注目の話題
旦那がむかつく。
育ての親である祖母の心理は?
50代バツイチ同氏の恋愛

カヤの依存

レス500 HIT数 190467 あ+ あ-

ちゃら( 3bHK )
10/04/10 13:30(更新日時)

自分の居場所と愛が欲しかっただけ…


一男二女。
カヤは戸田家の長女として生まれた。



宗教に熱狂的にハマる母。


堪え性と甲斐性のない父



兄ほど期待されず、妹ほど可愛がられていない事を幼い頃から痛いほど感じてきた



心にポッカリ空いた穴は成長を増す事に大きくなっていった…

No.1158792 08/11/09 21:52(スレ作成日時)

新しいレスの受付は終了しました

投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.1 08/11/09 22:29
ちゃら ( 20代 ♀ 3bHK )

17歳になったカヤは(もぅ死ぬかもしれない…)とぼんやり考えていた。
12月に入ろうとしている長野の深い夜はカヤの体温を確実に奪っていた




もぅ三時間もコンビニの前に置かれたベンチに座っている。

手と足の先は寒いや痛いなどすっかり通り越して感覚がなくなってきている。



二時間前にコンビニで買ったホットの缶コーヒーは中身を全て残したままそのスチールの容器は外気よりも更に冷たくなっていた

No.2 08/11/09 23:14
ちゃら ( 3bHK )

>> 1 この3時間の間に色々思い出していた


子供の頃、イタズラをして母に怒られた…テレビのリモコンやコタツの角に頭を打ち付けられた記憶。



中学の時、空手をやっていた兄に暴力をふられた。ボコボコにされ痣だらけになり泣き叫ぶ私。


それを見て注意もせず仲裁にも入らず黙認している母


手当てはいつも保健室

だけど妹とケンカして、思わず突き飛ばしてしてしまったカヤには「チエちゃんが死んじゃう‼」と血相を変え、飛んでくる母



友達と万引きをし、警察に補導されたが迎えにこなかったのはカヤの親だけだった。


おまわりさんにまで同情され、最後に迎えにきた美也子の親に一緒に引き取って貰った


警察官から連絡を受けたのは母親だったそうだが、帰ると両親はいなかった。


父は仕事からまだ帰ってきていない。

母は警察から連絡がきた後、いつもの宗教がらみの集まりに行ったと妹から聞いた事…


なんとなく思い出していた

No.3 08/11/09 23:46
ちゃら ( 3bHK )

>> 2 カヤはこの年の夏に高校をやめた。



名古屋の専門学校に進学した兄から両親に送られてきた手紙を読んでしまったからだ。


母に相談もなく勝手に転職を繰り返す父で、経済状況は兄の進学まででギリギリだろうからカヤが進学するなら俺は辞めなきゃいけないだろう…。
もし俺が学校をやめたら一生後悔するだろう…

そんな内容だった。



カヤには夢があったが、進学できないなら高校は必要ないと思った。


兄が学校をやめたら、兄の中で自分のせいになるのも嫌だった。

カヤのせいで辞めなきゃいけないかもしれないという風に読めたから、兄が自分の事しか考えていない様で更に憎らしく思えた。

また自分が働きながら学校に通い進学費用を貯める自信もなく、そんなにお荷物なら、残りの高校の学費もない方が楽だろうとヤケになりやめた。


親は何も言わなかった

No.4 08/11/10 01:00
ちゃら ( 3bHK )

家出だった。



高校を辞めてから、カヤの住む町から車で一時間半掛る山の民宿に住み込みで働き出した。
両親との会話も無く居心地が悪かったので極力家にいたくない事から選んだ仕事だったが、シーズンも過ぎると観光客が減る。
民宿も宿泊客が減り暇になり、それまで週に二日の連休を貰い実家に帰っていたが、休みがどんどん増えていきとうとう週末だけ出るという具合になってきた。

今までは週五日働いた給料を、休みに帰った時に半分を親に渡していたが、週末しか働かけなくなってから、一時少しだけ盛り返してきた親との仲も再び悪くなっていった。


週末だけ山に籠る生活が面倒になり民宿を辞めたが、親がカヤの稼ぎをあてにしている気がして、新しい働き口を見つける気力は失せていた

No.5 08/11/10 01:19
ちゃら ( 3bHK )

>> 4 「本当にいらないから出ていきなさい‼」

ちょっとした事が原因で母とまたケンカ。


勿論カヤもまた感情的になり酷い言葉を母に浴びせた。だからこそ母をも感情的にさせてしまい言わせてしまったからかもしれない
「ホントウニイラナイカラ…」
この言葉は特に衝撃的で何度もカヤの頭をこだまする。



稼がないからいらないのだ






カヤにはどぅしてもそうだとしか思えなかった

No.6 08/11/10 02:28
ちゃら ( 3bHK )

>> 5 2、3日はカヤよりとっくに高校を中退している美也子の家に泊めて貰ったが、親とのゴタゴタを話すつもりは最初から無かった。



昔から他人に自分の話をするのが得意ではなかったカヤは聞き役の方が楽だった。

「カヤは❓」と話しをふられればなんとなくな感じで短く応えるだけだ。
そしてすぐ違う話しに切り替えて、逆に質問し返してまた聞き役に戻る。



心を開いていないワケではないが、自分の事を話すのを酷く億劫に感じていた。



美也子の家は両親が離婚していて父親と弟と妹の四人暮らしで、特に妹のサヤカとは歳もひとつしか変わらないせいか仲も良く、特に気を使う事も無かったが、このまま居させて貰うワケにはいかないと思い、「そろそろ家に帰るけど、また遊びにくるね」と普通に帰るフリをして美也子の家を後にした

No.7 08/11/10 15:36
ちゃら ( 3bHK )

>> 6 独りになったカヤはどうしようか…考えながらあてもなく歩いた。


しばらく公園にいたが人気が少なく真っ暗で、唯一ひとつある街灯が濃い闇を更に不気味に照らしている。


急に怖くなって公園を翔け出た。


大通りに出て一安心すると財布の中を見た。
千円札一枚と小銭が少しだけ。


コンビニに入り、店員を見るとユルそうな大学生らしき男が独り、✉をうちながら有線から流れる音楽にノッている。


客は水商売風の派手な女が独り雑誌を立ち読みしているだけだった。

カヤは静かに近付き、冷静を装い

「マルボロのライト下さい」

と言った。


若い男の店員はチラッとカヤを見ただけでごく自然にカヤから指定されたタバコの銘柄を差し出した。





カヤは最近タバコを覚えた。

No.8 08/11/10 15:51
ちゃら ( 3bHK )

>> 7 寒いな…



一度コンビニの温度を知ってしまった体は外気に過剰に反応し、カヤに身震いをさせた。



人目を気にしたが、田舎の夜は人気が少ない。

たまに車が通る程度だった。



安心し、コンビニの前に置いてある年季の入った乳製品の会社名が書いてあるベンチに腰を下ろし、そこからコンビニの店員が見えないかをチェックすると、ようやくタバコに火を付けた。



こんな寒い季節のこんな時間に長時間女の子が独りで座っているのは明らかに不自然だろうと考えたからだ

No.9 08/11/10 21:22
ちゃら ( 3bHK )

>> 8 これからどぅしようか…




行く場所がない…



居場所がない…





だいたいなんで今が冬なんだろう…




夏ならば外にでもずっといられるのに…




二本めのタバコを丁度消し終わった時、先程の雑誌を立ち読みしていた派手な女が店から出てきた。




一瞬目が合ったがお互い気にも止めずそのまま視線を落とした。

カヤは再び視線をあげ、この田舎や季節に似つかわしくないミニスカートでブーツのヒールの音を遠慮なくたてながら気怠そうに歩いて行く女の後ろ姿を見送った

No.10 08/11/10 22:37
ちゃら ( 3bHK )

>> 9 どの位時間が経ったろう。



女がコンビニを出てから客は誰も来ていない。



果てしなく長い時間が経った気がする。

体はすっかり冷たくなり、カヤはトイレに行きたくなった。



トイレを借りようと再びコンビニに入る


「ピンポーン」



来客を知らせる安っぽい電子音がなったがなかなか男は出てこない



「すみませーん」



面倒臭そうに男が出てきた



トイレを借りたいと言うと
「どぞ」

とだけ言い、またすぐレジの裏へと消えて言った


トイレに向かう時に時計を見るとタバコを買ってからまだ一時間しか経っていないんだと気が遠くなる思いになった。


トイレから出て少し立ち読みをしたが相変わらずあの店員は出てこない。



貼る用のカイロひとつとホットの缶コーヒーを持って再びレジ奥に声を掛け精算して貰い、コンビニを出た

No.11 08/11/10 22:52
ちゃら ( 3bHK )

>> 10 どうせずっと裏にいるならもぅちょっと中に入れば良かったな…


カイロを腰に貼り缶コーヒーで必死に手を温めながらカヤは後悔していた



その間に車で来た作業着の中年男が一人コンビニに入り、手早くビニールの袋を持って車で去って行っただけだった。

No.12 08/11/10 23:04
ちゃら ( 3bHK )

>> 11 「オニイサン‼
私死にそうな位寒いんです‼
その車に乗せて下さい‼」



最初にベンチに座ってから三時間が過ぎた頃、カヤの思考は体と共に凍結していた。




カヤ自身、自分が何を言っているかわからない程限界がきていた。
意思とは関係のないただただ悲痛な叫びだった。



カヤが声を叫び呼び掛けたのは車でコンビニにきた長髪の男だった

No.13 08/11/11 00:01
ちゃら ( 3bHK )

>> 12 男はビックリして立ち止まる。



マジマジとカヤを見て
「えぇッ?!なんてッ??」


信じられないといった顔でカヤの発言を聞き返した。




「私もぅ、長い時間ココにいるんです!!


だってずっとコンビニの中にいるのは変でしょ?!

オニイサンのその車の中って暖いんでしょ?!
お願いします!」



カヤは思い切り頭を下げて懇願した

No.14 08/11/11 01:14
ちゃら ( 3bHK )

>> 13 しばらくポカンとする男



「お願いします!!」



カヤがもぅ一度大きな声で頭を下げると、男はハッと我に返った様になり

「ぢゃあ、乗ってなよ
俺ちょっとコンビニで買い物してくるから」

と助手席の方を顎で指し言った。



カヤは男が乗ってきた白い車に乗り込んだ。


ドアを開けた瞬間マリン系の匂いが強烈に鼻孔をさし、ロックが流れていた



何の匂いも感じず、静か過ぎる中に暫く身をおいていたせいか、それをとても心地よく感じ、暖房の風が出てくる所に感覚を失くした手のひらをあてた

No.15 08/11/11 16:56
ちゃら ( 3bHK )

>> 14 しばらくすると男が戻ってきてドアを開ける

「ちょっとコレ持ってて」



コンビニのビニール袋をカヤの方へやる



カヤは受け取り男が運転席に乗り込んだ。



再び袋を受け取り直した男は
「ハイ、取り合えず飲みな!寒いでしょ」


そう言ってホットレモンを出し、カヤに差し出した


「すみません…」


あったかい…




「飯食った?

おでんも買ってきた

俺も食べたくて」



とイタズラっぽく笑みを見せた

No.16 08/11/11 22:23
ちゃら ( 3bHK )

>> 15 コンビニの駐車場に車を止めたまま、二人はおでんを食べた。



そういえば、夕方美也子の家で焼きそばを食べたきり、何も食べていないや…


一口、卵を口に入れて始めて自分のお腹が空いてた事に気が付いた。




体の中も外も暖くなり、お腹も満たされるとようやく冷静さを取り戻した。



「あんた歳いくつ?名前は?」


男はタバコに火をつけながら聞いた

No.17 08/11/11 22:54
ちゃら ( 3bHK )

>> 16 「カヤ…17歳です」




「高校生?!」



「いえ…中退してます…」





「そか」




「オニイサンは何歳?」




「ハタチ」




男はタバコを消した

No.18 08/11/12 05:07
ちゃら ( 3bHK )

>> 17 確かにちょっとチャラチャラした感じはするけどもぅ少し上だと思っていた


「んで…?なんであんなトコにずっといたワケ?」



なんとなく聞きづらいのか男はカヤの方は見ず外を眺めながらポツリと聞く



「家出です」



カヤはハッキリと答えた。



「まぁ、色々あるよね…
ドライブでもするか!」



男は車を発進させた

No.19 08/11/12 17:32
ちゃら ( 3bHK )

>> 18 男はバンドマンだと言った。


中学からバンドを組んでいて、高校を卒業してから東京でギターの専門学校へ進学したが、数週間サボったある日授業に出たら全然ついて行けなくなり、自信があっただけにかなりのショックを受けた事、結局そのまま辞めてしまった事、一緒にサボった挙げ句、学校を辞めた友達とバンドを組んでライブもしたが、自分を含めてそんな中途半端な人間が集まっても良いものなんか出来るワケもなく、メンバー内でケンカも増え、モチベーションも下がり、現在は活動もしなくなり実質解散した様なもので、バンドマンと言っても今の自分はただのプーだと言った。



今も東京で住んでいて、たまたま二日前に帰省してきている事。



東京での生活はそこそこお金のある親からの仕送りをパチンコで増やして生活している事



そんな事を飾らず正直に話してくれた事に、カヤは驚いたが、同時に嬉しくなっていた。


普通の人が引いてしまう様なダメな所が自分と重なり、親近感を覚え、なんだか変な安心感が出てゆったりリラックスする事が出来た

No.20 08/11/12 19:42
ちゃら ( 3bHK )

>> 19 いつの間にかふたつ隣り町まで来ていた


カヤも男もトイレにいきたくなったので、大きな公園の駐車場に車を止めた。



ここには小さい頃何度か家族できていた。


旅行や海水浴などには金銭的にも、労力的に面倒臭いのとで連れていかない父が、その代わりに仕方なくしぶしぶ連れてきた場所だったが、カヤにとっては近所の公園にはない螺旋状の滑り台があり、嬉しかったのを覚えている。



エンジンを止め、二人は車から降りた。



男女隣り合せで離れているのでそれぞれの方向へ進んだ。

この公園のトイレは市営なだけあって広さや設備も整っていて綺麗だったが、蛍光灯が薄暗く、個室に入ると更に光が行き届かず、カヤは怖くなった

No.21 08/11/12 19:50
ちゃら ( 3bHK )

>> 20 何度か意を決したが結局個室に入る勇気が持てず、カヤは用もたさずトイレを出た。



すると男用と女用の丁度真ん中あたりに男がカヤを待っていてくれた



カヤがモジモジしている姿を見て

「どぅした?」


男がちょっと心配そうな顔をして聞いた。



「なんか…暗くて怖くなって…」


「してないのッ?!」


「…うん」




「マジで!?違うトイレ行ってみるか?!」


しかしカヤはそろそろ限界がきていた

No.22 08/11/12 20:06
ちゃら ( 3bHK )

>> 21 「もぅヤバイみたい…
中まで付いてきて貰ってイイ?

出来ればドアの前にいて欲しいんだけど…」


カヤだって、そんな事を頼むのも恥ずかしかったし、そんな自分が情けなかったが、昔から幽霊やオバケなどが苦手だった。

勿論実際カヤはそんな物を見た事も無かったが、人気のない時の暗い公衆トイレや学校のトイレや、大浴場を見るといつもそんな事が勝手に連想されてしまい、そうなると絶対一人で使う事は無理だった



危機せまるカヤの顔を見ると男は

「わかった」


と行ってトイレへ促してくれた。

No.23 08/11/12 20:21
ちゃら ( 3bHK )

>> 22 「ココで待ってて!それで何か喋ってて!!」


カヤは早口で一方的に言うなりいきなり男の鼻先でバタンとトイレのドアを閉めた。


間も無く
「ジャーッッ!!」

勢いよく水を流す音が響いた。



さすがにどんなに切羽詰まっていても、自分が用を足す音を聞かせるなんて死ぬほど恥ずかしいとトイレの水を流す音で自分の音を消した


「俺女子トイレ、始めて入ったわ~」


ドア一枚隔てただけのすぐ隣りで男は約束通り喋っていてくれた

No.24 08/11/12 20:30
ちゃら ( 3bHK )

>> 23 用が済むとカヤは急に恥ずかしくなった。


うつむきながらトイレのドアを開けると



「おかえり、さみーし車戻るぞ!」



男はカヤの心情を察してか何事も無かったかの様に出口を目指した。


カヤは手早く手を洗い、慌てて男の後ろを追った

No.25 08/11/12 21:10
ちゃら ( 3bHK )

>> 24 そんな男の気遣いがカヤは嬉しかった。


車に戻ってからまたお互いの話をした。



トイレの一件で先程より更に心を開き始めたカヤは、学校を辞めた話や親や兄を嫌っている理由、妹が生まれてから親や兄、はたまた親戚までも扱いは変わり、愛情は全て妹の所へ行ってしまったが、妹の事は恨む気持ちはなく、逆に自分が親に迷惑を掛けている為、それを見てきた妹は中学生になってた今でも反抗期にもなれず、いつもイイ子でいようと努めているのが何となく伝わってきて、申し訳なく思っている事など話した。




自分の事を話すのが面倒で嫌いだったのに、男の前ではスラスラ言葉が出てきて、カヤは夢中になって話していた。




自分でも驚きが隠せず、本当はずっと誰かに聞いて欲しかったのかもしれないと自覚した

No.26 08/11/12 21:48
ちゃら ( 3bHK )

>> 25 カヤが興奮しながら一通り話し終えてそれまでカヤの話しを黙って聞いていた男は



「寂しかったんだな…」



と言ってカヤの頭を優しく撫でた




そして男も両親を好きでは無い事、父は養子で母方の父の会社を継いだが、祖父が死んでからはあまり力を入れなくなり会社は傾いた。しかし祖父の残した財産と母の仕事の給料も悪くなかった為、ぐうたらしている事、また自分の意見なども言えない男だと、
そし母は昔喫茶店を開いていたがそこに来ていた客と不倫をし、今はその男の会社でそれなりの立場も給与も与えられ働いていて、家事や育児は昔から一切祖母に任せきりであまり家にも帰ってこない
自分は同居していた祖父母に育てられた様な物で両親を親という意識で見た事がない事

仕送りはおそらく母の愛人が出しているので、それで東京で生活する事には特に罪悪感もなく、むしろ利用してやってる気持ちだという事まで話した

No.27 08/11/12 22:35
ちゃら ( 3bHK )

>> 26 カヤは自分が心を開いた事で、男も少し心を開いてくれた様な気がしてなんだか嬉しくなった。


「カヤは彼氏いないの?」



男はそういえばと言った感じで聞いてきた。

「いない。好きな人がいるケド振られた


高校の入学式そうそう同じクラスの男の子に一目惚れした。
その子は、違う高校を一度辞め、受け直してカヤの高校へきた為、本当はひとつ上だった事。
しかし恥ずかしくて殆ど話せないまま、入学から僅か半年でその子結局カヤの高校も辞めてしまった事
それから今まで二人と付き合った事があった話しをした。
一人は高1の時のバイト先の社員で、9コ歳上の社員だった

No.28 08/11/13 04:43
ちゃら ( 3bHK )

>> 27 生まれて始めて告白をされて、感動し、嫌いでは無かったので付き合えばそのうち好きになると思って受入れた。


ファーストキスはあげたがそれ以上許す気にもなれなかった

付き合って三か月ほどでカヤが高校を卒業したらすぐに結婚したいと言われた。


しかし16のカヤに結婚など考えられるはずもなく、その温度差にカヤはだんだん彼の気持ちが重たくなり別れ、バイトも辞めた。



次に付き合ったのは、次にバイトをしたファーストフード店の客だった。
ひとつ年上で高校を中退してアルバイトの帰りに、毎日カヤのファーストフード店に通い、ある日カヤの帰りを外で待っていた

No.29 08/11/13 05:34
ちゃら ( 3bHK )

>> 28 声を掛けられ、友達になって欲しいと言われた。



彼に対していつも愛想がよくて爽やかな印象を持っていたカヤは友達なら…と深く考えずすぐに承諾した。



カヤがバイトに入っている日は、仕事帰りの彼が待ち、それから一時間くらい近くの公園で話した
カヤにバイトが入っていない日は学校が終わった後、カヤが彼を待ち、いつもの公園で話すのが日課になった

ある日、いつもの公園でいつも通り話していると、彼から告白をされ付き合う事になった

No.30 08/11/13 11:05
ちゃら ( 3bHK )

>> 29 生まれて初めてラブホテルへ行ったのも、この彼とだった。



しかし最後までは受け入れ切れず、最初はカヤのペースでイイと言ってくれてた彼もだんだん苛立ちを見せてきた。


ラブホテルへ行きたがる彼、最後までは出来なくてもカヤの体を会う度求めてくる。


何故最後が受け入れられないのかカヤも考えた。


カヤを好きならひとつになりたいのは当たり前な事だとわかっている。



体のあちこちを触られる事に何の喜びを感じないカヤは、自分が彼を愛していないんだという答えを見付けた。


家族ともうまくいかず、学校もつまらない、そこからくるやり場のないストレスを忘れたくて、寂しさを紛らせたくて、彼を利用してしまったのかもしれないと気付いた。



正直に彼に告げた

No.31 08/11/13 11:14
ちゃら ( 3bHK )

>> 30 そして別れを告げた。

彼は納得しなかった。
カヤが別れ話をしてからも✉や電話が毎日の様にきた。カヤの帰りを待ちバイト先まで来たので、カヤはふたつ年上の美也子の彼氏に頼んで、もぅカヤに関わるなと電話してもらった。


最後に再び彼に✉で謝り、終止符を打った

No.32 08/11/13 11:22
ちゃら ( 3bHK )

>> 31 カヤは恋なんてそう簡単に出来るものではないんだと、感じていた。


付き合っても、嫌いじゃなくても、愛されていても…



そぅ思ったら、あの入学式で一目惚れした彼の事を忘れられていない自分に気が付いた。



自分の気持ちを再認識してから、兄のあの手紙を読んで高校を辞め、しばらくしてもあの人への気持ちは益々募る様になった。

No.33 08/11/13 12:33
ちゃら ( 3bHK )

>> 32 カヤは美也子に相談した。


カヤにそんなに想っている人がいたなんてと驚いていたが、カヤが話してくれた事に美也子は嬉しそうにしていた


「それは告るしかないでしょ!」


美也子の答えにカヤは戸惑った。

自分から告白をするなんて、今までした事も無ければ考えてみた事も無かった。


想像しただけで緊張し、自分にそんな勇気はとてもないと思った。
しかし今まで自分の内だけに秘めていた想いを、美也子に打ち明け、初めて口にした事で更に気持ちは膨れ上がっていった。


「そんなに好きだったら伝えなきゃ勿体ないよ!!
フラれてもイイぢゃん、伝える事に意味があるんだから!」



確かにこのモヤモヤした苦しい気持ちをいい加減どうにかしたいと思った。

告白する事でスッキリ出来るなら、前に進めるなら、例え傷付いてもそれでイイやと思えてきた

No.34 08/11/13 12:48
ちゃら ( 3bHK )

>> 33 美也子に背中を押され、それでも挫けそうになったが、美也子に相談して五日後、カヤは決心した


あの人が高校を辞めてから、もぅすぐ一年だ。

話した事も殆どない自分を覚えてさえいるかわからない。



しかしもぅ、お互い学校も辞めている、もともと友達でもないただの元同級生だ。
この先気まづくなる事も、何もないと自分に言い聞かせクラスの連絡網を引っ張り出し、電話で呼び出した。

今までこんなに緊張した事なんてないというほど心臓がバクバクしていたが、もぅ後には引けない、引く気もない。

それ以上に決心は固まっていた

No.35 08/11/13 12:53
ちゃら ( 3bHK )

>> 34 結果はダメだった



ふたつ年上の彼女がいると話してくれた。

しかし自分の事を覚えていると聞けた事がカヤは凄く嬉しくて心が満たされた。


想い出に何かあなたの物が欲しいとお願いするとずっと使っていると言ったシルバーのZIPPOを渡してくれた

No.36 08/11/13 16:35
ちゃら ( 3bHK )

>> 35 自分なんかには絶対出来ないと思い続けていた告白が出来た事で、勇気をふり絞れた自分を本当に褒めてやりたいと思うほど、充足感に満ち、なんだか誇らしげに思えた。



背中を押してくれた美也子に、電話で報告をした



美也子は結果には残念そうにしていたが、スッキリし、はつらつとしたカヤの声を聞いて安心した様だ。


カヤは何度も美也子に「ありがとう」と感謝し電話を切った。



使いこまれたあの人のZIPPOはカヤの宝物になり、持っているだけであの時の勇気が出る気がした

No.37 08/11/13 16:47
ちゃら ( 3bHK )

>> 36 これまでの恋愛模様を男に話し、勇気の勲章のZIPPOを男に見せて笑った。



男は

「大切にしな」



そう言って、優しくカヤを見つめた。



そして
「もぅ、吹っ切れたの?」

と続けた



「やっぱり好きだな~って思うよ。一目惚れだし、そんなに喋った事無かったから、殆ど何も知らなかったケド、でも今回初めて沢山喋って、やっぱり素敵な人だな~って嬉しくなった

スッキリしたんだから諦めなきゃ進めないって

だから思い出して前みたいに苦しくなったりはしない


そぅ考えたら吹っ切れてるのかもね」

No.38 08/11/13 16:57
ちゃら ( 3bHK )

>> 37 「偉いな~

俺もまだ一度も告った事ないや


おまけにニ年付き合ってた彼女にフラれて未だに引きずってるもんな~」



男はそう呟いてタバコに火を付けた




聞きたいな…でも聞いていいのかな…



カヤは悩んだ
「あの、私もタバコ吸っていいですか?」

No.39 08/11/13 22:17
ちゃら ( 3bHK )

>> 38 男は一瞬意外そうな感じで少し驚いた風にカヤをマジマジ見たが


「おぉ!吸うんだ!これは失礼、どぞ」


と灰皿を開けた。


「最近覚えたんです、ダメですよね…」


「いや、俺も吸ってたから同じ」



カヤがタバコを咥えると男はカヤのタバコに火を付けたライターを差し出した。



「ありがとうございます」と頭を下げ、一口吸ってからゆっくり煙を吐き出してから、意を決して男に聞こうとしたその時



「好きな男が出来たって…フラれた…」



男が先に話し出した

「高2の時、違うクラスだったんだけど、文化祭でギター弾く姿見て惚れたって告られて…」



見た目も可愛かったし、その時彼女もいなかったからまぁいいかと思い付き合ったが、男は日に日にみるみる彼女を好きになっていった。



高校時代は順調に付き合っていたが卒業して、男は東京のギターの専門学校へ、彼女は地元に残り美容師の専門学校にそれぞれ進み、遠距離恋愛となった



お互いそれぞれ忙しく、なかなか会う事が出来なかったが、それでも距離に負けまいと、彼女に寂しい思いをさせまいと、男は電話やメールで頑張っていた

No.40 08/11/13 23:34
ちゃら ( 3bHK )

>> 39 二年記念もしてないし会いに行ったら驚くだろうと密かに計画していたが、ある日電話で別れを告げられた。



せめて相手が誰なのか知りたくて聞いた
ふたつ下で、やはりバンドマンだと言う。
しかも男と同じギターだと言う事も聞いた。


男はショックだったが、別れたくないとすがる事は出来なかったと言った

No.41 08/11/13 23:51
ちゃら ( 3bHK )

>> 40 「どうして『別れたくない』って言わなかったんですか?!」



「確かにお互い忙しかった。
それでも俺なりに電話やメールで頑張った。

出来るだけ帰る様にもしてた。

あんなに頑張っても、結局いつでも近くにいてくれるヤツがイイなら、上京した俺が幸せにしてやれるはずないと思わない?」



その後、男の元彼女はその相手と晴れて付き合う事になり、現在も続いていると男は続けた

No.42 08/11/14 00:08
ちゃら ( 3bHK )

>> 41 カヤはなんだか切なくなった。



本当に好きな人と過ごした2年もの月日や絆が崩れてしまう心境はカヤには想像も出来なかった。


カヤが想像も出来ないほど苦しんだのかと思うといたたまれない思いになった。




男はそんなカヤの顔を見て、少しバツが悪そうに笑い

「もぅ少し走ろっか」


と車を発進させた

No.43 08/11/14 00:36
ちゃら ( 3bHK )

>> 42 男の実家は、カヤの住む町から車で40分も掛かるA町だと言った。



久々、高校時代の友達の家に遊びに行き、その帰り道、タバコを買おうとあのコンビニに寄った事、カヤに声を掛けられた時、一瞬コレが新手の逆ナンパってヤツかと思ったが、カヤの尋常ぢゃない真剣な表情に、コレはマジなんだ!と悟ったと笑いながら話した。



カヤも、アレは自分でもよくわからない。
きっとその位極限状態に陥っていたんだと話した


「オニイサン、私の命の恩人だね!」



「ひとりの少女の命を救えたなら良かったよ~」



「でもイイ人で良かった」



「確かに!アレはマジあぶねーぞ!!」



確かに改めて想像すると、我ながらなんて恐ろしい事をしたんだと思った。

No.44 08/11/14 11:35
ちゃら ( 3bHK )

>> 43 赤信号に車は静かに停車した
「オニイサン!私の好きだった人、あそこで宅配のバイトしてるらしいよ!」
とカヤは目を輝かせて丁度助手席側から見えるデリバリーピザの店を指差し出した


「え……」


男は一瞬目を大きくし、それから急に表情が曇った


「そいつの名前って…もしかして…黒沢…?」


「えッ?!!そーだけどッ?!何で?!何で知ってるの!?」


カヤは急に男に、見事あの人の名前を言い当てたられた事に驚きを見せた



「マジだ…俺のさっき話した元カノの今の男だわ…」

そんな事って…そんな偶然があるのかとカヤは、冷静になりきれない頭で必死で考えた



確かに…あの人はカヤの一歳上…男とその元彼女の二歳下になるあの人の彼女はあの人の二歳上だと言っていた男の口からも元彼女の2コ下だと聞いた


まず年齢は一致した

No.45 08/11/14 11:43
ちゃら ( 3bHK )

>> 44 ギター…



高校の軽音部には所属していなかったが、確かに毎日ケースを肩に掛け登下校していた…


楽器に詳しくないカヤにはそれがギターなのかベースなのかは分からなかったが




。あの人が学校をサボらず最後までいる時も決まって、一目散に誰よりも早く教室を出て行っていたので、きっと学校外で音楽をやっている人なんだな…となんとなく思ってはいたが…



アレはベースではなく、ギターだったのか…




そしてバイト先の一致



名字の一致






この辺で「黒沢」は珍しい…

No.46 08/11/14 11:51
ちゃら ( 3bHK )

男の通っていた高校は、男の実家の近くだが、カヤの町からもギリギリ学区内



元彼女がカヤと同じ市から通っていた可能性は充分ある…





それにしても世間は狭すぎる…


こんな偶然って…





カヤの好きだったあの人の彼女は、かつて男の大切な人だったのかと思うと、カヤはなんとも苦々しい気持ちになった

No.47 08/11/14 11:55
ちゃら ( 3bHK )

>> 46 長い沈黙の後、いつの間にか車は、さっきとは反対方向のカヤの住む町の二つ隣りの高台にある公園へ来ていた



「トイレ平気?」



男は元気に努めてカヤに問い掛けた

No.48 08/11/14 15:35
ちゃら ( 3bHK )

>> 47 「ううん、大丈夫ありがとう

オニイサン行ってくれば?」


「ぢゃあ、行ってくる
待ってて」




男が車を出ていくと


「ふぅ…」



カヤは深いため息をついた。



男の気持ちを想像する事を辞めた。


きっとそんな事を男は望んでないだろう…と思ったからだ。



男が暖いコーヒーを持ってを帰ってきた


「さっきのもぅ無いでしょ!
飲んで…

あッ!コーヒーで良かった?!」



「コーヒー好きです」


今度はカヤが元気よく応えた。



それから車を止めたまま、またお互いの話をした。


学生時代どんな風に過ごしたか、こんな友達がいた…など他愛もない話しが凄く楽しくて、カヤは自分が話すのも男の話を聞くのもワクワクした。



また男もカヤと同じ様に見え、それが嬉しくてまた楽しくなった






しばらくするとカヤはまたトイレに行きたくなった。


コーヒーがきいてしまった様だ

No.49 08/11/14 15:56
ちゃら ( 3bHK )

>> 48 「どぅしよ…、今頃になってトイレ行きたくなっちゃった!

さっきオニイサンと一緒に行っておけば良かったよ」



「また付いてった方がイイか?」



つい先程の記憶が蘇り、カヤはまた恥ずかしくなってしまった


でもやっぱり怖いなぁ…



取り合えず男に付いてきてもらったがトイレを見ると前の公園のものより綺麗では無かったがスペースも狭く、照明が行き届いているのでカヤは安心した


「大丈夫みたい!でも
ココで待っててくれるかな?」


と女子トイレの外の入口で待ってて欲しいとお願いした

No.50 08/11/14 21:04
ちゃら ( 3bHK )

>> 49 カヤが用を足して男の元へ行く

「おかえり。
ちょっと歩く?
アッ!でもさみーよね!」



「ううん、全然平気!
歩こうよ!」



少し歩く遊具のある広場があった



「ブランコやりたい!!」










カヤは子供の頃に戻った様にはしゃいだ

No.51 08/11/14 21:31
ちゃら ( 3bHK )

>> 50 夢中で遊具から遊具へと走っては移動しながら、一通り遊び終えても上がったテンションが下がる事はなく、本当に童心に返ってしまった様にさえ見えた…




カヤのテンションは車に戻っても、直も下がらず、しりとりゲームやあっちむいてホイををせがんでは男に付き合わせた





男は嫌な顔ひとつせず、笑いながら全てカヤに付き合ってくれた。




「ぢゃあ、次何やろっか!」




「指相撲やろうぜ!

ハンデとしてカヤは指二本使っていーよ!」



初めて男がゲームの提案をしてくれたので更にカヤを楽しい気持ちにさせ、テンションは下がるどころか益々上がってゆく…
ここまで上がるとまるで酒にでも酔っているかの様にさえ見えた


「よーしッ!

絶対負けないからッ!!」

No.52 08/11/14 21:58
ちゃら ( 3bHK )

>> 51 二人は指を組んで見つめ合い、再び視線を指に落とした



「レディーッ!ゴーッッ!!」



カヤが勢いよく叫んだ




カヤは必死になって親指とハンデで貰った人差し指を使った。

しかし捕らえ切れず男の親指がカヤの親指を抑えこんだ

中指で必死に抵抗する
「1…」



男はゆっくりカウントをしてくれたがあっさりカヤは負けてしまった



「悔しいッ!!
でも今ので少し掴めたかも!

もぅ一回やろ!
次は絶対負けないんだから!」


再び二人は指を組んだ

No.53 08/11/14 22:06
ちゃら ( 3bHK )

>> 52 「レディーッ!ゴーッッ!!」




カヤが叫んだその瞬間



男はカヤと指を組んだまま腕を思い切り引いた



男と向き合い、前のめりに体制を取っていたカヤは男の胸の中にいた。


カヤが驚き、男の顔を見上げると、男はカヤの唇に自分の唇を重ねた…

No.54 08/11/14 22:21
ちゃら ( 3bHK )

>> 53 カヤはパニックのあまり動けなくなってしまった
頭の中で事の状況が掴めない




男の唇が離れた…




男はカヤの顔を覗き込む…

目と目が合う…

男は
「本当に子供に戻っちまったのかと思った…」





そして「ゴメンなさい…」と言いながら目をパチパチさせるカヤに再び唇を重ねた




ぼう然となり半開きになったままのカヤの口に男は舌をねじこんだ

No.55 08/11/14 23:21
ちゃら ( 3bHK )

>> 54 どの位時間が経ったであろう…
身動きが取れないままカヤの頭は次第に自分の口の中で激しく動く生暖かい物の正体が何なのかをやっと掴んだその瞬間


「ゴクッ」


カヤの喉が鳴った

すると男は、びくっと止まり、カヤの口から舌を抜き、唇を離した




一瞬だけカヤを見つめ強く抱き締めた



「ゴメン…
俺…」



それっきり男は言葉を失い、変わりに更に強くカヤを抱き締めた




男の鼓動がカヤの体に伝わってくる

No.56 08/11/14 23:30
ちゃら ( 3bHK )

>> 55 カヤは体を預けたまま男の鼓動と体温を感じていた。



言葉は出ない




現実を受入れるのでやっとだったが、思考が止まってしまったかの様にそれ以上は何も考えられなかった



少し力を緩めた男はカヤを抱いたまま、優しく頭をなで続けた

No.57 08/11/15 07:24
ちゃら ( 3bHK )

>> 56 ドキドキしていたが、しばらくすると落ち着きを取り戻し、男の体温と頭を撫でるリズムにカヤは次第に心地良くさえなってきた。




「外明るくなってきた」



男が口を開いた。



そういえば、視界が明るくなったなと思い、カヤは体を起こし、運転席に傾いた体を助手席の方に戻し、窓の外を見た




カヤはまだ明るくなり切れない青白いその景色を綺麗だとぼんやり思った

No.58 08/11/15 08:42
ちゃら ( 3bHK )

>> 57 窓を少し開け、二人はタバコを吸った。

冷たい風がカヤの頬を撫でるのが気持ち良かった。




カヤは考えていた

確かに自分がどぅしてあんなにはしゃいだのか分からない…。


幼少の頃でさえ真剣になって遊びに夢中になり、心から楽しんだ事なんかあったっけ…



ドコかいつも暗い、寂しい気持ちが隣り合わせにいて、それが自然と楽しむ気持ちにセーブを掛けてしまった様な気がする。




カヤはそんな事を回想していると、先程とはうって変わって重たい気持ちになっていった。


こんな時、いつもカヤはよく眠くなる。


寂しい事や辛い事を考えたり、思い出すのを頭が拒否するかの様に…現実から逃避するかの様に…次第に瞼が重くなる…

No.59 08/11/15 08:50
ちゃら ( 3bHK )

>> 58 そんな様子に男が気付いた



「カヤ眠いの?」





「うん…少し…」




この男にだと何故だか気を使わず、素直に自分の感情が出せるな
…カヤはそんな事を虚ろながらにに感じていた。


「寝に行くか」





男は窓を閉め、車を出した。

No.60 08/11/15 09:17
ちゃら ( 3bHK )

>> 59 「カヤ!カヤ!」


男がカヤの肩を優しく叩く。



カヤはあのまま眠りに落ちてしまった様だ




見渡すと車一台分しか入れない車庫の様な所だった。



目の前には、現実離れした様な生活感の無い綺麗な部屋の写真に、大きく「302」と番号が書かれていた。



前付き合ってた男と何度か行った事のあるカヤには、ココがラブホテルの駐車場なんだという事がすぐにわかった。




しかしカヤは、はしゃぎ疲れたのか少し眠ってしまった事で、更に眠りたいと睡眠への欲求が増していた。



そして、あのキスでカヤよりショックを受けていた男を思い出すと何となく安心したのと、カヤの中でも男とのキスが嫌なものぢゃなかったんだなと感じ、一晩中付き合わせてしまった男にも寝かせてやりたいと



促されるままホテルへと入った。

No.61 08/11/15 14:30
ちゃら ( 3bHK )

>> 60 二人は部屋に入った。
部屋はカヤの想像と、今まで前の彼氏と行っていた所より随分広くて驚いた

それなのに全く暖房がきいていない



「エアコン代ケチッてんな~」


男がエアコンにリモコンを向け暖房を付けた


「エコなんだよ!」


とカヤは笑ったが、それにしても確かに寒い…。


「コレぢゃ寝れねーな!風呂入った方がイイかも」


男は風呂場へ向かった。



こんな所に昨夜会ったばかりの男といるのに、全く緊張していない事。それどころかこんなに寒くても早く寝たいと思っている自分の神経の図太さを考えたら、なんだか少しおかしくなってきた

No.62 08/11/15 14:49
ちゃら ( 3bHK )

>> 61 「腹減ったな~」


男が冷蔵庫を開けた


「カヤもなんか食えよ!たいしたモンないけど入れておいた方がよくね?」



カヤも冷蔵庫を覗き込んだ。


冷凍庫にはピラフやたこやきなど冷凍食品が入っていた



「ん~、いいや、そのお茶だけ欲しい」



「マジで!?
食べたい物無かった?
コンビニ寄ってくりゃ良かったな~」



「違う!違う!
今そんなに食べたくないな~と思って」


本当にお腹が空いていないだけなのに、余計に男の気遣いに申し訳なく思った。



男はペットボトルのお茶をカヤに渡し、自分様にスポーツ飲料とピラフを取り出した。



備え付けのレンジでピラフを温めた。


「私、お風呂見てくるね!」



カヤは風呂場に入った。

No.63 08/11/15 18:55
ちゃら ( 3bHK )

>> 62 お湯を止め、男の所へ戻る


「お湯溜まったみたい」




「ぢゃあ、カヤ先入っちゃえば?

俺コレ食うから後にするわ」









温くて、気持ちいい。


どっと疲れが出た気がして早く眠りにつきたいがまだこうして、独りで浸かっていたい気持ちにもなった。



しかし男も早く入れてやらねばと思い、手早く風呂を出た。



備え付けのガウンを着るのがなんだか恥ずかしくて、カヤは着ていた服をまた着る事にした




「ありがとう
お先にいただいちゃってゴメンね…」



「おう!ぢゃあ俺も入ってくるわ!

ってカヤその格好で寝れるの?


ガウン無かった?」



「あったケド寒いから、コレで平気」

No.64 08/11/15 19:18
ちゃら ( 3bHK )

>> 63 ココはどこだろ…




視界に入ったものは見慣れない壁に天井…

しかし絶対に見た事がある…



カヤは体を起こしてやっと思い出した。



あのまますぐ寝てしまったみたいだ。



男がソファで寝ていた。


自分が先にベットを使ってしまったからだ…
カヤは申し訳なくなって、自分の身勝手さに自己嫌悪した


そして気付かれないように男にそっと毛布を掛けた。



しばらくぼーっとしていたら、自分が凄く汗をかいているのに気が付いた

エアコンの温度を下げ、もう一度風呂に入り直そうと度風呂に湯を張りに行った。

No.65 08/11/15 19:38
ちゃら ( 3bHK )

>> 64 カヤは汗で濡れた下着を洗った


渇くかな…


と悩んだがそれでもそのままの下着を付けるのが気持ち悪くて洗面台のタオル掛けに、下着を干してから風呂に入った




体を洗い、

今度はゆっくり入ろう…




湯船に浸かりながら色んな事を考えた。



家族はどぅしているだろう…




!!







その瞬間、カヤは頭がポーッとなっている事に気が付いた




まずいと思いなんとか浴槽から出て、這って洗面台に出た。



立てない…


洋服は着れそうになかったので仕方なくガウンを巻いてそのまま這って外に出た。




「大丈夫?!」



いつの間にか起きていた男が心配そうにカヤの元へ飛んできた

No.66 08/11/15 19:45
ちゃら ( 3bHK )

>> 65 「平気…

ちょっと…
のぼせちゃったみたい…」

息切れ切れにカヤが言うと男は抱き抱えてベットまで運んでくれた


ベットまで来た男がカヤを下ろそうとした時、カヤの着ていたガウンが崩れ、右の乳房が露になった

No.67 08/11/15 20:05
ちゃら ( 3bHK )

>> 66 ベットに置かれたカヤは慌ててガウンで乳房を隠す


死ぬ程恥ずかしくて泣きそうになった





男はカヤの髪をなで優しく唇を重ねた



そしてガウンの胸元を必死で掴んでいるカヤの手を優しく解き、隠したばかりの乳房を再び出した。




そして唇にしたのと同じ位優しい力でカヤの乳首をそっと口に含んだ

No.68 08/11/15 20:18
ちゃら ( 3bHK )

>> 67 湯あたりで火照った体に男の口は冷たく感じ、それが余計に刺激を刺す。


男の冷たい口の中でカヤの乳首は弄ばれ、体に電流が走ったみたいにビクビクする


「…

んんッ…
…ん…ッ」


堪え切れず息が荒くなり言葉にならない声を必死に押さえようとカヤは強く唇をかんだ



男の唇は優しくカヤの乳首を上下する。



唇を離し、今度は更に優しく指で弾かれ


もぅ片方の乳房も露にされた

No.69 08/11/15 20:30
ちゃら ( 3bHK )

>> 68 男は右の乳房をコリコリと指先で弄びながら、今度は左の乳首を口に含む



両方の乳首に違う刺激を与えられ、更にビクッビクッとしてしまう自分が恥ずかしくなった



のぼせていたはずのカヤの体に全身鳥肌がたつ




チュパッ…

男は一度カヤの左乳首から唇を離し


「カヤ…力抜いて…」


「…ヤダ…ッ
恥ずかしいよ…ッ」





カヤは男に声を掛けられた事でもっと恥ずかしく、惨めな気持ちになった

No.70 08/11/15 20:41
ちゃら ( 3bHK )

>> 69 男は

「可愛い…」



と言ってまた唇を重ねた。


優しかったその舌は次第に深く激しくカヤの口の中を掻き回した



激しくなるキスと共に今度は胸全体も激しく揉みしだかれカヤは息苦しくなっていた



「声出してごらん、楽になるよ…」


必死に堪えていたがカヤはとうとう小さな声を出し始めた

No.71 08/11/15 20:52
ちゃら ( 3bHK )

>> 70 「…んッ
…んッ

あんッ…」



今まで出した事もない切ない声が自然と出てしまう…


男はカヤの首筋のあちらこちらに優しく唇を這わせる…




更に乳房は優しく時には強く愛撫され続ける



「ぅん…ッ


んッ…



んんッ…」


だんだん大きくなっていくいやらしい自分の声がカヤを更に興奮させた

No.72 08/11/16 01:27
ちゃら ( 3bHK )

>> 71 カヤは自分が「不感症」というものだと思っていた



以前付き合ってたあの男とは最後までは行ってはいなくても、これ位の事はしていた。




ある日、自分より経験のある美也子に
自分の体を触られる時はどんな感じか聞いてみた


「え!?

…くすぐったいに近いケド、それを超えて気持ちイイとかぢゃん?
電流が走るみたいな」



「…私気持ち良くないんだ…

確かにくすぐったいとかはあるケド


それを通り越すと嫌になってくるの


あ~、早く止めてくれないかな~とか考えちゃう」



「マジで?!

それはさぁ…

男がよっぽど下手か


カヤが不感症か


カヤに全く気持ちが入っていないか


どれかだと思うよ」




そぅ言われ、確かに今思えば気持ちは入っていなかったのかもしれないが、それだけでそんなに変わるものなのか?


上手い下手は比べる対象がいないから分からなかったが、皆同じ様な事をして、美也子の言う「よっぽど」の中には一体どれくらいの人が入るんだろう…


カヤの中で、一番可能性が高いのは自分が「不感症」というものなんだろうという答が出た

No.73 08/11/16 01:56
ちゃら ( 3bHK )

>> 72 なのに今のカヤは今まで感じた事のない快感で溢れている。


「電流が走るみたい」
なるほど美也子の言う通りだ



と後でカヤは思う事になる





しばらく男から胸や首筋への愛撫を受け続け


長く深いキスをすると


「俺、嫌われちゃうな」


と男が言った




カヤは何て言ったらいいか分からず、ただ男の目を見つめ返すだけだった。


「もぅ少し寝ようか」
男はまた優しくカヤの髪を撫でる



カヤは男が布団に入れるスペースをあけてみせた



「イイの❓」



男が聞く
「さっきはソファで寝かせちゃってゴメンね…」


カヤは本当にすまなそうに、心から謝った



男はカヤを腕枕し、二人はしばらく眠りに落ちた

No.74 08/11/16 02:13
ちゃら ( 3bHK )

>> 73 午後6時、二人はホテルを後にした




「そーいえばカヤ、なんにも食ってないぢゃん!

俺も腹減ったし何か食い行くか!」



確かにカヤは昨夜男と出会ったばかりの時におでんを少し食べてから何も食べていない

No.75 08/11/16 10:34
ちゃら ( 3bHK )

>> 74 ご飯を食べに行ってからカラオケに行った



男の歌声にカヤは驚いた

「本当にギターだったの?


ボーカルぢゃなくて??」







男は、東京で組んでたバンドで唯一、今も仲いい友達でいるのがボーカル担当の人だと言った




「アイツに比べたら俺なんて全然たいした事ないよ!

でも嬉しいわぁ」



男は照れくさそうに笑った

No.76 08/11/16 10:44
ちゃら ( 3bHK )

>> 75 車に戻るとすぐに、男の携帯が鳴った




カヤと出会ってからそれまでにも頻繁にメールがきていた様だが、男は返したり、返さなかったりしていた





出る気のなさそうな男にカヤは


「出てあげて!

私に気を遣わなくていいから。


何か急用かもしれないよ!」



男は携帯に出た




「もしもし…」





カヤはなるべく聞かない様にした


それが「出てあげて!」と言ったカヤなりの配慮だったが…

どうやら相手は女の子の様だ



聞くつもりは無いので会話に意識はしていないが、時折女性の高い笑い声が漏れてくる

No.77 08/11/16 10:51
ちゃら ( 3bHK )

>> 76 男の新しい彼女かもしれないな…




元彼女の事を引きずっているとは言っていたが、だからといって現在彼女がいないとも聞いていない…男の事を好きな女友達かもしれない…




カヤは外の景色を見ながらぼんやり、しかし冷静に考えていた





そこには何の感情も無かった。



ただ、彼女がいるとしたら、先程してしまった事は良くなかったな…となんだか後ろめたい気持ちにはなっていた…




10分くらいして男は電話を切った

No.78 08/11/16 11:03
ちゃら ( 3bHK )

>> 77 「お待たせ!ゴメンね!」



男は言いながら車を発進させた




「全然だよ


こっちこそゴメンね…」




「なんでカヤが謝るの?」








「ううん、何か気を遣わせちゃったかなーと思って」

No.79 08/11/16 14:40
ちゃら ( 3bHK )

>> 78 「気なんか使ってねーし


毎日連絡来る友達だから本当は出なくても良かったケド、逆にカヤに気ィ遣わせると思ったんだけど






友達が本当かどうかはわからないが、毎日連絡をよこすなら、その人はきっと男の事が好きなんだろうな~と感じた。


それまで来ていたメールの殆どもその人からなんだろうがそれ以上突っ込む権利も気もカヤにはないな…と思った


本当はもっと長く話したいのかもしれない…

男とカヤが一緒にいる事で、顔も知らないその人の大切な時間を自分が奪っているんぢゃないかと、複雑な気持ちになった

No.80 08/11/16 16:54
ちゃら ( 3bHK )

>> 79 この田舎では深夜になるとコンビニとファミレスくらいしか店が開いていない


人が眠れば町も眠る。

いや
町が眠るから人も眠るのかもしれない


二人はまた目的のないドライブをしていた

No.81 08/11/16 22:33
ちゃら ( 3bHK )

>> 80 しかし二人は退屈する事なく、再びお互いの話をした。


好きな音楽の話、タイプな異性の話、好きな食べ物の話…


会ったばかりの二人はお互いの事をまだまだ知らない。



しかし、昨日よりも、一時間前よりも確実にお互いを知ってゆく…

短い間にも二人の始まった歴史は進んでいっている。





「カヤは18になったら車の免許取るの?」




「正直、私センスないと思うんだ…

でもここは車ないと不便だから、いつかは取らなきゃいけないと思う」




「ぢゃあ、この車で練習する?」



「えーッ?!絶対無理だよッ!!
ぶつけちゃったらどうするのッ!?

怖いよー!」



「大丈夫、俺も一緒に運転するから」

No.82 08/11/16 22:56
ちゃら ( 3bHK )

>> 81 昨日、最初に来た公園の駐車場にきた。



ここは市営のかなり大型な公園で、入口も色んな所から沢山付いているので駐車場の数もまたそれに同じだ


しかも、その駐車場ひとつひとつもかなり大きい

カヤたちが来た所は一番寂しい場所に付いている駐車場で、隅に一台車が止まっているだけで、その車に人が乗っている気配はない。



この車は昨日もココに止まっていたな…とカヤは思った




「駐車場貸し切りだな

こんだけ広けりゃ大丈夫っしょ」




男は自信満々に言った

No.83 08/11/17 00:04
ちゃら ( 3bHK )

>> 82 「運転席に来て」





『バタンッ』



カヤは助手席から出て運転席に回る。



男が運転席の扉を中から開ける



「ココ、乗って」




男はシートに深く座り自分の前の僅かなスペースをポンポンと叩いた




二人羽織りの状態で男の前にカヤが座った



カヤがハンドルを持つと男もカヤの置いた手の上の部分のハンドルを握った







いくら男がハンドルを握っているからと思ってもやはりカヤは怖かった。


アクセルとブレーキは男が操作すると言う



かなりの徐行で車は進んだが、ハンドルは殆どカヤの操作に任せているのがわかった


男の手に力が入っていないのがハンドルをとうしてわかったからだ


車はフラフラと安定していない



フラフラするのが大きくなると、男がハンドルを修正する



それを数分くり返して、やっと元の場所に戻った。




カヤの手の平はグッショリと汗で濡れていた

No.84 08/11/17 00:14
ちゃら ( 3bHK )

>> 83 「もぅ一周する?」



男が聞く



「うん!やってみる!」





さっきより少しだけ安定している。


曲がる時にはやはり男に手伝って貰わなければいけないが…




自分が車を運転していると思うと少し大人になった気がして楽しかった



さっきより少し早く元の位置に戻れた気がした



「もぅ一回行く?」


再び男が聞く




「ううん、かなり緊張して疲れちゃったみたい

でも面白かったー!」


カヤは目をキラキラさせて男の方へ振り返った

No.85 08/11/17 00:25
ちゃら ( 3bHK )

>> 84 「ぢゃあ、このまま車入れちゃうからちょっとガマンしてて」



男は駐車場の一台分スペースに慣れた手つきで、綺麗に入れた。






ギアを🅿にし最後にサイドブレーキを掛け

「お疲れ様」


と男が言う


「お疲れサマ!
ありがとう!」



カヤが再び男の方へ振り返りながら言うと



男はカヤに唇を重ねた

No.86 08/11/17 00:43
ちゃら ( 3bHK )

>> 85 カヤは抵抗しない



そのまま男に唇を預けた




舌が優しく入ってくる


それはだんだんと激しくなり、今度は掻き回し、舌を絡めてくる



男の息遣いが荒くなり、男はそのままシートを倒した



洋服の上からカヤの胸を触り、更に息遣いが荒くなっていく…


そのまま体勢を変え、カヤを下にすると、着ていたブルーのニットをまくし上げ、胸元に顔を埋め唇を這わせる




ブラをずらし両方の乳房を露にし
また唇を重ね、乳首だけを優しく手の平で撫で始めた

No.87 08/11/17 00:54
ちゃら ( 3bHK )

>> 86 カヤの身体に電流が走り、ビクンビクンとしてしまう




カヤの息遣いも荒くなり、手の平で乳首を転がされるほど固くなっていくのがわかる



やがて耐え切れず、小さな声で喘ぎ始めた…



「カヤって、細いのにおっぱいはこんなに大きいんだね…」



男が耳元で囁くとカヤの喘ぎ声は恥ずかしい男の言葉をかき消す様に大きくなった

No.88 08/11/17 01:39
ちゃら ( 3bHK )

>> 87 「…カヤ…

舌出してごらん…」



男はカヤの顔を覗き込みながら優しく言った



「…やだよ…

恥ずかしいよ…」



カヤは恥ずかしくなり、うつむきながら泣きそうな目で男を見上げた



「…いいから出してみ」




カヤが遠慮がちに舌をす


「もっと」



男は更に優しくなだめる様に言った



カヤが更に舌を出すと

「…可愛い…


イイ子だね…」



とカヤの出した舌を口に含み出し入れしながら乳房全体をつよく揉みしだいた

No.89 08/11/17 02:05
ちゃら ( 3bHK )

>> 88 片方の乳首を子犬がミルクを舐める様にチロチロと舐め上げ、もう片方の乳首は親指と中指でつままれ、人差し指で優しく撫でられる



長い時間この行為だけが繰り返され、カヤは狂った様に感じていた


頭がおかしくなりそうだ




「小さい乳首がこんなに固くなっちゃったね…」




一旦口から乳首を離し、唾液にまみれた乳首と、指で弄んでいる乳首を交互に見ながら男は言い、また乳首を咥えると今度は優しく噛み始めた

そして片方の乳首は相変わらず親指と中指で固定されたまま今度は爪先でクルクルと円を描いた




「…あんッ
…あんッ


ンッ…

ンッ…」

男のいやらしい言葉に刺激され、乳首のに与える刺激を変えられ、カヤの声はかなりの大きさになっていた

  • << 92 男はカヤの上半身の全てを時間を掛け愛撫した。 カヤは今まで感じた事のない、あまりの快感にその先を期待してしまったが男は満足したのか、冷静を取り戻しとどまったのか、カヤの付けていたブラや洋服をすっかり直してしまった カヤの中で燻っている物を押さえ切れそうになく、男がいきなり止めてしまった事になんだか悲しくなってきてしまった 男はまた優しくキスをすると 「明るくなってきちゃったよ…」 見渡すと冬の朝が白々と光っている いつの間にかうっすら雪が降っていた様だ

No.91 08/11/22 17:11
ちゃら ( 3bHK )

>> 90 なみえさん、ありがとうございます☺


風邪をこじらせてしまいましたがまたコツコツ書かせて頂きますねo(^-^)o




見てくれてる方がいたなんてビックリしましたが凄く嬉しかったです🎵✨



また、私の書いているつたない文や、生々しい表現で気分を害された方もいらっしゃるかと思いますが、こちらで重ねてお詫びさせて頂きます✏



ちゃら

No.92 08/11/22 17:27
ちゃら ( 3bHK )

>> 89 片方の乳首を子犬がミルクを舐める様にチロチロと舐め上げ、もう片方の乳首は親指と中指でつままれ、人差し指で優しく撫でられる 長い時間この… 男はカヤの上半身の全てを時間を掛け愛撫した。



カヤは今まで感じた事のない、あまりの快感にその先を期待してしまったが男は満足したのか、冷静を取り戻しとどまったのか、カヤの付けていたブラや洋服をすっかり直してしまった




カヤの中で燻っている物を押さえ切れそうになく、男がいきなり止めてしまった事になんだか悲しくなってきてしまった



男はまた優しくキスをすると

「明るくなってきちゃったよ…」




見渡すと冬の朝が白々と光っている



いつの間にかうっすら雪が降っていた様だ

No.93 08/11/22 17:39
ちゃら ( 3bHK )

>> 92 カヤが助手席に戻ると、二人でタバコを吸った。




自分が感じた…


それもとてつもなく…



カヤは自分が少し大人になった気がして、朝の始まりを見ながら、なんだか自分の新しい始まりの様だと思った。





男がタバコを消すと



「じゃあ、今日も寝に行くか!」



と車をホテル街へと走らせた

  • << 95 途中、コンビニに寄ってお弁当とお菓子や飲み物を買った 静かな田舎には似つかわしくないきらびやかなネオンは、朝だというのにギラギラしていて、のどかな風景の中にあるそれは一種異様な感じがする たった4、5件が立ち並んでいるだけなのに、明らかに怪しい存在感を出していて、近寄りがたい雰囲気だ 「どっか入ってみたいトコある?」 男が聞いた 「ううん、よくわかんないから決めて」 男は昨日とは違う大きな一番大きなホテルを選んだ 「ここなら部屋もいっぱいありそうだから、部屋はカヤの好きなとこに決めな」 昨日と同じで、田舎のホテルはだいたい駐車場に部屋の写真が貼ってあり、そこから直で部屋に行ける扉が付いている。 駐車場に貼ってある部屋の写真を車内から覗きながらグルグルと回った。 カヤは大役を任された感じがして、慎重にパネルをじっくり見ていた 「ココにしよ!」 可愛いキャラクターがあちらこちらに付いている部屋や、いかにもなムードがありありとしている部屋などあまりにも現実離れした部屋は、なんだか恥ずかしくて、カヤは避けたかった。

No.95 08/11/22 22:25
ちゃら ( 3bHK )

>> 93 カヤが助手席に戻ると、二人でタバコを吸った。 自分が感じた… それもとてつもなく… カヤは自分が少し大人になった気がして、… 途中、コンビニに寄ってお弁当とお菓子や飲み物を買った



静かな田舎には似つかわしくないきらびやかなネオンは、朝だというのにギラギラしていて、のどかな風景の中にあるそれは一種異様な感じがする

たった4、5件が立ち並んでいるだけなのに、明らかに怪しい存在感を出していて、近寄りがたい雰囲気だ


「どっか入ってみたいトコある?」



男が聞いた



「ううん、よくわかんないから決めて」




男は昨日とは違う大きな一番大きなホテルを選んだ



「ここなら部屋もいっぱいありそうだから、部屋はカヤの好きなとこに決めな」



昨日と同じで、田舎のホテルはだいたい駐車場に部屋の写真が貼ってあり、そこから直で部屋に行ける扉が付いている。



駐車場に貼ってある部屋の写真を車内から覗きながらグルグルと回った。



カヤは大役を任された感じがして、慎重にパネルをじっくり見ていた




「ココにしよ!」



可愛いキャラクターがあちらこちらに付いている部屋や、いかにもなムードがありありとしている部屋などあまりにも現実離れした部屋は、なんだか恥ずかしくて、カヤは避けたかった。

  • << 97 選んだのは明るい感じのシンプルな部屋だった 二人で買ってきた弁当を食べ終わると 「風呂入れてくるね」 男がまた風呂を入れに行こうと立ったのでカヤは慌てて 「今度は私が入れてくるよ!」 男を座らせ湯を張りにバスルームへ向かった。 洗面台に入浴剤が二袋あったのを見付け、湯を少し溜めて一袋を入れてみた みるみる内に湯がショッキングピンクの色に染まり、それが凄くいやらしく感じ、カヤはすぐに後悔した 「凄い色だな」 カヤがビクッとなり振り返るといつの間にか、男が入口からバスタブを覗いていた 「入浴剤があったから、嬉しくなって入れてみたんだけど… こんな変な色になるなんて知らなくて!」 カヤは慌てて、まるで弁解でもする様な口調で言った 「アハハ いいぢゃん!そんな風呂入った事ないからちょっと楽しみかも」

No.96 08/11/22 23:07
ちゃら ( 3bHK )

>> 94 💨一気読みしてしまいました。 小雪さん、ありがとうございます☺




自己満足で書き始めたのですが、目を通して頂けたなんて凄く嬉しいです🍀



下手な文章で、自分で読み返しても読みづらいのに、始めから読むのは大変だったと思います💦



貴重なお時間を頂き、ありがとうございますm(_ _)m


レス、嬉しかったです🎵✨

No.97 08/11/23 00:25
ちゃら ( 3bHK )

>> 95 途中、コンビニに寄ってお弁当とお菓子や飲み物を買った 静かな田舎には似つかわしくないきらびやかなネオンは、朝だというのにギラギラしてい… 選んだのは明るい感じのシンプルな部屋だった



二人で買ってきた弁当を食べ終わると


「風呂入れてくるね」



男がまた風呂を入れに行こうと立ったのでカヤは慌てて



「今度は私が入れてくるよ!」



男を座らせ湯を張りにバスルームへ向かった。



洗面台に入浴剤が二袋あったのを見付け、湯を少し溜めて一袋を入れてみた



みるみる内に湯がショッキングピンクの色に染まり、それが凄くいやらしく感じ、カヤはすぐに後悔した




「凄い色だな」




カヤがビクッとなり振り返るといつの間にか、男が入口からバスタブを覗いていた





「入浴剤があったから、嬉しくなって入れてみたんだけど…
こんな変な色になるなんて知らなくて!」




カヤは慌てて、まるで弁解でもする様な口調で言った




「アハハ
いいぢゃん!そんな風呂入った事ないからちょっと楽しみかも」

No.98 08/11/23 09:08
ちゃら ( 3bHK )

>> 97 テレビを見ながら湯が溜まるのを待った。



しばらくしてカヤが風呂を見に行く
やっぱり変な色をしていたが、男のさっきの一言でカヤはすっかり救われていた



「溜まったよ!昨日、先頂いちゃったから今日はオニイサン先に入りなよ!」




「一緒に入る?
あの風呂に」



男はわざとイタズラな笑みを浮かべカヤに言う





「入るワケないぢゃん!
いいから先入りなよ!!」




カヤはその一言に恥ずかしくなりムキになってしまった事にまた恥ずかしくなった



「ぢゃあ、行って来るね」


そんなカヤを楽しそうに見ながら男はバスルームへと入って行った

No.99 08/11/23 23:54
ちゃら ( 3bHK )

>> 98 男が出るとカヤも早速入った。


昨日は嫌に恥ずかしく感じたバスローブも、今日は何の躊躇いもなく着た



風呂に入っている時、既に眠気はピークになっていた



部屋に戻ると既に電気は消され男は先に寝ていた


カヤも布団に入り、男の横で静かに目を閉じる




その瞬間、後ろから急に強く抱き締められた

「キャッ!!!」



カヤはあまりの驚きで小さい悲鳴をあげた



カヤの首筋に何度も唇が這っている。
バスローブに手を滑り込ませ左の乳房を強く揉み始めた



眠気ですっかり消えて無くなったと思っていたが、カヤの中で燻っていた物が目をさます。



それをずっと待っていたかの様に瞬時に乳首が反応する


みるみるカチカチになっていくカヤの乳首を楽しむかの様に、男の指は同じ動作だけを繰り返し執拗に動き続ける



「んん…ッ!!
はぁ…

ん」



まだ声になり切らない切ないため息がカヤの口から甘く漏れ始める

  • << 102 男はバスローブの上半身を脱がし、後ろから唇や舌を這わす あちらこちらに行き交うそれに、カヤはその度何度もビクンと反応してしまう 同時に乳房に受けている刺激により一層カヤの背中はのけぞった 「あん… アン…ッ」 漏らす声は遠慮がちだが、ガマンする事などもはや出来ない 「可愛い声で鳴くんだね…」 その言葉のいやらしさにカヤはおもいきり感じて声はどんどん大きくなる 「今ので感じたの?」 男の意地悪な言葉が続く 男は手は乳房から腹へと… ゆらゆらと這いカヤのあの部分へそっと指を当てた

No.101 08/11/26 03:46
ちゃら ( 3bHK )

>> 100 あやごんさん✨レスありがとうございます☺

読んで頂けて嬉し恥かしです😳💕


励ましのお言葉まで頂き、重ね重ねありがとうございます🍀


これからも読んで頂ける様、頑張りますね✏





ちゃら

No.102 08/11/26 16:40
ちゃら ( 3bHK )

>> 99 男が出るとカヤも早速入った。 昨日は嫌に恥ずかしく感じたバスローブも、今日は何の躊躇いもなく着た 風呂に入っている時、既に眠気はピ… 男はバスローブの上半身を脱がし、後ろから唇や舌を這わす


あちらこちらに行き交うそれに、カヤはその度何度もビクンと反応してしまう


同時に乳房に受けている刺激により一層カヤの背中はのけぞった




「あん…
アン…ッ」




漏らす声は遠慮がちだが、ガマンする事などもはや出来ない



「可愛い声で鳴くんだね…」




その言葉のいやらしさにカヤはおもいきり感じて声はどんどん大きくなる



「今ので感じたの?」



男の意地悪な言葉が続く



男は手は乳房から腹へと…
ゆらゆらと這いカヤのあの部分へそっと指を当てた

No.103 08/11/26 22:20
ちゃら ( 3bHK )

>> 102 カヤは自分の下を触られる経験がまだない

以前付き合っていた彼とは自分の上半身を許すまでであった


先程の車中では、まだ経験していない次をどこか期待していたのに、いざ触られると怖くなってしまい、とっさに男の手を掴んだ





「…イヤだった?」





後ろから男の声が優しく問う



さっきのあのいやらしい言葉を意地悪に言う男とはまるで別人の、いつもの優しい男の声だった


それを聞いたカヤは安心を取り戻したが、自分の後ろで自分の身体のあちこちを弄んでいる人間が、本当にあの男なのかを確かめる様に、男の手を掴んだまま、身体ごと振り返った

No.104 08/11/27 16:32
ちゃら ( 3bHK )

>> 103 薄暗い中、男の瞳は優しくカヤを見つめ返した…


そのまま向かい合い、抱き合い、唇を重ね


カヤの不安も迷いも溶けてなくなり、男もそれを察した様に


「嫌だったらちゃんと言ってね」


と再びカヤの秘部にそっと指を当てる


その指はゆっくりと上下に、なぞり、充分にカヤの蜜をすくい取ると小さく突起する部分をなで始めた



「…う…
ん……」



他のどの部分より強く流れる電流にカヤは身をよじる



男が更に乳首を咥えると、カヤの背中はビリビリと熱くなっていった


「あん…
あん…ッ
あんッ…!」



カヤの口からは今までよりずっと色を増した声がこぼれる



複雑に撫でていた指はやがて、落ち着きのある一定のリズムで単調な動きに変わり、それを繰り返す




同時に咥えた乳首に優しく歯をあて小刻みに舌を震わす

No.105 08/11/27 22:24
ちゃら ( 3bHK )

>> 104 しばらくその快楽に溺れていたカヤが急に

「止めて!!

なんか怖いッ!


自分がドコかへ飛んで行っちゃいそうなの!!」





息を荒くしたまま叫び懇願した


男はピタリと動きを止めた



「大丈夫、リラックスして




男の温かい眼差しと柔らかい声にカヤはまた安心し、男の胸に頭を預けた


男の指は先程と全く同じ動作で、しかしそれよりも更に丁寧に動き出した


カヤの中で、あの恐ろしく感じた波はすぐやってきた


「んんッ!
ン…ッ

アンッ!…
アン…ッ…!


あっ…

あっ…





頭のてっぺんから爪先まで電流が流れる様な感覚に陥ったすぐ後、カヤの頭の中は真っ白になった

  • << 107 息をきらしながらしばらくぼう然としていたカヤが、ようやく背中に自分の汗を感じると、男の顔を見上げた 「イッちゃったね」 男はカヤの髪を柔らかくなで、その心地よさにカヤはそのまま眠りについた

No.107 08/11/27 23:18
ちゃら ( 3bHK )

>> 105 しばらくその快楽に溺れていたカヤが急に 「止めて!! なんか怖いッ! 自分がドコかへ飛んで行っちゃいそうなの!!」 息を荒… 息をきらしながらしばらくぼう然としていたカヤが、ようやく背中に自分の汗を感じると、男の顔を見上げた




「イッちゃったね」



男はカヤの髪を柔らかくなで、その心地よさにカヤはそのまま眠りについた

  • << 109 再びカヤが目を覚まし、ふと時計を見るとホテルへ来てからまだ四時間しか経っていなかった 隣りにいる男は眠っている 身体は気怠いが頭はスッキリとし、先程の情事を思い出していた 昨日は生まれて初めて、愛撫の快感に目覚め、そしてつい先程、やはり生まれて初めてイクという経験を味わった。 たった二日で大人への階段を随分上ってしまった気分になった 乱れたガウンを直し、タバコに火を付ける 「…おいしい…」 今まで、気が向いた時だけなんとなく、真似事の様にタバコを吸っていたが、こんなに美味く感じた事などあったであろうか 美味いと感じた事もなく、いつでも止められると思っていたが、ニコチンが自分の中に浸透し、蓄積され、いよいよ支配し始めたかと思うと少し苦々しい気持ちになったが、一本目を吸い終わるとすぐ、二本目に火を付けた

No.108 08/11/27 23:40
ちゃら ( 3bHK )

>> 106 ☺ドキドキ💓 ポチさん、レスありがとうございます😊




目を通して頂いている方が少しでもいると思うと、毎回私の方がドキドキしちゃうんですよ😳💕



でもレス頂けると本当に嬉しくて、楽しく書かせて頂いております✏🎵



本当に感謝感謝です🍀🙇






これからも不定期ではありますが少しずつ更新させて頂きたく思いますm(_ _)m




ちゃら

No.109 08/11/28 15:36
ちゃら ( 3bHK )

>> 107 息をきらしながらしばらくぼう然としていたカヤが、ようやく背中に自分の汗を感じると、男の顔を見上げた 「イッちゃったね」 男はカ… 再びカヤが目を覚まし、ふと時計を見るとホテルへ来てからまだ四時間しか経っていなかった


隣りにいる男は眠っている


身体は気怠いが頭はスッキリとし、先程の情事を思い出していた



昨日は生まれて初めて、愛撫の快感に目覚め、そしてつい先程、やはり生まれて初めてイクという経験を味わった。

たった二日で大人への階段を随分上ってしまった気分になった



乱れたガウンを直し、タバコに火を付ける



「…おいしい…」



今まで、気が向いた時だけなんとなく、真似事の様にタバコを吸っていたが、こんなに美味く感じた事などあったであろうか



美味いと感じた事もなく、いつでも止められると思っていたが、ニコチンが自分の中に浸透し、蓄積され、いよいよ支配し始めたかと思うと少し苦々しい気持ちになったが、一本目を吸い終わるとすぐ、二本目に火を付けた

No.110 08/11/28 15:55
ちゃら ( 3bHK )

>> 109 「今日は随分吸いますねぇ」




ベットの方を振り返ると男が起きていた



「ごめん!
起こしちゃった?」


「いや、眠りが浅くて、寝たり起きたり繰り返してたから」


そう言って男も、カヤの座るソファの隣りへと腰を下ろし、自分のタバコを咥えた


「ハイ!」



カヤは自分のライターで男のタバコに火を付けた


男は「おッ!」とでも言う様な顔をし


「随分大人な事してくれるねぇ」


と笑いながら悪意のない皮肉を浮かべた



カヤは「だよね」と恥かしそうに肩をすくめて見せた



「可愛い」


男はタバコを持つ自分の手を遠ざけるとカヤにキスをした


舌を絡ませたが短いキスだった。


「タバコの味がするね」



お互いを見つめながら笑った

No.111 08/11/28 21:14
ちゃら ( 3bHK )

>> 110 「まだだいぶ時間あるから、今のうちもぅ少し寝とくか!」


二人は再びベッドに戻った



男が自然に腕を差し出したので、カヤも恥かしがらず素直に頭を預けた





「カヤって髪短いよね」


「ずっとショートなの。
ちっちゃい頃から

だから伸ばしたいって思っても途中でいつも嫌になっちゃって切っちゃうんだ

自力で肩より下まで伸ばした事ないよ



オニイサンは私より全然長いよね

やっぱりバンドマンだから?」



「ん~、最初は確かにバンドがきっかけだったケド、もぅ当たり前になり過ぎちゃって、だいたいいつもこんな感じ



女の子で髪伸ばした事ない子なんているんだな~」



「ん~、私の回りでも私くらいかも


ショートの子でも、前は長かったってのが殆どだよね



何で?

オニイサンは髪の長い子が好きなの?」

No.112 08/11/28 22:22
ちゃら ( 3bHK )

>> 111 「いや…別にそうじゃないんだけどさ…


髪短い子の裸、直に見たのって初めてだな~と思って」


男はチラリとカヤの顔を見て
カヤと目が合うとわざとらしくニヤリと笑ってみせた



「何ソレ?
どーゆー意味?」


カヤも負けずと、わざと気持ち悪い物を見るかの様な顔を作り聞いたが、男は気にも止めない様子で



「見慣れてないせいか
エロいな~と思って」



男はまたチラリとカヤを見てしてやったりな顔をした

  • << 115 カヤは顔から火が出る思いだった なんだか男が憎たらしく思えて、涙が出そうになった 何か言い返してやりたかったが、恥かしさで頭がカッとなり言葉が出てこない。 睨んで見せるのが精一杯だった そんなカヤの顔を見て男は「フッ」と噴出したが慌てて 「ごめんごめん カヤってちょっと苛めたくなっちゃうんだよね」 男はカヤの方へ向き直し、なだめる様な口調で言い、まるで子供をあやすかの様にカヤの頭をポンポンと叩いた そしてカヤを抱き締めると首筋に何度もキスをした

No.114 08/11/30 11:56
ちゃら ( 3bHK )

>> 113 りこさん、レス頂きありがとうございます☺


カヤ、可愛いですか?!😲

17歳の少女という設定で、家出やタバコ、見ず知らずの男に声を掛け、ホテルにまで付いて行ってしまう破天荒で未熟な主人公なので、気分を害されてる人が沢山いるだろうと内心ドキドキヒヤヒヤしながらも書いてきましたが、そんな風にカヤを見て下さっている方もいて下さるなんて、正直驚きましたが本当に嬉しいです(*^_^*)



カヤも私もまだまだ未熟で、ストーリーもなかなか進んでいませんが、りこさんの気が向いた時に、また目を通して頂けたら幸いです🍀


暖いレス、本当にありがとうございました✨





ちゃら

No.115 08/11/30 12:24
ちゃら ( 3bHK )

>> 112 「いや…別にそうじゃないんだけどさ… 髪短い子の裸、直に見たのって初めてだな~と思って」 男はチラリとカヤの顔を見て カヤと目が合う… カヤは顔から火が出る思いだった

なんだか男が憎たらしく思えて、涙が出そうになった
何か言い返してやりたかったが、恥かしさで頭がカッとなり言葉が出てこない。


睨んで見せるのが精一杯だった




そんなカヤの顔を見て男は「フッ」と噴出したが慌てて


「ごめんごめん
カヤってちょっと苛めたくなっちゃうんだよね」


男はカヤの方へ向き直し、なだめる様な口調で言い、まるで子供をあやすかの様にカヤの頭をポンポンと叩いた




そしてカヤを抱き締めると首筋に何度もキスをした

No.116 08/11/30 12:45
ちゃら ( 3bHK )

>> 115 カヤはまだ男の言葉を気にしていたので、反応したくないとガマンしていたが、首筋にキスをされながらバスローブの上から乳房に手が伸びると、簡単に身体は反応してしまいビクンとなった




バスローブの上から乳首をつままれ、それを親指で何度もなぞられると乳首はバスローブに擦れ、切ない快感が走る
そしてまるでカヤの意志に反するかの様に

もっと触ってと自己主張するかの様に乳首は固く大きくなっていく

No.117 08/11/30 14:45
ちゃら ( 3bHK )

>> 116 「はぁ…」

カヤが甘く息を吐き出すと
男はわざとバスローブとの摩擦を大きくする様に摘んだ乳首を上下に擦った




「もぅ一度見せて…」




とカヤのガウンの紐を片手でほどき、一瞬マジマジとカヤの裸に目をやると


「やっぱりエロいよ」
と乳房の回りを舌でなぞった



その言葉のいやらしさにカヤは火がついてしまったのか

「んんん…っ

んッ…

アン…ッ」


喘ぎ声がこぼれてしまう

男の舌は焦らす様に乳首を避け、乳房の回りや腕、腹をなぞる


カヤは想像のつかないその舌の行く先に身体はビクン…
ビクン…

とその度身をよじらす。



やっと上に戻ってきた舌はようやくまたカヤの乳房に辿り付き、乳首を丁寧に舌先で舐め上げると口に含み転がした

No.118 08/12/01 02:50
ちゃら ( 3bHK )

>> 117 男の生暖かい口の中に包まれカヤの乳首は、更に男に弄んで欲しいかの様に大きく突出す


男はそれに応えるかの様に強弱をつけながら巧みに舌や唇、歯を使う
カヤの全神経は乳首へと集中し、その快感に酔いしれていたが、そのうち秘部に熱いものを感じる様になった


先程、絶頂を知ったその部分に切ない疼きを感じていた


両腿をモジモジと擦り合わせていると、それに気付いた男は、乳首から唇を離す

そのまま下へ下へと舌でなぞりながらカヤの太股へと辿りついた

  • << 121 内腿を這う唇や舌の刺激にカヤは緊張していた。 内側へ内側へとジワジワ迫ってくるそれにカヤの足は力が入って、拒むかの様に閉じてゆく 「そんなトコ汚いからやめて…!」 カヤが言うと 「汚くなんかないよ」 とだけ言い、カヤの緊張を丸ごと包み込むかの様に更に優しく丁寧に愛撫する カヤの固く閉ざされかけた足が、徐々にゆるんでいった

No.120 08/12/02 00:30
ちゃら ( 3bHK )

>> 119 あずさん、レスありがとうございます😊😊



一気読みして頂けて嬉しいですo(^-^)o



私も少し、前のを読み直してみましたが話が繋がっていなかったり、誤字脱字であずさんにも読みづらい箇所が多々あったと思います💦



最初からあまり展開が進んでいませんが、楽しみながら書いていきますので、お付き合い頂ければ幸いです🍀





ちゃら

No.121 08/12/04 12:54
ちゃら ( 3bHK )

>> 118 男の生暖かい口の中に包まれカヤの乳首は、更に男に弄んで欲しいかの様に大きく突出す 男はそれに応えるかの様に強弱をつけながら巧みに舌や唇、… 内腿を這う唇や舌の刺激にカヤは緊張していた。


内側へ内側へとジワジワ迫ってくるそれにカヤの足は力が入って、拒むかの様に閉じてゆく



「そんなトコ汚いからやめて…!」


カヤが言うと

「汚くなんかないよ」


とだけ言い、カヤの緊張を丸ごと包み込むかの様に更に優しく丁寧に愛撫する



カヤの固く閉ざされかけた足が、徐々にゆるんでいった

No.122 08/12/04 22:58
ちゃら ( 3bHK )

>> 121 カヤは二度目の絶頂を迎えた



指とはまた違った快楽に、あっという間に果ててしまった




しばらく経ってもまだ余韻が残りトロンとしているカヤに男が言った




「カヤの処女、俺が貰ってもいい?」



カヤが処女である事は、車の中で今までの恋愛経験を語っている時に話していた



「オニイサンだったらいいよ…」



しかし男は



「ちょっと一服するか…

カヤは今イッた所だし。

もぅちょっと冷静になって、考えられる時に、また聞くよ」




二人はベットでタバコを吸った



カヤはやはりタバコを美味いと感じていた

男の言う通り少し考えてみたが、それよりもタバコの美味さの事ばかり考えていた




カヤの回りは殆ど経験済みだった


しかし焦っている訳でもなかった

自分は不感症だと思い込んでいた事で、セックスを楽しむ事なんて出来ないだろうと考えていた

好奇心はあっても魅力を感じる事は無かった


かと言って、特別大切なものだとも思ってはいなかった

  • << 125 例え愛する人にそれを捧げる事が出来たとしても、その愛が永遠に続く事など殆どないと思っていた 実際、美也子も、他の友達もカヤの回りで経験を済ませたその殆どが、今はもぅ別れてしまっているのを見てきた その相手と結婚まで漕ぎ着けたとしても、もしくは結婚まで守り抜いたとしても、だからと言ってその愛までが保証される訳ではない。離婚だってするかもしれない… 愛が憎しみに変わる事だってあるだろう あの人に捧げて良かったなんて…結局死ぬまでわからない しかし、今まで付き合った男たちにくれてやる気にもなれなかった事で、自分の感情は無視出来ない事は充分わかっていた

No.124 08/12/06 10:01
ちゃら ( 3bHK )

>> 123 あみさん、レスありがとうございますo(^-^)o



なかなか進みませんが、コメント頂けると嬉しくてまた楽しく書こうと思います😊


カヤが可愛いと言って頂けるのも、なんだかとっても嬉しいです☺


まだ泥臭さが出てきていないのですが、未熟な人間、女の部分がカヤの中でも蠢いていく感じも書けたらなと思っています



本当にレス嬉しかったです💖


ありがとうございます🍀







ちゃら

No.125 08/12/06 10:18
ちゃら ( 3bHK )

>> 122 カヤは二度目の絶頂を迎えた 指とはまた違った快楽に、あっという間に果ててしまった しばらく経ってもまだ余韻が残りトロンとしてい… 例え愛する人にそれを捧げる事が出来たとしても、その愛が永遠に続く事など殆どないと思っていた


実際、美也子も、他の友達もカヤの回りで経験を済ませたその殆どが、今はもぅ別れてしまっているのを見てきた


その相手と結婚まで漕ぎ着けたとしても、もしくは結婚まで守り抜いたとしても、だからと言ってその愛までが保証される訳ではない。離婚だってするかもしれない…


愛が憎しみに変わる事だってあるだろう



あの人に捧げて良かったなんて…結局死ぬまでわからない




しかし、今まで付き合った男たちにくれてやる気にもなれなかった事で、自分の感情は無視出来ない事は充分わかっていた

No.126 08/12/06 10:27
ちゃら ( 3bHK )

>> 125 だからどうして男に捧げてもいいと思えるのかカヤも不思議だった


歴史も愛もまだ何も始まっていない。



果たして始まるかさえわからない
自分の中でも…
男の中でも…




それどころかもう二度と会う事もないかもしれない




この先凄く愛する人が現われて後悔するかもしれない…




色んな可能性も頭を霞めたが迷いは無かった



今、そう思えたならそれでいいや…

No.127 08/12/06 11:04
ちゃら ( 3bHK )

>> 126 「ゲームでもやる❓」



男は備え付けのテレビゲームを指差しながら聞いてきた




「エッチしないの?」


自分の決意とは全く関係のない言葉にカヤは驚き聞いた




カヤのその言葉に今度は男が驚いた顔をしたが
「俺が変な事言っちゃったからだよな…
ゴメンな…






謝られた事で、なんだかカヤは切ない気持ちになった。


まるでフラれた気分だ

いや、それどころか大好きだったあの人に、勇気をふり絞って生まれて初めて告白し、フラれたあの時よりずっと重たい気分だった




「なんで?オニイサンにお礼がしたいの…

私の事、拾ってくれたし
私の話も聞いてくれたし
いっぱい楽しい時間もくれた

お金も沢山使わせちゃったし…





カヤはうつむきながら、呟くよりずっと小さな声で言った
その声は掠れていた



男は優しくカヤの頭を撫でると強く抱き締めた



「自分の身体…
お礼だなんて言うなよ…」



その言葉にカヤから初めてキスをした

No.128 08/12/06 11:29
ちゃら ( 3bHK )

>> 127 それは自分が初めて舌を入れる激しいキスだった



まるでカヤから求めている様なその深く熱いキスを、男はしばらく静かに受けていたが、それに応える様に舌を絡ませ、カヤの乳房に優しく触れた




そっと乳房を包んで、触れるか触れないかの弱い力で小指だけ乳首に触れる




「んあッ…!」



一瞬カヤの唇が男の唇を離したが、また激しく吸い付いた


男の唇を離すまいと舌を絡ませるが、乳首に刺激が走る度に声が出てしまい離れてしまいそうになる

No.129 08/12/06 17:19
ちゃら ( 3bHK )

>> 128 何度目だろう…



カヤの感情は今まで以上に高ぶり、男の愛撫を全身で受止め、感じていた


我を忘れるほどよがり、喘ぐ


男の荒くなっていく息遣いや、乱暴になっていく愛撫にカヤは更に興奮していく




男はカヤが最も感じる部分を舐めながら、指を一本蜜壺へゆっくりと入れた



「…くぅ…ッ」




今までに聞いた事のないカヤの喘ぎ声に一瞬ビクッとしたが、そのままゆっくり押し進めると人差し指一本丸々カヤの中に収まった


しかし男の人差し指を咥え込むそれは、狭く弾力があり、男が力を緩めばすぐにでも押し出されてしまいそうだった


「痛い?」

No.130 08/12/06 17:32
ちゃら ( 3bHK )

>> 129 男は落ち着いた声で優しく聞いた




「…ん
大丈夫…」




カヤの弱々しい声が返ってくると男は入れた指をそのまま動かさず、わざとピチャピチャと音を立てながらカヤの小さく突起する部分を舐めた



その音のいやらしさにカヤの身体は更に熱く快感が走る



蜜壺の中に異物を感じていた緊張感は一気に吹き飛ばされ、トロトロした物が男の人差し指を伝う

No.131 08/12/06 22:54
ちゃら ( 3bHK )

>> 130 カヤの蜜が溢れると、男は舐める間隔に合わせて人差し指を動かしてみた


まだまだ狭いが収縮が先程よりゆるくなりスムーズに動かせる



更に激しく舐め上げると同時にカヤの声も大きくなる


そして男は中指の先を入れてみる



カヤの反応を見ながら、なるべく痛みを伴わない様に…慎重に…


やはり二本はキツそうだった
第一関節までがいいところだ



焦らずじっくり、人差し指と舌を動かす



「んぁッ…!
んんッ…!




カヤは絶頂を迎え掛けていた



蜜は更に溢れ出す


男は舌を単調なリズムに整えると、第一関節まで入っている中指を更に深く沈めてみた



何とか指二本がしっかり入ったところで、カヤは絶頂を迎えた。

No.132 08/12/06 23:10
ちゃら ( 3bHK )

>> 131 カヤがイクと、指を伝い、男の手の平までも蜜が濡らした。



全身で息をしているカヤに


「本当に貰ってもいいの?」



再び男が聞く




「うん、
いいよ」



男は自分の着ていたガウンを空いている左手でほどくと、指を抜き、カヤの愛液がたっぷりついた指と手の平でペニスを濡らした


カヤのと男のとでヌチャリと粘着質な音を立てた



そそり起つペニスをカヤの秘部にそっと当てた




「痛かったら言うんだよ…」




カヤはコクリとうなずく



男は右手でペニスの根元を押さえると、ゆっくり腰を沈めた

  • << 134 誘う様に甘い蜜の匂いを振りまきながら充分に潤いきり、すぐにでも男の全てを濡らし飲み込んでしまいそうになっている、肉食植物の様になったカヤのその部分は、見た目よりずっと強い抵抗力を見せる 「んんん…ッ うぅ…ッ ッッ!!… ッ…!」 小さく低い呻き声をあげるカヤに 「カヤ、力抜いてごらん… 」 男はカヤが立てている右膝に優しく何度もキスをした カヤはしばらく男の唇が触れる膝に神経を集中し、いつの間にかその甘美なキスに酔いしれ溶けた… その瞬間 「いッ!!!!」 脳天を突き抜ける様な衝撃を受けカヤはシーツを強く握りしめこらえていた カヤと男は一体になっていた その後もカヤは男が果ててしまうまでの短い時間ガマンを尽くした 愛液に溶けた血が綺麗な薄い紅色にシーツを染めていた

No.134 08/12/12 02:15
ちゃら ( 3bHK )

>> 132 カヤがイクと、指を伝い、男の手の平までも蜜が濡らした。 全身で息をしているカヤに 「本当に貰ってもいいの?」 再び男が聞く … 誘う様に甘い蜜の匂いを振りまきながら充分に潤いきり、すぐにでも男の全てを濡らし飲み込んでしまいそうになっている、肉食植物の様になったカヤのその部分は、見た目よりずっと強い抵抗力を見せる



「んんん…ッ
うぅ…ッ

ッッ!!…


ッ…!」



小さく低い呻き声をあげるカヤに



「カヤ、力抜いてごらん…




男はカヤが立てている右膝に優しく何度もキスをした




カヤはしばらく男の唇が触れる膝に神経を集中し、いつの間にかその甘美なキスに酔いしれ溶けた…


その瞬間


「いッ!!!!」



脳天を突き抜ける様な衝撃を受けカヤはシーツを強く握りしめこらえていた




カヤと男は一体になっていた




その後もカヤは男が果ててしまうまでの短い時間ガマンを尽くした


愛液に溶けた血が綺麗な薄い紅色にシーツを染めていた

  • << 136 「痛かった❓ 大丈夫…❓」 男はカヤの額の汗を手で拭いながら、心配そうな顔でカヤの目を真直ぐ見つめた 「うん… 平気」 カヤはいまだジンジンと続く、苦く、しかし甘いその痛みを静かに感じていた 終わるまでは痛みに堪えるので必死だった しかし終わってみるとその痛みが愛しく思えた 同時に頭の中はスッキリと爽快な風が吹いている様でさえあった 「大人になっちゃった…」 「大人にしちゃったね…」 二人は見つめ合い笑った

No.135 08/12/12 02:19
ちゃら ( 3bHK )

>> 133 更新早くぅ~😆 困ったちゃんさん、可愛いレスありがとうございます☺



すみません💦他の方が書く素敵な小説に夢中になってしまい、放置していました💦💦



頑張りますね~f^_^;💕







ちゃら

No.136 08/12/12 02:38
ちゃら ( 3bHK )

>> 134 誘う様に甘い蜜の匂いを振りまきながら充分に潤いきり、すぐにでも男の全てを濡らし飲み込んでしまいそうになっている、肉食植物の様になったカヤのそ… 「痛かった❓

大丈夫…❓」



男はカヤの額の汗を手で拭いながら、心配そうな顔でカヤの目を真直ぐ見つめた


「うん…

平気」



カヤはいまだジンジンと続く、苦く、しかし甘いその痛みを静かに感じていた


終わるまでは痛みに堪えるので必死だった



しかし終わってみるとその痛みが愛しく思えた

同時に頭の中はスッキリと爽快な風が吹いている様でさえあった



「大人になっちゃった…」




「大人にしちゃったね…」



二人は見つめ合い笑った

No.137 08/12/12 19:36
ちゃら ( 3bHK )

>> 136 二人は結局その後、寝ないで時間いっぱいテレビを見たり、ゲームをしたりして過ごし、ホテルを後にした



食事に行き、いつもの様にドライブをしたが、あまり寝ていなかった為、カヤはいつのまにかそのまま眠ってしまっていた



次に目を覚ました時、隣りにいる男の声が聞こえた




車はどこかで停車され誰かと携帯電話で話している様だった


男に背を向けた体制のまま、なんとなく話に耳を傾けた


「そうなんだ…


………


こっちはちょっと雪が降ったし寒いよ


………


東京には戻るけど、まだいつかは決めてない。

………


うん、もぅちょいゆっくりするわ


………


わかった!あゆみも風邪ひくなよ


またこっちからもメールするわ


………


おぅ!じゃあな、おやすみー…」




【あゆみ】

昨日も電話がきた、男が毎日連絡がくると言っていた『女友達』であろう




男の本当の気持ちまではわからなかったが、楽しそうに話していた感じから、カヤは満更でもなさそうな気がした


そして、その【あゆみ】という女は、やはり男の事が好きなんだろう…と確信した気がした


ぼんやりしながらそんな事を考え、カヤは再び目を閉じた

No.138 08/12/13 01:23
ちゃら ( 3bHK )

>> 137 カヤが再び目を覚ましたのはトイレに行きたくなったからであった



男が【あゆみ】という女と電話で話しているのを確認してからどれくらい寝たかはわからないが、時間を見ると午前2時を過ぎていた


隣りの男は運転席のシートを倒して寝ている


ふと外を見るといつもの公園の駐車場であった



カヤはトイレに行きたいが男を起こすには気が引けた



しかし自分独りであのトイレに行くのはやはり怖い



カヤは取り合えず一人で行ってみようと思ったが、なかなか決心が付かない

しかしいつ起きるかわからない男の目覚めを待てるほど我慢など出来るものでもないと諦めた



よし、このタバコ一本吸ったら行こう!



カヤはタバコに火を付けた



目覚めの一服は一瞬頭がフワッとしたが、気怠い美味さがカヤの全身を包んだ



カヤはその一本を出来るだけゆっくり味わった

No.139 08/12/13 02:29
ちゃら ( 3bHK )

>> 138 タバコが短くなるにつれカヤの緊張は増していった



あのトイレにもうすぐ一人で向かわないといけないと思うと気分は重い



なかなか消す決心が付かずとうとう根元ギリギリまできてようやく、タバコを灰皿に押し付けた




ヨシッ!!!




カヤはバッグから、告白した時に貰った黒沢のZIPPOを取り出し、強く握りしめ、外に出た




「こんなの告白した時のあの勇気に比べたら!!」



自分にいい聞かすかの様に呟き、強い歩調で歩き出す



シルバーの冷たさを手の平全体に感じると、カヤは自分が強くなった気がした





しかしあっという間にトイレの入り口まで来てしまうと、足がすくんでしまい前に進む事が出来なくてなってしまった




なんで…?!




自分が情けなくなって、カヤは目を瞑りもう一度強くZIPPOを握りしめた。


いつの間にかZIPPOはカヤの体温と同じ温度になり汗ばんでいた

No.140 08/12/13 03:02
ちゃら ( 3bHK )

>> 139 「カヤ!」




自分を呼ぶ声がして、目を開け振り向くと、男がカヤの方に向かって歩いてくる




「一人で行けんのか?」




カヤの前まで来ると男はいつもの優しい口調でカヤに問い掛けた




「私、起こしちゃった?」



「カヤが出て行く時。
ドア閉める音で起きた」



男は笑いながら言った


車を出る時、気持ちに勢いを付けていたので、自然と強くドアを閉めてしまっていた事にカヤはハッとした



「カッコ悪いね…」




カヤも情けない笑いを浮かべた

No.141 08/12/13 03:30
ちゃら ( 3bHK )

>> 140 結局男に個室の前までついて来てもらい、ようやくカヤは用を足す事が出来た




「いつもゴメンね…」



歩きながらカヤが相変わらず情けない顔で男に謝ると




「起こしてくれたら良かったのに」



それからこんな時、男はいつもカヤが気にしない様にいられる言葉を使う



「でも、こんな深夜に絶対ないだろうけど、もし誰か入ってきたら間違いなく、俺変態って思われるよな」



そんな男のジョークにカヤの心は温かくなり、笑った



「やっぱり、こっちは星スゲェーね」



男はふと空を見上げて言った




「東京だと、こんな見えないもん

距離も近いし

空ってデカイんだな~って改めて思う」



つられてカヤも空を見上げた


空に輝く何千何万もの星を見ながら


「そうなんだ…


私はこの空しか知らないから、これが当たり前になっちゃってる…


綺麗だなって思うけど、特別な感動はないよ…


山も自然も季節の移ろいも…





カヤは自分の素直な気持ちを言葉にするとこんなに素っ気ない物になるんだと寂しく思えた

No.142 08/12/13 04:00
ちゃら ( 3bHK )

>> 141 しかし、男は気を悪くする風でもなく




「俺も東京行くまでは、ナンも思って無かったわ…


生まれてずっとこの環境で、確かにそれが当たり前、あって当たり前だったもんな~…




賛同しながらしみじみ言う男にカヤは聞いた



「東京は楽しい?」



「ん~…

わかんね…


ただ、やっぱ刺激は多いよね


近い距離に何でもあって便利だし、色んな店もあるし

色んなトコから色んな人間が沢山集まってきている所だから、その分今まで出会った事ない様な考え方や捉え方があるんだって思う事は多いよね


それが視野が広がるって事なのかはわからないけど、楽しいってより面白いって感じかな…


まぁ、何でもあって、色んな人間が集まってる分、誘惑が多いのも確かなんだろね…







カヤは急に男の存在を遠く感じ切なくなった

No.143 08/12/13 04:29
ちゃら ( 3bHK )

>> 142 自分の知らない世界を知っている


自分の知らないその世界で生きている



いつかはそこへ帰ってしまう



カヤは忘れ掛けていたひとりぽっちな寂しい感情から逃げる様に、見上げた夜空から目をそらした




うつむいたカヤに男は


「カヤッ!

アレ見て!!」



突然声をあげた

男が指差す南の空を再び見上げた瞬間、男の唇がカヤの唇に重なった




「な~んてね!

ナンもないよー」



イタズラな笑みを浮かべながら男はカヤの顔を覗き込むと今度は強く抱き締めた

No.144 08/12/13 05:05
ちゃら ( 3bHK )

>> 143 抱き締めながらカヤの頭の上で
「今、寂しいって思ったでしょ?」



わざと茶化す様な男の言葉にカヤは腹が立ち


「別にそんな事思ってないよ!


今オニイサンがそう思わせているのは【あゆみ】チャンなんぢゃないの?!」



腹立つ勢いで思わず口をついて出てしまった言葉にカヤはハッとし息を飲んだ



男はフッ…と笑うと


「【あゆみ】?なんであゆみなの?」



と言った


「ゴメン……


オニイサン電話してる時一度起きちゃって


何となく聞いちゃって


でも、寝起きで頭ボーッとしてたし、その後オニイサンすぐ電話切ったみたいだったし、私もそのまますぐ寝たからほとんど聞いてないよ!!







男はまたフフ…と鼻で笑うとカヤの手と自分の手を繋ぎ、再び車へと歩いた

No.145 08/12/13 06:33
ちゃら ( 3bHK )

>> 144 車に戻ると男はタバコに火を付けた



カヤもそれにつられる様にタバコに火を付ける




「あゆみは俺のファンらしいよ」



男は自分のファンだと口にした事が少し恥ずかしそうだった



専門学校を辞めた仲間とバンドを組み、半年前に対バンという形式のアマチュアバンド何組かで合同でライブを開いた

終わってから自分たちと、一緒にライブをした他のバンドとそのファンたちと打ち上げをした



当時、学校も辞め、彼女にもフラれ、おまけにその日の自分たちの出来がひどい物で、半分ヤケになり、あまり得意ではない酒を浴びる様に飲んだ


ある日、知らない番号から電話が掛ってきて、出てみると女だった


電話の相手の女は自分の名を名乗ると

「覚えてますか?」

と聞いてきた


全く思い出せないので間違いではないかと聞くと、その打ち上げで出会ったと言ってきた


ライブには友達が追っかけをしている違うバンドを付きあいで見に行ったが、そこで偶然見た男に一瞬でファンになったと打ち明けてきた

No.146 08/12/13 07:07
ちゃら ( 3bHK )

>> 145 打ち上げで思い切って声を掛け、ダメもとで携帯番号を聞いたら、あっさり教えてくれたので、自分の番号も教えたが、数日待っても男からは掛かって来なかったので意を決して掛けてみたと言った


それが【あゆみ】だったと男は話した



男はその日泥酔していた為、そのやりとりも、あゆみの顔でさえも全く覚えていない事を素直に詫びたがあゆみは
「やっぱりなー!」


と気にも止めない様にケラケラと笑った


それからほぼ毎日電話やメールがきているが、ライブには東京へ引越した友人に会いに遊びに来ていただけで、元々は大阪に住んでいると言うあゆみとは打ち上げの日以来、結局一度も会ってはいない


と男は続けた

No.147 08/12/13 07:39
ちゃら ( 3bHK )

>> 146 「結局その後、バンドのメンバーにその日の事を聞いたんだけど、確かに親しそうに女の子と二人で話していたらしいんだけど





男はそんな自分を呆れた様に

「普段だったら、女の子の事なら絶対忘れる事なんかないのに、惜しい事したかな~」


と笑った



ふんふんと真剣に聞いていたカヤも
「ホントだよ!

会ってみようとか思わないの?

大阪行ってみよーとか」



カヤは男の話にワクワクしていた



「嘘でもファンだなんて言ってもらえるの最初で最後かもしんねーし、あっても下心出す訳いかないっしょ



向こうから会おうとか言ってきたら会うかもしれないケド、そんな風でもないんだよね



まぁ、確かに一度しか会ってないんだし、しかも覚えてない様な男に恋愛感情持つわけもないでしょーよ」

No.148 08/12/13 16:50
ちゃら ( 3bHK )

>> 147 そうかな…?



カヤの中で、男の考えが正しいとは思えなかった。



勿論可能性としては一理あるだろうが、カヤだって黒沢とは殆ど話した事もないまま、黒沢が高校を辞めてから一年経ってもひっそりと想い続ける事が出来た




あゆみの場合、離れていても、例え一度しか会った事がなくても、ほぼ毎日メールや電話が出来れば、幸せなんじゃないか


むしろ、興味がなければ時間もお金も使って毎日メールや電話をしたいと思うだろうか…




しかし、カヤは自分から口火を切ったにしても、どこまでこの話に突っ込んでいいのかわからず、興味を残したままそれ以上自分から聞くのは止めた

  • << 150 「カヤはいつかこの町を出てみようと思う?」 「ん~… 考えてみた事ないかも… 居たいとか居たくないとかぢゃなくてきっとずっとこの町にいるんだろなって感じかな… 勿論家は出たいけど」 きっとずっと、自分も回りも何も変わらない 希望も刺激もないがそこには窮屈な安心感だけがある カヤはどこかうんざりしながらも、それが当たり前なんだと思った。 「今度東京遊びにきなよ」 「うん!」 しかしカヤは本当にそんな日がくる事はないだろうと思った

No.150 08/12/14 01:07
ちゃら ( 3bHK )

>> 148 そうかな…? カヤの中で、男の考えが正しいとは思えなかった。 勿論可能性としては一理あるだろうが、カヤだって黒沢とは殆ど話した事… 「カヤはいつかこの町を出てみようと思う?」



「ん~…


考えてみた事ないかも…



居たいとか居たくないとかぢゃなくてきっとずっとこの町にいるんだろなって感じかな…

勿論家は出たいけど」



きっとずっと、自分も回りも何も変わらない

希望も刺激もないがそこには窮屈な安心感だけがある



カヤはどこかうんざりしながらも、それが当たり前なんだと思った。


「今度東京遊びにきなよ」



「うん!」



しかしカヤは本当にそんな日がくる事はないだろうと思った

  • << 152 そしてこのままいつまでも男に甘えている訳にもいかないと考えていた 家には帰りたくはないが、結局最後はあの家に帰るしかない事はよくわかっていた 「オニイサン、私今日帰るよ…」 「え…?! 何で…?! 大丈夫なの?!」 なんの前触れもない突然の言葉に男は驚いていた 「大丈夫だよ! 見ず知らずの私に、こんなに付き合ってくれてありがとね… お金も沢山使わせちゃったよね… ゴメンね… 」

No.151 08/12/14 01:16
ちゃら ( 3bHK )

>> 149 横レス失礼します💦 一気に読んでしまいました🐤✨ 更新楽しみにしてます💕 向日葵さん、レスありがとうございます😊




更新待ってて下さる方がいると思うと本当に有り難くおもいます😢


数々の矛盾点や表現下手な部分が満載なのに…💦💦



凄く嬉しかったです🍀✨


たまに放置してしまいますが、最後まで書ける様に頑張りますね✊🔥



ちゃら

No.152 08/12/14 23:08
ちゃら ( 3bHK )

>> 150 「カヤはいつかこの町を出てみようと思う?」 「ん~… 考えてみた事ないかも… 居たいとか居たくないとかぢゃなくてきっとずっと… そしてこのままいつまでも男に甘えている訳にもいかないと考えていた

家には帰りたくはないが、結局最後はあの家に帰るしかない事はよくわかっていた


「オニイサン、私今日帰るよ…」




「え…?!
何で…?!
大丈夫なの?!」



なんの前触れもない突然の言葉に男は驚いていた



「大丈夫だよ!

見ず知らずの私に、こんなに付き合ってくれてありがとね…


お金も沢山使わせちゃったよね…


ゴメンね…



No.153 08/12/15 21:11
ちゃら ( 3bHK )

>> 152 「俺の事は気にしなくていいけどさ、さすがにカヤの親は心配してるだろうな…」



確かにこんなに連日無断外泊したのは初めてだった



親は今回の事をどう思っているだろう…怒るだろうか…
殴るだろうか…



なんにしてもやはりあの家には帰りたくなかったが、カヤは努めて元気に言った




「それを確かめる価値はあるわね!


その為にも、やっぱり今日は帰るよ!」



「でも、また家、飛び出しても、あんな無茶もうするなよ」



男は珍しく、真剣な顔をしていた

No.154 08/12/16 18:41
ちゃら ( 3bHK )

>> 153 それから最後の一日を楽しむ様に二人はお互いの事を語り合った




出会ってからたった三日しか経っていない



しかしたった三日の間で、カヤは男に対して不思議な情がわいていた



友情や愛情なんて明確な物ではないが、長年共にしてきた家族やどの友達よりも心を開く事が出来た気がしていた




二人はどちらからともなく唇を重ねていた



深く舌を絡め、呼吸をするのを忘れてしまったかの様に息苦しくなりながら


お互いの唇に夢中になった

  • << 159 そうなると二人は自然な流れでホテルに向かった 今度は眠るという理由ではなく、ひとつになる為だけを目的とし 男と初めてきた時と同じホテルの同じ部屋にした カヤの希望だった 相変わらず暖房が事前に付けられていない寒い部屋 エアコンを作動させようとした男をカヤは制した そのままバスルームに向かい、カヤはバスタブに湯を張りに行った 湯が溜まるのを待ちながら二人は毛布にくるまりながらソファで煙草を吸った 「寒いね…」 とお互いの身を寄せながら、あまりの滑稽な状況に二人は顔を見合わせ笑った

No.157 08/12/24 12:49
ちゃら ( 3bHK )

>> 155 せかしてはいけないと思いながら…。いつも楽しく読ませていただいております。続きが楽しみです。 なみえさん、いつも暖いお言葉をありがとうございます🙇


二度もレスを頂けて、読み続けて頂けているんだと幸せな気持ちになりました✨✨


最近、仕事が忙しく、体調を崩しがちだったので、なかなか進める事が出来ませんでしたが、そろそろまた書き始めます✏✨



せかして頂けるとモチベーション上がりますので大歓迎です💖✨




また顔を出して頂けたら嬉しいです🍀✨





ちゃら

No.158 08/12/24 12:53
ちゃら ( 3bHK )

>> 156 ワクワクしながら待っています☺ ありすさん、レス有り難うございます☺🎵


声を掛けて頂けて、とても嬉しいですo(^-^)o



表現が生々しかったり、乏しかったりしますがそんな風に言って貰えると頑張っちゃいます\(≧▽≦)丿💕




有り難うございます🍀✨




ちゃら

No.159 08/12/24 16:24
ちゃら ( 3bHK )

>> 154 それから最後の一日を楽しむ様に二人はお互いの事を語り合った 出会ってからたった三日しか経っていない しかしたった三日の間で、カ… そうなると二人は自然な流れでホテルに向かった



今度は眠るという理由ではなく、ひとつになる為だけを目的とし


男と初めてきた時と同じホテルの同じ部屋にした


カヤの希望だった





相変わらず暖房が事前に付けられていない寒い部屋




エアコンを作動させようとした男をカヤは制した



そのままバスルームに向かい、カヤはバスタブに湯を張りに行った



湯が溜まるのを待ちながら二人は毛布にくるまりながらソファで煙草を吸った



「寒いね…」


とお互いの身を寄せながら、あまりの滑稽な状況に二人は顔を見合わせ笑った

No.160 08/12/25 22:07
ちゃら ( 3bHK )

>> 159 「風呂入れるよ」




湯を見に行った男がバスルームから戻ってきて言った




「オニイサン、お先どーぞ」




「一緒に入る?」




カヤは自分の全てをもぅ見せてしまっていても、状況が変わればやはり恥かしいと思った

お互い冷静な時に裸を見せ合うなんて、セックスの時以上に恥かしいとさえ感じ、「恥かしいから」の一点張りを押した



しかし男の何度目かの

「カヤと入りたい」



にとうとうカヤは困惑しながらも承諾した



「ぢゃあオニイサン、先入っててよ


私はタバコ一本吸ってから行くよ」




洋服や下着を1枚ずつ剥いでいく姿を見せるのは更に恥かしい事の様な気がして、せめてそれだけは免れたかったのだ

No.161 08/12/25 22:38
ちゃら ( 3bHK )

>> 160 男が先にバスルームへ行くのを確認すると、カヤはタバコに火を付けた



緊張していた



寒いのに手の平だけが汗ばんでいる



「もぅ処女でもないクセに!」



カヤは心の中で自分に毒づいてみた




タバコ半分の所で火を消すとカヤもバスルームに向かった

No.162 08/12/25 23:04
ちゃら ( 3bHK )

>> 161 脱衣所に入ると勢いよく洋服を脱いだ



ふと自分を映し出している鏡に目をやると、カヤは改めてマジマジと自分の身体を見た



少し胸が大きくなった様な気がした


この三日、男の愛撫で、随分快感を覚えた


刺激されると大きくなるというのは本当なのかもしれない…



そう思うと自分の身体が急に大人の女の身体に変わってしまった気がして、上を向いた乳首は妙にいやらしく見えた



恥ずかしくなり、再び緊張が戻ってくる



鏡から慌てて視線を外すと、カヤは脱衣所とバスルームの電気を全て消して、ドアを静かに開けた

No.163 08/12/26 22:34
ちゃら ( 3bHK )

>> 162 「電気切っちゃたよ…」




「うん、突然真っ暗になったからびっくりした」



カヤが脱衣所の電気まで切ってしまった為、本当に真っ暗で殆ど何も見えなかった



カヤはそろそろとシャワーの位置まで行くと手探りで何とかシャワーを浴びた


真っ暗で、何も見えていないだろうが、自分が身体を洗っている姿を男に見られている気がして気恥ずかしくなり、手早く済ませた



湯船に向かい合う形で入った



「なんかぬるくない?!」



たった今浴びたシャワーより随分温度が低い


「カヤが遅いからそれまでに今度は俺がのぼせると思って途中で水足した」



男はわざと少しだけカヤを責める様な口調で言ってみせた



「そっか、

ゴメンね」



「少しお湯足そうか


カヤの方に蛇口あるから入れて」



カヤが蛇口をひねると熱いお湯が出た



「カヤ、危ないからこっちおいで」



カヤは男に言われるまま、今度は向きを変え男の膝の上に座った

  • << 167 間も無く、首筋に温かく、柔らかい物を感じた カヤは目を閉じて、首筋を這う男の唇と荒くなってゆく息遣いに集中した 向かいからは温かい湯が流れてくる 真っ暗で、湯の飛沫く音と男の息遣いしか聞こえない、その世界はカヤにとって心地良かった 後ろから伸びてきた手の平はカヤの両乳房全体を包み、中指と人差し指の間で乳首を捕らえると内側に大きく円をかいた

No.167 09/01/12 22:40
ちゃら ( 3bHK )

>> 163 「電気切っちゃたよ…」 「うん、突然真っ暗になったからびっくりした」 カヤが脱衣所の電気まで切ってしまった為、本当に真っ暗で殆… 間も無く、首筋に温かく、柔らかい物を感じた



カヤは目を閉じて、首筋を這う男の唇と荒くなってゆく息遣いに集中した



向かいからは温かい湯が流れてくる



真っ暗で、湯の飛沫く音と男の息遣いしか聞こえない、その世界はカヤにとって心地良かった




後ろから伸びてきた手の平はカヤの両乳房全体を包み、中指と人差し指の間で乳首を捕らえると内側に大きく円をかいた

  • << 169 「んぁッ…! んん…ッ」 ほんの少しカヤが声を漏らしただけで、それはバスルーム全体に響きわたる いきなり大きな声を出してしまったみたいでカヤは恥ずかしくなった しかし、挟まれた乳首を軸にして揉みしだかれる乳房の快感に声は益々大きく激しいものとなってゆく 「エッチな声だね… 乳首もこんなに固くして…」 カヤの耳元で男が囁きながら挟んだ指で乳首を締め付ける 「イヤ…ッ…」 切ない快感にカヤは痺れる 「カヤはイヤなのにこんなに固くするの?」 更に強く乳首は締め上げられ、意地悪で卑猥な言葉にカヤの快感は脳を突き抜けてしまいそうだ 互いの息遣いは更に荒くなる 「カヤ… お湯止めて… ちょっと熱い」 カヤは中腰になると湯を止めた

No.168 09/01/12 22:56
ちゃら ( 3bHK )

明けましておめでとうございます🙇


コメントを下さった皆様、更新が遅れてしまいましてすみませんm(_ _)m💦



だいぶ開いてしまったのに気長に待ってて下さり、温かいお言葉まで掛けて頂き本当に本当にありがとうございます😢



体調までお気遣い頂きまして重ねて感謝の気持ちでいっぱいです



また頑張りますね💪



本当にありがとうございました🍀💕




皆様にとって素敵な一年になります様に…🍀🍀🍀🍀🍀





ちゃら

No.169 09/01/12 23:26
ちゃら ( 3bHK )

>> 167 間も無く、首筋に温かく、柔らかい物を感じた カヤは目を閉じて、首筋を這う男の唇と荒くなってゆく息遣いに集中した 向かいからは温か… 「んぁッ…!

んん…ッ」



ほんの少しカヤが声を漏らしただけで、それはバスルーム全体に響きわたる


いきなり大きな声を出してしまったみたいでカヤは恥ずかしくなった


しかし、挟まれた乳首を軸にして揉みしだかれる乳房の快感に声は益々大きく激しいものとなってゆく



「エッチな声だね…

乳首もこんなに固くして…」



カヤの耳元で男が囁きながら挟んだ指で乳首を締め付ける



「イヤ…ッ…」


切ない快感にカヤは痺れる




「カヤはイヤなのにこんなに固くするの?」


更に強く乳首は締め上げられ、意地悪で卑猥な言葉にカヤの快感は脳を突き抜けてしまいそうだ



互いの息遣いは更に荒くなる



「カヤ…


お湯止めて…

ちょっと熱い」



カヤは中腰になると湯を止めた

No.170 09/01/15 23:12
ちゃら ( 3bHK )

>> 169 確かに、バスタブの中の湯はいつの間にかもう充分過ぎるくらい熱くなっていた


頭がフラフラしている事にもカヤはやっと気がついた



二人は一度浴槽から出ると、お互いの身体を洗い合った



まず男がカヤの身体を洗った



男はカヤを立たせるとスポンジにボディーソープの泡を立て、首筋から優しく洗い始めた


誰かに身体を洗って貰うなんて子供の頃に戻ったみたいで、くすぐったい気持ちになっていた



あの時は今よりは愛されていたのかな…



カヤ自身の思考が、くすぐったい気持ちをすぐに掻き消してしまった



泡だらけでヌルヌルになったカヤの胸を男は手の平や指先で楽しみ、カヤは息を荒くし、秘部を濡らした

  • << 177 もぅ少しで堪え切れずまた声が出てしまいそうになる寸前で、男の手はそのまま腹から腰、足を丁寧に洗った 男は自分の手の平にたっぷり泡を付け足すと最後にカヤの秘部を洗った 石鹸とカヤの愛液とで滑りがよく、クチュクチュといやらしい音がバスルーム中に響いた 「…ンンんッ…」 カヤは自分が出すその音の恥かしさと石鹸のヌルヌルした感触にすっかり欲情してしまい声を上げる しかしカヤの期待を裏切る様に男は勢いよく出したシャワーでカヤの全身の泡を全て流してしまった

No.177 09/02/21 03:58
ちゃら ( 3bHK )

>> 170 確かに、バスタブの中の湯はいつの間にかもう充分過ぎるくらい熱くなっていた 頭がフラフラしている事にもカヤはやっと気がついた 二人は… もぅ少しで堪え切れずまた声が出てしまいそうになる寸前で、男の手はそのまま腹から腰、足を丁寧に洗った



男は自分の手の平にたっぷり泡を付け足すと最後にカヤの秘部を洗った


石鹸とカヤの愛液とで滑りがよく、クチュクチュといやらしい音がバスルーム中に響いた


「…ンンんッ…」



カヤは自分が出すその音の恥かしさと石鹸のヌルヌルした感触にすっかり欲情してしまい声を上げる



しかしカヤの期待を裏切る様に男は勢いよく出したシャワーでカヤの全身の泡を全て流してしまった

No.178 09/02/21 04:24
ちゃら ( 3bHK )

>> 177 男はカヤの秘部にもシャワーを優しくあてると手を添えながら泡を洗い流す



「あれ?、石鹸は落としたはずなのにヌルヌルが取れないよ?」



男のサディスティックな言葉で、カヤの頭は血が上り、足は震え、更に蜜が流れ出てくる




「それどころかもっとヌルヌルしてきたけど…


何で?」



男は答えられるはずもない卑猥な質問を投げつけると、カヤを立たせたままその茂みに顔を埋ずめた



舌先で突起した部分をチロチロと舐めては、カヤに聞かせる様にわざと大袈裟にクチュクチュと音を立てる



「ほら、どんどん出てくるよ…




「あぁん…ッッ!!


あぁんッ…!!」



耐え着切れずカヤは足を震わせながらよがり喘いだ

  • << 180 カヤはすぐに果て、崩れる様に座り込んだ。 カヤの呼吸が整うまで男は優しく頭を撫で続けた いつもの男に戻っていた 卑猥な質問や言葉でカヤを辱める男とは同一人物と思えないくらいのそのギャップにカヤの思考はクラクラした

No.179 09/02/21 04:46
ちゃら ( 3bHK )

レスを下さった皆様、こんなにも空けてしまってごめんなさい…m(_ _)m



体調を心配して下さったり、更新楽しみにして下さったり、頂いた言葉の全てが温かくて、心に染み本当に感謝の気持ちでいっぱいです

多くの時間を空けてしまった事で、同時に申し訳ない気持ちで、心苦しいですが、まだもし見て下さっている方がいらっしゃいましたら相変わらず不定期になってしまうと思いますが、頑張りますので、また宜しくお願い致します







皆様へ愛を込めて🍀



ちゃらより

No.180 09/02/21 15:58
ちゃら ( 3bHK )

>> 178 男はカヤの秘部にもシャワーを優しくあてると手を添えながら泡を洗い流す 「あれ?、石鹸は落としたはずなのにヌルヌルが取れないよ?」 … カヤはすぐに果て、崩れる様に座り込んだ。


カヤの呼吸が整うまで男は優しく頭を撫で続けた



いつもの男に戻っていた

卑猥な質問や言葉でカヤを辱める男とは同一人物と思えないくらいのそのギャップにカヤの思考はクラクラした

No.181 09/02/25 04:39
ちゃら ( 3bHK )

>> 180 長いキスの後、今度はカヤが男の身体を洗った



細く華奢に見えていたが骨張っており適度に筋肉が付いていて腕に浮き出た血管は太く、なんだか男がいつもより大きく見えた



一通り洗い終えたが、男のペニスに手を伸ばす事にはやはり戸惑いがあった



嫌なわけではない


気恥ずかしさもあるし、だいたいどうやって洗えばいいのかもわからない




向かいあった形のままカヤがうつむくと、男はカヤの泡がついたままの手を取り、ペニスを握らせた



初めて触ったそれは、腹の方まで反りかえり、太く固い

身体の一部ではなくまるで別の生き物の様だった

  • << 184 男がカヤのペニスを握る手を上下にゆっくり動かした もぅ充分に固くなっていると思われたそれは更に固く大きくなっていくのを手の平全体で感じた 最初は驚いたが男が感じているんだと思うとカヤはだんだん楽しくなっていった 男に任せきりだった動きにカヤは自分の意志をのせた それに気が付いた男がカヤの手を離したが、カヤは既に記憶した男が動かしていた強さとペースのままでしごく 男の息遣いにカヤは益々嬉しくなり楽しくなっていった 「私、フェラしてみたい!」 カヤは好奇心でワクワクしていた

No.183 09/03/03 02:26
ちゃら ( 3bHK )

>> 182 ポチさん、二度も応援レスありがとうございます☺✨


まだ読んで頂けてたなんて嬉しいですo(^-^)o

なかなか先に進みませんが💦続けて書いていきたいと思いますので、また読んで頂けたら嬉しいです☺
私の心に優しい風をありがとうございます🎈🎈




ちゃら🍀

No.184 09/03/03 02:44
ちゃら ( 3bHK )

>> 181 長いキスの後、今度はカヤが男の身体を洗った 細く華奢に見えていたが骨張っており適度に筋肉が付いていて腕に浮き出た血管は太く、なんだか男… 男がカヤのペニスを握る手を上下にゆっくり動かした



もぅ充分に固くなっていると思われたそれは更に固く大きくなっていくのを手の平全体で感じた


最初は驚いたが男が感じているんだと思うとカヤはだんだん楽しくなっていった


男に任せきりだった動きにカヤは自分の意志をのせた



それに気が付いた男がカヤの手を離したが、カヤは既に記憶した男が動かしていた強さとペースのままでしごく



男の息遣いにカヤは益々嬉しくなり楽しくなっていった




「私、フェラしてみたい!」


カヤは好奇心でワクワクしていた

  • << 187 初めて口にしたそれは、手の中で感じるより、更に固く熱く感じた。 自分から切り出したとはいえ、今までだったら想像するだけで嫌悪感を感じていたのに、すんなりなんの抵抗もなく口に含む事が出来た事に、必死になっている今のカヤにはまだなんの違和感も無かった 男に教わりながら一生懸命舌や口を使った ぎこちないが、歯を当てない様にだけは最善の気を配った これは、以前高校の時のクラスの男子の会話を何気なく聞いた時に得た知識だった その内、顎が痛くなっても夢中でしゃぶり続けた ジュポ ジョポ と男のペニスと自分の唾液から出る卑猥な音にカヤは再び欲情していた

No.186 09/03/24 21:03
ちゃら ( 3bHK )

>> 185 心温かいコメントありがとうございます✨


すっかりご無沙汰してしまいました(ノ_<。)

少し私生活に疲れてしまい、こちらに気持ちを向ける事が出来ませんでしたが、久し振りに来て、コメント拝見させて頂き、素直に嬉しく元気が出ました(*^_^*)



ありがとうございます🍀✨



ちゃら🐢💨

No.187 09/03/24 21:23
ちゃら ( 3bHK )

>> 184 男がカヤのペニスを握る手を上下にゆっくり動かした もぅ充分に固くなっていると思われたそれは更に固く大きくなっていくのを手の平全体で感じ… 初めて口にしたそれは、手の中で感じるより、更に固く熱く感じた。


自分から切り出したとはいえ、今までだったら想像するだけで嫌悪感を感じていたのに、すんなりなんの抵抗もなく口に含む事が出来た事に、必死になっている今のカヤにはまだなんの違和感も無かった



男に教わりながら一生懸命舌や口を使った


ぎこちないが、歯を当てない様にだけは最善の気を配った


これは、以前高校の時のクラスの男子の会話を何気なく聞いた時に得た知識だった



その内、顎が痛くなっても夢中でしゃぶり続けた



ジュポ ジョポ

と男のペニスと自分の唾液から出る卑猥な音にカヤは再び欲情していた

No.188 09/03/24 22:02
ちゃら ( 3bHK )

>> 187 「こんなに夢中になちゃって、そんなに美味しいの?」



その言葉にカヤの下半身がジュンとした


しかし酷い言葉とは反対に、カヤの頭を撫でる男の手は優しい



ふと我に返り、恥かしい気持ちで男の顔を見上げると、男と視線がぶつかった



カヤは慌てて視線を外す



「ちゃんとこっち見てカヤがしゃぶってるやらしい顔みせて」



カヤは上から男に見下ろされながら、自分の奉仕する姿を見つめる男の強い眼差しに耐え切れず、何度も視線を落としたが、その度男に注意され屈辱的な気持ちを味わっていた



しかしすっかり息遣いが荒くなっていたのはカヤの方だった

No.189 09/03/25 04:11
ちゃら ( 3bHK )

>> 188 あまりの興奮に息苦しくなり、カヤはやっと口からペニスを離した


息荒く涙目のカヤに相変わらず優しく、まるで子犬でも撫でるかの様にカヤの髪に触れる男は、しゃがみ込み、やっと同じ目線になるとカヤの唇に自分の唇る重ねてから強く抱き締め言った


「ありがとう、気持ち良かったよ」



濡れた身体で抱き合う事がこんなに心地いいなんて…



やがてカヤは興奮以上に幸福感に包まれていた



二人はじゃれ合う様にお互いの身体をふき、裸のままベッドに潜ると抱き合いながら眠りについた

No.190 09/03/25 04:52
ちゃら ( 3bHK )

>> 189 次にカヤが目を覚ましたのは、身体にくすぐったさを覚えた事からだった



まだボーっとしながら少しずつ視線に意識を合わせてゆく



男がカヤの身体のあちこちに唇や舌を這わせていた




先程風呂場で欲情したまま燻っていたカヤの身体はすでに反応しており秘部は愛液が溢れ出ている事に自分でもすぐに気が付いた


「あん…ッ
ああん…ッ」

カヤの口から吐息混じりの甘い声がすぐに漏れ始め、身体がビクンと反応する




じらす様に腹や脇腹ばかりを行き交う男の舌に、切ない疼きを感じた



「ドコ舐めて欲しいの?」



舌を這わせながら男が聞く



その問いにカヤの喘ぎ声は少し大きくなった


「言わなきゃずっとこのままだよ


それともカヤはこのままがいいのかな?」



更にまた少し大きくなった喘ぎ声を確認すると、男はカヤの乳房付近をぐるぐると舐める


我慢できず、早くかくしんに触れて欲しいカヤは、喘ぎ声混じりにやっと言葉を口にした


「…んんッ


…おっぱい…」




「おっぱいをどうして欲しいの?



最後までちゃんと言わなきゃわかんねーよ」


男は優しい口調ながらも卑猥な質問を投げ掛けた

  • << 195 その問いに身体中熱いものが込み上げた 「オッパイ舐めてっ‼」 思わず叫んだ自分の言葉に更に熱いものが駆け巡る 「そんないやらしい事、よく自分から言えるよね 自分で言った言葉にこんなに濡らすなんてね… 盛りのついた雌犬だな」 グチュグチュと大きな音を聞かせながら激しくカヤの中をかき混ぜながら男は鼻で笑ってみせた カヤの脳内は狂った様に理性は粉々に飛んだ 自分から男の唇に乳房を押し付ける 男は夢中でカヤの乳房に吸い付いた

No.195 09/10/09 00:27
ちゃら ( 3bHK )

>> 190 次にカヤが目を覚ましたのは、身体にくすぐったさを覚えた事からだった まだボーっとしながら少しずつ視線に意識を合わせてゆく 男がカ… その問いに身体中熱いものが込み上げた



「オッパイ舐めてっ‼」



思わず叫んだ自分の言葉に更に熱いものが駆け巡る



「そんないやらしい事、よく自分から言えるよね

自分で言った言葉にこんなに濡らすなんてね…


盛りのついた雌犬だな」


グチュグチュと大きな音を聞かせながら激しくカヤの中をかき混ぜながら男は鼻で笑ってみせた




カヤの脳内は狂った様に理性は粉々に飛んだ


自分から男の唇に乳房を押し付ける


男は夢中でカヤの乳房に吸い付いた

No.196 09/10/09 01:53
ちゃら ( 3bHK )

>> 195 「カヤ、今日から俺と出来なくなるのに、こんなにエロくなってどうすんの❓」



カヤの乳首を舐め回しながら男は聞いた



「ンぁッ…
…だって


オニイサンのせいぢゃん…

んンッ」


「ぢゃあ、身体が寂しくなったら俺の事思い出しながら、自分でやれよ」



「…んァ…

独りぢゃできない…」


「出来るよ、ほらこうするんだよ…」



男はカヤの右手をカヤ自身の秘部の中心に持っていく

カヤの人差し指で蜜をすくいクリトリスにあてがった


カヤの手首をもちながらそのままクルクルと円を描く


男の意志で動かされているが、その指は間違いなく自分のものだ


自分が自分に快楽を与える事への抵抗は、それでもビクンビクンと波打つ身体には勝てなかった



更に更に深い快楽に落ちていくと、いつしか男の手はカヤの腕を離していた


既にカヤの意志のみで動いている指は止まらない



男は手伝う様に左乳首を愛撫しながら



「右の乳首は自分で触るんだよ


ほら、すぐ起ってやらしい」


カヤは言われるがまま、自分のクリトリスをいじりながら、コリコリと乳首をこねる



「…んッァッ!」

No.197 09/10/09 02:00
ちゃら ( 3bHK )

>> 196 クリトリスと乳首を刺激する指はどんどん早くなってゆく


チュパッ…チュパッ…


左乳首を執拗に吸っては離すを繰り返す男の頭を抱え、大きく背中をのけぞらせながらあっという間に絶頂を迎えた

No.198 09/10/09 15:32
ちゃら ( 3bHK )

>> 197 その後もカヤと男は数回身体を重ねた



カヤはありったけの感謝の気持ちで男に奉仕し、またカヤ自身も男から与えられる快楽に溺れきった




今度は別々にシャワーを浴び、何も考えず、タバコを二本ずつ吸ってからホテルを出た




二人は殆ど言葉を交わさなかった

No.199 09/10/09 15:45
ちゃら ( 3bHK )

>> 198 車に戻り、男が気を取り直した様に口を開く


「メシ食ってくか


何食べたい?」




カヤは明るく答えた



「大丈夫!お腹空いてないし

もう帰るよ」



「そうか」

と呟く男にカヤは自宅近くまでの道のりを説明した。



車は刻一刻とカヤの家へと距離を近付けていった

No.200 09/10/09 15:55
ちゃら ( 3bHK )

>> 199 「ここでいいよ」



カヤは吸っていたタバコを力強く灰皿へと押し消した



車はゆっくりと路肩に止まる



男もタバコを消すと言った



「ちょっと待って」



紙に何かを書いている



「谷川歩」


の文字の下に電話番号とメールアドレスらしきものが書いてあった

No.201 09/10/09 21:08
ちゃら ( 3bHK )

>> 200 「あゆみ…?」



「あゆむ

良かったら連絡して」


たにかわ あゆむ



出会って四日を丸々共にした


処女を捧げた



カヤの身体は沢山の事を知った



この男によって




カヤがそういえば名前を知らなかったという事を、改めて思い出すとふとおかしく思えてきた






「なんだよ、


どうせ女みてーな名前だと思ってんだろ」



「違うの、名前初めて知ったなって」



確かに男も名乗らなければ、カヤからも聞いた事が無かった



男も一緒になり笑い、温かい空気が流れた

No.202 09/10/09 23:13
ちゃら ( 3bHK )

>> 201 「カヤの連絡先も教えてよ」





少し考えたがカヤは歩の持っていたペンを取った




歩の連絡先が書いてある紙の余白に書いて、その部分をちぎると渡した



「コレって自宅電?!」



「携帯持ってないの


学校辞めて、仕事もしてないから親に解約されたから」

No.203 09/10/09 23:42
ちゃら ( 3bHK )

>> 202 「四日間、本当にお世話になりました!」



カヤは思い切り頭を下げた



頭をあげると歩が短く優しいキスをした




そしてあの濃厚な四日を過した二人は別れた


カヤに後ろ髪引かれる様な気持ちはなく、あの重々しい空気の家にこれから帰らなければならないというのに清々しい気持ちで家路へと歩き出した



連絡先を交換したが、きっともう、歩から連絡が来る事はないだろう。

自分からするつもりもない。



もうきっと会う事はない



カヤは自分が最初から割り切る覚悟があった事に気付く


歩に遊ばれたとも思わない



全ては自分が納得して選んだ事だ



あの時迷いも無かったが、今後悔もしていない



確かに一緒にあの星空を見た時は切なくなったが、この片田舎しかしらないカヤは、東京で暮らす自由な歩が羨ましかった

  • << 205 歩と過ごして三日、その前は美也子の家に2~3日いた 家に帰るのは6日振りかな… カヤは家のすぐ近くまで来ると冷静に家を空けた日にちを数えていた さすがに緊張が走る 緊張を打ち消すかの様に玄関を思いっきり開けた そのまま勢いよく家へと足を踏み入れた 母親が出て来たが、カヤを見るなり、何も言わずフイとまた奥へと消えた カヤが予想していた通りの母親の姿は、一瞬心を凍らせたが、それでもまだあの清々しさが消えていない事にカヤは救われた

No.204 09/10/10 01:00
ちゃら ( 3bHK )

訂正



今読んで下さっている方がいらっしゃるかはわかりませんが…


カヤと歩が過した時間は「4日間」ではなく「3日間」でした💦💦




前回の更新から時間が空き過ぎてしまっている上、ろくに読み直しもせずまた書き始めてしまったので(´A`)


文章や、カヤ、歩の雰囲気が変わってしまっていたらごめんなさい…

No.205 09/10/10 02:57
ちゃら ( 3bHK )

>> 203 「四日間、本当にお世話になりました!」 カヤは思い切り頭を下げた 頭をあげると歩が短く優しいキスをした そしてあの濃厚な… 歩と過ごして三日、その前は美也子の家に2~3日いた





家に帰るのは6日振りかな…




カヤは家のすぐ近くまで来ると冷静に家を空けた日にちを数えていた




さすがに緊張が走る




緊張を打ち消すかの様に玄関を思いっきり開けた



そのまま勢いよく家へと足を踏み入れた




母親が出て来たが、カヤを見るなり、何も言わずフイとまた奥へと消えた





カヤが予想していた通りの母親の姿は、一瞬心を凍らせたが、それでもまだあの清々しさが消えていない事にカヤは救われた

No.206 09/10/10 09:00
ちゃら ( 3bHK )

>> 205 それからカヤは泥の様に眠った…



歩と欲望を貪り合い、やはり疲れもあったであろうが、懐かしい自分の布団の中で、どこか安心に満たされた深い眠りにつく事ができたのは、誰かと繋がれる幸せを一瞬でも経験できたからかもしれない

No.207 09/10/10 09:13
ちゃら ( 3bHK )

>> 206 「カヤッ!カヤッッ!!起きなさい!!」




語気の強い渇いた母親の声がカヤを起こす



幸せな眠りから引きずり出されたカヤは何も言わず忌々しい目で母親を見る



「電話よ!!」




母親はそう掃き捨てると、バタンと扉を強く閉めた

No.208 09/10/10 13:49
ちゃら ( 3bHK )

>> 207 「はい…」



カヤは眠気と母親への嫌気を押さえ切れず、ぶっきらぼうに自室の子機を取り上げ言った


部屋は真っ暗だ



「…ごめん、寝てた?

俺だけどわかる?」



「…誰??」



名乗らない電話の相手


眠気と嫌気で頭は働かない



少しの沈黙の後

「…歩だけど」

「オニイサンッ?!
オニイサンなの?!!」

電話を通すと若干トーンが違う気がしたが、確かによく聞くと、聞き覚えのある、あの歩の声だった


あの後ちゃんと真直ぐ帰れたのか気になって掛けてみたと言った


「女の子の家電に掛けるなんて中学以来だったからスゲェ緊張したし、ママが出たから更にテンパったわ」


男の照れくさそうな声に、カヤの心はやすらぎを取り戻していった

「あの人対応悪く無かった?大丈夫?!」


「いや、全然!


かなり上品で優しそうな感じだったから安心した」


あの人、うわべを飾るのはだけは本当に上手だから…


心の中で毒づいてみたものの、その上面のお陰で歩に対して失礼が無かった事に安堵した

No.209 09/10/10 19:04
ちゃら ( 3bHK )

>> 208 結局歩と30分ほど話した



歩の声は心地よいやすらぎと、しかし同じ位の切なさをカヤにもたらした



時折、タバコの煙を吐き出すのが受話器から伝わると、何故か懐かしく愛しい。



電話を切ってからやっと部屋の電気を付けた


タバコに火を付け時計を見ると18時を過ぎている



自分は一体何時間寝たのだろう



カヤはタバコの煙をくゆらせながら考えた

No.210 09/10/11 11:13
ちゃら ( 3bHK )

>> 209 まさか歩から連絡が来るなんて意外だった




歩が言った通り、とにかくあのままちゃんと帰ったのか心配しただけだろうが


だから今度こそ、歩との繋がりはなくなるかもしれない



しかし、例えそうであてもカヤは嬉しかった。



心配してくれる事
気に掛けてくれる事
例えそれに意味が無くても

何でもいい


何となく連絡をくれただけでも




そこにまた電話が鳴った



「はい

戸田です…」


カヤが電話に出る

No.211 09/10/11 11:50
ちゃら ( 3bHK )

>> 210 「カヤ?!美也子だよ!!」



美也子からだった



「どこ行ってたの?!
カヤが帰った次の日も昨日も電話したんだけど、まだ帰ってないって言うから心配してたんだよー!!」



慣れ親しんだ美也子の声も懐かしく聞こえる


「ごめんー

ちょっと色々あって…

それよりどうした?

何かあったの?!」



「チョー色々あったんだけど、直接話したいから今から家来ない?!」


美也子はまるで、急いているか興奮しているかの様に早口で話す


「わかった!

シャワー浴びてすぐ行くね!」



急いでしたくを済ます

その間母親とは一度も目が合わなかった

No.212 09/10/13 02:53
ちゃら ( 3bHK )

>> 211 母親の事は何も考えたくない


カヤは力いっぱい自転車を漕いだ




冷たい風を、思いっ切り感じると、美也子の家に着く頃には頭の中もようやくスッキリとした



チャイムを鳴らし、美也子が笑顔で出てくる


「上がって!」



待ち切れない様子でカヤを迎え入れる



美也子の部屋に入ると、妹のサヤカと見た事の無い女の子がいた



「初めましてー


弥生といいます」



見慣れない女の子が、人懐こい笑顔をむけカヤに挨拶をした



化粧は濃いが、その下も充分整っているであろう

可愛い顔をしている



カヤも笑顔で弥生に向けて挨拶をすると、美也子がシチューを持って後から入ってきた



美也子はシチューとスプーンをカヤに渡すと


「弥生はまだ15なんだよ。今中3なの」

No.213 09/10/13 03:14
ちゃら ( 3bHK )

>> 212 歩と出会ったあの日…

カヤが美也子の家を出た後、サヤカの男友達からサヤカへ連絡があり、頼まれて弥生を預かっているという



弥生は家出中で、行く宛が無いらしい


と言っても美也子の家に来るまでも、もう一か月ほど家には帰っておらず、学校へも行っていない

弥生は携帯を持っているが、その間親からは連絡も無いそうだと美也子が説明した



中学生なのに、一か月も家を空けるなんて凄いな…


カヤは驚いた



自分は、弥生より二つも年上だ

今回の家出は、カヤにとって最長ではあったが、一週間も持たなかった



勿論帰りたくは無かったが、やはり歩に迷惑を掛けている気がして、帰るしかないと思っていたからだが



カヤは心の中で、すっかり弥生に感心していた

No.214 09/10/13 03:29
ちゃら ( 3bHK )

>> 213 「それでねー、私新しい彼氏が出来たのー」



急に美也子の話が変わった事にも、その内容にも驚き、カヤはすっとんきょうな顔をした


その顔を見て

「プッ…」


と笑い出す美也子たち


弥生を預かった次の日、弥生が別の男友達を呼び出すから一緒に遊ばないかと、美也子とサヤカを誘ったらしい

それで、美也子はカヤも誘おうと思い、カヤの家に電話をしたが、帰ってきていないと言われたと続けた



結局、美也子とサヤカと弥生、弥生が呼び出して男友達とその男友達が連れてきた他の男二人含め、6人で遊んだ

  • << 217 オールナイトで遊び、その日のうちにその中のひとりと付き合う事に決めたのだと言う 驚いた事に、サヤカも弥生も… それぞれその中の男たちと付き合う事になったと説明した それまで美也子にもサヤカにも、彼氏がいたのだが どうやらこれから別れるらしい 「だからカヤに彼氏会わせたくって 会ってくれるよね?!」 まだお互いロクに知らない相手と 出会ったその日に付き合うという事に カヤの中で不安と疑問が浮かんでいた 今まで…共に二人の歴史を作ってきた彼氏を たった一日会った男の為に捨てる しかしあまりにもキラキラとした目で、嬉しそうに話す美也子を見ていると、断る理由なんて無いと思い直した 実際、自分は見ず知らずの歩に処女を捧げたのだから…

No.216 09/10/14 04:00
ちゃら ( 3bHK )

>> 215 モンチャックさん、古いスレなのに見付けて下さってありがとうございます🙇🙇



このスレの書き始めは去年の11月になってます💦


本当になんでこんなに時間が掛ってしまっているのでしょう😢



気紛れでごめんなさい😭💧



カヤと歩に涙して頂ける方がいたなんて…嬉しい驚きです✨



ぼちぼち頑張ってみますね😃





ちゃら🐢

No.217 09/10/14 04:26
ちゃら ( 3bHK )

>> 214 「それでねー、私新しい彼氏が出来たのー」 急に美也子の話が変わった事にも、その内容にも驚き、カヤはすっとんきょうな顔をした その顔… オールナイトで遊び、その日のうちにその中のひとりと付き合う事に決めたのだと言う



驚いた事に、サヤカも弥生も…

それぞれその中の男たちと付き合う事になったと説明した




それまで美也子にもサヤカにも、彼氏がいたのだが


どうやらこれから別れるらしい




「だからカヤに彼氏会わせたくって



会ってくれるよね?!」



まだお互いロクに知らない相手と
出会ったその日に付き合うという事に
カヤの中で不安と疑問が浮かんでいた


今まで…共に二人の歴史を作ってきた彼氏を


たった一日会った男の為に捨てる



しかしあまりにもキラキラとした目で、嬉しそうに話す美也子を見ていると、断る理由なんて無いと思い直した



実際、自分は見ず知らずの歩に処女を捧げたのだから…

  • << 219 丁度、今日の深夜に美也子は彼氏と会う約束をしてると言った 美也子の彼氏は、美也子やカヤと同じ歳で、父親の仕事を手伝いながら、夜間の高校へ通っているという 他の二人…つまりサヤカと弥生の彼氏は、カヤのひとつ年上で、二人とも同じ建設会社で働いているそうだ 美也子の彼氏とこの二人は幼馴染みであり、小中校の先輩後輩だという事や、弥生と友人関係だったのはサヤカの彼氏だけで、他の二人とは弥生自身初対面だった そんな説明を一通り美也子が話した

No.219 09/10/16 17:28
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 217 オールナイトで遊び、その日のうちにその中のひとりと付き合う事に決めたのだと言う 驚いた事に、サヤカも弥生も… それぞれその中の男たち… 丁度、今日の深夜に美也子は彼氏と会う約束をしてると言った



美也子の彼氏は、美也子やカヤと同じ歳で、父親の仕事を手伝いながら、夜間の高校へ通っているという



他の二人…つまりサヤカと弥生の彼氏は、カヤのひとつ年上で、二人とも同じ建設会社で働いているそうだ



美也子の彼氏とこの二人は幼馴染みであり、小中校の先輩後輩だという事や、弥生と友人関係だったのはサヤカの彼氏だけで、他の二人とは弥生自身初対面だった



そんな説明を一通り美也子が話した

No.220 09/10/16 17:59
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 219 「カヤさんもカレシいないなら、ヤスくんたちに誰か連れて来てもらいましょうよ!」



弥生が弾んだ声で言った

どうやらヤスくんとは弥生の彼の名前らしい

「確かに彼氏が同じグループだと皆一緒に遊べて楽しいよね!
カヤちゃんそうしなよ!」


サヤカが勢いよく賛同する



しかし、カヤはそんな気になれなかった



大体カヤは大人数が苦手だったし、まだ男たちにすら出会っていない。

男たちに会った事があれば、友達というものは大体似た者同士が集まるもので、大体どんな人間か察しもつくであろうが…



それに紹介という形で、いきなり交際を前提に初対面の男と会った事もない


どちらかが気に入らなければ、お互い友達を介しているのだから面倒な事にはならないか…

No.221 09/10/17 00:29
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 220 美也子とサヤカは好きだったがどうしてもその気になれず


「ん~、今はまだいいや


そのうち、そんな気分になったらその時は宜しくね





カヤは申し訳ない顔をして言った




そっか、カヤはまだ黒沢さんの事が好きなんだね…」



美也子が悟った様に優しい眼差しでカヤを見つめ言った



その言葉にカヤはハッとした



黒沢の事など微塵も心をかすめていない自分に


そして、その後にふと歩の顔が脳裏に過ぎった事に…



しかし、そこに理由を見つけたくはないと思った



今はなんだか申し訳ないが、美也子が思う様に黒沢のせいにしておく方が楽だと思い、何も返さなかった

No.222 09/10/17 01:14
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 221 「シンくん、この子が中学の頃からの親友のカヤ


で、こちらが彼氏のシンくん」



美也子が交互にお互いを紹介した


「こんばんは、はじめまして」



シンは、一見無造作に見える、しかしそれはワックスで充分に計算しつくされた隙のない金髪の少年だった



背は高いが顔は小さく、意外にも仕事柄か筋肉が割りと付いているのが容易に見てとれた


笑うと顔がクシャッとしてあどけない



それからサヤカと弥生からもそれぞれ彼氏を紹介された



サヤカの彼氏は、「みつる」といった


シンよりは少し背が低いが、それでも一般的に見たら高い方だろう

日に焼けているのか、元々なのか浅黒く、目は切れ長の一重で短髪

男らしいといった印象だった



弥生の彼氏は、「ヤス」といい、カヤとさほど変わらない位の小柄な男だった


割りと長髪で緩いパーマがあてられているがそれに負けないほど顔も綺麗で色白。しかし話す声は誰よりも低い


この二人はカヤよりたったひとつ年上だったが、社会人という事もあってか随分大人に見えた事にカヤは驚いた

  • << 225 それからみつるとヤスの車の二手に乗り合わせた シンはまだ免許を持っていない 美也子とシンと弥生がヤスの車に乗る カヤはサヤカと、みつるの車に乗せて貰う事になった みつるは、話し上手なうえ、後ろに一人座るカヤにも気を配りながら、話す 内容もサヤカとみつるにしかわからない話はせず、ジョークを交えながら、時々はバックミラーでカヤに目をやり話を振る 男3人は、カヤの通っていた高校の近くに住んでいるらしく と言っても、カヤの家からは自転車で一時間は掛る所なのだが そんなみつるの気遣いで、緊張していたカヤもだんだんリラックスし、口数も増えていった

No.224 09/10/21 21:48
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 223 ✏伊右衛門てぃさん、ありがとうございますm(_ _)m


コツコツ頑張ります😃




ちゃら🐢

No.225 09/10/21 22:59
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 222 「シンくん、この子が中学の頃からの親友のカヤ で、こちらが彼氏のシンくん」 美也子が交互にお互いを紹介した 「こんばんは、はじ… それからみつるとヤスの車の二手に乗り合わせた



シンはまだ免許を持っていない



美也子とシンと弥生がヤスの車に乗る



カヤはサヤカと、みつるの車に乗せて貰う事になった



みつるは、話し上手なうえ、後ろに一人座るカヤにも気を配りながら、話す



内容もサヤカとみつるにしかわからない話はせず、ジョークを交えながら、時々はバックミラーでカヤに目をやり話を振る



男3人は、カヤの通っていた高校の近くに住んでいるらしく


と言っても、カヤの家からは自転車で一時間は掛る所なのだが






そんなみつるの気遣いで、緊張していたカヤもだんだんリラックスし、口数も増えていった

No.226 09/10/22 13:45
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 225 ファミレスで食事を取った後は、この田舎では唯一深夜までやっているレジャースポットのひとつでもあるボーリングに行った



あまりボーリングが得意ではないカヤは、ゲームには参加せず見ているだけにした



カップル対抗戦になり、負けたカップルの男が全員に酒を奢るルールになった



賭け事が絡む事で、ゲームは白熱し盛り上がった



美也子、シンカップルに近差で負け、最下位となったのは弥生、ヤスカップルだった

No.227 09/10/22 18:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 226 「仕方ねーな!

じゃあ、コンビニで酒買ってシンちゃんちに行こうぜ!」



ヤスが言う



「カヤも行くでしょ?!」


美也子の言葉の急な展開にカヤは驚いた


「私はいーよっ!!」

慌てて返事をすると



「えー、何で?
カヤちゃんも行こうよ!
俺らも明日休みだし

折角皆仲良くなったんだしさ」



みつるの言葉に続き、皆口々にカヤを引き止める



「ほら!皆も言ってるしさ!

それにココからカヤだけを送る為にあっちまで引き返して貰う方が大変だよー!」



最後の美也子の、とどめの様な言葉にカヤは諦めた



確かにここからでは、一人で帰るとも言えない

No.228 09/10/22 20:05
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 227 シンの部屋は家の前のプレハブ小屋の様な所だった


家は敷地内に新しい物と、ちょっと年季の入ったものと2軒もある

新しい方に両親、古い方に祖父母が住んでいる


トイレは祖父母が住む古い家の方を勝手に入って使っていいと美也子が説明した




勝手がきくから皆の溜まり場になるとヤスが言っていたが、正にその様な場所だった

No.229 09/10/22 20:14
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 228 最初からこうなるってわかってたなら、今日は断ってたのにな…



カヤは後悔していた

確かに皆優しいし、いつもは大勢が苦手なカヤでも、今日はそれなりに楽しめている



しかしやはり自分以外はカップルだ


なんだか片身が狭い思いに虚しさを感じていた



羨ましいのかな…




そんな気持ちで回りを見ると



皆、酒も入っている為顔はじょうきし、今まで気にならなかったがそれぞれの距離も近くなった様に見えた



カヤは益々やるせない気持ちになり、苦手な酒を無理して浴びた

  • << 232 酷い頭痛と違和感にカヤは目を覚ました 朦朧としている意識の中、ズキンズキンと脈を打つ頭に痺れる しかし意識はすぐに現実を捉えた 「…んぁッ!! あァン!!」 「ンッ! ンンンァ!!」 遠慮なく喘ぐ女の声と息遣い それよりも驚いたのは自分の足に誰かの足が当たって、変な振動と熱が伝わってきている事だった カヤはパニックになりながら、今までの経路を必死に回想しようとする

No.231 09/10/23 16:56
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 230 ✏くまさんありがとうございます😊



そんな風に、過去のご自身と重ね、読んで下さってる方がいるのかと思うと私も大変嬉しく思います✨✨



くまさんのコメント…

本当に嬉しくて😢
なかなか進められていませんし、一度長い時間放置もしてしまっていますので、どの位時間が掛るかわかりませんが最後まで頑張りたいと思っているので…

良かったらまた覗いて下さいね🍀🍀🍀




ちゃら🐢

No.232 09/10/23 17:46
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 229 最初からこうなるってわかってたなら、今日は断ってたのにな… カヤは後悔していた 確かに皆優しいし、いつもは大勢が苦手なカヤでも、今日… 酷い頭痛と違和感にカヤは目を覚ました



朦朧としている意識の中、ズキンズキンと脈を打つ頭に痺れる


しかし意識はすぐに現実を捉えた



「…んぁッ!!


あァン!!」



「ンッ!

ンンンァ!!」



遠慮なく喘ぐ女の声と息遣い


それよりも驚いたのは自分の足に誰かの足が当たって、変な振動と熱が伝わってきている事だった



カヤはパニックになりながら、今までの経路を必死に回想しようとする

  • << 237 今、自分がどこにいるのかが明確になると、隣の喘ぎ声が、色は変われど聞き馴染んだサヤカのものだという事もわかった 少し離れた所から、途切れ途切れ聞こえてくるのは、美也子のものだろう 美也子とシンはシンのベッドで情事に及び 雑魚寝の形になったのはサヤカとみつるとカヤであり、カヤの足にあたる振動を持ったものは、おそらくみつるの足だろう… 確認するわけにはいかないが、やよいとヤスの気配は感じない 同じ一室で、美也子とサヤカは姉妹で獣になっている その声に遠慮や恥じらいは感じない それどころか、お互いを刺激仕合うかの様に、益々トーンは上がってゆく カヤはひどく冷静になっていた

No.233 09/10/27 21:02
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

読んで下さってる方へ

すいません🙇💦

11月までお休みしますm(_ _)m




時間ばかり掛かってる割りに、あまり進展してなくてごめんなさい(ρ_;)




11月からまたノロノロと書き始めます

p(´⌒`q)



ちゃら🐢💤

No.236 09/11/03 20:59
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 235 ✏あいちゃんさん、ありがとうございます☺



またポツポツと頑張りますね💓




ちゃら🐢

No.237 09/11/03 21:22
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 232 酷い頭痛と違和感にカヤは目を覚ました 朦朧としている意識の中、ズキンズキンと脈を打つ頭に痺れる しかし意識はすぐに現実を捉えた … 今、自分がどこにいるのかが明確になると、隣の喘ぎ声が、色は変われど聞き馴染んだサヤカのものだという事もわかった



少し離れた所から、途切れ途切れ聞こえてくるのは、美也子のものだろう



美也子とシンはシンのベッドで情事に及び



雑魚寝の形になったのはサヤカとみつるとカヤであり、カヤの足にあたる振動を持ったものは、おそらくみつるの足だろう…




確認するわけにはいかないが、やよいとヤスの気配は感じない




同じ一室で、美也子とサヤカは姉妹で獣になっている


その声に遠慮や恥じらいは感じない


それどころか、お互いを刺激仕合うかの様に、益々トーンは上がってゆく




カヤはひどく冷静になっていた

No.238 09/11/05 00:40
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 237 美也子とサヤカの声が激しくなればなる程、カヤは益々冷静になっていく





親しい友人の情時に燃える声など初めて聞いた



自分も歩と身体を重ねた時はこんなにも醜くなっているのか


やはりセックスは当人同士だけのものなのだ




そんな事を考えていると信じられない言葉が聞こえた




「カヤちゃん、混ぜちゃおうか」




それはサヤカに囁くみつるの声だった

No.239 09/11/05 00:49
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 238 信じられないみつるの言葉にカヤはゾッとした



それは罪のないジョークなのかもしれないが、先ほどからカヤの足にあたっているみつるの足は故意的によるものの様な気がしてきて、カヤの心は急激に冷えていった




「カヤちゃんは処女だからダメよ…」



サヤカは鼻に掛けた艶のある甘えた声で言った

No.240 09/11/05 01:01
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 239 「マジで⁉


ぢゃあ、もう少し待とうかな」





そう言うとみつるは益々カヤの足に自分の足を絡めた




カヤの想像は確信に変わった



鳥肌が全身を覆う




サヤカに歩との事を話さなくて良かった

例えそれがサヤカのその場しのぎの言い訳で、処女じゃない事を知っていたとしても、また違う理由を見付けて断ってくれたかもしれないが


カヤは寝返りを打ちたいのを必死に我慢し、ピタリとも動かず寝たふりを決め込んだ

No.241 09/11/05 01:43
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 240 みつるの印象が良かっただけに、カヤはショックを受けたが、その分一気に印象は最悪になった



お陰でみつるには警戒しようと守りに入る事が出来る事にカヤは安堵もした




しかしサヤカはとんでもない男に捕まってしまった事が心痛い


まだ別れてもいない元彼には何度も会った事があるが、サヤカと同じ歳で純朴で、サヤカを愛している事が見ているだけで伝わってくる
またカヤを慕ってくれている


カヤにとっても弟の様に可愛くて、こんな男に取られてしまった事が悔しくてやるせない



それ程年上の男とは魅力的なのか



安心をも手放してしまうドキドキするスリルとは恐ろしいと悟ってしまった気がした




なんとか、元の道に戻せないか…



しかしあのサヤカの様子では、難しい


既に心はみつるに奪われてしまっている事は、きっと誰の目からしても一目瞭然だ



付き合いが長いとはいえ、たった一度しかみつるに会っていないカヤの言葉などはたして響くのか



それどころかカヤとサヤカの友情にひびが入ってしまうのではないか



またサヤカが獣になっていた時に、実は起きていた事を告げるのも気が引けた

No.242 09/11/06 02:42
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 241 あんな状態でもカヤはまたいつの間にか眠り、起きたのは夕方に差し掛かる頃だった


起き上がってみると隣のサヤカとみつるは寝ていた


ベッドにいる美也子とシンも眠っている


昨日の酒が丸々残っている様で、体はだるく頭は重い


カヤはバッグから取り出したタバコに火を付けた


力なく吸ってみるが、ニコチンを身体が求めていた事を実感させられるほどうまかった


続け様に二本目に火を付けるとみつるが起きた



カヤはすぐに動揺したが、努めて平静を装い明るく言った


「おはようございます」


「おはよ」


まだ眠そうな声にみつるもタバコに火を付けた


カヤが慌てて自分の使っていた灰皿を差し出すと


「あぁ、いいよ、
俺がそっち行くわ」

その言葉に内心焦ったが、みつるに対しての嫌悪感や警戒心を感づかれない様に下手な事は何も言わずにいた

No.243 09/11/06 03:34
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 242 向かいにみつるが座ると緊張が増す


それを打ち消す様にカヤが口を開いた


「弥生ちゃんとヤスくんはどこへ行ったんですか?」


「あぁ、ヤスんち行ったよ


さすがにここであと二人雑魚寝は厳しいっしょ」


最初の人当たりのいい話し方と笑顔のみつるに、昨日のあの出来事は夢なのではないかと煙をくゆらせ考えた


いや夢ではない

しかし夢でなくとも昨夜は酒が過ぎた


みつるも例外でなく、ただ悪酔いし過ぎてしまったのか…


「カヤちゃんって、酒弱いんだね


昨日すぐダウンしちゃってたよ」


みつるは昨日の情景を思いだしている様なイタズラな、しかし優しい眼差しをカヤに向け言った


カヤはタバコの火を消した

視線を灰皿に落とす為に

みつるの目をあまり見てはいけない気がしたのは、やはり警戒心を拭い切れないからかもしれない

No.244 09/11/06 03:48
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 243 「遺伝ですかねー

うちはどっちも飲まないので


美也子とサヤカちゃんは強いみたいだから羨ましくって


私はお酒の楽しさがまだあんまり分からないから損してる気になりますよ


楽しくなる前に気持ち悪くなるか、眠くなっちゃうんですから

気持ち悪くなったら誰かに迷惑だって掛けちゃいますしね」

勢いよく話すカヤにプッとみつるが笑い出す



「ゴメン!ゴメン!

でもカヤちゃんって面白いねー


そおいえば今彼氏いないんだってね


好きなヤツいないの?」



「いますよ!

とっくにフラれちゃってますけどね」



昨日は美也子たち、今日はみつるに


カヤは黒澤を引きずっているフリをした


しかし言葉にすればするほど、カヤの中で黒澤への気持ちは、完全に過去になっている事が明確になる

No.245 09/11/06 17:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 244 「カヤちゃん


良かったらメアドか携番教えてくれない?


いやさ、サヤカと何かあったら相談したいなーと思って



ほら、美也子ちゃんもやよいもサヤカと一緒に暮らしてるから、相談なんかしたらサヤカにバレバレだろ?






みつるの言葉が終わるとカヤは少しの迷いも無く言った


「私、携帯持ってないんですよ」



「え?!
今時ッ?!!」


みつるは細い目を丸くして言った


その様子が可笑しかったが、カヤは堪えて大真面目に言った


「ホント今時なかなか居ないですよね!


親が解約しちゃったんです


だから美也子からもいつも家電なんですよ




不満げな様子は本物だが、時には便利だなと心の中で舌を出していた


「そっか~…残念


ぢゃあ、携帯持ったら連絡してー」


そう言うなり、みつるは財布からレシートを取り出すと、その裏にメールアドレスと携帯番号を書きカヤに渡した

No.246 09/11/06 17:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 245 流石に自宅にまで電話する気にはなれなかったのであろう



カヤは安堵した

みつるに家の電話を聞かれたら、勿論「親がうるさいから」と断る用意もしていたが、もし、今他の誰かが本当は起きていたらと思うと、いちいち面倒くさい事にもなりかねない



念には念を入れて

「当分難しいと思いますよ


仕事してないし


それよりケンカした時はちゃんと話し合いが大切ですよ」

No.247 09/11/06 22:18
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 246 全てはカヤの考え過ぎかもしれない



事実、カヤは決して美人なタイプではない


一般的に見てサヤカの方が顔もスタイルもよく、男ウケがいい事はカヤ自身が一番自覚していた



だから考えられるのは恐らく…

サヤカとうまい事やりながら都合よく味見程度できたらいいな位だろう


カヤなら、そんな事になっても、サヤカに言えるわけがないとナメられたのかもしれない



仮に全てがカヤの思い過ごしで、みつるの言う様に純粋に


これからサヤカとの間に何かあった時に相談したいだけであったとしても、人の恋愛を委ねられても、面倒なだけだ



カヤは自分の選択に清々しい気持ちになった



「おはよー!」


シンの部屋のドアが勢いよく開く



やよいとヤスだった

No.248 09/11/06 23:59
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 247 「あッ!


カヤちゃん昨日大丈夫だった?!」



やよいは靴を脱ぐなりカヤの元に駆け寄ってきた



「うん大丈夫だよ

何かゴメンねー」


「カヤちゃん、ゴメンなー!


女の子みんな結構強いからカヤちゃんも結構イケるんだと思って、俺飲ませ過ぎちゃったわ


悪いと思って、ホラ
カヤちゃんに買ってきたよ」


そう言うとヤスはカヤの吸っているタバコを1カートンビニール袋から取り出した


「買ってきたなんてウソだよー


ヤスくん今パチンコで勝ってきたの


だから昨日カヤちゃんにお酒飲ませ過ぎたんだし、勝ったならタバコでもあげたらって私が言ったの!


どうせそんな泡銭のタバコなんだから、カヤちゃん遠慮なく貰っときー」


やよいはヤスの手からタバコを取り上げると、いいからいいからとカヤに押しやった

No.249 09/11/15 21:27
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 248 やよいとヤスが来ると一気に部屋は賑やかになった


ひとりまたひとりと起き出す



談笑したりテレビゲームをしたりで結局深夜までシンの部屋にいた


「明日からまた仕事だし、そろそろ解散しますか」



シンの言葉に、昨日からとっくに帰りたい気持ちでいたカヤは安堵した


昨日と同じ割り振りで、カヤはサヤカとみつるの車に乗る事になったが、すぐにサヤカがシンの部屋に忘れ物をしたと車を降りた



すぐ戻ってくると思ったがなかなか来ない


無音の車内でみつると二人の時間は途方もなく長く感じた


「やよいちゃんとみつるさんって、どーゆー友達なんですか?」


耐えられずカヤから口を開いた

No.250 09/11/16 21:26
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 249 「あ~…
シンとヤスとはまた別のグループの仲間
…つっても、俺もまだそこまで知らないんだよねー


最近そのグループの友達が連れてきたんだけど、アイツ家に帰んないで色々転々としてるぢゃん?


家にも来たし、仲間内は日替わりでだいたい泊めて…」



そこまで言うとみつるは
ハッとした様に言葉を止め、すぐに慌てて言葉を繋げた



「家に泊めたって言っても、別にやよいと何か変な仲になった訳とかじゃないよ

まぁ、アイツは妹みたいなもんだし!


顔は相当可愛いけど、彼女にするってタイプじゃねーよ」



必死に喋れば喋る程カヤはみつるを、あまり賢い男ではないなと思った


色々な事が読めたが、何も気づいていないフリをして

「そうなんですね~」


とだけ明るく答えた

No.251 09/11/21 20:05
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 250 おそらく…みつるとやよいは肉体関係を持った事があるのだろう


みつるだけではなく

みつるの言う、そのグループにやよいを泊めたという何人かもやよいと肉体関係を持ったかもしれない


グループ内で泊めたらやれると評判になり、代わる代わるやよいを泊めていたのかもしれない


なんの根拠もないが、カヤは自分の考えがまとを外しているとはどうしても思えなかった


あくまで、それが自分の想像の産物でしかない事もわかっていたが


ただ、何故かそんな気がしてならなかった


もし、本当に自分の想像通りだったとしたら


家に帰りたくないが為に、毎晩違う男に抱かれているのだとしたら



自分がしたあの家出とは、スケールが違うなとやよいに対して妙な感心を抱いた

No.252 09/12/02 14:03
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 251 美也子の家まで送って貰い解散した


美也子に泊まっていかないかと誘われたが、カヤは身体も精神的にもなんだかぐったりと疲労に包まれていた



無論あの家には帰りたくないし、やよいへの好奇心もあったが、それにしても疲れ過ぎていた


それに美也子とサヤカの部屋に4人寝るのは正直キツイだろう
せいぜい三人がいい所だ


それまで美也子の家に泊まり慣れているからこそ、想像もつく



それを思うと、なんとなくやよいに居場所を取られてしまった様な寂しさもあったが



今はとにかくひとりになりたい

ひとりで寝たい


美也子たちに見送られ、カヤは笑顔を向けながら自転車を漕ぎ出した

No.253 09/12/02 16:37
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 252 家族は皆、寝静まっているのであろう

家は外よりも暗く静かに感じた


誰も起きていない事に安心したカヤは、足音をたてない様に部屋にバスタオルを取りに行き、そのままバスルームに向かった



脱衣所の電気を付け服を脱ぐ



鏡に映ったカヤの胸や腰には赤や紫色をしたあざの様な物が無数にあった


歩との最後の日に、歩が愛撫しながら付けたものだった



キスマークだ…



昨日美也子の家へ行く前にシャワーを浴びたが、急いでいたため、鏡を見る事もなく、すっかり忘れていた


温かい洋服や下着を剥ぎ取られ、いきなり冷たい外気にさらされたカヤの乳首はピンと起っている


起った乳首と歩のキスマークが付いた身体は人事の様に卑猥で、切なく見えた

No.254 09/12/02 18:13
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 253 歩の愛撫が鮮明に思い出される


耳裏…首筋…鎖骨…乳房…腹や腰…そして秘部へと行き交う唇と舌


カヤは鏡越しに歩の付けたあざをひとつひとつ見つめていると、それら全てを愛しく感じた

上から順に指でなぞる



腰で終わったキスマークに触れた指で、切なく起っている乳首にそっと触れてみた


冷たい指に先端はジンとし、キュッと益々固くなった



もう片方の乳房も、まるで触って欲しいかの様に疼く


今度は両方の乳首を指で摘み優しくこねる


ビクビクンと背中にあの電流が流れた

No.255 09/12/03 02:39
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 254 身体全体を覆う鳥肌は寒さからか、自らの指で弄んでいる乳首への快感からか…


「クシュンッ!」


自分のくしゃみで、カヤは急に我に返った


やり場のない恥ずかしさを振り払うかの様に慌てて浴槽の湯を被った



秘部から流れてきているヌルヌルとしたものを洗い流すとようやくバスタブに浸かる事ができた



何故自分がこんなに切ない気持ちになってしまっているのか…



美也子たちからの孤立感なのか…

自慰に目覚め掛けた 罪悪感なのか…


それとも歩とのたった3日間がそれほど恋しいというのか…


ふいに頬を伝い流れる涙の意味を考えられる余裕など、今のカヤにはあるはずもなく


ただただ出てくる涙に身を任せた

No.256 09/12/03 04:26
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 255 翌日からカヤは、連日の疲労と昨日の脱衣所での事が重なってかひどい熱にうなされた


両親は仕事へ妹は学校へ行った誰もいない時間を見計らい、力の入らない体で張う様にリビングへ行くと風邪薬と一番大きいグラスになんとか水を入れ自室に籠もった



何も食べていないが食欲もなく、そのまま薬だけを流し込む

もともと最後のバイトを辞め、益々関係が悪化してからカヤは母親の作る食事を口にするのを止めていた


そのうち母親もカヤの分を用意しなくなった


家では誰もいない時間に、残った炊飯器の飯だけを食べていたが、それとて結局は母親の炊いたものだ

この時ばかりはどんなに意地を張っても、抵抗しているつもりでも、今は親の稼ぎで生きている事を嫌でも実感させられる



自分の甘えと弱さを実感させられていた


腹など減らなければいいのにといつも思っていたが、食べ物を受け付けない今の体に薬だけを流し入れる事に罪悪感を感じた

No.257 09/12/03 19:32
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 256 いつまでも鳴り響く電話の音に目を覚ました


まだ誰も帰っていないのだと諦め、相変わらず重い体で放ってある子機をなんとか手繰り寄せた



歩からだった


昨日も掛けてくれていたらしい


妹とカヤの声が似ていた為、間違えそうになったと照れくさそうに話した


心の隙間がどんどん埋まってゆく…

心地よい歩の声をこのままずっと聞いていたいと思ったが、返すカヤの声で歩はすぐ体調の異変を察し、心配した



今すぐにでも電話を切ろうとする歩に、カヤは大丈夫と何度も言った


必死だった



歩はカヤの体調を気遣いながら、しばらく優しく付き合ってくれた


しかし次第に咳込みが激しくなってゆくカヤに、歩は優しく静かに…小さな子供をなだめる様な口調で言った


「カヤからもいつでも電話してきてくれていいし、俺もまた掛けるよ


だから今はゆっくり休んで、早く治して

俺もいつもの元気なカヤの声が聞きたい」



まだ名残惜しくはあるが、歩の声ですっかり穏やかな気持ちになっていたカヤも素直に従い電話を切った

No.258 09/12/03 23:31
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 257 体調とは反してそのまま安眠につけたカヤを再び起こしたものは、やはり電話だった


今度は美也子からで、今から遊びにこないかといういつもの誘いだった



風邪をひいて寝込んでいる事を告げ、治ったら連絡すると約束をし電話を切る



やよいの出現で、昨日は少し寂しさも感じたが、変わらず誘ってくれた事にまた安心していた



全身を覆う熱
重たい頭
ヒリヒリと痛む喉
おえつする様な咳


症状は最悪だが幸せに満たされた気分だ

歩と美也子に感謝すると再び頭から布団を被った

No.259 09/12/04 00:00
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 258 それからカヤはきっかり一週間寝込んだ


もともと家にいる時は自室に引き籠もりがちだが、流石に異変を感じたのか、様子を見にきた父親に風邪をこじらせている事を知られた



何度も医者に連れて行くと申し出てくれた父親に、医者には行きたくない、大丈夫だとカヤはその度頑なに拒んだ


その理由は、キスマークを気にしての事だった

首より下はキスマークだらけだ


医者に行けば、まず聴診器をあてられるだろう


医者にこの身体を見られるのはやはり抵抗があったのだ



結局市販の薬だけに頼った事で、必要以上に時間も掛かってしまった



カヤは約束通り、早速美也子に電話を掛けた

No.260 09/12/04 00:25
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 259 受話器から聞こえる美也子の声は、何故かよそよそしいものに感じた



一時間後に美也子の家の近くにあるファミレスに来てくれと言うだけで、詳しい理由は聞けないまま一方的に電話は切れた



いつもなら、今すぐ家にという美也子


美也子の家以外の場所や時間を指定された事は初めてだった


カヤは胸騒ぎに不安と緊張を覚えながらも、ノロノロと支度を始めた





時々身体を拭いていただけで、シャワーを浴びるのも一週間振りだった



脱衣所の鏡に映るカヤの身体は、一週間前とはあきらかに違う貧弱なものになっていた


数日食が進まなかったせいで鎖骨やあばらがくっきりと見え、乳房も一回り小さくなっていた


歩の付けた沢山のキスマークは、うっすらとした色を落とした物が2つ残っているだけで、あとは綺麗に消えてしまっていた

No.261 09/12/04 01:10
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 260 カヤは手早く支度をすませ、家を出ようとした時後ろから声がした


「あんた、なんの為にこの家にいるのよ
あの子の環境によくないのよ」



それは冷ややかで感情のない母親のものだった



「あの子」とは妹の事だ


カヤは言葉を返す事も振り返る事もなく、思いっきり扉を閉めた



「ガシャンッ」



再び母親に憎悪の念を抱くと、早くこの場から去りたいという思いに勢いよく自転車を走らせた

No.262 09/12/04 01:46
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 261 美也子に指定されたファミレスに着くと、美也子は先に来ていた

サヤカとやよいの姿は見当たらない


母親の事で頭がいっぱいだったが、美也子の電話での様子を思いし急に緊張感が戻ってくる



しかしカヤの緊張とは反して、美也子はいつもの笑顔を向け 手を振っている


カヤも内心安心しながらいつものカヤに戻り、美也子に駆け寄ると向かいのイスに腰を下ろした



「カヤ、痩せたんぢゃない?!

体調はどうなの?!



美也子の表情は笑顔から一瞬で不安げなものに変わる


「もうずいぶんいいよ


でも確かに痩せたかもね


ラッキーだったかも」


カヤは美也子を安心させる為にジョークを含めた言葉で返した



「それよりどうしたの?こんな所で


珍しいね」



「たまにはいいかな~って


カヤと2人でゆっくり話もしてなかったしね


ご飯食べた?

奢るから好きな物たのみなよ」

No.263 09/12/04 03:38
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 262 「何でも奢るってどうしたの?!




カヤが驚くのも無理はない

美也子も仕事をしていなかったし、美也子の家自体も決して裕福でない事は短くない付き合いからよくわかっていた



一瞬美也子の顔が曇ったがすぐに笑顔に戻る


「まぁまぁ、とにかく今日は任せてよ」


やはり何か引っ掛かるものを感じた


それに美也子に奢って貰う事にも気が引けて、食べてきたばかりだからと嘘を付き、自分でも出せる金額のドリンクバーだけを頼んだ



「この一週間また色々あったんだよ」



少しかしこまった調子で美也子が話始めた



ヤスとやよいが別れた事


みつるが浮気をしていた事


たった一週間だけの事なのに、どれもカヤを驚かせる事ばかりで言葉を失うカヤに淡々と美也子は続けた


それは更にカヤを驚かせた

No.264 09/12/05 05:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 263 「私もとうとう足を踏み入れちゃったよ…」


美也子の声のトーンが少し下がったが、カヤの目を真っ直ぐ見据えて続けた


「身体売ったの…

援助交際ってヤツ…」



カヤは美也子の言葉を瞬時には飲み込めずしばらく言葉が出なかった


「ウソッ?!

何でッ?!!」



事態をやっと飲み込んだ時、冷静でなどいれなかった

カヤらしからぬ大きな声で美也子に問う


「シッ!!」


美也子はカヤの声をたしなめるかの様に、自分の口の前に人差し指を立てて見せると、今までと同じトーンでまた淡々と話しだした

No.265 09/12/05 17:50
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 264 数日前、美也子が昼寝から目を覚ますとサヤカとやよいの姿が見えなかった


2人でコンビニでも行ったのかと気にも止めなかったが、帰って来た2人は洋服やら化粧品やらが入った沢山の紙袋を抱えていたという



美也子がお金はどうしたのかと聞くと、2人で援助交際をしてきたのだと告げられた


やよいはヤスにフラれ、サヤカはみつるの浮気で気分がうさくさとし、寂しさやストレスを埋める為にしたという



最初は美也子もそんな2人を怒鳴りつけたかったが、もうすでにしてきてしまった事や、自分だけ幸せな事に後ろめたさを感じ、咎める事が出来なかったそうだ


しかし、毎日買い物袋をぶら下げ、買ってきた物を楽しそうに広げている2人を見ているうちに、自分にも物欲が出てしまい、美也子もとうとう昨日初めて手を染めてしまった事、そして今日も今すでにして来たのだと話した


援助交際は最初、やよいからサヤカに持ち掛けられ始まった事を聞くと、カヤは美也子にやよいに対しての激しいいかりと憎悪を口にした



しかし興奮しているカヤに対し美也子は

「アイツも可哀想な子なんだよ」


とやよいを擁護する

No.266 09/12/05 18:39
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 265 やよいは中学2年から援助交際をしていた


その背景には、小6の時の帰宅中に、何者かに襲われレイプされた事や、中学入学間もなくして始まった同じクラスの女子からのイジメ、学校によりつかなくなってからの自分に対する親や教師への不信感などがあった


居場所や自分の存在意義を求め、寂しさを紛らわし、また生きる為に数々の男に抱かれてきた


中には本気で惚れた男や、本気で惚れてくれた男もいたが、自分のしてきた事を話すと誰も皆去って行ったという

それどころか逆上した男もいたという


「やよいって、絶対Vネックの洋服着ないんだけど

その理由って鎖骨の間に傷があるからなんだよね



男が逆上して、馬乗りになってやよいを刺したみたいだよ


やよいが暴れて、急所が外れたから何とか一命を取り留めたけど、それでも生死の間を何日かさ迷ったみたい



だからセックスの時もまくしあげるだけで洋服脱がないらしいよ


傷…見せて貰ったんだけどあれは相当ヤバかったよ…」

No.268 10/01/18 16:28
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

やよいの事は確かに同情した。

しかしやよいへの不信感は消えない

まだ日が浅いとは言え生活を共にしてさえいる友達を、悪の道へと引きずり込んだとしか思えなかった


しかし、カヤは美也子も美也子だと落胆した

シンに対しての罪悪感は無いのかと聞いた

「シンちゃんだってみつるさんとヤスくんの友達だし、イマイチ信用出来ない

だけどあたしはシンちゃんを好きになり過ぎちゃったから、自分に罪悪感を持つ事で不安とのバランスを取ってるの

それにお金があればオシャレも出来るし、女としてもシンちゃんの彼女としても自信が持てるよ


まぁ…カヤにはわからないと思うけど」

美也子の最後のセリフにショックを受け、カヤの心は急激に冷えていった

しかし美也子の言う通り…美也子の気持ちを理解する事が出来ず言い返す言葉が何も出てこない

No.269 10/01/18 16:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 268 カヤは悔しい気持ちでいっぱいだった


美也子はやよいの持ち込んだ援助交際で癒やされている


長い間友達でいる自分には気持ちが理解出来ないのだから、カヤがこれ以上止めても、美也子の心に響く言葉など、自分なんかに持ち合わせていないと無力感に襲われ


同時にやよいに負け、美也子を取られてしまった様な脱力感と喪失感を味わった

自然と涙が溢れ出る

美也子が慌ててタバコの火をもみ消すと言った

「ゴメンッ!
ちょっと言い方キツかったよね?!


でも、今のあたしもカヤに受け入れて欲しいの

あたしの事汚いって思う?」


その問いに必死にカヤは首を振った

やよいに負けたとしても美也子を失いたくない

全てを聞いて今ただ残された感情はそれだけだった

No.270 10/01/18 17:17
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 269 カヤは自分にどんな美也子も受け入れると固く誓った


その後美也子の家へ行くと、不安げなサヤカと美也子が待っていた


安心させるかの様に笑顔の美也子が2人に向かって言う


「カヤには全部話したよ」







やよいは相変わらず人懐っこい


カヤも不信感を振り払うかの様に今まで通り…いやそれ以上に優しく接した



しばらく談笑すると、サヤカとやよいが楽しそうに顔を見合わせ、意を決した様にカヤと美也子に話し掛けた


実はこれから、やよいの知り合いと合コンをするのだと言う

勿論、財布は向こう持ちでなかなかのイケメン揃い
カヤと美也子も一緒に行かないかと誘ってきたのだ

美也子は行くと言ったが、カヤは病み上がりだからと今回は遠慮した

No.271 10/01/18 17:41
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 270 勿論カヤのそれは言い訳なのだが、しかし今日は色々あり過ぎた

カヤは身も心も疲れていた



楽しそうに支度をする三人にカヤは「楽しんできてね」と精一杯の笑顔を向け、美也子の家を後にした



帰るやいなやカヤは歩に電話した


無性に歩の声が聞きたい



歩から貰った携帯の番号が書かれた紙を見付けると、初めて自分から掛けるという事を思い出し、一瞬緊張した

しかし戸惑いはない
間違えない様に慎重にボタンを押し終えると、2コールで歩が出た


「もしもし」

「おにいさん?!
カヤだよ!!」

懐かしい声に胸が熱くなり勢いよくカヤが言う

「おぉ!
風邪よくなったんだ

丁度良かった、俺も掛けようと思ってたんだけど、カヤの風邪が気になってどうしようかと思ってたんだよ!」

「風邪よくなったよ!
何かあったの?!」

カヤは歩がまた自分に電話しようとしてくれてた事に嬉しい気持ちでいっぱいになった

No.272 10/01/18 18:08
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 271 しかしそれは
歩の次の言葉で打ち消されてしまう

「俺、明後日東京帰る事にしたからカヤには言っておきたいと思ってて」


「え………??



おにいさん…
明後日東京に帰っちゃうの……?」


弾んでいたカヤの声はみるみる小さくなって消え入りそうだった

「急でゴメンな…

でさぁ、カヤ風邪よくなったんならこれから会わない?

渡したい物もあるし
まだ体調キツいか?」


「全然っ!!!!

会おうよ!!」


1時間後に前回カヤと歩が別れた場所で待ち合わせの約束をして電話を切った


歩が東京へ戻ってしまう寂しさと、これから会える嬉しさでカヤの気持ちは複雑だった


タバコに火を付けゆっくりと一本を吸い終わると、カヤは会える嬉しさのみに集中しようと頭を切り替えて支度を始めた

No.273 10/01/18 18:32
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

家を出る時、久しぶりに妹と顔を合わせた


その目には悲しみとカヤに対する拒絶の念が宿っていた


まだ中1の妹にこんな目を向けさせる事に全身が罪悪感に支配される


目をそらしたのはカヤの方だった


妹も多感な時期
親に迷惑を掛けてこんな時間からフラフラと出掛けていく自分の姉としての姿が、妹の青春に暗い影を落としている事はカヤ自身一番よくわかっていた


しかし妹に対して蓄積されていく自分の罪の様な物からは目を反らせない


親なんていなくなればいいと思っているいつもの気持ちさえ、こんな時は毎回
自分なんていなくなればいいと思う気持ちに変わる

No.274 10/01/18 18:58
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 273 カヤは歩に会える喜びすら見失いそうになりながら重い足取りで待ち合わせ場所へと歩いた


街灯も乏しくほとんど真っ暗な中に、車のヘッドライトが浮かび上がっているのが見えた


歩の車に違いない


それはまるでカヤの心の闇をさす一筋の光の様なものにも見えた


カヤは急いで車へと駆け寄った



遠慮がちに車を覗くとそこにはやはり歩がいた


「乗って!」


勢いよく車に乗り込むと、懐かしい歩の車の甘い香りが身体を包み、それまでの悲しみが全て溶けていった


「久しぶりー!

さぁて、ドコ行きますかぁ?
何する?
何か食いたい?」


歩の笑顔がカヤの心をゆっくりと温め始める

「久しぶりだから、話しながらドライブしようよ!」



「いいねぇ~!」


車は夜の町をゆっくりと走り始めた

No.275 10/01/18 19:41
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 274 最初はなんとなく照れくさくて、歩の顔をまともに見られなかった

しかし気分は凄くいい

カヤはリラックスしていた


「そんなに時間があいた訳ぢゃないのに、おにいさんの事凄く懐かしい感じがするよ」


カヤは相変わらず歩の事を「おにいさん」と呼んだ


せっかく名前を聞いたのだから名前で呼んだ方がいいのかな…と数回の電話のやりとりをしながら考えた事もあったが、果たして何と呼んだらいいのか名前を意識すればするほど違和感や妙な気恥ずかしさを覚え、歩から指摘されなければこのままでいいやという考えに落ち着いた

しかし歩も指摘せず、受け入れている様子だ


カヤはこの呼び方を気に入っていた

「それは俺に会いたかったって事ぢゃん」


歩の冷やかす様な言葉に益々顔が見れなくなったが、だんだん歩の性格を理解してきたカヤも

「その通り!

よくわかったね!」

と調子良く答えてみせた


「ははは、
やるねぇ!」


それから、初めて会った時のお互いの印象や、来ないと思っていた歩から連絡がきて驚いた事などを振り返り話し、車内は沢山の笑いに溢れた

No.276 10/01/18 20:10
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 275 しばらく走り続けた車は、よく見覚えのある公園の駐車場で止まった


「あ~、運転疲れた!
ちょっと休憩

自販機でコーヒー買ってくるけど、カヤも何か飲む?



2人は自販機でコーヒーを買い、車に戻る


お互いタバコに火を付けると歩がニヤリとして言った

「トイレ我慢しないでね」


そう、この公園は、カヤが怖くて1人で行けずに初めて歩に付いてきてもらったトイレのある公園だった


カヤは口に含み掛けていたコーヒーを「ブッ」と吹き出しそうになる


「ほ~んと、おにいさんって感じ悪いよねー!
それ言いたい為にわざとココに来たんでしょー?!」


「バレた?

って俺のコーヒーすげぇうまいよ!

今CMしてるヤツ

カヤこれ飲んだ事ある?」


「えっ?!ホント??
飲んだ事ない!
私もそっちにすれば良かったなぁ!!」

No.277 10/01/18 20:49
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 276 その瞬間、歩がガッとカヤの顎を指で上げると唇を重ねた


ジワジワと歩の口からカヤの口へと温かいコーヒーが流されてくる

カヤの思考はぐるぐるとしたが、歩が美味しいと言ったコーヒーを口移しで飲ませようとしている事に気がつくと、ようやくゴクッ…ゴクッ…っと喉に通した


歩は一体どれだけの量を口に含んだのか…
カヤが飲んでも飲んでも次々と流れ出てくる

何度も喉を鳴らす


ようやくコーヒーが無くなったのか歩が静かに唇を離すと


「うまかった?」

とカヤの鼻の上あたりで呟く


カヤはコクリと頷くので精一杯だった


「俺にもカヤのヤツ飲ませてよ」


歩の目を見れないまま、カヤも自分のコーヒーを口に含んだ


が躊躇してしまう

心臓はバクバクと大きく鼓動を打つ


今含んだばかりのコーヒーを吐き出してしまいそうになる


歩の方から再び唇を重ねてきた


カヤはゆっくりと慎重に歩の口へと流しこんでいった

No.278 10/01/18 21:16
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 277 全て移し終えてしまうと、今度はカヤの口の中に歩の舌が入ってくる


コーヒーの味がする

カヤも歩の舌を受け入れ自分の舌を絡ませた


歩のキスが次第に激しくなると、洋服の上からカヤの乳房を弄り始めた


「んんン…ッ」


カヤの吐息も荒くなる


下着と洋服の上から摘まれた乳首への刺激がもどかしく、切なくうずく

早く直で触って欲しいと懇願するかの様に、乳首は必死に固くなっていく


ようやく歩がカヤのワンピースのボタンを外し、ブラのカップから乳房を露わにすると、そそり立った乳首を確かめる様にしばらくコリコリと弱い力で弄んだ


「ああ…ッ

ンぁ…っ」


「随時、敏感になっちゃったんだね

乳首、こんなにエッチになってるじゃん」


歩は意地悪く耳元で囁くと、

「ほら」

と乳首を弾いてみせた

No.279 10/01/19 00:13
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 278 歩の言葉に火が着いたカヤの声も次第に大きくなる


「しばらく会えなかったから、寂しかったんだね」


「早く触って欲しかったんだ」


指で首筋や背中…横腹をなぞり乳首を唇で挟み、舌で転がす

次々と投げかけられる歩の言葉と容赦なく続く愛撫にカヤの全身が熱くなり、ビリビリとあの電流が蘇る


歩の指が徐々に下へと下へと伸びてゆく

ショーツの上から秘部をなぞり上げ、横から指を滑りこませた

ピチャピチャと音をたて、カヤを更に羞恥へと追い立てると、愛液をたっぷりと含ませた指でクルクルと円を書くように愛撫した

No.280 10/01/19 00:28
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 279 「イカせて欲しい?」


カヤは大きく頷いた

「いやらしい声でちゃんとイクっていうんだよ」


そう言うと歩は乳首をチロチロと舐めながら、カヤのちいさく突起した部分を激しくこすった


「あぁあん…ッッ

イクッ!

イッちゃうょ…!!」


少しも我慢できず、カヤはアッという間に果ててしまった


歩に身体を預けたまま、カヤはまだ残る余韻で身体をビクンビクンとさせていた

歩はカヤにキスすると、カヤの乳首をなぞりながら言った

「セックスしよ」

No.281 10/01/19 00:46
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 280 途中コンビニに寄り、タバコにジュースやお菓子軽食などを買い込むと車をホテル街へと走らせた


「ドコがいい?」


歩の問いに迷わずカヤは答える

「最初に行ったトコ!」


「あそこ寒いのにカヤも物好きだね」


歩が笑いながら言った


寒いのが大嫌いなカヤにも不思議でならないが、なぜかあのホテルが落ち着いた

しかし以前来た部屋が空いていなかった為、違う部屋に入室する事になった

No.282 10/01/19 11:22
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 281 しかし、中は色調が違うだけでやはり似た作りになっていた
そしてこの部屋もまたエアコンが付けられてはおらず寒い


歩がリモコンを見付け、暖房を入れた


「風呂入れた方が早いな…」

歩がそう言ってバスルームへ湯を張りに行く


カヤはソファーに腰を掛けタバコに火を付ける

戻ってきた歩も隣に座ると買ってきたパンを食べ始めた


「ねぇ…東京へ戻ったら今度はいつこっちへ帰って来るの?…」

カヤが少し緊急しながら聞く

聞いた途端、我ながら面倒な質問をしたなとすぐに後悔した


「夏にはまた帰ってくるよ
そしたら一番に連絡するからさ」


「…うん」

夏なんて途方に暮れそうな程遠く感じた
まだ年すら開けてはおらず、あと半年以上も先になる


寂しさがこみ上げてくるが、これ以上面倒な女にもなりたくはない

カヤはテレビに見入っているフリをした

「カワイイ…」


「はッ?!何でよッ?!!」


「寂しいって顔に書いてある」

No.283 10/01/19 11:31
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

カヤの顔が真っ赤になる


歩はカヤの頭をクシャクシャと乱暴に撫でると、腕をひき抱き寄せた

「連絡してくれてもいいし、俺もするし…
そぅだ、遊びにおいでよ」


歩が深いキスをしながらまたカヤの乳房に優しく触れる


前ボタンに手を掛け、ブラを外さないまま乳房を露わにする
歩の冷たくなった手で触れられ、乳房に鳥肌が立ち乳首は固くなる


「カヤのおっぱいもカワイイ」


歩がカヤの耳元で囁くと、乳房に顔をうずめた

No.284 10/01/19 17:55
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 283 心は寂しい感情で埋め尽くされているのに、カヤの身体は反応してしまう

いや、寂しいからこそかもしれない

歩を肌で感じる事がしばらく出来ない

それどころか今度こそ本当に二度と会えなくなるかもしれない


そんな事を考えれば考える程、息は荒く身体は熱くなり敏感になる


カヤは自分の胸にうずめている歩の頭を抱き締めた


歩の手がスカートの中に入ってくる

ショーツの中でまたもピチャピチャと音を立て聞かせてくる

「あぁッ…!」


歩の頭を抱えていた腕が離れると歩が言った

「カヤ、自分でパンツ脱いで見せてよ」

意地の悪い口調で歩が言う

「え…!
イヤだよ!
恥ずかしいじゃん」

「じゃあ、止めちゃおっかな~」


そう言うとまた指でピチャピチャと音を立てる

No.285 10/01/19 18:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

カヤはソファーから立ち上がると、歩から顔を背けながらショーツを脱いだ



「よくできたね

スカート上げてカヤのエッチなところ見せてよ」


カヤは全身から火が出そうなくらいに恥ずかしく惨めな気持ちになった

しかし同時に恥ずかしい事をさせられる事で益々興奮していってしまう


カヤは自分でワンピースのスカートを持ち上げた


「それじゃ、全然見えないよ

もっと上げなきゃ」

楽しそうな歩の声がカヤを余計に惨めにさせる

しかしカヤの身体は歩の言う事を聞いてしまう

カヤは更にスカートを上げた


「可愛い
カヤはいい子だね」

そう言うなり歩は、カヤを立たせ、スカートを上げさせた状態のままカヤの秘部を弄び始めた

No.286 10/01/19 18:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 285 カヤは固く目を閉じ、歩から顔を背けたままプルプルと足を震わせていた


「凄いね」


愛液が溢れ、太ももを伝い落ちている


カヤの秘部を歩が舐める


「汚いから止めて!」

カヤがようやく目を開き、歩に訴える


カヤを見上げながら歩は

「カヤに後で綺麗にしてもらうから」


そう言って舐め続けた

  • << 288 カヤは意図も簡単に二度目の絶頂を迎えてしまう ヘロヘロと腰の力が抜け、歩に抱えられる 歩が激しくキスをする 「カヤので汚れちゃったから、ちゃんと綺麗にしてね…」 そう言うと、愛液にまみれた舌を執拗に絡ませてきた 自分の愛液の味にむせそうになりながらも、歩の唇や顎にまでついた愛液をカヤは自分の舌で丁寧に舐め拭った 「俺の言う事は何でもきくんだね…」 歩はまだ全身で息をするカヤをソファーで跪かせると、ジーンズを脱ぎスカートをたくし上げ後ろからそそり立ったペニスを一気に押し込んだ

No.288 10/01/22 14:51
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 286 カヤは固く目を閉じ、歩から顔を背けたままプルプルと足を震わせていた 「凄いね」 愛液が溢れ、太ももを伝い落ちている カヤの秘部を… カヤは意図も簡単に二度目の絶頂を迎えてしまう


ヘロヘロと腰の力が抜け、歩に抱えられる


歩が激しくキスをする

「カヤので汚れちゃったから、ちゃんと綺麗にしてね…」


そう言うと、愛液にまみれた舌を執拗に絡ませてきた


自分の愛液の味にむせそうになりながらも、歩の唇や顎にまでついた愛液をカヤは自分の舌で丁寧に舐め拭った


「俺の言う事は何でもきくんだね…」


歩はまだ全身で息をするカヤをソファーで跪かせると、ジーンズを脱ぎスカートをたくし上げ後ろからそそり立ったペニスを一気に押し込んだ

No.289 10/01/22 16:15
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 288 「イッ…ッ!!!」

カヤは歯を食いしばった


処女を捨ててからあまり時は経っておらず、たった数度の経験でしかもそれすら少し間が空いてしまっている

カヤに痛みが走ったのは当然の事だった


滴る程の蜜が溢れているというのに、中は狭く、必死で歩のペニスを締め付け押し出そうとする


「すげぇ…」


歩が遠慮がちに数回腰を動かすとクチュクチュと粘着質な音をたてた


カヤの身体が締め付ければ締め付ける程
押し出そうとすればする程


歩のペニスは益々固く大きくなり、カヤの中を圧迫していく

「たまんねー」


歩は楽しむ余裕もなく、一気にスピードを速めるとあっという間にカヤの尻に白濁とした液体をぶちまけた

No.290 10/01/23 19:07
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 289 二人はその後風呂で再び情事におよび、少し休むとベッドで歩から更なるフェラチオの手ほどきを教わった


カヤは歩の一番敏感な部分を探り、力加減や唇、下、指の動きスピードの強弱を熱心に学んだ


「う…
イクッ」


程なくして、カヤの口の中には生暖かくねっとりとした物で溢れた

「飲んで」


カヤは歩の言葉に素直に従い、喉の奥へと流し込んだ


口中に苦さが広がり、なんともいえない気分だが、清々しい達成感が湧いてきた


「凄く上手だったよ」


歩の言葉で更に幸福感に包まれる


歩がまたカヤの秘部に触れると、熱く湿っていた

「何もしてないのにこんなにして…
しながら興奮しちゃったんだね…

お礼だよ…」


そう言うと歩は指一本を滑り込ませ、グチュグチュとかき回した


「んあぁ…ッ!!!」


カヤは再び快楽に溺れた

No.291 10/01/25 01:10
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 290 何度も歩に絶頂を与えられ、またカヤも与え


二人は互いの身体を貪欲に求め続ける


満足しない身体と欲

たまに入れる休憩はタバコやドリンクを摂取する程度で結局、ホテルの時間を使いきった


外に出ると既に明るい

昨日コンビニで買った食材は殆ど残されたが、そのまま車に持ち帰るとドリンクとタバコのみ買い足され、夕方までフリータイムがある違うホテルへと入った


寝ずに快楽に溺れたが、疲れはなく気分は覚醒していた


ホテルの部屋など、もうどれでも良かった


歩と居られ、肌を感じ合えてていられるなら


「どの部屋がいい?」

と聞く歩に

「どこでもいいよ」


と委ねた

No.292 10/01/25 01:26
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

歩が選んでくれた部屋はカヤ好みのシンプルな部屋だった


既にカヤの好みを熟知したのだろう


カヤはこうした歩のスマートな配慮に感心した


二人で軽食を取りながらしばらくテレビゲームをした


先ほどとは全く違うまったりとした空気が流れる


カヤの覚醒されていた気分も穏やかさを取り戻し、心地よく、無邪気にゲームと歩との時間を楽しんだ


そこで歩の携帯が鳴った


歩は携帯画面を見たがすぐにテーブルの上に戻す

No.293 10/01/25 01:58
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 292 「あゆみちゃん?」

カヤが自然に聞くと歩もまたごく自然に答える


「そう」


「出てあげなよ、ずっと鳴ってるよ」


歩は素直に、なんて事なく携帯に出た


そこでも歩らしいスマートさが出ていた


「もしもーし」


カヤは歩とあゆみに気を遣い、風呂にはいる事にした


それは
カヤ自身その場にいて歩とあゆみのやりとりを耳にしたくないなどの嫉妬を含む感情ではなく


どこか後ろめたくもあり、見ず知らずのあゆみと歩を共有している様なそんな気分だった


なんとなく今はあゆみの時間だという気がしたのだった


シャワーで全身を洗うとぬるくなった湯に浸かる


今更になって疲労感に覆われる


しばらく目を瞑り思考を止めた

No.294 10/01/25 02:37
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 293 しばらくすると歩がバスルームに入ってきた


歩が自分の元に戻ってきてくれたような気持ちになり嬉しくなる


歩が浴槽に入ってくると、2人は熱く長いキスをした


歩を待つ時間がカヤを大胆にさせ、積極的に舌を絡ませた


歩がカヤの乳房に触れた

「待って…
のぼせそうだから先出て待ってるね…」


するりと歩の手をほどき、短いキスをするとカヤはバスルームを後にした


バスローブを羽織り、冷蔵庫の中の水を一気に半分程飲むと、ようやく火照りが静まる


ベッドに入ると、すぐにカヤは眠りについてしまった

No.295 10/01/25 03:06
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 294 カヤが目を覚ますと、歩の腕の中にいた

歩は控え目な寝息をを立て寝入っている

照明が落とされた薄暗い部屋を見渡し、枕元のデジタル時計を見るとこのホテルに入ってから4時間程経過していた


後数時間で、歩と別れなければならない
翌日には歩は東京へ帰ってしまう


カヤはベッドの下へと深く潜ると、歩のバスローブの紐を解き、ペニスを口に含んだ


カヤの口の中でどんどん膨らみ固くなってゆく


愛しさを感じ、会えない時間を埋めるように…忘れるように…
夢中になって、歩から手ほどきされた感覚を思い出しながら更に自分に叩き込むようにしゃぶった


「そんなエッチな起こし方してくれるなんて嬉しいね」


歩が目を覚ます


カヤは歩の言葉に反応せず、そのまま続けた


「カヤ、こっちにお尻もっておいでよ

カヤのも舐めてあげるから」


そんな提案は今までだったら恥ずかしくて躊躇もしただろう

しかしこの時のカヤは、躊躇う事なく歩に従った


自分のバスローブを脱ぎ捨てると、歩のペニスをくわえながら歩の顔にまたがり、秘部全体を歩の前にさらけ出す

No.296 10/01/25 14:28
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 295 いきなりパッと視界が明るくなった


カヤが歩の方を振り返り見る


歩はベッドの上の照明を明るくし、尻を撫でながらまじまじとカヤの秘部を見ていた


「すげぇ…
全部見えちゃってるよ…」


そのまましばらく歩は愛撫する事なく下からカヤの秘部を見ながら卑猥な言葉を投げ続けた

「どんどん出てくる…

まだ何にもしてないのに、見られてるだけで感じてきちゃうんだ…



実際歩の言葉だけで感じてしまったカヤは、身体に力がはいらなくなり、歩のペニスを弄ぶ事にすら集中出来なくなっていた


「あぁ…ン」

溜まらずペニスから口を離してしまい、切ない声が漏れた


「何にもしてないのに声まで出して…

はしたないね」


歩は指でカヤの秘部を広げた


相変わらずカヤを辱める言葉と時折「フーッ」と息だけ吹き掛けるだけだ


蜜が太ももを伝い垂れる

それを時々歩が舌で拭う

「舐めて欲しい?」

No.297 10/01/25 17:03
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 296 「……うん……」


カヤのか細い答えと共に歩は舌先だけでチロチロと舐め始めた


それは触るか触らないか程のもので、一刻も早く激しく愛撫して欲しかったカヤは気が狂いそうになった

「お願い…!もっとして…!!」

中途半端な歩の愛撫と、自分の口から出た切望する言葉に興奮しダラダラとよだれを垂らすように愛液が溢れ出る



そこに歩の携帯が鳴った

歩はそのままの姿勢で枕元にある携帯を手繰り寄せると言った

「あゆみからだ…
そのままでいい子で待ってて

恥ずかしい声なんか聞かれちゃはないようにするんだよ…」

そう言うと
「もしもし…」

なんと歩は携帯に出たのだった

No.298 10/01/25 17:05
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

しかも相手はあゆみだと言う


おそらく…あゆみはバイトの休憩中でヒマ潰しで掛けてきたものだった事が
歩が話している様子から伺い知れた


歩はあゆみと楽しそうに話しながら、電話を持っていない方の指で音を立てないようにカヤの固く突起した部分を弄る


これ以上ない屈辱的な状況の中だというのに、カヤの腰はうねってしまう


必死に声を押し殺すのに精一杯で歩とあゆみのやりとりはもはやカヤの耳には届かない

単調な動きで同じ場所ばかり執拗に責めてくる歩


カヤは太ももをガクガクさせると、背中をのけ反らせ無言の絶頂を迎えてしまった

No.299 10/01/25 18:41
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 298 這いずりながら歩から離れると、ビクビクと続く余韻に鳥肌が立つ

「おう!
じゃあバイト頑張ってな」

電話を切った歩がカヤの側に近づくと耳元で囁く


「ヘンタイ…

でも声出さなかったから偉かったな」


そう言うとカヤを仰向けにしペニスを押し込んだ


「びしょびしょだな!
そんなに興奮したのかよ



「んぁっ!

アァンっ!!」


「また感じてんの?」


歩はどんどんスピードを上げ、深く深く突き刺す

「ア…ダメ!

イキそうだょ…」

「俺もイクわ」















2人同時に昇天した

No.300 10/01/28 12:08
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 299 歩はセックスの時と普段の時とは性格が変わる


しかし、セックスでどんなにサディスティックな言葉を浴びせても、身体が苦痛になる程の行為はしない


元々クールには見えるが、普段の優しくてさりげなくてスマートな性格とセックスでのサディスティックなそのギャップに
カヤは何度もドキドキしクラクラした


それからまたホテルを出るまでお互い快楽を貪った


最後に食事に行き、車に戻るとカヤに一抹の寂しさが襲った
外はすっかり暗くなり、時刻は22時を過ぎた


そろそろ別れの時間だ


しかし、恋人同士ではない…

カヤを心から楽しませてくれる歩に、自分の寂しさが伝わらないように努めて明るく振る舞った


待ち合わせした場所に車が止まる

「はい、これあげる」

歩は後部座席から紙袋を取るとカヤに渡した

袋を開けるとブランド物の香水が出てきた


「俺が付けてるヤツと同じ物」


香水なんて初めて貰ったし、カヤ自身も付けた事が無かった

カヤは歩の匂いが大好きだったし、香水を付けている歩を大人だと思っていた


だから香水を貰った自分も大人になった様な気がして、嬉しくてたまらなかった

No.301 10/01/28 15:22
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 300 「こんな…高そうなのに貰っちゃっていいの…?」


歩は優しい微笑みを浮かべながらいいよと言い、カヤに香水の付け方を教えた


自分の身体から歩と同じ匂いがする

なんだかくすぐったい気持ちになった


あんなに別れが寂しく感じたのに、まるで歩と重なっているようにすら感じた事でカヤは元気を取り戻した


「また帰ってきたら会おうな」


2人は同じ匂いに包まれ長い間唇を重ね別れた

No.302 10/01/28 15:44
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 301 あれから年も明け2ヶ月が経った


歩とは、歩が東京に着いた報告を受けて以来連絡がない


一度カヤから電話してみたが歩は出ず、折り返しも無かった
それからカヤも連絡しなくなったのだが、いつも心のどこかで待っていた


歩が恋しくなると歩から貰った香水を付け、気を紛らした
歩が側にいる気になれたからだ


忙しいのだろうと思っていたが…
しかし2ヶ月も経つと、今度こそもう歩には逢えないのではないか…それどころか連絡すら来ないのではないか…そんな気になっていた


もう自分の事なんて忘れてしまったかもしれない
いや元々最初からそのつもりだったのかもしれない…


歩から連絡が来るまで我慢しようと思っていたが
今となっては迷惑かもしれないと感じ、自分から連絡するのも怖くなった

あゆみとは頻繁に連絡取っていたのだから、やはり自分は歩にとってあまり意味のない存在なんだろう…


次第に香水の匂いですら切なくなり、付けるのを辞めた


大人の経験を貰ったんだと言いきかせ
歩を忘れようと努めた

No.303 10/01/28 16:56
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

家族とは相変わらず冷め切っていたが、唯一の居場所であった美也子たちとも距離を感じてきていた

美也子たちは相変わらず援助交際に明け暮れ、日に日に見た目も生活も派手になっていった


夜は酒や合コンに、昼は援助交際だけでなく
化粧や大人びた服装で着飾り、店員に疑われもせずパチンコ遊びをする様にもなっていた


金銭的にも見た目的にも…もはや違う世界に行ってしまった様に見えた


自分だけが取り残されたように孤独と焦燥感が襲う事もしばしばあった


それに、しきりに援助交際を勧めてくるやよいになかなかカヤが染まらない事への苛立ちが見えてくる様になり、居心地の悪さを感じる様になっていった

No.304 10/01/28 19:04
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 303 やよいが何故そこまで自分を染めたがるのか…カヤにはわからなかった


「奢るから…」とどんなに遊びを誘われても、それが金銭のかかる物ならば断ってきた

美也子ややよいが身体を張って稼いできた金で食事をしたり遊ぶ気にはなれなかったのだ

それは悪い事をして稼いだ金だからという概念ではなく
彼女らが身体を張っているからこそだった

一度さやかが援助交際相手と落ち合う瞬間を目撃した事があった

相手の風貌にカヤは愕然とした

ハゲあがった頭に突き出た腹、脂性なのかおでこが光って見える…いかにも中年といった男にカヤは鳥肌がたった


本来ならばカヤもまだ高校生なのだから中年男と身体を重ねる事への抵抗を感じるのは当然なのかもしれないが

しかし自分と同じくらいのサヤカはこれからこの男に抱かれるのか


美也子ややよいもこのような男に抱かれているのか

そう思うと、更に何かを奢ってもらう事に抵抗を感じた

カヤにとってお金と引き換えに彼女たちが売っているものは血肉と変わらない

身を削って稼いでいる金を自分の為に使わす事に益々抵抗を感じた

No.305 10/01/28 19:57
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 304 だからカヤが美也子たちと共にいられる時間は限られていた

それがまた美也子たちとの距離を感じさせたが、その一件から援助交際をする勇気は益々持てなくなっていった


本来仲間というのは似た者同士で結束力や絆が生まれる

援助交際もしていなければ、遊びや寝食も共にしていない
カヤは自分だけが浮いている存在だと引け目を感じていた


そしてやよいも、そんなカヤに疑問を持っていたのだろう

あんなに人なつこくしてきたやよいは…
日に日にカヤに対して冷たくなっていった



この日もパチンコから帰ってきた美也子から呼び出され、美也子の家へ行った


二時間ほど話し、今日もやよいの友達と合コンをするのだと言った


いつも通り飲食代は向こう持ちだからカヤも来ないかと誘った

美也子はカヤが行かないとわかっても毎回声を掛けてくれた

それが嬉しくもあり申し訳なくも感じていたのだが…

カヤはこの日も謝りながら断った

  • << 307 美也子はこの日も嫌な顔もせず笑って言った 「ぢゃあまた誘うね」 その後美也子はシャワーを浴びに浴室へ、サヤカはコンビニへ買い物に行き カヤとやよいは二人きりになった やよいが自分の事をよく思っていない事を肌で感じていたカヤも、無理に交流するつもりもなく黙ってテレビを見ていた 口を開いたのはやよいの方からだった 「カヤちゃんって何でみやちゃんといるの❓ 一緒に何かする訳でもないのに」 やよいの皮肉を込めた言い方にカヤはうんざりした 別にやよいにわかって貰うつもりは無かったが、返す言葉も見つからなかった 今何故美也子やサヤカといるのか… 自分でも答えられないくらいわからなくなっている事に愕然とした 「みやちゃんに気を遣わせてるのがわからない? 私は毎日みやちゃんと一緒にいて、カヤちゃんといる時間もいない時間も見ているけど、カヤちゃんといる時のみやちゃんはちっとも楽しくなさそう カヤちゃんは付き合い長いみたいだけど今のみやちゃんの事全然わかってないよね!」

No.307 10/02/06 00:45
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 305 だからカヤが美也子たちと共にいられる時間は限られていた それがまた美也子たちとの距離を感じさせたが、その一件から援助交際をする勇気は益々持… 美也子はこの日も嫌な顔もせず笑って言った

「ぢゃあまた誘うね」


その後美也子はシャワーを浴びに浴室へ、サヤカはコンビニへ買い物に行き
カヤとやよいは二人きりになった


やよいが自分の事をよく思っていない事を肌で感じていたカヤも、無理に交流するつもりもなく黙ってテレビを見ていた

口を開いたのはやよいの方からだった

「カヤちゃんって何でみやちゃんといるの❓

一緒に何かする訳でもないのに」


やよいの皮肉を込めた言い方にカヤはうんざりした


別にやよいにわかって貰うつもりは無かったが、返す言葉も見つからなかった

今何故美也子やサヤカといるのか…

自分でも答えられないくらいわからなくなっている事に愕然とした

「みやちゃんに気を遣わせてるのがわからない?

私は毎日みやちゃんと一緒にいて、カヤちゃんといる時間もいない時間も見ているけど、カヤちゃんといる時のみやちゃんはちっとも楽しくなさそう

カヤちゃんは付き合い長いみたいだけど今のみやちゃんの事全然わかってないよね!」

  • << 312 いきなり現れたやよいは、付き合いの長い自分より美也子の何を知っているというのだ 考え黙り込むカヤにやよいは更に畳み掛ける 「毎日カヤちゃんを呼んでるのも私からすれば義務みたいに感じちゃうんだよね みやちゃん優しいから」 早口で勢いはあるが筈説のいいやよいの言葉が、ストレートにカヤに突き刺さる 「本当は私たちの事見下してるんじゃない? ウリやって、男遊びしてて汚いって思ってるんぢゃない? 私は今時処女大切にしてる方がバカみたいって思うけどね」 処女を大切にしてきたつもりはない 見ず知らずの行きずりの歩に捧げたのだから しかしカヤは誰にも やよいはおろか、親友だと思っていた美也子にすらそれを打ち明けた事は無かったのだ 結局、カヤも心を開いていなかったのだと気付く しかし自分も開いていないのに、美也子は開いてくれているなんて心の底から信じている訳ではない自分に気付かないフリをしていただけだという事もわかった 自分は卑小でなんと愚かな人間だろう… なんだか全てがバカらしく可笑しく思えてきてカヤは笑った 「じゃあ今日の合コン行くよ」

No.312 10/02/10 21:41
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 307 美也子はこの日も嫌な顔もせず笑って言った 「ぢゃあまた誘うね」 その後美也子はシャワーを浴びに浴室へ、サヤカはコンビニへ買い物に行き … いきなり現れたやよいは、付き合いの長い自分より美也子の何を知っているというのだ

考え黙り込むカヤにやよいは更に畳み掛ける

「毎日カヤちゃんを呼んでるのも私からすれば義務みたいに感じちゃうんだよね
みやちゃん優しいから」


早口で勢いはあるが筈説のいいやよいの言葉が、ストレートにカヤに突き刺さる
「本当は私たちの事見下してるんじゃない?

ウリやって、男遊びしてて汚いって思ってるんぢゃない?

私は今時処女大切にしてる方がバカみたいって思うけどね」

処女を大切にしてきたつもりはない

見ず知らずの行きずりの歩に捧げたのだから

しかしカヤは誰にも

やよいはおろか、親友だと思っていた美也子にすらそれを打ち明けた事は無かったのだ


結局、カヤも心を開いていなかったのだと気付く


しかし自分も開いていないのに、美也子は開いてくれているなんて心の底から信じている訳ではない自分に気付かないフリをしていただけだという事もわかった

自分は卑小でなんと愚かな人間だろう…

なんだか全てがバカらしく可笑しく思えてきてカヤは笑った

「じゃあ今日の合コン行くよ」

No.313 10/02/10 23:28
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 312 美也子とサヤカが戻るとやよいが自慢気に言った

「今日の合コンやっぱりカヤちゃんも行くって!」


美也子とサヤカは驚いたが嬉しそうだった


「マジで?!
そうだよ!たまにはカヤも遊ばなきゃ!!」

「さすがやよい!どうやってカヤちゃんを口説いたの?!」

その嬉しそうな顔を見て、カヤは何だか安心した


これでまた友達でいられる…


居場所を失わずにすんだ…


やはり気は乗らないが、もうそんな事どうでもよくなっていた


美也子たちとのあいた距離も埋められる

それに
考えないように努めていたが
無意識に歩から連絡を待ってしまう自分から解放されたかった

きっかけはやよいだったが、援助交際までは出来なくても、嫌な事も考えなくて済むのじゃないかと思える位遊びに没頭してみるのもいいのかもしれない


そんな気になってきた

No.314 10/02/11 00:19
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 313 美也子たちが慌ただしく用意をする


念入りに化粧を重ね、冬だというのに肌を露出した服で着飾る

美也子がはしゃぎながら、カヤに自分の服を着させ同じ様なメイクを施した



「カヤいいじゃん!
私には負けるけど、かなりいいとこいってるよ!」


今まで見た事のない鏡に映る自分の姿


自分ではないみたいだった


何だか自然と背筋も伸びる


なるほど化粧とは自信を与えるものだとカヤは新鮮な驚きでいっぱいになった

No.315 10/02/11 20:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 314 やよいの友達だと聞いていた合コン相手は、なんとサヤカの元彼のみつるとその友達だった


カヤはギョッとしたが、サヤカも美也子も驚かない様子を見ると知っていたのだろう

後の3人はヤスでもシンでもないが、正直理解出来ずにいた

どうして元彼元彼女がいる合コンなんて開くのだろう…

しかも美也子はまだシンと付き合っている
友達の彼女が同じ合コンに来ている事に
彼氏の友達がいる合コンに行く事に
なんの違和感もないのであろうか

シンは友達と彼女が合コンをしている事を知っているのか

知っているとしたら平気でいられるのか

知らなかったとしたら友達と彼女がグルになって裏切っている事になるのではないか


カヤの中で沢山の疑問が湧いてきて気分がモヤモヤする


しかし場は大いに盛り上がってゆく


もともと人見知りで団体行動が苦手でもあるカヤは、それでも周りの雰囲気から自分が浮かない様に
美也子たちにも気を使わせてしまわない様に
明るく努めた


その為、酒に頼りがちになり酷く酔いが回ってしまった

No.316 10/02/11 21:19
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 315 会場はカラオケボックスだった
最初はみんな歌い盛り上がっていたが、だんだん会話と酒メインになってくる


益々喋らない訳にはいかない状況とモヤモヤした気持ちを打ち消す様に、カヤは更に深酒へと追い込まれる


場と酒に酔いカヤはすっかり気持ち悪くなっていた

慣れないヒールに這う様にトイレへと駆け込んだ



便器に頭をもたげたとたん、今飲んだばかりの酒が滝のように吐き出されてゆく

どれだけ吐いたかわからないが喉が焼ける様に熱い


頭もグラグラとしてもぅ一歩も動きたくは無かったが、早く戻らねば美也子たちが心配するだろう


急いで口をゆすぎトイレを出た途端、立ち眩みの様なものに襲われ思わずうずくまる


目を閉じているというのに視界がグラグラし、呼吸が乱れる

もはや頭を上げる事すら出来なくなっていた







「おいっ!
アンタ大丈夫かよ?!」

No.317 10/02/11 22:32
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 316 カヤは頭を上げられず、声の主を確認する事もできない


声の主がカヤの頭と同じ所までしゃがみ、カヤの顔を覗き込むと初めて誰なのか確認できた


それは合コン相手のみつるの連れてきた男のひとりで「リョウ」と呼ばれていた男だった


「だいじょうぶ…」

カヤは呼吸が乱れたまま返事をした


「吐いたのか?

まだ吐けそう?」


「吐いたけど…

もう吐けない…」


男はカヤの腕を自分の肩にかけるとカヤを立ち上がらせた


「ちょっとだけガマンして歩けよ!」


ゆっくりとカヤのペースに合わせ、時々ヒールをガクンとさせるカヤを持ち直しながら店の外に出ると、入り口の階段にゆっくりカヤを座らせた


「ちょっと待っとけよ」


そう言ってカヤをひとりにさせたが

すぐ戻ってくると


「これ飲め!」

と持ってきた水を渡した


カヤは言われるままひと口飲んだ
少しだけスッとした気がしたがすぐにまた呼吸が乱れる

No.318 10/02/11 22:42
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 317 リョウは時々
「水を飲め」と促しカヤの背中をさすり続けた



外の冷たい空気と水のおかげか20分ほどするとようやく呼吸が整い始め、視界がクリアになってきた

カヤはグラスに残っていた水を飲み干すとリョウにお礼を言った


「ありがとう…」


「バカな女…
俺、あんたみたいな女見てるとムカつくんだよね」


先ほどの献身的な態度とは打って変わった冷たく見下した言葉だった


「アンタって全然遊びなれてないだろ?

酒だってどー見たって弱いくせに無理して飲んで必死にテンション上げて

結局飲まれて他人に迷惑掛けて


そんな格好してたってヒールの歩き方もまだおぼつかない


全部無理してて見ててイライラすんだよね



それともそんなにあの子らに染まりたいか?

あんたは向いてないと思うけどね


とにかく俺は向いてないヤツが頑張るのとか背伸びすんのとか見てんのがうぜーの

だからさっきからあんたの事見てて、ダッセーってムカムカしてスゲェ気分悪かったわ

No.319 10/02/13 02:43
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

出会ったばかりのリョウは今日のカヤの全てを見通しているかの様に言い当てた

なんと言う日だ


先ほどはやよいに散々痛い所を突かれ、悔しい思いをした
それでも美也子たちとの絆を深めよう
近付こう
と決意し折角気持ちを立て直し無理して頑張ってみたのだ
それを今度は見ず知らずの男にバカにされる


頭はズキズキと痛み脈打つ
本当に何もかも最悪だ

「なんなのよ!

私の何がわかるって言うのよ!

何でそこまで言われなきゃいけないの?!」

カヤにしては珍しく他人に対し大きな声を出し、怒りの感情を表に出した


「は?!

別にお前みないな女の事なんてわかるワケねーじゃん

つか、わかろうとも思わねーよ


お前みたいな中途半端な女が一番面倒くせーだけだよ」


「もうあっちいってよ!

私だってあんたみたいなヤツ凄い嫌いだよ!」


リョウは舌打ちをすると店の中へと戻っていった


帰りたい

あんな男がいる部屋になんて戻りたくない

カヤは体調も気分もこれ以上ないほど最悪で涙が零れた

No.320 10/02/13 13:10
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 319 バサッ


急に頭の上から何か降ってきた

それはカヤの着てきたコートだった


振り返り見上げると、つい先ほどカヤの前から去っていったリョウが立っている

手にはカヤのバッグを持っている


「行くぞ!」


リョウは勝手に歩きだした

「ちょっと!ドコへ行くってゆーのよ!」


リョウは足を止め振り返るとカヤに聞いた

「あんたはどーするつもりだよ!」


「部屋に戻るに決まってんじゃん!

美也子たちだって心配してるだろうし!」


カヤの言葉にリョウは声を上げて笑いながら言った

「アハハ…!
あんたの友達…
本当にあんたの事心配してると思ってんの!?」


「どーゆー意味よ!」


「実際あんたが部屋を出てから結構時間経つのに、戻らないその間誰もあんたを探しに来たヤツいねーじゃん


まぁ、俺があんたに水持ってった時、一応友達に声掛けてきたから安心してんのかもしんねーけど

でも心配してんだったら少し位あんたの様子見に来るんじゃねーの、普通」

No.321 10/02/13 13:31
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 320 「本当にさっきからなんなの?!

そんなに私の事バカにするのが楽しい?!」


カヤはヒステリックな声を上げる

「俺は事実を言ったまでだぜ

だったら部屋へ戻ってその友達が何してっか見てこいよ」


カヤは立ち上がると、まだゆらゆらとした足付きで店の中に戻った


部屋の前まで来ると、一気に緊張が走る
先ほどのリョウの言葉が気になり、何故か扉を開ける勇気が出なかった


カヤはそのまま扉のガラス越しから部屋の中を覗きこんだ


照明が全て落とされ真っ暗で何も見えない

唯一付けっぱなしであるテレビ画面の光だけを頼りによーく目を凝らした


暗さに目が慣れてくると、少しずつぼんやりとシルエットが浮かび上がる


男たちとイチャイチャしている美也子たちの姿が見えた

一番手前にいたやよいは乳房を露わにし、男に揉まれている

カヤは言葉を失った

そして扉を開ける勇気は完全になくなり、のろのろとその場から立ち去った

No.322 10/02/13 15:31
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 321 再び店の外へ出て、先ほどと同じ場所に座り込むとカヤはタバコに火を付けた

煙をゆっくり肺の奥まで入れた


タバコ独特の気だるさに身を置きながら

「私何してんだろ…」


と呟いた


「おいっ!」

リョウが目の前に止めてあった車から顔を出す

「乗れよ!
さみーし」

カヤは素直にリョウの助手席に乗った

リョウもタバコに火を付け言った

「で、どうだった?」

「どーせ腹の中で笑ってんでしょ?」


「別に
もともとあーなるってわかんなかったのかよ」

「……」

「友達なんじゃなかったけ?

あの子らうちの職場ぢゃ有名だけどね

すぐヤらせてくれるって」


ある日どこかでみつるがやよいを拾ってきた

家に帰りたがらないやよいをすぐヤらせてくれると友達や職場仲間に回していたという


ある日友達を連れてきて、やよいの連れならみんな似た様なヤツだと思っていたら案の定そうだったとみつるたちから聞いている
とリョウが話始めた

No.323 10/02/15 21:50
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 322 確かみつるに途中までは聞いた事があったなとカヤは思い出していた

あの時はみつるが話をはぐらかし、うやむやにされたが…

やはり、みつるとやよいは肉体関係があったのだ

しかしカヤには腑に落ちない事があった

「だけど美也子とやよいちゃんはみつるさんの友達と付き合って、サヤカちゃんはみつるさんと付き合ってたんだよ」


「あ~、その辺よくわかんねーけど、やよいって子が付き合ってたのはヤスだろ?

ヤスもうちの職場だけど
最初からその気無かったんじゃねーの

そーいや、誰かとノリで付き合ったケド意外とめんどくせーからやめたって言ってたな

それがあの子なんじゃん?


って言っても、別れてからみつるはあの3人全部喰ったって言ってたし、他のみつるの周りのヤツもあの子らと飲んでやったヤツ結構いるらしいから

あの子らも毎回そのつもりで来てんだろ

そりゃ有名になるわな」


リョウは淡々と相変わらず冷たい口調で答えた


「だけどさ!
美也子はみつるさんの友達と今も付き合ってるんだよ!
友達の彼女ってわかっててそんな事ある?!」

No.324 10/02/15 22:06
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 323 「知らねーよ!

そいつもどーせ遊びなんだろ


それ知ってるからみつるも遠慮なくやってんじゃねーの?

てか、そいつもみつるも美也子って子もみんな同意の元なんだろーよ」


カヤは絶句した

頭の中が真っ白になり、しばらくそれ以上何も言葉が出てこなかった


「そんな事もわかんねークセに、お前みたいなヤツがのこのことこんなトコ来てんじゃねーよ」


リョウはカヤにトドメでも刺すかの様に容赦なく吐き捨てた

カヤに先ほどの威勢は少しも残っていない


リョウもそんなカヤに拍子抜けしたのか
沈黙だけが流れる


リョウが3本目のタバコを揉み消すと言った

「家まで送ってやるよ」


カヤもようやく力のない声で答えた

「うん…

ありがと…」


リョウは勢いよく車を走らせた

No.325 10/02/15 22:50
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 324 車中無言の中向かってくる車が数回パッシングをしてきた


それに答えるかの様にリョウもパッシングをするとリョウの車も向かいの車もスピードを落とし止まった


相手の車とリョウの車の窓が同時に開く
見知らぬ男がいた


「リョウ!
飲んでる?!
この先検問してっぞ!

てか今日やべーよ!

そこら中でやってっから!」


「マジ?!

助かったわ!」


「あれ?

誰その子?

リョウが女乗せてんなんて珍しいじゃん」


そういうと車の男はカヤに軽く会釈した

カヤも慌てて返す

「ちょっとな

また連絡するわ」

「おう!じゃーな!」


そういうと男の車はすぐに走り去った


リョウは車をUターンさせると言った

「あんたんち○○の方って言ってたよな?

ちょっと今日ヤバそうだから一旦俺んち行くケド、朝方また送ってやるよ」


リョウは面倒くさそうに言った


五分ほど走っただけでとある駐車場で車は止まった


「着いた」

リョウが車から降りるとカヤも急いで降りた


リョウの家は大きくて立派なマンションだった

No.326 10/02/15 23:56
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 325 「散らかってっけど空いてるトコにでも座って」


真新しいリョウの住むマンションは中も部屋がいくつかあり豪華だった

「ここに1人で住んでるの?」


リョウは親と一緒に買ったと言った

親はすぐ近くの小さな一軒家に住んでいるらしく、ゆくゆくはその家を壊してアパートを建て人に貸すんだとか


それまではリョウはここに1人で住むのだと言った


「ビールと水しかねーよ」

リョウは冷蔵庫からビールと水を取り出しカヤに渡した


「美也子たち…
私がいなくなったの知ったら心配するかな?」


カヤはボソッと呟いた

リョウは呆れた顔をした

「あんたまだそんな事言ってんの?

あの子らじゃ、あんたがいた事すら忘れてんじゃねーの?」

「そっか…」


「ほんっとにめんどくせー女だな

俺が部屋出る時一応みつるに言っといたけど?

あんたがヤバいから送って帰るって」


カヤは缶ビールのプルタブを開けた


酒に溺れ過ぎて、つい先ほどまであれだけ死にそうだと思っていたのに

胸のモヤモヤに、今また飲みたい気分になっていた

No.327 10/02/16 00:17
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 326 ふと気付くとリョウは水を飲んでいた

「飲まないの?」

「はぁ?

後何時間かしたら、あんたを送ってかなきゃ行けねーのに飲める訳ねーだろ


それどころか今のうちに酔いさましてんだよ!」


「あ…
そっか…

ゴメンね…



そういえば
この辺、駅ある?



「駅?

すぐそこに○○駅があるけど?」

「だったら飲みなよ!
私始発の電車で帰るから」


リョウは別にもういいと言ったが、逆にカヤが気を遣ったので

「ぢゃあ、遠慮なく」

と飲み始めた


「なんか私のせいでつまんない飲み会にしちゃって、しかも迷惑掛けちゃってゴメンね…」


「別に

最初から乗り気ぢゃねーし

急遽1人女が増えたから最初だけでも頭数揃えたいってみつるに頼まれただけだったし


あん時トイレ行ってそろそろ帰るか

って思ってたらあんたがうずくまってただけ」


相変わらず乾いた話し方だったが、少し棘がなくなった気がしてカヤは安心した

No.328 10/02/16 00:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

それから酒を飲みながら色々話した

リョウはみつるの二歳上で、仕事の先輩だという


そう言えば、みつるがリョウの事を「リョウさん」と呼んでいたのをカヤは思い出していた

馬鹿でハンパでいい加減で
職場での信用も薄いが

あからさまなごま擂りと調子のいい所が通り越して
なんとなく憎めないんだという



しかし女のカヤは近付かない方がいいと忠告してくれた


リョウが美也子ややよいたちに会ったのは今日が初めてだったと言った


職場でみつるを始めとする後輩たちが「すぐヤれる女」と称して噂になっていたが、会った途端にそれが美也子たちの事だというのがわかったという


別に美也子たちを見下してたわけではなく、そこに不自然なカヤがいて、必死で美也子たちについていこうとするカヤを見て
その姿が滑稽で見れば見るほどムカついたと話した

No.329 10/02/16 01:33
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 328 美也子たちは自分が好きでそうしてるのだからいい

しかしそれに染まろうとするだけのカヤには自分というものがない様にしか見えない


リョウが話せば話すほど

カヤはまたやるせない気分になっていた

酔いも手伝ってか
今日のこのいきさつを、自分への愚痴を

カヤはいつの間にかリョウにこぼしていた


しかしリョウは一度もカヤを慰めもせず、擁護もせず

それどころか
話のはしはしで
やはりカヤの事を馬鹿にするような言葉を返した


「あ~ぁ
どーせ私はバカだよ!

私ってあなたの言うとおりつまんない女だよ」


ヤケくそで
全て投げやりな気分だ


「ねぇねぇ

部屋まできたのに私とセックスしないの?」

No.330 10/02/17 21:08
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 329 「へぇ…
ちゃんとそのつもりで来たんだ…」

「え…?」

カヤの慌てた顔にリョウはフッと吹き出し言った

「バーカ!

俺はガキと処女には興味ねぇよ

あんた処女なんだろ?

みつるが言ってた

あんた今日みつるの標的だったらしいよ
俺があんた送ってくって言ったら

シケた面してたよ」

リョウはその時のみつるの顔を思い出したようで笑った

一瞬リョウの言葉の意味が理解できなかったが

飲み込むと


カヤはバカバカしくなった

「あのさぁ

処女処女ってみんな馬鹿にしたみたいに言うけど
ほんっとにムカつくよ」


言いながらカヤはやよいの言葉を思い出していた

そして何かが吹っ切れた様に続けた


「だいたい私、処女ぢゃないし!

みんな勝手にそう思ってるだけじゃん

って私が誰にも言ってないのがいけないんだけど…

No.331 10/02/18 00:31
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 330 カヤは初めて処女を捨てた事を他人に話した事で、自分のイメージを突き破った様な爽快感にスッキリしていた

しかしリョウは相変わらず冷たく答えた
「まぁ、俺はあんたが処女でも処女じゃなくても
別にどーでもいーけど」


「だってあなたが処女とか言ったからじゃん!」


「確かに言ったけど?

だから何?

俺はただ言っただけであんたが勝手に反応してんだろ?」


カヤはリョウの言葉で急に恥ずかしくなる


確かに、処女という言葉に自分が勝手に反応してるだけだ
やよいにしろみつるにしろ、その言葉を口にしていたのは事実だが、いちいち気にしていたのは他の誰でもなくカヤ自身なのだと初めて気が付いた


「まぁ、でも良かったじゃん

そんなに気にしてたならコンプレックスだったって事なんじゃねーの?」

No.332 10/02/18 01:00
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 331 「…

そうなのかな…?

だって今までの彼氏とは、したくないって思ってたんだよ…

付き合ってるんだからそういう機会だってあったけど、いざって考えるとダメだったもん…」

「だったら要は相手の問題だろ?

コンプレックスは処女って事ぢゃなくて、してもいいって思える男に出会えていなかった自分に対してなんじゃねーの?

でも今処女じゃねーって事はそう思えるヤツに出会えたって事なんだから

結局良かったじゃん」


リョウの言葉で
カヤは歩を思い出してしまう


その表情を敏感に察したリョウ


「俺は優しい言葉もアドバイスも言えねーけど


聞くだけで良ければ話せば?

あんただって楽になるかもしれねーし

どうせ始発まで時間あんだし




しばらく黙っていたが
カヤはぽつりぽつりと歩との出会いやいきさつを話し始めた

No.333 10/02/18 08:21
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 332 「で、そいつが好きなんだろ?」

好き…?

リョウの問いに初めて歩への気持ちと向き合った

今までちゃんと考えた事は無かった

いや、考えないようにしてきただけなのだ

歩と連絡が途絶え、忘れようとしても

しかし待ってしまう自分にモヤモヤする気持ちを

もうひとつの居場所を失った様で寂しいから

ただそれだけで片付けようとしていた


「セックスが前でも後でも、そんな事じゃなくて

今は惚れてんだろ?」


再びのリョウの問いに

無意識に涙が頬をつたう


何故涙が出るのか


それがカヤの気持ちを証明しているというのか


そう思うと涙は更に溢れてきて
カヤは自分の気持ちをようやく認め、自覚する事になった


「わからなかったけど…

好きなんだと思う…」


蓋をしていた気持ちを解放してやると
カヤの心はすーっと軽くなっていった


涙でぐしゃぐしゃになった顔と
詰まる声でカヤの口から吐き出された言葉に
リョウは初めて優しい眼差しを向けた

No.334 10/02/18 09:36
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 333 それからしばらく二人はただ黙ってビールを飲んだ


「あなたは?

今好きな人いないの?」


ようやく泣き止んだカヤが口を開く


男は少し躊躇ったが真っ直ぐカヤを見て言う

「…俺もあんたと大して変わらない状況だわ

ってあんたにこんな事言ってもしょーがないけど」


リョウは静かで落ち着いた声で話し始めた

ずっと好きな幼なじみがいて、以前付き合っていたのだが、好きな人が出来たからとフラれてしまう
彼女はその相手とそのまま結婚した

結婚したから今度こそ諦めようと思っていたが、彼女から旦那の浮気で結婚生活がうまくいっていないと連絡を受け、相談に乗っている内にまた付き合う事になったと言った


結婚相手から取り返そうとか思わないのか?というカヤの問いに

勿論そうするつもりだったのだが、彼女がそれを望んでいないと続けた

結局、彼女が今でも愛しているのは旦那で、自分は彼女が現実から目を背けるだけの手段に過ぎず

虚しいが、自分も再び彼女を失う事が出来ずその関係を了承してるのだと

まるで他人ごとの様に無表情に淡々と語った

No.335 10/02/18 23:12
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 334 こんな時、いつものカヤだったら言葉を見つけられなかっただろう

考え過ぎてしまい何も出てこなくなるのがお決まりだ

しかしこの時のカヤは、溢れる気持ちを涙と共に流し、スッキリしていたし
やはり酒が、難しい事を考えられない様にしているのであろう

ただ思う事だけを口にしていた

「最後に笑えればいいんだよ」

あまりにも無責任であっけらかんとした言葉にリョウは吹き出した


「お前に言われたくねーよ!」


リョウが純粋に笑っている


怖い顔や難しい顔ばかりしていたが、心から笑っているリョウは
無邪気な少年の様だった


リョウもこんな顔をするんだと思ったら、カヤは嬉しくなった

No.336 10/02/19 08:54
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 335 それから二人は沢山酒を飲み語った

と言ってもやはりアルコールの弱いカヤはもうすでに出来上がり、チビチビと舐める程度だが

それでも水の様に飲んでいくリョウに付き合った

リョウの笑顔が沢山見れた事で、カヤも笑顔になり二人はすっかり打ち解けリラックスしていた


「クシュンッ!」


カヤが大きなくしゃみをした


「大丈夫かよ?!
お前この時期にそんなかっこしてるししかもそのままずっと外にいたから風邪ひいたんじゃねーの?!

ちょっと待ってろ」

美也子から借りた洋服はこの時期のこの田舎ではあり得ないほど見た目重視の薄い物だった

確かに鼻もズルズルしてきている

リョウはスウェットの上下を持ってくるとカヤに渡した

No.337 10/02/19 09:31
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 336 「これ着てろ!俺その間トイレ言ってくるから」


「うん、ありがとう」

カヤは鼻をぐずぐずさせながらスウェットを受け取った


リョウが部屋から出て行くとカヤは早速着替えた


ところがスカートを脱ごうとした時、横に付いているファスナーがカヤのショーツのリボンを噛んでいて下がらない


慌てて、噛んでいる部分を上げたり下げたりしてみたがなかなか外れない


酔っていたので手先もおぼつかない

それでも散々試行錯誤した挙げ句、結局カヤはリボンが噛んだままのファスナーを力任せに下ろした

なんとか壊れずに済んだ事を確認し、スカートを下げた時

気配を感じカヤは顔を上げた


トイレから戻ってきてしまったリョウが、ショーツ姿のカヤを目の当たりにし驚いた表情で立っていた


目が合うと慌てて

「お前おせーよ!」

と吐き捨て再び部屋を出た

No.338 10/02/19 21:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 337 急いでスウェットに履き替えると

「ごめんね!

もういーよっ!!」


カヤが呼ぶと

リョウはバツの悪そうな顔をして戻ってきた


カヤが経緯を話し

「ごめん」


と謝ると

リョウはリョウ独特のあの冷めた口調で言う

「パンツ見られたお前が何で謝ってんだよ!」

「だって怒ってるからじゃん!」


2人は可笑しくなって吹き出した


それからまた楽しく話をしていると、リョウはとうとうあれだけあったビールを全て飲み尽くしてしまった


「やべー…

コレじゃ全然ダメだ…」


「何がダメなの?」

リョウはカヤの問いには答えず
しばらく何か黙って考えている様子だったが

いきなり

ガッ

と立ち上がると音楽を掛けた


そしてそのままどこかへ行ったかと思うと

手に何かを持ってすぐに戻ってくる


先ほど座っていた所から少し離れたベッドの上に座ると言った


「お前がいる前でゴメンな…」

No.339 10/02/19 21:54
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 338 カヤは訳がわからず
気持ち良く酔った虚ろな目で茫然とリョウを見つめた



リョウは財布から札を一枚取り出すと、クルクルと細く筒状に巻いた

それを口にくわえ

アルミホイルらしき物の上に

小さいビニールの袋に入っていた粉の様な物を振り落とす


そのアルミホイルの下をライターで炙る

アルミホイルから徐々に煙りが上がると

顔を近付け

口にくわえたままの筒状の札を煙りに近付けた


しばらくするとリョウは顔を上げ


筒状にされた札を指でつまむと

口から離す


そして口からは煙りが吐き出された



それはまるで


煙草を吸う仕草に似ていた

No.340 10/02/19 23:38
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

「ねぇ…

何してるの…?」


リョウはチラリとカヤを見たが再び無視して続けた

「それ…

何かヤバいヤツぢゃないの…?」


リョウはフッ…と笑うと

「お前にとってはヤバいかもな…

でも別に大した事ぢゃねぇっつーの




カヤはリョウがしているそれが一体


具体的に何と呼ばれる物かまではわからなかった

しかし、恐らく
法に触れる薬物だという事は理解できた


いつもやってるの?」


「いつもこんなのやるワケねーだろ


一年振りくらいじゃね?


昔、遊びでごくたまにやってただけ



コレもその時の残ってたヤツ」



「ふ~ん


ねぇ…

それ私にもやらせて!」

No.341 10/02/20 00:29
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 340 カヤは興味津々でリョウの元に近づいた

リョウはカヤの言葉に驚いた


「ダメに決まってんだろ!」


「何で?!

何で私はダメなのっ?!」


「俺が何で今更、こんな昔のもの引っ張り出してやってると思ってんだよ?



お前のせいだろーがよ


お前なんてガキとしか見て無かったのにさっきお前がパンツ見せっから


そっからおかしくなったワケ


酒浴びまくれば、使い物にならねーって思ってガンガン飲んだけど


ダメそうだったから仕方ねーって



コレはシラフやちょっとの酒でキメたらそーとーヤリたくなるし、ヤレばかなり良くなるし長持ちもするけど


逆にキメ過ぎたり、相当酔ってる時にキメたら
やりたくても自分のが使えなくなんだよ」


リョウはこの薬物に一年ぶりに手を出した経緯を打ち明けた

No.342 10/02/20 01:36
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 341 「ぢゃあさ!

私もいっぱいお酒入ってるし、それやったら使い物になるなくなるんだからお互い丁度良くないかな?!」


「バーカ


使い物にならなくなるのは男だけで、女は逆にいくらでも出来る様になんだよ


だからお前がやっても意味ねーの」


しかしカヤの興味は一向に静まらない

経験した事の無い薬物の経験をしてみたかった


勿論その依存性の事など考えてはいなかった

カヤは回らない頭で必死に考えた

「じゃあさ、お互いそれやって、もしセックスしたかったらすればいいじゃん!

お互い事故責任でやって

共犯でもあるの!」

しかしリョウはカヤを無視して再び自分だけが吸い、カヤにやろうとはしなかった

No.343 10/02/20 02:07
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 342 そんなリョウに
最初はギャーギャーと文句を言っていたカヤも、貰えないと悟ると大人しくなりふくれた



しかし諦めかけたその時


「ほらよ!」


リョウはストローの様に使っていたあの筒状の札をカヤに差し出した

「いいのっ?!」


「もう、殆どねーから

この位なら大丈夫だろ


まぁ万が一、あんたがまたコレ欲しいって思っても


俺にはもう入手できるルートはねぇし」

そして
この薬の事は
決して誰にも口外しない約束をした


アルミホイルは


粉の部分が殆ど焦げ
茶色くなっていた


カヤはリョウがライターで炙る粉の残りの煙を数回吸った



味はほのかに甘く

焦げた煙りのせいか少し苦い


もともと相当酔って気持ちが良くはなっていたが



更に気分は高揚する


しかし酒と明らかに違ったのは

頭や意識が覚醒され

視界はどれにもピントが合いハッキリと鮮やかになる

そして酒特有のけだるさや、眠気から解放され

身体はスッキリとした事だった


全ての細胞が最も良い状態の様に感じられ

カヤはこれが
とても身体に悪い物だとは思えなかった

No.344 10/02/20 03:07
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 343 リョウは部屋の灯りを小さくした


「お前、初めてだし目に入る光が強過ぎるだろ」



先ほどリョウが付けた音楽も身体の中に入ってくるようだ


カヤはしばらくこの不思議な感覚と世界を静かに楽しんでいた



しばらくカヤの好きにさせていたリョウが口を開く

「あんなにうるさかったのに静かじゃん」



リョウはカヤの唇に自分の唇をそっと重ねると

そのキスからは想像つかないほど強くそのままベッドに押し倒した


「抱いていい?」


「機能するの?」



「酒が足りなかったし

アレも足りねーらしい」


カヤはリョウの唇を見つめる

その視線に応える様に再びリョウは唇を重ねた


リョウの舌を受け入れると、それはすぐに激しいものとなる

  • << 346 リョウがカヤの乳房に触れる 下着どころか リョウから借りた厚手のスウェットの上からだというのに カヤの身体は リョウの手の動きのひとつひとつをハッキリと敏感に捉えてしまう まるで直に触れられているようだ すぐに息は荒くなり、切ない声が漏れる 「…んぁあッ」 スウェットの中にリョウの手が滑りこむ 背中や脇腹を這う指だけで鳥肌が立ち 身体が仰け反ってしまうほどの快感が走る それは カヤの皮膚が一枚も二枚も薄くなった様な感覚だった リョウが器用に一瞬でブラを外すと 締め付けられていた乳房が解放される 乳房全体を優しく包みこむ 揉みながら親指だけで愛撫される乳首は、一瞬のうちに大きく固くなり 更にカヤは声を上げた 「お前…乳首ちっちゃいけど、乳デカイんだな…」 リョウはカヤの着ていたスウェットをまくし上げると それを確認する様にまじまじと見た 「やべー 完璧着痩せだな チョーエロい身体」 そう言って カヤの乳首を優しくつまむと小さく上下になぞりながら 反対側の乳首を口に含んだ

No.346 10/02/20 16:29
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 344 リョウは部屋の灯りを小さくした 「お前、初めてだし目に入る光が強過ぎるだろ」 先ほどリョウが付けた音楽も身体の中に入ってくるよう… リョウがカヤの乳房に触れる


下着どころか
リョウから借りた厚手のスウェットの上からだというのに


カヤの身体は
リョウの手の動きのひとつひとつをハッキリと敏感に捉えてしまう

まるで直に触れられているようだ


すぐに息は荒くなり、切ない声が漏れる

「…んぁあッ」


スウェットの中にリョウの手が滑りこむ

背中や脇腹を這う指だけで鳥肌が立ち

身体が仰け反ってしまうほどの快感が走る

それは
カヤの皮膚が一枚も二枚も薄くなった様な感覚だった


リョウが器用に一瞬でブラを外すと

締め付けられていた乳房が解放される

乳房全体を優しく包みこむ


揉みながら親指だけで愛撫される乳首は、一瞬のうちに大きく固くなり
更にカヤは声を上げた


「お前…乳首ちっちゃいけど、乳デカイんだな…」

リョウはカヤの着ていたスウェットをまくし上げると

それを確認する様にまじまじと見た


「やべー

完璧着痩せだな

チョーエロい身体」


そう言って
カヤの乳首を優しくつまむと小さく上下になぞりながら
反対側の乳首を口に含んだ

No.347 10/02/21 14:48
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 346 ナニコレ…?!



「あぁ…ン


ぁ…!ぁ…ッ!んぁ…ッ!!」


乳房だけの快感で激しく乱れる

それは乳首がクリトリスにでもなったかの様な快感だった


「お前…

たったアレだけの量で…」


カヤの過度な反応にリョウも興奮を増し、更に弄ぶ


左右の乳首を交互に
舌で転がし、吸い付き、唇や歯で甘く噛みながら

空いてしまっている方の乳首が寂しがらない様に

同時に指先で摘み、こすり、ひっぱる

様々な刺激を与える度

カヤの身体はビクビクと反応し、甘い声が大きく漏れる


リョウがカヤのショーツ越しに秘部をなぞる


ぐっしょりと濡れ、カヤの秘部の形をくっきりといやらしく映し出していた

ショーツの中に指を滑り込ませると

トロトロとした熱い物が絡みつく

カヤの濡れた茂みから
突起した部分を露わにし

指先だけで優しく愛撫する


「んン…ァッ!!」

  • << 349 リョウがほんの少し遊んだだけでカヤは絶頂を迎えてしまう 「少し休む?」 リョウの心遣いにカヤは必死で首を振る 疲れる所か、一度迎えた快楽で ずっと忘れていた喜びを思い出してしまったかの様に カヤの性は覚醒を増し、もっともっとと身体は熱くなる 身体の疼きを抑えられずカヤの眼差しが切なさを訴える そんなカヤを見てリョウは思わず乱暴に唇を重ねた 息を荒げ 熱く深く激しく そして剥ぎ取るかの様にカヤを裸にすると 自分も洋服を脱ぎ捨て カヤの蜜壷にペニスを押し入れた 「クゥ…ッ」 しかしカヤのそこは、いきなり侵入してきたリョウのペニスをきつく締め上げる 「すげぇ… こんなに濡れてるのに…」

No.349 10/02/22 22:37
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 347 ナニコレ…?! 「あぁ…ン ぁ…!ぁ…ッ!んぁ…ッ!!」 乳房だけの快感で激しく乱れる それは乳首がクリトリスにでもなったか… リョウがほんの少し遊んだだけでカヤは絶頂を迎えてしまう

「少し休む?」

リョウの心遣いにカヤは必死で首を振る


疲れる所か、一度迎えた快楽で

ずっと忘れていた喜びを思い出してしまったかの様に
カヤの性は覚醒を増し、もっともっとと身体は熱くなる


身体の疼きを抑えられずカヤの眼差しが切なさを訴える


そんなカヤを見てリョウは思わず乱暴に唇を重ねた

息を荒げ
熱く深く激しく


そして剥ぎ取るかの様にカヤを裸にすると

自分も洋服を脱ぎ捨て

カヤの蜜壷にペニスを押し入れた


「クゥ…ッ」

しかしカヤのそこは、いきなり侵入してきたリョウのペニスをきつく締め上げる

「すげぇ…

こんなに濡れてるのに…」

No.350 10/02/23 21:43
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 349 リョウが腰を動かす度、歩のペニスしか知らない蜜壷は

その違和感に抵抗する様に押し出そうと締め付ける


無理やり動かせば更に抵抗を見せ、リョウは一瞬でイカされてしまいそうで

なかなか思う様に動かせないでいた


「ヤバい…

俺お前のココに嫌われてるらしい…」


しかしカヤはカヤで、その違和感に激しく身悶えていた

歩とはまた違った快楽に、矛盾しながらも下半身が期待で潤んで更に溢れる

尻の割れ目を蜜が伝い落ちてゆく


「…

お願い…

激しくして…」


カヤがリョウを挑発する様に自分の乳房を揉んでみせた


しかし恥ずかしさから決して目を合わす事は出来ない


そうせざるを得ないほど

止まらない興奮や欲望がカヤを大胆にさせた

  • << 361 顔を背けているカヤのその表情と 対照的で大胆な行動のギャップに魅せられ リョウは興奮と勢いに任せ腰を動かした しかしそれはすぐに 2人同時に 絶頂という形で終わりを迎えた カヤもリョウも少しも耐える事が出来なかったが、お互いが一番いい状態でそれを迎えられた事が 安心感と至福感で心まで満たしてゆく… まるで恋人同士の様に甘く唇を重ね、見つめ合うと それが新たなる欲へと更に掻き立て カヤはリョウの まだ沈まりきらないものを口に含んだ カヤはあの日 歩から教え込まれたやり方を ひとつひとつ思い出しながら 形も太さも長さも微妙に違うリョウのそれで実践した

No.352 10/02/24 20:22
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 351 どう受け取って下さってもいいですよ🍀

No.354 10/02/25 00:13
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 353 【コメントを下さった皆様、読んで下さっている皆様へ】


コメントを下さった方
お返事が出来ないでいてごめんなさい


本当に古いスレなのにお付き合い続けて下さっている方、また最近見つけて下さった方もいるかもしれません

一昨年の11月にスレを立ち上げてから
何度も投げ出し、放置し、閉鎖を考えた事も多々ありました

それでもまた結局書いているのですが、その長期放置してしまった時から書き上げる事に全く自信が持てなくなってしまいました

それから皆様の温かいコメントを頂いても、胸を張って「頑張ります!」と言えなくなってしまいました


しかし、コメントを頂けるとやはりそれはいつでももの凄く嬉しくて、涙が出る時もあり、その度感謝の気持ちと、書こうという意欲に繋がっていましたので

本当に書き上げた時、もしくは本当に閉鎖すると決めた時に改めてお礼を言わせて頂こうと考えていました


続きます

No.355 10/02/25 00:50
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 354 決して綺麗な話でも感動的な話でもないですし、不快に思われてしまうワードも沢山入れているので、受け入れられない方が大勢いるのは承知しております


何度も投げ出してしまう私が書いているものなので、今では自分でも小説なんて大それた代物だとは思っていませんし、ましてこれがどんなジャンルにカテゴリされるかはわかりません


なのでどんな風に受け取って貰っても結構です

読む方が決めて下さればよいと思っています

エロ小説でも、つまらない話でも、くだらない話でも

読む方がそう思うなら、間違いなくそうなのだと思います


コレを読んで下さっている方、コメントを下さった方、温かいお心遣いと貴重なお時間を頂き本当にありがとうございます✨


匿名さん、何度もコメントありがとうございます✨

嬉しくて凄く元気が出ます

横レスの削除より、自分に負けない様に頑張りますね🍀


ちゃら

No.359 10/02/28 00:52
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

ヒナカさん

スタート時からでしたら更新の遅さにイライラした事もあったでしょうに、今でも読んで下さってましてやこんなあたたかいお言葉まで頂けて幸せを感じました

ありがとうございます🍀


専業主婦さん
この様な話と私に貴重なお時間頂き、またあたたかいお言葉に重ねて感謝の次第です

ありがとうございます🍀


かなさん
度々のコメント有り難いお言葉ばかりです

心配して下さって申し訳無さと
お心遣いに嬉しさで胸がいっぱいです


ありがとうございます🍀







ちゃら🐢

No.361 10/02/28 01:27
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 350 リョウが腰を動かす度、歩のペニスしか知らない蜜壷は その違和感に抵抗する様に押し出そうと締め付ける 無理やり動かせば更に抵抗を見せ、リ… 顔を背けているカヤのその表情と

対照的で大胆な行動のギャップに魅せられ


リョウは興奮と勢いに任せ腰を動かした


しかしそれはすぐに

2人同時に


絶頂という形で終わりを迎えた


カヤもリョウも少しも耐える事が出来なかったが、お互いが一番いい状態でそれを迎えられた事が


安心感と至福感で心まで満たしてゆく…

まるで恋人同士の様に甘く唇を重ね、見つめ合うと

それが新たなる欲へと更に掻き立て


カヤはリョウの

まだ沈まりきらないものを口に含んだ


カヤはあの日
歩から教え込まれたやり方を

ひとつひとつ思い出しながら


形も太さも長さも微妙に違うリョウのそれで実践した

No.362 10/02/28 01:54
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 361 リョウは、その快感に驚き、息をあらげながら言った


「…う…っ

お前…

経験浅いクセに…

何でそんなに上手いんだよ…?




歩から教え込まれた方法がリョウにも通じた事、


そして2ヶ月振りだったが、ちゃんとそれを自分の身体が覚えていた事を


嬉しく思っていた


間もなくリョウは二度目の絶頂を迎え


カヤの口の中に

ドクドクと脈打つものから


熱い物が注ぎ込まれると


カヤは一滴も零さない様に

ゆっくりと口から離し

喉の奥へと流し込んだ



「お前!!

ナニやってんだよ?!」


リョウの驚いた様子に

「え…?!

何が?」


カヤが聞き返す

No.363 10/02/28 03:06
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 362 「何がぢゃねーよ!

そんなモン何で飲んでんだって聞いてんだよ!!」


「普通飲むんぢゃないの…?」



素っ頓狂な顔をしているカヤにリョウは

小さく溜め息を吐き


そして切なさの混ざった優しい眼差しを向けて言った


「普通飲まねーだろ…
いや普通に飲むヤツも飲ませるヤツもいるかもしんねーけど…

俺は普通だったらそんな事させられねぇ…って思うってゆーか…


それって、お前のその好きなヤツにさせられたのかよ…?」


「じゃあ、こーゆー時

あなたの普通だったらどうするの?」


それはカヤの純粋な質問だった


「ティッシュの中に出して貰うとか、

まぁ…最悪でも俺の腹の上に吐き出して貰うとか…


お前はさぁ、

飲めって言われてそいつの飲んだ時

どー思ったんだよ…?

嫌ぢゃなかったのかよ?」


「…
喜んでくれて嬉しかったよ…」


それはカヤの本心だった


なんだか間の抜けたような顔をしてそう言ったカヤを見て

リョウはカヤの頭を優しく抱き締めると言った


「やっぱりお前ってバカな女だわ…」

No.364 10/02/28 22:13
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 363 それからしばらく、リョウといる時間

カヤは何をしても楽しかった


くだらない話に盛り上がり、身体を重ねたり…


喉が頻繁に乾くくらいで
全然疲れない、眠くならない、腹も空かず
ずっと元気なままだった


乗る予定だった始発の時間はとっくに過ぎて、もうじき正午を回る頃


リョウの携帯電話が鳴った


リョウは画面に映し出された着信相手の名前を確認した


「みつるからだ…

あんたとまだ一緒にいる事黙ってた方がいい?」


カヤは一緒では考え切れず
とっさに黙って頷いた


「もしもし!

あ~、みつるか


あぁ…
あの子ならあのまま家の近くまで送ってたけど…


別になんもねーよ


あぁ…それは別にいいって…


それよりそっちはその後どうしたよ?


そうか…

まぁ…あんま遊び過ぎんなよ…

おぅ、じゃあまた月曜日に


遅刻すんなよ!

おぅ…じゃーな!」

リョウが携帯を切るのを確認すると

「みつるさん何だって?」

No.365 10/02/28 23:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 364 「あの後それぞれお持ち帰りして
みつるはサヤカって子とまだ一緒らしい
これからまた昨日のメンツで合流するらしいけど、あんたの友達が俺とあんたがどうなったか気になってるらしくて掛けてきたみたいだな


あんた友達に遊ばれてんじゃねーの?」

「じゃあ、本当の事言った方が楽しんで貰えたかもね」



こんな話は深く重く捉えてしまっただろうが、あっけらかんと明るくさせたのも

やはりあの薬のせいなのか


再びリョウの携帯電話が鳴った


リョウが一瞬戸惑った表情をした様に見えたがそのまま電話に出た


「もしもし香織…?

え?!これから…?

いや…そーゆー訳ぢゃねーんだけどさ


うん…うん…

わかった…


じゃあ、

後でまた掛けるよ…





リョウが香織と呼んでいた電話の相手が
リョウの付き合っている
幼なじみの人妻である事は
カヤにも想像できた

No.366 10/03/01 22:13
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

「電話、彼女さん?」


「あぁ」


「何て?」


「いや、旦那が出掛けたみたいで…

多分浮気相手の所だろうって


で、今から会えないか?って」


「え?!本当?!

じゃあ、私帰るよー!」


「いや…」

リョウは何だか申し訳無さそうな顔をしていた


「何でそんな顔してるのー?

これから好きな人に会えるんだからもっと嬉しそうな顔しなきゃ!」



「いや、それじゃ
お前に悪過ぎる」


今度は真っ直ぐにカヤを見て言った


「何にも悪い事ないよ

私のが迷惑掛けちゃったし

私もそろそろ帰らなきゃ

それにセックスは自己責任だよ!」


カヤはケラケラと笑って言った


それから何度か押し問答を繰り返し


それならば車で家まで送るというリョウの申し出にも


彼女との時間に使ってくれ


と制した


手早く身支度を済ませ出て行こうとするカヤに


リョウは慌てて自分の携帯番号を書いた紙を渡した


「取りあえず家着いたら一回電話して!」

それから

スポーツ飲料を沢山飲み

熱い湯に浸かって沢山汗を出せば

アレは早く抜けると教えてくれた

  • << 368 リョウのマンションから出ると 日の光が痛く眩しかった しかし気分は良い 心に煩う物は何も無かった カヤは少しだけ慣れた自分が歩くヒールの音を 心地よく聞きながら背筋を伸ばし歩く 家路に着いても、家族の冷やかな視線に平気でいられた カヤは久しぶりに心の平安を取り戻し それ所か全てに高揚していた

No.368 10/03/02 08:45
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 366 「電話、彼女さん?」 「あぁ」 「何て?」 「いや、旦那が出掛けたみたいで… 多分浮気相手の所だろうって で、今から会えな… リョウのマンションから出ると
日の光が痛く眩しかった


しかし気分は良い


心に煩う物は何も無かった


カヤは少しだけ慣れた自分が歩くヒールの音を


心地よく聞きながら背筋を伸ばし歩く











家路に着いても、家族の冷やかな視線に平気でいられた


カヤは久しぶりに心の平安を取り戻し


それ所か全てに高揚していた

No.369 10/03/02 09:35
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 368 約束通り、リョウから貰った携帯番号に掛けてみた


「もしもし…」


「もしもし私だよ!
【バカな女】だよ!

今家に着いたの」


「お前、この番号って家電?!」


表示された見慣れない携帯番号以外の数字を見て
リョウは驚いていた


カヤは携帯電話を持っていない事とその理由を話した


リョウはあの後
カヤを送らなかった事をやはり後悔したと何度も謝った


しかしカヤは久しぶりの電車に、高校時代の事を思い出し、懐かしく新鮮だったと楽しそうに話した

その興奮気味なカヤの話し方に


「お前まだ…
全然抜けていないな…」

と心配し


安易にカヤに

あの薬を分けてしまった事にも後悔した様子で

再び謝った


「な~んか謝ってばっかりだね


そんなに謝られたら私のが申し訳なくなっちゃうよ」


カヤは再びケラケラと笑いながら言った

No.370 10/03/02 20:15
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

その日は結局

リョウの言う通りスポーツ飲料を沢山飲み、熱い風呂で汗を流したが


いつまでも目や頭が冴えたままで眠る事ができなかったカヤは

翌日、夕方に掛かってきた美也子からの電話でようやく目を覚ました


いつも通りの遊びにこないかという誘いに、借りていた洋服が乾いている事を確認すると


カヤは自転車に乗って美也子の家へと向かった



「ねぇねぇ、リョウさんって人とどうだったの?!


本当に送って貰っただけ?!」


カヤが美也子の部屋に上がるなり


3人は目を輝かせてカヤの回りに集まった


一瞬

リョウがみつるに本当の事を言ったのか

と考えたが


何度も謝っていたリョウを思い出すと、とてもそんな風には思えなかった

No.371 10/03/02 22:17
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 370 「うん…

送って貰っただけだよ…」


カヤはまた
美也子に嘘をつき

隠し事が増えてしまった事で
すぐ様苦々しい気分になる


「な~んだ!

やっぱりみつるさんが言ってた通りかー」

一番に美也子が落胆の声をあげた

「でも、カヤちゃんにしては頑張ってた方だよね!


お酒もいっぱい飲んでたし

結構喋ってたし」


サヤカがフォローする

「一番おいしい所持ってって

結局つまんないよね

カヤちゃんらしー」

やよいの言葉に3人が笑った


早々

カヤは美也子の家に来た事を後悔した


【お前、友達に遊ばれてんじゃねーの】


あの時のリョウの言葉が

カヤの頭をこだまする



しかし

カヤも

もう


笑うしかなかった

No.372 10/03/03 09:10
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 371 彼女らに悪意があっても無くても

冗談として笑っているなら


カヤ自身も笑って冗談にしておかないと


涙が出そうだったのだ


それから深夜まで談笑し、カヤが美也子の家を出たのは22時を回った頃だった


一刻も早く帰りたいと思っていたが、いつも通りでなければ

自分が
やよいの言葉や、美也子とサヤカに笑われた事に対し傷ついたと悟られるのがカヤは怖かった


帰り道、カヤは自転車を漕ぎながら



【お前、友達に遊ばれてんじゃねー】


再びリョウの言葉を思い出していた


しかし


自分も嘘をついているのだ



だから仕方ないのだ


罰が当たったのだ



自分にも責めるべき所がある



カヤは自分が傷付いた事で

自分の嘘の罪が軽くなった気がして



安堵した

No.373 10/03/03 21:59
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 372 しかし

それから思考は

どんどんと暗く重いものとなっていった

まるで昨日のカヤとは別人だ


昨日は身体も心も脳も

見る世界さえ
全て生き生きと溌剌としていた


心煩うものなど何も無かった


しかし今は


友達
家族
そして自分


何を考えてみても

信じられるものなど無かった



カヤは自分のネガティブな感情に違和感を覚えた


いや、思考は思い出しただけなのだ


昨日のカヤは

薬に躍らされていた幻で


この陰鬱としているカヤこそが


いつも通りの本物の自分だという事を

No.374 10/03/03 23:32
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 373 更に思考は追い討ちを掛け


恋愛にまで及んだ


今まで無意識に
深く考えない様にしていたが、リョウの言葉に

自分が歩を好きだという事を自覚してしまった



勝手にとめどなく

頭の中に映し出される


たった数日の数々の歩の顔、仕草、表情がカヤを苦しくさせる


たった2ヶ月前の出来事は


遥か遠くに感じられ

もしかして夢だったのではないかと



いっそ、全てが夢ならばどんなに楽かと

信じたくなる


会いたい


自覚してしまうと



次は欲が顔を覗かせる

No.375 10/03/04 00:23
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 374 家に着くと


カヤは恐る恐る


引き出しの奥にしまい込んだ、リョウから貰った香水と携帯電話が書かれた紙を取り出した



空中に香水をひと吹きすると


あの懐かしい歩の匂いに


歩との出来事が


更に鮮明なものとなりフラッシュバックする



電話を手に取り


書かれている数字をひとつずつ順番にゆっくりと押す





しかしどうしても、何度やっても


最後のボタンが押せなかった



歩の声が聞けても聞けなくても




結局結果は



もっと惨めな現実を突きつけられる気がして怖かったのだった

No.376 10/03/04 00:36
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 375 最悪な思考状態と


締め付けられる

胸の痛みから


解放されたくて



カヤが望んだ方法は…



「もしもし…」



「私…わかる…?」


「わかるよ…

どーしたよ?」



「お願いがあるの…」



「おぅ、何だ?」



「もう一度だけ

どうしてもあの薬が欲しいんだけど…」


リョウに電話をし、あの薬を貰う事だった

No.377 10/03/04 09:05
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 376 電話をしてから一時間後にリョウと待ち合わせをした



待ち合わせ場所に行くと、既にリョウの車は止まっていた


カヤが運転席のガラスを叩くと


リョウが顔を出して言った


「取りあえず乗れよ」


カヤは足早に助手席に回り車に乗り込んだ


「ごめんね…」


リョウはそれには答えず車を走らせた






終始沈黙の中
やっと車が止まった場所は


リョウのマンションの駐車場だった


黙って降り、さっさと歩き出したリョウの背中を追い掛けるようにカヤも黙って後につく


オートロックを解除し、先に部屋に上がろうとしたリョウは、カヤが自室のドアを締める音を確認すると

振り向くなり

カヤに激しくキスをした

No.378 10/03/05 09:35
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 377 リョウは玄関の扉に無抵抗のカヤを強く押さえ付け、乱暴に身体を触り

皮を剥ぎ取るように洋服をまくし上げ、ブラのホックを外す


乳房を鷲掴みにし揉みしだき


執拗に舌を絡ませた


最初から受け入れるつもりだったカヤだったが

その激しさに息苦しさを覚え激しく咳込むと


我に返ったように
リョウの押さえ付けていた力は弱まり


カヤは扉にうつかったままヘロヘロとしゃがみ込んでしまった




やがてリョウも
カヤと向かい合う形でしゃがみ込むと


「ごめんな…」

と呟き

カヤの頭を抱き寄せた


リョウの腕の中で大きく首を振るカヤ


リョウの体温を感じ、リョウの匂いを感じ


やっと心の痛みから、本当の意味での息苦しさから解放された気がした

No.379 10/03/05 19:36
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 378 「なんで…そんなにアレが欲しくなった?


お前はあの日が初めてだったはずだし


(血管に)打ったならまだわかるけどよ

ほんの少し俺の残りを吸わせてやっただけだったのに…


確かにあの時の
お前のあのアガりっぷりを見た時は

あの量なのに
しっかりキマっちまったな

って俺も驚いたけどよ



たった一回やっただけですぐにまた欲しくなるようなヤツが続けたら
本当に抜けたい時に抜けられなくなんだよ



遊びじゃ済まなくなって

今度は打ちたくなんだよ…






全部…



俺のせいだな…」

No.380 10/03/05 20:55
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 379 その口調は優しく諭すようなあたたかいものだった


カヤが顔を上げ、リョウの顔を見ると

しかしその瞳は

とても悲しげだった



自分は人をこんな目にしてしまうほど

傷付け…悲しまさせてしまう人間なのか…


カヤは胸の奥にチクチクする痛みを感じた


「違うの!

別にあの薬にハマった訳じゃないし、あなたのせいなんかじゃないの!」

カヤは今日起きた出来事や


友達や家族や自分に対して

そして歩への


思いを話した



そして全てを自分の心で処理するのが辛かった


逃げ出してしまいたかった


ただそれだけで


薬やリョウは関係ないと



必死で訴えた



リョウはずっと黙ってカヤの瞳を真っ直ぐ見つめ聞いていた

それはまるで


カヤの一言をも聞き漏らさずとしているかのように


真剣なものだった



「いや、

だから俺のせいなんだよ…


お前の友情に口出したのも


その男を好きだと自覚させちまったのも

お前を悩ます原因を作った上に、あんなものやっちまったから



マジでごめんな…」

No.381 10/03/05 21:19
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 380 リョウの顔があまりにも痛そうな表情で

カヤはどうしていいかわからなくなり


リョウの目を直視出来なくなってしまう

そんなカヤを見ながら

リョウは続けた
「だけどな…

あの時も、さっきの電話でも言ったけど

俺にはもうアレを手に入れるルートはねぇんだ


だけど、そのルートが今の自分に無くて良かったと心底思ってる


めんどくせーって思って、最終的にお前にやったかもしれねーし



俺は正直
さっきのお前の電話で

つくづくお前はバカな女だってすげームカついた


だから、お前に痛い思いさせて


俺から離そうと思った


だけどお前、全然抵抗しねーし


余計イラついた



さっきは悪かったな…



だけどこれが俺なんだわ


冷めてーかもしんねぇけど」



リョウはやっと少し笑った


カヤは必死で首を振る


「私こそ…

嫌な思いさせてごめんなさい…」


カヤの目から涙が零れ落ちた

No.382 10/03/05 21:49
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 381 「めんどくせーけど

俺があんなモンやらせたのが一番わりーしな


これからまたお前が
今日みたく辛くなったら
俺が話聞いてやるよ」


そう言って


リョウはクシャクシャと乱暴に

カヤの髪を撫でた


「ってかさ、


それがお前の本当の格好なの?」


「へ…」


カヤは自分の格好をまじまじと見た


トレーナーとジーンズにスニーカー



「こないだより

ガキらしくて、こっちのがお前に似合ってんじゃん」



確かに美也子に借りた
あの大人びた洋服とは比べ物にならないくらいの


汚い格好に


カヤとリョウは大笑いした

No.383 10/03/06 00:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 382 それから

思い出したように、やっと2人は家に上がった



「デートはどうだった?」


カヤは目を輝かせて聞く


「普通にいつも通り

いつもだいたい飯食ってセックスしてバイバイ」


「いつも通り」と
「バイバイ」

の所で、カヤは何かリョウの寂しさみたいなものを感じた



黙って様子を窺っているカヤに気付いたリョウは

やはりちょっと億劫そうに

話しはじめた


「アイツはいつも、例え旦那が浮気相手の所に泊まるって知ってても

必ず夜10時には帰るんだよ…


俺と会う時も誰が見てるかわかんねーって

人の多いとこは避けて
何処に出掛ける訳でもなく、適当な所でさっさと飯食って

ホテル行くだけ」


「…ここには来ないの?」


「こんなとこ絶対来ねーよ」


同じ地元で幼なじみの彼女がリョウと一緒の所を誰かに見られてしまう事を

彼女は一番怖れているという


結局、今の結婚生活が一番大切なんだと

無表情に語った

No.384 10/03/06 12:18
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 383 ではリョウと彼女が付き合っている事は誰も知らないのかとカヤがたずねると

リョウは「そうだ」と答えた
どこで漏れるかわからない為、彼女を知るやはり同じ地元の親友にすら話していないと続けた



「そんな大切な事…
私に話してくれてたんだね…」


「お前だって、その好きなヤツの事とか
処女捨てた事とか
誰にも言ってない事教えてくれたじゃんよ」


リョウは、カヤが誰にも言えないでいた秘密を自分に打ち明けた事で


カヤも絶対自分の秘密を守るだろうと確信していた事を話した

だがそれは後付けであって

何故あの時、カヤにつらつらと語ってしまったのか
実はリョウ自身にもわからなかったとも言った


「そっか!

なら私、精一杯あなたの恋を応援するよ!

誰にも応援して貰えない恋なんて寂しいじゃん!」


カヤも、自分の話を聞いてくれると言ってくれた

リョウの力になりたいと


強く思った

No.385 10/03/06 12:52
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

「お前はどうなんだよ?

今日、その男に電話してみようって思って出来なかったんだろ?」


カヤは歩に
迷惑に思われるのも、自分が傷付くのも

怖いと話した


だいたいこんなに時間が空いてしまったのに、今更何を話したらいいのかもわからない


自分を覚えているかもわからない


現状から考えても

もし告白しても確実に振られてしまう事はわかっている

だからと言って、振られてスッキリできる程


今の自分は強くはないと


全て正直に話した


黙って聞いていたリョウは


「あんたがどうしたいかわかんねーけど
あんたの人生だし、あんたの好きにすりゃいーよ


あんたの中で答えが出るのを

俺も応援するわ」


そう言ってくれたリョウの言葉に


孤独感が溶けてゆく
本当に強くなれそうな気がして

また涙が出そうになるのをこらえて言った


「じゃあ私たち、お互いの応援者だね!」

カヤの言葉に


リョウは再びカヤを抱きしめた

No.386 10/03/06 13:20
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 385 頭を優しく撫でながら


「お前…

バカだけど可愛いな…

いいヤツだし…」



そう言ってカヤの首筋に優しくキスをした


「…んッ……」

カヤの小さな声が漏れると


リョウはカヤの瞳を見つめ、唇を重ねた

カヤも目を閉じ


リョウの舌を受け入れる



リョウがトレーナー越しのカヤの乳房に触れると


先ほど玄関でブラのホックを外されたままでいた事に気づく


「お前…

ずっとこのままでいたの…?」


「…付けるタイミングを逃しちゃって…」


恥ずかしそうにうつむくカヤに


今度は激しく唇を重ねると


リョウは洋服の下に手を入れた


そのキスとは対照的に

まるで壊れ物を扱うように


優しく乳首を愛撫した

「ん…ぁ…」


カヤの小さな乳首が

リョウの優しい指先で固くなっていった

No.387 10/03/06 13:50
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 386 「…ァ…ッ

…ンッ

ぁッ…」


リョウはトレーナーを捲くし上げ腹や乳房に舌を這わせ

カヤの声が次第に大きくなると

乳首を唇で包み甘く歯をあてた


しばらく乳首を可愛がると


今度はジーンズ越しの秘部を指でなぞる

厚手の生地の上からでも
熱を帯びているその部分がどうなっているのか確認するように

ジーンズとショーツを脱がせると

再び指をあてがう


そこはやはりカヤの蜜で溢れていた


蜜を沢山絡めた指で、カヤの小さく突起した部分を

優しく丁寧に愛撫すると


更に息と声を遠慮がちに荒げたカヤは

背中を仰け反らせ


果ててしまった

No.388 10/03/06 14:18
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 387 リョウはカヤを抱き抱え、ソファーからベッドに移すと


「入れていい?」


と聞く


カヤがコクリと頷くと


リョウは自分が着ていた洋服を脱ぎ捨て

全身でカヤを抱きしめた

もう一度深いキスを交わし


既に大きくなっている自分のものを、カヤの秘部にあてがう

ヌルヌルとしたその部分にゆっくりと少しずつ

腰をうずめてゆく


相変わらず、キツく締め上げるようなカヤの蜜壺が


何度も息を荒げ苦戦するリョウの全てをようやく受け入れると


リョウはカヤの膝に優しくキスをした


数回確認するように上下に動かしてみる

そして意を決したように


激しく突き上げた



カヤはシーツを掴み、リョウの行き交うそれの形を
身体の中ではっきりと感じてしまう


まもなくすぐ
あの電流が走る快感に包まれると


リョウも一気にたたみかけ


2人はお互いが脈打つのを感じながら絶頂を迎えた

No.389 10/03/06 14:36
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 388 薬を交えない

リョウとの初めてのセックスだった



薬を交えたセックスとは違う


心地よい疲労感と満足感に包まれ


2人はいつの間にか眠りについてしまった




カヤが目を覚ますと
そこにリョウの姿は無かった


枕元にカヤ宛てにと思われる
走り書きされたメモが残されていた


「仕事行ってくる

帰ったら送ってやるからそれまでにゆっくり休めよ


近くにコンビニがあるから腹減ったら飯食えよ」


メモの横には五千円札が置かれていた


カヤはリョウの心遣いにまた心が満たされ

リョウの書いたメモだけをバックにしまうと



再び心地よい眠りに付いた

No.390 10/03/06 15:07
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 389 一体どれくらい眠っていたのか


安眠から次にカヤが目覚めたのは、リョウが帰ってきた物音によってだった


「おかえり~」


「お前、今まで寝てたの?」


リョウが驚いた顔で聞く


「うん」

照れくさそうな表情になんとも情けない声で答えるカヤに
リョウは思わず笑ってしまう


「って、お前!
何にも食ってねーのかよ!?」


取り残された五千円札を見て再びリョウが驚いた



「へへ…

眠るのがあんまり気持ちよくって…」



そんなカヤに
いよいよリョウは呆れた顔をして言った


「飯食い行くぞ!」


慌てて支度をするカヤにやっぱりリョウは吹き出してしまった

No.391 10/03/06 15:28
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 390 食事をしながら

リョウが言った


「お前、今日はどーすんの?」


「どーすんの?って?」


「家に帰るのか帰らねーかだよ…」


カヤは少し考えながら
「帰らないって言ったら、置いてくれるの?」


「仕方ねーだろ、捨ててく訳にも行かねーし」


カヤは勿論あの家になど帰りたくは無かった

しかし、自分がいたらリョウはよく休めないであろう


昨日もきっとあまり寝ていないだろうし、今日は仕事をしてきたのだから疲れてもいるはずだ


それに、そんな風に言ってくれただけでカヤはもう満足だった


「今日は帰るよ

だけどさぁ

もし私がまた独りでいるのが辛かったら、会ってくれる?


勿論、あなたの生活優先であなたが大丈夫な時だけでいいんだ

仕事で疲れてる時とかさ断ってくれていいし


彼女さんと会う時なんか特にね!

あなたの仕事の邪魔はしたくないし

彼女さんとの事は本当に応援したいと思っているから」


カヤの言葉にしばらくリョウも考え言った

No.392 10/03/06 15:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

「お前さ、それが俺にとってどーゆー意味になるのかわかってんのかよ?


俺にまたヤラれてもいーのかよ」


「いいの、いいの

だってお互い様でしょ?


私が辛い時、話聞いてくれるって言ったじゃん!!


だからあなたも彼女さんの事で
寂しい思いしてる時私とセックスすればいい


私だってセックスしてる時は色んな事考えないで済むんだし

私を彼女さんだと思って抱いてくれてもいい


その代わり私も約束は破らないよ!
あなたの恋の応援はしても、絶対邪魔しないって誓うし、私を必要としなくなったら、そう言ってくれていいから!

その時は絶対にあなたから離れるって誓うから」


こうして

2人は

お互いの寂しさを埋める約束を交わした

No.393 10/03/06 16:31
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 392 それから更に2ヶ月経った


カヤはアルバイトを始めていた


周りは自分の母親との方が歳が近い主婦ばかりで
話が合う者もおらず、仕事内容にも全然楽しさややりがいを見いだせなかったが


仕事の疲労感でよく眠れ、

仕事を理由に美也子たちと安心して距離を保つ事が出来たし、たまに会うくらいの方が関係は安定した

美也子たちとは比べものにならないが

カヤも少し収入を得られる様になった事で、お金を使う遊びなども少し共有する事が出来るようになった


親との関係も良好とは言えず
母親とは相変わらず殆ど口をきかない関係が続いていたが
カヤが働き出した事で、うるさい事はあまり言わなくなった

何より、そんな関係になった事で、精神が不安定だった妹のチエの表情が軟らかくなってきた事に


カヤは一番安堵していた


そしてリョウとは相変わらず、週に一度のペースで

悩みや愚痴を言い合い、寂しさを埋め合うように身体を重ねていた


カヤはまだ度々歩を思い出しては切なくなり

勿論、リョウは彼女との時間を優先する形であったが


リョウとの時間が全てを少しずつ変え
支えてくれている気がした

No.394 10/03/06 17:04
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 393 ある日カヤがバイトから帰ると

妹のチエから電話があった事を伝えられた

「谷川っていう男の人
帰ったら掛け直して欲しいって」


その名にカヤはしばらく立ちすくんだ



【谷川】とは…




歩の苗字で


カヤは歩以外に
その名を知らない



鼓動を打つ音が大きくなり加速してゆく


カヤは自室に入ると、あの日再び引き出しの奥へとしまい込んだ

歩の携帯番号が書かれた紙を取り出した

電話番号の上に


歩本人の字で

【谷川 歩】


と書かれているのを確認すると


カヤの手はじっとりと汗を書き、紙を持つ手は震えていた



落ち着けとタバコに火を付けた

ゆっくり吸っていたつもりが、あっと言う間に短くなり
カヤはそれを灰皿に押し付けるとすぐにまた二本目に火をつけた


そしてそのまま電話を手に取ると


やっと歩の携帯番号を押し始めた

No.395 10/03/06 17:29
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

「もしもし…」


4コールほどで歩が出た


受話器から聞こえる懐かしい声にカヤの言葉がつまる

「カヤだろ?」


「そうだよ…

オニイサン
久しぶりだね、元気してた?」



「おぅ!

俺は元気

カヤも元気そうだな」


目を瞑りその声を聞いていると


瞼の裏に歩の笑顔が浮かんだ

「うん、元気だよ

今日はどうしたの?」


「実は俺、4月からこっちの美容の専門通う事にしたんだわ

で、その前に一回そっちに帰ろうと思ってさ

まぁ3日間くらいだけど


それで明後日帰ろうと思ってんだけど


カヤ会える?」


カヤは慌ててバイトのシフトを取り出す

明後日からの3日間 のうち、明後日は仕事が入ってしまっているがその後の2日間は丁度休みになっている事を確認すると


歩にそれを伝えた


歩は喜び、会う約束をした


「カヤ、バイト始めたんだ

偉いな」


「うん…」


「明後日は、カヤがバイト終わってから迎えに行くから

終わったら電話して」

No.396 10/03/06 17:48
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 395 五分ほどで電話を切ると


カヤはそのままリョウに電話をした


「もしもし!私だよ!

あのね!

私の好きなあの人が
明後日からこっちに帰ってくるんだって!

それでね、4ヶ月振りに会う約束したんだよ!!」



興奮状態で勢い任せのカヤの言葉を理解出来なかったリョウは

「落ち着けって!


何言ってんのか全然わかんねーよ


はい、深呼吸して…」


リョウに促されカヤは
深呼吸をすると
嘘の様に落ち着きを取り戻し

もう一度、ゆっくりと落ち着いて説明した


うんうんと聞いていたリョウは


全てを聞き終わると

少しの沈黙の後に言った


「お前、今から出てこいよ…」

No.397 10/03/06 18:16
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 396 いつもの所でリョウと待ち合わせをした

リョウの車はやはり先に着いていて、カヤは助手席に乗り込む


電話の内容とは全然関係ない話ばかりしてくるリョウに

少し違和感も感じたが

カヤはいつもの様にリョウの話を笑って聞いていた


リョウのマンションに着くと

リョウは冷蔵庫からビールを取り出し、カヤに渡した


「前祝い!」

「え…?」

「お前が好きなヤツと4ヶ月振りに会えるんだろ?」


「うん…」

「ちゃんと自分の答え見付けてこいよ」

「わかった…」


2人は缶ビールで乾杯を交わした


「あれ?
飲酒運転になっちゃうよ!」

「ばーか

明日朝送ってやるよ
お前もバイトだろ?
朝早いけど叩き起こすからな!」



【前祝い】

そう言ってくれたリョウに

カヤはまたあたたかい気持ちに包まれた

No.398 10/03/06 18:39
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 397 その日のリョウは
結局朝までカヤを抱く事はしなかった


酔い潰れたカヤを介抱し、自分の腕枕で寝かしつけた



朝になり、約束通りリョウに起こされ


カヤは自宅近くまで送って貰う


「明日からそっちは何してるの?」


カヤの問いに

「明日は特に仕事だけで予定ないけど、明後日はアイツと会う約束してる」


「そっか!
お互いデートだね!」


カヤの弾んだ声に

「お前も明日楽しんで来いな」


そう言ってリョウは優しくカヤの頬を包んだ


「うん」

No.399 10/03/06 19:44
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 398 翌日
いよいよ歩に会える喜びと不安、緊張で最後まで集中できないまま仕事を終えたカヤは
急いで家に帰ると歩に電話をした


あの日別れた場所で待ち合わせの約束をすると


カヤは急いでシャワーを浴び支度をすませると待ち合わせ場所に向かう


早く会いたい一心で足早に歩いていたのだが、待ち合わせ場所に近づくと今度は不安と緊張で、うまく足が出せずそのスピードは落ちていった


真っ暗な闇に浮かび上がる
ハザードランプの点滅を目にすると

カヤの緊張は更に増し、その場に立ち止まってしまった


しかし、気合いを入れ覚悟を決めるとカヤは再び足早に歩き出し、歩の助手席のドアを開けた

No.400 10/03/06 20:22
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 399 歩と目が会う

「こ、こんばんわ!」


表情固くすぐに目をそらし、車に乗り込んだカヤを見て


歩が笑い出す



いきなり笑い出した歩にカヤはびっくりして

不思議そうに歩を見つめた


「だってさ

カヤが変な歩き方してくんのが見えて

あそこで止まったかと思ったら


何か気合いみたいなの入れて、今度は凄い速さで向かってくるからさ


それで

『こ、こんばんわ!』

だろ


おもちゃみて~って…




全部カヤの様子を見ていた歩は

そう言って説明しながら、また笑った


カヤは見られていた恥ずかしさと

自分のカッコ悪さに

いきなり全てのペースを歩に持っていかれた

No.401 10/03/06 21:12
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 400 うつむき黙り込むカヤにも

歩はむしろそれを楽しむかのように容赦なく続けた

「あそこで何の気合い入れてたの?

気合い入れなきゃいけないほど

俺に会うの緊張してたの?」



全てカヤの心を見透かしている様な歩の言葉に

カヤの耳は真っ赤に染まった


「今日は無口なんだな

ってもしかして

俺に会うのそんなに嫌だった?」


歩の問いに


カヤは大きく首を振り


ようやく顔を上げ


歩の顔を見た


「イジメ過ぎたな…
俺もホントはちょっと緊張してたとこ


でもカヤ見てあの動きに緊張がほぐれたから


俺もカヤの緊張解してやろうと思ったんだけど

逆効果だったな」

No.402 10/03/06 22:17
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 401 歩なりの気遣いを知り、カヤはまた
首を大きく振った


歩が車を走らせた



「オニイサン…

美容師になるの?」


「そ、4月から学生
つっても夜間だけどな

音楽も物になんねーし、やってもねーし

俺多分、手先器用だし」


「凄いね!」

「まだこれから学校通う段階だっつーの!

何にも凄くねーよ

多分周りは年下ばっかだろーし


ま、今度は辞めないように頑張るだけ」

「でも、やりたい事見つけたなんて
やっぱり凄い!」


「おぅ

じゃあ、そのうちスゴくなるな…

美容師んなったら、カヤの髪も切ってやるよ」


カヤは未来をさす歩の言葉に少し胸を痛めた


嬉しかったが、本当にそんな日がくるのか


歩が美容師になっても

自分と歩が繋がれている姿を想像出来なかったのだ


「カヤもバイト始めたんだろ?

すげーぢゃん」


「うん…

でも私なんて凄くないよ

毎日いやいや行ってるだけだもん」


「いやなとこに毎日ちゃんと行ってんなんて

尚更すげーと思うよ」


歩が褒めてくれた事がカヤは嬉しくて

仕事が嫌いだったけど

また頑張ろうと思えた

  • << 412 それから2人はドライブをしながら たわいもない話や、お互いの当たり障りのない近況報告をしあった お互い、どれも中身のない表面上の話ばかりだったが、歩独特の言い回しや聞き上手なスマートさに カヤはどんどん惹きつけられ カヤも歩を好きだと自覚した事で更に 何を話しても聞いても楽しく…そして歩の仕草や表情、言葉 そのどれにも胸が高鳴った 二度と逢えないかもしれない… 4ヶ月の間 何故連絡をくれなかったのか 何をしていたのか そんな疑問は 今再び出逢えた事に 自分を忘れないでいてくれた事に わからなくてもいいと この奇跡の様な瞬間に カヤは喜びだけを見いだしていた

No.404 10/03/10 20:42
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 403 いつもいつも本当に本当に、ありがとうございます


そして途中レスして頂いた、かなさん小雪さんも本当に本当にありがとうございます

残り100レス切ったというのに


そもそも私が簡潔にまとめて書けないせいで、今になって尺が足りるかわからないで焦っています


でも必ず最後まで、出来れば早めに書き上げます🙇



貴重なお時間を頂きありがとうございます🍀

No.407 10/03/11 00:41
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 405 ちゃら様🌱 更新お疲れ様です☺ 収まりきらなかったら【カヤの依存No.2】とかでいいじゃないですか😁 実際、完結しちゃうと私の楽しみが一… かなさん、そのような温かいお言葉、お心遣いに重ねて感謝申し上げます🙇


有り難過ぎて、とても返す言葉がみつかりません🙇


かなさんがご心配下さっている

頂けるお気持ちやお言葉が、プレッシャーだったり負担だったりする事は微塵も無く、それはいつでも私に幸せな気持ちと意欲を与えて下さっています


ただ私は大変未熟者でありまして、もし応援スレなど建てて頂いては、自分が何か勘違いをしてしまい大きくなった気がしてしまう可能性があるのです


読んで下さっている方の中には内容や描写的に不快感を感じている方がいて当たり前の物だと自覚していますし、私には長期放置の過去もあります

それでもこの場をお借りし書かせて頂いている身ですので、静かに続けていけたらなと思っています

続きます

No.408 10/03/11 00:42
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 407 勿論最後に批判のお声も含め、受け入れる気持ちはありますし、私から改めてお詫びしたい事もあります

応援や感想だけでなく、ご批判の声も何かありましたら本文使って下さって結構ですよ😉🍀

今は書く事が一番皆様に応えられる道かなと思っていますので、その時はスルーするかもしれませんが、必ず最後に声を掛けさせて頂きますので🙇


かなさんの沢山のご配慮有り難く感じております✨

小雪さん、レスを催促させてしまったみたいですみません🙇

ありがとうございます🍀


ちゃら

  • << 410 ちゃらさん🍀いつも更新楽しみにしています😊応援してます😊 主さんが感想OKですよといっても、感想レスに批判レスがきてスレが荒れるのが心配です😥 小説板ではそういう光景をよくみるので😥

No.411 10/03/11 20:35
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 410 🍀✨✨☺










ちゃら🐢💨

No.412 10/03/11 21:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 402 歩なりの気遣いを知り、カヤはまた 首を大きく振った 歩が車を走らせた 「オニイサン… 美容師になるの?」 「そ、4月から学生… それから2人はドライブをしながら

たわいもない話や、お互いの当たり障りのない近況報告をしあった


お互い、どれも中身のない表面上の話ばかりだったが、歩独特の言い回しや聞き上手なスマートさに
カヤはどんどん惹きつけられ

カヤも歩を好きだと自覚した事で更に

何を話しても聞いても楽しく…そして歩の仕草や表情、言葉
そのどれにも胸が高鳴った


二度と逢えないかもしれない…

4ヶ月の間

何故連絡をくれなかったのか

何をしていたのか

そんな疑問は


今再び出逢えた事に

自分を忘れないでいてくれた事に


わからなくてもいいと


この奇跡の様な瞬間に

カヤは喜びだけを見いだしていた

No.413 10/03/12 23:28
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 412 カヤが1人では入れなかった
あのトイレがある公園の駐車場に車を止めると

2人は夜の散歩を楽しんだ


公園のアスレチックや遊具で遊び


走り


はしゃぎ



疲れると

芝生の上で2人並んで

寝転んで


空に浮かぶ星を見上げた



「もう冬の空じゃないね…」


カヤはあの日、この公園の駐車場で歩と見た星を思い出して呟いた


あの時は

違う空を知る歩が

いずれそこへ帰ってしまう事を寂しく感じていたが


またこうして出逢えた事で

胸が熱くなった


あの時より

空は高く、星も遠く見える


こんなに空が高いなら


きっとどこまでも続いている


きっといつだって

同じ空の下に

歩と自分が存在している事を幸せに感じ

星が滲んだ

No.414 10/03/13 00:35
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 413 歩に悟られない様にカヤはそっと目をこすり涙を拭った




目の前に歩の顔があった


カヤは突然の歩との距離に目を丸くした


歩は黙ってカヤを見つめ


唇を重ねる


それはとても優しく
静かなキスだった


唇が離れると


少し心配そうに
しかしカヤを安心させるような穏やかな口調で言った

「どうした?
泣いてた…?」


「ちょっとあくびしちゃっただけ」


そう言って
カヤは再び目をこすってみせた


「そっか
カヤは今日1日働いてきたんだもんな…


車戻った方がいいな」

そう言って歩は立ち上がると

カヤの手を引き
歩きだした

No.415 10/03/13 02:06
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 414 あのトイレの前に差し掛かると


「トイレ平気?」


歩が思い出したように笑って聞く


「う~ん…
そー言われるとしたいかも…

なんだかここくる度したくなってるよね私」


カヤはまるで他人ごとのように呆れた顔をして言った


「まだガマン出来る?」


「うん。大丈夫」


「じゃあ、違うトイレ行くか…

カヤがもう限界だっって言ったらまたついてってやっても良かったんだけどな…」


歩はわざと残念そうな顔をしてみせた



歩とのこんなやりとりが相変わらずで
そしてなんだか懐かしくて

カヤは心地よかった

  • << 417 戻ると 歩はすぐに車を走らせた 公園から一番近いコンビニを車は素通りする 「どこのトイレ行くの?」 てっきりコンビニのトイレに連れて行ってくれるのだと思い込んでいたカヤは、不思議に思い聞いた 「もっと綺麗なトイレがある所」 歩は信号待ちで車を止めると チラリとカヤを見て まるで【おたのしみに】 とでも言いたげな もったいぶる口調で楽しそうに答えた 着いた先はホテルだった 「ホテルだったの?!」 「そ、 綺麗なトイレもあるしカヤも仕事で疲れてるみたいだし いつでも寝れるじゃん 部屋選んで」 そろそろと徐行する車に カヤは慌てて部屋の写真パネルに目をやった

No.417 10/03/13 11:38
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 415 あのトイレの前に差し掛かると 「トイレ平気?」 歩が思い出したように笑って聞く 「う~ん… そー言われるとしたいかも… なんだ… 戻ると
歩はすぐに車を走らせた



公園から一番近いコンビニを車は素通りする


「どこのトイレ行くの?」


てっきりコンビニのトイレに連れて行ってくれるのだと思い込んでいたカヤは、不思議に思い聞いた


「もっと綺麗なトイレがある所」


歩は信号待ちで車を止めると

チラリとカヤを見て
まるで【おたのしみに】
とでも言いたげな


もったいぶる口調で楽しそうに答えた





着いた先はホテルだった


「ホテルだったの?!」


「そ、
綺麗なトイレもあるしカヤも仕事で疲れてるみたいだし

いつでも寝れるじゃん


部屋選んで」


そろそろと徐行する車に
カヤは慌てて部屋の写真パネルに目をやった

No.418 10/03/13 12:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 417 「カヤにしては珍しい部屋だな」


トイレを済ませてきたカヤに
ソファーで煙草の煙をくゆらせながら歩が言った


カヤが選んだ部屋は壁が水色のポップな部屋だった

「空みたいでいいかな~って

もしかしてオニイサン嫌だったかな?!」


「いや、全然
空か~、言われてみたらそうかもな…


ベッドが雲に見えてきたわ」


水色の中に
ひとつ浮き立つように佇む真っ白なベッドは


歩がいうように確かに雲のようだった


カヤは嬉しくなってベッドに寝転び

フカフカと沈むような柔らかさと弾力を楽しんだ


本当に雲の上に乗っているような気分になった

No.419 10/03/13 14:56
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 418 「随分と楽しそうだな…」


ベッドの上で転がるカヤを捕らえ

歩はカヤの両手首を掴み、上に上げ
右手ひとつで固定してしまうと

唇を重ねた


舌を絡め徐々に激しいものとなり


子供のような淡い時間が一気に大人の色に変わる


カヤの首筋に這うように行き交う歩の唇

服の上から乳房を愛撫する


まだそれだけでビクンと反応してしまうカヤの体は


両手首を固定されているため自由に動けず、忍び寄る快楽をどこにも逃がせずにいる



そのうち
その手は服の中へと侵入してくると


ブラの上から乳首だけをなぞり摘む


期待に膨らむように乳首は固くなり


それに応えるがごとく

歩の指がブラをずらすと


乳房全体を包みこみ

カヤの固くなっているその部分を人差し指で弾いた

No.420 10/03/13 15:50
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 419 ツンと走るその快楽にカヤは淫らな声を漏らし

自由にならない体に身をよじらせた


歩はフッと笑うと

カヤの耳元で囁く

「相変わらず敏感だね…」


愛撫に卑猥な言葉を乗せ

更にカヤを興奮させると
ようやくカヤの掴んでいた手首を解放した


歩はカヤに
カヤのあの部分がどうなっているのか自分で触って確認しろと言った


躊躇しているカヤに、更にそれを吹き飛ばすような快感を与えると
歩はカヤの履いていたジーンズを脱がし、もう一度促した

カヤはソロソロと自分のショーツの中に手を入れる


秘部は熱く蜜がたっぷりと溢れていた

No.421 10/03/13 16:11
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 420 「見せて」


歩の言葉に再びショーツから指を出すと

愛液で濡れ光る指を歩に見せた


「こんなになってるんだ…」

と言い
歩はカヤの目の前で
その指を綺麗に舐めて見せた


羞恥に震えるカヤに

「もっと舐めさせて」


とカヤのショーツ剥ぎ取ると


蜜が溢れでている茂みに顔をうずめた


粘着質な音を響かせ


早々とカヤを絶頂に導いた


カヤが快感の余韻が残る体に肩で息をしている間

歩は自分の着ていた物を脱ぎ捨てると


カヤの目の前に大きくそそりたったものを見せた


カヤはそれに応えるように口に含む

No.422 10/03/13 16:35
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 421 自分好みに
歩が教え込んだ方法で奉仕するカヤ


その腕は4ヶ月振りだというのに少しも衰えてはいなかった

歩もすぐに果て、カヤの口の中に快楽の塊を放出させた


カヤは近くにあったティッシュを口にあて

それを静かに吐き出した


「へぇ…

誰にそんな事教わったの?」


その声にカヤは歩を見ると


歩は冷たく乾いた視線でこちらを見つめていた

No.423 10/03/13 18:32
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 422 うっかりリョウとしていた時の感覚がクセとなり、それが出てしまったのだった

黙り込むカヤに、歩は乱暴にキスや愛撫をし、指や舌を使い何度も果てさせた


「誰がそんな事していいって言った?」

「4ヶ月、俺に抱いて貰えなくて寂しかったのか?」


「我慢出来なかったのかよ…
いやらしい身体だな」


「せっかく俺が1人でも気持ちよくなる方法教えてやったのに

やらなかったのかよ
そんな悪い子だったんだな


それともそれだけじゃ足りなかったのか」

「そんな顔してヨガったのか」

「そんなエロい声だして感じたのか」


「責められて、こんなに濡らして…

思い出してんの?」

カヤを責めるような言葉で罵声を浴びせた

しかしその声はとてつもなく
怖いくらいに優しいものだった


乱暴な愛撫と言葉、優しい口調


アンバランスな刺激に


カヤは酷く興奮し、感じていた

No.424 10/03/13 18:43
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 423 そしてカヤの視線が覚束ず
今にも失神しそうになると


歩はカヤの蜜壷に再びそそり起ったものを捻込んだ


乱暴に力強く腰を振る


何度もいかされたカヤの身体や意志などまるで無視するかのように


むしろそれを楽しむかのように


自分も果ててしまいそうになると
途中で止め
速度を緩め
また力強く打った

何度も我慢を重ね、いよいよカヤの身体がぐったりと

少しの力をも失うと


歩はようやく、白濁とした液体をカヤの顔の上にぶちまけ

カヤの身体を解放した

No.425 10/03/13 18:57
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 424 歩は汚れたカヤの顔を、ティッシュで綺麗に拭き取ると


何事も無かったように

まるで別人のようにカヤを優しく扱った


意識が朦朧とする中
その歩とのセックスが全て夢だった気すらして

カヤはそのまま深い眠りへと落ちていった

No.426 10/03/13 19:22
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 425 朝になり目を覚ました2人は


風呂に入り、支度を済ませると時間ギリギリでホテルを後にした


歩のいない間、カヤが誰に抱かれていたのか


何故抱かれていたのか


そんな話題には少しもならず


その変わりに

歩は昨日以上に優しくなり


またカヤもそんな歩の優しさに甘え


昨日以上に仲良くさえみえた


レストランで昼食をとると

ボーリングやビリヤードで遊び

プリクラ撮り


普通のデートを楽しんだ


まるで二人の間には、爽やかな風が吹いているような時間を過ごした

No.427 10/03/13 20:15
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 426 楽しい時間はあっという間に過ぎ夜になった


夕食を済ませると、残された時間も後1日しかない事で

カヤと歩は自然とまたホテルへと行く事になった


その前に煙草やドリンクなどを買いに

コンビニへと寄った

そのコンビニは、この田舎の小さなラブホテル街に一番近く

特に夜などカップルで買い物に来ている客は
殆どと言っていいほどラブホテルで過ごす為の物を買いにくるような場所だった

皆、ここで買い物をしそのままそのままホテルへと流れてゆくのだ

カヤたちもまた同じだった


店内に入るとすぐ
カヤは驚愕し、思わず立ち止まった


カヤの視線の先には
リョウと
その隣に
とても美しい女がいた

No.428 10/03/14 08:54
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 427 リョウと目があった


リョウもカヤの姿に驚いた表情だった


2人は
お互いのパートナーに気付かれないように


瞬時に目を逸らした

どちらとも二人の異変には気付いていない事に


カヤは心の中で安堵した



あの美しい女が…
リョウの愛する
香織という人か


カヤは雑誌をチェックしている歩を背に

また、香織にも怪しまれないように細心の注意を払いながら


度々二人に目をやった


香織は、長い栗色の巻き髪で、睫毛は長く目鼻立ちのくっきりしたとても美しい顔をしていた

メイクや洋服は、決して派手では無いがセンスがよく
またそれが、更に顔の美しさを際立たせ
自分の似合う物を熟知しているといった感じだった


カヤの住むこの田舎街では、どこでも目を惹きそうな程都会的で
洗練された大人の女の独特な雰囲気が出ていた


しかしその表情はどこか寂しげで、虚ろな目をしており

身体は酷く痩せ細っていた

No.429 10/03/14 15:25
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 428 先に店を出たのはリョウと香織たちだった


最後にもう一度リョウと目があった


カヤは初めて知り合いと他人のふりをしたが

束の間の数分が、緊張のあまり途方もなく長く感じられ
なんだかぐったりとした


「今出てったカップルの女見た…?
すげーいい女だったけどガリガリだな」

その歩の声にカヤにまた緊張が走る


「よく見てなかったや…」


カヤは胸につまるものを感じ息苦しさを感じていた



歩と買い物を済ませても


痛々しいほど痩せ細った香織の姿が

脳裏に焼き付いて離れない…

No.430 10/03/14 16:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 429 カヤは今まで
香織についてのイメージに正直あまり良い物を感じていなかった


うまくいかない結婚生活で
満たされない部分を
自分の事を好きだというリョウを使って穴埋めをしている

しかし、リョウの言っていた結婚生活を壊すつもりもない

という部分で
酷く卑怯に感じていた


カヤとて結局、リョウを使い
歩を好きな気持ちや辛さから

目を背けていたのだから
同じようなものだという認識もあったのだが


どちらかと言えば
自分とリョウを重ねてみていたのだ


神経が図太く、どこか卑怯だと感じていた香織のイメージは

目の当たりにしてみると
ずっと繊細で儚く寂しい物に感じた


自信もプライドも
持ち合わせていていいほどの

あんなに美しい女が

覇気を無くし
病的なまでに痩せ細るほど思い詰められる闇とは一体どんなものなのだろうか


また


あんなに美しい女と結婚したというのに

他の女に走り、家庭を省みない男とは

一体どんな男なのだろうか…



17のカヤには

何ひとつとして

それを想像する事は出来なかった

No.431 10/03/14 18:34
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 430 カヤの好きなホテルや部屋選びも
今回は歩に任せた


このホテル街のどこかの一室で

リョウと香織が抱き合っている


そしておそらく
これから自分は歩に抱かれる


カヤは妙なモヤモヤを掻き消すように何度も煙草に手を伸ばした

歩には努めて気付かれまいとすると

変にテンション高く接してしまうが

カヤ自身、こうして振る舞うと本当に元気が出た気がしていた


ソファーで歩と並び、テレビを見ながら談笑する


テレビ番組の内容にキャッキャと笑うカヤに歩は

「ここおいで」

と自分の膝をポンポンと叩いてみせた

カヤは素直に歩の膝の上に乗った


しばらくそのままの状態で続けてテレビに笑っていたカヤに歩は


「カヤ…」


と声を掛ける

No.432 10/03/14 18:55
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 431 その声にカヤが振り向くと


歩はカヤに唇を重ねた

そして首筋や耳に何度も唇を這わせる


カヤは快楽への期待にゾクゾクと鳥肌が立つ


しかし歩はそれ以上何もせず


時折唇を重ねるだけで

あとはまた執拗に首筋や耳裏を舐めるばかりだった


抑えきれない衝動に 今度はカヤから唇を重ね
次をねだるように
激しく深く舌を絡ませた


しかしそのキスには応えるものの


その舌や唇はまた首筋へと戻ってしまい

歩は一向に先へと進めようとしない


切ない苛立ちにカヤの吐息が荒くなる

No.433 10/03/14 20:59
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 432 「さ~て、風呂入ろ」


そんなカヤを無視するように

突然歩は自分の膝の上に座らせていたカヤを立たせると

ひとりでバスルームへと消えていった


取り残されたカヤは惨めな気持ちに苛まれ

自分の秘部が熱くジンジンしている事に気がつくと
更にやり場のない寂しさが募った


そこへブルブルと響く振動音


テーブルの上に置かれたままの歩の携帯電話が鳴っていた


カヤが上から覗き込むと


画面に映し出された
【あゆみ】


の文字


カヤは鳴り止むまでずっとその名を見つめていた



それが鳴り止むと


カヤはへなへなとソファーに腰を下ろした


更に深い疲労がカヤを覆う

No.434 10/03/16 21:44
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 433 歩と交代で風呂に入る


それまですっかり忘れていたが



しかしその名を目にすれば、記憶は鮮明に蘇る


あの時
歩は毎日連絡がくると言っていたし

実際カヤと共にいた間にも
頻繁にあゆみからの電話は来ていた


あの様子では本当に毎日あゆみは電話を掛けているのだろう

そして歩は支障が無ければいつでも電話に出ているのであろう


カヤがこの四ヶ月の間、歩と電話で話したのは


歩が東京へ戻った日と、再びこちらに帰省するという今回の


たった二回だけだ


カヤからも一度だけ連絡したが


折り返しは無かった


あの時は
歩をあゆみと共有している気がしていたが


この四ヶ月を振り返れば



歩との距離は



あゆみの足元にも及んでいない事を思い知らされた



大阪にいるというあゆみとは


あの後会ったのだろうか…



どちらにしろ


歩との電話が日常にまでなっている


あゆみを

カヤは羨ましく思った


明日歩と別れたら


次帰ってくるまで



また音沙汰の無い生活になるのだろうか…



考えれば考えるほど

カヤは更なる疲労と倦怠感に包まれていた

No.435 10/03/16 22:51
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 434 昨日は、再び会えた事に今までの寂しさを忘れる程
歓喜の中にいた


たった何時間か前の
満たされたその気持ちを

カヤは必死に思い出そうとしていた


どうして少し望みが叶うと

すぐに新しい欲が生まれるのだろう


夏に帰って来ると言ってた歩が


春間近に帰ってきたではないか


そう言い聞かせて


カヤは自分の欲を押さえつけた


歩の前で
陰気な女になどなりたくはない


カヤは身体を洗うと

疲れに取り憑かれた思考と身体を清めるように


頭から水をかぶった

No.436 10/03/17 00:51
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 435 「お風呂気持ち良かったねー!」


バスルームでなんとか気持ちを切り替えたカヤが元気に歩の元へ戻る


「良かった」


ベッドの上で煙草をふかしていた歩がカヤに微笑むと

布団をめくりカヤの入るスペースを作る

カヤがベッドに入るとすぐ
自然な形で腕枕の状態にもっていく所は
リョウもまた同じに

大人の男のスマートさが表れていてカヤは好きだった


「なんかロクなテレビやってねーな」


歩はくわえ煙草にリモコンで

次々とチャンネルを変える



せわしなく変わってゆくテレビ画面が急に止まった







女の乳房にむしゃぶりつく男

絞り出すような甘く切なく淫らな女の声


それは他の番組とは明らかに異色のものだった


「これ見ていい?」


歩の「これ」という言葉でさしたものは

アダルトチャンネルだった


「う…
うん…」


カヤは歩の顔を見れないまま返事をした

No.437 10/03/18 21:27
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 436 そこにはめくるめく

男と女の情事が生々しく繰り広げられていた



他人のセックスを見るのは初めてでは無かった


性への興味と好奇心が芽生え始めた中学時代

クラスの男子に借りたものを

カヤを含める女子数名で、鑑賞した事があった
その未知の世界のあまりにも衝撃的な事実に
酷く気分が悪くなり最後まで見るには至らなかった

また美也子とサヤカが

同じ部屋でそれぞれパートナーと情事に燃える声を聞いたあの時も、

身内がらみからか

やはり気分の良いものではなかった


しかし今は…


自分がセックスを経験し、その快楽を覚え
またその対象が
顔も知らない赤の他人によるものから

無責任に
映し出されるセックスそのものだけに集中してしまえた


テレビ画面の中で女の身体を弄ぶ
男の
手や舌の動きに


その快感を想像してしまえるカヤ


そして女の恍惚とした表情と喘ぎ声を目の当たりにすると


カヤの下半身は

羨ましいとよだれを垂らすように


欲望の蜜が滴り落ちる

No.438 10/03/18 22:09
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 437 早く歩に触れて欲しい




それでなくとも歩から肩透かしを食らっていたカヤの身体は


乳首を起たせて待ちわびている


歩も同じ物を見ているのだ


性への扉はとっくに開かれ

直ぐにでも、触れてくるだろう






しかし

腕枕をしたままの歩は

一向に動きを見せない



悪戯に卑猥なドラマが繰り返される中


カヤの欲望だけが弄ばれ






一時間以上も放置された


カヤは何度も唾を飲み、その度ゴクリと喉を鳴らしてしまう


それをすぐ隣にいる歩に聞かれ、自分がすっかり欲情している事が気付かれてしまうんではないか…


そんなとてつもない気恥ずかしさから
何度も我慢してみたが

それを止められずにいた

No.439 10/03/20 10:54
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 438 もしかして歩は寝てしまったのか…


そっと歩の顔を見る

そのカヤの視線に気付き


2人の目が合った


歩はようやく
カヤに唇を重ねた


そのキスは


激しさよりも

ゆっくりとねっとりとしたもので


それが余計にカヤを焦らし脳を刺激した


しかしまたも

歩はそのキスをゆっくりと味わっているだけで

カヤの疼いているどの部分にも触れようとしない


呼吸が乱れていったのはカヤの方だった

歩が再びカヤの唇から離れると


カヤの顔を見て言った

「どうした?
そんな顔して」


カヤの顔は

すっかり欲に蒸気し
抑えきれない身体の疼きと
それを満たして貰えないジレンマを涙目で訴える

切ない表情だった


そして
それとは対象的に

とても満足そうに
楽しそうに見ている
意地の悪い顔をした
歩がいた

No.440 10/03/20 11:37
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

「パンツ脱いで」


触れられないままのいきなりの要求に

カヤは従ってしまうほど欲情していた

ベッドの中で
モゾモゾとショーツを脱ぎ捨てると

それを報告するように

無言で歩の顔を見る

「そのパンツ見せて」


歩はそう言うと
カヤの手から
今脱いだばかりのショーツを奪う


クシャクシャに丸められたそれを開くと

カヤのあの部分に当てられていた場所を見付けだし

言った


「何これ…
凄い濡れちゃってんじゃん…
まさか今のキスだけでこんなになるワケねーよな?」


そう言って

びしょ濡れになった部分のショーツを

カヤに見せつけた


カヤは恥ずかしさで
更に目に涙を溜める

「もしかして…テレビ見て
こんなにしちゃったのかよ?


女の癖にすげースケベな奴だな…


ほら、触ってやるから
自分でおっぱい出せよ」

No.441 10/03/20 11:52
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 440 屈辱的な言葉と要求に

カヤの恥ずかしさは頂点に達し
顔が歪む


歩はそんなカヤを見て笑った

「そんな恥ずかしそうな顔したって

こんなにパンツ汚してんだろ」


歩はカヤのショーツに着いた愛液を舐めて見せた



その瞬間

カヤの残された少しの理性も

粉々に砕け散った



カヤはガウンから
ブラを付けていないままの乳房を露わにした


「いきなりこんなに乳首起たせてんのかよ…

どーしようもねー淫乱女だな」

No.442 10/03/21 14:59
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 441 左右対象の力加減で
乳首を愛撫する歩の手は

いつか言っていた
「両利き」というのが頷けるほど絶妙で
限界まで焦らされ

快楽に全ての神経を捧げたカヤには
充分過ぎるほどだった


「あァ…ン
ンン…ァあ…ん…」


「嬉しそうに鳴いて…」


歩はそう言うと今度は舌で愛撫する


違う快感をもたらされ
身体を仰け反らせながら
更に大きくなっていくカヤの声


「気持ち良さそうな顔して…

カヤは淫乱だから

我慢できねーとすぐ他の男にもヤラセてるみてーだから
ちょっとは我慢する事覚えさせよーと思ったけど



こんなにスケベじゃもぅ手遅れだな…




下もどーなってっか見てやるから脚開けよ」


好き者扱いされる歩の言葉に


快楽の狭間で切なさがよぎる


大好きな歩に
自分はこんな風に思われてしまっているのか…


しかしその言葉に

昨日も今日も脳は刺激され
益々興奮し


身体は開かれてしまう


カヤはどうする事も出来ず
欲望の言いなりになった

No.443 10/03/21 16:01
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 442 「酷い濡れようだな…

どっからこんなに出てくんだよ…


どうして欲しいか言えよ」




「ンァ……舐めて…
欲しい……」


「こんなグチュグチュになってるところ
舐めろって?!

随分と図々しいな…」

そう言うと
歩はズルズルクチュクチュと音を立てて啜り舐め始めた


「んァ…凄ぃ…」

「こっちのセリフだよ

すげー出てくんだけど
どこまで濡らせば気が済むんだよ…」


呆れた口調に
カヤの大きく突起した部分に吸い付くと

カヤの好きな単調なリズムで舐め上げる

すぐに絶頂に向かうカヤ

「ァあ…ッ!

イク…ッッ!」


しかしその寸前で歩はピタリと止めてしまった


しかしカヤの身体は押し寄せる涙に勝てず
その余韻だけで絶頂を迎えてしまった


ピクンピクンと身体を震わせるカヤに


「可哀想そうにな…
ちゃんと気持ちよくイカせて貰えなくて」


歩がまた楽しそうに笑う

No.444 10/03/21 17:47
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 443 半分しか満たされな無かった身体は


火を点けられたように快楽を欲した


そんなカヤを見通している歩は

「ちゃんとイカせて欲しかったら
俺のもくわえろよ」

カヤは絶頂を得たいが為
言われるままに
ガウンをはだけ

歩のボクサーパンツを下げる

充分に大きく固くなっているそれを
舌で丁寧に舐めると
くわえ込み

奉仕する


「そりゃ他でやってりゃ
腕が落ちてねーワケだよな」


歩は奉仕するカヤの髪を撫でながら言った


「それにしても今日は特別気合い入ってるみたいだけど

後で相当イカせて欲しいみたいだな」


次から次へと投げかけられる言葉に


カヤは秘部を濡らし
荒れる息も
絶え絶えになりながら

夢中になった


「イクぞ…

今日はちゃんと飲めよ」


間もなく
カヤの口内が熱いもので満たされると


カヤはゆっくりと
全てを喉の奥へと流し込んだ

No.445 10/03/21 21:58
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 444 それからカヤは

歩と何度も快楽を貪った


身体を重ねれば重ねるほど
絶頂を味わえば味わうほど


歩の言うように
自分がただの淫乱な女のような気がした

しかし…

切なさの裏で

それでも歩と一体になれる喜びに満ちていた


そう思われてしまっても

愛しい歩に抱いて貰えるなら


遊びでも構わない


淫らな女として扱われても構わない







17のカヤは


すっかり女になっていた

No.446 10/03/21 23:03
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 445 快楽を貪りつくしたカヤと歩は


そのまま朝を迎えた

そろそろ別れの時間

送って貰う車の中で


カヤは寂しさを出す事も
それを隠すように元気に振る舞う事もしなかった



待ち合わせした場所に車が停止した


「楽しかったよ
ありがとうね…

学校頑張ってね」


「おう!
こっちこそ、休みの日にありがとな

そう言えばカヤ携帯まだ持たないの?」

「あ、うん
もう働いてるから
そろそろ持とうかなって考えてるんだ」


「そっか、
カヤにコレやろうと思って…
俺が使ってたヤツで良ければだけどな


まだそんなに古くねーし

こっち来る前に俺携帯もう一台持って


データーは全部消したし


友達や親にはもう新しい番号とアドレス知らせて置いてあるからそっちに来る事ないはずだからよ

そのまま使えるから」

差し出されたそれは
見た事のある歩の携帯だった

No.447 10/03/21 23:24
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 446 そう言えば昨夜あゆみから掛かってきた電話は
何となく見慣れない気がしていたが

新しい電話だったのか


「えッ!?

何で?
こんなの貰えないよ!!

そのまま使えるって料金オニイサン払うって事でしょ?!


だったら名義を私に変えるよ!!」


「いやいや、実際払ってんのは親の金からだから


どーせ、男からたっぷり貰ってる金だろーよ

久々会ったけど益々ケバくなってて

気持ち悪りぃっつーの

ま、こっちも有り難くそれを利用させて貰ってるだけ


カヤが気にする事じゃねーよ」


歩はそう言うと

悪びれもせず
ずる賢そうにニカッと笑ってみせた

No.448 10/03/21 23:25
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 447 しかし歩が母親の事をどう思っていようが


母親がどのような形で金を得ていようが


カヤには気が引けてならなかった


しばらく押し問答を繰り返すも

結局押し切られる形で
歩から携帯を受け取った


「わかった…

この前の香水もそうだし…

いつも貰ってばっかりでゴメンね…

大切に使わせて貰うよ」


「あぁ全然…
香水も付けてきてくれて

ちゃんと使ってくれてるんだって嬉しかったし


あ、
俺の新しい番号とアドレスだけそっちに登録してあるから」

「わかったよ…
本当にありがとう…

じゃあ、行くね」

「おう!
またな!」


カヤは歩から貰った携帯を手に


二人は再び別れた

No.449 10/03/23 21:45
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 448 それから一週間

カヤは再びいつもの生活に戻っていた


歩から携帯電話を貰ったが

それを使ったのは

全回と同じに
歩が東京へ戻った日に、「着いた」という報告の電話が一回だけと


歩から聞いていた専門学校の入学式の日に
カヤから送った
「おめでとう」メール
のみだった


歩から貰った携帯電話を
自由に使うのにはやはり気が引けて


歩とだけの連絡手段にする事にしたカヤは

結局
父親に契約だけを頼み、普段用に使う物を自分で買った



リョウとはあれから会っていなかったが


この日はお互いの休みの日で


会う約束していた日だった


約束の場所で落ち合うと

カヤはリョウの車に乗った

No.450 10/03/23 23:23
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 449 「飯食い行っていい?

俺今日まだなんも食ってなくて」



「あ、うん
私も何かお腹空いてるかも」


レストランに入り

テーブルに案内されると


リョウは本題に入るように切り出した


「しかしビックリしたな

まさかコンビニでバッタリ会うなんてな」


「本当だよ…


あの人が香織さん?

凄く綺麗な人だね」

今まで
【彼女さん】
と言っていたカヤが
初めて

【香織】

の名を発した




それはカヤにとって
無意識なものだったが


カヤの内に想像の中で
ぼんやりとしていたものが


あの日香織を目にした事で


くっきりと形を持った

確かな現れだったのかもしれない


「まぁな…


でもアイツ
ガリガリだったろ…









拒食症なんだわ…」

リョウの表情は

一見少しも曇らず




しかしカヤは


その瞳の奥深くに

悲しみを見た気がした

  • << 454 愛する人が 自分以外の男に 気を患い 日に日に痩せ細ってていく姿を 一体リョウは どんな気持ちで見てきたのだろうか あの日偶然目にした香織の姿に 香織の抱える闇や辛さにばかり目を向けていたが リョウの立場もまたどんなに辛いものであろうか 一緒に居ても居なくても辛い恋 そして、それでも好き故に 一緒に居る事を選んだリョウは どれほどの覚悟を決めたというのか しかし やはりそれも カヤには想像出来ず そんな自分を歯痒く思った

No.451 10/03/23 23:29
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

主に金土(日)曜日に更新しています


それ以外の日も書ける時は頑張りたいと思っていますが、
沢山は更新できないと思うので

金土(日)あたりに覗いて頂ければと思っております


本当に不甲斐なくて
すみません
















ちゃら🐢

No.453 10/03/26 20:59
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 452 🙇✨✨






ちゃら🐢

No.454 10/03/26 21:45
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 450 「飯食い行っていい? 俺今日まだなんも食ってなくて」 「あ、うん 私も何かお腹空いてるかも」 レストランに入り テーブルに案内… 愛する人が

自分以外の男に
気を患い

日に日に痩せ細ってていく姿を


一体リョウは


どんな気持ちで見てきたのだろうか


あの日偶然目にした香織の姿に


香織の抱える闇や辛さにばかり目を向けていたが


リョウの立場もまたどんなに辛いものであろうか


一緒に居ても居なくても辛い恋


そして、それでも好き故に

一緒に居る事を選んだリョウは

どれほどの覚悟を決めたというのか


しかし
やはりそれも

カヤには想像出来ず

そんな自分を歯痒く思った

No.455 10/03/26 22:54
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 454 「そっか…
でも
あなたに支えられてるんだろうね…


だから…
早くあなたが側にいてくれる幸せに気付いて欲しいね…」


リョウは
ちょっと驚いた表情でカヤを見つめた

リョウから何も言葉が発せられぬまま


料理が運ばれてきた

黙って食事をする二人


カヤは、自分の口から出た言葉に


リョウとの間にある
自分の立場を考えさせられていた


もしもこの先


香織がようやく

【リョウが側にいる幸せ】
に気がついた時


自分の存在に気付いてしまったら

大切な人に再び裏切られたような気持ちになるのではないだろうか


香織の闇を更に深く濃くし


いよいよ二度と這い上がってはこれない
奈落のそこへ突き落としてしまうのではないか

No.456 10/03/27 10:21
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 455 もしそれが
【リョウが側にいる幸せ】
に気付く前だったら

この先
香織を
気付くものにも
気付かなくさせてしまうかもしれない


リョウの身を削る思いをしながら長年愛し続けている気持ちを

みすみす無駄にさせてしまうかもしれない…


リョウと交わした約束の

2人が本当の意味で結ばれる時に
リョウの前から姿を消す

という物では


遅過ぎるのではないか


カヤは自分が人間凶器のように思えてきて


上手く食事が喉を通っていかない

No.457 10/03/27 10:55
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 456 「そっちはどうだったんだよ

楽しかった?」


「うん楽しかったよ」


「【自分の中の答え】
ちゃんと見つけられたのかよ?」


「…

そうそう、帰りにね
携帯電話貰ったの

私携帯もってなかったし、あの人が新しいの買ったから古いのやるって」


「……」


「だから、あれから毎日連絡取り合っててね

今は凄くいい感じなんだ」


「……で?」


「エッチした時に

他にも誰かとしてるんぢゃないかって

勘ぐられて…」



「で?」


「だから!


私は今、いい感じだから
あなたとの事で自分が不利になるのイヤだから!




あなたとはもう居られない!


これが私の中で出た答え!」

No.458 10/03/27 11:35
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 457 リョウは一度も
カヤの目を逸らす事なく
真っ直ぐと見つめていた


その真っ直ぐな瞳に
カヤは何度も負けそうになったが

必死に堪え、自分の意志の強さを訴えるように
見つめ返した


「わかったよ

さっさとそれ食っちまえよ」



食欲などとうに失せていたが

自分の心情を悟られまいと

カヤは皿の上の物を次々と口に運ぶ



味のしない固形物を

咀嚼するのが精一杯だった

No.459 10/03/27 12:08
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 458 再び車に戻り

二人沈黙の中


いよいよカヤの自宅へと近付くと


「私のワガママで

あなたを振り回してごめんなさい」


リョウはフッと鼻で笑うと

「何で謝んの?



お互い様だろ」


再び沈黙のうち
いつもの場所へと車はゆっくりと停車した


「ありがと…」



カヤの言葉が終わらないうちに

リョウはカヤに唇を重ねた


舌を入れてきたが

その動きはとてもゆっくりとしていて


リョウの人柄がそのまま伝わってくるような
優しいキスだった


その動きに

カヤは自分の舌に

自分の気持ちを激しく乗せたい衝動に駆られたが


ガマンをし
リョウの舌をただ受け入れるだけだった

こんなに切ないキスは


初めてだった

No.460 10/03/27 15:27
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 459 静かに唇が離れる


「今までありがとう」


リョウの言葉に

カヤはただ頷く事しか出来なかった


胸が熱く苦しい


切なさから

逃げ出すように車から降りようとした時


「カヤ!」


その声にカヤはゆっくりと振り向いた


リョウは
あたたかな眼差しでカヤを見つめ

とても優しく
しかししっかりとした口調で言った


「幸せになれよ」


「リョウも絶対

幸せになってね!」


初めてお互いの名を呼び合ったのは


皮肉にも

お互いから離れる決断を下した時だった

No.461 10/03/28 13:29
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 460 車から降り、歩き出すカヤ


一度もリョウの方へ
振り返る事はしなかった



カヤの目からは涙がとめどなく溢れていた


後ろ姿で泣いている事がわからないように

曲がり角を曲がるまで


肩を震わせないように
涙を拭わないように

静かに泣いた



【リョウの恋を応援する】


自分がかつて、リョウに言った約束の言葉を思い出しながら

その重みを引きずるように


いつかはこうしなければならない日がくるんだと

自分に言い聞かせて
涙で霞む目で
必死に前を向いて歩いた

No.462 10/03/28 14:05
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 461 それからまた2ヶ月


相変わらず歩から連絡はなく

リョウに付いた嘘とは対照的に
歩から貰った携帯電話は

もはや機能しないのではないかと思われるほど静かにカヤの部屋に置かれていた


今までの事を思えば
それは想像できたゆえ

その切なさからは目を背ける事ができた


しかし
それよりもカヤは

失ったリョウの存在の大きさと重みに打ち拉がれていた


ただ
歩への想いの
寂しさの穴を埋める為だけだったはずの関係が


いつの間にか
こんなに自分を苦しくさせるなんて



最初は
歩から目を背ける手段がなくなった事への苦しさからだと思っていた


今は仕事だってしている

だからそのうち慣れるだろうと思っていたのだが


慣れるどころか
日に日に思い出されるリョウの姿に


心は空虚になるばかりで


カヤを辛く苦しめていった

No.463 10/03/28 14:41
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 462 そんな日々にカヤは自分の狡さや弱さを見た気がした


あの時だって本当は
香織の闇や、それを映し出しているような姿に心が痛み


リョウの香織に対する長年の想いに


いつかその関係に
自分が水を差してしまうんじゃないかという思いに

関係を絶ったつもりでいたが


想像の内だけにいた香織が姿を持った事で

香織とリョウが共にいる現実や
リョウが香織を支えている現実

揺るぎないリョウの香織への深い想いを

まざまざと思い知らされ

そこから目を背けたかっただけなのではないか


リョウを失った事で

【リョウが側にいる幸せ】




香織より先に
気付いてしまった自分に
カヤは涙を流す日々が増えていった



その涙は

リョウの前で
歩を好きだと自覚した時に流した涙と


よく似ていた

No.464 10/03/28 16:19
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 463 それからカヤは益々家に引き籠もる事が多くなっていった


美也子たちと会うのも
更に仕事や体調不良を理由に断る事が多くなり

美也子たちも
そんな付き合いの悪いカヤを遊びに誘う事も少なくなり

その距離はどんどんひらかれていった


しかし実際カヤは
その理由のひとつとしていた仕事をも休みがちになっていて


一度少しだけ
盛り返したように見えた
家族との関係も益々悪化していった


全てリョウによって保たれていたバランスは

その柱を失った事で
すっかり崩れ落ちていたのだった

No.465 10/03/29 00:40
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 464 あまり聞き慣れない
しかしどこかで聞き覚えのある電子音がした



カヤは反射的に自分の携帯電話を見る


…しかし何の表示もされていない


「!!!」



カヤは
充電器に差しっぱなしのまま放置されている
歩から貰った携帯電話に目をやった


ランプが小さく点滅しているのが見えた


急いで携帯電話の表示画面を見てみると

「メール受信1件」
の文字


2ヶ月振りに鳴った携帯電話を

開いてみた


メール受信宛名には
たったひとりしか登録されていない
「谷川 歩」

ではなく

アルファベットと数字が並べられていたものだった

「yuki-***@*****.ne.jp」


カヤはその配列された文字を何となく読んでみた


(ユキ?)



送信者の名前だろうか


歩は全ての知り合いに新しい番号とアドレスを教えたと言っていたが

恐らく漏れてしまったのだろう


本文を開くと


【あーちゃん…
もう疲れちゃったよ】


たったそれだけだった

【あーちゃん】


とは

やはり歩を指す呼び名であろう


絵文字も何もない
どこか寂しさを感じるメール文だった

No.466 10/03/29 01:18
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 465 カヤは歩にこの事を知らせなければと思った


電話かメールか迷ったが

電話を掛けて
出なければメールで知らせようと


そのまま歩から貰った携帯電話で掛けてみる事にした


5コールほど鳴ったのち

「もしもし…」


久々に聞く歩の声は
寝起きのような声だった


「もしもし?カヤだよ
ごめんね、寝てた?」


「…ん…?
おぉ…カヤか…
久しぶりだな…寝てたけど
全然大丈夫



珍しいな…
どーしたよ?」


「あのね、
オニイサンから貰った携帯に私の知らないアドレスからメールがきて

もしかして
オニイサンの新しいアドレスを知らないお友達かな?って思って

【あーちゃん…
もう疲れちゃったよ】

って入ってきて


【yuki】から始まるメールアドレスなんだけど

心当たりあったら連絡してあげて」



「……
………

あ~、うん…

わかった…


わざわざありがとな」


用件だけ伝えると

2ヶ月振りの歩との電話は

終わった

No.467 10/03/29 08:13
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

間違えました

歩宛てに送られてきたメールは
EメールではなくCメール

登録されていないアドレスではなく、登録されていない電話番号

メール本文「あーちゃん…
もう疲れちゃったよ
ユキ」
で読んで頂くと助かります

昨日、酔って更新してしまった為
構成がぐちゃぐちゃになってしまいました

すみません

No.468 10/03/30 02:14
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

久々の歩とのやりとりは


とてもあっけなく

あゆみ以外の女性の影も見えた事から


カヤはとてもやるせない気分になっていた


声を聞いてしまうと
胸がキュウッと締め付けられるように苦しくなるのは

やはり今もなお
歩を好きだという事なのか


最近は殆どリョウの事ばかり考えていた

カヤは自分の気持ちがわからなくなる


しかし
どのみち自分の本当の気持ちが

わかったところで


どちらかとの関係性や
何かが変わるわけではない


カヤは悲しいほど
自分の立場をよく理解していた


弱り果てた今のカヤには

好きという気持ちや
会えた時の喜び

一時の幸福感より

孤独が上回ってしまい


どうせリョウとの関係が無くなって
今辛いのだ


こんな辛い気持ちはいっそ一度にまとめてしまいたい


カヤは
そんな投げやりな気分になっていた

No.469 10/03/30 21:00
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 468 もう何もかも終わりにしよう


だからと言って別に歩にサヨナラを言う訳ではない


悲しいが
そもそもそんな関係ではないのだ


そんな事を告げたって

歩は寂しくも嬉しくもないだろう


きっと困惑させるだけだ

このまままた歩から連絡が来ない事に慣れ


いつかまた帰省してくる時にでも連絡があるかもしれない


ただその時に連絡を取らなければいい


そして自然に終わってゆくだろう


歩がカヤを追う理由などないのだから


たった後一度

会わないだけで

全ては跡形もなく消えてゆくのだろう

No.470 10/03/31 01:50
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 469 カヤがその様を想像していると

再び涙が零れ落ちた

この2ヶ月よく泣いたというのに


まだ枯れる事を知らず

溢れ続ける




カヤが時折
涙と共に鼻を啜るだけの

静かな部屋に


突然電話が鳴り響く









鳴っていたのは歩から貰った携帯電話だった


着信相手は
この携帯に唯一登録されている

歩の名を表示していた


先ほど歩との電話を切って

30分が経過していた


想定外の出来事に


カヤは驚き、戸惑い


電話に出た

No.471 10/03/31 22:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 470 「もしもし俺だけど
さっきはありがとな

元気でやってっか?



カヤの所に入ってきたメールの相手と

連絡がついたのだろう

歩は

先ほどとは打って変わって

眠気も覚め、スッキリとした声をしていた


カヤは
自分とは対照的な
その歩の明るい声を聞き


切なさが爆発した


それは怒りとも思えるような

激しい感情だった


「私…
全然元気なんかぢゃないよ!

何にもうまくいかなくて

誰とも上手にできなくて

毎日毎日
辛くて苦しくて


全然思うようにいかなくて

何でこうなるの?って思う事ばっかりしちゃうし、なっちゃうし


自分の事も周りの事どんどん嫌なっちゃうよ!!」



カヤは一方的に


歩と出会ってからの
自分の気持ちやその変化

出来事全てを


激しく
泣き
叫び
訴えた

No.472 10/03/31 23:35
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

いきなりの
カヤの激しい剣幕に


訳がわからぬ歩は



カヤが全てを話し


気が済むまで




黙ってきいているしかなかった




漸くカヤが


全てのエネルギーを使い切るほど


胸の内を
さらけ出し
吐き出し
涙を出し切ると


そのうち疲れたように

落ち着きを取り戻し

沈黙が流れた



歩が静かに口を開く




「カヤは俺の事が

好きだったのか…


気付いてやれなくてゴメンな


そう思ってくれてたのはマジ嬉しいけど…


ゴメンな…


俺はもう


遠距離とかイヤなんだわ」

No.473 10/04/02 21:49
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 472 「別にいいよ…


私だって…
オニイサンが私の事そーゆーふうに見てないって

わかってたから

期待しちゃいけないって思ってたんだと思う…



最初は全然連絡無くても

そりゃ寂しいってどこかではいつも思ってたけど


それでも時々会えるだけで


その時は嬉しかったし幸せだったから

満たされてたんだと思う



ただ今は


またいつか会える楽しみより


期待出来ない事が

辛くなっちゃってさ


でもそれだってさ



その人と一緒に居られなくなって

自分のオニイサンへの気持ちとか…


私に対する
オニイサンの気持ちに期待を持てない現実から

目を背けられなくなって辛いのか



その人と一緒に居られなくなった事自体が辛いのか



私だって今は

わからなくて

気持ちがふわふわしてて


なのに


オニイサン自身にこんな事あたり散らして


私…

本当に頭悪いよね…」


カヤはそんな自分のみっともない姿が

急に恥ずかしくなって


笑って誤魔化した

No.474 10/04/02 22:35
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 473 「……

俺はさっきも言ったけど


元カノの事があってから


遠距離が本当にもう…

イヤなんだわ…


だからお前


東京来てみる?」


遠距離は嫌だと言う歩の言葉は


カヤを傷付けない為か

もしくは

歩がカヤを振る事で
自分が後味の悪い思いしたくない為の


言い訳だと思っていたカヤに



歩の言葉を理解できるまで少しの時間が流れた



それを察した歩が捕捉するように言った


「俺と東京で
一緒に暮らしてみる?


そっちに居ても

友達も家族も仕事も

うまくいかねーし

うまくできなねーんだろ?」



漸く歩の言葉を飲み込めたカヤが


思ってもみなかった
歩の言葉に驚くのも無理は無かった


「だって!

オニイサン

私の事
別に好きぢゃないんでしょ?!!」


「お前だって今は

俺が好きなのか
さっき言ってたソイツが好きなのわかんねーんだろ?


俺はカヤの事

イイコだなとは思ってたけど

正直恋愛としては見てなかった

No.475 10/04/02 23:06
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 474 ただ
最初俺の事好きって自覚して


そんで

自覚したら辛くなって


その辛さをソイツが忘れさせてくれてたんだろ?


だから

今度は俺が



カヤが
ソイツの事好きなのかもしれないって思う辛さを忘れさせてやるよ



…って言っても
俺にそれが出来るか わかんねーけど


カヤがそれでもいいなら
来てみれば?」



「だって!

だって!それぢゃあオニイサンの気持ちはどーなっちゃうの?!」



「だから

その間にカヤも


俺をマジで好きにさせてみればいーんじゃねーの?」



歩の大胆な提案にカヤは益々驚き


そして不安を感じた


「私がオニイサンを好きにさせるなんて…
出来るか自信ないよ!」


「来るならそれ位の覚悟で来いって事


どーすんの?

来るの?


来ねーの?


それともちょっと考えっか?」


「も、勿論!

私!

東京へ行く!」




こうしてカヤは


もうすぐ
生まれて18年になる時間を過ごした

この田舎町を出て


歩のいる東京へ

行く事を決意したのだった

No.476 10/04/03 13:33
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 475 この電話から
1ヶ月後の土曜日に東京へ行く事を約束したカヤは


その間に

こちらでの全てを清算しようと思った





「ちょっと…
話があるんだけど…」



互いに嫌悪と憎悪の念を


ほとんど言葉を交わす事なく


静かにぶつけ合っていた母親に


こんな風に改まって
自分から話を持ち掛ける事なんて


高校を辞める決断を伝える以来だった



カヤがキッチンのテーブルにつくと


母親も黙って

カヤと向かい合わせに座った



しかしカヤの目は見ていない


カヤはそんな母親の相変わらずな態度に
溜め息を尽きたくなるが我慢をし

自分が冷静さを失わぬよう

意識しながら口を開いた


「私、この家出るわ…

来月、東京へ行く事に決めたから」



そのカヤの言葉に母親は顔を上げ


ようやくカヤの目を見る

「東京で暮らすだなんて…

一体誰と?!」



「私の好きな人だよ」


自分の子供がもう
男に走るほど
女になっている姿は

母の目には
一体どのように映し出されていたのだろうか

No.477 10/04/03 14:06
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 476 「お父さんと相談してみるけど…

あなたは今まで

高校を辞めた時もそうだったけど…


自分が決めた事は
絶対に押し通してきたんだから

今回もそうするんでしょうね…」


母親の口調が
酷く乾いたもののように聞こえた


【押し通す】


高校を辞めると告げたあの時も

母親は反対など少しもしなかった


だからやはり


経済的に苦しくても
兄が休学や退学をするよりも

カヤが高校を辞め、進学を諦める事の方が


親にとっても都合が良かったのだ


と解釈していたカヤは


【押し通す】
という言葉で自分がくくられたのは

まれるでカヤだけが
自分勝手
という烙印を
押されたような気がして


自分の気持ちなど

やはり何もわかっていないのだと


頭や肩が重くなる


「だから…

お母さんもそんな私から解放されるんだから良かったじゃん

お互いの為にも


チエの為にも

これで良かったと思わない?」



母親はカヤのその問いに


しばらく黙って
何かを考えていたようだったが


「わかった…」

とだけ言葉を返した

No.478 10/04/03 14:30
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 477 翌日父親がカヤの部屋に来る


「カヤ、東京へ行くんだって?」


「あ、うん…」


「東京は、俺も実は
昔住んでた事があるんだよな~

随分若い時に

高田馬場って所なんだけど

カヤ知ってるか?」


カヤの父親は

昔から真面目な話や難しい話、重い話や出来事が苦手で


現実からも苦しい事からよく逃げ出し

その為、職も転々としていた

父親の威厳など全くなく、精神的にも金銭的にも何の頼りにもならない

相談事など出来るはずもなく


自分や兄がそれぞれの進学に気を患うのも
父親の甲斐性がないせいだと思っていたので


カヤはそんな父親が
不真面目で情けないと

大嫌いだったが



こんな時はその無責任さに救われた


「知らないけど

覚えておくよ」


カヤは久しぶりに父親に

笑顔を向けた

No.479 10/04/03 14:53
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 478 リョウと離れてから休みがちだった職場では

辞める事を伝え


それまでの恩ではないが


今までにないほど
仕事に打ち込み
意欲的に精を尽くした




そして東京行きまで、あと一週間を切ったある晩

あの日以来

会う事も連絡も途絶えていたリョウに電話を一本掛けた


しかし

忙しいのか故意的になのかわからないが

リョウはその電話に出る事なく


そのまま留守番電話へと切り替わった


「リョウ、カヤだよ
来週東京へ行く事になったの

今までありがとう

リョウが香織さんと幸せになる事祈ってます

元気でね」


メッセージを残し


電話を切った

No.480 10/04/03 15:15
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 479 東京行きまで残り三日

最後の仕事は昨日に終わりを迎え



カヤは着々と東京行きへの準備をしていた


リョウから折り返しの連絡は無かったが

リョウはもう
自分とは関わりたくないんだろう…

とカヤの中で想像でき
リョウのその気持ちを受け止め
そっと汲んでやる事だけが

自分が最後にリョウにしてやれる事なんだと考えていた


自分の今までの感謝とお礼の言葉は

留守番電話を通してだが

伝える事が出来たのだ

カヤは
それだけで満足した



そして

美也子に電話を掛けた

No.481 10/04/03 19:58
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 480 久々のカヤからの電話と誘いに


美也子は少し驚いたふうだったが


会う約束をして電話を切った



美也子の家の近くに
新しいイタリアンの店ができていた


美味しいし手頃だと
開店早々から好評の噂がたっていた


土日のランチの時間は
混むと聞いていたが

この日は平日で

値段も更にリーズナブルだと聞き

カヤにも手が届く範囲だった


カヤは美也子にご馳走しようと考えていた


サヤカも誘いたかったがみつるの家に行っているらしい


やよいが援助交際で居なかったのは

カヤにとって都合が良かった

No.482 10/04/03 20:16
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 481 店の前に着くと美也子はもう来ていた


平日だったが
カヤたちの前には三組が並んでいた


「平日なのに凄いね!
美也子はここ来たことあるの?」


「私も初めてだよ
いつ見ても混んでそうだったから
落ち着いたら来たいとは思ってたんだけどね」


美也子はまた少し派手になっていた



スタイルのいい
身体の線を強調させた洋服に

ボリュームを持たせた巻き髪

マスカラやマニキュアは

もう大人並みに上手くなっていたし


手にはブランド物のバッグを持ち


その姿はカヤと並んでいてアンバランスなほど大人びていた

No.483 10/04/03 21:55
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 482 ようやく店内に通され席に着く


美也子はずっと我慢をしていたのか

座るなりタバコに火を着けた


釣られてカヤもタバコに手を伸ばす


いつもの事だが
カヤが公共の場で
堂々とタバコを吸えたのは


一緒にいた美也子が大人びて見える事と

その姿が少しも躊躇う事なく堂々としている事からだった



美也子がメニューを広げる


パスタのページの写真に目をやりながら

「カヤは明太子が好きだったよね」



なんだかんだの長い付き合いで
カヤの好みを充分に心得ていた美也子が
得意気に言った


「美也子はカルボナーラでしょ」


カヤも負けじと得意気に言ってみせた


その互いにの姿に

二人は同時に吹き出した


「ピザも食べようよ!

本日のオススメは
【四種のチーズのピザ】だって!」


二人の間に

和やかな空気が漂う

  • << 494 久々に美也子との時間を和やかに過ごし それをカヤはとても懐かしく感じていた 食後に運ばれてきた デザートとコーヒーを口にしながら 美也子が口を開く 「ねぇ、カヤ 今日は本当に この店に来たかっただけなの?」 やはり何かを察していたのか 美也子が少しだけ改まった口調でカヤに聞く カヤはコーヒーを一口啜り イスに深く座り直すと言った 「美也子… 私ね… 明明後日、東京へ行くの…」 美也子はキョトンとした表情でカヤを見つめる 「東京って… 旅行でも行くの?」 「違うの… 東京で暮らす事にしたの」 美也子の表情と動きが止まり 手にしていた煙草の灰だけが 今にも落ちそうになりながら 時間を刻んでいた

No.485 10/04/03 22:07
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 484 ☺✨✨



🙇🙇🍀🍀











ちゃら🐢

No.488 10/04/06 08:27
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

🙇🍀🍀






ちゃら🐢

No.490 10/04/07 20:20
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

すみません
質問のご確認をさせて頂きたいのですが

作り物か?
実話か?

と言うことでしょうか?

No.493 10/04/09 22:05
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

匿名さん、あいさん

☺✨


🙇🍀🍀









ちゃら💪

No.494 10/04/09 22:43
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 483 ようやく店内に通され席に着く 美也子はずっと我慢をしていたのか 座るなりタバコに火を着けた 釣られてカヤもタバコに手を伸ばす … 久々に美也子との時間を和やかに過ごし

それをカヤはとても懐かしく感じていた


食後に運ばれてきた
デザートとコーヒーを口にしながら

美也子が口を開く


「ねぇ、カヤ

今日は本当に
この店に来たかっただけなの?」


やはり何かを察していたのか

美也子が少しだけ改まった口調でカヤに聞く



カヤはコーヒーを一口啜り

イスに深く座り直すと言った



「美也子…

私ね…

明明後日、東京へ行くの…」


美也子はキョトンとした表情でカヤを見つめる



「東京って…
旅行でも行くの?」


「違うの…
東京で暮らす事にしたの」



美也子の表情と動きが止まり


手にしていた煙草の灰だけが


今にも落ちそうになりながら

時間を刻んでいた

No.495 10/04/09 23:49
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 494 カヤは美也子にこれまで黙っていた

歩との出会いや出来事
歩に対する自分の気持ち
そして東京へ行く経緯や決心を語った




ただただ驚き
黙って聞いているだけの美也子に


カヤはゆっくりと続けた


「今まで…
黙っていて

本当に…ごめんね…


もう、美也子の中で
私は友達じゃなくなっちゃうかもしれないけど



だから今日で
最後になっちゃうかもしれないから


私がもうひとつ黙っていた


ううん…


きっと私自身に

やよいちゃんに嫉妬してるだけだって思う事で
打ち消してきた


美也子への気持ち
言うね…

No.496 10/04/10 00:16
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 495 「本当は私

美也子に
売りやって欲しくないってずっと思ってた



あの時
美也子から初めて聞いて


美也子の事好きだし、嫌われたくないし、ずっと友達でいたいって思って


美也子が決めた事なら

どんな美也子も受け入れるって

自分にも美也子にも誓ったけど



だけど、やっぱり


売りが良い悪いとかぢゃなくて


美也子自身がどんなに納得してても

どんなに覚悟決めてやってるんだとしても


その美也子の意志とは関係なく


私は…

私は凄くイヤなんだ!







だけど東京に行くって決めて、色々考えてたらさ


本当に一番イヤだって気付いたのは


美也子と繋がれていたい為に

思った事を言わないで
自分の立場だけを大切にしてきた
自分だってわかったの


私は美也子の…

本当の友達なんかぢゃない」


言いながらカヤは

いつの間にか泣いていた

No.497 10/04/10 09:55
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 496 カヤの涙を見つめながら
黙って話を聞いていた美也子は


新しいタバコに手を伸ばし、火を着ける


「カヤも吸いなよ…
落ち着くよ…」


カヤは手でゴシゴシと涙を拭うと


美也子に促されるまま

タバコをくわえた



するとすぐ目の前にライターの火が差し出される



カヤはそのまま美也子に火を着けて貰うと


その煙を灰の奥深くまで吸い込んだ



「カヤにタバコを教えたのは私だったね…


前にね…うちの親父に言われたの


親父はずっとカヤの事気に入ってたじゃん…


カヤは中学の時は凄くいい子だったのに


高校を辞めたのも
タバコを吸う様になったのも



全部お前のせいなんじゃないか…って…」


そう言って美也子は
苦みを含んだ笑顔をカヤに向けた

No.498 10/04/10 11:04
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 497 「それは違う!


進学も出来ないって思ったから学校も辞めて、親と益々仲悪くなって
その憂さ晴らしで煙草を吸ってみようって…!
全部全部自分で決めて…

私から、美也子にタバコ吸ってみたい!
って言ったんじゃん!!」


カヤは
何故か昔から
それを酷く億劫だと感じる事で

あまり自分の出来事や気持ちを言葉にしてこなかった事が



知らず知らずのうちに美也子を傷付けてきたのではないかと

この美也子の言葉で気付き始め





涙は後悔の証となって


再び頬を伝った



「美也子ごめんね…」



「ねぇカヤ…

これから…本当の友達になっていこうよ…


私だって…カヤに辛い思いさせてたの…

自分で気付いてた


カヤがやよいや私についてこれなくて


それでも私と繋がれていようとしてたの知ってて


私も毎回カヤを誘ってた…


会えば余計にカヤに寂しい思いさせるの知ってたのに…」


いつの間にか美也子の頬にも

涙が伝っていた

No.499 10/04/10 12:50
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 498 「だけど、私はそれが嬉しかったんだよ


美也子たちみたいにはなれない自分に


会えば会ったで
確かに寂しい気持ちになったけど


変わらずまた誘ってくれる時


私の事忘れないでいてくれてるんだ…


っていつも安心できたし


美也子は私の為に
そうしてきてくれたのに…

なのに…

私は今美也子の気持ちを聞くまで…


やっぱり…
自分の事しか考えていなかったんだよ……」



「…カヤ……

友達だから…

私の事真剣にそう思ってくれたから


今日こうやって話そうって決心して


誘ってくれたんでしょ?


私はカヤがそう思って勇気を出して打ち明けてくれた事が嬉しいよ」


美也子の
カヤを心遣う言葉に

カヤの心は溶けてゆく

美也子に何度も謝り
何度も礼を言った


その度、互いに
涙と鼻水に笑みを浮かべ
グシャグシャになっているお互いの顔を見合う


「カヤ、今すっごいブスだよ!」

「美也子だって!」

二人はまた同時に吹き出した



そしてお互い
これから本当の友達になれるように

それぞれの場所で
頑張ろうと励まし合った

No.500 10/04/10 13:30
ちゃら ( 30代 ♀ 3bHK )

>> 499 清々しい気持ちで家路に着いたカヤに

珍しく母親が出て来ると言った



「さっき…

谷川さんって人から…

『東京でお嬢さんをお預かりしますが、大丈夫なのでしょうか?』
って…うちに電話があってね…


お母さん…

『家の娘は…
料理も選択も
何も出来ませんがご迷惑じゃないですか?』


って聞いたら


『僕が教えるので大丈夫です』


って…


だからお母さん


『宜しくお願いします』

って言ったわ…



もっと早く…

あなたにちゃんと色々な事…


教えておけば良かったわね……」




少し申し訳なさそうにそう言って


久しぶりに穏やかな顔をカヤに向けた




《つづく》

投稿順
新着順
主のみ
付箋

新しいレスの受付は終了しました

お知らせ

5/28 サーバメンテナンス(5月31日10時-12時)

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧