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🍀語りあかそうの里🍀1️⃣0️⃣
20代のお姉さん
既婚者の人が同僚をホテルに誘う心理

もしも…

レス479 HIT数 139483 あ+ あ-

唯( ♀ M9mPh )
09/04/30 21:12(更新日時)

もしも…

あの時、あの人を信じることができていたら…


もしも…

あの日、手をさしのべてくれたあなたの優しさの裏を見抜く事ができたなら…


…私は……



※私の人生を書きます。
このスレは私しかレスすることができません。ある程度書き進めたら、意見スレを立ち上げさせていただきたいと思います。
つまらない人生かもしれませんが、一生懸命生きています。そしてこれからも生きて行きます。
良ければお付き合い下さい。

No.1159270 09/02/22 21:48(スレ作成日時)

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No.301 09/04/02 12:15
唯 ( ♀ M9mPh )

「今日プロポーズの返事を聞かせてくれないなら
僕は違う子を指名するようにして
ゆうかちゃんのことはお店の店長さんに悪く言うよ
最悪だ!てね」



部屋に入るなりいきなり
言われた

…なんだこの人


『そうですか~(笑)
もう藤森さんとは会えないんですね
寂しくなります
じゃあ…今日が最後ですね!楽しく過ごしましょう!』


寂しそうな笑顔を作り
言ってみせた

お客さんを怒らせたりしたら主任やボーイさんに迷惑がかかる

だから怒らせないように言葉と態度を選んだ


別に指名が減っても
悪く言われても
全然かまわない

ただお世話になっている
主任に迷惑をかけたくなかった



なんとかうまくかわせれたみたいで
私はサービスを始めた



まさか別の形で主任に迷惑をかけてしまうなんて
思ってもみなかった


あんなことになるんだったら
この時に

『どうぞご自由に!』

とキレ気味程度で言って
怒らせて帰ってもらえばよかった

No.302 09/04/02 16:58
唯 ( ♀ M9mPh )

私はいつものように口でゴムを着けた

この人は体位をころころ変える人で
今日もいつものように変えていた


「今日はバックで終わろうかな」


いつもは正常位で終わるのに…
とは思ったけど
特に変に思わず

後ろをむいた

No.303 09/04/02 21:09
唯 ( ♀ M9mPh )

「ゆうかちゃん…いくよ」

その時

背中に生温かいものが
飛んできた


不覚



生で入れられた

後ろをむいた隙にゴムを外されていた



…信じられない…
こんなことするなんて……


「ゆうかちゃんの中
気持ち良かったよ
ゴムと生じゃ全然違うね
生禁止なのにごめんね」


男が笑いながら言ってる



私は無言で
シャワーで掻き出すように中を洗った


何度も何度も


その間男は上機嫌で服を着ていた

No.304 09/04/02 21:24
唯 ( ♀ M9mPh )

私も気が済むまで洗い

制服を着た


「やっぱりゆうかちゃんの体、忘れられないから
また来るよ
結婚は諦めるから
次からも生でやらせてね」


その瞬間

私はキレた

キレたと同時に男の胸ぐらを掴んでいた


『ふざけんな!!
こっちに来い!!!
このまま帰れると思うなよ!!!』


私より背が小さく
細い男を引きずるように
階段を降りて
主任の居るフロントまで連れていった

連れていく間も


『さっさと歩けよ!』

『風俗嬢なめんなよ!』


とか
頭にきていたから覚えてないけど
とにかくいろいろ言っていた

男はただただ驚いていた


その時の私の頭の中には


“主任に迷惑がかかる”


なんてものは
ひとかけらもなかった


ごめんなさい(笑)

No.305 09/04/02 21:38
唯 ( ♀ M9mPh )

フロントに行き

『主任!ちょっといいですか?』


お客さんの胸ぐらを掴んでいるのを見て
主任は当然驚いた顔をした
でもすぐに真剣な顔をして

「ゆうか!その手を離せ!」

と私に言った

そして

「うちの女の子が失礼をして申し訳ありません」

客の方を見て頭を下げた


…なんで?

なんで主任が謝るの?


「ゆうかも謝れ!」


え…なんで…?

主任はなんでこんな状況になってるのか聞かないの?
なんで私が謝らないといけないの?


私は謝らなかった

No.306 09/04/02 23:17
唯 ( ♀ M9mPh )

「申し訳ありませんが
少しお話を聞かせていただきます
こちらへお越しください」

男はボーイと一緒に奥の部屋へ行った

主任を睨み付ける私に

「お前はもう上がりだから部屋片付けろ!」


それだけ言って
主任も奥の部屋へ行った



…私には何も聞かないの?
あいつにだけ聞くの?
ほんとのこと言うわけないじゃん…!

なんだか主任に裏切られた気分だった


もう姿のない主任に

『…わかりました』

と言って

あの男と主任に怒りを感じながら2階の自分が使った部屋へと戻った

No.307 09/04/02 23:28
唯 ( ♀ M9mPh )

部屋を掃除していると
だんだん冷静になってきた


もっとちゃんとした対応すれば良かったなぁ…

そりゃ客の胸ぐら掴んでたら怒るよね主任も…

…でも理由があるんだからそれを聞いてくれてもいいじゃん…


あ~
迷惑かけちゃったなぁ…



それにしてもほんと気持ち悪い


反省と怒りを繰り返していたら
あの客にされたことが
気持ち悪くなり

私は脱いで
また体を力一杯洗い始めた

No.308 09/04/02 23:40
唯 ( ♀ M9mPh )

「おい、ゆうか~
掃除終わったかぁ~?」


主任がきた

『ちょっと今体洗ってるんで待っ…』


振り返ると主任はもう部屋の中に居た


「何やってんだよ(笑)」


『だから待ってって言おうとしたのに
主任入ってきてるじゃないですか!』


「俺とゆうかの仲じゃねぇか(笑)」


さっきの厳しい顔をした主任じゃなくて
いつもの主任だったから
主任への怒りはどっかへいって
なんだか笑えてきた


『どんな仲なんですか(笑)』


私が笑って答えると
主任が話し始めた

No.309 09/04/03 00:04
唯 ( ♀ M9mPh )

「さっきの客は帰ったぞ
何があったんだ?」


何?
今になって聞いてくるの?
また頭にきた


『あの人に聞いたんじゃないんですか?
お客さんが言ってることがあったことなんじゃないんですか?』


可愛いげのない返事をした


「ゆうか~
俺の立場も考えろよ~
客の胸ぐら掴んでるお前を怒らないわけにはいかないだろ」


わかってるよ
それはさっき気づいたよ
…遅いけど


『私の気持ちも考えて下さいよ』


私はむちゃくちゃ言っていた


「まぁ何があったか言いたくないならいいけどよ
客は“他の子指名するって言ったら掴みかかってきた”って言ってたぞ」


…あほくさ

No.310 09/04/03 00:14
唯 ( ♀ M9mPh )

『そうですか』


背を向けて着替えながらそれだけを言う私に


「そうじゃないんだろ」


…そうなわけないじゃん
なんでそんなことで
お客さん引きずらないといけないの


“そうじゃないんだろ”

この言葉で

主任が

“私をわかってくれている”

と感じて
なんだか泣けてきた


「とりあえずあの客出禁(店出入り禁止)にしたからよ
もう会うことはないぜ」


喋ったら
泣いてるのがバレちゃうから
私は主任に背を向けたまま黙ってた

No.311 09/04/03 09:15
唯 ( ♀ M9mPh )

「…ゆうか泣いてるのか?」


涙を手で拭きながら
鼻水を思いっきりすって

『泣いてません!』


泣いてるってバレバレ(笑)


「…この仕事…辛くなったか?辞めたくなったか?」


私は振り向いて
主任の目を真っ直ぐ見て答えた


『覚悟して入った世界です!こんなことで辞めません!迷惑かけてすみませんでした!』


そう言って頭を下げた


主任は思いっきり私の頭をくしゃくしゃに
撫でながら


「お前は男前な女だな(笑)
これからも辛いことあると思うけどよ
フォローできるところは
フォローしていくからよ!頑張れよっ!」



迷惑をかけられた相手に
笑いかけ
気を使わないといけない
主任って大変だなぁ…


『…ごめんなさい』


私は素直な気持ちで謝った

No.312 09/04/03 15:47
唯 ( ♀ M9mPh )

次の日

主任は県外の本社で会議があるらしく
お店には顔を出さなかった

私は部屋の準備をする為
タオルやお茶が置いてある場所に居た

そこでは毎日誰かに会うけど
挨拶くらいしかしたことない


名前もわからない
違う控え室の女の子に話しかけられた


私が昨日起こした騒ぎは
違う控え室の女の子にまで知られていたらしい

当たり前だ

他の女の子が使っている部屋の前の廊下を通り

客に暴言を吐きながら引きずっていたのだから


全部屋
入り口にドアはなく
カーテンで隠されている状態

声も丸聞こえだし

廊下の様子を見ようと思えばすぐ見れる



多分この人は見たんだ…

No.313 09/04/03 16:09
唯 ( ♀ M9mPh )

「昨日何があったの?」


相手は30歳半ばの
スラッとした人だった


『あ…すみません騒がしくして…これからは気を付けます』


そう言ってその場を離れようとした

主任が前に言ってた


「別の控え室の女は
百戦錬磨が多いからよ
あんまり関わらないほうがいいぜ
怖ぇぞ(笑)」


だから私は関わりたくなかった


「最近入った20歳の子だよね?ゆうかちゃんだっけ?昨日の今日で出勤してるんだから
主任のお気に入りなんだねぇ~いいね若いって!」



…嫌味?
嫌味だよね確実に…

体力的にも精神的にも辛い仕事なのに
プラス女の戦い
それだけは避けたい


『中身はオッサンなんですよ(笑)』


ひきつっていたかもしれないけど
笑って答えた

No.314 09/04/03 16:32
唯 ( ♀ M9mPh )

さっきまでの
意味深な笑みとは違う
笑顔で
その人は笑った


「おもしろい子!
主任が気に入る理由がわかる気がするよ
昨日ね、掃除してる時主任が女の子の部屋に入ってくのが見えたからさ~
ちょっと会話聞いちゃったのよ
その前に廊下での騒ぎもあったしね(笑)
主任、私達にはキツイから…あ、達ってゆうのは同じ控え室の子のことなんだけど
全然扱いが違うから
なんなの~?って思って
でもゆうかちゃんいい子そうだからもういいんだけどねぇ~
何?風俗初めてなの~?」

喋り続けたあと
質問されて
私の喋る番になった(笑)


『初めてなんですよ
だからわからないことばっかりだし
昨日みたいな騒ぎ起こしちゃうし…ダメですね(笑)』

No.315 09/04/03 16:40
唯 ( ♀ M9mPh )

「私なんかお客さん殴ったことあるわよ~(笑)
若い頃の話だけどね~
何で?将来の夢?借金?何で働いてるの?」


…殴ったんだ…
私はまだマシだな(笑)


『借金があって…働いても働いても返せないですねぇ』


「そうなの?
返せるくらい稼いだら早く辞めた方がいいわよ
私みたいに抜け出せなくなるわよ~(笑)
じゃあ頑張ろうねぇ~」


笑って言ってたけど
あの人もいろいろあるんだろうなぁ…
綺麗な人なのになぁ…

生きるって大変だなぁ…


そんなことを考えながら
部屋の準備を続けた

No.316 09/04/04 10:11
唯 ( ♀ M9mPh )

その日から2日後

控え室に来た主任が


「ゆうか!他の控え室の女と何かあったんか?」


と聞いてきた

『髪の長いスラッとした人ですよね?
一昨日話しましたよ~
明るい人ですね(笑)』


止まることなく
喋り続けていたあの人を思い出して
ちょっとおもしろかった(笑)


「いじめられなかったか?」


『大丈夫ですよ(笑)』

No.317 09/04/04 10:13
唯 ( ♀ M9mPh )

「あいつリサってゆうんだけどよ~
さっきリサがお前の話してきたから
リサもお前も気ぃ強ぇから殴り合いでもしたかと思ってよぉ(笑)」



『お客さん殴ったことあるとか言ってましたね(笑)』

「そうなんだよな~
まぁ前の店での事だし
詳しくは知らねぇけど
ここでやられたらたまんねぇよ(笑)
俺より年上だし怖ぇよ(笑)」


『そういえば主任何歳なんですか?』


「言ってなかったか?
2月で32歳になるぞ
見えねぇだろ?」

32歳!?
ほんと見えない…


『20代かと思ってました
初めて見た時
ホストかと思ったし(笑)』


「そんなガキんちょに見えるか?
これでもいろいろ苦労してきてるんだけどよ(笑)」


そう言った
主任の笑顔は
なんだか寂しそうだった

No.318 09/04/04 10:31
唯 ( ♀ M9mPh )

もうすぐ息子の誕生日

この日はいちにち一緒に過ごしたい


『あ!主任!ちょっとギリギリになっちゃったんですけど
今月の28日は休ませてもらいたいんです
子供の誕生日で…
1歳になります』


「おぉ!めでてぇなぁ!
休め休め!」


『ありがとうございます!』


良かったぁ
これで子供と過ごせれる

いつも寂しい思いさせてるから

誕生日くらいは
ずっと一緒に居てあげなくちゃ

居てあげたいってゆうか
私が居たいんだけど

No.319 09/04/04 10:40
唯 ( ♀ M9mPh )

「うちも
もうすぐ産まれるぜぇ」


あ 結婚してたんだ


『そうなんですか!
いつ頃出産予定なんですか?』


「今月末だったかなぁ」


『だったかなぁって適当ですね(笑)あと一週間じゃないですか!
楽しみですねぇ~
他にもお子さん居るんですか?』


私は何気なく聞いた


「…2人」


主任は
目をこすりながら
間を置いて
そう答えた

何か悪いこと聞いちゃったかな…
プライベートなことだからあんまり聞かれたくないのかな


『にぎやかになりますね!』


そこで話を終わらせた

No.320 09/04/04 11:14
唯 ( ♀ M9mPh )

生理休暇が開けてから
10日間

10日で120万


大金を持ち歩くのも
家に置いておくのも怖いから
毎日出勤前に
前の日に稼いだお金を入れていた

こっちで千円で作った
銀行口座の預金通帳には
すごい勢いで
預金額が増えていく


誕生日前日

寝ている子供の横で
預金通帳を開く私


これで1つの借金は
完済できる…

全然足りない

まだ…

まだまだ頑張らないと…

早く返して

子供と過ごす時間を増やしたい


明日はいっぱい遊んで


それからまた頑張ろう!

No.321 09/04/04 21:20
唯 ( ♀ M9mPh )

子供の誕生日は

電車に乗り
大きな街へ出て

プレゼントに
服と靴とおもちゃを買った

帰りに小さなケーキを買って

マンションでお祝いした

お風呂も
いつも出勤前に
バタバタと一緒に入るだけだけど
ゆっくり遊びながら入った

子供はものすごく嬉しそうだった



ここへ出てきて1ヶ月とちょっとの間に

よちよちだけど
ひとりで歩けるようになった

発する言葉も多くなったしよく動く

子供は放っておいても
成長していく


こないだまで
ねんねしてたのに…
大きくなったね


子供の成長に感動した


何もしてあげれてない
ママを許してね…

No.322 09/04/04 21:37
唯 ( ♀ M9mPh )

次の日


部屋の準備をして控え室に居ると

主任が入ってきた


「ゆうか!昨日子供の誕生日だったんだよな!?」


『はい!昨日は休みもらってありがとうございました!おかげで…』


子供と楽しく過ごせれました

と言おうとしたら


「うちも産まれたぞ!
誕生日一緒だなぁ!」



『ほんとですか!
おめでとうございます!!どっちでした?』


「男!見るか?」


携帯カメラで撮った写真を見せてもらった

かわいい!

主任にそっくりな男の子だった


『主任にそっくりですね!かわい~!男前になりますねっっ』



「俺より男前だろ~!
頭も良さそうだしよぉ!
これ朝早く起きて撮ってきたんだよ~
かわいいだろ!」


親バカ全開だった(笑)

No.323 09/04/04 22:19
唯 ( ♀ M9mPh )

生理休暇以外は休まないと前に主任に言ったけど

子供との時間が欲しかったから
毎週木曜日、週1の休みをもらった


週の真ん中はだいたい暇だった


週に1度の休みは
体力的にも
子供と過ごせるとゆう
精神的にも
ありがたかった

無理せず
最初からそうすればよかったと思った



次の生理休暇は地元へ帰ろう…

残してあるアパートも心配だし
友達にも会いたい


私はファミレスのバイトで仲良くなって
こっちに来てからもたまに連絡を取り合っている
エリちゃんに


“来月中旬に2、3日そっちに帰るから暇だったら遊んでやって”


とメールをした


“まじで!絶対遊ぼ!”


すぐに返信された


はやく来い生理!(笑)


楽しみができた

No.324 09/04/05 09:22
唯 ( ♀ M9mPh )

12月中旬になり
生理休暇をもらった


生理休暇の一日目は

子供を託児所に預け

口座に入れてある

270万から250万を引き出し

借金返済にまわった


コウくん名義の

3社を完済させた


残り3社

多目にみても
300万あればすべて完済できる


この日残りの3社には

2万ずつ返済した



あと2ヶ月

何か問題がない限り2ヶ月で稼げる金額


暗闇の人生に
光が見えてきた



あともう少し…

もう少し頑張ろう…



用事を終え

子供を迎えに行った

No.325 09/04/05 10:06
唯 ( ♀ M9mPh )

その日は子供とゆっくり過ごし

2日目に地元へ帰った

地元の駅に着いた時は
なんだかどっと疲れが出た

すぐにアパートへ行った

久々のアパートは
今住んでいるマンションより古いしゴキブリも出るけど

やっぱり落ち着く

我が家に帰ってきた

て感じがした

このアパートにいい思い出はないけど

初めて自分で借りたアパートだから
愛着はあった

カビ臭い部屋の空気を入れ換える為に
窓を全開した

積もったほこりを掃除して

5時間 電車や車に揺られて疲れてる子供を寝かせた


そして郵便受けをチェックした…

No.326 09/04/05 10:19
唯 ( ♀ M9mPh )

光熱費の請求書と領収書

ピザ屋や住宅のチラシ


そして

コウくんからの手紙…


やっぱりあった

だから郵便受けは
落ち着いてからチェックした


大学ノートを破って
封筒にも入っていない紙


何枚もあった

綺麗に折り畳んでいるのもあれば

ぐちゃぐちゃにしてあるのもあった


私は全部に目を通した




…狂ってる


私はコウくんに

異常者の烙印を押した

No.327 09/04/05 22:53
唯 ( ♀ M9mPh )

“ゆい元気してるか?子供も元気か?俺は今新しく入った会社の正社員で
毎日朝から晩まで働いている”



“携帯の番号は変わってないからいつでも連絡くれ”



“ゆい、俺が悪かった
戻ってきてくれ”



“借金は返してくれてるのか?本当に悪かった
俺がどうかしてた”



“子供がもうすぐ誕生日だな!3人で一緒に祝おう”


“子供にプレゼントを買ったから渡したい”



“離婚する前に子供名義の通帳を作った
それに毎月1万ずつ貯金してるから
成人した時子供にあげようと思ってる”




綺麗に折り畳んでいる手紙には

こうゆうことが書かれていた


私は何も信じなかったし

何も感じなかった


私の心は

コウくんを拒絶していた

No.328 09/04/06 20:59
唯 ( ♀ M9mPh )

そして

ぐちゃぐちゃになっている手紙の内容は



“滞納通知がこないってことはお前が払ってるんだろ
バカな女!”



“どうやって返してるんだ
風俗か?汚ぇ女!”



“俺の子供を返せ”



“殺してやる”



“必ず殺してやる”





…殺す?

やってみろよ


恐怖なんか感じなかった


できるような男じゃない

せいぜいこうやって
手紙で嫌がらせくらいしかできない


つまらない男




私は手紙を全部捨てた


異常者は私の人生に必要ない

No.329 09/04/06 21:19
唯 ( ♀ M9mPh )

次の日はエリちゃんと遊んだ


エリちゃんは興味本位で聞いてきた


「風俗ってどのくらい儲かる?」



『一番良かったのが
5日で80万だったよ』



「えぇ!まじで?
体辛くない?」



『ん~正直瀕死(笑)
でもしょうがないよ!私頭悪いし体使うしか(笑)』



「私も看護師の勉強辛いよ~!」



『頑張って金持ちつかまえなくちゃ!売り切れちゃうよ(笑)』



看護学校に通うエリちゃんは
看護師になったら
金持ちの医者と結婚できるかも
とゆう理由で看護師を目指してた(笑)



「ほんとだよね(笑)
でもかなりハードだよ~
学校の後に病院のバイトだし…
あ~私も風俗しようかな~」



私は焦った
5日で80万稼いだなんて言うから
楽なイメージをあたえちゃったんだ



『ダメ!絶対ダメ!!!
風俗は金の為に体を売るんだよ!
その為には心も捨てなくちゃいけないんだよ!
そんな思いエリちゃんにはしてほしくない!
もっと自分を大切にして!』



エリちゃんが本気で
言ってるわけじゃないことくらい
わかってるけど

私は怒った

友達にあんな思いはさせたくない

No.330 09/04/06 21:30
唯 ( ♀ M9mPh )

「わかったわかった!
ちょっと現実逃避(笑)」



『ほんとに?
絶対ダメだよ!エリちゃんは看護師になって
絶対金持ちと結婚してよ(笑)』



「うん(笑)ゆいちゃんもあんまり無理したらダメだよ!
私が看護師になったら
ゆいちゃんと子供を養ってあげる!
そしたら風俗しなくていいでしょ!」



私はこの言葉に感動した


自分を大切に想ってくれてる人がいる

嘘でもノリでもなんでもいいや


エリちゃん…ありがとう



私たちはまた遊ぶ約束をして別れた

No.331 09/04/06 21:32
唯 ( ♀ M9mPh )

久々の友達は
やっぱり良かった


私が風俗をしていると
知ってるのはエリちゃんだけ

知らせてない人には
会わなかった

ううん…
会えない



私は風俗嬢“ゆうか”


それを隠して

“奥田 唯”


としては会わす顔がない


気にしすぎなのかもしれないけど

私には会う勇気がなかった

No.332 09/04/06 21:44
唯 ( ♀ M9mPh )

私はアパートに置いてある

服や靴を段ボールに詰め込み
次の日にむこうのマンションへと送った


ここのアパートも
早く引き払ってしまわないと
またコウくんからの手紙がくる


狂ってる手紙は見たくない

不動産屋に連絡をして
来月いっぱいで出る
と言った

部屋を返すのには
立ち会いが必要


来月中旬の生理休暇に
また帰ってこよう



テレビや冷蔵庫や洗濯機…

むこうのマンションは
備え付けがあるし


まだまだ新品同様だけど

リサイクルショップに連絡して引き取ってもらおう



でも
まだどうするかわからないから
リサイクルショップの連絡先だけ控えた



そしてまた5時間かけて戻った

生理休暇最終日は
子供とのんびり過ごした

No.333 09/04/06 22:49
唯 ( ♀ M9mPh )

20歳のクリスマスイヴは
キティで過ごした

出勤している女の子は少なく

同じ控え室の女の子
私以外の4人は皆休みだった


お客さんの入りも悪く
暇な一日だった


去年のクリスマスは
まだ0ヶ月の子供と過ごしたなぁ…


その前は
ナオと過ごして…


その前は
けんちゃんと過ごしてたなぁ…


今年は風俗か……

来年は何してるんだろ


そんなこと考えてた


暇で時間を持て余していると
どうでもいいことばかり考えてしまうから

忙しいほうがいいなぁ…



夕方になると
主任が控え室に来た


酔っぱらって(笑)

No.334 09/04/06 23:45
唯 ( ♀ M9mPh )

「何やってんだぁ~ゆうか~仕事しろぉ!」



『主任こそ何やってんですか(笑)毎日飲んでるじゃないですか!目の周りクマできとるし!』


主任は毎日寝る間を惜しんで浴びるほど飲み歩いているらしい


みのさんか?(笑)


「うるせぇよ(笑)俺の金どう使おうが俺の勝手じゃ」


『荒れてますね(笑)何かあったんですか?』



「店のトップだといろいろあるんだよ…」



『大変なんですね…お疲れ様です』



「お~大変なんだよ~
ゆうか慰めてくれよ~」



酔っぱらいの相手も大変だ(笑)

No.335 09/04/07 00:01
唯 ( ♀ M9mPh )

『奥さんに言ってくださいよ(笑)』



「実家に帰ってるよ~
帰って来ねぇんだよ家に。まぁ帰って来ても
忙しいから俺は相手できねぇからよ!チビも小せぇし」



『そうなんですか?
主任も男ひとりだと大変ですね!洗濯とかやってるんですか?主任がパンツ干すとこ見てみたいですね(笑)』



「店の女にやらせてるよ」



『奥さん知ったらかわいそうですね。私だったら絶対嫌ですけどね!旦那が他の女にパンツ洗わせてるとか最悪ですね』



「居ても何もしてくれねぇよ!そうゆう女だからよ!」


…あんまり奥さんの悪口とかは聞きたくないなぁ…

私は相づちを打っただけで何も言わなかった

家庭のことはあまり話さない主任が言うのは

よっぽど大変なのかなぁ…


関係ないけど

主任の様子を見ると

ちょっと心配だった

No.336 09/04/07 00:11
唯 ( ♀ M9mPh )

正月は2日間店休日


同じ控え室のみゆきさんとりえさんに

忘年会と新年会を誘われたけど断った


私はこの仕事を長く続けていこうとは思わない

冷たいかもしれないけど
店の女の子とも
必要以上に付き合いたくない


仲良くなっても

私は借金返済が終わり次第この仕事を辞める

金で繋がる風俗の世界に


友情 愛情 人情

そんなものは

ひとつもない

あるかもしれないけど

私は作らない



必要ない

No.337 09/04/07 20:24
唯 ( ♀ M9mPh )

年も明けて


風俗を辞めたらどうするか

自分と子供のこれからを
考えていた


どこに住もう…


地元は確かに落ち着くけど

いつどこでコウくんに
会うかわからない

私ひとりの時に出くわすのはいいけど

子供と一緒の時は…


子供には会わせたくない


ここに出てきたのは
何かの縁があるのかもしれない

私の半生の地かもしれない


地元を捨てて
ここに住もう

ここで人生をやり直そう



私は地元を出ることを決めた

No.338 09/04/07 21:50
唯 ( ♀ M9mPh )

ピルを飲んでいるから
生理は規則正しくやってくる

1月の中旬に生理休暇があるから

その時に全て片付けよう


私はこないだの生理休暇に控えをとった
リサイクルショップに電話した

洗濯機 乾燥機 冷蔵庫 掃除機 テレビ 炊飯器 レンジ ガステーブル 3段BOX

引き取り日時を言うと
すんなり予約がとれた


損傷の激しい物は
引き取れないと言われたけど

全部綺麗だから大丈夫だろう

お金取られなかったら
タダ同然でも
なんでもいいや



不動産屋にも
立ち会いの日時を
詳しく連絡しておいた

忘れてましたなんて言わせない



これで抜かりはないはず


役所に行って
いろいろな手続きをしなくちゃいけないから


だらだらしてられない

No.339 09/04/07 23:07
唯 ( ♀ M9mPh )

1月の中旬

予定通り生理休暇


休暇1日目に

借金返済にまわった

週に1度休みをとるようになり

先月より預金額は
当然減っていた


口座の220万から

200万を引き出して


2社完済させた



借金も残すは

私名義の1社


60万


70万あれば余裕で完済できるだろう


あと一週間か10日働けば
稼げる



あともう踏ん張り…


頑張ろ…



託児所に預けた子供を迎えに行き

地元へ帰るため

電車に乗った

No.340 09/04/07 23:22
唯 ( ♀ M9mPh )

地元に着き
アパートへ行き
荷物をまとめた

次の日に

MDコンポやキッチン用品、春夏物の衣料、アルバムを詰めた段ボール3箱を宅配便でマンションへ送った


役所へ行って

転出届けなどの手続きを
終わらせた


明日

午前中リサイクルショップの人が洗濯機とかを引き取りに来てくれるし

昼からアパートを引き払う立ち会いがある


アパートで過ごすのも
今夜が最後


初めてのひとり暮らし

初めて自分で買った電化製品

ここでの思い出



全部バイバイ

No.341 09/04/08 08:13
唯 ( ♀ M9mPh )

翌日

洗濯機などを引き取りにきたリサイクルショップの人は


「1年か2年しか使ってないみたいですね?
状態もいいし、本当に引き取ってしまっていいですか?」



『処分に困るから…お願いします』


しばらく計算して


「全部で3万ということで…
よろしいですか?」



全部3万って…
この洗濯機5万もしたし
冷蔵庫も7万したんですけど…

何万で売りに出すんだよ


と思いながら



『いいですよ!
お金取られるよりいいですし(笑)』



商売ってそんなもんだよね


引き取ってもらった
家の物がトラックに積まれ


「ありがとうございましたー!」


リサイクルショップのおじさんは超笑顔だった


私は3万円を持って
ドナドナを口ずさんだ(笑)


そんな気分だった

やっぱりちょっと悲しい


不動産屋が来るまでに

カーペットや布団を片付けて捨てなくちゃ…


ゴミ回収日じゃないけど

ここを立ち去る私には関係ない


ルール違反でも

不法投棄でもなんでもしてやる


ちょっと最低だけど



どうでもいいや

No.342 09/04/08 09:59
唯 ( ♀ M9mPh )

悪いなぁと思いつつ

カーペットや布団を捨てて

家の中を空っぽにした


不動産屋が来て


『カーテンと電気は付けたままにしていきます』


と言って
鍵を返した

そしてポストの中の物を

鞄に押し込んで


アパートを出た

No.343 09/04/08 11:39
唯 ( ♀ M9mPh )

電車の中で


いろいろお世話になった

5つ上の姉ちゃんにメールした



“達者でな✌”



と返信がきた


バカかもしれないけど
短い文に愛情を感じた



親には連絡しなかった


親と8つ上の姉ちゃんとは

コウくんと離婚する時に
かなり揉めた


それから疎遠だったことから



私は何も連絡しなかった



子供の親になっても

自分の親のことを理解しようとしない

わからないフリをしている


親不孝者



こんな私が幸せになれるわけないよね…

No.344 09/04/08 13:02
唯 ( ♀ M9mPh )

マンションに着く頃にはもう夜だった

すぐに子供とお風呂に入り

子供を寝かせた


1歳を過ぎたと言っても
やっぱり5時間乗り物に揺られるのは
しんどいだろう


ごめんね

もう当分

こんな思いをさせることはないと思うから…


もしかしたら

一生地元へは帰らないかもしれないし…


私はここで生きてくって決めたんだから

親元を恋しがっていてはいけない



もう帰らない!


それくらいに思っておかないと


心を強く持たなくちゃ…



本格的に親元を離れたけど

孤独は感じなかった


子供が居るから

子供に心を支えてもらっているから…



勝手なママでごめんね

No.345 09/04/08 13:12
唯 ( ♀ M9mPh )

…洗濯しなくちゃ


鞄をあけた


アパートを出る時に

詰め込んだ郵便物…


そうだった…

詰め込んだ時点で気づいてたけど

もちろんある

当然のように入ってた

大学ノートを破った


コウくんからの手紙…







とりあえず洗濯した(笑)

No.346 09/04/08 17:19
唯 ( ♀ M9mPh )

タバコに火をつけ

大きく吸って

息をはいた


ほとんどぐちゃぐちゃに丸めてある手紙

てゆうかゴミ(笑)


綺麗に折り畳んである手紙から読んだ



“会いに来てもいつもいないから心配だよ
ゆいも子供も元気にしてるか?”



“子供の写真をくれ
俺は実家に住んでるから
住所知ってるだろ?”



そんな感じだった


何にも感じなかった




次はゴミを広げた(笑)

No.347 09/04/08 19:32
唯 ( ♀ M9mPh )

“朝も夜もどこ行ってるんだ!インラン女!”



“汚ぇ手で子供を触るな”


“もうここには住んでいないのか?逃げ足だけは早いな!”



“見つけ出して殺してやる”



そして

“必ず殺してやる”


と書かれた紙が

12枚あった



どうやらネタ切れらしい(笑)


私はその12枚の紙を
封筒に入れて保管した


万が一何かあった時

私は刺されてもいいけど

子供に手を出されたりしたら


元旦那だろうが
警察に行ってもらう
人生終わらせてやる



バカな男

バカな男と結婚してた私も

バカな女



結構お似合いだったかもね

No.348 09/04/08 19:50
唯 ( ♀ M9mPh )

次の日にアパートで出した荷物が届いた

開けてもどうしようもないからそのまま部屋の隅に置いた


今住んでるマンションも
早く出なきゃ…

月9万なんて

風俗を辞めたら払えない


子供が居ると
思うように働けない

今預けてる託児所は

24時間預かってくれるから夜も働けるし
多少風邪をひいていても
保育してもらえる


市立の保育園は
時間が決まっているし
風邪をひいている子は
保育してもらえない


ひと月に13万貰える仕事したとしても

13万-9万

4万で生活はしんどい


だからと言って

このまま風俗を続ける気は毛頭ない



だから

家賃の安い部屋を

借りなくちゃ

No.349 09/04/08 20:09
唯 ( ♀ M9mPh )

不動産屋に行き

家賃の安いアパートを探した


車の免許がない私は

近くになんでも揃っている便利なところが良かった


でも
便利なところは家賃が高い

地元で借りてたアパートは

駅まで徒歩10分
真横にデパート
保育園まで徒歩5分
3DKで4万5千だったが


いくら築が古いとしても

ありえない安さだった


田舎ならでは だった



ここで
そんな条件のいい物件を借りようものなら
家賃7万を覚悟しないといけない


だから私は

スーパーの近く
バス停の近く
家賃5万~5万5千


それを条件に探した

No.350 09/04/08 21:47
唯 ( ♀ M9mPh )

不動産屋の眼鏡をかけた兄ちゃんが私の担当になった

新井さん推定25歳(笑)

若いのに主任とゆう
肩書きだった


いくつか条件に合う物件を出してくれた


私が選んだのは


家賃5万3千

築2年

2DK 1階角部屋

外壁が明るい黄緑のアパート


夜12時までやってるスーパーまで徒歩1分

最寄りのバス停徒歩5分



ここがいいかも


『ここ見せて貰えますか?』



「ではこの書類にご記入ください」


兄ちゃんがそう言って
出してきた書類の必要記入欄を埋め始めた

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