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優花( ♀ 6VhO )
12/06/13 08:22(更新日時)

詩や小説など
独り言など・・
思いのままに
気ままに
マイペースに・・
更新したいと思ってます
乱雑な稚拙文章をお許しください・・



∮welcome∮

No.1161258 09/07/16 22:31(スレ作成日時)

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No.201 10/06/05 08:09
優花 ( ♀ 6VhO )

★叫び★


身体に巻きついた大蛇と頭に住みついた蜘蛛
うるさい外野
少しは黙れば
他人は誰も助けてはくれないよ
そう言った悪魔
信じるべきは自分自身
私を突き落とそうと
必死な人々
私は平気
突き落とされるよりも残酷な仕打ちにあってきたから
何も恐くはないの
ああ
だから
私を突き落とせないのかもしれないわね
失うもののない私に
何も遮るものはない
他人が笑う
他人が同情する
私からしたら
あんた達のほうが可哀想よ?
今からの人生大変なことばかりでしょうね
私はもう経験したから
たくさんの悲劇を
そして喜劇もね
落ちた人生から見上げる私の空は
誰よりも綺麗な蒼
人は大切なものを無くしてから
狂いながらに成長する


十分飼い慣らした私の大蛇と蜘蛛
悪魔までも
私と居たいと言う
いいわよ
飼い慣らしてあげる
ただ私はもうそこらの温かい人間でないわよ
扱い方に気をつけたほうがいいわよ


心の叫びを口には出せない
出したら私は負けだ
私は独り死ぬ
孤独は人間の宿命だ

No.202 10/06/05 21:55
優花 ( ♀ 6VhO )

∮ショート小説∮


★シンデレラ★


『やはりあなたですね?この小さなガラスの靴の持ち主は…。探しておりました。私と結婚してください、シンデレラ。』


『…はい。王子様…。』


父は裕福な貴族であり、母は幼少に亡くなった。そして10歳で父が再婚、新しい母親と連れ子の姉2人がうちに来たの。父は私ばかり可愛がってはくれていたけれど、やはり夜は継母が独り占めしてた。私だけの父だったのに…そう嫉妬した私は、たくさんの嘘を父や家来に伝え、継母と義姉2人の立場を悪くさせた。

あははは!!あのババアの困り果てた顔!義姉2人の泣き顔!
うふふ…なんて面白いのでしょう。
はん!生意気なのよ!平民の分際でうちに嫁いでくるなんて…あんた達には私と同じようなドレスや食事は贅沢過ぎるわ!


『お父様!またお姉さん2人が私のぬいぐるみを引き裂いたわ!』

『お父様!お母様ったら無理矢理私の髪を切ってきたのよ!』


父が問えば3人は慌てて違うと泣きながら訴えた。そしていつも言ってくれるの。


『シンデレラを大切に扱いなさい。』


あははは!そうよそうよ!大切になさいな!

No.203 10/06/05 22:51
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


私は貴族家系の実母譲りで、周りが惚れ惚れする美人顔だった。比べて義姉2人は、どうしようもないブス姉妹だった。継母は父が平民からのよりすぐりを選んだ位だから、まあまあ見れたが、実母の美貌には何百倍も落ちている。

本当にお母様の代わりなんて生意気だわ…。下品だわ、卑しいのよね全く…。

私は常々姉2人に命令したの。勿論、父や継母の目の届かない所でね。

男を知らないって言うから、不細工な家来を集めて2人を強姦させたの。そしたら泣き叫んびながらも喘ぎ声出してたわ。

私は14歳で男を知った。城に出入りする街の商人達は皆、私の虜だった。その中でも惚れ惚れする端正な顔立ちの、カッコいい爽やかな少年がいたわ。私から声をかけて、バレないよう部屋に呼んで、喜んで抱かれたわ。顔がタイプだったから。

そんな調子でタイプの商人や家来を頻繁に自室に連れ込んでいたの。16歳にもなれば、普通のプレイはつまらなくなった。私の性癖はSだった。だから剣で身体をたくさんいたぶってあげたり、紐でくくって縛り付けたりしたわ。


ふふ…男は可愛いわねえ、たまらないわ。

No.204 10/06/06 15:12
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


そんな優しい立派な父も急病で突然他界した。私は17歳だった。さすがに悲しみは深く、しばらく声が出なかった。形上、継母が城の…この国の頂点に立った。そして継母は、父が亡くなると急に態度が変わった。この私を呼び捨てにしたのだ。

『誰に向かって話しかけてらっしゃるの?
平民の分際で横着な。』

『シンデレラ!!あんただけは許せない!あんたは魔性の女だ!!アバズレだよ!!やり方が腐ってる!!』


『…?何をおっしゃっているの?ふふ…意味が解らないわ。実質私がこの国の王女であり、たったひとりの城の血筋であります。家来達もよーく分かっておられますよ。』


『……ッッ!!許せない!!』


あははは!!
あんた貴族になれたつもりでいるの?!
笑わせないで!
生まれや育ちは身体から滲み出るの!
あんた達3人の下品なこと!吐く言葉が汚いったらありゃしないわ。
上品な立ち居振る舞い…そして悪事は陰湿に…それが貴族の掟…ルールよ。右手に薔薇を、隠した左手にナイフを。こうして私達貴族は生きてきたの。要するに頭がいい血筋なわけ。
あははは!!

No.205 10/06/06 15:25
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


ある日、家来達の会話が耳に入ってきた。

『奥様とリリー様アン様のドレスと靴と宝石が届いております。今週末の舞踏会のためです。』

『はっ、了解しました!…?シンデレラ様は御出席されないと申されたのですか?』

『…うむ。奥様がシンデレラ様には内密にと…。次期王女様の欠席となると、この国の財政に関わりますとは、お伝えしたのだが…。』

『…なんとも卑劣な。どういたしましょうか…。』


!?…なんですって!あのババア…行政を隠しやがった!…ああ、色々な国の王子様がお見えになるものね…ははん…先に姉2人の嫁ぎ先を決めておくってことね…、私が出席すれば、父の一人娘って意味でも、この美貌という意味でも、私だけがちやほやされるのは、分かり切ってるものね…。あははは!!いいわ!それなら知らないふりをしてあげる…。遅れて出向くわ。ふふ、そろそろ私も身を固めなきゃいけないからね…勿論婿養子を迎えるけど。父の城は私が守る責任があるもの。継母、あんたはそうなりゃ用無しよ。

あははは!!

No.206 10/06/06 21:26
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


3人の醜い女共が舞踏会に胸を弾ませ、続々と届く様々な商人達のドレスや靴、宝石など品定めしていて、下品な笑い声が度々聞こえてきた。私が珍しく短期間で仕入れているのねえ…とイヤミを吐くと、ああ…色々とね。と継母は答えた。

はん、アバズレが。一番いい男…王子様は私が頂くことが決まっているのに。まあ知らないふりしといてあげるわ。
あははは!!


さて…。ドレスと靴と宝石…新しく新調しなきゃね。それから足が無いわ。適当な男共に頼んで、内密に動いてもらえばいいわね…。


私は、私の虜のひとり、街でも1、2を競う程の商人から、最高級のドレスと靴と宝石を命じ、早急に運ばせた。そして身体の関係もあり、信頼もある家来のひとりに、内密に舞踏会まで馬車を出しなさいと命じた。


舞踏会当日となり、アバズレ共が不釣り合いな支度をして、食事だと出かけた。私は少し遅らせて舞踏会へと出発した。


うふふ…、あいつらの驚く様が楽しみだわ。
ああ、王子も決めなきゃね…。経済発展大国であって婿養子が条件ね。顔はカッコいいに越したことはないけどね。

No.207 10/06/06 21:38
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


でも私も一国一城の王女。顔なんて意味が無いことはよく理解しているわ。結婚だもの。肝心なのは我が国の財政よ。その利益が無ければ結婚に意味が無いの。まず狙いはそこだけれど、やはり男は美しくなければねえ…。ふふ…まあ男なんて家来や商人を品定めすれば十分いるけれど。ふふ。

しかし足が痛い。この靴…最高級のガラスの靴らしいけど、デザインに惚れ惚れしたから選んだのに、痛いったらありゃしないわ。もう舞踏会まで目前だし…仕方ないわね、ああ…イヤだわ、痛い。


舞踏会に着くと、もうたくさんの人々が夜を盛大に楽しんでいた。私は興奮しながら赤い階段を上る。足の痛みが気にならなくなってきた。


『ああ…あれはどこの国の姫だ…』

『なんて美しいんだ…』

『一体どこのお国のお姫様かしら…本当にお綺麗だわ』

『○○のお国のお姫様では…次期王女様の…ほら、お父上が最近お亡くなりになられた…』

『ああ!…シンデレラ様!』

『彼女がシンデレラ!』

『噂通りにお美しい!』

ドアを開けば会場がざわめいた。聞こえてくる会話と目線が、なんて心地良いのかしら…ふふ。

No.208 10/06/06 21:57
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『失礼…私、○○の王子である○○と申します。是非とも私と踊って頂けませんか?』

『いや!私と!』

『いえ!この私と是非!』


たくさんの国の王子が声をかけてくる。変なのばかりねえ。しかもあまり見込めない国ばかり…何の利益も期待出来ないわ。周りの女共の妬んだ視線の中に、アバズレ共3人の驚いた顔が遠目に見えた。
あははは!!どう?知らせてないのに私が出向いてさぞ驚いたでしょう?そしてこの私の至れり尽くせりの対応…。嫉妬に狂うがいいわ!私に挑戦すること自体が図々しいのよ全く…。


『失礼。私も踊っては頂けないでしょうか。私、隣国となる○○の国の王子です。お噂はかねがね…本当になんとお美しい。はじめまして、シンデレラ姫。』


あっ…隣国○○の王子…?!かなりの経済大国だわ!お父様が生前、我が国の財政危機により、合併交渉を図ったが、上手くいかなかったと嘆いておられた…。
…ふふ、ああ、あのふざけた対応をした隣国の王子ねえ…。爽やかな男じゃないの。あんたの父上が私のお父様を馬鹿にしたように…今度は私があなたを利用してあげるわ。ふふ…。

No.209 10/06/06 22:38
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『ええ…私もお噂はかねがね。はじめまして。私で宜しければ是非踊りましょう。』


たくさんの女共がキーキー怒鳴った。この王子、やはりこの爽やかで端正な顔立ちと、経済大国であるがゆえに人気抜群なのね。ふふ…あははは!!本当に良い気分!!なんて気持ちいいの!!あんたらの狙っている王子は私のものよ!


帰り際、踊り疲れた私は、小さく窮屈なガラスの靴の痛みに、足が耐えられなくなった。王子に送り出してもらい、赤い階段を下る途中、片方脱げたことに気づいた。しかし手を差し出しかけて…取るのをやめた。そして私はそのまま立ち去った。片方のガラスの靴を放置して。


何日か過ぎると隣国の王子が我が国の城を訪れた。そしてなんとあのガラスの靴を家来に持たせていた。


『やはりあなたが忘れていったのですね。届けなければと…この城をなんとか探してやっと到着出来ました。
ああシンデレラ…私と是非とも結婚してくださいませんか。』


…あははは!!上手くいったわね!…私、あのときすぐに取れた靴を、わざと置いて帰ったの。そう、わざとね。

No.210 10/06/06 22:53
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


だって口実を作っておいてあげなければ、一国一城の王子様だもの、来にくいわよねえ。万が一、プロポーズに失敗した場合、【私は靴を隣国の姫に届けた】それで済むもの…恥ずかしくないものね。だから本人共々、家来を引き連れて来れたのよ…。そう。貴族には貴族にしか計れないプライドがあるものよ。私はこの王子に気遣いをしてあげたのよ…この気遣いがお分かりになるかしら?【お義母様】あははは!!


『はい…王子様。
喜んで。』

私はしとやかに返事を返した。そして婿養子として…経済合併という条件を伝えた。沢山の結婚申し出が私にあることも伝えると、分かりました、我が国が全面的に協力致します。と、王子も負けたくない一心で条件を飲んだ。

こういう舞い上がって理性が働かないうちに、条件を提示しておく…。私は貴族として、残酷で冷血なのよ。ああ…あなたも大変裕福な貴族ならば解るわよね?似たもの同士だもの…王子様?ふふ…ふふふふ。


継母と姉2人は悔しがった。婿養子ということで、男が城に入るため、王子様が形上王様となり私が王女となる。

No.211 10/06/08 08:15
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


そして私達は夫婦となり、いつまでも幸せに暮らしました……。


いいえ。
幸せなんて披露宴と国内パレード位だったわ。
彼ね。
インポだった。
夜は望めないの。
どうして私を選んだのかって…?
それはね、彼の隣国も内情は経済破綻していて、早くに我が国と合併しておきたかったのよ。そして私は利用したつもりが利用されていたの。

あははは!!
なんて哀れなの!!外見上だけ華やかな王女様。皆が私を羨ましがる!でも私は少しも幸せじゃない!世継ぎも望めないなんて…!!私のこの血を残さなければ、貴族としての責任は果たせないわ!!


姉2人は近い国の王子と結婚して嫁いだが、たまに子供を連れて継母に見せに帰って来た。

中庭から、はしゃぐ子供達と、継母と姉の幸せそうな笑い声響いてきた。

…あんた達が何故幸せそうに笑っているの?
平民の出の分際で…。私は家来や商人達と、寂しさから夜な夜なたくさんの男と寝たが、何も満たされなかった。
解っていたから。
私の美貌が目的であって、私自身を求められてはいないことを。

No.212 10/06/08 08:25
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


老いていくと誰も私と関係を持ちたがらず、40代で病気を患い、寝たきりとなった。王との世継ぎは望めず、国民からは私の不能だと非難を浴びた。


私は唯一信頼のおける、昔からの家来にこう伝えた。


『ねえ。私の話を語り継ぐストーリーはね。
平民の出にして頂戴。そしてね、継母と姉達にいじめられながら、魔法使いにお支度を頼み、舞踏会に行けた、そしてガラスの靴を落としてしまい、王子様が見つけ出してくれ、王女様となった…。
2人はいつまでも…いつまでも幸せに暮らしましたって。
私の人生をそれで完結としてほしいの…。』


私は44歳で永眠。
家来1人に看取られながら。
王の姿は無かった。
私の人生はそのまま語り継がないで。


私はシンデレラ…。


シンデレラ
なのだから。



end

No.214 10/06/08 19:43
優花 ( ♀ 6VhO )

★テディベア★


記憶の片隅に
あのテディベア
嫉妬にかられ
奪い去りたかった
私なら
大事にするのに
私なら
いつも一緒に居る
けれど
テディベアは
私の元には
居れなかっただろう
結局は人の物
優しい父と母は
幻だったのだろうか
私はあのときの
お人形で
幸せだった
あのテディベアが
伝えてくれた
あなたの元には
行けなかった
ごめんなさいと
私はもう
子供じゃないから
あなたを
必要とはしてないわ
心配しないで
テディベアも
嬉しそうに微笑んだ


ねえ
まだ
あのお部屋に
居るの?

No.215 10/06/14 12:27
優花 ( ♀ 6VhO )

★羅刹★


私の中の羅刹が騒ぐ
やられる前にやれ
殴られる前に殴れ
いつまで傍観者でいるつもり?
きっと気づきたくなかっただけ
私の中の羅刹は
日々鬼へと進化した
どうしようもない現実と苦悩
全く意味のない施餓鬼供養
徳を積んだら
この羅刹の鬼は
静まるかしら
逃げたい
遠くに行きたい
ひとりになりたい
お釈迦様
どうかもう
私を苦しめないでください
羅刹を消してください
遠くから聞こえる声は
穏やかで優しい声
鬼が消えたら
私もそこに行けるよね

No.216 10/06/15 22:41
優花 ( ♀ 6VhO )

∮ショート小説∮


★償い★


33歳、兼業主婦。
結婚11年目、ひとつ上の主人と小3の息子、3人家族。賃貸マンション住まい。
23で結婚してから、ずっと外見には気を使ってきた。勿論、育児も家事も仕事も…十分両立してきた、…つもりだ。息子はやはり可愛い…。
主人ともそれなりに仲良くしてきた。だが…ひとつのきっかけが私を女にしてしまった。
私は。短期間で。
私が一番嫌う女に変貌を遂げた。周りに理解してもらえるはずがないし、理解してもらえるなんて望んでもいない。
私は主人と息子を裏切り、互いの親、親戚を裏切った。
いばらの道を選択したのは私。だから覚悟は出来てはいる。
だが、主人と息子を手放せない、ずるい女。
こんな妻で…こんな母親でごめんなさい。


私は
彼を
愛してしまった。

No.217 10/06/15 23:01
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


彼はパート先喫茶店の店長だった。彼も既婚者で妻子がいた。去年の夏からだから、関係を持って1年経った。働き始めた理由は、息子に手がかからなくなって時間を持て余したからだ。
店長…彼は3つ上。もろに私のタイプだった。後々聞けば、彼も私がタイプだったらしい。お互い気にかけながら日々働いてるうちに、もう忘れていたような、熱い感情が生まれていた。
というか、多分、私達はお互い刺激しあった。
平凡で穏やかな結婚生活…子供のために日々働き、愛し合っていたはずなのに、相手は子供で繋がっただけの同居人みたく思う。変化の無い単調な毎日。刺激無き現実…。
私達はポッカリ空いてしまった心の空洞を埋めたかった、だから惹かれ合ってしまった…それは事実かもしれない。
だが私は彼に恋をしたのは間違いない。
…そして彼も同じように想ってくれたのだ。

No.218 10/06/15 23:13
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


罪悪感は人を優しくする。…私は彼と関係を持ってから、一段と主人と息子に優しくなった。許してもらいたいがために。彼とつきあってから、主人との夜も、何故か回数が増えた。不思議だが、多分、私の罪悪感と、恋をしたことによるフェロモンだろうか、最近キレイだよなとか言われるようになっていた。
私はビクビクしながらも、主人の言葉が素直に嬉しくもあった。


私はパートは5時までと家族に話してあり、実際は2~3時だった。終わりから夕方まで、彼とラブホに寄っていた。彼は外仕事だと他従業員に伝え外出していて、私達は週2ペースで逢い引きした。


『俺だけのものだったらいいのに…。』


『あら。あたしもあなたにそう言い返すわ。』


夕方までの一緒に過ごせる2~3時間は、とても貴重だった。彼も奥さんとは空気のようだと言っていた。うちと同じように、決してうまくいってないわけではない。

No.219 10/06/16 08:17
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


お互い家庭が普通にうまくやっていけている。
なのに。何故私達は秘密を続けるのだろうか。
この1年、私達に別れ話が出た事も、小さな喧嘩だって無かった。お互いが秘密を続けているのは、スリルという刺激を味わっていたいからじゃないか…とも思う。
ただ家族と過ごし、ただ母親をして、ただ生活費の足しにパートに出て、ただ主人の床の世話をする。そういう、ただの女で、30代も40代も生きるのか…そう思えば、私はたくさんの化粧品や服やバックが、なんだか無駄使いのように思えた。


『可愛いよ。』


彼の言葉は、甘いキャンデーのような響き。
主人には、結婚してから甘い言葉なんて、言ってもらったことなど無かった。
私達夫婦の頭の中は、現実という生活設計。子供のために私達夫婦は繋がっていた。
それは彼の家庭も同じだろう。彼も妻子のために日々頑張っているのだ。

No.220 10/06/16 20:56
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


私と彼の会話に、離婚という言葉は出なかった。私も家族を捨ててまで一緒になりたいなど考えた事はないし、それはきっと彼も同じだ。
私は彼を、男として愛してしまった。そして彼も私を女として見てくれた。彼とのプレイで私は常に彼を求めた、主人との儀式化したようなプレイとは違う、甘く激しいプレイ。髪を優しく撫でてくれ、愛撫をたくさんしてもらえる。その間、私は妻でも母親でもない…ひとりの女だった。


『こんな関係を永遠に続けたい…なんて、やっぱり俺のワガママかな…。』

『ふふ。ワガママじゃないわ…私も同じ気持ち。ずっと別れたくないの…。』


私達は一泊旅行も望めない、夕方しか会えない秘密のカップル。だから、短時間の濃厚な時間は、お互いを激しく求めてしまう…。


息子が言う。

『友達が俺のママが一番キレイってさー!』

主人が言う。

『最近キレイになったよなあ。おまえ全然20代で通るよ。』

彼が言う。

『可愛いよ、愛してる…。』


私は幸せだわ…だって可愛い息子がいて優しい主人がいて、そして恋する彼がいる…。

No.221 10/06/16 21:03
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


愛する彼がいるから、家庭に優しくなれる。
要はバランスだ。
バランスが取れれば、私はずっと幸せでいれるのだ。
平凡で穏やかな生活に、スパイスの刺激。枯れない方法を取り入れただけ…。ずるいけどね。ずるい私は家族と離れたくない。そして彼とも別れたくない。
罪悪感は償いとなり、家族に優しくなれる。
良い妻、良い母でいられる…。
何も刺激の無い、主婦という名の家政婦なんて、まっぴらだわ。


ふふ…


ふふふふ。

No.222 10/06/16 21:19
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


俺は結婚11年目、34歳、息子ひとり。ひとつ下の妻に、不満は無い。夫婦仲も悪くはない…。

だが、俺には秘密がある。5年前から、つきあっている女性がいる。会社の後輩で、彼女は28になった。勿論、妻にはバレないようにやってきた。彼女も、控えめでとても物分かりのいい女だ。
そんな彼女が、最近妊娠してしまった…。彼女は身を引いて、ひとりで育てると言うが、俺には彼女とお腹の子に責任がある。俺は彼女を本気で愛していた。妻子も大事だが、彼女を見捨てることだけは絶対出来ない。
妻には別れを告げようと決心していた。
喫茶店のパートと家事育児と両立してくれた妻。本当にすまない。だが…俺は彼女を守っていきたい。本気の恋の彼女を…。


『すまない。


別れてくれ。』



すまない…。



ついに…



俺は家庭を捨てた。

No.223 10/06/16 21:38
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


秘密を抱えてスリルを味わっていた私。
しかし主人には本気の女がいた。
私のような甘い刺激程度の恋じゃない…本気の恋をした女が。
私は家庭を捨てるほどの恋じゃなかった。
だが主人は恋人のために、私達家族を捨てれた。
甘い刺激で良かったじゃない…家庭を壊すほどの問題なわけ…?
償いをする立場かと思っていたら、あっさり償いをされる立場になってしまった。


息子が言う。


『パパについていくよ。貧乏になっちゃったらイヤだし…。新しいママで全然大丈夫!赤ちゃんも楽しみだし!お兄ちゃんになれるし!』



…はは!!

ははははは!!


あたしは何だったの…?


あんたらにとって
あたしは…



あたしは……!!




end

No.224 10/06/19 08:26
優花 ( ♀ 6VhO )

∮ショート小説∮


★因果応報★


私は24歳、専業主婦。新婚、まだ妊娠していない。主人は26歳、つきあい半年での入籍。挙式の準備も慌ただしく、私達は時間に追われながら、無事に、海の見渡せる素敵なチャペルでの挙式をした。


あとは子供ね…そしてマイホーム…ふふ。
幸せ…。
私。幸せだわ…。


私自身、主人に恋い焦がれて、結婚という選択肢をしたわけではない。
結婚に対してあまり憧れは無かったからだ。
父が高校生で他界したが、父と母は、いつも喧嘩していた。お互いを罵り合い、罵倒して、常日頃お互いの悪口を、私に話してきた。
母も父が他界してから、仲良しの男がいるし、結婚ていいもんじゃないなって、そんなイメージだった。
だけど、周りは21~23にかけて、次々結婚した。していない子もたくさんいるが、皆、大体仕事に気合い入れてる子達ばかりだった。

No.225 10/06/19 21:38
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


私は高卒で、24で結婚するまではアルバイトを転々としたフリーターだった。昼間したり夜だったり…21、22の間はキャバにいた。しかし夜一筋でいるつもりは更々なかった。夢見るわけではなかったけれど、いずれは結婚するだろう…そう思い描くと、やはり昼間の女でないと、類は友を呼ぶで、程度のいい男と知り合えない…そう思ったからだ。
しかし私には恋愛の癖があった。
というのも、18~24までの独身時代は、略奪愛ばかりだった。
いわゆる不倫、浮気。私のつきあう男は、妻帯者や彼女のいる男ばかりだった。
理由?
…相手のいる男にしか興味がなかったから。略奪じゃなきゃ燃えなかったし、人の男を寝取った気分…これほど最高な気分のベッドインは略奪でなければ味わえない。
結婚するまでの約6年、私は何度も不倫や浮気男との軽いつきあいを楽しんだ。大概20代後半から30代半ばだったが、転々と変えるバイト先で知り合う人ばかりだった。
私がワガママを言えば、別れたくないばかりに必死になだめる男達…。そう。私はいつでも逃げられるのだ。

No.226 10/06/19 22:46
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


ベッドで抱かれる度、高揚感の中で…。私は思っていた。


家庭持ちのくせに。
彼女持ちのくせに。
なんで?
だから結婚なんていいもんじゃない、夢描けないのよ。仲良く出来ないなら結婚しなきゃいいのよ。子供はいい迷惑だわ。
奥さんと幼子は今頃こいつの帰りを待ってんのよね。
奥さん?
あなたのご主人、私と一緒よ?
こんなことしてるわ。
アハハハ!!
こんな男のどこが好きなのよ!!
私が温かい家庭の時間を奪ってるの!!
温かい家庭なんて存在しなきゃいいのよ!!
でなければ不公平でしょう?
私みたいな人間が可哀想でしょう?
ふふ…皆平等にいかなきゃ…。
ね?



私は飽きたら次、飽きたらまた次…とっかえひっかえで相手を代えた。
ひとりでも多くの犠牲者を生み出すかのように。

周りが結婚していくと、幸せがたくさん見えた。結婚式、新婚旅行、出産…。結婚した友達は幸せにしか見えない。
憧れなんかなかったし、幸せが続くはずないと思った。事実、両親は不仲のまま、結果分かり合えず、父が他界した。夢は描けなかった。

No.227 10/06/20 10:57
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


主人…斎藤は、友人からの紹介だった。私のプリクラを見て気に入ったらしく、友人から誘われ、男女6人で飲み会をした。斎藤は大手酒造メーカーの会社員だった。肩書きも、まあまあ気に入ったのだが、顔がまず私のタイプだった。目鼻立ちのいい筋肉質体系。私はすぐに交際を迫られ、当たり前にイエスだった。
24歳…結婚なんか憧れやしないけれど…。賞味期限が切れないうちに、定まらないといけない。一生自分で食べてくつもりは更々無いし、仕事に気合いや根性入れてるわけでもない。略奪愛ばかり繰り返して、遊んでばかりもいられない。

斎藤も26と若いくせに結婚を焦っていた。周りはバタバタと家庭を構えたと言う。周りが早いのでは…?と思いつつも、同じような気持ちを抱けなければ、結婚は出来ないもの。お互い落ち着きたい…そういう気持ちの上で、私達は惹かれ合う運命だったかのように、早急に結婚を決めたのだった。

No.228 10/06/20 15:10
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


皆からの祝福、挙式と新婚旅行…全ての幸せを手に入れたかのような気分だった。あとは子供…マイホーム…夢を描けた。
ああ…何を怯えていたのだろう。こんな私でも、結婚という夢を描けている。幸せは実現化して、新たな家と家族に夢を描けている。人による…きっと結婚は結局相手によるんだわ。斎藤は穏やかな男だし、20代にして経済力がある。今まで私がつきあってあげていた妻帯者の男共。あいつらは結局、情けないつまらない男共。世の中のゴミね…クズよ。ああいう家庭を簡単に裏切る奴らがいるから、そういう子供が生まれて、遺伝を引き継ぐのよ…。両親の不仲もそうだわ。結局仲良く出来ないならば、家庭を築かなければよかったのよ。私なんて汚い罵り合いの響く家庭で育ったから、結婚なんて吐き気がするほど興味無かったわ。
そう…人による。男によるんだわ。私は本当の勝ち組。人生の勝者なのよ…。アハハハ!!

No.229 10/06/20 20:07
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


…だが、幸せだと充実した新婚生活も、半年続かなかった。結婚して、3~4ヶ月もすると、斎藤は頻繁に帰宅が遅くなっていった。私は徐々にイライラが募り、専業主婦という、家に閉じ込められたような生活にも、少しずつストレスが溜まっていっていた。
私はもしかしたら選択肢を間違えたのか…。穏やかだった男も、過去つきあっていた、家庭を顧みないような…あいつらのような男だったのか。
そしてついに、私は深夜に帰宅した斎藤を大声で怒鳴りつけた。

『一体なんなのよ!!つきあいとかなんとか言って…毎日毎日!!なんで早く帰れないのよ!!女じゃないの!?新婚なのよ!!これじゃ子供も出来ないじゃない!!』

『……。
そんなん言えんの?結婚出来ただけ有り難いでしょ?自分。』

『……?!はあっ!?』

『…不倫ばっかしてたんだよね?友人達から調査済みだよ。お前が男を奪ってる間、嫁は今のお前のような気分で待ってたんじゃないの?』

『……?!』

No.230 10/06/20 20:22
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『略奪愛ばっか繰り返してる女だから結婚したかったんだよ、分かるか?』

『は……?』

『そういう女ならさ、結婚して何して遊んでも自分的に平気じゃん。過去の過ちの罰だろって言えるし。俺的にも出世するならいずれは結婚しなきゃなんないし、けど更々嫁だけで満足するわけないんだよね。』

『罪がない女と一緒になって不貞ばかりじゃ、相手が可哀想だろ?だったら罪深い女に罪を与えるのは悪事にならないだろ?』

『お前は俺から罰を与えられてるんだよ。お前がたくさんの妻を泣かせた。だから妻になった今、俺からされる不貞が仕返しとなって返ってきてんだよ。
…因果応報だな。』



…頭を鈍器で殴られたような気分だ。
私がした悪事…?今になって返ってきてる?
ハハ!!
アハハハ!!
違うわ!!…だって今笑えるもの…。過去の男共の連れ合いは笑えてたかしら…?


さあ。
因果応報ね…。
私はあなたに復讐するわよ。長い時間泳がせて…多額の保険金を掛けなければね…。ふふ。

私と仮面夫婦を続けましょう。


トドメを刺す日まで。



end

No.231 10/06/21 23:44
優花 ( ♀ 6VhO )

★罪★


この手が作った罪の量に等しき罰を
私に与えてください
花を枯らせた
生きる手助けを十分に出来ずに
あの子も助けれず
人を傷つけ
人を泣かせ
人を弄んだ
苦し紛れの瞬間には
走馬灯の景色
私は何故生かされているのだろう
あちらに会いたい人々がいるのに
罪の量に等しき罰を神が与えてくれれば
私でも
天国に辿り着けるだろうか
この人生に悔いはない
恵まれなかった世界に
何の未練もない
2人の天使は私を許してくれるだろうか
無償の愛を与える笑顔の裏には
人生に幕を閉じたい自分がいる
人は笑う
私は笑えずに
立ちすくむ


どうか罰を
どうか許して

No.232 10/06/26 08:18
優花 ( ♀ 6VhO )

∮ショート小説∮


★愛憎の裏★


私はいつも不思議に思う。
どうしてお父さんは、お母さんにいつも意地悪をするの?
どうしてお母さんは、お父さんに意地悪されても、少し笑っているの?


不思議…


不思議…


私は中2、一人っ子だ。両親は父39歳、母37歳。3人暮らし。
父は消防士、母は専業主婦。
小さい頃から思っていたことがある。
何故父はいつも母に優しくないのか。
母はいつも父と私に優しい。口数は少ないが、柔らかい喋り方、優しく私を叱り諭す。いつも少し笑って、微笑みをうかべた表情。そんな母に、父はいつも意地悪を言っていた。



『…なんだ、この味噌汁は。また味違うじゃないか。』


『ここのたまった埃はなんなんだ!1日家でなにやってんだよ!』


『家の電話には3回鳴ったら出れるだろ!』


『これだけの味付けしか出来ないのか。お前は本当に成長しない女だよ!』


『○○さんちの奥さんを見習え!』


声は決して大きく荒げてはいない。だがズキズキする言葉のナイフ。

No.233 10/06/28 22:33
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


幼少より小学生までは、私も特別違和感を抱いていなかった。うちはお父さんが厳しいんだな、お母さんは優しいけど、ドジするんだなと…。
中学になると、反抗期も重なり、両親を客観視してしまう。父がおかしいんじゃないか…異常ではないか…と思いだした。
周りの友達のお父さんと違う…。私はたまらない嫌悪感を抱きはじめた。
うるさい、また小言。
ネチネチ…女々しい奴。
バカじゃないの。
お母さん、一体こんな人の何がいいわけ?


父は母にこそ口うるさいが、私には普通だった。うるさい説教もないし、自由にさせてくれる。あまり喋らなくなったが、小さい頃はよく父に可愛がってもらっていた。


『ねえ。お母さん。
お父さんて何であんなに口うるさいの?
お母さん、腹立たないの?』


『……ふふ。お父さんは口うるさくなんてないわ、お母さんがヘマするから怒られるのよ…。』


理解不能。
お母さんは、よそのお母さんより家の事してくれるから。
いつもおうちは綺麗だし、おやつはいつも手作りだし。料理上手だし…。

No.234 10/06/29 07:57
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


お母さんが可哀想。
こんなお父さん
いらない。


私は父がどんどん嫌いになっていく。好きな人と呼べる男子はまだいないけれど、恋愛するならお父さんみたいな口うるさいのは御免だ。


父は、消防士だから、ガッツリとした体格、筋肉質系だ。顔は人並み。
だが母は美人だった。
人並みでは決してない。綺麗な顔立ちに色白、細身で綺麗な髪…私は完全な父のコピーだから、なんでお母さんに似なかったの…と、その点も小さい頃から気に入らなかった。


お母さん綺麗だねと、友達に言われるたび、自慢気に思えた。逆に辛くもなった。私もお母さんみたいに生まれたかった…。


お父さん、ムカつく。
威張りくさって遺伝子残しやがった…息子じゃない、娘に。ムカつく…。


お母さんはいつも言ってくれる。


『いつまでこうして髪をとかさせてくれるかしらね…。』


ずっとだよ。
ずっと髪してね。
お母さん…。

No.235 10/06/30 07:57
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


ある日、いつもと変わりない朝。朝食の準備をしている母に父がいつものように小言を言う。


『なんだ、また和食か。たまには凝った洋食でも出せないのか。』


…滅茶苦茶だ。
バカじゃん、このおっさん。
私は生理前でイライラしていた。


『そんなん言うなら少しは家事手伝えば?』


『…っ!??』


父と母は、初めて親に反抗する私に驚いた顔をしたが、父は私には何も言わなかった。
言い返せないんだ、多分、娘に嫌われたくないから。
あははは!
もう十分嫌いだけどね!


父がいなくなれば、私とお母さん、仲良く2人で暮らせるのに。


ね?…お母さん。
私と2人がいいね。
そしたら毎日文句ばかり言われなくなって、幸せに暮らせるよ…。
お母さんと平和に笑って、暮らしていけるよ…。

No.236 10/07/01 12:40
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


中2になると勉強は難しくなったし、私は吹奏楽部だったが、勉強と部活の両立はけっこう大変だ。テスト前になれば夜遅くまで勉強しだした。


夜12時をまわり、まだ勉強していた私は、喉が乾いたからキッチンにお茶を取りに行った。


すると寝室から変な声が聞こえてきた。


『…ああ?ほら。
言ってみな!
今日はあたしに向かってなんて言ったんだよ!
威張りやがって!
こうして…
こうして…
こうやってやるよ!』


『……ああ!
痛い…!ひい!
すいません…!
美咲様すいません!』


……え。なにこれ…。
お母さんの声。
だけど私が聞いたことないお母さんの荒い声。
そしてお父さんの、聞いたことない弱々しい声。
2人は寝室で一体何をしているの?
…恐い!
お母さんが違う人みたい…。お父さんも…。


『ふん!
昼間しか威張れないあんたは弱々しい虫けら男さ!
あたしは昼は良妻賢母…夜はこうやってあんたを虐めて…縛りあげて…
あははは!
苦しい顔いいわよ!もっと苦しみなさい!
まだ私を抱かせないわよ!』


『痛い!痛い!
スタンガンはやめて…やめてください…!
はあ…はあ…』

No.237 10/07/01 13:09
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


…恐い!
恐い!恐い!
お母さんが…違う人。お父さんも違う人。
いつも口うるさいのはお父さんで…いつも可哀想なのはお母さんで…。
どうして…
どうして夜は反対なの?お母さんがお父さんを虐めるの?
こんなの…私の優しいお母さんじゃない!


『あははは!!
ほうら!もっともっと舐めなさい!
丹念に脚を舐めるのよ!丁寧にしなきゃ
この首輪のロープ
締め上げるわよ?』


『ひいっ…はい…はい…!美咲様…!』


気持ち悪い!
もうセックス位知ってるけど…こんなの変態だ!
父と…母が…
変態だったんだ…。
私はもう、お母さんをまともに見れない。


翌朝、普通に朝食を用意している母。いつもの柔らかい声で、おはようと私に言う。
おはよう…。
私はお母さんを直視出来ない。
お父さんがまた口うるさい。


『ほら!また味噌汁の味付け違うじゃないか!ったく…おまえは!』


なんなのよ…昨夜のあんた、なんなのよ…?!
虐められてハアハア言ってて…バカじゃないの?!


私は裏切られたような気分で胸やけがしていた。

No.238 10/07/01 20:43
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『…お母さん。夜ね…私遅くまで勉強したよ…。』


『あら、偉いわね。頑張ってるね。言ってくれてたらお夜食持って行ったのに…。』


『…お母さん、夜…お父さんとね…。その…部屋から声が聞こえたの。』


『……。』


洗い物をしている母の後ろ姿がなんだか恐かった。


『お父さんとお母さん、どうして夜は反対なの…?夜のお母さん…恐かった…。一体どっちのお母さんがホントの…。』


『…ふふ。心配しなくていいのよ。恐かった?
…大丈夫。お母さんはお母さんよ。私は昼も夜も本当のお母さんよ。』


『いつも私がお父さんに意地悪されていると思っていたのね…。お母さんね、今までずっと夜は、お父さんを虐めてきたのよ?そういう夫婦なの。』


『お父さんは昼は外の顔、夜は隠れた顔。どっちもお父さんよ。私達は逆の夜の生活を大切にしているの。愛し合っているわ。』


『もう、あなたに伝えても良い時期よね…。
ごめんなさいね、心配かけて…。私達夫婦はお互い大事なのよ。』


ああ。
たった今から
母親が大嫌いになった。
汚らしい。不潔。
清楚な母は汚い女だった。
真実を知った中2の私。

No.239 10/07/02 13:09
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『いってらっしゃい。
気をつけてね。』


私を見送るお母さんは、やっぱり綺麗…。


お母さん。
汚い女だったんだね。
清楚な顔のベールを脱がせば、魔性の女。


大好きだったのに。
優しくて…
いつもお父さんに意地悪されてた。


お母さんはお父さんを縛って電流を流して…
お父さんを虐めて笑うんだね。


知らなかったよ。


もう大嫌い。
騙された私。


嫌いな両親には
お仕置きが必要だよね。


私は両親を虐めて
生涯笑って暮らすわ。


あははは!!



end

No.240 10/07/02 23:25
優花 ( ♀ 6VhO )

★存在★


私はここだよ
お父さんとお母さん
おじいちゃんおばあちゃん
私はここだよ
星空を見上げ手をふる
子供は言う
寂しくないよ
おばあちゃんはお星様に なったから
いつでも会えるよ
繋がれているね
人と人は
繋いでいくもの
私という存在を
必要としてくれる人がいること
この当たり前の幸せは
見過ごしてはいけない
周りの当たり前に恵まれた環境と
私の存在を比べてはならない
私は雑草だ
花に生まれたくても
雑草に生まれた
昔の声が心に響く
この子らも
いつか私が旅立てば
星空を見上げてくれるだろうか
今宵も優しい風が吹く



もう夏だね

No.241 10/07/05 00:49
優花 ( ♀ 6VhO )

★呟き★


恋愛映画を見て
可愛い主人公に影響されて
真っ赤なペディキュア
雪の白い絨毯の上で
血だらけに倒れた人を見ては
死期は冬がいい
私も雪の中で血だらけがいいと願う
影響だらけ
流されて生きて
これだけ自分が無いのは
私ね
とっくの昔に
自分を殺した
だって楽だから
私の個性が生きてしまえば
私の周りは悲しむし
迷惑するのよ
違う事ばかり考えているふりをして
真実を突き止めない
真実を認めたら
私は私でなければならない
そんな作業は
全く無意味だ
人は逃げない事が正しい道だとは限らない
逃げないと
死んでしまう場合もあるから
服やバック
美容院にアクセ
ああ
新しい携帯にしたいわ
ほら
もう現実逃避


今日は何の映画を見ようかしら


私の呟きは
雨音に消えた

No.242 10/07/05 14:20
優花 ( ♀ 6VhO )

∮ショート小説∮


★友情の悲劇★


19歳、フリーター。実家暮らし。今の生活で満足。私、正社員になろうなんて思ってない。
私は小中高と学校のアイドル的存在だった。160センチ44キロと細身で、自分の顔も大好きなの。大きな目、少し厚めな唇、高い鼻。スタイルも顔も恵まれているわ。両親には感謝してる。
こんな私の親友は正反対の望美。中学からの仲で、十人並みの地味顔、私と同じ位の身長で57キロもあるデブ。自分ではポチャだよねって言うのよ。だから私、話合わせてあげてるの、中学の頃から。望美はデブなんかじゃないよ!ポチャ系で可愛いんだからねっ!って…。
あははは!全然デブだけどね!私、こんな外見だから、あんまり親しくなろうとする女友達いなかったの。引き立て役には誰だってなりたくないもんじゃない?
けど望美は違った。彼女も暗くてあまり友達いなかった。だから私、中学から常に望美と行動したの。私も誰かと常にいたかったからね。高校も彼女と一緒にしたし、高校出た今も、ちょくちょく遊んでいる。
望美はいつも私を羨ましがる。昔から。いいな、百合はいいなって。

No.243 10/07/05 14:35
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


いつもローリーズやジーナなんか、ゆるカジのカッコして体型カバーしてる望美。痩せたいな~が口癖。そして最後には、百合が羨ましいな~って…。
はあ?!って感じ。甘えんな!望美はその体型通りの食生活なのだ。お菓子やケーキ、炭酸が大好き、ご飯が大好き。ダイエットも中学から口癖だけれど、いつも楽な置き換えダイエットやボールに乗るようなダイエットとかして、歩いたり走ったり、脂肪燃焼系のきつい運動は取り入れない。なのに痩せない痩せないって…。バカじゃん?!置き換えしてドカ食いしたら痩せるはずないっての!
望美は本当に甘えてる…。メイクも似合ってないメイクして…。
でも私、いつも励ますばかりで、絶対否定しないの。だって…。望美は今の望美だから、私がより一層輝くの。私はいつも自信たっぷり、望美に同情して、望美を励まして、いつも優越感に浸って幸せなの。
あははは!望美、いつも可哀想!だけど、望美はそういう人生のレールがあらかじめ敷かれているんだと思うの!それは生まれた瞬間に皆決まるんだわ、きっと。私もこういう絶賛される道だと決まっていたのよ。ふふ…。

No.244 10/07/05 18:26
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


私はコンビニでバイト。望美は事務員。私達はちょくちょく遊びながら、近況報告しあっていた。私にはつきあって3ヶ月の、いっこ上彼氏がいた。私はノロケ話を望美にたっぷりしていた。望美はいいなあ~私も彼氏ほしいなあ~と、羨ましがる。
あんた!冗談でしょ!その身体、どうやってさらけ出すのよ!デブがよく彼氏ほしいなんて言い出しやがるわね!
元々ガッツリ一重なのに不自然なアイプチ…メザイクに替えりゃいいのに…。アイシャドーもブルー系とか似合わないっての…ブラウン系にしたらいいのに…チークはオレンジとかマジありえないし…なんか濃いし。
彼には望美を会わせていない。違う意味で会わせたくなかった。だって、こんな親友紹介するの恥ずかしい…。友達こんなんなわけ?って引かれたくないし。
彼氏は同じコンビニのバイト仲間で、仲良くなって告られた。別にそれほど好きではなかったけど、バイト仲間の女がカッコイイって言ってたからOKした。悔しがられるほど気持ち良い事はないわね。全く…望美といい、周りの女共は身の丈を解ってない奴ばかりだわ…。

No.245 10/07/05 19:27
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


私も太らない体質というわけではない。食べ過ぎたら太るし、中学から食生活には気をつけている。晩御飯は控えめにしてるし、夜の間食は取らない。なるべく歩くようにしてるし、おやつも少しにしてる。ダイエットというか、体型維持に気を使ってきた。
望美みたいにドカ食いなんてしない。私だって毎日間食たくさんしたいし、マックやミスド、ケーキやアイス、お菓子とか、気にせず毎日いっぱい食べたいわよ!でも細いままを維持するには、太っちゃいけないのよ?望美、あんた、努力してる?気を使ってる?
何にもしないまま痩せようなんて、虫が良すぎなのよ!ったく!デブが、何が彼氏よ!百年早いっての!まず痩せなさいよ!一生処女のまんまで生きてくのかしら…。
ふふ、それがいいかもね。そうやっていつもいつも私を羨ましがって、私に気を使って…百合はいいな~いいな~って生きていくの。あははは!それがあんたの宿命かもね!あははは!


そんな望美から、1ヶ月位メールの返信があまり来なくなった。??…前はしょっちゅうくだらないメールのやりとりしあってたのに…。私は少し気になっていた。

No.246 10/07/05 19:40
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


私も彼氏とデートばかりだったが、気になったので望美に電話してみた。

『あっもしもし…百合!ごめんね!最近メール返せてなかったね~!』


『いやいや。いんだけどねっ!どした?最近忙しいのっ?』


『…う~ん、まあ…ね!色々とね!妹、高校受験控えてるしね…勉強見てあげたりねっ!また連絡するからっ!』


ああ…妹ももう中3かあ…早いなあ。
そんなふうに思いながら私は望美の変化に気づかず、忙しいんだなと間に受け気にとめなかった。

そしてまたしばらくして、望美から遊ぼうと連絡があり、ファミレスに私達は待ち合わせた。

私は望美を見て唖然とした…いや、正直、最初は素通りできる位に気づかなかった…。


『こっちこっち!百合~!』


『……?!!!
はあ!!の…望美なの…?!…なんで…?!』


正直にかなり驚いた…。望美が私くらいの体型になり、顔が変わって、目が私より大きくなってる…!!メイクも変わって…服も…ギャル系になってる…!!


『あ~…もうそんな驚くかな~!ははっ!恥ずかしいわ~!』

No.247 10/07/05 22:45
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『……どうしたの一体…?なんで…』

『あはは!やだな~そんな引かないでよ~!
エステ通ってたのよ!
かなり落とせたの~!
今43キロなのよ!すごくないっ?!』

『……顔は?』

『あはは!かなりイジったみたい?
それが目だけよ!メイクも変えたの~!
コスメ揃えてね、ついでに美容部員さんにきちんと教わってさ~!』

『…へえ。…そうなんだ。』

『ちょっとーー!
もうー!そんな引かないでってばー!
変じゃないでしょ?
ましになった?はは…』


…変どころじゃない。かなり…いや、超美人じゃん。…てか、私と変わらなくない?私よりもしかして…。
いや!そんなわけないじゃん!あのデブスの望美よ?!
なんで私より望美が綺麗とかの話になんの?
…ムカつく…こいつ、努力もしないで…簡単にエステで痩せて…目イジったなんて…。

『ボーナス3回分の貯金はたいちゃったわ。
痛かったー!』


ああ…ボーナス?
OLだもんね?2年目だし3回支給されてんのね…。私はバイトだから当たり前にボーナスなんてない…。

No.248 10/07/05 23:00
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『百合には真っ先に報告したかったんだけど…。先週ねっ実はなんとぉ~!!
彼氏!!
出来ましたあ~!!
あはは!!』


??!はあっ!!
…なんなの、さっきから…望美のくせに!!
望美のくせに!!


『…へえっ!おめでとう…どんな人…?』


『ふふっ!喜んでくれる?
彼ね、○○の社長息子なの!!』


……!!
それはこの地方県内では有名な工業的グループだった。そしてその社長息子と言う…。

『うちの会社と取引があってね、連絡先交換して…。
まだつきあったばかりだけどねっ!
お互い一目惚れで…
あはは!
照れるね、こんな話!』

なんなの!!
なんなの!!
なんで望美が…
一目惚れ?望美が?
一目惚れされたの?!
社長息子に?!
私の彼氏なんてフリーターなのに…!!


トイレに望美が立って、隣の男3人グループの小声の会話が耳に入ってきた。

『お前どっち?』

『俺、席立った子!』

『俺もー!』

『めっちゃ可愛くね?』

…!!!
私は男らを睨みつけた。
信じられない…望美の方が可愛いとか言われるなんて…。

No.249 10/07/06 18:21
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


私はね、望美。中学になって、オシャレに関心を持ってから、ずーーっと19の今まで日々の努力を怠らなかったわ。スキンケアから髪、日々の体型維持。よく歩いて、夜は飲食を控えめにした。あんたみたいにケーキやらクレープ、パフェやお菓子、マックにケンタ…そりゃあドカ食いしたいし、気にせずに毎日毎日たくさん食べれたら幸せよ。でもね。食べた代償として脂肪は蓄積されてしまうの。だから私は努力した。
あんたは結局何?自分の努力を怠り、エステに頼って簡単に体重を落とした。金払うんだもん。痩せさせてくれるわよね。
整形もそうよ。生まれつきじゃないくせに、周りを騙して…そんなん詐欺師じゃんか。私のような天然美から見たら、ただただズルいと思うし、卑怯だわ。目だけだよって、埋没だけじゃなくて、目頭切開してるんじゃないの?そんな幅あったかしら?


とにかくイライラしてムカついて…その日はプリ撮ったりカラオケ行く気分に到底なれなくて、適当な嘘をつき、早々に解散した。


ズルい…。
卑怯…。
ムカつく…。
望美のくせに!


望美のくせに!!

No.250 10/07/07 07:47
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


5年後、勝ち負けはついた。私達は同時期の22歳で結婚。望美はあの社長息子と、私はコンビニ彼氏とデキ婚だった。望美は最近女児が生まれ、私にはもうすぐ2歳の息子がいる。望美はお金持ちに嫁いで、旦那様も優しい人だ。私の旦那は相変わらずバイトばかりを繰り返し、未だ定職に就かない。浮気や暴言も日常茶飯事、喧嘩も絶えない。経済的な理由から実家に金銭を頼るのが癖になって、もういい加減呆れられていた。
私は古いアパートに暮らし毎月カツカツ、望美は悠々自適にセレブ生活を満喫していた。
私達の勝負は24歳でハッキリ決着がついたのだ。


メール受信。
望美から励まされる。


(百合大丈夫?私に助けられる事があれば、いつでも頼ってね)


(私達、親友じゃない!助け合わないとね!)


(百合が可哀想だわ!)


私……可哀想なの?
いつから私、望美なんかに励まされなきゃいけなくなったの?
…あ…旦那を盗ればいいのかしら…望美の旦那を…。
セレブ生活に似合うのは私のほうよ…望美にはうちのがお似合いよ…。


望美。
居場所が反対よ。
あなたの場所は私よ。



end

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