注目の話題
俺は正しい!まともだ!
なぜ入籍しない?
経済的な理由で大学に行けないことはおかしいですか?

みんなでつくろうストーリー⑩

レス402 HIT数 6957 あ+ あ-

小説大好き
16/10/17 01:55(更新日時)

みんなでつくろうストーリー⑩

複雑な家庭環境で育ち

心に傷を負った千夏は

農場の寮に住むことになった。

そこで歌穂、上畠、川上と出会う…





No.2287612 15/12/27 22:00(スレ作成日時)

投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.151 16/03/08 19:19
旅人1 

>> 150 同じ頃、松本の寮には、同じクラスの潤一が、両親の隆一と裕美と一緒に、千夏に面会に来ていた…


No.152 16/03/09 22:12
小説大好き 

>> 151 千夏は和子に呼ばれて


食堂の隣の多目的ルームに向かった…



No.153 16/03/10 21:40
小説大好き 

>> 152 多目的ルームには十人くらい座れる大きなテーブルと椅子があり


隣の食堂とは壁で仕切られていた。


千夏が多目的ルームのドアを開けると

潤一達が待っていた…



No.154 16/03/11 21:51
小説大好き 

>> 153 裕美は立ち上がって千夏に近寄ると

裕美『千夏ちゃん、元気そうで安心したわ。』

と手を取って目から涙を流しながら言った。

隆一『千夏ちゃん、ちょっとふっくらしたんじゃない?』

潤一『オヤジ、それセクハラだぜ!』…




No.155 16/03/11 22:17
旅人1 

>> 154 そこへ、歌穂が人数分のお茶をお盆に乗せて入ってきた。



歌穂は、綺麗な笑顔で


「いらっしゃい。あら、千夏ちゃんの彼氏?」



と、若林潤一を見て言った。




潤一は、歌穂に“彼氏”と言われて、顔を真っ赤にし、


「い、いや、違います。同じ中学のクラスメートで…」



と言ったが、あきらかに照れていて、千夏に気があるのがバレバレだった…



No.156 16/03/12 22:53
小説大好き 

>> 155 当の千夏の脳裏には何故か


川上の顔が思い浮かんだ。


潤一が嫌いなわけではなく


潤一は千夏にとって、初めてできた大切な〃友達〃であり


異性として見たことは無かった…




No.157 16/03/13 13:07
小説大好き 

>> 156 しかし千夏は真っ赤になって照れている潤一の姿を


初めて男性として見ていた。


千夏の心は複雑にときめいていた。


大切な友達だと思っている同級生の潤一が

今日はちょっと大人びて見えた。

潤一『千夏ちゃん、進学決めたの?』…




No.158 16/03/13 13:16
旅人1 

>> 157 千夏は


「うん、やっぱり高校は行かないといけないなって思ってるけど、私立とかは無理かも…」



と、ちょっと潤一を意識しつつ言った…



No.159 16/03/13 13:25
旅人1 

>> 158 一方、川上は、喫茶店で、麻由美を待っていたが、以前のように、麻由美はちょっと遅れてやって来た。



麻由美「久しぶり。やっと会えたよね。LINEしてもなかなか返信してくれないし、どうなったかと思ってた。寮に入るって言ったときはビックリしたけど、なかなか連絡とれないし」



川上は、麻由美にたいしてまだ別れの言葉をちゃんと考えてなかったことに気づいた。


でも、とにかく、別れたい って言わないと




そう内心では思いつつも、しばらくは麻由美と、通っていた高校の話などの当たり障りのない話をした。



話がちょっと途切れて、川上が、今が言うチャンスかもしれない と思い


「麻由美、あの…」



と言うと、麻由美のほうから


「あたし、本当は、竜彦くんに話があって…。
言いにくいんだけど、もう終わりにしようって思うの…」



と言われた。



川上は一瞬



えっ…?!




と言葉につまった…






No.160 16/03/13 13:36
旅人1 

>> 159 川上は、意外な展開に、酸欠のように口をパクパクさせながら


「終わり って…?」



と聞いた。



麻由美「寮に入ってからあんまり連絡くれないし、すれ違いばっかしだし…、こっちがLINEしても返信もないときあるし。なんか、つきあってる意味ないしね。だから、もう、いいかな って…」



川上は


「他に好きな人とかできたの…?」



と、つとめて平静をよそおいながら、聞くのがやっとだった。



麻由美「そんなこと、ないよ。別に好きな人なんていない。でもさ、今みたいな状態に疲れたんだよ…、もともとあたしが告白しなきゃ、竜彦くんあたしとつきあったりしなかったでしょ?だから、気持ちに温度差あるのもわかってたし、仕方ないよね…、じゃあ、用事あるからもう帰るね…。今までありがとう。元気でね…」



と言うと、飲み物代をテーブルに置いて、麻由美は喫茶店を出ていった。




川上は、喫茶店のテーブルに取り残されたまま、意外な展開に、何も考えられなかった…



No.161 16/03/13 13:41
旅人1 

>> 160 しばらく、喫茶店のテーブルに座り込んだまま、川上は呆然としていたが、


考えてみれば、俺も、麻由美と別れようと思ってたんじゃないか


俺が言わなくても、向こうから離れてくれたんだ
願ったり叶ったりじゃないか



これでいいんだ、これで…




そう内心言い聞かせながらも、川上の心は激しいショックを受けていた。



こんな自分が意外だった…



No.162 16/03/13 21:20
小説大好き 

>> 161 川上は麻由美と別れたかった筈なのに


麻由美から別れを切り出され


すっきりした反面ちょっと悲しかった。川上は

これでよかったんだ…


と自分に言い聞かせながら寮に戻った。




No.163 16/03/14 10:29
旅人1 

>> 162 寮に戻った川上が、自分の部屋に入ると、上畠が


「おー、お帰り。あれ?どうしたんだ、お前、なんか顔色悪いぞ」



と川上を見て言った。



麻由美と別れて、これでよかったのだと自分に言い聞かせてはいるが、内心ではかなり動揺している自分に、川上は気づいていた…



No.164 16/03/14 22:01
小説大好き 

>> 163 そこへ歌穂がやって来て


歌穂『あら、川上君お帰りなさい。

あ、そういえば、さっき千夏ちゃんの彼氏っぽい男の子が来ていたわよ。』


川上『彼…氏?』…




No.165 16/03/15 21:48
小説大好き 

>> 164 川上は千夏までもが自分から去って行ってしまう気がして


更に落ち込み


傷心旅行にでも行こうかと考えたりした…



No.166 16/03/15 21:56
旅人1 

>> 165 その夜、すっきりしない気分のままベッドに入った川上は、なかなか寝つけなかったが、明け方近くに、ちょっとウトウトとまどろんだ。



ウトウトの浅い眠りだったが、川上は夢を見た。



別れた麻由美の夢だった…



No.167 16/03/17 21:58
小説大好き 

>> 166 夢の中の麻由美はいつものように良く喋り

川上はやはり黙って麻由美の話しを少し迷惑そうに聞きながら

片手にジュース、片手に機械の本を読んでいた。

麻由美『ちょっと、聞いてるの?』

麻由美が川上の顔を覗き込む…




No.168 16/03/18 15:48
小説大好き 

>> 167 夢から覚めた川上は

自分は自分が思うほど

麻由美を嫌いでは無かったのかも知れないと


ぼんやり考えた。


その時の川上はもう恋なんてしないと思った…




No.169 16/03/19 19:22
小説大好き 

>> 168 が…しかし。


もう恋なんてしないと思っていた川上だが

農場当番で千夏と一緒にいると


やはり千夏の穏やかさに和むのであった。

そんな時、歌穂が


『千夏ちゃんったら、あんな素敵な彼氏がいるなんて、隅に置けないわね!』


と言った言葉に

川上は敏感に反応した…




No.170 16/03/20 08:34
旅人1 

>> 169 千夏は顔を真っ赤にして


「あっ、別に彼氏じゃないです。クラスメートで…」



と歌穂に言った。




そこへ上畠がやって来て



「おはよー、あっ歌穂。今度の日曜、水族館の約束忘れんなよ」



と歌穂に言った。



歌穂は笑いながら



「わかってるわよ」




と上畠に言った…




No.171 16/03/20 22:41
小説大好き 

>> 170 川上は歌穂の〃彼氏〃という言葉に敏感に反応して


パッと千夏の顔を見た。


千夏の口から〃彼氏じゃない〃と聞くと

ほっとした顔をした。

歌穂『嬉しそうね。川上君。』…




No.172 16/03/21 21:41
旅人1 

>> 171 川上はあわてて


「いや、別に…」



と濁した。




歌穂は、千夏と川上を交互に見ながら、くすくす笑っていた…



No.173 16/03/22 22:15
小説大好き 

>> 172 その雰囲気に何かを感じた上畠が

『そういえば、川上の彼女最近来ないな。』…



No.174 16/03/24 22:07
旅人1 

>> 173 上畠「LINEも来てないみたいだしなあ。なんかあったのか?」




川上「…別れたんだ…」




川上が、ボソッとそう言った…



No.175 16/03/25 22:24
小説大好き 

>> 174 上畠『喧嘩でもしたのか?。』


川上『振られたんだよ。』


上畠『あら~、まじでか!じゃあ、今度皆で一緒に遊びに行こうぜ!』…





No.176 16/03/26 22:56
小説大好き 

>> 175 歌穂『あ、いいね!この後みんなでファミレスいこうよ!』

上畠『いいね~!どう?川上と千夏ちゃん。』…




No.177 16/03/27 09:22
旅人1 

>> 176 川上「ていうか、ファミレス行くんならまずは松本さんか和子さんに外出許可もらわないとダメだろ。上畠も、何でも思いつきで言うもんじゃないぞ」


とぶっきらぼうに言って川上はその場を去った。



確かに、寮にいる以上勝手には外出できず、事前に外出許可をもらわないといけなかったのである(ただし緊急時は別だが)。



歌穂も、そのことはわかっていたのだが、川上を元気づけたくて、わざと上畠のセリフにのったのだが…。



歌穂「まあ、今はそっとしておいたほうがいいのかもね。また今度改めてみんなで外出許可とって一緒にファミレスに行けばいいんだし」



上畠「そういえば、今度の日曜、歌穂と一緒に水族館行くんだったっけ」



外出許可で思い出した上畠だった…



No.178 16/03/28 22:32
小説大好き 

>> 177 その夜。

川上は食堂のベランダのテラスで椅子に座って

ジュースをのみながら

空を眺めていた。

もうすぐ4月だというのに

朝晩の冷え込みは厳しい。

千夏は食堂から川上の姿が見え、

『冷えますよ。』

と声をかけた…



No.179 16/03/30 22:16
小説大好き 

>> 178 その時川上がタイミングよく

〃ハックション!〃

とくしゃみをした。

千夏は可笑しくなって

千夏『だから言ったじゃないですか、冷えますよって!』


と言いながらクスクス笑った…




No.180 16/03/30 22:19
旅人1 

>> 179 千夏が笑ったので、つられて川上も笑った。



千夏は、部屋から持参してきていたブランケットを持ってテラスへ行った…



No.181 16/03/31 22:15
小説大好き 

>> 180 川上はそんな千夏の優しい心遣いに


気持ちが和んだ。


川上『ありがとう。あれ見て!』


川上が指差した空を見上げると


宝石箱のような星々が輝いていた…




No.182 16/04/02 21:43
小説大好き 

>> 181 千夏『うわぁ…』


千夏は川上が指差した星空を見上げ


あまりの美しさにしばらく見とれた。


千夏『幸せ…』


千夏は星空を見上げながら呟いた。


川上が千夏の横顔を見ると


千夏の頬には涙がこぼれ落ちていた…



No.183 16/04/03 21:54
小説大好き 

>> 182 川上はビックリして

川上『どした?』


千夏『あ…ごめんなさい、こんな幸せな気持ちで星空を眺めることが出来て嬉しいんです。』…



No.184 16/04/04 19:33
小説大好き 

>> 183 純粋な千夏に

愛おしさを感じながらも

川上の胸の内には

まだ麻由美に振られた事が引っかかっていた。

そんな2人を歌穂は部屋の中から見ながらやきもきしていた…



No.185 16/04/04 20:25
旅人1 

>> 184 歌穂は、やきもきしながらも



自分も上畠と水族館に行くのに



と、頭の片隅で考えた。




上畠とふたりで水族館に行く実感があんまり歌穂にはなかった…



No.186 16/04/05 22:15
小説大好き 

>> 185 そして上畠と水族館に行く前日の夜。

歌穂は少ない洋服の中から

どれを着ていこうかと鏡の前で悩んだ。
歌穂は千夏に

『こっちとこっちどっちがいいかな?』
千夏『右側のが可愛いと思いますよ。もしかしてデートですか?』…




No.187 16/04/06 22:20
小説大好き 

>> 186 歌穂『デート…っていうか、ちょっと2人で水族館に行くだけよ。』


千夏『歌穂さん、それをデートっていうんですよ。』

歌穂『でも相手が上畠君だからね。』…




No.188 16/04/06 23:03
旅人1 

>> 187 千夏「私がここに来たときから思ってたんですけど、上畠さん、歌穂さんのこと好きみたいですよね」



それは、歌穂も薄々気づいていたことだった。



上畠を決して嫌いではないのだが、入寮が1ヶ月違いでほぼ同じ時期だったので、異性という感じがしなかったことや、初恋の宮下を、まだ心のどこかで忘れられなかったなどで、そういった対象として考えていなかったからだった。



歌穂「まあ、上畠くんが相手だし、普段通りでいいか」



結局歌穂は、いつものジーンズ姿で行くことにした…



No.189 16/04/07 21:37
小説大好き 

>> 188 翌朝。

上畠と歌穂は同じ屋根の下に住んでいるのだが

最寄り駅で待ち合わせをした。

上畠は待ち合わせの30分も前から

駅に到着して歌穂を待った…




No.190 16/04/08 22:43
小説大好き 

>> 189 歌穂が駅に着くと

上畠は顔がにやけないように

必死で平静を装った。

歌穂『あ!ごめんね、待った?』

No.191 16/04/08 23:16
旅人1 

>> 190 上畠はあわてて


「い、いや、別に…」



と言った。




歌穂は、いつものラフな、シャツとジーンズ姿だったが、外で見るせいか、上畠にはやけにまぶしく、新鮮に映った。



よく見ると、歌穂は、寮でのスニーカーではなく、かかとの高い、シンプルだが女らしいデザインのサンダルを履いていた。


そして、ストレートロングの髪から見える耳元には、ターコイズをあしらった小さなイヤリングをつけていた。



歌穂は


「久しぶりの外出だから、ちょっとはオシャレしないとね」


と言ったが、上畠はなんだか嬉しかった…



No.192 16/04/09 22:08
小説大好き 

>> 191 2人はバスに乗って水族館へと向かった。

その時窓の外を眺めていた歌穂の目に

初恋の宮下の姿が飛び込んで来た…




No.193 16/04/09 22:32
旅人1 

>> 192 バスの窓の外から見た宮下の横には、女の子がいた。


歌穂ほどの美貌ではないが、結構かわいい女の子で、いつか自転車の後ろに乗せていた女の子とは別な女の子だった。



歌穂は思わず叫びそうになったが、バスは走り去っていき、宮下と女の子から遠ざかっていった…


No.194 16/04/10 12:43
小説大好き 

>> 193 宮下を目で追っていた歌穂の様子に

上畠『どうかした?』…




No.195 16/04/10 21:29
旅人1 

>> 194 歌穂は、遠ざかる宮下が気になりつつも


「ううん、別に…。ちょっと知り合いに似てる人がいたから…。でも別人だったみたい…」



と、上畠に言った…



No.196 16/04/10 21:36
小説大好き 

>> 195 上畠『もしかしたら昔の彼氏でもいたのかと思ったよ。ハハッ!』

上畠はほんの軽い冗談で言った言葉であったが

歌穂は思わずその言葉にむせた。

上畠『あれ?風邪?大丈夫?』

歌穂『ゲホッゲホッ、ちょっとエヘンムシがいたみたい。』

上畠は咳き込む歌穂の背中をさすった…



No.197 16/04/11 22:58
小説大好き 

>> 196 通路を挟んで隣に座っている老婆が

『あんたら、新婚さんかい?』

と上畠に聞いてきた…




No.198 16/04/12 00:44
旅人1 

>> 197 上畠はあわてて


「し、新婚って…。俺たちまだ高校生なんですから…」


と、顔を真っ赤にしながら老婆に言った。




老婆は


「あたしが嫁に行ったのは17の時だったけどねえ~」



と、ボソッと言った…



No.199 16/04/12 22:32
小説大好き 

>> 198 ようやく水族館前に着くと

さっき隣に座っていた老婆も

バスを降りた。

老婆は上畠と歌穂に
『あたしもデートなんだよ。カッカッカ!』…




No.200 16/04/13 22:06
小説大好き 

>> 199 すると遠くから

『民さ~ん!』

と初老の男性が小走りでやってきた。

上畠『ご主人ですか?』

民『旦那は二十年前に死んでもうたんや。あれは彼氏や!彼氏!人生楽しまなあかんよ。』…



  • << 201 そしてその初老のカップルたちと 歌穂たちは同じタイミングで水族館に入り 何となく一緒に行動していた…
投稿順
新着順
主のみ
付箋
このスレに返信する

お知らせ

5/28 サーバメンテナンス(終了)

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧