ハル
だいぶ寒さも和らいできた4月の初め、家庭支援センターの小山さんと校庭の隅で話をしていた。
たわいもない家での子どもの様子を時々、笑いながら話す。
私たちの横を校舎に向かって、歩く同年齢くらいの女性。
春休みなのに、どこに行くのかな?
後ろ姿を見送りつつ、ふと、そんなことを思った。
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暖かな日差しが教室の窓から差し込み、私は新居先生が来るまで、ロッカー上に子どもたちの1学期の学習.生活のめあてと4月の思い出が入ったファイルを眺めていた。
学校のどこで撮ったのだろう?
コウタも恥ずかしそうにはにかんで笑っている写真の下、1学期の学習めあては“じをていねいに書く”。
生活めあては“ともだちといっぱいあそぶ”になっていた。
4月の思い出には学校探検で1年生を案内した絵が描いてあり、これもまた、たどたどしい字で“たのしかった”と書いてあった。
さっそうと新居先生が入ってきた。
「お待たせしてすみません。こちらにどうぞ」
子どもの小さな机を向かい合わせにして、先生は私を促した。
「暖かくなりましたね。今日はお忙しいところ、学校に来ていただいて、ありがとうございます」
大学ノートを広げ、今日の日付を書き込む。
「コウタくん、休み時間は元気に外で遊んでました」
ノートの上で指を組むと新居先生は今日の面談の内容を話し出した。
2年生になって、学校は休まず、また相談室にも行かないで、教室で頑張っている
ただ、去年、相談室にいたということで学習面で遅れがあり、それを本人が周りと比べ、気にし出して来ている
友だちとは本来のコウタくんの優しい可愛いところがあって、だいたいダイチくんと一緒にゆっくりくっついて遊んでいる
ただ大人数になると、外からみんなが遊んでいるのを見ている
「それでぼくが気になるのは、周りの子たちに気を使っていて、本来のコウタくんじゃない気がします。何だか人に合わせていないとダメに思ってる」
ん?
それはコウタの性格なのでは…?
「コウタくん、相談室ではもっと怒ったり泣いたり笑ったりしていたと思うんですよね。それが激しいってことじゃなくて、もう少し、自分の気持ちを外に出していた。だけど、教室ではなんだろう…早く自分を周りと同じにしたいと焦ってる感じがします」
焦ってる?
ふいに斉藤先生が言った“焦ってませんか?”の言葉が思い出され、私は新居先生を見た。
「…焦って、る?」
私はもう一度、繰り返した。
「ぼくはもっとコウタくんが自分の気持ちを言ってくれていいと思います。最初はぼくに対して遠慮かと思いましたが、言葉に迷ってるところがあります。…もしかしたら、相談室に行かないためにはどうしたらいいのか、
コウタくんが考えているのかもしれません」
新居先生はふぅと息をついて、腕組みをした。
「コウタくんにはまだまだ周りの
サポートが必要に思います。」
私は目を伏せた。
「…相談室はコウタが行かないんですよね」
「はい、行きたいようですが、ここにいなくちゃと無理しているようです…家の様子はいかがですか?」
私は下を向いたまま、答えた。
「家では、先生の話ばかりで…
コウタは何も話してないです」
…コウタ、、、。
自分の視界がぐらりと揺れた。
「お母さん?大丈夫ですか?」
新居先生が心配して声をかけてくれる。
私は鼻をすすって、カバンからハンカチを取り出した。
「…ごめんなさい。私、全然、気付きませんでした。コウタは楽しくて嬉しくて、学校に行っているんだと思っていて」
「いや、ぼくの力不足です。もっと早くにお母さんにも相談しなくちゃいけないのに」
私は小さく首を振った。
「コウタくんが自分の気持ちを抑えないで済むように、ぼくも見ていきますから」
「私は知らず知らずのうちに、
コウタの話を聞いてなかったのかもしれません。コウタの気持ちを無視して、私は自分の気持ちを…」
私はまたうつむいてしまった。
斉藤先生の言葉が耳の奥で響く。
“コウタくんはコウタくんのままでいい”
「コウタくんはお母さんの気持ちに応えたかったのかもしれないし、誰かの期待に応えるってその人のことを好きだからなんだと思いますよ」
私が顔を上げると、新居先生がねっ?と優しく笑っていた。
家に帰るとコウタがすぐに私のところにやってきた。
「先生と何、話したの?ボク、先生、好きだよ。先生のクラスがいいッ!」
私は力なく、コウタな頭をなで、
「大丈夫だよ。コウタは新居先生のクラスだよ」
コウタは背伸びするように、身体に力を込めて言った。
「ボク、頑張るよ!まだ難しい漢字は書けないけど、みんなとおんなじになるから!さんすうも好きになるッ。だから…お母さん、ボクを…」
…コウタの言いたいことを全部、言わせたくなかった。
私はコウタを抱きしめて、もういいよ、大丈夫だよと優しく言った。
コウタの小さな肩に顔をうずめる。コウタの身体から力が抜けて、少しすると、私の背中をポンポンッとした。
「コウタ?」
「ボク、お母さん、好き」
身体を話してコウタを見ると、照れて笑うコウタがいた。
「お母さんもコウタのこと、好きだよ」
おでこをコツンと合わせて、私も少し照れて、でも、嬉しくなって、またコウタをぎゅっと抱きしめた。
⚠(´・ω・`)注意
夕方、家の電話が鳴る。
携帯からだった。
私はため息をついた。
「はい、田村です」
受話器の向こうから、気だるい重そうな声が聞こえてきた。
「…コウタくんのお母さん?」
「うん、どうしました?」
「あのねぇ、あっくんがぁ…」
あっくんこと、横井 アツシくん。
コウタと同じ小2。
家庭支援センターで知り合った親子で、その後、引越し、今は別の市の小学校に通っている。
「学校であれやこれができないから、友だちにバカ言われて…」
小学校に入ってからどうやら苦労続きのようで、彼女から愚痴りの電話が来るようになっていた。
私もそんなアドバイスなんてできる立場じゃないけど、お互い、近況を話して、頑張ろうね!と電話が切れたらいいけれど、彼女の場合は違っていた。
「担任の先生に言ってもぉ、あっくんが悪いって。あっくんが手を出すって。それでぇ、あっくんに学校行かなくてもいいって言うんだけどー、あっくん、学校に行くんだって」
「うん」
私は聞き役に徹するだけ。
⚠(´・ω・`)注意!
「相手の親からー、電話がかかってきてぇ、いつも親が悪いだの、ふざけるなばかり言われてぇ。学校来るなって言われてー、私は行かなくていいって言うんだよ。でも、あっくんが行くって。僕は普通だって」
「うん、そんな電話やだね」
「えっ!?何?聞こえないッ」
私は少し大きな声で繰り返す。
「うん、やだぁ。コウタくんはどう!?大丈夫!?」
「うん、コウタは教室にいるよ」
「え?聞こえないよ?」
「教 室 に い る よ」
「教室にいるんだぁ。コウタくんは何も言われない?バカとかぁ死ねとかぁ」
これが延々と30分続く。
語尾をのばして話す話し方も本人は全く意識していない。
彼女の中でストレスが限界までくると精神的に不安定になる。
ストレスで耳も聞こえにくくなる。
あっくんのことで“困ってる”を通り越して、壊れてしまう。
彼女と話しているとそう感じる。
寒い冬から少しずつ暖かな陽気へと移り変わり、気持ちもホンワカとしていた。
大変だったコウタの1年生が終わり、桜の咲き誇る季節にゆったりゆっくりしていた私。
斉藤先生には2月終わりに指摘されていた今回のこと。
言葉に出していなくても、コウタは私の気持ちを敏感に感じ取り、また自分の気持ちを抑えて、教室や周りと一緒にいようとしていた。
小山さんに会って、私はここ数ヶ月のことを話した。
コウタは久しぶりに支援センターの中に入って、以前、訓練に通っていたときにお気に入りだったおもちゃで出してきて遊んでいる。
「コウタくんの成長だね。
お母さんの気持ちにコウタくんが気付いたのも、周りと自分の違いに気付いたのも、コウタくんがこの1年で成長したからだよ」
いいことじゃないと小山さんは
ニコちゃんになった。
「でも、私の気持ちにコウタを振り回してるようで…斉藤先生にも
コウタをちゃんと見てって」
斉藤先生にじっと見られたとき、目をそらしたのはそんな気持ちを見透かされたような感じがしたからだろうか?
「いいのよ、斉藤先生が何て言おうと!
お母さんはよくコウタくんのことを見てるわ。斉藤先生もいろんな子どもたちを見ているだろうからね。こういうことじゃないかってパッて分かったんだと思う。でも、お母さんはコウタくんだけでしょ?
ちゃんと説明しない斉藤先生も良くないわ」
小山さんは大らかに笑い声を上げたかと思ったら、急に声をひそめ、私に小さく、おいでをした。
「ね、新居先生、若くて熱心でかっこいい先生よね」
ニカッと小山さんは私と目を合わせる。
私はポッと頬が赤らんだ。
その週の金曜、コウタの通級日。
いつも斉藤先生の話を聞いて帰るだけだったけれど、小山さんの大らかな笑い声とともに“気にすることない”と言ってもらえた気がして…
「斉藤先生…1年生の終わりに先生が私に“焦ってませんか?”って言いましたよね」
「え?ああ…でも、今はコウタくん、落ち着いてきてますよね。お母さんも…新居先生が受け入れてくれてるからかな」
私は少しためらってから、
「どうしてあのときに何も言ってくれなかったんですか?」
ストレートに聞いてみた。
斉藤先生は間をあけ、何かを思い出して…優しく笑っただけだった。
きゅん…
「コウタくんもお母さんも元気になって良かったです」
斉藤先生はそれだけを言うと、それじゃ、またと一礼をして帰っていった。
きゅんって…
あれ?今の何…?
新居先生と面談してから、コウタは新居先生手作りの宿題も合わせて持って帰ってきていた。
ひらがなやカタカナ、拗音の入った言葉を使って、新居先生のオリジナルの絵に合わせて正確を書いたり、穴埋め文字や虫食い漢字、迷路やしりとり文字埋めをしたり…簡単な計算式や絵の数を数えたり、動物クイズや□○△を使って絵を書いたり…コウタは楽しみでその宿題は大好きだった。
合わせて、みんなと同じ宿題を半分以上でできるところまでと新居先生と相談したらしく、それも頑張っていた。
今日は頑張った!とコウタが思うとき、宿題でもテストでもノートでも、新居先生のオリジナルキャラの怪盗が登場する。
コウタもクラスの子もそのキャラが大好きだった。
「コウタくん、どうですか?元気にしてるかな?」
私が前の人と入れ替わりで教室に入ると新居先生が言った。
今日は個人面談…。
コウタのことで、電話や新居先生の空き時間にちょこちょこ話していたので、面談と言っても、それほど話すことはない。
「って言っても、一昨日に話しましたね。何回も学校に来ていただいて恐縮です」
コウタがずっと学校を休み始めるようになって2週間ほど経った頃の面談だった。
「コウタくん、学校に来ているときは楽しく笑って、友だちとも遊ぶし学習も遅れてるわけでもなかったんですが…何かあるんでしょうね」
「私も時間と気持ちの余裕があるときに聞いてみるんですが…いつもの答えで」
「それで、いけないことなんですが…メールで朝のやり取りができたらいいかなと思っていて、メルアドの交換をと思ってます」
メール?
メルアド?
「…先生、ありがとうございます。
でも朝はやっぱり大変だと思います。力づくで連れて行こうとは思っていないし、先生が声をかけて下さったら、コウタも気持ちが揺れると思います。
けど、お迎えに来てくれた先生とコウタが急に行きたくないと思ったとき、先生にご迷惑とコウタが先生に応えられなかったって別の意味で先生と距離ができてしまう気がします」
「コウタくん、イヤかな?」
「新居先生が大好きだからですよ。先生は“学校で待ってるよ”って言って下さるのがいいと思います」
私はコウタのことをいっぱい考えてくれたことが嬉しかった。
メルアドの交換はしなかった。
…このときは。
と、ちょうど次の面談の村山さんが来たところだった。
私は軽く村山さんにあいさつ。
「もう少し、話したかったな」
それはとても小さな呟きだった。私はすぐ隣に立つ新居先生を振り返る。
「田村さん、また。ありがとうございました」
村山さんは「遅れたーッ」と新居先生にドンッと身体を軽くぶつける。
「田村さん、お疲れさま~。先生のお見送り付き?いいなぁ。先生、私も送って♪」
「え?こうして出迎えたのに?やです」
「えーッ、じゃ今度のお楽しみ会、先生の嫌いなニンジン使っちゃお!ニンジンパンケーキ(笑)」
「それはやめてください💦」
村山さんはクラス役員…。
普段から接する機会が多い分、からかい口調に新居先生をいじる。
そして、いつものじゃれあい。
ちょっとうらやましかった。
11月に入り、今度は通級の個人面談。
こちらは時間に余裕があり、30分枠。
コウタがずっと学校を休んだままのときに面談をした。
斉藤先生はいつになく冷たい雰囲気で…もしかしてご機嫌ななめ?
「今日はお忙しい中、ありがとうございます」
斉藤先生はそれだけ言って黙ってしまった。
うわー何だろ?
話しにくい…。
「先生?…何かありました?」
「あ…いえ、さっき、新居先生と電話で話したんです。少しだけ」
新居先生と電話?
「お母さんを戸惑わせないで下さいと言われました。自分がよけいなことを言ってるみたいですね」
えーッ、新居先生💦💦
「コウタくん、今、学校に行けなくなっていますよね。
友だちや学習のことで何か言ってますか?」
早口ッ…
「特には。朝、学校に向かうまでがイヤなのかな?って最近は思っていて」
「コウタくん、こちらでも学校のことは言わないのですが、案外、新居先生が苦手なのかもしれませんね」
さらっと斉藤先生は言った。
「いえ、コウタは好きですよ」
しばらく、沈黙が流れた。
流れる空気が重たかった…。
小山さんのところから帰る途中、コウタには買い物をしてくると言って出てきたから、大型モールの中にあるスーパーに寄った。
最近、はまってるコウタのお菓子を見ていると、
「田村さーん♪」
と声をかけられた。
村山さんだった。
「買い物?ねぇ、コウタくん元気?」
するりと身体を寄せてくるのはいつものことだった。
「うん、元気。コウタの好きなお菓子を見てて」
「あ、それ、おいしいんだよね。ミナミにも買っていこっと」
私が手にしていたお菓子と同じものを商品棚から取る。
「ねぇ、今度、生活科で郵便局に行くよ。コウタくん、どうかしら?」
うーん…まだ分からないなぁ。
「ミナミ、コウタくんに会いたいって。早く学校、来ないかな?って言ってる」
ちょっと苦笑い。
「でも、ホントに待ってるよ。毎日じゃないけど、新居先生もコウタくんの話をしててね。あ、ほら、あの話。面白かった!」
クックッと村山さんは思い出し笑いをした。
コウタはダイニングの椅子にぺとんと座り、
「……何てあいさつするの?」
目を伏せて、お菓子の袋をいじる。
「朝だったら、“おはようございます”だよ。それで“今日は帰ります”だけ」
コウタがびっくりした顔をした。
「先生、怒るよ」
「大丈夫。先生、怒んないよ」
「先生、学校おいでって言うよ」
「言わない」
「じゃ、一緒に勉強しよって言う!」
「言わない」
つとコウタは黙った。
「…先生は何も言わないの?」
私はちょっと考えた振りをしてから、
「“分かりました。また明日”って言うかも」
「ボクの言ったことに質問しない?何も聞かない?」
コウタのネックはここだった。
そして、小山さんの作戦のポイントなのだ。
「うん」
私はニコニコした顔でうなずいた。
コウタは私の顔をじっと見つめて、
「学校に…行ってみる」
と小さな声で言った。
夕陽が傾き始める頃、私は新居先生を訪ねて、教室にいた。
新居先生には小山さんの作戦とは伝えずに、簡単に話をした。
「コウタを学校に連れて行きます。それで、しばらくは先生にあいさつをして帰ります。
先生はコウタを引き止めないでほしいんです」
「コウタくん、学校に来ますか?」
「連れてきます。まだ友だちには会えないので先生の空き時間や休み時間とかにしますね」
「はい」
「それで、コウタは今日は帰りますって言うので、先生はたとえば“分かりました。また明日”って感じでお願いします」
私はどんなお願いをしているだろうか?
たったそれだけの会話は、ようやく学校に来たコウタを逆に突き放している感じもしなくはない。
新居先生が黙っている。
「…それで、コウタくんは何か変わるんですか?学校に来れるのだったら、ぼくのところにいてほしい」
「ごめんなさい、先生。コウタは今までずっと休んでました。泣いたりわめいたり、力いっぱい私にもイヤだと言って学校に来なかったです。少しの間、コウタのリハビリだと思ってください」
新居先生はまた黙ってしまった。今度は考え込むように。
「…分かりました。引き止めません」
私はその言葉を聞いて胸をなで下ろした。
「ありがとうございます」
明日から連れて来ることを伝えて私は教室を出る。
振り返ると新居先生は窓際に寄りかかり、オレンジ色の西の空を遠くに見ていた。
「あの…コウタは新居先生のこと、好きですから」
新居先生は寂しそうに小さく会釈した。
「…ぼくがコウタくんにできることって、ないんですね」
それは消えそうなくらいの哀しい声だった。
新居先生は小さく小さくふっと息を吐くと、その場にしゃがみ込み、コウタに声をかけた。
「いいよ。先生、待つよ。久しぶりだから、コウタくんの顔が見たいけど、我慢する!…コウタ、手でバイバイ」
恐る恐る振り向いてる私を見上げるコウタ。
私がうんとうなずくと、コウタはまた恐る恐る手だけを出した。
…バイバイ👋。
「ん、コウタ、また明日」
新居先生が言い終わるかどうかの内に、コウタは私から離れ、一目散に今、来た廊下を走っていった。
走り去ったコウタの背中を見送りながら、小さなため息…。
それは、私と新居先生のコウタがここまで来れた安堵感とこれから先への不安感が入り混じった…小さなため息だった。
いつもなら斉藤先生は“また来週”と言うけれど、今日で今学期はおしまい。
今度の通級は3学期…なので、
「さようなら。良いお年を」
が、先生の別れのあいさつだった。
「先生も良いお年をお迎えください」
私もペコリと頭を下げた。
コウタを呼んで帰ろうとすると、戻りかけた斉藤先生が私を呼んだ。
「お母さん、登校シールがコウタくんには向いてると思いますよ」
斉藤先生は私の顔をしっかり見て、
「手帳でもいいので学校に行けたら、あいさつだけじゃなくて、シールを張るんです。そうするとコウタくんも自分が頑張ってるのが分かりますよ」
そう言い残して戻っていった。
私は返す言葉が見つからないというより、何を言われたのか、そのときはよく分からなかった。
斉藤先生に、私が先生と話したがらないのを察しられているのも気付かれているなんて、もっと分からなかった。
シール?
手帳?
“登校手帳+シール”
そんな感じで頭にポワン💡と浮かんだ。
土日の休みに100円shopで手のひらサイズの手帳と文房具屋さんをめぐり、可愛いどうぶつたちが✨👑✨ピカピカ王冠をかぶってる
シールを見つけた。
コウタに見せたら、なかなかご満悦な様子でシールを眺めてニタニタ🎵していた。
そんなコウタを見ていて、私は通級の連絡ノートをふと思い出した。
1年生のときの担任の先生との面談を頑張ったとき、斉藤先生が連絡ノートにコウタと同じ😺シールを張ってくれたっけ…。
あのシールを見つけたとき、自分の頑張りを応援してくれて、認めてもらえて、見守ってもらえていたように思えた。
すごく嬉しかった…コウタも同じかな?そんな感じなのかも。
コウタのニタニタ🎵を見ていて、そう思った。
小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。
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