堕天使
高校時代
同タイトルで
脚本を かきました。
人間不信の少女が
廃屋のビルの地下室で
復讐のため 爆弾をつくるという内容のものでした。
真実は
私にとって 永遠のテーマ。
時が流れ 絵空事ではない 不信感や絶望を知ることになった 私の お話しです。
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>> 250
「マジすかっ!?」
「Uちゃん どれに?」
「全部っすよ!
摩耶ちゃんのことも
… 引っ越しのことも」
「Uちゃん…」
2人で 泣いた。
一樹は
結婚したら
私は 会社を辞めるものだと
思ってる。
私が 辞めたくない理由。
1番は…
Uちゃんだ。
この土地に
彼女を
おいて行ってしまうようで
引っ越しが決まってから
私は 夜な夜な
ひとりで
泣いた。
毎晩みたいに
一緒にいた。
会社のみんなからは
君らが結婚するべきだよね
って 笑われてた。
愛しき
相棒。
春休み 夏休み 冬休み…
Iの新学期が始まる間際は
毎回 お決まり
『リエさん 通信簿の
【家庭のトコロミ】んとこ
書いてくださいよ~』
の SOS。
所見だよ。
(トコロミも正しいらしい(笑))
『あいつと喋ってても
暖簾に窓越しっす(怒)』
…腕押し。
社内報を読みながら
『なになに…
【美味しい料理に…
… 舌 … 舌打ちをした】?』
舌打たね~し。
打ったの 舌鼓だし…
あぁ
愛しき
相棒。
>> 251
「支店長!」
明日から
本社に出張の彼。
「今っすよ…!」
UちゃんのGOサインで
私は 支店長を呼びとめた。
「どした?」
「支店長…
いろいろ
ご迷惑おかけしましたが
摩耶…
高校合格しました!」
「よかったな~!!
そうか!桜 咲いたか!
おめでとう!!」
摩耶が不登校になってから
ずっと ずっと
私を励まし
応援してくれていた支店長。
本当に 嬉しそうに
そう言ってくれた。
「ありがとうございます!
… で
おめでたいついでに
もう ひとつ…」
「なんだ?」
不思議そうな
支店長の顔。
「私 再婚します」
「えっ!?」
「会員さんと」
「ええ~~~!?!?」
本当に
眼鏡の奥から
目玉が
飛び出して来そうだった…
「俺 知ってる人?💦」
「ダッヂの…
社長です…」
「あの ハゲ!?!?」
今 あかすが…
一樹は スキンヘッドだ。
「嘘だろ…
信じられない…
なんも気づかなかった…
みんな知ってんの?
俺だけ?
もしかして知らないの…」
「女の子達は
みんな 知ってます(笑)」
「あ~ そう… 」
放心している。
「しっかし
まさか あの 海坊主とね~…」
そういう 貴方の髪も
残りわずかですが。
>> 252
「今 ここにあるものは
チャオ以外
全部 捨てて」
一樹が言う。
「本当は 下着の1枚も
持って来てほしくない…
身
ひとつで
いい。」
2月 中旬。
出逢ってから
わずか 4ヶ月じゃく。
私は
ここから 旅立つ準備を
はじめていた。
ここで暮らした 9年ちかく…
また 捨て去る方へと
気持ちが
かたむく。
ここの近所は
公営という事もあるが
なぜか
ほぼ 母子家庭。
集会所での 子供会の集まりは
いつも 酒盛りだった(笑)
雄太が結婚した時も
日記に 書きなぐった気持ちを
4人の子供を
ひとりで育てている
子供会の会長さんにだけ
うちあけた。
「いっぱい泣きなさい」
そう言って
胸の中で 泣かせてくれた。
「私だって…
強くなんかないんだよ」
と
彼女は言って。
大きな 大きな
たくさんの 思い出。
T君や
R君の
たくさんの涙…
いろんなものが
染みついた この家。
出てゆく その日まで
もっと
もっと
胸に
刻みつけておこう。
>> 253
日記は
捨てた。
アルバムも
捨てた。
隠し持つことは
不可能だ。
それよりも
過去を
残しておこうとは
私自身が 思わなかった。
摩耶が生まれた
経緯を記すもの。
母子手帳
臍の緒
摩耶自身を 愛せても
生まれて来たルーツは
受け入れたくない。
そんな一樹の為に
それらだけ
摩耶の新しい部屋に
隠してもらう事にした。
ものぐさな 私の部屋からは
いろいろな物が 出てくる…
T君と行った 横浜の
人に 渡すはずだった
包装されたままの お土産。
摩耶と つくった
バレンタインの
かたいかたい(笑)チョコレート
R君と摩耶と
大騒ぎしながら
2,3度しか 使わなかった
わたあめづくりのオモチャ。
旅行先で 描いてもらった
似顔絵…
そして
それらを片づけながら
なぜか ゴミ袋からもれた
ハイウェイカードが
一樹の 怒りに触れた。
>> 254
「ヤキモチ焼きは
なおんないよ…」
小さなキッチンのシンクを
ゴシゴシと磨きながら
母が言う。
「まめに掃除してれば
こんなに こすんなくって
いいのに…」
文句を言いながら。
「一樹 掃除もする必要ないって 言うんだよ…
出てくのに
綺麗にする必要ないって」
「飛ぶ鳥 後を濁さず」
私が ちょこちょこ
コトワザを使うのは
この母の影響だ。
そして Uちゃんが
音の響きだけで
それを真似てしまう(笑)
運転の下手な私が
高速道路を 使うわけがない。
あきらかに
旅行の なごり…
男の
なごり。
「今日は ひとりでいたい。」
ハイウェイカードを
見つけるとすぐに
一樹は 帰って行った。
「頼むから
俺に気づかせないでくれ…!」
と言って。
これから先を
暗示するような 出来事に
心が 沈む。
過去は 見えなくても
存在してる。
だから
今が あるのでしょう…?
『生まれた時から
一緒に いたかった』
彼が
ひとりになってから
届いた メール。
私は
こんなに
彼を
愛せるのかな…
「なんだろ これ?」
居間の片づけをしていた
母が言う。
私も ジっとそれを見る。
間違いなく
盗聴器の 送信機だった。
>> 255
「マジすかっ!?」
(何度目だろう…)
「Tさんの
やりそうな事っすよね…」
「だね…」
母には
「なんだろねぇ」
と 言っておいた。
もちろん 一樹になど
話せるわけがない。
だけど なんと言うのか…
それが そういう類いの物だと
気づいた瞬間は
ひどくドキンとしたが
一樹といるようになって
私は
あまり 物事に
動じなくなった気がしていた。
何年も前のことだし
最近 音沙汰もない
T君にたいする感情には
何の
変化も なかったし。
「屁とか
聞かれてたんでしょうね~…」
心配してくれて
ありがとう。Uちゃん。
「そう言えば 結婚のお祝い
何が いいすか?」
「いらないよ💦なんも💦」
「大丈夫っす!!
会社からなんで!!」
では
と 私は
いつも 退職の人にしてあげるような 色紙の寄せ書きが欲しいと お願いした。
「金 使うもんも
頼んでくださいよ~
会社
辞めるわけじゃねんすから!」
ドキっとした。
「う… うん。
それじゃあ
ベンジャミンが欲しいな♪」
…
「便所民?」
>> 256
「こういうケースは
初めてだから…
俺も びっくりしたけど…
とにかく おめでとう!!」
うすらハゲが
全部ハゲに 頭を下げた。
もとい。
支店長が
一樹に 頭を下げた。
「ありがとうございます。」
私達も 頭を下げた。
「辞めるわけじゃないよね?」
「辞めません!」
咄嗟に言ってしまった。
「よかった!」
と 支店長が言う。
「俺は辞めてもらいたいんだけど 急に そういうわけにも 行かないでしょうから…」
ブツブツと言っている。
「リエさんは 優しいし
言わなきゃないことは
ハッキリ言うし
素晴らしい女性だからね…」
…
実は その前の前の年
忘年会の席で
私は
支店長と大喧嘩をしていた…。
酒を飲まない同僚が車を出し
繁華街まで 出かけた。
二次会の場所に着くのが
駐車場が見つからなかったせいで 遅れた私達を
支店長が 責めた。
しかも 車を出した同僚をだ。
「てめ~!責める相手
間違ってんだろが!!!」
吠えちゃった。
「今 なんて言った!?
この野郎!!」
立ち上がる私達を
男性陣が 羽交い締めにし
引き離す…
「男前だ」
と 賞賛を受けたが
年明け
会社に出づらいのなんの…
「リエさんは 宴会部長だから 飲み会の時は 貸してね」
一樹が
しぶしぶ うなずいた。
>> 258
「チャオ 低~くなってる…」
リビングの天井で回る
照明のまわりの
ファンの 長いプロペラ…
チャオには 驚異らしい。
「とめてあげたら?」
「チャー君♪ 大丈夫♪
こわくないよ~(笑)」
一生 ここで暮らすんだぞ。
慣れさせるんだ…
と 一樹。
一理ある。
が
彼の暮らしの方法は
ことごとく 私とは
対照的な気がする。
あの家を 引き払う時
粗大ごみの業者に
何度も「すみません」と
頭を下げる 私と母に
「なんで 謝んの?
この人たちは 仕事!」
「 … 」
屋根に ついたままだった
テレビのアンテナも
「登って はずして持ってけ!
金んなるだろ?
けっこう これ(笑)!」
「 … 」
あぁ
前途多難。
そんな 一樹も
毎日 私を 会社に送迎。
これは 仕事ではない(笑)
愛
兼
監視か。
おかげで 私は
毎日地元に戻っていても
自由に どこへも行けない…
「お風呂 じゃんけん
じゃんけん ポンっ!」
「一緒に入るか 摩耶?」
「バカじゃないの!?」
まぁ
幸せでは ある。
>> 259
まだまだ 肌寒い4月…
会社のロゴが入った
真っ青な 揃いのブルゾン。
全員 同じ物なため
けっこう間違える事が多い。
「私は 絶対 間違えねっす!」
「なんでよ?」
ブルゾンのにおいを嗅ぎ
苦しい顔をするUちゃん。
「そういう事ね…」
時計は 7時を まわっていた。
「もちろん 今日も迎えに来るんすよね 社長…」
火曜日は オークション日のため 帰りは8時を過ぎる。
それでも
月曜日の11時よりは
全然早い…
うちの父は つねづね
女子供を そんな時間まで働かせるとは どんな会社だ!
と 怒っていたっけ…
「来るだろうなぁ(笑)」
「車で 通勤してください!
リエさん!」
そんな事言ったら
すぐ辞めろって言われちゃう…
「言ってみるよ(笑)」
寂しいんだな。
Uちゃん…
一樹が迎えに来たら
マンションまでの途中にある店に いったん寄り
少し 片づけを手伝って帰る…
最近の 日課だ。
その日課の最中に…
メール音が 鳴った。
>> 260
ブルゾンのポケットに
手を入れる私。
右手に触れたのは
ハンカチだった。
私はいつも
ハンカチは バッグの中だ…
あれ?
言ってる矢先に 間違えた?
私は無臭なため においを嗅いでも わからない(笑)
急いで 脱いで
裏側の タグを見た。
「Mっちのだ…」
「どした?」
「間違っちゃった」
と ブルゾンをかざす。
「ばか(笑)」
もしかして
メール Mっちかな?
9時を少し まわっている…
携帯を開く。
『リエさんの携帯ですか?』
…?
アドレス変えたのかな?
Mっち…
それとも携帯ごと変えて
私の アド不安になった…?
『Mっちだよね!?
ブルゾン 間違えたね~
ぎゃははは♪』
送信。
「誰?」
「Mっちだよ(笑)
タイムリーに 向こうも
今 気づいたんじゃないの?」
携帯を閉じる。
すぐに返信が来る。
「暇か(笑)あいつ…」
笑いながら 携帯を開く
『違います』
>> 261
「気持ちわるっ」
思わず 口をついて出た。
「なんだって?M(笑)」
「違う… って」
「え?」
「Mっちじゃないって…」
「見せろ!」
携帯を ひったくるように
取り上げる。
「いいか? リエ
電話をくれって
携番入れるんだ。」
「やだよ 気持ち悪い…」
「わからない方が
気持ち悪いだろ!?
かかって来たら
あとは 俺が代わる!」
「 … うん」
言う通りにした
が
私は メールを送りながら…
いやな予感がしていた。
あの アドレスの中の
人の名前らしき
アルファベットの並び…
あれは…
かけて来ないで…!
私は祈った。
一樹の前で
かけて来ないで!!
携帯は
鳴った。
メールではない
呼び出し音だ。
ひとつ
小さく深呼吸。
「もしもし…」
『もしもし』
予感は
的中した。
『私…
雄太の妻です』
>> 262
心臓が
痛いほど 鳴る
10年前に 聞いた
電話の向こうの
不安げな声…
同時に怒りもわくが
一樹の前だ…
なす術がない。
精一杯 感情をおさえ
「なんの用?」
と 言った。
『うちの人と…
メールしてますよね?』
怒りにみちた声。
本妻は
強いですね。
「見たから 私にメールしたんでしょ?
子供の話ししかしてない!」
『内容は 見てません』
嘘つくな。
…1度
同級会のメールをやり取りしていた時 私の送ったメールが 届いていないと 雄太に言い張られた事がある。
その時 チラっと
女が消去したのではないか
と 頭をかすめはした。
女の声のトーンに
ますます怒りが込み上げる…
あんたと結婚しても
子供が生まれても
私は あんたの旦那と寝てた。
あんたの旦那は
私を 抱きたくて 抱きたくて
しょうがなかったみたいだよ
言ってやりたい…!
苦しめて
やりたい!!!!!
『会っても
いるんですか…?』
「会ってなんかない!」
私は 一樹に言い訳をするように 大声で言わざるをえない…
「かせっ!!」
携帯は
奪われた。
>> 263
「あんたは 自分の亭主
信じられねぇのか!?」
私の言葉で
事情を把握したんだろう…
女に
一樹が 怒鳴った。
「俺とリエは 夫婦だ!」
誰だ?と
たずねられたか…
「俺の女房だ…
俺も リエには2度と
バカな真似はさせない!
あんたの亭主に
連絡なんか 絶対させない!!
だから あんたも自分の亭主
信じろ!!!」
電話を…
きってからの事ばかり…
考えていた。
「ただ これは
間違いなく リエが悪い
今 謝らせる…」
… え
ナニ イッテンノ…?
「謝れ」
腕をのばし
携帯を差し出してくる
「あやまれ!!!」
…
どう…
して?
どうして 私が…
あやまる… の?
「人の旦那と 連絡をとる
おまえが悪い…」
雄太が再婚をし
子供もいることは
つき合っている時話した…
浮気した女と
一緒になったことも…
私の手のひらに
携帯が
のせられた。
>> 264
悔しい
悔しい
こんな
屈辱ない…
「もしもし…」
『ごめんなさい!
ごめんなさい ごめんなさい!
私…
あなたが結婚してるなんて
知らなくって… 』
安心したのか…
ずいぶんな 余裕だな…
「申しわけ…
ありませんでした…」
泣いているのを
どちらにも
悟られぬよう
言葉を おし出した。
『 … 大丈夫ですか?』
てめぇに心配なんか
されたくねぇんだよ!!
声にならない
叫びをあげて
電話を切った。
「一樹…」
「ずっと…
会ってたのか?」
「会っては いないよ!
本当だよ
信じてよ…」
空回る
そんな
気がした。
「友達なんだよ ただの…
摩耶が 不登校になってから
相談… してただけ…」
「男と女の友達なんて
俺は 認めない…!!」
「もともと同級生だもん…」
「聞きたくねぇ!!!」
「一樹…」
「死んだと思え」
「え…?」
「おまえは 捨てられたんだ
そんな奴
世の中にいないと思え…
死んだと
思ってくれ!!!」
今後 連絡をとったら
絶対に許さない
と 一樹は言い
「今日は 店に寝る。
摩耶 心配するから…
リエは 車で帰って…」
そう言った。
>> 265
憎い
憎い
憎くて 憎くて
しかたがない…
私が 結婚してる事で
あんなにも激しい 束縛をする夫が そばにいる事で
安心してしまったのが
よく わかる。
雄太と夫婦であることの
嫉妬ではない。
あの女の
心の平穏への 嫉妬だった。
私が…
私だけが また
穏やかな生活を
乱された…
許せない!!!
「あれ? パパは?」
「店で…
寝るって…」
「なんで!?喧嘩したの?」
摩耶には
雄太と離婚した理由を
ずっと隠していた。
「生理が来たら 教える(笑)」
と ずっと言って来た。
もう…
話しても いいかな。
「ムカつく…
そいつに電話しなよ ママ!」
だけど…
もめた あいつらが興奮して
うちに 飛び火したら…?
これ以上 一樹を
苦しめるわけには いかない。
「じゃあ
元父に電話しなよ!
その女が 今した事
知らないんでしょ!?
めちゃめちゃ
怒られれば いいんだ!!
そんな女!!!」
約束を
破るのは
最後にするね 一樹…
私は
雄太に
電話をかけた。
>> 266
声を聞くと
わかる。
私は
雄太の呪縛から
まだ解き放たれて
いないのだ…
あの女の アドレスにあった
子供の名前…
いつの間にか
すりかわった
家族。
10年もの 長い間
私は 決して
自分が堕ちたことを
認めないよう
必死で
必死で
ひとりきりで
歩いて来たのに…
やっと
寄りかかる人を
見つけたのに…
何も知らない 雄太は
ご機嫌で
私からの電話を受ける。
『お~!
そう言えば 摩耶
高校 ちゃんと通ってんのか?
もう
一緒に暮らしてんだろ?』
結婚すること
一樹が 摩耶のために
部屋を 一生懸命
綺麗に改築してくれている事は
話してあった。
「摩耶ね…
中学校で
校長先生と 担任の先生に
ひとりぼっちの
卒業式を してもらったよ…」
そんな事も
あなたは 知らないでしょう?
摩耶の涙も
私の涙も
あなたは
知らない。
「あんたの女は
私の人生を どこまで
めちゃくちゃにすれば
気がすむんだ!!!!!」
>> 267
「マジすかっ!?」
(そろそろ最終です…)
「Nちゃんのママ
『死ぬはずの女』
って 言ってたっすよね…」
Nちゃんママには
会社のイベント時などに
手を貸してもらっていた。
彼女の ローライズのジーンズからのぞく 腰のラインに 男の子達は くぎづけに なってたっけ(笑)
「死んでないどころか
私に
食ってかかって来たし(笑)」
「ムカつくっすね~!」
「だけどさ… 」
私は
雄太との電話を終えたあと
考えた。
あまりの事実に
雄太は絶句。
ただ
おまえの旦那に 申し訳ないと
謝りに行きたいから
店の場所を教えてくれと
言われた。
「あなたに わをかけた
荒くれ者だよ(笑)しかも…
あなたは死んだものと思え
って 言われたのに。
私が 殺されるよ(笑)」
『…俺も
同じこと言われた。
前の奥さんと子供は
死んだと思ってって…』
消したくても
消えない存在。
あの女にとっても
この10年は
私との
闘いだったのだ。
妻。
それは
怯える側の立場。
奪った者の
罰。
二度と 連絡はしないと
お互い 約束した。
10年経って…
本当の
さようなら。
>> 268
一樹と摩耶の いいトコロ。
私には 絶対に
真似できないトコロ。
【ひきずらない】
【きりかえ上手】
勝手な偏見だが
血液型に
関係あると思ってる(笑)
彼らは O型。
私は…
いつまでも
ジメジメとひきずり
はい上がれない A型。
(A型の皆さま ごめんなさい💦 『繊細だから…』と 付け加えさせて いただきます💦)
結局は…
遅くに帰って来た 一樹。
「腹へった(笑)」
って 言って…
チャオは 元来 男好きのため
一樹に 始終ベッタリ。
「チャー君
じゃんこ!(おすわり)」
と言われると
ピタっと
一樹の横に おすわり。
大好きな牛乳の
おこぼれを頂戴してる。
「また 牛乳もらってる(笑)」
「摩耶も飲め!
乳デカくなるように!」
「いーし(笑)」
女は
非通知で発信していた。
ただ アドレスは残っていた為 摩耶が教えてと言う。
「何か言わなきゃ
気が済まない…」
そのまま 部屋にこもり
こうして 今 出てきた。
だから…
5年経った今も
彼女が
女に送ったメールは
謎のままだ。
>> 269
『本日 ラストの お車です』
マイクを通した声が
会場に 響き渡る。
ネット上でも
全国に流れている
私の声。
泣くわけには いかない。
車を出品した 会員さんと
コンダクターと言われる
値段を調整する人間とを
つなげる 小さな窓。
そこには
一樹と摩耶がいた。
コンダクターの隣で
マイクに向かう私。
これで
終わるんだ。
私の…
10年。
競りが
終わった。
最後だ。
『本日も たくさんの ご成約をいただき まことに ありがとうございます。 次回 記念オークションとなっております。
次週もまた…』
声が
つまる。
『皆さまの ご出品…
ご来場を…
お待ちしております!』
「お疲れさま」
マイクのスイッチを切り
テーブルに 突っ伏し
泣き叫ぶ私を 気づかい
コンダクターは
ポンと 私の背中をたたき
ブースを 出て行った。
薄暗い この部屋で…
初めて マイクに向かった日
取り返しのつかない失敗で
舞い上がった日もある
余裕が出てからは
小窓越しに 会員さんと軽口
何かが おりてきたみたいに
スラスラと 喋れる自分が
好きだった。
離れたくない。
だけど もう二度と
ここには
座れない。
>> 270
結婚してから 1年
なんだかんだと理由をつけ(笑)
私は 会社に居つづけた。
辞めると 伝えた日
女の子達は
皆 泣きくずれてくれたが
とりわけUちゃんは
仕事にならない程の
ダメージを 受けた。
私も彼女も
お互いの顔を見る度
号泣してしまうのだ。
家族…
だったな。
送別会で もらった色紙には
『甘えてばかりで
ごめんなさい』
の 文字。
甘えていたのは
私だよ Uちゃん…
素晴らしき 仲間達
愛すべき 場所
これからは 私
車屋の女房として
みんなと
おつき合いさせてもらうね。
涙 涙の 最終日。
そして 送別会。
それから
半月ほど過ぎた ある日
Uちゃんからの電話。
『リエさん
勘弁してくださいよ~!
戻って来てくださいよ~(泣)
今 私 使えね~奴と
毎日 ワンツーマンっすよ!』
…
マンツーマンだよね
Uちゃん。
>> 271
「ひゃあ~ 加藤君!!
今日も 金とるんだ!?」
スーパーの店員さんを
名前で呼ぶの やめなさいよ…
「当たり前だし(笑)」
苦笑いしながら
重いお米を レジに通す加藤君
「米は やっぱり
【ひとめぼれ】だよな!
加藤君!」
「はい(笑)」
「俺は こいつに
ひとめぼれ!!!」
「やめてよ…」
「マジだから これ!!」
「…はい(笑)」
この 近所のスーパーで
私達は 絶対
名物バカ家族だという
自信がある…
「おいっ! 中卒~!」
「中卒って 呼ぶな!!」
「おまえ コンビニ店員なんだから 袋詰めしろっ!」
摩耶は
高校を 1ヶ月で退学し
すぐに
コンビニで働きはじめた。
「早くっ!!」
「声 デカいよ(笑)パパ」
たしなめる私。
「だって レナが~💦💦」
「ママ あんまん あんまん」
「わ~💦 いらないから💦
それ置きなさい!レナ!
そして それは あんまんではなくアンパンマンだよ~💦💦」
一樹そっくりの
小さな天使が 笑う。
家族になって
5年後の 秋…
>> 272
「チャオ君
ただいま~!」
ガサゴソと
スーパーの袋をさげて
家へ入るとすぐに
みんなで チャオの元へと
向かう…
キャットタワーの てっぺん
今日も 彼は
そこに いる。
「ただいま チャオ…」
写真のチャオに
手を合わせる。
「チャアくん チャアくん」
レナも 真似をして
目をつむり
小さな手を 合わせる。
レナが 3ヶ月になるのを
待つように
長い 闘病に堪えたチャオは
私の腕の中で
空へと 旅立った。
Cが 言った。
『チャオは…
リエの全部を
見てきたんだもんね…』
狂った 私。
鬼のような 私。
意地を張って
泣かない 私。
笑う 私。
泣く 私。
あなたを 愛した 私。
レナに
命のバトンを渡し
家族の絆を 渡し。
あなたの 生きた証は
いつまでも
ここに あるよ…
幸せを ありがとう。
今日も
ありがとう。
【あとがき】
長い長い 年寄りの思い出話しに おつき合いをいただき
本当に
ありがとうございました。
途中からの 私の豹変に
不愉快な思いをされた方も
いらっしゃるかと思います。
サジを投げずに
最後まで読んでいただけた事
心から 感謝致します。
ここから先
クドい私の性格上(笑)
大変な長さの あとがきになるかと 思いますので…
終了したアカツキには
自レス設定を
解除したいと思います。
どうぞ
たまりにたまった鬱憤を
ぶつけて下さいね(笑)💦
では 頁をかえます…
本日 11月3日は
私の大切な後輩の
お誕生日です。
本編には 登場しませんでしたが 彼女は 最初の【堕天使】を ずっとサポートし続けてくれた 愛すべき後輩です。
中学校の頃から
私のあとを追い回す(笑)
若干変態な
大阪に住む貴女へ…
もの書きとしての私を
支え続けてくれた貴女へ…
💖HAPPY BIRTHDAY💖
2つ目の【堕天使】を
捧げます。
すべて ノンフィクションで お届けしましたが (名前以外です)間違いが ありました💦
冒頭で 摩耶を(しかも 1番最初だけ『麻耶』だし(笑))4歳と書きましたが 実際 あの秋には5歳に なっとりやした。
(くだけて来たな…)
現在21歳。
レナは 1歳です。
そう
20歳離れた姉妹です。
またまた 冒頭で
調子ぶっこいて投稿した時には 日記の板にある 自分のスレのハンネだった為 かなり慌てました。
幸い メール機能に 書きためておいたものだったので すぐ変更出来たんですがね(笑)💦
このスレッドこそが
高齢での妊娠 出産を望んだり 経験した仲間とともに 2年半続けている 大切な 大切な 私の本家です。
やっぱり 長かった(笑)
続けます…
私の住まいは
今回の震災地のど真ん中。
あの 大震災が起きた直後
被災した私を心配し
励ましつづけてくれた
スレッドの仲間たち。
どんなに心強かったか…
掲示板の有り難みを
とても感じた出来事でした。
そもそも ミクルデビューは チャオ君の病気が きっかけでした。 その前から 妊娠したかった私は ROM専で 妊娠の板を ずっと覗いてはいたのですが…
チャオ君を失った時も
半狂乱になった私を 救ってくれたのは 自スレや ペットの板にいた 仲間達です。
一樹と 一緒になってから 自由を奪われた(笑)私の 唯一の 外界との接触ゾーン。
ミクルは 私のオアシスです。
本編 きれいごとで
締めくくりましたが(笑)
実は 雄太の女房の目にでも触れやがれ この野郎な 勢いでした💀💀💀💀💀💦💦💦
Sに言われた 5年目を迎えた私は 喧嘩しながらも 飽きずに夫婦を続けております(笑)
あっ
そうそう💖
Uちゃんも
先月再婚しました💖💖💖
Iが15歳になった年。
摩耶と同じ時期に…
余談で長々と 書き連ねてしまいました あとがきも
残りわずかです。
『終わり』の嫌いな私…
明日からまた少し
落ち込みそうな気がしてます😂
本当に
ありがとうございました。
読んでくださった方々へ
愛をこめて…🍀🍀🍀
クロス
お疲れさまでした✨
面白かったって表現は失礼過ぎますよね…
本当に引き込まれてしまいました。
さすが、脚本家‼
Uちゃんとのやりとり最高でした✨
不倫が綺麗に描かれる事が多い中で、『家政婦のミタ』と同じ位「もっとやってしまえ💪」と叫んでましたよ😢
今は、お幸せなんですよね。
摩那ちゃんの最後のメールだけは気になりますが…。
とてもすっきりしました。
フィクションでも…続編でも…期待して待ってしまって良いですか❓
>> 280
嵐ちゃんさん💖
可愛っす😂✨✨✨
ハマるタイプなんですね😂😂😂💖💖💖✨✨
こんな 拙い独り言を
楽しみにしていただいてたなんて 本当に 本当に有り難いです🍀🍀🍀✨✨✨✨
読み手も 寂しい😢
虚無感から救われました✨✨🍀
しかも
うすらハゲに
そんなに 食いついていただけたなんて😭😭😭💖💖💖✨✨
Uちゃんは
もちろん実在します☺🍀
言葉も すべて本当の彼女語録からです☝ 1コも つくってないんですよ😂😂😂✨
私が 掲示板を使用(笑)してる事じたい 彼女には 理解しがたい事のようで
『めんどくせ~事 好きっすよね~( ̄▽ ̄)…』
と バカにされてます😂
必ず 伝えますね💖✨
嵐ちゃんさんの お言葉✨✨🍀
活字 大嫌いな彼女は
絶対 これは読まない(読めない😂)と思いますので…
かさねがさね
ありがとうございました🍀🍀🍀✨✨✨😭😭😭✨✨✨✨
お疲れ様です🙇
続きが気になり、毎日何度もチェックしてました👀✨
終わっちゃうなんて寂し過ぎです😭
すっかり主様のファンになっちゃいました❤
何だか素敵です✨
今が幸せですよね?
私も頑張ります✊
ずっとずっと応援しています❤
続き?また楽しみにしていますね☺
>> 284
mamapandaさん😭🍀✨✨ 😭😭😭
とりあえず
泣いてばかりいます😂💦
ありがとうございます💖
ありがとうございます💖
嬉しすぎです(;_;)💖✨✨✨✨
本当に幸せです😭🍀✨✨
今も 充分幸せだったけれど
mamapandaさんのおかげで もっと幸せになれました😭💖✨
寂しい…
なんて思っていただけるなんて✨✨✨
ファ…
ファンだなんて~😭😭😭💖💖💖
必ず
次回作 ひっさげて
戻ってまいります‼✨✨
力が わいて来ました‼✨✨✨
本当に
ありがとうございました✨✨🍀
mamapandaさんを
私も 応援しています☺🍀🍀🍀
- << 288 主様が、幸せと聞けて…何だか安心しました☺ 本当、お人柄が伝わります❤ 主様の周りの方達も、素敵な方ばかりなんでしょうね☺ 不思議とこちらも嬉しくなります🍀 続き?次の小説?も必ず必ず待ってます❤楽しみに待ってますので❤
クロス様💕
完結おめでとうございます😃✨
たくさんのファンの皆様と一緒で
毎日、とっても楽しみにしておりました💓
素敵な旦那さまと👶に囲まれて幸せな現在のコトまで書いていただけたので嬉しくて泣けちゃいました😭
なかなか、完結してくださる作者さまが少ない中、ホントにありがとうございます🙇💕
図々しくてスミマセンが🙇💦また、いつか素敵な作品を心待ちにしてます(≧∇≦)
>> 288
mamapandaさんっ☺💖✨✨✨
かさねがさね
ありがとうございます🍀✨✨
わたくし 今
なぜか 開かない炊飯器と 格闘しておりました😂😂😂💦
いつもなら
店へもレナを連れてゆく為 24時間 一樹と一緒⤵の毎日なのですが…
(📱も開けないんです😹)
これを書きはじめた あたりから 摩耶の高熱が続き
もしやと思っていたら…
書き上げた今日
治りました(・◇・)…
Ebとか言うウィルスの感染だったんですけどね💦💦
熱が下がるのを
待つしかない…
という。
だもんで 私には
✏書く時間が あったのです…
という クドい説明でした😂💦
まわりは 確かに
素晴らしい人たちばかりですが
私など( ̄▽ ̄)💦
自分のことのように 感じてくださる mamapandaさんのような方こそ 素晴らしい お人がらです☺☺☺✨✨🍀
長々と 絡みついてしまって すみません(;_;)💦💦💦
ぜひ ぜひ
待っていて下さいね~😱💖💖💖
本当に
ありがとうございました😭🍀✨
クロスさ~ん✨
ありがとうございます🙌
しかも…のっけからUちゃん改め優ちゃん❤
大爆笑😂😂😂😂😂😂
やっぱり大ファンです💕
私の近くにいたらいじりまくってあげるのにぃ🐙
更新楽しみにしています。無理せずお願いしますね💕
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