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母が亡くなるかもしれない。後悔しないためには?
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🔥理沙の夫婦生活奮闘記😤パート1️⃣😸ニャン

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リン( 30代 ♀ ns7Lh )
12/02/13 01:01(更新日時)

こんな毎日もう嫌だ。

できるわけないけど

もし…できるなら…

過去に戻ってやり直したい。

中学入学前?

それとも小学校低学年ぐらい?

もっと前かな…

人生がくるい始めたのは

いつ頃からだろう…





不定期な更新になると思います🙇💦
誤字・脱字、表現力の乏しさ…等々、お許し下さい。
よろしくお願いします。

No.1636153 11/07/18 21:28(スレ作成日時)

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No.101 11/09/03 22:46
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

🌱主のリンです🙇
削除されたレスが見れなかったのでちょっと気になってます💦

小説の内容、あまり楽しい話ではないので、不快に感じた方がいたのかな…😣

  • << 107 初めまして❗ いつも楽しみに読ませていただいております😃 削除の内容ですが、このスレとは全く関係の無いしょーもないチェーンメールのようなものでした。 私も削除に一票入れましたが、もしかしたらここ(ミクル)の管理者さんが消したのかもしれません。 ご安心ください😊 とっても面白いです❗ これからどうなるのかすっごく楽しみです❗
  • << 108 物語の途中にレスして申し訳ありません🙏 主さん初めまして☺ 久しぶりに小説にはまりました✨ 主さんの文章の書き方、私は凄く好きです☺ 毎日 楽しみにしてるので これからも頑張って下さい😃

No.102 11/09/03 23:01
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「礼七…」

修平が家の方を見たまま俺に声をかけた。

「…何?」

「礼七、ここはお前の本当の父さんの家なんだよ。」


…やっぱりな。

「…病気で亡くなったんだ…」

「…そう…」

「お前父さんに会いたいか?」

「え⁉」


礼七じゃないから分からないぞ💦💦

会いたいか?

家の中にはオッサンも季美子もいる。

オッサン達は最低な両親だと思うけど、礼七を育ててきたのはオッサンと季美子だ。

礼七が本当の父親と会うのは失礼じゃないのか?

でも…

もし礼七が本当の父親に会いたいと思っていたら、俺じゃなくて本当の父親と入れ替わったかも⁉



ダメだ。

分からない。

No.103 11/09/03 23:10
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「ごめん、分からない。」

自分の気持ちを正直に修平に伝えた。

「そうだよな💦
突然。礼七も困るよな💦」


ハッ

待てよ!

礼七の父親の通夜…

家の中には礼七の本当の母親もいるってことだよな?


礼七が行ったら気まずいだろ…

礼七を施設に預けた理由とか知らないし…

そっとしておくべきか?

「ここで手をあわせておくよ」

俺は家に向かって手をあわせた。

「そうだな。」

修平も手をあわせていた。

No.104 11/09/03 23:27
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

帰りの車内。

「私の本当の両親はどうして私を捨てたの?」

俺は思い切って修平に聞いた。

修平は黙っている。

やっぱり聞いちゃいけないことだったかな…

「礼七のお父さんな、礼七が1才になるちょっと前ぐらいに、交通事故にあって大怪我したんだよ。」



「リハビリとかもあって、とても礼七の育児ができる状態じゃなかったから…」

「怪我が治った後も、そのままで…
あ…亡くなった原因はガンだったらしいんだけど。」

No.105 11/09/03 23:32
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

…なるほど。

でも…

母さんは?

母さんも父さんのリハビリとかで忙しくて育児できなかったのか?

修平にたずねた。


「…」


修平は何も答えてくれなかった。

母親には完全に捨てられたのか?

礼七…


No.106 11/09/03 23:41
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

修平に家まで送ってもらい、

「礼七…今日は悪かったな。」

そう言って修平は帰って行った。


本当の父親に会わせてやりたかった、という修平の優しさ。

その気持ちはすごくわかる。

が、礼七と入れ替わって通夜に行ったのが俺で良かったと思った。

色々とショックだろ…


No.107 11/09/04 00:36
zocca ( ♀ BeSVh )

>> 101 🌱主のリンです🙇 削除されたレスが見れなかったのでちょっと気になってます💦 小説の内容、あまり楽しい話ではないので、不快に感じた方がいたの… 初めまして❗

いつも楽しみに読ませていただいております😃

削除の内容ですが、このスレとは全く関係の無いしょーもないチェーンメールのようなものでした。

私も削除に一票入れましたが、もしかしたらここ(ミクル)の管理者さんが消したのかもしれません。

ご安心ください😊


とっても面白いです❗

これからどうなるのかすっごく楽しみです❗

  • << 109 🌱zoccaさん 削除メールのこと教えて下さり、ありがとうございました🙇 ホッとしました☺ 小説の方も読んで下さってありがとうございます‼ これからもお付き合い頂けたら嬉しいです❤

No.108 11/09/04 00:41
ハル ( ♀ Sr4N )

>> 101 🌱主のリンです🙇 削除されたレスが見れなかったのでちょっと気になってます💦 小説の内容、あまり楽しい話ではないので、不快に感じた方がいたの… 物語の途中にレスして申し訳ありません🙏


主さん初めまして☺


久しぶりに小説にはまりました✨


主さんの文章の書き方、私は凄く好きです☺


毎日 楽しみにしてるので これからも頑張って下さい😃


  • << 110 🌱ハルさん 読んで下さってありがとうございます🙇 私は女ですが、主人公が男なので、気を付けながら文章書いてますが、いつも不自然じゃないかな~、大丈夫かな~と心配でした💦 これからもお付き合い頂けたら嬉しいです❤

No.109 11/09/04 20:32
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

>> 107 初めまして❗ いつも楽しみに読ませていただいております😃 削除の内容ですが、このスレとは全く関係の無いしょーもないチェーンメールのような… 🌱zoccaさん

削除メールのこと教えて下さり、ありがとうございました🙇
ホッとしました☺

小説の方も読んで下さってありがとうございます‼

これからもお付き合い頂けたら嬉しいです❤

No.110 11/09/04 20:39
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

>> 108 物語の途中にレスして申し訳ありません🙏 主さん初めまして☺ 久しぶりに小説にはまりました✨ 主さんの文章の書き方、私は凄く好きで… 🌱ハルさん

読んで下さってありがとうございます🙇

私は女ですが、主人公が男なので、気を付けながら文章書いてますが、いつも不自然じゃないかな~、大丈夫かな~と心配でした💦

これからもお付き合い頂けたら嬉しいです❤

No.111 11/09/04 23:56
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

家に入ると電話が鳴っていた。

巧はもう寝たのかな?

「もしもし。…福森です。」

とりあえず電話に出た。

「…礼七?」

誰だ?若そうな女の声。
季美子ではない。

「?はい。礼七です。」

「礼七~、ママだよ♪」



は??

ママ?

ママって誰だよ?


礼七の?

本当の母親か??

No.112 11/09/05 00:06
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「ママ?」

「この前の返事、聞かせてもらえる?」


どうしよう。

この前の返事って何だ?

ていうか、礼七は母親と連絡取ってたのか?

意味分からんぞ。

連絡取ってるなら、通夜のこととか知らせろよ。

それに今通夜中じゃないのか?

「今、お父さんの通夜でしょ?」

「は?え?
お父さん死んだの?」

…え?

「知らないの?」

「知らないよ!
も~、ちゃんと教えてよ。
お葬式は?明日?」

「え?多分明日かな?」

「多分って何よ。
お父さんのことでしょ?」

…もしかしてオッサンと勘違いしてる?

No.113 11/09/05 00:10
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「…お父さんって、私の本当のお父さんのことだけど…」

「本当のお父さん?
え~、アイツ死んだの?」


…何だコイツは?

おかしくないか?

何で何にも知らないんだよ💨

その時…

受話器の向こうから赤ちゃんの泣き声が聞こえた。

No.114 11/09/05 18:43
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「ちょっとごめん。」

そう言うと、女は

「何~?
いい子で寝てよ~#%*…」

と、赤ちゃんに声をかけて、あやしていた。


…赤ちゃん。

礼七の弟か妹?

夫の死を知らないとなると、離婚してるのか?

礼七を捨てたくせに、自分は新しい家庭を作ったのか?

礼七がこんなつらい思いしてるのに…

礼七の母親に対して怒りがこみ上げてきた。


No.115 11/09/05 18:49
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )


「礼七?
ごめん。おまたせ。

でさ、どうなのよ?」


「…何の話?」

俺は怒りをおさえて答えた。


「も~💢
3日ぐらい前に話したでしょ?
一緒に暮らす話!」


一緒に暮らす?

礼七を引き取るのか?


No.116 11/09/05 18:55
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「今更…どうして?」

思わず俺の本音が出た。

3日ぐらい前というと、俺と礼七が入れ替わった日に近い。

多分、入れ替わった原因はこれだ。

礼七自身が母親と一緒に暮らせることを喜んでいたら、俺と入れ替わったりはしなかっただろう。

母親からの一緒に暮らそうという連絡に、礼七は戸惑い、…傷ついたんではないだろうか?

No.117 11/09/05 19:08
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「今更って…。
そりゃあ今更かもしれないけど、今だから一緒に暮らせるんだよ!」


今だから?

経済的理由か?

でも再婚して赤ちゃんもいるんだろ?

赤ちゃんつくるより先に、礼七を引き取るべきじゃないのか?

「赤ちゃんいるんでしょ?
新しい家庭があるんだよね?」

「そうだよ。
だからこそ、礼七を引き取れるんだよ!
礼七の新しいパパのおかげなんだから。」


新しいパパね💧

礼七には父親何人いるんだよ。

男の力がないとどうにもならないのか、この女は💧

自分の力で何とかして礼七を迎えに行こうとは思わないのか?

「家も広いし、赤ちゃんもいるし、きっと楽しいよ!」


コイツはどうして突然礼七を引き取ろうと思ったんだろう💧


No.118 11/09/05 19:12
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「経済的にゆとりが出来たから、一緒に暮らすの?」

「は?
経済的ゆとりって、子どものくせに何言ってんの?

一緒に暮らせるようになったから連絡したの!

子どもを引き取るのは親の役目でしょ!

親には責任があるの!」


No.119 11/09/05 19:19
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「は?💢

お前何言ってるんだ?💢

親の役目だの責任だの偉そうに言ってるけどな、

自分の子どもは絶対に手放さない、
苦しくてもつらくても、子どものために頑張るのが親の役目や責任じゃないのか?💢

新しいパパのおかげって、どれだけ男に甘えてるんだよ!
親なら自分の力でなんとかしろよ💢」


俺はブチキレて女に怒鳴った。

怒鳴り声は礼七の声ではなくて、男の俺の声だった…


No.120 11/09/05 19:28
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「…オッサン誰?」

当たり前だけど、女は驚いている。


あー、あー…(発声練習💧)

まだ男の声だ…

「礼七の知り合いだよ。」

「そうですか。
でもあなたには関係ないことです。
よく知りもしないのに怒鳴られたくない💢」

「新しい家庭が出来てから礼七を迎えに来たって、礼七は喜ばない。
そこに礼七の居場所はあるのか?」

「あるわよ!
私もいるんだし💢」

「礼七は母親と二人の方が良かったと思うけど…」

「あのね💢
私1人じゃ経済的に礼七を育てるのは無理なの!
どんなに働いても男より給料低いし。
男のあんたにこんなこと言っても分からないでしょうけど💨」


No.121 11/09/05 19:37
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「じゃあ何で最初の旦那と離婚したんだよ?」

「それは…
旦那が働かなくて困ったからよ。」

「だったら旦那に礼七預けて、あんたが働けばよかったんじゃないのか?」

「だから~💢
女の給料だけじゃ食べていけないんだってば。」

「でも世の中にはシングルマザーで頑張ってる人がたくさんいるぞ。
母子家庭なら手当とかもつくんじゃないのか?」

「人と比べないでよ💢」



コイツには何を言っても意味がないな…

時間の無駄だ。

多分働く気なんてないんだろう。

ただ自分の為だけに 礼七を引き取りたいんだ。

礼七の幸せなんて全然考えてない。

No.122 11/09/05 19:47
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

なんて自分勝手な母親なんだ…

自分達の都合で子どもを捨てて、自分達の都合で引き取る。

子どもの気持ちなんて完全に無視だ。


「ちょっと💢
礼七にかわって!」

「もう一度自分のしたことをよく考えてみろ!
今の考えのままだと礼七が可哀想だ。
お前も幸せになれないぞ。」

「はあ💢
何よ💢偉そうに💢
あんた誰なのよ!」

「大岩孝雄だ💢」

俺は自分の名前を言うと、ガチャンと乱暴に電話を切った。

ったく…

礼七には悪いが、なんだあの母親は💨


No.123 11/09/06 00:06
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

イライラして、タバコでも吸いたい気分だが、そうもいかず…

俺は外に出て深呼吸した。

空を見上げた。

今日は星がひとつも見えないな…

礼七…

逃げたくなるよな…

多分、父親の病気のことも知ってたんだろうな…

本当の父親は死んで…、本当の母親から連絡きたと思えば、自分の都合でしか、ものを考えない甘えた親…

育ての両親からは冷たくされて…

自分の居場所がない。

つらすぎるだろ…


No.124 11/09/06 00:14
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

涙が出てきた。

もし礼七が俺の子どもだったら…

友子や修平がこんなめにあっていたら…

…絶対に許せない。


でも礼七には周りに助けてくれる大人がいない。

気持ちを共感してくれる人も、相談できる人もいない?


そう思っていると、一台の車が家に入ってきた。






相談できる人
共感してくれる人

いたいた!


家に入ってきたのは凌司の車だった。


No.125 11/09/06 22:01
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「礼七!
どうしたんだよ?」

夜遅くに外にいるもんだから、凌司は車から降りると、俺のところへ走ってきた。

修平も凌司も礼七のことを大切に思ってくれている。

修平は頼りになりそうだし、優しい。

でも礼七に気遣いし過ぎて肝心なことは言わない…
そんなタイプ。

凌司は裏表がないような感じだ。
思ったことは言う。
好き嫌いがハッキリ分かれるタイプだろう…


今は本当のことが知りたい!

俺は凌司に今までのことを全部一気に話した。


凌司!
本当のことを教えてくれ🙏

No.126 11/09/06 22:14
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「俺も通夜に行こうと思ってたんだよ。
礼七の本当の父さんと、少しの期間だけど一緒に仕事したこともあるから…。」


あの女…
旦那が仕事しないから離婚した~とか言ってたけど…

嘘なのか?


「まあ俺も本当のことは分からないけどな。
礼七の父さんは離婚したくなかったって言ってたよ。

仕事が一緒になったのは偶然だったんだけど、礼七の様子聞いてくるばっかりしてたよ。

母さん達(季美子+オッサン)は、礼七の父親に、礼七の様子とか知らせたりしてなかったみたいだからな。」

No.127 11/09/06 22:27
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「とりあえず、ここで立ち話もなんだから、車乗るか?
ドライブでも行こう。」

真っ暗な中で話していたので、凌司の車に乗ることにした。

「明日は葬式もあるだろうし、学校休めよ。」

「うん。
あ、でも新聞配達が…」

「それは俺も手伝うよ。」

そんなことを言いながら車に乗り、
車・スタート。


「ザッと話すけどな。
礼七の母さんは礼七が産まれて少したつと仕事を始めたんだよ。」

No.128 11/09/07 04:12
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

子どもが生まれて仕事を始める。

別におかしいことじゃないよな…

「礼七の母さんは夜働きに出たんだよ。
父さんは反対したんだけど、母さんは夜しか働いた経験がなかったらしい。」

礼七がまだ小学生なので、凌司も仕事については細かく言わなかったが、母親はスナックで働いていたようだ。

「母さんが夜働き出るから、夜の間は父さんが礼七の世話をするんだけど、赤ちゃんって夜でもミルク飲んだり、泣いたりするんだよ。
父さん昼間は普通に働いてたから、寝不足になって大変だったみたいだ。」


No.129 11/09/07 04:36
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「父さんも礼七の父親だから、大変でも礼七の世話をするのは当たり前のこと。

ただ、母さんが仕事が終わっても、すぐに家に帰ってこない日が多くなってきたんだ。

父さん困ってな…

礼七を仕事に連れては行けないし、礼七ひとりを家に置いとくわけにもいかない。

父さんは仕方なく仕事を休む。

母さんに『仕事終わったらすぐ帰って来い。帰って来れないなら仕事辞めろ。』って言ったけど、母さんは仕事辞めなかった。

父さんは欠勤が続いて、とうとう会社クビになったんだよ。

父さん働ける状況じゃないのに、母さんから『男のくせに働かない』って責められて…

喧嘩ばかりにするようになってしまったから、父さん達は別々に暮らし始めたんだ。

礼七は父さんと暮らしてたんだぞ。

父さんは朝が少しゆっくりな仕事を探して、礼七を保育園に預けて働いてたんだ。

でも…
事故にあってしまって…

母さんに礼七をお願いしたんだけど、仕事があるから無理だと言われて…

父さんはどうすることも出来ず、礼七を手放したんだ…

父さん元気になってから、礼七を引き取りたかったんだけど、母さんとはすでに離婚してたし、拒否されたんだ。」


No.130 11/09/07 23:28
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

…通夜の帰りに修平から父親のことを聞いた時、父親に不信感みたいなものを感じていたが、

修平は礼七のことを考えて、随分大ざっぱに話してたんだな~。

礼七が聞いたら傷付く内容かもしれないが、父親が頑張って子育てしていたことは、しっかりと伝わってきた。

問題は母親だな…

「礼七は本当の母さんと一緒に暮らしたいのか?」


「…分からない。」


「今の生活から逃げ出したいって思ってる?」


「…少しは思ってる(かな?)」


「だったらやめといた方がいい!」

No.131 11/09/07 23:37
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

凌司はキッパリそう言った。

俺もそう思った。


今の生活の中で自分の居場所がない礼七。

でもオッサンも季美子も他人だから、仕方ないと思える部分もある。

しかし、実の母親と一緒に暮らした時、自分の居場所が見つからなかったら、つらいだろ…

礼七には悪いが、自分の都合だけしか考えない母親だ…

母親と一緒に暮らしても幸せになれるかどうか…


No.132 11/09/08 23:06
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「今の生活もつらいと思う。
でもアイツと暮らせば、もっとつらいことになる。

…礼七には悪いけど、アイツは母親として最低だ。

俺はアイツに変わって欲しくて、何度も話し合ったんだけど、俺の話なんて聞こうとしない」


凌司は悔しそうに話している。

「兄貴や母さんもアイツのこと甘やかしてばっかりで…」



凌司の話からすると、礼七が福森家に来てからも、母親とは頻繁に連絡は取っていたみたいだが…

甘やかすってどういう意味だ?

No.133 11/09/08 23:14
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「甘やかすって?」

「あ…
悪い悪い💦
ちょっと言い過ぎたかな💦

アイツは本当にすべきことをせず、人に頼ってばかりだった。

誰かがアイツに「それは違う」と注意するとか、自立できるようにわざと突き放すとか…

そういうことをしないとアイツは同じことばかりを繰り返すのに…母さん達は見て見ぬふりだった。

No.134 11/09/10 22:54
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

…養子だとしても、本当の母親のことは、気にしないといけないものなのか?

凌司の話を聞いているうちに、よく分からなくなってきた。

そもそも、礼七は季美子達の養子なのに、実の母親だからって簡単に一緒に暮らせるようになるのか?

そこまで実の母親を気にしなくても…

礼七も本当の母親のことなんて記憶にないだろうし、季美子が母親でいいんじゃないのか?

俺は男だから分からないけど、「産んだ」っていうこと…
それが母親なのか?

産んですぐに手放しても⁉

育ての親が本当の母親でもいいと思うが?

産むのも命がけ。

でも、育てるのも大変なことだろう…


No.135 11/09/10 23:02
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「色々言って、混乱するよな💦

でも兄ちゃんは、礼七の母親は季美子だけだと思っていて欲しい。」


…俺もそう思う。

「…うん。」

多分、礼七も同じ気持ちだと思う。


「俺もな~
できるなら人生やり直したいよ。

いつからおかしくなったのかな~

…って、ホントは分かってるけど。」


凌司も季美子が俺と離婚したせいで、大変だったんだな…

ごめんよ、凌司…


No.136 11/09/10 23:10
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「いつからやり直したい?」

なんとなく聞いてみた。

「そりゃ~…

うーん。胎児かな。」

「胎児?」

「そう。
お腹の中で暴れて知らせるんだよ!」

「知らせる?」


知らせる?

何を?


胎児になって?








「痛っ…痛たたた…」

「季美子?
どうした?」

「お腹が痛くて…
赤ちゃん、すごく暴れてるみたい…」

「大丈夫か?」



No.137 11/09/12 23:29
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

ふと、礼七と入れ替わる直前のことを思い出した。

妊娠中の季美子がお腹が痛いと言っていた。

赤ちゃんがお腹の中で暴れてるみたいだと言って…

あの時、季美子のお腹にいた子どもは間違いなく凌司だろう…



じゃあ、凌司は本当に、胎児に戻ったのか?

何かを知らせる為に?


No.138 11/09/14 20:26
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )



…ん?

俺はうっすら目をあけた。

あれ?
凌司の車の中で寝てしまったのか?

「お父さん?」


誰だ?

「だ、誰?」

「お父さん?気が付いた?
私、季美子!分かる?」


え?季美子?


頭が混乱する。






俺は病院のベットの上で寝ていた。


No.139 11/09/14 20:38
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

元の世界だった。


季美子はナースコールのボタンを押し、

「主人が目を覚ましました!」

と言っている。


そして俺の手を握り

「よかった…

あなた、1週間近くずっと眠ったままだったの。

出勤する途中、車の中で突然意識を失ったらしくて…」


と、泣きながら教えてくれた。


No.140 11/09/16 22:10
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

きっと礼七と入れ替わったから、意識を失ったんだな…

じゃあ、俺の姿をした礼七は、病院で眠っていただけなんだな💦

よかった…


「でもよかった。」

季美子がホッとした表情で俺を見る。

「そうだな。意識戻ってよかったよ。」

「うん。
それもあるけど…」




季美子は大きな自分のお腹をさすりながら、


「この子が助けてくれたのよ」



え…?


「あの日、出勤する前にお腹が痛くなったでしょ?

お腹が痛かったのは不安だったけど、そのおかげで、あなたは死なずにすんだの。」



え⁉


No.141 11/09/16 22:25
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「どういうことだ?」


「あの日、あなたがいつも通りの時間に家を出ていたら、交通事故にあっていたと思うの。

車同士…正面衝突する事故があったの。

片方が居眠り運転だったみたいで反対車線から突っ込んできたの。

どちらの運転手も亡くなってしまって…」


そこまで話を聞いて、だんだんと思い出してきた。


出勤時間が10分遅れたこと。


渋滞していた道。


通り過ぎる救急車…


「だからね、この子が私のお腹を蹴って知らせてくれたのよ!
今家を出たら交通事故にあうよーって。」


No.142 11/09/16 22:32
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

『お腹の中で暴れて知らせるんだよ。』


凌司の言葉がよみがえる…


思わず季美子のお腹に手をあてた。


俺が礼七と入れ替わった未来の世界。

季美子と離婚していた…

死別だったんだ!

俺は死んでいたんだ。

俺が死んだせいで、凌司も礼七もつらい人生になってしましたのか?


それを知らせるために?


自分自身の運命を変えるために、凌司と礼七は未来からやってきて、俺を殺さないでくれたのか?

No.143 11/09/16 22:37
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

今本当は死んでいたってことは、あの時の凌司は俺のことを知らなかったのか…


でも…

そんなことってあるか?


俺は夢を見ていたんだろうか…


俺が死ぬ未来


俺が生きてる未来…


別の世界が存在するのか?



いや、そんなわけない。


きっと俺は夢をみていたんだ。


No.144 11/09/16 22:56
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

それから俺は病院で検査などを受け、どこにも異常がなかったので、しばらくして退院し、元の生活に戻った。


礼七と入れ替わったのは夢だ…

そう思いながらも、俺は退院してすぐ、礼七が住んでいた家の辺りまで車で行ってみた。


場所は案外すぐ分かったが当然、家はなく畑が広がっていた。

新聞配達をしたであろう家も、ほとんどがまだ建っていなかった。

でも景色は面影があるというか…

なんだか懐かしい感じだった。


礼七の実の父親の実家も探してみた。

狭い道をウロウロしていると、それらしき家を発見した。


あまりじろじろ見るわけにもいかないので、ゆっくりと車で家の前を通り過ぎてみた。


庭に小さな自転車があった。


礼七の父親のものだろうか…
今…幼稚園ぐらいかな?



No.145 11/09/17 06:37
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

礼七の父親が何歳だったのか分からないが、凌司の話からすると、凌司よりも年上のはず。

これから成長して、何年か後に礼七の母親と出会い礼七が生まれる…


そうだ…

凌司と礼七は確か11才差だったな。

凌司が11才になった時にここへ来れば、礼七に会えるんじゃないのか?

11年後…

長いけど💧



No.146 11/09/17 06:44
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

でも、俺は今生きている。

だから季美子とあのオッサンが夫婦になることはない。

巧は生まれないし、礼七があの家に引き取られることもない。



やっぱり夢だったのかな…

俺が体験した礼七の生活は…

あんなつらい生活…

夢であった方がいいんだけど…


なぜだか夢だと思えなかった。


No.147 11/09/17 06:52
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

その後…

季美子は無事に男の子を出産した。

友子も修平も名前は俺が考えていたので、3人目の子どもの名前は季美子が決めることになっていた。


季美子が名付けの本を見ながら楽しそうに名前を考えている横で、俺はドキドキしていた。


礼七と入れ替わった話など季美子にはしていない。


男の子が生まれた時点で、俺はあの出来事が夢ではなかったんだと妙に緊張していた。


何も知らない季美子がこの子を凌司と名付けたら…


そう思うとなぜか嬉しかった。


No.148 11/09/17 07:00
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

生まれた赤ちゃんはなんとなく俺に似ていた。

友子や修平も赤ちゃんが可愛いみたいで、二人共ニコニコしながら赤ちゃんを見ている。

やっぱりお前は凌司だよな!

まだ名前が決まってないのに、

「お~い、凌司~」

と呼んだり、抱っこしたりしていた。


No.149 11/09/17 07:14
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

赤ちゃんも季美子も無事に退院し、家に戻ってきた。

ささやかながら家族でお祝いした。

子ども達と協力して散らかった部屋の掃除をして、みんなでカレーとサラダを作った。

お祝いにケーキも買って、友子と修平は大喜び。

そんな中…


「あなた、赤ちゃんの名前なんだけど…」


きたー。


「う、うん。
いい名前決まったか?」

俺はドキドキしながら聞いた。


No.150 11/09/17 07:21
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「康平…ってどうかな?」


「え⁉こ、こうへい?」


俺はひっくり返りそうになった💦

凌司じゃないのか⁉


「健康の康。元気な子になって欲しいから…」


「…」


俺は放心状態だった。


そんな俺を見て

「…嫌だった?」

恐る恐る季美子が聞く。


嫌とかではない。

康平…いい名前だと思う。


ただ…凌司や礼七の存在がなくなってしまうようで悲しかった。

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