ー真実の愛ーⅡ
事実は、たくさん有るけれど、、、、
真実はひとつだ。、、、って、
あなたは教えてくれた。。。
★前スレに続き、一部不快に思われる箇所があると思います。
ひきつづき、不快に思われた方は、申し訳ありませんが、スルーをお願いします。🙇
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「あ、あの!、、、、ふたり共、喧嘩しないで下さい!」
竣也が慌てて、制するように言う。
「え?」
「あ?」
私と恭介は、同時に竣也を見た。
「すいません!、、、、おれの所為で!おれが、また、余計な事言っちまって、、、、」
今度は、今の事で謝っている。
「、、、、、、、、、」
「、、、、、、、、、」
「あの、、、、?」
、、、、、、、、、、
3人が顔を見合わせる。
「ぷっ、、、!」
私が、笑い出した事をきっかけに、恭介や竣也も笑い出した。
、、、恭介が、、、、、笑ってる、、、、!
、、、、また、ちょっと、恭介の事がわかったような気がした。
ひとしきり、笑った後、
「心配するな。」
恭介の言葉に、私と竣也が反応する。
「もう二度と、、、未来を悲しませるような事は、しない。」
顔は、竣也の方を向いている。
でも、、、、、
それって、、、、、、私にも、言ってる?って事、、、、?
あれから、私の事、名前で呼ぶようになった、、、
相変わらず、低い声でーーー
でも、今の私にはその言葉は、胸に響いた、、、。
恭介は、私が言おうとしている事を分かってくれたのか、竣也にはそれ以外の話はしなかった。
竣也も、恭介の言葉に納得したようだった。
「じゃ、送りますから。」
竣也に誘導されて、恭介と私は車に乗り込む。
「竣也、未来の店に行ってくれ。」
車が、走り出した途端に、恭介が竣也に話し掛ける。
「え?どう、、、して?」
「あ、あの、恭介さん、いいんですか、、、?」
ルームミラー越しに、ちょっと困ったような顔をして、竣也が聞いてくる。
「ねぇ?店に、、、、って?私、まだ、着替えとかも済ませてないし、、」
「店には、今日は休むって言ってある。」
!!
「ちょっと待って!そんな勝手な事!店長にも、迷惑かかるのに!」
「だから、行くんだ。」
車は、20分程でお店に着いた。
なんだか腑に落ちないと思いながらも、ロッカールームに入って行く。
時間は、8時になろうとしていた。
ちょうど上原さんが、着替えを済ませたところだった。
「おはようございます、、。」
上原さんは、私の声に気付いて、振り返る。
「未来ちゃん、、!!、、、大丈夫!?」
すぐ、近寄ってきた。
「あ、はい、、。ほんとに、すいませんでした!何度も、ご心配おかけして、、、!」
頭を下げる。
「そんな事、いいから!電話もらった時は、ほんとに驚いたけど、、。
昨日、あれから、どうなったんだろうって、気にはなってたんだけどね、、。」
、、、、、昨日、、、、、から、いろんな事がわかって、、、
何から、話していいのか、、、、わからない、、、
それに、もう、仕事が始まる時間だし、、
「あのね、未来ちゃん、、!」
「はい、、、?」
その時、ロッカールームのドアがノックされた。
「店長、ちょっといいですか。」
、、、、、、、、、、??
「あ、はい!今、開けます!」
上原さんが、私にちょっと待ってねっというふうに、軽く手を上げた後、ドアを開ける。
「あ!」
上原さんの小さい声に、何気に私も、ドアの方を振り向く。
え、、、、???
なんで、、、、、?
さっき、聞こえた声の持ち主は、恭介だった。
一瞬、理解出来ない。
、、、、、、、、、、、、、
!!、、、、部外者がこんな所に来ちゃいけない、、!
そう、思った。
「あ、、、!部外者が、、」
「社長、、」
え、、、、?
上原さんの言葉が、更に、私の頭を混乱させる。
「あ、、、の、上原さん、今、なんて?、、、、、」
「未来ちゃん、、、。」
上原さんが、ちょっと困ったような顔をしている。
、、、、、、、、
「社長、、、、、って、言いました?」
私は、上原さんの顔を見た後、恭介の顔を見る。
「あぁ、私が社長だ。」
私って、、、、
言葉遣いが、変わってるんですけど、、、、。
それに、なんだか、威厳さえも感じられる、、、、
でも、まだ、状況が把握出来ない私は、呆然としていた。
「未来ちゃん、、、。」
上原さんの声にはっとする。
「上原さん、、、、もしかして、、、、知ってたんですか、、?」
「うーん、、、?知ってたっていうか、、、。
昨日ね、ほら、、、竣也くん?だったっけ?お店に来たでしょ?」
「あ、、、、はい。」
昨日、竣也に頼まれて恭介に会いに行った、、、。
「その時ね、どっかで会った事あるような気がするなって思って、、、ね。」
「え?、、、、あ!」
そういえばあの時、上原さん、竣也くんの事、聞いてた、、、。
恭介は、黙って聞いている。
「それで、今朝、、、、電話もらって、、、。」
「あ、私が、倒れた、、っていう?」
「そう。、、、、ただ、その電話って、、、、会社直通の電話だったから、、。」
どうして、会社直通の電話なんか使って?
「その時にね、思い出しの。一度だけなんだけど、、、
竣也くんが運転する車で、その、、、社長が、ここに来た事を、、、ね。」
「そんな事が、、、」
恭介をチラッと見ると、表情は変わってない。
恭介、、、、
どうして、何も言わないの、、、、、?
、、、、、、、
「だから、恭介さんが、、、社長だって分かって、、、その、、、私、、、」
ちらっと恭介を見る上原さん。
「いいですよ。言って下さい。」
え、、、、?何、、、を、、?
少し間を置いて、上原さんが、
「いくら相手が、社長だからって、、、、、私は、許しませんから!!、、、、、って、、、、」
「、、、、、、上原さん、、、、」
上原さんは、全て知っている。
だから、、、、恭介のマンションで私が倒れた事を聞いて、許せなかったらしい、、、。
自分の立場を考えれば、言えないような事を、上原さんは、言ってくれたんだ、、、
「!!もしかして、上原さんを辞めさせるなんて、、、!そんな事、思ってないですよね!」
私は、恭介に詰め寄った。
「未来ちゃん!待って。大丈夫だから!」
上原さんの顔を見ると、穏やかな表情だ。
「あ、、、、」
「だったら、こんな話、ふたりの前でしたりしないよ。」
「、、、、、、、」
「あ!もう、こんな時間!」
ロッカールームの時計を見ながら、上原さんが慌てる。
「あ、、、!」
「未来ちゃん、これからもよろしくね!」
私の手を取り、にっこり微笑んだ後、
「社長、これからも、未来ちゃんの事よろしくお願いします!」
恭介に深々と頭を下げて、私に手を振りながら、仕事場へと向かって行った。
恭介とふたり、取り残されたような気分だった。
、、、、、、、、、
「行くか。」
恭介が、話し掛ける。
「あ、、、、、、うん、、、。」
、、、、、、、、
恭介が、社長、、、、、
私が働いているお店の、、、
、、、、、、、、、、、
昨日からの急展開に、頭と体が着いていかない、、、。
それに、恭介はなんで、わざわざ、上原さんの前で、私にこんな話したんだろ?
先に歩く恭介の背中を見上げる。
「言っただろ?オレは、もう逃げないって。」
あ!!
「お前に、隠し事はしたくないって思った。」
恭介は、歩きながら話し続けている。
隠し事、、、
「じゃあ、どうして、すぐ言わなかったの?」
私が、ここで働いてるって事は、知ってた筈なのに、、、。
「あの時、すぐに言ってたら、、、、お前、ここ、辞めてただろ。」
あ、、、、!
あの時、だったら、、、、、そうだった、、、。
、、、、、!
気を遣ってくれたって事?
私のために、、、、。
少しずつ、、、
状況は、変わってきているーーーー
それだけじゃない。
私の気持ちも、、、
ーーーそう、思った。
「ここ、辞めたいか?」
恭介が、聞いてくる。
正直、よくわからない、、、。
こんな状況で、このまま、このお店で働いていいのかどうか、、、、
でもーーー
上原さんは、さっき言ってくれた。
<これからも、よろしくね>って、、、
恭介と私の事を知っていながら。
許されるのなら、このまま、ここで。
「働きたい、、、!」
、、、、、、、
「じゃあ、これでクリアだな。」
「え!?クリア?」
「オレが、社長だからっていう理由で、お前がここを辞めないってわかったからだ。」
!、、、、
「いい店長も、居るしな。」
「あ、、、、、うん!」
、、、、そう。
上原さんには、言葉では言い表せないくらい、ほんとに感謝してる。
さっきから、恭介の歩幅が小さくなっている事に、気付く。
以前だったら、どんなに急いでも追いつく事ができなかのに。
今は、、、
ううん、病院を出た時から、そうだった。
私の歩幅に、合わせてくれてる、、、、?
裏口の扉に近づいた。
立ち止まった恭介が、ゆっくり、振り向く。
「?、、、、、何?」
恭介の大きな手が、私の掌を包み込んだ。
「え、、、、!」
恭介の顔を見上げると、ぱっと目線を外し、
「店長に、、、、頼まれたからな。、、、」
あ、、、、
不器用だけど、これが、この人なりの優しさなのかもしれない、、、、。
最初からーーー
無理やり、、、、、で
何度も、強引に、、、、、抱かれて
腕も、何度も掴まれ、痛いって言っても、離してはくれなかった
体に触れる事はあっても
初めてだった
恭介の掌が、私の掌をーーーー
ーーーーー
それは、私が、妊娠してるから?
、、、でも、恭介の子どもだなんて、恭介はまだ、知らない、、、、、
、、、、、、、、、、
裏口のドアノブに手を掛けたまま、恭介が言う。
「アイツの事、、、、、聞いた、、、。」
アイツ、、、?
「!! 亮介さんの事、、、?」
「あぁ、、、。」
「聞いたって、何を?、、、、、え?誰に!?」
「響子。、、、、」
響子さん?
「オレの、姉貴。、、、、」
ーーーーー
姉貴、、、、、
「お姉さん、、、、?」
「あぁ、、、」
、、、、、、、、
響子さんと、恭介が、、、きょうだい、、、、
!
「、、、、もしかして、昨日、、、言おうとしてた事って?」
頷く恭介、、、。
、、、、、、、
全身の力が、抜けるみたいな感覚になる、、、
その時、私の手を握る恭介の手に、ぎゅっと、力が入った。
!
、、、、、、恭介。
隠し事は、しないって言った。
だから、私に話してるんだ、、、。
恭介の掌の強さが、私の気持ちを持ち直してくれたような気がした。
「昨日、、、、、姉貴は、アイツ、、、亮介、、さんの事を話すために、オレのとこに来たらしい、、。」
、、、、、、、、、
「、、、亮介さんの事?」
頷きながら、ドアを開ける。
外に出ると、5月の爽やかな風が、吹いていた。
恭介は、私の手を握ったまま、竣也の待つ車に向かって、ゆっくり歩き出した。
これから、私は多分、とんでもない事を聞かされるんだろう。
、、、、、、
覚悟ができてるって言えば、、、
嘘になる、、、
だって、さっきから、周りの音より心臓の音の方が、はっきり聞こえるぐらいだから、、、、、
でも、それでも、、、、
聞かなきゃいけないって思う。
私にとっても、多分、大事な事のような気がするから。
車のドアを開ける前に、恭介が振り返る。
「オレも、お前の部屋に行くから。」
これ以上、外で話すわけにはいかない。
ましてや、竣也の居る車の中で話す事もできない。
恭介も、同じ事を考えたんだろう。
「わかった、、、。
あ!、、、、でも、仕事は!?」
恭介の仕事を知った上では、やっぱり気になる。
恭介は、社長、、、、
このファミレスは、全国にチェーン店があるって、上原さんに聞いた事がある。
「心配するな。今は、お前との話が優先だ。」
そう言うと、車のドアを開けた。
「竣也、オレも未来の部屋に行くから。」
車が走り出す前に、竣也に向かって、恭介が言う。
「えっ、、、あ!、、はい!わかりました!」
ぱっと後ろを振り向いた竣也は、私と目が合うとニッコリと笑う。
そして、、、、
「いつ、結婚するんすか~?」
「結婚、、、!?」
びっくりして、恭介の顔を見る。
「竣也、、、、車を出せ。」
「!」
「あ!はい!すいません~余計な事を~!」
もう一度、私を見ながら軽く、笑った。
そして、車は静かに駐車場を出て行く。
竣也、勘違いしてるんだろうな、、、
無理もないよね、、。
結婚。
、、、、、
竣也くんに言われるまで、ほんと、、、考えた事、なかった。
恭介と、、、、、結婚、、、
有り得ないよ、、。
いろんな事が有りすぎて、その事を受け入れるだけで、精いっぱいだったから。
ーーーーー
「後で、連絡する。」
私のアパートに着いた恭介は、車を降りながら竣也に伝えた。
「分かりましたー!」
竣也はそう言って、走り去って行った。
「お茶で、、、、いい?」
「あぁ、、、。体、大丈夫か?」
「あ、うん、大丈夫。
お医者様も、驚いてた。
二度も倒れてて、赤ちゃんも私も、殆ど問題なかったから、、。
よほど、強くて元気な赤ちゃんなんですねって、、、。」
「、、、そうか。、、、良かった、、、」
何気なく話した、今朝の病院での話だった。
良かった、、、、って、言うなんて、、、。
「あ、、、、座って。狭いとこだけど。」
恭介は、ベットの近くにあるソファに座る。
お茶を淹れながら、ふと、恭介を見る。
ソファが、小さく見えた。
恭介って、ほんと、大きいんだな、、、
恭介と響子さんがきょうだい、、、。
よく見ると、確かに似てる。
響子さんも、女性にしては大きい。
たぶん、170ぐらいあるんじゃないかな。
美人だし、モデルでもいいんじゃないかって思うくらい。
美人、、、
顔も、似てる。
!、、、切れ長の目も。
今まで、きょうだいだなんて思って見てなかったから、、、。
ほんとに、きょうだいなんだな、、、。
私の視線に気づいた恭介が、私を見る。
あっ、、、!
「なんだ。」
「あ、ううん!、、、お茶、入ったから、、、。」
どきっとした、、、
私は、平静を装いながら、お茶を運ぶ。
小さなテーブルの上に、お茶を置く。
私の部屋は狭くて、ベットのある部屋に、二人掛け用のソファと小さめのテーブルを置いている。
ソファに座っている恭介。
私は、テーブルを挟み、ベットを背にして座った。
「ごめんなさい。狭くて、、、。」
「いや、、。オレのうちより、落ち着く。」
そう言って、お茶を一口飲む。
え、、、、?
こんな狭い所が?、、、、
「アイツ、、、あ、つい、アイツって言っちまう、、、、、!」
「あ、、、」
「亮介さんと、、、お前の所為だと、、、、ずっと思ってた、、、」
え、、、!?
「姉貴が、別れた原因、、。」
「!」
手にしたお茶を、落としそうになる。
「、、、、亮介さんが、お前と、浮気したから、、、、姉貴は別れたんだって。
そう、思ってた。」
私と、亮介さんが、、、
「あ、、、!だから、、!前に、私と亮介さんの事、あんなふうに、、、、」
まだ、恭介と響子さんがきょうだいだとは知らなかった頃、私は、亮介さんの事で、恭介に責められた事があった。
「あぁ。、、、、でも、別れた原因は、そうじゃないって、姉貴に聞いたんだ、、、。」
、、、、、、、
それって、、、、
「子ども、、、だったんだな、、。」
「!、、、、、」
知ってるんだ!
「しかも、姉貴が勝手に悩んで、何にも言わねえで、出てきたって、、。」
、、、子どもの事。
亮介さんに、子どもができない原因があるって事も、聞いたんだろうか、、、、
もし、その事も恭介が知っていたら、、、
「オレ、、、、お前に、前に一度、会った事がある。」
「、、、、!?」
、、、、、、、
あの、、時が、初めてじゃなかったの、、、?
「姉貴が、離婚届けを持ってきた日だ、、。」
?、、、、
あの日、、、響子さんは、ひとりだった、、、、。
「オレの車で、姉貴を乗せてきたんだ。」
、、、、、、!
そう言えば、、、、響子さんを追い掛けて、店の外に出た時、響子さんを乗せた車を見た、、、
「あの時の、車って、、!」
「まぁ、会ったというより、オレが一方的に見たって言った方が、正しいけどな、、。」
、、、、、恭介だったんだ、、
「姉貴、、、泣いてやがった。」
!!
「オレが姉貴の涙見たのって、初めてだった、、、。」
「、、、、、、」
「、、、、道に、ふたりして突っ立ってただろ?」
「、、、!、、、、うん、、」
買い物から戻った亮介さんが、響子さんに気づいて、茫然と立ち尽くしていた事を思いだす。
「お前を、、、、、見掛けた後、、、。
ふたりの姿見た瞬間、オレは、、、」
見掛けた後、、、?
その、間は何?
首を傾げながら、恭介を見る。
「お前たちに、、、、復讐してやるって思ったんだ。、、、、」
復讐、、、、
、、、、それが、私を、、、レイプするっていう事、、、だったんだ、、、。
でも、、、、
なぜ、そこまで、、、
「姉貴は、オレにとって、親以上の存在だった。」
親以上の存在、、、
「オレは、自分の親の顔を知らないからな、、。」
!
亮介さんの話を思い出す。
「何か、聞いてるのか?」
私の表情を見て、恭介が聞いてくる。
「うん、、、。前に、少しだけ、亮介さんに聞いた事がある、、」
「そうか。、、、、
オレと姉貴が、親に捨てられた時、オレはまだ、3歳で、、姉貴だって、中学に上がったばっかりだったからな。」
恭介は時々、窓の方を見つめながら、話をする。
「当然、オレは施設に預けられた。姉貴は、自分が面倒みるって言ってたらしいが、、、、
そんな事、世間が許す訳ねぇしな、、、。」
、、、、、響子さん
「!響子さんは、、、?その後、どうしたの、、?」
「親戚に引き取られた、、。ただ、引き取った方は、相当、迷惑だったらしいが。」
「え!?」
「かなり、癖が悪かったらしくてな。オレたちの父親、、、。親戚中から金借りまくって、居なくなっちまったからさ、、。
そりゃあ、誰だって、そんな男の娘、嫌がるだろう。、、、、、」
、、、、、そんな事、が、、、
「全部、施設にいた時に聞いた話だ。
オレには、愚痴ひとつ言わなかったからな、、。」
ほんとは、響子さん、、、
辛かっただろうな、、、、
でも、恭介のために、、、!
「響子さんは、、、あなたの事、本当に愛してたんだね、、、。」
「そうだな、、。施設に居る時も、毎日のように、オレに会いに来てくれてたし。でもな、、、、」
、、、、、、?
「オレたちは、母親が違うんだ。」
「え、、、!」
母親が違う、、、
「親父、金だけじゃなくて、女にもだらしなかったらしくてさ。
余所に女作って、産ませたのが、オレって訳。」
、、、、、、、、、
「じゃあ、、、!響子さんは、、、その事も、分かってて?、、、、、」
「あぁ、、。
オレを産んだ母親は、オレを産んですぐ、親父に預けたまま、行方知らずになっちまって。
、、、そんなオレを、姉貴の母親だって、育てようなんて思う訳ないだろうしな。」
自分が産んだ子どもを、見捨てた、、、、の?、、、
考えられない、、、よ、、、
涙をこらえる事が、できない。
そんな私に気づいた恭介が、
「母親にも、母親なりの事情があったんだろ。
今なら、そう思える。」
、、、、、恭介、、、
「でも、、、
!?
じゃあ、その時から、響子さんが、、、!?」
「姉貴だって、ガキだったのに、、、な。
オレは、何にも覚えちゃいないが、、、」
私は、涙を拭きながら考えていた。
両親が居る事の幸せを、私は知っている。
事故で亡くなるまで、パパやママは、私を精いっぱい愛して、育ててくれた。
だから、私は今、こうして生きていられるんだって思う。
でも、、、
恭介や響子さんは、家族が居て幸せだって思った事、あったのかな、、、、
胸がチクリと痛んだ、、、
「それなのにオレは、姉貴を傷つける事ばっかり、やってた、、」
「あ、、、」
そういえば、、、
亮介さんが話してた事、、。
「なんだ。」
「あ、、、、うん。、、、実は、亮介さんに聞いた話で、、」
どうしよう、、、!
なんて言えばいいんだろ、、、
施設に居た頃の話、、、
亮介さん、言ってた、、、
〈恭介は、あっちの世界に行ったんじゃないかって〉
「、、、、、亮介さんね、何度となく響子さんに、聞いてたらしいの、、、あなたの事、、、、」
「オレの事?」
「うん、、、。どうしてるんだって。」
「、、、、、、、、、、、」
「でも、、、、、響子さん、大丈夫だからって、それしか言わなかったらしくて、、。
それで、、、、」
「それで、、?」
「今度は私が、気になって、、、、あなたの事、聞いたの、、、。」
「お前が、、、なんで?」
「、、、、、私と、同じ歳だって聞いて、、その、、あなたの、その後が気になった、、、っていうか、、」
そうだった、、、
恭介って、私と同じ歳だったんだ、、、!
最初の頃、年上だって思ってた、、、
そう思うくらい、恭介は、いろんなものを背負ってきたって事なのかな、、、。
「その後って、、?」
「あ、あなたが、、、、、10歳の頃からの、、、」
、、、、、、、、、、
やっぱり、聞かなきゃよかった、、、かな、、、
「あの、、、やっぱり!」
「話すから。」
「え、、、!」
「今、話さねえと、オレ、、、後悔しそうだから。」
、、、、、、、後悔?
「オレが10歳の時、はたちだった姉貴が、、、亮介さんと、、、結婚した。
、、、その時、一緒に暮らそうって言われたんだけどな。
、、、、断った。」
断った、、、
「、、、、どうして?」
「どうしてだろうな、、。
多分、、、、嫉妬してたのかもな、、。
まだ、ガキだったオレにしてみれば、姉貴を取られたような、、、
そんな気が、してたんだろ。」
恭介にしてみれば、無理もない事だったのかも、、。
「その頃からだ。
施設にも殆ど帰らねえし、、。学校にも行かなくなってた。
、、、竣也の事、聞いてるか?」
「竣也、、、くん?」
突然の質問に、戸惑う。
、、、、、、、
「あ、、、! そういえば、竣也くん、あなたとある所で知り合ったって。」
そこまで言って、ふと、思った、、、!
「もしかして、ある所って、、、」
「あぁ。あいつとは、施設で知り合ったんだ。」
そうだったんだ、、
「竣也くんん、、、、親が居ないって言ってた、、、」
みんな、いろんな事抱えながら、生きてるんだろうな、、、
ふと、恭介を見る。
目が合った、、、
「お前と話してると、みんなそうなるのかもな。」
何!?、、、
「竣也が、そこまで、お前に話してるとは思わなかったよ。」
あ、、、それは、、、!
「私、、、、きょうだい居ないから。
なんか、竣也くんの事、弟みたいに思ってて、、。
あ!私が、勝手に思ってるだけなんだけどね。」
「いや、、。あいつも、きょうだい居ねぇし、お前の事、姉貴みたいに思ってるんじゃないか。」
え、、、
そうかな?
「そうだったら、、、嬉しいけど、、、。」
ちょっと、照れてしまう、、、。
「竣也、いつも、オレに言ってきやがる。
お前を、、、、未来さんを、大事にして下さいって、、、な、、、、、」
すぐには、言葉が出てこない、、、
竣也くんの、気遣いが、、そして、優しさが、、嬉しくて、、、、
心が、あったかくなる。
きょうだいって、、、家族って、、、、こんな気持ちで支え合ってるのかも、、、。
「お前が、慕われてるって事なんだろ。」
私が?、、、
「慕われてるのは、あなたでしょ。」
「オレ?が、、、んな訳、、」
「尊敬してるって言った方が、正しいかもね。」
恭介の顔をじっと見る。
ふっと目線を逸らした恭介。
「オレは、、、、あいつに、竣也に、とんでもない事ばっかり、教えてた、、、
万引きに恐喝、ケンカなんて、しょっちゅうで、、、そんなオレを、竣也が尊敬する訳、、、ない。」
覚悟は、できていた。
どんな話を聞いても、受け止めようって。
でもーーー
こんな話をしなくちゃいけない恭介は、今、どんな気持ちなんだろ、、、
私、、、、
今、恭介の気持ちを、考えてる、、。
だめ、、、なのかな、、、
でも、、、
竣也の恭介に対する気持ちは、ほんと、だから。
「私は、、、よくわからないけど、、、。
なんていうか、、、竣也くんは、そんなあなたも知ってるからこそ、、、、
今、尊敬してるんじゃないかって、、、」
私なりに、考えて話した言葉だった。
「お前、、、オレの話聞いて、ひかないのか、、?」
「ひく?、、、
確かに、、、、、びっくりはしたけど。
竣也くんの気持ちは、ほんとだから。」
、、、、、、、
恭介は、黙って何かを考えているようだ。
「確かに、竣也はオレの事、よく知ってる、、、
お前、、、より、、、」
まだ、私が知らない事、沢山あるって事、、、なんだ、、、。
でも、、、、
「知りたい、、、」
「え?」
「聞かせて、、、?」
自分でも、思いも掛けない気持ちだった、、、。
<知りたい>なんて、言ってしまった、、、
恭介は、びっくりしたような表情を見せる。
でも、、、
これって、多分、、、私の正直な気持ちなんだって思う、、。
「わかった。」
一言呟くと、恭介はまた、話し始めた。
「中学に入ってすぐ、、、、少年院に、、、入ってた、、、、」
少年院、、、、!
心臓が、少し、バクバクする、、、
それでも、自分から、聞きたいって言ったんだから、、、、!
「、、、、大丈夫か、、」
恭介が、なんとも言えない顔を見せる。
まだ、心臓のバクバクは収まらないけど、、、
「、、、うん、、、続けて、、?」
「姉貴が、、、亮介さんにオレの事、言わなかったのは、、、、多分、そういう理由だ。」
、、、、、、、
「響子さんが、あなたの事、嫌がってた、、、って事?」
「あぁ、、、。まぁ、言える訳ないだろ、、、。恥だからな、、。」
ほんとに、そうなのかな、、、?
、、、、、!
「私は、、、、違うと思う。」
「!?、、、」
「亮介さん、こんな事も話してた。
響子さん、結婚してからも一生懸命働いて、弟に、、!、、あなたに、仕送りしてたって。」
「あ?、、、、、あぁ、確かに、、」
「ほんとに、嫌がって、、、亮介さんに話さなかったとしたら、、、
響子さん、そんな事、しないって思う。多分、亮介さんに心配掛けたくなかったんじゃないかな、、、?」
恭介の目を見ながら、ゆっくりと話した。
「、、、そうだな。」
そう思うよ、、。
「そう考えるのも、悪くないか。」
え?
、、、、、、、
きっと、本音では私と同じ考えなんじゃないかって思う、、、。
素直に、言えないのは、、、
やっぱり、恭介の生い立ちが、そう言わせているのかもしれない。
「オレは、素直じゃねえからな。、、、、だから、社長にも散々迷惑かけた、、、」
「え?、、、社長、、、?」
私は、きょとんとした顔で恭介を見る。
「ああ、、今の、会長の事だ。
オレの会社の。」
「あ、、、、」
「会長は、保護司をやってて。、、、、それで、会長と知り合った。」
「保護司、、、、そうだったんだ、、!」
そんな関係だったんだ、、
会長なんて、私は、一度も会った事なくて、、、。
遠い存在の人だって、思ってた。
なんだか、不思議な感じ、、、、。
あ、でも、さっき、、
「迷惑かけたって、、、?」
「あぁ、、、
オレ、少年院出てからも、落ち着かなくてな、、。
姉貴のとこにも、行きたくなかったし。施設にも、、。
、、、で、ふらふらしてたら、会長が連れ戻しに来るんだ。施設に、、。
でも、何度戻しても、オレが逃げるもんだから。
そのうち、会長の家に連れて行かれるようになっちまって、、、。」
、、、響子さん、辛かっただろうな、、、
でも、、、
その頃の恭介にしてみれば、居場所がなかったのかも、、、
「不思議とな、落ち着いたんだ、、。」
「え?あ、、、、会長の家が?」
頷く恭介。
「その頃、会長は50を過ぎたオッサンだったんだけどな。
もう既に、手広く店をやってて。」
恭介は、その頃の事を思い出すように、話を続ける。
「なのに、住んでる家は、すげぇ、普通で。
奥さん居たんだけど、、、、、子ども、居なくてな、、。」
子ども、、、居なかったんだ、、、
「会長がオレを連れて来ると、奥さん、ご飯作ってくれて、、、
オレが上手そうに食ってるのを見ながら、にこにこ笑ってた、、。」
「あなたの事、、、、自分の子どもみたいに思ってくれてたのかもね、、。」
「最初は、うざかっただけだった、、。
でも、いつ行っても、、、、変わらず、、、、接してくれて、、、こんなオレに、、」
ひとつの居場所、見つけたんだね、、、。
一瞬、恭介が涙を堪えているように見えて、はっとする。
、、、、、、、
「お茶、、、!入れるね!」
私は、恭介と自分の湯のみをトレイに載せて、キッチンへ行く。
そして、新しく煎れかえた湯のみを持って、また、テーブルの前に座った。
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175レス 2887HIT 小説好きさん (10代 ♀) -
神社仏閣珍道中・改
(追記) …お護摩ではよい思いができなかった、こちらではあったの…(旅人さん0)
341レス 11730HIT 旅人さん -
西内威張ってセクハラ 北進
高恥順次恥知らずサイコパス(自由なパンダさん1)
111レス 3600HIT 小説好きさん -
北進
勘違いじゃねぇだろ本当に飲酒運転してるんだから高恥順次恥知らずサイコパ…(作家志望さん0)
24レス 530HIT 作家志望さん
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🌊鯨の唄🌊②4レス 147HIT 小説好きさん
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人間合格👤🙆,,,?11レス 153HIT 永遠の3歳
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酉肉威張ってマスク禁止令1レス 191HIT 小説家さん
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今を生きる意味78レス 536HIT 旅人さん
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黄金勇者ゴルドラン外伝 永遠に冒険を求めて25レス 993HIT 匿名さん
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🌊鯨の唄🌊②
母鯨とともに… 北から南に旅をつづけながら… …(小説好きさん0)
4レス 147HIT 小説好きさん -
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人間合格👤🙆,,,?
皆キョトンとしていたが、自我を取り戻すと、わあっと歓声が上がった。 …(永遠の3歳)
11レス 153HIT 永遠の3歳 -
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酉肉威張ってマスク禁止令
了解致しました!(小説好きさん1)
1レス 191HIT 小説家さん -
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おっさんエッセイ劇場です✨🙋🎶❤。
ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1427HIT 檄❗王道劇場です -
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今を生きる意味
迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 536HIT 旅人さん
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家に帰るのが苦痛、ストレス。離婚したい。
週6勤務で、小遣い月1万。 ロクな昼飯も食べれないから晩飯が楽しみなのに、大体おかず1品だけ。盛り…
35レス 1867HIT 逡 (30代 男性 ) -
助けてください、もう無理です
生きるのに疲れました 親に制限されます あそんじゃだめ すまほだめ ゲームダメ など制限さ…
55レス 1086HIT 聞いてほしいさん -
馬鹿な子に「馬鹿」と言われたくない
頭が賢く、エリートな子から「君、馬鹿だね」と言われても納得はします。 ただ、頭が馬鹿な子に「馬鹿だ…
20レス 462HIT 東雲絵名 (10代 女性 ) -
まじでムカつく店員
会計の時現金で支払うって言ってるのに「すみません、もう一度言ってください」を言われて、これが3回続い…
12レス 443HIT おしゃべり好きさん -
マッチングアプリで知り合って、、
マッチングアプリで知り合った年下男性と毎日かなりLINEもして、電話も2回くらいしました。 アプリ…
24レス 935HIT 恋愛好きさん (20代 女性 ) -
男女は結婚したら不倫や浮気をするの?
人は結婚して1、2年は大丈夫と思うけど(すぐにする人も居る)大体の人って不倫しますよね 例えば男が…
13レス 347HIT 匿名さん - もっと見る