自分がなかった私…
私の昔話を書いてみようと思います。
小説とはいえない文章でゆっくりペースで進みますが、良かったら読んでみて下さい。
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卒業間近…
私は就職を希望していたが
卒業間近にも関わらず
内定をもらえていなかった
今もそうだが
当時も就職難…
不景気の世の中
私は接客、サービス業を希望していた
やっぱり人気の職種だったみたいで
倍率も高かった
大きなビルで面接もしたけど、見事全滅でした
なおも同じく内定がもらえなかった
そんな時、
私の好きな洋服やさんに買い物に行くとスタッフ募集の貼り紙が
これだ!
私はお店の人に声をかけた
私
『すみません、まだスタッフ募集はしてますか?』
ギャルのお姉さんが
『してますけど、高校生?』
私
『もうすぐ卒業なんですけど、ダメですか?』
ギャルのお姉さんは
ニコっと笑い
『じゃぁ、これから面接しない?』
どうやら、
このお姉さんは店長だったらしく
急遽面接をする事になった
ショッピングモールの中に入ってるテナントの為、ショッピングモールの入り口近くにあるコーヒーショップで面接になった
いきなりの事で
私は軽いパニックになっていた
なんの準備もしてないし、動機も考えてない
ヤバい…
いきなり緊張してきた
質問された事に、とにかく素直に答えた
店長が
『見た目よりキツいけど頑張れる?』
最後に聞かれた
私は、
『初めての販売のお仕事なのでご迷惑をお掛けするかもしれません、でも一生懸命頑張ります』
晴れて採用となり
卒業してから働く事になった
雇ってくれるとこがあって良かったと
お母さんも、担任の田中先生も喜んでいた
雇ってくれるって…
私はそんなにダメですか?
全く失礼しちゃう
先生に言ったら笑っていた
卒業式
なおと私のお気に入りの場所
特別教室の多い階の階段
人通りが少なくて、授業をサボるのにはもってこいの場所だった
ここに来るのも今日が最後かぁ
3年間、色んな事があった
なおと出会えて良かった
私はなおに
『本当にお世話になったね、ありがとう~』
なおは
『バカじゃないの、卒業したって、うちらはずっと友達なんだから、しんみりそんな事言わないの~』
そう言ったのに
なおは
『ユキナ、ありがとう、ユキナがいてくれたから私は学校辞めないですんだと思ってる~』
2人で泣いてしまった
記念に、この泣き顔で写真をとった
『うちらは、ずっと友達』
その言葉通り
なおは今でも、大事な友達だ
卒業式が終わった後
クラスの友達とも
たくさん写真をとった
最後に担任の田中先生と写真をとった
私は先生に
『先生、ありがとうございました、
色々迷惑かけちゃったけど、
先生のお陰で進級も出来たし卒業も出来ました、
私は良い生徒ではなかったけど
カワイイ生徒だったでしょ~』
先生にデコピンされた
先生は直人の事、自殺未遂の事…
全てを知っていた
先生は
私にこう言った
私にとって
忘れられない言葉
『本多、人間は必ずしも心の底から愛する人に出会える訳ではない
例え、出会えたとしても必ず実る訳でもない
長く生きたからって命をかけるだけの恋を出来る訳でもない
本多はまだ18歳のあまちゃん、
私からみたら青臭いガキだけど、
それだけ人を愛し
愛される恋愛を本多はしたんだよ
今は辛いかもしれないけど
本多は幸せなんだよ
だから、後ろばかり振り向いてないで
自分を信じて前に進みなさい
本多なら大丈夫だから』
私はちょっと感動してしまった
涙が出るのを我慢する為に
独身の先生に
『先生も私の心配してないで、早くいい人見つけなよ、
そろそろ結婚相談所に行ったら~?』
先生は
『本多、最後まで可愛くないなぁ~
大きなお世話
本多よりかは早く嫁に行ってやる』
田中先生…
お嫁にいったかなぁ
先生
本当にありがとう
先生の言葉
嬉しかった
なおは結局
就職もバイトも決まらなかったが
全然焦る訳でもなく
『なんとかなるっしょっ~』
この性格は今も変わっていない
そして結果報告なんだけど
『彼氏と別れたの、別れたからもう彼氏じゃないよね
タメは子供だね
私には年上がいい
次の男探さないと~』
相変わらずな、なおだ
男性恐怖症になっていたのは
もう過去のようだ
何はともあれよかった、よかった
クラスのみんなは、卒業式のあとに
制服で最後のプリクラだぁ~
と、集まっていたが
私には行く場所があった
なおと校門の前で写真をとって、その日はバイバイをした
私が向かった場所は
直人のお墓だった
ずっと前に
直人が
『ユキナの卒業式が終わったら、制服最後のデートをしよう
ユキナの制服姿の見納めだ』
直人と約束をしていた
お墓に着いて
卒業証書をお墓に向けて広げた
直人、約束覚えてる?
無事に卒業出来ました
私の制服姿
よく見ておいてよ
私はちゃんと生きてるから
オヤジです 横スレごめん
短い時間で沢山の経験をして若い貴女には大変だったでしょうね
でも貴女の周りには素晴らしい人が居ますね 特にお母さん こんな素晴らしいお母さんを持った貴女は幸せ者です 感謝感謝! これからの長い人生 きっと光ってますよ 先の短いオヤジでした
消防団さん
こんばんわ
今、書いてるあたりの頃は
本当に短い間に色々な事がありました
そんな中で私はたくさんの人達に助けられました
この感謝の気持ちを忘れずにしていきます
そして、お母さんには
本当に支えられました
自分の親ですが
こんなに強い人いるんだなと思ってしまいます
母親としても、女性としても尊敬しています
消防団さんの
これからの人生も輝いているはずです
必ず
感想レス
ありがとうございました
卒業して
数日後
今日は初出勤だ
昨日はなかなか寝付けなかった
休み中に、メイクやブローのやり方なんかは、なおにみっちりコーチしてもらった
初めてのネイルサロンにも行った
用意しておいた洋服に着替えて
準備オッケー
お母さんには
『ユキナが働くようになったかぁ~
いいユキナ、
先輩の言うことをよく聞いて、迷惑をかけないようにね~』
私は
子供か
ってくらい色々言われた
『いってきます~』
お店に向かった
職場のお店までは
電車で2駅だった
お店に着くまでは
とにかく緊張していた
女の子ばかりの職場
派閥とかあるのかな…
仲間の輪が出来てるのかな…
不安ばかりだった
あっという間に
お店に着いてしまった
従業員専用入り口を通って、お店に行くと
すでに店長ともう1人がいた
『おはようございます、本多ユキナです
今日から宜しくお願いします』
店長は
『来たね~
今日から宜しくね
こっちの子は岡安ゆうこさん
ゆうことシフト被る事が多いから、わからない事があったら聞いてね~』
私
『わかりました、宜しくお願いします』
ゆうここと、ゆうちゃんは
『ユキナちゃん、ユキナでいいかな?
宜しくね、私の事はゆうちゃんでいいから~』
ゆうちゃんは
私の1つ年上で明るくて優しい先輩だった
店長も見た目はギャルだが
頼りになる優しい人だった
初日は平日だからか
お客さんはまばらで色々な事をゆっくり教わる事が出来た
洋服のたたみ方、品出し、レジ打ち
覚える事が山ほどあった
ゆうちゃんは
覚えの悪い私に、何度も教えてくれた
お昼になり
店長が一緒にお昼に出ようと言ってくれた
従業員の休憩室もあるが、下のレストラン街で店長がおごってくれる事になった
店長から
『ユキナ、何が食べたい?』
私は、このショッピングモールにくると必ず食べるオムライスがあった
私はそこに行きたいと言って
店長と向かった
店長から
『この仕事だと、土日は滅多に休めないし、クリスマスも出勤だけど、彼氏いるでしょ?
大丈夫なの?』
彼氏かぁ…
『大丈夫です
彼氏は私の心の中で生きていて、言わば私の神様みたいな感じです』
なんとなく
店長は私の言ってる事を理解しているようだった
店長
『そっかぁ、じゃぁ頑張ってね
ユキナは背も高いし、スタイルもなかなか、うちの売り上げアップ、期待してるからね~』
私は頑張りますと、言った
それからは仕事以外の話を色々として
午後の仕事が始まった
ゆうちゃんを見て、お客さんに話かける勉強をした
自分がお客の時は、ちょっと見てるだけなのに、すぐに店員さんが寄ってきて嫌だった
だからしつこくまとわりつくような事はしたくなかった
ゆうちゃんを見ていると
凄く自然だった
お客と店員と言うよりも、本当の友達のように見えた
ゆうちゃんは私に
『売らないといけないなんて思っちゃダメだよ、自分がお客だったら店員さんにこんな風に言ってもらいたいなって事を言うことが大事
そうすればお客さんが何を求めてるか見えてくるからね~』
そう教えてくれた
最初はぎこちない接客だったけど
少しずつお客さんと話せるようになった
ゆうちゃんのいう通り
まずは友達の感覚で話をかけた
すると私は何も言わないのに
こうゆう感じのが欲しい
これだったら、どうゆうコーディネートがいいのかな?
お客さんから話をしてくれるようになった
まずはお客さんとの距離を縮める事を学んだ
そんな感じで
あっという間に初日は終わった
私は早番だったけど、遅番の人達もいて紹介された
今日の朝
緊張で胸がいっぱいになりながらお店に来たけど
みんないい人ばかりで安心した
女の社会は怖いというけど
スタッフ同士が、とても仲が良かった
お店によっては個人的なノルマがあるとこも多いようだが
私の働いてるお店は個人ではなく、お店にノルマがあった
その為、競争意識よりも仲間意識が高かった
1日あっという間だったが
やっぱり疲れた
帰りはヘトヘトになってしまった
ゆうちゃんは
『ユキナ、お疲れ~疲れたでしょ
今日はゆっくり休むんだよ
気をつけてね~』
私は
『覚えが悪くてすみません
色々ありがとうございます』
頭を下げると
『ユキナ、敬語はやめてったら~
同僚だけど友達になろうよ
敬語使ったら怒るからね~』
ゆうちゃんは
人に対して壁を作らないタイプで、すぐに打ち解けた
『じゃぁまた明日~』
ゆうちゃんと別れて家に帰った
家の玄関に入った途端に
お母さんが走ってきた
(短い廊下を走ってました(汗))
『ユキナおかえり
どうだったぁ?』
お母さんから質問責めだった
社会人になった私を凄く心配していた
夕飯を食べながら
お母さんと色々話した
お風呂に入って
その日はすぐに眠ってしまった
次の日からも
私は一生懸命頑張った
少しずつ仕事にも慣れて
仕事がとても楽しかった
ある時の休憩時間
休憩室に行こうと歩いていると
『ユキナちゃん?』
男の人が呼んでいた
私は誰だかわからなかった
男の人は
『俺、田嶋宏樹だけど覚えてないかな… 』
田嶋宏樹…
あぁ
宏樹君
久しぶり
宏樹君とは
高校3年生の時に
違う学校だが
うちの高校の文化祭に来ていたらしく
私を一目惚れしたとかで、告白をしてくれた人だった
もちろん、断ってしまったのだが…
高校生の時とは雰囲気が変わっていたので、すぐには誰だかわからなかった…
宏樹君は
『よかった、忘れられてなかった
ユキナちゃん、ここで働いてるんだ~』
私はお店を指さしながら
『うん、あそこの店で働いてるんだ』
宏樹君と少し話しをして
アドレスを教えて欲しいといわれ
連絡先の交換をした
その日の夜
宏樹君からメールがきた
『久しぶりにユキナちゃんに会えて嬉しかった
今度遊ばない?』
そんな感じのメールだった
私は返信したが
遊ぶのは断った
頻繁に宏樹君からはメールがきた
些細な内容だが
メールが来るのが当たり前になっていた
しばらくして
『ご飯でもいかない?』
メールが入ってきた
宏樹君とも色々話して、だいぶ打ち解けていた
明るくて優しい人だった
私は
オッケーをした
仕事の後
宏樹君とご飯に行くことになった
宏樹君は
私が働いてるショッピングモールまで車で迎えに来てくれた
初めて男の人と2人で車に乗った
なんだか大人になった気分だった
車は19歳の若い男の人らしく
少しいじってる感じだった
ショッピングモールから少し走ったフレンチレストランに行った
その日は宏樹君と色々な話をした
お互いにお互いをあまり知らないせいもあって
色んな事を質問しあった
短い時間だったけど楽しかった
帰りも私の家まで送ってくれて
『今日は付き合ってくれてありがとう
また誘ってもいいかな?』
宏樹君に聞かれた
私は
『うん、またご飯行こう』
その日から
時々、宏樹君とご飯を食べるようになった
その日も
宏樹君からメールがきた
『よかったら今度遊びに行かない?』
いつもは夕飯を食べるだけだから
何処かに遊びに行くのは初めて
迷ったけど
宏樹君となら大丈夫だと思って了解した
直人に初デートを誘われた時のようなドキドキや嬉しさとは違ったけど
直人は直人
宏樹君は宏樹君だ
比べてはいけないと思った
宏樹君との約束の日
この日も、家まで迎えに来てくれ
映画をみに行く事になって映画館に行った
映画館なんて小学生の頃にアニメをみに行った以来
久しぶりの映画館に私は、はしゃいでいた
映画が終わる頃には夕方になっていて
夕飯を食べ
車に乗った
少し走るとキレイな夜景が見えてきて
宏樹君は車をとめた
そして
『ユキナちゃん、高校の時からずっと好きだった
もう一度言う
俺と付き合って下さい』
宏樹君の気持ちに薄々気付いていたのに私は遊んだ
でも
宏樹君を好きという感情は私にはなかった
どんなに優しくされても
私の心には…
やっぱり直人がいるのだ
私は宏樹君に自分の気持ちを正直に話した
宏樹君を嫌いな訳ではない
でも…直人を忘れる事が出来ない
宏樹君は
しばらく黙ったまま何かを考えているようだった
沈黙の後
『ユキナちゃん、最初から俺を好きにならなくていい
俺と一緒にいて少しずつ俺を好きになってくれないかな?
もちろん、好きになってもらえるように努力するから』
私は悩んだ
そんな中途半端な気持ちで宏樹君と付き合っていいのか…
いつまでも悩んでる私に
『ユキナちゃんの気持ちが振り向くまで頑張るから』
宏樹君の言葉が素直に嬉しかった
私
『こんな私でいいの?』
宏樹君
『ユキナちゃんがいいんだよ』
曖昧な始まり方だったけど
私は宏樹君と付き合う事になった
でも
これが私の辛い日々の始まりだった…
私はバチが当たったんだと思う
宏樹君とは
ちょくちょく会うようになった
お互いに、君、ちゃんはとって呼びつけで呼ぶルールを作った
宏樹は優しくて
一緒にいて楽しかった
頻繁に出かける私に、お母さんは
『ユキナ、彼氏出来たぁ?』
さすがお母さん
やっぱり気付いてたかぁ…
私は正直に話した
お母さんは
『良かったね、若いんだから恋愛しなくちゃ、頑張れ~』
お母さんの応援に笑ってしまった
お母さんは
私が恋愛している事を喜んでくれた
たくさん心配かけたからなぁ
もう心配かけないようにしないといけないと思った
宏樹はいつでも一緒にいたがるタイプだった
それが私にとっては時々負担になっていたが
それだけ私を想ってくれてるんだなと思った
そして
少しずつだが
宏樹を好きになっていった
最初の何ヶ月かは
凄く楽しかった
出来るだけ
宏樹と一緒にいられるように、宏樹の仕事が休みな時は、私も休み希望を出すようにして休みを合わせていた
付き合いが長くなるにつれて
宏樹の束縛がひどくなっていった
1日のメールや電話が半端なかった
ちょっとでもメールを返すのが遅れたり、電話に出られなかったりするだけで
宏樹は怒るようになった
そんな宏樹に私は疲れていた
次第に別れたいと思うようになっていった
宏樹と何度Hをしても
直人に感じた
お互いがお互いを思いやるような、暖かさを感じた事は一度もなかった
いつの間にか
宏樹にとって私は
宏樹の彼女ではなく
宏樹の物になってしまった感じがした
宏樹の束縛は日に日に酷くなって
携帯チェックは当たり前
洋服屋の店員なのに
スカートやショートパンツは禁止
キャミソールなど肩や下着が見えるような服も禁止された
私はいつもパンツスタイルだった
久しぶりに
なおから連絡がきて、ご飯に誘われた
もちろんオッケーをして、さっそくその日の夜に会うことになった
なおはファミレスでバイトをしていて
割り引きが効くというので
なおが働いているファミレスに行く事になった
宏樹は毎日会いたがったので
電話をして
今日は、なおと会うから、宏樹に会えない事を伝えると
いきなり怒りだした
『ふざけるな
本当は男と会うんじゃないのか、いいから断れ』
私は
『なおは大事な友達だから
もう約束しちゃったし、とにかく今日は会えない』
そう言って電話を切ってしまった
なおと合流して
ファミレスに行った
久しぶりに会ったから盛り上がった
どうやら
なおがファミレスで頑張ってるのは、ここの店長がかなりのイケメンらしく
なおは片思いをしているらしい
『ユキナは彼氏とどうなの?』
なおに聞かれた時に、私の携帯が鳴った
宏樹からだった
いつまでも鳴る携帯に
なおは
『ユキナ出ないの?』
私は携帯をとり通話ボタンを押した
『もしもし』
私が出ると
宏樹は明らかに怒っていた
『お前、本当に女といるんだろうな~?
電話かわれ』
私は意味がわからなかった
なんでこんな事を言われるのか…
私は
『何いってんの
本当になおといるし、何で電話かわらないといけないの?』
私と宏樹が揉めているのに
なおが気づき
私に、電話変わるよと合図を送っていた
私が首を振ると
なおは
『大丈夫』
そう言った
なおに携帯を渡し
宏樹と話てくれた
『高校の同級生でなおと言います、
今日はユキナを借りちゃってすみません』
なおに本当に申し訳なかった
宏樹との電話を切った後
なおは
『ユキナ、彼氏…
なんかヤバくない?
ユキナは彼氏の事好きなの?』
なおに聞かれ
私は今までの事を話した
なおは
『別れた方がいい』
なおの、その言葉で
私は宏樹に別れを告げる決意をした
なおと別れた後に
宏樹に電話をして
話があるから、これから会えないか聞くと
宏樹は嫌な話は聞きたくないからなと言っていたが
会うことになった
待ち合わせ場所に行くと
宏樹の車が既にとまっていた
宏樹の車に乗り
私は話を始めた
宏樹の束縛には耐えられない
別れて欲しい
そう言った途端に
いきなり首をしめられた
私は何が何だかわからなかった
宏樹の目は変わっていた
『ふざけるな
絶対に別れない』
私は苦しくて
宏樹を突き飛ばした
するとお腹を2回殴られた
私がお腹を押さえると
『2度と別れるなんて言うな』
私は泣きながらうずくまった
すると、いきなり宏樹は優しくなり
『ゴメン…大丈夫か?
ユキナがいなくなると思ったら怖くなって…
もう絶対こんな事しないから
別れるなんて言わないでくれ』
私は宏樹が怖くなってしまった
会う度に
体を求められ
拒めば殴られ、力ずくで押さえられた
完璧なDVだった
そして必ず
殴ったあとは優しかった
私は
なおにも、お母さんにも、誰にも相談が出来なかった
また直人の時のように心配をかけたくなかったのだ
ある日も
些細な事で言い合いになり
また殴られた
その時は私もやり返したが
いつも以上に殴られた
宏樹は顔は殴らなかった
人にバレないような所を殴るのだ
私の体はアザだらけになってしまった
宏樹の仕事は5時までだった
私は遅番だと10時まで仕事だった
宏樹は自分の仕事が終わると、ショッピングモールに来て、私を監視するようになった
私の働いてる店から、ちょうど見える椅子に腰をかけて私を見張っていた
『やめて』
何度もお願いしたが、お前が悪いと言われた
明らかに私の様子がおかしい事に、ゆうちゃんは気づいていた
いつも不安そうで、何かを気にしている
ゆうちゃんの目には、そんな風に見えていたそうだ
ある時
ゆうちゃんとお昼休憩が一緒の時があった
『ユキナ、何かあった?』
ゆうちゃんは私を心配してくれていたが、話せなかった
それからも
宏樹の監視は続いた
ある日
朝から熱っぽくて、出勤したが途中で早退をした事があった
私は
宏樹に連絡をするのを忘れてしまっていた
宏樹はいつものように自分の仕事が終わってから、ショッピングモールに来てお店が見える椅子に座ったが
私の姿が見えない
しばらくたっても私がいないことを不思議に思いお店にやってきた
その時、働いていたのはゆうちゃんだった
宏樹はゆうちゃんに
『本多さんは今日は休みですか?』
ゆうちゃん
『本多は体調不良で早退しましたけど』
宏樹は
『そうですか
ありがとうございました』
そう言って帰って行った
その夜
ゆうちゃんから電話がきた
『ユキナ、具合は大丈夫?
今日、ユキナを訪ねて来た人がいたよ
多分、いつも同じ椅子に座ってる男の人
ユキナがいつも気にしてる人だよね?』
ゆうちゃんは宏樹の存在に気づいていた…
『ユキナ、力になれる事は何でもするから何があったのか話てくれない?
ユキナを見てれば何かあるのくらいはわかるよ
どうした?
』
ゆうちゃんの言葉に私は涙が出てしまった
今まで誰にも相談出来なかった
誰かに話したくても話せなかった
私は泣きながら
ゆうちゃんに宏樹の事を話した
ゆうちゃんは
ただ黙って私の話を聞いてくれた
『それ…完璧にストーカーだよ
暴力もふるうなんて最低…
親には相談したの?』
私
『親には相談出来ない
学生の頃色々あって、いっぱい心配かけたから、もう心配かけたくないんだ』
明日のシフトは
私とゆうちゃんと店長
ゆうちゃんは
『とりあえず明日、シフトの事もあるし、店長に相談しよう』
そう言って電話を切った
次の日
一部始終を、ゆうちゃんは店長に話してくれた
店長は
ユキナが一人勤務にならないようにシフトを組み直そうと言ってくれた
私が一人でお店にいる時に、宏樹が来たら危ないという判断だった
私は
『本当に申し訳ありません』
何度も頭を下げた
そんな私に
ゆうちゃんは
『ユキナ、私は同僚だけど、その前に友達だよ
ユキナが困ってる時は助けるのは当たり前でしょ~』
私は胸がいっぱいだった
シフトを組み直し、私の一人勤務になる時間はなくなった
スタッフのみんなに本当に申し訳なかった
宏樹に電話をして
『別れたい』
それだけを言って電話を切った
それからがまた大変だった
1日に何百回もの着信やメール
そして宏樹は
私の家の近くをうろつくようになった
自分の部屋から外を見ると
宏樹がこっちを見ている
そんな事も多かった
次第に私は宏樹に怯えていた
いつでも見張られてる…
そんなふうに感じていた
お店までの行きと帰りは
ゆうちゃんが一緒にいてくれた
ゆうちゃんは私とシフトを合わせてくれ、私の家の近くまで迎えに来てくれ、送ってくれた
私なんかの為に
本当にゆうちゃんには感謝の気持ちでいっぱいだった
そんな中で
なおから連絡がきた
嫌な予感がした
『ユキナ、ごめん
昨日私が働いてるファミレスにユキナの彼氏がきたの
ユキナを呼び出してって言われたけど断ったら
私をずっとつけてるの
今も家の近くにいると思う
ユキナに黙っておこうか迷ったんだけど…
ゴメン…』
宏樹は
矛先をなおに向けた
私はなおに
『今からそっちに行って宏樹と話す
なお、ごめんね』
なおは絶対に来ちゃダメと言ったが
なおをこれ以上巻き込む訳にはいかなかった
私は急いでなおの家に向かった
この曲がり角を曲がればなおの家という場所に
宏樹の車がとまっていた
私は運転席の窓を叩いた
窓があいて
宏樹に助手席に乗るように言われた
車に乗るといきなり走り出して、近くの公園の駐車場にとまった
『なおに手を出さないで』
いきなり殴られた
『お前が悪い
俺から離れようとするからだ
お前が全部悪いんだ』
それから何発殴られたかわからなかった
髪をひっぱられ
顔を押さえ付けられた
『俺から離れようなんて2度と思うな
じゃないとお前の友達につきまとってやるからな
わかったか』
私は
わかったと言うしかなかった
ゆうちゃんや店長にここまでしてもらったのに
また宏樹と付き合ってるとは言えなかった
それからも
宏樹の異常な見張りは続いた
私がお店にいない時は
『ユキナは何処だ?
隠してるんじゃないのか』
店長にそんな事を言ってきた事もあったそうだ
それでも店長は私を辞めさせるような事はしなかった
これ以上
ゆうちゃんにも店長にも他のスタッフにも迷惑はかけられないと思った
宏樹は何をするかわからなかったから
私は
辞めさせて欲しいと店長にお願いをした
店長もゆうちゃんも最後まで私をとめてくれたが
私の気持ちは変わらなかった
私がここにいたら
また迷惑をかけてしまう
これ以上、誰も巻き込みたくなかった
私は大好きだった
洋服やの仕事を辞めた
本当に楽しかったから
辛かった…
お母さんには
自分には向いてないから辞めたと嘘をついた
お母さんは
『ユキナのサボり病がまた出ちゃった』
と言っていた
それからは
宏樹の仕事中以外の時間は全て宏樹と一緒に過ごすようにされてしまった
反抗すれば殴られた
私はそんな生活に
疲れきっていた
その日も
私が言った言葉が気に入らなかったのか殴られた
私の体はアザだらけ
身も心も
全部がボロボロだった
なかなか家に帰してもらえず私は部屋の隅でうずくまっていた
宏樹がトイレに行った
今だ!と思い私は裸足で宏樹の家から走って逃げた
裸足の私が向かった場所
そこは直人のお墓だった
普通、夜のお墓は気味が悪いものだけど、その時は違った
直人のお墓の前に座り
私は直人に話かけた
私はバチが当たったんだね
好きでもない人と付き合ったりするからいけなかったんだよね
直人もきっと怒ってるんだろうね
私…バカだよね
しばらく直人のお墓の前で泣いた
宏樹がいないか
確認しながら家に帰った
家に着いて、裸足の私はお風呂場に向かった
私が帰ってきた音に気づき、お母さんが脱衣場を覗いた
『ユキナ帰ったの?
ご飯は食べたの?』
振り返るとお母さんは私のアザだらけの体を見てしまった
急いでバスタオルで隠したが
既に時遅しだった
お母さんは
『洋服を着てから、こっちに来なさい』
そう言ってリビングに戻って行った
私は足を洗い、洋服を着てリビングに行った
リビングにはお父さんもいた
お母さんは
私の体を見て全てを察したようだった
『いつから殴られてるの?』
その質問に私は
『付き合って何ヶ月かしてからだから、かなり前』
私は今までの事を話した
お父さんもお母さんも
『なんで黙ってた?』
そう言っていた
私は、直人の事でいっぱい心配かけたから、もう心配かけたくなくて言えなかったと言った
お母さんは泣いていた
『ユキナ、痛かったでしょ…』
お母さんに背中を擦られ、凄く私は安心した
お父さんは
向こうの親御さんに話に行くと言って、お母さんと2人で宏樹の家に行った
1時間くらいたっただろうか
お母さんだけが戻ってきた
『ユキナ、一緒に来て
向こうが暴力ふるってる事を認めないの』
宏樹は
今まで私を殴った事を否定した
最低な男だと思った
当時は携帯カメラはまだ一部の携帯にしか付いていなかった
デジカメも今みたいに普及していなかった為に私が行くしかなかった
私はお母さんに連れられ
数時間前に裸足で逃げて帰った宏樹の家に行った
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🌊鯨の唄🌊②
母鯨とともに… 北から南に旅をつづけながら… …(小説好きさん0)
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人間合格👤🙆,,,?
皆キョトンとしていたが、自我を取り戻すと、わあっと歓声が上がった。 …(永遠の3歳)
11レス 149HIT 永遠の3歳 -
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酉肉威張ってマスク禁止令
了解致しました!(小説好きさん1)
1レス 154HIT 小説家さん -
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おっさんエッセイ劇場です✨🙋🎶❤。
ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1409HIT 檄❗王道劇場です -
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今を生きる意味
迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 526HIT 旅人さん
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子ありと子なしはどちらが老後安泰?
子あり夫婦と子なし夫婦は、どちらが老後安泰? 子どものデキにもよるけど…
41レス 1432HIT おしゃべり好きさん -
昭和時代の方々に質問!
スマホやネット、SNSが普及した平成後期から令和の時代に産まれたかったと思ったことはありますか? …
25レス 810HIT おしゃべり好きさん -
女前の画像見つけた 女性の方意見求む
この子めっちゃ女前じゃないですか かわいいです~
26レス 677HIT 恋愛好きさん (30代 男性 ) -
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付き合って1年半の年上の彼氏がいます。 彼氏30代、私は20代後半です。 私の友人が子どもが…
17レス 412HIT 恋愛中さん (20代 女性 ) -
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マッチングアプリで知り合って、会うことになったのですが、1回目から泊まりでの旅行と言われました。 …
16レス 456HIT 恋愛好きさん (20代 女性 ) -
以下の点に留意していれば、女性にモテやすくなれるでしょうか?
僕は女性の方と接する際、主に以下の3点を意識しています。 1. 女性の方が髪型を変えた際…
7レス 299HIT 学生さん (20代 男性 ) - もっと見る