無理しないでね
無理してないよ。。
無理しないとやっていけない時もあるよ。。
無理な時、誰か助けてくれるの?
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AVの女の子は皆同じ扱いをされる。
楽しくないギャグで笑わせたり、ワガママにも付き合う。
お世辞だって山ほど言う。
そんなスタッフ達が可哀想だった。
AVに出てたって私は私。性格まで変わらない。
自分の事は自分でやりますから。。
スタッフに対して敬語で話す私に、
「かしこまらないでいいよ。無理して敬語使わないでね~」
と良く言ってきた。
初対面、年上、敬語で話すのは当たり前じゃないの?
無理しないでって。。常識の行動してるだけなんですけど。
よく分かんない、言ってる事が。
そんな事を考えながら、仕事をしていた。
その日は、私にとって、また新たな出会いがあった。
仕事に行く途中、駅の改札を抜けると、視線を感じた。
あの人が見てる。。
今にも声をかけてきそうな30代前半の男。
思った通り、
「すみません、ちょっといいですか」
と声をかけてきた。
仕事に行くにはまだ時間もあり、つい、
「何ですか?」
と言ってしまった。
相手は話始め、
「絶対稼げる仕事を紹介する。」
と言ってきた。
またアダルト事務所なのか?
「もうビデオやってますから」
と言うと、
「え!本当に?凄い、すぐ売れっ子になるよ!」
と言った。
AVではなかった。
そのスカウトは、風俗だった。
話を聞くと、仕事の内容は簡単だった。
席で男の人をイカせるだけ。脱がなくていい。嫌な事はしなくていい。
これがピンサロというものだった。
時間もあったので、お店だけでも見にいってみる事にした。
大音量の音楽に、マイクでDJぽく喋ってる人がいる。
店の中は、ボックス席になっていて、隣は丸見え。
ブラックライトが照らされていた。
カーテンだけの仕切りで、女の子達が待機してる。
30代前半ぽい。。
実際のサービスを見てみたら、男の人にまたがり腰を振っている人、モノをくわえてイカせようとしてる人、恋人同士のようにキスしてる人、色々な事をしていた。
従業員の女の子が、マイクを持っている人にむかって、ピースをした。
??????
「えりなさん、Vサインおめでとう!」
いきなりマイクで言った。
何か良くわからない世界だけど、楽しそう。
体験入店だけでもと言われたので、後日やってみることにした。
AVの仕事が休みの日、体験入店へと店へ足を運んだ。
「待ってたよ~」
と言うと、ポラロイド写真を撮られ、写真指名用に張られた。
風俗では、講習というのがあるらしい。男の従業員相手に実際のお客さんのように接するみたいだ。
攻めるのにあまり慣れていない私は、コツなど教わり、最後は口でイカせた。
講習は終わり、実際にお客さんを相手する事になった。
新人扱いの為か、写真指名待ちの人が沢山来た。
なぜこんなに指名が来るのか、私の写真のオススメコメントに、
「現役AV出演中!!」
と書かれていたからだった。
その事は私は知らなかった。
体験入店は終了した。
手にしたお金は2万。
簡単だけど、面白みはない。
でも、私は働いてみることにした。
気に入ったのは、従業員の事を女の子達が気遣っている事。
自分の事は自分でやっている事。
待機している子達はごく普通の話をしている人で、特別な感じはしなかった。
私は、掛け持ちでピンサロの仕事を始める事になった。
週末、事務所にお金を取りに行った時、掛け持ちの事を話した。
マネージャーから意外な言葉がかえってきた。
「みぃちゃんは、どうして風俗で働く事にしたの?」
否定でも肯定でもない。
質問。。。
AVの仕事に少し疲れていたのかもしれない。
私とは合わない女の子達の中で、気を使われる立場の中でいる時間が多くなった生活が窮屈になっていた。
そんな事は言える訳でもなく。。
「そんなにお金に困ってるの?みぃちゃんの無理のないように仕事してもらってるつもりなんだけど」
仕事と言ったって、面接が多い。
現場に行ったって回りの環境が悪い。
何を無理の基準にしているの?
私は楽しく仕事がしたいだけだった。
楽しければ毎日でも仕事をしても良かった。
私にはありきたりのただ優しい言葉を並べている中身のない発言にしか聞こえなかった。
でも確かにお金の事はあった。
困っている訳ではなかった。
お金がただ欲しかった。
通帳にたまっていくお金を見ると何だか安心した。
マネージャーには本当の事を言えないまま、その話は終わった。
次の日レンタルされる予定の大きな仕事が入った。
題名は「エッチ」
台本的なものもあり、エロい言葉を並べたセリフが沢山書いてあった。
台本通りに言えるとは思わない。
それでも私は必死に覚えて撮影に望んだ。
撮影当日がきた。
朝8時集合。
10時撮影開始。
それまで、用意してあった朝食を食べたり、メイクや打ち合わせをした。
女の子は私1人。。それに対して男優5人。。
撮影と解っていながらも、ドキドキがおさまらない。
台本通りだとすると、一気に攻められる訳ではなく、順番に攻められる。
私は彼達を、ご主人様と呼ぶ。
撮影が始まった。
1人相手にしていると、また1人乱入してきた。
三人でのプレイ。
疲れる。。
私は交互に男優のモノをくわえた。
するとまた1人乱入し、結局30分も経たないうちに全員と絡む事になってしまった。
これは私は知らなかった。
5人対私の絡み。
口が疲れる。
緊張はイライラに変わっていった。
この口での奉仕が終わったら、まさか、5人相手に。。。
思った通りの結果になった。
全く台本なんて関係ない。
ある意味騙された。
でも今はそれを表に出してはいけない。
5人から触られ、遊ばれ、挿入は幸い1人だった。
撮影は終わった。
監督が話かけてきた。
「みぃちゃん、台本通りじゃなくてごめんね」
実は、今日の撮影はこういう展開になるのは私以外は知っていた。事務所も知っていたらしい。
ハプニングな表情が撮りたかったようだ。
この仕事も信用出来ない。
もうやめようと決めた瞬間だった。
後日事務所にお金を撮りに行った。
「しばらくお休みします」
私は言った。
社長は、
「無理しちゃダメだって言ったのに。。しばらく仕事入れないから休んでいいよ」
と言った。
無理しないで、
無理しちゃだめ、
もう、聞きたくない。
この日を最後に私は事務所には行く事はなかった。
副業のピンサロが、私の本業になってしまった。。
しかし、手元に来るお金は本当に少なかった。
性的サービスをしているのに、写真指名で500円。。。
1人につき、2500円。。。
それでも居心地は良かった。
仕事後、皆でご飯を食べたり、プライベートでも会ったりした。
私はAVに出ていたと言う事で指名が多かった。
でも回りはそれを気にする事なく、私に接してくれた。
こういう世界、もっと妬みとかあると思ってた。。
仲良くなれた事が嬉しかった。
仕事自体はとても簡単だった。
AVの半分以下の体力で済む。
照明も暗く、40代でも年は全くわからない。
ホールは、ブラックライトで照らされている。
シャワーも入らないで、おしぼりだけで拭いて舐めるのは、いつまでたっても慣れなかった。
ブラックライトに照らされた男のモノは、汚れていると汚れが白く浮かび上がり私を憂鬱にさせた。
私はここで何百人ものの「アレ」をいかせた。
口にコンドームをくわえて、上手くかぶせる技?も学んだ。
相手の攻めを上手くかわして、攻めていく技術?も学んだ。
私の口のテクニックはかなり上達し、くわえれば五分と経たずイカせる事ができた。
ある日、待機の部屋で他の風俗の話がでた。
「やっぱ個室待機がいいよね~、周りに気を使わないでいいし。」
個室待機。。
自分だけの部屋で好きな事ができる。
ご飯を食べたり、化粧を直したり。
確かにいいかもしれない。
私はその日、風俗の求人募集を見てみた。
どれも似たり寄ったりの事が書かれていた。
個室待機。
派閥なし。
大三枚保証。
自由出勤。
罰金なし。
送迎あり。
後は業種。
イメクラ、ソープ、ヘルス、ピンサロ。中には見るだけ、会員制コンパニオンなど、謎ものもあり、見ているだけで楽しかった。
次の日、待機中に女の子と一緒にその求人を見ていた。
「イメクラって何するか知ってる?」
私が聞いた。
「イメージプレイみたいだよ」
イマイチ実感がわかなかった。
イメージとは何をイメージするんだろうか?
仕事が終わった後、仕事場付近の風俗が密集している場所を見に行った。
地下へ下りていく1つの店、雑誌にのってたイメクラだ。
何となく中が気になって、覗いてみたりしたけど、全く見えない。
私は思い切って階段を下りていった。
「いらっしゃいませー!!。。あれ、何か?」
「あの、雑誌で見て、たまたま通りかかって、イメクラってよく知らないんですが、何をするのか教えて頂けたら。。」
店員はびっくりした顔をしていた。
「珍しいね、飛び込みで来る子はあまりいないんだよ。今暇だから、部屋みてみる?」
私はお願いしますと部屋を案内してもらった。
個室にはなっているものの、壁は薄く、仕切りはベッドに上がれば隣が見えてしまう高さだった。
部屋のデザインが色々違うようだ。
次の部屋を開けると。。。
電車セット。。笑
本物そっくりの長椅子に吊革、網棚。壁は鏡張りになっていた。
という事は、ここで痴漢プレイをするんだ。
次の部屋は、透明な板の上に便器がセットされている。便器の底は筒抜けになっていて、プレイの想像がつかなかった。
「ここで何をするんですか?」
と聞くと、
「お客様が便器の下に顔を入れて、おしっこを浴びるんだよ」
という回答。
聖水プレイと言うらしい。
イメクラってスゴイな。。ある意味AVと似てるかも。
そして次の部屋に行こうとした時、別の部屋から声が聞こえてきた。
「あっあっいいっ!」「私にも舐めさせてぇ」
声が筒抜け。
「頑張ってますね」私は冷静に言った。
「仕事事態は慣れれば楽しいと思うよ、あの子もまだ新人なんだよ」
店員は続けて言った。
「面接っていう形でいいかな~是非働いてほしいな~」
私は「考えます」と言い、店を後にした。
もしあの店で働いたらおしっこプレイが待っている。。
AVの時から苦手なプレイ。
おしっこを出す為に水分を沢山とり、撮影はおしっこ待ち。。出さなきゃとなると出なくなるものだ。
人前でのおしっこは本番を見られるより恥。
あの店では無理だな。。。
私は諦めた。
帰ってからも雑誌を見て、いいとこはないか、探していた。
次の日、女の子に昨日の出来事を話した。
「うーん、初めてのイメクラにしてはハードだよね」
確かに。イメクラはもっと簡単なものかと思っていた。
ただ女の子が言うには、電車のセットは結構基本らしい。
私はこの電車も苦手だった。
アイマスクをつけなければならなかったから。。
暗い所が苦手だった。
イメクラは無理かと言ったら、
「中にはコスプレ中心の所もあるし、探せばあるよ」
と言われた。
もう少し探してみる事にした。
新規オープン。
スタートは皆同じ。
私の好きなオープニング募集を見つけた。
電話をしてみると、感じの良い人が出た。
「ご応募ありがとうございます。では一度面接に来て頂きたいのですが、いつがよろしいでしょうか?」
すごく丁寧な言葉遣いに好感がもてた。
今日の出勤前の時間に行くと伝え、電話を切った。
出勤前、店に行くと笑顔で挨拶をしてくれた。
「こんにちは!」
私は店の奥に通され椅子に座った。
新規オープンだけあってすごく綺麗な店だった。
シャワーもある、衣装部屋もあり、居心地は良さそうだった。
私から言う事は希望時間帯位だった。
相手は色々質問してきた。
「今の仕事は?」
「出来る事出来ない事は?」
「いくら稼ぎたい?」
「交通手段は?」
など聞かれ、具体的に答えた。
ただ、いくら稼ぎたいかと言う質問には悩んでしまった。
いくら稼げるのかわからない。出来れば多くとは思うけど。。。
「こういう仕事は大体お金に訳ありの子が来ます。ただお金がほしくて何となくやる子はあまり続かないんですよ」
なるほど。。
訳ありの子なら稼ぐ為に簡単に辞めたりしない。
店員は続けた。
「せっかく目当ての女の子に会いに来て頂いても、すぐに辞めてしまうとお客様はもう来なくなってしまうんです。お客様を裏切る事になるんですよ。店側も働きやすい環境を作るように頑張るので、出来るだけすぐに辞めてしまいそうな子は採用出来ないんです。」
しっかりしてる店だなぁと思った。
お客さんの事も考えてるんだ。
「もちろん働いて頂けたら優遇します」
と店員は言った。
この店にはマットプレイがあるらしい。
私はどんな事をするのか想像つかなかった。
最初に店員相手に講習をするらしく、基本的な流れは教えてもらえるようだ。
「私はお金の事もありますが、エッチな事が好きなんだと思います。だから楽しく仕事をしたいと思うので、よろしくお願いします」
と言った。
「珍しいですね(笑)では体験入店と言う形でやってみて下さい」
と店員は言い、講習から始めてみる事にした。
次の日に体験入店に来る事を伝え、そのまま仕事場に向かった。
仕事は普通にやり、店長に別の店で体験入店する事を伝えた。
「俺も行こうかな(笑)でもハルちゃん辞めないでね」
と言われたが、私は辞める気持ちはなかった。
「講習があるから、それで無理そうなら働きませんよ」
と言った私の言葉に店長は、
「講習ねぇ、ただ男がやりたいだけでしょ、どの店も講習って言うけど、普通にやりたいだけだよ、本番強要されないように気をつけてね」
本番強要してくる人がいるんだ。。
店長の言葉を忘れる事なく行こう。
そして次の日。
「こんにちは!」
店員からリクエストの多いセーラー服を渡され、着るように言われた。
準備をして、迎える所から始まった。
お客さんの荷物をカゴに入れ、上着をハンガーにかける。
ここで少し会話。
シャワーに行く為服を脱ぐ。
お客さんが恥ずかしくないように、タオルで大事な部分を隠してあげるらしい。
私も服を脱ぎ、部屋を出る。
「シャワー入ります」
他の部屋の子と鉢合わせにならないように声をかけるらしい。
シャワー室では、石鹸は全身使って良いか聞く。
丁寧に洗い、その場で男性のモノをくわえる。
イカせるのではなく、気分を高める為のようだ。
講習とは言え、相手は男。モノは元気になっていた。
「名前決めてなかったね、何がいいかな」
「何でもいいです」
「じゃあタエちゃんで」
私はタエになった。
「タエちゃん、お口でやるの上手だね」
店員は明らかに興奮していた。
部屋に戻ると店員はベッドに横になった。
ここでタイマーをかける。サービスは30分。
初めはキスから。
妙に抵抗があった。
その後全身を舐める。指の先からつま先まで。
意外に気持ちいいのが、膝裏と指部分だった。
その後大事な部分を攻めていった。
口では基本的に抜かないらしい。
素股。。
こんな事初めてした。
難しく、苦手になりそうな行為だった。
「素股は慣れだからね、でも無理にやらなくても、口でイカしても大丈夫だよ」
でも素股は基本サービスに入っている。
何とか上手くならないと。。
そしてマットの講習が始まった。
全身に海草が成分らしいローションをぬり、体を密着させ、何とも言えない行為だった。
マットは時間も長く、料金も高い。
しかしサービス時間内で終わらせるには手際よくやらなければならなかった。
講習は終わり、採用が決定した。
私は写真指名用の写真を撮った後、店を出た。
外は快晴。
私は太陽を浴びるのが好きだった。
日中太陽を浴びる事は少ない。
待機部屋は窓もない。
ピンサロは昼間でも店内は暗い。
何もしなくても、太陽の下を歩くのは幸せだった。
帰り道、高校の時良く行った電話ボックスの前を通った。
懐かしい。。
あの頃の私は今から考えれば、やる事がかわいかったな。。
しばらく歩いて、ピンサロの前を通った。店員が私を見て微笑んだ。
店長が「今日休み?」と周りを見ながら声をかけてきた。
いかにも風俗の女の子と見られないようにしてくれた。
私は決して派手ではなかったけど、風俗が特別な世界とは思わなくなっていた。
そして店長に呼ばれ裏から店に入った。
「ハルちゃん、ここ辞めないでよ~。無理のない程度でいいから、頑張ってきてね。今女の子少ないんだよ」
と私に言った。
女の子が少ないと言う事はお客さんを待たせる事になる。そうなると売上も落ちる。
無理しないでと言えば、優しい言葉と思ってるんだろう。。
私が店長ならそんな言葉使わない。
「無理してでも来るべきだ。かけもちをしてるのは自分なんだから。」
きっと本音はこうなんだろう。
明日から新しい店で仕事が始まる。
このピンサロでも週二回は働く。
無理してないよ。
働きたいから働くだけ。
限界は自分にしかわからない。
だから、無理しないでねって言わないでほしい。
無理してないのに、無理しないでねって言わないで。。
次の日も快晴。
初めてのイメクラ出勤。
私に出来るだろうか。
緊張と不安で一杯だった。
どんな事でも、初めての事は極度に緊張する。
出勤時間までカフェで何本も煙草を吸った。
もう時間だ。。
私は店へ続く階段を降りていった。
階段の途中、私の写真が額に入って飾ってあった。
ご丁寧に、
「newface」
とシールが張ってあった。
「おはようごさいます!初出勤頑張って下さいね。部屋は五番で。」
部屋の鍵をもらい、中で準備を始めた。
「どうか、お客さんが来ませんように。。。」
仕事しに来たのに、緊張のあまり、こんな事を考えていた。
そして部屋の電話が鳴った。
「写真指名60分お願いします。感じの良さそうな人ですよ」
「はぁ、緊張します。。」
「頑張って下さいね」
電話を切り、準備を始めた。
準備が出来た。
フロントにコールをする。
「ではご案内します」
トントン。
ドアの叩く音。
私はドアを開ける。
そこにはスーツを着た背の高い男性がいた。
「はじめまして、タエです。どうぞ。」
私は男性を部屋に入れ、話を始めた。
「今日からでかなり緊張していて…しかも初のお客様なので、至らない点があるかと思いますが…」
お客さんは、
「ある意味バージンだね。だから指名したんだよ。まずどうしたらいい?」
お客さんは風俗には慣れている感じがした。でも、がっついている訳ではなく、私が慌てないようにリードしてくれた。
服を脱ぎ、シャワーへ向かった。
「石鹸は普通に使っていいからね」
私が聞くより先に言った。女の子がその場その場で言う言葉をわかっているようだった。
私が男性のモノを舐めようとした時、
「ここではしなくていいよ、お楽しみは後でとっておきたいんだ」
と言った。
調子狂うなぁ。。と思いながらも早々にシャワーを終え、部屋に戻った。
ここから彼のサービスが始まった。
お客さんは腰に巻いていたタオルをとり、私をベッドへ寝かせた。
唇から胸、足、へとお客さんは舌を這わせていった。
「タエちゃんかわいいよ…シックスナインしようか」
私はお客さんの上にまたがった。
「タエちゃん…すごい…」
その言葉を聞いて私の中のSの血が騒いだ。
「まだイカせてあげない…」
私が指先から足先まで唇を這わせると、お客さんのモノからは透明な液体が溢れてきた。
お客さんが感じてる。
さっきまで極度の緊張に襲われていた感情が嘘のように、私はお客さんを攻めた。
感じている姿を見るのが快感で仕方なかった。
「こんなに溢れてるよ。舐めちゃおうかな」
と言いながら、手は玉を攻め、丁寧に舐めはじめた。
だんだんと大きくなるモノは生き物のようだった。
私が舌を這わせる度に反応する。
「もう我慢できない、このままイカせて」
お客さんの言葉に、じらしつつ、フィニッシュした。
あ、素又やってない。。。
本番を思わせる素又でイカせるべきだった。。
私は冷静に思った。
「いや~気持ち良かったなぁ。タエちゃん初めてとは思えないなぁ。」
お客さんは言った。
「そう言ってもらえて良かったです。初めてで緊張しました」
私はそう言いながらも、心の中で、
「この先AVをやっていた事をお客さんに言うのは止めよう」と思った。
素人っぽさと新人と言うのがお客さんには受けるみたいだ。
「また来てくださいね」
手を振ってお客さんを見送った。
私の初接客は無事に終わった。
でもこれから色んなタイプのお客さんが来るだろう。その人が満足に帰れるように、型にはまった接客ではダメな気がする。
もっと自分に自信がもてるように、お客さんに喜んでもらえるように、経験を積み重ねていこう。
そう思った。
タバコを吸っているとフロントからコールが入った。
「写真指名60分、セーラー服でお願いします。」
私はセーラー服に着替えた。
フロントへ準備完了のコールをする。
入ってきたのは小太りの男。
いきなりスカートの中に手を入れてきた。そして私の片足を持ち上げ、脂肪たっぷりのお腹に押し付けた。
「かわいいよ、ハァハァ…」
息が荒い。
私のアソコは必然的に男の固いモノに当たる。
いきなりパンツの中に手を入れてきた。
強引に…
私の中に手を入れる。
半分イラついた。
半分…
興奮した。
「続きは後でね」
私は上手くかわし、シャワーへ連れて行った。
男のモノは終始ビンビンで、タオルを腰に巻いても意味がない状態だった。
どれだけ興奮してるんだ。。。
部屋に戻れば攻められるのはわかっている。
上手くかわさないと…
部屋へ移動すると、すかさずベッドへ男を押し倒した。
「私が気持ちよくしてあげる」
私は耳元でささやいた。
男は私のアソコにやたら手を入れようとする。
「わ、た、し、が気持ちよくするって言ってるでしょ」
強い口調で言った。
「あぁ…気持ちいい…もっと気持ちよくしてください」
強引な男でも、こちらが強引にせめれば完璧なMになる。
結局は攻められて感じるのが男。。
男は私が少し腰を振ってモノを刺激すると、わかりやすい位に反応した。
まだイカせない…
今度は口で刺激する。
「もう駄目だ…」
男がそう言った瞬間口を離した。
まだ始まって10分も経ってない。
「じらさないでよぉ」
男は言った。
別にじらしてる訳ではない。
イクだけが目的なら家でオナってればいい。高いお金を払っているのに、もっと楽しもうとは思わないのか。。
「じらしてないよ。せっかく来たんだから、もっとじっくり気持ちよくなろうよ」
男は我にかえり笑った。
「タエちゃん面白い事言うね。確かにもっと楽しまないとね(笑)風俗言ってそんな事言われたの始めてだよ」
と言いタオルを腰に巻いてしまった。
「タエちゃん何でこの仕事始めたの?」
何故かトークモードになってしまった。。。
「エッチだから」
私は言った。
「へぇ。。お金目当ての子ばかりかと思ってたけど、そういう子もいるんだ」
と男は言い、話を続けた。
会社の事、前に彼女がいて裏切られた事、彼女が欲しいけど信用出来ない事。
毎日の生活が忙しい事。
一気に話してきた。
「無理しないでね」
私は言った。
相手の喜びそうな言葉。
親しくない関わりの人にはこの言葉が一番無難だ。
でも私はお客さんからは絶対こんな言葉言われたくない。
「優しいね、タエちゃんは。また来てもいいかな、辞めないでね」
男は言った。
「今日初日なのに辞める訳ないじゃない。またいつでも待ってるから」
私は優しく言った。
結局イカないまま男は店を後にした。
男は何を思ったのか。ここに何をしに来たのか。。
フロントからコールがなった。
「さっきのお客さん喜んでたよ。これからタエちゃん指名するからって言ってたから、頑張って」
私の初日は普通ではなかった気がする。
そろそろ時間だったので帰る支度をしていた。
従業員らしき人がドアを叩いた。
「お疲れ様。時間短かったから2人しかつけられなかったね。評判は良かったよ。」
苦情が出なくて良かった。
現にイカせなかった人もいる訳だし。。
その場でお金を手渡された。
11時から2時までで2人接客。
1万8千円。
私はその足でピンサロへ向かった。
駅の反対側のため、地下を通る。
「あっ。」
前に私をAVにスカウトした男が目に入った。
随分昔の気がする。
私は足早に通り過ぎていった。
ピンサロへ着くと店長が私を抱擁した。
「ハルちゃ~ん!!久しぶり!!待ってたよ~!!」
「二週間も休んでないじゃないですか(笑)今日は短い時間ですけど、ゴメンナサイ」
着替えながら話をする。
「イメクラやってきたの?匂うねぇ~」
私の体からは石鹸の匂いがしていた。
店長は私が他で働く事を否定しない。だからコソコソする必要もない。
「初日行ってきましたよ、まあまあでした。」
「こっちもたのむよー」
と言い、ホールへ行った。
私は待機室に行く前に本指名され準備をした。
ホールへ行き客に話しかけた。
「こんにちわ」
本指名されたが、全く顔は覚えていなかった。
「久しぶりだね。また来ちゃった」
わからない。。
何とか合わせておこう。
「うれしい、また来てくれたんだね」
会話をすると覚えて無い事がバレてしまうので、とにかく攻めた。時間一杯になるまでせめた。
隣のシートでは、女の子を待ってるお客さんがチラチラとこちらを見ている。
ゴムを被せフィニッシュ体制に入る。
「うっっ…」
声と同時にお客さんのモノがビクビクした。
おしぼりで後処理をする。
「今日も元気だったね」
私が声をかけると、
「ハルちゃんのフェラは最高だね、また来るよ。今度は覚えておいてね(笑)」
って。
覚えてないのバレてた。
はぁ~何か疲れた。
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