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みんなでつくろうストーリー⑩

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小説大好き
16/10/17 01:55(更新日時)

みんなでつくろうストーリー⑩

複雑な家庭環境で育ち

心に傷を負った千夏は

農場の寮に住むことになった。

そこで歌穂、上畠、川上と出会う…





No.2287612 15/12/27 22:00(スレ作成日時)

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No.402 16/10/17 01:55
旅人1 

>> 401 翌日の朝。



食堂に見慣れない青年がいるのを、真っ先に起きてきた川上が見て驚いた。



青年は、驚く川上に



「おはよう。俺は坂口直人。和子おばさんの甥で、この寮のOB。君は?」



と気さくに話しかけた…



No.401 16/10/07 07:07
小説大好き 

>> 400 和子は麗奈を抱きしめた。

和子『辛かったね。もう大丈夫よ。』

麗奈は和子に抱きしめられて

暖かい温もりを感じた…




No.400 16/10/05 22:10
小説大好き 

>> 399 麗奈『父親が、小さい頃にしゃべるな!笑うな!っていつも怒鳴っていて、

いまでも笑うの苦手だし

大きな声で話すのも苦手なんです。』…




No.399 16/10/04 23:37
旅人1 

>> 398 麗奈「うんと小さい頃の写真には、1、2枚は笑ってる写真もありますけど…。小学校に入ってからは、1枚もないんです…」




和子は、麗奈の言葉から、麗奈の家庭環境や、麗奈の過酷な学校生活を想像した…






No.398 16/09/30 22:23
小説大好き 

>> 397 若い頃の和子の写真を見て

麗奈『いい笑顔ですね。』

和子『エヘヘ…そう?』
麗奈『私の小さい頃の写真って笑ってないんです。』

和子『…麗奈ちゃん…』…





No.397 16/09/20 23:14
旅人1 

>> 396 若い頃の和子の写真に、麗奈は、どこか直人の面影がある と思いながら写真を見ていた。




和子と、他界した姉の昌子とは、それほど顔立ちが似ているわけではなかったのだが、やはり姉妹ならではの共通点があったからだ…




No.396 16/09/20 23:08
小説大好き 

>> 395 それは麗奈であった。
和子はちょっと驚いた。

麗奈が自分から話しかけて来るなんて

今まで無かった。

和子『ずっと昔のね。』

麗奈『おじさんイケメンですね。』

和子『アハハ!この髪形うけるよね。』
麗奈『ウフフ、そうですね。』

和子はその時麗奈の笑った顔を始めてみた気がした…





No.395 16/09/18 22:39
小説大好き 

>> 394 和子がアルバムを見ていると

後ろから

『わあ、綺麗!これ和子さんですか?』
と声がした…




No.394 16/09/16 10:07
旅人1 

>> 393 結婚して2年目に、和子は妊娠したが、流産してしまい、その後は、松本と和子には子供の縁はなかった。



子供がなかったことはさびしいことかもしれないが、松本の父親、宗一の他界で、松本が公務員を辞め農園を引き継ぐことになり、問題のある子供たちを受け入れるための寮を立ち上げることになって、直人をはじめ、たくさんの子供達の面倒をみてきたし、その子達が、私達の子供でもあるんだわ



と、当時のアルバムをみながら、和子は考えていた…




No.393 16/09/16 10:01
旅人1 

>> 392 松本と結婚することになった頃、和子は、姉の昌子から、不倫の末に妊娠したことを聞いたのである。



昌子は


「あなたたちが結婚しようってときに、不倫した相手の子を産もうっていうお姉ちゃんでごめんね…。でも、産みたいの…。あなたたちに迷惑はかけるつもりはないから…」



と言った。




直人が生まれ、会社を辞めた昌子は、友人の紹介で、雇われではあったが、友人の親がオーナーの、商店街にある洋品店を任されていたので、自分の収入で直人を育てていくつもりだった。



直人が誕生し、次は私達も



と和子は思ったが、なかなか子供ができなかった…





No.392 16/09/16 09:52
旅人1 

>> 391 ふたりでチェッカーズのコンサートに行ってまもなく、松本も和子も大学を卒業し、松本は公務員になり、和子は就職はしないで、弁護士になるため法律事務所でアルバイトを続けていた。


チェッカーズのコンサートに行ってから、ふたりは何となく恋人のようなつきあいになり、ごく自然に身体を重ねるようにもなっていた。


松本は、元スケバンだった和子が処女だったことが意外だったようだが、感激していたようだったし、和子も、松本がはじめてだったことが嬉しかった。



そして、大学を卒業してから約3年後、和子が司法試験に合格したときに、松本と和子は結婚した。



そのときに祝福してくれた、姉の昌子の胎内には、直人が息づきはじめていたのだったが…





No.391 16/09/15 22:12
小説大好き 

>> 390 あれから30年近くがたって

和子は当時を思い出しながら

棚からアルバムを取り出した…




No.390 16/09/13 22:45
小説大好き 

>> 387 当時流行っていた、いわゆる、チェッカーズカットだった。 チェッカーズカットは、意外に松本に似合っていたので、和子は内心ビックリ… 松本はちょっと照れ臭そうに髪形を意識していた。そんな松本に

和子『髪形、似合ってる。』

と言うと松本は嬉しそうに

『そうか?』

とニヒルに笑った。

コンサート会場に入ると

すでにファンの熱気でムンムンしていた…



No.389 16/09/13 22:38
旅人1 

>> 388 主さまありがとうございます。



新スレを開けますので、レスをください。



レスくだされば、すぐさま締め切りします。

No.388 16/09/13 22:30
小説大好き 

フリーターさん、遅くなってゴメンナサイ!

ようやくミクルに来れました。

新スレおめでとうございます。また宜しくお願いします。



No.387 16/09/13 21:29
旅人1 

>> 386 当時流行っていた、いわゆる、チェッカーズカットだった。



チェッカーズカットは、意外に松本に似合っていたので、和子は内心ビックリした…



  • << 390 松本はちょっと照れ臭そうに髪形を意識していた。そんな松本に 和子『髪形、似合ってる。』 と言うと松本は嬉しそうに 『そうか?』 とニヒルに笑った。 コンサート会場に入ると すでにファンの熱気でムンムンしていた…

No.386 16/09/12 22:23
小説大好き 

>> 385 そしてコンサート当日。松本は髪形を変えてきた…




No.385 16/09/08 22:05
小説大好き 

>> 384 和子は憧れのチェッカーズのコンサートに誘われ

即答でOKした…




No.384 16/09/07 22:31
旅人1 

>> 383 そんな日々が続き、大学も卒業を迎えようとする頃、和子は松本から、チェッカーズのコンサートに、一緒に行かないか と誘われた…


No.383 16/09/02 21:33
旅人1 

>> 382 和子にとっては、そんなひとときが楽しく、また、やすらぎになっていた。


松本と和子が、お互いを意識しあうようになるのに、さほど時間はかからなかった…



No.382 16/08/26 21:52
小説大好き 

>> 381 その頃の松本のあだ名は〃フミヤ〃になっていた。

冗談好きの吉江につられて

和子も時々〃フミヤさん〃と呼ぶようになった。

松本も吉江に似て冗談好きで

〃フミヤさん〃と呼ばれると

全然似てないけどフミヤの物真似をして和子を笑わせた…




No.381 16/08/25 23:24
旅人1 

>> 380 それがきっかけで、和子は時おり、松本の農園の手伝いに行くようになった。


和子は、農業の楽しさを知るとともに、松本の農業や農園を愛する心や、おおらかな人柄に好意を抱くようになっていった。



帰りには、わずかながら、農園で取れた野菜をもらえることもあったので、姉の昌子とふたり暮らしの和子には大助かりでもあった。


日曜日には朝から松本の農園に行き、お昼をごちそうになり、夕方までいることもあった。


松本の両親、宗一も吉江も、和子に好感を持っており、息子の陽介と一緒になってくれたら と考えるようになっていた…



No.380 16/08/25 23:04
旅人1 

>> 379 「母さんまた俺の名前間違えてるだろ。俺は陽介だよ。いくらチェッカーズのフミヤのファンだからって、絶対わざとだろ」



と松本が言ったので、和子はちょっとガッカリしたが、それでも松本の母親がチェッカーズファンと知り、ちょっと親しみを覚えたのだった…


No.379 16/08/25 22:47
小説大好き 

>> 378 その時松本の母親が松本を呼んだ。

『文也、お茶が入ったよ~!』

その時和子は松本の名前が文也だと知った。

その当時一世を風靡していたチェッカーズのボーカルのフミヤの大ファンだった和子は

松本の名前が文也だと知って、ちょっと嬉しかった。

縁側では松本の母吉江が茹でたトウモロコシで和子を歓迎してくれた…




No.378 16/08/23 23:41
旅人1 

>> 377 昔、通学路で外から見ただけの農園だったが、中に入ってみると、意外に広大だったことに和子は驚いた。


松本は

「親父とオフクロと俺と3人でこの農園をやってるんだ。ひとまわり年上の姉貴がいるんだけど、姉貴は6年前に結婚して、北海道に住んでるけど、やっぱり向こうで旦那と子供とで牧場をやってるんだよ」


と和子に説明した。



「親父もそうだけど、俺も、農業が好きなんだ…。親父は反対したけど、俺は、大学卒業したら、この農園を継ぎたいって思ってるんだ」



そう言う松本の横顔が、和子には大人びて見えた…



No.377 16/08/23 23:30
旅人1 

>> 376 農園では、松本の父親の宗一が農作業をしていた。



宗一は、息子の横に、若い女の子を見て



「おー、陽介、遅かったな。その子は彼女かい?ちょっとポッチャリしてるけどなかなかかわいい子じゃないか」


と、口元をほころばせた。



松本は

「ちっ、違うよ、親父なに言ってんだよ!」


と顔を赤くして照れた…



No.376 16/08/20 22:41
小説大好き 

>> 375 和子『良いわね!是非行ってみたいわ!』

松本『よし、決まりだね。』

2人は喫茶店を出て
松本農園へ向かって歩いた。

真夏の日差しは容赦なく2人を照りつけた。

和子『暑いね。』

松本はカバンからタオルを取り出すと

そそくさと和子の頭にタオルをかけた。
和子はいきなり松本にタオルをかけられびっくりして

松本の方を見ると

松本『ちょっとは涼しいだろ?』

とニヒルに微笑んだ…




No.375 16/08/14 08:03
旅人1 

>> 374 和子は


「特にはないけど…」




と言った。



松本は



「じゃあ、イヤじゃなかったら、うちの農園に来てみる?」




と、和子に言った…





No.374 16/08/14 07:59
小説大好き 

>> 373 ウエイターが2人のテーブルにアイスコーヒーを運んできた。

ブラックで飲む和子に対して松本は

シロップもミルクも全部入れてかき混ぜていた。

和子『甘党なのね。』

松本『和子さん、大人だね。』

2人の距離がちょっと縮まった瞬間だった。

松本『そういえば、オリンピック見た?すごいよね!』

和子『うん。みたみた!感動したよ!』

と、2人の会話は弾みまくり

アイスコーヒー一杯でかなりの時間喋っていた。

松本はさすがにウエイターからの迷惑そうな視線を感じ

2人は喫茶店をでることにした。

松本『次に行きたい所ある?』…







No.373 16/08/13 22:06
小説大好き 

>> 372 そして翌日。

松本は待ち合わせ時間より少し早く喫茶店に到着していた。
和子『待った?』

小さく手を振りながらやってくる和子に
松本『いや、今きたところだよ。』

水玉のブラウスにロングスカート姿の和子は

昨日より大人びて見えた。…




No.372 16/08/08 23:40
旅人1 

>> 371 和子は

「ありがとう、でもきょうは、あたしバイトの日だから」


と言った。



松本「バイト?」



和子「大学の近くの法律事務所で、電話番のバイトしてるのよ。これから行かないと」



松本は、和子が法律事務所でアルバイトしていることが意外だった。


和子は


「明日はバイトない日だから、明日でもいい?」



と、ちょっといたずらっぽく笑って言った…



No.371 16/08/08 22:55
小説大好き 

>> 370 松本『だけど、随分印象変わったよね。よ~く見ないと、君だってことが分からなかったよ。』


和子『ちょっと大人になったんです。笑』


松本『ヤンキーもなかなか似合っていたよ。』

和子『えっ?!本当に?』

松本『あ、駅前の喫茶店知ってる?珈琲がめっちゃ上手いんだよ。良かったら今度行かない?』…





No.370 16/08/06 21:51
小説大好き 

>> 369 和子『そうだ!いつもジャイアンツの帽子かぶっていましたよね。』


松本『ハハハ!そうだよ。』


和子『私もジャイアンツファンなんです。笑』

そこから松本と和子は野球の話で盛り上がった…




No.369 16/08/05 22:53
小説大好き 

>> 368 その当時の和子はグルグルパーマにロングスカート、カバンはぺちゃんこの

見るからにスケバンであった。

松本が〃おはようございます!〃

と挨拶をすると

和子はちょっと迷惑そうな顔をしながらも

『おはようございます。』

と返した。

松本は見た目に似合わずきちんと挨拶を返してくれる和子を
良く覚えていたのだった…



No.368 16/08/05 21:33
旅人1 

>> 367 和子が中学時代、通学路に、松本の農園があり、和子も当たり前のように、農園の横を通っていたのだった。



松本は、和子とは別の中学に通っていたが、朝、登校前に父親と共に農園を手伝っていたので、和子を目にしていたのだった…


No.367 16/08/03 22:04
小説大好き 

>> 366 松本『ほら、俺松本農園で麦わら帽子かぶって畑で仕事しているもので…』

和子『あっ!いつも挨拶してくれる人?』

松本『エヘヘ、そうです。笑』…





No.366 16/07/31 22:49
旅人1 

>> 365 松本は、和子のヤンキー口調に思わず


「あ、あの…、人違いだったらすみません…。あなたは、坂口和子さん、じゃないですか…?」



と聞いてしまった。



和子は、


「そうですけど…、何か…? ていうか、あなたは一体誰なんですか?」



と、松本に質問してきた。



松本は、



ああ、やっぱり彼女だったんだ…



と、嬉しくなった…






No.365 16/07/31 22:38
小説大好き 

>> 364 大学の校内で和子を見かけた松本は

和子のあまりの変わりように、思わず立ち止まって和子を目で追った。

すると視線を感じた和子は振り返り

和子『何?』

とちょっとヤンキー風に言った…




No.364 16/07/29 23:28
旅人1 

>> 363 和子とは、確かに大学は同じだったが、実は、松本は、昔まだ和子がスケバンだった頃から、和子のことを知っていたのだった。



大学で、和子と再会した時、和子が当時とあまりにもかけ離れた、普通の女子大生の外見になっていたので、松本は最初、和子だとわからなかったぐらいであった。



松本は、まだ和子がスケバンだった頃から、和子のことが気になっていたのであった…



No.363 16/07/29 21:43
小説大好き 

>> 362 松本『あいつ、あの頃はヤンキーだったんだよ。笑』


直人『うん。今でも時々怖いっす。笑』

松本『長いスカートにパーマかけてな。それがまた可愛かったんだよな。』…





No.362 16/07/28 10:02
旅人1 

>> 360 松本『そうか…。どうだ?久しぶりに帰ってみて。』 直人『いや~、みんないい子たちだね。。笑』 松本『見た目はな。みんな、いろんな困難… 直人「でも、おじさんがこの農園で寮をはじめたことで、ずいぶんたちなおった子たちもいたんじゃないですか?俺もそのひとりだけど…」



松本「まあな、親の残した農園を引き継いだ時に決心したんだが、和子がいてくれなかったら、この寮も今まで運営できなかったかもしれないな…、和子には、本当に感謝してるよ」



直人「なーんだ、結局ノロケなんですか」



松本「おじ貴をからかうなよ!ハハハ」




直人「和子おばさんとはどこで知り合ったんですか?」



松本「大学時代だよ。同じ大学だったんだ…」




松本は、和子と出あったころを思い出すような、遠い目になった…



No.361 16/07/26 23:06
小説大好き 

>> 360 直人『俺も色々協力するよ。』

松本『おう!それは心強いよ。』

麗奈は所々聞こえる会話から、直人がしばらくここにいるのだと察した。

麗奈はちょっと嬉しかった…




No.360 16/07/25 22:56
小説大好き 

>> 359 松本『そうか…。どうだ?久しぶりに帰ってみて。』


直人『いや~、みんないい子たちだね。。笑』


松本『見た目はな。みんな、いろんな困難を抱えているんだよ。』…




  • << 362 直人「でも、おじさんがこの農園で寮をはじめたことで、ずいぶんたちなおった子たちもいたんじゃないですか?俺もそのひとりだけど…」 松本「まあな、親の残した農園を引き継いだ時に決心したんだが、和子がいてくれなかったら、この寮も今まで運営できなかったかもしれないな…、和子には、本当に感謝してるよ」 直人「なーんだ、結局ノロケなんですか」 松本「おじ貴をからかうなよ!ハハハ」 直人「和子おばさんとはどこで知り合ったんですか?」 松本「大学時代だよ。同じ大学だったんだ…」 松本は、和子と出あったころを思い出すような、遠い目になった…

No.359 16/07/20 22:37
旅人1 

>> 358 直人「うん、ニューヨークで一緒に住んでたんだ。向こうで知りあった子でね」



松本「アメリカ人か?」



直人「いや、日本人だよ。やっぱり留学で来てた子なんだ。でも、日本に帰ってくるから、同棲は解消したし、彼女も実家に帰ったんだ…」



麗奈は、その話を聞いた時、かすかに胸の奥がキュッとしたが、なぜキュッとしたのか、自分でもわからなかった…



No.358 16/07/20 22:16
小説大好き 

>> 357 その声は囁くような小さな声であったが
当たりが静まり返っているから

隣の部屋にいる麗奈にも会話が所々聞こえてきた。

松本『もうすっかり大人だな。』

直人『そう?』

松本『昔は酷かったからな~。笑』

直人『えへへへ。御陰様で更正しました。笑』

松本『俺は嬉しいよ。直人がこんな好青年になってくれてさ。彼女は出来たか?』…






No.357 16/07/19 22:48
小説大好き 

>> 356 和子と麗奈がいる部屋と松本と直人がいる部屋は

隣であった。

松本と直人は晩酌を始めたようで

楽しそうな会話が麗奈の耳にも聞こえてきた…




No.356 16/07/19 20:01
旅人1 

>> 355 和子「とりあえず、あんたは、主人の部屋で寝泊まりする?」



直人「それでもいいよ。男子部屋は今何人ぐらいいるのかな?」



和子「今のところ、高校生の男の子ふたりだけどね」



直人「そっか…」




直人は、そこで、ふふっと笑い



「さっきの子が着てたイチゴパジャマ、かわいかったな…」



と言った…



No.355 16/07/16 00:07
旅人1 

>> 354 このときに産んだ子が、直人だったのである。



直人が高校受験の頃に、母親の昌子が癌のために他界し、戸籍抄本を見て自分の出生のことを知ってから、やさぐれだすようになったのである。



その時には、和子は松本とすでに結婚しており、弁護士の仕事の傍ら、松本とこの農園の寮をしていたので、直人を寮に入れていたのである…


No.354 16/07/16 00:02
旅人1 

>> 353 聞けば、昌子は昼間の勤め先の妻子ある上司とそういう関係になり、結果、妊娠したのだという。


上司とは、和子が大学にはいってからの不倫関係だったらしい。



昌子があまり職場で目立つ存在ではなく、和子のことがあり、早く帰宅したりもしていたので職場の人間とのつきあいもあまりないため、会社の人間にバレることもなく続いたのだという。



和子が大学生になり、比較的時間が自由になったせいもあったのか、単身赴任で来ていた上旬との不倫関係がはじまった。



気をつけていたのだが、昌子は妊娠し、相手の上司は異動で単身赴任を解除して、妻子の待つ家に戻ることになっていた。



昌子は


「あの人には知らせずに、ひとりで産むつもりよ…」



と、昌子は、和子のために夜の仕事をやめた時のように、和子に宣言した…




No.353 16/07/15 23:50
旅人1 

>> 352 大学卒業後、和子は就職はせず、法律事務所でアルバイトをつづけながら、弁護士を目指すため、司法試験の勉強を開始した。


弁護士になりたいのは、ひとつは昌子のためもあった。



ぐれていた時、いつも嫌な顔もせず警察に来てくれた昌子に楽をさせてあげたかった。


すんなりと司法試験には合格はしなかったが、何度目かの挑戦で、ついに司法試験一次と二次に合格し、和子は弁護士になることができた。


イソ弁として、法律事務所で働き、大変ながらも充実した日々を送っていた和子だったが、ある日、昌子が


「和子。実は、お姉ちゃん、妊娠したの…」



と和子に告げた…



No.352 16/07/15 23:43
旅人1 

>> 351 昌子は、自分は大学進学を諦めたが、和子には大学に行かせたいと、両親が残したお金にはなるべく手をつけず、和子の大学の進学資金にするつもりだった。


その事を知った和子は、最初は躊躇したが昌子の気持ちに甘え、大学に行くことにした。



少しでも昌子の助けになればと、アルバイトを探していた和子は、大学から比較的近い法律事務所の電話番のアルバイトの広告を見つけ、応募して採用された。



その法律事務所でアルバイトをしたことが、和子が弁護士になるきっかけだった…






No.351 16/07/15 23:34
旅人1 

>> 350 和子は、そう言いながら、甥の直人が、この寮にいた頃のことを思い出していた。


和子がスケバンだった頃、何度となく警察に補導されたが、いつも姉の昌子は嫌な顔もせず和子を迎えに来て、刑事に謝っていた。


和子は、姉の気持ちはわかっていたのだが、今さら素直にもなれなかった。


ぐれつづけていた和子に、ある日、昌子が


「お姉ちゃん、今月でスナックの仕事辞めるわ。多少お金は減っても、夜はあんたと一緒にいられる昼間の仕事を探す」



と和子に宣言した。


そして、和子を抱き締め


「今までごめんね…。父さんと母さんが一度に死んじゃって、お姉ちゃんも、あんたとの生活をなんとかすることに必死で、あんたのことをちゃんと見ていてあげられなかったわ。本当に、本当に、ごめんね…」



と言って泣いた。



和子は、昌子に抱き締められ、胸がいっぱいになった。



まもなく、宣言通り、昌子は昼間の仕事を見つけ、夜は和子と一緒に過ごすようになった。


和子も、スケバンから足を洗った…



No.350 16/07/15 23:06
小説大好き 

>> 349 麗奈『お…やすみなさい。』

麗奈は小さな声で言った。

直人『おやすみ!イチゴちゃん!』

麗奈は直人の投げかけてくれる言葉が嬉しかったが

嬉しい気持ちをどう表現してよいのか分からぬまま

小走りで部屋に帰った。

そんな麗奈を見ながら和子は

『直人…しばらくここにいてくれない?』

直人『良いけど…何で?』

和子『麗奈…あんたの言葉に初めてほんのちょっと笑ったの。』

直人『え?笑った?』

和子『よ~く見なきゃ分からないけどね。』

直人『へ~!まあ、俺はしばらく自由だから居てやるよ。』
和子『全く偉そうに!』

直人『はっはっはっ!俺様は偉いのじゃ!』

和子『そうね。偉いから麗奈の心開かすのを手伝って欲しいのよ。』…




No.349 16/07/14 22:45
小説大好き 

>> 348 麗奈のパジャマは白地に真っ赤なイチゴ模様だった。

麗奈は母親が選んだこのパジャマが嫌いだった…




No.348 16/07/13 22:26
小説大好き 

>> 347 その時、電気が回復して灯りがついた。

よく考えたら麗奈はパジャマであった。

麗奈は初対面の直人にパジャマ姿を見られる事が恥ずかしくて

もう一度停電してくれないかな…と内心思った…




No.347 16/07/13 21:18
旅人1 

>> 346 麗奈は、直人にそう言われて、少し心がほぐれるのを感じた…


No.346 16/07/10 15:25
旅人1 

>> 345 和子は


「この子は、この前入寮したばかりなのよ」



と直人に言った。



直人は


「ふーん…、でも俺も、一時期ここにやっかいになってだけど、みんないい奴ばっかりだし、兄イや姉ちゃんたちも優しいしさ。すぐ慣れるから心配いらないよ」



と明るく麗奈に言った…



No.345 16/07/10 15:17
小説大好き 

>> 344 直人は麗奈に

『宜しく!』

と人差し指と親指をピストルのようにして麗奈に若者向けの挨拶をした。

麗奈『よろ…しくお願いします。』

挨拶が苦手な麗奈だったが

頑張ってこの環境に慣れようと

小さい声ながらも直人に挨拶を返した。
端から見れば小さな出来事であったが

麗奈にとっては清水の舞台から飛び降りるくらいの

勇気がいることだった…


No.344 16/07/06 20:42
旅人1 

>> 343 死んだ和子の姉の昌子(まさこ)は、たったふたりきりの姉妹だった。


両親は、昌子が高校3年、和子が中学に上がろうとする頃、交通事故で二人とも他界した。


昌子は、大学進学を諦め、和子の面倒をみたが、和子は、いきなりの両親の他界のショックや、昌子がスナックで働きはじめて夜いないさびしさから、非行に走り、中学を卒業する頃にはいっぱしのスケバンとなっていた。


昌子も、何度も警察に謝りに来てくれたが、その頃の和子には、感謝の気持ちがなかった…


No.343 16/07/05 22:35
旅人1 

>> 342 松本夫妻には子供がなかったので、和子は、たったひとりの甥である直人をわが子のように可愛がっていた。



直人も一時期、和子の姉である母親の死で、手のつけようもない程ぐれていたことがあった。


その頃、和子は、直人をこの寮に入れ、面倒をみたことがあった。



規則で、高校卒業と同時に寮を出た時には、暗い影はすっかり直人から消えていた。


そして、やりたいことを見つけるため、アメリカへ渡っていたのだった…


No.342 16/07/05 22:29
旅人1 

>> 341 「直人、あんたいつ日本に戻ってきたの?」


和子が尋ねると、直人は


「3日前だよ。しばらく友達んとこでのんびりしてて、きょうこっちに来たんだ」


と、和子に言った。



麗奈が呆然としていると、和子は

「この子は、直人っていって、あたしの姉の息子…、つまり甥ってわけ」


と、直人を紹介した…



No.341 16/07/05 22:23
小説大好き 

>> 340 和子と麗奈が寝ようとした時再び大きな雷が鳴り響き

次の瞬間停電した。
和子は松本と一緒に建物内の見回りをすることにした。

麗奈は暗い部屋に1人残る恐怖に耐えかね

和子達の見回りについていく事にした。
各部屋からは停電というアクシデントを楽しんでいるかのような笑い声が聞こえてきた。

一通り見回って異常は無く

部屋に帰ろうとしていた時

和子がいきなり悲鳴を上げた。

麗奈は和子の悲鳴にびっくりして悲鳴をあげた。

2人が悲鳴をあげると暗い廊下の先の方で何かが動いた。

『どうしたんですか?』

暗い廊下の先の方から声がした。

和子『その声は直人?』

だんだんと近付いて懐中電灯でその先を照らすと

直人『まぶしいよ!』

和子『こんな暗がりで何してるの?』


No.340 16/07/04 22:41
小説大好き 

>> 339 麗奈は和子に苦しい胸の内を聞いてもらい

嬉しかった。

和子『さあ、そろそろ寝ましょう!』

麗奈『はい!』

その時雷が

〃ゴロゴロゴロゴロ!〃

と鳴り響いたと思うやいなや

すごい勢いで雨が降り出した…




No.339 16/07/03 22:40
旅人1 

>> 338 麗奈は、子供の頃から


「金持ちの子はいいわね」


と言われ、麗奈が頑張って勉強して、テストで100点をとった時も



「どうせ先生たちに、裏でお金でも渡してるんだろう」



と、心ないことを言われたこともあったのだ…


No.338 16/07/03 22:32
小説大好き 

>> 337 和子は麗奈をぎゅっと抱きしめた。

和子『いいのよ、思いっきり泣きなさい。』

麗奈はしばらく泣き、落ち着くと

麗奈『皆…お金持ちだからって、私のことを羨ましがるんです。

でも、私は普通の家庭に産まれたかったです。』

和子は静かに頷きながら麗奈の話を聞いた…





No.337 16/07/03 12:36
小説大好き 

>> 336 麗奈は予想だにしなかった和子の迫力に
驚いたのか泣き始めた。

麗奈『私は…今までこんな風に叱ってくれる人がいませんでした。』

和子『麗奈ちゃん…』

麗奈『いつもほったらかしにされ、上辺だけの愛情で…』

麗奈は涙で言葉に詰まった…





No.336 16/07/02 22:52
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>> 335 和子『ただし、今夜だけね。これは特例よ。』


初めは聞き入れなかった和子は

一晩だけ麗奈を自分の部屋に泊める事にした。

和子は元スケバンだっただけあって

ここぞという時には凄い迫力があった。

和子は何時も自分がやっている仕事を

麗奈に手伝わせた。
麗奈が気怠い素振りを見せると

和子『怠けるな!』
と活を入れた…




No.335 16/07/01 22:08
小説大好き 

>> 333 歌穂は和子に 麗奈が落ち着くまで 別室にしてもらえないかと頼んだ… 和子は深呼吸をすると

『分かった。麗奈の面倒は当分私が見るわ。』

と意を決して言った。
そして麗奈は和子と一緒の部屋に行くことになった…




No.334 16/07/01 22:02
旅人1 

>> 333 しかし、和子はふたりの頼みを聞き入れなかった。



麗奈が甘えで泣きじゃくっているのが、和子にはわかっていたからだった…


No.333 16/06/29 22:44
小説大好き 

>> 332 歌穂は和子に

麗奈が落ち着くまで
別室にしてもらえないかと頼んだ…





  • << 335 和子は深呼吸をすると 『分かった。麗奈の面倒は当分私が見るわ。』 と意を決して言った。 そして麗奈は和子と一緒の部屋に行くことになった…

No.332 16/06/29 15:12
旅人1 

>> 331 千夏の言葉にも、麗奈はただただ泣きじゃくるばかりだった。




無言のまま、泣きじゃくる麗奈に、歌穂も千夏も途方に暮れた…



No.331 16/06/26 22:02
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>> 330 千夏も心配そうに言葉をかけた。

千夏『共同生活なんだから皆がルールを守らなきゃ秩序が乱れてしまうのよ。』…



No.330 16/06/26 10:21
小説大好き 

>> 329 それまで人に叱られた事がなかった麗奈は

部屋に駆け込み自分の部屋のベッドに

潜り込んだ。

歌穂と千夏は顔を見合わせた。

歌穂はベッドの中の麗奈に向かって

歌穂『麗奈ちゃん、和子さんに謝ってきなさい。』

と落ち着いた口調で言った。

麗奈はベッドから目だけ出して歌穂を見た。

麗奈の目は涙で濡れていた…




No.329 16/06/25 22:20
旅人1 

>> 328 麗奈は、和子に一喝されたにも関わらず、やはり無言で、和子に対してペコリと頭を下げただけだった。




和子は


「口を利きたくないのなら、それでもいいけど、せめて挨拶だけはしなさい…」




と麗奈に言った…



No.328 16/06/25 21:47
小説大好き 

>> 327 千夏の言葉はまだドアの外にいた麗奈にも聞こえていた。

これまで周りからちやほやとされ、全て思い通りに暮らしてきた麗奈にとって

この寮はまるで監獄のように思えた。

麗奈はキッチンにいる和子に食器を差し出した。

無言の麗奈に和子が大声で怒鳴った。

『ご馳走ぐらい言いなさい!』

その声は歌穂達の部屋にも聞こえた…




No.327 16/06/24 07:07
旅人1 

>> 326 麗奈は、ベッドから起き上がり、食器の乗ったトレイを持つと無言で部屋を出ていった。



麗奈が部屋を出ると、千夏が


「なんかひとことぐらい言えばいいのに…」



と歌穂に言った…



No.326 16/06/22 22:40
小説大好き 

>> 325 麗奈は夕食を食べ終えると

食器を持って出る事すら

億劫でしばらくベッドに横になっていた。
そこへ歌穂と千夏が帰って来た。

2人は和子から事情を聞いていたから

引きこもりの麗奈に対して驚く事はなかったが

食べ終えた食器を放置してあることには我慢出来なかった。
そして遂に

歌穂『麗奈ちゃん!食べた食器はキッチンに持って行って頂戴!それに、1人で食べるより皆で一緒に食べた方がずっと美味しいわよ。』

と麗奈に言った…




No.325 16/06/21 23:15
旅人1 

>> 324 ちょうど歌穂は上畠と出掛けていていなかったので、和子が女子の部屋に案内し、ふたつある二段ベッドを指さし


「ふたつのベッドがあいてるから、あいてる好きなほうを使ってね。この部屋にはあとふたり女の子がいるけど、その子たちもこの二段ベッドを使ってるから」



と麗奈に言った。




麗奈は、慶子には頷いたものの、内心は共同生活に不安だった…



No.324 16/06/21 23:09
旅人1 

>> 323 女子の部屋で、麗奈は机に向かってひとりで夕食を食べていた。



母親の慶子が


「えっ!ここの寮って、個室はないんですか?!」



と驚いた様子だった。


和子は


「そうなんですよ。共同生活をするため、そしてひとりで孤立してしまうのを防ぐため、あえて、男子は男子、女子は女子で、ひと部屋で寝起きしてもらうことになっているんです。それがうちの寮の規則ですので、申し訳ありませんが、特別な理由なく個室をあてがうことはできないんです」



と、慶子に説明した。



慶子は麗奈に



「麗奈ちゃん、あなた、ほかの人と共同生活って、大丈夫なの…?」



と聞いてみると、麗奈は無言だったが、コックリと頷いた…



No.323 16/06/21 08:36
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>> 322 和子『麗奈ちゃん、学校で酷いいじめにあって、家に引きこもるようになったらしいのよ。』


歌穂『そうなんですか。』


和子『麗奈ちゃんのお父さんは大会社の社長をしておられる程の方で

麗奈ちゃんには甘いらしくて

麗奈ちゃんのわがままや欲する事全てやってあげてしまうんですって。

それを見かねたお母さんが

麗奈ちゃんの為にはあのお父さんから引き離すのが一番いいだろうって思っての事なのよ。』


歌穂『確かに、挨拶すら出来ないようだと社会で生きていけませんよね。』…






No.322 16/06/20 23:52
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>> 321 その夜。

皆食堂で夕食を食べていたのだが

麗奈の姿だけ見当たらない。

歌穂『沢井さん(麗奈)はどうされたの?』

和子『それがね…皆と一緒に食べたがらないのよ。』

歌穂『え?じゃあ部屋で1人で食べてるの?』

和子『まあ…ね。沢井さん、ちょっと訳ありでね。』…





No.321 16/06/19 22:37
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>> 320 デートからルンルン気分で帰宅した

歌穂と上畠も和子から麗奈を紹介された。
2人はとっさに

〃あ、今朝の車に乗っていた人だ!〃

と思いながら麗奈を見た。

しかし麗奈の顔に笑顔は無く

2人が

『宜しくね。』

と言っても黙ってうつむいているのであった…





No.320 16/06/19 13:50
小説大好き 

>> 319 麗奈は一言も言葉を発する事はなかった。
慶子は和子達に麗奈を託し丁寧に挨拶を済ませると

再び車に乗って帰って行った。

残された麗奈はやはり

何も喋らなかった…





No.319 16/06/17 22:55
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>> 318 『お嬢様、到着いたしました。』

運転していた執事が後部座席の麗奈に言った。

『さあ、麗奈、降りるわよ。』

母親の慶子が言った…





No.318 16/06/15 22:24
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>> 317 その頃、車は松本農場へ到着していた…




No.317 16/06/14 22:57
旅人1 

>> 316 上畠「チラッと見たけど、色白で、病弱そうな感じの子だったな。結構かわいかったし」



歌穂「バカ!」



と、上畠を小突いた。



上畠「でも…、歌穂のほうが美人だ…。歌穂は、美人って言われるの嫌がるけど、俺にとっては…、世界一美人だ…」




上畠は、真顔で歌穂に言った。



歌穂は、上畠から、美人と言われても嫌ではないことに気づいた。



上畠も、チャラい部分はあるものの、よく見れば顔立ちも整っているし、イケメンの部類に属するほうだと、歌穂は思った。



上畠は、歌穂の肩を抱きよせ、素早く唇にキスをした。


唇と唇だけが軽くふれあうさわやかなキスだったが、心は満たされた…




No.316 16/06/14 22:43
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>> 315 上畠『そこの交差点を左に曲がってすぐです。』

女性『ありがとう。』

車の後部座席には高校生位の女の子が座っていた。

車が走り去ると

上畠『もしかして、新入りなのかな?』

歌穂『そうかもね。』…




No.315 16/06/14 14:30
小説大好き 

>> 314 バスが来るまであと5分位ある。

上畠は何か楽しい話でもしようと

あれこれ考えていた。
すると一台の車が2人の前で止まり

窓が開くと、中から中年の女性が

『松本農場へはどう行ったらよいのかご存知ですか?』

と上畠に声をかけた…




No.314 16/06/13 15:48
旅人1 

>> 313 歌穂は、上畠を見て、綺麗で完璧な微笑をみせた。



上畠が



なんて綺麗な微笑なんだろう…





と感動するほどだった…

No.313 16/06/12 12:43
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>> 312 上畠は歌穂より少しだけ遅れてバス停に到着した。

バス停は田園風景の中にあり

そこに立っている歌穂は

よく風景に馴染んでいて

まるで一枚の絵画を見ているようだった。
上畠『おまたせ!』…





No.312 16/06/10 22:27
小説大好き 

>> 311 そして公園デート当日。

和子は気を利かせて歌穂に弁当作りを促していた。

歌穂は大きなお弁当を抱えて

大きなつばの麦わら帽子をかぶり

水色のストライプのTシャツにジーンズ姿で

上畠と待ち合わせに選んだバス停にいた…




No.311 16/06/10 15:16
旅人1 

>> 310 そして、歌穂と公園デートのために、またも和子に外出許可をもらいにいった上畠だった。



和子は許可してくれたが



「最近、みんな外出が多いわね。まあ、そういう年頃だから仕方ないかもしれないけど…。外出しても節度のある振る舞いをしなきゃダメよ。私たちはあくまでも、あなたたちの親御さんからあなたたちを預かっている立場なんだから。
ちゃんと門限までには帰ってくること。変な場所には行かないこと、お酒飲んだりタバコ吸ったり変なことしたりしないこと、ちゃんと守らないと外出許可は今後は出さないわよ」


と笑いながら言った。



上畠は



「ち、ちょっと公園に行くだけだから大丈夫ですよ…」



と照れながら言った…



No.310 16/06/10 14:31
小説大好き 

>> 309 そして上畠は歌穂に週末のデートを申し込んだ。

上畠『今度の日曜日、公園に行かないか?』


歌穂は公園という場所に始め驚いたが

歌穂『楽しそうね。いいわよ。』

と笑顔でこたえた。上畠は思わずガッツポーズをした…




No.309 16/06/10 13:22
旅人1 

>> 308 中学時代は、バスケットボールに夢中だった上畠だが、小学校時代からの親友が野球部にいたこともあり、よくキャッチボールの相手もしていた。


高校が別になり、上畠が入寮してからはほとんど連絡も取らなくはなったが、懐かしい親友だった。



中学の卒業式の日、その親友の近藤が


「これ、お前にやるよ、元気でな」



と、一緒にキャッチボールしていた時のボールを上畠に渡したのだった。





上畠は、もうずっと会っていない親友の近藤を思い出すと同時に



持ってきててよかった…




と思った…



No.308 16/06/10 12:54
小説大好き 

>> 307 歌穂を野球観戦に誘おうと考えた上畠は財布を覗き込んだ。

『はぁ…。ダメだ。』

今月は野球観戦はやめておこうと考えた上畠は

『そうだ!』

と机の引き出しをゴソゴソとして

『あった!』

と手にとったのは野球のボールだった…



No.307 16/06/08 22:59
旅人1 

>> 306 ずっと前に、何かの話のきっかけで歌穂が、野球好きというのを記憶していたのだった。



上畠は、覚えていてよかった と思った。




歌穂が野球好きになったのは、初恋の宮下が、中学時代野球部に所属していたためだったのだが…



No.306 16/06/08 22:09
小説大好き 

>> 305 上畠は歌穂が野球が好きだと言っていたのを思い出した。

そうだ!野球観戦に誘ってみよう…




No.305 16/06/06 22:06
小説大好き 

>> 304 上畠は水族館デートから

急に距離を縮めた川上と千夏に

負けてはいられないと感じていた。

次なるデートはどこに行こうか?

と上畠は考えていた…




No.304 16/06/04 23:26
旅人1 

>> 303 そして翌月、富子は、黒田の用意した借家に移っていった。



千夏には、アパートを引きはらったことも、黒田が借家を用意してくれたことも、何も連絡せずに…。




しかし、まだそれは先の話であるので、ひとまずは話を戻そう。



千夏と川上が、無料で水族館やレストランを利用したことを、上畠と歌穂はかなりうらやましがっていたので、ふたりはやや得意気になっていた…



No.303 16/06/04 23:21
旅人1 

>> 302 しかも黒田は



「結婚はできないけど、お前のために家は用意したんだ。ここから少し遠くになるが、中古の借家だけど綺麗に使ってあるから、来月にでも引越しだな。それまでに荷物はまとめておけよ」



と、寝物語で富子に言った。




富子は、



結婚することはできない とはっきり黒田に言われたことは少なからずショックではあったが、



家を用意する約束はきちんと守ってくれたんだわ

黒田さんと離れるぐらいなら、もうそれでもいい



と思い直していた。




千夏は寮にいるから、学校のこととか心配せずに来月引越しすればいいし




富子は千夏のことはすっかり忘れて幸福な気持ちになっていた…



No.302 16/06/04 23:14
旅人1 

>> 301 富子が電話を切ったあと、富子の家の電話が鳴った。



「もしもし…」




と富子が電話に出ると、



「俺だよ」




と、黒田の声が聞こえてきた。



「今からお前のとこに行くから、酒と、何かつまめるもの用意しといてくれないか?」



と言われて富子は嬉しくなり


「わかったわ。待ってるから」



と言っていそいそと電話を切った。



寂しくて、千夏の声が聞きたくて寮に電話したことなど、富子はすっかり忘れ、黒田のためにいそいそと酒の肴の支度をはじめた。



黒田は黒田で、富子とそろそろ手を切る時期かもな と思っていたが、気まぐれに電話してみると、富子の嬉しそうな声を聞いて



やっぱり、富子とは離れられないな…




と思い直していた。




その夜、黒田は久しぶりに富子のアパートに泊まった。



富子はもう、千夏のことなどすっかり忘れていた…







No.301 16/06/04 23:06
旅人1 

>> 300 千夏「ひとりって…、なんで?」



富子「最近黒田さん、あんまり会いに来てくれないのよ。いつまでたっても奥さんと別れてくれないし、もうなんだか疲れちゃってね…」




千夏は、



やっぱりね




ゴリが嫁と別れて母さんと一緒になるわけないのに



と思ったが、富子があまりに悲しそうな声を出していたので言えなかった。



富子「ごめんね。つまんないことで電話して。元気そうで安心したよ。じゃあね…」



と言って電話を切った。




千夏は、



お母さんのあんな悲しそうな声をはじめて聞いた…




と思っていた…



No.300 16/06/04 15:11
小説大好き 

>> 299 千夏『もしもし、どうしたの?』


富子『うん、さっきねテレビに出てたよ。』

千夏『あっ!あれ見たのね。』

富子『元気そうで安心したよ。』

千夏『ありがとう。母さんは元気にしてる?』

富子『…なんとかね。』

千夏『まだ…黒田さんと一緒なの?』

富子『ううん、母さん今ひとりぼっちなんだ。』…




No.299 16/06/04 14:49
旅人1 

>> 298 原則として、緊急の場合以外は、家族からの電話も、寮では取り次がないことになっていたのだが、富子の声が、いつになく暗く、沈んでいたので、電話を代わったほうがいいのかもしれない と和子は考え、千夏に電話を取り次いだのであった…


No.298 16/06/04 14:43
小説大好き 

>> 297 富子は千夏の声が聞きたくなり


寮に電話した。


電話には和子が出た。
富子が千夏宛てに寮に電話をかけてくるのは

初めてだった。

和子から電話を変わった千夏は

久々の富子の声に驚いた…





No.297 16/06/03 22:21
旅人1 

>> 296 千夏の父親、雅史と3人で住んでいたアパートにはお風呂がなかったが、まだ父親が元気だった頃は、3人で銭湯に行くのも楽しみだった。


繊維問屋の経理事務のパートを辞め、水商売の世界に入ってから、引越しも繰り返したが、風呂つきアパートに住めるようになったのである。



久しぶりに千夏の顔をテレビで見たせいか、昔のことばかり思い出すわ



富子は涙ぐみながら思った…



No.296 16/06/03 22:05
小説大好き 

>> 295 富子は千夏と2人で暮らしていた頃を思い出していた。


あの頃はお風呂が無いアパートだったから

毎日近くの銭湯まで千夏と手をつないで歩いて行った。


幼かった千夏は歩きながらアンパンマンの歌を口ずさんだ。
富子は思い出しながら涙が溢れ出た…





No.295 16/06/03 21:44
旅人1 

>> 294 黒田さん最近お店にも来てくれないし、アパートにもあんまり来なくなってしまった。


奥さんと離婚してあたしと結婚するって言ってたのに



それに、ふたりで暮らす家だって全然用意する気配もないし…



千夏とふたりで暮らしていた頃は、貧乏だったけど楽しかったのに




富子は、アパートでぼんやりとそんなことを考えた…



No.294 16/06/02 22:18
小説大好き 

>> 293 富子は生きる張り合いを失っていた。

テレビに映った千夏は幸せそうに微笑んでいた。

富子は自分だけ取り残されてしまったような

虚しさを感じていた。
最近仕事以外で外出する気も失せてしまい

昼間は寝そべって、ぼーっとテレビを見ている事が多かった…




No.293 16/06/02 08:04
旅人1 

>> 292 千夏が、松本夫妻の寮に入ってから半年近くがたっていた。



富子は、最初に寮に訪ねに行って以来、1度も千夏を訪ねてはいなかったが、テレビで千夏を見て、涙が出そうになった。



千夏が入寮してから、黒田は、妻とは別れる、住む家も用意するとは言ったが、まだ実行はされてなく、富子は現在もひとりでアパートで暮らしていた。


富子が、約束を急かすような発言をすることが増えたため、黒田も最近は、富子のアパートにあまり来なくなっていて、富子は、スナックの仕事に行く以外は、客とのアフターの誘いも断り、ひとりでアパートにいることが多くなっていたのだ…


No.292 16/06/01 14:02
小説大好き 

>> 291 その様子はテレビのニュースで流れた。

富子は丁度そのニュースを見ていて


千夏が写っていて驚いた…




No.291 16/05/28 00:34
旅人1 

>> 290 水族館ができて、ちょうど一万人めの客となったふたりは、水族館を無料で、その日1日好きなだけ回ることができ、水族館の横のレストランの1日無料食事券ももらうことができたのだった…



No.290 16/05/26 22:21
小説大好き 

>> 289 ようやく水族館の玄関に近付いた。

玄関は何やら賑わっている。

屋根の下に入ると川上は傘を閉じた。

千夏はほっとした反面、もう少し相合い傘に入っていたかった。

川上と千夏が水族館の中に入ろうとした時


『おめでとうございます!あなた達が一万人目のお客様です!』

といきなり頭上のくす玉が割れた…




No.289 16/05/25 21:52
小説大好き 

>> 288 雨はいっそう強くなってきた。

水族館の入り口まであと100メートル位ある。
川上は千夏が濡れないように肩をぎゅっと寄せた。

千夏の心臓は爆発しそうだった…




No.288 16/05/24 23:10
旅人1 

>> 287 千夏が持っていた折り畳みの傘は、ふたりが入るには若干小さく、千夏の肩が濡れそうだった。



川上は

「濡れるから、もうちょっと中に入ったら…」




と、照れながら、ぎこちない口調で千夏に言った…



No.287 16/05/24 13:24
小説大好き 

>> 286 雨は次第に強まり

やがてバスは水族館前に到着した。

バスを降りた千夏は傘を差し

次に降りてくる川上を待った。

千夏がそっと川上を傘に入れると

川上は照れ臭そうに
『ありがと。あ…俺が持つよ。』

千夏に変わって傘を持った…





No.286 16/05/23 22:39
小説大好き 

>> 285 そしてデート当日。

結局千夏は歌穂から可愛い服を借りた。


千夏と川上はバスに乗って水族館に向かった。


水族館の少し手前まで来た時

雨が降り出してきた。
バスから降りたら水族館までしばらく歩かなくてはならない。
千夏は折りたたみの傘を持っていたが

川上は持っていなかった…





No.285 16/05/22 10:22
小説大好き 

>> 284 千夏は穏やかな気持ちで目覚めた。


時々歌穂が夜中にうなされる事があり

そんな時は朝まで眠れぬ事もあったが

最近は歌穂がうなされる事はなかった。
千夏は起き上がってクローゼットを開けて洋服を眺めた。

千夏『悩むほど服もないなあ…』

千夏は川上との水族館デートになにを着ていくか悩んだ…





No.284 16/05/21 21:57
旅人1 

>> 283 上畠もまた、歌穂の夢を見て、下着を汚してしまったのだ。




歌穂も千夏も、男ふたりがそんなことしてるとも知らず、ぐっすりと眠っていたのであったが…



No.283 16/05/21 21:52
小説大好き 

>> 282 川上はコソコソと流し場でパジャマを洗った。


すると上畠がやってきてコソコソとパジャマを洗い始めた。

川上と上畠は顔を合わせて

苦笑いした…




No.282 16/05/20 23:40
名無し255 ( ♀ )

>> 280 千夏! と川上が千夏を抱きしめようとすると そこで目が覚めた。 川上『夢だったか…もうちょっとだったのになぁ…』 現実ではなく夢に見るまで千夏への想いが
止められなくなっている自分に気付かされた。

『あ…❗マジかよ💦』

川上は下着を汚していた

あの独特の匂いと肌にまとわりつく嫌な感触。

久しぶりの体の反応に恥ずかしさと情けない気分になった。



No.281 16/05/20 23:00
旅人1 

>> 280 一方、千夏は、川上がそんな夢を見ているなどとは知らず、ぐっすりと、夢もみずに眠っていた…


No.280 16/05/20 22:51
小説大好き 

>> 279 千夏!


と川上が千夏を抱きしめようとすると


そこで目が覚めた。


川上『夢だったか…もうちょっとだったのになぁ…』



  • << 282 現実ではなく夢に見るまで千夏への想いが 止められなくなっている自分に気付かされた。 『あ…❗マジかよ💦』 川上は下着を汚していた あの独特の匂いと肌にまとわりつく嫌な感触。 久しぶりの体の反応に恥ずかしさと情けない気分になった。

No.279 16/05/20 00:20
名無し255 ( ♀ )

>> 277 川上はそれからその感触が頭から離れなくなってしまった。 ブラが外れた時のずっしりとした千夏の胸を 考えてしまうようになった。 考えす… ………

巡るめく千夏との
官能的な戯れ…

透き通るような千夏の
白い肌

川上の手の平から溢れる大きな膨らみ

その大きな膨らみの先端は桜色のように色づいている

千夏は恥ずかしそうに川上の視線を反らしているが、衣服を身にまとわない裸体を隠すことなく
川上を受け入れようとしていた………

No.277 16/05/19 21:58
小説大好き 

>> 276 川上はそれからその感触が頭から離れなくなってしまった。

ブラが外れた時のずっしりとした千夏の胸を


考えてしまうようになった。

考えすぎたせいか、その夜千夏とホテルに行く夢を見た…




  • << 279 ……… 巡るめく千夏との 官能的な戯れ… 透き通るような千夏の 白い肌 川上の手の平から溢れる大きな膨らみ その大きな膨らみの先端は桜色のように色づいている 千夏は恥ずかしそうに川上の視線を反らしているが、衣服を身にまとわない裸体を隠すことなく 川上を受け入れようとしていた………

No.276 16/05/18 22:40
小説大好き 

>> 275 川上は気付いていた。
ポチッとブラの金具が外れる感触が分かったのだ。

やってしまった

と思ったが歌穂達の手前なにもいえなかった。

川上は千夏の華奢な体の割に大きなバストを

ブラの外れた感触で感じていた…




No.275 16/05/17 22:51
名無し255 ( ♀ )

>> 274
その時、優しく背中を叩く振動で

千夏のブラジャーのホックが外れてしまった。

川上に気づかれないようすぐさま

千夏は胸元を押さえ席を立った。


No.274 16/05/17 07:03
小説大好き 

>> 273 川上は口いっぱいにご飯をかきこんで

苦しそうにもがいている千夏を見て

川上『大丈夫?(笑)』

千夏『うん。』

川上は千夏の背中をトントンと

優しく叩いてくれた…




No.273 16/05/16 23:47
旅人1 

>> 271 歌穂と上畠はすごい匂いのする干物をくれた 初老カップルの話で盛り上がっていた。 千夏には毎日そばでみている 歌穂と上畠の距離がすごく縮ま… 千夏は



「うん…」




と、小さく頷いた。




川上は



「じゃあ、今度の日曜に外出許可もらって出掛けようか」




と言った…



No.272 16/05/16 23:44
名無し255 ( ♀ )

>> 271

不意を突かれた千夏は
川上の提案に驚き

焼いた[くさや]の干物がを喉につまらせそうになり急いで米を口の中へかき込んだ。

千夏『#$%&*+@\@+*&#‼』

No.271 16/05/16 22:52
小説大好き 

>> 270 歌穂と上畠はすごい匂いのする干物をくれた

初老カップルの話で盛り上がっていた。
千夏には毎日そばでみている

歌穂と上畠の距離がすごく縮まったように見えた。

川上『千夏ちゃん、俺達も水族館に行ってみないか?』…




  • << 273 千夏は 「うん…」 と、小さく頷いた。 川上は 「じゃあ、今度の日曜に外出許可もらって出掛けようか」 と言った…

No.270 16/05/16 00:00
名無し255 ( ♀ )

>> 269
そんな千夏の後ろ姿を追うかのように

黙って優しく見つめる川上だった。

No.269 16/05/15 22:51
小説大好き 

>> 268 千夏は恥ずかしくて逃げるように

和子の作った料理を

歌穂と上畠がいるテーブルへ

持って出た…





No.268 16/05/15 22:36
名無し255 ( ♀ )

>> 267
千夏の頬は

赤いギンガムチェックのエプロンよりも

赤く色づいていた。


No.267 16/05/15 22:02
旅人1 

>> 266 川上も千夏も、和子の言葉にちょっと顔を赤くした。



確かに、千夏は夕食当番だったためか、赤のギンガムチェックのエプロンをつけていたが…



No.266 16/05/15 21:59
小説大好き 

>> 265 その匂いにつられて和子がやってきた。

和子はそのくさやのような干物をみると

手際良く料理した。

千夏と川上は和子のあまりの早業に目を見張った。


そんな2人に和子は

和子『キッチンで並んでると何だか新婚さんみたいね。』


と言った…





No.265 16/05/15 20:45
旅人1 

>> 263 料理経験の少ない千夏は 干物を受け取ったが どうしてよいか悩んでいた。 そこへ川上がやってきた… 「何、この干物?」




川上が聞いてきたが、千夏は



「さあ、歌穂さんにもらったんだけど」




と言った。




川上「なんか匂うよね」




確かに、異様な臭いのする干物だったが…




No.264 16/05/15 20:30
名無し255 ( ♀ )

>> 263
『ん!!この匂い、何???』

川上がしかめっ面で千夏の手元を見た。

その匂いの元は大きな【くさや🐟】だった。

No.263 16/05/15 19:11
小説大好き 

>> 262 料理経験の少ない千夏は

干物を受け取ったが

どうしてよいか悩んでいた。


そこへ川上がやってきた…




  • << 265 「何、この干物?」 川上が聞いてきたが、千夏は 「さあ、歌穂さんにもらったんだけど」 と言った。 川上「なんか匂うよね」 確かに、異様な臭いのする干物だったが…

No.262 16/05/15 12:54
名無し255 ( ♀ )

>> 261 千夏は内心、

『何これ‼』


と思ったが、歌穂の気持ちを無駄にしたくなかった為

『そうなんだ!焼いてくるね😉』


干物を持ってキッチンへ行った。

No.261 16/05/15 06:52
旅人1 

>> 260 その干物は、水族館で知り合った初老カップルから無理矢理持たされたものだった…


No.260 16/05/14 22:56
名無し255 ( ♀ )

>> 259 歌穂は鞄から干物を取り出して

『これ、なかなかよ🎵』
と千夏に干物を手渡した。

No.259 16/05/14 22:53
旅人1 

>> 257 歌穂は、上畠から 自分を大事にしなきゃダメだろ! と一喝されたことが、内心嬉しく感じていた。 … 千夏が



「上畠さんと水族館行って楽しかったですか?」




と尋ねると、歌穂は



「まあね」




と、例の綺麗な笑顔で答えた…




No.258 16/05/14 22:45
名無し255 ( ♀ )

>> 257 歌穂は思わずちゃぶ台をひっくり返した

(ノ-"-)ノ~┻━┻

No.257 16/05/14 22:37
旅人1 

>> 256 歌穂は、上畠から



自分を大事にしなきゃダメだろ!




と一喝されたことが、内心嬉しく感じていた。




普段からどこかチャラくて、あんまり異性を感じていなかった上畠が、男に思えた。




食堂には、川上と千夏がテーブルの配膳の手伝いをしていた。




千夏は歌穂をみて




「門限ギリギリだったから、夕食の時間に間に合うかどうか心配してたんですよ」




と言った…

  • << 259 千夏が 「上畠さんと水族館行って楽しかったですか?」 と尋ねると、歌穂は 「まあね」 と、例の綺麗な笑顔で答えた…

No.256 16/05/14 22:30
旅人1 

>> 254 上畠は、歌穂の大胆さとテクニックに我を忘れていたが、そこで我にかえった。 歌穂は、やけくそになっているんだ 今、… 上畠「歌穂は、汚れた女なんかじゃないよ…。義理のお父さんに何されたか知らないけど、それは歌穂だけの責任じゃない…」





歌穂「上畠くん…」




上畠「歌穂、もっと自分に自信持たなきゃダメだよ。俺も、あんまり人のこと言えないけど…さ」




歌穂は、黙って、シャツの前ボタンを止め直した。




上畠は



「そろそろ、寮の門限の時間が近づいてるし、帰ろうか…。和子さん心配するからな」



と歌穂に言うと、歌穂は黙って頷いた。



そして、上畠と手を繋ぎながら、再び歩いて、バスに乗り、門限ギリギリではあったが、寮に戻った。



「何とか夕飯の時間に間に合ったな…」




と上畠は歌穂に言って、素早く歌穂の唇にキスをした。



さわやかなキスだった。




歌穂も、上畠にキスされ、さわやかな気持ちになった…



No.255 16/05/14 22:21
名無し255 ( ♀ )

>> 254 な、殴ったなー!
父さんにも殴られたことなかったのにぃ!!!!!!!

No.254 16/05/14 22:17
旅人1 

>> 253 上畠は、歌穂の大胆さとテクニックに我を忘れていたが、そこで我にかえった。



歌穂は、やけくそになっているんだ



今、そんな歌穂とヤったとしても、後味が悪くなるだけだ



歌穂が、本当に俺を好きになってくれてるなら、別だけど、今は違う



今は、やめておくほうが、お互いのためには絶対いい…




そして、歌穂が本当に俺を好きになってくれたら、俺は歌穂を抱きたい




上畠は決意した。



そして歌穂に


「やめろよ、やけくそでこんなことするなんで、歌穂らしくないぞ」



と言って、歌穂から身体を離した。



さっきまで歌穂の唇と舌で愛撫されて、感じていた上畠自身も治まっていた。




歌穂は



「でも、上畠くん、あたしが欲しいんでしょ?今だけなら、あたしを自由にしていいよ…。もうどうせ汚れた女なんだし…」



と言った。




上畠は、思わず歌穂を平手打ちした。




「落ち着けよ、歌穂!もっと自分を大事にしなきゃダメだろ!」



と上畠が一喝して、歌穂は、上畠にぶたれた頬を手で押さえ、やがて理性が戻ってきた…





  • << 256 上畠「歌穂は、汚れた女なんかじゃないよ…。義理のお父さんに何されたか知らないけど、それは歌穂だけの責任じゃない…」 歌穂「上畠くん…」 上畠「歌穂、もっと自分に自信持たなきゃダメだよ。俺も、あんまり人のこと言えないけど…さ」 歌穂は、黙って、シャツの前ボタンを止め直した。 上畠は 「そろそろ、寮の門限の時間が近づいてるし、帰ろうか…。和子さん心配するからな」 と歌穂に言うと、歌穂は黙って頷いた。 そして、上畠と手を繋ぎながら、再び歩いて、バスに乗り、門限ギリギリではあったが、寮に戻った。 「何とか夕飯の時間に間に合ったな…」 と上畠は歌穂に言って、素早く歌穂の唇にキスをした。 さわやかなキスだった。 歌穂も、上畠にキスされ、さわやかな気持ちになった…

No.253 16/05/14 22:06
旅人1 

>> 252 上畠は思わず身体をのけぞらせた。



「うっ…」




歌穂は、上畠の反応を見ながら、さらにいやらしく唇と舌を使った。



義父にさんざんさせられて覚えたテクニックだった。


歌穂は、上畠を口に含んで愛撫しながら、半ばやけくそ気味になっていた。



欲情だけでなく、自分の過去や、初恋の宮下豪を忘れたかった。



そのために、上畠を利用しようとしていた。




上畠は、義父に仕込まれたんだな と感じていたが、



「き、気持ちいい…」



と、呻いた。



歌穂は、上畠から唇を離した。



そして、シャツの前ボタンをはずしていった…





No.252 16/05/14 20:40
旅人1 

>> 251 キスをしながら、上畠は、ベンチのそばの茂みに歌穂の身体を抱き抱えるように移動させた。



茂みで、通行人からは見えないようになると、上畠は、キスをしながら、歌穂の胸に触れた。


服の上から触った歌穂の胸は、大きすぎず、小さすぎない、ちょうどよい大きさだった。



ふたりは、茂みの蔭の地べたに座って、キスをしていたが、やがて歌穂が唇を離すと、上畠のズボンのジッパーをおろした。



そして、歌穂はそのまま、上畠の股間に顔を埋め、唇と舌で巧みに愛撫した…



No.251 16/05/14 20:32
旅人1 

>> 250 上畠は、歌穂の大胆さにビックリした。




上畠も、14で初体験をしていたので、女を知らないわけではなかった。



歌穂は、上畠とのキスで欲望が目覚めていたのと、宮下のことを忘れたくて、大胆になっていた。



歌穂が、上畠のズボンの上から股間を撫で上げると、やはり上畠も反応してきた。



「歌穂…」




上畠はたまらず歌穂にもう一度キスをした…



No.250 16/05/14 17:53
小説大好き 

>> 249 歌穂の体は久しぶりに男を求めた。


歌穂は義父から毎日犯され続けているうちに

意志とは裏腹に体は感じ方を覚えていた。

歌穂の手は上畠の股間を触った…





No.249 16/05/14 07:12
旅人1 

>> 248 上畠は、歌穂が徐々に、自分のキスを受け入れているのを感じると、今度は深めに舌を入れ、歌穂の舌に自分の舌を絡ませた。

歌穂も拒まず、上畠の舌に自分の舌を絡めてきた。



上畠は、歌穂を抱きたい と思った。



歌穂とキスをしながら、身体が欲望で熱くなってきたのが自分でもわかった。



だが、歌穂は、義父との辛い経験がある…



今は、これ以上求めると、歌穂から拒絶されるだろう


そう思った上畠は、歌穂から唇を離した。



そして


「ごめんな…、でも、我慢できなくてつい…」



と言った。そして



「でも、いい加減な気持ちじゃなくて、ずっと前からこうしたいって思ってた…、好きだったから…」



と言った…



No.248 16/05/14 07:02
旅人1 

>> 247 歌穂は、上畠からのキスに、一瞬ビクッと身体を固くしたが、上畠のキスを受け入れた。


上畠が少しだけ唇を開き、歌穂の口腔に少し舌を入れると、歌穂も、少しだけ、上畠の舌に自分の舌を絡めた。



宮下とも、舌を絡ませあう、大人のディープキスを何度もした。


義父から犯され続けていたときも、義父から無理矢理キスで舌を吸われたこともあった。



義父から犯され、何度も死ぬことを考えたが、母の瑞穂が悲しむと思うと死ねなかった。



上畠とのキスで、歌穂はそんなことを思い出していた…



No.247 16/05/13 22:29
小説大好き 

>> 246 歌穂は上畠に心を許している事に


自分で驚いた。


そして歌穂の左手は上畠の右手を握った。

上畠はちょっと驚いて歌穂を見つめた。

上畠はまだ涙がかわききらない歌穂の

唇にそっと自分の唇を…




No.246 16/05/12 21:48
小説大好き 

>> 245 上畠はそっと歌穂の背中をさすった…





No.245 16/05/11 22:32
旅人1 

>> 244 歌穂は、問わず語りに、今までの自分を上畠に話した。



歌穂が子供の頃、建設作業員だった実父が、施工中のビルから転落死し、中学1年の時に、母が歌穂を連れて再婚したこと



母が義父の子を妊娠してから、義父から性的虐待を受けていたこと


「あたしは、汚れた女…。こんな、こんな自分が嫌い…」



話しているうち、歌穂の声は涙声になっていた。


ただの性的虐待ではなく、義父に犯され続けていたことまでは、さすがに上畠には言えなかったが、話を聞いていた上畠には、歌穂が義父から何をされていたのかは、薄々想像がついていた…



No.244 16/05/11 10:41
小説大好き 

>> 243 上畠がもじもじとしていると

歌穂が沈黙を破った。
歌穂『私は自分の生い立ちが憎たらしい…。』

上畠は突然の歌穂の言葉に


頭の中のキスが吹っ飛んだ…





No.243 16/05/11 07:59
旅人1 

>> 242 上畠の中に、歌穂を抱き寄せてキスしたい という気持ちが膨らんでいったが、以前歌穂が、夏休みバイトで農園に来ていた大学生たちが歌穂を誘ってきた時に、手酷く拒絶していたことを思い出した。




俺も、歌穂に拒絶されるかも…





上畠は迷った…



No.242 16/05/11 07:15
小説大好き 

>> 241 ひとけの無い道端のベンチに上畠と歌穂は二人きり


辺りはうっすら暗くなってきた。


夕日は歌穂の横顔を赤く染め

歌穂を抱きしめてキスがしたいという上畠の欲望を掻き立てた…




No.241 16/05/10 22:08
小説大好き 

>> 240 歌穂はカルピスソーダを眺めながら

宮下の事を忘れていない自分に気がついた。

もう昔の話なのに気がついたら宮下の事を考えている。

『ハァ…』

歌穂は小さくため息をついた…




No.240 16/05/09 22:50
旅人1 

>> 239 カルピスソーダは、歌穂が好きな飲み物で、宮下とも学校帰りによく自販機で買って一緒に飲んだ。





なんだか昔に戻ったみたい




ただ、横にいるのは、宮下くんじゃなくて、上畠くんだけど…



歌穂は、上畠が買ってきてくれたカルピスソーダを見て思った…



No.239 16/05/09 22:46
小説大好き 

>> 238 2人はベンチに腰掛けると


歌穂がさっき買ったたこ焼きをゴソゴソと袋から出してきた。

丁度2人が座ったベンチの横に

ジュースの自販機があり

上畠『歌穂なに飲む?』

とコインを出した。

歌穂『う~んと、カルピスソーダ!』…




No.238 16/05/08 09:30
小説大好き 

>> 237 人混みを抜け静かな道に出ると


歌穂はちょっとほっとした。


こんな風に人混みを男性と手をつないで歩くなんて

想像していなかったから

緊張していたのだ。

丁度道端にベンチが見えると

歌穂『ねえ、ちょっと座ってたこ焼き食べない?』


緊張から解放された歌穂は何時もの笑顔に戻って聞いた…




No.237 16/05/07 00:14
旅人1 

>> 236 歌穂は


「ううん。でも、ちょっと痛かったかも」




と、笑顔をつくって言った。




上畠は


「ごめん…」



と、今度は優しく歌穂の手を握った…



No.236 16/05/06 21:54
小説大好き 

>> 235 上畠が歌穂の手をギュッと握ったら


歌穂はビクッとして

思わず立ち止まった。

上畠『あ…ごめん。痛かった?』…





No.235 16/05/04 23:08
小説大好き 

>> 234 繋いだ歌穂の手は少し震えていた。

上畠はそんな歌穂の気持ちを察したように

さらにギュッと歌穂の手を握った…




No.234 16/05/01 16:58
旅人1 

>> 233 宮下は、上畠と手を繋いで歩く歌穂を、遠くから眺めた。



ああやって、普通につきあえる男ができたんだな…



僕は、できなかったけど、そいつと幸せになれよ




ちょっと苦い気持ちもかみしめつつ、宮下は思った。



此恵が


「宮下くん、どうしたの?誰か知ってる人でもいたの?」



と訊ねたが、宮下は



「いや、別になんでもないよ。その指環、よく似合ってるよ」



と言って、此恵の指を自分の指に絡めるように、手を繋いだ。



歌穂は、宮下が、自分と上畠を見ていたことなど知らず、上畠と手を繋いで歩いた…



No.233 16/05/01 14:25
旅人1 

>> 232 もちろん、つきあいはじめてまもなく、宮下は此恵ともセックスするようになった。
此恵は処女だった。



宮下は、時々は歌穂のことを思い出したが、此恵は、


「宮下くんとつきあえるなんて思ってなかった。勇気だして告白してよかった…」



と言った。



此恵は、歌穂ほど美貌ではないが、結構かわいくて、此恵を狙っている男子は多いと聞いていたので、きっと自分にも自信があるんだろうと思っていた宮下には意外だった。


宮下は、此恵を大事にしようと思った。



此恵とつきあいはじめてまもなく、街で中学時代の友人と偶然再会し、歌穂が不登校になり、そういう子ばかりを受け入れる寮に入ったと聞いた。



その話を聞いた宮下は、平日仮病で学校を休み、歌穂の家を訪ねてみた。
平日の昼間ならば、義父の菊池は仕事でいないだろうと考えたからだ。


はたして、義父の菊池はいなくて、母親の瑞穂が出てきた。


そして、歌穂が入寮したことを話してくれた。


瑞穂はその頃、歌穂が菊池にひそかに餌食になっていたことを気づいていて、


「もう、あの子には会わないつもりだし、あの子もそうだと思うわ。だから、宮下さんも、あの子を訪ねていったりしないで…、あの子の傷がさらに深くなるだけだから」


と、宮下に言った。



宮下は、その時、歌穂が、義父に無理矢理犯されて、あんな画像を撮らされたのだと悟ったが、無理矢理とはいえ、歌穂が義父と身体の関係をもっていたのは事実だし、連絡も無視した自分が今更会いにいったとしても、歌穂のほうが拒絶するかもしれず、それに今自分には此恵がいる…



そうして宮下は、ようやく歌穂への思いを封印したのである…






No.232 16/05/01 14:06
旅人1 

>> 231 宮下が初体験をした女の子・詩子(うたこ)は、初体験後もしばらくはつきあっていて、ふたりで会うときにはセックスしていた。


はじめて知った世界で、宮下は彼女とのセックスに夢中になり、詩子も求めてきたので、勉強がおろそかになるぐらい、セックスばかりだった。


だが、そんな日々でも、宮下の脳裏には歌穂がまだ焼きついていた。


歌穂の義父から見せられた、自分は見ることがなかった歌穂の裸や乳房、あの部分の画像が…。


これが歌穂とだったら、もっとよかったかもな…



宮下は心のどこかで、そう思いながら、詩子とのセックスにのめり込んだ。


だが、詩子は、宮下以外にも、同じ進学校の一学年上の男がいて、その男と二股をかけていたことがわかった。



噂を耳にした宮下が問いつめると、詩子は


「だって、豪(ごう)くん、あたしと会ってても、エッチしてるときも、いつもどこかうわのそらだし…。あたしのことホントに好きじゃないんでしょ?センパイは、ちゃんとあたしのこと見ててくれるから…」



と、宮下に言って去っていった。



詩子とは別れたが、もともとイケメンで、スポーツ万能な宮下は、すぐに別のクラスの女の子から告白され、つきあいはじめた。



それが、指環を買ってあげた、此恵(このえ)だった…



No.231 16/04/30 23:04
旅人1 

>> 230 そして、その時、菊池は歌穂の中に放出した。


菊池は、トイレで歌穂の使用済みの生理用品をチェックし、安全な日を割り出して、安全なときは平気で歌穂の中に放出していた。



菊池は、歌穂の中に放出しながら



「うう~、ホントにお前を孕ませたいぜ~」



と、安全とわかっていても言ったのだった。



歌穂には地獄の日々だったが、宮下は、菊池から画像を見せられて、歌穂が、義父との関係を望んでいたと思い込んでいた。



むろん、歌穂はそんなことなど知らず、宮下からの連絡もなくなり、高校にも馴染めず不登校になっていた。



歌穂を忘れようと決めてまもなく、宮下は同じクラスの女の子とつきあうようになった。
歌穂が見た、自転車に乗せた女の子だった。



そして、その女の子と、宮下は初体験をした。



女の子が処女でなかったことにはちょっと驚いたが、初体験のとき、なぜか歌穂の顔が浮かんだ宮下だった…





No.230 16/04/30 22:54
旅人1 

>> 229 むろん、歌穂が望んで義父にそんな画像を撮らせたわけではない。


母親・瑞穂が、秋穂を出産して入院していたとき、菊池が歌穂を犯しながら



「ホント、10代のくせにいい身体してるよな…」


と言って、自分のスマホを取り出し、自分と歌穂の結合している部分をカメラで写したのである。



歌穂は恥ずかしさと嫌悪で



「やめて、そんな画像撮るの!」



と言ったが、菊池は



「瑞穂には見せないし、変な雑誌にも投稿したりしないからいいだろ」



と言って、歌穂の局部をアップで撮ったり、裸の写真も撮った。


さらには、歌穂を犯しているところを動画で撮ったりした。



歌穂は顔をそむけ、カメラに映らないようにしたが、菊池は無理矢理、歌穂の顔をカメラに向けさせた。



そして、終わってから、歌穂の恥ずかしい画像の数々を歌穂に見せて



「イヤだとか言っても、俺の○○○をこんなに奥まで受け入れて、イヤらしい汁が出てるのも丸見えだぜ…」



と、歌穂が嫌がるのがわかっていて、言うのだった。



「お義父さん、お願い、消して…」



と歌穂が泣きながら言ったが、菊池は


「何言ってんだ。こんなエロいお前の画像を消せるわけないだろ。さっきも言ったが、投稿雑誌なんかには出さないから安心していいぜ」



と言った。



歌穂が菊池のスマホを奪おうとしたが、菊池は歌穂の顔を殴り、痛さで半ば気絶した歌穂をさらに犯した…




No.229 16/04/30 22:38
旅人1 

>> 228 菊池のスマホには、歌穂の裸だけでなく、歌穂の、形のよい乳房や、恥ずかしい部分がアップで写っていたり、結合している部分もアップで写っている画像があった。



菊池はニヤニヤ笑いながら


「これでも、まだ信用できないっていうのなら、俺と歌穂の動画を見せてやってもいいんだぜ…」



と言った。




宮下は、その場を走り去った。




自分は、キスだけで、高校に入学したら、歌穂と と思っていたのに、歌穂は、義理の父親と…



宮下は、自宅に帰ると、ショックのあまり部屋に閉じ籠ってしまった。



歌穂からのLINEも未読、電話がかかってきても出なかった。



そして、歌穂を忘れることに決めたのだった…



No.228 16/04/30 22:30
旅人1 

>> 227 宮下は



「そんな話、嘘です!歌穂はそんな子じゃないですから!」



と言ったが、菊池は



「じゃあ、証拠を見せてやろうか…」



と、ズボンの後ろポケットからスマホを取りだし、宮下に見せた。




そこには、歌穂が裸で写っていた…



No.227 16/04/30 22:26
旅人1 

>> 226 宮下は、上畠と手を繋いで歩く歌穂を遠くから見た。



菊池…




宮下の胸中に、甘く苦い思いがよぎった。




同じ進学校を受験し、不合格だった歌穂と、高校は違っても、つきあっていくつもりでいた。



連絡はしていたが、何となく気を使いながらだった。



ある日、宮下は、見知らぬ男に道で声をかけられた。

それは、歌穂の義父、菊池優だった。



「あんた、歌穂の彼氏だろ?」



いきなり無遠慮に言われ、宮下は内心気を悪くした。



「失礼ですが、どなたですか?」



菊池は


「俺は、歌穂の義理の父親だが、あんたに話があってな。ここで待ち伏せてたんだ。よくこの辺で歌穂とキスしたり、イチャイチャしてたよな…」



と、ニヤニヤ笑いながら、宮下に言った。



宮下は



「そ、それがどうかしたんですか?僕たちは、つきあってるんだし、関係ないでしょう?」



と切り返したが、菊池は



「それが、関係あるんだよなあ~、歌穂は、実は俺の女なんだよ…、俺が時々、あいつの母親の目を盗んで抱いてるンでな」



と言った。





宮下は、衝撃で凍りついた…







No.226 16/04/30 22:02
小説大好き 

>> 225 上畠がふるえる手で歌穂と手をつなぐと

歌穂は優しく微笑んで受け入れた。


その時、再び宮下と彼女が反対方向から歌穂達がいる方へ

手をつなぎながら歩いていた。

その時宮下は上畠と手をつなぎながら歩く歌穂をようやく見た…




No.225 16/04/29 22:37
小説大好き 

>> 224 上畠は買った指輪を歌穂の指にはめると


自分の指にも指輪をはめた。


それから上畠は歌穂の手を震える手で繋いだ…




No.224 16/04/28 23:55
小説大好き 

>> 223 上畠がペアリングを買った事に

歌穂は驚いた…




No.223 16/04/27 22:32
旅人1 

>> 222 歌穂は、ペアリングなんて… と思ったが、上畠が速攻で



「じ、じゃあそれください!」




と、店主に言ってお金を払った…



No.222 16/04/27 22:29
小説大好き 

>> 221 店主『これこれ!シンプルだけどあんたみたいな美人さんにはよく似合うと思うよ。』


それはシルバーに小さなガラス玉がついた本当にシンプルなペアの指輪だった…




No.221 16/04/27 07:55
小説大好き 

>> 220 歌穂は、宮下が女の子にあげたものと同じものを上畠からもらうなんて嫌だと思い

歌穂『ごめん!私、違うのがいいな。』
と言うと

出店の店主が

『いいものがあるよ!これなんだけどね…』

と何やら下の方をまさぐり始めた…




No.220 16/04/27 07:31
旅人1 

>> 219 歌穂が戸惑っていると、出店の中年店主が


「きょうは結構アベックが指環とか買っていってくれてね~、さっきのアベックも、これ買っていったんだよ」



と、赤い小さな石のついた指環を示した。




上畠が


「それ下さい!」



と店主に言った…






No.219 16/04/27 07:20
小説大好き 

>> 218 上畠『歌穂、あそこ行こ!』

上畠の声に歌穂は我に返った。

上畠はさっき宮下達がいたオモチャ屋の出店を指差した。

オモチャ屋の前につくと

上畠『歌穂、指出して!』

上畠はさっき宮下が女の子にしたように
歌穂に指輪をはめたいようだ…




No.218 16/04/26 22:25
旅人1 

>> 217 でも、あの時自転車に乗せていた女の子とは別の女の子と、今は仲良くしているんだ
あたしがここにいることも気づかずに


いずれにしても、もうあたしのことは忘れているのよね




歌穂は、悲しくふたりの姿を見送った…







No.217 16/04/26 22:21
旅人1 

>> 216 歌穂は、宮下と女の子が、オモチャの指環を買って、出店をあとにするのを、悲しい気持ちで見ていた。



中学卒業後、宮下からの連絡が途絶えがちになり、やがて連絡が来なくなった直後だった。



宮下が、同じ進学校の制服を着た女の子を、自転車の後ろに乗せて、楽しそうに、仲良さそうに帰っていた姿を見たのは…。



ふたりの姿を見てすぐに、歌穂は携帯を解約した。
そして現在も、携帯は持たないままである。


携帯なくて不便じゃないのか? と上畠から聞かれたことがあったが、


別に、電話したりLINEするような友達もいないから



と返事をした。



義父から絶えず電話がかかってくるのが嫌なのもあったが、宮下と電話やLINEをしていた頃を思いだし、悲しくなったからだった…



No.216 16/04/26 22:07
小説大好き 

>> 215 宮下と女の子はオモチャ屋の前で立ち止まり

楽しそうに2人で指輪を見ていた。

宮下が選んだ指輪を女の子の指にはめて

『これください。』
と買っていた。

上畠はじっとオモチャ屋を見ている歌穂を見て

歌穂は指輪が欲しいのかな?

と思った…




No.215 16/04/26 20:12
旅人1 

>> 214 歌穂「何かのお祭りなのかなあ?」



いろいろな出店が並ぶ中を、ふたりはひやかしつつ歩いていた。



そうやって歩いていると、歌穂は、少し先の店に、行きのバスの窓から見た宮下と女の子の姿を見つけた…



No.214 16/04/25 22:01
小説大好き 

>> 213 ようやく初老カップルから解放され

水族館をでた上畠と歌穂は

賑やかな笛と太鼓の音がする方向に歩いた。

しばらく歩くとどんどん人混みになってきた。

歌穂『お祭りみたいね。』

上畠『そうだね。』
道の両脇には沢山の店屋が並んでいた…




No.213 16/04/24 22:35
旅人1 

>> 212 歌穂の中に、闇の部分があることは薄々は気づいていた。



だいたい、あの寮にいるのはみんな、大なり小なり、家庭に何らかの問題のあるヤツばっかりだしな



でも、歌穂は…



美しい容姿に恵まれているのに、なぜそれを必要以上に嫌悪するのか…



上畠は、歌穂の闇の部分が何からくるのか知りたいと思った。




そして、自分にも、少なからぬ闇の部分があることも思っていた…



No.212 16/04/24 21:54
小説大好き 

>> 211 その時上畠は

歌穂の中の闇の部分を感じた…





No.211 16/04/22 22:12
旅人1 

>> 210 歌穂は、上畠から


初デートと言われ、最初はむせたが、気持ちに余裕ができると、特に何も言わず、ただクスクス笑った。



民ばあさんが


「しっかし、アンタの彼女、ベッピンさんだねえ~」



と、歌穂を見て言ったので、上畠はドキッとした。


歌穂が、自分が綺麗と言われるのを嫌がっていたからだ。



しかし歌穂は、民ばあさんのほうを見て、ただ




「ありがとうございます」



と、上質の微笑みで言った…



No.210 16/04/22 22:02
小説大好き 

>> 209 へんな空気になってしまったと感じた上畠は


ひたすらお魚トークをした…





No.209 16/04/21 22:17
小説大好き 

>> 208 甚八『あんたら、つきおうてどんぐらいや?』


歌穂『つきあって…』

上畠『今日が初デートなんです。』

歌穂は思わずむせた…




No.208 16/04/20 22:15
小説大好き 

>> 204 歌穂と上畠は、昼食の誘いを、最初は遠慮して断ったが、初老カップルの二人が 「ワシらがおごっちゃるけえ~、遠慮せんでもええよ~」 … 初老のカップルは山田甚八、鈴木民といった。

お互いを〃甚八さん〃〃民さん〃と呼び合っていた。

甚八『わてら、ヘイスボックで知りおうたんや。』

民『ヘイスボックやなくてフェイスボックスやないの!』

上畠『あ…フェイスブックで知り合われたんですか?』

甚八『あ~、そうやそれそれ!』

歌穂『へ~、すごいですね!』…



No.207 16/04/20 00:07
旅人1 

>> 206 私は関西在住ですので、直接地震の影響はありませんでしたが、強い余震(本震?)があった夜、やはり関西方面も揺れたようです。


私は気づかなかったのですが…。



でも、主さまが被災されていなかったのでよかったです~。



本当に、一日も早く地震が鎮静化して、復旧の目処がたつとよいですね…。



No.206 16/04/19 22:11
小説大好き 

>> 205 心配かけてしまってすみません。

地震の影響はありませんでしたが、報道を見ていて被害の凄まじさに呆然としてしまいました。

被災された方々が1日も早く

普段の生活を取り戻すことが出来ることを祈ります。

フリーターさんの所は大丈夫ですか?




No.205 16/04/19 22:00
旅人1 

*ストーリーの途中ですみません💦*




主さま、地震大丈夫でしたか?




更新がなかったので、心配しておりました…




No.204 16/04/19 21:58
旅人1 

>> 203 歌穂と上畠は、昼食の誘いを、最初は遠慮して断ったが、初老カップルの二人が


「ワシらがおごっちゃるけえ~、遠慮せんでもええよ~」



とあまりにも言うので



まあ、いいか…




と、好意を受けることにした…





  • << 208 初老のカップルは山田甚八、鈴木民といった。 お互いを〃甚八さん〃〃民さん〃と呼び合っていた。 甚八『わてら、ヘイスボックで知りおうたんや。』 民『ヘイスボックやなくてフェイスボックスやないの!』 上畠『あ…フェイスブックで知り合われたんですか?』 甚八『あ~、そうやそれそれ!』 歌穂『へ~、すごいですね!』…

No.203 16/04/19 21:51
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>> 202 歌穂と上畠は2人で行動をしているつもりであったが


初老の2人がやたら歌穂たちに話しかけてくるものだから

周りからみたら4人のグループのようであった。

そして、何故か昼食も一緒に食べないかと

初老カップルが誘ってきた…




No.202 16/04/19 07:30
旅人1 

>> 201 水族館は、まあまあ人が来ていた。



家族連れや、カップルなども多い。



歌穂は、久しぶりにこういう場所に来て、水族館にいる珍しい魚たちも興味深く、



来てよかったかも




と思った…




No.201 16/04/14 22:15
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>> 200 そしてその初老のカップルたちと


歌穂たちは同じタイミングで水族館に入り

何となく一緒に行動していた…




No.200 16/04/13 22:06
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>> 199 すると遠くから

『民さ~ん!』

と初老の男性が小走りでやってきた。

上畠『ご主人ですか?』

民『旦那は二十年前に死んでもうたんや。あれは彼氏や!彼氏!人生楽しまなあかんよ。』…



No.199 16/04/12 22:32
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>> 198 ようやく水族館前に着くと

さっき隣に座っていた老婆も

バスを降りた。

老婆は上畠と歌穂に
『あたしもデートなんだよ。カッカッカ!』…




No.198 16/04/12 00:44
旅人1 

>> 197 上畠はあわてて


「し、新婚って…。俺たちまだ高校生なんですから…」


と、顔を真っ赤にしながら老婆に言った。




老婆は


「あたしが嫁に行ったのは17の時だったけどねえ~」



と、ボソッと言った…



No.197 16/04/11 22:58
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>> 196 通路を挟んで隣に座っている老婆が

『あんたら、新婚さんかい?』

と上畠に聞いてきた…




No.196 16/04/10 21:36
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>> 195 上畠『もしかしたら昔の彼氏でもいたのかと思ったよ。ハハッ!』

上畠はほんの軽い冗談で言った言葉であったが

歌穂は思わずその言葉にむせた。

上畠『あれ?風邪?大丈夫?』

歌穂『ゲホッゲホッ、ちょっとエヘンムシがいたみたい。』

上畠は咳き込む歌穂の背中をさすった…



No.195 16/04/10 21:29
旅人1 

>> 194 歌穂は、遠ざかる宮下が気になりつつも


「ううん、別に…。ちょっと知り合いに似てる人がいたから…。でも別人だったみたい…」



と、上畠に言った…



No.194 16/04/10 12:43
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>> 193 宮下を目で追っていた歌穂の様子に

上畠『どうかした?』…




No.193 16/04/09 22:32
旅人1 

>> 192 バスの窓の外から見た宮下の横には、女の子がいた。


歌穂ほどの美貌ではないが、結構かわいい女の子で、いつか自転車の後ろに乗せていた女の子とは別な女の子だった。



歌穂は思わず叫びそうになったが、バスは走り去っていき、宮下と女の子から遠ざかっていった…


No.192 16/04/09 22:08
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>> 191 2人はバスに乗って水族館へと向かった。

その時窓の外を眺めていた歌穂の目に

初恋の宮下の姿が飛び込んで来た…




No.191 16/04/08 23:16
旅人1 

>> 190 上畠はあわてて


「い、いや、別に…」



と言った。




歌穂は、いつものラフな、シャツとジーンズ姿だったが、外で見るせいか、上畠にはやけにまぶしく、新鮮に映った。



よく見ると、歌穂は、寮でのスニーカーではなく、かかとの高い、シンプルだが女らしいデザインのサンダルを履いていた。


そして、ストレートロングの髪から見える耳元には、ターコイズをあしらった小さなイヤリングをつけていた。



歌穂は


「久しぶりの外出だから、ちょっとはオシャレしないとね」


と言ったが、上畠はなんだか嬉しかった…



No.190 16/04/08 22:43
小説大好き 

>> 189 歌穂が駅に着くと

上畠は顔がにやけないように

必死で平静を装った。

歌穂『あ!ごめんね、待った?』

No.189 16/04/07 21:37
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>> 188 翌朝。

上畠と歌穂は同じ屋根の下に住んでいるのだが

最寄り駅で待ち合わせをした。

上畠は待ち合わせの30分も前から

駅に到着して歌穂を待った…




No.188 16/04/06 23:03
旅人1 

>> 187 千夏「私がここに来たときから思ってたんですけど、上畠さん、歌穂さんのこと好きみたいですよね」



それは、歌穂も薄々気づいていたことだった。



上畠を決して嫌いではないのだが、入寮が1ヶ月違いでほぼ同じ時期だったので、異性という感じがしなかったことや、初恋の宮下を、まだ心のどこかで忘れられなかったなどで、そういった対象として考えていなかったからだった。



歌穂「まあ、上畠くんが相手だし、普段通りでいいか」



結局歌穂は、いつものジーンズ姿で行くことにした…



No.187 16/04/06 22:20
小説大好き 

>> 186 歌穂『デート…っていうか、ちょっと2人で水族館に行くだけよ。』


千夏『歌穂さん、それをデートっていうんですよ。』

歌穂『でも相手が上畠君だからね。』…




No.186 16/04/05 22:15
小説大好き 

>> 185 そして上畠と水族館に行く前日の夜。

歌穂は少ない洋服の中から

どれを着ていこうかと鏡の前で悩んだ。
歌穂は千夏に

『こっちとこっちどっちがいいかな?』
千夏『右側のが可愛いと思いますよ。もしかしてデートですか?』…




No.185 16/04/04 20:25
旅人1 

>> 184 歌穂は、やきもきしながらも



自分も上畠と水族館に行くのに



と、頭の片隅で考えた。




上畠とふたりで水族館に行く実感があんまり歌穂にはなかった…



No.184 16/04/04 19:33
小説大好き 

>> 183 純粋な千夏に

愛おしさを感じながらも

川上の胸の内には

まだ麻由美に振られた事が引っかかっていた。

そんな2人を歌穂は部屋の中から見ながらやきもきしていた…



No.183 16/04/03 21:54
小説大好き 

>> 182 川上はビックリして

川上『どした?』


千夏『あ…ごめんなさい、こんな幸せな気持ちで星空を眺めることが出来て嬉しいんです。』…



No.182 16/04/02 21:43
小説大好き 

>> 181 千夏『うわぁ…』


千夏は川上が指差した星空を見上げ


あまりの美しさにしばらく見とれた。


千夏『幸せ…』


千夏は星空を見上げながら呟いた。


川上が千夏の横顔を見ると


千夏の頬には涙がこぼれ落ちていた…



No.181 16/03/31 22:15
小説大好き 

>> 180 川上はそんな千夏の優しい心遣いに


気持ちが和んだ。


川上『ありがとう。あれ見て!』


川上が指差した空を見上げると


宝石箱のような星々が輝いていた…




No.180 16/03/30 22:19
旅人1 

>> 179 千夏が笑ったので、つられて川上も笑った。



千夏は、部屋から持参してきていたブランケットを持ってテラスへ行った…



No.179 16/03/30 22:16
小説大好き 

>> 178 その時川上がタイミングよく

〃ハックション!〃

とくしゃみをした。

千夏は可笑しくなって

千夏『だから言ったじゃないですか、冷えますよって!』


と言いながらクスクス笑った…




No.178 16/03/28 22:32
小説大好き 

>> 177 その夜。

川上は食堂のベランダのテラスで椅子に座って

ジュースをのみながら

空を眺めていた。

もうすぐ4月だというのに

朝晩の冷え込みは厳しい。

千夏は食堂から川上の姿が見え、

『冷えますよ。』

と声をかけた…



No.177 16/03/27 09:22
旅人1 

>> 176 川上「ていうか、ファミレス行くんならまずは松本さんか和子さんに外出許可もらわないとダメだろ。上畠も、何でも思いつきで言うもんじゃないぞ」


とぶっきらぼうに言って川上はその場を去った。



確かに、寮にいる以上勝手には外出できず、事前に外出許可をもらわないといけなかったのである(ただし緊急時は別だが)。



歌穂も、そのことはわかっていたのだが、川上を元気づけたくて、わざと上畠のセリフにのったのだが…。



歌穂「まあ、今はそっとしておいたほうがいいのかもね。また今度改めてみんなで外出許可とって一緒にファミレスに行けばいいんだし」



上畠「そういえば、今度の日曜、歌穂と一緒に水族館行くんだったっけ」



外出許可で思い出した上畠だった…



No.176 16/03/26 22:56
小説大好き 

>> 175 歌穂『あ、いいね!この後みんなでファミレスいこうよ!』

上畠『いいね~!どう?川上と千夏ちゃん。』…




No.175 16/03/25 22:24
小説大好き 

>> 174 上畠『喧嘩でもしたのか?。』


川上『振られたんだよ。』


上畠『あら~、まじでか!じゃあ、今度皆で一緒に遊びに行こうぜ!』…





No.174 16/03/24 22:07
旅人1 

>> 173 上畠「LINEも来てないみたいだしなあ。なんかあったのか?」




川上「…別れたんだ…」




川上が、ボソッとそう言った…



No.173 16/03/22 22:15
小説大好き 

>> 172 その雰囲気に何かを感じた上畠が

『そういえば、川上の彼女最近来ないな。』…



No.172 16/03/21 21:41
旅人1 

>> 171 川上はあわてて


「いや、別に…」



と濁した。




歌穂は、千夏と川上を交互に見ながら、くすくす笑っていた…



No.171 16/03/20 22:41
小説大好き 

>> 170 川上は歌穂の〃彼氏〃という言葉に敏感に反応して


パッと千夏の顔を見た。


千夏の口から〃彼氏じゃない〃と聞くと

ほっとした顔をした。

歌穂『嬉しそうね。川上君。』…




No.170 16/03/20 08:34
旅人1 

>> 169 千夏は顔を真っ赤にして


「あっ、別に彼氏じゃないです。クラスメートで…」



と歌穂に言った。




そこへ上畠がやって来て



「おはよー、あっ歌穂。今度の日曜、水族館の約束忘れんなよ」



と歌穂に言った。



歌穂は笑いながら



「わかってるわよ」




と上畠に言った…




No.169 16/03/19 19:22
小説大好き 

>> 168 が…しかし。


もう恋なんてしないと思っていた川上だが

農場当番で千夏と一緒にいると


やはり千夏の穏やかさに和むのであった。

そんな時、歌穂が


『千夏ちゃんったら、あんな素敵な彼氏がいるなんて、隅に置けないわね!』


と言った言葉に

川上は敏感に反応した…




No.168 16/03/18 15:48
小説大好き 

>> 167 夢から覚めた川上は

自分は自分が思うほど

麻由美を嫌いでは無かったのかも知れないと


ぼんやり考えた。


その時の川上はもう恋なんてしないと思った…




No.167 16/03/17 21:58
小説大好き 

>> 166 夢の中の麻由美はいつものように良く喋り

川上はやはり黙って麻由美の話しを少し迷惑そうに聞きながら

片手にジュース、片手に機械の本を読んでいた。

麻由美『ちょっと、聞いてるの?』

麻由美が川上の顔を覗き込む…




No.166 16/03/15 21:56
旅人1 

>> 165 その夜、すっきりしない気分のままベッドに入った川上は、なかなか寝つけなかったが、明け方近くに、ちょっとウトウトとまどろんだ。



ウトウトの浅い眠りだったが、川上は夢を見た。



別れた麻由美の夢だった…



No.165 16/03/15 21:48
小説大好き 

>> 164 川上は千夏までもが自分から去って行ってしまう気がして


更に落ち込み


傷心旅行にでも行こうかと考えたりした…



No.164 16/03/14 22:01
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>> 163 そこへ歌穂がやって来て


歌穂『あら、川上君お帰りなさい。

あ、そういえば、さっき千夏ちゃんの彼氏っぽい男の子が来ていたわよ。』


川上『彼…氏?』…




No.163 16/03/14 10:29
旅人1 

>> 162 寮に戻った川上が、自分の部屋に入ると、上畠が


「おー、お帰り。あれ?どうしたんだ、お前、なんか顔色悪いぞ」



と川上を見て言った。



麻由美と別れて、これでよかったのだと自分に言い聞かせてはいるが、内心ではかなり動揺している自分に、川上は気づいていた…



No.162 16/03/13 21:20
小説大好き 

>> 161 川上は麻由美と別れたかった筈なのに


麻由美から別れを切り出され


すっきりした反面ちょっと悲しかった。川上は

これでよかったんだ…


と自分に言い聞かせながら寮に戻った。




No.161 16/03/13 13:41
旅人1 

>> 160 しばらく、喫茶店のテーブルに座り込んだまま、川上は呆然としていたが、


考えてみれば、俺も、麻由美と別れようと思ってたんじゃないか


俺が言わなくても、向こうから離れてくれたんだ
願ったり叶ったりじゃないか



これでいいんだ、これで…




そう内心言い聞かせながらも、川上の心は激しいショックを受けていた。



こんな自分が意外だった…



No.160 16/03/13 13:36
旅人1 

>> 159 川上は、意外な展開に、酸欠のように口をパクパクさせながら


「終わり って…?」



と聞いた。



麻由美「寮に入ってからあんまり連絡くれないし、すれ違いばっかしだし…、こっちがLINEしても返信もないときあるし。なんか、つきあってる意味ないしね。だから、もう、いいかな って…」



川上は


「他に好きな人とかできたの…?」



と、つとめて平静をよそおいながら、聞くのがやっとだった。



麻由美「そんなこと、ないよ。別に好きな人なんていない。でもさ、今みたいな状態に疲れたんだよ…、もともとあたしが告白しなきゃ、竜彦くんあたしとつきあったりしなかったでしょ?だから、気持ちに温度差あるのもわかってたし、仕方ないよね…、じゃあ、用事あるからもう帰るね…。今までありがとう。元気でね…」



と言うと、飲み物代をテーブルに置いて、麻由美は喫茶店を出ていった。




川上は、喫茶店のテーブルに取り残されたまま、意外な展開に、何も考えられなかった…



No.159 16/03/13 13:25
旅人1 

>> 158 一方、川上は、喫茶店で、麻由美を待っていたが、以前のように、麻由美はちょっと遅れてやって来た。



麻由美「久しぶり。やっと会えたよね。LINEしてもなかなか返信してくれないし、どうなったかと思ってた。寮に入るって言ったときはビックリしたけど、なかなか連絡とれないし」



川上は、麻由美にたいしてまだ別れの言葉をちゃんと考えてなかったことに気づいた。


でも、とにかく、別れたい って言わないと




そう内心では思いつつも、しばらくは麻由美と、通っていた高校の話などの当たり障りのない話をした。



話がちょっと途切れて、川上が、今が言うチャンスかもしれない と思い


「麻由美、あの…」



と言うと、麻由美のほうから


「あたし、本当は、竜彦くんに話があって…。
言いにくいんだけど、もう終わりにしようって思うの…」



と言われた。



川上は一瞬



えっ…?!




と言葉につまった…






No.158 16/03/13 13:16
旅人1 

>> 157 千夏は


「うん、やっぱり高校は行かないといけないなって思ってるけど、私立とかは無理かも…」



と、ちょっと潤一を意識しつつ言った…



No.157 16/03/13 13:07
小説大好き 

>> 156 しかし千夏は真っ赤になって照れている潤一の姿を


初めて男性として見ていた。


千夏の心は複雑にときめいていた。


大切な友達だと思っている同級生の潤一が

今日はちょっと大人びて見えた。

潤一『千夏ちゃん、進学決めたの?』…




No.156 16/03/12 22:53
小説大好き 

>> 155 当の千夏の脳裏には何故か


川上の顔が思い浮かんだ。


潤一が嫌いなわけではなく


潤一は千夏にとって、初めてできた大切な〃友達〃であり


異性として見たことは無かった…




No.155 16/03/11 22:17
旅人1 

>> 154 そこへ、歌穂が人数分のお茶をお盆に乗せて入ってきた。



歌穂は、綺麗な笑顔で


「いらっしゃい。あら、千夏ちゃんの彼氏?」



と、若林潤一を見て言った。




潤一は、歌穂に“彼氏”と言われて、顔を真っ赤にし、


「い、いや、違います。同じ中学のクラスメートで…」



と言ったが、あきらかに照れていて、千夏に気があるのがバレバレだった…



No.154 16/03/11 21:51
小説大好き 

>> 153 裕美は立ち上がって千夏に近寄ると

裕美『千夏ちゃん、元気そうで安心したわ。』

と手を取って目から涙を流しながら言った。

隆一『千夏ちゃん、ちょっとふっくらしたんじゃない?』

潤一『オヤジ、それセクハラだぜ!』…




No.153 16/03/10 21:40
小説大好き 

>> 152 多目的ルームには十人くらい座れる大きなテーブルと椅子があり


隣の食堂とは壁で仕切られていた。


千夏が多目的ルームのドアを開けると

潤一達が待っていた…



No.152 16/03/09 22:12
小説大好き 

>> 151 千夏は和子に呼ばれて


食堂の隣の多目的ルームに向かった…



No.151 16/03/08 19:19
旅人1 

>> 150 同じ頃、松本の寮には、同じクラスの潤一が、両親の隆一と裕美と一緒に、千夏に面会に来ていた…


No.150 16/03/08 19:06
小説大好き 

>> 149 そして麻由美と会う約束の日がやってきた。


川上は前日の夜麻由美にどう別れを切り出そうかと


思い悩みよく眠れなかった。


川上は約束の時間の15分前に


喫茶店に着くと、何度も何度も


別れの言葉を頭の中で

シュミレーションしていた…




No.149 16/03/07 22:48
小説大好き 

>> 148 ただ…千夏と一緒にいるときの優しい空気が好きなんだ


と、川上は心の中でつぶやいた。


川上は麻由美に


〃寮じゃなくて喫茶店で会おう〃

と送った。


そしてそこで別れを切り出す覚悟をした…



No.148 16/03/06 23:30
旅人1 

>> 147 麻由美も、つきあったばかりの頃は、キツいけど結構かわいいところもあったんだけどな



つきあいはじめた当初を思い出すと、やっぱり麻由美が好きだと思うし、決して麻由美を嫌いになったわけでもなく、飽きたわけでもなかった。


ただ…




川上は、ただ… を考えると、わからなくなるのだった…



No.147 16/03/06 21:31
小説大好き 

>> 146 川上は悩んだ。

思い浮かんだのは千夏の顔だった。

川上は性格のキツい麻由美よりも

千夏と一緒にいると
心が安らげたのだ…



No.146 16/03/05 21:40
旅人1 

>> 145 LINEには


“竜彦くん、今度そっちに会いにいっていい?


寮に入ってからあんまり会えないから、さびしくて”




とあった…



No.145 16/03/05 21:18
小説大好き 

>> 144 同じ頃川上のスマホには

北原麻由美からラインが届いた…




No.144 16/03/05 15:25
旅人1 

>> 143 歌穂「それで、水族館に行くのはいつなの?」


上畠「今度の日曜日だよ。俺、外出許可取ったんだ。あっ、歌穂のぶんも取ってるから」



歌穂は、クスッと笑って


「手回しいいのね。もしあたしが断ったら、どうするつもりだったのよ?」



と言うと、上畠は



「歌穂は、絶対オッケーしてくれるって思ってたから」


と、見栄を張って言うと、歌穂は思いっきり笑った。



歌穂「あ~、上畠くんっておっかし~。いいわよ。日曜日楽しみね」



笑いが止まると、歌穂は上畠に、綺麗な笑顔を見せて、立ち去った…



No.143 16/03/04 22:04
小説大好き 

>> 142 歌穂『デ、デ、デート?』


上畠『一緒に水族館に行かない?』


歌穂はちょっと戸惑ったが


水族館くらいなら大丈夫かな


と考え


歌穂『良いわよ。』

とこたえた。


上畠は歌穂のOKに飛び上がって喜んだ…




No.142 16/03/03 21:51
小説大好き 

>> 141 上畠『俺と、デ、デ、デ…』


歌穂『デ?』


上畠『デートしてくれ!』


上畠は汗だくになって言い切った。

歌穂は突然の上畠からの申し出に

戸惑った…




No.141 16/03/02 21:54
小説大好き 

>> 140 その時歌穂と千夏が作業を終えて来た。

上畠は口から心臓が飛び出そうだった。

上畠『歌穂。』


突然呼び止められて歌穂は少し驚きながら

歌穂『いやだ、上畠君ビックリするじゃん!アハハ!』


千夏『じゃあ私、先に帰ってますね。』

歌穂『うん、わかった。

なに?用事って。』…




No.140 16/03/02 00:41
旅人1 

>> 139 寮では、事前に言っておけば、門限はあるものの、外出することができた。


上畠は、松本と和子に、外出を願い出て、外出許可をもらったのである。


門限は夜10時までだが、夕飯迄に帰ればいいかな


昼飯はともかく、夜も外食するほど金持ってないからな…





しかし、歌穂にどう言おうかな…




上畠は悩んでいた…



No.139 16/03/01 22:36
小説大好き 

>> 138 数日後。


上畠は勇気を振り絞って歌穂を水族館に誘うことにした。


上畠は夕暮れ時の農園で作業を終えた歌穂を待ち伏せた。


上畠は何時になく緊張しながら


何度も何度も頭の中で歌穂にかける言葉を考えていた…




No.138 16/02/29 22:51
旅人1 

>> 137 寮の男子部屋にも、2段ベッドがふたつあり、上畠と川上は、ともに2段ベッドの下のほうを使用していた。



川上は


「別に、仲がいいとか、意識しているわけじゃないよ…。でも今さら何でそんなこと聞くんだよ?」


と言った。



上畠は



「い、いや別に…」




と濁した…



No.137 16/02/29 22:14
小説大好き 

>> 136 その夜。

上畠はなかなか寝付けなかった。

上畠は隣のベッドに潜り込んだ川上に

上畠『なあ、川上。』

と自分もベッドに仰向けに寝ながら声をかけた。

川上『なんだ?』


上畠『お前、最近千夏と仲がいいよな。』

川上『何だよ急に。』…




No.136 16/02/28 22:40
小説大好き 

>> 135 上畠は時間がかかっても

歌穂の気持ちを開かせたいと思った。

川上と千夏を呼びに行くと

何だか2人はいい雰囲気で

上畠は自分も歌穂ともっと仲良くなりたいと

悔しさに似た焦りのような感情を覚えた…




No.135 16/02/28 13:57
旅人1 

>> 134 上畠は、歌穂に一目惚れし、先輩たちから「下ふたり」と言われていた頃から、歌穂の表情に時おり浮かぶ、暗い翳りが気になっていた。



臨時で来る、大学生アルバイトは別にして、この寮に住んでるのは、みんな家に問題ある奴ばっかしだからな


大学生アルバイトといえば…




上畠は思い出した。



自分と歌穂が、入寮して間もない頃、ちょうど学校が休みの時期、短期の大学生アルバイトたちがやってきた。


大学生アルバイトは、だいたい男子ばっかりでその頃は、兄イや姉ちゃんたちがまだいたから、寮の部屋がいっぱいだったため、寮には泊められず、通いにしてもらっていた。



男子アルバイト大学生たちの中でも、チャラい何人かが、歌穂の美貌に目を止め、作業の合間に、歌穂から携帯の番号を聞こうとしたり、LINE教えてとか言ってた奴もいたよな…



だけど、歌穂はそのとき、いつになくキツい口調と表情で



「やめて下さい。困るんです。第一あたし携帯もってないし。バイトじゃなくてナンパに来てるんですか?」


と、怒って言った。



ちょっと綺麗だからって、生意気だよな


と、アルバイト学生たちが、陰口を叩いていたのを上畠は聞いた。

だが、確かに歌穂の言うとおりだし、学生たちも学生たちだと思ったが、拒絶した時の歌穂の表情とキツい言葉が気になった。



時おり翳りを見せるものの、明るく、気遣いもできる優しい歌穂なのに…



上畠は、歌穂のことを知りたい と思った。



何かあるなら、俺が力になりたい




普段はチャラけていたが、上畠はずっとそう思っていた…













No.134 16/02/27 22:50
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>> 133 上畠は歌穂の表情のかげりに


何かあると思いながら


川上と千夏を呼びに行った…




No.133 16/02/27 01:41
旅人1 

>> 132 歌穂は、悲しかったが、いずれこの寮を出る日が来た時のために、自立できる力を養おう と心に決めていた。



上畠の、自分への気持ちにも、歌穂は、薄々は
気づいていたが、歌穂の心の中には、まだ、初恋の宮下が完全には消えていないことと、心では嫌で嫌でたまらなかったのに、義父に犯され続けているうちに、自分の身体が反応していたこともあったのを思い出すと、自分が汚れた、情けない女だという思いが残っていたのであった。



歌穂の身体の反応を見逃さなかった義父は、



「お前も、母親に似てスケベな女なんだよ。無理矢理ヤられた男に抱かれて感じてやがる。
若くて別嬪でも、メスブタ同然だな~、匕匕匕」



と、母と自分を貶めることを平気で言うのだった。



でも と歌穂は思った。



ここに来てよかった、学校には行けないけど、生きる希望ができたから



と…










No.132 16/02/27 01:20
旅人1 

>> 131 歌穂が、この農園の寮に移って間もない頃、義父・菊池が何度か歌穂を訪ねてきたことがあった。


菊池は、そ知らぬ顔で


「娘は元気にしてますかね~、いや、あれの母親も心配していて…、ちょっと外出させて一緒に食事でもと思ってるんですがね」


と、松本と和子に言った。



もちろん、菊池は、歌穂を連れ出し、自分の車かラブホテルで歌穂を犯すつもりだった。




松本も和子も、歌穂から事情を聞いているので、むろん歌穂を菊池に会わせるつもりなどなかったし、歌穂からも



「お義父さんが来ても絶対に会わせたり、部屋に入れたりしないで」




と、泣きながら言われていたからだ。



寮は、希望すれば、週末だけ自宅に戻ったり、寮での家族の面会も、面会時間など規則はあるが、原則としては認められていた。




だが、歌穂の場合は、事情が事情なので、菊池が来ても、決して歌穂には会わせなかった。



歌穂が寮に入って、1年ほどが過ぎる頃には、菊池は姿を見せなくなった。


義父が姿を見せなくなってから、1度だけ、母・瑞穂が、まだ赤ん坊の妹・秋穂(あきほ)を抱いて、寮に歌穂を訪ねてきたことがあった。



母の瑞穂の話によれば、菊池は会社の人事異動があり、今まで住んでいた一軒家を売りはらって、瑞穂と秋穂と一緒に、他県に移り住むことになったのだという。



さらに、母の瑞穂から



「あなたには、ずいぶん辛い、嫌な思いをさせたわね…。お母さん、あの頃全然知らなくて…、あなたには、許せない、ひどい男だろうけど、あなたの妹の秋穂も生まれて、あの人と離婚してひとりで生きて行けるほど、私に経済力はないのよ。だから、あの人と別れることはできない…。 あの人の人事異動で、他県に移り住むことになって、私はあの人と秋穂とやり直すつもり…。あなたには、帰る家がなくなってしまうけど…、許して…、悩んだ末の結論なのよ…。寮のお金は、責任もってきちんとするわ…」


と、泣きながら言われた。




母の瑞穂に、自分が義父から犯され続けていたことを知られてしまったこと




もう、その事実だけで、すでに自分には帰る家はなくなったのだと歌穂は思った…







No.131 16/02/26 21:58
旅人1 

>> 130 歌穂は、上畠に顔を覗き込まれ、


「ううん、別に…。でもね、私は別に綺麗でもないし、そんなふうに思ってもいないから」



と、つとめて明るく言った。



歌穂は


「そんなことより、もうじきお昼だから、あのふたりに声かけてあげたら?和子さんがおいしいお昼つくってくれてるわ。お昼食べたらあたしたちも畑仕事が待ってるし」




と、上畠に言って、母屋に戻っていった…







No.130 16/02/26 21:38
小説大好き 

>> 129 上畠に綺麗だと言われ


辛い過去を思い出した歌穂は


急に暗い表情になった。


上畠『ごめん、俺なんか悪い事言ったかな?』


と、歌穂の顔を覗き込んだ…




No.129 16/02/26 02:43
旅人1 

>> 128 何も知らない母の瑞穂は、以前に比べて元気がなくなり、不登校になった歌穂を心配していた。



そして、松本の農場の寮に行くことをすすめたのだった。



歌穂が、寮の見学に行った時、なんともいえない温かさを感じた。



和子が、歌穂を見て


「綺麗ね」


というと、歌穂は


「やめて下さい、綺麗だなんて言うの」



と、強い口調で言った。



義父が、歌穂を犯すとき、いつも歌穂に


「お前が綺麗でいい女だから仕方ない。俺がこうして可愛がってんだからいいだろ。ああ、10代の綺麗な子とこんなことできる俺ってなんてついてんだろ、イヒヒ」


と言っていたのである。


綺麗、可愛いというのは、小さい頃から言われていたが、綺麗だからこんな目に合うんなら、綺麗じゃなくていい


と思うようになっていたからだった。



和子は、歌穂のキツい口調に、


「よかったら、話してみない…?」



と、優しく言った。



歌穂は、はじめて他人に、今までのことを打ち明けた。



歌穂は泣きながら


「男の人なんて、嫌い…。綺麗な自分も嫌い…。よごれてしまった自分がいちばん嫌い…」



と言った。



和子は



「つらい目にあったのね。でもね、あなたの人生はまだまだ長いのよ。自分でそんなこと思うよりも、強く生きていけるようにならないと…。学校は無理に行かなくてもいいのよ。ここにいて、あなたにできることをしてくれたらいいの」


歌穂は、和子の優しさに、この寮で暮らすことを決めた。
何より、ここにいれば、義父に犯されずにすむ。


歌穂がこの農場の寮に移り、同室の幸子にも助けられ、さらにみんなの優しさに触れ、学校には行けていないが、大検の受験資格をとるための勉強を始めたり、農園の仕事を手伝ったり、前を向いて歩いていけるようになったのである。



自分の過去のことは、和子以外誰にも話していないし、話すつもりもなかった。



ただ、綺麗 と言われると、今も身構える自分がいた…






No.128 16/02/26 02:23
旅人1 

>> 127 瑞穂が家に戻ってきてからは、さすがに家の中では歌穂を抱けない義父は、歌穂の帰り道に車で待ち伏せ、歌穂を車に乗せ、ひとけのない場所に車を止めて歌穂を抱いたり、ビジネスホテルに連れていき、そこで歌穂を好きなようにしていた。


そんな日々が続いていたので、当然勉強にも身が入らず、宮下と同じ高校には行けなかった。


滑り止めで受験した、私立の青蘭女子学園には合格していたので、歌穂は、青蘭女子学園に通いはじめたが、やがて、学校には行かなくなった。


義父の性的虐待だけでなく、高校生になって3ヶ月ほど経った頃、学校の帰り道で、宮下が、進学校の制服をきた女の子を、自転車の後ろに乗せて仲良く帰っていくのを見たのである。


高校が別になってからは、宮下からの連絡も途絶えがちになっていたが、もう別の子とつきあってるんだ


歌穂は、悲しくなった。



一緒の高校に行っていたなら、宮下くんとああしていられたのに



家では、陰で義父から犯され、新しく妹が誕生したことで、母は育児にかかりきりになっている。



母は、自分が義父から犯されてることなど気づいていない



歌穂は、自分の居場所を見つけられず、無気力になり、不登校になっていった。



歌穂が松本の農場の寮を知ったのは、そんな頃だった…






No.127 16/02/26 02:08
旅人1 

>> 126 義父・菊池は、瑞穂の前では何事もなかったような素振りをし、瑞穂が赤ん坊を連れて退院してからも、瑞穂を優しくいたわったり、歌穂の前で瑞穂を抱き寄せ、平気でキスしたりした。


40近くの出産を終えて、さすがに瑞穂の美貌は以前よりも衰え、加えて育児がはじまったので、以前のような夜の生活がなくなると、ますます菊池は、歌穂に自分の欲望をぶつけるようになった。


瑞穂が出産で入院中は、家の中で歌穂を犯し続けていた。


歌穂も、ほとんど毎晩、義父に抱かれ続けて、心では嫌でたまらないが、身体は、開発されてきたのか、義父に触れられると、妙な気分になることもあり、自分が恐ろしくなっていた。



義父に犯されてからは、宮下とも、素直に向き合えなくなった。


宮下は、歌穂の変化を、受験が近いせいだと思い、変わらない態度で接してくれていた。



そして、高校受験も終わり、合格発表の日。



宮下は合格したが、歌穂は不合格だった…



No.126 16/02/26 01:55
旅人1 

>> 125 次の日、歌穂は寝室に必ず鍵をかけて寝ようと心に決めた。


だが、次の日は、歌穂がお風呂に入っているときに、いきなり全裸の義父が入ってきた。

そして、歌穂が声もあげられないような恥ずかしいことをいろいろさせた挙げ句、義父は、風呂場で歌穂を犯した。




終わると、義父は、裸の歌穂を抱き上げ、自分と瑞穂の寝室に連れていき、歌穂を抱いた。

義父は、ラテックスを装着しながら

「さすがに、お前を孕ます訳にはいかないからな。でも本音を言えば、オバハンになった瑞穂よりは、お前のほうを孕ませてやりたいんだがな…」



と瑞穂を侮辱するようなことまで言うのだった。



歌穂は、嫌で嫌でたまらなかったのだが、


自分さえ黙っていれば



という義父の言葉と、あまりに恥ずかしく、誰にも言えないという思いでいっぱいだった。



やがて、母・瑞穂は退院し、それから約2ヶ月後、瑞穂は女の子を産んだ…





No.125 16/02/26 01:43
旅人1 

>> 124 結局、夜が明けるまで、義父は歌穂の身体を離さなかった。



義父は、腰を振りながら


「やっぱり若い女はいいな~、瑞穂よりもお前のほうがいい身体してるよ」



と悦に入った声で言った。



歌穂は、泣きながら、無言で耐えていた。



夜が明けて、義父はやっと歌穂の身体を離すと


「このことは、お母さんにも、誰にも話すんじゃないぞ。言ったら最後、お前も瑞穂もメチャメチャになるんだからな。お前さえ、黙っておとなしく俺のいうことを聞いてたら、万事丸く収まる話なんだからな。いいか、わかったな」



義父は、後始末をすると、そそくさと部屋から出ていった。



歌穂は、義父が去ると、声をあげて泣き崩れた…







No.124 16/02/26 01:34
旅人1 

>> 123 義父は、歌穂の乳房を片手で揉みながら、もう片方の乳首に吸い付き、乳房を吸った。



「嫌、やめて!」



そして、パジャマのズボンとショーツを同時に脱がされ、義父は、全裸にした歌穂の足を大きく広げた。


「いやあっ!」



義父は、大きく開かせた歌穂の股間をいやらしい目で眺めて


「もう大人の女と変わらんな…、だいぶ発達してる…」


そう低く呟くと、歌穂の股間に顔を埋め、匂いを嗅いだり、犬のように舐めたりした。



抵抗しようとしたが、歌穂の両手はすでに歌穂の頭の上で、義父の手にがっしり捕まれていた。


「いや、いや~」



歌穂は泣き叫んだが、義父は歌穂の股間を舐めまくると、やがて歌穂の上に重なってきた。



「うっ、い、痛いっ!」



義父も、歌穂の中に入ってから


「お前処女だったのか。まあ、諦めろ。あんな小僧よりも俺とする方が、これからの生活のためには都合がいいんだしな~」


と言った。



歌穂は泣きながら、義父に犯され続けた…


No.123 16/02/26 01:22
旅人1 

>> 122 歌穂は、胸を押さえつけられてるような感じがして、目を覚ました。



目を覚ますと、そこには義父がいて、ベッドに寝ている歌穂を見下ろしていた。



気づくと、歌穂のパジャマの前のボタンははずされ、ノーブラの、裸の胸が義父の目にさらけ出されていた。


そして、歌穂の胸には義父の手があった。



「お、お義父さん…?!」



義父は、歌穂に目覚められ、一瞬驚いた顔をしたが、ひるまず、歌穂の胸を揉みしだいてきた。



「嫌、やめてっ…!」




歌穂は叫んだが、母の瑞穂は入院し、この家には、自分と義父のふたりだけなのだと思い、戦慄した。



「だいぶ発達してるな。もう子供じゃないじゃないか。いいおっぱいしている」



義父はそう言って、歌穂のベッドの中に入ってきた。



そして、歌穂の唇を、自分の唇でふさいだ。



唇を離した義父は


「夕方、同じ中学の男と、帰り道でキスしてたじゃないか。見たんだぞ。俺にもやらせてくれたってバチはあたらないだろ。もうあの小僧とやることやってんじゃないのか?」


と、歌穂の首筋に舌を這わせながら、下劣な言葉を囁いた。



歌穂は、ベッドの布団の中で必死に抵抗したが、40過ぎているとはいえ、男の力にはかなわなかった。



歌穂の自室には鍵がついていて、眠るときはいつも鍵をかけて寝るのだが、母の入院騒ぎで、うっかり鍵をかけて寝るのを忘れてしまったのだった…






No.122 16/02/25 22:51
旅人1 

>> 121 瑞穂が妊娠し、歌穂も、新しい弟妹が今ごろできることに、多少の戸惑いはあるものの、やはり嬉しかった。



瑞穂は、若く初々しい妊婦 とは言えなかったが、それでも幸せそうで、だんだんとお腹も目だってきた。



瑞穂は歌穂に


「新しい弟か妹ができることになるけど、歌穂のことだって可愛い大事な娘よ…。お義父さんだってそう言ってるわ。生まれてきた自分の子と分け隔てなく接するつもりだって…」



と言った。




瑞穂のお腹がだんだんと大きくなってきて、瑞穂を抱くことができなくなった菊池の欲望は、歌穂に向けられるようになっていくのである。



瑞穂が、妊娠8ヶ月ぐらいになった頃、うっかり転んでしまい、お腹の子には別状はなかったものの、大事をとって、2、3日入院することになった。



瑞穂が入院した夜、歌穂が自室のベッドで眠っていると、眠りながら、誰かが、歌穂の胸に手を置いているような感触を覚えた…



No.121 16/02/25 22:29
旅人1 

>> 120 ある日、歌穂がお風呂に入っている時のことだった。



歌穂はふと、どこからか、誰かに覗かれているような気がした。



しかし、覗かれてるとわかるような感じは一見なかったのだが…



No.120 16/02/25 22:27
旅人1 

>> 119 それからも、歌穂と宮下は、放課後の誰もいない教室や、時々一緒に帰る途中の、ひとけのない場所でキスをした。



宮下も思春期で、性に興味のある年頃でもあり、キスしている時など、制服の上から、歌穂の胸に触れたりもしていたが、


「高校に合格するまでは、ここから先は我慢するよ」



と歌穂に言った。



母と菊池がしているようなことを、宮下とするのかと思ったが、不思議に、相手が宮下であることを想像すると、嫌悪感がわかないのが自分でも意外だった。



だが、まさかあんなことになるとは、歌穂には想像もできなかったのだ…



No.119 16/02/25 22:20
旅人1 

>> 118 宮下と歌穂は、同じ進学校を受験するつもりだった。


今のままのふたりの学力なら、まず間違いなく合格すると教師たちからも太鼓判を押されていた。



宮下は、ある時歌穂に



「浅井さん…、あっ、今は菊池さんだったね。苗字が代わって2年たつけど、時々前の苗字で呼んでしまうな」


と言うと、歌穂は


「宮下くんとは小学校から一緒だったんだもん。それに、今の苗字の菊池歌穂よりも、浅井歌穂だった頃のが長いんだから、仕方ないわよ」



と笑った。



宮下は、歌穂に


「今は、受験があるし、交際とか言ってる場合じゃないってのはわかってるつもりだけど、一緒の高校に入ったら…、君と…」



と、言った。




歌穂も、同じ気持ちだった。




「私も…」




と、歌穂が言った時、宮下は歌穂に近づき、優しく歌穂の肩を引き寄せ、キスをした。



誰もいない、放課後の教室での思い出だった…







No.118 16/02/25 22:08
旅人1 

>> 117 当時、瑞穂は30代も終わりにさしかかっていた。


昔、若い頃に歌穂を産んでいたが、瑞穂も健康ではあるが、やはり40近くの妊娠ということで、医師からも注意するようには言われていた。



歌穂も中学3年になり、高校受験を控えていた。



当時、歌穂には、好きな男子がいた。




小学生の頃から一緒の、同学年の宮下だった。



宮下とは、小学校6年間ずっと同じクラスで、共にクラスの学級委員もしたことがあった。



中学に進んで、1年、2年は別のクラスだったが、3年のクラス替えで、また同じクラスになっていた。



宮下は、イケメンだけでなく、勉強もでき、運動神経もよかった。


宮下にあこがれている女子は多かったが、小学生の頃から同じクラスだった歌穂と宮下は、自然にお互いを意識し合うようになっていた…



No.117 16/02/25 21:59
旅人1 

>> 116 さすがに、瑞穂が再婚して1年が過ぎると、寝室からの声も途切れがちにはなってきたが、それでもペースが落ちたとはいえ、菊池は瑞穂を抱いているようで、ふたりの獣じみたいやらしい声は、まったく聞こえないことはなかった。


瑞穂は、再婚してから、娘の歌穂から見ても綺麗にはなり、ふたりで暮らしていた頃に比べて、肌も艶々していた。


歌穂にも、性の知識は当時それなりにあったので、母が綺麗になったのも、何となく嫌だった。



そして、瑞穂が菊池と再婚して2年目、瑞穂は妊娠した…



No.116 16/02/25 20:36
旅人1 

>> 115 義理の父、菊池と、瑞穂の仲はよく、再婚して母子共々に迎え入れられた、わりと大きい一軒家での生活がはじまったが、夜中、勉強に疲れた歌穂が、水を飲もうとキッチンに行く途中、菊池と瑞穂の寝室の前を通ると、

「あん、ああン…」


という瑞穂の声や、菊池が瑞穂に

「愛してるよ…」



と言ったり、他にも、瑞穂の身体のことなどをいやらしい言葉で言っていたりするのを、寝室のドア越しに耳にしたことが何度もあったからだ。


そろそろ思春期を迎えようとする歌穂には、刺激が強すぎるだけでなく、母の「女」「雌」の部分を見せつけられてるような気になり、嫌な気持ちだった…


No.115 16/02/25 16:38
旅人1 

>> 114 歌穂もまた、千夏と同じように、幼い頃に実父と死別していた。


歌穂が小学生の頃だった。



歌穂の実父は、建設作業員で、作業中に誤って転落死したのだ。



会社から補償金が出たため、当面の生活には困らなかったが、歌穂の母・瑞穂も美貌だったため、熱心に求婚する男性があとを立たず、いちばん熱心に言い寄ってきた男、菊池優(まさる)に根負けした形で再婚に踏み切った。



歌穂は当時、中学1年生、瑞穂は30代半ばの女盛りで、菊池は40をちょっと過ぎていた。


菊池の仕事は普通のサラリーマンだが、初婚だし、親にそこそこの資産があった。
菊池の両親は他界しているため、嫁姑の問題もなく、年齢も釣り合いがとれている。
何より、子持ちの瑞穂と結婚したいと切望していて、こんな良縁はもうないと、周囲から言われ、また瑞穂も先々の母子での生活に不安もあり、再婚を決意した。



菊池は、美貌の瑞穂を溺愛し、歌穂のことも可愛がってくれた。


歌穂が中学3年とき、母の瑞穂が菊池の子を妊娠した。


年の離れた弟妹ができることに歌穂も喜んだが、ここからが悲劇のはじまりだった…





No.114 16/02/25 16:20
旅人1 

>> 113 上畠は


「歌穂は美人だよ。背も高いし、モデルっていっても通用するよ」


と、照れながら言った。



歌穂は



「お世辞でも嬉しいわ。ありがと」



と綺麗な笑顔で言ったが、このモデルばりの美貌のために、義理の父親に性的虐待を受けていた経験が歌穂にはあった。



もちろん、誰にも話していないし、それが歌穂の不登校の原因でもあったのだが…



No.113 16/02/24 15:35
小説大好き 

>> 112 歌穂は美人という言葉にまた吹き出した。

歌穂『やだもう!上畠君ったら、からかわないでよ!』


上畠『いや、冗談じゃ無くてさ。』…



No.112 16/02/23 21:18
旅人1 

>> 111 歌穂は笑いながら


「やだ、上畠くんのことじゃなくて、川上くんのことよ、彼女いるなんて意外だったから」


と言った。



上畠は、内心ちょっとガッカリしつつも


「チラッと川上から聞いた話だけど、向こうから告白されてつきあったんだってさ。1度ここに来たときに見たけど、顔はまあ可愛いほうかなあ。スタイルもよかったし。あっ、でも歌穂のほうが美人だけどな…」



と言った。



川上の彼女、北原麻由美が、この寮に訪ねてきたとき、歌穂は確か、和子と外出していて、寮にいなかったっけ と、上畠は思い出した…



No.111 16/02/23 21:12
小説大好き 

>> 110 上畠のあわてぶりに

歌穂は思わず吹き出した…




No.110 16/02/21 23:05
旅人1 

>> 109 上畠は


「あっ、俺は、前は彼女いたけど、今は別れてフリーだから…」



と、歌穂が自分に対して言ったのだと思い、あわててそう言った。



上畠も、中学の同級生だった彼女がいたが、上畠が農園の寮に入ってしばらくしてから別れていた。


それは、歌穂が自分より1ヶ月あとに寮に入ってきて、歌穂の美貌に一目惚れしたからであった…



No.109 16/02/21 22:16
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>> 108 上畠『昔彼女が川上を訪ねて来た事があったんだよ。』



歌穂『へ~!そうなの~、知らなかった~!』


歌穂は川上に彼女が居たことが


意外だったため目を丸くして驚いた。


だがしばらくすると上畠の顔をじーっと見て


歌穂『彼女がいるのか…』


と残念そうにつぶやいた…




No.108 16/02/21 18:19
旅人1 

>> 107 川上も、母親が元芸者で、身請けされてからはスナックのママ稼業だったため、千夏の気持ちはよくわかった。



ふたりがいい雰囲気なのを、遠くから歌穂と上畠が見ていた。



上畠が歌穂に


「なんかいい感じじゃん、あの二人。でも、川上のヤツ彼女いるのに、千夏ちゃんと…、いいのかなあ~」



と言ったので、歌穂は驚いて


「えっ?!川上くん彼女いるの?!」



と思わず上畠に聞いた…


No.107 16/02/20 20:58
小説大好き 

>> 106 川上『同じだね。』

2人の顔に笑顔が広がった。


千夏『私の母親は水商売をしていて


授業参観にも派手な装いで来るものだから


私は益々クラスの人達から


変わり者扱いを受けてきたんです。


だからこれ以上傷つきたくなくて


もう誰にも心を開かなかったんです。』…




No.106 16/02/19 21:48
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>> 105 千夏『川上さん…』


川上の言葉は似た境遇の千夏にはよく理解出来た。


そしていつの間にか千夏の火照った頬は元に戻っていた。


千夏は川上が自分の心情を打ち明けてくれた事が嬉しかった。

千夏『私も…同じです。』


その瞬間2人は目を見合った…




No.105 16/02/19 02:28
小説大好き 

>> 104 頬を真っ赤にした千夏を見て

川上は素直に嬉しい気持ちを抱いたが

何分女性の扱いに慣れていないものだから

ちょっとテンパった。
何か喋らなければと
しばらくの沈黙の後に出てきた言葉は

川上『殺してたかも知んね。』

だった。千夏は

『えっ?』

と真っ赤な顔を川上に向けると川上は続けた。

川上『俺、あのまま家にいたらあの男殺していたかも知んね。』…





No.104 16/02/18 21:25
旅人1 

>> 103 川上が、千夏に手を重ねるようにしたので、千夏はドキッとした。



顔がカーッと火照ってくるのを、千夏はどうしようもなかった…



No.103 16/02/18 21:08
小説大好き 

>> 102 その日は畑にわらをばらまいて


土にすきこむ作業だった。


千夏にはなかなかの重労働だった。


千夏はぎこちなく慣れない鍬を使っていた。


川上『鍬はこうやって使うんだよ。』


と、川上は千夏の手の上に自分の手を重ねるように


鍬の使い方を教えてくれた…




No.102 16/02/16 23:53
小説大好き 

>> 101 川上も自分と同じ様に


親元から逃げ出してきた境遇だということを知り


千夏は川上によりいっそう親近感を覚えた。


そして翌日。


千夏は農場当番だった…




No.101 16/02/16 23:08
小説大好き 

>> 100 しゃぶしゃぶは皆食べ終わった雰囲気になっていた。


腕の傷跡を指でなぞりながら


川上は初めてこの寮に来た時の事を思い出していた…




No.100 16/02/16 22:06
旅人1 

>> 99 まだ小学生だった川上が、松本の寮を知ったのは、このときがはじめてだったのだ。



そして、高校生になってこの寮に来ることになるとは、当時は夢にも思わなかったのだが…


No.99 16/02/16 21:59
小説大好き 

>> 98 佐々木『君…行くとこ無いの?』


川上『…はい。』


佐々木『何があったかは分からないけど
俺の知り合いの農場に寮が有るんだよ。
とりあえず行ってみないか?』…




No.98 16/02/16 01:45
旅人1 

>> 97 佐々木が、松本の農園に通うきっかけは、佐々木がまだ大学生だった頃に、松本の農園で夏休みにアルバイトをしたのがはじまりだった。




松本夫妻の人柄に魅せられ、農業の楽しさを知ったからでもあった…



No.97 16/02/15 22:29
小説大好き 

>> 96 寡黙な川上に

佐々木は明日を夢見て生きてほしいと思った。

佐々木はその当時趣味で農業をしていて

時々松本農場へ農業の勉強に通っていた…


No.96 16/02/15 00:23
旅人1 

>> 95 川上は、佐々木に言いたかったけど、なぜか言えなかった。



佐々木は


「言いたくないなら、言わなくてもいいけど…」



と、責める口調でもなく、優しく言った…



No.95 16/02/14 22:43
小説大好き 

>> 94 そして佐々木は竜彦に問いかけた。

佐々木『あんた…家出してきたのか?』
竜彦はコクリと頷いた。

佐々木『そうか…。なんか、辛い事があったのか?』…




No.94 16/02/13 22:26
小説大好き 

>> 93 その夜佐々木は竜彦を駅の仮眠室に泊めた…



No.93 16/02/12 22:11
小説大好き 

>> 92 佐々木は自分の弁当を泣きながらたべるこの少年を

ほおっておけなかった…




No.92 16/02/11 22:51
旅人1 

>> 91 思えば、川上は、母親の手料理を知らなかった。


物心ついたときには、母親の千代子と、芸者の置き屋での生活。


母親は夜になると、芸者姿でお座敷に出ていく。



置き屋のおかみさんが出前をとってくれたので、出前の料理ばかり。



身請けされてからも、千代子はスナックがあるので、やはり出前の食事だった。



学校の遠足などで、クラスメートの親の作った弁当を見ると、うらやましかった川上だった…






No.91 16/02/11 22:33
小説大好き 

>> 90 佐々木の愛妻弁当には
玉子焼に唐揚げ、菜のゴマ和え、サラダ、などが

彩りよく入っていて
どれもすごく美味しかった。

竜彦は食べながら

何故だか涙が出てきた…



No.90 16/02/11 22:13
旅人1 

>> 89 駅員実は、暖房がよく効いていて、暖かかった



佐々木は


「ひょっとしたら、お腹すいてるんじゃないか?」


と、川上に聞いた。



川上は、黙っていたが、そのときお腹がなったので、佐々木は


「あはは、やっぱりお腹すいてるんじゃないか。まだ俺夜食食べてないんだけど、よかったら食べるか?」


と、カバンを持ってきて、中から弁当箱を出してきた。



「これさ、俺のカミサンがつくってくれた弁当だけど…、保温機能つきの弁当箱だから、あったかいよ。俺は、近くのコンビニでなんか適当に買ってきて食べるから、心配しなくてもいいから」


と、屈託なく笑って言った。



これもあとでわかったのだが、このとき、佐々木はまだ30代前半で、半年前に結婚したばかりだった…



No.89 16/02/10 22:39
旅人1 

>> 88 川上は


「か、帰りたく…ない…」



と、しぼりだすような声で言った。



言ったとたん、川上の目から涙がこぼれ落ちた。



優しい目をした駅員・佐々木は


「とにかく、駅員室に行こう。ここよりも暖かいから…」



と、川上を駅員室に連れていった…


No.88 16/02/10 22:14
小説大好き 

>> 87 竜彦は震えながら

駅員を見た。

深夜の駅は人気もまばらだった。

駅員『君、こんな時間にこんな所にいたら危ないよ。』

駅員は優しい目をしていた…



No.87 16/02/09 21:43
小説大好き 

>> 86 着の身着のまま家を飛び出した竜彦は

空腹と寒さで気がつけば駅にたどり着いていた。

駅で寒そうに椅子に座っていた竜彦に

駅員が声をかけた。

『君、大丈夫?』…



No.86 16/02/08 21:35
小説大好き 

>> 85 川上竜彦が家を出た日は

雪が降る寒い夜だった。

竜彦はさっき男に投げ飛ばされた拍子に
怪我をした腕をかばいながら

暗い道を歩いていた…




No.85 16/02/08 14:04
旅人1 

>> 84 話は戻るが、まだ母親のパトロンの男が通ってきていた頃、再三に渡る暴力を振るわれていた川上は、ある日、思い余って、家出を決行した…


No.84 16/02/08 14:02
旅人1 

>> 83 川上が高校受験を控えるようになった頃、男は千代子のもとに姿を見せなくなった。



あとでわかった話だが、男には新たな、千代子よりも若い愛人ができたので、コブつきの千代子のところには寄り付かなくなったのである。

スナックは、男が、手切れ金がわりに千代子の名義にしてくれたので、男が来なくなっても、母子の当面の生活はなんとかなっていた。


千代子は、川上に


「あんたには、あの人のことで、ずいぶん辛い、嫌な思いをさせたと思うけど、お母さんもいつまでも芸者もできないし、やっぱり淋しかったのよ…」


と言った。



そして川上は、第一志望の高校に合格し、高校1年の夏に、同じクラスだった北原麻由美から告白され、つきあうようになったのだった…


No.83 16/02/08 13:53
旅人1 

>> 82 男は、千代子の見ていないところで、川上に暴力を振るうようになっていた。



川上の腕にできた傷も、その当時のものである。



川上は、男に暴力を振るわれていても、千代子には何も言わず、千代子のためにも我慢していた。


そして、川上は思った。



うんと勉強して、将来はいい会社に就職して、男に頼らなくても千代子に楽をさせてやろう と…。




川上がガリ勉になり、クラスで常に10位以内の成績をキープするようになったのもそのためだった…



No.82 16/02/08 01:25
旅人1 

>> 81 千代子は、男の身請けの話を承諾し、川上が小学校6年になった時、北陸を離れて東京に移り住むことになった。



千代子を身請けした男は、いくつかスナックやキャバレーを経営していたので、自分が持っていたスナックのひとつをを千代子に与え、千代子にスナック経営をさせた。
1階はスナックだったが、2階は住居になっていた。
時には男が泊まっていくこともあったが…。


川上は、それが嫌だった。




男にもそれが伝わるのであろう。


身請けする前は、川上を可愛がっていたが、いざ身請けして、千代子が自分の女になると、川上に対しての態度も変わってきたのであった…




No.81 16/02/08 01:14
旅人1 

>> 80 川上竜彦もまた、父親のいない母子家庭に育っていた。



川上は北陸に生まれ、子供の頃は北陸で育った。



川上の母親は、北陸の温泉街で芸者をしていた。



小学校に上がる頃、川上は母親に


おとうさん ってどんな人?



と聞いたことがあるが、母親は



死んでしまったのよ



とだけしか言わなかった。




もちろんそれが嘘だということは、成長してからわかったことだった。



母親は、まだ芸者になりたての頃、北陸に単身赴任で来ていた妻子ある男と恋に落ち、ひとりで川上を産んだ。



川上の母親の千代子が川上を産んだ時には、相手の男はすでに単身赴任を終えて、妻子のもとに帰っていた。



千代子は、その後も、芸者を続けながら川上を育てていたが、そんな千代子を身請けしたいという男が現れた…






No.80 16/02/07 22:11
小説大好き 

>> 79 川上『この傷跡は小さい頃、母親の男に投げられて怪我したんだよ。』…




No.79 16/02/06 22:04
小説大好き 

>> 78 川上はいきなり右腕の袖をまくり始めた。

川上『この傷跡…』

川上の右肘の少し下の方に

傷跡があった…




No.78 16/02/05 21:12
小説大好き 

>> 77 歌穂が拓也と幸子の話を千夏にしていると


珍しく川上が口を開いた。


川上『俺も…家出してきたんだ。』


千夏『え?!』


千夏は意外な言葉に驚いた…



No.77 16/02/04 23:18
旅人1 

>> 76 幸子が結婚した、上條拓也もまた、幸子と似たような家庭環境だった。



同じ年で、寮生の中で最年長のふたりが、やがて恋人同士になるのも自然な流れだったのかもしれない。


寮の規則で、高校卒業と同時に寮を出ることになった拓也と幸子は、寄り添うようにふたりで暮らし始め、そして数年後の現在晴れて夫婦になったのである。



拓也は、幸子と恋人同士になってからは、登校しなかった高校にも再び通いはじめるようになった。




「将来幸子と結婚するなら、嫌だけどやっぱり高校ぐらいちゃんと卒業しないとな」



と、拓也は照れながら上畠に言った。



幸子もまた、拓也が再び高校に通いはじめた頃、染めていた髪を黒く戻し、高校に通うようになった…



No.76 16/02/04 22:42
旅人1 

>> 75 幸子は、実母にも見放され、結局家には戻ったものの、髪を染め、非行に走るようになった。



幸子の実母の父親(幸子の祖父)の他界によって、会社を受け継いだ幸子の父親は、幸子が補導され、警察に迎えにいくたびに幸子をなじり、継母も異母弟妹たちも幸子に露骨に冷ややかな視線を向ける。



幸子の父親が、松本の寮のことを知り、幸子を預けることにしたのは、最後に補導されてからしばらくたってからのことだった。




幸子は



「でもね、歌穂ちゃん、あたしはここにきてよかったと思ってる。拓也とも出会えたし…」



と、歌穂に言った…



No.75 16/02/04 22:33
旅人1 

>> 74 幸子「お父さんが離婚して2年後に再婚して、新しいお母さんも、はじめのうちはわずかな優しさがあったけど、そのうち腹違いの弟や妹が生まれると、実子でないあたしには見向きもしなくなったの。それで、家出したことがあって、そのときに離婚したお母さんのとこへ行こうと思って、お母さんを訪ねたんだけど…」



離婚した幸子の実母も、また新しい男性と再婚していた。


しかも、実母の再婚相手の男性は、まだ父親と夫婦だった頃から密かにつきあっていたということをはじめて知ったのだ。



幸子の実母は


「あなたには悪いけど、今の人とは、学生時代からのつきあいで、本当は結婚したかったんだけど、お母さんの親が大反対で泣く泣く別れさせられて…。親が薦める縁談で結婚させられたのがあなたのお父さんなのよ…。お父さんにははっきりいって愛情なんてなかった。お父さんは私の親の会社につとめていたから、地位がほしくて私と結婚したのよ。あなたが生まれたから我慢していたけど、偶然この人と再会して…。この人も、別の人と結婚したけど離婚したって言ったわ。お母さんの親も他界したし、もう我慢するのは嫌だったのよ…」



と、幸子に言った。そして


「あなたのことだって、本当は生みたくなんてなかったのよ…。だからあの人のところに置いて家を出たのよ」



と、致命的なことを言った…


No.74 16/02/04 22:20
旅人1 

>> 73 歌穂は、当時の幸子のことを思い出していた。



幸子は、今の歌穂と千夏のように同室でふたりで一部屋を使っていたのであった。



幸子は、ある日、問わず語りに、歌穂に自分の家庭環境を話した…





No.73 16/02/04 22:14
小説大好き 

>> 72 歌穂『幸ネェ、幸せそうな顔してるね。
幸ネェはね、幼くしてご両親が離婚されて

お父さんに引き取られたらしいけど


新しいお母さんが後妻に来られてね


幸ネェはその後妻さんに馴染めなかったらしいのよ。


それで家を飛び出したらしいわ。』


千夏は自分と似た境遇だと思った…



No.72 16/02/04 10:29
旅人1 

>> 71 歌穂は写真を見て


「拓兄ィも幸子ネエも幸せそうだなあ~」



と言った。




上畠も


「拓兄ィも幸子ネエも、あの頃ここでいちばん年上同士だったもんなあ。ここにいる時からすでにイイ雰囲気だったし」


と、写真を見て言った…



No.71 16/02/04 09:57
小説大好き 

>> 70 和子『これは拓也と幸子で、2人とも家の寮にいたのよ。』…





No.70 16/02/03 21:48
小説大好き 

>> 69 川上は黙々としゃぶしゃぶを平らげていた。


和子『いい食べっぷりだね~。


あ、そうそう。』


和子が何やらハガキを持ってきた。

和子『このハガキなんだけどね、ここで知り合った2人が結婚した事を知らせてくれたのよ。』

和子が見せてくれたハガキには

幸せそうに微笑む新郎と新婦が写っていた…




No.69 16/02/02 22:06
小説大好き 

>> 68 千夏『わたし、しゃぶしゃぶ食べるの初めてなんです。』


歌穂『あら!それは記念すべき初しゃぶしゃぶね!』

上畠『千夏ちゃん、こうやって食べるんだよ。』

上畠は熱心に実演してみせた。

千夏は上畠に習って食べながら

ちらりと川上の方をみた…



No.68 16/02/02 01:01
旅人1 

>> 67 しゃぶしゃぶは、上畠が仕切っていたが、結構段取りがうまかった。



川上は


「あいつ、こういうのはうまいんだよな」



とボソッと言った。



歌穂は


「ホントだね~、まああーゆうところが、上畠くんの憎めない部分なんだけどね」



と、笑って言った。



歌穂は、黙って見ている千夏に気づき



「千夏ちゃん、何遠慮してるの?」



と優しく笑って言った…



No.67 16/02/01 21:40
小説大好き 

>> 66 その日の夜は

寮のメンバーでしゃぶしゃぶパーティーをする事になった。
しゃぶしゃぶが初めての千夏は

皆がする様子を端から見ていた…




No.66 16/02/01 13:15
小説大好き 

>> 65 川上の怒った顔を見た千夏は


なぜかキュン!とした。


しかし恋などしたことの無い千夏は


自分の感情にまだ気がついていなかった…




No.65 16/01/31 21:58
小説大好き 

>> 64 お調子者の上畠は

『いや~、ゴメンね千夏ちゃん。しかし今日も可愛いね~!』

川上はそんな上畠を睨みつけ

川上『おい!上畠、早く仕事しろよ!』
と注意した。

千夏は川上が怒った顔を初めて見た…




No.64 16/01/31 12:20
小説大好き 

>> 63 そこへ遠くから上畠の声が聞こえてきた。

上畠『千夏ちゃ~ん!川上~!遅れてゴメ~ン!』


上畠はボサボサ頭で走りながらやってきた…




No.63 16/01/30 22:46
小説大好き 

>> 62 和子から急にかりだされた千夏は


文句を言うこともなく


いつものように黙々と作業をした。


川上はその日殆どの意識を千夏の方に向けていた…





No.62 16/01/30 09:43
旅人1 

>> 61 川上も


「おはようございます…」



と、千夏に挨拶を返したものの、なんで千夏が?!


と思った。



千夏が


「和子さんが、上畠さんが起きられないからって急遽当番代わってあげて って言ってきたから…」



と、川上に言った…



No.61 16/01/30 09:37
小説大好き 

>> 60 この生活に少しずつ馴染んできた千夏は

川上を見ると小さく微笑みながら


千夏『おはようございます。』…




No.60 16/01/30 01:22
旅人1 

>> 59 農場当番の日、作業着に着替えた川上は、少し早めに農場に来た。


二段ベッドに寝ていた上畠を起こしたが、上畠は


「まだ眠い…」


と言って起きる気配がなかったのだった。



ったくもう…




上畠が朝が弱く、寝起きも悪いのはいつものことなので、川上はさっさと作業着に着替えたのだったが…。




上畠のヤツ、遅いな…




と川上が思っていると、向こうのほうから、作業着を着た千夏がやって来た…



No.59 16/01/29 23:05
小説大好き 

>> 58 結局川上は麻由美にラインの返事をしないまま

農場当番の日になっていた…




No.58 16/01/28 22:34
旅人1 

>> 57 農場当番は、いつも上畠とであるが、今回もそうである。


でも、川上は、なぜか千夏と農作業をしている自分が思い浮かんでくるのだった…



No.57 16/01/28 22:30
小説大好き 

>> 56 川上は目を閉じた。

なぜだか麻由美からのラインを読む気になれなかった。


川上はカレンダーに目をやった。


次の農場当番は三日後だった…




No.56 16/01/27 21:56
小説大好き 

>> 55 川上がボンヤリと千夏の事を考えていたら

再びラインがきた。

また麻由美からだった。


川上は小さくため息をついた…




No.55 16/01/26 21:31
小説大好き 

>> 54 麻由美からのラインに返す言葉が思い浮かばぬまま

川上はベッドに仰向けに寝そべった。

ぼんやり天井を見ていると

一生懸命農作業をする千夏の姿を思い出した…




No.54 16/01/25 22:34
旅人1 

>> 53 麻由美は、川上との将来に、過剰に期待しているような感じだった。


川上に有名大学に入ってもらい、将来は一流企業に就職した川上と結婚するのが麻由美の夢のようだった。



川上が、学校の成績がクラスで10位以内だったのも、麻由美が川上に惹かれた理由のひとつのようだった。



高校1年の夏、麻由美からの告白でつきあいはじめ、麻由美がルックスもまあまあかわいくて、明るく気さくなところが、自分にはない部分で新鮮だったし、つきあってみると、性格も気は強いが、結構かわいいところもあり、麻由美のことは好きだったのだが、だんだんと、麻由美の期待がプレッシャーになってきていたのも、また事実だった…



No.53 16/01/25 22:24
小説大好き 

>> 52 川上は麻由美と過ごすうちに

何かが自分と合わないと思い始めていた…



No.52 16/01/24 22:14
旅人1 

>> 51 ふたりは高校1年で同じクラスだった。



高校2年になってすぐ、麻由美の父親の仕事の都合で、転校することになり、高校1年の夏休みからつきあいはじめたふたりには、遠距離恋愛になってしまった。



遠距離になってからも、LINEはやり取りしていたし、川上がこの寮に入る前までは、月に1度は会っていたのだったが…



No.51 16/01/24 22:08
旅人1 

>> 50 麻由美は、川上が寮に入る前に通っていた高校の同級生だった…



No.50 16/01/24 22:03
小説大好き 

>> 49 川上の彼女麻由美は
明るく社交的な性格であったが

気の強い一面もあった…




No.49 16/01/24 01:59
旅人1 

>> 48 彼女からのLINEには


“竜彦くん、元気してる?半年前竜彦くんが寮に入るって聞いてから、なかなか会えないし連絡もないから心配してます”



とあった。




川上は、彼女からのLINEに、既読のスタンプを押しただけで返信はしなかった。




余裕がないんだよ、今は…




彼女の顔を思い浮かべ、川上はひとりごちた…




No.48 16/01/24 01:51
旅人1 

>> 47 歌穂に言われて、頑張って朝食を食べた千夏だった。


川上は、さっさと朝食を終え、食器を流しに運ぶと

「ご馳走さまでした。じゃあ俺、ちょっと部屋に帰るから…」




と、食堂をあとにして、上畠と二人で使っている部屋に戻った。


部屋のベッドの横に充電しながら置いてあった川上のスマホのランプが点灯していた。



LINEが入っていることを知らせるランプだった。



川上がLINEを見てみると、LINEは遠距離の彼女からだった…



No.47 16/01/23 22:57
小説大好き 

>> 46 千夏『本当に美味しいです。このお味噌汁。』


歌穂『本当に、お味噌汁食べてる時の千夏ちゃん

幸せそうな顔してるね。』

千夏はちょっと笑って見せた。

歌穂『今日は農場当番だからしっかり食べとかなくちゃね。』…




No.46 16/01/23 20:20
旅人1 

>> 45 歌穂「あら、千夏ちゃん、きょうは早めの朝食?ベッド見たらいなかったから」



そう言って歌穂は、にこやかに微笑んだ。



和子が、歌穂と上畠に味噌汁をよそって運んできた。



上畠「おっ、里芋の味噌汁じゃん。身体あったまるんだよな~、なあ、川上?」



川上「ああ…」




川上は生返事で味噌汁をすすった…



No.45 16/01/23 15:22
旅人1 

>> 44 千夏もぎこちなく


「そうですね…」



と言った。



ふたりが同時に味噌汁をすすったとき、食堂に歌穂と上畠が入ってきた…



No.44 16/01/22 23:05
小説大好き 

>> 43 和子が作る朝食はいつも温かい家庭の味がした。

特に和子が作る味噌汁は格別においしかった。

千夏が美味しそうに味噌汁をすすっていると

『うまいよな、味噌汁。』

と川上がぼそりと言った…




No.43 16/01/21 21:45
小説大好き 

>> 42 川上もその夢のせいで

妙に千夏の事を意識してしまい

2人は思わず目があった。

川上『今朝は冷えるな。』

千夏『そうですね。』…




No.42 16/01/20 20:45
旅人1 

>> 41 淡々とごはんを食べているように見える川上だが、実は川上も、昨夜、千夏と二人で農作業をしている夢を見たのであった…


No.41 16/01/20 15:20
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>> 40 食堂は何時もと変わらぬ朝の光景であった。

何時も一番早起きの川上はもう朝食を食べ始めていた。

千夏は決まって二番目なのである。

千夏『おはようございます。』

川上『おはよ。』

千夏は昨夜見た夢のせいか

ちょっとマジマジと川上を見た。

川上は朝から淡々と山盛りのご飯を口にかき込んでいた…




No.40 16/01/20 13:18
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>> 39 そして翌朝。

千夏は目が覚めても昨夜の夢の記憶が

リアルに残っていた。
千夏は雅史の夢を見れたのは嬉しかったが、何故出逢ったばかりの川上も夢に出て来たのだろうと
不思議に思ったまま
朝食をとるため食堂へ向かった…



No.39 16/01/19 22:24
小説大好き 

>> 38 千夏『お父さん!会いたかった。』

雅史は黙って優しく千夏を抱きしめた。

雅史に抱きしめられた千夏の脳裏に

自分が川上と楽しそうに農作業をしているイメージが浮かんだ…




No.38 16/01/19 12:40
小説大好き 

>> 37 その夜の夢の中で

『千夏。』


と雅史が千夏を呼んだ。


千夏『お父さん?』

雅史は優しく微笑んでいた…




No.37 16/01/18 07:33
旅人1 

>> 36 眠るとき、いつもの習慣で、千夏はぬいぐるみを抱いて眠った。



ぬいぐるみの感触が千夏をすぐに眠りに誘った…



No.36 16/01/18 07:27
小説大好き 

>> 35 千夏は寮の部屋に帰ると

そのぬいぐるみをベッドの枕元へ置いた。
歌穂『あら、可愛いぬいぐるみね。』

と歌穂がぬいぐるみを抱っこすると

千夏にはぬいぐるみがちょっと喜んでいるように見えたが

ぬいぐるみが喜ぶなんて有り得ない。

千夏は自分が疲れているのだと思い

その夜は早めに眠ることにした…




No.35 16/01/16 18:47
小説大好き 

>> 34 それ以来千夏は

ぬいぐるみに父親のぬくもりを感じてきたのであった。

千夏は悩みに打ちひしがれた時

いつもそのぬいぐるみを泣きながらぎゅーっと抱きしめると
不思議と気持ちが落ち着くのであった…



No.34 16/01/15 21:37
旅人1 

>> 33 千夏は


「うん!」




と、雅史のほうを向いて言った。




「じゃあ、買ってあげよう」



と、雅史は言った。




そのクマのぬいぐるみは、結構な値段がするものだったが、雅史はためらうことなくレジでお金を払った。



その頃すでに、癌は雅史の身体を蝕み、いわゆる「最後の帰宅」で、一時退院していたのである。




それからまもなく、千夏の父・雅史は他界した。



5歳の千夏にはまだ死の意味はわからなかったが、もう優しい父に二度と会えないということだけは、おぼろげにわかったのだ…




No.33 16/01/15 21:27
小説大好き 

>> 32 千夏が幼い頃の暮らしぶりは

決して裕福とは言えなかった。

それは、千夏の父親、雅史がガンと宣告された数日後

思い出を作るために行ったデパートであった。

幼い千夏はそんな事を知るすべもなく

そのぬいぐるみをじっと見つめていた。
『これがほしいのか?』

父親がしゃがみこんで千夏の顔を覗きこんだ…




No.32 16/01/14 22:14
小説大好き 

>> 31 そのぬいぐるみは幼い千夏が

家族でデパートに行った時

店頭に並んでいたものだった。

千夏は立ち止まってそのぬいぐるみをじっと見つめていたのだった…




No.31 16/01/13 22:42
旅人1 

>> 30 千夏の父親は、千夏が5歳のときに他界した。



まだ34歳の若さだった。




母の富子にあとから聞いた話だが、父親は癌で、わずか2ヶ月の闘病で逝ってしまったらしい。



若いので、癌の進行も早かったのだ と富子は言った。



千夏が小学校高学年になると、富子はそれまで働いていた繊維問屋の経理事務のパートを辞めて、水商売の世界に足を踏み入れるようになった…


No.30 16/01/13 22:32
小説大好き 

>> 29 寮に帰ると千夏は思い出のぬいぐるみを
自分のベッドの脇に置いて

幼い頃の父親の事を思い出していた…




No.29 16/01/12 21:31
小説大好き 

>> 28 千夏『はい。私…母と離れて暮らしてみて初めて母の優しさを感じる事が出来ました。』

その言葉を聞くと裕美の目から涙がこぼれ落ちた。

裕美『千夏ちゃん。あなたが今までどれだけ辛い思いをしてきたかと思うと

私は涙がでてしまうのよ。』

千夏はそんな裕美の気持ちが嬉しくて裕美につられ涙を流した…




No.28 16/01/11 22:08
小説大好き 

>> 27 裕美『そう。それは良かったわ。…その荷物…お母さんから?』


千夏『はい…あれでも一応心配しているみたいです…』


裕美『千夏ちゃん…あなたのお母さんもきっと精一杯なのよ。』…




No.27 16/01/11 01:18
旅人1 

>> 26 裕美「ところで、寮のほうはどうなの?」



千夏「はい、みんな高校生だから、私よりもお兄さんやお姉さんなんだけど、仲良くしてくれます…」




裕美は、寮の話になると、千夏が明るい表情になったのを見て嬉しかった…



No.26 16/01/11 01:14
旅人1 

>> 25 裕美は、千夏がいたときに、昔亡くした娘を思い出していた。



生きていれば、千夏と潤一よりひとつ年下になる。



6歳で交通事故で亡くした、潤一の妹・万里を千夏に重ねて見ていたのであった。



だから、千夏のことも他人事には思えなかったのかも と、裕美は思った…



No.25 16/01/11 01:06
小説大好き 

>> 24 千夏『あ…先日は大変お世話になりました。』

裕美『良いのよ、そんな事気にしなくても。うち、女の子が居ないから、私はちょっと嬉しかったのよ。』

千夏は裕美の暖かさに泣きそうになった。
裕美『お母さん、来ておられたわね。』
千夏『あ…はい。』
千夏はお水っぽい富子が恥ずかしかった。裕美のように地味な普通の服できてほしかった…




No.24 16/01/10 21:53
小説大好き 

>> 23 富子から荷物を受け取り少し感慨に浸っていた千夏に

若林の母親、裕美が声をかけた。

裕美『千夏ちゃん?』…




No.23 16/01/09 23:29
旅人1 

>> 22 そのぬいぐるみはもう色褪せていたが、父親が他界する前年に、幼かった千夏に買ってくれた、いわば父親の形見の品でもあった。



たびたびの引っ越しにも、失われずに千夏の手元にあったぬいぐるみだった…



No.22 16/01/09 22:30
小説大好き 

>> 21 袋の中には着替えの他に、千夏が幼い頃から大切にしていた

クマのぬいぐるみも入っていた。

千夏が毎晩抱いて寝ていた

大好きなぬいぐるみであった…



No.21 16/01/09 00:18
小説大好き 

>> 20 千夏はふと、富子から渡された

袋の中を見た…



No.20 16/01/08 00:10
旅人1 

>> 19 千夏は富子を見つけると、ぶっきらぼうに


「何?」




と言った。



富子は、手に持っていた、ちょっと大きめのバッグを千夏に渡し



「多分着替えとか、足りないものがあるだろうから、あんたのタンスの中から持ってきたんだけど…」



と言った。そして


「寮で、ちゃんと元気でやんなさいよ。心配しなくても母さんはあんたの寮には訪ねにいったりしないから…。あんたの生活費は毎月きちんと振り込んでおくから安心していいからね…。じゃあ、もう帰るから…」



それだけ言った富子は、千夏に背を向けて、振り向かずに帰っていった。




富子の肩が震えていたが、千夏にはわからなかった。




千夏は、富子の後ろ姿を見ながら、何となくさびしく、悲しい気持ちになった…



No.19 16/01/07 22:04
小説大好き 

>> 18 授業が終わると富子が教室の外で千夏を待っていた…





No.18 16/01/06 22:51
旅人1 

>> 17 富子はちょっと地味めな和服姿だったが、化粧や髪形はいかにも水商売風だった。



千夏は、来なくてもいいのに という気持ちと、水商売風の母親がなんだか恥ずかしかった…



No.17 16/01/06 22:29
小説大好き 

>> 16 その時、富子が授業参観に現れた…




No.16 16/01/05 22:30
小説大好き 

>> 15 千夏は小学四年の頃の授業参観を思い出していた。

富子は普通の母親達と何時もどこか違っていた。

着る服も派手で

化粧もヘアスタイルも

ギャル系だった。

小学四年生の千夏は無邪気に母親が大好きだった。

いつからだろう。

母親が参観日に来なければ良いのにと思うようになったのは…



No.15 16/01/03 22:04
小説大好き 

>> 14 担任教師の柄本は千夏の複雑な家庭環境を以前から気にかけていたため

今回千夏が親元を離れ、松本の農場の寮で生活する事になって

きっとそれは千夏の為に成るであろうと思っていた。

柄本は今回の授業参観の案内を

千夏の母親富子に一応電話で伝えておいたのだが

まだ富子は姿を現さなかった…




No.14 16/01/02 21:53
小説大好き 

>> 13 若林の両親の隆一と裕美は

千夏を我が子も同然の思いで見つめていた。

隆一は松本から千夏の様子を聞いてはいたが

やはり心配をしていた。

そして同じ様に千夏の事を心配していたのは潤一ともう一人

担任教師であった…




No.13 16/01/02 00:11
旅人1 

>> 12 千夏が後ろをチラッと見ると、富子は来ていなかった。




千夏は少しホッとしていた。




教室の後ろには、若林の両親が来ていた…




No.12 16/01/01 22:22
小説大好き 

>> 11 その日は授業参観日だった。

最近は保護者の都合の為

日曜日に参観授業が行われる事になっていた。

千夏は富子が来なければ良いと思っていた。

授業が始まると

保護者達が後ろから入って来る気配を感じた…




No.11 15/12/31 22:59
小説大好き 

>> 10 その頃、千夏は和子に車で学校へ送ってもらっていた。

千夏は若林の事が気になっていた…



No.10 15/12/30 21:12
小説大好き 

>> 9 みんな朝寝坊の日曜日の朝。

歌穂が目覚めて時計をみると

9時を過ぎていた。
隣のベッドをみると

千夏はもういなかった…




No.9 15/12/30 08:17
旅人1 

>> 8 歌穂「にぎやかだけど、勉強もしなくちゃね。川上くんは、学校行かなくてもちゃんとコツコツ勉強してるけど、上畠くんはサボってばっかじゃん」


上畠「歌穂にゃかなわねーよな」



歌穂「大検受けたいから頑張らないと。上畠くんも頑張ったら?和子さんに勉強見てもらうとかしてさ」



和子は、弁護士の職業を持っているので、勉強も見てくれることがあった。



千夏は、明日はここから学校に通うからと思い、ちょっとドキドキした…









No.8 15/12/29 22:55
小説大好き 

>> 7 和子『そう。良いのよ、帰らなくても。じゃあ日曜日も賑やかね!(笑)』…




No.7 15/12/28 22:33
旅人1 

>> 6 歌穂「ううん、別に…」




上畠「俺も…」




川上は無言だった。




千夏も、首を横に振った…



No.6 15/12/28 22:25
小説大好き 

>> 5 和子『所で、みんな日曜日は家に帰るの?』…




No.5 15/12/27 23:26
旅人1 

>> 4 和子「上畠くんと歌穂ちゃんは、確かだいたいおんなじ時期にここに来たのよね」


上畠「俺のが1ヶ月先輩だよ」



歌穂「1ヶ月ぐらいで先輩面しないでよ。でもあのときはまだ兄イや、姉ちゃんたちがいたもんね。みんな高校卒業でここから出てったけど…」


上畠「俺たち、兄イや姉ちゃんたちから“下ふたり”って言われてたもんな~」



歌穂「川上くんは、半年前にここに来たのよね。もうちらほら兄イや姉ちゃんたちも出てってたけど、まだ今よりはちょっとにぎやかだったかな…」



歌穂はそこで千夏に


「あたしたち、自分たちより年上の人ばっかりの中だったから、先輩のこと兄イ とか 姉ちゃん って呼んでたの」


と説明した。



千夏が話題から取り残されないように、さりげなく気を配っている歌穂だった…



No.4 15/12/27 23:12
小説大好き 

ほうれん草の収穫をしている千夏、歌穂、上畠、川上の元へ和子がお茶を持って来た。

和子『あんたたち、休憩だよ!』


歌穂『わ~い!千夏ちゃん、和子さんの差し入れはいつも美味しいのよ。』

上畠『本当に歌穂は食い気だよな。』


歌穂『悪かったわねぇ!』

川上『お前ら、芋が冷めるぞ!』


歌穂『わ~い!今日はふかし芋だ~!』

上畠『こりゃあ、屁がでるぞ~!』


和子『まったく賑やかなんだから(笑)』

千夏は笑いながらふかし芋を頬ばった…




No.3 15/12/27 22:16
旅人1 

>> 2 こちらこそよろしくです‼





No.2 15/12/27 22:13
小説大好き0 

>> 1 フリーターさん

お待ちしてました😊
またまた

宜しくお願いします




No.1 15/12/27 22:08
旅人1 

主さ~ん😃



旅人ことフリーターです🎵




早速新しいスレにやってきました。




よろしくお願いいたします🙏




  • << 2 フリーターさん お待ちしてました😊 またまた 宜しくお願いします
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