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煽り運転や過剰な威嚇運転は駄目だけど・・・
飲んでないからいいよ!‥?
どうしたら干渉される?どうしたら関心持たれる?

🌼道🌼

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夕焼け雲( PpQK )
10/06/09 23:56(更新日時)

あなたは運命を信じますか❓

赤い糸を信じますか❓

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No.1274509 10/03/17 20:36(スレ作成日時)

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No.251 10/04/19 22:34
夕焼け雲 ( PpQK )

「今日帰るの⁉」


「うん…。でも
またすぐ来れる様に
時間作るから」


「うん‼私も今度はちゃんと一日中逢いたい(笑)」


自然とりゅうは
私を呼び

りゅうの前に
抱えられるように
座った


後ろから私を抱きしめ
なんだか凄くホッとする時間


「りゅう…クラスに
可愛い女の子沢山いるでしょ~。」


するとすかさず

「可愛い女の子じゃなくて頭がいい人ばかりで、真面目~って感じな人ばかりだよ(笑)」

想像出来るけど
ちょっとだけ悔しい


私に無い学力を持っている人達


「メグは男子に告白されてないのか❓」


「全くモテません(泣)」


「ほんとかね~(笑)
もし誰かちょっかい出したら俺が出ていくからね~」


笑いながら話していた

結局お互いノロケ❓


だよね(笑)


お互い部活の話や
学校の面白い話を
ずっとしゃべっていた

ずっと抱きしめられながら(笑)

No.252 10/04/19 22:38
夕焼け雲 ( PpQK )

「外に出ない❓」


りゅうが言った


「うん❗遅くなるなら言って行こうか」


下に降りて
お母さんに出掛けると声を掛けた


はいはいと気持ちよく出してくれた


またしばらく逢えない事知ってるから


ありがとう


りゅうと手を繋いで
私鉄の駅に向かった

No.253 10/04/19 22:48
夕焼け雲 ( PpQK )

私は黙ってりゅうに
くっついていた



りゅうのお父さんの🏠の方向とは逆の
電車に乗った


切符はりゅうが買い
何処へ行くかわからない


でも私はりゅうに
任せた
貴重な時間だから…


三つ目の駅で降りた


りゅうは何回か
来てる様で
迷わず歩いてるようだった


何処に行くんだろ


ちょっとドキドキしてきた


だってりゅうが
何も話さないから…

No.254 10/04/19 23:19
夕焼け雲 ( PpQK )

雑居ビルが立ち並ぶ


夜の灯りがキラビヤカに点いていた


少し怪しげな雰囲気もあって
心臓が高鳴った


「何処に行くの❓」


緊張しながら言ってみた


りゅうは手を強く握り直し


「もうすぐ着くよ」


そう言って
どんどん歩いていった

ネオン街を抜け
住宅街を歩くと
大きな公園に着いた


この公園で
練習を時々しているそうだ

そして夜景が綺麗だから~
そう言って
公園の端に行くと

いつの間にか
高台からキラキラ光る景色が広がっていた


これを見せたかった


りゅうが言った


近くのベンチに座ってりゅうがゆっくり
話し始めた

No.255 10/04/19 23:29
夕焼け雲 ( PpQK )

「俺何度も野球辞めようと思った…勉強は皆凄いレベルだし
野球と両立することはかなり厳しい…
それに親父の事があって余計無理だと
何度も何度も思った…

この公園は
親父が教えてくれて
実は小さい頃
この公園で
俺と親父がキャッチボールした場所で

俺の記憶はあまりなかったんだけど
俺が野球辞めようかなと悩んでたら
タクシーでここに来て
小さい頃の話をされた

俺の中の記憶の親父は殆ど無かったのに

親父は野球を喜んでしている俺を忘れてなくて

頑張れって言ってくれたんだ

嬉しい時に俺ここに来る様になって

今日メグと来たかった(笑)」

No.256 10/04/19 23:33
夕焼け雲 ( PpQK )

りゅうが家族の事を話す事は殆ど無かったから


りゅうの家族の絆が見えて私も嬉しかった


「りゅう…良かったね。頑張って‼」


りゅうは嬉しそうに笑っていた


夏の夜は
涼しいが肌寒く
りゅうにくっついていた


りゅうは肩を抱き寄せ温めてくれた

No.257 10/04/20 13:31
夕焼け雲 ( PpQK )

ずっとこうやっていたいね…


長い間りゅうと
そのベンチにいた


誰も居ない公園に
二人だけ


誰にも邪魔されたくない貴重な時間


次逢えるのは
来月


早い様で
私には長い


りゅうは夏休み後
お父さんと話しあって帰れる様にしたいと
言っていた

No.258 10/04/20 13:43
夕焼け雲 ( PpQK )

終電の事を考えて

私達は駅に戻った


私が降りる駅まで
りゅうは私の手を離さなかった


「また☎してね(泣)」

そう言うのが精一杯


「待ってろよ❗」


頷く私


地元の駅に着く


私が降りて
りゅうを見送る


なんだかCMみたい


そんなに遠距離じゃないのに
しばらく逢えない切なさは
こんなに辛いなんて(泣)



でも笑顔で

「気をつけてね❗ありがとう」


発射ベルが鳴った


ドアが閉まり

電車が走っていく


気付いたら私まで
走っていた


りゅうがずっと手を振るのを目に焼き付けて…


余韻に浸りながら
自宅に帰った

No.259 10/04/20 13:56
夕焼け雲 ( PpQK )

それからまた
部活の毎日だった

塾の夏季講習も入って
ハードな毎日


ピアノもあるし
私は夏バテ気味だった

食事も思うように
食べれず
朝目眩をする様になって

練習中貧血で倒れる事も
何度かあった


お母さんが心配して
病院に行く事になった

案の定貧血と栄養不足で点滴を打つ事になる
二時間病院のベッドで眠りについた


お母さんが来て
このまま検査入院になったと言われた



入院⁉



どうして⁉

No.260 10/04/20 14:05
夕焼け雲 ( PpQK )

「何処が悪いの⁉」


「うん(笑)大丈夫よ❗
なんか血液検査で
少しだけ数値が気になるから、詳しく調べようって。
だから2~3日ゆっくりしなさい」

お母さんは気をつかって話していた


なんでもないって
本当に⁉


私は病院の指示通り
病室に移され
検査入院する事になった


看護婦さんに聞いても検査だから
心配無いと
みんな笑って言うのが逆に怖かったけど


お母さんは
身の回りの物を取りに帰ってしまい


一人ベッドで寝るしか無かった

No.261 10/04/20 14:09
夕焼け雲 ( PpQK )

今日は木曜日かぁ…

明後日りゅうから
☎来るけど
間に合うよなぁ


あっ
部活休むって連絡
しなきゃ


塾も…ピアノも


うわぁ最悪だぁ(泣)


部活の先輩怒るよなぁ…
誰が伴奏するか
揉めるよね(汗)

まぁ最悪先生が…


それも微妙(笑)


病院の天井を見ながら
色んな事を考えていた

No.262 10/04/20 14:58
夕焼け雲 ( PpQK )

眠りについて
看護婦さんの点滴を変える声で
目が覚めた


「もうすぐご飯よ(笑)❗」


あっという間に夕方になっていた


久しぶりに昼寝しちゃった(笑)


しばらくすると
お姉ちゃんが
身の回りの物を持って来てくれた



「いきなりどうしたなよ~❗お母さんに言われて持って来たけど」


こっちが聞きたい質問です(笑)



「わかんないけど
最近調子悪かったから検査するってさぁ❗」

お姉ちゃんはロッカーにパジャマや下着
箸やコップをしまっていた

漫画を何冊かテーブルに置いてくれた


「暇だよね(笑)❗
夏休みだから友達呼んだら❓りゅうくんには知らせた❓」


「検査だけだから
誰にも言わないよ❗
恥ずかしいじゃん(笑)」


「そうだね(笑)じゃあ知らせなくていいのね⤴⤴」



「うん(笑)大丈夫❗」

お姉ちゃんは椅子に座り
私の小さい頃の話を
始めた

No.263 10/04/21 15:59
夕焼け雲 ( PpQK )

私は未熟児で産まれた

早産で
しばらく保育器に入っていたらしい


小さい頃心配していたのは
何となく感じていたが
はっきり知ったのは
この時だった


お母さんはとても心配して
自分を責め
お姉ちゃんの世話も
心あらずだったと
聞かされた


私自身は
小さい頃の記憶は
殆ど無くて


この街に住んでからの記憶しかない


私は一歳まで
病院を行ったり来たり
落ち着かない状態だったらしい


お母さんが
時折見せる
身体の過剰な心配は
自分の責任の不安だった


でも私がバレー部に入るのも
反対しなかったのは

全てを怖がってはいけないと
お母さんも耐えていたと聞いた


何処かでお母さんは
爆弾を抱えてる毎日だったのだろうか…


今回倒れて
ごめんなさい


なんでも無いから
大丈夫だよ

No.264 10/04/21 16:07
夕焼け雲 ( PpQK )

「夕飯で~す❗」



病院のご飯は早い(笑)

「いいなぁ(笑)
健康食じゃん❗
はやく食べなさい(笑)

お姉ちゃんは
コップを洗い
お茶を貰いに行った


食欲はまだ無かったが
食べないと心配するので

ゆっくりと口に運んだ


お姉ちゃんが
📺のカードと
テレフォンカードを
買ってきてくれた


「必要でしょ⁉」


ニヤリッと笑うのが
可笑しくて
私も笑ってしまった(笑)


「ありがと❗」


お姉ちゃんは食事を
見届け帰っていった

No.265 10/04/22 12:31
夕焼け雲 ( PpQK )

点滴がハズレて
楽になったので

病院内をうろついた


殆どがお年寄りの
患者さん


高校生を見つけるのはまず不可能だ


早く帰りたいな~


公衆電話を見ながら
りゅうの声が
聞きたい


そう思う自分と
心配かけてしまうから…


葛藤していた

No.266 10/04/22 13:09
夕焼け雲 ( PpQK )

「メグ❗」


お父さんとお母さんがやってきた

まるで私は重病人⁉

二人は少し
表情が固かった様に
感じたが

直ぐに笑顔になり
病室に戻った


お母さんは心配そうにしていた

お父さんは明るく振る舞い
プリンを買ってきてくれた


プリンは私の大好物


ちょっと奮発した
高いプリンを買ってきてくれた(笑)



一時間程病室で話し
帰って行った

明日朝一でお母さんは来ると
言っていたが
検査は昼前だから
お昼過ぎで大丈夫と
念を押した

No.267 10/04/22 13:15
夕焼け雲 ( PpQK )

検査の朝


体調は変わらない感じ

あまり良くない


看護婦さんに正直に
伝えた


朝ご飯は検査の為食べれず
ずっとベッドに横になっていた


車椅子を押した看護婦さんが入ってきた

「じゃあ行きましょう」


車椅子に乗り
私は検査を何ヵ所か
受けた


お母さんはその間に
来ていて
私が病室に戻った時には待っていた


「お腹空いちゃった(笑)」


と言うと安心して笑ってた

No.268 10/04/22 13:29
夕焼け雲 ( PpQK )

看護婦が入ってきて
変わり無いか
声を掛けてくれた


点滴がまた入り
横になっていた


お母さんがそっと
病室を出たのがわかった


検査結果が出たのだろう…


私は寝たふりをして
目を閉じていた


点滴が昨日より
増えてる事を見逃さ無かった

恐かった

No.269 10/04/22 13:46
夕焼け雲 ( PpQK )

お母さんがなかなか帰って来ない…


看護婦さんは
また車椅子を持って
私を乗せた


先生から検査結果の
話しがあると
連れて行かれた

診察室にはお母さんが居た

先生が
「はいどうぞ。」

私は車椅子のまま
促された


「今お母さんに検査結果を話しましたが

貴方も高校生で
小さい子供では無いから
自分の事をきちんと
知っておいた方がいいでしょうと
お母さんにも説明して呼びました。

今体調が優れないのは貴方の心臓に少し負担がきています。
治療によって
きちんと治りますが
手術が必要です。

今直ぐにでは無いですが専門の病院に移る事をお勧めしています。
それから……」


私はそこからあまり
覚えて無い

お母さんは動揺していたが隠せない事だと知り
私にも告知したのだろう


心臓⁉


貧血じゃないの⁉


より詳しく調べ
万全で手術を臨むのは
専門の病院にという
説明だった

No.270 10/04/22 14:04
夕焼け雲 ( PpQK )

頭が真っ白になった

病室に戻って横になる

手術しないと
治らないのだろうか
手術して治るのだろうか


お母さんは先生に
移転先の病院の説明や手続きで
まだ帰って来ない


多分お父さんに☎したり
お母さん自身動揺しているはずだから…


私は泣きたい気持ちを抑えて
踏ん張った


看護婦さんが
入れ替わり立ち替わり
私の所に来ては
チェックしたり
声を掛けてくれた


私は少しだけ
冷静さをとり戻し

「お腹が空きました(笑)」

と言ってみた


看護婦さんが
笑いながら
「あと二時間待ってね❗(笑)」

そう言って出ていった

No.271 10/04/22 14:14
夕焼け雲 ( PpQK )

しばらくすると
お母さんが入ってきた

心配そうな顔してたので
私は笑って

「何処の病院に行くって⁉」
と明るく話した

「ちょっと遠いけど
〇〇病院だって。
明日ここから行くそうだから…
大丈夫❓メグ…」



「大丈夫だよ(笑)

じゃあしばらく入院なんだね…。
学校とか部活の先輩に連絡しないと…。

お母さん
クラスの友達にも
連絡してくれる❓」


「そうね…じゃあメモしなきゃ…。」


沢山の書類片手に
バックから手帳を取り
メモしていた

「お母さん
明日の洋服と靴
持って来てね❗
パジャマでは恥ずかしいから(笑)」


「あっ❗そうね❗」

お母さんは笑う余裕もなく
書いてる手も震えて
見えた

No.272 10/04/22 14:22
夕焼け雲 ( PpQK )

私は横になりながら
お母さんの手を握り

「大丈夫だよ(笑)」

そう言った


お母さんは
苦笑いしながら

「絶対治るからね」

力強く手を握りしめた

「少し眠るから
お母さん明日の準備しといて❗

心配しないでまた明日来てね(笑)」


お母さんはまだ動揺していたが

「何かあったら☎してね❗」

そう言って病室を出た

一人天井を見つめ
涙が出た

No.273 10/04/22 14:36
夕焼け雲 ( PpQK )

空虚だけの時間が過ぎ

夕飯が来た


「お待たせ❗」

看護婦さんが明るく茶化す


「待ってました(笑)」

夕飯を見ても
全く食欲が無く
結局残してしまった


それを見た看護婦さんが

「食べれない❓」


と心配そうに顔を覗いた

脈を測って
熱を測って

聴診器をあてた


「看護婦さんも
心臓の音判るの❓」

「一応勉強してるからね(笑)」


ゆっくりと心臓を聞いていた


私の音はどんな音になってるの❓


看護婦さんがナースステーションに戻り

点滴の途中から
💉で薬が入った


「心配しないで何かあったら呼んでね」


「はい(笑)」


しばらくすると
私は眠くなり
ぐっすり寝てしまった

No.274 10/04/22 14:42
夕焼け雲 ( PpQK )

夜中
巡回で私の身体を
触る看護婦さんが
ぼんやり見えた


小さい声で
「寝てて。」


また脈 心臓を
チェックしていた


私はまたすぐ眠りについてしまった


夢の中で
私は元気そうに
笑っていた


家族と学校の人達と
りゅうの夢を見た

No.275 10/04/22 15:00
夕焼け雲 ( PpQK )

検温です


看護婦さんに起こされ
渋々体温計を
脇の下に入れた

まだ頭の中は起きられず
看護婦さんが戻って
体温と問診
聴診、血圧を測ってる時は

ぼんやりしていた


血圧が低いと
毎日言われる


食欲が無いと
体力が落ちるからと
食べる様に言われた


朝食までずっと寝ていた

なかなか起きられない

朝食を持って来てくれたので
顔を洗い
お茶を貰った


病院食は
食欲出ないよ(笑)


お昼までに退院するので
とりあえず食べなきゃと
強引に口に運んだ


何とか食べれた


9時前
両親揃って
病室に来てくれた


「大丈夫か❓」

お父さんは明るく言ってくれた

「プリン無いの❓(笑)」

三人共笑顔に変わった


お母さんは身の回りの片付けをしてくれた

お父さんは会計を(笑)

私は着替えの準備をした



「お風呂に入りたい(泣)」

二日間入って無いから
気持ち悪い


「今日あっちの病院に行ったら
聞いてあげる」


私の身体を蒸しタオルで拭きながら
お母さんは言った

No.276 10/04/22 15:09
夕焼け雲 ( PpQK )

手続きを終え
身支度も出来
🚗に乗った


紹介状とカルテと資料を持って
紹介された病院に向かう


自宅からは🚗で一時間はかかるかなと
お父さんが言っていた

私は後ろの席で
お母さんにもたれ掛かり
流れる景色を観ていた

お母さんは何度も
大丈夫かと聞いていた

大丈夫だよと笑って返すと
ずっと手を離さなかった



「何も心配するな」

お父さんはそう言ってくれた

No.277 10/04/22 15:25
夕焼け雲 ( PpQK )

病院は大きくて
迷子になりそうだった

お父さんも受付に
行ってから
なかなか戻らない

迷子になってんのかな(笑)

お母さんと二人
ロビーで待つ


10分ほど待って
診察室に通された
入院は決まっていたが
しばらく薬投与で
手術の時期や
身体の状態を視ていきましょう


そう説明された


病室に案内され
四人部屋になった


挨拶をして
パジャマに再び着替えた

お母さんが
看護婦さん達に挨拶しに行き
お父さんは🚗に戻って
荷物を取りに行った


お母さんが
明日ならお風呂大丈夫みたいよと
笑って言った(笑)

No.278 10/04/22 15:39
夕焼け雲 ( PpQK )

今夏休みで良かった


しばらく休むなら
欠席日数が少ない方がいい

ただ学校に毎日行っていたので
必ずわかってしまう


連絡は必須だった


そうだ…

今日りゅうから☎がある

私は迷っていた


簡単に帰れると思ったので
間に合うと…

でももうすぐ
りゅうも帰ってくるし
隠せない…


お母さんに相談すると

嘘はつかない方が
二人の為だと思う


そう言った


私もそう思った


今回の事も
もし両親や先生が
嘘をついていたら
私は余計辛かっただろう


りゅうは嘘が嫌いで
隠し事も嫌
誤魔化された幼少期があるから
まっすぐ歩きたい

いつもそう言ってた


私の現状を
りゅうが聞いたら
私はりゅうと
別れなきゃいけないかな…


独り言を言った


急に自分の運命と
将来を考えてしまった

No.279 10/04/22 15:46
夕焼け雲 ( PpQK )

私は自分の病気の事しかまだ考えられなかった


だから
これから治療する時間や

手術する事によって

自分や周りが
どう変わるかなんて
考える余裕もなく


元気になれば
また元の生活に戻れると思った



はっきりしてるのは
手術による傷跡
術後の生活の不安

限定されそうな行動


将来自分が抱える不安

未知の不安で
いっぱいになり
泣いてしまった


病室の患者さんに
気を使い

ベッドのカーテンを
閉めた


心配した両親が
一生懸命慰めるが
私の不安な気持ちは
違う所まで広がっていた



りゅうに話せない…


私は迷ってしまった

No.280 10/04/22 16:01
夕焼け雲 ( PpQK )

看護婦さんが心配して見回りに来た


両親は大丈夫ですと
うまく交わしてくれた

今日りゅうに私が☎する


そう決めた


両親は複雑な顔をして観ていた


ベッドに横になった


治る事が良いのか
解らなくなる自分がいた


色んな事に耐えられない
弱さも出てきた

No.281 10/04/22 16:15
夕焼け雲 ( PpQK )

点滴をつけに
看護婦さんが来た

大丈夫❓と声を掛けてくれ
私は静かに頷いた


「明日お風呂の時間を取りましたから
着替えを用意しておいてくださいね」


両親が
「ありがとうございます」

と頭を下げ
看護婦さんは戻った


カーテンを開けて
お父さんが出ていった

お母さんは
私の傍を離れず
手を握る


心配しないで


お母さんは
小さい声で私に言った



お父さんは
売店でプリンを買ってきていた


何だか三歳児みたい(笑)


プリンは
魔法の薬かな(笑)

No.282 10/04/22 16:21
夕焼け雲 ( PpQK )

「大丈夫だよ❗
もう二人共帰って(笑)」


両親はなかなか帰らないので
私から促した



夕方になっていた


お母さんがテレフォンカードとお金を
引き出しに入れてくれた


「明日はお姉ちゃんと来るよ(笑)」


「わかった(笑)」


両親は後ろ髪ひかれながら帰って行った


一人になって
色々考えていた


私はどう生きていけるんだろうか


手術の不安より
手術の先の不安が大きくなっていた

No.283 10/04/22 16:43
夕焼け雲 ( PpQK )

りゅうにまず何と話そう…


それもなかなか答えが出なかった


夕飯が来て
同室の人達が
なんとなく話しを始めた


周りは大人の中
皆空気を読んでくれて
気をつかってる


病気の話は一切せず
病院の〇〇先生は
面白いとか

看護婦さんの〇〇さんは
厳しいとか

私を和ませてくれた


飴やお菓子をくれたりと
本当に子供と同じ様に
よくしてくれた(笑)


なんだか助かった


一人だったら
多分考え過ぎて
自暴自棄になっていただろう…


みんなすぐ元気になるから
大丈夫よ~❗


そう言ってくれる一言が
心に染みた


食事を終えると
それぞれの家族が
お見舞いに来たりと
賑やかになっていた


こうやって支えてくれる人が
居るっていいなぁと

素直に思った

No.284 10/04/22 17:00
夕焼け雲 ( PpQK )

私は看護婦さんに
☎してきますと
声を掛けて
場所を教えて貰った


椅子に座れる
☎ボックスに案内され

私はしばらく悩んだ


カードを入れて
ダイヤルする


ドキドキしていた


深呼吸をした


「はい❗」


りゅうの声と共に
公衆電話のブザーが鳴る


「私❗メグ…」


「え⁉メグ⁉
どうした❓
外から掛けてるのか❓」


「うん(笑)…」


空笑いで会話が続かない


「何かあったの❓」

りゅうが不信に感じていた


「あのね…………」


次の言葉が出ない


「りゅう…
いつ帰って来るの❓」


「あぁ❗親父も何とか一人で
大丈夫みたいだから~来週でも帰れると思うよ❗

また荷物片付けなきゃ(笑)」


「もうそっちに住まないの❓」


「時々様子見に来るけど 学校優先にしろって言われたから
戻るわ(笑)」


看病を終えたりゅうに話しをするのを

躊躇した

No.285 10/04/22 17:16
夕焼け雲 ( PpQK )

「そっかぁ(笑)
良かったね…」


「なんかメグは良かった感じ
しないな。

何かあったんだろ❓」

りゅうに見透かされてる


「夏休み一緒に出掛けられなくなっちゃった…」


そう言うのが精一杯だった


「なんで❓
用事が出来たの❓」


「うん…」


「何かおじさんやおばさんに言われた❓」


「ううん(笑)大丈夫❗」


誤解されてる


「りゅう…
私しばらく一人で頑張ってみたい……」



「どういう意味❓」


私が言いたかった言葉じゃなかった

(逢いたいよ)


本当は
それだけを言いたかったのに

言えずに反対の言葉が出ていた


「お互い勉強や部活で忙しいし…」


言いたかった事を
自分で見失っていた


「別れたいって事❓」

私は泣いていた


(別れたいなんて思ってない)

無言の私に
りゅうが

「俺がいけなかったからだよね…」

No.286 10/04/22 17:26
夕焼け雲 ( PpQK )

りゅうの声が変わった

無言の時間が続く


「こないだ逢った時にそう思ったの❓
ずっとメグはそう思ってた❓」


りゅうは納得出来ず
問いただす


「違う…よ…。

私が………。」


言葉が続かない


「好きな人が出来たの❓」


りゅうが少し怒りながら聞く


「それは無いよ❗」


はっきりと答えた


カードの数字がなくなっていく


「りゅう…大好きだよ」


そう言って☎を切った

私はずっと泣きじゃくっていた

No.287 10/04/22 17:39
夕焼け雲 ( PpQK )

椅子から立ち上がれず
しばらく泣いていた


周りを通る人は
見て見ぬふりをしてくれた

30分位立ち上がれず
看護婦さんが
心配して来てくれた


「大丈夫❓今車椅子持ってくるから❗」


病気云々より
ボロボロの私…


一人では歩けない程
落ちていた


看護婦さんが
バタバタと車椅子を
運んでくれた


病室に入る前に
顔を拭きたいと
蒸しタオルを貰った


病室に戻ると
他の家族は帰っていて
みんな眠り支度をして
カーテンが閉まっていた


ベッドに横になり
布団を掛けて貰う


情けなくて惨めだった

No.288 10/04/22 17:52
夕焼け雲 ( PpQK )

次の日の朝


私の目は見事に腫れ上がり
不細工ぶりは
皆もすぐわかった


朝食を終えると
看護婦さんが来て
お風呂の準備をしておく様にと
言われた


あと一時間したら
お風呂に入れるが
一人では入れない


お母さんが付き添って入る事になってる



お母さんはお風呂の支度をしてきてくれた

いつものシャンプーに
見慣れたタオル


新しいパジャマを買ってくれていた


案内されて
3日ぶりにお風呂に入る


髪の毛は三回洗い
身体も二回洗った


湯船には入れないので
しばらくシャワーを
当てていた

椅子に座りながらなので
楽だった


看護婦に声を掛けられ
着替えた


時間も体調によって
あるらしい


髪の毛を乾かしながら
お母さんに
昨日の事を話した

No.289 10/04/22 18:10
夕焼け雲 ( PpQK )

「りゅうと逢わない事にした…」


そう言った途端
涙が出た


病気の話はしていない…

りゅうが帰る事や
今勉強や部活に取り組む
大切な時期だと
それも考えて
お互い離れる事にした

そう言うと
お母さんは静かに
髪の毛をとかして


「メグの本心はそれでいいの❓」


声を詰まらせ言った


親としても
辛かったのが伝わった

でも私の考えも
理解していた


その先の不安を
お母さん達も理解していた


私がどうなるかは
わからない

今は治療する事にする

りゅうも大学に行く為に頑張って欲しい


それだけでいい


悲観的でなく前向きだと伝えた


りゅうに病気の事を
伝えるのは
りゅうが私の今を知った時に
そうお願いした


なるべく知るまで
時間がある様に


そう願っていた

No.290 10/04/22 18:39
夕焼け雲 ( PpQK )

それから一週間経ち
治療も投薬で
経過を視ていた



体力をつけないと
手術に勝てない


いつも先生に
呪文の様に言われる


数値が全体的に
安定したら
施行する



食事もなるべく
残さず食べる様に

時には間食もしていた(笑)


病室の皆と仲良くなり
共通の話題にも
ついていける


りゅうの事は片隅にあったが
誰も口にしない


きっと帰って来てるだろう…


音信不通にしたら
必ずりゅうから来る
病気の事を話したら
りゅうの負担になる


だから
別れてよかった


私がどうなってるか

知るまで多分時間はかかるはず


それでいい


誰も言わないで…



そっとしておいて…

No.291 10/04/22 19:18
夕焼け雲 ( PpQK )

時々部活の先輩や
同級生


クラスの友達が
お見舞いに来てくれた


合唱部は毎日練習に追われ
大変そうだった

クラスの友達は
日焼けしていて
皆元気そうで
羨ましかった


皆りゅうの話をしなかったのは
お母さんが事前に
伝えてたと思う


ありがとう


そう想うのが
精一杯だった

No.292 10/04/22 19:30
夕焼け雲 ( PpQK )

お盆休みに入る


お父さんが毎日
お母さんと来てくれた

お姉ちゃんは
土日にいつも来てくれた


迷惑かけてばかり


お金も掛かる


お姉ちゃんがバイトを始めたと知って
申し訳ないと謝った


お姉ちゃんは
メグの為じゃないわよと
誤魔化した


どのくらい入院するのか
わからない

手術に掛かるのも


私は色んな人に
迷惑を掛けて生きている


意味があるのか


負の思考に入ると
死にたくなる


生きている意味と
生きていく意味が
わからなくなる

No.293 10/04/22 19:37
夕焼け雲 ( PpQK )

夏休みもあと数日で
終わる


私の手術日が決まった

来週の水曜日


いよいよ
私の身体にメスが入る


その為の入院なのに
変わらない毎日に
慣れてきていた


手術が決まって
改めて自分の先と
向き合う時が
来たんだと


元気になったら
何をするか
何が出来るか


出来ないリスクを
考えないよう


周りからも
プラス思考を
言われていた

No.294 10/04/22 20:36
夕焼け雲 ( PpQK )

月曜日


学校が始まっていた



私は休学届けを出した

この先を考え
無期限の休みを
お母さんに託した


学校の先生は
事情を知り
承諾した


毎日細かい検査が増えた

一日寝てる事も出来ずバタバタしていた


お母さんに支えられるお風呂も
随分と慣れ

髪を乾かすと

美容院に行きたいと
お願いした


病院内に
髪を切る所はある

理容が主みたいだが
外出出来ないので
長い髪を
ボブに切った


高校に入って伸ばした髪は
凄くりゅうが気に入っていた

でもりゅうに見せる事も無くなり

入院生活に邪魔だった

新しい自分になるために
気分転換も兼ねた

No.295 10/04/22 20:40
夕焼け雲 ( PpQK )

「可愛くなったね(笑)」


お母さんが言う


病室のみんなは
驚いていたが
似合う似合うと
言ってくれた(笑)



明日夜絶食が始まるので

今日はご馳走を
作って持って来てくれた


みんなにお裾分けし
お母さんの味を
堪能していた

No.296 10/04/22 20:46
夕焼け雲 ( PpQK )

火曜日の朝


また検査で
あちこち連れて行かれた

一般の患者さんの
合間に
私が車椅子で待つ


見られていて
恥ずかしかった


検査を終えると
私は売店に向かった


「レターセットありますか⁉」


「便箋と封筒が~
ちょっと渋いわよね~(笑)」


「じゃあノートください(笑)」


普通の大学ノートを
買った


日記をつけよう
新しい自分の為に


ノートを片手に
病室に戻り


今の気持ちを書いた

No.297 10/04/22 20:48
夕焼け雲 ( PpQK )

本当は
りゅうに手紙を書きたかった


書くだけで
出すつもりはない


りゅうの知ってる
私は今日まで


ありがとうと
書きたかった


ノートの始まりに
ありがとう…

そう書いた


今の自分に正直に…

No.298 10/04/22 21:00
夕焼け雲 ( PpQK )

元気ですか?

相変わらず野球
頑張ってますか?

学校は楽しいですか?
勉強は頑張ってますか?

おじさんやおばさんは元気ですか?


毎日充実してますか?

りゅうの笑顔が
大好きでした


楽しい時間をありがとう…


本当にありがとう…


好きな人はいますか?

幸せになってください

私も頑張ります


何処にいても
応援してます

No.299 10/04/22 21:21
夕焼け雲 ( PpQK )

そう書いてから
後ろのページに


りゅうに逢いたいよ


怖いよ


そう殴り書きしていた

慌てて上から塗り潰し
ノートを閉じた


涙が止まらず
慌てて顔を洗った



今日は静かに寝ていたいから来ないでいいよ(笑)


昨日お母さんに伝えたので
ゆっくり自分と向き合った



もう一度売店に行き
使い捨てカメラを買った


看護婦さんに頼んで
上半身の写真を
撮って貰った


自分でも何枚か撮る


明日には
傷跡がつくから
綺麗な私を残しておきたかった


綺麗なはまた別か(笑)

撮れなくなるまで
シャッターを切った

No.300 10/04/22 21:26
夕焼け雲 ( PpQK )

撮ってから
これ現像するの
恥ずかしいなと
冷静になる(笑)



それでも
もうこの身体は
元に戻らないもの


そう思うと
恥ずかしいとか
関係無かった


消灯前に💉を打たれた

明日の手術の為に


私は
ゆっくり眠りについた

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