悲しい女
短編小説です…
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どうしたのだろう
49日前は、まだ自宅に魂が居ると聞いたことがある…
お別れに来たのだろうか?
でも あの厳しい顔…
寂しそうな後ろ姿…
何かを言いたいのだろうか?
女の事を詫びたいのか?
世津子はぼんやり仏壇の健一を眺めていた…
それから、たびたび健一は世津子の夢の中へ現れて…消えた…
健一が何か言いたそうで…
世津子は気になって仕方なかった
不倫していたとしても、もう健一はこの世の人ではない
それより、幸せだった28年間が世津子には確実にあるのだ…
健一が何か大切な事を伝えたいとしたら…
安心して眠りにつけないとしたら
亜希子が来てから数日がたっていた
傘はまだ玄関にあった…
亜希子は健一の骨まで欲しがった…
異様な予感がしてならない
たとえ健一に裏切られていたとしてもいい
本当の事が知りたい
世津子は亜希子に会う決心をした…
健一の会社の友人、藤田に夜電話した…
健一の葬儀では一番に協力をかって出てくれた人だ…
まずは、そのお礼と…
幸田亜希子の事をそれとなく聞く為だ
まさか 二人がどんな仲なのか…なんて聞ける訳もなかった…
幸田亜希子は確かに存在していた…
藤田は余計な事はなにも言わなかった…
それは、当たり前といえば至極当たり前の事だ
電話で健一が不倫していたなどと話せる訳がない…
だが…亜希子へ傘を届けたいという理由を話し…
住所だけは聞き出せた
亜希子の住む所までは結構な距離があった
車で一時間ほどかかってしまった
亜希子が西本建設に通うにしても、かなり遠いはずだ…
亜希子の家へ着いた
『幸田』表札があった…
あまり新しくない一軒家だが…庭は手入れが行き届き…小綺麗な感じだ…
勿論連絡などしてはいない…
さすがに突然の来訪は、かなりの度胸が必要だった…
ピンポーン
押した
何から話そう…
何を聞きたいのか…
ドアが開いた
世津子より年配の女が顔を出した…
髪を後ろに束ねて、化粧っ気のない肌は自然の艶があった…
亜希子の母親だろうか?
「どちら様?…」
世津子「津川と申します…幸田亜希子さんのお宅でしょうか?…」
「津川さん?…亜希子は仕事からまだ帰っておりませんが…よろしかったら中でお待ちになりません?…」
世津子は傘だけ置いて帰るわけにはいかない
時間をかけてわざわざ来たのだ…
決着をつけたい
世津子「待たせて頂いていいですか?…」
待たせて貰う事にした…
中へ入った…
短い廊下のすぐ右にリビングがあった…
ゆっくり女の後ろについて行った…
「お茶でも入れます…ソファーにどうぞ…」
女は愛染良く言うと、台所へ行った
世津子「すみません…おかまいなく…」
ソファーに腰掛け部屋を見渡すと
古いサイドボードの上に写真立てが何枚か並んでいた
一枚の写真を見ると
桜満開の下で 若い女が笑っている
その隣に学生服の男子…
見覚えがある…
まさか…
これは!
健一?!
似ているだけなのか?
世津子はバックからメガネをとりだし…
じっくり見た…
ずっと昔の若い日の健一だ!
古くても写真は鮮明で顔ははっきりしている
なぜ?
どうして?
こんな所に健一が??!
「さ~どうぞ…」
女がお茶を運んで来た…
世津子「あの…この写真…」
世津子の指が写真を指差している
女はお茶を一口飲むと
「一生黙っているつもりだったけど…
あなたが来てしまったから…
それは、私と…健一さん…津川健一さんです…
あなたは…奥さん…ですね?」
そう言って世津子を見た…
世津子は驚いてたが
世津子「はい…健一の妻です!」
はっきりそう言った
だが…
訳がわからない
世津子の夫を健一さんと呼ぶこの女は?
世津子 「ど…どういう事ですか?…」
「…まぁ…落ち着いて、…お茶でも飲んで下さいな……
私は、幸田紀子と申します…」
世津子には始めて聞く名前だ
「そうですか…健一さんは、何も話してないんですね…
健一さん、亡くなったんですってね…」
健一は昔からの知り合い?
親戚か?
でも親戚なら健一にさん付けなどするだろうか?
世津子の知らない健一の過去がある…
この女は一体何を言おうとしているのか?
世津子は…恐ろしくなったが
聞かなければ…
世津子は覚悟を決めて紀子という女に…問い詰めた
世津子「あの…あなたと夫はどんな関係なんですか?…」
女は答えた
紀子「健一さんが高校生の時塾へ通っていたの…
今でいう進学塾みたいな…
私はそこの教師をしていたわ…
その写真は、健一さんの大学の合格発表を見にいった時…
それが健一さんと会った最後になってしまったわね…」
紀子は遠い記憶をたどるように
話し続けた
そして…
紀子「これは、二人しか映ってないけど…本当は…三人映っているの…」
…どう見ても二人だ…なんのこと?
紀子「私のお腹の中には…赤ちゃんがいたの…健一さんのね…」
世津子「……!」
世津子は凍りついた…
紀子「驚いたでしょう?…
あなたを苦しめようなんて、思っていません…
でも聞いてほしいの…」
紀子の話しを遮るように
世津子「夫は健一は…知っていたんですか?」
早口で聞いた…
紀子「知らなかったはずよ…教えてなかったからね…」
世津子 「まさか…まさか…亜希子さんが?!!」
紀子「そう…健一さんの子です…」
紀子は…頭をゆっくり下げて頷いた…
亜希子は、健一の娘だったのか…
不倫相手ではなく娘だったんだ…
世津子「…でも…なぜ…赤ちゃんが出来た事を健一に言わなかったのですか?…」
紀子「たった一度の…関係で亜希子が出来てしまった……
でも健一さんはこれから大学へ行く人…
健一さんの御両親もどんなに息子さんに期待していたことでしょう…
結婚なんて有り得ないでしょう?
だって私…健一さんより7つも年上なんですよ…フフ…」
世津子が動揺しているのに…
紀子は落ち着いている…
世津子「どうして産もうと?…」
紀子はかすかに微笑んで
紀子「おろしても良かったんですよね…私もまだ若かったし…
…先にどんな幸せがあったかも……
でも…健一さんの事が…好きだった…
忘れられなかった…
結婚できなくても
…子供がいる…
それだけで嬉しかった……」
健一が18の時の子供…
亜希子は、37歳…
37年もの長い間?…
世津子「…もし健一に妊娠した事を話していたら、健一はどうしたでしょう?」
紀子「…さぁ分からない……。」
世津子「その間…結婚は一度も?…」
紀子「一度結婚したんです…でもダメでした…」
紀子は子供のように肩をすぼめて小さく笑った…
世津子「…でも亜希子さん、夫と同じ職場ですよね…それは?…」
紀子「亜希子が物心ついた時…
私にはどうしてお父さんがいないのって私に聞くんです…
一度だけ…津川健一
…この人があなたのお父さんよって教えました…
覚えてたんですね…
たまたま友達と行ったファミレスで、健一さんが名刺を落として行ったらしいです…
名前を見て…
父親に会いたかったんでしょうね…
長く勤めた教師を辞めて西本建設へ職替えしたんです……」
あの時…亜希子が言った言葉
津川さんは、私の…
私の…お父さんよ
そう言いたかったのだ…
世津子は…切なくなった…
玄関に人の気配がした…
亜希子 「ただいま~お腹すいた~あら…お客さ…」
亜希子は世津子に気づいて、口を噤んだ…
そして世津子をキツい目で見た…
紀子 「アキちゃん…もう、みんな話しちゃったから…
あの…亜希子がなんか無理なお願いしたらしいですが…気になさらないでくださいね…」
世津子 「はい…」
亜希子に目をやると顔の表情はすでに和んでいる…
亜希子「私…お父さんと何回かランチしたの…とても嬉しかった……死んだなんて…だから…せめて…遺骨だけでも欲しかった……誤解されるような事して…ごめんなさい…」
亜希子は…
わっと泣き出した…
世津子「…そうだったの…もういいのよ…
私もいらない詮索して…
それで?…
どんなお父さんだった?…」
亜希子 「娘だと分かったら、驚いていました…一緒に泣いてくれました…
でも…とても…可愛がってくれて………」
亜希子は泣きじゃくりながら話した…
紀子も泣いているようだった…
世津子 「夫は、私には一言も言いませんでした…」
紀子「健一さん優しい人だったから…奥さんに心配かけたくなかったんでしょうね…」
でも…
好きな人の子共を たった一人で産み育てる…
その父親は、他に家族がいるのに…
そんな事夢にも思わず…世津子は健一と幸せに暮らしていたというのに…
37年も…ただ一人を愛し続けて
ひっそりと生きていた親子…
そんな女に…私はなれない…
そう世津子は思った…
紀子と亜希子が…世津子の車を見送りに出て来た
世津子は運転席の窓を開けて
世津子「あの…紀子さん、…まだ健一を愛していますか?…」
そう…聞いてみた
紀子はにっこり笑って
紀子 「さぁ…それは…内緒…」
世津子は幸田家を後にした…
それから…
何ヶ月かして
健一の墓を建て
家族で納骨式をすませた…
世津子は…
健一の最近の写真と、遺骨の一部を幸田家へ送った…
…完…
今日も1日仕事を終えた…
駅のホームへ降りると、冷たい風が頬から耳へ突き抜けて行く
コートの襟を立て改札口を出る
スーパーで、一人分の食材と赤ワインを一本買った
イルミネーション華やかなアーケード街を抜けると
雪がチラチラ舞っている
落ちては消える…
淡くて弱い雪の上を、小走りにアパートの部屋へ向かった
カンカン…カンカン…
階段を登り鍵を回す…
底冷えのする暗い部屋に明かりをつけ
コタツで丸くなった
少し温まったところで、台所へたち煮込みうどんを作る…
ワインを一口飲み小さい土鍋に入ったうどんを…つっつき始めた
リモコンに手を伸ばし、テレビをつけると…
大きなクリスマスツリーが画面いっぱいに煌めいていた
若いカップルや家族連れが、それを楽しそうに見上げている
見知らぬ都会の街並みだった…
…今年もクリスマスだ…
沙織はクリスマスが嫌いだ…
お盆や正月や誕生日より…
何故か、クリスマスは…
寂しさが、しみじみ身にしみた…
20代最後のクリスマスなのに…
今年もたった一人…
沙織はうどんを、半分も食べないうちに
箸を置いて…ワインを飲み始めた
やがて…コタツでウトウト眠ってしまった
熊木沙織、29歳
独身…
朝の出勤途中…
国道手前の路地裏には…
赤提灯の店が10軒ほど並んでいる
その中に最近開店した、居酒屋…
『桐畔』があった
先週末…会社の後輩の久美子と宴会の帰り、なんとなく入った
職人気質で無口なマスターと…
パートの女の子だけの、こじんまりとした、静かな店だった
居心地の良さに女二人で、ついつい話し込んでしまい
とうとう閉店まで居てしまった…
その『桐畔』の、前を、今朝もマスターがほうきで玄関前を掃いている
一度しか飲みに行っていない
それにもかかわらず
マスターは
「おはようございます…」
そう沙織に声をかけてくる
開店してまだ間もないせいか
お客様を大事にしているのだろう…
沙織「おはようございます…」
沙織も軽く会釈をし、通勤の人波に紛れて通り過ぎた…
退社時間の6時にもうすぐなろうとしていた頃
上司の前田から
前田「急に、この資料明日まで10部作んなきゃないんだよ、手伝ってくんないかな?…」
沙織「残業ですか?…」
沙織は辺りを見渡し…
…別に私じゃなくても若い女子社員がいっぱいいるじゃないですか…
そんな視線を前田に投げかけた
が…
前田「…若い子達は…みんな用事があるらしくって……キミなら…いや…キミにしかこの仕事は頼めなくて…悪いけど…」
沙織「………はい…」
沙織はしぶしぶ承諾した
用事がないのは…私だけってことなんだ…
ムリヤリ自分も用事を作れば良かったかも知れない…
誰だって好き好んで残業なんかしたくはない
沙織は性格的に、はっきり断る事ができない自分に腹がたった…
その、はっきり断れない性格を、前田も分かっていて頼んでいるのだろうか…
前田をはじめ…男性社員達は、若い女子社員には、チヤホヤする
そのくせ…頼みづらい事は、いつも沙織に押し付けてくるのだ…
沙織が何年か前に
30過ぎても居座る女子社員の事を、
…あの人の給料で…新卒者の二人は雇えるのによ、早く辞めてくれないかな…
そう陰口を叩く上司の言葉を聞いたことがあった
自分も今、そう思われているのだろう…
だから少々理不尽な仕事が回ってきても、沙織は黙って引き受けていた
時間は8時を過ぎていた
前田「そろそろ出来上がる…あ~良かった…助かったよ…」
沙織「じゃ…私はこれで…そろそろ帰ってもいいでしょうか?…」
前田「ありがとう…どう帰りに一杯?…」
前田が口の横で指を丸くして言った
沙織「いえ…もう遅いんで帰ります…」
机の上を片付けながらそう言うと
前田は後ろからいきなり沙織に抱きついてきた
そして…
強引に唇を重ねようとしている
沙織「止めて下さい…なにするんですか?」
机の上に沙織を押し倒そうとしながら
前田「いいじゃないかちょっとぐらい…キミだって、…寂しいんだろ…」
前田はタバコのヤニ臭い息を近づけてくる
…馬鹿にして!…
はらわたが煮えくり返った
沙織は机の上にあって右手に触れた物、それがなんだか知らないが
前田を叩きつけた!
前田が額を痛そうに手で庇った瞬間
ドアへ走った
前田は祓いせに
最低な言葉を沙織に投げつけてきた…
前田「あんた…いつも、寂しい寂しいって顔してるよ!…慰めてやろうとしてんだよこっちは…チェッ!!…」
沙織は思いっきりドアを閉め
コートとバックを握りしめると
木枯らしの外へ飛び出した
…
残業まで引き受けて…
挙げ句が慰めてやる?…
ふざけんな!!
最低なヤツ!!
馬鹿やろう!!
馬鹿やろう!!
…?
慰めてやる?
誰を?
私を?
寂しそう?
私が?
私が寂しそう?
媚びてでもいるように思われたのか?
惨めだった…
電車に飛び乗り
気がつくといつもの
イルミネーションアーケードの中を歩いていた
沙織は立ち止まった
一人の部屋へ帰りたくなかった…
バックから携帯を取り出し
友達の久美子に電話をした
久美子「もしもし…沙織?どうしてた?…」
久美子の声にホッとして…涙が溢れて声が詰まった…
沙織「…」
久美子「あ~沙織なんかあったんでしょう~元気ないな~」
久美子は結婚して四年前、沙織を残し…会社を辞めた
だが…旦那の度重なる浮気にとうとう離婚を決め
3歳の子供を連れ…調停中で実家へ帰ってきていた…
沙織「なんか…頭に来てさ~」
久美子「どした?…飲みに出る?
私もモヤモヤしてたとこなんだよね~
マユも寝たし…今どこ?」
沙織 「良かった来れる?」
10分ほどして白いマフラーを巻いた久美子が現れた
二人は『桐畔』へ向かった
「いらっしゃいませ~」
店は平日にもかかわらず…混んでいた…
10人ほど座れる畳み席は全てふさがり
カウンターの中から
「こっちへどうぞ~」
マスターの声がかかった
カウンターへ座った…
久美子「とりあえず生2つだね…」
ビールで乾杯した
冷えたビールは、さっきまで煮えくり返っていた
はらわたに…キュッと染み渡って行った
久美子「…あははは…それで?
なんで殴ったの?手に何を持ったわけ?
明日…前田のデコにタンコブできてんじゃね?
…うける~」
沙織も笑った…
沙織 「あ~なんか話したら、さっぱりしたよ~
ごめんね久美子もタイヘンな時に…」
久美子「いいって、いいって、
慰謝料は相手も納得したのよ、
後は親権争い…
マユは絶対渡さない…」
久美子が口を堅く噤んだ
沙織「そう…久美子負けないで!!
飲もっ!!飲もっ!またビール?なんにする?」
久美子「ビールじゃなくて……」
久美子が迷っていると
「カルピス杯ですか?」
マスターが言った
前に二人で飲みに来た時に頼んだカルピス杯
ちゃんと覚えていてくれたんだ…
…てか 二人の話しはマスターに筒抜けかも知れない…
だが…その振りも見せず
黙々と清潔な指先で刺身の盛り合わせを作っている…
久美子「そう…カルピス杯2つ…」
やがて座敷の客は居なくなって
愛ちゃんというパートの子がテーブルの上を片付け出した…
また店内は二人だけになった…
マスターは奥へ行って石油ストーブを運んでくると
二人の後ろへ置いた
客の出入りで戸が開くたび、冷たい風が二人を吹き付けていた事を
気にかけてくれていたのだろう…
さり気ない優しさが嬉しかった…
マスターは相変わらず無口で二人の話しに割り込む事はしなかった…
何日かして…
前田のタンコブが普通に戻った頃
沙織に突然の移動があった…
営業から製造へ移る事になった
製造は工場二階に事務所があった
会社の中では製造の事務は、いてもいなくてもたいして支障はない
半年も前に事務が辞めてからは空席になったままだ
…ついに降格か…
あのタンコブ野郎にやられたと沙織は思った…
いっそ 会社を辞めてやろうかと思ったが…
この不景気に正社員として雇ってくれる所が簡単に見つかるとは思えなかった…
さて…仕方ない…
沙織は腕を捲った…
作業員が工場行き来するため
製造の事務所はホコリにまみれていた…
沙織は…
バケツと雑巾で部屋中きれいに磨きあげた…
そこへ係長の鈴木が入ってきた
鈴木「ほぅ~綺麗になったなぁ~熊木…」
沙織 「え?私の事ですか?…」
鈴木「お前じゃなくて事務所の中だよ…なに勘違いしてんだ~がははは」
沙織「係長…よろしくお願いします」
鈴木は…酒のみだが…冗談好きで話しは面白い…
宴会ではいつも沙織を笑わしてくれた…
50代半ばで頭も薄く…出世は遅い
課長よりはるかに年上だ
鈴木「まぁよろしくな~」
沙織の肩をポンと叩くと…
携帯がなり 忙しそうに現場へ向かった
その鈴木の後ろ姿を見ながら
前田の下で働くよりはよっぽど気楽でいい…
沙織はそう思った
そんな…会社からの帰り道
桐畔の前にマスターがいて
暖簾をしまいかけて…沙織に気づいて目があった
沙織 「こんばんは~」
「あ~この間はどうも…今日は、もう閉めようかと思いましてね…」
…まだ…8時前だ
沙織「え?ずいぶん早いですね…」
マスター「愛ちゃんが休んじゃったし…それに私も…ちょっと風邪気味でして…」
沙織「あ~そうですか~おだいじにね…」
沙織が立ち去ろうとすると
マスター「あッ!…でも…おでんをいっぱい仕込んじゃって…ご飯まだなら…食べていきません?…」
マスターが呼び止めた…
沙織「いいんですか?…今夜何食べようか…考えてた所でした…嬉しいです…」
マスター「どうぞ…今…暖簾片付けてしまいますからね…」
湯気のたつ鍋から…大根 ちくわ 牛スジ 卵 がんも…
マスター 「さ…熱いうちに…遠慮しないでどうぞ…」
あまり広くない店だが、二人でいると…広く感じた
久々のおでんは味がよく染みていた
沙織「美味しいです…とっても…」
マスター「もし良かったらビールもどうぞ…私に付き合って飲んで下さい…」
沙織にコップを渡すとマスターはビールを注いだ
角刈りでさっぱりした頭…太い眉…きりっとした目鼻立ち
誠実と清潔感が漂っていた…
沙織は…
マスターはステキな男性だと思った…
だけど沙織が気にいった男達はみんな結婚していた…
沙織「まだ帰らなくていいんですか?…家族は?」
家族がいたと分かったら
余計寂しくなるだろう…
だが、他にこれといった話題もなかった…
マスターが初めて自分の事を言う…
マスター「自分ですか?…独り者ですよ…」
タバコに火をつけ…沙織に煙が行かないように
横にふーッと煙を吐き出した
沙織「 板前修行で婚期を逃したとか?…」
マスター「まぁそんなとこですかね…」
マスターが珍しく白い歯を出して笑った…
沙織「ここもお客さん増えたんじゃないですか?」
マスター「…お陰様でこの店も繁盛してましてね…実は…ここは支店なんですよ…本店は東京です…名古屋と埼玉にもあります…」
沙織はびっくりしてマスターを見た
マスター「ここが安定したら、誰かに店を任せて、東京へ帰るつもりです…そして…身を固めたいと思っています…」
…やっぱり恋人がいたんだ…
沈黙が流れた…
マスター「沙織さん?でしたっけ?…」
沙織は一瞬はっとしたが
即答した
沙織「そうです…」
マスター「いきなりで…なんですが…良かったら
…自分と付き合ってくれないでしょうか?…」
沙織は言葉を疑った!
沙織「わ…私とですか?…」
マスター「あの…失礼だとは思いましたが…
沙織さんとお友達との…その…
会話を聞いているうちに…
あ…立ち聞きしてすまないです…
あの…それで…
気になっていて…突然じゃ困りますよね…
返事は考えてからでいいので…その」
マスターは緊張しているのか
額から汗が吹き出ている
沙織は…ドキドキしていた…
まさか…私の事を?
夢のようだった…
なぜか急に涙がポロポロこぼれた…
マスターは…沙織の横に座り…
沙織の涙を指でふいて…
横から沙織を抱きしめた…
…溶けていきそうだった
今まで たった一人ぼっちで…
歯をくいしばり
頑張って…頑張って…
生きてきたのだ…
やっと自分を包み込んでくれる人が表れた…
嬉しかった…
マスターは沙織の顔を引き寄せ
軽くキスをした
そして沙織の耳元でささやいた
マスター「…愛してる…こうして二人きりになるチャンスをずっと待っていた…告白できて…
良かった…
返事はいそがないでいいからね…」
沙織「ありがとう…とっても…嬉しい…」
マスター「もう…泣かないで…」
濃厚なキスになった…
沙織は身体中が熱くなり下半身が敏感に反応して行くのが分かった…
マスターは沙織を抱き上げ
奥へ入って行った…
マスター「ごめん…もうガマンできない…」
沙織は身を任せた…
久しぶりに男の体に抱かれた…
裸で一つになった時…
もう一人ではない…
一人じゃないんだ…
そう心は甘く満たされていった…
鈴木「おいおい…熊木!なんかいい事あったのか?」
沙織「なんで?普通ですよ~」
鈴木「…顔に打ち上げ花火がバンバンあがっとる!…」
沙織の世界は大きく変わった…
人生は捨てたもんじゃない…
桐畔では 愛ちゃんがパートを辞めた
沙織は仕事が終わってから…お店を手伝うようになった…
店を閉めると…マスターと愛しあい
朝部屋へ戻って出勤する生活になって行った…
夜…
マスターが母親に電話をしたらしい
マスター「今代わるからね…」
沙織「もしもし…初めまして、熊木沙織です…お母さんですか?…」
「はい…達郎の母です初めまして、達郎がお世話になります…どうぞ一度おいでになって下さいね…」
優しそうなお母さんだった…
愛のある揺るぎない生活が続いていた…
鈴木「熊木…お前彼氏、できただろう?…」
沙織「ど…どうしてわかったんですか?…
…一段と綺麗になったとか?…」
鈴木「違う!…首にキスマークがついとる!…」
沙織「え〰〰っ!」
鈴木「うそだよ!…ガハハハ」
そんな楽しい毎日が過ぎ
クリスマスイブになった
お店が終わってから…二人は
ホテルの最上階のバーで夜景を見ながら乾杯した…
こんなに幸せでいいのだろうか?
夢なら覚めないで…
沙織は、いつもそう願っていた…
そんな時…マスターの携帯がなった…
マスター「もしもし…そう…え?…嘘だろ?…500万?だって…銀行?…とりあえずってなんだよ…とりあえずって…分かった…なんとかする」
沙織「どうしたの?…なんかあった?」
マスター「いや…君には関係ない事だから…心配しなくていい…」
沙織「関係ないって?私達結婚するのよ…秘密はなしにして…ね…お願い」
マスター「実は…名古屋支店の、店長が…退職して独立するんだよ…
俺も資金援助を約束していたんだ……
それは前からの約束だったからね~
その資金が急に必要になって…泣きついてきたんだ…弱ったよ、東京行って用立てたいけど、会計係が年末で海外行ってしまってて…
……来年じゃないと…いやいや…困ってしまった……」
沙織「さっき500万とかって?…来週なら私なんとかしますよ…」
マスター「冗談じゃないよ…君から?まさか…」
沙織「…来年返してくれたら済む事でしょう?」
マスター「そんな事…できないよ…」
沙織 「私達結婚するのよ…任せて…」
沙織はマスターの手を握って微笑んだ…
そして週は変わった…
沙織は銀行でお金を下ろすと
マスターへ渡した…
沙織 「さぁこれを持って名古屋へ行ってあげて!…」
マスター「ありがとう…沙織…愛してる…水曜日には戻るから…」
そして二人はキスをした…
マスターを駅まで見送り…電車をいつまでも見ながら
良かった…マスターの役にたてて…
そう沙織は満足していた
そして…
…
忙しいのかマスターからは、丸一日しても電話が来ない…
沙織が電話をしても
「…只今電波の届かない…」
むなしくテープが回っていた…
水曜日になっても、一週間たってもマスターから電話はなかった…
どうしたのだろう
なにかあったのだろうか?
交通事故か…?
病気か…?
全然連絡もなにも取れないまま
年は明けた…
それは新年3日の事だった
桐畔に暖簾が風で揺れていた
マスターが帰って来た
沙織は喜び勇んでドアを開けた
沙織「マスターマスター」
すると、カウンターから顔を出したのは見知らぬ、マスターよりはるかに年のいった男だった…
男「あ~今日から私がマスターですよろしく…何か?ひょっとして前いた人の事かな?…」
沙織「前いた人?…」
男「私入院してまして…代わりにここやって貰ってたんですよ…去年いっぱいまでね…」
沙織「まさか…ここは支店じゃないの?本店は東京…」
男「はぁ?…桐畔はここだけですよ…前いた人?
知らないんですよ…ネットで探して来て貰っただけですからね…」
騙された?
嘘でしょう?
まさかマスターが私を裏切るなんて…
お母さんとも話したし…
放心したまま部屋へ戻った…
受け入れる事ができない…
嘘よ…
嘘…
絶対なにかの間違い…
鈴木 「熊木?どうした?ボケーッとして…元気ないぞ…」
沙織「…」
沙織は…泣き出した
鈴木「どうした?なにかあったのか?」
沙織は泣き止まなかった…
心配になった鈴木は…車で沙織のアパートまで送った…
そして…久美子を呼んだ
沙織は…階段も登れないほど憔悴していた…
鈴木は沙織を抱えて階段を上り
沙織のバックから鍵を取り出して
部屋の中へ入れた…
鈴木「俺はお前の父親だ!…そう思え…」
沙織に聞こえているのか
聞こえていないのか
返事はない…
コタツの中へ沙織を押し込め頭に枕をあてがった…
しばらく…鈴木も沙織の部屋へいた…
息を切らして久美子が来た…
久美子「どうしたの?沙織!沙織!…」
鈴木「わけが分からん…お前心当たりないのか?」
久美子「彼氏ができたって…結婚するってメール来てたから…桐畔のマスターと…」
沙織がまた泣き出した…
沙織「騙されたよ…」
沙織は起き上がり…
しばらくして
二人に全てを話した…
鈴木「それは…結婚詐欺だよ!…」
沙織「詐欺?まさかマスターが?…」
鈴木「多分…熊木だけじゃなくて、色んな人騙してるはずだよ」
沙織「でも…マスターのお母さんとも確かに話したよ…」
久美子「…携帯電話で?…それさぁ…便利屋サイトだったかな…頼んだらなんでもしてくれるよ…モーニングコールでも…お母さんにだって、簡単になってくれる…」
沙織「…酷い…酷い…」
鈴木「 500万か?…」
沙織「…もう何にも信用できない…死にたい…うッう~」
鈴木「…酷い男がいるもんだよな~」
久美子「…いい人だと思ったのに…」
沙織 「…私が悪い…人を見る目がなかった…」
ポツリと沙織が呟いた…
ふと…沙織の携帯がなった…
鈴木と久美子が沙織と一緒に携帯を覗き込む
沙織「…誰だろ…はい…もしもし…」
「こちら〇〇警察です…熊木沙織さんの携帯ですか?
沙織「…はいそうです…」
「赤田 実さんご存知ですか?あの…桐畔のマスターって本人が言ってます…」
沙織「…マスター?…は…はい…知っています…」
沙織は音を外へ切り替えて、みんなで聞けるようにした
「実は…今自首して来たんですよ…結婚詐欺で指名手配されてましてね…お金をあなたに返したいと言ってます…」
三人は顔を見合わせた…
沙織「あの…どういう意味ですか?…」
「本人も反省したんでしょうな…足を洗いたいらしいですわ…熊木さんはいくら取られたんですか?」
沙織「…取られてなんかいません!…貸しただけです…金額は…500万です…」
「そうですか貸しただけですね?…金額は合ってます…申し訳ないですが…こちらまでご足労願いませんか?手続きして…お金返しますから…」
沙織「…はい…はい…」
沙織は涙を拭きながら警察の住所を書き留めた…
鈴木「そうか自首したのか…良かったな…」
沙織「…鈴木さん久美子!…一緒に行ってくれる?」
鈴木「いいよ…行ってやるぞ!…」
久美子「勿論…私も…!」
沙織「ありがとう…」
沙織に少し…笑顔が戻った…
…完…
鈴木の運転する車で三人は〇〇警察を目指していた
何時だろう…
車はライトをつけて走っている
鈴木も久美子も沙織を気遣っているのか無言だった…
沙織は窓ガラスに映る自分の顔を見ていた…
また一人に戻ってしまった…
沙織の幸せな未来予想図…それは粉々に打ち砕かれかれた
仮にお金が返って来たとしても、マスターを愛した沙織の気持ちは奪われたままだ…
付き合い出して1ヶ月もたたないのに…独りよがりで自分から金を出すと言った…
マスターは最初から騙すつもりで沙織に的を定めていたのだろうか…
三十路の女に、白馬の王子が簡単に現れるはずもない…
全ては…
自分が寂しい女に見えていた…だから、心の隙間にそっと忍び込んで来たマスター
簡単に沙織は罠にかかった
騙して欲しくなかった…
幸せになりたかった…
いつもそばにいて欲しかった…
マスターの為ならお金なんて惜しくなんかない…そう思っていたのに
ばかだなぁ…
二人に気づかれないように、そっと涙を拭いた
やがて…〇〇警察署に着いた
三階建ての建物だった…
ふと上を見上げると…
明かりのついた部屋が何ヶ所かある
マスターはこの部屋のどこかで取り調べを受けているのだろうか
あぁ…
逢いたいなぁ…
この期に及んでも沙織はそう思った…
だが騙されていた事実が…沙織を孤独に引きずり戻して行く…
体がブルブルと寒くなった
警察の入り口を入って行った
久美子は沙織の肩を抱き、鈴木はその後ろを付いてくる
会議室と書かれた部屋へ案内され…三人は椅子に腰掛けた
丸い石油ストーブの上のやかんから湯気が小さく上がっている
中年の痩せ型の警察官の田島が、お茶を三人に差し出した
田島「いやーお金だけでも戻って来て…良かったですね~…」
沙織「…どうも」
二十歳そこそこの若い娘ならまだしも、三十路にもなろうとする女が男に騙されていた…
さぞかし滑稽だと思われているだろう
沙織のプライドはズタズタだった…
田島「もちろんそれだけじゃなくて…結婚詐欺っていうのは…精神的に傷つけられますからね…
結婚式の日取りまで決まっていた人なんか…
勤め先にいられなくなったり…
プライドが傷ついて…
被害届出さないで泣き寝入りするケースもあるんです
悪質ですよ…」
鈴木「そのマスターはどんな男だったのですか?」
黙りこくっていた鈴木が腕を胸の前で組んで警官に聞いた
田島「それが赤田は、板前の腕がありながら…なんで…詐欺なんかしとるのかわからんです…」
そして、沙織をチラッと見て
田島「結婚もしてるんですよ…子供も二人いました…」
久美子「結婚してたんですか?…」
久美子も呆れたように口を開いた
マスターは結婚して子供もいた…
真実は沙織の心をかき乱す
もう何も聞きたくなかった
田島「おっと…まだあまり他言できんので…これは私の独り言ということにしておいて下さい……それから…被害届けだしますか?」
警察官はそう聞いてきたが…
沙織「いえ…」
田島「そうですか…じゃお金受け取ってお引き取り下さって結構です…お疲れ様でした…」
三人は警察署の玄関までの廊下を歩きだした
すると…
警察官が向こうから来る
その隣に私服の男が一緒に歩いてくる
両腕を手錠でつながれている
よく見ると…
マスターだった
三人は唖然とした
沙織「…マスター」
近寄る沙織を、田島が駆けつけ鈴木と引き止めた
マスターは気付いて驚いたようだが
その目は明らかに沙織を探している
沙織と目が合うと
マスター「…すみませんでした…」
目を一瞬固く閉じ立ち止まって一礼した
そして警察官に背中を押されながら階段を登って行った…
マスターの後ろ姿を見送る沙織
その腕を、久美子が引き寄せ…玄関へ導いて歩き始めた
沙織は田島の顔を見て
沙織「あの人はこれからどうなるのですか?…刑務所に入るのでしょうか?…」
そう聞いた
田島「…いやまだそれは…分かりません…」
沙織「なにか分かったら連絡貰えないでしょうか?…」
沙織はまだマスターに未練があると思った鈴木は、強い口調で
鈴木「もう…あんなヤツの事はどうだっていいだろう!…沙織帰るぞ!…」
久美子「もう…忘れなきゃだめだよ…ねッ…」
久美子は沙織の腕を掴んだまま離さない
沙織 「うッ…うッ…」
泣き出した
田島は何も言わず三人が乗った車を見送った…
お金より、騙された事より…
沙織はただ…マスターに会いたかった…
あんな形でも一目マスターに会えた嬉しさだけが残った
バカだなぁ
これからマスターを忘れるために、長く辛い日々が待っているというのに…
頭の中では、よく分かっている
架空の恋…
虚偽の恋
かなわない恋
騙された女達はみんなこんな気持ちになるのかもしれない…
結婚詐欺は、金を奪い…心も奪う
もう立ち直れないかも知れない…
沙織はそう思った…
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