扉のむこう…
妊娠、出産…
喜ばしいことなはずなのに。。。
失っていくモノが多すぎて、出るのは涙ばかり。
自分一人では抱えきれなくなった思いを、吐き出させてください。
新しいレスの受付は終了しました
何とか無事に携帯を戻すことができたが…
もう一つ…不安が残った。
ダンナは、今日…携帯を整理してしまうかもしれない。
きっと、私がこの家を離れていたから、管理が甘くなってしまったに違いない。
そうでないと、あんなにたくさん残っているハズがない。
さっきは感情的になってしまい、他のメールも…
ダンナの送信も…
あのメールの受信した日時までも、まるでチェックできていなかった。
何時のモノなのか…
どういう経緯でそんな話になったのか…
知っておかないと、これから想像することで苦しむことになってしまう…。
毒を喰らわば皿まで
このままでは終われない。
とは言ったものの…
こればかりはどうしようもない…。
寝るのは別々の部屋。
寝室に入ってしまえば…
後は、ダンナの自由な時間だ。
いくら考えてみても、ダンナが携帯を触らないようにする術は浮かばなかった。
ダンナは必ず、寝る前にも携帯をチェックする…。
あのメールをそのままに…なんてことはないだろう…。
諦めかけた時…
娘を抱いたままテレビを見ていたダンナが、アクビをするのが見えた。
眠気が来たのか…
いつもだったら、
『もぅ寝たら?』と寝室に促す。
けれど…
今日は、静かに寝室に行き…
ベッドに布団乾燥機をセットし、温め始めた。
ダンナは冷たい布団で寝るのが嫌いだ。
いつもなら、自分で布団乾燥機をセットして…
温かくなってから寝ている。
待つ間の時間でいろいろしているようだから…
その時間を無くしてみよう
そして、ダンナの眠気が頂点に達するまで、待てば…。
長距離の運転に、大量の荷物の上げ下ろし…
そして、ずっと娘の相手をして…
食事の時には、母に弱いお酒を勧められて飲んでいた。
布団さえ温めていれば、そのまま寝てしまうかもしれない…。
私は静かにその時を待った。
きっと…醜い顔をしていたに違いない。
どれくらい時間が経っただろうか…
時おり、ダンナのまぶたがフッ…と閉じられるようになった。
ピークだ…
ダンナの腕に抱かれた娘をそっと受け取りながら…
『眠たいんでしょ?ベッドを温めておいたから…』
と、優しく語りかけた。
「ん…あぁ…ありがとう…。」
寝ぼけたような返事をしながら、ダンナは寝室へむかった。
そして…
そのまま、ベッドへ…。
気持ち良さそうに寝息を立てるダンナの姿を確認し…
静かに扉を閉めた。
次の日は日曜日にも関わらず、いつもより少し早めに起こした。
母が居るので、ダンナも素直に応じてくれた。
また、掃除と片付け、買い物で一日を過ごし…
大きな物を運ぶ時と、授乳以外は、ずっとダンナが娘を見ていてくれた。
「うひゃー」とオムツ替えさえも、嬉しそうにしていた。
そんな姿を見ながら…
本当にこの人が、私たちを裏切るようなことをしてるのか…
疑問にさえ思えた。
だからこそ“確かめたい”
私が何を信じるべきか
シャワーの音が聞こえ始めると同時に、私は動き出した。
娘は母に任せ、寝室に忍び込む。
電気は点けず、気配を感じるために扉は少し開けておいた。
大人になっても、人間は日々成長する。
ただ…賢くはならず…
ずる賢くなるのだ…と思う。
できれば、そんな成長はしたくない。
穏やかな人生には、必要ない成長だ。
そんな自分の成長ぶりに呆れながら…
携帯を開いた。
シャララ…♪
今回は、迷うことなく受信フォルダを開く。
そこに…まだ、れいなの行列は残っていた。
ダンナの携帯を見て、
“やった!”と感じたのは、後にも先にもあの時だけだろう。
昨日のメールを開くと…
少しだけ、また胸が痛んだ。
日付を確認して驚いた。
それは、半年も前のモノだった…。
2007年7月…。
娘もまだお腹にいる。
私もまだこの家にいた。
私が一番、不安定な時期だった頃だ…。
残っていたメールから分かったこと…
“れいな”さんはダンナの実家がある県に住んでいる
彼氏はいるが、最近うまくいっていない
かなり古くからの付き合い
そして、
「迷惑だったらはっきり言ってね😄」
「返事が遅いから、迷惑だったかなぁ…って思ってたよ😫」
と…どちらかと言うと、彼女の方が、積極的にダンナと関わっているようだった。
お盆は帰って来ないの?
会いたいなぁ❤
どこまでも私の存在を無視し続ける彼女に…
嫌悪感しか抱かなかった。
やはり、ダンナの送信メールは残っていなかった。
けれど、彼女のメールから推測するに…
「お盆に帰るかどうかは未定」
と伝えているようだった。
未定とは伝えていても、彼女から
「お互いに💋してもいいと思えたらしようね❤
お互いに浮気になっちゃうのかな⁉」
と返事が来てると言うことは…
帰省したら“会おうね”と約束したに違いない…。
その後のやり取りは残ってない…
けれど、彼女からのメールの最終受信履歴は、2月になっていた。
最近までやり取りはあったのだろう…
消しているだけで…。
じゃあ、何で中途半端にメールを残しておくんだ…。
深いため息一つだけを残して、寝室を後にした。
洗い物をしながら、夏の日を振り返った。
私たちは、ダンナの実家に帰らなかった。
いや…帰れなかった。
ダンナの実家は、車で10時間もかかるところにある。
妊娠中で、しかも“安静”を言い付けられている私には、到底無理な距離だった。
義両親も“来なくていい”と言ってくださり、ダンナも“今回は行くつもりはない”と言っていた。
私はみんなの優しさに甘えさせてもらった。
だから、ダンナとれいなさんはお盆には会えていないはず…。
しかし…
お正月にはダンナだけ実家に帰った。
いや…帰ってもらった。
その時は…どうだったのだろうか…。
私の回復が思わしくなかったために、お正月も私の実家で過ごすことになった。
ダンナも、自分の実家には“帰らない”と言って、私たちと過ごすつもりでいたけれど…
私が『カズくんだけでも、帰ってあげて』と頼んだ。
ダンナは、ご両親をとても大切にしている。
照れ臭いので、はっきりとは言わないが…それが伝わってくる。
学生時代も、お盆とお正月だけは必ず帰省していたダンナが、私の妊娠発覚後は一度も帰省できていなかった。
最後にご両親に会ったのは、一年前のお正月。
初孫が生まれたお正月に、孫に会えないどころか、息子も帰って来ないなんて…
きっと義両親は寂しいのではないか…
私の両親が全てを奪ってしまうのを、申し訳なく思った。
もちろん、義両親は“帰って来ないでいい”と言ってくださったが…。
それではいけない…と、思ってしまった。
「一人で帰るなんて嫌だ」と言うダンナに頼み込んで、帰省してもらった。
娘の写真と、出産直後のビデオなどいっぱい持って行ってもらった。
せめて、映像だけでも…
至らない嫁としての、最大限の罪滅ぼしとして…。
大晦日までを私の実家で過ごしたダンナは、日付が変わり、新年を迎えた深夜に義両親の元に出発した。
夜通し車を走らせ、元旦の昼前には到着していた。
それから3日間、一人で実家で過ごしていたが…
その間にれいなさんと会ったり…したのだろうか。
温泉に行ってくる…
パチンコに行ってくる…
お墓参りしてくる…
そんな報告メールが残っていた。
この中に“嘘”はあるのだろうか…。
れいなさんとのやり取りが、2月まで続いている痕跡があるのだから…
連絡くらいはとったかもしれない…。
後は、2人の都合さえ合えば…。
いや…。
でも…。
夏の時点では娘は産まれていなかったが、お正月には、ダンナは“父親”になっている。
軽々しく会ったりはしないのでは…。
そう思った瞬間に、“ユキさん”の存在が浮かんだ…。
…そんなの関係ない…か…。
気づけば同じお皿ばかりを洗い続け、ちっとも片付いていなかった。
あの時…。
このやり取りを知っていたなら…。
私は“帰って欲しい”とは頼まなかった…。
でも…知らなかった。
ダンナが“れいなさんの所に行かない”と言っていたのに、“行ってくれ”と頼み込んだ…。
私がバカなのか…。
“良かれ”と思った全ての行動が裏目、裏目と出てしまう…。
私は自ら不幸を招き入れているのだろうか…。
自虐的な発想しか生まれてこなかった。
ダンナに…
「オレは行かないって言ったのに。お前が行かせたんだ。何が起こっても、お前のせいだろう?」
そう言われた気分になった。
そして、『そうだな…』と思ってしまった。
悲観的になってしまった人間は、脆い。
その後のことは、いくら思い出そうとしても、何も出てこない…。
ただ、ひたすらに掃除をしていたことだけは覚えている。
娘と私の部屋が完成し、私の気持ちも落ち着きを取り戻してきた頃に、急遽、母が帰ることになった。
予定では、2週間くらいは滞在してくれることになっていたが…
弟の事情で、どうしても帰らなくてはいけなくなった。
5日目のことだった。
心細さと同時に、母というストッパーが無くなった後、ダンナとどう関わっていけばいいのか…
不安でしょうがなかった。
「頑張ってね!ユウナ(娘)のママなんだから。
今のユウナには、ほのかが全てだよ。」
そう言い残して、母はバスで帰って行った。
重い…重い一言だった。
ダンナが仕事から帰ってくるまで、ひたすら考えていた。
これから、私はどうするべきか…。
ダンナは…浮気をしていたかもしれない。
でも…それは“私のせいだ”。
私が弱かったから…。
迷惑ばかりかけていたから…。
娘にも、悲しい思いをさせてしまった。
私には、責める資格なんてない…。
…忘れよう。
これから、3人での新しい生活が始まる…。
きっと大丈夫。
私さえしっかりしていれば…。
きっと大丈夫。
もう一度、信じてみよう。
これが、あの時の私の最終決断だった。
ダンナの浮気疑惑はショックだった。
しかし…それ以上に『自分は迷惑ばかりかけている』と言う、負い目の方が大きかった。
そして…
自分が妻として母としてしっかり役目を果たせれば、もう二度とこんなことにはならない
と、思っていた。
だから、心の奥では苦しみを残しながらも、『許そう』『忘れよう』と思うことができたのだ…と思う。
辛い時期は過ぎた。
これから、3人で楽しくやって行ければいい。
そう決めた。
本当に辛いのは…
『これから』
そんなことは思いもしていなかった。
毎日が、ただ慌ただしく過ぎていく…。
そんな感じだった。
娘はとても繊細らしく…
生活音、一つ一つに反応して泣くので、仕事は捗らず…
休まる暇がなかった。
ダンナの手助けや、たまにかけてくれる気遣いの言葉が嬉しくて…
自然と、良好な夫婦関係が作れているような気がしていた。
また、娘の健診や予防接種、育児サークルなどで、少しずつママ友達もできて、大変な中でも充実した毎日だった。
『信じる』と決めたのだから…と、ダンナの携帯を盗み見ることもなくなっていた。
私だけ、満足した日々を送っていた。
そして5月のG.W。
5ヶ月になった娘を連れて、ダンナの実家に帰ることになった。
10時間の長旅。
少しでも娘の負担が減るように…と、夜中のうちに移動した。
娘と初対面の義両親は、本当に本当に喜んで迎えてくれた。
「ありがとう」
「ありがとう」
と、何度もお礼を言ってもらい…
涙が出そうになった。
ダンナは三人姉弟の末っ子長男。
一番上のお姉さんは、病気で4歳で亡くなっている。
二番目のお姉さんは、幼なじみの旦那さまと結婚10年目にして子どもはいなかった。
詳しくは聞いていないけど、どうもできないらしい…
とだけ、ダンナから聞かされていた。
なので、義両親にとっては娘は初孫。
「こいつ(ダンナ)もちっとも結婚する気配を見せないし…
生きてる間に孫を抱くのは諦めてたんだ。」
義父が私だけに、こっそり言った。
「だから、ほのかさんには本当に感謝してるんだよ。」
娘を抱き、目を細く細くしながら笑う義父を見て…
迂闊にも泣いてしまった。
「…あいつは、ほのかさんを泣かせたりしてないかい?」
あまりに唐突で
『えっ…?』としか返せなかった。
「…ほら…ちゃんと家に帰って来て、ほのかさんを手伝ったりとか…」
何となく、義父の言いたいことがわかり
『はい。大切にしてもらってますよ。』
と、笑顔で答えた。
「そうか…よかった。
実はな…心配していたんだよ。
ほら…ほのかさんが体調を崩して…少しばかり、里帰りが長かったじゃないか…。
あいつが…浮気なんかするんじゃないか…ってな。
こいつ(義母)と心配していたんだよ。」
義母も、優しくウンウンと相づちを打っていた。
身体中に電気が走り、胸がキューッ…と締め付けられた。
「オレはどれだけ信用ないんだっ!?!?」
いつの間にかダンナがいたことに驚いた。
「実の親にこんなこと言われるとは…正直ショックだぞ(笑)」
ダンナは笑っていた。
私は笑えなかった。
「だってオマエは、俺の子だからなぁ…
信じられるかい。」
笑いながら義父が答え、義母は強く頷いていた。
「…俺はねぇ…昔は、女グセが悪くてねぇ…。」
義父は、私に語りかけるように言った。
そして、昔の武勇伝をかいつまんで話してくれた。
「本当に酷かったのよ…。」
〆の言葉は義母が言った。
義父の話に、私は言葉を無くしていた。
ダンナも驚いているようだった。
「だからね、心配で…心配で…」
そう続ける義父に
「オヤジ!もうやめろっ。
ほのかに、そう言う話はダメだ!
見ろっ!ショック受けてんじゃねーかっ!」
珍しくダンナが怒っていた。
「とにかく、オレはそんなことは絶対にない!
一緒にすんなっ」
私に向けて言っているのか…
義父に向かって言っているのか…
どちらとも取れる、ダンナの言葉だった。
「そうかい、そうかい。」ヘヘッと義父が笑って
「変な話をして、悪かったね…」
と、私に謝った。
『とんでもないっ。貴重なお話を聞かせていただきました~(笑)』
私も精一杯の笑顔で答えた。
『しっかり見張っておきますね!』
なんでだーっ!とダンナの突っ込みが入り、皆に和やかな雰囲気が戻った。
もちろん…
私の胸中は穏やかではなかった。
ダンナの昔の武勇伝は知っている。
隠しておくのはフェアじゃないから…と、付き合う前にダンナから聞かされていた。
かなりのものだと思う。
けれど、もう落ち着いた。と…ダンナは言った。
二度と、あんなバカなことはするつもりはない…と。
いろんな修羅場を体験したからこそ、断言できる…と。
その言葉を私は信じた。
“お義父さん…しっかりアナタの遺伝子を受け継いでますよ…。”
私は心の中でため息をついた。
できれば、聞きたくない話だったなぁ…。
いや…むしろ…結婚前に聞くべきだったか…。
そんなことを考えていた。
私の思いが伝わったのか、その後もダンナは必死にフォローをしていた。
「絶対にないから!」と…
一瞬、ユキさんとれいなさんの名前が出かかったが…
『言わないと決めたはず…!』と、また、胸の奥底にしまい込んだ。
『わかってるよ。』
そう答えるのが、精一杯だった。
その日の夕方、私たち3人は“家族風呂”に行った。
ダンナの実家は温泉が豊富にあるところだった。
自宅にもお風呂はあるが、普段はほとんど使うことなく、皆、温泉に行っていた。
料金も驚くほど安い。
家族風呂とは、貸し切り温泉みたいなもの。
と言っても、豪華なものはほとんどなく、脱衣場と少し大きめの浴槽だけがある部屋がいくつか繋がった、平屋アパートみたいな造りだった。
娘を入れるには、その方が安心でゆったりできるから…
と、初めて家族風呂に入った。
ダンナと一緒にお風呂に入るなんて…いつぶりだろう…。
よく考えたら…最後に裸を見せたのは…
妊娠初期の頃…?
軽く一年以上は経っていた。
『セックスレス』
この時、私はこの言葉を知らなかった。
普段は仲良く夫婦をしていた私たちだが…
夜の生活は一切無かった。
おかしいな…とは思っていたものの…。
“浮気疑惑”もあり、詮索を避けていた。
子育てで精一杯だった私には、無ければ無いで構わなかった。
ただ…ダンナのことを思うと…複雑だった。
ダンナが先にお風呂に入り、体を洗った後、娘を受け取ってくれた。
土日は、ダンナがお風呂に入れる担当だったので、慣れた手つきで娘の体を洗い、一緒に湯船につかった。
見慣れない場所だったからか…
娘は怖がり、ヒンヒン…言いながらダンナに張り付いていた。
娘も5ヶ月。
生まれた時は小さく、弱々しかったが…
プクプクと元気に大きくなっていた。
座るのが好きで、寝返りが下手だった。
続いて、私が入った。
何故か…かなり緊張していた。
ダンナに裸を見られるのが、恥ずかしくてしかたがなかった。
出産後5ヶ月…
私の体は、母から女に戻っていた。
変わったことは…
母乳のおかげで、2カップも大きくなってしまった胸くらいだろうか…。
私が入った瞬間、ダンナの視線は確実に私の方を向いていた。
“ほぉ…”ダンナの顔にはそんな感想が書いてあった。
娘を出産した後、私はいつも授乳しやすく動きやすい、ゆったりした服を着ていた。
体のラインは一切見せなかった。
ダンナの中では、私はいつまでも出産直後の緩んでしまった体だったのかもしれない…。
それだって、母として頑張った“勲章”なのに…。
それを証拠に、ダンナはずーっと私を見ていた。
あまりに直視してくるので、私の方が恥ずかしくなって、
『あんまり見ないでよ…』と、嫌な顔をした。
「あぁ…ごめん。」
他人でもないのに、ダンナは謝って慌てて視線を外した。
おかしな2人だった。
私が入ったので、娘は私の方に来たがった。
湯船につかって、娘を受け取った。
娘と一緒なので、せっかくの温泉はかなりぬるかった。
娘と遊んでいると…
ダンナがおもむろに言った。
「…ねぇ…。
触っていい?
胸…。」
“はぁっ!?”
突然のことで…びっくりした。
今まで、触っていいかなんて確認されたこと、一度もなかった。
何て答えていいのか解らず、黙っていると…
「…ダメ?ちょんちょんくらいでいいんだけど…」
と、指先を見せてきた。
久し振りに本気で笑った。
そんな私を見て、娘はびっくり…
ダンナは拗ねていた。
『ごめん…ごめんね…。
変なこと言うから、ついつい…。』
余韻混じりに謝ったから、ダンナは余計に膨れていた。
だから…
『いーよ♪』と言った。
ダンナの滑稽な姿に、思わず笑ってしまったが…
私の体に興味を持ってくれたこと…
素直に“嬉しい”と思った。
家に帰ると、義父が
「一応、こいつ(ダンナ)の部屋に布団を敷いておいたけど…よかったか?
別々がよけりゃ、敷き直してもいいぞ。」
と言った。
何だか、私が答えていいものか解らず…
ダンナの方へ目をやると…
「いや、一緒に寝るからいいよ。ありがとう。」
とダンナが答えた。
思わず…顔がほころびそうになって…
急いでうつ向いた。
夜、娘を連れて2階の部屋に上がると…
ダブルサイズの布団とシングルサイズの布団が並べて敷いてあった。
並んだ2枚の布団を見て…
また、嬉しくなった。
まだ、夜中に起きて授乳をしなければならないので、私と娘がダブルサイズの布団に…
そして、娘を挟んで川の字になるように寝転んだ。
娘を寝かし付けて暫くすると…
テレビを見終わったダンナが寝室に上がってきた。
何だかちょっと気恥ずかしさがあり…
ダンナが部屋に入ってきても、私は何の反応もせず、布団を被ったまま寝る体勢を作っていた。
すると…
てっきり、シングルの布団に入るものだと思っていたダンナが、私を後ろから包むようにして潜り込んできた…。
『…えっ…何?どうしたの?』
不意を突かれて動揺してしまった私は、ダンナの手から逃れようと身をよじった。
それを制止するように、さらに強く抱き締めてきたダンナは…
「ねぇ…いいじゃん。久しぶりにさ…しようよ。
もう、大丈夫なんじゃないの…?」
信じられない言葉を囁いた。
よほど温泉での出来事が刺激になったのか…。
いや…それとも…
義父の「浮気する」発言のフォロー的行動なのか…
予想外のダンナの発言に、私はますます動揺してしまった。
『何で…?どう…したの…急に…?
』
「いいの。いいの。
全然、急でもないじゃん。
ずっと我慢してたんだから…オレは。」
本当かどうかも解らない言葉に、舞い上がってしまいながらも…
『でも…さすがに…ここでは無理だよ…。
お義父さんたちもいるし…
ユウナも寝てるし…』
なんとか理性は働かしていた。
「大丈夫。みんな寝てるから。ウダウダ言わないの~」
ダンナは止まらなかった。
『…ユウナが起きるから。』
最後まで抵抗する私を見て、急に立ち上がり…
ソッと娘の身体を隣の布団に移した。
「ほら。これで大丈夫。」
私は負けた…。
「我慢してた」と言いながら…
行為自体はとても簡略的なものだった。
まぁ…この状況では仕方がないのかもしれないが…。
けれど…
久しぶりの行為であること。
娘がそばで寝ていたこと。
ダンナの実家であったこと。
諸々の事情が重なって、私の受け入れ体勢が整わなかった…。
“痛い…。”
我慢はしたけれど…やっぱり“痛い”
一度、苦痛を感じてしまうと…後はそれが増すだけだった。
ダンナもそれに気づいた。
「…大丈夫…?痛い?」
“大丈夫”
そう答えたかった…が。
無理だった…。
『ごめん…ちょっと痛いかな…。もっと…』
“ゆっくりして欲しい”
と言いかけたところで
「ごめんな。…無理させちゃったな。」
と、ダンナは中断してしまった。
『…あっ…止めてって言ったわけじゃないんだよ…』
慌て言ってみたが…
「いいよ。無理すんな。
切ってるんだもんな…
そりゃ痛いよな。
何か…ごめんな。」
もう、再開の雰囲気ではなかった。
“切った”
…出産の時のことだ。
あの瞬間、ダンナはそばにいた。
傷を縫うとこまで見ていた。
思い出したのだろう…。
確かに…痛かったのは、縫ったところだったかもしれない…。
『…ごめんね…せっかく…』
“誘ってくれたのに…”
落ち込む私を見て、
「なぁ~に。いいよ~。
また、ゆっくり気兼ね無くできる時にしような。
今度は嫌がるなよ~。」
ダンナは、にこやかに言ってくれた。
ダンナの表情を見て、ホッとした。
“また”“今度”がいつになるかも知らずに…。
運命の一日だった。
大きな転機だった。
ダンナが誘って来る…
そんな予想外なハプニング。
本当に…“予想外”。
それを証拠に、二人とも避妊具を用意していなかった。
夫婦なのに…。
私はまたもや転機を逃してしまった…。
ダンナがまた、私に対して一線を引いてしまったこと…
気付くことができなかった。
「はぁ…
やっぱり…
ほのかが一番いい…」
隣に眠るダンナの寝顔を見つめながら…
思い返していた。
私と一つになった時、確かにダンナはそう言っていた。
“一番”
何と比べて…?
他の誰か…?
一人での行為…?
こんなことで勘繰っている私が…おかしいのかもしれない…。
久しぶりに間近で見るダンナの寝顔。
そっと指で頬に触れると…
前より少しだけふっくら柔らかく…
愛しさが溢れて…。
今にも泣き出しそうだった私を、寝惚けたままのダンナが包み込み…
また、眠りに堕ちた。
息苦しい…
でも、幸せ…
…痛かった…
…でも、嬉しかった…
好きです。
やっぱり…大好き。
あなたと一緒にいたい。
腕に包まれていたい。
やっぱり…私は“女”なんだ…。
涙が止まらなかった。
翌日も一緒にお風呂に入り、川の字で寝た。
その次の日も…
ダンナは、私に触れるどころか見ることさえもしなかった。
ただ“家族”として、楽しい休日を過ごして…
また夜中に出発し、片道10時間の道のりを帰っていった。
我が家のG.Wが終わった。
家に着いたのは明け方…
一先ず、ダンナは寝室で私と娘は子ども部屋で眠りにつき…
ダンナはそのまま、夕方近くまで起きてこなかった。
私は娘のお世話と片付け…
いつもの日常に戻った。
“いつもの”日常に…
G.W明けから、ダンナの仕事が忙しくなってきた。
帰宅時間も遅く…
泊まりの出張も続いた…
家に帰って来ても、ご飯とお風呂の後は寝室に籠り、パソコンに向かっていた。
「あー…やることが有りすぎる…」
それが口癖になっていた。
『大変だね…。』
私には、言葉で労うことくらいしかできなかった。
一緒に居る時間は少ない…
夫婦の会話もほとんどできなかった。
6月のある夜…
ダンナはいつも通り、寝室でパソコン…
私はリビングで洗濯をたたみ、アイロンをかけていた。
暫くして、たたみ終えたダンナの下着やワイシャツを持って、寝室に向かった。
扉は薄く光が漏れるくらい…20cm程、開いていた。
洗濯物を抱えたまま、扉を開くと…
カチカチッ…カチカチッ…
ハイスピードのダブルクリックが2回聞こえた。
“…あれ…?”
その音に違和感を覚えた私は、チラッとパソコンの画面に目をやった…
待機画面だった。
“…何で…?”
仕事をしていたはずのパソコンの画面が、なぜ…待機画面なの…?
ハイスピードのダブルクリック…
私が入ってきた瞬間に、開いていた画面を閉じたんだ…
何の…?
シャツをかけたり、洗濯物を片付けたり…
手は黙々と作業を続け…
頭は、先ほどの出来事を理解しようと、フル回転していた。
私に見られたくないモノ
それだけは確かだった。
私が“何も気付かないフリ”をしていた時
ダンナは“何も(疚しいことは)していないフリ”をしていた。
「あれ~…やっぱり、ちょっとパソコンの調子がおかしいなぁ~…」
そう言いながら、カチカチ…カチカチ…マウスを鳴らしていた。
私は何も答えずに、寝室を後にした。
常にスリッパを履いている私が歩くと、パタパタ…と音がする。
ダンナはその音を聞くために、扉を少し開けていたのか…?
そう考えると、笑えてきた…
疚しいことをする人間が、考えることは一緒だなぁ…と。
あの時、私は珍しくスリッパを脱いでいた。
本当に…珍しく。
忍び足で近づいたわけじゃない。
ダンナは油断してたんだ…。
仕事をしていると思ってたのに…
何をしてるの…?
また、ダンナに対する不信感が芽生えてきた…。
この日を境にダンナが居る間、寝室の扉は完全に閉められるようになった。
私たちとダンナを隔てる大きな壁ができた。
閉じられた扉は重い。
開けることを躊躇ってしまう…
いつからか…
私はノックをするようになっていた。
コンコンコン…
「なに?」
ダンナが扉を開くか…
返事だけがあると、用件を伝えてから扉を開く。
ここは私の寝室でもあったはずなのに…。
私が自由に出入りできるのは、ダンナが出掛けた後、掃除する時とパソコンを使う時だけ。
部屋には、ダンナだけの匂いが充満して…
全く別の家のようだ。
かつては“愛の城”の中枢であった場所…
今では、一番嫌いな場所になった。
この部屋さえなければ…
7月に入り、私の我慢は限界に達しようとしていた…。
扉が閉まっていることで、完全にダンナとの生活が遮断されていた。
以前は夜中でも、娘が激しい夜泣きをした時など、心配して様子を見に来てくれていた。
扉が閉ざされた今では…
娘の声は届かない。
それでも、ダンナは娘を大切にしていて…
土日のお風呂担当を楽しみにしていた。
時間が許す限り、娘に寄り添っていた。
抱き締める…
頬擦りをする…
髪を撫で…
頬っぺたにキスをして…
慈しみの眼差しを向ける。
かつては、全て私にしてくれていたこと…。
私は娘に嫉妬をしていた。
情けない母だった。
「いってくるね~」
娘の頬っぺたをつつきながら、にこやかに言う。
「ただいまー」
出迎えた私の横をすり抜け真っ先に、娘の所に行く。
「寝てるかー…ちょっと起こしてもいい…?
ダメ?
じゃあ、抱っこならいい…?」
食事中も、「今日は何したの?」と娘のことを聞きたがった。
私は…ダンナの愛する娘を管理する…最高責任者。
大きなため息をつくか…
辛そうな表情を浮かべるか…
ダンナの言葉を無視するか…
何らかのアクションを起こさない限り、気にしても貰えなかった…。
…なんて
これは全部、被害妄想だろう…。
女として限界だった。
私を見て…
私を見てよ…
カズくんを必要としてるのは、ゆうなだけじゃないんだよ…
カズくんは…
私の旦那様じゃないの?
ゆうなさえ居ればいいの?
私は…何?
カズくんにとって…何?
私は必要なの…?
今、私がしてること…
お手伝いさんだってできるよ…。
むしろ、もっと完璧に…。
私じゃなきゃいけない理由はあるの…?
カズくんは…
私が必要なの…?
馬鹿みたいな苦しみだった。
悔しいくらい惨めだった。
小さな娘に嫉妬するほど、私は愛に餓えていた。
手を繋ぎたい。
頬に触れてほしい…
抱き締めて…
キスをして…
私を求めてほしい。
性欲なんかじゃない。
欲求不満なんかじゃない。
ただ…
ただ…
“私は愛されてる”
それだけを…
感じたかった。
「シテホシイ…」
そうお願いすれば…
ダンナは喜んで…
いや、無理にでも…
私の要求に応えてくれただろう。
けれど…
それでは意味がない。
私が求めているのは“身体”の触れ合いではなく…
“心”の触れ合い。
私がダンナを求めているように…
ダンナが私を求めてくれなければ…
私の心は、いつまでも満たされないままだ。
性欲なんて、はっきり言ってほとんどない。
できれば、ずっと寝ていたい。
それが…ダンナの腕の中だったらどれだけいいか…。
私の疲労を感じ取っているのか…
ただ…興味ないだけなのか…
「ほのかも早く寝るんだよ。
無理はいけないよ。」
そう言い残し、寝室に消えて行く。
それがダンナの優しさ…愛情表現のようだった。
ダンナの背中を見送る度に…
パタン…と閉まる、扉を見る度に…
私の胸は激しく傷んだ。
“まって…”
ただ、その一言が言えないだけで…
こんなにも苦しまなければいけなくなるの…?
早く、この泥沼から脱け出したい…
その一心で、私は少しずつ行動をし始めた。
と…言っても…
言葉で訴えるわけではなく…
“誘われる隙を作る”
と言う、何とも情けなく…
苦々しい作戦だった。
それでも、私には精一杯の行動力だった。
初めてレスさせて頂きます。後半はスレを読んでませんが、主さんの複雑な心境はお察ししながら拝見させて頂きました。よく夫婦生活を例える時に歯車と言う言い方をされますよね?どこまで歯車に完全に規則正しい噛み合わせが必要なのかは各家庭違うでしょう。上手く噛み合わせが出来ない、そこをどうにか2人でするのでしょう。恋愛の時には噛み合わせが上手くいかないから棄てる事は出来ても、結婚・出産、子供と言う家族の歯車ができ状況はさらに複雑化になっていく中、家族それぞれの見方、考え方は年月や状況次第で更に変わってゆくのでしょう。主さんは現在~過去にわたる旦那さんに疑問を感じ捕らわれているようにも見受けられます。旦那さんは私の拝見したスレまでは前向きかつパーフェクト人間のように見えます。向いている方向が…小さな歯車にもっと噛み合せられるように、お互い疲れ果てないように歯車の摩擦計数を下げてはどうでしょう?長レス失礼致しました。
後半のレスを読みました😢
私達夫婦の日常に本当そっくりで、驚きさえ覚えました😲
私が感じた事がそのまま書き記してあるかの様です…
まるで…小説の様に状況が浮ぶ文章に切なくて胸が締めつけられる想いです。
びっくりしました➰私だけじゃないんだと😢
うちにも娘【6ヶ月】がいます👶
かつて私達の寝室だった場所は今や旦那の部屋…
家庭内別居みたいな所や、娘だけに注がれる愛情や、💻や📱の画面を隠す所 立ち会い出産… 等々同じです💦
また来ます😊
感想スレありますのでそちらへどうぞ。
わたしのレスを含め読みづらくなります。
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