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ー真実の愛ーⅡ

レス141 HIT数 81941 あ+ あ-

きぃ( ♀ bh2hi )
10/05/30 11:25(更新日時)

事実は、たくさん有るけれど、、、、




真実はひとつだ。、、、って、




あなたは教えてくれた。。。









★前スレに続き、一部不快に思われる箇所があると思います。
ひきつづき、不快に思われた方は、申し訳ありませんが、スルーをお願いします。🙇

No.1275320 10/03/18 19:04(スレ作成日時)

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No.51 10/03/27 08:32
きぃ ( ♀ bh2hi )

「あ、あの!、、、、ふたり共、喧嘩しないで下さい!」



竣也が慌てて、制するように言う。



「え?」
「あ?」


私と恭介は、同時に竣也を見た。



「すいません!、、、、おれの所為で!おれが、また、余計な事言っちまって、、、、」



今度は、今の事で謝っている。




「、、、、、、、、、」
「、、、、、、、、、」



「あの、、、、?」



、、、、、、、、、、



3人が顔を見合わせる。



「ぷっ、、、!」



私が、笑い出した事をきっかけに、恭介や竣也も笑い出した。

No.52 10/03/27 10:17
きぃ ( ♀ bh2hi )

、、、恭介が、、、、、笑ってる、、、、!





、、、、また、ちょっと、恭介の事がわかったような気がした。




ひとしきり、笑った後、

「心配するな。」



恭介の言葉に、私と竣也が反応する。



「もう二度と、、、未来を悲しませるような事は、しない。」



顔は、竣也の方を向いている。


でも、、、、、



それって、、、、、、私にも、言ってる?って事、、、、?




あれから、私の事、名前で呼ぶようになった、、、



相変わらず、低い声でーーー

でも、今の私にはその言葉は、胸に響いた、、、。

No.53 10/03/27 11:36
きぃ ( ♀ bh2hi )

恭介は、私が言おうとしている事を分かってくれたのか、竣也にはそれ以外の話はしなかった。


竣也も、恭介の言葉に納得したようだった。


「じゃ、送りますから。」


竣也に誘導されて、恭介と私は車に乗り込む。


「竣也、未来の店に行ってくれ。」

車が、走り出した途端に、恭介が竣也に話し掛ける。

「え?どう、、、して?」


「あ、あの、恭介さん、いいんですか、、、?」


ルームミラー越しに、ちょっと困ったような顔をして、竣也が聞いてくる。


「ねぇ?店に、、、、って?私、まだ、着替えとかも済ませてないし、、」


「店には、今日は休むって言ってある。」



!!


「ちょっと待って!そんな勝手な事!店長にも、迷惑かかるのに!」



「だから、行くんだ。」

No.54 10/03/27 11:58
きぃ ( ♀ bh2hi )

車は、20分程でお店に着いた。


なんだか腑に落ちないと思いながらも、ロッカールームに入って行く。



時間は、8時になろうとしていた。


ちょうど上原さんが、着替えを済ませたところだった。


「おはようございます、、。」


上原さんは、私の声に気付いて、振り返る。


「未来ちゃん、、!!、、、大丈夫!?」


すぐ、近寄ってきた。


「あ、はい、、。ほんとに、すいませんでした!何度も、ご心配おかけして、、、!」

頭を下げる。


「そんな事、いいから!電話もらった時は、ほんとに驚いたけど、、。
昨日、あれから、どうなったんだろうって、気にはなってたんだけどね、、。」

、、、、、昨日、、、、、から、いろんな事がわかって、、、


何から、話していいのか、、、、わからない、、、


それに、もう、仕事が始まる時間だし、、


「あのね、未来ちゃん、、!」


「はい、、、?」

No.55 10/03/27 19:17
きぃ ( ♀ bh2hi )

その時、ロッカールームのドアがノックされた。


「店長、ちょっといいですか。」



、、、、、、、、、、??




「あ、はい!今、開けます!」


上原さんが、私にちょっと待ってねっというふうに、軽く手を上げた後、ドアを開ける。




「あ!」

上原さんの小さい声に、何気に私も、ドアの方を振り向く。


え、、、、???



なんで、、、、、?



さっき、聞こえた声の持ち主は、恭介だった。



一瞬、理解出来ない。


、、、、、、、、、、、、、

No.56 10/03/27 19:27
きぃ ( ♀ bh2hi )

!!、、、、部外者がこんな所に来ちゃいけない、、!

そう、思った。

「あ、、、!部外者が、、」
「社長、、」


え、、、、?

上原さんの言葉が、更に、私の頭を混乱させる。


「あ、、、の、上原さん、今、なんて?、、、、、」



「未来ちゃん、、、。」

上原さんが、ちょっと困ったような顔をしている。


、、、、、、、、


「社長、、、、、って、言いました?」


私は、上原さんの顔を見た後、恭介の顔を見る。


「あぁ、私が社長だ。」


私って、、、、


言葉遣いが、変わってるんですけど、、、、。



それに、なんだか、威厳さえも感じられる、、、、



でも、まだ、状況が把握出来ない私は、呆然としていた。

No.57 10/03/27 22:21
きぃ ( ♀ bh2hi )

「未来ちゃん、、、。」


上原さんの声にはっとする。


「上原さん、、、、もしかして、、、、知ってたんですか、、?」


「うーん、、、?知ってたっていうか、、、。
昨日ね、ほら、、、竣也くん?だったっけ?お店に来たでしょ?」


「あ、、、、はい。」


昨日、竣也に頼まれて恭介に会いに行った、、、。



「その時ね、どっかで会った事あるような気がするなって思って、、、ね。」


「え?、、、、あ!」


そういえばあの時、上原さん、竣也くんの事、聞いてた、、、。

No.58 10/03/27 22:55
きぃ ( ♀ bh2hi )

恭介は、黙って聞いている。


「それで、今朝、、、、電話もらって、、、。」


「あ、私が、倒れた、、っていう?」


「そう。、、、、ただ、その電話って、、、、会社直通の電話だったから、、。」


どうして、会社直通の電話なんか使って?


「その時にね、思い出しの。一度だけなんだけど、、、
竣也くんが運転する車で、その、、、社長が、ここに来た事を、、、ね。」


「そんな事が、、、」



恭介をチラッと見ると、表情は変わってない。

No.59 10/03/28 10:12
きぃ ( ♀ bh2hi )

恭介、、、、


どうして、何も言わないの、、、、、?


、、、、、、、


「だから、恭介さんが、、、社長だって分かって、、、その、、、私、、、」


ちらっと恭介を見る上原さん。

「いいですよ。言って下さい。」


え、、、、?何、、、を、、?


少し間を置いて、上原さんが、

「いくら相手が、社長だからって、、、、、私は、許しませんから!!、、、、、って、、、、」


「、、、、、、上原さん、、、、」


上原さんは、全て知っている。
だから、、、、恭介のマンションで私が倒れた事を聞いて、許せなかったらしい、、、。

No.60 10/03/28 10:34
きぃ ( ♀ bh2hi )

自分の立場を考えれば、言えないような事を、上原さんは、言ってくれたんだ、、、


「!!もしかして、上原さんを辞めさせるなんて、、、!そんな事、思ってないですよね!」


私は、恭介に詰め寄った。


「未来ちゃん!待って。大丈夫だから!」



上原さんの顔を見ると、穏やかな表情だ。


「あ、、、、」


「だったら、こんな話、ふたりの前でしたりしないよ。」



「、、、、、、、」





「あ!もう、こんな時間!」


ロッカールームの時計を見ながら、上原さんが慌てる。


「あ、、、!」


「未来ちゃん、これからもよろしくね!」


私の手を取り、にっこり微笑んだ後、



「社長、これからも、未来ちゃんの事よろしくお願いします!」


恭介に深々と頭を下げて、私に手を振りながら、仕事場へと向かって行った。

No.61 10/03/28 11:34
きぃ ( ♀ bh2hi )

恭介とふたり、取り残されたような気分だった。


、、、、、、、、、



「行くか。」


恭介が、話し掛ける。



「あ、、、、、、うん、、、。」



、、、、、、、、



恭介が、社長、、、、、


私が働いているお店の、、、

、、、、、、、、、、、


昨日からの急展開に、頭と体が着いていかない、、、。

それに、恭介はなんで、わざわざ、上原さんの前で、私にこんな話したんだろ?


先に歩く恭介の背中を見上げる。


「言っただろ?オレは、もう逃げないって。」



あ!!


「お前に、隠し事はしたくないって思った。」



恭介は、歩きながら話し続けている。

No.62 10/03/28 19:21
きぃ ( ♀ bh2hi )

隠し事、、、


「じゃあ、どうして、すぐ言わなかったの?」



私が、ここで働いてるって事は、知ってた筈なのに、、、。



「あの時、すぐに言ってたら、、、、お前、ここ、辞めてただろ。」


あ、、、、!



あの時、だったら、、、、、そうだった、、、。

、、、、、!

気を遣ってくれたって事?


私のために、、、、。




少しずつ、、、


状況は、変わってきているーーーー


それだけじゃない。


私の気持ちも、、、


ーーーそう、思った。

No.63 10/03/29 10:18
きぃ ( ♀ bh2hi )

「ここ、辞めたいか?」

恭介が、聞いてくる。



正直、よくわからない、、、。


こんな状況で、このまま、このお店で働いていいのかどうか、、、、



でもーーー


上原さんは、さっき言ってくれた。

<これからも、よろしくね>って、、、



恭介と私の事を知っていながら。


許されるのなら、このまま、ここで。



「働きたい、、、!」



、、、、、、、



「じゃあ、これでクリアだな。」


「え!?クリア?」


「オレが、社長だからっていう理由で、お前がここを辞めないってわかったからだ。」



!、、、、


「いい店長も、居るしな。」


「あ、、、、、うん!」



、、、、そう。


上原さんには、言葉では言い表せないくらい、ほんとに感謝してる。

No.64 10/03/29 10:35
きぃ ( ♀ bh2hi )

さっきから、恭介の歩幅が小さくなっている事に、気付く。


以前だったら、どんなに急いでも追いつく事ができなかのに。



今は、、、


ううん、病院を出た時から、そうだった。



私の歩幅に、合わせてくれてる、、、、?


裏口の扉に近づいた。



立ち止まった恭介が、ゆっくり、振り向く。



「?、、、、、何?」



恭介の大きな手が、私の掌を包み込んだ。



「え、、、、!」


恭介の顔を見上げると、ぱっと目線を外し、



「店長に、、、、頼まれたからな。、、、」



あ、、、、


不器用だけど、これが、この人なりの優しさなのかもしれない、、、、。

No.65 10/03/29 10:48
きぃ ( ♀ bh2hi )

最初からーーー


無理やり、、、、、で



何度も、強引に、、、、、抱かれて



腕も、何度も掴まれ、痛いって言っても、離してはくれなかった



体に触れる事はあっても


初めてだった


恭介の掌が、私の掌をーーーー



ーーーーー

No.66 10/03/29 10:59
きぃ ( ♀ bh2hi )

それは、私が、妊娠してるから?


、、、でも、恭介の子どもだなんて、恭介はまだ、知らない、、、、、


、、、、、、、、、、



裏口のドアノブに手を掛けたまま、恭介が言う。


「アイツの事、、、、、聞いた、、、。」



アイツ、、、?


「!! 亮介さんの事、、、?」



「あぁ、、、。」


「聞いたって、何を?、、、、、え?誰に!?」



「響子。、、、、」


響子さん?


「オレの、姉貴。、、、、」



ーーーーー

No.67 10/03/30 11:13
きぃ ( ♀ bh2hi )

姉貴、、、、、



「お姉さん、、、、?」


「あぁ、、、」


、、、、、、、、

響子さんと、恭介が、、、きょうだい、、、、




「、、、、もしかして、昨日、、、言おうとしてた事って?」


頷く恭介、、、。


、、、、、、、


全身の力が、抜けるみたいな感覚になる、、、


その時、私の手を握る恭介の手に、ぎゅっと、力が入った。




、、、、、、恭介。


隠し事は、しないって言った。


だから、私に話してるんだ、、、。



恭介の掌の強さが、私の気持ちを持ち直してくれたような気がした。

No.68 10/03/30 11:37
きぃ ( ♀ bh2hi )

「昨日、、、、、姉貴は、アイツ、、、亮介、、さんの事を話すために、オレのとこに来たらしい、、。」


、、、、、、、、、


「、、、亮介さんの事?」

頷きながら、ドアを開ける。


外に出ると、5月の爽やかな風が、吹いていた。



恭介は、私の手を握ったまま、竣也の待つ車に向かって、ゆっくり歩き出した。


これから、私は多分、とんでもない事を聞かされるんだろう。



、、、、、、


覚悟ができてるって言えば、、、


嘘になる、、、



だって、さっきから、周りの音より心臓の音の方が、はっきり聞こえるぐらいだから、、、、、



でも、それでも、、、、


聞かなきゃいけないって思う。



私にとっても、多分、大事な事のような気がするから。

No.69 10/03/30 22:08
きぃ ( ♀ bh2hi )

車のドアを開ける前に、恭介が振り返る。


「オレも、お前の部屋に行くから。」



これ以上、外で話すわけにはいかない。


ましてや、竣也の居る車の中で話す事もできない。

恭介も、同じ事を考えたんだろう。

「わかった、、、。
あ!、、、、でも、仕事は!?」


恭介の仕事を知った上では、やっぱり気になる。


恭介は、社長、、、、


このファミレスは、全国にチェーン店があるって、上原さんに聞いた事がある。


「心配するな。今は、お前との話が優先だ。」


そう言うと、車のドアを開けた。

No.70 10/03/30 22:37
きぃ ( ♀ bh2hi )

「竣也、オレも未来の部屋に行くから。」



車が走り出す前に、竣也に向かって、恭介が言う。


「えっ、、、あ!、、はい!わかりました!」


ぱっと後ろを振り向いた竣也は、私と目が合うとニッコリと笑う。

そして、、、、


「いつ、結婚するんすか~?」



「結婚、、、!?」

びっくりして、恭介の顔を見る。


「竣也、、、、車を出せ。」


「!」

「あ!はい!すいません~余計な事を~!」


もう一度、私を見ながら軽く、笑った。


そして、車は静かに駐車場を出て行く。



竣也、勘違いしてるんだろうな、、、


無理もないよね、、。

No.71 10/03/31 11:30
きぃ ( ♀ bh2hi )

結婚。


、、、、、


竣也くんに言われるまで、ほんと、、、考えた事、なかった。



恭介と、、、、、結婚、、、


有り得ないよ、、。



いろんな事が有りすぎて、その事を受け入れるだけで、精いっぱいだったから。



ーーーーー



「後で、連絡する。」


私のアパートに着いた恭介は、車を降りながら竣也に伝えた。


「分かりましたー!」


竣也はそう言って、走り去って行った。

No.72 10/03/31 11:43
きぃ ( ♀ bh2hi )

「お茶で、、、、いい?」


「あぁ、、、。体、大丈夫か?」


「あ、うん、大丈夫。
お医者様も、驚いてた。
二度も倒れてて、赤ちゃんも私も、殆ど問題なかったから、、。
よほど、強くて元気な赤ちゃんなんですねって、、、。」


「、、、そうか。、、、良かった、、、」



何気なく話した、今朝の病院での話だった。



良かった、、、、って、言うなんて、、、。



「あ、、、、座って。狭いとこだけど。」


恭介は、ベットの近くにあるソファに座る。



お茶を淹れながら、ふと、恭介を見る。



ソファが、小さく見えた。

恭介って、ほんと、大きいんだな、、、

No.73 10/03/31 11:58
きぃ ( ♀ bh2hi )

恭介と響子さんがきょうだい、、、。


よく見ると、確かに似てる。



響子さんも、女性にしては大きい。

たぶん、170ぐらいあるんじゃないかな。


美人だし、モデルでもいいんじゃないかって思うくらい。



美人、、、
顔も、似てる。
!、、、切れ長の目も。

今まで、きょうだいだなんて思って見てなかったから、、、。


ほんとに、きょうだいなんだな、、、。



私の視線に気づいた恭介が、私を見る。


あっ、、、!


「なんだ。」


「あ、ううん!、、、お茶、入ったから、、、。」


どきっとした、、、


私は、平静を装いながら、お茶を運ぶ。

No.74 10/04/03 20:00
きぃ ( ♀ bh2hi )

小さなテーブルの上に、お茶を置く。


私の部屋は狭くて、ベットのある部屋に、二人掛け用のソファと小さめのテーブルを置いている。


ソファに座っている恭介。

私は、テーブルを挟み、ベットを背にして座った。


「ごめんなさい。狭くて、、、。」


「いや、、。オレのうちより、落ち着く。」


そう言って、お茶を一口飲む。


え、、、、?

こんな狭い所が?、、、、



「アイツ、、、あ、つい、アイツって言っちまう、、、、、!」


「あ、、、」


「亮介さんと、、、お前の所為だと、、、、ずっと思ってた、、、」



え、、、!?

No.75 10/04/04 09:23
きぃ ( ♀ bh2hi )

「姉貴が、別れた原因、、。」


「!」


手にしたお茶を、落としそうになる。



「、、、、亮介さんが、お前と、浮気したから、、、、姉貴は別れたんだって。
そう、思ってた。」


私と、亮介さんが、、、


「あ、、、!だから、、!前に、私と亮介さんの事、あんなふうに、、、、」


まだ、恭介と響子さんがきょうだいだとは知らなかった頃、私は、亮介さんの事で、恭介に責められた事があった。



「あぁ。、、、、でも、別れた原因は、そうじゃないって、姉貴に聞いたんだ、、、。」



、、、、、、、

それって、、、、


「子ども、、、だったんだな、、。」


「!、、、、、」


知ってるんだ!



「しかも、姉貴が勝手に悩んで、何にも言わねえで、出てきたって、、。」

No.76 10/04/04 18:56
きぃ ( ♀ bh2hi )

、、、子どもの事。


亮介さんに、子どもができない原因があるって事も、聞いたんだろうか、、、、

もし、その事も恭介が知っていたら、、、


「オレ、、、、お前に、前に一度、会った事がある。」


「、、、、!?」

、、、、、、、

あの、、時が、初めてじゃなかったの、、、?


「姉貴が、離婚届けを持ってきた日だ、、。」


?、、、、

あの日、、、響子さんは、ひとりだった、、、、。



「オレの車で、姉貴を乗せてきたんだ。」



、、、、、、!


そう言えば、、、、響子さんを追い掛けて、店の外に出た時、響子さんを乗せた車を見た、、、

No.77 10/04/04 19:12
きぃ ( ♀ bh2hi )

「あの時の、車って、、!」


「まぁ、会ったというより、オレが一方的に見たって言った方が、正しいけどな、、。」


、、、、、恭介だったんだ、、



「姉貴、、、泣いてやがった。」


!!


「オレが姉貴の涙見たのって、初めてだった、、、。」


「、、、、、、」


「、、、、道に、ふたりして突っ立ってただろ?」


「、、、!、、、、うん、、」


買い物から戻った亮介さんが、響子さんに気づいて、茫然と立ち尽くしていた事を思いだす。

No.78 10/04/04 22:04
きぃ ( ♀ bh2hi )

「お前を、、、、、見掛けた後、、、。
ふたりの姿見た瞬間、オレは、、、」


見掛けた後、、、?

その、間は何?



首を傾げながら、恭介を見る。


「お前たちに、、、、復讐してやるって思ったんだ。、、、、」



復讐、、、、


、、、、それが、私を、、、レイプするっていう事、、、だったんだ、、、。

No.79 10/04/05 11:00
きぃ ( ♀ bh2hi )

でも、、、、


なぜ、そこまで、、、


「姉貴は、オレにとって、親以上の存在だった。」


親以上の存在、、、


「オレは、自分の親の顔を知らないからな、、。」




亮介さんの話を思い出す。

「何か、聞いてるのか?」

私の表情を見て、恭介が聞いてくる。


「うん、、、。前に、少しだけ、亮介さんに聞いた事がある、、」


「そうか。、、、、
オレと姉貴が、親に捨てられた時、オレはまだ、3歳で、、姉貴だって、中学に上がったばっかりだったからな。」



恭介は時々、窓の方を見つめながら、話をする。

No.80 10/04/05 11:17
きぃ ( ♀ bh2hi )

「当然、オレは施設に預けられた。姉貴は、自分が面倒みるって言ってたらしいが、、、、
そんな事、世間が許す訳ねぇしな、、、。」

、、、、、響子さん


「!響子さんは、、、?その後、どうしたの、、?」

「親戚に引き取られた、、。ただ、引き取った方は、相当、迷惑だったらしいが。」


「え!?」


「かなり、癖が悪かったらしくてな。オレたちの父親、、、。親戚中から金借りまくって、居なくなっちまったからさ、、。
そりゃあ、誰だって、そんな男の娘、嫌がるだろう。、、、、、」



、、、、、そんな事、が、、、

No.81 10/04/05 19:07
きぃ ( ♀ bh2hi )

「全部、施設にいた時に聞いた話だ。
オレには、愚痴ひとつ言わなかったからな、、。」

ほんとは、響子さん、、、
辛かっただろうな、、、、

でも、恭介のために、、、!


「響子さんは、、、あなたの事、本当に愛してたんだね、、、。」


「そうだな、、。施設に居る時も、毎日のように、オレに会いに来てくれてたし。でもな、、、、」


、、、、、、?


「オレたちは、母親が違うんだ。」


「え、、、!」


母親が違う、、、


「親父、金だけじゃなくて、女にもだらしなかったらしくてさ。
余所に女作って、産ませたのが、オレって訳。」

、、、、、、、、、


「じゃあ、、、!響子さんは、、、その事も、分かってて?、、、、、」

No.82 10/04/05 22:04
きぃ ( ♀ bh2hi )

「あぁ、、。
オレを産んだ母親は、オレを産んですぐ、親父に預けたまま、行方知らずになっちまって。
、、、そんなオレを、姉貴の母親だって、育てようなんて思う訳ないだろうしな。」

自分が産んだ子どもを、見捨てた、、、、の?、、、

考えられない、、、よ、、、

涙をこらえる事が、できない。


そんな私に気づいた恭介が、

「母親にも、母親なりの事情があったんだろ。
今なら、そう思える。」


、、、、、恭介、、、


「でも、、、
!?
じゃあ、その時から、響子さんが、、、!?」



「姉貴だって、ガキだったのに、、、な。
オレは、何にも覚えちゃいないが、、、」

No.83 10/04/06 19:22
きぃ ( ♀ bh2hi )

私は、涙を拭きながら考えていた。


両親が居る事の幸せを、私は知っている。

事故で亡くなるまで、パパやママは、私を精いっぱい愛して、育ててくれた。

だから、私は今、こうして生きていられるんだって思う。


でも、、、

恭介や響子さんは、家族が居て幸せだって思った事、あったのかな、、、、


胸がチクリと痛んだ、、、

No.84 10/04/06 19:35
きぃ ( ♀ bh2hi )

「それなのにオレは、姉貴を傷つける事ばっかり、やってた、、」


「あ、、、」


そういえば、、、


亮介さんが話してた事、、。

「なんだ。」

「あ、、、、うん。、、、実は、亮介さんに聞いた話で、、」


どうしよう、、、!

なんて言えばいいんだろ、、、


施設に居た頃の話、、、


亮介さん、言ってた、、、


〈恭介は、あっちの世界に行ったんじゃないかって〉

No.85 10/04/06 21:19
きぃ ( ♀ bh2hi )

「、、、、、亮介さんね、何度となく響子さんに、聞いてたらしいの、、、あなたの事、、、、」


「オレの事?」


「うん、、、。どうしてるんだって。」


「、、、、、、、、、、、」

「でも、、、、、響子さん、大丈夫だからって、それしか言わなかったらしくて、、。
それで、、、、」


「それで、、?」


「今度は私が、気になって、、、、あなたの事、聞いたの、、、。」


「お前が、、、なんで?」


「、、、、、私と、同じ歳だって聞いて、、その、、あなたの、その後が気になった、、、っていうか、、」



そうだった、、、

恭介って、私と同じ歳だったんだ、、、!


最初の頃、年上だって思ってた、、、



そう思うくらい、恭介は、いろんなものを背負ってきたって事なのかな、、、。

No.86 10/04/06 21:50
きぃ ( ♀ bh2hi )

「その後って、、?」


「あ、あなたが、、、、、10歳の頃からの、、、」


、、、、、、、、、、


やっぱり、聞かなきゃよかった、、、かな、、、


「あの、、、やっぱり!」
「話すから。」

「え、、、!」


「今、話さねえと、オレ、、、後悔しそうだから。」

、、、、、、、後悔?

No.87 10/04/07 11:04
きぃ ( ♀ bh2hi )

「オレが10歳の時、はたちだった姉貴が、、、亮介さんと、、、結婚した。
、、、その時、一緒に暮らそうって言われたんだけどな。
、、、、断った。」


断った、、、


「、、、、どうして?」



「どうしてだろうな、、。
多分、、、、嫉妬してたのかもな、、。
まだ、ガキだったオレにしてみれば、姉貴を取られたような、、、
そんな気が、してたんだろ。」


恭介にしてみれば、無理もない事だったのかも、、。


「その頃からだ。
施設にも殆ど帰らねえし、、。学校にも行かなくなってた。
、、、竣也の事、聞いてるか?」


「竣也、、、くん?」

No.88 10/04/07 11:09
きぃ ( ♀ bh2hi )

突然の質問に、戸惑う。


、、、、、、、

「あ、、、! そういえば、竣也くん、あなたとある所で知り合ったって。」


そこまで言って、ふと、思った、、、!


「もしかして、ある所って、、、」


「あぁ。あいつとは、施設で知り合ったんだ。」



そうだったんだ、、


「竣也くんん、、、、親が居ないって言ってた、、、」

No.89 10/04/07 11:30
きぃ ( ♀ bh2hi )

みんな、いろんな事抱えながら、生きてるんだろうな、、、


ふと、恭介を見る。


目が合った、、、


「お前と話してると、みんなそうなるのかもな。」


何!?、、、


「竣也が、そこまで、お前に話してるとは思わなかったよ。」


あ、、、それは、、、!


「私、、、、きょうだい居ないから。
なんか、竣也くんの事、弟みたいに思ってて、、。
あ!私が、勝手に思ってるだけなんだけどね。」


「いや、、。あいつも、きょうだい居ねぇし、お前の事、姉貴みたいに思ってるんじゃないか。」


え、、、

そうかな?

「そうだったら、、、嬉しいけど、、、。」


ちょっと、照れてしまう、、、。


「竣也、いつも、オレに言ってきやがる。
お前を、、、、未来さんを、大事にして下さいって、、、な、、、、、」


すぐには、言葉が出てこない、、、


竣也くんの、気遣いが、、そして、優しさが、、嬉しくて、、、、

No.90 10/04/07 19:10
きぃ ( ♀ bh2hi )

心が、あったかくなる。

きょうだいって、、、家族って、、、、こんな気持ちで支え合ってるのかも、、、。



「お前が、慕われてるって事なんだろ。」


私が?、、、


「慕われてるのは、あなたでしょ。」


「オレ?が、、、んな訳、、」
「尊敬してるって言った方が、正しいかもね。」


恭介の顔をじっと見る。


ふっと目線を逸らした恭介。


「オレは、、、、あいつに、竣也に、とんでもない事ばっかり、教えてた、、、
万引きに恐喝、ケンカなんて、しょっちゅうで、、、そんなオレを、竣也が尊敬する訳、、、ない。」

No.91 10/04/07 21:40
きぃ ( ♀ bh2hi )

覚悟は、できていた。

どんな話を聞いても、受け止めようって。



でもーーー

こんな話をしなくちゃいけない恭介は、今、どんな気持ちなんだろ、、、


私、、、、

今、恭介の気持ちを、考えてる、、。


だめ、、、なのかな、、、


でも、、、

竣也の恭介に対する気持ちは、ほんと、だから。



「私は、、、よくわからないけど、、、。
なんていうか、、、竣也くんは、そんなあなたも知ってるからこそ、、、、
今、尊敬してるんじゃないかって、、、」


私なりに、考えて話した言葉だった。

No.92 10/04/07 22:26
きぃ ( ♀ bh2hi )

「お前、、、オレの話聞いて、ひかないのか、、?」

「ひく?、、、
確かに、、、、、びっくりはしたけど。
竣也くんの気持ちは、ほんとだから。」

、、、、、、、


恭介は、黙って何かを考えているようだ。


「確かに、竣也はオレの事、よく知ってる、、、
お前、、、より、、、」



まだ、私が知らない事、沢山あるって事、、、なんだ、、、。


でも、、、、


「知りたい、、、」

「え?」

「聞かせて、、、?」


自分でも、思いも掛けない気持ちだった、、、。

No.93 10/04/08 10:35
きぃ ( ♀ bh2hi )

<知りたい>なんて、言ってしまった、、、


恭介は、びっくりしたような表情を見せる。



でも、、、

これって、多分、、、私の正直な気持ちなんだって思う、、。


「わかった。」

一言呟くと、恭介はまた、話し始めた。



「中学に入ってすぐ、、、、少年院に、、、入ってた、、、、」


少年院、、、、!

心臓が、少し、バクバクする、、、


それでも、自分から、聞きたいって言ったんだから、、、、!



「、、、、大丈夫か、、」


恭介が、なんとも言えない顔を見せる。



まだ、心臓のバクバクは収まらないけど、、、


「、、、うん、、、続けて、、?」

No.94 10/04/08 19:31
きぃ ( ♀ bh2hi )

「姉貴が、、、亮介さんにオレの事、言わなかったのは、、、、多分、そういう理由だ。」


、、、、、、、

「響子さんが、あなたの事、嫌がってた、、、って事?」


「あぁ、、、。まぁ、言える訳ないだろ、、、。恥だからな、、。」


ほんとに、そうなのかな、、、?

、、、、、!

「私は、、、、違うと思う。」

「!?、、、」


「亮介さん、こんな事も話してた。
響子さん、結婚してからも一生懸命働いて、弟に、、!、、あなたに、仕送りしてたって。」


「あ?、、、、、あぁ、確かに、、」


「ほんとに、嫌がって、、、亮介さんに話さなかったとしたら、、、
響子さん、そんな事、しないって思う。多分、亮介さんに心配掛けたくなかったんじゃないかな、、、?」


恭介の目を見ながら、ゆっくりと話した。

No.95 10/04/08 21:15
きぃ ( ♀ bh2hi )

「、、、そうだな。」


そう思うよ、、。


「そう考えるのも、悪くないか。」


え?

、、、、、、、

きっと、本音では私と同じ考えなんじゃないかって思う、、、。

素直に、言えないのは、、、

やっぱり、恭介の生い立ちが、そう言わせているのかもしれない。

No.96 10/04/08 22:11
きぃ ( ♀ bh2hi )

「オレは、素直じゃねえからな。、、、、だから、社長にも散々迷惑かけた、、、」


「え?、、、社長、、、?」


私は、きょとんとした顔で恭介を見る。


「ああ、、今の、会長の事だ。
オレの会社の。」


「あ、、、、」

「会長は、保護司をやってて。、、、、それで、会長と知り合った。」


「保護司、、、、そうだったんだ、、!」

No.97 10/04/09 10:23
きぃ ( ♀ bh2hi )

そんな関係だったんだ、、


会長なんて、私は、一度も会った事なくて、、、。

遠い存在の人だって、思ってた。


なんだか、不思議な感じ、、、、。


あ、でも、さっき、、

「迷惑かけたって、、、?」

「あぁ、、、
オレ、少年院出てからも、落ち着かなくてな、、。
姉貴のとこにも、行きたくなかったし。施設にも、、。
、、、で、ふらふらしてたら、会長が連れ戻しに来るんだ。施設に、、。
でも、何度戻しても、オレが逃げるもんだから。
そのうち、会長の家に連れて行かれるようになっちまって、、、。」

No.98 10/04/09 10:43
きぃ ( ♀ bh2hi )

、、、響子さん、辛かっただろうな、、、


でも、、、

その頃の恭介にしてみれば、居場所がなかったのかも、、、

「不思議とな、落ち着いたんだ、、。」


「え?あ、、、、会長の家が?」


頷く恭介。

「その頃、会長は50を過ぎたオッサンだったんだけどな。
もう既に、手広く店をやってて。」


恭介は、その頃の事を思い出すように、話を続ける。

No.99 10/04/09 11:07
きぃ ( ♀ bh2hi )

「なのに、住んでる家は、すげぇ、普通で。
奥さん居たんだけど、、、、、子ども、居なくてな、、。」


子ども、、、居なかったんだ、、、


「会長がオレを連れて来ると、奥さん、ご飯作ってくれて、、、
オレが上手そうに食ってるのを見ながら、にこにこ笑ってた、、。」


「あなたの事、、、、自分の子どもみたいに思ってくれてたのかもね、、。」


「最初は、うざかっただけだった、、。
でも、いつ行っても、、、、変わらず、、、、接してくれて、、、こんなオレに、、」


ひとつの居場所、見つけたんだね、、、。

No.100 10/04/09 11:20
きぃ ( ♀ bh2hi )

一瞬、恭介が涙を堪えているように見えて、はっとする。


、、、、、、、


「お茶、、、!入れるね!」


私は、恭介と自分の湯のみをトレイに載せて、キッチンへ行く。


そして、新しく煎れかえた湯のみを持って、また、テーブルの前に座った。

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