return
こんな毎日もう嫌だ。
できるわけないけど
もし…できるなら…
過去に戻ってやり直したい。
中学入学前?
それとも小学校低学年ぐらい?
もっと前かな…
人生がくるい始めたのは
いつ頃からだろう…
不定期な更新になると思います🙇💦
誤字・脱字、表現力の乏しさ…等々、お許し下さい。
よろしくお願いします。
新しいレスの受付は終了しました
🌱主のリンです🙇
削除されたレスが見れなかったのでちょっと気になってます💦
小説の内容、あまり楽しい話ではないので、不快に感じた方がいたのかな…😣
「礼七…」
修平が家の方を見たまま俺に声をかけた。
「…何?」
「礼七、ここはお前の本当の父さんの家なんだよ。」
…やっぱりな。
「…病気で亡くなったんだ…」
「…そう…」
「お前父さんに会いたいか?」
「え⁉」
礼七じゃないから分からないぞ💦💦
会いたいか?
家の中にはオッサンも季美子もいる。
オッサン達は最低な両親だと思うけど、礼七を育ててきたのはオッサンと季美子だ。
礼七が本当の父親と会うのは失礼じゃないのか?
でも…
もし礼七が本当の父親に会いたいと思っていたら、俺じゃなくて本当の父親と入れ替わったかも⁉
…
ダメだ。
分からない。
「ごめん、分からない。」
自分の気持ちを正直に修平に伝えた。
「そうだよな💦
突然。礼七も困るよな💦」
ハッ
待てよ!
礼七の父親の通夜…
家の中には礼七の本当の母親もいるってことだよな?
礼七が行ったら気まずいだろ…
礼七を施設に預けた理由とか知らないし…
そっとしておくべきか?
「ここで手をあわせておくよ」
俺は家に向かって手をあわせた。
「そうだな。」
修平も手をあわせていた。
帰りの車内。
「私の本当の両親はどうして私を捨てたの?」
俺は思い切って修平に聞いた。
修平は黙っている。
やっぱり聞いちゃいけないことだったかな…
「礼七のお父さんな、礼七が1才になるちょっと前ぐらいに、交通事故にあって大怪我したんだよ。」
…
「リハビリとかもあって、とても礼七の育児ができる状態じゃなかったから…」
「怪我が治った後も、そのままで…
あ…亡くなった原因はガンだったらしいんだけど。」
…なるほど。
でも…
母さんは?
母さんも父さんのリハビリとかで忙しくて育児できなかったのか?
修平にたずねた。
「…」
修平は何も答えてくれなかった。
母親には完全に捨てられたのか?
礼七…
修平に家まで送ってもらい、
「礼七…今日は悪かったな。」
そう言って修平は帰って行った。
本当の父親に会わせてやりたかった、という修平の優しさ。
その気持ちはすごくわかる。
が、礼七と入れ替わって通夜に行ったのが俺で良かったと思った。
色々とショックだろ…
>> 101
🌱主のリンです🙇
削除されたレスが見れなかったのでちょっと気になってます💦
小説の内容、あまり楽しい話ではないので、不快に感じた方がいたの…
初めまして❗
いつも楽しみに読ませていただいております😃
削除の内容ですが、このスレとは全く関係の無いしょーもないチェーンメールのようなものでした。
私も削除に一票入れましたが、もしかしたらここ(ミクル)の管理者さんが消したのかもしれません。
ご安心ください😊
とっても面白いです❗
これからどうなるのかすっごく楽しみです❗
- << 109 🌱zoccaさん 削除メールのこと教えて下さり、ありがとうございました🙇 ホッとしました☺ 小説の方も読んで下さってありがとうございます‼ これからもお付き合い頂けたら嬉しいです❤
家に入ると電話が鳴っていた。
巧はもう寝たのかな?
「もしもし。…福森です。」
とりあえず電話に出た。
「…礼七?」
誰だ?若そうな女の声。
季美子ではない。
「?はい。礼七です。」
「礼七~、ママだよ♪」
は??
ママ?
ママって誰だよ?
礼七の?
本当の母親か??
「ママ?」
「この前の返事、聞かせてもらえる?」
どうしよう。
この前の返事って何だ?
ていうか、礼七は母親と連絡取ってたのか?
意味分からんぞ。
連絡取ってるなら、通夜のこととか知らせろよ。
それに今通夜中じゃないのか?
「今、お父さんの通夜でしょ?」
「は?え?
お父さん死んだの?」
…え?
「知らないの?」
「知らないよ!
も~、ちゃんと教えてよ。
お葬式は?明日?」
「え?多分明日かな?」
「多分って何よ。
お父さんのことでしょ?」
…もしかしてオッサンと勘違いしてる?
「…お父さんって、私の本当のお父さんのことだけど…」
「本当のお父さん?
え~、アイツ死んだの?」
…何だコイツは?
おかしくないか?
何で何にも知らないんだよ💨
その時…
受話器の向こうから赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
「ちょっとごめん。」
そう言うと、女は
「何~?
いい子で寝てよ~#%*…」
と、赤ちゃんに声をかけて、あやしていた。
…赤ちゃん。
礼七の弟か妹?
夫の死を知らないとなると、離婚してるのか?
礼七を捨てたくせに、自分は新しい家庭を作ったのか?
礼七がこんなつらい思いしてるのに…
礼七の母親に対して怒りがこみ上げてきた。
「礼七?
ごめん。おまたせ。
でさ、どうなのよ?」
「…何の話?」
俺は怒りをおさえて答えた。
「も~💢
3日ぐらい前に話したでしょ?
一緒に暮らす話!」
一緒に暮らす?
礼七を引き取るのか?
「今更…どうして?」
思わず俺の本音が出た。
3日ぐらい前というと、俺と礼七が入れ替わった日に近い。
多分、入れ替わった原因はこれだ。
礼七自身が母親と一緒に暮らせることを喜んでいたら、俺と入れ替わったりはしなかっただろう。
母親からの一緒に暮らそうという連絡に、礼七は戸惑い、…傷ついたんではないだろうか?
「今更って…。
そりゃあ今更かもしれないけど、今だから一緒に暮らせるんだよ!」
今だから?
経済的理由か?
でも再婚して赤ちゃんもいるんだろ?
赤ちゃんつくるより先に、礼七を引き取るべきじゃないのか?
「赤ちゃんいるんでしょ?
新しい家庭があるんだよね?」
「そうだよ。
だからこそ、礼七を引き取れるんだよ!
礼七の新しいパパのおかげなんだから。」
新しいパパね💧
礼七には父親何人いるんだよ。
男の力がないとどうにもならないのか、この女は💧
自分の力で何とかして礼七を迎えに行こうとは思わないのか?
「家も広いし、赤ちゃんもいるし、きっと楽しいよ!」
コイツはどうして突然礼七を引き取ろうと思ったんだろう💧
「経済的にゆとりが出来たから、一緒に暮らすの?」
「は?
経済的ゆとりって、子どものくせに何言ってんの?
一緒に暮らせるようになったから連絡したの!
子どもを引き取るのは親の役目でしょ!
親には責任があるの!」
「は?💢
お前何言ってるんだ?💢
親の役目だの責任だの偉そうに言ってるけどな、
自分の子どもは絶対に手放さない、
苦しくてもつらくても、子どものために頑張るのが親の役目や責任じゃないのか?💢
新しいパパのおかげって、どれだけ男に甘えてるんだよ!
親なら自分の力でなんとかしろよ💢」
俺はブチキレて女に怒鳴った。
怒鳴り声は礼七の声ではなくて、男の俺の声だった…
「…オッサン誰?」
当たり前だけど、女は驚いている。
あー、あー…(発声練習💧)
まだ男の声だ…
「礼七の知り合いだよ。」
「そうですか。
でもあなたには関係ないことです。
よく知りもしないのに怒鳴られたくない💢」
「新しい家庭が出来てから礼七を迎えに来たって、礼七は喜ばない。
そこに礼七の居場所はあるのか?」
「あるわよ!
私もいるんだし💢」
「礼七は母親と二人の方が良かったと思うけど…」
「あのね💢
私1人じゃ経済的に礼七を育てるのは無理なの!
どんなに働いても男より給料低いし。
男のあんたにこんなこと言っても分からないでしょうけど💨」
「じゃあ何で最初の旦那と離婚したんだよ?」
「それは…
旦那が働かなくて困ったからよ。」
「だったら旦那に礼七預けて、あんたが働けばよかったんじゃないのか?」
「だから~💢
女の給料だけじゃ食べていけないんだってば。」
「でも世の中にはシングルマザーで頑張ってる人がたくさんいるぞ。
母子家庭なら手当とかもつくんじゃないのか?」
「人と比べないでよ💢」
…
コイツには何を言っても意味がないな…
時間の無駄だ。
多分働く気なんてないんだろう。
ただ自分の為だけに 礼七を引き取りたいんだ。
礼七の幸せなんて全然考えてない。
なんて自分勝手な母親なんだ…
自分達の都合で子どもを捨てて、自分達の都合で引き取る。
子どもの気持ちなんて完全に無視だ。
「ちょっと💢
礼七にかわって!」
「もう一度自分のしたことをよく考えてみろ!
今の考えのままだと礼七が可哀想だ。
お前も幸せになれないぞ。」
「はあ💢
何よ💢偉そうに💢
あんた誰なのよ!」
「大岩孝雄だ💢」
俺は自分の名前を言うと、ガチャンと乱暴に電話を切った。
ったく…
礼七には悪いが、なんだあの母親は💨
イライラして、タバコでも吸いたい気分だが、そうもいかず…
俺は外に出て深呼吸した。
空を見上げた。
今日は星がひとつも見えないな…
礼七…
逃げたくなるよな…
多分、父親の病気のことも知ってたんだろうな…
本当の父親は死んで…、本当の母親から連絡きたと思えば、自分の都合でしか、ものを考えない甘えた親…
育ての両親からは冷たくされて…
自分の居場所がない。
つらすぎるだろ…
涙が出てきた。
もし礼七が俺の子どもだったら…
友子や修平がこんなめにあっていたら…
…絶対に許せない。
でも礼七には周りに助けてくれる大人がいない。
気持ちを共感してくれる人も、相談できる人もいない?
そう思っていると、一台の車が家に入ってきた。
相談できる人
共感してくれる人
いたいた!
家に入ってきたのは凌司の車だった。
「礼七!
どうしたんだよ?」
夜遅くに外にいるもんだから、凌司は車から降りると、俺のところへ走ってきた。
修平も凌司も礼七のことを大切に思ってくれている。
修平は頼りになりそうだし、優しい。
でも礼七に気遣いし過ぎて肝心なことは言わない…
そんなタイプ。
凌司は裏表がないような感じだ。
思ったことは言う。
好き嫌いがハッキリ分かれるタイプだろう…
今は本当のことが知りたい!
俺は凌司に今までのことを全部一気に話した。
凌司!
本当のことを教えてくれ🙏
「俺も通夜に行こうと思ってたんだよ。
礼七の本当の父さんと、少しの期間だけど一緒に仕事したこともあるから…。」
あの女…
旦那が仕事しないから離婚した~とか言ってたけど…
嘘なのか?
「まあ俺も本当のことは分からないけどな。
礼七の父さんは離婚したくなかったって言ってたよ。
仕事が一緒になったのは偶然だったんだけど、礼七の様子聞いてくるばっかりしてたよ。
母さん達(季美子+オッサン)は、礼七の父親に、礼七の様子とか知らせたりしてなかったみたいだからな。」
「とりあえず、ここで立ち話もなんだから、車乗るか?
ドライブでも行こう。」
真っ暗な中で話していたので、凌司の車に乗ることにした。
「明日は葬式もあるだろうし、学校休めよ。」
「うん。
あ、でも新聞配達が…」
「それは俺も手伝うよ。」
そんなことを言いながら車に乗り、
車・スタート。
「ザッと話すけどな。
礼七の母さんは礼七が産まれて少したつと仕事を始めたんだよ。」
子どもが生まれて仕事を始める。
別におかしいことじゃないよな…
「礼七の母さんは夜働きに出たんだよ。
父さんは反対したんだけど、母さんは夜しか働いた経験がなかったらしい。」
礼七がまだ小学生なので、凌司も仕事については細かく言わなかったが、母親はスナックで働いていたようだ。
「母さんが夜働き出るから、夜の間は父さんが礼七の世話をするんだけど、赤ちゃんって夜でもミルク飲んだり、泣いたりするんだよ。
父さん昼間は普通に働いてたから、寝不足になって大変だったみたいだ。」
「父さんも礼七の父親だから、大変でも礼七の世話をするのは当たり前のこと。
ただ、母さんが仕事が終わっても、すぐに家に帰ってこない日が多くなってきたんだ。
父さん困ってな…
礼七を仕事に連れては行けないし、礼七ひとりを家に置いとくわけにもいかない。
父さんは仕方なく仕事を休む。
母さんに『仕事終わったらすぐ帰って来い。帰って来れないなら仕事辞めろ。』って言ったけど、母さんは仕事辞めなかった。
父さんは欠勤が続いて、とうとう会社クビになったんだよ。
父さん働ける状況じゃないのに、母さんから『男のくせに働かない』って責められて…
喧嘩ばかりにするようになってしまったから、父さん達は別々に暮らし始めたんだ。
礼七は父さんと暮らしてたんだぞ。
父さんは朝が少しゆっくりな仕事を探して、礼七を保育園に預けて働いてたんだ。
でも…
事故にあってしまって…
母さんに礼七をお願いしたんだけど、仕事があるから無理だと言われて…
父さんはどうすることも出来ず、礼七を手放したんだ…
父さん元気になってから、礼七を引き取りたかったんだけど、母さんとはすでに離婚してたし、拒否されたんだ。」
…通夜の帰りに修平から父親のことを聞いた時、父親に不信感みたいなものを感じていたが、
修平は礼七のことを考えて、随分大ざっぱに話してたんだな~。
礼七が聞いたら傷付く内容かもしれないが、父親が頑張って子育てしていたことは、しっかりと伝わってきた。
問題は母親だな…
「礼七は本当の母さんと一緒に暮らしたいのか?」
「…分からない。」
「今の生活から逃げ出したいって思ってる?」
「…少しは思ってる(かな?)」
「だったらやめといた方がいい!」
凌司はキッパリそう言った。
俺もそう思った。
今の生活の中で自分の居場所がない礼七。
でもオッサンも季美子も他人だから、仕方ないと思える部分もある。
しかし、実の母親と一緒に暮らした時、自分の居場所が見つからなかったら、つらいだろ…
礼七には悪いが、自分の都合だけしか考えない母親だ…
母親と一緒に暮らしても幸せになれるかどうか…
「今の生活もつらいと思う。
でもアイツと暮らせば、もっとつらいことになる。
…礼七には悪いけど、アイツは母親として最低だ。
俺はアイツに変わって欲しくて、何度も話し合ったんだけど、俺の話なんて聞こうとしない」
凌司は悔しそうに話している。
「兄貴や母さんもアイツのこと甘やかしてばっかりで…」
?
凌司の話からすると、礼七が福森家に来てからも、母親とは頻繁に連絡は取っていたみたいだが…
甘やかすってどういう意味だ?
「甘やかすって?」
「あ…
悪い悪い💦
ちょっと言い過ぎたかな💦
アイツは本当にすべきことをせず、人に頼ってばかりだった。
誰かがアイツに「それは違う」と注意するとか、自立できるようにわざと突き放すとか…
そういうことをしないとアイツは同じことばかりを繰り返すのに…母さん達は見て見ぬふりだった。
…養子だとしても、本当の母親のことは、気にしないといけないものなのか?
凌司の話を聞いているうちに、よく分からなくなってきた。
そもそも、礼七は季美子達の養子なのに、実の母親だからって簡単に一緒に暮らせるようになるのか?
そこまで実の母親を気にしなくても…
礼七も本当の母親のことなんて記憶にないだろうし、季美子が母親でいいんじゃないのか?
俺は男だから分からないけど、「産んだ」っていうこと…
それが母親なのか?
産んですぐに手放しても⁉
育ての親が本当の母親でもいいと思うが?
産むのも命がけ。
でも、育てるのも大変なことだろう…
「色々言って、混乱するよな💦
でも兄ちゃんは、礼七の母親は季美子だけだと思っていて欲しい。」
…俺もそう思う。
「…うん。」
多分、礼七も同じ気持ちだと思う。
「俺もな~
できるなら人生やり直したいよ。
いつからおかしくなったのかな~
…って、ホントは分かってるけど。」
凌司も季美子が俺と離婚したせいで、大変だったんだな…
ごめんよ、凌司…
「いつからやり直したい?」
なんとなく聞いてみた。
「そりゃ~…
うーん。胎児かな。」
「胎児?」
「そう。
お腹の中で暴れて知らせるんだよ!」
「知らせる?」
知らせる?
何を?
胎児になって?
「痛っ…痛たたた…」
「季美子?
どうした?」
「お腹が痛くて…
赤ちゃん、すごく暴れてるみたい…」
「大丈夫か?」
ふと、礼七と入れ替わる直前のことを思い出した。
妊娠中の季美子がお腹が痛いと言っていた。
赤ちゃんがお腹の中で暴れてるみたいだと言って…
あの時、季美子のお腹にいた子どもは間違いなく凌司だろう…
じゃあ、凌司は本当に、胎児に戻ったのか?
何かを知らせる為に?
…ん?
俺はうっすら目をあけた。
あれ?
凌司の車の中で寝てしまったのか?
「お父さん?」
?
誰だ?
「だ、誰?」
「お父さん?気が付いた?
私、季美子!分かる?」
え?季美子?
頭が混乱する。
俺は病院のベットの上で寝ていた。
元の世界だった。
季美子はナースコールのボタンを押し、
「主人が目を覚ましました!」
と言っている。
そして俺の手を握り
「よかった…
あなた、1週間近くずっと眠ったままだったの。
出勤する途中、車の中で突然意識を失ったらしくて…」
と、泣きながら教えてくれた。
きっと礼七と入れ替わったから、意識を失ったんだな…
じゃあ、俺の姿をした礼七は、病院で眠っていただけなんだな💦
よかった…
「でもよかった。」
季美子がホッとした表情で俺を見る。
「そうだな。意識戻ってよかったよ。」
「うん。
それもあるけど…」
?
季美子は大きな自分のお腹をさすりながら、
「この子が助けてくれたのよ」
え…?
「あの日、出勤する前にお腹が痛くなったでしょ?
お腹が痛かったのは不安だったけど、そのおかげで、あなたは死なずにすんだの。」
え⁉
「どういうことだ?」
「あの日、あなたがいつも通りの時間に家を出ていたら、交通事故にあっていたと思うの。
車同士…正面衝突する事故があったの。
片方が居眠り運転だったみたいで反対車線から突っ込んできたの。
どちらの運転手も亡くなってしまって…」
そこまで話を聞いて、だんだんと思い出してきた。
出勤時間が10分遅れたこと。
渋滞していた道。
通り過ぎる救急車…
「だからね、この子が私のお腹を蹴って知らせてくれたのよ!
今家を出たら交通事故にあうよーって。」
『お腹の中で暴れて知らせるんだよ。』
凌司の言葉がよみがえる…
思わず季美子のお腹に手をあてた。
俺が礼七と入れ替わった未来の世界。
季美子と離婚していた…
死別だったんだ!
俺は死んでいたんだ。
俺が死んだせいで、凌司も礼七もつらい人生になってしましたのか?
それを知らせるために?
自分自身の運命を変えるために、凌司と礼七は未来からやってきて、俺を殺さないでくれたのか?
今本当は死んでいたってことは、あの時の凌司は俺のことを知らなかったのか…
でも…
そんなことってあるか?
俺は夢を見ていたんだろうか…
俺が死ぬ未来
俺が生きてる未来…
別の世界が存在するのか?
いや、そんなわけない。
きっと俺は夢をみていたんだ。
それから俺は病院で検査などを受け、どこにも異常がなかったので、しばらくして退院し、元の生活に戻った。
礼七と入れ替わったのは夢だ…
そう思いながらも、俺は退院してすぐ、礼七が住んでいた家の辺りまで車で行ってみた。
場所は案外すぐ分かったが当然、家はなく畑が広がっていた。
新聞配達をしたであろう家も、ほとんどがまだ建っていなかった。
でも景色は面影があるというか…
なんだか懐かしい感じだった。
礼七の実の父親の実家も探してみた。
狭い道をウロウロしていると、それらしき家を発見した。
あまりじろじろ見るわけにもいかないので、ゆっくりと車で家の前を通り過ぎてみた。
庭に小さな自転車があった。
礼七の父親のものだろうか…
今…幼稚園ぐらいかな?
礼七の父親が何歳だったのか分からないが、凌司の話からすると、凌司よりも年上のはず。
これから成長して、何年か後に礼七の母親と出会い礼七が生まれる…
そうだ…
凌司と礼七は確か11才差だったな。
凌司が11才になった時にここへ来れば、礼七に会えるんじゃないのか?
11年後…
長いけど💧
でも、俺は今生きている。
だから季美子とあのオッサンが夫婦になることはない。
巧は生まれないし、礼七があの家に引き取られることもない。
…
やっぱり夢だったのかな…
俺が体験した礼七の生活は…
あんなつらい生活…
夢であった方がいいんだけど…
なぜだか夢だと思えなかった。
その後…
季美子は無事に男の子を出産した。
友子も修平も名前は俺が考えていたので、3人目の子どもの名前は季美子が決めることになっていた。
季美子が名付けの本を見ながら楽しそうに名前を考えている横で、俺はドキドキしていた。
礼七と入れ替わった話など季美子にはしていない。
男の子が生まれた時点で、俺はあの出来事が夢ではなかったんだと妙に緊張していた。
何も知らない季美子がこの子を凌司と名付けたら…
そう思うとなぜか嬉しかった。
生まれた赤ちゃんはなんとなく俺に似ていた。
友子や修平も赤ちゃんが可愛いみたいで、二人共ニコニコしながら赤ちゃんを見ている。
やっぱりお前は凌司だよな!
まだ名前が決まってないのに、
「お~い、凌司~」
と呼んだり、抱っこしたりしていた。
赤ちゃんも季美子も無事に退院し、家に戻ってきた。
ささやかながら家族でお祝いした。
子ども達と協力して散らかった部屋の掃除をして、みんなでカレーとサラダを作った。
お祝いにケーキも買って、友子と修平は大喜び。
そんな中…
「あなた、赤ちゃんの名前なんだけど…」
きたー。
「う、うん。
いい名前決まったか?」
俺はドキドキしながら聞いた。
「康平…ってどうかな?」
「え⁉こ、こうへい?」
俺はひっくり返りそうになった💦
凌司じゃないのか⁉
「健康の康。元気な子になって欲しいから…」
「…」
俺は放心状態だった。
そんな俺を見て
「…嫌だった?」
恐る恐る季美子が聞く。
嫌とかではない。
康平…いい名前だと思う。
ただ…凌司や礼七の存在がなくなってしまうようで悲しかった。
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小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
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