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もしも…

レス479 HIT数 139490 あ+ あ-

唯( ♀ M9mPh )
09/04/30 21:12(更新日時)

もしも…

あの時、あの人を信じることができていたら…


もしも…

あの日、手をさしのべてくれたあなたの優しさの裏を見抜く事ができたなら…


…私は……



※私の人生を書きます。
このスレは私しかレスすることができません。ある程度書き進めたら、意見スレを立ち上げさせていただきたいと思います。
つまらない人生かもしれませんが、一生懸命生きています。そしてこれからも生きて行きます。
良ければお付き合い下さい。

No.1159270 09/02/22 21:48(スレ作成日時)

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No.401 09/04/15 21:59
唯 ( ♀ M9mPh )

それからまた他愛もない話をしていた

夜中の4時をまわって

私があくびをしたら


「もう眠いだろ!
明日パチンコ屋の何かがあるんだろ?寝ろ!」



『主任は?泊まって行きますか?』



「帰るよ!店に何かがあった時、連絡とれなかったらいけねぇだろ?
明日11時に起こしてくれ!」


と言って主任は
自分のマンションへ帰っていった



…なんだ…帰っちゃうんだ…

また来てくれるかなぁ



寂しいなぁ…


と思いながら

ぐーすか寝た(笑)

No.402 09/04/15 22:10
唯 ( ♀ M9mPh )

9時に子供を保育園に送って行き

パチンコ屋の説明会へ行った


グランドオープンは4月下旬に延期され

約1ヶ月

住んでいるT市から
車で1時間かかるY市にある
チェーン店のパチンコ屋で研修することになった



…どうやって行こう…

と考えていたら


店長さんが


「奥田さんは免許ないんですよね!吉田くんに乗せてもらって
Y市まで出勤してください」


吉田さん推定23歳(笑)


「あ…毎朝ここで待ってるから…ここまでは来れるよね?」



えぇ!?と思ったけど
足がない私にはありがたい


『すみません…お世話になります』




4月1日から研修


保育園は春休みだから

前の託児所に預けなくちゃ…

保育料は高いけど
一週間くらい仕方ない



制服の受け渡しなどがあるから

また3日後に…

とのことだった



…また暇じゃんか



2日間 暇人すると思うだけで涙が出そうだった(笑)

No.403 09/04/16 10:11
唯 ( ♀ M9mPh )

11時…
主任に電話をかけた


「はい」


『主任!おはようございます!11時ですよっ』



しっかりした声で電話に出たのに

「ぅおぉぉ~もうそんな時間かぁ~~酒が抜けんわぁ~」


ふたこと目は
ダラダラだった(笑)

そんな主任が可愛らしくて愛しかった


自然体を見せてくれるのが一番嬉しい

作った姿なんて魅力がない


ファミレスでバイトしている時も

マネージャーが

「あ~…疲れたなぁ」

とポソッと言ってるのを一度だけ聞いたことがあって

その時も ドキッ とした

マネージャーは妻子持ちだし全然好みじゃないタイプだったけど

ときめいた(笑)


どうやら私は疲れたオッサンが好きらしい(笑)



主任が昨日言ってたことを思い出す

“俺のこと愛して止まないんだろ”


…愛って何?

人を愛するってどうゆうこと?

その人の全てを受け入れて心から守りたいって思うこと?


一度失敗してる私に
人を愛することができるのかな?


子供を犠牲にした私に


また誰かを愛する資格があるのかな…



わかんないよ…




誰か教えてよ…

No.404 09/04/16 13:45
唯 ( ♀ M9mPh )

その日の夜の1時過ぎ

主任は家に来た


それから毎日の様に来るようになった
遅くても4時には
マンションへ帰っていく


“明日も来てくれる?”

とか

“明日も来るよ”


とか、そうゆう会話は一切なかった


主任は当たり前のように来て

私も当たり前のように来るのを待って


そして当たり前のように体を重ねた



ただ主任が来てくれるのが嬉しかった



“私たちの関係って何?”


頭で思っていても
口には出さなかった


彼氏とか彼女とか
付き合うとか付き合わないとか

どうでもよかった…




お互いが寂しさを埋め合ってただけ…




…きっと…

No.405 09/04/16 14:03
唯 ( ♀ M9mPh )

パチンコ屋の2回目の集まりで
他のバイトの子と話す機会があった

すぐに仲良くなり
携番とメアドを交換した


同じ子持ちの同じ年
マキ

1コ下のおとなしめ
アイちゃん

2コ上の明るい
ミカりん

30歳のプチ天然
アヤちん



やっぱり私の外見は悪いらしく


「もっとツンとしてる人だと思ったよー(笑)」


「私も(笑)子供が居るようには見えない」



えーっと…
そんなに感じ悪いですか?(笑)



オープンまでの研修先はみんなバラバラだけど
1ヶ月もすれば
オープニングスタッフとして一緒に働ける
パチンコ屋のバイトも楽しくなりそう!!


知らない土地で孤独を感じてたから
仲の良い子たちができて嬉しかった



ほんとに嬉しかったんだ



まさか

あの子に裏切られるなんて



思ってもみなかった






ねぇ

私のこと
覚えてるかな

きっと心の片隅にもないよね


私はまだ
あなたから受けた心の傷




癒えてないよ…

No.406 09/04/16 20:21
唯 ( ♀ M9mPh )

パチンコ屋の研修は

朝は早いけど

仕事自体は楽しかった

Y市のチェーン店の人たちも明るく楽しい人ばかりだった


店員同士で繋がってる小型マイクで
いらん話ばかりして楽しかった(笑)


6月に職場結婚する原田さんが

「奥田さん彼氏は~?」


と聞いてきた(笑)


『居ませんよ~誰かもらってください(笑)』


また私はノリで答えた
山口くんのことがあってもまだ懲りないバカ(笑)


他の誰かが

「どんな人がタイプなの~?」



『ん~子種くれる人(笑)』

いきなり下ネタをかましたから大ウケだった(笑)


冗談半分だけど
この頃、自分の子供に兄弟が欲しいと思ってた

…主任の存在があったからかな…


『いや本気ですよ(笑)
血液型A型かO型の人がいいですね』


またわけのかわらんことを言った(笑)



「俺O型だよ~」

「俺も~」

「私O!女だけどいいかな~?(笑)」

「子供できないできない(笑)」

「俺はA!」

「あんたBやん!(笑)」

「今日からA型」

「アホか!(笑)」


まだ全員の名前を覚えてないし声だけでは誰が誰だかわからなかったけど
楽しかった


他の人が話してるのを聞くのもおもしろかった


みんないい人で良かった…

No.407 09/04/16 21:09
唯 ( ♀ M9mPh )

吉田さんにも毎度お世話になった

きっちり連れてってくれて

きっちり連れて帰ってくれた


たまに子供の保育園まで送ってくれて

本当にありがたかった


そんな毎日で

研修期間を終えた



オープン…

大変だった

ハンパない忙しさが続いた

1日中走り回って
マイクでいらん話してる間もなかった(笑)


それでも
みんなと仲良く頑張っていたから全然苦じゃなかった


ある日事件が起きた

私が控え室に入ると

1コ下のアイちゃんが居た

なんだか様子がおかしかった


鞄の中に
サッと何かを隠した

No.408 09/04/16 21:37
唯 ( ♀ M9mPh )

…なんだろ?

と思ったけど普通に話しかけた


『今日も忙しいね~!
毎日来てる人居るけど
並んだりして気合入ってるねぇ~(笑)』



「…うん、そうですね…」


やっぱり様子が変だった


ふと控え室を見渡すと
マキのロッカー扉が開いていた


控え室には
ひとりひとりロッカーが与えられていて

鍵も付いてるけど
ほとんどの人が鍵をかけずに使ってた


『マキの奴、ちゃんと閉めてないし~(笑)』


と言って

マキのロッカーを閉めようとしたらバッグから財布が出ていた


下を向いたままのアイちゃん…



…まさか…





バイトしていたファミレスでも
控え室に置いてある私物から物やお金を盗られる事件が多々あった

あまりにも多かったから防犯カメラまでつけられたくらいだった


だからピンときた…

No.409 09/04/16 21:48
唯 ( ♀ M9mPh )

『アイちゃん…マキのお金…』



「ごめんなさい!
…お金なくて…ごめんなさい!」


…アイちゃん…


『マキには言わないから…戻しておきなよ!』


「ゆいさん…」


『いいから!
誰か来ちゃうよ!早く!』


アイちゃんはマキの財布にお金を返した


『言ってくれたらお金貸したのにっ!まぁ私も貧乏だけど、明日食べる米はあるからさ(笑)』


私は1万円渡した

『給料もらってから返してくれればいいから
利息はつかないから(笑)』


「ごめんなさい…
ありがとうございます!
ほんとごめんなさい!」


アイちゃんは何度も頭をさげていた





次の日

アイちゃんはパチンコ屋を辞めた

辞めたとゆうか無断欠勤した



連絡が取れない!と怒っている店長や
心配して何度も電話やメールをするマキたちをよそに


“あぁ…もう来ることはないなぁ…1万損したなぁ”


そう思ってた


「何かあったんかな!?」

そう心配するマキを見て
胸が痛んだ


『どうしたんだろうね…』


アイちゃん…

今はちゃんと働いて
お金稼いでるかな…

同じこと

繰り返してないかな…

No.410 09/04/16 22:03
唯 ( ♀ M9mPh )

その日の夜

いつものように主任と夜を過ごしてた


昨日は黙っていたけど
昨日と今日の出来事を話した



「人は怖ぇぞ」


『だよね…いい子だったのになぁ…
あ!主任…』


他の話題を出そうとしたら


「お前いつまで俺のこと“主任”て呼ぶんだ?
敬語はなくなってきたけどよ」



『え~(笑)主任って呼びやすいんだけど…
ん~何て呼ぼ…
タケルだから…タケ!』



「タケ?初めてだなぁ!
まぁええわタケでもシイタケでもよ(笑)」



『おいシイタケ!(笑)』


「へ~い(笑)」


なんだか恥ずかしくて
なかなか慣れなかった


つい“主任”って呼んじゃって

その度に怒られた(笑)

No.411 09/04/16 22:32
唯 ( ♀ M9mPh )

『主任…あっ!また言っちゃった(笑)
こんなやり取りして
なんか付き合ってるみたいですね!変な感じ(笑)』


私は何の気なしに言った



「お前俺の女じゃねぇのか!」


えっ…


「俺は ゆいの男じゃねぇのかよ!」





涙で主任の顔が滲む…

ずっとひっかかってた

主任と私の関係

どうでもいいフリして
気にもしてないフリして

自分の気持ちをごまかしてた





「愛してるって言わねぇとわかんねぇのか!」




ずっと溜めてたものが溢れた

涙が止まらない



『わかんないよ!
言ってよ!私バカだから
言ってくれないとわかんないよ!
愛してるって言ってよ!』


主任の胸を叩きながら言った
恥ずかしいほど恋愛ドラマやっていた(笑)


今まで
これほどまでに
こうゆう自分の気持ちを出したことはないし

相手に要求したこともなかった



主任の言う通り


愛して止まない




そうだったんだと思う

No.412 09/04/17 01:54
唯 ( ♀ M9mPh )

曖昧な関係から

晴れて彼氏彼女とゆう関係になれた気がした


そしたら自然に

主任のことをタケと呼べるようになった


自分から電話したりすることもなかったが
できるようになった


タケも夜中だけではなく
早い時間に来て
一緒にご飯を食べたりしていた


子供とも良く接してくれた

タケが噛んで小さくした
唐揚げを
子供に食べさせてくれた時は
ほんとに感動した


仕事中ボーイとゲームセンターに行き
UFOキャッチャーで取ってきてくれたぬいぐるみをプレゼントしてくれたり


肩車をしてくれたり…


父親が居たら…
こうゆう光景が毎日見られるのかな…


私にはタケが必要

子供もなついている


私…幸せになれるかな…

子供も…幸せになれるかな…



2度目の結婚を意識した

No.413 09/04/17 07:51
唯 ( ♀ M9mPh )

かと言って

“結婚したい”

とかは言わなかった


言わないとゆうか

言えない…



タケは2度失敗しているし
たくさん失ったものもある


私も1度失敗して

子供を犠牲にしてる



そんな2人が

そう簡単に

“結婚”を口に出すことはできない





もう傷付くのが怖い

臆病な2人



タケも私も

みんな


そう


ただ幸せになりたいだけ…





でもそれが

難しいんだ……

No.414 09/04/18 14:03
唯 ( ♀ M9mPh )

グランドオープンの忙しさもひいた頃

夕方
タケが職場のパチンコ屋に遊びに来た


「お~い!姉ちゃん!
この店出ねぇなぁ(笑)」


えらそうに座って
スロットをするタケ


『何やってんの(笑)』


少し話をしながら仕事をしていた



マキとミカりんが


「何?彼氏?」



『そうだよ
仕事サボって遊んでるよ(笑)』



「ホスト?」



…ほらみろ(笑)


『違うよ(笑)一応会社の上のほうだよ』


嘘はついてない

タケの役職名は

“代表取締役”


最近昇格した

仕事内容は変わってないらしく

代表取締役 兼 店長 兼 主任 兼 ボーイ(笑)

そう言ってた




タケのとこに行って


『やっぱホストに見えるみたいだよ(笑)』



「誰が言ってんだよ(笑)」


私はマキとミカりんを指差し


『髪をアップしてるのがマキで
あの茶髪で2つに結んでるのがミカりんだよ
2人ともおもしろくていい子だよ』


と 紹介した

タケに友達を知ってもらえるのは嬉しかった

No.415 09/04/18 23:29
唯 ( ♀ M9mPh )

それから
タケはよく遊びに来た

1日2回来る時もあった


『そんなに暇なの?(笑)』


「俺はいつでも忙しいぜ!(笑)来るなって言っとるんか!」


別に来てほしくないとかは思ってないけど

来てくれることを期待して仕事に集中できないし


なんとなく
干渉されてるみたいで少し嫌だった


でもやっぱり
夜以外に逢えるのは嬉しい

そんな矛盾でいっぱいだった



しばらく経ったある日




ミカりんが仕事を辞めた

電話にも出ないし
メールも返ってこないし

マキと どうしたんだろう と話をしていた



その日の夜

タケにそのことを話した


『楽しそうにしてたんだけどなぁ…
何かあったんかな?』



「玉が重いんだろ(笑)」



…そんな理由じゃないだろ(笑)


ミカりんは仕事の愚痴とかはこぼしてたけど
仕事がほんとに嫌で仕方ないようには見えなかったから心配だった

No.416 09/04/18 23:29
唯 ( ♀ M9mPh )

「若い子は根性ねぇから…あ~明日面接入るんだよ!めんどくせぇなぁ~
どうせぶっさいくな女だろうなぁ(笑)」


面接

新人が入るとなると講習がある


他の女にタケの体を触られると思ったら気持ち悪くて仕方がない


でもそれは仕事

そんなこと
元風俗嬢で しかもタケの下で働いてた私が言えるわけない

講習は仕事として割りきらなくちゃいけないと
頭ではわかっていても
気持ちはついていかなかった


『大変だね』


それだけ言うのが精一杯だった




本当は

やめて!他の女に触らないで!



言いたい…

わがまま言いたいよ…

No.417 09/04/19 21:25
唯 ( ♀ M9mPh )

次の日のお昼過ぎ

仕事中にタケから着信があった
お昼に電話がかかってくるのは初めてで
少しびっくりした

休憩時間にかけ直した


『どうしたの?』


「おぉ!今日面接入るって言っただろ?お前の友達のミカりんだったぞ!」



…え!?

…なんでミカりんが??


『どうして?』



「まぁ詳しくは夜話すからよ!俺忙しいから電話切るぞ!何かあったら電話しろよ~」



電話を切ってから
全然仕事に集中できなかった


なんでミカりんが風俗に…?

よりにもよって
なんでタケのとこに?


…嘘でしょ?


風俗の辛さは知ってる

ミカりん…何があったの?

どんなに辛い所か知ってるの?


私はミカりんやマキやアヤちんに
風俗をしていた過去は話したことはない


それでも

何か悩みがあるなら話して欲しかった

私の勝手な思いなのかな…



…ミカりん…

大丈夫かな…

No.418 09/04/20 12:12
唯 ( ♀ M9mPh )

『ほんとにミカりんなの?人違いじゃなくて?』

「間違いねぇぞ!
中嶋ミカだろ?」


タケにミカりんの名字を教えたことはない

ミカりんと初めて話したとき
“字は違うけど中島美嘉と同姓同名だね”

そう言ったことがある
ミカりんは中嶋ミカ…

同一人物だ…


『採用したの?』


「あぁ!女は多いほうがいいからな!」


何!?


『私の友達って知ってるじゃん!私の友達をなんだと思ってるの!?
ミカりんにあんな思いさせたくないよ!!』

仕事とはいえ 友達を風俗に堕としたことにすごく腹が立った


「…借金があるらしいぞ」

…借金!?

『どのくらい?』


「30万」

私はぶちキレた


『30万なんてお金昼間の仕事で返せれるでしょ! そのくらいあんたにもわかるでしょ? なんでミカりんに風俗をさせるの? おかしいんじゃないの!?』

タケを責めるのは間違っているかもしれない

でもとにかく腹が立ってしょうがなかった

ミカりん…

なんで?

なんで風俗なの?

パチンコ屋で頑張れば返せれる額の借金じゃん…

No.419 09/04/20 12:24
唯 ( ♀ M9mPh )

『その30万私が出すから お店で働かさないでよ!』

ミカりんを守りたい

あんな思いする必要ないよ
ダメだよ

風俗はダメだよ…

お願いだから

自分を大切にしてよ…




『電話かして!』


私は昨日も今日もミカりんに電話やメールをいっぱいした

それでも応答はなかった


自分がこれから働こうとしているお店の店長、タケからの電話なら出るだろう

そう考えた


タケの携帯には“あゆみ”とゆう名前でミカりんの番号が登録されていた



プルルルルル…


「はぁ~い!」


夜中の2時過ぎだとゆうのに
ミカりんはハイテンションで電話に出た

No.420 09/04/20 13:15
唯 ( ♀ M9mPh )

『ミカりん!?ゆいだよ!』


「…ゆいちん!?
…ごめんね電話やメールいっぱいくれたのに…」



『そんなのはいいから!元気そうで良かった!
ミカりん…タケから話聞いたよ…』



「………」


ミカりんは何も言わなかった


『困ったことがあるなら言って!できるだけ力になるから…!』



「…ゆいちん…そこにタケルさん居るよね?
タケルさんの携帯だし…
タケルさん、ゆいちんとこ泊まるの?」



ミカりんは小さな声で話してる

タケに聞かれたくない話なのかな

そう思って私も


『違うよ』


タケに内容がわからないように単語で答えた


「あとでゆいちんから電話してもらってもいい?何時になってもいいから…起きてるから…」



『うんわかった!おやすみ!』


わざとそう言って電話を切った


『眠いから寝るんだって
また明日連絡してみるよ』

と言ってタケに携帯を返した


ミカりんの話題を避け
タケが帰るのを待った

タケに対して

早よ帰れ!

と思ったのは初めてだった(笑)

No.421 09/04/20 13:36
唯 ( ♀ M9mPh )

タケがマンションへ帰って行った

もう4時前…

ミカりん寝ちゃったかな…

そう思いつつ電話をかけた


「ゆいちん さっきはごめんね…」



『ううん!遅くなってごめんね』


沈黙の重たい空気が伝わってきた


『ミカりん…?』


ミカりんは電話のむこうで泣いていた


!!


「ゆいちん…あたし…元カレに貢いでて…それで…」

泣きながら話してるミカりんの話を

うん…うん…

と聞いた



ミカりんは薬物依存の元カレに散々貢いで
借金は、タケの話の30万ではなく100万あると言った


「そのことをパチンコ屋に来てるタケルさんに冗談まじりで言ったの…
そしたら“俺の店で働くか?”てゆって名刺貰ったの…」



え…

タケから風俗に誘ったの…?


うそ…

No.422 09/04/20 13:47
唯 ( ♀ M9mPh )

「私、風俗って知らなくて…“会社まで来い”ってゆうから行ったの…
そしたら無理矢理…」



…無理矢理?タケが?


…強姦したってこと?



許せない


私の友達を…!!!



「ゆいちんごめ…」


謝ろうとするミカりんに



『ごめんね…ごめんねミカりん!ごめんで済むことじゃないけど
ほんとにごめんね!!』


私は泣きながら謝った


「いいよ…ゆいちん謝らないで…」


私は謝り続けた


ミカりんに申し訳ない気持ちと
タケに対する怒りと
情けない気持ちでいっぱいだった


彼女の友達に手を出し
風俗に堕とすような男を
愛してるなんて…



自分が情けなかった



ごめんねミカりん…

傷つけてごめんなさい…




タケ…


あなたのこと許さない

No.423 09/04/20 14:08
唯 ( ♀ M9mPh )

『100万は私が出すから
それで借金はなくなるよね…?』


「えっ!?いいよ!借金は返したから…」


…どうゆうこと…?


「タケルさんが…
“前借りさせてやるからきっちり働け”て100万出してきたの…断ったんだけど、金融会社に連れていかれて…
100万払うまでお店で働かなくちゃ…」



最低…
本当に最低…


『私がお店に100万持ってくから!ミカりんは行かなくていいから!
ごめんね、ほんとにごめんね』



「ゆいちん…そんなこと…」


お金で済ますつもりはないけど
ミカりんに償いたかった


女をなめちぎってるタケ
許せないけど

一度は愛した男

目を覚まさせたい想いもあった

No.424 09/04/20 14:21
唯 ( ♀ M9mPh )

『いいから!
ミカりんが風俗で働く理由なんてどこにもないから!私が無くすから!
ミカりん!パチンコ屋に戻るんなら店長にうまくゆっとくし
これからのこと考えておいてね!』



もう一度謝り
電話を切った


その日は一睡もできなかった


朝になり

寝不足フラフラで
みんなに迷惑がかかるかもしれないから
アヤちんに電話をして
土曜とシフトを交代してもらった


急なお願いに承諾してくれたアヤちんに感謝した


子供を保育園に預け

銀行へ行き
100万を引き出した


タケが出勤するのは
だいたい12時過ぎ

家に帰って家事をした


11時、お金を持ってキティへとむかう


約2ヶ月振りの繁華街…


まさかまたここに来るとは…

しかもこんなことで来ることになるなんて


思ってもみなかった…

No.425 09/04/20 17:27
唯 ( ♀ M9mPh )

12時をまわってもタケは来ない

毎日11時に電話をしてタケを起こしてたけど

今日はかけなかった



…寝てるんだ…

私が眠れない程の罪悪感に苛まれてるときに

何も考えずに寝てるんだ…


ものすごくムカついた

でも待った…

延々と


吐き気がする程タバコを吸い続けた



2時過ぎ
タケの車が立体駐車場に入っていった


2時間半待たされたことで私は最高に機嫌が悪かった

勝手に待ってたんだけど

私が起こさなかったから
待つことになったんだけど

全てタケのせいにした





憎かった

No.426 09/04/20 21:43
唯 ( ♀ M9mPh )

コツコツ コツコツ


立駐のコンクリートを歩く音が響いて聞こえる


5月の紫外線は強いから建物の影に座っていた私は

スッと立ち上がり
タケを待った


怒りとタバコの吸いすぎで頭がクラクラする


それもまたタケのせいにして さらに腹が立った



来た



タケが私に気付いた


「お前なんでこんなとこに居るんだよ!
つぅかなんで起こさねぇんだよ!おかげでこっちは…」


タケもキレていた

でも私はそれ以上にキレてる

話を最後まで聞かずに言った


『うるせぇ!どうでもいいわ!そんなこと言われに来たんじゃねぇっつーの!』


タケにとったら逆ギレだから かなり怒った顔してた


『金!』


タケに100万入った封筒を突きつけた



「はぁ?…あぁ昨日言ってたやつか?…なんでこんなにあるんだよ?」


中身を見てそう言った


…しらばっくれやがって


『金輪際ミカりんに近づくな!タケがそんな男だとは思わなかったよ!』

No.427 09/04/20 22:08
唯 ( ♀ M9mPh )

「そんな男ってどんな男だ?」


冷静なタケ
キレてる私を真っ直ぐ見てる

…何?

まじでうざい…


『もうどうでもいいから!私の家の鍵返して!!』


もう話したくない
もう顔も見たくない
もう早く縁を切りたい



「お前狂ってんのか!何言ってんのか さっぱりわかんねぇよ!」



『あぁ狂ってるよ!誰が狂わせたんだよ!?
いい加減にしてよ!
バカにするのも大概にしてよ!どうでもいいから早く鍵返してよ!!!』



私はこの時
ほんとに狂っていたのかもしれない

知らない街へ出てきて
誰も知る人がひとりも居ない中
風俗をして
子供に寂しい想いをさせて
自分も寂しい想いをして


その中で光をくれた

人を愛するとゆう気持ちを教えてくれたあなたに


タケに裏切られた



…狂わずには居られなかったかもしれない…


とにかく

タケが憎くて仕方なかった

No.428 09/04/21 10:05
唯 ( ♀ M9mPh )

そんな自分を見られたくなくて

タケには見られたくなくて

『もういいよ!
鍵は替えてもらうから!』

私は逃げた





この時 タケは私のこと
どんな想いで見てたんだろう…

今となってはどうでもいいことだけど

この時は
必死だったんだよ…
苦しかったんだよ…

逆にタケを傷つけてると知らずに


被害者ぶってた私


ごめんね


信じることができなくてごめんね…






帰り道
ミカりんに電話をかけた

100万を渡したことを言うと

ミカりんは
絶対返すからね
と言った

私は要らない
と言った

ほんとに要らなかった


返してもらう間

タケのことを思い出してしまうから…


『ミカりんパチンコ屋に戻ってくる?』



「考えたんだけど…
いきなり辞めちゃったし戻りづらいよ」



『そっか…そうだよね、ごめんね』



「またバイト探すよ!
これから用事あるし
また連絡するからね!」



電話を切った

ごめんねミカりん…
何もできない私を許して…


早めに子供を迎えに行き
家へ帰った

No.429 09/04/21 10:18
唯 ( ♀ M9mPh )

タケが居なくてもいいじゃん…

私にはこの子が居るじゃん…


楽しそうに遊んでいる子供の姿を見て

自分に言い聞かせるよう
心で呟いた




思い起こしてみると

ミカりんに不信な点がある

四六時中タケに見張られてるわけじゃないのに
私へ連絡しなかったこと


タケからの電話は一度で出たこと
しかもハイテンションで



…私…

間違ってないよね…?


もういい…

何もかも忘れたい……


早く楽になりたい…


その日は早めに眠りについた

No.430 09/04/21 12:45
唯 ( ♀ M9mPh )

目が覚めて時計を見ると
12時をまわっていた

早く寝たせいか
それとも
いつもこの時間起きてたから目が覚めたのかな…

昨日まで
もうすぐ来るタケを
心待ちにしてた時間


今日からもう来ない


当たり前だよね
私が信じることできなかったんだから…






コツコツ コツコツ

聞き慣れた 大好きな靴の音


やばいな私…

幻聴までする

…末期だ…



カチャン





何!?
鍵を開けた音?


と思ったと同時に


コツコツ コツコツ…

遠くなっていく靴の音が聞こえる…



えっ!?


バッと飛び起きて
玄関へ向かった

鍵は閉まってる

鍵を開けて


外を見た



そこにタケの姿はなかった

No.431 09/04/21 21:15
唯 ( ♀ M9mPh )

…やっぱり幻聴か…


ふと足元を見ると
紙袋が置いてあった


その場で中を見た


カードと大層な長方形の箱が入ってる


カードを開くと


“Happy Birthday”


もうすぐ私の21歳の誕生日…


箱に貼ってあるシールを見ると


“Champagne
Cuwee Dom Perignon
Rose 1993”


??

チャンパ…シャンパン?

キュウィ?

ドン…ペリ…


ドンペリ

ローズ…


ピンクのドンペリ…


タケがこないだ飲み屋から買ってきたってゆってた…

タケだ…


タケが来たんだ…



すぐに走ったら
タケに追い付いたかもしれない


でも

追いかけてなんて言えばいい?

どんな顔で会えばいい?

心から信用してない
相手に
どうすればいいの?


私には

追いかける勇気も資格もなかった…

No.432 09/04/21 23:18
唯 ( ♀ M9mPh )

部屋でドンペリとカードを眺めてた


このドンペリ…

タケから買ってきたって話を聞いた時


『へぇ~!私も飲みたい♪ピンドン!
ハイッ 飲んで~飲んで~ でしょ』


「ほんとは売ってもらえねぇんだぜ!それを飲み屋のママに無理言って10万で売ってもらったんだからよぉ!
お前には一滴もやらねぇ(笑)」


なら買ったってゆうなよ
って私はスネたっけ…

一滴どころか全部くれてんじゃん…



誕生日だって


「誕生日なんて関係ねぇ 生きとりゃ勝手に歳取る」


そう言ってたくせに…

♪~

携帯が鳴った


この着信音はタケ…



タケからの電話やメールは個別に設定してあった
失恋の曲だけど
大好きだから設定してた


浜崎あゆみの
“Wishing”

もう鳴らないと思ってた


メール…タケからのメールはいつも短いけど

届いたそのメールは

びっちり画面が埋まっていた

No.433 09/04/21 23:24
唯 ( ♀ M9mPh )

【少し早いけど、誕生日プレゼントな!
高いから味わって飲めよ!

本当は一緒に飲もうと思ったけど、お前がそうさせてくれねぇみたいだからな。

お前は信じるか信じねぇかわかんねぇけど
俺はお前のこと裏切ってねぇよ。

でも、お前を傷つけてしまうことはしたかもしれねぇな。それは悪かったな。
この街はお前の知らない街だ。
何か困ったことがあったらいつでも連絡してこい!

鍵はポストの中に入れておいた。元気でな!】


私はポストを確認した


鍵が入ってた


…終わった…

タケと私は終わったんだ…

不思議と涙は出なかった



鍵を握りしめ

タケからのメールをぼんやりを見てた…



…タケ……


いつも思うけど

男と女の終わりって


あっけない…


ほんとあっけない…

No.434 09/04/22 10:06
唯 ( ♀ M9mPh )

私は返信しなかった


ただメールを見続けていた


“俺はお前のこと裏切ってねぇよ”



…ほんと?

…ミカりんが嘘をついてるの?


何が嘘で
何が真実なの?


タケからのメール

ミカりんが言ってたこと




ぐるぐる ぐるぐる


頭の中で回る


タケ…

ミカりん…




どっちを信じればいいの?



もういい

タケを信じたところで


もう終わってる…





どうでもいい…


もうどうでもいいよ…

No.435 09/04/22 10:21
唯 ( ♀ M9mPh )

仕事へ行く途中

ミカりんにメールした


宛先不明で返ってきた





電話した



“お客様のお掛けになった番号は現在使われておりません”



…そっか


ミカりんが嘘ついてたんだ


そうゆうことだよね



半分はわかってたよ






でも信じたかったんだ


久々にできた友達のこと

愛してる男のことよりも




信じたかったんだ…



私はミカりんのメモリを消した

タケのメモリも消した


発着履歴も
送受信メールも
カメラで撮った画像も

なにもかも



私も一緒に消えたい…



脱け殻で仕事して
仕事が終わったあと
携帯ショップへ行き
携帯を新規で買った


番号もアドレスも全部変わった




明日から3日間
仕事は休み


…地元帰ろう…



エリちゃんに

携帯を変えたこと
男と別れたこと
明日地元へ帰ること


メールを送った

No.436 09/04/22 14:23
唯 ( ♀ M9mPh )

しばらくすると

エリちゃんから電話がかかってきた



「ゆいちゃん! タケと別れたの!? 何があった??」


『私にもわからん(笑) 傷心帰省するわ(笑)』


「わからんかぁ(笑)
そりゃ私にもわからんわ(笑)明日いつ頃帰ってくる?駅まで迎えに行くよ!」


『朝イチに出るから昼にはそっち着くよ~
エリちゃん明日暇?予定とかない?』



「アキラ(彼氏)と会う約束してるけど断るよ
どうせヤるだけだし(笑)
ゆいちゃんに会いたいし連れていきたいとこあるし!」


『どこ連れてってくれるの?』


エリちゃんは

私に会いたがってる男が居ると言った


“県外出てるし彼氏が居るから”
て言ったら


その人は
“彼氏が居てもいいから帰ってきた時連絡して”
て言ったらしい


“彼氏居るのにゆいちゃんは連絡しないと思うよ”
てエリちゃんは言ってくれたらしい


“言うだけ言っといて”
て言われたみたい



2週間前の話


今初めて聞いた(笑)

No.437 09/04/22 14:27
唯 ( ♀ M9mPh )

「だってゆいちゃん絶対連絡しないじゃん(笑)
でもタケと別れたってメール見たから、伝えようと思って!こっち帰ってくるし♪」



『てゆか…誰?紹介とかならお断りだよ(笑)』




「ナオだよ!覚えてる?」




…ナオ…


3年前 ままごと恋愛してた彼…



今は美容師になって
美容院で働いてて

たまたまエリちゃんが行った美容院にナオが居た


2人は顔見知り

ファミレスでバイトしてた時の私の彼氏

私とエリちゃんはバイト仲間で友達


自然と私の話題は出る


そこでナオがそんなことを言ってたらしい




「さっき仕事から帰る途中に美容院に寄って報告しといたから(笑)」



えぇ!?
エリちゃん早ッ!(笑)



ナオ…

懐かしい…



次の日 予定通り朝イチの電車に乗り
昼前には地元に着いた



正直
ナオに会うとか
会わないとかは
どうでもいい




タケ…



この傷心帰省で



タケのこと




忘れられるかな…

No.438 09/04/22 15:53
唯 ( ♀ M9mPh )

久々に会ったエリちゃんといろんな話をした

ミカりんのことを話すと


復讐するなら手を貸す


と言ってくれた(笑)



友達から受けた痛みは
友達が癒してくれた



男と別れた痛みは…
時間が解決してくれるのかな…



「ナオ、今彼女居ないんだって!ナオに癒してもらって!」



ごめんエリちゃん
そんな気全然ない(笑)



「夜行くって言ったから
それまで何かして遊ぼ!
ゆいちゃんが居ない間に
新しくできた服屋とビデオ屋があるんだけど行ってみない?
私も行ったことないんだ!」


新店舗巡りにでかけた

No.439 09/04/22 22:54
唯 ( ♀ M9mPh )

服屋へ行き

エリちゃんと色違いの
ホルターネックのかわいい服を買った


ゆっくり服を見るのは久しぶりで楽しかった



次はビデオ屋に行った


私は特に欲しいものはなかった

エリちゃんは
わけのわからないDVDを手にして 借りる♪て張り切っていた


タイトルは思い出せないけど かなりしょうもなさそうなDVDだった


エリちゃんの
そうゆう趣味が悪いところが私は好き(笑)



金出して観る価値があるのか(笑)とか言いながらゲラゲラ笑って
レンタルのレジへ並んだ


私はレジ手前にある
妙なフィギュアに気を取られ好奇の目で見てた
子供も笑ってた(笑)



「あっれぇ~!
エリさんじゃないっすかぁ!」



聞き覚えのある声


エリちゃんの方を見ると
エリちゃんも私を見てた


…店員の声?



…!




あのドレッドヘアの店員…





山口くんだ…

寝てる私の横で
他の女とえっちしてた

山口くん…

No.440 09/04/22 23:29
唯 ( ♀ M9mPh )

一気にさっきまでの楽しさがひいた


山口くんが私に気付いた



「うわ びっくりした!
ゆいも居る!(笑)
…子供!?」


私は子供を抱っこして
山口くんを睨み付けた



「もしかして俺の子供!?(笑)」


指さして
ムカつく顔で笑ってる


その瞬間
ブチッとキレた


『お前の子がこんなにかわいいわけねぇだろ!
うぜぇこと言っとんな!
なんじゃその頭!!
似合うとでも思ってんの?気持ち悪ッッ』


必要以上に毒を吐いた(笑)


山口くんもキレて


「は…はぁ?お前…」



『お前にお前言われたくないわ!
…お姉さん!こいつ店の金盗むよ絶対!見張っておいたほうがいいよ!』


山口くんの隣に居た姉ちゃんに根拠もないことを言った
姉ちゃんはびっくりしてた(笑)



『この粗チンが!死ねアホ!』


とても一児の母とは思えない言葉を吐いて
店を出た



積年の恨みを晴らしたような清々しさだった(笑)



「ゆいちゃん うける!
粗チンって(笑)
あの人まだ生きてたんだね(笑)」


エリちゃんと笑いながらマクドへむかった




ごめんね山口くん
私、虫の居所が悪かったんだ


昔のお返し

これで あいこにしようね(笑)

No.441 09/04/23 12:38
唯 ( ♀ M9mPh )

マクドで7時まで
エリちゃんと語った


「もうそろそろ、ナオ仕事終わる頃だよ
美容院行こっか」



『そっか。そいえばナオんとこ行くんだった(笑)
エリちゃんさっきから携帯鳴ってるけど大丈夫?』


昼から何度か携帯が鳴ってて一時間前からしきりに鳴ってた
エリちゃんは夕方
一度メールを送信しただけで
そのあと全然携帯を見てない

気を使ってくれてた


「アキラの着信音だよ~
どうせヤりたいばっかだよ(笑)」



『ヤったってヤったって(笑)
ごめんね気ぃ使わせちゃって…ここから美容院近いし歩いて行くよ!
ポテトのカロリー消費しなきゃ(笑)』



それでも 送ってく と言ってくれたエリちゃんに甘えることにして
マクドを出た



ファーン…


車のクラクションが聞こえた


「げっ!アイツ来てるよ!ストーカーか!?(笑)」


エリちゃんの彼氏のアキラがマクドの駐車場で待ってた

No.442 09/04/23 13:10
唯 ( ♀ M9mPh )

『あははっ!いつから待ってたんだろうね?
悪いことしちゃったなぁ…じゃあ私歩いていくから!ごめんね、ありがとう!』


エリちゃんは
待たせておけばいい と言ったけど
私はアキラに軽く頭を下げて
エリちゃんに


『早く行ってあげて!
いい加減萎えるよ~(笑)
ほんとにありがと!また明日連絡するね♪』


そう言って歩き出した



「萎えたら困るかも(笑)」

まじでうけた(笑)


友達っていいなぁ…

ありがとう エリちゃん…



私はナオが居る美容院へむかった





ねぇ…


私 これから元カレに会うよ


エリちゃんが
“ナオに癒してもらって”て言ったときは

ほんとにそんな気なかったし

これから会うってゆう今でも
そんな気ないよ



でもね

男と女が

それも 元恋人同士が


お互いの存在を求め合って会うと

どうなるかってことくらいわかってるんだ…


今の私に
流されない自信なんてない


ねぇ…


止めてよ…






…タケ……

No.443 09/04/23 14:22
唯 ( ♀ M9mPh )

2階建ての美容院

1階が受付とかするとこで2階がカットとかするとこみたい


美容院の中まで入るのもやらしいなぁ…外で待つか…
と思ったと同時に中から誰か出てきた



「ゆい!!」



ナオ…

美容院の明かりの逆光で
良くわからなかったけど


3年前と全然変わってないナオを見て

安心感からか
私は自然に笑顔になった


『呼ばれて飛び出て…』


「「ジャジャジャジャーン」」


ハモられた(笑)


ナオは笑って


「久し振り!今ゆいの友達から店に電話があって
慌てて出てきた!
ごめんな、もうちょっと待ってて!もうすぐ仕事終わるから…
寒いし車の中で待ってて」


そう言って ナオの車まで連れてってもらった



スタッフの駐車場までの間
子供に話しかけてくれた


「ゆいママにそっくりでちゅねぇ~」

「おじちゃん怖くないでちゅか~?」

「あ、キモい?(笑)」



黙ってれば男前なのに
ナオは相変わらずバカ全開だった(笑)

…うそだよ
気を使ってくれてるのわかってたよ



「ごめんな!急いで終わらせるから!」


そう言って仕事場へ戻って行った

No.444 09/04/23 19:41
唯 ( ♀ M9mPh )

待ってる間、子供は寝た



…何やってるんだろ私…


自分が何をしたいのかよくわからない



30分くらい待つと
ナオが仕事を終えて車に乗った



「腹減ったからご飯食べに行こう」


私はポテトが胃の中で踊ってた(笑)


新しくできたファミレスに行き
ご飯を食べながら
他愛もない話をした


鼻がテカると言ってナオの前で化粧を直すと


「ゆい変わってないなぁ(笑)そうゆうとこ、俺すげぇ好き」


ただズボラなだけなんだけど
なんか照れくさかった





その気もないのに
元カレに会いに来て


“好き”
とか言われて喜んでる



そこには最低な私が居た

No.445 09/04/23 23:20
唯 ( ♀ M9mPh )

ご飯を食べ終えて

「これからどうする?
ホテルとかとってる?」


しまった
全然考えてなかった…

子供連れで野宿なんてできない…

前にバイトしてたファミレスに行けば
24時間だから過ごせるけど、行きたくないし子供は布団で寝かせてあげたい


最悪
ほんと頭に全然なかった



『どうしよう…
ナオの車の中で寝かせてもらおうかな…』


ナオの車の後ろのシートには大量の服が置いてあった

用途は不明(笑)

だけど布団代わりにはなるかな と思ってそう言ってみた



「車!?ばかだなぁゆい!(笑)どっかホテルに連れてくよ!」


そう言って車を動かした




行き先はラブホテルだった



……。


『ナオはどうするの?』


バカみたいな質問をした



「…じゃあ俺も泊まろっかなー(笑)」


当たり前だろ 何言ってんだ!? と思っただろうなぁ…



部屋に入り 子供とお風呂に入った

いつもの寝る時間を過ぎてたし、ご飯を食べる為に無理やり起こしたから

疲れている子供はすぐに寝た


ナオがお風呂へ入っていった




…やっぱりこうなるよね…

落ち着かない部屋で
ぼんやり考えていた

No.446 09/04/24 13:05
唯 ( ♀ M9mPh )

ナオとは最後までしなかった



私が濡れなかった



私の気分で
周りを振り回して
ナオを傷付けた



友達に裏切られて
男と別れて…


だから何?


自分が辛かったら
周りの人を傷付けていいの?

いいわけないじゃん…


ほんと最低



仕事で疲れて
すぐに眠ったナオ

母親の元カレの横で眠る
小さな我が子



私 何?…
バカじゃないの…


眠らず
ソファーに座って夜を明かした


次の日
ナオは仕事があるから
朝早く起きて
私たちを駅まで送ってくれた


「昨日は寝ちゃって
まじでごめんな!
また帰ってきたら連絡してな!」



そう言ってくれたナオ


ごめんね



もう会うことはないよ





人を傷付ける痛みは

もう感じたくない



自分が悪いくせに

その痛みからも逃げたい





もう消えたいよ…

No.447 09/04/24 14:06
唯 ( ♀ M9mPh )

そのまま電車に乗り
エリちゃんに
ありがとうのメールを送信した



アパートに着いて
洗濯して
子供を寝かせた



地元…帰るんじゃなかったなぁ…

また自分勝手なことを考えていた





…タケ


懲りもせず
タケの居る街に帰ってきたよ…


ちゃんと朝起きてるかな


飲みすぎてないかな



私のこと
恨んでるかな…



タケへの想いは何も変わることはなかった




ただ 会いたい とは思わなかった


タケを信じようともせず

携帯も変えて

地元の元カレと好き勝手やって



私には会わす顔がないから…



自分勝手な女…


タケ…




別れて正解だよ

No.448 09/04/24 14:27
唯 ( ♀ M9mPh )

3連休も終わり
なんの変化もない毎日を送っていた


週に5日働いて

土日は子供と過ごして


タケを想う気持ちは消えなかったけど


なるべく考えないように
常に何かをして動いてた


パチンコ屋のマキやあやちん、他のバイト仲間とも
必要以上に仲良くならないようにした

また裏切られそうで怖かった


だから私には子供しか居なかった


子供と出掛けたり遊んだり
子供が寝ている間は
窓のサッシの掃除をしたり

フローリングの継ぎ目の部分を爪楊枝で掃除したりしていた


今じゃ絶対しない(笑)


そんな日々が3週間続いた


月も変わり
気付けば明日は21歳の誕生日


仕事か…

彼氏も友達も居ないしそんなもんだよね




寂しくないと言えば嘘になるかもしれないけど


それはそれでよかった

No.449 09/04/24 14:45
唯 ( ♀ M9mPh )

誕生日
いつも通り仕事をして
子供を保育園に迎えに行き外でご飯を食べて帰った


『ママ誕生日なんだよー』と話しかけると


「まま…よーび!」


意味もわからず
とびっきりの笑顔を見せてくれた


21歳になった私を祝うように笑ってくれた

子供の笑顔…


タケのことも
何もかも吹っ切れた瞬間だった



涙が溢れた



『ごめんね…ごめんね…』


「めんねめんねっ」



ありがとう

ほんとにありがとう

ママ、強くなるからね



一緒にお風呂に入って
子供を寝かせた



新しい自分が生まれた気がした

No.450 09/04/24 20:18
唯 ( ♀ M9mPh )

夜中の12時になる頃
目が覚めた


タケと別れてから
私は必ずこの時間に目が覚める


そして1時間程眠れずに起きてる


“吹っ切れた”と言っても体が覚えてるみたい


ふぅ…

ソファーに座りタバコを吸った


この時間は
どうしてもタケを想ってしまう

最後にもらったピンドンを手に取る…



全然吹っ切れてないじゃん…


嘘ばっかり



今まで自分に正直に生きてきた

それが自分を苦しめる道だと知っていても

突き進んできた



でも今は…

傷付くのが怖いよ…



ねぇ


こんな私のことどう思う?




教えて…



タケ…

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