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闇の中の天使

No.37 13/02/19 19:18
中谷月子 ( ♀ ezeSnb )
あ+あ-

≫36


美恵さんがデパートに入ると、すぐにデパートの従業員が二人出てきて
「曽根崎様、いらっしゃいませ」
と、深々とお辞儀をした。

「こんにちは。今日は、この子に合う服を選びにきました」と、私をすっと見てから従業員に言った。
「かしこまりました」従業員はそう言うと「お嬢様、お好みはどういったブランドでしょうか?」と聞いてきた。

「あの…、私は、ブランドとかよくわかりません」

美恵さんは、「とりあえず、グッチと…そうねえ、落ち着いたバーバリーをそれぞれブラウス、スカート、ワンピース、あとはお任せしますから、三十着ほど用意してくだるかしら」
「かしこまりました。サイズは昨日、私どもの者がお測りしたものでお間違いないでしょうか?」
「ええ、それでよろしいです。ブランドは最近の若者に人気の物をいくつか加えてちょうだい。バッグと、靴も適当にお願いしますね。他はお任せします」
「はい、制服は明後日にはお届できる手筈になっております」
「そう、ありがとう。では、ゆかりちゃん、行きましょう」
私は、こんな買い物の仕方など見たことが無く、しかもすべてオーダーメイドって…驚いた。
昨日、制服の採寸に来た人はこのデパートの人だったんだ、と思った。

品よく並ぶブランドの店舗を並んで歩きながら、美恵さんはブルガリに入ると、ショーケースに入っているアショーマという腕時計を指して「これを見せてちょうだい」と、スタッフに声をかけた。ケースから出されたブルガリのアショーマは、シルバーが基調で、橙色のラインが入っている。長方形の文字盤は白く、針も橙色で可愛らしい。美恵さんは、その腕時計を私の左腕にはめてから「いい?あの家では時間は止まっていたけれど、これからは動き出すのよ」そう囁くように言って「これをいただくわ」と言って、歩きだした。スタッフは「ありがとうございました」と言って深くお辞儀をした。
この腕時計があった横には¥525,000という値札が置かれていた。

「ゆかりちゃん、いいですか?これからは一流の人間になるのだから、一流のものを身につけなさい。外見だけでは無く、内面も一流の人間になるべく勉強してもらうつもりです。ですが、あなたの人格は否定しません。嫌なことは嫌だとはっきり言うようにしてください。わたしはあなたではありませんから、何が好きで何が嫌いなのかわかりませんから」
戸惑いながらも、私は「はい」と答えた。


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