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葛藤

レス212 HIT数 36307 あ+ あ-

匿名
14/03/23 08:10(更新日時)

Everlasting Love.



あの日から…
5回目の夏が来る



今もまだ
あたしの横には
スヤスヤと眠るこの男がいる







13/07/19 02:13 追記
●以前、書いていた
「Everlasting Love」の続編です。

14/03/23 08:10 追記



『葛藤』
続きはこちらです ↓↓↓↓↓ m(_ _)m
http://mikle.jp/viewthread/2074669/

No.1975394 13/07/16 02:58(スレ作成日時)

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No.151 13/12/23 03:19
匿名0 

>> 150

私が待ち遠しい「あの日」はあと1週間後。
今日逢えなかったから、このまま逢えずにいたら11日ぶりになる。
もう…10日間とか2週間逢えないのが普通になってしまった。




会社に泊まる日は遅くまで仕事をしてお風呂に入るから、ほとんどメールもしないまま寝てしまう。
ちゃんと家に帰れる日だけが、唯一、私の心を満たす時間になる。
会社で口も利かないぶん、帰り道のメールだけが久しぶりの会話になるから。




今日は逢える!と喜んだのも束の間でダメになっちゃったけど「逢いたい」と思ってくれたんだろうか。
それとも昨夜の事を悪いと思って気を使ったんだろうか。




あ…
怖いけど聞いてみようかな。
帰り道のメールで朝、言われた言葉が気になった。
織田さんからは特に何も言ってこない。




怖いから…
遠まわしに聞いた。
「ねぇ…織田さん。
あの日は、逢えるんだよね?」




「もちろんヽ(●´∀`●)ノ
心配ないよ!」




よかった。普通だ。
「朝の言葉でもうダメになるのかと不安だったんだ」




「いつも我慢ばっかりさせてごめん。
気にはしてるんだが、メール1つ位…と自分でも思うクセに睡魔に勝てん。情けない。
ごめんね」




「私…重くない?」




「太ったのか?(* ̄ー ̄*)」
わざと冗談で返してきた。




「そうじゃなくて!」




「心配いらないよ!
って、いつも言ってるでしょ!!
まったく凛は心配性だな」




こんな会話をして織田さんが最寄り駅に到着。
私達のような関係で
割り切りではなく本当に好きになってしまった人だったら…
「帰らないで」と普通は感じるんだろうか。



でも私は「帰らないで」とは思わない。
帰ってしまう寂しさより、こうしてメール出来る時間が嬉しい。
織田さんとバイバイしたあと例の財布がまだ売っているか確認しに出掛けた。




まだちゃんと財布は売っていた。
クリスマスはまだまだ先だけど、ちゃんと渡せるのかな…。
その前に、私が待ち遠しい「あの日」はあと1週間後になっていた。



No.152 13/12/24 03:22
匿名0 

>> 151




最近の織田さんのペースで考えると、「あの日」まで逢える日はないだろう。
今日がダメになったからと言って
「明日は必ず!」なんて気の回る人じゃない。
…と言うか、じゃ、なくなった。



いつからか変わった。
立場が上になってから変わった。
もっと優しい人だった。
キチンと約束も守ってくれる人だった。
だからかな…。
ここ1年位前から、私達の関係は
細くてモロい糸でやっと繋がっているように感じる。何かに触れられたら…プツッと切れてしまうような…。



織田さんにそんな危機感はないのだろうか。
朝、目が覚めて
突然、私の姿がなくなっていたら
何を感じるんだろう。
ずっと一緒だと思っていたはずの女が突然、自分の前から消える。



少しは寂しいと思ってもらえるんだろうか。




こんな事をボーッと考えていた時、ラインが鳴る。でも、今日は土曜日。
織田さんのはずがない。
他に誰がいる?智恵か?



携帯を開くと、兄だった。
「凛!お前ラインの通話出来ないのか?」



「あ…通話拒否にしてある。なんで?」



「いいから通話ONにして!」



「わかったぁ」
なんだ?
兄と話したってつまんないじゃんか!




すると可愛い顔が移った。



なに…これ?
もともとラインなんて興味もなく、スマホ自体、使い方に疎い私にビデオ通話なんてシャレたものをしてきた。




兄の長女、彩花。
可愛いなぁ。いつの間にかいっぱい喋るようになったね!

私の心が少し癒された瞬間だった。





休み明け、いつものようにラインがくる。
「おはよう。寝坊だ(*_*;」



そんなの時間見りゃ言わなくても分かるさ。
「今週の敦のスケジュールはどんなだね?」




「あ…今週もたぶんアレとコレと○○と○○で、
いっぱいだな(>_<)」



相変わらず「忙しいアピール」だ。




「そっか…頑張ってね(^_^)/」
実際に忙しいらしく徹夜が何日か続いた。
3日目位だっただろうか。
ふと思い出した!




「ねぇ織田さん!
ラインでエロいの出来るの知ってる?」



「なに?エロいの?」
食いついてきた(笑)
わざとこんな言い回しにした。




「今、電話しても平気?」



すると織田さんから普通に電話が来た。
私が寂しくて話したいと思ったんだろう。


「そうじゃなくて!かけ直すね!」
兄が教えてくれたビデオ通話とやらをしてみた。
織田さんもコレは知らなかったようで
「これ…いいなぁ」を何回言っただろう。



気がつけば1時間以上話していた。
織田さんはかなり気になって、会社に泊まり込みの日はいつもこれをしたがった。
私もこれが出来た日は気持ちがすごく安定した。



「これさ、切る時が寂しいね」

No.153 13/12/29 22:35
匿名0 

>> 152



この頃から…
確かな物は、お互いが「好き」と言う気持ちだけで…でも、お互いを思いやる気持ちが、お互いに欠けていたんだろう。




気持ちがすれ違ってく。





私の期待
それに答えようとする織田さん。
けど上手く行かない現実。




ものすごく逢いたいはずなのに
その日をこんなにも待ってるのに
逢っても喧嘩。
頑張って逢えるタイミングを作ってるのに
逢えても素直じゃない私に、織田さんも疲れ始めていたね…。




忙しさに追われ
気持ちの余裕も体力も限界に近かったんだろう。
けど私は、そんな余裕のない織田さんに不満ばかりが募る。




よく考えたら…
当たり前の事なのに。
全てにおいて、私が後回しにされる事なんて
当たり前の事なんだよ。




だって私達は、
そういう関係なんだもん。



織田さんがいつでも優しくて
こんな関係なのに、ちゃんと私を大事にしてくれた。
他人がどう思おうが、ちゃんと想われていた。




私がいつからか、わがままになりすぎた。
織田さんの優しさに甘えて…。





終わりの気配が漂い始めた時、やっと気づく気がする。




なんで
すれ違ってしまうのか。
お互いに何が足りなかったのか。




そして…




本当に今、失ってもいいものなのか。




別れたら、お互い楽になれるのか。
「好き」って気持ちを残したまま離れても、今までのように顔は合わせる。




本当にこれが1番の解決策なのか。
後悔はしない?



No.154 14/01/03 17:38
匿名0 

>> 153


この日、私は仕事が山積みで珍しく帰りが遅くなった。
時計を見ると普段なら、とっくに帰っている時間。さりげなく周りを見渡すと、まだ数名がまだまだ帰る様子もなくお喋りしながら残っている。




あぁ…みんな毎日こんな時間までいるのか…。





織田さんから放置される理由も分からなくもない。人が少なくなると男性も交え、話に花が咲く。



どちらかと言うと、仕事は集中してやりたいタイプの私には、その大きな笑い声がなんだか少し邪魔に思えた。




気が散る…。
定時を過ぎれば、ベテランさんはほとんどいない。ここに残ってるメンバーからしたら居心地のいい空間なんだろう。
うるさい事を言う人がいないんだから。



話が盛り上がっている中で私は1人黙々と仕事を進める。




「ギャハハハ…!」




デカい声。
そのうるささに耐えきれず、私は一服しに席を立つ。一服して戻ると、織田さんの姿がない。
と、同時に、木村さんを残し 残りのメンバーが一斉に帰って行った。




すると、スーツ姿の織田さんがひょっこり顔を出し
「お先に失礼します!」
と、会社を出て行った。





一瞬、こっちを見た。
何か言いたそうな顔だった。



今日、早く帰るなんて言ってたっけ?
家でなんかあったのかな?



珍しく私が遅くまでいる日に限って、織田さんが早く帰るなんて…皮肉だな…。
そんな事を考えて…全く持って「疑い」なんて頭にもよぎらなかった。



とにかく早く仕事を終わらせないと!
帰り道のメールが出来なくなる( >_<)





その時、木村さんが言った。
1人残された男性に
「○○さんも私達に構わず飲みに行けば?」





え…?
飲み…?




あの顔は「飲みに行く」って顔だったの?



No.155 14/01/03 18:17
匿名0 

>> 154


木村さんは残っていたメンバーが嫌い。
だから木村さんは行かないのか…。
一瞬にして、そんな事を考える。
私が一服しに行ってる間に決まった話なのかな。





「アイツら飲みに行ったんじゃないよ!
会場の下見に行ったんだよ!」




「へー(-_-;)」
木村さんはなんだか不服そうだった。
だけど私はホッとしていた。




確か、結婚式があるって言ってたもんね。
どっちにしても早く帰らないとメール出来ないぞ!と思い、急いで仕事を終わらせ会社を出ようとした。




「中川さん、あと10分待って!
一緒に帰ろッ!」




断れず「はい」と言い、待ってる10分の間 私は一服しに喫煙所に行った。




たまたまラインが鳴る。
あ…
織田さん♡




「今、○○さんと結婚式場の下見に来てる」





「場所は?
木村さんが織田さん達、飲みに行ったって疑ってるから連絡くれて安心した。
ありがとう!」




安心させる為なんだろう。
式場の写メが送られてきた。




本当は○○さんが言ってたから分かってたけどね…
(●´艸`)
まぁ今日は合格だ♪



「解散したらまた連絡する!」




「うん (*˘︶˘*)♡」
✧✧✧✧




帰り道、木村さんが言う。
「なんであんな聞き方したかって言うとね!
角田が織田さんの近くに言って何かコソッと言ってたの!
中川さん帰り早いから知らないと思うけど
あーやっていつもコソコソ話してんだよ!
みんなが帰ったあと」




「そーなんだぁ…感じ悪いですね」




「でしょ?
しょっちゅう行ってんだよ!飲みに。
だって私に対する『早く帰れよ!』的な雰囲気すごい感じるもん。
だからね、意地でも帰らないの(笑)」





辞めよーよ…そんな意地の張り合い(>_<)
どっちにしても私には嫌な話。




コソコソか…。
何をそんなにコソコソ話してんだろ。
でも、思ったんだ…この時。




木村さんは結構、妄想で決めつける所がある。
振り回されちゃダメだよ、凛。




とは言え‥
あれだけ自信を持って言われると、どこかでやっぱり信じてしまう私…。




「今、解散した!
○○駅!」








No.156 14/01/05 08:33
匿名0 

>> 155


「どうだった?式場」




「思ってたより狭くてさ(*_*;
スペース的にギリギリだな…」




こんな会話の途中でふと思い出した。
忘れない内に言わないと!




「あ、織田さん。
来週さ、1日どっかで木村さんと飲みに行くね!」




本当は帰り道にお茶に誘われたんだけど、あまり嫌な話は聞きたくなかったのと織田さんとメールがしたかったのもあって断った。
その時「じゃ、来週あたりお付き合いしてね!」
と言われた。




「え?来週?
なんの約束もしてねーぞ!
約束した覚えもない」



ちょっぴり不機嫌そうな返事が返ってきた。
しかも勘違いしてる。




もう私に「飲み」の件でアレコレ言われるのは嫌なんだろうな…。




「違くて!
私が!の、話だよ」




「あ~、ごめんごめん。
凛、気をつけろよ!
最近の木村さんはかなり面倒くさい感じだから」




面倒くさい…か…。
前の織田さんからは想像もつかない発言。
付き合い始めた頃の織田さんは、誰かが誰かの悪口や愚痴を言っても どんな人だろうが必ずフォローして決して人を悪くは言わない人だった。



まぁ…ここまで人間関係がグチャグチャにもなれば仕方ないか。
ある意味、木村さんはトラブルメーカー的なとこがあるからね。



今、1番問題抱えてるのは木村さん達の対立だしね。私に巻き込まれるなよ!って事なのかな!?




「私が巻き込まれないか心配?」




「いや、木村さんって聞くと深酒になって絡むだろ?それも心配だし…」




「だし?何?」



「男がいるのは許さん(-_-;)」




あ~そういうことか。
「全く心配いらないよ。
私が飲まないから私と飲む時の木村さんはそこまで深酒しないから。多分、愚痴りたいだけだよ。私みたいに反論もせず黙って聞いてる人に話したいこと話してスッキリしたいだけだと思う」




「わかった。でも男がいたら速攻帰ってこい!」




こだわりたいのはソコね。
「わかってるョ(^o^)/~~~」




こないだテレビの対談で誰かが言ってた内容が頭にパッと浮かんだ。




『女性は浮気を許してしまう傾向が強いけど
男性は「信じる」か「信じられなくなるか」の2択で、浮気されたら終わりって人が多い』って。



そうかもしれない。
織田さんは「浮気は即アウト」って言うもんね。
浮気れたら「もう俺はいらないんだな、って思う」って言ってたよね。


  • << 158 忙しくてしばらく逢うのが厳しいと言われてから何日経ったんだろう。 何かの会話の途中で 「あ!その日辺りデカい地震が来そうだって営業部の人達が騒いでたぞ!結構、当たるらしいよ。その人の予想!」 「そーなんだ…」 あまり気にもとめない呑気な私。 だから、そんな話…ちょっと忘れちゃってた。 そんな事より… 逢えないと言う割には、結構 早く帰る日が何日かある事の方が気になってた。 逢えないって言ったクセに今日だって早めじゃんか…。 別に、泊まれなくたってバイバイで顔見るだけだっていいのにな…。 なんだかとても片思いしている様な感覚に陥られる。 織田さんが目標としてた大きな仕事が1つ片付いた日…もしかしたら今日辺り逢えるかも♡なんて密かな期待を膨らませていた私。 ピンコン♪ ラインが鳴る。 あ…織田さんだ ヾ(´▽`;)ゝ もしかして♪ 「○○駅出たよ! 前嶋さんと飯喰ってた」 あれ?(>_<) 駅出たって事は…帰るんじゃんか! 私の期待は見事に外れた。 こういう時の私は、素直に反応してしまう。 よく考えて発言すればいいものを…。 「そーなんだ…今日は早かったんだね…」 「ガッカリかい?」 「うん」 自然と私のメールには絵文字がなかった。 最初はふざけ半分のメールをくれてた織田さんも私の反応に… キレた。

No.157 14/01/05 16:08
匿名0 

>> 156


※所々、誤字が多くてすみません <(_ _*)>




新しい1年が皆さんにとって
素晴らしい年でありますように



いつもくだらない話を読んで頂いて
ありがとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。



☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆☆.。.:*・゚*:.。.☆凛☆.。

No.158 14/01/06 02:26
匿名0 

>> 156 「どうだった?式場」 「思ってたより狭くてさ(*_*; スペース的にギリギリだな…」 こん…


忙しくてしばらく逢うのが厳しいと言われてから何日経ったんだろう。



何かの会話の途中で
「あ!その日辺りデカい地震が来そうだって営業部の人達が騒いでたぞ!結構、当たるらしいよ。その人の予想!」



「そーなんだ…」
あまり気にもとめない呑気な私。
だから、そんな話…ちょっと忘れちゃってた。




そんな事より…
逢えないと言う割には、結構 早く帰る日が何日かある事の方が気になってた。




逢えないって言ったクセに今日だって早めじゃんか…。
別に、泊まれなくたってバイバイで顔見るだけだっていいのにな…。
なんだかとても片思いしている様な感覚に陥られる。




織田さんが目標としてた大きな仕事が1つ片付いた日…もしかしたら今日辺り逢えるかも♡なんて密かな期待を膨らませていた私。




ピンコン♪
ラインが鳴る。




あ…織田さんだ ヾ(´▽`;)ゝ
もしかして♪





「○○駅出たよ!
前嶋さんと飯喰ってた」




あれ?(>_<)
駅出たって事は…帰るんじゃんか!
私の期待は見事に外れた。
こういう時の私は、素直に反応してしまう。
よく考えて発言すればいいものを…。




「そーなんだ…今日は早かったんだね…」




「ガッカリかい?」




「うん」



自然と私のメールには絵文字がなかった。




最初はふざけ半分のメールをくれてた織田さんも私の反応に…
キレた。


No.159 14/01/07 22:35
匿名0 

>> 158



「俺はキチンと仕事したいだけだ
他の誰かが変わってくれんのか?
誰も変わりにやってくれる人なんていないんだ。


わかってるよ…
我慢させてることくらい。



そんなに待てないなら日にち決めるか?
待てないんだろ?」




そっか…。
織田さんの中では
待てない私が悪いんだね…。


忙しい忙しいって言ってるけど
飲みに行ったり早く帰ったりしてるじゃない。
1日中鳴らないメールを待ってる間に
私との絡みはとことん避けて…
他の子とは仲良く話してるじゃない。



コミュニケーションが足りない。
逢えなくたってほんの少しの優しさがあれば私だって我慢くらいする。
私は何をどこまで我慢したら織田さんは満足?




どうして…せっかく絡みが出来た時に私達はいつも喧嘩になるの?




なんだか…ものすごく気分が滅入った。




「いい。
日付決めて、その日がまたダメになったら私、とことん嫌な女になりそうだから…」




最近はないけど、以前 喧嘩になると織田さんがよく言った言葉を今日は私が口に出す。
これを言われた日はとにかくいつも落ち込んだ。




「今日はラインやめよう。
怒らせるだけだから。
最近の私は、何か言えば必ず織田さんを怒らせる。
今日はやめよう。
おやすみなさい」



携帯の向こうで私が泣いてるとでも思ったのかな…?
「いや、決める!
凛、絶対またブーブー言うもん(((*≧艸≦)ププッ」




返事しなかった。
駅に着く頃ラインが鳴る。
意地を張って見るか見ないか迷った。




迷ったけど開いてみた。
そこには笑顔の絵文字が付いた
「20日ね( ´艸`)」
のセリフがあった。



20日…
それでも私は返事をやめた。



No.160 14/01/08 02:38
匿名0 

>> 159


次の日…
織田さんはやけに早く帰る。
同僚と電車が一緒だったから、と言ってメール出来る時間は30分間。
私は依然として、まだモヤモヤの真っ最中。




昨日の夜、1人で色々考えた。
私が考え方を変えない限り、きっと何も変わらないと…。
だから、帰り道のメールは極力は普通に接した。



やたら部屋の危ない所は少し固定しな!だとか用心の為、だとか言ってくる。



バカな私はやっと気づいた!
そっか…
地震が来るって心配してたっけか…。




めちゃくちゃ早く帰る理由にようやく気づいた。
ちょっとばかり哀れな気持ちになる。




「ウチは心配いらないよ(*´∀`*)
早く帰って用心しなきゃね!
駅着いたらすぐ帰りな!」




こういうのを感づかれると罪悪感なのか…
少し申し訳なさそうに、ぎこちない雰囲気を漂わす。




当たり前じゃない。
大事な家庭だもん。
心配なのは当たり前。




今まで散々色々、悩んできたけど…
ここに来てようやく、自分の立場を本当の意味で思い知った気がする。




「ずっと一緒」なんて、
ありえない。
前からわかってた。




でも…
信じたかったんだろう。
それでも私は大切にされてる…と。
愛されてる…と。




それが、違うって事に遅いけど
気づき始めたよ…織田さん…。



No.161 14/01/12 22:58
匿名0 

>> 160


よく言うよね。
「会社では相当、気をつけてるよ」
って。



写メを撮っても
ラインをしても
電話をしても
証拠になるものは全て、帰る前には厳重にチェックして削除しなきゃならない。
結構、面倒な作業だよね…。




凛携帯だって、使いもしないのに持ち歩いては隠し、また出して……を繰り返して。




織田さんは…別れを考えたりしないんだろうか。
「少し距離を置きたい」
と、1度だけ言われたけど
「別れよう」
とは、決して言わないね。




こんな面倒臭くて重い女、
嫌にならないのかな…。




こんな事を考えてた矢先、朝礼で急な連絡事項があった。




「非常に残念なお知らせになりますが
ご本人の希望で発表は伏せてましたが
本日をもちまして○○さんが退社することになりました。
急ではありますが○○日に送別会をします
極力、全員参加でお願いします」




急な発表にも驚いたけど
○○日…「あの日」の前日だ…。
よりによって何故…。
送別会ともなれば、織田さんは最後までいるだろう。



またベロベロに酔っ払ってお昼頃起きるパターン?
それか、二日酔いパターン?




なんだかショックだった。
だって、もしかしたら「あの日」は私達の最後の1日デートになるかもしれないのに。
織田さんが移動になれば、もう2度と「あの日」はない。
なんだかダブルショックだった。




No.162 14/01/12 23:22
匿名0 

>> 161




「送別会…
前日だね(T_T)」




「俺、二次会は行かないから!
一次会終わったら合流しようね ヽ(●´∀`●)ノ」




「ホントかなぁ(-.-;)
100%無理だと思うけど!」




「本当に今回は行かないって決めてる
もう前嶋さんにも言ってある!
○○さんにも言ってある!」



「前嶋さんが納得するはずないじゃ~ん
無理にでも連れて行かれるよ」




「いや、大丈夫。
今回は本当に行かないって決めてるんだ」



この会話を何日も し続けた。
半分は無理だろうとは思ってたけど
織田さんの考えがいつもより本気なのを少し感じて半分は「信じてみよう」って気持ちにもなってた。




私を安心させるためか
「断り続行中( *´艸`)
絶対、大丈夫!」
こんなメールが何回も来る。




織田さんが大丈夫!って言っても…
周りがそうはさせないだろうな。
それを振り切る事が織田さんは出来る人じゃない。




「あの日」だけを楽しみに…
逢えない日々も寂しさも頑張って耐えて待ってたのに。



「ねぇ…
何て断ってるの?」



「金がもらえない
今、飲みをカミサンに禁止されてるから、って」




織田さんらしい。
そんな理由じゃ絶対、行くハメになるだろう。
「金貸すよ」とか
「金出すよ」って言われたら最後じゃん(*_*;



「大丈夫。
俺、鞄とか会社に置いてく作戦だから」



あんまり「大丈夫」「大丈夫」って言うから、ほんのちょっぴり期待する私もいた。



No.163 14/01/13 10:19
匿名0 

>> 162


上司である織田さんが送別会なのに、二次会に行かないって言えるのは…退社と言っても、違う課の方で 私もさほど接点はなかった。
それでも多少の関わりがある方だから私達の課も参加、と言うことになったらしい。
実際は欠席者も何名かいた。




人数の割にこじんまりとしたその飲み屋さんは彼女の指定だったらしい。
「料理が美味しいから」と。
私的には都合のいい作りだった。
座敷ではなく、各テーブルに 5~6名づつ座る。
もちろん仲良し同士でみんな座るから、苦手なあのメンバーとは席が離れた。



私は木村さんのいるテーブルに仲良し6人で座った。




そこに少し遅れて織田さん登場!



やはり………!
鞄、持ってるし (°□°/ )/
支度、バッチリじゃんか。



気まずかったのか、私の顔を見たと思ったら珍しく私の所へ来た。
「鞄、ここに置かせて」



その鞄は私の足元に置かれた。
鞄、持ってきちゃったけど 大丈夫だからね!って言いたいんだな、と思った。



本当は、二次会がカラオケなら私は行きたかったんだ。でも、織田さんが行かないと言うからやめた。
今日の送別会には別の課の男もいる。
織田さん的には私を行かせたくなかったのもあるんだろう。 



お酒を飲まない私にとっては「料理が美味しいから」と言うのは理想的。
だけど、なんだか会費の割には料理がしょぼい。
ここは飲む人間の来る店だな、と感じた。
だってソフトドリンクがウーロン茶かオレンジジュースしかないんだもん。




「中川さん飲む?」
ハッ Σ(゚ω゚ノ)ノと顔を見ると、織田さんが私の好きなドリンクを買ってきてくれていた。
カモフラージュの為に何種類かその袋には入っていた。



ちょっとだけ織田さんがいつもと違う気がした。



No.164 14/01/13 10:41
匿名0 

>> 163



一次会がお開きになると異様な光景があった。
いつもなら必ず二次会に行く人も足早に皆その場を立ち去る。
例のお気に入りメンバーだけが
「え?行かないの?」「え?二次会なし?」って感じで飲み屋の前でキョロキョロしていた。




私はそれを横目にそこを立ち去った。
あんな店の前で待たれたら…織田さんはきっと捕まって逃げられないんだろうなぁ…と思いながら。




ウチの課のほとんどの人は もうお決まりになっている「あのメンバー」の為に設定されたような飲み会は嫌っていた。
みんなお酒は大好きなのに…
こんな雰囲気になる前は必ず二次会に行ってた人までも今ではもう行かない。
別口でお金出して飲んだ方が楽しいから、と。
それは私も同意だった。




あの光景を見て、今日は諦めモードに入った私はなんだか「やっぱりな…」と身体の力が抜け、そのまま帰宅した。
案の定、鳴らない携帯が「あの後」を語っている。



今頃、楽しく盛り上がってカラオケでもしてるんだな、と思うと目に浮かぶ その光景に苛立ちと切なさが入り混じり何とも言えない脱力感があった。




もう期待するのはやめよう。
こうなれば…連絡が来るのは夜中。
もしくは連絡なし。
今日、逢えることはないだろう。
連絡があったところでベロベロなのは目に見えてる。



私はシャワーを浴び、ふて寝寸前だった。


No.165 14/01/13 20:47
匿名0 

>> 164



織田さんが二次会に行かないなんて到底、ありえない話。だから「行かないで」とは言えないし言わない。
今回は自分から「絶対行かない!」って言ってたのに。



私にとっては「特別な日」
私が普段、織田さんに逢えて話せて一緒に寝られる日の時間は短い。



飲み会は私と逢えた日より長い時間、みんなは同じ時間を過ごす。
私には、それも悔しい気持ちがある。



お金がない、って言いながらも飲みに行けばお金も使う。私となかなか逢えない理由…
忙しい
お金がない
お金と時間がある時にゆっくり逢いたい




どれも飲みに行く時は その理由をそっちのけにして行くくせに…。
でもまぁ仕方ないよね…。
これが私と織田さんの気持ちの温度差なんだから。




もう色々考えずに寝てしまえ!
と思った時、携帯が鳴る。





ピンコン♪
あれ?織田さんだ…。
「今○○駅!
これから折り返す!」



時計を見ると確かに二次会にしては早い時間。
しかも○○駅って…
かなり遠くまで行っちゃってる。



でも私は細かい事で意地になる。
「ごめん」って言葉がない。
「監視」されたくないから「行かない」と言っといて私を先に帰らせる為だった?とまで疑う。




実際は楽しみにしてたのに寂しかった。
いつもあのメンバーに振り回されるのが悔しかった。




「もう今日は諦めて化粧も落としちゃった…あれだけ行かないって言ってたクセに。
絶対こうなると思ってた!」




織田さんの都合なんて考えもせずイヤミを言う私。
本当は連絡が来て嬉しいはずなのに…。



「これでも俺だって頑張ったんだ。
ちょっとでも早く凛に連絡したくて最短で無理やりお開きにしたんだ。
凛、泣いてるだろうな…と思って、まだ飲み足りないって言う人達 無理に帰らせて速攻、凛に連絡したんだ。
凛が気に入らないなら このまま帰るよ…」




No.166 14/01/13 21:06
匿名0 

>> 165


「待って!行くよ!
どこに向かえばいい?」




「もういーよ…帰る」





「行くってば!」



こんなやり取りをしてる間に時間は過ぎてく。
私は化粧も落とし部屋着だったため、支度もしなきゃならない。



「せっかく早く切り上げてくれたのにごめん。
○○駅まで戻って来れる?」




「マック食いたいε=(。・`ω´・。)」




織田さんもご機嫌を直してくれた。
「じゃ、マックにいて」




慌てて支度をした。
本当は貴重なこの日。オシャレして逢うつもりでいた。
でも、待たせるのも悪いからササッと着替え、化粧もほとんどせず待ち合わせ場所に向かった。




2人の計画はほとんど台無しになったけど
何とか約束通り、前日から逢えた「特別な日」になった。




「織田さん、今日はそんなに酔ってないの?」




「凛と逢った日に限って酔っ払って即寝したら凛泣くだろ?
飲み過ぎて次の日二日酔いだったら凛泣くだろ?…セーブしたよ!」




ありがとう…。



「俺だってね…
凛が思ってるより、楽しみにしてたんだ」



No.167 14/01/15 02:16
匿名0 

>> 166




せっかく逢えた今日。
喧嘩はなく過ごしたかった。
なんで二次会に行ったのか、「楽しかった?」とイヤミの1つでも言ってやりたい気持ちもあったけど…こうして来てくれた。
今日は責めずに笑顔で過ごそうと思った。




でも、今回ばかりは織田さんが納得できない様子で話し始めた。



「あの人さ、何考えてんだかサッパリ分かんねーんだよ…俺のこと、引き止めるだけ引き止めて自分は金だけ俺に与えてサッサと帰ってくし…あの人さ、あれ多分、女んとこ行ったんだよ!
自分の都合が悪い時は全部俺に押しつけんだ。





こんな言い方するなんて、ほんとに珍しい。





「俺だって本当は二次会なんて行きたくなかったんだよ…とっとと凛に連絡する気満々だったのに…だから今日はどうしても早く帰らなきゃ行けないから!って強引にみんなをまいて帰ってきたんだ」





「そっか…責めてごめんね…
頑張ってくれてたのに…




フンッ(-。-;)って顔をしてイジけた様な顔をする。




「でも、ちゃんと逢えたね ゚。(*^▽^*)ゞ」
と言うと
少し怒った顔で


「当たり前だ!!」
と言う。




きっと…自分の思う様に動けない織田さんの方が私より切ないのかもしれない。
自分の意志に反した行動で私に悲しまれたり泣かれたりする織田さんの方が私以上に、辛いこともあるのかもしれない。




やっぱり会話って大事だよね。
今日ここで逢えて、こんな話も聞けないままだったら…きっと私はまた誤解してたと思う。




「織田さん、今日は眠くないの?(*≧艸≦)」
いつもなら、とっくにおネンネの時間だった。




「寝たら凛が泣く(-.-;)」




「また言う~!泣かないよ」
だって今日は違う。
また明日も一緒にいられるから。



「じゃ、寝る!」
ベットに入った途端にイビキをかく織田さんだった。



No.168 14/01/16 02:02
匿名0 

>> 167


本当に即寝が大得意な男だ。
「おやすみ3秒」って言葉がこれほど当てはまる人はいない!って毎回思う。




あ…
またこの顔してる…。



寝顔を見てるとたまに気になるこの表情。
歯を食いしばったようにキィーッて…顔。
苦しいのか何かに腹を立ててるのか分からないけど…なんだか怖い顔をする。




寝ている間の表情なんて、そんなに気にする事でもないのかもしれないけど…何年か前を思い出して怖くなる時がある。




何年か前。
「喉が塞がる。呼吸が出来ない」と訴えたあの朝。
あれ以来、あんな事は起きてないけど…よくするんだよね…この顔…。




私は相変わらず眠れず、織田さんに寄り添うようにベットにはいるものの、織田さんは寝ている時に反対を向く癖があるから私が触れると反対を向く。
これがまた、たまらなく寂しい感じがする。




ここは例のテレビ有料のホテルじゃないからチェックアウトが割と早めだった。




もう寝なきゃな…と思いつつ背を向けた織田さんに対し、仲悪そうに私も反対を向いて寝ようとした。




しばらくすると織田さんが寝返りを打つ。
今度は私の方を向く。




と、その瞬間。
また例のあの顔をしたと思ったら…突然、
「おい!」と怒鳴る。



なに…?




あら…普通の顔して寝てる。
寝言か…。
寝ている間も忙しい織田さん。



普段、一度寝たら途中で起きることはまずない織田さんが今度は私の腕をいきなり引っ張った。
ビックリして目を開けると、織田さんがなんだか少し寂しい顔をして目を開けていた。




「どうした?」



No.169 14/01/19 21:04
匿名0 

>> 168



「凛…俺になんか隠し事してないか?」




隠し事?
なんだろ…。
1つだけ隠し事と言うか、言うのが嫌で黙ってる事ならあるにはある。
でもそんなのは誰も知るはずがないし…なんだ?





「隠し事?覚えはないけど。
してないよ?なんで?」




「俺さ…最近よく見るんだよ。
凛が他の男と浮気って言うか…イチャイチャしてる夢…」




思わず笑ってしまった。
「織田さんがいつも言う言葉をそのまま返すけど!全く心配いらないよ!」




「だよな…別に疑ってるわけじゃないんだ。
でも夢とは言え、何度も見ると心配って言うか…さ」




あ!っと思った。
「ねぇ、その夢…さっきも見てた?」




「見た。
凛と男が俺の顔見て笑いながら別の部屋に入ってく夢…俺は邪魔されて追いかけて行けない夢…」




あの顔…その夢の真っ最中だったのかな…?
「織田さん寝てる時、怖い顔で「おい!」って叫んでたよ(*´艸`*)」




「そうだよ。呼んでるのに凛行っちゃうんだ」




夢占いの本でも手元にあったら読んでみたかった。夢とは言え、そんな男好きみたいなキャラはイヤだ。




織田さんも、誰にも言えない事で不安でもあるんだろうか。忙しさに追われて私をほったらかしにしている事で私が寂しさから浮気でもしないか…って不安?




「大丈夫だョ!裏切ったりしないから。
好きだもん」



黙って織田さんは頷く。



「凛…来て」




私の大好きな織田さんの手。
その手をしっかり握ってこの日は眠った。




そして朝を迎える。
今日はここでバイバイしなくていいんだ。
まだ1日一緒にいられる。
そう思うだけで嬉しくてたまらなかった。


No.170 14/01/22 01:40
匿名0 

>> 169


私の中では
貴重な1日。
1日のスケジュールをなんとなくシミュレーションと言うか、こう過ごしたいな…っていうイメージが出来ていた。




本来、普通のカップルなら出来ることが私たちには出来ない。
一緒に手をつないで歩くことさえも今ではもうしなくなった。




今居るホテルを出て、いつものホテルに向かうには電車移動が必要だった。
先に起きた私は、化粧をして支度をする。
織田さんはまだ夢の中。




せっかくの休みだから、ギリギリまで寝かせてあげよう。
男の人は女性と違って支度が簡単だからギリギリに起こせば大丈夫。




よく寝ていた。
起こすのが可哀想だったけど…
計算してみたら、ここで今日も1日過ごすとなると高く付く。
チェックアウトの時間も考えたら…やっぱりいつものホテルの方が安いし長くいられる。




よく寝ている織田さんを、可哀想だけど起こす。





移動の時…どうするつもりなんだろう…と、密かに考えていた。
人目を避けたい織田さん。
一緒に電車には乗らないんだろうな…。
付き合い始めて何年間かは、手をつないで歩くことも出来たのに。
私も…人目を気にせず、手をつないで歩きたいな…なんて考えていた。




起きたばかりの織田さんはまだ頭が働かない様子で、ボケッとしている。
「ねぇ…これからどうする?
この時間でも一緒に移動するのは危険でしょ?」




「あ~そうだねぇ。
寂しいけど別々に乗るか!」




やっぱり。
言うと思った。




「じゃあ、織田さんが先に出て。
私、違う車両に乗るから」




「わかった」




そして、別々にホテルを出た。
なんだか虚しい…。



No.171 14/01/22 02:11
匿名0 

>> 170



すぐにアプリで時刻表を見る。
織田さんの1本後の電車に乗ろう。
少しコンビニで時間をつぶし駅に向かった。
1本ズラしてるから誰かに逢ったとしても大丈夫。
時刻表で調べてたから、すぐに電車が来た。




1つ、2つ…5つ………駅を越しても連絡がない。
平日の昼間、電車はそれほど混んでないと言うのに。
ここでも手を抜く?と思ってた頃、やっとメールが来た。




「今どこ?」





あれ?
遅すぎたかな?
1本ズラしただけなのに。



「次、着くよ!
1本ズラしたんだ。ごめん!」





「俺、これから電車乗るからドトールに入ってて!」





なにぃぃぃ (="=){ハァ?)
これから乗るんかい!?
なにやってたんだ?今まで。




なんだか、いつも私は待つ身なんだよな…。
まぁ、でも今日はまだまだ時間があるからいっか!




ドトールに着くと、そんなに待たずに織田さん到着。
「ごめん!俺も1本ズラすつもりで便所入ったら遅くなった」



ここでお互い簡単に朝食を済ませた。
初めてのデートで、織田さんがどうしたらいいか分からない様子で
「コーヒーでも飲む?」と言って入った喫茶店の事を思い出した。




「織田さん、初めてのデート覚えてる?」




「もちろん覚えてるョ!」




「あの頃はさ…今から考えたら恐ろしいくらい堂々とデートしてたよね。
でさ、織田さんが選んで入った喫茶店!
めちゃくちゃ高級だったよね!高いコーヒー飲んだよね」




「あそこは最初で最後だな。
ま、ここからそんなに遠くはないけどね」




朝食を済ませ、コンビニで簡単な軽食程度のものと飲み物を買い、ホテルに向かった。




ここまではまぁ予想通り。
今日は平日1日デートも、もしかしたら最後かもしれないから、私的にはダラダラ過ごすんじゃなくて夜は少し早めに出て、居酒屋で食事…なんて勝手な妄想の中のプランを立てていた。




No.172 14/01/22 02:33
匿名0 

>> 171



実際、私のプランは叶うことはなかった。
織田さんは私にあまりお金を使わせたがらない。
織田さんの持ち合わせがあまりないから、と言い結局このホテルで1日を過ごす。





普段なかなかゆっくり話が出来ないから、誰の目も気にせず、沢山話が出来る。
これに不満はない。
むしろ、この時間が嬉しい。




しばらく話をしてたら織田さんがシャワーを浴びに行った。
「この風呂じゃ2人では入れないなぁ」
おふろ場から声が聞こえる。
見に行くと、狭いお風呂(^.^;
まぁ安いホテルだから仕方ない。
織田さんが出る頃を見計らい、私もシャワーを浴びる。




織田さんは照れ屋のうえ、あまり慣れてないからかムード作りはどちらかと言えば下手。
私がシャワーから出ると、もう裸で大の字になってベットで待っていた。




だけど…残念!
すぐにベットには行かず、私はタバコを吸う。
すると私の手を引き、ベットに連れ込む織田さん。
平日1日デートの第一回戦開始。





そして、
また、寝た!
本当に本当に良く寝る人だ。
前回のこの日はほとんどが寝ていて終わった。
今日もまた、寝て終わるのだろうか………。



No.173 14/01/26 10:00
匿名0 

>> 172



一度寝たら、なかなか起きない人。
あ~あ…と言った感じ。
しょっちゅう逢えるなら、別に寝てばかりでも構わない。
でも…私達にとって長い時間一緒に居られる事は本当に貴重なんだ。
なんだか今日1日も寝てばかりの無駄な時間になりそうな気がした。





疲れているのは私が一番よく分かってるつもり。
寝かせてあげたい気持ちと寂しい気持ち…複雑な想い。
私は例のごとく携帯をイジる。
だって、それしかやる事がないんだもん。




少し経つと、何かの音が鳴った。
何の音?


織田さんの携帯だ!
私は織田さんの携帯には一切手を付けない。
だって…携帯なんか見ても嬉しい事なんてない。
嫌な物を自らなんて見たくもない。
昔はたまに見た。
携帯には知らない方がいい物がたくさん詰まっているもの。



だから、知らん顔をした。
でも、止まってもまた鳴る。
これって………




「あぶねー!
やっぱり寝ちまった、ごめん…」




私が気づかない内に、アラームをセットしていたみたい。
「今日こそは寝て終わるのはマズいと思ってさ」




マズい…って(-.-;)
前回を反省したのか、学習したのか、ひとまず起きてくれた織田さんだった。
しばらく話をして、私の寂しさもいつの間にか消えていった。




No.174 14/01/26 22:12
匿名0 

>> 173




逢えて嬉しいはずなのに、時間が過ぎれば過ぎるほど段々寂しくなってくる。
我慢したり待つ時間は長いのに、逢えた日はあっという間に時間が経つ。



エッチして寝て、またエッチして また寝て…
夜はお決まりのピザを食べて…。
今回は、私もいつの間にか寝ていた。
不覚にも織田さんに起こされる。
時計を見ると終電の時間は既に迫っていた。




やっぱり…帰るよね…。
織田さんが帰りを急ぐ言動がたまらなく寂しさを募らせる。




慌てて支度をすると、既にコートを着た織田さんが「早くしろ」と言わんばかりに待っている。
ホテルを出れば、もうキスも出来ない。
最後くらい、もう少しラブラブなムードでいたかった私とは正反対に足早に駅に向かおうとする織田さん。




ホテルを出れば、急ぎ足で駅まで歩く。
織田さんが先に改札口を通り、切符を買う私を改札の向こうで待っている。
こんな些細な行動で現実を思い知らされる。




早く帰らなきゃ…ね…。
終電なくなっちゃったらヤバいもんね。
時間ギリギリな事に焦っているのを感じた。
けど実際、終電にはまだ少し余裕があった。




「先に行っていいよ!」




どうせ電車に乗れば一緒にいられるのは たったの1駅。




「大丈夫。慌てなくていいよ」
織田さんはにっこり笑う。
何かを感じ取ったのか足早だった歩き方が私に合わせるように少しゆっくりになる。




ホームに着くと
「何か飲む?寒いだろ?」




「ううん。大丈夫」
織田さんは温かいコーヒーを1本買い、自分が飲んだ残りを私にくれた。




そして、電車が来る。
週末の電車は酔っ払いで混んでいた。



No.175 14/01/27 02:48
匿名0 

>> 174




前回までは帰りの電車は、必ず私のそばにいて私をガードするように立ってくれたのに…
今日はほんのちょっぴり距離を置いて立っている。




なんだか感じる違和感。
最近…なんか違う。
何かが違う。
年数のせい?




いや、それだけじゃない気がする。




織田さんはいつも言う。
「考えすぎ!」
「何も心配いらないのに」
って。




じゃあ…なんで私はこんなに不安定なの?
不安や寂しさが半端ない。
なんの根拠もなくこんな気持ちになるかな…?




こんな事を考えてる内に次の駅に着いた。
ろくに会話もしないまま織田さんはここで降りる。




何かを私に言っているのは分かるけど、何を言ってるのか聞こえない。
織田さんが見えるように頑張って入口付近まで移動すると、織田さんが私を引っ張った。





「凛の後ろの親父、酔っ払いだから車両変えろ!!」




「気に掛けてくれてたんだ?」





「当たり前だろ!
隣りの男と荷物が邪魔で凛のすぐそばに行けなかったんだ」




もう半分、扉が閉まりかけてた。
バイバイしながら織田さんの後ろ姿を見送った。
振り向きもしない姿に寂しさを感じながら。




すぐにラインをしようと思ったその時…
ハッ(;°□°)!



どうしよう…………。
ラインが開けない。




何とかしないとライン出来ないまま時間ばかりが過ぎてしまう(>_<)
でも、この混みようじゃ、とてもじゃないけど開けない。




もう織田さん電車乗ったよね…。
きっと織田さんも困ってるはず。




No.176 14/01/31 01:41
匿名0 

>> 175



ラインを開こうとした その時!
そこにあったものは…
織田さんが悪戯で送ってきた私の写メが連続で何枚もあった。
裸の写メが一番下に2~3枚。
満員電車だから開けば周りに見えてしまう。




あーあ…
ちょっとラインを諦めた。




すると連続で通知音が。
もちろんマナーだからバイブだけど。





鈍感な私は、恐る恐るスマホを開く。
写メをスタンプで見えなくしてくれた。
「これでライン出来るだろ?」





「うんと焦った(>_<)」


 

次に織田さんから出た言葉、それは…




「今回の俺は何点だった?」




今回の俺?
「エッチのこと?」




「いや…全体で!
今回は俺、合格?不合格?」





あ~…そういう意味か。
本当はもう少し低めの点数にしようかと思ったけど…



「100点満点(*˘︶˘*)♡」




1/3が寝ていたから
昨夜の点もある。
でも、こうして逢えたし
結果的には頑張ってくれたからね。




「マイナス点からの始まりだったから100点もらえないかと思った、よかった!」




その後も到着までラインを続け、私が待ちに待った『この日』は終わった。


No.177 14/02/01 02:28
匿名0 

>> 176




楽しみにしていたあの日は、幸せな気分で終わったけれど…
ここからが私にとっての地獄のような試練と葛藤の日々だった。




幸せな気分はまるで夢だったかのように、次の日からはまた現実に戻される。
逆に考えれば、究極の忙しさの中で本当に無理をして私のために時間を作ってくれたのかもしれない。




次の日から織田さんの忙しさは以前にも増し、ヒドい状態になった。
ほとんど家に帰らない。
12月と言えば、クリスマスがある。
ウチの職場は年末年始の休みが10日もある。
織田さんは相変わらず忙しい。




メールもほとんど出来なければ、逢う事なんてもっぱら期待出来ない。
毎日毎日、織田さんからの連絡待ち状態だった。
私からメールをすれば仕事の邪魔になると思った。私が「寂しい」と言えば、もう次は「別れよう」と言われそうな気がしてた。




思い出したの。
むかーし昔、織田さんの携帯をこっそり見た時のこと。バレた後の奥さんとの状態が気になってイケないとは思いつつ、こっそり内緒で見たんだ。
そこにはこんなやり取りがあった。




「私はいつも、あつ(敦)と話がしたかった。
子供の事、家の事、色々…話したい事がいっぱいあった。
私は毎日、あつの帰りを待ってた。
あなたはいつも帰ってこない。
それでも私は待ってた。

でも、帰ってくれば『疲れた』『寝かせろ』『同僚の悪口、愚痴』しか言わない。
私と話をする時間を与えてくれない。

私はただあなたと話がしたい。
こう言ってもあなたはまた言う?


私の気持ちも分かって!と言うなら、まず俺を理解しろ!…って…」



これを読んだ時、感じた。
そうたよね…
織田さんはほとんど家に帰らない。
私が寂しいと思う以上にずーっと、奥さんの方が寂しいはず。
子供だってまだ小さいのに。



「分かって欲しいと思うなら、まず俺を理解しろ」この言葉が私の脳裏によぎったんだ。
きっと私にも、そう感じてるんだ!…って。




だからね…
ひたすら待ってたの。
待ってたらいつか「凛、何してる?」ってメールが来るのかな、って。
逢いたい気持ち、寂しさを押し殺すように。



No.178 14/02/01 03:26
匿名0 

>> 177


去年は確か、クリスマスに逢えたんだ。
前だか後だかにズレてたかもしれないけど。
今年は無理そうだな。



でも、どうしてもあげたかった財布。
私は休みに財布を買いに出掛けた。
別にクリスマスに渡せなくてもいいや…と思って。



それから何日か後に織田さんは風邪を引いた。
かなりしんどいようで何日か早めに帰宅する。
忙しさの余り通院も出来ず、風邪は長引く。



ある時、顔を見ると顔が赤い。
熱…あるんじゃない?



仕事中だからマズいかな?…とは思ったけど、メールしてみた。
「織田さん、熱あるんじゃない?
ちゃんと薬は飲んでる?」




珍しくすぐに返事がきた。
「熱っぽいな…薬はないから飲んでない。
しんどい…」




家に帰ってるのに薬飲んでないの?
用意してくれないのかな…?
心配だったから外回りのついでに薬局で薦められたドリンクの風邪薬をこっそり冷蔵庫にしまった。




「織田さん。
冷蔵庫の上の引き出しの中に風邪薬入れたから飲んで!」





「ありがとう!」




織田さんが早帰りをすれば、仕事はどんどん溜まってしまう。
風邪が治ったらまた忙しさが増す。




次の日、私が病院でもらう良く効く風邪薬を持って行った。

どうやって渡そう………。
「織田さん、良く効く風邪薬持って来たんだけど渡せないかな?」



「じゃあ、駐車場に今出るよ!
心配かけてごめん」




何とか無事、風邪薬を渡せた。
その夜、
「ちょっと楽になってきた。
ありがとう!」
とメールが来た。



「無理しないで帰りな!
仕事も大事だけど体が一番大事だよ!」



「うん…凛放置してるのにすまんが今日も早く帰るね」




帰り道、きっと寝て行きたかったんだろうに、着くまでちゃんとメールをしてくれた。



「凛、クリスマスプレゼントなんか希望ある?
輪っか かい?」



私が以前、男性の客にしつこくされた時 織田さんが言った言葉。
「凛は何もつけてないから輪っかさせなきゃダメだな(-_-#)」


だから輪っかと言ったんだろう。
でも実際、その忙しさじゃ買いに行く暇なんてないだろうと思った。
でも、織田さんの口から『クリスマスプレゼント』って言葉が出たって事は………もしかしたら、どこかで1日逢えるんだ!と期待した。




プレゼントなんていらないけど
プレゼントが渡せる。
そう思うと嬉しくなった。



No.179 14/02/01 19:40
匿名0 

>> 178


逢えない理由の1つ。
お小遣いが減ったこと。
でも、今月はボーナスが出る。
毎年、ボーナス後には必ず逢っていた。
高まる期待。




風邪が治った頃には、ボーナスが出た。



そろそろ…かな?



でも実際、逢える事はなかった。
風邪で早く帰ってた分、仕事が山積みだった。



年末になれば、忘年会絡みの飲みも入ってくるだろう。
クリスマスは早く帰るだろう。
もうなんだか今月は逢えないままで 10連休を迎えそうな気がした。



寂しい…。
でも、私が弱音を吐くと最近は少し不機嫌になる。最初はごめん、と言うけれど。
だから、言わずにずっと待った。




風邪が治ってボーナスが出た後の週末。
いつもなら帰るはずの週末。
会社でもなんの接点もなく、いつものごとく仕事中のメールは全くなかった。
でも、週末だから帰るだろうと、織田さんのメールをひたすら待った。



夜になれば、みんなが帰ればメールが来る。
たまに待ちきれずに私からメールすると、時間差はあったとしても必ず返信は来る。



待っててもメールがない。
段々と不安になる。



年末が近づいて来ている。
早いとこであれば、忘年会をやるところもあるだろう。




私が帰る時、例のお気に入りメンバー+前嶋はいた。


飲みにでも行った?
そう考え始めると、憂鬱な気分がおさまらなくなった。
私がこんなに我慢してるのに、もし飲みだったら………。




不安で仕方なくメールをした。
「飲んでるの?」



もっと早くメールしてみれば良かった。
すぐに返信が来て
「飲みではない!」と。



飲みでは…ない…?
飲みではないけど?


No.180 14/02/01 20:43
匿名0 

>> 179




それ以降、メールが来ることはなかった。
織田さんは職場の誰かと一緒の時はメールを一切よこさない。




こんな状況なら、最悪な状態を妄想してしまうのはおかしい事なんだろうか。



「飲みではない」
この言葉は「飲みではない」けど、誰かと何かしらの事情で一緒なんだ。と解釈も出来ない?




連絡がつかないのが一番不安なんだ、と 何度となく言ってきた。
自分の都合が悪いと連絡して来ない。
メールもさほど出来ず、逢う事も出来ず、私の気持ちを話す余地さえない。




深夜になり、メールしてみた。
「なんで連絡出来ない?
飲みではなく、何?
いつも待ってる、ってわかってて何故 たった一言のメールが出来ない?
いつからそんなに思いやりがなくなったの?」




一度言い始めたら止まらなかった。
我慢しすぎて爆発した。
寂しさに加え、怒りが混じり…
連続してこんな内容のメールをいくつも送った。
例え飲んでいてマナーモードだとしても、これだけ続く通知音に気づかないはずがない。




それでも一向に既読にはならないライン。
怒りから、耐えきれない悲しみに変わっていく。




私って…
なんなんだろう。
もう、織田さんにとって私は不要だろうと思った。
必要なら、もっと私を求めるはずだもの。




一晩眠れずに朝が来た。
今でも既読にならないライン。
午前中が過ぎ、お昼になった。
まだ既読にならない。



最悪な事が頭に浮かぶ。
ホテルにでもいれば、チェックアウトは12時。
このタイミングでもしラインがくれば…
怪しい。



だってさ…
私とホテルにいる間は誰かからの通知音が鳴っても見ないもんね。



お昼を過ぎて、それでも既読にならないラインに… 最後のメールをした。





「さよなら」
今までありがとう! この言葉、今は言いたくない。さよなら…だけでいい。



いいんだ。
不要な物は、捨てたほうがいい。
織田さんにとって、プラスにならない私は捨てたほうがいい。



さよなら…。


No.181 14/02/01 21:22
匿名0 

>> 180



15時を過ぎても既読にならないライン。
一体、何が起きてると言うの?




もう枯れ果てたかのように、この泣き虫な私でも…不思議と涙は出なかった。
眠れずにいたから、睡魔に襲われ いつの間にか私は眠っていた。





ピンコン♪
通知音で目が覚めた。
織田さん、だった。
時計を見ると、もう夕方の 17時。




寝起きの悪い私でも、待っていたんだね。
やっぱりこの通知音を。
パッと目が覚め、ラインを開く。
一瞬にして「あれ?」と思った。



あれだけ送ったラインが、織田さんから連絡が来た今でも既読にはなっていない。
何故?




織田さんのメールを読む。
「ごめん…もう家なんだ…すまない」




家?
帰ってる?




どういう事?
頭が回らない。




「昨日、仕事に集中してたら営業部の○○さんに強引に飲みに連れて行かれて、病み上がりだったせいもあってベロンベロンになっちまって…
電車で寝ちゃったんだ。
終電だったのに寝過ごしてカミサンが迎えに来た。だから慌ててライン消した。
毎回こんなでごめん」




あ~、だから既読になってないんだね。
私が送ってたメールは全部、ブロックされた後のメールなんだ。
ブロックされる前のメールは、読まれることなく削除されたんだね…。




この言い訳が本当か嘘かは追求しない。
確かめる手段もないし、もし嘘なら知らずにいたい。



「ある意味、私からのメール…
読まずに削除してよかったかもね」




「内容はなんとなく分かる。
ほんとにごめん…」




次の返事を打ってる間に
「そろそろヤバいから戻るね!
ごめんね…また月曜日ね」




泣き顔の絵文字がついてた。
私の途中だった送信メールは間に合わなかった。
あれだけモヤモヤして不安で寂しく待っていた時間も、たったこれだけの内容でサラッと終わる。




織田さんが好きだから苦しい。
いっそ、嫌いになれたらどんなに楽なんだろう。
ポイッと捨てられる勇気が私にあれば…
絶対、今より精神的には楽になる。




それでもね…
つきまとうんだ。
「好き」って気持ちが邪魔をする。
別れたほうがいい。
そう思う私と、
まだ一緒にいたい。
って思う、もう1人の私。




読まれる事なく終わった
「さよなら」



なぁ~んだ…
と思う自分と
ちょっとホッとしたような自分がいた。




織田さんの心の中が覗けたら…
私も決心がつくのに。
本当の想いは、他の人には分からない。
私がこんなに苦しいことも、織田さんには分からない。
臆測の中でしか、お互いの本当の想いは分からない。



休み明け、どんなメールが来るのだろうか。



No.182 14/02/05 02:55
匿名0 

>> 181



「おはよう(´0`)ふぁ~」




至って普段と変わりない当たり障りのないメール。
あえて私も
「おはよう (﹡ˆ﹀ˆ﹡)」
と、当たり障りのないメールを返す。




さて、次に出る言葉は?




「今日は寒いぞ~!
あったかい格好してきな!」




ごくごく無難なメール。
織田さんは家に帰れば普通の旦那やパパに気持ちを切り換える。
だから、気持ちを引きずる事なく1日空けばスパッと忘れてしまうのかもしれない。




モヤモヤした気分なのは、気分転換が上手く出来ない私だけなんだろう。
でも、いーや。
こんな事でまたくだらない喧嘩になるよりは一週間の始まりなんだから目標は「今週も仲良く」で行こう。



私が笑ってたら喧嘩にはならない。
だから普通にメールを続けた。
ほんの少しモヤモヤした気分を隠しながら。




この頃の職場は最悪な人間関係になっていた。
前からだけど、たまりにたまった鬱憤を徐々にみんなが吐き出す。
大きく分けたら4つのグループと言うか、反対派•賛成派•我関さず派•何も感じない鈍感派…とでも言うんだろうか。




もちろん賛成派とは、あのお気に入りメンバーで、それが面白くない反対派。
反対派の中でも2つに分かれ、男連中に怒り爆発のベテラン勢と…お気に入りメンバーが気に入らない同年代。



あとはあまり話す事さえないから考えてる事がよく分からない我関さず派。
全く無関心で何も気にしない鈍感派。
と言ったところ、かな。




織田さんを悪く言う声をやたらと聞き始めた。
それと同時に、お気に入りメンバーと男性との関係•関わり方がおかしいと言う声があまりにも多く出始めた。




織田さんを悪く言われるのは複雑な心境だけど…男性とお気に入りメンバーとの関わりがおかしいと、それが問題化になると、私の中で今まで1人でモヤモヤしてた気持ちが少しホッとするのも事実。




なんだ…そう思ってたのは私だけじゃなかったんだ、みんなそう感じてるんだ、ってね。



でもそれがおおごとになればなる程、悪循環だった。男性はお気に入りメンバーの意見しか聞き入れなくなる。うるさい奴らには見せしめのような言動をする。
そりゃそうだ。
お気に入りメンバーは男性を見方につけてるんだから男性には反抗もしなけりゃ言いなりだから男性はやりやすいに決まってる。
簡単に言う事を聞くんだから。




私達も逢って仕事の話をすると、喧嘩みたいになる事も多かった。
最近は会社での織田 敦が私も実際あまり好きではなくなってきた。
織田さんは大好き。けど…上司である織田
敦は………。




だからね、2人でいる時は仕事の話はあまりしたくない。
織田さんの苦労、心労もわかってるから。
私は上司である織田さんを好きになったわけじゃない。そんな事でギクシャクしたくない。



それからまた数日後に、また喧嘩になるんだな。
なんでこんなに喧嘩ばっかりするんだろ………。



No.183 14/02/07 02:32
匿名0 

>> 182


いつものように帰宅後、織田さんからの連絡を待つ。
私の大嫌いな時間だ。
残っている残業組と、その雰囲気で帰宅後の私の不安感は全く違ってくる。




織田さんはよく言うよね。
「そんなに俺は信用ねぇか?」
って。




でもね…
あなたがあえてしている、と言うその態度でたまらなく切ない気持ちになるんだよ。




信用はしてるけど…
でも、断れなくて裏切る事が今までだって何度もあったじゃないか。




逢えない寂しさ、会話がほとんど出来ない寂しさ…我慢して待ってる時に限って、今まで何度となくショックな出来事があった。




ずーっと連絡が無いことが、今までを思い返して不安にさせるんだ。
「忙しくてそんなヒマないから心配いらないよ」
そう言ってくれた時だって、内緒で飲みに行った事が何度もあったじゃない!




「気にしすぎ」
「心配しすぎ」
確かに、それもあるのかもしれない。
でも、不安になる…。




今日も来ない連絡をただただ待っていた。
どんなに忙しくても、たった一言 言ってくれるだけで私の不安感はなくなるのに。



メールしても既読にならない。
もちろん返事も来ない。
時間が経てば経つほど私の妄想が始まる。




今日も飲みに行ったのかな。
彼女達と…。

あまりにも放置だからメールした。
「織田さんは変わったね。思いやりがなくなった。
織田さんはわがままだよ。自分勝手すぎる。
都合が悪くなると黙る。
飲みに行くなら一言メールくれてもいいじゃん!
待ってるって分かってるんだから」




何時間かして、やっとメールが来た。
絵文字もない
「カプセルホテルに向かおうと思う」



…やっぱり飲んでたんだ!
返事を打つ間もなく
「なんだか大きな誤解をしているようだけど
ずっと仕事してたよ。
集中してたから携帯見るのが遅かっただけだ」





そのメール以降、メールはなかった。
いつもなら「おやすみ」は、してくれるのに。




私の正直な気持ちだったとは言え
残業が終わって疲れてる時に、ここまで言われたら…
ショック…だよね…。
こんなメールをした事に後悔する私だった。






No.184 14/02/08 23:47
匿名0 

>> 183



朝になるのが怖かった。
以前は喧嘩をしても絶対に別れたりはしない!って自信みたいなものがあった。
織田さんもよく言ってくれてた。
「どんなに喧嘩しても
最後は必ず仲直りしよう。
喧嘩してもずっと一緒だ!」
って。




でもね…
今は違う。
喧嘩をするたび怖くなる。
前なら織田さんが大人になって折れてくれた。
「ごめん」で済んだ喧嘩が、今は織田さんがものすごく追い詰めて考え込んで…言われる言葉に重みがある。




ただの喧嘩だ!って笑って済むような喧嘩じゃなくなってきた。




それでも必ず朝は来る。
次の朝、もしかしたら鳴らないかもしれない通知音。
その前に…



今日は起こすべきなんだろうか…。
「おやすみ」もない位、怒ってたとしたら…辛い気持ちにさせたんだとしたら…
私からのモーニングコールは必要なんだろうか。





織田さんが泊まる日は必ず朝起こしている。
やっぱり普通に起こそう!
しかも今日は会社じゃなくカプセルホテル。
少し早めに起こさないと。




時間になり電話をかける。
2~3回じゃ起きないのはいつもの事。
「しつこいかな?」と思いながらも何度も電話をかける。




出ない。
全く出ない。
何回かけても留守電になってしまう。
ここまで出ない事は滅多にない。




もしかしたら…
怒ってるから出ないのかも…。
それか、もう会社に着いてるのかも。



今日はもう止めとこう。




そして私は出社する。
そこに織田さんの姿があったとしたら…
会社のドアを開けるのが怖かった。





No.185 14/02/09 00:20
匿名0 

>> 184




ドアを開ける。
みんなの視線に気をつけながら。
まず織田さんの席を見ないように。
席に着いて、上着を着る時にさりげなく見た。




来てない。
まだ寝てるんだろうか?
だとしたら早く起こさないと間に合わない。




けど…
無視されてるんだとしたら…
しつこいだけだよね…。




こういう時は、嫌な事ばかりが頭に浮かぶ。




「吉野さん…
今日、私 事務なんだけど吉野さん外回りだよね?
変わってもらえる?」




え?
と言う顔はしたものの
「いーの?めちゃくちゃ寒いけど?
アタシ的にはラッキー!」




「ありがとう♪」
私はあえて外に出たかった。
織田さんと1日同じ部屋にいるのは辛かった。
きっと織田さんもそうだろう。




支度をして外に出た。
中にいるよりね…サボれるのも事実。
目的地に向かう。
途中でこっちに歩いてくるスーツ姿に目がいった。



織田さんだ…。
やっぱり、メールがないって事は わざと出なかったんだね…。
すれ違うとき他人行儀に「おはようございます」とあいさつしたら、小さな小さな声で
「おはよう」と聞こえた。
でも、視線は私を見ていなかった。




トホトホ歩いていても嫌な事ばかり考えてしまう。
「カプセルホテルに向かおうと思う」
これが最後のメール。



それから連絡はなく、朝は電話に出ない。
誰かいた?




私は織田さんを信用してないんだろうか。
ただ不安なだけ。心配なだけ。
疑っているわけではない。
だけどね…
織田さんだって男だもん。
私を抱いたあの日のように…
魔が差す事だってあるかもしれない。
それを考えてしまうと不安なんだ。



酔っ払って裸になった女が「抱いて」って言ったら…織田さんはどうする?



No.186 14/02/09 01:28
匿名0 

>> 185



この言葉…
前に実際、聞いた事がある。
めちゃくちゃ笑いながら、実名を何人か挙げて
「ないな!
想像もつかないよ」
と、笑ってた。




織田さんに限って…絶対にそんな事しない!
信じよう。
きっとその内、メールくれるよ、凛。




仕事に集中しようとしても気づくと考えていた。
何度も鳴らない携帯を見ながら。




ヤバい。
そろそろ本腰入れないと!
吉野さんに変わってもらったクセに結果出せなかったら恥ずかしい。



その時一瞬、仕事に集中してたんだろう。
携帯が鳴り続けるのに気がついた。




携帯を見ると織田さんからの着信だった。
メールならまだしも仕事中に自分の携帯から電話なんて珍しい。
私はこれから何を言われるんだろう…。





怖かったけど…電話に出る。
「凛、なんでライン見ない?
なんで電話に出ない?
…ちゃんと仕事出来てんのか?…大丈夫か?」



普段よりワンオクターブ低い優しい口調で織田さんは言った。





え…?
ライン?…着信?
あんなに待ってたはずなのに気づかないわけないよね、私。




「メールも着信も来てないよ…
ずっと待ってたけど、来ないから私からはしちゃいけないと思った」




「そんなはずない!
何度もかけてる。ラインもしてる。
とりあえず出て安心したよ。
凛は考え込むと何するか分からないからな…
あんまり心配させるな」




「ごめん…」




「じゃ、待ってるから気をつけて帰って来いよ!」





「うん」




携帯なんて鳴らなかったよね…。
だって何度も見たもん。
と、思いながら電話を切って携帯を見た。




あっ!∑(・ω・*)
着信もラインも随分きてる…。
私…なんで気がつかなかったんだろ。




「凛、昨日はごめん。
意地張って朝はライン出来なかった。
朝、凛とすれ違った時、凛 悲しい顔してた。
すぐメールしようと思ったのに…忙しくて遅くなった。ごめんね」




その後、
「大丈夫か?」
と、着信が交互に何度も入ってた。



No.187 14/02/09 02:02
匿名0 

>> 186



私はテンションが仕事にもろ影響する。
まだ結果が出せない。
織田さんから連絡が来た事でちょっとやる気が出てきた。…と言ってももうあまり時間がない。
頑張らないと…!




でもダメだった。
夕方とは言え、真冬の外はもう真っ暗。
時間的にも限界だったから、諦めて帰る事にした。




帰りたくないな…。
帰れば嫌でも見なきゃならない。
あの人達と笑う織田さんを。
顔が見れる時間は少ないのに、本当なら嬉しい時間なのに、あれを見ると気が滅入る。




「凛、そろそろ帰って来い!
もう暗いから危ない。
頼むから帰って来い」




織田さんからのラインだった。
「ごめん…心配させようとしたわけじゃなくて…
結果が上がらなくて(>_< )」




「そんなのいいから戻っておいで」




「…わかった」




織田さんはどこでメールを打ってるんだろう。
普段なら絶対に来ない時間帯。
ちょっと早足で会社に戻る。




会社に戻ると吉野さんと目が合った。
吉野さんのところに駆け寄り
「変わって!とか頼んだくせに結果ゼロ!
吉野さんが出たほうがよかったね…!」
と笑って見せた。



「私が出たって同じだよ!だって…………」
続きはコソコソ話で
「外回りは私のサボリの場だから (*´艸`*)サボる事しか考えてないもん」



吉野さんらしい気の使い方だった。
それが今日の私にはとても、ありがたかった。




今日はやる事もないから早く帰ろうと決めた。
見ないで知らないでいられるなら、その方がいい。
「お先に失礼します」
定時のチャイムと同時に会社を出た。




ドアを閉める時、一瞬 織田さんがこっちを見たのがわかった。
ほんのちょっぴり元気がない顔だった。



No.188 14/02/09 02:31
匿名0 

>> 187



家に着いても見てしまう時計。
まだ、みんな帰ってないんだろうな…。
私が帰ると、ホッとするよね。
「監視」の目から解放されるから。




以前言われたこの言葉。




「監視」




私の中の記憶から消えることはない。
この言葉を言われてから、気に入らない事もショックな事もあまり口走らないように気をつけている。
見れば気になる。
聞けば気になる。
気になれば聞きたくなる。
聞けば文句を言いたくなる。




お風呂でも入って、気分もサッパリして来ようかな…。
まだ今日は時間が早いから織田さんもまだ帰らないよね?




一応、メールを入れてみた。
「お風呂入っても間に合う?」




こうメールしても返事が来ない事の方が圧倒的に多いのに…今日は違った。
織田さんもきっと、気にしてくれてるんだろう。




「今日は一緒に風呂入ろう(*˘︶˘*)
もうすぐ上がるから支度して待ってて」




今月に入って2度目だった。
クリスマスも近づいた月の後半。
もしかしたら、年内逢えるのは最後かもしれない。そうしたら長い長い10連休に入る。




「年内、これが最後になりそう?」




「うーん…頑張るけど、一応念の為そのつもりで来てm(_ _)m」




「わかった。じゃあクリスマスプレゼント持ってくね(●´艸`)」




「あ…俺、プレゼントまだ買えてない(T_T)」




「わかってる。
いらないよ(﹡ˆ﹀ˆ﹡)」




「今日は…。渡せないけど、ごめん」




「織田さん買いに行く時間ないの分かってるから私ちゃんと欲しいもの考えてある!
それをもらえれば十分」




「わかった!じゃあ終わったら連絡するね」




なんだかんだ言って、いつもこうして仲直りする。
何度「終わりにしよう」と思っても…
何度「これで振られるんだな」と思っても…
自分に甘くて弱虫な私達は離れられずにいる。
そしてこれが6回目のクリスマス。
クリスマスにはまだ少し早い2人のクリスマス。




No.189 14/02/16 21:01
匿名0 

>> 188



慌てて支度をするものの…
連絡は来ず、時間ばかり過ぎていく。



「もうすぐ上がるって言ってたのに…」




今日はダメになるのかな…。
そんな予感さえしてきた。
もうすぐ日付が変わる。
どうして最後のメールから、こんなに時間がかかるんだろう。
連絡1つなく。




いつも待ってばっかり。
逢いたいと思うのは私だけで、織田さんは義務的になっているのかもしれない。



私がブーブー文句ばっかり言って、寂しがるから。
これでも私なりに理解して我慢してるつもりなんだけど…仕事に追われる織田さんには私が重くなっているのかもしれない。




日付が変わったらメールしよう。
「今日は無理しなくていーよ」って。


そしたら織田さんは救われる?




そんな事を考えていたら涙がね、
ほら…また、溢れてくる。
せっかく気に入ってもらえるか楽しみにしてたクリスマスプレゼントも…私的には、クリスマスまでに渡せなかったら意味がないんだ。





「あんたまだ出掛けないの?」
こんな母親の言葉にさえイラッとする。




母親にあまり詮索されるのは好きじゃない。
「こんな時間から出掛けるの?」



わかってるよ。
連絡来ないんだよ!
そう心の中でつぶやいて、今日は無理だな…と諦めに入った。




時計が24時を回り、日付が変わった時 着信音が鳴った。




どうなるんだろ、今日は…。


No.190 14/02/22 07:57
匿名0 

>> 189



「前嶋さんと話してて遅くなった。
出れそう?」




「ごめん」と言う言葉がない。
そんな細かい事が気になる私。
今から逢っても合流した頃には深夜1時近く。
明日も仕事。
すぐ寝なきゃいけない時間になる。



でも…
これが年内最後の逢えるチャンスなら…
今日逢わなければ今年はもう逢えないまま10連休を迎える。
10日どころじゃない。
これまで逢えなかった期間もプラスしたら、随分な日数、逢えない事になる。



せっかく買ったクリスマスプレゼントさえ渡せないままになる。


凛、意地張るとこじゃないんじゃない?



返事に迷っていると待ちきれない織田さんから
「今日はやめる?(;_;)」
とメールが来た。



「ううん!行く(*˘︶˘*)」



「よかった!じゃあ向かうからね!」



「はい♪」



結果、逢えた。
時刻は深夜1時近かったけど、私の1番嬉しい2人だけの時間。
時間がないから早速クリスマスプレゼントを渡す。


無言で差し出した。
少し申し訳なさそうに受け取る織田さん。
「凛…ごめん…俺さ、まだ用意出来てないんだ」



「さっきも聞いた!
気にしなくていいよ。
織田さんにはコレを書いてもらおうと思って。
このクリスマスカードも私の手作り♪
私はこれで十分!」



いつもなら、私がお風呂に入っている間に書いてもらうんだけど、時間もないしさそれは「宿題」にした。



織田さんは丁寧にラッピングを開け
しばらく無言で財布をじっくり見ていた。



「凛…これさ、高かっただろ?
すげーカッコいいよ!
とにかく気に入った!ありがとう」



「でもさ…
使い道がないよね(>_<)
これね…小銭入れが取り外せるの!
使い方が3wayあるんだよ♪
一目惚れして絶対コレあげたい!と思って…
使い道ないだろうな…と思いながらも コレをどうしてもあげたかったんだ!」



「使うよ!時期をズラせば使える! 
俺好みのだから怪しまれる事もない。
心配しなくていいよ。使うからね゚。(*^▽^*)ゞ」



織田さんは本当に嬉しそうにジックリそれを見ていた。
実際、少し奮発して買った財布。
喜んでくれてよかった。



ホントはね…
サプライズ好きな織田さんの事だから
「買ってない」と言っても何かしらのプレゼントがもしかしたら………
と、ほんのちょっぴり期待してる私もいた。




この何年間、どんなに忙しくてもプレゼントがない!って事はなかった。
今年は本当に…ないんだね…。


時計を見ればもう深夜2時。
「織田さん、お風呂入らないと…時間…」


ハッ!とした顔で織田さんも時計を見る。


No.191 14/02/22 08:21
匿名0 

>> 190


一緒にお風呂に入る。
私と織田さんはお風呂の好みが違う。
私は熱いお風呂にサッと入るのが好き。
逆に織田さんはヌルめのお風呂に長く入るのが好き。


今日のお風呂は私好みの熱いお湯だった。
「織田さん(笑)…コレ、無理じゃない?(笑)」


勝ち誇った顔で「入れる (╬¯ํ╭╮¯ํ๑ )」と言わんばかりに湯船に入る。

「うぉぉぉ(≧Д≦)!!!あぢぃぃぃ~」
やっぱり(笑)


織田さんの顔がみるみるうちに赤くなる。



「変わろ!」
織田さんがシャワーを浴びてる間、その姿を見て私はゆっくりお風呂に入った。



出ると、もう2時半すぎ。
このまま寝ても私は満足だった。
約束通りこうして逢えて、私の嬉しい時間が過ごせた。
プレゼントもクリスマスまでに渡せた。
何も贅沢は言わない。
こうして少しでも逢って話が出来る。



それだけで私は幸せだと感じる。


No.192 14/02/22 08:52
匿名0 

>> 191



どちらかと言うと、織田さんは昔に比べて体力が落ちた。
仕事量から考えれば仕方ないこと。
とにかく時間的に早く寝かせてあげないと!



髪を乾かしながら
「織田さん!こんな時間だから先に寝てな!」
と言うと、


「大丈夫!」
と言ってベットの定位置で私を待っている。
可哀想だから半乾きの髪のまま私もベットに行く。
もう既に眠そうな織田さん。


「おやすみo(^-^)o」
と言って織田さんの腕枕に包まれる。


私の中に潜む「義務感」を感じるのが嫌で今日はこのまま寝ようと思っていた。
「凛は抱かないと満たされない」と思わせるのが嫌だった。


織田さんがキスをする。
この感じだとエッチする方向。



「ねぇ織田さん。
私、こうして逢えただけで満足だよ。
織田さん寝ないと明日キツいよ!
今日は寝よう」



「いや…
俺が………」
照れ屋な織田さんはもぞもぞ言う。
わざと聞こえない振りをして、その言葉を何度も言わせようとする私。





「俺が、凛が欲しい」
「俺が、凛を抱きたい」



そこからはもう時計は見なかった。
たぶん2人の睡眠時間は2~3時間程度だっただろう。
気づかぬ内に2人共寝ていた。



案の定、次の朝なかなか起きてくれない織田さん。
私はもう出勤しなきゃいけない時間。
強引に起こし
「行ってくるね!ちゃんと起きてね!
…あと、逢えた次の日が要注意だからね!」



織田さんは「ウン、ウン」と頷く。



この「逢えた次の日が要注意」と言うのは
せっかく逢えて幸せな気分が必ずと言っていい程、次の日に何かしら起きて喧嘩になる。
だから私の充電はもたないんだよ。と言った私の言葉の意味である。



今回もなんとなく嫌な気がしたんだ。



No.193 14/02/22 20:25
匿名0 

>> 192



ホントに些細な事なんだけど
私の中では重大な事なんだ。



朝起こした時、織田さんはまだ完全に起きたわけではなく…ベットの中で寝ぼけたまま頷いていた状態だった。


ちゃんと起きたか、
ちゃんと会社に着いてるのか心配だった。
私は朝一の取引先に行く為、織田さんの出社を確認出来ずに会社を出た。



「起きてる?」
「ちゃんと着いてる?」
何度メールしても返事がない。



電車に乗っている間にしろ、歩いてるにしろ、どれだけ急いでいたとしても返事1つくらい出来ないものか?
今日に限らず、朝起こした時に「起きた」とメールが来ても二度寝している事もしょっちゅうで、遅刻にウルさいウチの会社だから尚更心配なのに。


メールしても返事がない。
万が一、会社にいたらマズいと思いメールを止めた。
せめて既読にでもなれば、「あ、大丈夫かな?」とも思えるけど既読にもならない。
私は取引先に着いたため、しばらく携帯を見れずにいた。



やっと終わって携帯を見ると、織田さん経由の連絡網が2回も来ていた。
しかも内容的には大した事もなく…こんなの終礼で言えばいいのに。と思うような内容。



そして、ラインを見る。
既読になっている。
でも、返事はない。



携帯イジれるのに何故、返事が出来ないのかな。
今まで何度も「放置絡み」で喧嘩してきたのに。



まぁ、無事着いている事に少しホッとしながら一服でもして帰社しようとした。
公園を見つけ珈琲を買って公園に行くと、偶然に同僚数名に会った。
何やら携帯を見て盛り上がっている。


なんとなく嫌な予感がして足がすくんだが、気づかれてしまった手前 行かない訳には行かず…。



「ねぇ中川さん見て!見て!」




そこには織田さんとやり取りした写メ付きメールがいくつかあった。
1度や2度じゃない。
何度もやり取りしている。
仕事とは無縁のふざけたメール。



こんな時の私の顔は、人から見たらどんな顔なんだろう。
きっと引きつった顔をしているんだろうな。
でも、冷静でいないと!と、あえて意識し笑いに便乗する。
すると調子に乗った彼女たちは事の一部始終を面白おかしく話し始める。




もう聞きたくない。



いつも忙しいと言って放置されてる間も、もしかしたら…こんな風に他の子とはメールしているのかな?
聞かなきゃ私は気づかない。
今日だって偶然逢わなければ知らなかった事。



なんだかバカにされた気分だった。




私は今日の事は織田さんに話さず、あえて織田さんからのメールを待った。
帰社してからの織田さんは、忙しそうにバタバタ動いていた。



もう今日は帰ろう。
朝バイバイしてから1度もメールはなかった。



家についてもモヤモヤしたまま気分は晴れない。
つい朝まで幸せだった気持ちも、遠い記憶のように感じた。



メールしたい気持ちをグッとこらえ、メールを待つ。
そして、やっとメールが来た。




No.194 14/02/23 07:59
匿名0 

>> 193


「お疲れ!
今日、凛帰るの早かったね」



「うん…気づいてたんだ?」



「いや…
バタバタしてたから気づいたらいなかったんだ」



だろうね。
仕事は仕事。
完全に切り離して考えてる織田さんには、仕事中の私の事なんて視界にも入らないもんね。
昼間の出来事が尾を引き、私はどこかひねくれた考え方しか出来ない。



「織田さん忙しそうだったね。
今日はこれが初メールだよ」



ちょっとふっかけてみた。
嫌な女…。



「ごめーん(>_<)
1日バタバタ動いてたから携帯触るタイミングがなくて…ごめんね!」




タイミング…ね…。
連絡網が流せて、写メ付きメールが何度も出来て、私にはタイミングがないんだ?




「今日は早く上がれそうなの?」




「まだまだ終わらん。
少しゆっくりしてな(*´∀`*)」




「うん。でも今日は金曜日だから帰るでしょ?
帰り道のメール楽しみに待ってるね♪」




「わかった!
頑張ります!」



私が日中の、あのメールのやり取りを知ってるなんて知らない織田さんには「忙しくて」は1番都合のいい言い訳だよね。



私、知ってるよ。
吉野さんのスマホにも、木村さんのスマホにも、沙織のスマホにも、織田さんのラインのマークがあるの…見た。
友達になってるの知ってる。
織田さんは誰かからメールが来れば、ちゃんと返信する。
付き合う前の織田さんもそうだった。




私だけじゃん。
メールしても返事が来ないのは。
前もこんな感じの喧嘩をしたけど織田さん言ったよね?
「業務関係のメールだろ?
それ以外はみんなとメールしてないぞ!」って。



嘘つき…。
別に、私の知らない所で気づかないようにしてる分には傷つくこともないからいいんだ。
でもね…。
知りたくなくても、あらゆる経由で耳に入ってきちゃうんだよ。
時には私の知らない話を他の子が先に知ってたりする。



隠すなら、とことん徹底してくれればいいのに…
中途半端に隠すから傷つく。



逆に言えば、そんな悪気もなくやってることが自分の知らない所でバレちゃう織田さんも可哀想なのかもしれないけど。


こんな事をモヤモヤしながら考えていた。
同じ職場と言う事は、毎日顔が見られる幸せもあるけど…時に残酷な出来事もある。


わかってる。
織田さんが誰といつメールしようが自由。
それを私がとやかく言う資格はない。
昼間誰々とメールした、と言えば私が怒るか傷つくか分かってるから言わない。
まぁ、いちいち報告する事でもないんだけどね。



「忙しくてメール出来ない」
と信じて私はメールを待つ。
案の定「忙しくてメール出来なかった」
と織田さんは言う。



放置の間に遊びのメールを何度もしている事実。
屈辱的に思うのは私が間違ってるのだろうか…。


No.195 14/02/25 22:58
匿名0 

>> 194

「そろそろ終わりにするよ~!
どんな感じ?」



「お疲れ様!
スタンバイOK♪」



休み前だしね。
今日の件はひとまず黙ってよう。
私が言わない限り、喧嘩にはならないんだから。
休み前位、喧嘩せずにラブラブでいたい。



「会社出た。
ちょいと寄り道!軽く飯食うね」



「はいっ♪」




何故だか写メ付きメールが送られてきた。
「ウニとサーモンだけ食った!」



本当に俺1人だよ!ってアピールなのかな?
別に疑っちゃいないさ。



「駅着いた。
○分発に乗れそうだから○時○分着だな!」




これは私が毎回聞くセリフ。
「何時着?」ってね。
今日は聞かれる前に答えた。


考えすぎかもしれないけど、いつもよりマメで返信も早め。
昼間の件で気が引けてるのだろうか?
いつもなら織田さんの返信が遅めだから、その間に私が2~3個目のメールを打つくらいの間があってから返信がくる。


今日は少しだけ、いつもと違う感じがした。



「会社の近くにお寿司屋さんなんてあったっけ?」



「凛あんまり通らない道なのかな?
すぐ近くにあるよ!あそこのウニ上手いんだよ!」



そうなんだ。
でも会社のすぐ近くなら、絶対2人で行けることはない。
それに私ウニ嫌い(笑)



前半はこんなメールをし
到着時間が近づくにつれラブラブモードに突入する。
「①か?」
今日は織田さんから聞いてきた。
だいたい私が聞く事の方が多いのに。



「まぁまぁ①かなo(^-^)o」




「俺はそこそこ①だ(¬_¬)」



「浮気すると『まぁまぁ』になるんだよ!
浮気しないと『大』になる( *´艸`)」



「えー!浮気してないぞ!」



「そっか…してないか♪
じゃあ、大①だな♪」



私には忙しくてメール出来ないと言って他の子とメールするのは浮気じゃない…か…。
浮気ではないにしろ、こっちは面白くはない。


なんだかちょっぴりズルい人だな、と思った。
私が責めなかった事により、喧嘩もなく連休に入る。


そして、休み明けはクリスマス•イブ。




No.196 14/02/26 02:25
匿名0 

>> 195



朝、寝坊助な織田さんにしては珍しく少し早めにメールが鳴る。



「おはよう」



「おはよう!
Merry Christmas♪」



「Merry Christmas╰(*´︶`*)╯」



早めにメールが来れば少しだけメール出来る回数が増える。
いつもなら私が会社に着くギリギリにメールが来るから朝はほとんどメールが出来ない。
今日はちょっぴり嬉しい朝だった。




…が、案の定 途中から寝た!
早くにメールが来ても普段とさほど変わらない朝になった。
日中ももちろんメールは出来ず、私がメールしてやっと返信が 1度あったくらい。



夜はどうせ早く帰るんだろうな…。
今までのクリスマスイブもそうだった。



だって…
パパサンタさんしなきゃだもんね。
それが予想出来たから今日は私も早めに帰り、帰りを待つ。
我が家はもう蓮もクリスマスに家にいるような年頃ではない。
帰りにケーキとローストチキンだけは買ったけど蓮はやっぱり帰ってくるのは遅かった。




予想はしてたものの
ピンコン♪



予想より遥か早めの帰宅報告メールだった。
しかも途中駅。
朝は途中で寝て、夜は同僚と一緒だったと言い、メール出来るのは30分間。


女にとってイベントは大切な思い出の1ページ。
けど、普段よりも会話の少ないクリスマスイブになる。



ふと、去年のクリスマスイブを思い出す。
「街中のカップルをひっぱたいてやりてー!」
早く帰らなきゃならない事に対してのこの言葉が例え嘘だったとしても嬉しい発言だった。




そんな言葉さえ言葉はない。
年数が長くなると、新鮮さがなくなる。
いつまでもいつまでも、ラブラブモードでいたいのは私だけ。
なんだかとても温度差を感じるクリスマスイブだった。


宿題にしたクリスマスカードも…
記念日には即書いてくれたけど…
今回は待て度暮らせ度、私の手に渡される事はなかった。


忙しさの中に忘れ去られたまま…。





  • << 198 翌日もまだ世間一般ではクリスマス。 今日も早く帰るんだろうな…。 昨日ちゃんと家に帰ったことにより、朝のメールはほんの少しだけだけど出来た。 日中は忙しさに追われ、きっと私の事を考える余裕なんてないんだろう。 気づけば織田さん発信のメールなんて、ここ1年位、無いように思える。 いつも私発信のメールに返信が来るような感じ。 今日もそんな感じで数回メールした。 私の中では今日も早く帰ると予想をしていたため私も早めに帰り、帰り道のメールをスタンバイOKで待つ。 …そんな日に限ってメールが来ない。 終電近くになってもメールが来ない。 仕事かな? たった一言でいい。 「今日は頑張って仕事に集中するね!」くらいの連絡をくれたら… どんなに気持ちが楽になるだろうか。 何も言わないから不安になる。 そんな事、もう何度言ってきたことか。 何年経っても慣れないこの時間。 不安材料さえなければ、きっと 「まだ終わらないんだな」ぐらいにしか思わずにいられるんだろう。 でもここは女性の多い職場。 「頑張ります!」 ってメールから待っても待っても連絡がなくて…飲みに行ってた事だって多々あった。 仕事は仕事。 キチンとやって欲しい。 以前言われたこの言葉。 それは分かる。 織田さんが頑張ってるのも分かる。 仕事に集中してる間はメールなんて出来ないのも分かる。 でもせめて、不安にさせない為の努力もして欲しい。 これは私のわがままなんだろうか…。 何故信じない? 俺が信用できないのか? 織田さんはきっとそう言うよね…。 「信用」 そうだね。 いつからかきっと私は織田さんを信用出来なくなっているのかもしれない。 だからかな。 いつもどこかで不安と恐怖が付きまとう。 そして、いつもどこか寂しい…。

No.197 14/02/27 02:47
匿名0 

>> 196



※訂正



こんな言葉さえ言葉はない←×


こんな言葉さえ今年はない←○



間違えました!
ごめんなさいm(_ _)m


No.198 14/02/28 00:43
匿名0 

>> 196 朝、寝坊助な織田さんにしては珍しく少し早めにメールが鳴る。 「おはよう」 「おはよう! Mer…


翌日もまだ世間一般ではクリスマス。
今日も早く帰るんだろうな…。



昨日ちゃんと家に帰ったことにより、朝のメールはほんの少しだけだけど出来た。
日中は忙しさに追われ、きっと私の事を考える余裕なんてないんだろう。
気づけば織田さん発信のメールなんて、ここ1年位、無いように思える。
いつも私発信のメールに返信が来るような感じ。



今日もそんな感じで数回メールした。
私の中では今日も早く帰ると予想をしていたため私も早めに帰り、帰り道のメールをスタンバイOKで待つ。



…そんな日に限ってメールが来ない。
終電近くになってもメールが来ない。



仕事かな?



たった一言でいい。
「今日は頑張って仕事に集中するね!」くらいの連絡をくれたら…
どんなに気持ちが楽になるだろうか。
何も言わないから不安になる。
そんな事、もう何度言ってきたことか。



何年経っても慣れないこの時間。
不安材料さえなければ、きっと
「まだ終わらないんだな」ぐらいにしか思わずにいられるんだろう。



でもここは女性の多い職場。
「頑張ります!」
ってメールから待っても待っても連絡がなくて…飲みに行ってた事だって多々あった。



仕事は仕事。
キチンとやって欲しい。



以前言われたこの言葉。




それは分かる。

織田さんが頑張ってるのも分かる。
仕事に集中してる間はメールなんて出来ないのも分かる。
でもせめて、不安にさせない為の努力もして欲しい。



これは私のわがままなんだろうか…。
何故信じない?
俺が信用できないのか?
織田さんはきっとそう言うよね…。


「信用」



そうだね。
いつからかきっと私は織田さんを信用出来なくなっているのかもしれない。
だからかな。
いつもどこかで不安と恐怖が付きまとう。
そして、いつもどこか寂しい…。



No.199 14/02/28 01:22
匿名0 

>> 198



こんな事を考えていると、疲れているはずなのに眠れない。
私の中に引っかかる「不安」な思いが睡眠の邪魔をする。



「もう連絡こないよ!凛」
と思う私と
「もしかしたら連絡くるかもしれないよ?凛」
と思う私が戦っているからだろう。




放置されてるんだから放置して寝れてしまえば、お互い楽なはずなのに。



こんな時、我慢出来ないのが私。
黙って連絡を待てばいいものをメールしたい衝動を抑えられない。




「飲みに行ってる?
それともまだ仕事頑張ってるのかな?」



しばらく間が空いたあと
「ごめーん!
まだ会社。終わらん(T_T)」



やっぱり仕事か…。
「まだ頑張る?
お風呂入っても間に合う?
もう寝ちゃう?」



「ゆっくり風呂入ってきな!
まだまだ終わらないから!」




「わかった。頑張ってね!
寝る前に連絡ください」



「はいよー♪」



これでやっとホッとした。
お風呂に入り、今度は織田さんが集中出来るように黙って連絡を待つ。



深夜1時を過ぎ…2時が過ぎ…3時…。
「不安」が今度は「心配」に変わる。
どちらかと言えば身体があまり丈夫な方ではないのに、こんな遅くまで毎日頑張っていて大丈夫だろうか?




「もう寝ないと身体もたないよ?
大丈夫?まだ終わらないの?」



既読にならない。
少し時間を空けラインを開く。
まだ既読にならない。
また集中してるから?



何度も何度もラインを開いては既読にならないライン。
なんだかもう日課になってきた、この作業。



明日も仕事だ。
いい加減、私も寝ないと…。
最後に
「ごめんね…。
先に寝るね。明日、何時に起こせばいいかライン入れといてね!
おやすみなさい」



夜中まで私は何のために起きて待っていたんだろう。
何のために眠れずに待つんだろう。



クリスマス。
結局、あれ以来 連絡がくる事はなく朝になる。


朝起きた私の手は、しっかりと携帯を握りしめていた。



No.200 14/02/28 01:55
匿名0 

>> 199



「浮気」
心配したらキリがないんだけど
つい考えてしまう。



誰かといて
「疑われるからメール返しとくか!」って感じで「まだ終わらん。風呂どーぞ!」と言い、その間にエッチする。
疲れ果て寝る。



そんな事を知らず私は頑張っていると信じ連絡を待つ。
朝になり
「ごめん。いつの間にか寝てた」
と、言われればそれを信じるしかない。




信用出来なくなったら終わり。
織田さんはそんな事しない!
信じているクセに、そんな事が頭によぎったりする。
だってね…
そんな事しない!って思ってるけど…
私達がしてること…それが現実。
もう既に織田さんは「そんな事」をしているんだもん。



こうして1人モヤモヤ考えていても、朝職場に行けば、まるで何もなかったかのように織田さんはいつもと変わらない。



片思い。
織田さんに片思いしている感覚に陥る。
「想い」が遥かに違く感じる。



凛。
今年もあと2日だよ。
織田さんの顔が見られるのは。
あと2日。
喧嘩なく過ごしたい。



クリスマスプレゼントを渡せたあの日から既に1週間が過ぎようとしていた。
あと2日逢えたら長い長い10連休に入る。
あの日から数えたら、年明け顔が見れるまで、20日間くらい。



年内たぶん最後、と言われていたから今年はもう2人きりで逢える時はない。


せめて、喧嘩なく今年も笑って年を越したい。
じゃないと10連休が…辛く悲しい日々になるから。



こんな時、連絡網が来る。
「本日、17時より仕事納めの挨拶式があります。急で申し訳ありませんが、用があって早く帰りたい方も顔だけ出して帰って下さい。
挨拶式は全員参加でお願いします!」




嫌な予感が走る。


  • << 201 朝、一応毎回お決まりの設定時間に織田さんを起こす。 1度や2度で起きる人じゃない。 忙しく支度をする中、慌ただしく合間を見ては電話をかける。 何度も電話して、ようやく起きる。 「起きてる?」 案の定、二度寝している。 また電話をかける。 やっと電話に出る。 「完全に起きたら『起きた』ってメールしてね!」 これもお決まりのセリフ。 「起きた~(´0`)ふぁ~」 この段階でやっと一安心する私。 昨夜のモヤモヤが解消されない私は、 「①?」 確かめたくなった。 例え騙されていたとしても 「①」 この言葉は魔法のようにホッとする。 いつもどこかで不安な私は想われている事を確認する事で自分の気持ちを楽にさせたいんだろう。 「もちろん(◦'︶'◦) ①だよ」 この日はたったこの2回のメールで挨拶式の時間になった。 挨拶式とは言え指定された場所に向かうと、そこにはお酒や食事が並んでいる。 定時にはまだ1時間程の時間があったが、好きな人はその場に残りお酒や食事を続ける。 もちろん私は職場に戻り、終わらない仕事を続けた。 一部を除き、ほとんどの人が仕事に戻った。 織田さんも仕事に戻ったことにより、私は少し安心出来した。 定時になりボチボチみんな帰り始める。 だが、帰って欲しい人達は当たり前のように残るんだな、これが。 全く帰る素振りもない。 私はもう少しで仕事が終わってしまう。 こんな時、特に何をするわけでもなくダラダラと帰らずにいるメンバーもいるけど…私にはそれが出来ない。 みんなが帰るのを見送ってから帰りたかったけど、仕事が終わってしまったため私は帰宅した。 でもその時、例のメンツも帰り支度しているのが見えた。 よし! 今日の飲みはないな…! どこか安心しながら駅に向かった。 男だけなら飲みに行くのは全然構わない。 心配する要素がないから。 そして礼のごとく、織田さんからの連絡を待つ。 顔を見れるのも年内、残すところ明日だけになった。 果たして喧嘩なく今年1年が終われるんだろうか。 笑って年を越したい。 こんな事にこだわって願うのは私だけなんだろうか。 織田さんはそんな事を考えたりはしないんだろうか。 「今日はちゃんと連絡が来ますように」 そう願いながらラインを何度も見る。 私の願いとは裏腹に事件は起きる。
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