コイアイのテーマ †main story†
誰にでも、たった一人、
忘れられない人が居るハズ
※この作品はフィクションです。
プロローグとして書き綴った『コイアイのテーマ』の続編になります。
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1.再会
真中加世子は大学卒業してすぐの日曜日、東京行きの電車に乗っていた。
就職する出版社の入社式まで1ヶ月近くあったが、それまで研修を兼ねたアルバイトとして勤務する為だった。
東京駅に降り立った加世子は、携帯を出し、鳴海陽介のアドレスを選んで発信すると、1回コールですぐに繋がった。
『加世子ちゃん着いた?』
「はい、たった今」
『じゃあ、八重洲口目指してきて。
改札口の前にいるから』
「はい」
電話を切り、案内板を頼りに八重洲口を目指して歩き出した。
>> 1
就活で何度か訪れてはいるものの、
相変わらずの人の多さに、圧倒されながら、
加世子は上方の案内板の矢印に従って、歩いていった。
八重洲口の改札口が見えて、加世子はホッとしながら
目線を動かした。
すると、改札口の向こうで笑顔で大きく手を振る男――
鳴海陽介を見つけた。
加世子も笑顔になり、小さく手を上げて近づく。
陽介は笑みを消し、
近づく加世子をぼんやりと眺めるように見つめた。
改札を抜けた加世子は、笑顔で陽介の元へ向かった。
「迎えにまで来てもらっちゃって、ありがとうございます」
陽介は放心したように加世子を見つめ、
髪に触れた。
「切ったの?」
「ああ、・・・はい。心機一転です」
陽介は加世子の顔を見つめたまま、
「すごくいいよ。やっぱり似合ってる」
そう言って、フッと微笑んだ。
>> 2
そういえば、高一の時に、
ショートが似合うと言われたことがあったと、
加世子は思い出していた。
あの日は、陽介の隣に、当時付き合っていた美咲がいたんだ。
加世子の中学時代からの親友でもある美咲は、
今東京で、ファッション雑誌のモデルとして働いているけど、
きっと忙しいだろうと、連絡もせずに、
加世子は高校を卒業してから、一度も会っていなかった。
今回、上京するにあたって、美咲の母親から、
今美咲がいる住所を聞いてきていて、
落ち着いたら、美咲に会いに行こうと、
加世子は心に決めていた。
「このまま、マンション行くよ」
「はい。お願いします」
駅の地下に停めた陽介の車に乗りこみ、
二人で東京駅を後にした。
>> 3
加世子が一人暮らしを始めるのは、
会社の隣の区にある1DKのマンションで、
陽介が、加世子のために利便性や安全面も考慮して選んだ中の一つだった。
部屋に入ると、先週末に行った引越し後のままで、
家具や家電は配置されているものの、
その中に片付くはずの荷物がダンボールに入ったままだった。
「買い物行く?」
ある程度のものは、既に購入済みだったが、
冷蔵庫の中は空っぽだった。
「少し荷物を片付けちゃいます」
「じゃあ、終わったら行こう」
陽介も腕まくりをして、片付けを始めようとした。
「陽介さんは休んでてください。
せっかくのお休みなのに、お手伝いしてもらったら、
申し訳ないです」
陽介はフフっと笑って、ダンボールの箱を持ち上げた。
「大丈夫、あとで肩揉んでもらうから」
そう言うと、本棚へ本を並べはじめた。
>> 5
教えてもらったスーパーで、食料品を買い
マンションへ戻ってきたところで、陽介の携帯が鳴った。
「お疲れ様・・・うん、それで?
・・・どうにかならないの?」
どうやら仕事の電話らしかった。
黙って話しを聞いていた陽介は、切り替えるように溜息をついた。
「分かった。今からいくから――」
そう言って、電話を切った。
「仕事の電話ですか?」
「ああ。――ごめんね加世子ちゃん、
今晩一緒に飯食うつもりでいたんだけど」
「仕事なら仕方ありません。残念だけど」
「今度埋め合わせするから。じゃあ」
陽介は爽やかな笑顔を残して、去っていった。
加世子は一人で、部屋へ入った。
物静かな部屋――
これから一人で生活することを嫌でも実感した。
電気を点け、中へ入って、買ってきた食料品を冷蔵庫に移した。
その後隣の部屋へと向い、
開けていなかった小さなダンボール箱に手をかけた。
>> 6
そのダンボールの中から取り出したもの――
オルゴール、
海の写真集、
ストラップ、
老女からの手紙
加世子の宝物といえるそれらを、
ベットの上にある棚に一つずつ大切に閉まっていった。
このダンボールだけは、陽介の目の届かない所に置いてあった。
あの晩――
陽介とキスをした日以降、加世子は陽介に敦史の話をしなくなった。
酔っていたとはいえ、敦史を想う加世子に嫌悪感を表した陽介は、
それまでのように、何でも話せる相手ではなくなっていた。
きっと、その後のキスも原因の一つになっている・・・。
陽介は酔った勢いでのアクシデント程度にしか考えていないだろう。
でも加世子にとっては、敦史以外の人とのキス――
酔いが全身に回るようなキスを、忘れることができなかった。
また、あの余韻に包まれる――加世子は自分がキスに弱いことを自覚し、
ベットにうつ伏せになって、逃げるように枕に顔を押し付けた。
>> 10
色白の肌を大胆に露にしたドレスを身につけ
美しいホステス、百合絵は陽介の肩に腕を置いた。
「お連れさんに、いっぱい触られちゃったわ。
いやらしいところまで」
「すまない・・・」
百合絵は陽介の顔に顔を近づけ、
「陽介がキレイにしてくれるんでしょ?今晩」
そう言って、艶っぽく微笑んだ。
陽介も笑んで、タバコを廊下の灰皿に落とした。
否定しなければオーケーという暗黙の了解を得た百合絵は
陽介が持つ携帯に目をやった。
「――で?電話の相手はどんな子なの?」
「知らなくていいよ。変に嫉妬されても困る」
「フフフ、そう。
――私も彼氏を作っていいのかしら?」
「勿論。
何の束縛もないだろ?俺たちの間に」
「そうね」
百合絵は小さく笑うと、
陽介が連れてきた取引先の客の待つ席へと戻っていった。
>> 11
翌日、加世子は就職先でもある出版社に
バイトをするために出向いた。
編集長に挨拶をし、すぐに指定された出版部の一つの課に配属された。
「花ちゃん、今日からバイトしてもらう真中さん。
色々教えてあげて」
「よろしくお願いします」
端のデスクに座る眼鏡姿の女の人は、
顔色を変えずに頭を下げ、その隣の空いたデスクに手を置いた。
加世子はその席に座り、花ちゃんと呼ばれた人の方を向いた。
「真中加世子です。よろしくお願いします」
「木下花です。よろしく」
やはり愛想なく挨拶されると、加世子の目の前に、
山のハガキの入ったダンボールを置いた。
「早速、このアンケートの集計から」
「あ、はい・・・」
その後、花の無愛想ながら的確な指示の元、
加世子はアンケート集計をはじめ、電話応対、原稿を届けたりなど、
あらゆる雑用を教えてもらった。
>> 12
出版社といえば、編集とか、校正とかをイメージするだろうけど、
アルバイトで、新入社員の加世子の仕事は、雑用のオンパレードだった。
それは当然のことだと、納得していたが、
その仕事の量たるや、半端ではなかった。
アルバイト期間中は、時間通りで上がれたものの、
常に仕事を明日に先送りした状態で、
翌日は昨日からの仕事にプラスして、新たな雑用に追われた。
「大変ですね」
数日勤務したところで、加世子はポロリと本音を口にした。
「そんな所に就職したのはアナタ」
花は資料整理をしながら、淡々と答えた。
「そう、なんですけどね・・・」
加世子は少し笑って、同じ様に資料整理を続けた。
花は、無愛想だが、仕事は淡々とこなし、
余計な事も話さず、たまに返す言葉も決して嫌味ではなかった。
実をいうと、花のように、
アルバイトや契約社員待遇の若者が多く居て、
その殆どが出版社への本採用を望んでおり、
4月から、新入社員として働く加世子に対して、
嫌味な態度をとる者もいた。
>> 13
そんな中、花は『我関せず』の一貫した態度で接してくれたので、
加世子としては、心強くもあり、気持ちが挫けずに会社へ来れていた。
「花さんは、将来は出版の仕事に携わるつもりですか?」
加世子は、フイに花に質問してみた。
花は落ち着いて見えたが、加世子の1歳年上で、
この一年、就職浪人中だと話していた。
「興味なし」
「あらら」
呆気ない返答に、思わず加世子は口を開けてしまった。
「これからは、ネット時代だから、
紙で発信する時代じゃなくなるわ」
その冷静な判断力は、どこの会社でも通用するだろう――
と、加世子は思ったけど、花が目指していた職業は
「保母さん」
「あらら」
その以外な答えに、加世子はまた口を開けた。
花は今年春の採用もなく、まだ暫くはここでアルバイトしていると話した。
>> 14
バイトとして勤務した約3週間、
加世子は毎日クタクタになって帰宅した。
陽介に何度か夕飯に誘われたが、
正直に気力がないと断り、休み前の晩に少しだけ会ったりした。
そして、入社式を経て、
加世子は出版社の社員となった。
とは言え、配属先は今までバイトしていた課と同じで、
花の姿もあった。
当然、仕事は雑用から始まったが、
新しいアルバイトの子も入ったので、
加世子は少しずつ、雑用以外の仕事も教えてもらっていた。
そんなある日――
「どうもー、お世話になります」
大きな機材抱えた一人の男の人が、オフィスに入ってきた。
来客応対をしていた花さんの陰から、その人と目が合い、
加世子とその男の人は、同時に「あっ!」という顔をした。
でも、二人して、すぐに名前が出てこない。
加世子はその男の人の元へ近づいていった。
その時、花がオフィス内に振り向き
「鈴木さん、田神さんです」
「あ、田神さん!」
加世子はやっと、名前にたどり着いた。
田神もまた、加世子がぶら下げている社員カードを見て、
「加世ちゃん、久しぶり!」
と言って笑った。
>> 15
そこに、加世子の課の係長でもある40男の鈴木がやってきた。
「あれ二人、知り合い?」
「同郷なんですよ」
田神は明るく鈴木に答えた。
その後、応接室で待つことになった田神に、
加世子はコーヒーを運んだ。
田神はフリーのカメラマンとして独立していて、
今日はこれから、出版部の担当者と取材に行くという。
「加世ちゃん、ここに就職したんだね。
俺も、陽介に紹介してもらってから、結構仕事させてもらってるんだ。
これから、よく顔合わせると思うけど、よろしくね」
「陽介さんに、ですか?」
「あぁ、陽介って、前美咲と付き合ってた――」
「はい。よく会ってるんです」
「そうなんだ!俺は最近会ってないんだけど、
陽介、この出版社のお偉いさんとも太いパイプ持ってるみたいでさ、
俺がフリーになった時、紹介してもらったんだよ」
「そうですか・・・」
>> 16
「もしかして、加世ちゃんも紹介してもらったとか?」
「イエ、私は・・・」
その時、応接室のドアが開いた。
「田神さん、行きましょう」
「はい」
田神は席を立つと、
「じゃあ加世ちゃん、またね」
そう言って、カメラの機材を抱え出て行った。
加世子は暫く、その場に立ち尽くした。
『もしかしたら、自分の就職でも、
見えないところで陽介さんが口利きしてくれてた?』
陽介に直接会って、真意を確かめたいと思った。
加世子は、田神に出したコーヒーをトレーに乗せ部屋を出た。
給湯室でぼんやりとカップを洗い、オフィスに戻ろうとした時、
「わっ!」
給湯室の入口に無表情の花が立っていた。
「真中さん、田神さんと知り合いなのね」
「はい。顔見知り程度ですけど・・・」
「じゃあ・・・」
花が言いかけた時だった――
>> 17
オフィスのガラスのドアを開き、スーツ姿の陽介が颯爽と現れた。
陽介は来客応対の人と少し話すと、
爽やかな笑みを浮かべ、加世子の居る課の方へ歩いてきた。
まるで、オフィスの空気が一新されるかの様な存在感に、
皆が、陽介に目を向けた。
陽介は、加世子に気づいたが、頷く様に会釈しただけで、
そのまま、部長の席へと向かった。
「おう、鳴海君」
堅物の部長が、陽介を見るなり、笑顔になり席を立った。
「ご無沙汰しています。今日はちょっとご挨拶に伺いました」
陽介はそう言うと、名刺入れから、名刺を取出して部長に渡した。
「おお、課長になったの!?」
「役不足なもんで、下に苦労かけてますよ」
「何謙遜してんの!鳴海君の年で課長なんて、優秀だからでしょ。
あー、ちょっとお茶飲んでいきなよ、用意させるから」
部長はそう言いながら、加世子と花の方に目を向けた。
>> 18
「ありがとうございます。
でも、これからまだ回らないといけないんで」
「そっかぁ、忙しいな。じゃあ又、一席設けて飲もうや」
「はい、喜んで。今度は広報に移動になりましたんで、
吉田部長には、今後より一層お世話になると思います。
どうぞ、宜しくお願いいたします」
直立して頭を下げた陽介に、
部長はご満悦な表情で何度も頷いた。
「では、失礼します」
と、部長の席から離れ、数人の顔見知りに頭を下げながら、
加世子に声をかけることもなく、陽介はオフィスを出て行った。
オフィスの空気がまた元に戻った後、加世子はオフィスを抜けだし、
陽介の後を追った。
「陽介さん!」
エレベーター前で陽介が振り向く。
次の瞬間、加世子はトタンに可笑しくなって笑った。
「アハ!仕事なのに――
私に会いに来てくれたみたいに勘違いしました」
「フッ」
陽介も加世子を見て笑んだ。
「今晩一緒に飯食おうか?」
「はい」
加世子は陽介を見つめ、素直に返事をした。
>> 19
加世子がオフィスに戻ろうとした所で、また花が現れた。
「田神さんを知っていると言ったから、そうかと思ったけど・・・」
花は、加世子の顔を覗き込むように見つめた。
「やっぱり鳴海様と知合いだったのね」
鳴海《さま!?》――
加世子は、呆気にとられながらただ頷いた。
「鳴海様、素敵・・・」
今度は加世子が花の顔を覗き込むように見つめた。
メガネの奥の小さな瞳にハートマークが浮かんでいる様だった。
陽介は今まで幾度となく出版社を訪れていて、
女性社員の間では、話題の人物らしい。
そして、花もその一人――
「韓流以上にかっこいいですから」
当時、韓国ドラマが大ヒットし、
世間は韓流ブームに沸いていたが、
花は表情を変えず、でも頬を赤らめて力強く話した。
加世子は陽介を見る自分以外の視点に触れ、
新鮮な気持ちを抱いた。
>> 20
その日、加世子は19時に勤務を終え、
会社を出たところで、陽介に電話を掛けた。
『挨拶回り終わって、まだ外なんだ。
加世子ちゃん、地下鉄で2駅来てくんない?』
陽介に言われた通り、地下鉄に乗り、
指定の駅で降り、指定の出口の階段を上がって、
外へ出ると、陽介が待っていた。
「おつかれ」
そう言って、優しく微笑むと、
加世子と肩を並べ、歩きだした。
そのまま歩いて、小さな川沿いの道へとやってきた。
遅咲きの八重桜の花びらが、暖かな風に頭の上を舞っていた。
「陽介さん」
「ん?」
「今日、田神さんに会ったんです」
「そう。俺は最近会ってないんだよね」
「田神さんもそう言っていました。
――それで、聞きたいことがあって・・・」
陽介は歩きながら、加世子の方に顔を向けた。
>> 21
加世子も、陽介の顔を見上げた。
「私が採用されたのって、陽介さんのお陰ですか?」
陽介はジッと加世子を見つめ、
それからすぐに「アハハ!」と笑った。
「俺にそんな力ないよ!」
「でも、田神さんのことも紹介したって・・・」
「その時偶然ね、知合いにいいカメラマン居ないかって、
吉田部長に聞かれたんだ。
タイミング良く、健がフリーになったばかりでね」
「・・・・」
「採用は加世子ちゃんの実力だろ?」
微笑みながらも、陽介の真っすぐな眼差しに
加世子の心のわだかまりは静かに消えていった。
そのまま少し歩いた所で、陽介は立ち止まった。
「今日の夕飯はここで」
そこは、屋台で、川沿いのスペースに
木のテーブルと椅子が並べられていた。
>> 22
椅子に座った加世子は、フイに上を見上げた。
葉桜に近い桜の木越しに、欠けた月が見えた。
その時、陽介が屋台の中で注文をして戻ってきた。
「ここの雰囲気、台湾の屋台にちょっと似ていてね、
でも出す料理は、居酒屋メニューなんだけどさ」
「フフフ、へぇ・・・。
陽介さんは海外に色々行ってて、羨ましいな」
「9割仕事だけど?」
「フフ、費用は会社持ちじゃないですか?」
「金をかけても、ゆーくり、プライベートで旅行に行きたいね」
「行くなら、何処にします?」
「加世子ちゃんなら何処がいい?」
「私?うーん・・・いっぱいあるけど、
『イタリア』には行きたいです」
「そう。じゃあ、いつか一緒に行こうか?」
「――」
まじめに受けて、黙ってしまった加世子だったが、
微笑んだままの陽介をみて、同じように微笑んだ。
>> 23
その後、テーブルに料理が並べられ、
加世子の前にはビール、陽介の前にはウーロン茶が置かれた。
「加世子ちゃん送っていくから飲んでね」
「陽介さんは?」
「実はまだ、仕事が残ってて、この後会社に戻るんだ」
「えっ・・・何だか済みません・・・」
「いいんだよ。夕飯だし」
そう言って、陽介は笑んだ。
加世子は陽介に逆に気を遣わせないために、
頼んでもらったビールを飲んだ。
食事をしながら、色んな話をして、
加世子は今日の花の話しをした。
「――それで、陽介さんはヨン様ではない、
四天王の一人に似ているんですって。
シ・・・?イ・・・?」
「フフフ、最近よく言われるって、
花ちゃんに伝えておいて」
「そうなんですね」
加世子は明るく返し、2杯目のビールを空にした。
陽介がまた頼もうとしたのを、
「もう無理です」
と断った。
>> 25
夕飯を終えた二人は、タクシーに乗り、
加世子のマンションへと向かった。
陽介は、タクシーの運転手に停車可能な近くのスペースを教え、
待っててもらえるように頼んで、加世子と一緒にタクシーを降りた。
「今日もいっぱいご馳走さまでした」
「いいえ」
「初めてのお給料を貰ったら、ご馳走させてください」
「フフ、楽しみにしてるよ」
その後、何となく別れがたい空気が漂った。
加世子の胸には、さっき浮かんだ妙な感情がくすぶっていた。
「加世子ちゃん、瞼に花びら――」
加世子は自分で取ろうとしたが、陽介の手が伸び、
加世子は目を閉じた。
陽介の指先が、ソッと瞼に触れる――
加世子が目を開けようとした次の瞬間――
>> 26
唇に、陽介の唇が重なり、加世子の体はビクンッと反応した。
陽介は加世子の頬を抱き、深いキスに変わった。
長く、ドキドキと緊張した時間だった・・・
しかし加世子は、開きかけた目を閉じ、それを受け入れた――。
唇を離した陽介は、加世子の表情を探るように、
首を傾げて、見つめた。
俯いていた加世子も、ゆっくりと顔を上げた。
「お酒のせいです・・・」
「俺は飲んでないけどね」
加世子は言い返せず、上目使いで陽介を見た。
陽介はフッと微笑んだ。
「じゃあ、今度は、
どっちも飲んでないときに試してみるか」
照れて俯く加世子の鼻をつまんで、
「おやすみ」
そう言うと、陽介は手を振って去っていった。
加世子は、ドキドキの胸中を抱え、
陽介の背中を見えなくなるまで見送った。
>> 28
翌日会社へ行くと、鈴木課長に、加世子と花が呼ばれた。
そのまま会議室に移動すると、
同じ課の編集者3人が待っていた。
このメンバーは、都内の飲食情報誌の編集メンバーだった。
「GW明けの特集で、若者をターゲットで考えてるんだけど、
花ちゃんや加世子ちゃんにも考えてもらいたくてね」
鈴木課長の言葉に、他の編集者も口を開く。
「食べる所選ぶとき、若者の選択って何?」
「値段じゃないですか」
淡々と即答した花に、周りの人はうな垂れた。
「ありきたりでしょ?――加世子ちゃんは?どう」
「私は・・・」
自分がお店を選ぶとしたなら・・・
「・・・こういう、って、具体的なことは言えないんですけど、
ご飯がより一層美味しく感じられる要素が、お店にあるとか・・・」
「例えば?」
「うーん・・・」
加世子が考えていると、
隣の花が飄々とした表情で口を開いた。
>> 29
「イケメンですね」
加世子も含めた全員が、花に注目した。
「『イケメンオーナーに会える、美味しいお店』」
花は、手で文字を表すようにして言った。
「いいね!それで行こう!」
鈴木課長の一言で、テーマはそのまま決定した。
そして、その号の編集に加世子と花が大きく携わることになった。
加世子は初めて参加する出版の仕事に、気持ちが高揚するよう思いだった。
アイデアを出した花は、いたって冷静に
「イケメンオーナーのいるお店、探し出さなきゃ」
と、パソコンに向かった。
加世子も気合を入れ、始めようとしたが、
「ちょっとトイレへ・・・」
と、申し訳なさげにオフィスを出て行った。
すると、オフィスを出たところで携帯が鳴った。
>> 30
携帯に手に持つと、画面に「鳴海陽介」の名前――
加世子の胸に、昨夜の出来事が蘇り、
小さく深呼吸をして、通話ボタンを押した。
「もしもし・・・」
『加世子ちゃん?今お昼?』
加世子は廊下の時計に目をやると、12時15分だった。
「いえ、まだ」
『じゃあ、また掛けなおすわ』
「いいえ、今大丈夫です」
『そう』
その後、ほんの少し沈黙が流れた。
意識しているのが伝わってしまいそうで、
加世子が口を開こうとしたとき、
「今晩も一緒に飯食おうか」
陽介から言葉を発した。
「――はい」
『フフフ、間があったけど?』
陽介には、加世子の心の中まで見透かされている様で、
加世子は何の返事も出来なかった。
>> 31
『どこがいいかな・・・』
陽介の言葉に、加世子はハッとした。
「あの、陽介さんは『イケメンオーナーの居るお店』なんて――」
そこまで言って、笑ってしまった。
男の陽介に聞く質問ではないと思ったからだ。
『なに?そういう特集組むの?』
さすがに頭の回転が速い。
「そうなんです。それに、私と花さんも参加することになって」
『そっか、初仕事みたいなもんだね。
じゃあ、夕方までに調べて連絡するよ』
「えっ・・・」
『じゃあ、また後で』
電話は切れた。
加世子は陽介にまた頼ってしまったことを悔いると同時に、
陽介の先をいくスマートさに、尊敬に似た気持ちを抱いた。
そして、退社時間前に陽介から連絡があり、
加世子は教えられたお店へと一人で向かうと、
陽介が既に着いていて、加世子を笑顔で迎えてくれた。
>> 32
そのお店は、流行のアジアンレストランで、
中に入った瞬間、異国へと連れ去られる様な、
天井にはアジアンタペストリー、所々に薄暗く暖かな照明が点在していた。
「ここは、オーナーだけじゃなく、
店員もイケメン君を厳選しているらしいよ」
注文を取りに来た若い男の子も、目鼻立ちの整った
いわゆるイケメンだった。
陽介は自分のためにソーダー水を頼んだ。
「ちょっと、胃の調子がイマイチでね」
「じゃあ、私も止めておきます」
加世子も同じソーダー水を頼んだ。
「フフ、飲めばいいのに」
「私も一応仕事がらみで来てますから」
二人は小さく微笑み合った。
そして料理が運ばれてきて、
いつものように、楽しく時間を過ごしたが、
その間も陽介が、食べ物をあまり口に運ばないのが、
加世子は少し気になっていた。
>> 33
帰り際、加世子はお店の奥へ行き、
本当にかっこいいオーナーに雑誌の取材の申し入れをした。
「鳴海さんから聞いていました。喜んでお受けします」
そう答えをもらった加世子は、
何ともいえない複雑な気持ちで陽介の元へ戻った。
「ん?」
微笑んで、加世子を見ている陽介を
加世子はただジッと見つめた。
その時、陽介の携帯が鳴った。
陽介はそれに出たまま、笑みを消し加世子を見つめ返した。
「――ああ、おつかれ・・・うん・・・」
陽介は目線を外さない。
加世子は急にドキドキしてきて、
一旦目線を外して、また陽介を見た。
「・・・うん――分かった。今から戻るわ」
そう言って電話を切った陽介に、
加世子は顔色を変えた。
「仕事、ですか?」
陽介もまた笑みを浮かべた。
「GWまでに、片付けないといけない仕事が山積みでね。
――さっ、行かなきゃ」
陽介が取ろうとした伝票を、
加世子が先に取り上げた。
「経費で落とす、って言われてますんで。
――言ってみたかった一言、フフ」
そう言って、ニッコリと笑んだ加世子を見て、
立ち上がった陽介はクッシャっと笑って、
その鼻をつまんだ。
>> 34
陽介は近くの駅まで加世子を送った。
「ごめんね、家まで送れないで」
加世子は首を横に振って、陽介の顔を見た。
「陽介さん、体は大丈夫ですか?」
「ああ、これでもジムに通って鍛えてるんだ」
加世子は小さくため息をついて、また陽介を見つめた。
「陽介さんは、色んな気遣いが出来る人だから、
仕事も一人で抱え込んでいるんじゃないかって心配です」
陽介は小さく笑った。
「久しぶりだな、人からそんな心配されるの」
「ジムへ行くのもちょっと止めて、
その時間もゆっくり休んでください。
――ホントは、私とこうやって会っている時間も休んでほしいし・・・」
「それは聞けない」
「――」
「ちゃんと休むよ。
加世子ちゃんに心配掛けない様にね――
じゃあ行くね。おやすみ」
陽介は振り向くことなく去っていった。
加世子は陽介の背中を見送りながら、
心の中で色んな感情が生まれた。
陽介の体は大丈夫だろうか・・・
振り向いてはくれないのか・・・
決してキスを期待していた訳ではない――
ただ、昨日とあまりにも違う別れに、
加世子の心を一番に占めていたのは
「寂しさ」だった。
>> 36
『突然済みません――
鳴海陽介さんのお知り合いの方ですか?』
「はい・・・」
加世子は嫌な胸騒ぎがした。
『自分は課長の部下の山本と申します。
課長が倒れられまして、今朝病院に入院したんです』
「!――」
電話を切った加世子は、着替えをし、
メモした病院へと向かいながら、
山本の話を思い出していた。
『今朝、マンションを出る時に、自分に電話があったんです。
その時倒れられて、管理人さんが気づいてくれたんです。
意識はあったんですけど、立てなくて――
誰にも連絡するなって言われたんですけど、
課長の携帯履歴で、一番多く発信していたのがアナタで・・・』
病室の前に、スーツ姿の若い男が立っていた。
近づいた加世子に気づくと、深く頭を下げた。
「真中加世子と言います。山本さん、ですか?」
「はい。先ほどは突然失礼しました。
――今、課長は休まれてます」
「――先生はなんて?」
「睡眠不足と過労が原因だろうって。ずっと、無理してたんです。
自分も含めて、みんな課長に頼りっぱなしでしたから・・・」
「・・・・・」
>> 37
「自分は、課長にも言われて、これから出勤しなくてはいけないんです」
「私が居ますから」
山本はまた深々と頭を下げた。
「すみません。課長のこと、どうぞ宜しくおねがいします」
山本は何度も頭を下げながら、去っていった。
加世子は病室から少し離れ、携帯から、鈴木課長に電話をかけた。
入院した知人に付添いたいので、半日だけでも休みたい事を
正直に伝えると、
「一日休みな。どうせGW返上なんだから」
と言われた。
取材するお店の指定もあり、最初からGWは仕事の予定だった。
今日休めるのは有難い――
加世子は陽介に付き添っていたいと思った。
個室の病室へ戻ると、ドアを静かに開け、中へ入った。
ベットに陽介の姿があった。
腕には点滴がされていた。
加世子は傍らに椅子を置いて座り、
少し痩せた陽介の顔を心配気に見つめた。
その時、ゆっくりと陽介が、目を覚ました。
>> 39
「弱ってる時に優しくすると、その気になるよ」
「でも・・・放っておけませんもん」
真っすぐに見つめる陽介の眼差しは
加世子を捕らえて離さない――
「――加世子」
そう言って、陽介は手を差し出した。
加世子は、体を傾け、その手の内に顔を近づけた。
そして、耳と頬をはさまれ、引き寄せられるままに
陽介と唇を合わせた。
優しいキスが、大胆で深く、語る様なキスに変わっていく――
長く続いてほしい――そう、加世子は感じた。
その望み通りに長い時間唇を合わせ、
語り尽くしたように、二人は唇を離した。
手で支えられ、おでこをつけたまま、
加世子は恥ずかしくて俯いて微笑んだ。
「弱っているときも、反則でしたね」
「今ので、元気になったよ」
「フフ・・・」
加世子はチラッと目を上げて笑った。
>> 40
「私、必要な物とか用意してきますね」
加世子がそう言うと、陽介は体を起こそうとし、
「無理しないでください・・・」
加世子は陽介の背中を支えた。
陽介から、上着のポケットを見て欲しいと頼まれ、
クローゼットに掛けられたスーツのポケットに手を入れると、
キーケースが現れた。
「家行って、着替えとか頼める?」
「はい。――じゃあ、早速行ってきます」
笑顔で加世子は答え、ドアの方へ向かった。
「なぁ」
加世子は、振り向いて陽介を見た。
「早く戻ってきてくんない?」
「――はい」
小さく笑んで、加世子は病室を出た。
廊下を少し歩いた所で、加世子は立ち止まった。
陽介の前では笑顔でいようと、そうしていたが、
陽介の身に何かあったら――と思いながら病院へきた疲れが
ドッと押し寄せるように、壁に凭れた。
でも、入院して良かった。
病院では、嫌でも休むしかないから・・・。
そして、決して弱くはない力強いキスを思い出し、
疲れが、陶酔に変わった加世子は、
その雑念を振り払うよう歩き出した。
>> 41
陽介のマンションへ行き、
携帯で陽介に聞きながら荷物をまとめ、
途中、お花を買って病院へ戻ると、
病室の中に、年配の男女が陽介の傍らに座っていた。
加世子は頭を下げながら、中へ入った。
すると、二人も立って、加世子に向かって頭を下げた。
「両親」
陽介は困ったような顔で言った。
「ああ――初めまして。
陽介さんに、いつもお世話になっています真中加世子と申します」
「イエ、こちらこそ。色々、ご迷惑おかけしまして・・・」
優しそうな陽介の母、規子がそう言って、また頭を下げた。
「管理人さんが、連絡したみたいで――
親父まで来てさ、俺もう30過ぎてんの!大ごとにしないでよ」
「倒れたって言われたら心配するだろう!」
陽介の父、誠司は、陽介に向かって、強く言った。
「そうよ、あなた、東京で一人暮らしなんだから。
倒れて、誰にも気づかれずに、孤独死なんてこともあるんだからね」
陽介は辟易した顔で加世子に目配せした。
加世子は荷物を片付けながら、微笑ましくその光景を見ていた。
>> 42
両親が居る間、加世子は家族の会話に立ち入らずに
花瓶に花を差したり、二人にお茶を運んだりしていた。
陽介の両親は担当医から話しを聞き、陽介の元気そうな姿に安心し、
説得されたのもあって、昼前には帰ると言って、席を立った。
「加世子さん、本当にご迷惑をおかけしますが、
陽介のこと宜しくお願いします」
「はい」
「今度、是非鎌倉の自宅へも遊びにきてね」
「はい」
両親はにこやかに病室を後にした。
すぐに、大きなため息をついた陽介に
「いいご両親ですね」
と、加世子は心からそう思って口にした。
「逆に両親は、いい子だって褒めてたよ」
「えー」
「うちの親、ああ見えて、色々うるさくてね。
初めてかもよ、褒められた女の子」
「それが本当なら、嬉しいですね」
「本当だよ。
でも好かれるって分かってたよ、最初からね」
そう言って、陽介は加世子にニッと笑った。
>> 44
「加世子は男にモテるだろうな」
病室でのキス以降、陽介は『加世子』と呼ぶ様になっていた。
「モテないですって!
ーーあれ?随分前にも陽介さんに言われた気がする…」
「どちらかと言うと、結婚したい女だよ、加世子は」
『結婚』という言葉にドキッとしたが、
加世子はそれを悟られない様に、部屋の片付けを続けて笑った。
「ハハ、もう一つのタイプって何だろう?」
「付き合いたい女」
「フフ、そっちの方が女性として見られている感じですね」
「コイかアイで答えるなら恋ーー
性欲を満たしたくなる相手」
「ーー」
「結婚したい相手は、ずっと一緒に居たいーー愛する人…かな」
陽介の話しを、加世子は手を止めて聞いていた。
「恋する相手と愛する相手は一緒ではないんですか?」
「一緒もあるだろうけど、
恋した相手と結婚したら、いつか幻滅する日が来ると思うね」
>> 45
加世子はフキンを持った手元に目線を落とした。
「私は…コイはアイに変わると思うーー」
加世子の脳裏に、
忘れられない言葉がよぎるーー
ーーコイがアイに変わるんだーー
「例え結婚しても、もっと深く、もっと好きになるって…そう信じたい」
加世子は大切な記憶を辿るように、静かに俯いた。
その時、背後から陽介に抱きしめられた。
「何、思いだしちゃってんの?」
「……」
陽介は加世子の耳に顔を近づけた。
「一つだけ確かな事教えてあげるよーー。
『初恋は成就しない』ってね」
そう、囁く様に言うと、加世子の両肩をポンッと叩いて、キッチンへ消えた。
「加世子そろそろ時間だろ?」
キッチンの中から陽介が言う。
「あっ!」
加世子は時計を見て、エプロンを外しバックを持つと、そのまま玄関へ向かった。
「ありがとな」
キッチンから顔だけ出して陽介が微笑んだ。
「はい。ーーそれじゃ」
加世子は素直な笑みを残して出て行った。
ドアが閉まると、陽介は笑みを消し、そのドアをボンヤリと見つめていた。
>> 46
GW明けの平日。
加世子はスタッフ2名とカメラマンと一緒に、
最後の店舗でもあるイタリアンレストランへ出向いた。
このお店は若いイケメンオーナーがよくTV出演していて、
味も、店の雰囲気も評判が良く、雑誌にも頻繁に取り上げられ、
常に混雑している店だった。
そのせいで、取材は店が休みの今日になったのだ。
店舗の撮影をするカメラマンについて、
加世子はアシスタントの様に、レフ板を抱えて歩いた。
天井の高いオシャレな内装、奥の厨房とは別に、
客から見えるオープンキッチンも備えられ、
オープンテラスの席は、リゾート地を彷彿とさせるような、
ゆったりと、開放的に座席が配置されていた。
加世子はそれら全てに行き届いたセンスに惹かれる思いで、
現れた、まだ40歳位のオーナーを羨望の眼差しで見つめた。
「今回はイケメンオーナーに会える店だって?
いないこと多いんだけど?」
オーナーの滝田さんは、
同年代の編集者の土田に向かって言った。
「まぁ、アナタが紙面にこないと、売り上げに繋がらないから」
>> 49
久しぶりに聞いた敦史の声に、
胸がいっぱいになった。
「この子はうちの新人なんですよ。
――じゃあ真中、若いもの同士で、質問はお前に任せたから」
「え?・・・」
土田の言葉に戸惑っている加世子に、
もう一人の編集者の東が、アンケート板を渡した。
先に写真を撮るために、
オープンテラスへ向かった。
「こっち向いて、少し笑ってもらえます?」
カメラマンの言葉に、視線は向けるものの、
敦史は決して笑顔にならなかった。
「加世子ちゃん、もうちょっと上向けて」
「あ、はい・・・」
指示通りにレフ板を傾けると、
光の当たった敦史の瞳が、キラキラと輝いた――
加世子の胸は、締め付けられる程に高鳴り、
敦史を見ることが出来なかった・・・。
- << 51 写真撮影が終わり、 テラスには加世子と敦史の二人だけになった。 少し下を見たまま動かない敦史の前に、 加世子は座って、質問表に目を落とした。 「――質問を、させて下さい」 「・・・・・」 「お名前は?」 「・・・・・」 敦史は微動だにしなかった。 「薄井敦史さん、ですね」 加世子は質問表に記入していった。 「お誕生日は?」 「・・・・・」 「7月29日、ですね―― 血液型は・・・Aでしたよね?」 「・・・・・」 「ご趣味は? ――映画鑑賞、とかにしておきますか?」 「・・・・・」 次の質問を口にしようとして、 加世子は少し躊躇った。
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