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家に帰るのが苦痛、ストレス。離婚したい。
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男女は結婚したら不倫や浮気をするの?

カヤの依存

レス500 HIT数 190476 あ+ あ-

ちゃら( 3bHK )
10/04/10 13:30(更新日時)

自分の居場所と愛が欲しかっただけ…


一男二女。
カヤは戸田家の長女として生まれた。



宗教に熱狂的にハマる母。


堪え性と甲斐性のない父



兄ほど期待されず、妹ほど可愛がられていない事を幼い頃から痛いほど感じてきた



心にポッカリ空いた穴は成長を増す事に大きくなっていった…

No.1158792 08/11/09 21:52(スレ作成日時)

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No.352 10/02/24 20:22
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 351 どう受け取って下さってもいいですよ🍀

No.353 10/02/24 22:35
匿名 ( ♀ Muegi )

ちゃらさん横レスの削除に負けないで頑張って書いて下さいね。毎日楽しみにしていますから陰ながら応援してます。

No.354 10/02/25 00:13
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 353 【コメントを下さった皆様、読んで下さっている皆様へ】


コメントを下さった方
お返事が出来ないでいてごめんなさい


本当に古いスレなのにお付き合い続けて下さっている方、また最近見つけて下さった方もいるかもしれません

一昨年の11月にスレを立ち上げてから
何度も投げ出し、放置し、閉鎖を考えた事も多々ありました

それでもまた結局書いているのですが、その長期放置してしまった時から書き上げる事に全く自信が持てなくなってしまいました

それから皆様の温かいコメントを頂いても、胸を張って「頑張ります!」と言えなくなってしまいました


しかし、コメントを頂けるとやはりそれはいつでももの凄く嬉しくて、涙が出る時もあり、その度感謝の気持ちと、書こうという意欲に繋がっていましたので

本当に書き上げた時、もしくは本当に閉鎖すると決めた時に改めてお礼を言わせて頂こうと考えていました


続きます

No.355 10/02/25 00:50
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 354 決して綺麗な話でも感動的な話でもないですし、不快に思われてしまうワードも沢山入れているので、受け入れられない方が大勢いるのは承知しております


何度も投げ出してしまう私が書いているものなので、今では自分でも小説なんて大それた代物だとは思っていませんし、ましてこれがどんなジャンルにカテゴリされるかはわかりません


なのでどんな風に受け取って貰っても結構です

読む方が決めて下さればよいと思っています

エロ小説でも、つまらない話でも、くだらない話でも

読む方がそう思うなら、間違いなくそうなのだと思います


コレを読んで下さっている方、コメントを下さった方、温かいお心遣いと貴重なお時間を頂き本当にありがとうございます✨


匿名さん、何度もコメントありがとうございます✨

嬉しくて凄く元気が出ます

横レスの削除より、自分に負けない様に頑張りますね🍀


ちゃら

No.356 10/02/25 01:04
ヒナカ ( ♀ 0t9Rh )

>> 355 ちゃらさん、こんばんは。
初めまして。
私はちゃらさんの小説を、始めから読んでて、初めてレスします。

他の人が何て言おうと、負けずに頑張って下さいね。
更新されるのを私はずっと待ってました。
更新してくれてとても嬉しいです。
私以外にも沢山待ってる人いますから、完結するまで、頑張って下さい。
応援しています。

No.357 10/02/25 22:17
専業主婦 ( ZQ56h )

私もすごく楽しみにしている1ファンです🍀

忘れていた気持ちを思い出しドキドキワクワクさせて頂いております☺

応援してますので、頑張って下さい✨

No.358 10/02/26 00:22
かな ( 20代 ♀ E0l6h )

ちゃら様🌱
本当につまらない邪魔が入りましたね💧
ヤツは他にスレ立てしてましたが【PS3🎮】についてレスの中でも意味分からない事を言ってました😒
なので、気にする相手では無いですよ😉

他にも、たぁ~くさん、ちゃら様のファンは居ますよ😉
応援スレがないから、皆さん本編へのレスを遠慮してるはずです☺しかし、作ってしまうと、ちゃら様への負担になっても申し訳無いので、これからも今まで通り、ちゃら様のペースで頑張って下さい☺
何度もすみません💧

No.359 10/02/28 00:52
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

ヒナカさん

スタート時からでしたら更新の遅さにイライラした事もあったでしょうに、今でも読んで下さってましてやこんなあたたかいお言葉まで頂けて幸せを感じました

ありがとうございます🍀


専業主婦さん
この様な話と私に貴重なお時間頂き、またあたたかいお言葉に重ねて感謝の次第です

ありがとうございます🍀


かなさん
度々のコメント有り難いお言葉ばかりです

心配して下さって申し訳無さと
お心遣いに嬉しさで胸がいっぱいです


ありがとうございます🍀







ちゃら🐢

No.360 10/02/28 01:15
かな ( 20代 ♀ E0l6h )

>> 359 ちゃら様🌱お返事ありがとうございます☺
だって【カヤの依存】ってメチャクチャ楽しいですもん😊10代の頃にヤンチャしてた人や、多感な時期にいろいろ体験した人なら誰しも共感できる内容です☝

そして更新の遅さ(笑)コレもちゃら様の素敵な所だと思います😁
今回の🌀があった後の更新がなかった事だって、ちゃら様のペースでまた更新されるであろうと信じて待っていた所です😊
他にもたくさんファンは居ますよ☝だって🌀の消去が早かったでしょ💨

ゆっく~りでいいですよ😊大丈夫です😊
だって一年以上前からマイレスに居るんですからね😁全然あきないし、これほど引きつけられるって事は素敵な小説なんだと思います☺
応援してます🌱

No.361 10/02/28 01:27
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 350 リョウが腰を動かす度、歩のペニスしか知らない蜜壷は その違和感に抵抗する様に押し出そうと締め付ける 無理やり動かせば更に抵抗を見せ、リ… 顔を背けているカヤのその表情と

対照的で大胆な行動のギャップに魅せられ


リョウは興奮と勢いに任せ腰を動かした


しかしそれはすぐに

2人同時に


絶頂という形で終わりを迎えた


カヤもリョウも少しも耐える事が出来なかったが、お互いが一番いい状態でそれを迎えられた事が


安心感と至福感で心まで満たしてゆく…

まるで恋人同士の様に甘く唇を重ね、見つめ合うと

それが新たなる欲へと更に掻き立て


カヤはリョウの

まだ沈まりきらないものを口に含んだ


カヤはあの日
歩から教え込まれたやり方を

ひとつひとつ思い出しながら


形も太さも長さも微妙に違うリョウのそれで実践した

No.362 10/02/28 01:54
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 361 リョウは、その快感に驚き、息をあらげながら言った


「…う…っ

お前…

経験浅いクセに…

何でそんなに上手いんだよ…?




歩から教え込まれた方法がリョウにも通じた事、


そして2ヶ月振りだったが、ちゃんとそれを自分の身体が覚えていた事を


嬉しく思っていた


間もなくリョウは二度目の絶頂を迎え


カヤの口の中に

ドクドクと脈打つものから


熱い物が注ぎ込まれると


カヤは一滴も零さない様に

ゆっくりと口から離し

喉の奥へと流し込んだ



「お前!!

ナニやってんだよ?!」


リョウの驚いた様子に

「え…?!

何が?」


カヤが聞き返す

No.363 10/02/28 03:06
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 362 「何がぢゃねーよ!

そんなモン何で飲んでんだって聞いてんだよ!!」


「普通飲むんぢゃないの…?」



素っ頓狂な顔をしているカヤにリョウは

小さく溜め息を吐き


そして切なさの混ざった優しい眼差しを向けて言った


「普通飲まねーだろ…
いや普通に飲むヤツも飲ませるヤツもいるかもしんねーけど…

俺は普通だったらそんな事させられねぇ…って思うってゆーか…


それって、お前のその好きなヤツにさせられたのかよ…?」


「じゃあ、こーゆー時

あなたの普通だったらどうするの?」


それはカヤの純粋な質問だった


「ティッシュの中に出して貰うとか、

まぁ…最悪でも俺の腹の上に吐き出して貰うとか…


お前はさぁ、

飲めって言われてそいつの飲んだ時

どー思ったんだよ…?

嫌ぢゃなかったのかよ?」


「…
喜んでくれて嬉しかったよ…」


それはカヤの本心だった


なんだか間の抜けたような顔をしてそう言ったカヤを見て

リョウはカヤの頭を優しく抱き締めると言った


「やっぱりお前ってバカな女だわ…」

No.364 10/02/28 22:13
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 363 それからしばらく、リョウといる時間

カヤは何をしても楽しかった


くだらない話に盛り上がり、身体を重ねたり…


喉が頻繁に乾くくらいで
全然疲れない、眠くならない、腹も空かず
ずっと元気なままだった


乗る予定だった始発の時間はとっくに過ぎて、もうじき正午を回る頃


リョウの携帯電話が鳴った


リョウは画面に映し出された着信相手の名前を確認した


「みつるからだ…

あんたとまだ一緒にいる事黙ってた方がいい?」


カヤは一緒では考え切れず
とっさに黙って頷いた


「もしもし!

あ~、みつるか


あぁ…
あの子ならあのまま家の近くまで送ってたけど…


別になんもねーよ


あぁ…それは別にいいって…


それよりそっちはその後どうしたよ?


そうか…

まぁ…あんま遊び過ぎんなよ…

おぅ、じゃあまた月曜日に


遅刻すんなよ!

おぅ…じゃーな!」

リョウが携帯を切るのを確認すると

「みつるさん何だって?」

No.365 10/02/28 23:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 364 「あの後それぞれお持ち帰りして
みつるはサヤカって子とまだ一緒らしい
これからまた昨日のメンツで合流するらしいけど、あんたの友達が俺とあんたがどうなったか気になってるらしくて掛けてきたみたいだな


あんた友達に遊ばれてんじゃねーの?」

「じゃあ、本当の事言った方が楽しんで貰えたかもね」



こんな話は深く重く捉えてしまっただろうが、あっけらかんと明るくさせたのも

やはりあの薬のせいなのか


再びリョウの携帯電話が鳴った


リョウが一瞬戸惑った表情をした様に見えたがそのまま電話に出た


「もしもし香織…?

え?!これから…?

いや…そーゆー訳ぢゃねーんだけどさ


うん…うん…

わかった…


じゃあ、

後でまた掛けるよ…





リョウが香織と呼んでいた電話の相手が
リョウの付き合っている
幼なじみの人妻である事は
カヤにも想像できた

No.366 10/03/01 22:13
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

「電話、彼女さん?」


「あぁ」


「何て?」


「いや、旦那が出掛けたみたいで…

多分浮気相手の所だろうって


で、今から会えないか?って」


「え?!本当?!

じゃあ、私帰るよー!」


「いや…」

リョウは何だか申し訳無さそうな顔をしていた


「何でそんな顔してるのー?

これから好きな人に会えるんだからもっと嬉しそうな顔しなきゃ!」



「いや、それじゃ
お前に悪過ぎる」


今度は真っ直ぐにカヤを見て言った


「何にも悪い事ないよ

私のが迷惑掛けちゃったし

私もそろそろ帰らなきゃ

それにセックスは自己責任だよ!」


カヤはケラケラと笑って言った


それから何度か押し問答を繰り返し


それならば車で家まで送るというリョウの申し出にも


彼女との時間に使ってくれ


と制した


手早く身支度を済ませ出て行こうとするカヤに


リョウは慌てて自分の携帯番号を書いた紙を渡した


「取りあえず家着いたら一回電話して!」

それから

スポーツ飲料を沢山飲み

熱い湯に浸かって沢山汗を出せば

アレは早く抜けると教えてくれた

  • << 368 リョウのマンションから出ると 日の光が痛く眩しかった しかし気分は良い 心に煩う物は何も無かった カヤは少しだけ慣れた自分が歩くヒールの音を 心地よく聞きながら背筋を伸ばし歩く 家路に着いても、家族の冷やかな視線に平気でいられた カヤは久しぶりに心の平安を取り戻し それ所か全てに高揚していた

No.367 10/03/02 00:41
小雪 ( 6I2Kh )

ちゃらさん、一気に読んでしまいました😆

カヤ切ない❗

ちゃらさんのファンになりました❤

No.368 10/03/02 08:45
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 366 「電話、彼女さん?」 「あぁ」 「何て?」 「いや、旦那が出掛けたみたいで… 多分浮気相手の所だろうって で、今から会えな… リョウのマンションから出ると
日の光が痛く眩しかった


しかし気分は良い


心に煩う物は何も無かった


カヤは少しだけ慣れた自分が歩くヒールの音を


心地よく聞きながら背筋を伸ばし歩く











家路に着いても、家族の冷やかな視線に平気でいられた


カヤは久しぶりに心の平安を取り戻し


それ所か全てに高揚していた

No.369 10/03/02 09:35
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 368 約束通り、リョウから貰った携帯番号に掛けてみた


「もしもし…」


「もしもし私だよ!
【バカな女】だよ!

今家に着いたの」


「お前、この番号って家電?!」


表示された見慣れない携帯番号以外の数字を見て
リョウは驚いていた


カヤは携帯電話を持っていない事とその理由を話した


リョウはあの後
カヤを送らなかった事をやはり後悔したと何度も謝った


しかしカヤは久しぶりの電車に、高校時代の事を思い出し、懐かしく新鮮だったと楽しそうに話した

その興奮気味なカヤの話し方に


「お前まだ…
全然抜けていないな…」

と心配し


安易にカヤに

あの薬を分けてしまった事にも後悔した様子で

再び謝った


「な~んか謝ってばっかりだね


そんなに謝られたら私のが申し訳なくなっちゃうよ」


カヤは再びケラケラと笑いながら言った

No.370 10/03/02 20:15
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

その日は結局

リョウの言う通りスポーツ飲料を沢山飲み、熱い風呂で汗を流したが


いつまでも目や頭が冴えたままで眠る事ができなかったカヤは

翌日、夕方に掛かってきた美也子からの電話でようやく目を覚ました


いつも通りの遊びにこないかという誘いに、借りていた洋服が乾いている事を確認すると


カヤは自転車に乗って美也子の家へと向かった



「ねぇねぇ、リョウさんって人とどうだったの?!


本当に送って貰っただけ?!」


カヤが美也子の部屋に上がるなり


3人は目を輝かせてカヤの回りに集まった


一瞬

リョウがみつるに本当の事を言ったのか

と考えたが


何度も謝っていたリョウを思い出すと、とてもそんな風には思えなかった

No.371 10/03/02 22:17
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 370 「うん…

送って貰っただけだよ…」


カヤはまた
美也子に嘘をつき

隠し事が増えてしまった事で
すぐ様苦々しい気分になる


「な~んだ!

やっぱりみつるさんが言ってた通りかー」

一番に美也子が落胆の声をあげた

「でも、カヤちゃんにしては頑張ってた方だよね!


お酒もいっぱい飲んでたし

結構喋ってたし」


サヤカがフォローする

「一番おいしい所持ってって

結局つまんないよね

カヤちゃんらしー」

やよいの言葉に3人が笑った


早々

カヤは美也子の家に来た事を後悔した


【お前、友達に遊ばれてんじゃねーの】


あの時のリョウの言葉が

カヤの頭をこだまする



しかし

カヤも

もう


笑うしかなかった

No.372 10/03/03 09:10
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 371 彼女らに悪意があっても無くても

冗談として笑っているなら


カヤ自身も笑って冗談にしておかないと


涙が出そうだったのだ


それから深夜まで談笑し、カヤが美也子の家を出たのは22時を回った頃だった


一刻も早く帰りたいと思っていたが、いつも通りでなければ

自分が
やよいの言葉や、美也子とサヤカに笑われた事に対し傷ついたと悟られるのがカヤは怖かった


帰り道、カヤは自転車を漕ぎながら



【お前、友達に遊ばれてんじゃねー】


再びリョウの言葉を思い出していた


しかし


自分も嘘をついているのだ



だから仕方ないのだ


罰が当たったのだ



自分にも責めるべき所がある



カヤは自分が傷付いた事で

自分の嘘の罪が軽くなった気がして



安堵した

No.373 10/03/03 21:59
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 372 しかし

それから思考は

どんどんと暗く重いものとなっていった

まるで昨日のカヤとは別人だ


昨日は身体も心も脳も

見る世界さえ
全て生き生きと溌剌としていた


心煩うものなど何も無かった


しかし今は


友達
家族
そして自分


何を考えてみても

信じられるものなど無かった



カヤは自分のネガティブな感情に違和感を覚えた


いや、思考は思い出しただけなのだ


昨日のカヤは

薬に躍らされていた幻で


この陰鬱としているカヤこそが


いつも通りの本物の自分だという事を

No.374 10/03/03 23:32
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 373 更に思考は追い討ちを掛け


恋愛にまで及んだ


今まで無意識に
深く考えない様にしていたが、リョウの言葉に

自分が歩を好きだという事を自覚してしまった



勝手にとめどなく

頭の中に映し出される


たった数日の数々の歩の顔、仕草、表情がカヤを苦しくさせる


たった2ヶ月前の出来事は


遥か遠くに感じられ

もしかして夢だったのではないかと



いっそ、全てが夢ならばどんなに楽かと

信じたくなる


会いたい


自覚してしまうと



次は欲が顔を覗かせる

No.375 10/03/04 00:23
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 374 家に着くと


カヤは恐る恐る


引き出しの奥にしまい込んだ、リョウから貰った香水と携帯電話が書かれた紙を取り出した



空中に香水をひと吹きすると


あの懐かしい歩の匂いに


歩との出来事が


更に鮮明なものとなりフラッシュバックする



電話を手に取り


書かれている数字をひとつずつ順番にゆっくりと押す





しかしどうしても、何度やっても


最後のボタンが押せなかった



歩の声が聞けても聞けなくても




結局結果は



もっと惨めな現実を突きつけられる気がして怖かったのだった

No.376 10/03/04 00:36
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 375 最悪な思考状態と


締め付けられる

胸の痛みから


解放されたくて



カヤが望んだ方法は…



「もしもし…」



「私…わかる…?」


「わかるよ…

どーしたよ?」



「お願いがあるの…」



「おぅ、何だ?」



「もう一度だけ

どうしてもあの薬が欲しいんだけど…」


リョウに電話をし、あの薬を貰う事だった

No.377 10/03/04 09:05
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 376 電話をしてから一時間後にリョウと待ち合わせをした



待ち合わせ場所に行くと、既にリョウの車は止まっていた


カヤが運転席のガラスを叩くと


リョウが顔を出して言った


「取りあえず乗れよ」


カヤは足早に助手席に回り車に乗り込んだ


「ごめんね…」


リョウはそれには答えず車を走らせた






終始沈黙の中
やっと車が止まった場所は


リョウのマンションの駐車場だった


黙って降り、さっさと歩き出したリョウの背中を追い掛けるようにカヤも黙って後につく


オートロックを解除し、先に部屋に上がろうとしたリョウは、カヤが自室のドアを締める音を確認すると

振り向くなり

カヤに激しくキスをした

No.378 10/03/05 09:35
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 377 リョウは玄関の扉に無抵抗のカヤを強く押さえ付け、乱暴に身体を触り

皮を剥ぎ取るように洋服をまくし上げ、ブラのホックを外す


乳房を鷲掴みにし揉みしだき


執拗に舌を絡ませた


最初から受け入れるつもりだったカヤだったが

その激しさに息苦しさを覚え激しく咳込むと


我に返ったように
リョウの押さえ付けていた力は弱まり


カヤは扉にうつかったままヘロヘロとしゃがみ込んでしまった




やがてリョウも
カヤと向かい合う形でしゃがみ込むと


「ごめんな…」

と呟き

カヤの頭を抱き寄せた


リョウの腕の中で大きく首を振るカヤ


リョウの体温を感じ、リョウの匂いを感じ


やっと心の痛みから、本当の意味での息苦しさから解放された気がした

No.379 10/03/05 19:36
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 378 「なんで…そんなにアレが欲しくなった?


お前はあの日が初めてだったはずだし


(血管に)打ったならまだわかるけどよ

ほんの少し俺の残りを吸わせてやっただけだったのに…


確かにあの時の
お前のあのアガりっぷりを見た時は

あの量なのに
しっかりキマっちまったな

って俺も驚いたけどよ



たった一回やっただけですぐにまた欲しくなるようなヤツが続けたら
本当に抜けたい時に抜けられなくなんだよ



遊びじゃ済まなくなって

今度は打ちたくなんだよ…






全部…



俺のせいだな…」

No.380 10/03/05 20:55
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 379 その口調は優しく諭すようなあたたかいものだった


カヤが顔を上げ、リョウの顔を見ると

しかしその瞳は

とても悲しげだった



自分は人をこんな目にしてしまうほど

傷付け…悲しまさせてしまう人間なのか…


カヤは胸の奥にチクチクする痛みを感じた


「違うの!

別にあの薬にハマった訳じゃないし、あなたのせいなんかじゃないの!」

カヤは今日起きた出来事や


友達や家族や自分に対して

そして歩への


思いを話した



そして全てを自分の心で処理するのが辛かった


逃げ出してしまいたかった


ただそれだけで


薬やリョウは関係ないと



必死で訴えた



リョウはずっと黙ってカヤの瞳を真っ直ぐ見つめ聞いていた

それはまるで


カヤの一言をも聞き漏らさずとしているかのように


真剣なものだった



「いや、

だから俺のせいなんだよ…


お前の友情に口出したのも


その男を好きだと自覚させちまったのも

お前を悩ます原因を作った上に、あんなものやっちまったから



マジでごめんな…」

No.381 10/03/05 21:19
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 380 リョウの顔があまりにも痛そうな表情で

カヤはどうしていいかわからなくなり


リョウの目を直視出来なくなってしまう

そんなカヤを見ながら

リョウは続けた
「だけどな…

あの時も、さっきの電話でも言ったけど

俺にはもうアレを手に入れるルートはねぇんだ


だけど、そのルートが今の自分に無くて良かったと心底思ってる


めんどくせーって思って、最終的にお前にやったかもしれねーし



俺は正直
さっきのお前の電話で

つくづくお前はバカな女だってすげームカついた


だから、お前に痛い思いさせて


俺から離そうと思った


だけどお前、全然抵抗しねーし


余計イラついた



さっきは悪かったな…



だけどこれが俺なんだわ


冷めてーかもしんねぇけど」



リョウはやっと少し笑った


カヤは必死で首を振る


「私こそ…

嫌な思いさせてごめんなさい…」


カヤの目から涙が零れ落ちた

No.382 10/03/05 21:49
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 381 「めんどくせーけど

俺があんなモンやらせたのが一番わりーしな


これからまたお前が
今日みたく辛くなったら
俺が話聞いてやるよ」


そう言って


リョウはクシャクシャと乱暴に

カヤの髪を撫でた


「ってかさ、


それがお前の本当の格好なの?」


「へ…」


カヤは自分の格好をまじまじと見た


トレーナーとジーンズにスニーカー



「こないだより

ガキらしくて、こっちのがお前に似合ってんじゃん」



確かに美也子に借りた
あの大人びた洋服とは比べ物にならないくらいの


汚い格好に


カヤとリョウは大笑いした

No.383 10/03/06 00:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 382 それから

思い出したように、やっと2人は家に上がった



「デートはどうだった?」


カヤは目を輝かせて聞く


「普通にいつも通り

いつもだいたい飯食ってセックスしてバイバイ」


「いつも通り」と
「バイバイ」

の所で、カヤは何かリョウの寂しさみたいなものを感じた



黙って様子を窺っているカヤに気付いたリョウは

やはりちょっと億劫そうに

話しはじめた


「アイツはいつも、例え旦那が浮気相手の所に泊まるって知ってても

必ず夜10時には帰るんだよ…


俺と会う時も誰が見てるかわかんねーって

人の多いとこは避けて
何処に出掛ける訳でもなく、適当な所でさっさと飯食って

ホテル行くだけ」


「…ここには来ないの?」


「こんなとこ絶対来ねーよ」


同じ地元で幼なじみの彼女がリョウと一緒の所を誰かに見られてしまう事を

彼女は一番怖れているという


結局、今の結婚生活が一番大切なんだと

無表情に語った

No.384 10/03/06 12:18
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 383 ではリョウと彼女が付き合っている事は誰も知らないのかとカヤがたずねると

リョウは「そうだ」と答えた
どこで漏れるかわからない為、彼女を知るやはり同じ地元の親友にすら話していないと続けた



「そんな大切な事…
私に話してくれてたんだね…」


「お前だって、その好きなヤツの事とか
処女捨てた事とか
誰にも言ってない事教えてくれたじゃんよ」


リョウは、カヤが誰にも言えないでいた秘密を自分に打ち明けた事で


カヤも絶対自分の秘密を守るだろうと確信していた事を話した

だがそれは後付けであって

何故あの時、カヤにつらつらと語ってしまったのか
実はリョウ自身にもわからなかったとも言った


「そっか!

なら私、精一杯あなたの恋を応援するよ!

誰にも応援して貰えない恋なんて寂しいじゃん!」


カヤも、自分の話を聞いてくれると言ってくれた

リョウの力になりたいと


強く思った

No.385 10/03/06 12:52
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

「お前はどうなんだよ?

今日、その男に電話してみようって思って出来なかったんだろ?」


カヤは歩に
迷惑に思われるのも、自分が傷付くのも

怖いと話した


だいたいこんなに時間が空いてしまったのに、今更何を話したらいいのかもわからない


自分を覚えているかもわからない


現状から考えても

もし告白しても確実に振られてしまう事はわかっている

だからと言って、振られてスッキリできる程


今の自分は強くはないと


全て正直に話した


黙って聞いていたリョウは


「あんたがどうしたいかわかんねーけど
あんたの人生だし、あんたの好きにすりゃいーよ


あんたの中で答えが出るのを

俺も応援するわ」


そう言ってくれたリョウの言葉に


孤独感が溶けてゆく
本当に強くなれそうな気がして

また涙が出そうになるのをこらえて言った


「じゃあ私たち、お互いの応援者だね!」

カヤの言葉に


リョウは再びカヤを抱きしめた

No.386 10/03/06 13:20
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 385 頭を優しく撫でながら


「お前…

バカだけど可愛いな…

いいヤツだし…」



そう言ってカヤの首筋に優しくキスをした


「…んッ……」

カヤの小さな声が漏れると


リョウはカヤの瞳を見つめ、唇を重ねた

カヤも目を閉じ


リョウの舌を受け入れる



リョウがトレーナー越しのカヤの乳房に触れると


先ほど玄関でブラのホックを外されたままでいた事に気づく


「お前…

ずっとこのままでいたの…?」


「…付けるタイミングを逃しちゃって…」


恥ずかしそうにうつむくカヤに


今度は激しく唇を重ねると


リョウは洋服の下に手を入れた


そのキスとは対照的に

まるで壊れ物を扱うように


優しく乳首を愛撫した

「ん…ぁ…」


カヤの小さな乳首が

リョウの優しい指先で固くなっていった

No.387 10/03/06 13:50
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 386 「…ァ…ッ

…ンッ

ぁッ…」


リョウはトレーナーを捲くし上げ腹や乳房に舌を這わせ

カヤの声が次第に大きくなると

乳首を唇で包み甘く歯をあてた


しばらく乳首を可愛がると


今度はジーンズ越しの秘部を指でなぞる

厚手の生地の上からでも
熱を帯びているその部分がどうなっているのか確認するように

ジーンズとショーツを脱がせると

再び指をあてがう


そこはやはりカヤの蜜で溢れていた


蜜を沢山絡めた指で、カヤの小さく突起した部分を

優しく丁寧に愛撫すると


更に息と声を遠慮がちに荒げたカヤは

背中を仰け反らせ


果ててしまった

No.388 10/03/06 14:18
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 387 リョウはカヤを抱き抱え、ソファーからベッドに移すと


「入れていい?」


と聞く


カヤがコクリと頷くと


リョウは自分が着ていた洋服を脱ぎ捨て

全身でカヤを抱きしめた

もう一度深いキスを交わし


既に大きくなっている自分のものを、カヤの秘部にあてがう

ヌルヌルとしたその部分にゆっくりと少しずつ

腰をうずめてゆく


相変わらず、キツく締め上げるようなカヤの蜜壺が


何度も息を荒げ苦戦するリョウの全てをようやく受け入れると


リョウはカヤの膝に優しくキスをした


数回確認するように上下に動かしてみる

そして意を決したように


激しく突き上げた



カヤはシーツを掴み、リョウの行き交うそれの形を
身体の中ではっきりと感じてしまう


まもなくすぐ
あの電流が走る快感に包まれると


リョウも一気にたたみかけ


2人はお互いが脈打つのを感じながら絶頂を迎えた

No.389 10/03/06 14:36
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 388 薬を交えない

リョウとの初めてのセックスだった



薬を交えたセックスとは違う


心地よい疲労感と満足感に包まれ


2人はいつの間にか眠りについてしまった




カヤが目を覚ますと
そこにリョウの姿は無かった


枕元にカヤ宛てにと思われる
走り書きされたメモが残されていた


「仕事行ってくる

帰ったら送ってやるからそれまでにゆっくり休めよ


近くにコンビニがあるから腹減ったら飯食えよ」


メモの横には五千円札が置かれていた


カヤはリョウの心遣いにまた心が満たされ

リョウの書いたメモだけをバックにしまうと



再び心地よい眠りに付いた

No.390 10/03/06 15:07
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 389 一体どれくらい眠っていたのか


安眠から次にカヤが目覚めたのは、リョウが帰ってきた物音によってだった


「おかえり~」


「お前、今まで寝てたの?」


リョウが驚いた顔で聞く


「うん」

照れくさそうな表情になんとも情けない声で答えるカヤに
リョウは思わず笑ってしまう


「って、お前!
何にも食ってねーのかよ!?」


取り残された五千円札を見て再びリョウが驚いた



「へへ…

眠るのがあんまり気持ちよくって…」



そんなカヤに
いよいよリョウは呆れた顔をして言った


「飯食い行くぞ!」


慌てて支度をするカヤにやっぱりリョウは吹き出してしまった

No.391 10/03/06 15:28
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 390 食事をしながら

リョウが言った


「お前、今日はどーすんの?」


「どーすんの?って?」


「家に帰るのか帰らねーかだよ…」


カヤは少し考えながら
「帰らないって言ったら、置いてくれるの?」


「仕方ねーだろ、捨ててく訳にも行かねーし」


カヤは勿論あの家になど帰りたくは無かった

しかし、自分がいたらリョウはよく休めないであろう


昨日もきっとあまり寝ていないだろうし、今日は仕事をしてきたのだから疲れてもいるはずだ


それに、そんな風に言ってくれただけでカヤはもう満足だった


「今日は帰るよ

だけどさぁ

もし私がまた独りでいるのが辛かったら、会ってくれる?


勿論、あなたの生活優先であなたが大丈夫な時だけでいいんだ

仕事で疲れてる時とかさ断ってくれていいし


彼女さんと会う時なんか特にね!

あなたの仕事の邪魔はしたくないし

彼女さんとの事は本当に応援したいと思っているから」


カヤの言葉にしばらくリョウも考え言った

No.392 10/03/06 15:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

「お前さ、それが俺にとってどーゆー意味になるのかわかってんのかよ?


俺にまたヤラれてもいーのかよ」


「いいの、いいの

だってお互い様でしょ?


私が辛い時、話聞いてくれるって言ったじゃん!!


だからあなたも彼女さんの事で
寂しい思いしてる時私とセックスすればいい


私だってセックスしてる時は色んな事考えないで済むんだし

私を彼女さんだと思って抱いてくれてもいい


その代わり私も約束は破らないよ!
あなたの恋の応援はしても、絶対邪魔しないって誓うし、私を必要としなくなったら、そう言ってくれていいから!

その時は絶対にあなたから離れるって誓うから」


こうして

2人は

お互いの寂しさを埋める約束を交わした

No.393 10/03/06 16:31
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 392 それから更に2ヶ月経った


カヤはアルバイトを始めていた


周りは自分の母親との方が歳が近い主婦ばかりで
話が合う者もおらず、仕事内容にも全然楽しさややりがいを見いだせなかったが


仕事の疲労感でよく眠れ、

仕事を理由に美也子たちと安心して距離を保つ事が出来たし、たまに会うくらいの方が関係は安定した

美也子たちとは比べものにならないが

カヤも少し収入を得られる様になった事で、お金を使う遊びなども少し共有する事が出来るようになった


親との関係も良好とは言えず
母親とは相変わらず殆ど口をきかない関係が続いていたが
カヤが働き出した事で、うるさい事はあまり言わなくなった

何より、そんな関係になった事で、精神が不安定だった妹のチエの表情が軟らかくなってきた事に


カヤは一番安堵していた


そしてリョウとは相変わらず、週に一度のペースで

悩みや愚痴を言い合い、寂しさを埋め合うように身体を重ねていた


カヤはまだ度々歩を思い出しては切なくなり

勿論、リョウは彼女との時間を優先する形であったが


リョウとの時間が全てを少しずつ変え
支えてくれている気がした

No.394 10/03/06 17:04
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 393 ある日カヤがバイトから帰ると

妹のチエから電話があった事を伝えられた

「谷川っていう男の人
帰ったら掛け直して欲しいって」


その名にカヤはしばらく立ちすくんだ



【谷川】とは…




歩の苗字で


カヤは歩以外に
その名を知らない



鼓動を打つ音が大きくなり加速してゆく


カヤは自室に入ると、あの日再び引き出しの奥へとしまい込んだ

歩の携帯番号が書かれた紙を取り出した

電話番号の上に


歩本人の字で

【谷川 歩】


と書かれているのを確認すると


カヤの手はじっとりと汗を書き、紙を持つ手は震えていた



落ち着けとタバコに火を付けた

ゆっくり吸っていたつもりが、あっと言う間に短くなり
カヤはそれを灰皿に押し付けるとすぐにまた二本目に火をつけた


そしてそのまま電話を手に取ると


やっと歩の携帯番号を押し始めた

No.395 10/03/06 17:29
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

「もしもし…」


4コールほどで歩が出た


受話器から聞こえる懐かしい声にカヤの言葉がつまる

「カヤだろ?」


「そうだよ…

オニイサン
久しぶりだね、元気してた?」



「おぅ!

俺は元気

カヤも元気そうだな」


目を瞑りその声を聞いていると


瞼の裏に歩の笑顔が浮かんだ

「うん、元気だよ

今日はどうしたの?」


「実は俺、4月からこっちの美容の専門通う事にしたんだわ

で、その前に一回そっちに帰ろうと思ってさ

まぁ3日間くらいだけど


それで明後日帰ろうと思ってんだけど


カヤ会える?」


カヤは慌ててバイトのシフトを取り出す

明後日からの3日間 のうち、明後日は仕事が入ってしまっているがその後の2日間は丁度休みになっている事を確認すると


歩にそれを伝えた


歩は喜び、会う約束をした


「カヤ、バイト始めたんだ

偉いな」


「うん…」


「明後日は、カヤがバイト終わってから迎えに行くから

終わったら電話して」

No.396 10/03/06 17:48
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 395 五分ほどで電話を切ると


カヤはそのままリョウに電話をした


「もしもし!私だよ!

あのね!

私の好きなあの人が
明後日からこっちに帰ってくるんだって!

それでね、4ヶ月振りに会う約束したんだよ!!」



興奮状態で勢い任せのカヤの言葉を理解出来なかったリョウは

「落ち着けって!


何言ってんのか全然わかんねーよ


はい、深呼吸して…」


リョウに促されカヤは
深呼吸をすると
嘘の様に落ち着きを取り戻し

もう一度、ゆっくりと落ち着いて説明した


うんうんと聞いていたリョウは


全てを聞き終わると

少しの沈黙の後に言った


「お前、今から出てこいよ…」

No.397 10/03/06 18:16
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 396 いつもの所でリョウと待ち合わせをした

リョウの車はやはり先に着いていて、カヤは助手席に乗り込む


電話の内容とは全然関係ない話ばかりしてくるリョウに

少し違和感も感じたが

カヤはいつもの様にリョウの話を笑って聞いていた


リョウのマンションに着くと

リョウは冷蔵庫からビールを取り出し、カヤに渡した


「前祝い!」

「え…?」

「お前が好きなヤツと4ヶ月振りに会えるんだろ?」


「うん…」

「ちゃんと自分の答え見付けてこいよ」

「わかった…」


2人は缶ビールで乾杯を交わした


「あれ?
飲酒運転になっちゃうよ!」

「ばーか

明日朝送ってやるよ
お前もバイトだろ?
朝早いけど叩き起こすからな!」



【前祝い】

そう言ってくれたリョウに

カヤはまたあたたかい気持ちに包まれた

No.398 10/03/06 18:39
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 397 その日のリョウは
結局朝までカヤを抱く事はしなかった


酔い潰れたカヤを介抱し、自分の腕枕で寝かしつけた



朝になり、約束通りリョウに起こされ


カヤは自宅近くまで送って貰う


「明日からそっちは何してるの?」


カヤの問いに

「明日は特に仕事だけで予定ないけど、明後日はアイツと会う約束してる」


「そっか!
お互いデートだね!」


カヤの弾んだ声に

「お前も明日楽しんで来いな」


そう言ってリョウは優しくカヤの頬を包んだ


「うん」

No.399 10/03/06 19:44
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 398 翌日
いよいよ歩に会える喜びと不安、緊張で最後まで集中できないまま仕事を終えたカヤは
急いで家に帰ると歩に電話をした


あの日別れた場所で待ち合わせの約束をすると


カヤは急いでシャワーを浴び支度をすませると待ち合わせ場所に向かう


早く会いたい一心で足早に歩いていたのだが、待ち合わせ場所に近づくと今度は不安と緊張で、うまく足が出せずそのスピードは落ちていった


真っ暗な闇に浮かび上がる
ハザードランプの点滅を目にすると

カヤの緊張は更に増し、その場に立ち止まってしまった


しかし、気合いを入れ覚悟を決めるとカヤは再び足早に歩き出し、歩の助手席のドアを開けた

No.400 10/03/06 20:22
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 399 歩と目が会う

「こ、こんばんわ!」


表情固くすぐに目をそらし、車に乗り込んだカヤを見て


歩が笑い出す



いきなり笑い出した歩にカヤはびっくりして

不思議そうに歩を見つめた


「だってさ

カヤが変な歩き方してくんのが見えて

あそこで止まったかと思ったら


何か気合いみたいなの入れて、今度は凄い速さで向かってくるからさ


それで

『こ、こんばんわ!』

だろ


おもちゃみて~って…




全部カヤの様子を見ていた歩は

そう言って説明しながら、また笑った


カヤは見られていた恥ずかしさと

自分のカッコ悪さに

いきなり全てのペースを歩に持っていかれた

  • << 401 うつむき黙り込むカヤにも 歩はむしろそれを楽しむかのように容赦なく続けた 「あそこで何の気合い入れてたの? 気合い入れなきゃいけないほど 俺に会うの緊張してたの?」 全てカヤの心を見透かしている様な歩の言葉に カヤの耳は真っ赤に染まった 「今日は無口なんだな ってもしかして 俺に会うのそんなに嫌だった?」 歩の問いに カヤは大きく首を振り ようやく顔を上げ 歩の顔を見た 「イジメ過ぎたな… 俺もホントはちょっと緊張してたとこ でもカヤ見てあの動きに緊張がほぐれたから 俺もカヤの緊張解してやろうと思ったんだけど 逆効果だったな」
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