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テレクラ3(約束)

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ゆま( us5Xh )
10/07/12 23:17(更新日時)

“テレクラ”の作者 りいちさんはウソつきでした



偽善者で詐欺師みたい・・


アタシはそう思いました




りいちさん・・



あなたはアタシと交わした(約束)を守れますか?




期待はしていません




やっぱり、また、騙しますか?








ゆま

No.1326745 10/05/21 00:41(スレ作成日時)

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No.101 10/06/29 12:59
ゆま ( us5Xh )

アタシはやっぱり、瞳を閉じました

今日は素敵な“約束”を守ってくれた日でした



でも、アタシはやっぱり、瞳を閉じました

あの日、雨宿りに来たかのようにお店に来た“まー君”を思い出していました



でもでも、アタシはやっぱり、瞳を閉じました

“お店では着てないよ”って、いちいち説明しないといけなくなった、シニカル混じりのランジェリーを脱がす“まー君”




・・・・そして“まー君”がアタシに入ってきました

・・・・アタシは吐息とため息が混じり合った息をペパーミントが鼻から抜けるみたな声を出して“いちばん幸せな日”に“いちばん大切な人”と過ごしているハズなのに、気が付けば“レナ”で演じていました




様々な原色の絵具を混ぜれば黒色になるように


アタシのココロはその色に染まったように思え


気球は乱気流にさらわれたみたいに思え



だから、アタシは



深く深く瞳を閉じました



深く深く瞳を閉じました



深く深くです



深く深く

No.102 10/06/29 13:01
ゆま ( us5Xh )

〈揺れる揺れる電車〉

無言劇を演じているような2人でした
アナタは左手側の車窓の向こうの雨雲が掛かる山並みを眺めていました

年が明けて直ぐにアナタは耐えられない拷問から逃れるように退職届を出して部屋を解約をしました

描いた人生の青写真や設計図が崩れてしまい、激流のような不安を紛れさす為にモノやヒトに八つ当たりすることの知らない性格のアナタは、落胆や重圧をポリ袋に入れて“月”“木”の燃えないゴミの日に出すような小細工ができるような余裕がありませんでした


弾きだした計算や予想図が誤算と誤差を表す中で、仮病をつかって一息をつくのにズルもウソもつけない真っ直ぐな性格のアナタは、唇を真一文字にして仏頂面でふて腐れて、クボミのエクボはすっかり更地に造成されてしまっていました


そんな、アナタの横顔は大手メーカー勤務だったハシクレもハシキレもなく、魂の抜けた脱け殻のようで、その雨雲にすら焦点が合っていないように見えました

No.103 10/06/29 13:02
ゆま ( us5Xh )

〈叩く叩く雨の飛行場〉

廻廊西側の長いエスカレーターを上がり…
発着ロビーのベンチに腰を掛けて並んで手を繋いで搭乗までのカウントダウンを刻んでいました

互いの絡み合わせる指には、焦げる匂いがするほどに熱を帯びているけど、絡みついていた赤い糸は色褪せてゆくように想えました

そんな、アナタはそれを認めたくないように苦悶の表情のまま、哀調を帯びた声で


“田舎の空気は澄んで綺麗で”

“魚や野菜は新鮮で美味しくて”

“小鳥の鳴き声が空に突き抜けて”

“見たことのない蝶々が飛んでいて”


「ゆま、いいとこだよ?」

「ゆま、必ず、おいでよ?」

って、何度もリピートして

 南から太陽が昇るような…

 時差があるように感じる…

その最果ての故郷に、それでもアタシを導いてくれようと一生懸命に一生懸命に話してくれました

最後に発したアナタのその悲壮感を帯びた祈りのようなリピートは…
事務的な場内アナウンスで冴え渡るロビーの高い天井の吹き抜けに物悲しく…
かき消されたのでした

No.104 10/06/29 13:06
ゆま ( us5Xh )

そんな、アナウンスが聴こえなかったかのようにアナタは


“ホワイトソースのオムライス食べたい”

“ホワイトソースのオムライス食べたい”

“ホワイトソースのオムライス食べたい”

“ホワイトソースのオムライス食べたい”

“ホワイトソースのオムライス食べたい”


と、止めどなくあふれ出る涙の中で、断ち切れない思いの丈を連弾のようにぶつけました

 汲み取れきれないよ…
 だけど、「うん、うん」とアタシ

そこには、あの凛々しいアナタの面影はなくて…
ないがしろにされて待ちぼうけの真っ只中の連続で、幾度も月の満ち欠けを見上げながら過ごしていた平日の夜の

アナタの本当の姿…

裸のシゴトのアタシの帰りを待ちわびていた、週末をココロ待ちに待ち焦がれていた
アナタのそんな姿を初めて目の当たりにしたようでした

No.105 10/06/29 13:07
ゆま ( us5Xh )

  損傷 痙攣 麻痺


アナタのココロの本当の傷口の深さを知りました

 違う…知らないフリをしてたんだ…
 

そんな“月光の下”で都会の見えない星に願い事をするように
アナタがアタシを待っていた姿は

ギロチン台で泣き叫び、喚き叫び、断末魔で絶叫している

冤罪を被らされた善人の命乞いのようにも見えました


「ホワイトソースのオムライスね」

「また、作ってあげるからね」って、そんなアナタの頭を撫でるしことしかできませんでした

No.106 10/06/29 13:09
ゆま ( us5Xh )

既に遠距離恋愛になったかのように愛情が失調しているアナタのココロ…
アタシは惜しむように繋いでいる手を離してアナタと向き合いました


「まー君、ずっと、大事にしてくれるんでしょ?約束してくれたこと忘れないからね」


「結婚はアタシにも考える時間を頂戴」


「・・・・ね?」




・・・・そんな2人にも

進む秒針の1秒は正確で

泣き沈むアタシを抱き起こし



・・・・搭乗口へ

進む歩幅の1歩は貧弱で

活路を見いだした歩みに程遠く


・・・・握りしめたチケット

進む縦列の1人は孤独で

色褪せた赤い糸では手繰り寄せるほどのチカラもなくて



・・・・その先の

進む未来の1日は雲泥で

輝かしい光は決して見えなくて、少しだけ、背中にシワがついたジャケットをもう、直してあげられないと思うと涙がこぼれて



「・・・・まー君」

小さく呟いていたら

「・・・・ごめんなさい」

小さく呟いていたら










まー君の背中が見えなくなりました

No.107 10/06/29 13:10
ゆま ( us5Xh )

ため息と嗚咽が漏れました
それは、空港の人波の中、空調の微風に流されて

音も立てず
色も示さず
香りも残さず

新たな現実の1秒に消し飛ばされました

アタシはそのまま1人でしばらく



     ぽ つ ん



と立っていました

ぽっかりと穴の開いたような、ココロを埋めるものは“まー君”が契約してきて手渡してくれた2人専用の真っ白い携帯電話でした



その待ち受け画面には


楽しく笑って頬を寄せ合って写る






あの頃の2人がいました

No.108 10/06/29 13:11
ゆま ( us5Xh )

〈甘い甘いミルクティ〉


琥珀と乳白の色を混ぜた白いカップの湖には微粒子の湯気が舞い上がっています

アタシは空港のカフェに入り、それを飲んでサヨナラを耐えていました


アナタと初めて会った日

アナタからの指名があって

飲めなかったミルクティ





あの日は、まだまだ暑くて

冷えたミルクティでした



・・・・・・アタシが無邪気にアナタと最果てに飛び立てない、呪いの黒アリが足元でアタシを蝕む現実


アタシはあの日、神様にお願いをしたことを叶えて貰えた幸せなハズなのに・・・・


って


微粒子の湯気を眺めていたら、こんなアタシでも、逆運を少しだけ恨みました

No.109 10/06/29 13:13
ゆま ( us5Xh )

〈白い白い飛行機〉


1人で眼下に広がる領空の雲母の中で、アナタは広がるそれを眺めてサヨナラを耐えているのでしょうね・・・・


あの“約束”の日に


アナタに見せて貰えた


気球からの景色は


いつまでも忘れません


・・・・だから
アタシは・・・・


ありありと痛々しいアナタの今日の背中を見て思いました


アナタの

ずっと、大事にしてくれるって“約束”を信じようって


でも・・・・
・・・・プロポーズは


そんなことを考えながら、甘い甘いミルクティを飲み終えた頃には涙雨は晴れていました

行方知らずだったハズのさっきのため息と嗚咽がひらひらと蝶々のように飛んでいて

その蝶々の後を着いて行ったら

アタシはその日もお店に辿り着いているのでした

No.110 10/06/29 13:14
ゆま ( us5Xh )

「レナちゃん、また…」

「…携帯?」

他の嬢達からの失笑を受けて“まー君”の愛の失調を示す携帯電話のバイブが唸っています

まだ、離れて2週間も経たないけれど、通話料がかからない専用電話は幾度となく唸り“せせこま狭い嬢の部屋”の中では、既に話題の中心でした

そんな“まー君”の

募る募る募る不安は、携帯での通話が癖のように変化してゆき
紡ぐ紡ぐ紡ぐ愛情は、受話器のデシベルで伝えることでした

・・・・それは

生理休暇の偏頭痛に耐えるベッドの中でも…
ペディキュアを片方しか塗れていない時でも…

・・・・そして、

今のように待機している時もです

さすがに、シゴトをしている時は話せないけれど、寄り添い、付き添えない分、アタシは時間が許す限り、お話を聞きました

同じ時を過ごしていた2人の時間は
あの飛行場までの電車の中で“まー君”の焦点が合ってないように感じた
雨雲のようにぼやけるように感じながらも
“約束”を胸に刻みながら、アタシは不平や不満を言わずにお話を聞いていました

No.111 10/06/29 13:16
ゆま ( us5Xh )

暖冬とはいえ寒い冬を越すのには“まだまだの都会”にいながらの“まー君”からの写メの春が近い装いが、より一層の距離感を感じさせました

乾燥した緑も土もない都会の空気を吸いながらの“まー君”からの写メには
少しだけ髭が生えていて大根の収穫している一生懸命な姿の画像には土埃が舞い
綺麗なエメラルドグリーンの海を背に笑顔の画像には砂煙が舞い
なんとなくアタシが抱えているシリアスを気にしてくれているとは感じられませんでした


・・・・その反面


幾度も月の満ち欠けを見上げながらの待ちぼうけで、もがき苦しむことは
離れている距離には関係ないようで


 不服や焦り

 嫉妬や鬱憤


時折、“まー君”の言葉の端々に自分だけが辛いような灰汁(あく)が感じられました
それでも、アタシは時間の許す限り、お話を聞いていました

No.112 10/06/29 13:17
ゆま ( us5Xh )

そんな、二次元の世界の画像を眺めながら、アタシなりにその地に移り住むことをイメージしたりしました

流木や貝殻を集めてアートを作ってみたり

小舟に揺られて夜の沖で月明かりを浴びてみたり

岬の突端に立ち大空へ向けて限界まで両手を広げてみたり


どれも素晴らしい生活や人生のように思えるけれど


・・・・どうしても
・・・・今すぐってワケにはいかないよ
・・・・もう少しだけ、時間が欲しいよ


アタシの現実が頭をよぎった瞬間に鮮やかだったイメージは、蜃気楼がドロドロにただれてゆくように消えるのでした

そんなため息をつきたい時にでも
アタシの感情の所在に関係なく
荒れ狂い激しく打ち寄せる波のようにバイブは唸り

所用や不在のウソは自分を苦しめるように思えるし
何より“まー君”の淋しさを癒してあげたくて


「・・・・もしもし」
出来るだけ明るく努めて電話に出るのでした

No.113 10/06/29 13:19
ゆま ( us5Xh )

愛情があるとはいえ、度々の電話での会話には時折、花も咲かないこともあり、少しずつドライな会話も増えてゆきつつありました

それでも、電話にしがみつくことでしか存在を示すことが出来ない“まー君”は
時代遅れのペアルックをアタシに強要し、自分だけ寸足らずのそれを着ているような独走や1人よがりみたいなものを感じ


アタシが相違する意見を言えば・・・・

・・・・1分

・・・・5分

いいえ、時には20分以上もの間、受話器の向こうで沈黙することがありました


そんな、裏目裏目に流れる膠(こう)着する時間に諭す労力は相当に必要で
ぶつけようのない不満を撒き散らすことを知らない性格の“無言”は耳をつんざくようでもありました

それは、互いのイコールから離れる価値観を示しているようで
そして、無言のまま突然に電話を切られちゃうと…

仲直りまでの時間は、壊れた硝子の破片を一片ずつ

拾い集め

寄せ集め

接着剤で元に戻すような気の遠くなる作業に感じました

No.114 10/06/29 14:11
ゆま ( us5Xh )

それでも、アタシは“愛情”をたくさん抱いているし…

きちんと、2人の未来のことも話したいし…

だから、価値観をちゃんと埋め合わせたいし…

何よりも“約束”を信じているから…



アタシは“まー君”には内緒で飛行機のチケットを予約しました


少し、黙っておいて驚かせてあげたくて


・・・・なにより


向こうへ着いたら抱き締めてあげたくて


ご両親にもきちんとご挨拶をさせていただきたくて



・・・・そして



特大クリームソースのオムライスを作ってあげたいって思いました

No.115 10/06/29 14:13
ゆま ( us5Xh )

・・・・だけど


あの平日の知らなかった“まー君”の本当の姿を見た日を思い出しました


求心すればするほどに遠心に向かい

愛の継ぎ目も繋ぎ目も破損してしまい

手暗がりにしたダイヤモンドが輝きを失うように


軋み軋み軋む程に何より尊くアタシを愛していてくれているハズだった“まー君”はアタシに


何の通知もなく

何の相談もなく





契約を突然に解約をし

アタシに手渡した携帯電話を血の通わないモノにしました


・・・・シゴト帰りのアタシ

もう、アンテナが立たない白い携帯電話を開いたまま

点滅している青信号で立ち止まり







「・・・・どうして?」

「・・・・なんで?」って

頬を寄せ合って笑っている二次元の2人の上に涙を落としました



2010年2月23日

都会の冬月の下、アタシ達の愛は

あの日、唄の歌詞を間違えたかのようにアタシのメルアドを聞いたように突然に前触れもなく

“約束”を果たされないまま


“サヨナラ”も言わないまま


終わったのでした・・・・

No.116 10/06/29 14:15
ゆま ( us5Xh )

次の日だけは、シゴトを休みましたが、家にいると“まー君”を思い出して、泣いてしまうだけだったので今日は、シフト通りに出勤していました


“まー君”との携帯電話が息を吹き返してくれるんじゃないかって?
限りなくゼロに近い可能性を抱き何度も何度も電話を開きましたが、やっぱり・・・・


・・・・なにより


解約した理由も言ってくれないことが、アタシをどん底にたたき落としました


アタシは“自分の黒い携帯電話”を開き“まー君”からの返信がこちらにもないことを確認して・・・・

ため息をつきました










「・・・・どうして?」


「・・・・なんで?」




2010年2月25日

悲しみの中の手持ちぶさたでした


“まー君”からの電話は鳴りません


少しでもと気晴らしのつもりで


指名が入るまでの時間潰しのつもりで



掲示板サイトへアクセスしました



“せせこま狭い嬢の部屋”のソファーに座り


“まー君”を想いながら


【甘い甘いミルクティ】を飲んでいたアタシは





偶然に〈テレクラ〉って名の





匿名の方が書くレポート作と出会いました

No.117 10/07/01 13:41
ゆま ( us5Xh )

その匿名筆者は新人さんのようです
少し、おどおどしている様子だけど、読者からのレポート更新の仕方に関して、ご注意をうけたカキコミには

「じゃぁ、読んでくれなくて結構です」

と何故かキッパリと返しています

少し笑え…
少しハマりました





「レナちゃん、ご指名が入りました」

・・・・あ

「はい」と慌てて携帯を閉じて身支度をしました

・・・・ご新規のお客さん

ホームページでアタシを見つけて来てくれたようでした

No.118 10/07/01 13:43
ゆま ( us5Xh )

“キン”と音が鳴りそうに冷えた道路標識

縦列に並ぶ車輌の先頭は停止線を越えて赤信号の間もヘッドライトを点灯したままで

歩行者用信号機の薄い青色が急かすように点滅したので、アタシは、ご新規さんと腕を組みながら走り

横断歩道を渡る横顔をそのヘッドライトに照らされて、瞬間的に長い影を作ったのでした

・・・・あの日

非日常で眺めた原色の中の1色になってるアタシ

あの部屋で今頃、誰かが眺めている景色の1つとなっているアタシ




・・・・あの日のピンク色の花束は

・・・・ずいぶん前に

色褪せて

朽ち果て

しなだれてゆき


・・・・枯れました

No.119 10/07/01 13:44
ゆま ( us5Xh )

・・・・ドライフラワーは嫌いです

呼吸を失い死体になってもなお、茶褐色を帯ながら飾られ続けているのが残酷な姿に見えるから

・・・・ブリザードフラワーも嫌いです

花の不機嫌を無視して、強制的に可憐のみを装い続けさせられているように見えるから
 

寒さとココロの傷で

引きつる頬で

微笑みを浮かべながら

いつもの色欲Hotelで原色のドレスを脱ぎました


・・・・ホームページの中のアタシ


プロのカメラマンにランジェリー姿で撮影された姿

白い脚が“売り”になるとカメラマンさんに言われました

だから、アタシの写真は脚が強調されたものばかりで、ホームページを見たお客さんは“脚フェチ”の方が多いのです

No.120 10/07/01 13:49
ゆま ( us5Xh )

・・・・バーチャルで見つけた疑似恋人のアタシ


ホームページを見たお客さんは、悶々とした性欲をアタシにぶつけることが多く


・・・・例えば

来る前に家でアタシの脚の画像で妄想を膨らませて自慰行為をしてくるお客さん

リアルのアタシの脚に執拗に触れて、擦り、舌を異様に這わせるお客さん

家に帰ればアタシの感触を思い出して、リアルの後の空想で自慰行為をするお客さん


アタシの脚はカメラマンさんの言う通り“売り”にはなったけど、変態の遭遇率や乱暴に扱われる確率が増えました


ご新規さんは執拗に脚に触れています

No.121 10/07/01 13:51
ゆま ( us5Xh )

・・・・やっぱり

“まー君”の手触りには程遠く感じます

でも、シゴトをしないと家では涙が出るし…

ココロの支えを失って…
欺瞞(ぎまん)の施しのキモチだけで触られることに耐えるのは
空虚に投身しているように感じました

・・・・だから

蓄積していた今までのアタシの我慢も、もう限界を越えました


“もう、どっちでもいいや”


って、ココロの悪魔が怠慢を囁きました

アタシは奉仕を放棄して横たわるだけのマネキンになり
ご新規さんと赤線を越えて本番に至りました

抱かれている間に“まー君”を思い出してみても、あの土埃と砂煙の中、消えてゆきました


瞳を閉じた時に

一筋の冷たい涙がつたい

いつか、枯れて捨てた

ピンク色の花束がゴミ箱の中で泣いている姿が見えました

No.122 10/07/01 13:52
ゆま ( us5Xh )

・・・・アタシをむさぼるご新規さん


アタシは


瞳を閉じて

心を閉じて

胸を痛めて

喘ぎも出ず

胃袋は痛み

呼吸を忘れ

鼓動は乱れ


“まー君”のいない現実を噛み締めていました

精神病(やまい)の中でトランキライザーを切らして重く垂れこめる孤独の世界で

夜更け

朝焼け

日暮れ

のいずれも途方にくれるアタシの現実



・・・・横着で緩慢(かんまん)なピストン運動の中


・・・・下手な独唱みたいな唸り声を出し


ご新規さんはアタシに身を預けて果てました

「・・・・レナちゃん、良かったよ」と耳元で囁くご新規さんの声が鼓膜に届いた時に



“まー君”
“まー君”
“まー君”

“まー君”
“まー君”
“まー君”

“まー君”
“まー君”
“まー君”


・・・・・・・・

ココロの中で“まー君”を呼び続けていたんだ…

そのことに気が付いたのでした

No.123 10/07/01 13:53
ゆま ( us5Xh )

・・・・気だるい

呼吸すら気だるく感じる愛のないお客さんとのセックス
戻ってきた“せせこま狭い嬢の部屋”でやっぱりの


 手持ちぶさた


いくら“まー君”の名前をココロで呼んでも白い携帯は息を吹き返さなくて
やっぱり、黒い携帯で時間を潰そうと思いました


あのレポートはトツトツと続いていて、匿名筆者さんには数名から応援のカキコミも入っていました


アタシも悪く言えば、ほんの冷やかし感覚で、そのレポート作のNo.22の欄にカキコミをしました

No.124 10/07/01 13:55
ゆま ( us5Xh )

――――――――――――――――――
No.22 10/02/25 21:36
――――――――――――――――――
続きが楽しみです
人の意見なんか気にせずにのびのび書いて下さい
楽しみに読ませて頂きます
――――――――――――――――――



「あなたも、読んでくれなくて結構です」

って、アタシもカキコミされたらどうしよう…?と不安に思いましたが、言われたら言われたで読まなければいいだけか…って思いました





――――――――――――――――――
No.24 10/02/25 21:41(匿名筆者)
――――――――――――――――――
22さん
ありがとうございます。
とりとめないのに感謝します。
今日は温かい日でしたね。
花粉は大丈夫ですか?
ありがとうございます。
――――――――――――――――――


って

意外とまともな

お返事をいただいて

少し安心しました

No.125 10/07/01 13:56
ゆま ( us5Xh )

結局、今日はご新規さんお一人のお客さんでした

アタシは定刻になったので帰り支度をします

お店での長居は無用なのは、今からお客さんが入れば最終電車に間に合わなくなるからです
タクシーで出退勤する風俗嬢は今は一昔前のおとぎ話の時代です


「店長、あがります」

〈あ、レナちゃん、お疲れさん、じゃあ、今日の分ね〉


アタシは本日分のお手当てを店長からいただきバッグにしまいました


〈明日もよろしくね〉

「はい」


別に明日から行かなくても“あり”の世界だけど、アタシは明日、出勤するいつもの約束をしました


そんな、口契約を交わして店を出ると、まだまだ、寒い夜でした


“あ、そうだ、あの匿名筆者さんにお返事しなきゃ”

No.126 10/07/01 13:58
ゆま ( us5Xh )

――――――――――――――――――
No.28 10/02/25 22:15
――――――――――――――――――
とりとめなくなんかないですよ!
とてもリアルに想像できて面白いです
周りは花粉でしんどそうでしたが、私は大丈夫です
わざわざありがとうございます
続き楽しみに読ませて頂きます
――――――――――――――――――



結局、今日は他の嬢の誰とも話さなかった部屋のことをお返事しました

“恐らく、アタシのことOLさんくらいに思うんだろうな”





――――――――――――――――――
No.29 10/02/25 22:18(匿名筆者)
――――――――――――――――――
22さん
ひょっとしたら、僕の返信がうざいかも知れませんが、ありがとう。
本当にありがとうね。
――――――――――――――――――



って、また、

まともなお返事が

地下鉄の駅までの道中で入りました

No.127 10/07/01 13:59
ゆま ( us5Xh )

改札口を非接触カードで抜けてプラットホームのベンチに座りました


――――――――――――――――――
No.30 10/02/25 22:25
――――――――――――――――――
全然ウザくなんかないですよ!
むしろ嬉しいです
丁寧な方ですね
みなさん続きが読みたくてウズウズしてると思いますよ
――――――――――――――――――


近未来形の地下鉄が駅に入ってきました
相変わらず“まー君”からの連絡はありません


ため息をつきながら電車に乗り込みました

No.128 10/07/01 14:00
ゆま ( us5Xh )

――――――――――――――――――
No.32 10/02/25 22:36(匿名筆者)
――――――――――――――――――
ありがとう。
これは、僕が僕なりにとりとめもなく書きたいので書いているだけなんです。

だから、日記でも、小説でもないですから、あなたのように感想を書いてくれる方に感謝するんです。

こういうのって匿名だし、顔が見えないからすぐに批判したりするのは簡単じゃないですか?

でも、その中であなたの様に読んでくれて、なおかつ批判ばかりでなく素直に気持ちを書いてくれるのがうれしいです。

だから、ここを借りる訳ではないですけど僕は不特定多数を楽しませたり読ませる為には書いていません。

あなたのように興味をしめしていただけるかたと交流したいです。

よろしくお願いします
――――――――――――――――――



匿名筆者さんとのやり取りは、手持ちぶさたの時間潰しにはなりました

・・・・でも

少しだけ季節外れの暑苦しさを感じました

No.129 10/07/01 14:02
ゆま ( us5Xh )

――――――――――――――――――
No.35 10/02/25 23:04
――――――――――――――――――
文章書くのお上手だと思います
内容が内容ですので批判される方もこれから出てくると思います
でも気にせずに続けて下さいね
まだテレクラがある事、話の続き気になります

それではしばらく読んでいる皆さんの為に更新を見守りたいと思います

無理せず更新して下さいませ
――――――――――――――――――





家までの道中で客あしらいならぬ、“匿名筆者あしらい”のお返事を入れました

No.130 10/07/01 14:03
ゆま ( us5Xh )

“あ、明日の朝食”

コンビニへサンドイッチを買いに立ち寄りました



――――――――――――――――――
No.36 10/02/25 23:09(匿名筆者)
――――――――――――――――――
ありがとうございます。
自分でも社会的な立場がありながら何を一生懸命にこんなことを書いているのか?と冷静に考えるとただのバカだなと思うのですが、とりあえず、書いてみるよ。
ありがとうね
――――――――――――――――――





受信を見て、匿名筆者あしらいは終えたと思ったけど

手持ちぶさたの時間潰しは、とりあえず明日も続いて欲しいな…って、思いながらコンビニを出ました

No.131 10/07/01 14:05
ゆま ( us5Xh )

・・・・次の日

この日はご飯を食べる暇もないくらい、お客さんの指名が相次ぎました

忙しさに身を投じている間は気も紛れるけれど、シゴト終わりの帰り道

“まー君”の白い携帯は息を吹き返さないままなのを見ると
閉じていた傷口が途端に開いてしみるように痛みだし

“まー君”がいない中の寒風が吹く現実は、世の中の全てから隔離されているように感じるのでした


――咄嗟に淋しが襲い

咄嗟に孤独に苛まれる――



そんな中、何気に開いたアタシの黒い携帯には受信記録を知らせるランプが点滅していました

No.132 10/07/01 14:06
ゆま ( us5Xh )

ハッ!として

    “まー君”??

と思って開いたけど…




あの、手持ちぶさたの時間潰しのレポート作が更新されたメール案内通知でした

あの、匿名筆者さん
  継続していたんだ…


今日は必要のなかったレポート作だけど、家に着いてから読んでみて


――――――――――――――――――
No.45 10/02/26 00:33
――――――――――――――――――
読ませて頂きました
想像したより過激な内容でしたが、大変興味深いものでした
女性とのその後のお話を楽しみにしてます
お疲れさまでした
――――――――――――――――――



隔離を否定したかったのかも…

そんな気持ちでカキコミをしました

No.133 10/07/01 14:07
ゆま ( us5Xh )

…………それから数日



あのレポート作には、たくさんの方々がカキコミをするようになっていました

アタシもカキコミを続けていました


手持ちぶさたの時間潰しは


隔離を否定したい媒体となり


徐々にアタシの中では単調で孤独な生活の中で“日常にあるべきもの”へと不思議に変化してゆきました




匿名筆者さんは


“りいち”と名乗りました


りいちさんは、カキコミしている方々へ出来れば匿名でなく、名前を記載して欲しいと呼びかけていました


・・・・じゃぁ
アタシも自分に名前を付けなきゃ



No.22へのカキコミから始まったから


“ニィニィ”


これでいいか…


とりあえず、名前を付けました

No.134 10/07/01 14:14
ゆま ( us5Xh )

りいちさんは、筆者と読者の交流掲示板を設けました


その交流掲示板で分かったこと


りいちさんの職場とアタシの家が歩いて15分にあること

アタシの最寄りの地下鉄の駅は、りいちさんもシゴトの移動で頻繁に使用していること

“まー君”が3回美味しいと言ったあのおでん屋さんの常連であったこと


そして、アタシがりいちさんに伝えたことは


…………風俗嬢であること




なんとなく、伝えておきたい気持ちになりました


何よりも…
世界で駅や道で、すれ違っている可能性があると思うと少しだけリアリティを感じました

No.135 10/07/01 14:16
ゆま ( us5Xh )

“せせこま狭い嬢の部屋”で似つかわしくない小説本を持参することが多いアタシ


どちらかといえば愛読家の部類に入ると思います


他の嬢達との色んなお話もするけれど、基本的には話の輪に入らずに小説を読んでいることも多かった


“現実逃避”ではなくて
単純に小説が大好きなのです


小説が大好きな風俗嬢…


バカに思われがちなシゴトだけど意外に難しい本も大好きなのです

No.136 10/07/01 14:17
ゆま ( us5Xh )

りいちさんは、レポート作をトツトツと進めてゆきます


女性を追いかける内容が滑稽ながらも、興味を深くそそられ
読者好きなアタシに更新を渇望する気持ちを宿させました


本編は終了したけれど〈番外編〉がスグに始まりました


普段、歓喜の感情が小さなアタシでも珍しく胸が踊る気持ちになりました

〈番外編〉の内容はタイのバンコクでの旅行記で、アタシのシゴトと重なる部分もあり

更新の度にココロがレポート作にシンクロし、そうやって自身をなぞらえて読んでいると感情の移入が深くなってゆくのでした

No.137 10/07/05 08:34
ゆま ( us5Xh )

・・・・でも、ついに


最初、匿名筆者あしらいをしたレポート作でしたが、完結を迎える淋しさを感じた時に


“まー君”の白い携帯を幾日も確認していないことに気が付きました


夢が醒めたように開いた携帯電話はやっぱり、死んだままでした


“まー君”

元気かな?

食べてるかな?

病気していないかな?


“ずっと、ずっと大事にするよ”って
あの日、耳元で囁いてくれた“約束”は?



あ、

・・・・“約束”
・・・・“約束”

りいちさん、レポート作終わってしまったけど

ずっと前にアタシと交わした小さな“約束”をしたの忘れてるだろうな


たくさん色んな方にカキコミに答えてきたから、忘れられても仕方のない“約束”か…


そもそも“約束”にこだわるアタシの過去は関係ないしね…

No.138 10/07/05 08:35
ゆま ( us5Xh )

りいちさんの執筆活動の拠点が小説サイトに変わりました

アタシもりいちさんの新たなその場所についてゆきました


・・・・今まで

誤字
脱字
時には更新するページ間違いも

少しだけ、おっちょこちょいのりいちさん


アタシは都度都度にりいちさんの顔が潰れないようにと注意を払って報告しました


やっぱり、新しい作品でも間違えているりいちさん

いつものようにアタシは指摘します


今までと全く違うのは

不特定多数が閲覧する掲示板でなくて
直接、りいちさんだけに知らせられる
メールでが出来る環境に変わっていることでした

No.139 10/07/05 08:37
ゆま ( us5Xh )

・・・・言わば密室


直接、やり取り出来るからこそ、“公平平等”のスタンスを崩さないと公言しているりいちさん

律義な人

信頼出来る人

アタシは疑うことすら頭によぎりませんでした

りいちさんが書き始めた新作のヒロインとの愛は切ないストーリーでした

アタシは文章を読んでの涙を久しぶりに流しました

そんな新作の更新を渇望したけど

そんな環境の中での

りいちさんと1日1回あるかないかのメールのやり取り

いつしか、その1日1回のメールも渇望していました


この人にアタシを知って欲しいな…

この人にアタシを伝えたいな…

だけど、公平平等を掲げているりいちさんに負担をかけたくないな…


アタシは考えました

どうすれば、りいちさんの言う“公平平等”を崩さずに


“まー君”とののことや

風俗嬢のシゴトのことなんかを

りいちさんに伝えられるか?


凄く考えました

No.140 10/07/05 08:39
ゆま ( us5Xh )

・・・・アタシは


“月光”という名の


暗証番号を設定した、りいちさんだけに読んでもらうための小説を書き始めました


赤裸々にアタシを書いた“月光”

特に望んではいなかったけど


りいちさんからの感想や意見は来ませんでした


少し
引かれちゃったかな…


たまに届くメールには全く“月光”に触れないし


だけど、閲覧カウントが上がっているみたいだし


たぶん


見ていてくれているんだろうな…

No.141 10/07/05 08:40
ゆま ( us5Xh )

執筆で?
他の理由で?

よく分かりませんが

酷く悩んでいる様子のりいちさん


気分転換になれば…

レポート作のリメイク版を執筆したらどうですか?

と小さな提案をしたアタシ


りいちさんからのお返事には

リメイク版でなく続編を書くと記されていました

アタシのおかげで“ひらめきました”とお礼が付け加えられていました


いえいえ
アタシがチカラになることならなんでもします

ココロで呟きました


・・・・何よりも


アタシはまた、小さな歓喜で胸を弾ませました


テレクラ2(電脳)の執筆の開始されることに

No.142 10/07/05 08:43
ゆま ( us5Xh )

りいちさんは連載開始を目前にして

何故?

そこまで?

と思うくらいに神経をピリピリと尖らせている様子でした


元々、気の短い方だとは知っていたので

いつもいつも細やかな言葉ながら励ましてきたように

アタシは何気なくこの時も励ましたつもりでした


・・・・だけど


拒絶と謝絶の返事でした


“アタシなんかに気持ちが分かるワケがない”と書かれていました

そして

“アタシの言葉なんかいらない”趣旨が記されていました

ストイックに執筆する人だとは分かっていました

でも、今までと全く異なり

ナーバスのメーターは完全に振り切っている様子でした

No.143 10/07/05 08:44
ゆま ( us5Xh )

アタシはりいちさんが好きでした

アタシはりいちさんの文章が好きでした

何度も何度も何度も読み返して暗記する程に好きでした

いつも、重荷にならないことだけを考えていました

いつも、律義のルールを守ることだけを考えていました

何かあれば、アタシが出来ること全てをしてあげるつもりでした


・・・・でも


アタシのこんな考えがきっと

りいちさんに迷惑を掛けるんだと思いました

きっと、余計なことを言ったんだ…


アタシは書き続けていた“月光”を削除しました


もう、りいちさんに連絡するのも辞めよう


サヨナラもアリガトウも言わずに



小説サイトから去りました

No.144 10/07/05 08:47
ゆま ( us5Xh )

・・・・そんな中で始まった


テレクラ2(電脳)


アタシの大好きな比喩のオンパレード

“小説の開始冒頭での日常の羅列”

創作セオリーとしてNGを意図的にやっている意思は

何度もりいちさんの文章を読み返してきたアタシには分かりました

賛否は必ず、分かれるとは思いました

でも、

アタシは
アタシは
アタシは

あの日、コンビニのサンドイッチを買いに向かった時に

少しだけ季節外れの暑苦しさを感じたカキコミに

“不特定多数を楽しませたり読ませる為には書いていません。”

と書かれていたのを思い出しました


そのセオリーNGと比喩のオンパレード

あの日にカキコミした
あの人のスタンスは
なんにも変わっていないんだ

それを作品で示している

不器用で真剣な人だと思うと

涙が流れてきました

あの日、アタシが偶然に見つけた匿名筆者

アタシはやっぱり、この人の文章が大好きでした

No.145 10/07/05 08:48
ゆま ( us5Xh )

小説サイト
掲示板サイト

2つでのサイトの同時連載


(電脳)は両方のサイトで猛烈なスピードで更新されてゆきます


アタシは全部を追いかけていました


・・・・そして


更新が終われば何度も何度も何度も読み返しました



・・・・でも



何故?そこまで?ストイックになるのかな?とは思いました



・・・・理由は



作品に示されていました



アタシは(電脳)を読めなくなりました



アタシは大好きな文章が読めなくなりました

No.146 10/07/05 08:50
ゆま ( us5Xh )

・・・・恋?
恋?・・・・


アタシと同じように応援している方との恋が綴られていました

その方がお亡くなりになられていたのは聞いていました


・・・・でも


・・・・恋?
恋?・・・・


最初、理解するのには相当の時間が必要でした

まるでフィクションのような悲劇的なお話でした

亡くなられた方は以前から、かわいい子だなとは思っていました


・・・・読み直ししても
・・・・やっぱり


・・・・恋?
恋?・・・・


劇中にりいちさんは“律義のバットを置いた”と記していました


アタシはあなたが律義な人だと信じて

ずっとずっとずっとずっとずっとずっと

“公平平等”のカテゴリーから、律義のボールを投げていたのに…



あの落ち込んでいた時…
ナーバスになっていた理由…


全てが繋がり感じたのは


悲劇的なストーリーには胸を痛めました


・・・・だけど



偽善者で詐欺師みたい・・


アタシはそう思いました


2度とこの人は信じない


アタシはそう思いました

No.147 10/07/05 08:52
ゆま ( us5Xh )

柔らかな日差し

この時期の気温の寒暖は落差がとても激しい

今日は寒いハズなんだけど
緊張して背中には汗が滲んでいる


大阪南港WTC内1階にある珈琲館のいちばん奥の席


灰皿のタバコの煙は垂直に舞い上がっています


優しい笑顔

大きな瞳

青いチェック柄のYシャツには貝ボタン




アタシが飲んでいる



甘い甘いミルクティーの向こう側



あの匿名筆者だった



りいちさんが



小さな“約束”を果たしに




アタシとテーブルを挟み




ブラックコーヒーを飲みながら




座っています

No.148 10/07/06 03:08
ゆま ( us5Xh )

〈りいち〉

5番ユーティリティのゴルフクラブは杖(つえ)代わりに丁度良い

道端で寝転がって見ているお月様

自分が東西南北のどちら向きに寝ているかも分かりませんでしたが

お月様はどこから見ても丸いカタチなのと

上着のポケットのサイフは取られていたことは分かりました

「まぁ、いいか…」

そのまま、再び眠りに着いたけど…

明け方の再びのそれには目を覚ましました


「せっかくだけど、もう盗られた後だよ」


と声を掛けると

ホームレスらしき50くらいの男は


「ひぇ…」と、小さな驚愕を漏らして逃げて行きました


「さぁ、仕事に行こうか…」


無一文にキャッシュカード無しの明け方の僕

強烈な二日酔いの頭痛

昨夜を思い出すのは不可能に近いけど

前から欲しかった5番ユーティリティを呑む前に買っておいて正解でした

今から、地下鉄の3駅分を歩いて出社するのに

杖代わりに丁度良かったからです

No.149 10/07/06 03:10
ゆま ( us5Xh )

「・・・・おい」

機嫌の悪いザビエルヘアスタイルの部長

「はい」とガラガラに酒焼けした声の僕

「永山執行役員が東京に帰られるのお前、知ってたよな?」

「はい」と“エヘン虫”全開の声

「なんでお見送りに参列しなかった?」

「いえ、別に…」

「もう少し…ちゃんとサラリーマンしろよ?お前?」

ロッカーの中のストックのYシャツの襟が少しだけ窮屈なのが神経質な僕は気になりました

襟を指で直しながら、僕が役員なら従業員に頭など下げささないよな~と思いました

何故なら、社内で下げる頭に1円の利益もないと思うからです

誰でも知ってる会社名のサラリーマン
別にもう、出世はしたいと思ってません

って、いうか、サラリーマンに未練はありません

と、いうより、向いてません


でも、一応、成績だけはトップです

負けず嫌いを棄てるのは未練があります


社内受けは悪いけど

客受けは良いみたいです

要するに外面が良いのです

No.150 10/07/06 03:12
ゆま ( us5Xh )

・・・・昨夜の接待先からのお電話

「最高でした
お腹の底から笑いました」

僕にとっては最高の誉め言葉


受話器を持ちながら、ザビエル部長を盗み見する

今日のお見送りで、自分の顔が立たなかったことに憤慨している様子でした


僕にとっては、ザビエル部長のご機嫌の斜め具合より気になったのは…

ロッカーにしまった5番ユーティリティのヘッドが傷まみれになったことと

昼飯代をザビエル部長からでなく、部下から借りなければならない現実でした

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