香織。
香織 -13歳-
香織は普通の女の子。
クラスの中では結構可愛い方。
はにかんだ時にちらっと見える八重歯は、なんだか男心をくすぐる。
少し小悪魔チックな性格である。
『香織、何の部活はいる??』
入学式を終えて体験入部の時期がやってきた。
幼なじみの理絵が聞いてくる。
『んー、まだ決めてない。』
人に自分のことをなかなか教えない、というところが『小悪魔チック』の所以か…。
『あたしテニス部の体験してみたい!』と理絵が言ったので、ついて行った。
体験入部してみてすぐにテニスの虜になり、理絵と一緒にテニス部に入ることに決めた。
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『ハイ、できますよ。
どの子にしますか?』
香織は、食事が書かれたメニューを裏返しにして見せた。
お店の女の子の顔写真、名前が載っている。
『じゃあ…この子』
ケイスケが指差したのは…
『あたし…ですか?』
『うん、よろしくね』
ケイスケはニコッと笑った。
白い歯がこぼれる。無邪気な笑顔。
香織はドキッとした。
(なんだろ…この『ドキッ』は?)
香織はふるふると首をふった。
『じゃあ…お席にご案内いたしますね、ご主人様』
『なんかご主人様って呼ばれるの恥ずかしいね!』
ケイスケは顔を赤らめてはにかむ。
(なんか可愛いな…)
席に着いて、先程見せたメニューを差し出す。
『お食事はどうなさいますか?』
『じゃあ…ハンバーグセットと、コーヒー。ブラックで』
『かしこまりました』
しばらくしてハンバーグがきた。
ケイスケはナイフとフォークをつかい、切り分ける。
ハンバーグからは湯気がでて、肉汁が溢れ出てきている。
ここのハンバーグは、フライパンで焼いたあとオーブンでじっくり中まで火を通しているので、本格的で評判が良い。
香織の鼻いっぱいにいい匂いが広がる。
『あの男はあれからこない?』
ケイスケはフーフーと熱々のハンバーグを冷まし、一口食べる。
『うわ、うまっ!』
『ハイ、店長が話をつけて、出入り禁止にしたそうです』
『それならよかった』
ケイスケはライスをフォークの背にのせ、一口食べる。
(まつげ長い…
というか、前はあんまり顔覚えてなかったけど、よく見るとカッコイイかも)
整った目鼻立ち、きちんと剃られたヒゲ、髪は爽やかにカットされている。
身長も180cmぐらいありそう。
香織は以前付き合っていたコウを思い出した。
コウも背が高かったけど、もう少し高そう…
香織はじーっと見つめていたが、ケイスケと目が合うと恥ずかしくなり下を向いた。
『あの…この間は助けていただいて本当にありがとうございました』
『さっきも言ったけど、メイドカフェってこの間きたのが初めてなんだ。
店入ってすぐ、ももちゃんが目に入った。
可愛いって思って、ずっと目で追ってたんだ。
それでなんか様子が変で、気づいた』
香織は『可愛い』と言われたことに反応して、顔を赤らめた。
『また…指名しても良いかな』
ケイスケが真っすぐ香織を見つめる。
二人だけの世界になったような気がした。
香織は、周りの笑い声で現実に引き戻された。
(あたし…どうしちゃったんだろ…)
『じゃあ、またくるね!メール…しても、良い?』
『ハイ…。』
そんな会話をして、ケイスケを見送った。
その夜。
香織の携帯にメールがきた。
ケイスケからだ。
『ももちゃん(メールでは香織ちゃんで良いのかな)、今日はありがとう!
すごい楽しかった。また遊びに行くね』
香織はすぐ返信した。
『来てくれてありがとうございました。
いつでもお待ちしていますね、ご主人様(笑)
メールでは香織で良いですよ』
少ししてケイスケからメールがきた。
『あの…もし良かったら。
デートに誘っても良いかな』
香織はいきなりのデートのお誘いに一瞬おどろいたが、
正直、うれしかった。
深呼吸して、ゆっくりとメールをうつ。
『ハイ、良いですよ』
…送信。
そうして、会う曜日、時間、場所を決めた。
次の土曜日、午前11時、お台場…
今日は水曜日。
ケイスケとのデートまであと3日…
香織は、ドキドキと高鳴る鼓動をしずめようと胸に手をおいて、フゥーとゆっくり息を吐いた。
次の日の放課後。
香織はバイトが休みだったため、彩と一緒に学校近くのショッピングセンターに行くことにした。
学校の最寄り駅からバスで10分ぐらいで行けるため、よく二人で放課後に遊びに行く。
『サーティワンにするー?』『あたし今日はクレープの気分~』
キャッキャと女子二人ではしゃぐ。
結局、香織が食べたいと言ったクレープのお店に入った。
香織が頼んだのは、イチゴ・たっぷりの生クリーム・小さくカットされたチーズケーキが入っているもの。
彩は、チョコアイス・チョコケーキ・チョコソースがかかったチョコ三昧のもの。
『おいし~』
『やっぱクレープうまっ』
香織は久しぶりに食べるクレープに舌鼓をうつ。
クレープを食べ終わり、一緒に頼んだミルクティーを一口飲み、香織は口をひらいた。
『あたしさ…
メイドカフェで知り合った人と、今度デートすることになったんだ』
香織は彩に、少しずつ話はじめた。
オタク男にセクハラ?されそうになったこと…
助けてくれたケイスケのこと…
メールをはじめて、デートに誘われたこと…
土曜日…
東京テレポート駅の改札前で待ち合わせ。
香織は、ピンクのカーディガン・白のフリルブラウス・黒のふりふりミニスカート・ニーハイブーツの大人可愛いコーデ。
髪は巻いて、メイクもバッチリ。
電車に乗って11時ちょうどに駅に着く。
改札に行くと、すでにケイスケが待っている。
『ごめんなさい!待たせちゃいましたか?』
『ううん、俺も着いたばかりだから大丈夫』
ケイスケはニコッと微笑んだかと思うと、ジッと香織を見つめる。
『どうしたんですか?』
香織は気になって聞いてみる。
『いや…メイド服も可愛いけど、私服姿もめちゃくちゃ可愛くて…
見とれた』
恥ずかしいことをサラっと言ってのけるケイスケに、香織はたまらず顔を赤くさせる。
『そんなことっないですっ』
『香織ちゃん、可愛いなぁ。
じゃあ、とりあえず行こうか。』
香織とケイスケは話しながらお店へ向かい、洋食屋でランチする。
『香織ちゃんて高校生だよね?
メイドカフェって働いても大丈夫なの?』
『はい、16歳です。お店は大丈夫です。
ケイスケさんは…大学生ですか?』
『そう、大学生。ハタチ。香織ちゃんは4コ下かー。いいなぁ』
香織は一瞬、ケイスケが言った『いいなぁ』の意味がよくわからなかったが、聞き流すことにした。
『ランチ食べたらどうしよっか?』
『近くに屋内型テーマパークあるけど…
行ってみる?』
香織は、その周りのショップは行ったことがあったが、テーマパークは入ったことがなかったため、興味があった。
そこで二人で行くことにする。
アトラクションによってはかなり距離が近いものもあり、二人の心の距離も少しずつ近づいていった。
『あー楽しかった!』
その建物をでてすぐ、レインボーブリッジが目の前に広がる視界のひらけた場所にでた。
ベンチがいくつもあり、タコ焼き、アイスなどの小さいお店が出ていた。
ベンチに座り、8コ入りのタコ焼きを二人で仲良くわける。
天気も良く心地好かったため、そこでしばらく過ごす。
話は弾み、まだ夕方だがあたりは暗くなってきた。
『香織ちゃん、まだ時間大丈夫?』
香織は腕にはめた時計を見て
『まだ…大丈夫です』
と答える。
『行きたいとこがあるんだけど、良いかな』
そういってケイスケは、香織の手をひいて歩きだす。
(恋人つなぎだ…)
香織はつながれた手を見つめる。
15分ほど歩き、駅に戻ってきた。
『観覧車、好き?』
突然の問い掛けに一瞬戸惑ったが、頷く。
『ほら、あれ』
ケイスケが指差す方を見上げると、観覧車があった。
ケイスケは再び香織の手を引き、観覧車まで連れて行って乗る。
香織は少し緊張して固まってしまう。
香織はケイスケに手を引かれ、そのまま観覧車に乗る。
観覧車は、ゆっくりゆっくりと頂上を目指していく。
もうすでにお台場は、夜の色に染められていた。
観覧車に乗ったのも久しぶりだったし、高いところから見るビルや街のあかりは、いつもとはまた一味違ってとても美しく見えた。
レインボーブリッジも見える。
夜になるとキラキラとした光をまとい、幻想的な姿に変わる。
『キレイ…』
思わず、感嘆の言葉がもれる。
『ベタだと思われるかもしれないけど…
香織ちゃんの方が、綺麗だよ』
ケイスケが香織の隣にきて座り、香織の肩を抱き寄せる。
甘い香水の香りが、香織の鼻をかすめる。
ケイスケの顔が香織に近づいていく…
二人の唇が重なる。
ケイスケのキスは、最初は優しく、だんだん激しくなっていく…
ケイスケの舌が、香織の舌に絡み付いてくる。
以前付き合っていた、コウのとは全く違うキス。
コウとはディープキスをしたことがなかった香織は、ケイスケの激しい舌づかいと初めての感触に、されるがままになる。
綺麗な夜景と、甘い香りに酔わされていたのかもしれない…
ケイスケの唇が香織から離れる。
観覧車が地上に近づいていたようだ。
『こんな気持ちじゃ、今日は香織ちゃんを帰したくないよ…』
香織も、このまま帰りたくなくなっていた。
地上に着き、ケイスケと香織は観覧車を降りた。
香織は先ほどの夢のような出来事のせいで、足がふらつきよろめく。
ケイスケがすかさず
『大丈夫?』
と声をかけ、支えてくれる。
香織は小さく頷くが、ケイスケの顔を見ると、ついさっきのことを思い出して恥ずかしくなり顔を背ける。
『ごめん、俺、あんなこと…
嫌じゃなかった?』
香織は下を向いたまま、こくん、とまた小さく頷く。
『俺、今日は香織ちゃんを帰したくない。
香織ちゃんが嫌なら無理強いはしないけど…』
ケイスケは、支えていた腕をゆっくり離し、香織の顔をあげさせた。
きっと香織は真っ赤な顔をしていただろう。
『…あたしも…
帰りたくない…』
香織はケイスケの顔を上目遣いで見て、ケイスケの服のすそを持った。
香織はママに『友達の家に泊まる』とだけメールをした。
生まれて初めて、男との外泊。
香織の胸は高鳴っていた。
適当なホテルを探し、入った。
部屋を適当に決め、受付でキーを受け取り部屋へ向かう。
香織は初めてのことだらけで、すべてケイスケに任せた。
ケイスケは、香織はよくわからないがどちらかというと、慣れているような印象を受けた。
エスカレーターの中で、香織はケイスケに後ろから抱きしめられ、耳元でささやかれた。
『大丈夫?こわい?』
『大丈夫…です』
香織は、全く怖くないというのはうそになるが、もうあと戻りはできないと思った。
エレベーターがチン!となり、止まる。
部屋を見つけ、鍵をあけて中に入る。
入った途端、ケイスケが香織を抱きしめ、唇に吸い付いてくる。
香織の小さな唇は、あっという間にケイスケに覆われる。
いきなりのキスに、香織は少し抵抗して唇を離す。
『はっ…はぁ』
吐息がもれる。
なんだか息が苦しい。
『香織ちゃん…
俺、もう理性が保てない』
ケイスケは香織を抱き寄せて耳元でささやいたかと思うと、香織をお姫様抱っこで持ち上げた。
『っ!?
あたし…重いよ!』
『全然重くなんかないよ』
ケイスケがニッコリ微笑む。
ドサッとベッドにおろされると、香織の上にケイスケがのる。
ケイスケは、香織にキスをしながら脱いでいき、上半身裸になる。
香織はどうすれば良いのかわからず、されるがままになる。
ケイスケが香織のカーディガンを脱がせ、ブラウスのボタンをはずしていく…
香織の胸があらわになる。
ケイスケは香織の首筋、鎖骨、そして胸へ…
顔をうずめる。
『ぁっ』
香織は思わず、小さく声をもらす。
『香織ちゃん、すごくかわいいよ…』
ついに香織はスカートも脱がされ、下着とニーハイブーツだけにされてしまう…
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