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テレクラ3(約束)

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ゆま( us5Xh )
10/07/12 23:17(更新日時)

“テレクラ”の作者 りいちさんはウソつきでした



偽善者で詐欺師みたい・・


アタシはそう思いました




りいちさん・・



あなたはアタシと交わした(約束)を守れますか?




期待はしていません




やっぱり、また、騙しますか?








ゆま

No.1326745 10/05/21 00:41(スレ作成日時)

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No.51 10/06/10 20:44
ゆま ( us5Xh )

“女のコの身体はやっぱり、デリケートなんだ…”

少し、バイ菌が入って傷んだ尿管

どうも、膀胱にも原因があるみたいだけど、2日後にはシゴトには戻れそうかな…

アタシは、コンビニで買った、いなり寿司とざるそばのパックを持ちながら

“食べたらお薬”
“食べたらお薬”

忘れないように唱えながら歩いてる


「ただいまぁ~」

ドアを開けて返事はなかったから、お姉ちゃんは出掛けているようです

鉄筋コンクリート造の気密性は残暑を蓄熱させ、おまけに西陽がフィクス窓から射し込んでいるので“もう、お姉ちゃんったら”って、小言を呟いて小窓のレースのカーテンを閉めました


末梢神経冷え性のアタシは、本意じゃない冷房のスイッチをオンにして

“食べたらお薬”

と、また唱えながら食べるのを忘れそうなくらい食欲の出ない夏は、まだまだ続きそうなだな…


季節感を感じながら


“裸を見ないでいい”
“裸を見せなくていい”


そんな、平々凡々な休日を過ごしています

No.52 10/06/10 20:46
ゆま ( us5Xh )

“女のコの一人暮らしはやっぱり、不用心なんだ…”


シゴト帰りの部屋の前、扉のカギを開けた瞬間に視界外から見知らぬ男が斜め後ろから、一緒に入ってこようとした


アタシは、あまりに突然のことで言葉を失い、驚愕したけれど

必死で足を踏ん張り
男の指に噛みつきました

生まれて初めて噛みついた感触は、大きな輪ゴムを噛んでいるみたいで気持ち悪くて…

何より、ざらついた男の指が舌に伝染した時に“死んでも入れちゃダメ”と骨を砕くほどに力を込めました


護身術など知らないアタシでしたが、運良く何とか、男を撃退することは成功しましたが、安らぎの住処は、心地悪く不用心な居場所となり

“同じ街ながら”ですが、お姉ちゃんと同居することにしたのです


ここは、大阪の中心部から、ほんの少しだけ離れていて、戦時中の空襲を免れたおかげで、ほんの少しだけ下町情緒を残している

アタシが産まれ育った街なのです

No.53 10/06/10 20:47
ゆま ( us5Xh )

今日は近未来系の地下鉄を小綺麗なプラットホームで待ってるアタシ

この日も蒸し暑い夏の夕方の出勤でした


《ごくごく普通の出勤でした》


そして“せせこま狭い嬢の部屋”で、ソファーに腰を掛けて冷えた



【甘い甘いミルクティー】を飲もうと思った瞬間に



「レナちゃん、ご指名が入りました」


《ごくごく普通のご指名でした》


客寄せ用のチャイニーズドレスのポラロイドのアタシを選んだのは


爽やかな笑顔をしたお客さん


《ごくごく普通のお客さんでした》


でも、それは、“仲井さん”に導かれた運命の出会いの日なのでした



アタシは、この日が


 過去の“約束”を思い出し


 現在の“約束”に左右され


 未来の“約束”に導かれる


起算点であって、中間点であるだなんて、知らずにいたのです


・・・・それくらい


なんてことない


 背中に電流なんかも走らない

 赤い糸なんて頭によぎりもしない


・・・・それくらい


本当に


・・・・それくらいに










《ごくごく普通に
 ただ…
 夏が残ってるだけの日でした》

No.54 10/06/10 20:50
ゆま ( us5Xh )

・・・・ベッドで裸の2人

仲井さんは70分をチョイスしていました

少し、緊張しているのかな?

…会話は弾まない

でも、何とか、小さな話の種で大きく咲かせてみようとしても……

…やっぱり、反応はイマイチです

でも、話に来たのでないのならば、いつものアタシです




恋人の様なキスをしました

舌を絡ませて濃厚に艶やかにです

沈黙が煩わしく怖いのもありました

そのキスは、イソジン薬臭の苦味の向こうに、飲み損ねた【甘い甘いミルクティー】のような、甘さがありました

No.55 10/06/10 20:51
ゆま ( us5Xh )

熱い熱いキスをしました
あくまで、シゴトのキスですが、溶けるような感覚のキスをしました

アタシは、アタシを濡らしていたかも知れません

“こう?”目を細めて優しく吐息で問いかけながらのキス

“どう?”美味しい?と優しく唾液が混ざり合うキス


仲井さんは、話の反応とは違い

立派な長径の鼓動音がベッドに地響きするくらい硬く硬く、筋肉をはち切れさせ

“ひくひく”と上下に痙攣させながら、アタシを欲していました


アタシは、キスを続けながら、その長径を擦りました


裏筋をじらしながら、淫靡(いんび)に擦りました

No.56 10/06/12 22:11
ゆま ( us5Xh )

爆発を押さえながら、悶える仲井さんの顔を見て


「かわいい」と小さく呟いて


また、熱いキスをしました


そして、アタシは、仲井さんの右の中指をアタシの湿林に誘導しました



・・・・んっ

アタシは、指の動きに合わせて、腰をくねらせました

仲井さんは、そんな踊るようにくねらせている、アタシの乳首を舐め回し始めました


仲井さんは恋人なのです

“だから、舐める仲井さんの頭を撫でました”

70分だけの仮想の恋人なのです

“だから、アタシは、男が理想とする快楽ドールになります”


最高に気持ちいい


対価以上のサービスを提供する、プロの女に徹してゆきます

No.57 10/06/12 22:13
ゆま ( us5Xh )

濃厚で恋人のような、アタシのプレー


でも、頭の中ではタイマーの終了時間を意識して“頃合い”を探っています


そんな、69の体勢の2人


アタシは、仲井さんに、施しと欺瞞(ぎまん)のバキュームで

黄ばみを帯びたような味のする、濃縮しきったスペルマを



“ドクッ”


“ドクッ”


“ビクンッ”と痙攣させながら


破裂した水道管から、練乳を噴出させるような勢いで、男らしく発射させました


・・・・アタシは

69の体勢のまま、ティッシュに唾液とスペルマを吐き出して、発射した直後の陰茎を舌で掃除しました


次は、

“・・・・うぅっ”

と、甘えた声を出して、身体を痙攣させ、捩る仲井さん


アタシは、痙攣しているクランケに痛み止めの注射をするナースみたいに

何より、アタシのサービスを刻み込むように

仲井さんの顔にアタシの陰部を押し付けて

窒息するか?しないか?くらいに押し付けて

大柄な身体の痙攣を完全に封じました

No.58 10/06/12 22:14
ゆま ( us5Xh )

・・・・そして


亀頭と裏筋を掃除しました


浅く、ゆっくりと、舌先で掃除しました


仲井さんは、アタシのお尻を両手で力強く掴みながら、陰部に舌を激しく動かさせていました


それは、快楽の悦びと、酸素を欲している人間が気絶する寸前の本能みたいな動きでした


アタシは、その舌の動きで少し、不覚にも感じてしまいました


仲井さんのふくらはぎを力強く掴み、シゴトだということを一瞬、忘れてしまいました




“ピピピッ”




“頃合い”を示すタイマーが鳴り、我に戻った仲井さんとアタシでした

No.59 10/06/12 22:15
ゆま ( us5Xh )

某メーカーのサラリーマンで、転勤してきたばかりだという仲井さん


アタシの聞いたことのない九州南方の島の出身


そんな、服を着ながらの弾まない今頃の自己紹介は、居心地の悪い空間そのものでした


部屋を出るときに少し“ほっ”としたのは覚えています


あっさりとした、スクランブル交差点でのお別れでした


“バイバイ”と手を振りました


スクランブル交差点を泳ぎゆく、仲井さんの背中には、何も書いていないように感じました

No.60 10/06/12 22:17
ゆま ( us5Xh )

・・・・そんな、次の日の夕方

その日は“複雑積乱雲”の下でした

ぱらつき出した雨はシゴトのスタートを遅くして、エンドを早くする


・・・・そんな、予感がありました

滅多にハズレないアタシの予感でしたが

ボーイさんの嘲笑交じりの「レナちゃん、ご指名入りました」

出勤間もないアタシの呼ぶ声で反射的に待合室へ出向くと


・・・・そんな、仲井さんは

ボーイさんの嘲笑も知らずに爽やかな笑顔で、まるで雨宿りにでも来たかのように立っていました


・・・・そんな、90分のご指名でした

なんとなく、指名された方が少し、恥ずかしくなるような感覚


・・・・そんな、仲井さんは

ただ、都会の“体裁”知らずの田舎者だとも思え


・・・・そんな、仲井さんは

アタシに対し、恋風に身を包ませているような感じもないけれど

何故か、アタシは、風鈴も鳴らないような微風の中で、ココロの中の風見鶏が


・・・・そんな、仲井さんに

向いた感覚がありました

No.61 10/06/12 22:18
ゆま ( us5Xh )

昨日のベッドでの地響きを思い出し、三半規管を揺らされて平衡感覚を失ったかのように

階段でよろめいたアタシを“クボミみたいなエクボ”の笑顔で、支えてくれた仲井さんがいました


今から思えば


そんな、2日目でようやく


背中に電流が少しだけ


走った瞬間だったかも知れません

No.62 10/06/12 22:19
ゆま ( us5Xh )

2日続けて来店するお客さんは、アタシの店では珍しいのですが、仲井さんが抱いているような孤独を感じさせるお客さんは珍しくありません

その孤独感をタイマーが鳴るまでの間に

“裸体”“乳房”“素肌”“手指”

に触れることで、埋めてゆくお客さんの1人1人に感情移入をしてしまうと、アタシ自身が疲弊してしまいますし

何より、シゴトなのですから、割り切りも打算も当然にあります

アタシ自身が“膣”を陰茎で埋めさせないシゴトを選んだのは・・・・

恐らく、サービスの労力からすれば、埋められた方が楽かも分かりませんし

人から見れば、大した差ではないですし、プライドとかではなくて

アタシ自身が、それで、このシゴトに折り合いがつけられるのです

No.63 10/06/12 22:20
ゆま ( us5Xh )

シゴトに“魂”までを譲ってる訳ではなく

男に“魂”までを売ってる訳ではないと

そこまで、むしり取らさせないと

それで、自分自身で納得してシゴトが出来るのです

それに、アタシは幾人のお客さんと肌を触れあってみても、アタシ自身の孤独は埋められず

そんな幾人のお客さんに“膣”を陰茎で埋めさせてみても

余計に余計に

ココロの中の孤独なピンホールは大きく広がって修復不能な穴になりそうで怖いのです

No.64 10/06/12 22:22
ゆま ( us5Xh )

アタシは、昨日と同じように仲井さんへサービスを行いました

拘束される時間は長いだけで、過不足なしのサービスです


相変わらず、弾まない会話でしたが、幾分かは馴染めた感覚でした

そんな、拘束終了間際に仲井さんは

おもむろに前触れもなく


「メールアドレスを教えてください」と言いました


メルアドを教えることと、本番を強要するお客さんには一切に妥協しないアタシでしたが


何となく、仲井さんのメルアドの要求は

うだる暑さの真夏にトナカイを引き連れているように滑稽で

音の出ない壊れたオカリナを知らずに一生懸命に吹いているように可愛くて


まるで、唄の歌詞を間違えたような、その唐突な要求には調合された“たくらみ”などのない無垢なものに感じて

何より、母性を“チクッ”と刺激されて、痺れさせられてしまったのです

No.65 10/06/12 22:23
ゆま ( us5Xh )

「え?」と、言おうとしたアタシは、それを咄嗟に飲み込めば・・・・

まるで、雨を逃れる為に入った曖昧宿での沈黙の2人のようになり・・・・

売買を交わした立場と

既に肌に触れ合った順序は違えども


3つ呼吸をしてから

「はい」

とアタシが答えた瞬間に“運命の赤い細い糸”が

アタシの左手小指と、仲井さんの右手小指に繋がったのでした

No.66 10/06/14 22:25
ゆま ( us5Xh )

JR神戸駅にアタシはいました

約束の時間は過ぎていて…

遅れるくらいで怒ったりはしないけど、指定されたドレッシーな格好での“待ち人来ぬ”には少しだけ、抵抗を持っていました


それにしても、仲井さんからの最初のメールの一行目での「もしもし」には思わず笑ってしまいましたが、スレていないのと、女性の遍歴はそれで垣間見ることは出来ました


「お待たせしました」笑顔の仲井さんは、至っていつもの装いでこちらに駆けてきました

どうも、アタシにドレッシーで来るように言ったのも忘れている

その予感は絶対にハズレない確信を持って笑顔で応えました


夕方の神戸は
やっぱり、まだまだ暑くて、散策をするには気が重たくて、用事がないなら間延びしてしまうので
やっぱり、仲井さんは「少し、早いですが食事に行きましょうか?」と、2つ目の予感を当てさせてくれたことも相まって笑顔で「はい」と答えました


仲井さんの右側に並んで歩きました

あと、1時間もすればラッシュアワーで混雑する神戸駅を後にしました

No.67 10/06/14 22:26
ゆま ( us5Xh )

そんな2人での初めてのお店は、綺麗でオシャレではありませんでした

おでんが好きなようなのですが、特におでんがメインのお店ではなかったですし、美味しくもありませんでした

・・・・何より

ドレッシーで来た意味が全くないお店でありました


でも、仲井さんの飾れない、気取れない大地の息吹を感じる、おおらかで温厚な性格


特別に面白くはないけれど、異国語のような方言を教えてくれて、会話をエスコートしようとする、ひた向きな姿勢


巧妙にアタシを騙した後、暴力と腕力の刀で徹底的にココロを斬り刻み、逆運に導いたあの男のような横柄さも裏表もない言葉


上着のほつれかけのボタンと

突然のクシャミの後の鼻を拭く格好と

寂しがりやがアタシのココロを盗もうとしている姿が子供みたいに見えて


やっぱり、やっぱり


母性を“チクッ”と刺激されて


痺れさせられるのでした

No.68 10/06/14 22:28
ゆま ( us5Xh )

仲井さんのアタシへの“恋風”は、季節外れの“爽やかなそよ風”のように心地よくアタシを包み、緩やかに時間が過ぎてゆきました

仲井さんは少しだけ酔ったのか

「今日はお酒が美味しいなぁ~」って、焼酎を呑みながらカウンターテーブルの下で

誰からも見えないようにアタシの手を“ギュッ”と突然に握りました

仲井さんの手はお店で感じた時よりも

暖かく優しくて
硬く大きくて
突然の大胆さに

アタシはその手で、普通の女のコに一瞬で引き戻されてしまうような錯覚を覚えながら


アタシが鈍く弱く握り返してみると


素早く強く“ギュッ”と仲井さんの手に再び力を込められた一瞬で惹き付けられてしまい

おでんの味も
ドレッシーな姿も
2つの予感も


そんなことを忘れてしまい鼓動が“ドキドキ”としました


そして、ココロの中の孤独なピンホールが埋められてゆきながら、今夜、この人に

“アタシがシゴトで譲らない魂”の湿地を

埋られる3つ目の予感がした時

アタシは完全に“ゆま”に戻り、テーブルに目を落とし赤面することだけしか出来ませんでした

No.69 10/06/14 22:29
ゆま ( us5Xh )

《ねぇ、神様、幸せは落ちてませんか?

ねぇ、神様、アタシは、やっぱり汚れていますか?

ねぇ、神様、アタシは、誰を信じればいいですか?


ねぇ、神様、アタシも愛が欲しいよ


愛が欲しいよ


普通で優しい愛が欲しいよ》


ずっと、手を握ってくれている仲井さんの横で


アタシは、あの日を思い出していました


やっぱり、涙腺は“仲井さんへの母性”よりも刺激されたけど、仲井さんを驚かせたくないアタシは…


今度は強く握り返して涙を堪えていました

No.70 10/06/17 23:47
ゆま ( us5Xh )

初めからあてにしていない天気予報
だけど、この神戸の雨は酷すぎるな

ゆくあてもなく途方に暮れる入り口のような2人


やっぱり、仲井さんはアタシの手を繋いで雨宿りの場所にホテルを選びました


ドレッシーが似合うホテル
アタシが勤しむ色欲Hotelじゃないホテル


・・・・ねぇ、ねぇ、

朝食だけで、呑んで食べたさっきのお店より高いね

・・・・って

言ったアタシの唇を貪(むさぼ)る仲井さん


・・・・ねぇ、ねぇ、

おでんが好きだったら、アタシの家の近くのおでん屋の“クジラのサエズリ”は美味しいんですよ?

・・・・って

言ったアタシの乳房をドレスの上から野性的に掴みあげる

No.71 10/06/17 23:49
ゆま ( us5Xh )

折しも降りだした雨
アナタと会う3日目で2日は雨だよ?
アナタと会う3回目で3回とも裸になるの?


・・・・ねぇ、

アタシが欲しい?
こんなアタシが欲しい?


・・・・ねぇ、

ココロを盗みたい?
アタシのココロを盗めそう?


・・・・って


頭によぎったアタシのココロは、アナタが欲しくてもう、身もココロもアナタのモノなアタシは、貪るアナタの唇に冷たく凍えるココロが解氷するようで


・・・・ねぇ、

“欲しい”って呟きました


・・・・ねぇ、

アナタが“欲しい”よ


・・・・って



アタシ似合いませんか?

No.72 10/06/17 23:50
ゆま ( us5Xh )

執拗なアタシの湿地への愛撫

アタシは久しぶりに裸の“ゆま”になりました

ホッチキスでベッドに止められたみたいに

アタシは普通の女の子で、男を感じていました


迂路を辿るようなココロと身体の傷口を哀れみ、愛しみ、舐めるように

アナタは夢中で優しく舌を這わしてくれました


そんなアナタが嬉しくて
そんなアナタを感じたくて

アタシの香りが残る唇を引き寄せてキスを交わして…

交わして…

交わして…

・・・・ねぇ、

・・・・ねぇ、ねぇ、


アタシが好き?って、聞きました


アナタは夢中で“好き”って何度も呟いて、アタシの唇も乳首も湿地にも舌を這わして答えてくれました


瓦礫の山での売り買いの
芽の出ぬハズのあの日のマネキンのようなガラクタみたいな愛だとしても

アタシは幸せを感じました
アナタに埋められて女の子として感じました


運命を突き動かしたようなエクスタシー


アタシはアナタにしがみつきました


アナタの唇を貪り続けました



・・・・ねぇ、ねぇ、



今夜のアタシ…


凄く凄く幸せです

No.73 10/06/17 23:51
ゆま ( us5Xh )

夏の海風に流されて、ホテルの部屋の窓ガラスに斜に叩きつける雨の向こう側

水彩画が滲んで消えてゆきそうな100万ドルの夜景

いつか誰かと見に行った科学館のプラネタリウムより綺麗な静止画

遠く見える貨物船の群れの赤い光と高層マンションの屋上のライティングに視点を合わせていたアタシ

アナタはそんなアタシの背中を抱きしめながら

アタシの濡れて乾ききれない髪の香りを嗅ぎながら

“クリスマスイブを一緒に過ごそう”と言ってくれました


やっぱり、アナタは真夏にトナカイを連れているサンタさんみたいでおかしいけれど


・・・・でも


“アナタと過ごしたいな…”


いつもの通勤の地下鉄みたいな近未来の先のような“約束”だけど、アナタと一緒に過ごしたいな


・・・・ねぇ、ねぇ、


それって、ちゃんと“約束”してくれますか?


背中で髪の香りを嗅いでる


アナタに聞きました


アタシは“約束”を破る人が嫌いです


・・・・でも


あの“約束”を破ったアタシはもっと嫌いなのです

No.74 10/06/17 23:52
ゆま ( us5Xh )

・・・・まるで、嘘みたいに優しい背中の抱擁

・・・・まるで、夢みたいな安らぎの中のココロ


アタシは抱きすくめられると弱いのです

斜に降る雨が注がれて、干からびたハズのココロが潤いそうな錯覚を覚えるからです

アタシはそんな心地よいハズの夜景を見ながら

やっぱり、思い出してしまいました




・・・・・・・・小さい頃は、とりあえずお父さんが不在でした

幼稚園の時、お母さんはいつも忙しくてお迎えが遅れてた

いつも最後まで迎えに来てもらえず、先生と遊具で遊びながら待っていました

「もうすぐお母さん来るからね」

優しく顔を覗き込む先生


 もうすぐ…


 もうすぐ…


・・・・でも

もう迎えに来ないんじゃないか?と、不安だった


 いつも…


 いつも…


「明日は早く迎えに来てね」と、ようやく来たお母さんに“約束”をしたけれど


お母さんは多分、困った顔をしていたように思います


その、一方通行の“約束”になんて返事はありませんでした



当たり前の“約束”に笑顔で応えてくれるような



そんな、お母さんではありませんでした

No.75 10/06/21 14:30
ゆま ( us5Xh )

・・・・・・・・小学校に上がった当時


母がやっているお店のお客さんにいたずらをされていました


何をされてるのか、理解出来ませんでした


だから、アタシの記憶はひどく曖昧で

幼少時のいろんな記憶が欠けていて、この世でいちばん真っ黒な


“艶消し塗料”


で塗り潰した部分が多々あります


 多分、それは自分を守る為なのかな…?


お母さんは、そんな犠牲だらけの仕事ばかりで家にいなくて、夜はやっぱり、お姉ちゃんと2人きりでした


でも、お姉ちゃんがいたから孤独じゃなかった


幼い2人はいつも寄り添ってました


何故か鍵がなかったのか、家に入れなかったあの日…


お姉ちゃんと2人で夜中までお母さんの帰りを寒空の下、玄関前で待っていたっけ…


・・・・でも


暗くても怖くなかった


いつも、お姉ちゃんがいてくれたからです

No.76 10/06/21 14:35
ゆま ( us5Xh )

・・・・・・・・そんな、お母さんはたまに家にいても


 いつも


 いつも


何か考え事をしていたようでした


アタシが話かけても上の空で、お返事はいつも曖昧で…


別に無理な“約束”じゃなかった…

ただ、髪の毛を括って欲しかっただけでした


 ・・・・可愛いゴムで


だけど、上の空の曖昧なお返事の“約束”はやっぱり


 いつも


 いつも


守って貰えなくて、自分で括って左右がちぐはぐが当たり前でした




・・・・・・・・小学生の3~4年の頃でした

突然にお父さんが帰ってきました

帰るなり、お母さんに暴力をふるいました

お父さんには殴らないでと“約束”をして

お母さんには離れないでと“約束”をしたけれど


やっぱり、それも一方通行の“約束”で

お父さんは、やっぱり、殴るのを止めずに商売をしていたお店の権利書をお母さんから取り上げ、売り払ってしまった


お母さんもやっぱり、我慢出来なくて家を飛び出してゆき、お父さんとお姉ちゃんの3人暮らしにとなってしまいました

No.77 10/06/21 14:36
ゆま ( us5Xh )

・・・・とある日


突然に警察の方がたくさん家に来ました


お姉ちゃんもアタシもいろんな事を聞かれました





・・・・お父さんが捕まりました

テレビドラマのように手錠をお姉ちゃんとアタシの前で掛けられて



お父さんは


連れてゆかれました…








・・・・・・・・覚醒剤




小さい頃、いない間は服役していたと知りました


結局、お父さんは、アタシが高校生になるまで帰って来なかった

その頃にはもう、お姉ちゃん以外は誰も“約束”なんて守らないんだと決め付けていました


手錠姿のお父さんの記憶を黒く塗り潰していないのは、アタシなりの割り切りがあったのだと思います

No.78 10/06/21 14:38
ゆま ( us5Xh )

・・・・そんな年の冬休み

いつものように新潟のおばあちゃんの所へお姉ちゃんと行った

おばあちゃんは必ず、可愛い服と絵本をアタシ達に買ってくれました

親戚の叔父さんや叔母さんは、アタシ達が罪を犯した訳ではないと分かっているけれど

やっぱり、あのお父さんの子供であるアタシ達を手放しで歓迎する来客ではなかったようで

厄介モノであるのは視線が訴えかけているように感じ

お父さんの話をしないことが逆に皮肉に感じるようで

大人のアレルギー反応は幼き姉妹にも、なんとなく伝わりました


そんな中でも、おばあちゃんは沢山孫はいたけど、離れている分なのか、あんなお父さんの子供であるのが不憫に思えたのか惜しみない愛をくれました


いつも


いつも


手を繋いでいてくれました


部屋の中でも並んで座ってくれて

ニコニコしながらよく来たねって手を繋いでくれました


優しい手


アタシが知ってる中で、一番優しい手

幼きアタシが人間愛を初めて感じた温もりでした

No.79 10/06/21 14:41
ゆま ( us5Xh )

・・・・ある日


何気なく「おばちゃん、何かしたい事ある?」と聞いたアタシ

おばあちゃんは

「そうだねぇ、小学校へ行きたい… 勉強がしたい」って、言った

・・・・そういえば、お年玉の袋はいつも震えたような文字で私の名前が書いてあったな…

「ゆまちゃんへ」

そして、裏におばあちゃんの名前が平仮名で2文字


そんな、おばあちゃんにアタシはそんなに好きでない小学校に、なんとかなんとか行かせてあげたいって子供ゴコロにあれやこれやと考えていました

それくらいにおばあちゃんが好きでした

そんな、おばあちゃんは勉強するアタシを見ながら


「ゆまちゃんは字が綺麗だね」って


優しく優しく


ニコニコと笑っていました


おばあちゃんの前で、好きじゃない勉強をすることしか、アタシにはしてあげることはありませんでした

No.80 10/06/21 14:42
ゆま ( us5Xh )

・・・・・・・・そんな

おばあちゃんがくれた絵本


 〈あなぐまの親子〉って物語でした



“なかなか夜が怖くて寝れない子ぐま”



“何度も何度もお父さんと、お母さんを起こしに行って甘える”


“お父さんぐまと、お母さんぐまはその度に優しく子ぐまを寝かしつける”



・・・・物語の最後は



“おかあさんが、あさごはんですよ と、よびにくるまで、ぐっすり ねむりました”


・・・・って

ごくごく普通の日常が羨ましく感じた内容でした

幼いアタシにはなかったごくごく普通の幸せ

“それがいちばんの幸せ”

おばあちゃんが小さいアタシにくれた優しい絵本

おばあちゃんが教えてくれた小さな幸せのカタチ


大人になったら、こんな風に幸せになりたいって気持ちを芽生えさせてくれた


優しい優しい絵本でした

No.81 10/06/21 14:44
ゆま ( us5Xh )

・・・・それから大人になったアタシ


 鬱病生産工場での疲弊

 逆運へと導く男の暴力

 薬物の後は女に走る父


幼き日に、おばあちゃんが教えてくれた小さな幸せのカタチに程遠い毎日の中


アタシは夏休みを取得して、おばあちゃんに会いにゆく“約束”をしました

おばあちゃんにお小遣いをあげたいと思っていました

・・・・だけど、仕事が忙しいのを理由に行かなかった

ものすごく楽しみに待っていてくれたのに・・・・


もし、行ってたら?


どうだったのかな?


・・・・そんな、夏のとある日

おばあちゃんは部屋の低い位置で、字を書けないその小さな手を

アイテムはスカーフとして、首に巻いて壁の突起物に引っ掛け、軽い軽い体重を自ら預け

No.82 10/06/21 14:45
ゆま ( us5Xh )

そんな風に 首を 吊って 自殺しました





発見された時、まだ少し息をしていたらしいのですが


あと少し発見が早ければ…?

ううん、もう逢えないからそれは考えたくない


大好きなおばあちゃん


86歳になっていました


自殺の原因は様々あれど

お父さんのことを気に病んでいたかも知れません

お天道様に恥を晒し、人様に迷惑を掛けてまで、生きる為の踏み絵を踏みたくなかったのでしょうか…

No.83 10/06/21 14:47
ゆま ( us5Xh )

・・・・そんな、おばあちゃん


学校にいくことも許されず、まともに字も書けないままでも


戦争に負けた頃には、女盛りを迎えて


恋をして


子宮に子を宿して産んで


乱れ髪をも気にする暇もないままに育てあげ、ようやく人生に一息がついていた頃での

  苦労の答えが警察沙汰…



・・・・だけど



おばあちゃんはそんな愚痴も言わず、絵本や洋服を買ってくれたのでした



“自分が読めなかった…”



“自分がオシャレさん出来なかった…”



そんな、女の子の気持ちを知るように



愚痴も言わずにニコニコ笑ってくれたのでした

No.84 10/06/21 14:48
ゆま ( us5Xh )

・・・・・・・・なのになのに


アタシはそんな、おばあちゃんとの“約束”を破りました


おばあちゃんには・・・・

酸欠状態で見た、8ミリフィルムで映る人生の“走馬灯”の中に麗しく可憐な場面が少しでもあったのでしょうか?


おばあちゃんが・・・・

細胞組織と心拍が停止する瞬間に最後に考えたのは、

“綺麗に着飾ってオシャレさんをして、宝石なんかを身に付けて
好きな人と手を繋いで字幕映画を観ている”

夢の中での憧れで描いた
自分自身に会えたのでしょうか?


そんな……

そんなであったって、信じることでしか

おばあちゃんの首の跡の青紫色のように“約束”が責め立てて、怒り狂って、罵って

アタシのココロの中を同じ色に染めるのです

No.85 10/06/21 14:49
ゆま ( us5Xh )

・・・・だから、アタシは“約束”がとても怖くて



 父母への一方通行の

“約束”がとても憎くて


 だから、アタシは

“約束”を信じなくて



 巧みに騙した男の暴力の

“約束”がとてもおぞましくて


 だから、アタシは

“約束”から逃れ逃れて



 採用の為に抱かれた代表との

“約束”で奈落を安住にさせられて


 だから、アタシは

“約束”に縛られ続けて






・・・・それでも


・・・・ううん、だから


“約束”を守ってくれる人には人間愛を感じるのです


・・・・だから


アタシは背中で髪の香りを嗅いでいるアナタに向きました

No.86 10/06/21 14:50
ゆま ( us5Xh )

・・・・ねぇ、


・・・・ねぇ、ねぇ、


それって、ちゃんと“約束”してくれますか?


アタシは“約束”を破る人が嫌いです



クリスマスにプレゼントなんかいらないから


絵本も洋服もいらない


おでんも100万ドルの夜景も宝石もいらない


だから“約束”だけは守ってください・・・・・・・・


それが、アタシへのいちばんの・・・・


ダイヤモンドより素敵なプレゼントなのです



そんなアタシにアナタは抱き締めてくれて


“約束しよう”って言ってくれました


そして、キスをしてくれました


この人なら…


この人となら…


って、アタシは…


背中に手を回して温もりを感じました

No.87 10/06/21 14:51
ゆま ( us5Xh )

・・・・夜中の3時

アナタは白いシーツの海で、小さな寝息をたてている

・・・・そして

アタシはそんなアナタの寝顔を見つめていました

アタシはそんなアナタの寝顔にココロで呟きました



おばあちゃんとの、あの“約束”を破った自分のことが嫌いなこんな女でもいいですか?


・・・・何よりも


毎晩、毎晩、男に裸を晒し、男に身を預け、男の陰径をくわえ込み、

時にはアザを付けられて

時には湿地に舌を這わされて

時にはアエギ声を聞かせている

そんな、アタシでもいいですか?

アナタは耐えてアタシの帰りを待てますか?

No.88 10/06/21 14:52
ゆま ( us5Xh )

・・・・何故なら


アナタが

寂しいよ… 悲しいよ… 辛いよ…
寂しいよ… 悲しいよ… 辛いよ…


って、何回、何度、言っても


“もう、シゴトに行かないから”って…


“約束”はしないよ?


寂しいよ…?悲しいよ…?辛いよ…?


・・・・ね?


・・・・ね?


って、寝顔の頬にキスをしました


だから


・・・・ね?


本気にさせないでね?


本気にならないでね?



もう一度、頬にキスをしてアナタの温もりの中、眠りにつきました

No.89 10/06/21 14:53
ゆま ( us5Xh )

・・・・玉ねぎを買って来てくれた“まー君”

・・・・今日はホワイトソースのオムライスだからね


仲井さんちのキッチンで


アタシは今週末も奥様をしている

アタシは仲井さんを“まー君”って呼ぶようになり

料理のレパートリーも増え

 互いの愛情が増え

マグカップとお皿が増え

 互いの理解が増え

バスタオルと歯ブラシが増え

 互いの笑顔が増え

生活ルールとキスが増え

 互いの欲求が増え


クローゼットにはアタシのコートが掛かり

玄関にはアタシのサンダルが揃えられ

洗面台にはグロスや化粧品が占拠しだし

ベランダにはアタシのキャミソールと“まー君”の白いTシャツが風で揺れている


・・・・あ

「ん?なに?」って“まー君”

「ストップ!今の“まー君”の表情好き」

「ん?こう?」と“まー君”

「うんうん、そうそう」って、言って近所のスーパーまでのおつかいの10分間のお別れでしたが


“まー君”とアタシは「お帰りなさい」と

冬間近の季節を否定するように
出会った日の真夏のような熱いキスをしました

No.90 10/06/21 14:55
ゆま ( us5Xh )

・・・・特大オムライス

アタシはたくさん食べる人が好き
姉妹育ちのアタシなりの男性観です

基本的に味には無頓着な“まー君”は、なんでも美味しいとペロリと食べてくれるけど

アタシの家の近くのおでん屋さんのお薦め品には、3回も美味しいと言ったのは聞き逃さなかった

いつかアタシの料理で美味しいと、4回言ってもらえるのが今のところ密かな目標です


食べてはキスをして

キスをしてはセックスをして

セックスをしては食べて


自堕落的みたいな生活を否定するように合間にお掃除や洗濯をするけれど


それでも、愛を確かめるようにセックスをして

No.91 10/06/21 14:56
ゆま ( us5Xh )

それで、お料理が出来なかった日には近くのお蕎麦屋さんに手を繋いで歩いてゆき

親子丼と天婦羅蕎麦を1つずつ注文して半分こして食べました

“まー君”は大好きなハズの1匹しかない海老天をアタシにいつも譲ってくれて

アタシはニコニコ笑いながら

・・・・ねぇ

「“まー君”海老天半分いる?」って聞くと

“まー君”は子供みたいな笑顔で

「うん」と言います

アタシの中の母性は刺激どころか今では電撃を受けて“まー君”がたまらなく大好きで


“まー君”の為にしてあげられることばかりを考えていました

No.92 10/06/21 14:57
ゆま ( us5Xh )

・・・・月曜日の大阪ゆきの始発


“まー君”は雨の中、今朝も駅まで送ってくれている

また、1週間のお別れへの駅路には、あれだけ楽しかった週末がまるで嘘みたいに物静かで、重く、暗く、冷たい空気が流れます

「またね」

アタシは“まー君”が持ってくれていたバッグを手に取りました

「うん またね」

って“まー君”は笑顔で言ってくれました


・・・・・・・・・・・・でも

駅から家路に向かう“まー君”の背中には


「寂しいよ… 悲しいよ… 辛いよ…」と書いていました


そのくせ、25メートル先の薬局屋さんの前では振り向いて

クボミみたいなエクボの笑顔でアタシに手を振ります

愛情に満ちた週末の後味は
甘酸っぱい愛よりも
ほろ苦い悲しみの味がします


・・・・何故なら


あの日“まー君”の寝顔にココロで呟いた


〈本気にさせないでね?〉


〈本気にならないでね?〉


って言葉をちゃんと伝えておくべきでした

No.93 10/06/21 14:58
ゆま ( us5Xh )

そんな「またね」は、忍耐・我慢・辛抱の窒息しそうに彷徨う1週間の始まりを告げる現実を意味します


アタシは改札口を抜けて始発電車に乗って、ココロを無理矢理に黒く塗りつぶして“レナ”へと変わります


安心と心配の繰り返し

安定と動揺の繰り返し

正常と異常の繰り返し


そんな日々を過ごしているうちにもうすぐ“約束”のクリスマスがやってくるのでした

No.94 10/06/29 12:48
ゆま ( us5Xh )

・・・・すっかり真冬での13時の入浴

アタシの1日はそこから始まる
世間のOLさんはランチタイムを終えてお化粧を直してデスクに戻る頃

どちらが正しいなんて答えはないけれど

アタシの入浴の時間は世間との比較では圧倒的少数なのは理解しています


・・・・入浴の前のメールチェック

そんなOLさんに囲まれてシゴトをしている“まー君”からのメールはなかった


・・・・アタシを起こしてあげると可哀想だ

そう言ってしまえばそれまでだけど

少しずつ…

少しずつ…

冷淡と薄情な優しさを感じることも増えてきました

No.95 10/06/29 12:50
ゆま ( us5Xh )

何よりも“まー君”は自分のシゴトの事で悩んでいるようで切羽詰まるような表情が増え

和気あいあいな戯言みたいな甘い時間はほとんどなくなりつつありました

アタシの知らない平日の顔も週末に見せるようになり

「田舎に帰りたい」

なんて、アタシの存在を忘れているかのような弱音も増えました

アタシは出来るだけ黙って見守るつもりでも

やっぱり、苦しそうな姿を見ていると不得意な励ましの言葉を掛けてあげるけど

アタシの希釈した言葉は逆効果だったり

アタシの拙い言葉は逆に苦しめてしまったり


“まー君”のためにしてあげることを見失いそうになっているアタシがいました

No.96 10/06/29 12:51
ゆま ( us5Xh )

・・・・入浴の後のずぶ濡れのアタシ


 追えば逃げて捕まえて


 逃げれば追って捕まって


そんな、ありきたりの関係でなくて、逃げればすぐさまに終えるような関係になってゆき


本来ならば今頃、パソコンに入力している普通のOLさんが“まー君”にはお似合いだとも分かっていました




・・・・せめて

ならばと・・・・


捻れに捻れてゆく“まー君”のシゴトのストレスと、挟みに挟み撃ちされて追い込まれたココロをアタシの身体で癒してあげたくても


平日にアタシが他の男を癒している現実は

揺れに揺れ動く“まー君”の不安や葛藤の要因の1つであるので

そんなアタシがやっぱり、何かをしてあげたいなんて・・・・


おかしいのかな?


って感じていました

No.97 10/06/29 12:53
ゆま ( us5Xh )

・・・・鏡の前で髪を乾かすアタシ


テレビタレントの誰々に似ているとかお客さんは好き好きに言ってくれるけれど

アタシ自身はあまりピンとは来なかった


だけど、お客さんはアタシをそんなテレビタレントや、片想いの誰かや、忘れられない誰かや、そんな抱けない誰か達を投影させて快楽の果てを求めるのです

アタシは都度都度にその媒体や被写体となりきってあげて欲求を満たさせてあげることにより

今ではお客さんのご指名が来ずに悩むこともなく、店でも人気嬢になっていました

そんな“まー君”以外の陰径をくわえて舐めて、他人を癒していあげている日々を過ごしているうちに


皮肉なことに今では、いちばん癒してあげたい“まー君”とはセックスレスになっていました

そんな圧倒的少数な入浴と身支度を終えて12月23日の勤務に向かうアタシでした

No.98 10/06/29 12:54
ゆま ( us5Xh )

そして、12月24日

・・・・大阪にはたくさん数あれど一際、圧倒的な存在感を示すホテル

ロビーには花の薫りが充満し、ラウンジから聴こえる生演奏

飾られたアートフラワーを見た時にアタシは昨日までの心配や不安が嘘みたいに感じたのでした

“まー君”が守ってくれた“約束”は本当に素敵なプレゼントで、淡い淡いピンクの花束のメッセージカードには

“いつもありがとう”
“大切なゆまさんへ”
とプリントされていました

これには、自分の字で書いて欲しかったな……って、一瞬思ったけど“おばあちゃんのゆまちゃんへ”のお年玉袋が頭によぎったのは直ぐに消しました



そんな、高層階の部屋から見る景色はアタシが住む街や欲情CITYも眺められ、普段は下から見上げると下品なイルミネーションも

上から眺めると原色を散りばめられた“夜景”に感じました

No.99 10/06/29 12:56
ゆま ( us5Xh )

・・・・日常と非日常の交差

アタシは飛べない蝶だから、気球に乗って景色を眺めているようで、黒く塗りつぶしたココロは…


花束の原色が降り注ぎ


夜景の原色が降り注ぎ


そんな気球に乗ったアタシを“まー君”は雲母のシーツに導きました



耳元でそっと“ゆま、ずっとずっと大切にするよ”って、後に







“ゆま、結婚して2人で僕の田舎に帰ろう”







それは、プロポーズでした

それは、“まー君”からの新しい“約束”でした

No.100 10/06/29 12:58
ゆま ( us5Xh )

昨日のシゴトで付けられた左内もものアザを“こうやって舐めれば消えるんだ”って、言わんばかりに固執している“まー君”の愛撫の中のアタシ


プロポーズ


“まー君”はシゴトを辞めて、田舎に帰って畑を耕して父母と同じ屋根の下で暮らす

そこは、アタシにとっては真逆の環境

そこへ、導いてくれるのは素敵な素敵な生活だけど……


……でも

いつか実った果実を収穫する頃には“まー君”の子供を産んでってイメージがどうもつかないのと

“まー君”がシゴトを辞めるから田舎に帰ることと、アタシが全てを預けて極東の果てに思える場所へ移り住むことが

それが、果たして2人にとって正解なのかな?って、曖昧な四捨五入のような違和感が残りました

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