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優花( ♀ 6VhO )
12/06/13 08:22(更新日時)

詩や小説など
独り言など・・
思いのままに
気ままに
マイペースに・・
更新したいと思ってます
乱雑な稚拙文章をお許しください・・



∮welcome∮

No.1161258 09/07/16 22:31(スレ作成日時)

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No.351 11/11/09 07:46
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


2DKの古アパート。飲み屋街のど真ん中にあった。マユミは3畳程の小さな部屋。台所と母親の部屋は立ち入り禁止っぽい事を話す。


マユミは父親が誰か分からず生まれ、母子で育ち、小学生低学年で、母親が飲み屋経営者のヤクザと再婚した。すぐに年の離れた弟が生まれた。ヤクザの義理父と母親は、弟ばかりを可愛がったと言う。その義理父は、まだ小さいマユミに、躾だと殴ったり蹴ったりしていたらしく、タバコを押し付けられ根性焼きされていたらしい。
母親は見て見ぬ振りを通し、マユミの前で両親は日々喧嘩をして、母親はひどく暴力を振るわれていたと話す。
小学生低学年の幼い頃から、酒や薬、暴力のある家で暮らし、両親が中学に上がる頃、離婚となったらしい。


私はマユミが飲み屋やウリをしないこと、酒やシンナー、薬に手を出さないこと。生い立ちを聞けば理由が解ったような気がしていた。


実の父母に育ち、貧乏で夫婦喧嘩が絶えない家庭で、父の酒乱が嫌だとか、母の愛情無い態度が嫌だとか、そういう私のレベルとは次元が違うと思えてしまった。

No.352 11/11/10 23:29
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『私はヤられてた訳じゃないから。義理の父親からヤられてたり、シャブ打たれたり…そんなんなかったからさ。
私はマシだよ。』



私にとっては、義理父が本場のヤクザだったり、両親が薬してたり、タバコ押し付けてくる躾とか…異常としか取れなかった。
しかも母親は離婚してからも、ずっと酒乱で薬漬け、男を自宅に持ち帰っては、娘がいようがいまいが、関係なくヤりまくるという具合だ。


あの時代止まったババママ…マジで狂ってる…。


マユミに映る母親は、一体どれほどのものだったのだろう。


挙げ句の果てに、別れた義理父が息子を取ったもんだから、後悔から息子のことばかり嘆くという有り様だった。


娘の友達が店に訪ねてきたら、娘を殴り飛ばす母親だ。
頭おかしいし、キモすぎる。



マユミはそれでもこう言っていた。


『あの人は血糖値が逆に低くて、糖分が足りてないんだよね。身体弱いから…。』



胸糞悪かった。
どうして虐待される側の子供が、親を心配する子供になっちゃうんだよ。
おかしいだろ、そんな系図は。

No.353 11/11/17 22:41
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


私のたくさんの友達は、男女問わず、みんながみんな、マユミを嫌ってしまう。
非常識に映り、図々しく、話も面白くない。自己中、わがまま。
マユミの面倒を見ているつもりが、だんだんと私自身も友達たちの手前、ウザくなっていった。


マユミの人生は辛かったと思えた。
だからマユミを受け入れたいと思えた。


でも…。
私の友達たちは、誰一人彼女を構わない。マユミはたまに私の男友達とヤッて、少しつきあってとしても長続きしない。


『私にこの飲み屋街で楯突くヤツなんていないよ。
だってオヤジがいるからさ。』


本場のヤクザの義理父を何かあれば出せばいい…そう考えていたマユミは、なんだか浅はかに思えていた。多分、私も19となり、少しは成長していたんだろうと思う。


ガキ臭い?
いや、ガキのまま、時間が止まったメンヘラなんだ…。
あの母親なら仕方ないよね…?
マユミ、みんなもう成人していくよ?
働かないのは甘えた証。
マユミの成長しない様を見て、とうとう私はサジを投げてしまう。

No.354 11/12/03 23:57
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


19歳になった頃、私は同市内で近い部屋に引っ越しをした。
夜の飲み屋仕事を辞め、昼間と夜のバイトを掛け持ちして、落ち着きだしていた。
はじけたヤンチャな男女友達は、ほとんど連絡を絶ち、大切な友人だけに新居を知らせた。


マユミに新居は教えなかった。
携帯の連絡もスルーした。
マユミと縁を切るつもりの決断だった。


成人してからは、昼間していたバイトの社長から正社員雇用の話を頂き、正社員として働くようになった。


マユミとは全く違う人種になったような気がしたし、10代のシンナーやドラッグ、ウリや飲み屋…そういう若気の至りからは卒業して、まともな人間の生活になれた気がした。


つきあう男の種類も、類は友を呼ぶで、まともな企業の社員とつきあうようになった。友人らも看護士だったり事務員だったり、医療事務、経理事務…皆がきちんとした職種の友人ばかりだった。


10代の友人達を忘れていき、マユミという存在も22歳の頃には忘れていた。

No.355 11/12/04 00:14
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


22歳。私が彼氏と結婚を考えている頃、携帯でなく、家の電話に懐かしい声の留守電が入った。


『ユリ…元気?久しぶり…マユミだけど…』


マユミ?!!


『連絡取れなくなってからだいぶたったよね…人づてに家電の番号聞けたから…。私さ…あれから結婚して子供できたよ…。でも旦那とは別れるかも…。子供はどうすりゃいいか分かんない…。ねえ、子供ってどうすりゃいいかな…。されたことしたげればいいって…何もババアにしてもらった記憶ないんだよ…?ユリ…ユリしかやっぱり私のことは解ってもらえないから…。教えてよ色々…お願いだから連絡ちょうだい。今の携帯番号は…』



私は溜め息混じりに留守電消去した。


もう関われない。


ただただ…
マユミの子供の事が心配でたまらない。


育ちは変えられないし、受けた悪影響を、そのまま我が子に伝染する親もいるだろう。


マユミはあのイカレた母親のような母親になるんだろうか?


マユミの未来を見守る正義感は持てない。ごめんマユミ。



さようなら。
過去の私達。



end

No.356 12/02/14 08:25
優花 ( ♀ 6VhO )

★★


車窓からの眺めは
妙にせつなくて
瞼から映る似た景色


雨の雫は
まるで涙のように
木々から零れ落ちる


針が進まない時計を大切にしてしまう
涙と引き換えに
たくさんの恵まれた世界
その世界も
放棄したくなってしまう呆れた脳みそ


空は泣いて
私も泣いて


差し伸べてくれる手さえも払いたくなる


聞こえる音色は
妙にせつなくて
約束は破りたくなる
疲れた身体と
疲れた頭


非楽観的なこの自分を
私はどこまでいじめるんだろう


思いやり
優しさ
溢れ出した愛


手放したくない手


寂しい気持ちを
今日も仮面で隠す


誰にも気づかれないように

No.357 12/02/14 23:02
優花 ( ♀ 6VhO )

∮ショート小説∮


★転落★


私は鳥居留美。
私の人生を一言で言えば、転落という言葉がお似合いだろうか。
豊かな幸せと引き換えにした代償は大きく、現実から逃げた自分に救いは無い。



私は比較的裕福な両親の元で育ち、一人娘だったから、大切に可愛がられて育った。


ママはいつも優しくて、パパはいつも穏やかだった。
家も大きく庭も広くて、自分の部屋はピンク基調で、レースのベッドやたくさんのお人形、女の子らしい可愛い部屋。



友達はいつも私を羨ましいと言う。
笑いながら心で周りを見下した。当たり前じゃないのと言わんばかりに。



小学生の私は、とにかく人気者だった。お誕生日パーティーなんかは、主役だしママは素敵な飾り付けと得意のお料理をもてなす。



(みんな。私みんなとは違うの。私は特別な子なの。ふふ…)


No.358 12/02/15 23:14
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


『留美ちゃんはいいな。
毎日違う可愛いお洋服や靴。
いいな、いいな。』


『留美ちゃんて、いつも新しいお人形やオモチャ買ってもらえるよね。
いいな、いいな。』



小学生の私は常に周りに羨ましがられ、みんなの憧れの的だった。



そんな小学生の単純な思考回路は、少し大人な中学生にもなると、私のような子は憧れなどではなく、嫉妬や僻みの対象となった。



お金持ちで地味顔の私は、お嬢様というウザい存在であり、そして顔があまり良くないぶん、周りは興味を持たなかった。


可愛い女の子やセンスのいい女の子は人気者。すぐに彼氏が出来る。チヤホヤされている。


友達もあまり出来なかった中学時代。
扱いが変わり戸惑う自分の中で、はじけたいという衝動が生まれ、私は変貌を遂げた。


両親に(整形したい)と訴えたのだ。

No.359 12/02/16 22:46
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


目立つにはまず顔からでしょう?私が地味なまま無視されて、誰にも相手されなくて、恋人もずっと出来なくて結婚出来なくてもいいの?ずっと1人でいて、寂しく孤独死してもいいの?
というような説得で、優しいパパとママは悲しみながらも同情してくれ承諾し、全身整形という大金をすぐに用意してくれた。


少しぽっちゃりした身体、横に広がった鼻、歯並びの悪い出っ歯、小さい目。
気にしてみれば、たくさんのコンプレックスがあったのだ。


全身整形を終えたら、なんだか鏡に映る自分はまるで他人のように思えた。
美人だなあ…他人事のように自分の顔に実感が湧かない。



整形してから周りの反応を恐れ、学校には通えなかった。


優しい両親も、高校だけは頑張って出なさいと言うため、仕方なく適当に制服の可愛い高校を選んだ。


新しく友達を作る、ごく普通の事が、羨ましがられるだけの友達しかいなかった自分には、どういうふうに作ればいいのか解らなかった。


妬まれたり僻まれたり、女子の醜い関係も経験したからだ。


No.360 12/06/12 08:13
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


私はそこそこに裕福層の集まる、有名私立高校に入学した。
規則こそ厳しいものだったが、放課後は全く規則など関係無いようだった。


私は入学してから、男女問わず、同級生からも先輩らからも、たくさんの生徒に声をかけられた。


『可愛過ぎ!』
『どこ中なの?』
『彼氏いる?』
『遊び行こうよ!』


整形した外見のおかげで、私はただただビックリした。
やっぱり人間…女は結局顔なんだなあ…


私はたくさんの女友達が出来て、夏休み前には、なんとクラスの女子を仕切っていた。


上に立つって…気持ちいい!!見下すって…やっぱり気持ちいい!!


小学生時代の忘れられない優越感が、再び現れ私を満たしていく。
結局私はこうやって周りから賛美を仰がれる人間なんだわ。

見て。
あんたより脚も腕も細いわ、なのに胸は私のほうがあるわね。
私の顔はあんたたち凡人の中じゃ際立つわよね。
私はまるでお人形よね、バービーやリカちゃんより美人だわ。


あはははは!!!

No.361 12/06/12 22:43
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


(私みたいにレベルが高いと男は不特定多数で仕方ないわよね)


私は高1の夏に、クラスの女子達が憧れている先輩とつきあい、初体験を済ませた。ただ痛くて早く終わりたかった。
けれど心の欲望は満たされていた。


皆が憧れている先輩から告られて、抱かれている私。
バレバレな浮気をする私を心配する先輩。
男のオドオドした表情ったらたまらない。


私は校内から校外から、たくさんの男と同時につきあい、遊びまわった。


パパとママの少ないはずのないお小遣いでも、私の着飾る服や高価な化粧品代には足りなかった。


高3になると、金持ちのおじさんと寝ていた。大金を貢がせ、大量に買い物をさせた。


『留美ちゃんならたくさん彼氏いるよね。』


オヤジとなると、こっちをガキと見なしてる分、いちいちうるさくないし余裕があって詮索しない。
なんとも気持ちのいい関係だった。


そうして私はだんだんと若い男遊びに飽きて、金を持った30代40代ばかりと関係を広げた。

No.362 12/06/13 08:22
優花 ( ♀ 6VhO )

★続★


高3の冬、卒業間近にジンと出会った。34歳で身なりがオシャレ。車も黒の高級車。背が高くキリッとした顔立ち、目はきついが、笑うと目がたれて下がるギャップ、まさに私的にタイプな男だった。


ジンは見た目若々しいから30半ばには見えないし、チヤホヤしてきた今までの彼氏たちやオヤジらとは全く違い、出会ったときからそっけなかった。


この服どう?髪変えたんだけどどう?可愛い?キレイ?


こんな恋愛的会話でも、いんじゃねーので済ます。常に鳴り止まない携帯。大概は女からで、電話相手はいつも会いたがる。今はダメだな、またな。と、サラッと交わす。


この私が隣にいても他にたくさんの女がいるという態度。


『ねえジン!私ジンの中で一番だよね?』


『おまえみたいなんは、はいて捨てるほどいる』


完全に私は弄ばれている。それは気づいていた。ジンはお小遣いをくれるオヤジとは違う。会ってみればホテルに行っただけで、私に貢いだりお小遣いなんてくれなかった。

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