い、男どもを呼んでいる。
実際はマンションの自宅を持っている。



このマンションは16のときに、60代のおじさんが私に買い与えた家。



【成宮さん】
このおじさんは亡くなっている。彼は死ぬ前、私に言った。



『最期に人を助けることができて良かったよ』

No.292 11/03/31 23:28
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


彼は私と関係を持って、すぐに店の近くの新築マンションを購入してくれた。私のために。
彼…成宮のおじさんは、ママの客だった。
最初の会話で、彼は一気に店に入りたての私を気に入ったらしい。


『ゆりちゃんって本名?源氏名だよね?』

『…本名だよ。
優しいに理科の理。』

『ふぅん…。
優しい子に育ってほしかったんだ。御両親は。』

『…さあ。
どうでもいいけど…。』

『ハハ…さては御両親とうまくいかなくて家出したかな?』


『相次いで脳出血で死んだから。まあ…うまくいってたわけじゃないな…機能不全家庭だったから。家出というわけじゃないよ。働かなきゃ食べてけないし。』


『…あ、ああ。
大変だったねえ…。』


『別に…。
親がいりゃいいってわけでもないと思うし。』


『………。
そうか…。』


入りたての頃はガキ過ぎて、まともに敬語も使えない私に、よくママは頭を叩いた。そして成宮さんや他の客に頭下げて回ってた。
ママはとにかく口うるさく私に説教した。
だけど、客には私の親になりたいと話してくれていた。

No.293 11/04/01 17:23
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『あんたあれだけ口も態度も悪いのに…不思議だよねえ。うちの常連さんは皆あんたを可愛がりたいって言うんだよ。顔と若さでトクしてんのも勿論あるけどね…なんていうか。あんたには自分が守らなければならないって、なんだか周りの心を動かす雰囲気があるよ。…まあ私もそのひとりだけどさ…。いいかい?目上の方には丁寧な対応と綺麗な敬語。これは常識なんだ、人としてのね。まず女として…人間として有り様を磨くんだ。解ったね?』



私は16でママに見つけられて、10年生きられた。
なんだかそれは奇跡にさえ思う。
ママに会わなきゃ、成宮のおじさんにも関わらなかった。


成宮…彼は3年前、長く患っていた病気により死んだ。私は病気だったなんて知らなかった。彼は死期迫る事態は理解していたとママは言っていた。


成宮と私の関係は6年。彼はあまり私を求めなかった。だが、話をしに頻繁に会いに来た。店にもマンションにも。
彼は昔、奥様と娘さんを相次いで亡くしたらしい。ずっとひとりで豪邸に住んでいたと言う。


私には彼と同じ匂いがしたのかもしれない。

No.294 11/04/01 23:02
優花 ( ♀ 6VhO )

>> 293 ★続★


私は成宮の他に、たくさんの男と関係があった。成宮自身それは理解出来ていたようだった。


『ねえ。このマンションにはボーイフレンドは呼ばないみたいだね?
寮のアパートも解約するつもりはないんだろう?』


『…うん。
ここは汚したくないし…。』


『ん?汚す?
…僕は大丈夫なの?』


『……。
いいじゃん。
うざいよ。』


すまないねって言いながら笑う彼を見て、私もうざいなんて心無い言葉を心の中で謝った。


恋だとか…
愛だとか…
そういう気持ちじゃなく、私は成宮をどう言い表せばいいのか、自分でも解らなかった。


空気が暖房のような感じ。電気が黄色な感じ…。とにかく場が柔らかい雰囲気に包まれて、一切しゃべらなくても、向こうが黙ろうとも、次の会話のワードは必要無い空気感だった。


『悔しいよなあ…。
もしも妻子を亡くしてすぐに出会っていたら、君と長くいれたのに…。』


『?ずっといれるじゃん。これからも…。』


『…そうだな。』


彼は死期迫る中、私を6年面倒見ていた。


その日々は、自分は守られていると嫌でも実感していた。

No.295 11/04/03 22:58
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


成宮のおじさんや、店の客が皆、私を気にかけてくれていたのは、多分私が精神的に病んだ人間だからなんだろう。同情…憐れみ…。勿論ママも。
私は両親を亡くしてからリストカットが止められなくなった。止めたくて精神科通いしているのに止めれない。傷口はリストバンドじゃ隠せない程だった。
皆両親が死んだから精神的に病んだのかと思ってるようだった。
理由は違う。
死んだからじゃない。
両親に死なれて、周りが異様な目で自分を見ることに、耐えられなくなったのだ。
世話になっていた母の姉、叔母の家も、叔母が2人の娘を可愛がり、私に気を使う。叔母にとってもいい迷惑だ。旦那のおじさんにとっちゃ私なんて他人なんだから。
周りに気を使わせることは、自分が気を使うより苦痛だった。
だから高校を辞めて働き出した。
ママに拾ってもらって今の生活がある。


『あんた。もう十分切って自分をいじめたよ。もういい加減、自分をいじめんの止めな。』


ママからは今でも言われる。
でも私は成宮が死んでからリストカットも薬も増えた。


また置いて行かれたと…。

No.296 11/04/03 23:13
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


何故私に関わる人間はいなくなるんだろう。
何故私が求める人間は私を置いて行くんだろう。


常に頭に同じフレーズが連想する。
成宮は死ぬ前、最期に人を助けることが出来たと吐いた。
私を助けたつもりで逝きたかったのか…。私は助けられてない、まだまだ弱い。まだまだあんたが必要だったのに。
マンションとか金とか、セックスとか…そんなどうでもいいことじゃない。
私はそばにいたかったんだと思う。
保護者のような成宮のそばに。


成宮が死んで3年。
店には週末しか出れなかった。体調も浮き沈みがあった。それでもママはまだ私を見捨てないでいてくれた。
店の昔からの常連さんたちは私をすごく心配してくれた。


弱い自分を自分が責める。自分に疲れる。
周りの優しさに触れれば、尚更自分が嫌いになる。
関係してる複数の男らとのセックスはいいものだった。
最中は私が求められているからだ。そして鬱な自分を一瞬忘れさせてもらえるからだ。


お父さん、お母さん。
成宮さん。
早く私を迎えに来てよ…。


切っても切っても死ねない自分に発狂しそうだ。

No.297 11/04/03 23:33
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


眠剤が効いて深く眠れた夜、夢を見た。
小学生位の女の子が出てきた。


『ねえ?なんで泣いてるの?』
『は?私泣いてないし。』
『ふうん。いつも泣いたお顔ね。』
『…はあ?誰?』
『さあ!誰でしょう!』
『なんなの?』
『腕が可哀想だね。切るのもう終わりにしなきゃ。』
『…なんでよ。』
『私に会えないよ!
頑張れ!頑張れ!』
ずっと頑張れって言いながら、白いブランコに乗っていて、柔らかい茶色に透けたパーマっぽい髪が揺れていた。
この子、なんかどこかで見たか会ったかのような…誰だったっけ。目の大きな可愛い女の子…。


目覚めてから思いだそうとしたが、解らなかった。何故会ったような気がしたんだろう…。


その夢を見た後は、不思議とリストカットをしない日々が続いた。薬もあまり飲まなくても店に出れるようになった。
心が楽になったような気がした私は、穏やかな状態で仕事を続けられるようになった。


不思議な夢だったな…。

No.298 11/04/05 08:04
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


不思議な夢を見て数日、意味が解ったような出来事が起きた。


私は子を宿していた。
なんとなく女の子じゃないかなと思った。


感情が高ぶりながらも、自分がどういう心理状態なのか全く解らなかった。嬉しい?悲しい?


どうやらだいぶ感情を押し殺しながら生きたために、自分の体が素直に感情表現出来ないらしい。


ママはまるで、本当の親のような演技をしているような発狂ぶりだった。


『相手は誰だい!!解らない?!それであんたはどうするつもりなんだい?!自分自身もようと世話出来ないくせに子の世話なんて…そんなんできっこないさ!!』


私は少し涙ぐんだ。
ママは自分のきつい態度に私が沈んだと思ったかもしれない。
違う。
私は本当の親みたいな言葉を言ってもらえた事が、胸にジンときて、涙が出てしまったのだ。



『どうして…なんであんたにこれ以上に不幸が…。いいかい?自分で精一杯のあんたに子育ては無理だ。諦められるね…?』


そう。私は自分をなんとか保つだけで精一杯。人の世話所じゃない。

No.299 11/04/05 22:26
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


自分で精一杯な私が、母親になるなんて…
ありえない。
飲んだくれの父親と、仕事中毒で育児放棄の母親。汚い家に借金。子供の頃は、一体なんのために自分は生まれたのか解らなかった。
両親は私を望んでいなかったのか…。
私が今、このお腹の子を望んでいないように。


でも心とは裏腹に、何故かタバコを止めた。
薬も止めた。
高いヒールを恐がり、野菜や肉をきちんと取りたくなった。
ベビー服が気になり見に行った。
街の妊婦さんに目がいき、公園の親子を見つめてしまう。


本当は…
本当は…。


本心はこの子が気になって仕方ない。
母親になるなんてありえない。
でもこの子には会いたい。
矛盾した気持ちと行動に戸惑う。


…この子をおろすなんて、私には無理だ。


もしも…。
夢の女の子が私の娘であったなら…。
あの子は私に頑張れ頑張れって言ってくれた。
真顔の私に、どうして泣いたお顔なのって…。


親に求められない事、どれほどの衝撃かは、私がよく知っている。
私はお腹の子を求めたい。私みたいにはならないでほしい。

No.300 11/04/07 15:06
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


自分自身、早く死んでもいいのに…そう思いながら生きてきた。
だけど、もしも将来、自分の子供がそう言うのであれば、これほどに悲しい事はないと思った。
私の母親も、生きていたならそう思ったのだろうか。


『母性本能ってのは、全ての女性に備わってるからね。必要になって時期が来れば、呼び覚まされるもんだろうね』


ママの言葉には、重みがあった。私より少し上の一人息子さんを女手ひとつで育てた人だ。ママも昔、私のように迷ったのかもしれない。そして並大抵の苦労じゃなかった生活を、私にさせたくなかったのかもしれない。


命…小さな命。
私の動悸と子供の鼓動。
連帯感、一体感。


子供に父の名は、
【成宮】だと答えるだろう。


成宮さん。
グズグズしないよ。
母親になるからね。
親はいないけど
自分が親になれる。
母親なんてありえない。
だけど母親になりたい。


見上げた青空に
両親が浮かんだ。


『命をありがとう』



end

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