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美容院での会話が苦手
これからの時代子ども作っても大丈夫?
声を掛けられなくなった

俺のもの

レス177 HIT数 58350 あ+ あ-

名無し
15/01/05 16:01(更新日時)



俺、好きな人いるんっすよ…



ただな…

これが、ちょっと…





No.1987259 13/08/12 19:56(スレ作成日時)

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No.101 14/04/01 12:41
名無し0 




おばさん…
言ってたな


1度、帰って来ないかって


なんだか、意味深な言い方だったし


………



翌朝。


俺は冷蔵庫に入ってた水を開けて、そのまま口にした



來未。……



その時、俺の携帯が鳴った



神坂さんからだった



一緒に朝ご飯、食べないかって



一瞬迷ったけど



來未ちゃんも居るからって



………






俺は、神坂さんからの電話を切った後、家に電話をした。






No.102 14/04/01 15:01
名無し0 




嫌がる來未を車に乗せ、神坂さんに見送られながら、アパートを出た俺。



アパートを出る直前

「來未ちゃん、また遊びにおいで?」


優しく話し掛けた神坂さんに、俯きながら小さく頷いた來未。




神坂さんには、ほんとマジでお世話になったよな

神坂さんがいなかったら、俺一人じゃ…


勿論、先輩の存在も大きいけど


!…先輩
先輩は、昨日なんで俺んとこに来たんだ?

今さらか…。


………―――







30分もすれば、着く家


こんなに、近かったか?


11年。…振り…か



あの時俺は…

……2度と帰ってくる事はないって思ってた






その実家を前に、妙な胸騒ぎを覚えずにはいられない。




この時俺は
本能的に感じてたのかもしんないな…

來未の運命だけじゃねえ


俺の、運命さえも変えてしまう出来事に







No.103 14/04/01 15:17
名無し0 




家に着いても、來未は降りようとしない。



俺だって…


こんな形で、帰ってくるなんて思ってなかった


できることなら、このまま來未を降ろして


戻りたい…。




「來未…、降りるぞ。…」


それでも、俺はそう声を掛けて運転席のドアを開ける。




つられたように、來未もドアを開けた。



その時。

家の玄関が勢いよく開いた。




「母さん……」



俺は、ドアに手を掛けたまま、小さく呟いた。




No.104 14/04/06 13:03
名無し0 




そんな俺に小さく視線を送りながら、


「來未…」

來未の所へ駆け寄る母さん。

「…………」

ちらっと來未に目を向けると



來未は、下を向いたまま、足早に家へと入っていった。



「!!………」

拒絶する來未の後ろ姿を、ただ茫然と見送る母さん。



…來未………


母さん。…

「…………」
俺には、言葉は出てこない。



そんな俺に気づいた母さんは、




ゆっくりと笑顔を作って、

「陽平…、ありがと。」


母さん…


「疲れたでしょ?中に入って?…」






俺は、中学卒業以来になる実家へと入っていった。





この先に
どんな未来が待っているとも知らずに







No.105 14/04/13 16:47
名無し0 




どうやって帰ってきたのか

――――


気付くと俺は

アパートの駐車場に車を止めて




茫然と、

段々と薄暗くなっていく車の外を眺めていた







俺っ……て


なんなんだろ



俺……


って






コンコン…



窓をたたく音に



それでも、俺の神経は

定まらなくて



音に、

そのひとに気付かない






「…、… 森さん…?」



……?



「小森、…さん」








No.106 14/04/13 18:55
名無し0 




☆話の途中ですみません

こんな拙い話を読んで下さってる方へ―――



仕事の関係で、これから…更にか…
更新が難しくなるかもしれません…

もし、それでも待って下さる方がいるのなら

ちょっとずつでも
進めていこうと


今、思ってます。

何人かの方が、目を通してくれてる事に、本当に感謝してます


この話、サイドストーリーで書き出したのに、前回、いや、いつもの事か…
長くなり過ぎて、やっぱり素人には、なかなか上手くまとめる事ができなくて

しかも、勝手に自スレ設定にしてしまい


早く終わらせるチカラがあれば
なんて、素人のくせに焦ってる毎日です


すみません
ただのグチになってしまった


これからも、
多分、ひっそりと…(泣笑)
書いていきます。




主のグチでした(^_^;)v





No.107 14/04/20 09:59
名無し0 




神坂さん?……


俺はゆっくり、ドアを開けた。



「あのっ…、」

「…………」

「小森…さん?」


俺の中で、何が起きたのか―――



気付くと俺は






神坂さんを抱きしめていた―――…





No.108 14/04/20 10:19
名無し0 




☆クーさん、そして、クーさんのスレにレスされた匿名さん、kaotanさん、ありがとうございます(^_^)v

こちらこそ、学も何もない素人の書く話に、そんなふうに思いを抱いていただけるなんて
有り難いとしか言えなくて

感謝です☆

いろんなところに手を出し、自分で自分の首をしめているのかもしれない…という思いもありますが(^_^;)

書きたいって思う気持ちを素直に受け止めたいと考えていて

小心者なので…
こそこそと。これからも書いていこうと思います(^_^;)


では


また☆





No.109 14/04/20 16:07
名無し0 




「え…――」


神坂さんの声が小さく聞こえた。



「………」
「ちょ…」



俺、なんでこんな事…


「離してっ…」


神坂さん、嫌がってるよ…



「小……」


あったけぇ…


人って、こんなにあったかったっけ…




「…………」


神坂さん…




なんで、何もしゃべんない…?



俺はふっと…

顔を下に向けた。




神坂さんと目が合う。




「神坂…さん…?」


その時だった


少し、力を緩めた俺の身体を





今度は、神坂さんの細い腕がぎゅっと抱きしめる。








No.110 14/04/27 17:49
名無し0 




抱きしめたつもりが
いつのまにか
俺は、神坂さんに抱きしめられていて




「あったかい…」


声にだしていた


「大丈夫…」

え…?


「大丈夫、だから…」


俺を抱きしめながら、神坂さんはずっと
″大丈夫″って繰り返している。




大丈夫…


………


大丈夫?って



俺をまるで包み込むように

囁いてくれる



…………


何も、話してないのに


何も知らない神坂さんが、

俺を癒やしてくれる







No.111 14/04/27 18:02
名無し0 




こんなバカな事してる俺を



神坂さんはきっと


何かを感じとってる?


「俺……」



「いいから、」


「え?」
「今はまだ、…このまま。…」



神坂さん…







No.112 14/04/28 14:40
名無し0 




「妹、の事、まだ何かあるのか?」



昼休み。

先輩が、俺に聞いてくる

「あ、…いえっ…」


昨日の出来事が、蘇ってくる。


「じゃ、まだ他にあるのか。」




他に…




「まぁ、いい。」

「…!?」

「話したくないんだろ?」


「あ、…」


話したくない…つうか…

「話せないか。」

「!?」



俺は、弁当を食べる箸を止めて固まってしまう…



「無理するな。」


先輩…!


違う…




「聞いて下さいっ…!」


俺の、話。―――







No.113 14/04/28 14:51
名無し0 




夕方、会社近くの居酒屋で先輩と待ち合わせした。


店に入ると、年末っていう事もあって、かなり混んでいた。


先輩は、まだ来てないみたいだ…



奥のテーブル席に案内される。



カウンター席もテーブル席も客でいっぱいだった。



「あ…」


?…



席に着いた途端だった。




No.114 14/04/28 15:06
名無し0 




声がした前のカウンター席に目をやると




「!…神坂さん…」



まさかの!?…

俺は息をのんだ



「え…!?誰?」

神坂さんの隣に座っていた女性が、驚いたように俺を見る。



昨日の今日だったから…
俺は思わず、下を向いてしまった…



「え?なに!誰?誰?ねー、神坂さん!」



どうしよ…
神坂さんが、変に思われてる…!



「こんばんはっ…!」


俺は思い切って、顔を上げて神坂さんを見る。



No.115 14/04/28 15:23
名無し0 




そんな俺とは対照的に、神坂さんは

「こんばんは。」


冷静に、少しだけ笑って応えてくれる。
……


「え?ちょっとー、神坂さん!誰?」



しつこいくらい、俺の事を聞いてくる隣の女性。



「あの…」
なんて言おう…

「ご近所さん。」



?え…


「ご近所?、さん?」
「そう。」


ご近所…


「へぇ~」


もう既に、アルコールが入っているのか、
その女性は少しだけ赤くなった顔で、ジロジロ俺を見てきた。




No.116 14/04/28 16:10
名無し0 




歳は、神坂さんとあんま変わんねぇかな



「名前は?」

あ…

「こ…」
「小森さん。」


俺がちゃんと名乗る前に、神坂さんが答えていた。


「小森…さん?くん!でしょー」


別に…
どっちでもいいっす…


「私!渡辺美里ー。神坂さんの同僚ー!」



アルコールのせいなのか、性格なのかわからないが、高いテンションで自己紹介をする。



「同僚…ですか?」


っつう事は、病院の?



「そう!看護師ー」


やっぱり。


「小森くん、いくつー?」


歳か…



「26…です。」






No.117 14/04/28 16:47
名無し0 




「えー!じゃ、私と近いじゃ~ん」



「…はぁ。」
「私、33~」

33…


「神坂さんと同じくらい、ですか?」

「は!?なに言ってんの!」


さっきまで、笑ってた顔が引きつったようになった。



「神坂さん、46よ!?」

?…え、4…


みえねぇ…
マジ…


「しかも、子どももいて!」


「子ども…?」


神坂さんを見ると、焦ったような表情だ。


「そうよ!私は、独身なんだからねー!」



独身でもなんでもいい。
それより、俺は神坂さんの事が気にかかって…





No.118 14/04/28 17:39
名無し0 




少なくとも。
神坂さんが引っ越してきてから、子どもの姿なんて見た事なかった……。

…………



どういう事だ…?




「それにねー、子どもって、二十歳過ぎてんだからねー!」







……………


「二十歳過ぎ……」


「そうー!あ!小森くん26だったら、小森くんのお母さんと変わんないんじゃないのー」


っ…
母さん…っ



「渡辺さん!」
それまで、黙っていた神坂さんがまるで制するように、同僚の名前を声にだす。




俺も、渡辺さんも一瞬だけど

周りも、静まり返った。





「帰ろう?」
「えー!なんでー」
「飲み過ぎだよ?」
「…んな事ないー…」



興奮して、余計にアルコールが回ったのか


渡辺さんは、椅子から崩れ落ちそうになる。





No.119 14/04/28 19:27
名無し0 




「!」

咄嗟に手を差し出した。


「大丈夫、ですっ…」
神坂さんはそう言って


渡辺さんを抱え上げる。


「でも…!」

「ほんとにっ…。それより…」

「……?」
「さっきは、ごめんなさい。…」
「え、あの?…」


「渡辺さんが…」

あ…

「母さん…の、…」
小さく、頷く神坂さん。


「いやっ…」

そんな…事より…



「それじゃ…、」
「あ…?あの…」

「おやすみなさい。」



俺に笑顔を見せて。





神坂さんは、渡辺さんを連れて
店を出ていった。







No.120 14/05/05 12:58
名無し0 




入れ替わるように、先輩の姿が目に入ってきた。



「あ…」


「今、店の外で神坂さんに似た女性、見たけど?」


「!…あ、あ、えっと…」



昨日の今日で動揺を隠せない俺



「まあ、…いい。」

そんな俺を見透かしたように、先輩はそう言いながら。


俺の前に座った。





「なに、ぼーっと突っ立ってんだ。」



まだ、いろんな事が整理できない俺は、




きっと、腑抜けのような顔をしてたんだと思う。……



先輩にツッコまれた俺は、慌てて椅子に座った。





No.121 14/05/05 13:21
名無し0 




何から話せばいい?


母さんの事


昨日の、神坂さんとの事…


それから
さっき知った神坂さんの事実?…………






「あのっ…」

「あぁ。」




先輩…


先輩のそのクールさが、今の俺にとっては、すげぇ助かるような気がする…



グチャグチャになった俺の頭と心を落ち着かせてくれるようで





「先輩…俺、…俺、」


俺、も…





「母さんの子どもじゃ、なかったんです…」






昨日、母さんから聞いた事実を俺は思い出していた。





No.122 14/05/05 13:38
名無し0 




「來未だけじゃ…なかったんです…」



そう。…

俺も來未も、母さんの子どもじゃなかった


來未と同じように、俺にも別の母親がいて





來未の時と同じ

俺は、誰からかもらわれてきて




そして、

母さんと…
父さんは、俺を育てた



笑えるよな


來未の事、初めて知った時



俺は、母さんを取られるって

自分の…自分、だけの母さんを




浮気した父さんを、許せねぇって思った



なのに…さ

俺も、父さんの浮気で産まれた子どもだったなんて






No.123 14/05/05 14:11
名無し0 




「おかしい…っすよね、」



俺が今まで、信じてきたものって

母さんだけは、って思ってきたのに





「何がおかしいんだ?」

「……え?」



「お前の人生、笑えるような人生だったのか?」


「?…え、」


「お前も。親も。―――
必死で生きてきたんじゃないのか?」



!…


「妹だって、同じだろ。」



「先…輩。…」





「今はまだ、わかんねえかもしれないが。
いつかきっと、分かる時が来る。」





いつかきっと……





No.124 14/05/05 18:34
名無し0 




初めてだったかもしれない。



先輩の言葉が、俺の中に入ってこない…




父さんの気持ち?
母さんの……?




結局俺は、それ以上の事を先輩に話す事ができなかった。





いや…
先輩…
俺は、
ずっと母さんに騙さ…

!?

俺…來未が言ってた事とおんなじ事、…っ、……



來未と俺…


同じ…なんだ……。




違うって思ってた俺は…







神坂さん…


子どもいるって、

あの人言ってたけど…






No.125 14/05/06 19:10
名無し0 




先輩と別れて


アパートに戻ってきた。


タクシーで帰ってきた俺は、降りた後


神坂さんの部屋を見る。


灯りが点いてる。

もう、帰ってきてんだ…


………当たり前か、…


今、何やってんだろう…神坂さん。…





っ……


俺、

何考えてんだ?


昨日の神坂さん…


俺、殴られても仕方ない事…したんだよな…?



なのに
神坂さん、は…



俺の事、受け入れてくれた?



………―――







No.126 14/05/06 19:28
名無し0 




「はい…?」


ドア越しに聞こえてくる、神坂さんの声。




「………!」

俺っ……!



勢いよく、ドアが開いた。


「小森さんっ…!」


神坂さんは、風呂から上がったばかりだったのか


肩までの髪が濡れていた。





「そんな…、」

「え?」

「すぐ開けちゃ、…」


ダメじゃないっすか…


「え、あっ…、いや、小森さんだったから…!」


「え……」



俺?だったから……?



それ…って


「どうしたんですか…!?」




濡れた髪から滴り落ちる雫に、気付きもしない。





No.127 14/05/07 18:20
名無し0 




俺は、黙ったまま神坂さんを見る。


その時
「あ…」

神坂さんが小さく声を上げた。





「カレー、好きですか?」

想定外の質問に、俺はフリーズしてしまう。

「?…」


「いえ!明日、食べようと思ってて、だから今から作ろうと思ってたんです。」



「あ、…」
「もしかして、嫌いですか?」
「え、いえ…、あの、好き、です…」


カレー…



「よかった~。あ…でも、…」



今度は?…

「彼女に、作ってもらいますよね?」



「彼女……」


俺、
彼女なんて…



「いま…」


No.128 14/05/07 18:37
名無し0 




いません…っ


言いかけて。

俺は、思わず足を一歩だそうとした…



その時。どこからか、携帯の着信音が聞こえてくる。




「あ…、!」





神坂さんの携帯だった。


「ごめんなさい…!」


「!」

「さっきのカレーの話、忘れて下さい!」



っ…


軽く頭を下げながら、

ドアから離れようとする神坂さん。



「あ、いえ…」
「おやすみなさい。」


「……はい、おやすみなさい…」




俺は、静かにドアを閉めた。


「もしもし…っ、」
電話の相手に向かって、話をする神坂さんの声がわずかに聞こえてくる。



No.129 14/05/07 18:56
名無し0 




俺は、何しに行ったんだよ?


自分の部屋に戻った俺は、ベッドに座り込んだ。



さっきの神坂さんの姿が、目に焼き付いている


俺より、20こも上には
みえねぇ…




…………



俺…
神坂さんの事


好きになったのか?




―――……




No.130 14/05/07 19:09
名無し0 




「先輩…俺、好きになったみたいっす…。神坂さんの事…。」




あれから、俺の頭の中は神坂さんの事でいっぱいになっちまって


ついに、先輩に話してしまった。







先輩は、応援するって言ってくれた。


………

一応。って感じだけど



やっぱ、年の差の事、言われた。



…だよな、…






No.131 14/05/11 11:17
名無し0 




ここ一週間ぐらい、神坂さんの姿を見ない。



なんかあったんだろうか?

……あの、電話?




あの時

少しだけだけど…
なんとなく、神坂さんの声に不安を感じた。





來未が来た時に、神坂さんの電話番号は聞いたから



かけてみるか…?


…………



何、話す?


姿見えないんで


なんて言うのか…?




そんな事をぼんやりと考えていた。






No.132 14/05/11 11:33
名無し0 




「小森…、お前、いい加減にしろ。」




え…
横で仕事していた先輩を見る。


「仕事中だ。」


!!
「すいませんっ…」
















「あれから、親とは話したのか?」


休憩中、先輩は煙草に火をつけながら俺に話しかけてきた。


「え…親?」

「お前、…親の事で悩んでんじゃないのか」


母さん?

「別に…親の事なんてっ…、悩んでませんよ!…」



俺の、…親、


なんて






No.133 14/05/18 09:31
名無し0 




「…神坂さん、の事か?」



「!…、あ、…」


先輩は、くわえた煙草をゆっくりと離す。


「別に、邪魔するつもりはない。」

「え?…」



「お前の、事。だからな。」


先輩…?



「ただ、親の事は後回しにするな。」



後回しっ…



「俺はっ…」


「例え、血の繋がりがないとしても、だ。」



!?


「もう一度…いや、何度でも話せ。分かり合えるまで。」




分かり合える?



俺と…


母さんが?





No.134 14/05/18 09:53
名無し0 




ふと、俺は携帯を握りしめる。



來未は…


あれから、どうしてる?……



あの家で、母さんと二人



してんのか…話。……




俺は?


距離を置く事なんて、簡単にできるけど




もうすぐ中学生になる來未にとって


同じ家にいて


母さんや、実の親の事

誰かに話せるのか?



一番、不安になる年だしな。



………………






No.135 14/05/18 12:42
名無し0 




今日も、神坂さんはいない。


アパートに帰ってきた俺は、灯りの点いていない神坂さんの部屋に目をやる。



重い足取りで、階段を上り


部屋に入った俺は、


ポケットから携帯を取り出し、家の電話番号をさがす。



母さんの携番を知らないワケじゃない


けど


母さんにかけるんじゃないから




來未に…


そう思って、携帯を見つめていた。





No.136 14/05/18 13:09
名無し0 




「もしもし…!」


微かに聞こえる相手の声。


……!

未だに携帯を見つめていた俺は、はっとして返事をした。



「………!?」


え…?
來未?…?母さん?……


「あ…、」

俺。って答えようとして


「陽平くん!?」


え…?


「おばさん?」



あぁ…また、か。


「仕事ですか?」


俺は、母さんが電話にでなかった事にほっとしていた。



「…!陽平くん…」







「お母さん…」


「え?」


仕事じゃないのか?


「おばさん?」








「………、倒れたのよ。」





No.137 14/05/18 13:17
名無し0 




………?



「倒れた…?」



「そう、…あのねっ…」


母さんが?



「陽平くん…!」



倒れた……




「ねぇっ…!陽平くん!聞いてる!?」





母さんが、…………






倒れた……




No.138 14/05/18 19:16
名無し0 




「陽平っ…?」


驚いているのに

か弱く聞こえてくる声。


病院のベッドに横たわる。

母さん


「………」

母さん……



「どうしたの…?」


どうした?



「こっちのセリフだろっ…」


「…陽平、」




俺は、おばさんとの電話の後


すっ飛んできた…




「ぁ…もしかして、」

「おばさんに、…」


「そう、…」


小さく返事をする母さんを見た。



「ごめんねっ…」


ごめん…って、…





一週間前に久々に会って
その時から、何ヶ月も経ってるみたいに



痩せたな

母さん。……





  • << 141 4人部屋の窓際。 俺は、ベッドの横に立つ。 改めて、母さんを見ようとしたけど 顔色の悪さに、思わず視線を外してしまう。 母さん… …… 「…座って、…?」 小さな声で、俺に椅子をすすめる。 「………、ぁー…」 「大丈夫…?」 俺は、ベッドの横にあったパイプ椅子を広げ、ゆっくり座りながら、話しかける。 「…大丈夫。」 小さく笑いながら、そう答えた母さん。 俺は下を向いたまま、一週間前の事を思い出していた あの日、 俺は自分の事実を知らせれ 何も考えられなくなった俺は、母さんを詰った これでもかって言うぐらい 「俺の…」 「…?なに…?」 待てっ… 何言い出すつもりだよ…? 「母さんが倒れたのって、…」 「ぇ…?」 やめろ… 言うなっ…

No.139 14/07/02 14:38
名無し0 





思うところがあり、いきなり閉鎖してしまった


…まだ、考えがまとまったワケじゃないが


続けようと決めたら、また更新していくか

もう一つの話も




自分勝手で情けないが

気持ちがまだ上がってこない




ただのひとりごと。








No.140 14/07/02 17:54
名無し0 




クーさん
レスありがとう



放置

いろいろ言っても、ただの言い訳にしかならない

仕事。
プライベート。


忙しいなんか言い訳

そんな事が頭をぐるぐる駆け巡って



続けていく事に不安を感じてしまった


クーさん、ごめん

自分の方が意味わからない事言ってる


ただ一つ
リアな問題じゃないから

でも、オチるとこまでオチてみる、か

いいかも


試してみるよ

身体のメンテナンスも忘れないように



ありがとう。



No.141 14/07/06 13:07
名無し0 

>> 138 「陽平っ…?」 驚いているのに か弱く聞こえてくる声。 病院のベッドに横たわる。 母さん 「………」 母さん…… …


4人部屋の窓際。

俺は、ベッドの横に立つ。


改めて、母さんを見ようとしたけど

顔色の悪さに、思わず視線を外してしまう。




母さん…




……


「…座って、…?」


小さな声で、俺に椅子をすすめる。



「………、ぁー…」




「大丈夫…?」


俺は、ベッドの横にあったパイプ椅子を広げ、ゆっくり座りながら、話しかける。



「…大丈夫。」


小さく笑いながら、そう答えた母さん。


俺は下を向いたまま、一週間前の事を思い出していた


あの日、

俺は自分の事実を知らせれ



何も考えられなくなった俺は、母さんを詰った


これでもかって言うぐらい




「俺の…」



「…?なに…?」



待てっ…

何言い出すつもりだよ…?



「母さんが倒れたのって、…」



「ぇ…?」


やめろ…


言うなっ…






No.142 14/07/06 17:20
名無し0 




「母さん、働き過ぎちゃったみたい。」


そう言って

また、小さく笑う母さん。



!…



「いやっ…」


「陽平、…」


「え…」


「來未の事…、お願いね…?」



來未?…


お願い…って


「どういう意味だよ…!」





「來未は…、あなたの、陽平の妹だから、…。」








――――………




…………







「やっぱり…っ!」



声がした方向を見る



そこには、來未とおばさんが立っていた。





No.143 14/07/06 19:26
名無し0 




來未を見ると、真っ赤な顔で母さんを睨みつけている


「來未…っ、お前!」



來未の横で、おばさんはおろおろしていて


母さんは、というと…、





泣いてた





「泣きたいのは、私の方だよ…!」



そう叫んだ來未。




泣きたいのは、…


「來未…、違うの、…」

母さんが絞り出すように、言葉をつなぐ



「來未と陽平は…、ちゃんと血がつながってて…!」


「だから!?」


声を荒立てる來未


「…だから、…?」

「お母さんには!……お兄ちゃんや私の事なんてっ…
関係ないんだよね!!」





來未…



「血が…つながってないから―――…」






No.144 14/07/14 00:33
名無し0 




『血がつながっていないから』





………


來未だけじゃない

俺だって―――



母さんと、…



俺。……と、母さんって、


赤の他人?

……なのか?




他人。


他人って





「母さん…?」


俺は、母さんを見た。




母さんは、声を押し殺して


泣いている。




「やめてよ…」


え…?



「泣きたいのは、私の方だって…、さっきから言ってるじゃないっ…!!」



來未が、さっきよりも大きな声で叫んだ





No.145 14/07/14 17:04
名無し0 




「來未っ!やめろ。」

俺は、來未を諭すように、制した


「なんで!…なん…で…」


來未も、泣きだす



「來未…、確かに、俺と來未は…、」

ここまで言って、母さんを見ると


目を閉じたままの顔を、俺たちとは反対の方に向けたまま、じっと動かない


母さん…

「母さんとは、…血はつながってない。…」


「だからっ……」


「いいから、來未、聞けよ。…」




…………―――




「他人じゃないんだよ。」

「お兄ちゃん……?」


「だってさ、今まで、家族だっただろ?」



「陽平…くん…」

そう言いながら
おばさんが、來未の肩を抱き寄せる。



「上手く言えないけどさ…、母さん…、ちゃんと俺たち…、俺と來未、育ててくれたじゃないか。」




そう…。

母さんは、
ちゃんと俺たちを

血のつながらない俺と來未を
愛情込めて育ててくれた。




それだけは、


こんな俺でもわかるから。








No.146 14/07/14 17:49
名無し0 




それから、俺は病室をでて、医者と話をした



おばさんが話してくれた通り、過労と少しの貧血だった


ただ今日は念のため、一晩入院して様子を見るという事になり




ほっとした俺は、來未とおばさんが待つ待合室に顔をだす



「陽平くん、…!」
おばさんが、俺の顔を見た途端、走り寄ってきた

「ぁ…、おばさん、すみません。」


頭を下げる俺


顔を上げた先には、來未が静かに座っていた




『家族』って話をしてから、來未は黙ったままだ


アイツには、まだ難しかったか?……




「陽平くん…」

「え…?あ…、何ですか?」


「さっきの話、ね…」
「え?さっきの話?」


「そう…。あの、陽平くんが言ってくれた、家族。っていう…話。」


「あ、…はい。」

「あれね、…」





No.147 14/07/14 18:28
名無し0 




來未とは、少し距離がある所で


おばさんは、ゆっくりと話しだした




「早希さんにとって、ほんとに嬉しかったと思うの…。」

え…、

「あ…」



ほんとに、そうだろうか?…


「早希さん、お母さんね…」


「?…」





「子どもが産めない身体なの………」



「……………、」


子どもが…




「ほんとは、お母さんには口止めされてたんだけど…、もう話しても…、ううん、話した方がいいんじゃないかって思って…。」



子どもが産めない?




「來未ちゃんには、まだ…って思ったんだけど、」




子どもが産めない身体って…


「でもね!さっき、陽平くん言ってくれたでしょう?
早希さん、ほんとにあなたや來未ちゃんの事、大事に育ててた…!」




自分の子どもを産む事ができなかった母さん



なのに

父さんが、浮気してつくった俺や來未を…





母さんは



母さんは、どんな思いで?







No.148 14/09/08 14:01
名無し0 




父さん…?

子どもの産めない母さんを


哀しませて
苦しめて





もう、何年も会ってないけど


どこで何してるかなんて、なんも知らないけど



ほんと
最低だな…




No.149 14/09/08 14:19
名無し0 




「陽平くん…?」



おばさんの問い掛けに、我に返る俺


「大丈夫…?」


「大丈夫です…」


「おばさん、余計な事言っちゃったかな…」



「余計な事なんかじゃないです…。」


「ほんと?」
心配そうに、俺の顔を覗き込んでくる



「はい。…俺たち、…母さんと來未と俺は、…家族ですから。」




「陽平くん…」




そう

俺たち3人は、家族



血は繋がってなくても





No.150 14/09/08 18:41
名無し0 




未だに、下を向いたまま、何かを言いたげな表情の來未を、俺は見つめた



ちゃんと、來未に話そう

おばさんはまだ、早いって言ってたけど





「えっ…!」

突然のおばさんの驚いたような声に、ゆっくりと顔を向けた



廊下の先に、足早に歩いてくる男がいる



「………?」

誰だ?…



「おばさん?」


一瞬、俺の顔を見たおばさんは、


「ちょっ…と、…!」


そう言いながら、その男に走り寄っていく



えっ…?



どんどん近づいてくる男


俺は、何かを確かめるようにその男の顔じっと見た




「!!」
「!!…」



俺とその男は、同時に顔を見合わせた





「陽平っ…!?」



俺はこの瞬間

この男の顔を殴っていた



床に転げ落ちる男


泣き叫ぶ來未


崩れ落ちるおばさん






握りしめた拳を

俺はどうする事もできず


真っ白になった頭で、茫然と立ち尽くしていた





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