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夕焼け雲( PpQK )
10/06/09 23:56(更新日時)

あなたは運命を信じますか❓

赤い糸を信じますか❓

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No.1274509 10/03/17 20:36(スレ作成日時)

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No.301 10/04/22 21:34
夕焼け雲 ( PpQK )

手術日当日


色んな機材が
私を囲む


まだ病室なのに
大変な事になってそうだ


両親とお姉ちゃんの顔が見えた


笑ってくれたので
私は安心していた


待っているからね



私はみんなに
手を振って
手術室に運ばれた


目の前の先生達が
段々とぼんやりして
真っ黒になった

No.302 10/04/22 22:24
夕焼け雲 ( PpQK )

手術が終わったのが
何時だったのか
私は知らない



終わって集中治療室に運ばれ
私はなかなか
目が醒めなかった



何日寝ていたか
わからない



看護婦さんの声や
機械の音が
遠くで聞こえていた


目の前は霧が掛かっていて
まっすぐ続く道を
進んでるようだった



私は歩きながら
誰かを探していた



川が見えて
手を振っている人達が見えてきた



花が咲き乱れ
霧が晴れて
キラキラ太陽が光っていた


後ろから声がした


聞き慣れた声だった


振り向きその声を探す私


意識が戻った

No.303 10/04/22 22:38
夕焼け雲 ( PpQK )

目を開けると

ぼんやりと人の顔が
見えた


看護婦さんが

わかりますか❓
お名前は❓


手を握りながら
質問する



「はい……」


掠れた声で答えた


すると両親とお姉ちゃんが
入って来た


完全防護の服を着せられ
三人並んでいた


お母さんは泣いていたのが
すぐわかった


「た…だいま…」


あまりうまく話せない

皆が私の手を取り
離さなかった


お父さんは後ろを向いて
涙を拭いていた


お母さんとお姉ちゃんは
涙を隠す事なく
泣いていた


私は頷いて✌をした


「もう少し…寝たい…」


私は眠りについた

No.304 10/04/22 22:52
夕焼け雲 ( PpQK )

次に目が醒めた時は

痛みとの闘いだった


傷口と頭痛
吐き気も止まらない


痛いと頭を揺らしてしまう
それが頭痛を悪化させると言われたが
耐えられず
打てる限りの
痛み止めを打って貰う


私は駄々っ子の様に
暴れていたらしい

No.305 10/04/22 23:03
夕焼け雲 ( PpQK )

痛みは何日も続いた


もう何処が痛いか
わからないくらい

全身に痛みがあった


面会謝絶から
一週間


個室部屋に移された


私は

毎日消毒してる傷口を
見る勇気が無く

その都度目を閉じていた


私はまだ歩く事も出来ない


全てをベッドの上で
済ます毎日


食べられないので
点滴で補う


痛みから解放されたい
それだけだった

No.306 10/04/23 00:45
夕焼け雲 ( PpQK )

抜糸の日
初めて自分の傷跡を
見た


なんとなく
消毒の範囲で予想
出来ていたが


やっぱり傷跡は大きく
ショックだった


慌てて看護婦さんが
ガーゼを被せた


顔色が悪い私を
お母さんが心配して
待っていた


「傷跡大きいや…
温泉やプールに入れないな…」


落胆している私を
黙って見守っている


一つ一つ
私は向き合わないと
いけなかった


これが術後の私


なかなか
前向きな思考に慣れず
家族を心配させていた

No.307 10/04/23 23:04
夕焼け雲 ( PpQK )

毎日一人になると
塞ぎこんでしまう

自分の命と
生きていく事は
手放しで喜んでる場合でもなく


自分がどう生きていけるかもこれから先
重要だ


先生はリハビリして
体力がつけば
仕事も出来る


そう言ったが
爆弾抱えた私を
雇ってくれるだろうか

大学に行けるのか
行く意味があるのか
それもわからない


ピアノを今まで通り
弾けるのか
合唱は…

無理だよね…


恋愛は⁉


この傷跡を見て
こんな身体だと知り
誰が好きになる⁉


私は一生一人…


りゅうと別れてから
わかってた事だけど


私の生きる意味は
何処にあるのだろう


日記はずっと真っ白のまま


吐き出す事も出来なかった

No.308 10/04/23 23:28
夕焼け雲 ( PpQK )

家族は
私の前で明るくして
くれて…


それでも笑顔になれない私…


多分一番辛かったのは両親



お母さんは
少し痩せてしまったのがわかる


お父さん…
こんなに白髪あった❓


ごめんね…



今は誰にも逢いたく無いよ



どうしたいのか
わからない



体調も悪くなっていた

No.309 10/04/23 23:39
夕焼け雲 ( PpQK )

季節は秋になっていた

いちょう並木が
窓から見えた


私は体重が落ちてしまい
術後の回復はあまり
良くなかった


薬はどんどん増えて
点滴を刺す場所が
無いくらい


腕はパンパンに
なっていた


毎日私の面倒を
看てくれる
看護婦さんも
段々事務的な感じだと思う程
私の心は荒んでいた



道を歩いてる人や
はしゃいでる小学生

当たり前に
生活出来る人が
憎らしかった


今の私は悪魔だと
自分が嫌いで
毎日泣いていた

No.310 10/04/24 00:00
夕焼け雲 ( PpQK )

ある日
不自然な時間に
お父さんが来た


少し険しく
伏し目がちで
私の近くに来た



椅子に座り
ゆっくりと話し始めた

「今日りゅうくんが来たんだ。」


その言葉は聞きたく無かった


「お父さん……話したの❓」


お父さんは私の目を
見て頷いた


「何回か☎はあったらしいよ…お母さんが
うまく誤魔化してきたけど…」


「……。」


「家に来てメグと話しがしたいと言って来たんだ。

お父さん達はもう隠せない…
そう思ったから

今のメグを話したよ…」


涙が頬を伝う


「うん…そうだね…わかった…」


お父さんは肩を落としつらそうな表情だった

No.311 10/04/26 19:37
夕焼け雲 ( PpQK )

次の日

お母さんが心配そうに来たが

りゅうの話は全くせずいつもと変わらず
話していた


色々探りながら
話してたかも…


私が戻ったら
嫌でも顔を合わせるかもしれない


だからこそ
わかって良かったんだと
私は思ってた


自分の為にも
りゅうの為にも
一番いい


それぞれが…
それぞれの道を
歩く為だから

No.312 10/04/26 19:58
夕焼け雲 ( PpQK )

リハビリの毎日


一ヶ月が過ぎると
仮帰宅が決まった


三日間自宅で過ごせる事になった


家族は喜び
準備をしてくれた


私も久しぶりの
病院外の生活に
嬉しかった



先生に
今回無事に過ごせたら
退院の為のスケジュールを作っておくよと
言われた


冬の寒さで
まだ私もどう変異するかわからない


気候によっては
まだまだ不安定になりやすい


だから今回は
きちんとした
予告練習


学校にも戻りたい


だから私は
毎日リズム
病院で頑張っていた

No.313 10/04/26 20:09
夕焼け雲 ( PpQK )

外泊帰宅の日の朝


病室のみんなに
良かったねと
労いを受け

昼過ぎ両親と
お姉ちゃんに迎えられ
🚗に乗った


久しぶりの外は
寒かった…


私が入院した時は
暑かったのに


季節の移り変わりの速さを痛感した


何度も心配する両親

笑って頷いた私


お姉ちゃんは
後ろでずっと手を握ってくれた


自宅が見えてきた
りゅうの🏠も
視界に入っていた


帰ってきたよ…


そう思いながら
玄関に向かう


荷物を降ろしたお父さんは
張り切っていた


部屋の模様替えを
したんだと言っていた

お姉ちゃんの案で
カーテンやラグ
ベッドのカバーが
明るいオレンジの
可愛い物に変わっていた


ベッドは電動ベッドに変わり
手すりなどが増えていた


私がずっと生きていく為の証


家族の気持ちが温かかった


ありがとう


頑張るよ


必ず恩返しするから

No.314 10/04/26 20:44
夕焼け雲 ( PpQK )

お寿司屋さんで
特上をとってくれた



お母さんの料理も並び
病院食から解放され

ゆっくりと噛みしめていた


「めちゃくちゃ美味しい~(笑)」


私は幸せだった


お父さんもお母さんも
お姉ちゃんも

笑っていた

また四人揃って
ご飯が食べれる幸せ


当たり前の事が
出来なかった時間で
改めて大切さを
感じる



ピアノを眺めながら
まだ弾くのはよそうと
言い聞かせた

No.315 10/04/26 20:57
夕焼け雲 ( PpQK )

お風呂は
お母さんと一緒に
入る事になっている


お母さんは
傷跡を見ているが
病院では
ずっと看護婦さんに
お風呂に付き添って貰っていたので


向き合うのは
初めてだった


お母さんよりも
私が気をつかい…


少し躊躇っていたら
お母さんが
手を差し伸べてくれた


大体の事は自分で
出来るけど
お母さんは
私の髪も洗い
身体も洗ってくれた



傷跡の所は
手で洗う

お母さんは
涙ぐんでいた


何度も大丈夫❓
と確認して
流してくれた

No.316 10/04/26 21:03
夕焼け雲 ( PpQK )

お風呂から上がると

お姉ちゃんが待っていて
ソファーに連れていく


お風呂上がりは
少し変動があるので
気をつけてと
病院から言われていた


お父さんは一人
あっち行ったり
こっち行ったり
落ち着いてなかった(笑)


📺を観ながら
くつろいでいた
常に四人揃っていた


寝る時は
お母さんが一緒に
寝るよと言っていた


お父さん
ごめんね(笑)

No.317 10/04/28 06:15
夕焼け雲 ( PpQK )

部屋に戻り
先にベッドで寝ていた


お母さんは
布団を持って来て
床に敷いた



お母さんと寝るのは
小学生以来だね


懐かしい気持ちと
色んな思い出に
胸がいっぱいだった



部屋の写真も
りゅうとのアルバムもまだ残っている
私が片付けるまで
そのままにしてくれた


明日…片付けよう
ベッドの🐬を抱きしめていた

No.318 10/04/28 07:54
夕焼け雲 ( PpQK )

次の日
食事を終えると

私はりゅうとの思い出の物を
段ボールに入れた


指輪は綺麗に
磨いて
お母さんに箱を
貰い
その中に閉まった


🐬は入らないので
ベッドに置いたまま
それくらい
許して欲しいと
思った(笑)



片付けてる私に
お母さんは


「無理しないでよ」

と呟く


「大丈夫(笑)」


日記も段ボールに入れた


次いでに机の中の物も
整理しよう


懐かしい物が
出てきて
胸が熱くなった


りゅうの第2ボタン


ボタンを握りしめ
泣きじゃくる


あの頃に戻りたい


お姉ちゃんが心配して
抱きしめてくれた

No.319 10/04/28 08:06
夕焼け雲 ( PpQK )

「メグ…
りゅうくんと逢わなくていいの❓」


泣きじゃくる私を見て
お姉ちゃんは
意を決して話し始めた


「りゅうくんね…
何度か☎くれたって
お父さん話したかな…
誤魔化してたけど
メグが帰って
また生活するに当たって

きちんと説明しようって話したの。

りゅうくんは
辛そうだったよ…

自分に何故話してくれなかったのか…

そう言ってた」


私は更に泣いた


「でもお父さんが
メグが決めた事で
りゅうくんにもメグ自身も負担にならない
生き方を思っての事なんだよって
話してくれた…。

りゅうくんは負担とか無いですって
少し怒ったけど…」


お姉ちゃんも
泣いていた

No.320 10/04/28 08:16
夕焼け雲 ( PpQK )

私は泣きながら
話し始めた


「私…りゅうの将来の邪魔したくない…


おばさんが一生懸命
りゅうを育てて
一流の人生を歩ませたのに…


私みたいなのが
りゅうの邪魔をしたくないの


私はりゅうの
頑張ってる姿の
今の生活を崩したくない


私がりゅうを
ずっと好きでいても
それは…
りゅうにとっても
私にとっても…

地獄なんだよ…」

No.321 10/04/28 08:22
夕焼け雲 ( PpQK )

「そんな事無いよ❗」

お姉ちゃんは強い口調で言ったが


私は自分の先を考えてる


「いいの…

お姉ちゃん…


りゅうと逢えば
自分の惨めさを痛感しちゃう…

それに今度は
好意でなく同情になるの


そんなの今の私には
辛すぎるよ…」


再び泣きじゃくる

お姉ちゃんも涙が
止まらない…

No.322 10/04/28 08:28
夕焼け雲 ( PpQK )

私は見えていた


りゅうに甘えて
負担になって
お互い苦しむより


お隣りさんのまま
それでいい


りゅうの為だけじゃなく…
自分の為にも

そうでなきゃいけなかった


だから私の初恋は
終わり



家族に助けて貰うけど
ちゃんと自立出来る様に
頑張るから

お姉ちゃんも幸せに
なってね(笑)



お姉ちゃんは
ずっと泣いていた

No.323 10/04/28 11:08
夕焼け雲 ( PpQK )

お母さんが
私達を心配して
上がってきた



大丈夫だよ



泣きながら笑う私



お姉ちゃんは
部屋に戻っていった



お母さんは段ボールを天袋に上げた


思い出は捨てる事無いよ…
いつか笑って懐かしむ時が来るから
その時まで待てばいい…


お母さんは静かに言った


うん…


いつか笑える日まで

No.324 10/04/28 20:02
夕焼け雲 ( PpQK )

あちこち行けない私は
三日間自宅で過ごす


今日夜病院に戻る


なんだか自宅なのに
泊まりに来た感じ
どっちが自分の居場所か
感覚が麻痺してる


ピアノを軽く弾いてみた


全然うまく弾けなくて
下手すぎて笑ってしまった


お母さんはまたゆっくり練習したら
大丈夫よと慰めてくれる


一時間くらい
ピアノと向き合って
部屋に戻った

No.325 10/04/28 20:15
夕焼け雲 ( PpQK )

疲れたので
横になった


体調が優れない


薬を飲んで寝ていた


お母さんは病院に連絡して
早めに病院に
来るようにと言われた


荷物をまとめてる
お母さんとお姉ちゃん

行きたくない…


涙が流れた


お父さんが急いで
🚗を用意し
落ち着いた所を見計らって
担がれて🚗に乗った


大きな声で騒いでたので
近所の人が心配していた



その中にりゅうが居た


「メグ‼‼」



私の目から
涙がこぼれた


「いってきます」


私はりゅうに
小さく手を振った

No.326 10/04/28 20:24
夕焼け雲 ( PpQK )

気付いた時は病院の
ベッドだった


点滴と酸素マスクが付いていた


お父さんとお母さん
お姉ちゃんの顔が見えた



その隣りに
りゅうの顔が見えた



夢の中だと思って
周りを確認した


やっぱり病院だった


看護婦さんが来て
確認作業をしていた


家族は出ていき
りゅうだけが
私の傍に居た

No.327 10/04/28 20:30
夕焼け雲 ( PpQK )

りゅうは私の手を握った


久しぶりのりゅうの温もり



私は力が入らなかった


「大丈夫か❓」


りゅうの声が聞こえた

私は頷いた


何か話したら
私が壊れてしまいそうだった



だから
手に力も入れず
言葉を交わさず
目を閉じてしまった


目から涙だけが
無言の訴えをしていた


りゅうはずっと
手を握ってくれていた

No.328 10/04/28 20:49
夕焼け雲 ( PpQK )

看護婦さんが入ってきて

『今夜はもう遅いので任せてください。
何かありましたらご連絡します。』


何時かわからなかったが
そう説明され
お父さん達は
お願いしますと言っていたのが聞こえた


りゅうはなかなか
手を離さなかったが
お父さんに声を掛けられゆっくり離した



皆病室を出ていくのがわかり
私も薬が効いて眠りについた

No.329 10/04/28 20:55
夕焼け雲 ( PpQK )

次の日


私は身体がだるく
すっきりしなかった


ずっとボンヤリした
世界を見ている様で
すぐ眠くなり
殆ど寝ていた


夕方お母さんとお姉ちゃんが来たらしいが
私は寝ていて
わからなかった



夜中の巡回の時に
看護婦さんの顔が見えて

まだ生きていたと
実感した

No.330 10/04/28 21:29
夕焼け雲 ( PpQK )

連日家族が代わる代わる面会に来る


お母さんが
りゅうくんが来たいと
昨夜🏠に来たと
話した



「メグの気持ち次第だからと思うけど
辛いならもう少し時間が必要❓」



「うん…まだ…ごめん…」



りゅうが心配し
付き添って
くれたのは感謝してる

でも私の気持ちの切り替えが
まだまだ
ついていかない


だから
自分から逢いに行ける日まで…


そうお願いした


お母さんは袋から
レターセットを出した

りゅうくんに
自分で伝えなさい


そう言って病室を出ていった

No.331 10/04/28 21:32
夕焼け雲 ( PpQK )

自分の身体もだが
私はりゅうの事も
甘えていた



自分の言葉で伝える



考えれば考える程
どう書いていいか
わからなかった



ありがとう



それだけは必ず伝えたい


まる二日間考えて
りゅうへの手紙は
手渡される事になった

No.332 10/04/28 21:56
夕焼け雲 ( PpQK )

To りゅう


心配かけてごめんなさい


嘘をついた事
両親に任せた事
ごめんなさい


学校や野球頑張ってください


りゅうが頑張ってる姿が
私の一番の喜びです

私も頑張ります


どうか幸せに


そう願っています


ありがとう


本当にありがとう


りゅうの明るい
人生を応援してます


From メグ

No.333 10/04/28 22:00
夕焼け雲 ( PpQK )

私から
りゅうへの別れの手紙


さよならとは
書かなかったが
きっとりゅうは
わかってくれるはず



りゅうと逢っても
笑って話せるように
さよならは言わない



お向かいさんとして
友達として



そう思ってる



少しだけ
心が軽くなった

No.334 10/04/28 22:13
夕焼け雲 ( PpQK )

それから一週間経ち


病院に私宛の手紙が届いた



りゅうからだった



手紙を読むのが
怖かった…


さよならと書かれていたら…


ケジメをつけたのに
弱い私が出てくる


夜まで封を開けられ無かった


お母さんが帰って
消灯になって
初めて封を開けた

No.335 10/04/28 23:22
夕焼け雲 ( PpQK )

メグへ


メグが逢いたくなったら
逢いに来いよ


俺は変わらず
メグが好きだから



ずっと待ってるから
心配しないで
頑張れ



りゅう

No.336 10/04/28 23:26
夕焼け雲 ( PpQK )

りゅうの字を
何度も読みながら



泣いていた



最後まで優しいりゅう


本当にありがとう



頑張れるよ



しんどくなったら
素直に言うよ



その時は胸を貸して



お願いします

No.337 10/04/28 23:32
夕焼け雲 ( PpQK )

月日は流れ

もう春になっていた


4月から学校に復学するので
治療もリハビリも頑張った


私は結局一年生から
やり直す


どうしても高校は卒業しようと思った
両親の気持ちも同じだったので
復学する準備をそれぞれしていた



桜が満開になった


私は🏠に帰れた


仮でも外出でもなく
退院出来た


桜咲く地元の並木道を見上げて歩いていた

No.338 10/05/01 00:01
夕焼け雲 ( PpQK )

通勤電車に久しぶりに乗った


一人じゃ心配だからと
お姉ちゃんが初日だけ付き添う


本当は大丈夫なのに
過剰な心配で
周りに迷惑をかける


リハビリで
体力も随分ついたし
治療で体調も
良くなってる


帰りは大丈夫だよと
駅で笑って別れた


クラスは同じだが
クラスメイトは年下


先生が私の事情を説明して留年の意味を皆が知った


私はなるべく普通に皆と接したが
周りは気をつかってくれていた

No.339 10/05/01 00:13
夕焼け雲 ( PpQK )

通院もあって
部活には入らなかった

勿論合唱も休学の段階で退部した


去年経験してきた
新入生歓迎イベントや
学校案内は
私は欠席した


先生と相談し
身体を考えての事だ


夏になると林間学校があり
宿泊学習がある

それも万が一の事があると責任を取れない
勿論両親も行けない事は理解していた



私が出席出来ない日
🏠で一人で留守番する日課になった


お母さんは仕事を持ち夕方帰ってくる


だから私が早い日は
必ずご飯を作る様に
心がけていた


みんな忙しく無理して頑張ってるのに
私だけ何も出来ないもどかしさが
たまらなく嫌だった

No.340 10/05/06 12:36
夕焼け雲 ( PpQK )

ある日
同じクラスの中村くんが
私と一緒に帰りたいと言われた


同じ方角で電車も一緒だったと言われた


どうしていいかわからず…友達と一緒ならと言った



私は同じ方角の人と
帰る様に
クラスでも伝えられ
気を使われていた


中村くんもその一貫で誘ってくれた


と思う



放課後
いつも一緒の雅ちゃんと中村くんが後から来た


中村くんは凄く楽しげに私達に話してきて
帰り道は笑い声が絶えなかった



クラスでも盛り上げ役の中村くんは
頭も良く女子からも
人気が高い


雅ちゃんも中村くんが好きみたいなので
私は気を利かせ
二人で話せる様に
聞き役に徹した

No.341 10/05/06 12:44
夕焼け雲 ( PpQK )

電車に乗り
雅ちゃんと中村くんは楽しげに話していた


雅ちゃんが降りる駅で私は中村くんに

「送ってあげて❗」

と半ば強引に
中村くんを降ろした(笑)


笑いながら私は
二人に手を振って
電車は走る



うまく行くと
いいな(笑)



私には持てない感情が羨ましかった




🏠に帰ると
雅ちゃんから☎が来て楽しかったと言っていた

良かったね(笑)


私は次いでだったね(笑)

No.342 10/05/06 12:50
夕焼け雲 ( PpQK )

雅ちゃんに
明日から中村くんと
一緒に帰りなと伝えた


雅ちゃんは
私と一緒じゃなきゃ
嫌だと言うが
私も困惑する(汗)


どちらにせよ
私と一緒に帰る事と
中村くんとは別だからと
私を立ててくれた



嬉しい様な
複雑な気持ちだった



着替えてスーパーに
買い物へ行く


顔馴染みのおじさん達にまけてもらい
買い出しを終え
自宅に戻った

No.343 10/05/06 13:00
夕焼け雲 ( PpQK )

夕御飯を作ってる最中
☎が鳴った


また雅ちゃんかなと思いながら☎に出た


共だった


共とは…りゅうの引越し以来だ


「メグ❗大丈夫か❗」

どうやら誰かに聞いたらしい


りゅうだと思った


「大丈夫だよ(笑)久しぶりだね~。共は元気⁉」



「あぁ❗なぁメグ今から出れる❓」


「う~ん…お母さんに言ってからじゃないと…心配するから…」



「そっかぁ(泣)。

じゃあ明後日の土曜
空いてる❓」


「うん…何も無いよ」

「じゃあ土曜に逢わない❓久々にさっ❗
また連絡するから…
大丈夫か聞いてよ❗(笑)」


「わかった(笑)
じゃあまたね、バイバイ」


☎を切った

No.344 10/05/06 13:10
夕焼け雲 ( PpQK )

お母さんが帰って来て帰りの話しや

共から☎が来て
明後日逢う話しをした

お母さんは笑いながら
行ってらっしゃいと
言った



あまり過保護も良くないし…
今のところ順調なので
最近はお母さんも
私を普通に扱ってくれる


自由に…までは行かないが(笑)
私が出来ない事の代わりに
友達付き合いは大切にしなさいと言ってくれる


私を助けてくれるのは
医者と家族以外に
友達や周りの人なんだからと
いつも言う

No.345 10/05/06 14:01
夕焼け雲 ( PpQK )

次の日

昨日と同じ様に
三人で帰り
中村くんを雅ちゃんの駅で降ろした(笑)


自宅に戻って
ピアノを一時間弾き

夕飯の支度を始めた

☎が鳴った

共だった


「土曜大丈夫だよ(笑)」


「そうか❗じゃあ迎えに行くよ(笑)10時頃な❗んじゃ明日なぁ(笑)」



☎を切って
色々考えた



もしりゅうの事聞かれても
正直に話そうと

No.346 10/05/06 20:40
夕焼け雲 ( PpQK )

次の日の約束の時間

共が迎えに来た

久々のせいか
どんどん大人になってる


昔皆が集まっていた
喫茶店に入った


アイスコーヒーと
アイスティーを頼み
共が話し始めた


「大変だったんだね…何も知らなくて悪かったな。」


「また一年生からやり直しなの(笑)だから私は後輩だね⤴」


「良かったよ元気になって❗」

「誰から聞いたの⁉」

暫し無言が…


「りゅうとちょこちょこ逢ってたから、逢えなくなった時から
メグの事情がわかって…」


「そうだよね…
りゅうには悪いと思ってる…
でもこうするしか無かった…」



「何となくだけど、
それぞれが納得したんなら…俺がどうこう言う必要無いけど

最近りゅう変わってね…」


「何かあった❓」


「うん…でも俺がチクったってバレたら嫌だから止めとくわ」


「気になるなぁ(笑)
でも私退院しても逢わないもんよ…。
普通に話すつもりはあるけど意外と逢わないから(笑)」


「じゃありゅうと逢っても大丈夫❓」


空気が一瞬変わる

No.347 10/05/06 20:58
夕焼け雲 ( PpQK )

私は下を向いた


どうだろうか…


顔がひきつらないか…
彼女が出来てたら
笑って祝える⁉


「自分から出来れば
逢える理由が来るまでと思ったけど…

何か頼まれたとか
そういうセッティングの話❓」



「同窓会があるんだけど…うちら仲良かったグループで再会しない❓って言われて
りゅうがメグを気にしてたから…嫌ならりゅうが行かないって…」


そうなんだ



確かに私退院しても
りゅうに逢ってない
みんなには自然と別れた事は伝わったんだ

どうすればいいんだろう…


「皆は私達の事情知ってる⁉」


「どう解釈してるか
わからないけど…
多分」


「そうなんだ…
私が行く事で嫌な空気にしたら困るし
遠慮するよ…
りゅうは行けるなら
共達と楽しんで欲しいし」


「りゅうはメグに来て欲しいみたいだよ」

No.348 10/05/06 21:09
夕焼け雲 ( PpQK )

色々考えても
同級生に変わりなく
前に住んでる限り
私達はいつか逢う


あんまり深く考えない様にするにも
逢うのも自然かな…


「わかったよ❗
じゃああんまり皆
いじめないでね(笑)」

「良かった(笑)」



「りゅうの変わった事って何❓」



「同窓会の時に本人に聞いてみなよ❗」


「なんか嫌だわ~(笑)でも皆に逢えるの楽しみになってきた」


「じゃあ決まったら
また連絡するよ❗
送って行くからな(笑)」


共はお会計をしてくれた


千円札を渡したが
笑って大丈夫と
言ってくれた



共が私の歩みに合わせ歩いてくれる

誰々が引越したとか
同級生情報を教えてくれた


懐かしい時間


あの日に帰れたら


そう思う自分は
まだまだ未練がましかった

No.349 10/05/06 21:21
夕焼け雲 ( PpQK )

学校では
連日テストが近いので勉強モードだった


私は去年同じ勉強をしてるので
更に点を稼がないと
恥ずかしい(笑)


中間テストが終わり


まずまずの順位がとれて安心していた


私には勉強しか無い


だから頑張るしか無かった


通院も随分慣れた


帰りは相変わらず三人だが
それも楽しみになっていた


二人は付き合ってないみたいだけど
見ていて恋だとわかる(笑)

実るだけが幸せじゃない事も私にはわかるから…
今の時間も楽しんで欲しい

No.350 10/05/07 12:10
夕焼け雲 ( PpQK )

授業で皆がプールに入っていた

私は体育は専ら見学


中学の時までが嘘のようだった


海に行こうね


そんな約束を思い出しながら
もう水着姿も
そして…


また一人塞ぎこみそうになる


一人の時間は嫌いだ


余計な事を考えてしまう


他人の恋愛も
私にとっては楽しい

そういう話で盛り上がってるのは嫌いじゃない


私が話せるのは
りゅうとの事だけど
終わった恋でも
楽しかった


これから
こんな私を好きになってくれる人が居るなら
恋をしたい


もうすぐ17歳


当たり前の恋心は失っていなかった

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