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レス215 HIT数 56655 あ+ あ-

リン( 30代 ♀ ns7Lh )
12/02/13 01:01(更新日時)

こんな毎日もう嫌だ。

できるわけないけど

もし…できるなら…

過去に戻ってやり直したい。

中学入学前?

それとも小学校低学年ぐらい?

もっと前かな…

人生がくるい始めたのは

いつ頃からだろう…





不定期な更新になると思います🙇💦
誤字・脱字、表現力の乏しさ…等々、お許し下さい。
よろしくお願いします。

No.1636153 11/07/18 21:28(スレ作成日時)

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No.1 11/07/18 21:37
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

いつもと変わらぬ朝だった。

妻の作った朝食を食べ、まだ寝ている2人の子どもの顔を見てから出勤する。

しかし、思い返してみると、いつもと違うことがひとつあった。

妊娠中である妻が、出勤する直前に腹痛を訴えたことだ。

お腹の子は3人目。
今まで妊娠中は順調で、酷い腹痛など経験したことがなく、俺も妻も戸惑った。

幸い、腹痛はすぐにおさまった。
念のため病院で診てもらうようにと妻に言い残し、いつもより10分遅れで家を出た。

No.2 11/07/18 21:43
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

通い慣れた一車線の田舎道。
車を走らせる。

…が、大渋滞だ…。

出るのが10分遅れただけで、こんなにも道の混みようが違うのか…。

と思っていたら、後ろから救急車がサイレンをならして迫ってきた。

事故か?

車を道の端に寄せる。


おじさん‼


え⁉


突然、どこからか女の子の声が聞こえた。

No.3 11/07/18 21:51
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

空耳か?


おじさん‼
こっちこっち‼


え⁉⁉


急に真後ろから声が聞こえた。

ヒヤッとした。

ハンドルを握っていた手に力が入る。

…幽霊?

じめじめと暑い6月の終わり。
鳥肌が立ち、血の気が引く…
一気に寒くなった。

おそるおそるルームミラーをチラッと見た。

女の子がニコニコして後部座席に座っている。


だ、誰だ😨😨








俺の記憶はここまでだ…

No.4 11/07/18 22:53
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

ピピピピピ…


ん?

気が付くと布団で寝ていた。

目覚まし時計の音が鳴り響いている。

枕元に目覚まし時計を見つけ、とりあえず音をとめた。

時計を見ると…4時…。

朝か?

ゆっくり起き上がり、周りの様子を見る。


ここは?

ここはどこだ?

No.5 11/07/18 22:59
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

自宅ではない。

実家でもないし、親戚の家でも友達の家でもない。

病院でもない。

全く見覚えのない、普通の家のようだった。

俺は仕事に行っていたはず…

わけのわからない状況にパニックになった。

No.6 11/07/19 22:14
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

通勤途中、渋滞で…

救急車がきて…

それから…

それからどうしたんだったかな?

あ、
確か女の子の声が聞こえて…

…もしかして…

事故ったのって、俺だったのか?

ここは夢の世界だったりして⁉

いや、違う。
俺は生きてたはず…。

ほら、足もあるし。

俺は立ち上がった。

No.7 11/07/19 22:22
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

その時、俺は愕然とした。

確かに足はあった。

しかし、パジャマ姿だった俺の足は、まるで少女のような足だった。

そして立ち上がったが、目線が妙に低い。



あの時、俺の車の後部座席に座っていた少女の姿が頭をよぎる。

そんなわけないよな。

1人焦っていると、突然部屋の戸が開いた。

No.8 11/07/19 22:29
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「まだ着替えてないのか‼
何やってんだ!
さっさとおりてこい‼」

50代ぐらいのオッサンが部屋に入ってきて、いきなりすごい形相で怒鳴られた。

「あの、俺は…」

オッサンに話しかけようとしたが、オッサンは無視して、部屋の戸を勢いよく閉めた。

ギシギシギシと階段をおりる音が聞こえる。

どうやらここは2階みたいだ。

No.9 11/07/21 01:02
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

俺は部屋を見回した。

四畳半ぐらいの和室。
真ん中に俺が寝ていた布団が敷いてあり、部屋の隅には勉強机とタンス。

…子ども部屋だよな…。

勉強机に鏡が置いてある。

なぜこうなったのか分からないが、多分きっとそうであろう…

覚悟を決めて鏡を見た。





…やっぱり。


俺は少女になっていた。
車の後部座席に座っていたあの少女に…

No.10 11/07/21 01:12
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

状況は分からないが…。

とにかく布団をたたみ、着替えを探した。

制服があったので、とりあえずそれに着替えた。

夏服だった。

名札には

5年
福森礼七

と書いてある。

フクモリ…レイ…?

よ、読めん💧


鏡にうつる自分の姿を見る。

可愛らしい女の子だけど…
中身は32才のオッサンだからな💧

いったいなんでこんなことに…

すると下から
「おい‼れな‼
まだか‼」

またオッサンの怒鳴り声が聞こえた。

No.11 11/07/21 20:09
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

れな…

礼七…れなと読むのか。

しかし…

オッサンは妙にせかすが、まだ朝の4時過ぎ…

めちゃめちゃ早起きだろ。

何をそんなに急ぐのか…

不思議に思いながら部屋を出て、階段をおりた。

No.12 11/07/21 23:37
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

階段をおりると、居間らしき部屋があり、さっきのオッサンがテレビを見ていた。

隣には台所があり、母親であろうオバサンがコーヒーをいれていた。

オッサンは短気そうだから、オバサンに…
と思い、台所へ行き

「あ、あの…」

と後ろからオバサンに声をかけた。

オバサンは振り返り、
「あ、れな。おはよう。早くしなさいよ。お父さんに怒られるよ。」

と、小声で俺に言った。

そのオバサンの姿に俺は再び驚いた。



…季美子?

No.13 11/07/21 23:40
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

しわが増え、白髪まじりの頭。

一瞬分からなかったけど…

間違いない。

季美子だ…。

…俺の妻の。

No.14 11/07/21 23:51
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

驚き過ぎて声も出ず、その場から動けなかった。


「おい、お前何やってるんだ!
早く行け!」

いつの間に来たのか、俺の背後にオッサンが立っていた。

バシッ

バシッ


オッサンに背中を木刀で叩かれた。


「いっ💦」いてー


「早く行け。」


そのまま引きずられながら玄関に連れて行かれ、靴と共に外に放り出された。


俺は玄関先にうずくまりズキズキとする背中の痛みと戦った。

母親…季美子は俺が木刀で叩かれたのに、何も言わなかった。

母親失格だな💨

No.15 11/07/23 22:51
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

しかし…

季美子はあのオッサンのことを『お父さん』と言っていた。

ということは?

この福森礼七は季美子とオッサンの子ども…?


待て待て待て‼


俺はどうしたんだ?

なんでいないんだ?

離婚したのか?



また様々な思いが頭の中を駆けめぐる…。

No.16 11/07/24 22:41
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

俺…大岩孝雄は、24才の時に5才年下の季美子と結婚した。

俺が26才の時に長女・友子、
28才の時に長男・修平が生まれた。

そして俺が32才、季美子が27才の時、第3子が生まれる予定だった。

さっきの季美子は、どう見ても40~50代…

50才として…
礼七は小5…11才か。

39才ぐらいの時の子どもになる。

季美子にとっては4人目の子どもになるのか…


ということは…ここは…20年ぐらい先の未来なのか?

No.17 11/07/24 22:51
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

背中の痛みも少しおさまったが、あり得ない現実に一歩も動けない。

季美子と離婚したのか…
もしかして俺は死んでしまったのか…
なぜここにいるのか…
俺と福森礼七との関係は?


でも…季美子があのオッサンと再婚して、礼七が生まれたとして…

父親が娘の背中を木刀で叩くか?

ひょっとして連れ子なのか?

そうすると、礼七は俺の子?


考えれば考えるほど混乱していった。

No.18 11/07/24 22:56
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

ふと前を見ると、新聞が山積みになっているのを見つけた。

俺…礼七が早起きした理由…

もしかして新聞配達してるか?

新聞の山に近寄り、日付を見た…




…22年後だった…

No.19 11/07/24 23:01
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

俺は驚いたが、それよりも新聞配達に困った。


新聞は全部同じもので、古新聞ではなかった。


新聞配達など出来るわけない。

でもあのオッサンに何を言っても無駄に思えた。

季美子だけに事情を話すのもオッサンがいるから出来そうにない。

…どうしよう。


途方にくれていると、

「礼七!」

と俺のことを呼ぶ声がした。

No.20 11/07/25 22:00
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

声のする方を見ると、20代ぐらいの男が立っていた。

ニコニコしている。

誰だか分からないけど、怪しい感じはしない。

こんな早朝に…

誰だろう?

「何きょとん顔してんだよ?(笑)
まあ、そうだよな。
こんな時間に突然兄ちゃん現れたらビックリするよな~。」

男は笑っている。


…兄ちゃん?

もしかして…修平⁉⁉

No.21 11/07/25 22:05
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

4才だった修平…

22年後だから26才。

いい男になって…

いつもふざけたり、イタズラばかりして、季美子に怒られていた修平が…

面影…いきなりの22年後だから、あんまりないけど…

修平ー‼って抱きつきたいよ、父ちゃんは…

No.22 11/07/25 22:17
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

「今晩、同窓会があってさ、ちょうど今日こっちに用事がある人がいたから、乗せてきてもらったんだよ。
そしたらその人の都合でこんなに早く着いちゃって💧
行くとこもないし、ちょうど礼七が新聞配達の時間かな~って思って、寄ったんだよ。」

修平は喋っていたが、俺は修平の顔ばかり見ていた。

『4才の頃は季美子にそっくりだったけど、今の修平は俺に似てるな…
顔、変わるんだな~』

「礼七?
どうした?
じーっと俺の顔ばかり見て…
何かあったのか?」

俺はハッとして

「何でもない!
ちょっと疲れてるのかな💦」

「は?」

しまった😨
小5女子が、疲れてるなんて言わないか💦

「寝不足で…」

修平に本当のことは言えなかった…

なぜだか分からないけど…

本当の福森礼七が言って欲しくないと思っていたのか…?

No.23 11/07/26 22:47
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

修平と一緒に自転車に乗って、30戸ほどの家に新聞を配ってまわった。


周りの景色になんとなく見覚えがあった。

俺が住んでいた所から車で1時間ぐらいの場所だろう…

新聞配達が終わると修平は、
「じゃあな。」
と行ってしまった。

携帯番号を変えたからと言って、番号を書いたメモをくれた。

こんな早朝にどこへ行くのかと思って、しばらく見ていたら、赤色の可愛らしい車が修平を迎えに来た。

見たことのない車だった。

きっと彼女だろう…。

修平も彼女が出来たのか~、と嬉しくなった。

No.24 11/07/26 22:57
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

俺はきっと真面目なんだろうな💧

明日もこのままだったら新聞配達困ると思い、運よく玄関先に鉛筆が転がっていたので、さっき修平がくれたメモの裏に、もう一度新聞を配達した家をまわりながら、簡単な地図と名前を書き込んだ。


本当のことを言えば新聞配達なんてしなくてすむのにな💦


あ~あ…💧

No.25 11/07/27 21:42
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

いつもより何倍も時間がかかったのだろう…

家に帰ると玄関先にオッサンが立っていて、

「遅い!」

と、また木刀で叩かれた。

いったいこのオッサンは何なのか…

まっすぐ立てず、ヨロヨロしながら台所へ行くと、

同い年ぐらいの制服姿の子どもが朝食を食べていた。

男の子だ。

台所に季美子の姿はなかった。

俺の分の朝食も用事してあり、あまり食欲はなかったが、なんとか食べた。

その男の子の名札を見ると

5年
福森 巧

と書いてある。


え⁉
ホントに同い年?

…ということは、オッサンの連れ子か?

No.26 11/07/29 21:38
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

オッサンの連れ子であろう巧…

お前は新聞配達ないんかい💢

俺は新聞配達した上に、木刀で叩かれたんだぞ!

しかも俺は…礼七は女だぞ!

納得出来ない状況にイライラした。

が、しばらくすると巧が学校に行こうとしたので、俺も慌ててランドセルを探し、巧の後をついて登校した。

No.27 11/07/29 21:49
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

小学校まで徒歩でおよそ30分。

小学校に到着すると汗だくになっていた💧

クラスは学年ひとクラスずつで、下駄箱等も人数が少ないので分かりやすくて助かった💦

教室に入ると友達らしき女の子から
「おはよ~。ハイ!次は礼七ね!」
と交換日記を渡された。

中を見ると仲良くしている友達の名前がわかった。

朝は慌てて確認しなかったが、今日の時間割り通りに教科書やノートがランドセルに入っていた。


ふぅ💨
なんとかなりそうだ。

No.28 11/07/30 22:48
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

なんとか授業を終えて、すぐに帰宅した。

学校には居辛かったし、なにより眠かった💧

帰って寝たい…

時々道に迷いながらも無事帰宅。

家に入るとオッサンがいた…

コイツ…仕事してないのか?

俺の姿に気付くと
「ボーっとしてないで、早くシロの散歩に行ってこい!」
と怒鳴る。


は?シロ?
…犬か?

そういえば、庭に犬小屋があったような…

犬の散歩も礼七の日課なのか?

眠かったが、仕方なくランドセルを置き、犬小屋に向かった。

No.29 11/07/30 22:55
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

犬小屋には『シロ』と書いてあった。

俺は犬を飼った経験がなく、種類?もよく分からない。

俺が犬小屋に近付くと、ヒモにつながれたデカい犬が、小屋から飛び跳ねながら出てきた。

多分、雑種?なのかな?

とにかくデカい💧

引っ張られるように散歩に出掛けた。

No.30 11/07/30 23:03
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

犬の散歩…いつも決まったコースがあるんだろうが…

犬はズンズン進んでいき、散歩にたっぷり40分はかかった。

ヘトヘトで家に戻った。

家に入ると、オッサンはいなかった。

台所を覗いてみたが、季美子もいない。

巧は俺が帰る時、校庭でサッカーをして遊んでいた。

まだ帰宅してないようだ。

明日は巧に犬の散歩に行ってもらおう…

そんなことを考えながら自分の部屋へ行き、少し仮眠した。

No.31 11/07/31 23:10
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

何分ぐらい眠っていただろう…

「お前、何寝てるんだ!
子どものくせに!
誰のおかげで生きてると思ってるんだ!
さっさと起きろ!」

また突然オッサンに怒鳴られて、俺は目を覚ました。

オッサンは枕元に仁王立ちし、「宿題はすんだのか?
シロのえさやりに風呂掃除…
やることはまだたくさんあるだろ!
昼寝なんて何様のつもりだ!」

ガンガン怒鳴って部屋から出て行った。

No.32 11/07/31 23:15
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

…ビックリした💧

というより…

誰のおかげで…って💧

子どもにそんなこと言うか?

俺は何か悪いことをしたのか?

No.33 11/08/01 21:16
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

オッサンに対してイライラしたが…

俺は今、小学5年の女の子。

オッサンが嫌でも言うことを聞くしかない。

家出することも出来ない。

無力だよな…

俺は仕方なく、犬の餌を探して、犬に餌と水をやり、風呂掃除をした。

風呂掃除をしていると、季美子が晩ご飯だと呼びにきた。

もうそんな時間か…

No.34 11/08/01 21:26
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

晩ご飯…オッサン、季美子、巧、俺の4人で食卓を囲む。

俺以外の3人は、ごく普通の家庭のような会話をしている。

なんだろう。

俺だけ除け者的な感じだ。

まあ俺は本当に他人だから除け者でも全く構わないが…

礼七はきっとつらいだろう…

季美子に対しても、礼七との関わり方に納得が出来ず、怒りがこみ上げる。

礼七は俺とお前の子どもじゃないのか?

礼七に冷た過ぎるだろ!

No.35 11/08/06 22:29
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

食事を終え、風呂に入り、自分の部屋に戻った。

眠い…

すぐに布団に入ったが、少し考えた…

明日は元に戻っているのか…

俺はずっと季美子と夫婦でいると思っていた。

離婚したのか、それとも死別か…

それは分からないけど、とにかく俺は季美子とは一緒にいない。

季美子はお互いの連れ子と共に、オッサンと一緒にいる。

悲しいとか…あまり実感はないが、それよりも礼七のことが気になる。

再婚相手からの虐待。
実の母親も見て見ぬふり…なんてニュースをよく聞くが…

礼七もそうなのか?

No.36 11/08/06 22:47
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

いつの間にか寝ていたようで、また目覚まし時計の音で目を覚ました。

俺は礼七のままだった。

まあ、なんとなくそんな予感はしていたが。

どうやったら元に戻れるんだろう…

俺の姿になった礼七もどこかにいるんだろうか?
仕事とか大丈夫なのか⁉

気になったがどうしようもない。

とりあえず今日も新聞配達か?

俺は昨日修平からもらったメモをさがした。

新聞配達先の家の地図をかいたからな💨
あれがないと新聞配達行けないよ。

確か机の引き出しにしまったような…

あ、あったあった!


あれ⁉⁉

No.37 11/08/08 00:15
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

修平からもらったメモ…

『凌司 携帯 0X0…』

俺はそのメモの裏を確認した。

裏には…確かに俺が昨日かいた地図‼

凌司?

昨日俺が会ったのは修平じゃなかったのか?

もしかして、3人目の子どもか⁉

あの時、季美子のお腹の中にいた…


No.38 11/08/08 00:25
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

俺は呆然とした…

まだ見たことのない我が子…

産まれてからのお楽しみで、性別さえ知らなかった。

男の子だったのか…

無事に産まれたんだな…

よかった…

嬉しくて涙が出そうになった…

いい男になってたな。
俺に似てたし…

ジーンとしていると、またオッサンの怒鳴り声が聞こえた。

やれやれ…

あのオッサンは俺の感動を台無しにするな😠

仕方なく俺は今日も新聞配達に向かった。


No.39 11/08/08 00:33
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

今日も昨日のように学校へ行った。

友達らしき女の子に、明日は絶対に交換日記持って来てね、と責められた(笑)。

そして放課後になった。

校庭に出ようとした巧を呼び止めた。

「今日は犬の散歩と風呂掃除、あんたがやって。」

お手伝いなんだから当然分担制だろ。

ところが巧は何も言わず、校庭にいる友達のところへ走って行ってしまった。

なんだよ💢


No.40 11/08/08 22:28
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

巧より先に帰ったら、また俺が犬の散歩や風呂掃除をするはめになるだろう…

俺は帰り道にあった公園に寄った。

ベンチに座り、四苦八苦しながら交換日記を書いた。

交換日記の内容は、好きなタレントの話やファッションの話…

俺は全然分からなかったので、礼七の家族の愚痴を書いた💦

でも…

血はつながってないが、同じクラスに兄弟がいるって、どんな感じなんだろうか…

双子気分か?

友達はどう思ってるんだろう。

小学生は友達の家庭の事情なんて、それほど気にしないものか?

こういう場合、子どもよりも親の方が、気にしたりするんだよな💦


No.41 11/08/11 01:36
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

そんなことを考えながら、なんとか交換日記の自分のページを書き上げた。

筆箱に入っていたカラーペンを使って、可愛らしく書いた…つもりだ💧

かなり時間がかかった。

もう犬の散歩ぐらいは終わっているだろう…

そろそろ帰ろう。

交換日記をランドセルにしまって、ゆっくりと家に帰った。


No.42 11/08/11 01:48
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

家に着くと、

あれ?オッサン?

玄関先にオッサンが立っている。

オッサンは俺の姿を見つけると、俺を家の中に引きずり入れ、
「お前、何やってたんだ!」

と怒鳴り、木刀で叩いた。

「お前に遊ぶヒマはないぞ!
やることは山ほどあるだろう!
さっさとシロの散歩に行ってこい」

俺は必死に頭を守った。

痛い💦💦

チラッと台所を見ると、季美子がいた。

やっぱり何も言わない…

バシッバシッ

い、痛い…


リリリリリーン

電話がなった。

「はい…」

季美子が電話をとり、何か話している。

電話の音と同時にオッサンの手がとまった。

No.43 11/08/11 23:22
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

オッサンは小声で、

「早くシロの散歩に行け。」

と言い、台所の方へ行ってしまった。

体のあちこちが痛い…

とりあえず電話で助かった💦

またオッサンが来たら叩かれそうなので、俺はヨロヨロしながら犬小屋へ行った。

ジンジンと体が痛む…

俺はしばらく犬小屋のそばでうずくまっていた。

No.44 11/08/11 23:29
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

少しすると、ガラッと玄関の戸を開ける音が聞こえた。

俺はビクッとして、慌てて犬小屋の後ろに隠れた。

そっと様子を見てみると、季美子とオッサンが車に乗り、どこかへ出掛けて行った。

ふ~💦

焦った💦

あたりはだんだん薄暗くなってきている。

早く散歩に行かないと道に迷いそうだな…

体の痛みも少しおさまったので、俺は犬の散歩に出発した。


No.45 11/08/11 23:36
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

今日も犬の散歩に40分ぐらいかかった。

家に着いた時には完全に夜だった。

こんな暗い中、女の子ひとりで犬の散歩に行かすなんて…

礼七がいなかったら、他のヤツが行けばいいだろ😠

不満に思いながら犬にエサをやっていると、季美子達の車が帰ってきた。

どこ行ってたんだよ💨

車から季美子とオッサン…
それから巧が降りてきた。

巧⁉

No.46 11/08/12 23:03
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

巧の手には、レンタルビデオ屋の袋。

ビデオ?

ビデオ借りに行ってたのか⁉⁉

No.47 11/08/12 23:17
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

その後、俺は風呂掃除をして、食卓についた。

家族4人…

3人+居候…そんな感じだな。

俺は黙って晩ご飯を食べる。

巧とオッサンと季美子は今日も楽しそうに話している。

会話を聞いていると…今日、巧は学校帰りに友達の家に行って遊んでいたらしい。

遊びに熱中し過ぎて、気が付いたら暗くなっていて、怖くて1人で帰れないから、迎えに来て欲しいと家に電話したみたいだ。

俺がオッサンに叩かれていた時の電話が巧からの電話だったのだろう。

その帰りにDVD?が借りたいから、とレンタルビデオ屋に寄ってもらったらしい…

No.48 11/08/12 23:25
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

おいおい💧

怖くて帰れないって、どんだけヘタレなんだよ。

礼七は真っ暗の中、犬の散歩してたんだぞ!

このあたりは街灯も少なく、夜は真っ暗だ。

普通は女の子の方が心配じゃないのか?

息子に甘い。

イヤ…

この家には息子しかいないんだ。

礼七は子どもとして扱われていない。

なんでこんなに差をつけるのか?


No.49 11/08/13 23:01
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

俺は自分自身、両親からは兄弟同じように扱われていたと思う。

俺は自分の子どもにも差をつけるつもりはない。

だけど…この家族は何なんだ?

巧は子どもらしく育てているみたいだが、
礼七は朝から新聞配達、学校が終われば犬の散歩に風呂掃除、
友達と遊ぶ時間もない。
おまけに家族との会話もない。

季美子…
良い妻で、良い母親だったのに…
再婚して変わってしまったのか?

礼七は俺と季美子の子どもなんだろ?


No.50 11/08/14 01:11
リン ( 30代 ♀ ns7Lh )

礼七は毎日どんな思いで過ごしているのだろう…

楽しいわけない。

礼七が産まれた時、俺はどうしていたのだろう…

こんなことになるなら俺が引き取っても…

…他の子どもはどうしているんだろう?

それぞれ1人暮らしか?
結婚してるかもしれないな…

何よりも俺は今どうしているんだろう💧

やっぱり死んだのか?

死ぬのは怖くないが…

気になる。

俺が住んでいた家に行ってみたい。

でも、車がないと厳しいな。

バスとか…
よく分からないし。

うーん💧

また色々な思いが頭の中を駆けめぐる。

あ💡


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