無理しないでね
無理してないよ。。
無理しないとやっていけない時もあるよ。。
無理な時、誰か助けてくれるの?
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仕事は迷惑をかけられないと辞める事になった。
私の妊娠生活が始まった。
はじめての事ばかりでおなかが大きくなっていく度、幸せをかみしめていた。
トラブルもなく妊娠六ヶ月目を迎えた。
ここから旦那の本性がどんどん明らかになっていく。
何事もなく過ごしてきた六ヶ月。
その夜旦那は話があると私の前に座った。
「実は.....」
嫌な予感がした。
「独身時代にあった借金の返済ができていない。」
借金は私とは無縁のものだった。
お金が欲しければ自分で稼ぐ。そうやって過ごしてきた。
でも旦那は違った。足りないから借りる。借りたら自分のお金と勘違いする。返せなくなってまた借りる。
その時私は正直、なんだ...そんな事か。と思った。
自分の貯金はあった。
それを旦那に貸してもいいと思った。
それで全てがゼロになるなら惜しむ事なく出そうと思った。
借金は百万あった。
生活費が足りなかったり、ここの部屋を借りる時も始めの敷金分が足りず消費者金融から借りたと彼は言った。
話し合い、半分は私が出し、半分は自分で返済させる事にした。
借金をしたのはわたしのせいでもある。彼は私を守る為に借金したんだ。
そんな呑気な事を勝手に思っていた。
お金より愛。
それを信じていた。
借金がどんなに怖いものか、愛だけでは成り立っていかない現実がある事をその時は理解していなかった。
子供が出来た幸せ。
もう離れる事はない。
安心感と、何があっても旦那と幸せになるという気持ちはずっと変わらないと思っていた。
無事に子供は生まれ始めての子育て、主婦としてやっている自分が好きだった。
旦那も子供をとてもかわいがり、普通の幸せが幸せだった。
トラブルのない生活。
これが私にとって充実感に繋がっていた。
電話は忘れた頃に来る。
個人モデル事務所からの電話。
「もしもし?たえちゃん?」
一気に過去に引き戻される。
「違います......」
昔の私はここにはいない。
私はタエではない。
自分の中でそう言い聞かせながら違いますと答えた。
心臓が急にドキドキしてきた。
言葉にならない程の震えも。
血の気が引く感覚。
嫌な思い出がある訳ではない。
でももう関わりたくない世界。
裏の世界はきっと繋がっている。
昔の私の存在を消せばもう何もトラブルは起こらない。
母親になった今、過去の事は全て封印すると決めていた。
私はその後電話番号を変えた。
電話に怯える生活はもうしたくない。
旦那とはお金の事で度々言い合いをした。
私は働きたくても働けない、収入は旦那に頼るしかなかった。
貯めていきたい私とその時の楽しみを優先する旦那とは意見が食い違う。
「借金返してるの?」
これが口癖になっていた。
それを言う度旦那は曖昧な返事をしていた。
私は旦那を信じていた。
子供が成長するに連れて私の家族への執着は更に強くなっていった。
今私がしているのは全て子供の為。
どんな事があっても子供には辛い思いはさせたくない。
私が執着すればするほど、旦那はストレスを感じていたんだろう。
でも嫌な顔一つせず毎日遅くまで仕事をしてくれた。
それが当たり前になって感謝できてなかった私がいけないのかもしれない。
旦那は休みの日、必ずパチンコに行くようになった。
息抜きだと私もそれを許していた。
でも旦那は......息抜きで終わらない程の依存症だった事が発覚する。
ある夜旦那は話があると言ってきた。
お金を貸して欲しい。
またか。。。
私はため息をついた。
今回は何やら以前とは違って言葉少なく紙を数枚テーブルの上に出してきた。
消費者金融から借りている金額が書いてある紙だった。
全部で五社。
金額。。。。
え?!!!一社100万?!!!
他の業者も80万だったり50万だったり。。
総額500万近く。。
私は夢を見ているの?何でこんな高額な借金があるの?何で私は何も気付かなかったの?!
言葉にならなかった。
「蜜がどんな反応するか怖くて言えなかった。もう貸してくれないよね。無理なのはわかってる、でももうどうにもならなくて。。。」
旦那が何を言ってるのかよくわからない。
私を騙していたって事?裏切ったんだ私を。
私は。。裏切られたんだ。
信じていたのに。
信じるだけ無駄なんだ。。
「もう。。死んでくれる?」
私から出た言葉はとんでもない言葉だった。
そうだよね。。と旦那はうつむいた。
私はふと子供に目を向けた。
この子に父親の愛情を知らないまま大人になってほしくない。
私は旦那を信用出来なくても、この子に罪はない。
両親揃っているのが当たり前だと思っていた。
離婚とか母子家庭とか可哀想と言う偏見を持っていた私は離婚する勇気さえなかった。
まだ方法はあるはず。またやり直せる方法が必ずある。
子供の為に、何とか解決しようと旦那と話し合った。
「私は別れない、解決策が必ずある。だからもう借金はしないで!!」
こんなバカな男でも私を救ってくれた。
次は私が救わなければいけない番なのかもしれない。
旦那は泣きながらごめんと言った。
そんな言葉はいらない。本当に必要なのはこれから心を本当に入れ替える事。
次の日から返済を軽くする方法や、弁護士情報など探し、幼い子供を連れて無料相談に行ったりしていた。
その後弁護士を交え数ヶ月かけて自己破産という手段を選んだ。
もうどこからも借りられない。
でもそれは闇金への一歩を踏み出すきっかけになってしまう事は想像もしていなかった。
私は誰にも相談する事ができないままでいた。
周りから見れば普通の家族。
普通の家族に見られる事で家族でいることを確認していた。
父親がいて、母親がいて、ベビーカーに乗っている子供がいる。
それが幸せだと思ってた。
それが家族なんだって。
上辺だけの家族。。
気づいているのに気づかない振りをしてる私。
無理してるよ。
無理しないと家族でいられないよ。
自己破産した事で1からやり直そうと、金銭関係以外は順調にいっていた。
私は常にお金の事が気になっていたが、その事を口にすると終わった事なのにと機嫌が悪くなる。
だからなるべく私も言わないようにしていた。
でも心の中は信用出来ない気持ちでいっぱい。。
そんな夫婦関係でもセックスの時だけはお互い愛し合う事が出来ていたと思う。
お互い気持ち良くさせたい。
旦那とのセックスは悪くはなかった。
攻めて攻められて。。
何となくこの頃から少し変わった事を楽しみたい欲求が出てきたのか、旦那はビデオカメラで自分達の行為を撮影し出した。
「撮られると興奮するんでしょ」
見られる事で興奮するのは否定はしない。
だからAVの仕事も楽しめた。
旦那とハメどり。
何か。。どうなの?
個人事務所で一度だけやったハメどり。
男がカメラを持ち、色々なアングルで私を撮る。
カメラ越しに映る私はどんなだろう?
自然と演技混じりになってしまう。
旦那の欲望はそれからエスカレートしていった。
私は知っている。
夜中にこっそりエロ動画を見ながら1人で楽しむ旦那。
それを私が見ている事も知っている旦那。
旦那も見られて興奮する人だったのだ。
借金を重ねるよりずっといい。
子供と寝てしまう事もしばしばあった私は旦那がそんな事をしていても全く嫌ではなかった。
子供も大分手がかからなくなってきた頃、旦那は私に提案をしてきた。
夫婦交換しようか。
夫婦交換とはスワッピング。
お互いのパートナーを入れ替えセックスをする。
それを見ながら興奮して夫婦仲が更に深まるとか。。?
愛し合うセックスではなく、ゲームのセックス。
私からしてみればゲームとして割り切って出来ない事はない。
でも。。。
旦那とではなく他の人に抱かれると言うのはどうなんだろう。
浮気ではない。
ゲーム。
私はそれで興奮出来るのか?
「嫌なら無理にとは言わないけど、これで夫婦関係が深まったって色々書いてあるよ」
掲示板やらネットの情報に影響する旦那。
異様に楽しそうに話す旦那に嫌とは言えない。
過去に不特定多数の人の性欲を満たしていたとしても、それはお金という対価があった。
今回はそれもない。
ゲームする程の心の余裕が私にはない。
「プロフィールにAVの事書こうかな」
旦那は言った。
私に何をさせたいのか。
私がそんな余裕はないなんて解ってもいないだろう。
【結婚歴はまだ短いですが、秘密厳守で楽しめる人探してます。妻は過去AVに出ていた事もあり、プレイは必ず楽しめると思います。子供がいるので、同じく子供がいる方を希望します】
私を売っているようなプロフィール。
そんなに私を他の男に抱かせたいのか。
案の定掲示板に書いた途端沢山の返信が来た。
旦那は喜んだ。
話はどんどん進み、写真の交換やら返信やら毎日楽しそうだった。
乗り気でない私を気づいているのか気づかないフリをしているのか。。
度々無理にとは言わないと言われたが、そんな心にもない言葉に反応はしなかった。
ご自由に。。。
その後一組の夫婦とメールが始まった。
始めは妻同士旦那同士メールをしていたが、私と相手の旦那、旦那と相手の妻とメールを交わす事になった。
その代わり必ず来たメールを見せる事。
たわいもないメール。
その時間も面倒に感じていた。
旦那は始めのうち見せていたメールも携帯にロックをかけ見せなくなっていった。
「この方が楽しみがいがあるでしょ」
何だか私の存在が旦那にとって何なのかわからなくなってきてしまった。。。
こんなに傷つけられてきたのに、何でこんな事をしなきゃいけないの?
私は旦那がお風呂に入っている間携帯を覗いた。
ロックはかかっていない。
【楽しみだね、早く舐めてあげたいな】
相手の妻からのメール。
ゲームとは思えないメールに私は落ちた。
これはゲームなんだと割り切る気持ちがどうしても持てない。
何でこんな気持ちで夫婦仲が良くなるのか私には理解できない。
もし、これが本当に実行されれば、私は旦那の妻でいられる自信はもうない。
旦那はスワッピングを提案した頃からセックスに対してかなり積極的になった。
回数も増えた。
中出しをする事もたまにあった。
こんな仲で2人目の子供が出来てもやっていけるか不安はあったが、子供が私達を繋ぎとめてくれるという希望をもっていた。
子供が増える程絆は強くなる。
そう信じていた。
そして.......
2人目妊娠。
素直に嬉しかった。
1人目にあんな事があり、次はきちんと産んであげられる。
私の妊娠生活がまた始まる。
妊婦になれば流石にスワッピングなんてもう考えないだろう。
自然とメールもしなくなり、スワッピング計画は中止になった。
子供の世話に追われ若干無理をしたのがいけなかったのか、妊娠五ヶ月頃切迫流産になりかかった。
その頃からセックスの回数もかなり減り、私の性欲も減っていった。
旦那は夜遅くなる事が多くなった。
決してかっこよくない旦那。
浮気の相手も出来ないであろう。
その辺は心配していない。
稼がないとね。
口癖のように言っていた旦那。
仕事遅くまで頑張っていると信じて疑わなかった。
毎日お弁当作りで朝は5時起き。
帰りは遅くまで待っていてご飯の準備。
日中は子供を公園に連れていったりと専業主婦なりの忙しさだった。
旦那も頑張っているから私も協力しなきゃ。
旦那の為に私は頑張った。
2人目の妊娠生活は順調に進んでいた。
旦那も信用し、旦那の事は旦那にまかせていた。
小遣いも多めに渡し、通常に使っていれば余る位の金額。
それでも度々足りないと言うようになってきていた。
仕事で立て替えをしたから。
飲みにいくから。
と言われれば渡さない訳にはいかない。
一万、また一万と、元は旦那が稼いだお金だからと余り文句は言えなかった。
特に問題もなく、出産まであと少しの生活になった。
女は子供を産む度に強くなる。
出産するまでの数時間が私は好きだった。
強さを認識出来る時間。
産む事だけに集中して子供の為に頑張れる。
本当は弱い私の心。
いつも強さを求めてる。
その時は来た。
2人目はあっという間に産まれるよー。と聞いていたが、陣痛かなと思ってから数時間でどんどん痛みが増していった。
上の子を見ていてもらう為、母に連絡をしてから一時間、陣痛かなと思ってから3時間、私はまだ到着しない母を家で待っていた。
もう正座をしていないと出てきてしまいそうな程の激しい陣痛。
母の到着後すぐにタクシーで病院に向かい、歩けない程の陣痛に耐えながら入院手続きを済ませた。
私は車椅子に乗せられそのまま診察室へ直行した。
「もう8センチ開いてるね、分娩室いきましょう。」
それから30分後2人目の女の子が誕生した。
これからの夫婦の絆を更に強くしてくれる天使。
愛おしくて仕方がない。
旦那はすぐ分娩室に入ってきて、私の手を握りながらおつかれさまと言ってくれた。
今までの事を全て許せる。
そんな空気が流れていた。
2人目が産まれてから旦那は娘をとても可愛がってくれた。
私も子育てに追われて自分の時間も取れない程忙しくしていた。
この頃から体の異変が気になるようになる。
異変と言っても心の問題。それは私がただ弱いだけなんだと思い込んでいた。
度々あった、トラブル時になる動悸、吐き気、血の気が引く感覚。
この感覚がトラブル時でなくとも出てくるようになってきた。
それは外食をしていた時の事だった。
少し口にした後動悸が始まった。何となく気持ち悪くなりトイレに行く。吐く訳ではなくその症状が治まるまで深呼吸をしていた。
席に戻ると私は旦那にもういらないと言った。
「調子悪いの?もういらないの?蜜食べなくなったなぁ。ちゃんと食べないとだめだよ」
旦那は言った。
確かに食べる物や量は子供を産む前より確実に少なくなっていて、特定の物以外口にするとすぐ気分が悪くなったりしていたから旦那は少し心配していたようだった。
食べなきゃいけない。
残したらいけない。
でも食べると気分が悪くなる。
吐いたらいけない。
食に関して敏感になってきていた。
そんな私の目の前で、私の分も食べる食欲旺盛の旦那。見ているだけで気分が悪くなりそうだった。
私は母親だからしっかりしないといけない。
どんな場所でもそのプレッシャーが私を苦しめる事になる。
その後外食はわたしにとって辛いもの以外何物でもなかった。
食べられない、食べると気持ち悪くなると言う気持ちが頭に植え付けられ、外食をするとなると構えてしまう。
店に入っただけで食欲もなくなってしまう程症状は悪化していった。
ママ友達とランチなんて、私には苦痛だけ。
何食べようかなーとメニューを選ぶ余裕もない。
私は子供の世話をするふりをして飲み物だけを頼むようにしていた。
「蜜ちゃん食べないの??ダイエット中??私はダイエット出来ない人だからー」
心無い言葉にいつも苦しめられた。
食べないんじゃなくて、食べられない辛さはママ友には言えない。。
残したらダイエットと言われる。
食べたら気持ち悪くなる。
悪循環。。。
この症状は外食だけにとどまらず、バスや電車の乗り物に乗っている時やいつもと違う場所に行く時など色々な場所で出てしまうようになっていた。
子供の前ではしっかりしないといけない。
電車に乗ったら降りられない。
気持ち悪くなったらどうしよう。
そんな不安がいつでもつきまとっていた。
何で私はこんなに弱いんだろう。
でも無理しないと生活出来ない。
でも。。。
辛くて辛くて仕方ない。
人の誘いも断る事が多くなり、行動範囲も狭まっていった。
私は病気なのか。。
鬱とは違う。やる気はあるのに思うように動けない。
じゃあこの症状は何からきてる?
ネットで自分の症状について調べた。
当てはまるもの。。。
パニック障害。
嘔吐恐怖症。
神経症の症状にぴったりと当てはまっていた。
病院に行ってみよう。このままでは辛すぎる。
良さそうな病院を捜し行って見る事にした。
その夜旦那にその事を話した。
「娘が産まれてからほとんど食べなくなったよね。大丈夫?」
旦那は軽い感じで言って来た。
「でも俺はさ、鬱とかそういうのわかんないけど、結局は仕事したくないとか全てを放棄して甘えてる部分もあると思うんだよな、逃げじゃないけど、皆大変なのを我慢してるのに、病気で片付けるのもなあ。。」
私が辛いのも何かの甘えから来ていると言いたいのか。
旦那は理解できないのか。。。
俺は汗水垂らして家族の為に頑張っていると言わんばかりに自分の意見を私に押し付けた。
この時から外食だけではなく、旦那と食事をするのが苦痛でたまらなくなっていた。
食べられない私の分も食べる旦那。。
「出された物は残すなと親に教えられてきたからね」
この言葉は私を完全に否定している。
残したらいけない。
旦那に否定されようが、私の状態は変わらない。
変わらないどころか悪化しているようだった。
明日、いつもと違う事をする。
何日に約束がある。
など、先に予定が入るとその日まで食べ物をほとんど口に出来ない。
いつもと違う事をして何か症状が出たらどうしよう。
頭の中は先の事でいっぱい。
前日、当日は吐き気さえでてきた。
何故ここまで不安感に襲われるのか自分でも良くわからない。。。
一度はためらった病院もよく考え行く事にした。
それでもし解決に繋がれば。。
思えばこの数年、トラブル時にパニックと思われる症状がでていた。
気づかないだけで悪化していたのかもしれない。
それがここまでになってしまった。
病院へは旦那と子供も連れて行った。
大丈夫だと自分に言い聞かせながら。
病院は見た目全く普通の人が来ていた。
でも何かしらの症状を皆抱えているんだ。
診察室へ入り症状を話す。
「今は大丈夫ですか?....大丈夫じゃなさそうだねえ?」
その時私はかなり気分が悪かった。
先生はあくまで診察をし、有効な薬を出す役目。
カウンセリングはまた別に予約をとらねばならない。
そこで初めて有効な薬がある事を知った。
私は不安感を抑える薬を処方された。
「無理に大丈夫と思わなくていいんですよ。駄目な時は駄目だと自分に言い聞かせる事も大切なんです。余計疲れちゃうから」
旦那は理解しがたい表情でいる。
「旦那さんの理解も大切ですよ。これは甘えとかではなく。。。本人しか辛いのはわからないんです。それをきちんとわかってあげて下さい」
私は泣いていた。
先生のその言葉は沢山の患者にかけるお決まりの言葉でしかないのかもしれない。
それでも私は辛いのをわかってくれているんだ。
私が辛いのは私の甘えではないんだ。
私のこの気持ちは認められるんだ。。。
そんな思いで少し心が楽になった。
病院は次の予約をとり後にした。
私はあえて、カウンセリングを受けない選択をした。受ける事で何かが変わるとは思えない。
私はただ、症状さえなくなればそれでいいと思っていた。
旦那は言った。
「原因がわかってよかったね、俺お腹すいたわー。」
イヤ、原因はあまりわかってないんですけど。。
お腹すいたって......
私がどんな思いで病院に行ったのか、今どんな思いでいるのか全く他人事なんだろう。
子供もお腹すいたと言うし、仕方ない....
外食をしよう。。
私は初めて薬を飲んだ。
その薬は魔法の薬だった。
今までの苦しみが嘘のように症状はでない。
これで普通に生活が出来る!
本当に嬉しかった。
目の前で大盛のご飯を食べる旦那。
私はそれを見て思った。
何故私はこの人と結婚したのだろう。。
薬のおかげで生活は上手くいくようになってきた。
幼稚園に行くようになった子供は毎日楽しそうに過ごしていた。
毎日のお迎え、お母さん同志の立ち話。
私の生活は子供中心のリズムになり、ますますいいお母さんをしないといけない気持ちが強くなっていった。
親睦会や保育後の友達からの誘いに薬はかかせない。
飲むことで発作は出ない。
幼稚園のお母さん達には決して言わないと思っていた。
同情されるか....
大丈夫?と言われるか....
大丈夫じゃないから。
だけど時間は過ぎて行く。
私は母親なんだから。
同情されたくなくて、隠し通していた。
お母さん同志の付き合いや、いわゆるママ友とのランチで度々お金を使う日々。
旦那の収入は決して悪くない。
それでもほとんどが支払いに消えてしまい、私の貯金を崩して付き合いをしていた。
あんなにあったお金はどこにいっちゃったんだろう。。
ささやかな自分の時間に使う数千円のお金をもったいないと思う私とは違い、旦那はお金には無頓着だった。
「ちょっとパチで稼いでくるわ」
遊び程度のギャンブルと思っていた旦那のパチンコは、その時膨大な借金を作るだけだとは私は気づいていなかった。
いいじゃん、ぱーっと使おうよ!
こんな事を簡単に言う旦那。
お金がほしい。。。
本気で風俗も考えた。
でも私は子供の母親。もうそんな事はするべきではない。
あの事件があってから、二度と踏み込まないと誓った世界。
私は子供がいても収入が得られる内職を始めた。
一個やって一円にもならない。
それでもないよりはまし。
内職を始めて月2万程の収入が得られるようになった。寝る間を惜しんで月2万。。
風俗なら一日でそれ以上の収入。
でも私はもう昔とは違う、比べたらいけない。
旦那は私の内職を時々手伝ってくれていた。
自分は疲れて遅くに帰ってきて、それでも家族の為にと手伝ってくれた。
お金にはルーズでもそういう優しさは信じられていた。。
そういう気持ちになると旦那は私を落としてくる。
「会社で立て替えしてさ、お小遣い足りないんだ」
また???
「無理そうなら諦めるけど。。」
私が追加で渡してあげるのをわかっていての発言。
私もそれをわかっていた。
心にもない事言わなきゃいいのに。
あまりにも追加のお小遣いを請求してくる為、私は問い詰めた。
「ねぇ?パチンコとかに使ってないよね?」
旦那は否定した。
その代わりとんでもない発言をした。
旦那はパチンコではなく、借金の返済に使っていたのだ。。
もう借りられないはず。自己破産したらもう借りられないとばかり思っていた私は甘かった。
ヤミ金、未知の世界。
携帯金融と言う裏ヤミ金や電柱に貼ってある【お金貸します】の張り紙。
そんなヤミ金にとって自己破産者はとっておきのお客様だった。
総額150万。ヤミ金からの借金は利息が異常な程高く、本来借りたお金が払えず利息だけを払っているようなものだった。
何度目だろう....
子供2人、健康で明るくて無邪気な子供。
この普通の幸せを何故壊すのか。
私は始めてヤミ金に返済しに踏み込んだ。
「もう、うちの人に貸すの辞めてもらえませんか?」
意外と普通の人達を前に私も大きな態度をとった。
「奥さん、うちのお客さんはお宅の旦那さんみたいな人をお客様にしてるんですよ。そういう人に貸さなくなったら商売なりたちませんわ」
相手は笑っていた。
悔しかった。
こんなとこでお金を借りた旦那を心から憎んだ。
旦那のどんな優しさも借金という最低な行動ですべてかき消されていた。
旦那は借金を重ねた。
義母に頼み込み150万ものお金を借りた時にはその倍の借金があった事を後から知った。
お金が入ると自分のものだと思い込む頭の悪い旦那。
お金がほしい。
もっと割のいい仕事が出来れば。。
でも子供がいる。
外に働きにはいけない。
内職の効率の悪さに在宅ワークを調べ始めた。
意外とヒットし、ねずみ講らしきものにも手を出した。対してお金にならないのと違法だったのを知りすぐに辞める。
【お子さんがいても大丈夫。空いた時間お小遣いを稼ぎませんか?時給最大5000円。】
こんな広告が目にとまった。
家にいてできるこんなオイシイ仕事なんだろう?
検索するとチャットレディというものが沢山出てきた。
同時にヒットしたのが、ポイントを換金出来る、ブログを書ける、そのブログは裏のブログ、いわゆるエッチな事も堂々と書いてポイントも貯まるというサイト。
リアルに会う訳ではない。ネット上なら抵抗はなく出来ると軽い気持ちでブログのサイトとチャットレディに登録をした。
久しぶりに女としての姿を出す自分。
お金の為。。。
ブログサイトはチャットして何ポイント、ブログを書いて何ポイント、メールが来て何ポイントといういわゆる出会い系も入ったようなもので、写真付きのブログを書くと、何件かメールが来た。
出会いは全く求めてなく、その中でのnatuという私を作りポイント稼ぎだけを目的にしていた。
その中のチャットはとても効率が良く、文字で話すだけでポイントがどんどん貯まっていく。
夜や時間の空いた時チャットで文字トークしていた。
私が待機していると入れ替わりに会話してくる男達。
数日やっていると、話した事のある人達が入ってくるようになった。これはこれで話も続けられポイントも貯まる為嬉しい事だった。
その中で結構な頻度で話す相手がいた。
裕30歳
ポイントを稼ぐにはありがたい人だった。
この人は今までに接した事のない初めてのタイプで私にとって何時の間にか楽しみになっていた。
会いたいとか好きとかの感情は全くなく、ネット上でのサイト内で話す相手。
ただそれだけの関係。
のはずだった。
チャットレディの登録も無事に出来、子供が寝た後パソコンに向かう生活になった。
パソコンに取り付けたカメラに向かって男と話す。
それだけで分給60円。
1時間話せば。。。
初めは全くわからなく、相手の男に教えてもらう始末だったが、逆に慣れていない感がいいのか、新人マークがついている私はお客が入れ替わり入ってきた。
「結婚してるの?」
この言葉にいつもいいえと答えた。
私はその中でも架空の私を作った。
ただ話がなかなか続かない。
私にとって話す事より脱ぐ事の方が簡単だった。
でもそこは脱ぐのは禁止。
そもそも初めは何が良くて何がいけないのかわからず、ただおどおどしていた。
待機をしている時間は給料に加算されない。
時間は過ぎて深夜に及ぶ事も度々あった。
それでも私はお金がほしかった。
ブログサイトは私の書いたブログにコメントをくれたりチャットで世間話をしたりと結構楽しいものだった。
裕とも週三回は長々と話、そのうちにアドレスを聞いてくるようになったが、私はそれをしたらポイントが貯まらないと教える事はしなかった。
でも話していくうちに、私の昔の話やエッチな話も楽しく話す事が出来、チャットは裕と、というのが私の中でのパターンになっていた。
お互い結婚しているのは内緒。
もちろん子供がいる事も。
言えば大事なお客さんを無くすと思っていた私。
私はnatuというもう1人の私を崩す事は絶対にしないと誓っていた。
もし崩せば私情が入る。
そうなれば面倒な事になるのはわかっている。
私は結婚して子供がいる。
お金の為と割り切らなきゃいけない。
裕とどうこうなりたいなんて全く考えないし考えたくもない。
旦那がいる時は全てのネットは休止。
旦那との時間を作ったが退屈なもので、お金関係で喧嘩もするようになっていた。
「俺は家族の為に汗水流して働いているんだ!」
「だから借金作ってもいいって言うの?!」
こんな言い合いは日常茶飯事。
チャットしたいなぁ。。。
お金が稼ぎたい。
私のお金に対する執着はエスカレートしていった。
同時に裕と話さない日が物足りなくなっていた。
チャットに入らない日が2日も続くと、久しぶり、と裕は色々な事を話してくれた。
そして、エッチな事は会話だけでなく、写真を交換したりし始めた。
いつかは会いたいと言ってくるに違いない。
風俗をしていたと言うのも言ってある。
割り切って。。という感情だけでも会いたいと言う日がいつかは必ずくる。
早く結婚している事を言わなければいけない。
それでお客さんではなくなってしまうとしても、裕を騙す事は罪悪感で一杯になっていた。
実は。。結婚して子供がいる。
私は裕に言った。
「俺も子供いるよ、離婚してるけど」
意外な反応が来た。
今の状況でも前と変わらず話をする裕。
旦那の事や子供の事、私がパニックを持っている事も話した。
裕は私と同じくパニックや鬱を経験していた。
共通点が沢山出来てしまった。
でもネット上からそれ以上の関係は絶対に持たない。
会話は盛り上がっていたが、私の個人的な連絡先などは変わらず教える事はしなかった。
裕と会話をしながら、チャットレディの待機もし、同時進行していた。
チャットレディも慣れて来た頃、どうしたらリピータが増えるか考えていた。
男が女にお金を払って求めるものは会話ではない。
男が求めるものは裸、エロい行為.....
画面で見て興奮する。
自慰行為を見せつける。
風俗よりも手っ取り早く性欲を解消出来る。
私には理解し難かった。
男の性欲はどこでも解消できる自由さをある意味羨ましいと感じた。
旦那とは特に会話もなくなり、旦那は泊まりも多くなってきた。
仕事とは言いながらパチンコに明け暮れているんだろう。。
裕とは相変わらず写真を交換したり、旦那の愚痴を言ったりの関係だった。
チャットレディは行為がだんだんとエスカレートし、ちょっとHな待機をして客を誘った。
夜の楽しみが出来た事で私の生活も充実していった。
裕は私をとても心配してくれていた。
旦那との関係や病気の事。
ある日何故離婚したかという内容になり、死別という事を知る。
私は何も言えなかった。
ただ今は彼女がいる生活をしていると言った。
それでも時々見せるさびしそうな姿。
顔は見えなくとも、打っている文字がさびしさを表していた。
私は同情していた。
彼女がいてもさびしい裕に同情していた。
同情からか、チャットではなく、直接アドレスを交換してメールをする事になった。
可哀想な人。
ポイントは関係なく、ただこの人と普通に話をしてみたい。
この私の気持ちが新たな道を作る事になる。
裕もまた、私に同情していたのか。
子育てに追われ、旦那で苦労している可哀想な人。
きっとそう思っていたに違いない。
無理するなよー。
度々裕は言った。
その言葉嫌い......
そんな事は言えなかった。
私の苦労は私にしかわからない。
時々冷めた感情を持ちながらも、何も知らない裕を責める事はしたくない。
ネットだけの関係の人にそこまで言う必要はないとただ会話の時間を楽しんだ。
やりたい事はすべてやってきた。
だからこれから何かやりたいとか、独身で自由の子が羨ましいとか、そういうのはない。
ましてや、異性と仲良くなろうなんて思ってもいない。
そんな余裕もないし、私はこの先も母親として生活をしていく。
そう決めていた。
無理なんかじゃない、それが本音。
チャットレディをやっていたからWebカメラが家にある事を知った裕は私とカメラでのやりとりを要求してきた。
動画での付き合い。
初めて動く裕の姿を見る。
接続方法や、細かいやり方など、裕は優しく教えてくれた。
子供が途中で起きれば「いっておいで」と母親の私も受け入れてくれていた。
その優しさに私は嬉しい気持ちになった。
長い時間待たせても画面の向こうで待っていてくれている裕。
身近にいる旦那とは全く優しさの度合いが違い、その優しさに甘えていた。
旦那は私のこんな姿を想像もしていないだろう。
これは浮気ではない。
会わなければただの知り合いで終われる。
自分の生活を守る為の越えてはならない一線を絶対に越えない。
心に強く誓う。
旦那が久々に帰って来た時はセックスをしていた。
もちろんする相手は旦那しかいない。
この時だけは愛があった。
体を重ねている時だけは。。。
結婚生活、もっと大切な事があるのに、セックスの時だけ愛する。
私の求めていた結婚とはかけ離れた行為。
裕と話したい。
体を重ねる快楽より、裕との会話を求めていた私。
思うだけなら浮気ではない。
でも旦那には決して言えない。
私は自分を正当化していた。
自分を守る為の行為。
皆自分を守りたがる。
だから本音で付き合えない。
今の生活が壊れるのが怖くて良い人を演じる。
疲れない?
疲れるのが当たり前なんだよね。
踏み出してしまえば壊れるかもしれないもんね。
無理しなくていいんだよ。
そのままの感情出せばいいんだよ。
出したらどうなるの?
何かあったら助けてくれる?
誰も....助けてくれないよね。
励ましの言葉なんていらない。
頑張れって。。幸せになれって。。
どう頑張ればいいの?
頑張って壊れたら助けてくれるの?
こんな心になってしまったのはどうしてなの...
チャットレディの収入はたいして多くない。
待機している時間は給料に入らないし、会話が続かなければすぐに相手は落ちてしまう。
どうすればもっと稼げるのか。。
私はH専門のチャットレディに登録をした。
そこはグループで話す事が出来、それを覗く事も出来る。2人で話したいと思えばツーショットチャットにして、外からは見えないように出来る。
2人になれば、大胆な行動もするような所だった。
相手は、「○○見せて、おっぱい揉んで」など要求してくる。
そこでマニアに出会った。
「洗面器もっておいで」
私は言われるまま洗面器を持ってくる。
「そこにおしっこしてごらん」
!!!!!!!
自分の家で、パソコンに向かって見えるようにおしっこ。。。
相手は手が届かない所にいる。それでもこの恥ずかしさは半端ない。
「え、本気で言ってるの?」
相手は私を冷静に見ている。
沈黙....
「見たい」
ここで出来ないと言えば回線が切れる。
でも流石に私のプライドも。。。
私ははいていた下着を脱ぐ。
プライドよりお金を選んだ。
洗面器にまたぎ、うつむく。
「こっち見て。出そうになったら言って」
相手は自慰行為をする訳でもなく私を見ている。
見られている。。。
そうだ、私は見られる事に興奮するんだ。
以前の自分を思い出してしまった。
待つこと数分、ついにその時が来てしまった。
あ....出そう...
そう言うと、相手は身を乗り出して見てきた。
洗面器に放出される。
「あーーー!出てる出てる!!!」
興奮している相手。
冷静に考えて見れば難しい事ではない。
いつもしている自然現象を人の前で、しかも画面越しにすれば良いだけの話。
相手は満足したのか、また来るよと言い残し回線は切れた。
接続時間約30分。
2400円稼ぐ。
男は女が少しでも長く繋がっていたいのを知っている。
だから余計な会話をしたがらない。
私もそれは解っていた。
だから面倒な会話はしない。
この時の私は脱ぐ事に抵抗はなくなっていた。
待機はキャミソールなど露出が多い服でして相手を誘った。
待機と同時に裕とも会話をしていた。
「今日はセクシーだね?」
裕に隠す事なくチャットレディで待機していると言った。
裕がどう思ったかはわからない、でもサイトや名前を教えてほしいと言う裕は、私を特別な人とは思っていなかったはず。
彼女がいる裕と旦那がいる私。
お互い都合の良い時の話し相手。
そう割り切っていた。。。はず。。
現に私はサイトで相手と繋がれば裕との話をやめた。
お金を選んでいた私。
割り切る気持ちは忘れてはいけない。
チャットは思うようにお金にはならなかった。
男性用は要求がのめないとすぐに回線を切ってしまう。
分給の世界は甘くない。
皆どうやって稼いでるのかと他の女性を見て見たり。皆、化粧をばっちりして、ベッドの上で待機したりと工夫していた。
私もスポットライトをつけてみたり、可愛い下着をつけてみたり工夫するようにしていた。
そして常備したのは
ローター。
ローターでしかイケなかった私は逆にそれを武器にした。
待機中、ローターを見える所に置く。
男性からはそれが目につくはず。
一分数十円のある意味馬鹿馬鹿しい世界でそこまでするのもと思ってはいた。
それでも少しでもお金が欲しかった。
前みたいに自由に働けない私はこうするしかお金を稼ぐ事は出来ない。
お金は私を裏切らない。
旦那に対して罪悪感はない。
あなたが使うから私は得る、それだけの感情。
現に旦那は懲りずにパチンコで借金をしていた。
私はそれに気づかないまま分給いくらの世界でコツコツ仕事をしていた。
子供を預けて仕事をするにも手続きが大変そう。
保育料だけで給料終わりそう。
今更きちんと仕事をする勇気もない。
外に働きに出る事への抵抗。
一歩踏み出す勇気がなかった。
それに旦那は働く事は反対だった。
自分が家族の為に稼いでいるのにまだ足りないのか。
自分本位な発言にいつもイラついた。
誰かに相談したかった。
でもお金が関わると他人ではどうにもならないのはわかってる、だから誰にも言えなかった。
がんばれって言ってほしくなくて。
裕にももちろん深い話はしなかった。
裕は私の事を心配してくれていた。
でも裕には彼女がいる。
私の事を気にかける分、彼女の事を気にかけてあげる事が正しい事だと思ってた私は、私は大丈夫と表現する事で裕に深入りさせないようにしていた。
裕は私に子供を交えて会わないか?と言ってきた。
それはネットの中の人からリアルな知り合いになってしまう微妙な境界線。
私はいつかはねと言い言葉を濁す。
過去の私も今の私も知ってしまっている裕と会う事は、例え子供を交えても会ってはいけないと決めていた。
Hな私も知っている。
パパであっても所詮は男。
何かを求められても答える事は出来ないし、求める事もするべきでない。
したくもない。
パソコンを通じてならいくらでも誤魔化せるし、傷つける事もしない。
裕とはそんな関係のままでいるのが当たり前だと思っていた。
どうせ、何も助けてはくれないのだから。
- << 398 実際に会う不安もあった。 美化している自分。私は二児の母。 会わなければ美化したままで話をする事が出来る。 でも、その時はやってきてしまった。 HIROと初対面。 それは今までにない衝撃的な出会いで、私の中の何かを変えていった。
初めは家の場所も自分の事も嘘で話していた。
どうせ会わないし、特定されても困る。
でも、裕の優しさと話をしていくうちに出来た少しの信頼感で嘘をついていた事も正直に話した。
偶然にも、私の家の近くの施設を知っていた裕。
「会いに行っちゃおうかな笑」
冗談ぽく言う裕に私も冗談ぽく返していた。
私は内心動揺していた。
本当に来てしまったらどうしよう。
子連れとは言え、結婚してから男と子供を交えて交流した事はない。
まだ小さかったとは言え、子供に会わせるのも抵抗があった。
しかし。。。
裕は近くまで来てしまった。
本当に来てしまった。
チャットから始まった関係、家庭の事から子供の事、Hな事まで旦那には話さない事を話し、何時の間にかチャットをしている時間が楽しくて心地よく、稼ぐ対象から離れていった裕の存在。
子供がいるからシングル同士の友達として話せばいい。
自分に言い聞かせていた。
子供と共に私の目の前に来た裕にかけた第一声。
「ホントに来ちゃったんだ。。。」
来ちゃったよ。
裕も笑っていた。
初対面で家に入るのは異例だと自分で思った。
裕に子供がいた事で抵抗がなかったのかもしれない。
子供は子供同士遊び始めた。
なんだろう?このありえない光景。
「よくわかったね、ここ」
当たり障りのない話を遊んでいる子供を眺めながらした。
突然裕は子供の死角になる壁に私を引き寄せ、私を抱きしめた。
部屋に入り数分しか経っていない。
ちょっと?!!!!
かなり動揺している私。考えてもいなかった、こんな状況。
裕は強引にキスをしてきた。
まって!!!!!!何なの?!!何で?!何この人?!!
裕の力は強く私の感情も整理できず、どうする事も出来ない私。
彼女が。。いるんだよね?!
私は。。旦那がいるんだよね?!
何してるの?この人は?!!
そう頭で思いながらもドキドキがおさまらない。
私は裕から離れ、台所へ行った。
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