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テレクラ3(約束)

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ゆま( us5Xh )
10/07/12 23:17(更新日時)

“テレクラ”の作者 りいちさんはウソつきでした



偽善者で詐欺師みたい・・


アタシはそう思いました




りいちさん・・



あなたはアタシと交わした(約束)を守れますか?




期待はしていません




やっぱり、また、騙しますか?








ゆま

No.1326745 10/05/21 00:41(スレ作成日時)

新しいレスの受付は終了しました

投稿制限
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付箋

No.1 10/05/21 00:53
ゆま ( us5Xh )

テレクラ3(約束)

作者 ゆま


ご案内


◆当作品は“テレクラ”“テレクラ2(電脳)”の作者 りいち氏より作品を託され新作者 ゆまで執筆を開始致します


◆感想スレは必要と思われましたら「りいちの1人部屋」の自レス解除をしてもらうことを申し入れようと考えています

なお、ご本人は投稿禁止中ですので時期は不明です


◆携帯小説は初めてでございます
拙い文章ですがご容赦願います

◆最後まで書けるよう頑張ります


宜しくお願い申しあげます


ゆま

No.2 10/05/24 23:06
ゆま ( us5Xh )








あくまで、フィクションです


書き手側として、ルールを定めています


即時に執筆を停止する可能性がございます














ゆま

No.3 10/05/24 23:08
ゆま ( us5Xh )

・・・・夜の街にいる“ゆま”


欲望だけが行き交う街・・・・

そんな片隅の店での名前は“レナ”



アタシはもう・・・



とっくに普通の女の子をやめている


男達の腕の中でただ時が過ぎてゆく

男達を胸の中で時を過ごさせてゆく

契りで無縁でなくなるも
恋の芽の出ぬ種縁である


モノ乞いのような色情を“レナ”として独占を許して過ごしてゆく





此処は大阪のざわめき止まない欲情CITY



風俗店が乱雑に不整然に狭し狭しとひしめき合う


そんな・・・・


・・・・夜の街にいるアタシ

No.4 10/05/24 23:11
ゆま ( us5Xh )

そんな、アタシの入店が決まった


とある日・・・・


その日に“レナ”という、思い入れも感慨もない浅い名前になった


名前とは名ばかりで、識別する記号番号と同じ


アタシに“レナ”を命名した小太りの男は、名刺を差出し「みんな代表って呼んでるからさ、代表って呼んで?」と言った


狭い雑居ビルの一室で、淡々と粛々と代表から仕事の説明を受ける


何本目かの煙草を灰皿に押し付け「じゃあ、レナ、今から《講習》にホテルへ行くから」と、腰を上げながら言った

No.5 10/05/24 23:13
ゆま ( us5Xh )

・・・・・・暑い暑い昼下がり



“緑”のないハズの歓楽街で蝉の鳴き声が聞こえる・・・・


街の端から端まで、温度計が示さない欲望の熱情も含んで“赤い”亜熱帯に感じる・・・・


雑居ビルから裏手のホテル街へ…

アタシは、代表の後ろに付いて歩き、こじんまりとしたホテルの一室に入る


 「じゃあさ、服脱いで?」


代表は、ホテルに入り一息つくなり、そう言った


“ピッ”


慣れた手付きでタイマーをセットし、代表はバスルームに向かう


この時点までは、一通りの接客を想定しての《講習》のハズでした・・・・

No.6 10/05/24 23:15
ゆま ( us5Xh )

・・・・アタシは少し

躊躇(ためら)いと
恥じらいと

平静と深刻の中間地点で悩んだ・・・


唇の端を意識的に重力に逆らわせてつり上げた


それを意を決した自身への合図として、バスタオルと“急造した平静”を身体に巻き付けて、足取り軽くも重くもなくバスルームへ向かう


代表は全裸でシャワーを占有し、自分感覚の温度へ微調整しつつ、持参してきたであろうイソジンやボディソープを艶やかな床タイルに並べている


そんな光景…


“裸のシゴトなんだな”と改めて感じた


ココロを艶消し黒塗料で塗りつぶしてゆき、より一層、唇を重力に逆らわせました

No.7 10/05/24 23:17
ゆま ( us5Xh )

「もっとボディソープの泡を立てて、俺の身体の隅々まで洗ってよ…」と、面接の時よりも低い声が浴室にエコーする


採用に左右されることを理解してエコーが鼓膜に振動したままに動くアタシ


汚く白く丸みを帯びた虚像みたいな身体に纏わせた

綺麗でふわりと舞うような白いバブルを洗い流した


アタシも薄い白い裸になって、共用を容認されたシャワーを浴びた


・・・・温度が低くい


しかし、緊張を帯び、まとわりついた嫌な汗が洗い流され、幾分かそんな冷えた肌が、ココロをスッキリさせ

何より、黒色を塗り終えたように感じ、アタシは“平静”を完成させました

No.8 10/05/24 23:26
ゆま ( us5Xh )

そんな湿って腐った息が当たった頭頂に悪性の腫瘍が出来たかのように痛んだ


何故か、女性用の鎮痛剤のパッケージが、そんな頭によぎったりした


瞳を陰茎にピントを合わせる

耳を塞ぎたい現状に合わせて、吸引を強め音調なきハモニカを激しく吹いた・・


当初の《講習》通りに、“口で終わらせたいよ・・”

 教本にない《講習》内容

 男の本能を顕した悪教官

 絶対に覆らない主従関係


“イヤだよ・・・・”

  “・・・・抱かれたくないよ”

  “・・・・抱かれたくないよ”

代表はアタシの頭を強く掴む
そんな魂胆と打算を抱いた演奏を強制的に終了させました

No.9 10/05/24 23:27
ゆま ( us5Xh )

アタシはバスルームで仁王立ちしたままの代表の陰茎を舐めている

舌を根元から先端にゆっくり、這わして

吸引してから裏筋をハモニカの様に唇で途切れさせずになぞった


代表が呼吸を不規則にしだしたのが分かる

代表は肺一杯に溜め込んだ湿った息を吐きながら


「・・・・レナ
 ・・・・レナ」とエコーにもならない程に小さく呟いた


「・・・・レナ
 気持ちいいよ」と身体に似合わない甘えた声を漏らした


「・・・・レナ
 もう、ダメだ、気持ち良すぎるよ
 
 ・・・・レナ
 ベッドで・・




     本番をしよう」

No.10 10/05/24 23:29
ゆま ( us5Xh )

・・・・あっ


代表が遠慮なく陰部に唇を這わしている



アタシは、固く固く瞳を閉じました


アタシは、深く深く瞳を閉じました



深く深く瞳を閉じました


深く深くです


何万光年の光も、シェードランプの光も入り込まないほどに



深く深くです



深く深くです




深く深く

No.11 10/05/24 23:49
ゆま ( us5Xh )

☆ご愛読の皆様へ



この度は、テレクラ3(約束)をご愛読頂き、誠にありがとうございます



訂正がありますのでお知らせ致します



本編8、9ページの順番が逆になってしまいました



慣れないもので申し訳ありません



よろしければ引き続きお楽しみ下さいませ




ゆま

No.12 10/05/24 23:51
ゆま ( us5Xh )

特別に意味のない白いシーツの上で、アタシは完全にココロを艶消し黒色塗料に染めきった


「・・・・レナ


 ・・・・レナ」


アタシを己の欲望のまま、セックス・ドールにした代表が記号番号を囁き、頬を胸に擦りつけいる


アタシは瞳を閉じていました


アタシは現実を知りました


悔しさも

悲しみも

哀れみも


そんなものを黒く塗りつぶしていました

No.13 10/05/24 23:52
ゆま ( us5Xh )

そして、


アタシは、振り返っていました

アタシは、振り返っていました


そんな風俗の世界に飛び込む前は、普通の会社でOLをしていた


不景気でも中小の企業ながら、なかなかの業績を誇っており、忙しい毎日を過ごしいた


本社勤務で、少ない人数で目一杯仕事を回していて基準法で定められている有休など名ばかりだった


朝早くから出勤し、事務所内のお掃除、お茶汲み、資料の整理、植木のお世話、段取りの確認、荷物の点検…


まず、席に着くまでの間にいろいろとやらねばいけない雑用があったっけ・・・・

No.14 10/05/25 13:29
ゆま ( us5Xh )

◆テレクラ3(約束)一時 中断のご案内





当作品の継続を一時中断致します




誠に申し訳ございません



何卒、宜しくお願い申し上げます






ゆま

No.15 10/05/25 13:40
ゆま ( us5Xh )

◆追記


なお、再開の目処は今のところ不明です




申し訳ございません





ゆま

No.16 10/06/04 16:43
ゆま ( us5Xh )

◆皆様へ



しばらく中断して申し訳ございません。


当初は、私が執筆の予定で進めていました当スレでしたが、いろいろと右往左往がございまして、私が執筆するのを残念ながら断念致しました。


ですが、楽しみにしていただいている方が少しいることが分かりましたので、別サイトで連載中の現筆者の原版をお借りして、私がコピーしてレスを致します。

右往左往の詳細や(約束)の開始の経緯やストーリーの注釈などは、進行途中にでも、私の言葉でお伝えしたいなとも考えております。

少しずつの更新になるかと思います。


みなさまにご覧いただけるような劇的な物語ではありませんが、もし、良しければご覧ください。


あと、感想スレは情況をみて、私が判断したいと思っています。
今のところは、自信はありません。

すみません。

あと、他のスレッドと私の当スレッドは関係はございません。

ですので、ご意見やご感想は、時期不明ながら、感想スレの設置を暖かくお見守り頂きたいです。


ゆま

私信

元気になって良かった。
とっ○○○、見て欲しくて帰って来ましたよ。

私を見守ってね。

No.17 10/06/04 16:47
ゆま ( us5Xh )

アタシは相変わらず固く

唇の端を重力に逆らわせている
アエギ声を出したくないからです



神経と感情を戻す


自社ビルだった

事務所のフロアに掃除機をかけ、各デスクの拭き掃除、階段は4フロアを掃き掃除と拭き掃除・・


お手洗いは黄ばんで、こびりついた便器を磨くのは当然だったし、1階駐車場の掃き掃除の後に窓拭き、水撒きを精一杯していたな


こんな夏の暑い日にはやっぱり、額からの汗が目に入ったっけ・・・・

仕事に着くまでにやっぱり、下着まで汗だくになったりしたっけ・・・・

No.18 10/06/04 16:48
ゆま ( us5Xh )

そして、ようやく席に着けば、へとへとを嘆くよりも先に上司の怒鳴り声でスタートしていたっけ…


・・・・ん


「・・・・レナ」

低い醜い声がうなじにまとわりついていました


低い醜い声です


低い醜い声です


本当に低い醜い声です


だから、だから、


深く深く瞳を閉じました


深く深く瞳を閉じました


深く深くです


深く深く

No.19 10/06/04 16:50
ゆま ( us5Xh )

小雨の中の滲むネオンライト

傘をさすまでは降っていない


アタシは疲労困憊のまま歩いていた

横断歩道のゼブラ模様はくたびれ気味だ

それより、くたびれた家路のアタシ

左手側に通り過ぎてく車のメーカーや名前は知らないし興味もない

それよりも、この横風に吹かれ刻まれ舞い散り飛んでいきたくなった


・・・・何故なら


帰れば帰ったで“地獄”が待っていました


・・・・男の暴力


 胸骨とあばら骨の鈍痛

骨が軋り軋りと鳴くのです

 朝焼けみたいな内出血

消しゴムでは消えないのです



顔は守りました

女の本性と本能で守りました



・・・・でも、

ひどい時は、鼻に衝撃と共にめり込む強烈な拳がありました


フローリングに転がっているアタシのA型の凝血


残酷なチョコレートを溶かして流したみたいと、何故か、頭をよぎった


そんな、そんな、アタシは用済みのガラクタになったマネキンみたいに、フローリングの凝血の横に頬をつけて転がっていました

No.20 10/06/04 16:53
ゆま ( us5Xh )

それから数日後…

涼しい弾丸みたいに、透明サイダーの炭酸の気泡は表明に、たくさん、たくさん重力に逆らい舞い上がっているのを眺めてました

そんな、炭酸が抜けた頃、アタシは今日も仕事を休んだことに気が付いた


 “自律神経失調症”


足が動かなくなっていた

ストレスの嵐がアタシを襲ってた

ココロよりも先にカラダが拒否反応を示した


原因不明の痛みは、通っていた専門外の整体師が自身の経験で病名を言い当てた

そして…

“ストレスから逃げなさい”と、人生相談する神父さんみたいに言い放った


確かに、こんな、こんなの

休んでは、出社して…
休んでは、出社して…

繰り返し繰り返していれば

居心地も悪く、居場所も無く、好奇の眼差しの的にもなるだろうな…

アタシは身もココロもクランケになってしまうんだ

幸せは、グラニュー糖の結晶が包帯を巻かれた手の平から、キラキラと足元にこぼれ落ちて

“仕事のストレス”“男の暴力”

そんな呪いのクロアリが集まり、全てを蝕まれ、盗まれ、奪われるような感覚に陥りました

No.21 10/06/04 16:54
ゆま ( us5Xh )

・・・・あれ


アタシ、代表に抱かれてたんだ

だらしないピストンのセックス

野性的でなく排他的なセックス


あの日の透明サイダーが気抜けしたようなアタシをむさぼり続けている


それよりも《講習》はどうするんだろう?


アタシ、明日からお客さんに悦んでもらえるサービスが出来るのかな?


採用だよね?

・・・・これって?


“呪いのクロアリ”の精算は時給820円のウエイトレスでは、追いつかない

ココロにカーボン紙で濃く印字されたような現実

代表がコンドームに放出した、白いジコマンスペルマの現実



・・・・でも


抱かれたことも忘れるくらいの振り返っていた日々に比べたら、今のアタシは幸せなのです

No.22 10/06/04 16:55
ゆま ( us5Xh )

会社に残った同僚の何名かは“鬱病”になったそうだ…



あの人にこの人、お名前を聞くと同時に顔がすぐさまに浮かんだ



まるで“鬱病”生産工場みたいな職場だった



難しい株価や円高や経済の話は知らないけど、難しい社会構造になっている



そんなことより、今年の夏は去年より暑いと、季節感を感じられる僅かな余裕がありました


そして、アタシは代表が陰茎を抜いたと同時に



深く深く



閉じてた瞳を開けました





そして、立ち上がり、背筋を伸ばして





アタシは“レナ”になりました。

No.23 10/06/05 02:14
ゆま ( us5Xh )











 シゴト編

No.24 10/06/05 02:16
ゆま ( us5Xh )

・・・・やっぱり、今年の夏は暑いや


9月を過ぎても、向こうの空には積乱雲が秋空を突き飛ばして“まだまだ俺が”と夕方の空を独占している


そんな積乱雲みたいなタイプな人が好きでないアタシは地下鉄の階段を降り始めた


到着の案内メロディがプラットホームに流れている


“急がなきゃ!!”


近未来形の直列の地下鉄と、かけっこして勢いを緩めないまま、駆け込み乗車をしました



“今日、行けば、明日は休みだ”



各駅停車の鈍足の地下鉄は、“レナ”へと化身する気持ちの整理に好都合です


“今日も無事に終わりますように”


祈りを捧げている間に駅に到着したアタシは“レナ”を作り上げて店へと歩く


向こうにあった積乱雲は間近になっていた


好きでない積乱雲より、もっと好きでない店に近づいてゆくアタシ


それよりも、雨が降るとお客が減ってしまう…

それは、嬉しくもあり、残念でもある複雑な雨なのです

No.25 10/06/05 02:18
ゆま ( us5Xh )

“せせこま狭い嬢の待機部屋”には、ソファーきちきちと並んでいる

デコレーションケーキみたいに並ぶ嬢達の中にアタシは座る


売れ残る日はない人気スイーツになってるアタシ


もうすぐ、勤めて1ヶ月になる


3ヶ月間は“新人”として売られるスイーツ


畳も女房もスイーツも嬢も新しいモノは良いのでしょう


それよりも、“明日は休みだ”

裸を見なくても、見せなくても良い日なんだ


アタシは週に3日は

そんな、日を過ごしせている

No.26 10/06/05 02:27
ゆま ( us5Xh )

部屋は他の嬢達が当たり障りのない会話でいつも賑やか

・・・・でも

個人の事情も情報も知らない

・・・・でもでも

ここにいる理由も知らない

聞きもしないし、聞かれない


“暗黙の掟”といえば大袈裟だけど、逆流の先にある“理由の源流”へ辿り着けば、その原因はガラス張りみたいに明白だからです


そんな、みんなは話をしながら、思い思いにメイクをしたり、雑誌を読んだり


・・・・でもでもでも


クラクションみたいな内線が鳴ると静まりかえる

誰が呼ばれるかで部屋の空気は


 “シン…”

と音を立てずに鳴る


誰がどれだけ仕事をしたのか?逆もまた然りな世界…

いちいち“鬱病”生産工場みたいに壁面に棒グラフを貼り付けなくていい世界…

“ミサちゃんご指名です”

賑やかな話の中心だった“ミサちゃん”が

「は~い」と

軽い軽いフワリと浮いたピンポン玉みたいな返事をする


 “シン…”


 “シン…”


と、鳴り止まなくなった重い無音


友情ってカタチなんかないけれど

鈍痛みたいなココロの傷だけは、分かち合える


“せせこま狭い嬢の待機部屋”なのです

No.27 10/06/05 02:29
ゆま ( us5Xh )

そんな部屋で分かったことは、代表の次に店長が《再講習》の名の元に、ジコマンスペルマを放出することでした


アタシは《再講習》の要請は嫌な“予感”がして断っていた

そういうことは、ハッキリとモノが言える


 って、いうか、

   “予感”が当たっていた



そんな
“なんでもアリの世界”

テクニックは実地で覚えました

素股はお客さんに教えてもらいました


そんな
“足元をスクワレる世界”

手かせ、足かせ、おまけに首かせで繋がれた夜の蝶達

幾何学模様の羽根をムシリ取り“店の為だけに貢献”させたい経営者の思惑

そして、賄賂や収賄みたいに“蝶になる前の青虫”をつまみ食いをする従業員達





お客さんからすれば、ポラロイド写真で埋められた、虹彩の向こう側の嬢の世界は




夜の積乱雲の下でサクソウメイソウしながらも




“蜜”を探す蝶の世界なのです

No.28 10/06/05 02:31
ゆま ( us5Xh )

相変わらずの“シン”の無音

携帯に目を落としていたアタシに声が掛かる


“レナさんご指名です”

「はい」授業中に先生にあてられたようなアタシの返事

“今日も無事に終わりますように”祈りを捧げました


店のコースは、

・50分
・70分
・90分
・120分
・150分

…料金は高級路線らしく相場より高いみたいです

ただ、使用する色欲Hotelはヒドイです

そのあたりの曖昧な経営方針が、あのような代表や店長みたいな従業員に伝染し、輩を製造してる原因であり

そのあたりの穴埋めは《いい加減な講習》なのに、嬢達の場当たり的な高品質なサービスに委ねられているのです


とにかく、アタシは無音部屋から釈放されると同時に、お客さんに抑留拘束される訳です

No.29 10/06/05 02:33
ゆま ( us5Xh )

・・・・あ

ご指名してくださったのは

 自称“ヤマダ”さん

背は低く白髪混じりの極端な七三分けの55歳前後の方で、某大手の部長さんらしい


アタシの中のアダ名では

愚痴・グチ・ぐちの“ヤマダ”さん


・・・・身支度を整えるアタシ

嬢は、性的な欲求の奉仕は当然として、“時間“を買われています

イメクラみたいなお店がなくなった分、性欲とは別に+αが求められます


仕事だけでいえば、前提は“放出”したら終了だけど

しかし、それだけでは“ヤマダ”さんみたいに再訪は望めないのです


会話と気遣いは当たり前で、次に探るのはフェチや趣向…

この急所と核心を掴めるかどうかだと思います

アタシは次の内容に関わります

・パンスト
・セクハラ
・下着
・ワキ
・足
・くすぐり
・唾液
・髪の毛
・暴力
・匂い

etc…


いろいろです

No.30 10/06/05 02:34
ゆま ( us5Xh )

・パンストひとつにしても、好みは違います

  淫手で上下裏表を擦りたい人

  刹那的に破り引き裂きたい人

  不衛生を関知せず舐めたい人

  体熱体温の匂いを嗅ぎたい人



・性癖や状況も様々です

  服を脱ぐ所が見たい人

  下着に異常興奮する人

  妻とセックスレスの人

  アタシをママと呼び
   自分をパパと呼ばせる人



・放出や体力も様々です

  ガンガンの素股でもイカない遅漏の人

  触れただけで数十秒でイク早漏の人

  70分で3回はイク人

  120分で、1度もイケない人



・そして…

  長茎の人

  短茎の人

  包茎の人

  EDの人


とにかく、様々です

No.31 10/06/05 02:36
ゆま ( us5Xh )

アタシはイカす事ばかりに拘ってたけれど

そうでもない事に最近、気付いてきた


 イク、イカないよりも、


  “売った”“買った”


の共有する時間を満足してもらえるかどうかだということを…

一本一本のお仕事を、手を抜かずに務めれるかどうか…

疲れてても、お客様には関係ないから

毎回がありがとうの気持ちなのです

お互いに気遣い合えた時“モノ”じゃなく大切に扱わた時の気持ちのいいお見送りはとても爽やかで、ココロが通ったと感じます



前回そんな、ココロが通じ合えた


“ヤマダ”さんと






欲情CITYで腕を組み歩き





70分の時を過ごす








色欲Hotelへ向かいます

No.32 10/06/05 02:39
ゆま ( us5Xh )

“ヤマダ”さんは仮想の逢い引き相手のアタシにバスルームで愚痴っている


売り上げが…
「うん うん 大変ですね」


長い会議が…
「うん うん 頑張りましたね」

「でも、きっと、ヤマダさんだから出来るんですよ」


癒しの白い絹生地をココロにかけてあげながら、カマキリみたいな身体のボディソープを流してあげる


そして、うら寂しいSサイズの仮性包茎をなにごともないように、優しく丁寧に洗ってあげた

そんな“ヤマダ”さんは、恥知らずのように難しい専門用語で自身の殊勲を話し出す


アタシは世間知らずの生娘を演じて、エッジをきかせて驚いてあげる



入室と共に



   “ピッ”



とセットしたタイマーは今、10分を過ぎた頃です

No.33 10/06/05 02:40
ゆま ( us5Xh )

温蔵庫のように暑い部屋の中

泥濘(ぬかるみ)のようなベッドの上



“・・・・アタシの太もも”


“ヤマダ”さんはプレイを望まず、陰茎を擦りつけている


アタシはただ、血を通わせて仰向けに寝ている動かない“サイボーグ”みたいに…



“・・・・アタシの太もも”


“ヤマダ”さんはサービスを望まず、陰茎を擦りつけている


アタシはただ、純血の少女が夢の眼差しで眺めている“フランス人形”みたいに…



“ヤマダ”さんの



汚濁不純物だらけの性癖



不治の患いのような性癖



“ビクビク”とドーピングで勃起させたっぽい筋肉の痙攣が、太ももに伝染する


イク寸前にアタシの口元に陰茎を運び、アタシの保留も拒否も選択権もない口の中で“ヤマダ”さんは果てた


その白蜜はビタミン剤のような味がしました


その苦汁が舌に、ひりひりと伝わったときに思い出します


アタシは“サイボーグ”でも“フランス人形”でもない



根茎まで、くわえ込んでいる嬢なのです

No.34 10/06/05 02:53
ゆま ( us5Xh )

“終了10分前のタイマー音”
それが、鳴る頃には


“ヤマダ”さんは、奥さんに、かまって貰えない証拠のような、トランクスを履き始めていました


・・・・アタシの彼なら


ぶうぶうぶうのブーイングトランクス


不愉快なほど、鈍色の無粋な柄と、くたびれた生地


お腹のぜい肉と毛深いのは嫌いじゃないけど…


あと、字が綺麗だったら“ヤマダ”さんにはアタシの独り合点を捧げよう


だけど…


両手の人差し指で、腰のゴムを調整している不器用さを見た時になんとなく、不合点と予感しました


だけど、だけど…


“ヤマダ”さんは、全然、良いお客さんです


色欲Hotelを出て、高架下のスクランブル交差点付近で


“バイバイ”


と手を振りました

No.35 10/06/05 02:56
ゆま ( us5Xh )

家路に着く“ヤマダ”さんの背中は少し、寂しげで丸く


なんとなく


なんとなく


あの、バスルームで教えてくれた殊勲が、嘘だと書いているような背中でした


さぁ、アタシは明日の休みまでに、もう1度、色欲Hotelでシゴトをします


積乱雲が消えた分、店への足取りは、ほんの少しだけ、軽やかになりました


少しだけ、分かち合える、あの“せせこま狭い嬢の待機部屋”だけど


根深い嫉妬心

無益な根比べ

下世話な冷戦

見苦しい熱戦


そんなこんなでもある、部屋に帰ります

No.36 10/06/05 02:58
ゆま ( us5Xh )

・・・・シ・ゴ・ト


例えば、身体についたアザは3日もあれば消えます


痛くても、辛くてもタイマーが

“ピッピッピッ”


と鳴れば終わります


・・・・頭の中で1秒を感じます

・・・・頭の中で1分を念じます


・・・・薄暗がりで秒針に集中します


・・・・・・・・・たまに


永遠に鳴らない気がして絶望する時もあります


何度目のシャワーなのかをふと考える時もあります


入って出て、入って出て、入って…何回目だ?


…何回目でも別に構わないんだけれど…


お客さんとは、まるで愛し合っているかのようにキスをします


お客さんへは、なるべく攻めるようにしています


攻めて…


攻めて…


・・・・でも


攻めらる時は、意識を遮断します


肉体と意識の分離をします


・・・・でもでも


まるで感じているような声が出ます


主演女優は、艶やかに男達の目に映るのでしょう


「やらしいね、えっちだね…」

お客さんが口々に言います


うん・・・・・・・・


・・・・・・・・うん?



ゆまじゃないレナが笑顔で答えるのです

No.37 10/06/05 03:00
ゆま ( us5Xh )

・・・・シ・ゴ・ト


時には“今日は、無事に終わりますように”って


祈りが通じず


泣いて帰った日もありました


それは、入店、間もない頃…


最初から、ちょっとS気質の人だとは感じていました


ベッドに入ると、案の定のS男爵にての言葉攻めでした


身体への攻めも痛いし、辛い・・・・


つねり上げるように攻撃されました・・・・


最初はアタシも、趣向の急所と核心を掴むべくノッてみせました


頃合いをみて交代すれば、どうにかなるかな?と・・・・


しかし、交代という制度はないようでした


あっさりと拒否され





辛い辛い辛い辛い辛い

痛い痛い痛い痛い痛い


苦痛に顔が歪む…


身が捩れる…


苦しさに、汗が出る…


「ちょっと…痛い…かな…」


我慢も限界となり、言葉に出しました


“あっ、そう?ごめん…”


お客さんは手を緩めてくれました


・・・・だけど

No.38 10/06/07 01:51
ゆま ( us5Xh )

次は体勢を変えるように指示が出ました


 助かった…
 と、信じたかった…


アタシは言われるがまま、四つん這いの体勢になりました


“お尻が綺麗だね…”
“お尻が綺麗だね…”
“お尻が綺麗だね…”


表情は見えないけど、獣が卵白みたいな涎を垂れ流しているように感じました


“お尻が綺麗だね…”
“お尻が綺麗だね…”
“お尻が綺麗だね…”
“お尻が綺麗だね…”


手のひらで撫でながら


ひしひしと
へばりつく不条理な欲求


ふつふつと
トーンが沸き上がりゆく声



アタシは、群れからはぐれた羊のように


ぶるぶると
恐怖を感じて震えました

びくびくと
精神の根元から震えました

No.39 10/06/07 01:52
ゆま ( us5Xh )

男のその賛美の声は



メインディッシュのアタシを



どう、狩るか?と



人間の浅ましき本能を晒してゆき




人間が人間を食べるように恐ろしく




霊魂が取り憑いたようにおぞましく




・・・・それは



呪いのつぶやき



・・・・そして



男の発狂寸前を感じさせ




アタシは





虐殺されるのだと




もう、奥歯をガタガタガタと





鳴らすことしか出来ませんでした

No.40 10/06/07 02:32
ゆま ( us5Xh )

・・・・残酷メインディッシュ

男は、綺麗だと言った、アタシのお尻に

軽くスパンキングを始め出しました



“コワイ!コワイ!コワイ!コワイ!コワイ!”



アタシは、ココロで叫びました


 “お姉ちゃん、助けて”


そして、発狂した激烈なスパンキングに変わる


“バチ!!バチ!!パン!!パン!!バチ!!”


叩かれる音が鼓膜に響く


 “お母さん、助けて”


そして、狂乱した強烈なスパンキングに変わる
激音と痛みの感覚が麻痺してゆく


 “神様、助けて”


 “神様、助けてください”


屈強な、大きな手の平が鞭の様にしなって振り下ろされる




……



………



「やめて下さい!!」


アタシは泣きながら叫びました



ホテルのフロントに響くように



隣の部屋に響くように




何より、神様に響くように




アタシは泣きながら叫びました

No.41 10/06/07 02:33
ゆま ( us5Xh )

叫んだ途端に、美容室に行ったばかりの髪の毛を強く掴まれました


・・・・殺される


アタシを“くすんで光らないアクセサリー”にした男は耳元で、この世の言葉でないような卑猥で薄汚い言葉を吐く


恐怖心で緊張は極限に達する



アタシを“オレンジ色に錆び付いたナイフ”にした男は耳元で、残酷で冷酷で死を覚悟させるような言葉を吐く


それは、もう、恐怖心で記憶すらありません



・・・・そして次に


耳を強く引っ張られる

引きちぎられるくらいに加減なく



「………イタイ ヤメテ ヤメテクダサイ」












たぶん、アタシは、そう言ったんだと思います

No.42 10/06/07 02:42
ゆま ( us5Xh )

この男は恐らく

価格相場より高いアタシの店に来るのには、それなりの企業の会社員なのでしょう


素敵な果実のコロンを身に纏い、誘惑のオルガンの音色のような優しい声で返事をし、優秀で行儀の良いビジネスマンなのでしょう


郊外に家を建て、アタシと同じ歳くらいの可愛い奥様とお子様が、今も“まだかまだか”と帰りを待っているのでしょう


そんな奥様の作った熱々の黄金のグラタンを品良くフォークで口に運びながら、奥様の愚痴を聞いてあげているのでしょう


毎週、日曜日には、家族で車でショッピングモールへ買い物にゆき、お昼はマクドナルドのハンバーガーを定番とし、帰りにはサーティワンのアイスクリームをねだる子供の為に、お小遣いから自己負担をしているのでしょう





・・・・オフィスでも


・・・・奥様を抱く時も


・・・・子供の頭を撫でる時も








この男は“まとも”を演じているのでしょう…

No.43 10/06/07 02:43
ゆま ( us5Xh )

・・・・でも


毎日、毎日、弱火で煮詰めきったような、その性癖を

毎日、毎日、細菌を培養し続けたような、その性癖を


この男は仮面をかぶりながら


毎日、毎日、ふつふつと
毎日、毎日、過ごしながら


ココロの奥底にある歪みを“買った時間”に解放させ


こうやって、“自身の卑癖”を倫理と道徳の説けないシゴトながらでも必死に毎夜、毎夜、“蜜”を捜している嬢達に




まるで、モノを扱うように




まるで、差別を肯定するように




まるで、出会い頭みたいに




まるで、通り魔みたいに




我を忘れて不条理に




こうやって、吐き出して




叩きつけているのでしょう

No.44 10/06/07 02:46
ゆま ( us5Xh )

アタシは“殺される”恐怖心で半狂乱で泣き叫んでいたと思います

その姿と声は尋常では無かったのでしょう


男は電流を突如に遮断された電化製品のように、髪の毛と耳の制裁の力を緩め


「ごめん ごめん ごめん」


“まとも”を演じ出したのでした


慌てて、アタシの身体を後の祭りで労いそして、転がるようにして部屋を出てゆきました

そんな“まとも”を繕い装った日常で築いた


 地位


 家族


 体裁


沙汰が大きくなり、失うのが怖くて逃げたのでしょう




 ・・・・ううん 違う



それよりも、怖いのは、その性癖を世間や会社や家族に晒されることなのでしょう

No.45 10/06/07 02:48
ゆま ( us5Xh )

欲求に赴くまま、アタシや他の嬢達のココロを無視してズタズタのビリビリに引き裂いておきながら


あの男は何事も無かったように、その“まとも”を演じて、欲情CITYを足早に通り抜け


家に帰り

家族に接して

深い眠りに就き

朝ごはんを食べ

通勤電車に乗り

ビジネス街をすまして歩き

爽やかに挨拶をする


そんな日常に戻ったのでしょう



・・・・そして、また



性癖を煮詰めて、培養し

ふつふつと毎日を過ごす


そんな日常に戻ったのでしょう

No.46 10/06/07 02:51
ゆま ( us5Xh )

アタシは、しばらくベッドで、解放された安堵と、痛みの残る恐怖との繰り返しで、ただただ、泣いていました


そして、泣きながら店へ電話し、泣きながら店へ帰りました


その時フロントにいたのは年配の優しい部類のボーイさん


「ごめんな、ごめんな…レナ」


涙が止まるまで髪を手の平で優しく撫でてくれました


でも・・・・


二枚舌で嘘つきの裏腹なタヌキの手の平のような


寄り添えればオクリオオカミに変身する優しさのような



それを完全に否定出来ない世界なのだとも理解しています


でも、そんな、手の平の優しさにでも救われるアタシでもありました

No.47 10/06/07 02:52
ゆま ( us5Xh )

そんな日の帰り道


アタシは、地下鉄でも、他の乗客さんや車掌さんまでも“まとも”を演じているように感じて、涙が止まりませんでした


ねぇ、神様、幸せは落ちてませんか?

ねぇ、神様、アタシは、やっぱり汚れていますか?

ねぇ、神様、アタシは、誰を信じればいいですか?


ねぇ、神様、アタシも愛が欲しいよ


愛が欲しいよ


普通で優しい愛が欲しいよ


アタシは、あえて、涙腺を刺激するようにココロでそれをつぶやきました

No.48 10/06/07 02:53
ゆま ( us5Xh )

・・・・次の日、アタシは、ちゃんと出勤しました


昨夜のボーイさんは笑顔で「おはよう」と挨拶してくれました


「辞めちゃうかと思ったよ」とアタシの頭に、その手の平を優しく置きました


アタシは、昨夜に家で泣いて腫らした目だけど、笑顔で応えました


源流は他の嬢と同じでも“簡単な覚悟で入った世界じゃない”のです


だから、アタシは、負けまい負けまいと、その日は終始笑顔で過ごしたっけ・・・・




・・・・そんなことを思い出しながら


“ヤマダ”さんの背中をお見送りした後の帰り道

辿り着いた“せせこま狭い嬢の部屋”で一息つく間もなく


「レナちゃん、ご指名が入りました」と告げられました



幾何学模様の羽根は、もぎ取られたままの蝶だけど


“蜜”を捜し当てるまでは


アタシは、この世界を辞めたところで、飛べないままの蝶なのです


だから、アタシは


“シン”の無音の中


アタシは、「はい」と返事をして背筋を伸ばしました

No.49 10/06/09 00:56
ゆま ( us5Xh )

◆テレクラ3(約束)



作品をご覧頂きましてありがとうございます。


いろいろと考えましたが、「テレクラ3(約束)」感想スレを新設させて頂きます。


皆様から頂戴したご意見につきまして、個別にはお返事出来ませんが、ご感想がございましたら書き込みして頂けたら嬉しく思います。



しかしながら、誹謗中傷等の書き込みはご遠慮下さいますようお願い致します。

勝手を申し上げますが、継続に支障もきたしかねぬ硝子のココロですのでくれぐれも宜しくお願い申しあげます😫


作品内容や、筆者に批判的なご意見をお持ちの方はスルーでお願いします。
純粋に作品についての感想スレとしてお使い頂きたいです。


どうぞ今後とも、作品が完結するまで宜しくお願い致します。


ゆま

No.50 10/06/10 20:43
ゆま ( us5Xh )











〈原色の気球と花束と〉編

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