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みんなでつくろうストーリー8の6

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旅人
15/11/23 22:52(更新日時)

約1年以上続いた、“みんなでつくろうストーリー8”…。


一旦終了したストーリーではありますが、実はまだ未完なのであります…。


とりあえず完結するのかどうかはわかりませんが、みんなでつくろうストーリーの主さまに代わり、私フリーターが、続きを書いてみることにいたします。

完結するなら8の10ぐらいまでにはなんとかしたいですな。



もちろん9スレにもストーリーを作りにいきます!



よろしくです\(^o^)/


No.2211200 15/04/30 22:23(スレ作成日時)

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No.151 15/06/07 12:45
名無し2 

>> 150 島津『そうだ…あの頃聖司くんはまだ子どもで、大学時代に僕が持ち歩いていた本に興味を持って

僕の横に座って難しい本を読んでいたよね。』

五十嵐『はい。しっかり覚えています。あの本が僕の人生を変えたんです。』…




No.152 15/06/07 22:29
名無し2 

>> 151 島津『あれはたしか…』

聖司『ニーチェの哲学書でした。』

島津『いや~よく覚えているねえ。』

聖司『僕はその本が大好きになりまして、あの後自分でお金を貯めてやっとこさ本を探しあぐねて買ったんです。』…



No.153 15/06/08 09:54
名無し2 

>> 152 島津は五十嵐に他人の借金の保証人になったばかりに

借金を負わされ

家族を守るために家を出た

いきさつを話した。
五十嵐『島津さん…』

五十嵐は島津の話を聞くうちに

涙があふれ出た。

五十嵐『島津さん、うなされているときずっと奥さんと娘さんの名前を呼んでいましたよ。』…




No.154 15/06/08 10:00
旅人 

>> 153 五十嵐が様子を見に、流郷の診療所に来ていた時、まだ意識が戻っていなかった島津は、菜穂子と由紀の名前をしきりにうわごとで呼んでいたのを聞いていた。


島津「菜穂子や由紀とは、11年前に別れて以来会ってないんだ…」


五十嵐は、島津の切ない気持ちを考えて、なんとかしたい気持ちだった…



No.155 15/06/08 16:32
名無し2 

>> 154 五十嵐は以前

歯科医の菊池と魂が入れ替わった時

患者のカルテなどから

名前を聞けば大体の地名が分かるほど

広い範囲の土地勘が養われていた。

その土地勘から島津の妻達を探し出そうと考えたのであった…




No.156 15/06/09 02:56
旅人 

>> 155 島津「妻の菜穂子と娘の由紀は、今は妻の実家に身を寄せているんだよ。もちろん、妻の実家に行けば会えるかもしれないが、今のこんな姿の私では、会いたくても会えないんだ…」



五十嵐は、島津が妻子の居どころを知ってるのに、会えない気持ちを聞いて切なくなった。


島津「少し前に、興信所を使って、妻や娘が現在どうしてるのかは調査してもらっているんだ。由紀が通う高校の近くに、日雇いの仕事があって、陰ながら娘を見ていたんだ…」



五十嵐は、自分の経験が役に立たなかったことは残念だが、やはり島津のためになんとかしたい気持ちは変わらなかった…




No.157 15/06/09 15:18
名無し2 

>> 156 その頃奏は

由紀の父親が行方不明である事を

ラインで由紀から聞いていた…



No.158 15/06/09 15:35
旅人 

>> 157 まだ、一緒に登校はできてはいなかったが、田沼滋の態度がかなり軟化していて、今度、奏は田沼滋から自宅に招かれているのである。


もちろん、一緒に登校できてなくても、あれから奏と由紀は毎日ラインでやりとりをしていた。


奏が由紀を好きなだけでなく、由紀も奏に惹かれていた。


由紀は、ラインでやりとりをするうちに、だんたんと奏に心を開き、11年前由紀の父親が母親と離婚して行方不明になり、現在もどこでどうしてるのかわからないことを、奏に打ち明けた。


父親が行方不明になったのは、由紀が6歳で、小学校に入学したばかりの時だった。



奏は、由紀の事情を知り、そんなかげりなど少しも見せない由紀を改めて好きになった…



No.159 15/06/09 21:58
名無し2 

>> 158 奏は由紀と一緒に登校出来ないため

再び登校のルートを元に戻していた。

奏が何時もの橋にさしかかると

何時もすれ違う女子中学生が

男子と仲良く競いながら自転車をこいでいた。

奏はその女子中学生がいつぞやの大風で転んで

自分がカットバンをあげた事を思い出していた…



No.160 15/06/10 22:20
名無し2 

>> 159 その男子中学生は

女子に

『お先に~!』

と言いながら追い抜き

抜かれた女子は向きになって

男子と競いながら自転車をこいでいた。
奏は2人が羨ましかった。

自分もあんな風に由紀と一緒に

登校出来たら楽しいだろうなと

しばらく2人を眺めた…



No.161 15/06/10 22:57
旅人 

>> 160 そして日曜日。



奏は、由紀の家で昼食に招かれた。



田沼滋と妻(由紀にとっては祖母である)の美恵子、菜穂子と由紀がいた。


奏は緊張していたが、田沼滋は、奏を見て、もう由紀との登校は許そうと決めていた。

今時の高校生のような浮わついたところもない奏のことを、田沼滋はかなり気に入り、ランチが終わってから


「これからはときどき遊びにきたまえ。由紀とは明日から学校に一緒に登校してもらいたい。よろしく頼むよ、桂川くん」



と奏に言った。




奏も由紀も、田沼滋の許可をもらい、本当に嬉しかった…







No.162 15/06/10 23:02
旅人 

>> 161 それからは、奏と由紀は、一緒に電車に乗り、仲良く登校するようになった。


だんだんと登校だけでなく、ふたりは帰りも一緒に帰るようになった。



駅でおりてふたりでいろんなことを話すようになった。


そして由紀が奏に


「これからは、桂川くんのこと、奏くん って呼んでいい…?」


と言ったので、奏も



「じゃあ僕も、ふたりのときは 由紀 って呼んでいいかな?」


と言ってみると、由紀は頷いた…




No.163 15/06/11 12:37
名無し2 

>> 162 その頃運転手の西田は

先日見かけた作業員が島津ではないかと思い

その工事現場の作業員に

島津の事を聞いてみた…


No.164 15/06/11 15:22
旅人 

>> 163 工事もほぼ終了し、ほとんどの作業員が、散り散りになってしまい閑散とはしていたが、それでも何人かの作業員が残っていた。


西田が聞いてみると、


「何しろ現場のヤツなんて大勢いたから、いちいち名前なんか覚えてないしなあ~」


といった答えがほとんどだった。



だが、その中のひとりが


「あぁ、そんな感じな人だったら覚えてるよ。仕事終わってからよく一緒に屋台で安酒飲みにいってさあ~」


と西田に言った…



No.165 15/06/11 21:57
名無し2 

>> 164 男は続けた。

『そいつ酔って

俺の女房はいい女だったな~。

ってしみじみ言ってたよ。』…



No.166 15/06/12 22:50
名無し2 

>> 165 西田『その人、今どこにいるか分かりませんか?』…




No.167 15/06/13 01:43
旅人 

>> 166 男は


「さあなあ…、現場の仕事が終わってみんな散り散りになっちまったしなあ。どっかの安宿に泊まってるみたいなこと言ってたがなあ…」



と西田に言った。



西田は


「そうですか…」


と言った。



結局、手がかりはつかめなかった…




No.168 15/06/13 21:54
名無し2 

>> 167 西田は島津が現在どんな生活を余儀なくされているのか

大体想像がついた。
西田は島津の年齢を考えても

菜穂子や由紀の気持ちを考えても

元のさやに戻るのが一番良いのではないかと思い悩んだ…



No.169 15/06/14 04:37
旅人 

>> 168 ただ、元のさやに収まるには、田沼滋のことと、島津の経済力という壁はあるが、それさえ乗り越えられたら と西田は考えていた。


田沼滋から何度となく再婚話を持ちかけられても断り続けているのは、やはり菜穂子は島津のことを愛していて、島津のことを待っているからだと思うからだった。



西田も、島津に会いたかった。



こうなったら、なんとか手がかりをつかんでみせる と西田は決意した…



No.170 15/06/14 12:37
名無し2 

>> 169 菜穂子も由紀も一日たりとも父親のことを

忘れたことはなかった。

菜穂子には沢山の男たちが

言い寄って来ていた。

中には素敵な男性もいたのだが

断り続ける母親を由紀は

複雑な思いで見ていた…



No.171 15/06/14 21:43
名無し2 

>> 170 西田が空いた時間に工事現場の聞き込みを初めて

6件目で島津らしき男が数日前から

姿を見ないという情報を掴んだ。

西田がそのあたりを探しているうちに

あるヒューム官の中にニーチェの本を見つけた。

西田はその本を見た瞬間に島津の物だと感じた…



No.172 15/06/14 21:48
旅人 

>> 171 果たして、そのニーチェの本の裏表紙の中には


Masahiko S




のサインがあった…




No.173 15/06/14 22:30
名無し2 

>> 172 その頃当の島津は

随分体調も良くなって来ていた。

そしていつも持ち歩いていたニーチェの本が無いことに気がついた。

ボロボロな本だが島津にとって

その本は宝物なのであった…


No.174 15/06/15 00:44
旅人 

>> 173 ニーチェの原書は、亡き島津の父親が、まだ中学生だった島津に与えたものだった。


中学生の島津には、全くわからなかったが、父親は


「大人になったらな、これを読めるようになれよ」


と、島津に言ったのを覚えている。



奇しくも、ニーチェの原書をもらってから間もなく、島津の父親は交通事故で突然他界した。



島津の父親は公務員だったので、母親とふたり残されても、生活にさほど困ることはなかったが、島津には、ニーチェの本と、父親の言葉がいつまでも胸に残っていた。


高校卒業後、本格的に語学を勉強したのも、父親の言葉が胸に残っていたせいもあった。



そして、原書を読めるようになった時、島津は感銘を受けたのだった。



語学を必死で勉強したおかげで、後に自分で輸入食器会社を興した時に大いに役立ったのだが…





No.175 15/06/16 07:10
名無し2 

>> 174 西田は島津がこの場所へ必ず帰って来ると確信し

しばらくその場で待ってみた…



No.176 15/06/16 12:38
名無し2 

>> 175 西田は一時間くらいその場で待ったが

一向に島津が帰って来る気配は無く

今日はもう帰ろうとしたその時

誰かがこちらの方へ歩いてくる気配を感じた…



No.177 15/06/16 20:03
旅人 

>> 176 見ると、島津ではなかったが、30代半ばぐらいの年齢の、見知らぬ男だった…



No.178 15/06/16 22:01
名無し2 

>> 177 辺りはもう薄暗くなりかけていた。その男は西田をみると新入りのホームレスだと思ったらしく
『こんばんは。』

と声をかけてきた。
西田はちょっと戸惑いながら

『あ、こんばんは。あ…いえ、あの…ちょっと人を捜しているんです。多分ここに居たはずなんです。』

と、返した…



No.179 15/06/17 07:08
名無し2 

>> 178 男『今、そこにいた男性を1人保護しています。その人は島津という人です。』

西田『島津…私が捜している男性も島津という人なんです。』…



No.180 15/06/17 08:35
旅人 

>> 179 男は、五十嵐の友人の医師・流郷だった。



「私は、流郷誠といいます。小さな診療所を開いている医師です。
島津さんはこの土管の中で、肺炎をおこしかけていて、かなり危険な状態だったのです。幸い、私の友人が島津さんを見つけ、私の診療所に運んだので、もう危機は脱して、最近では少しずつ体力も回復していますが…」


流郷の言葉に西田は驚いた…




No.181 15/06/17 15:08
名無し2 

>> 180 西田は
島津に会いたいから
ついて行きたいと

流郷に頼んだ…



No.182 15/06/18 12:27
名無し2 

>> 181 西田が島津の所在を突き止めたなど知る由もない菜穂子は

1人の男性から熱烈なアプローチを受けていた。

その日の夕方も玄関のベルがなった。

菜穂子はまた来たのか

と思いながら玄関に出てみると

やはり今日も薔薇の花束が玄関先に置いてあった。
それにはメッセージがついている。

〃君がイエスと言ってくれるまで僕は諦めないよ〃…



No.183 15/06/18 16:15
名無し2 

菜穂子はこの

押しの強い男に

少しずつ気持ちが傾きかけてきていた。
男は毎日のようにチャイムを鳴らした後、玄関先に花束を置いて帰るのだ。

島津を思いつつも
菜穂子はその美しい花束を複雑な気持ちで見つめた…



No.184 15/06/18 18:19
旅人 

>> 183 求婚者の猿渡幸三は、年齢は50歳。


田沼滋がすすめてきた再婚相手候補のひとりだった。


リゾートホテルやファミリーレストランを経営する猿渡グループのオーナー社長であったが、7年前に妻を亡くし、子供は、中学生の息子がひとりの男やもめであった。


猿渡幸三は、半年前、見合いの席で菜穂子を見初め、田沼滋に菜穂子との縁談を積極的に働きかけていた。


菜穂子は、父親の田沼滋に泣きつかれ、見合いだけなら としぶしぶ出かけた席だったのだが…。



田沼滋も、猿渡との縁談にはかなり乗り気であった。


「向こうにも、由紀と年齢の近い息子がいるんだし、子持ち同士なら気がねもいらないし、なんたって猿渡グループの社長なんだから…」



しかし、やはり菜穂子は、猿渡に断りの返事をした。



猿渡も、年齢のわりには若く見え、島津ほどではなかったが、まずまずイケメンの部類に属する顔立ちだし、43歳の菜穂子とも年齢的にはまずまず釣り合いもとれている。


だが、菜穂子の胸には、夫の島津への愛が消えることなく残っていた。



猿渡は、断られても諦めず、菜穂子にアプローチを続けていたのだが…



No.185 15/06/18 18:26
旅人 

>> 184 菜穂子のほうも、猿渡からのアプローチに対し、徐々にではあるが、気持ちが動きかけていた。


確かに、猿渡のほうも初婚ではないし、由紀より3歳下の息子もいる。


子持ち同士だから、由紀を連れて再婚してもさほど遠慮する必要はない。



夫の島津が行方不明になってもう11年。



菜穂子の心は、時に激しく乱れた…











No.186 15/06/18 22:11
名無し2 

>> 185 その日の夜。

菜穂子が猿渡から貰った薔薇の花を

花瓶に生けていると
由紀が

『また貰ったの?』
と菜穂子に言った。
菜穂子は『また置いてあったのよ。』

と苦笑いするのであった…



No.187 15/06/19 00:34
旅人 

>> 186 由紀は

「お母さまは、猿渡さんを好きなの…?」


と、菜穂子に聞いた。



菜穂子は


「いいえ、私が好きなのは、あなたのお父様だけよ…」


と答えたが、猿渡本人は決して嫌なタイプではないし、嫌い というわけでもなかった。



猿渡グループのオーナー社長でもあり、子持ちだが、魅力的ではある。



菜穂子は



夫さえ帰ってきてくれたなら…



と思わずにはいられなかった…





No.188 15/06/19 01:17
旅人 

>> 187 それから数日後のことである。


田沼滋が菜穂子に


「この前、猿渡さんから連絡があってな。見合いは断られたが、やはりどうしてもお前のことが忘れられないから、せめてもう一度チャンスをくれないか と言ってきたんだよ。一度だけデートしてほしいと…。そして、息子も連れていくから、お前も由紀を連れてきてほしいと…。子供たちが一緒なら危なくもないだろうからって。そこまで言ってくれてるんだから、一度ぐらいは猿渡さんとデートにつきあってもらえんかね…」



と言ってきた。



菜穂子は、ちょっと憂鬱な気持ちだったが、由紀も猿渡の息子も一緒なら と思い、OKの返事をした…




No.189 15/06/19 01:33
旅人 

>> 188 猿渡が指定してきた日は日曜日だった。



由紀にその話をすると、由紀はちょっと難色を示した。


その日は、奏と一緒に図書館で勉強しながらデートの予定だったからである。


奏と由紀は、田沼滋から認められ、一緒に登校だけでなく交際することも許されていた。


ただし、節度を守れ とは言われていた。


要するに、高校生で肉体的なつきあいはするな ということである。



奏も高校生で年頃の健全な男子である。



ひとりのときは、由紀の身体のことを想像することもあるし、由紀にキスしたい、裸になった由紀を抱きたい と考えることもあった。




だが、奏は、そう思いながらも、田沼滋が交際を許可してくれたことが嬉しかったので、田沼滋を裏切るようなことはすまい と心に決めていた。



それだけでなく、由紀を心から大切に思うようになっていたこともあった。


まだ今は高校生だけど、大学に入って、就職したら由紀と結婚しよう と奏は思っていたのだ…



No.190 15/06/19 01:40
旅人 

>> 189 由紀は奏に


“今度の日曜だけど、お母さまの用事につきあわなくてはいけなくなったの、ごめんね”



とラインした。



しばらくして奏からラインがあり、


“いいよ。また来週でも一緒に図書館に行こう。よかったら夕方、家に行ってもいいよ”


との返事だった。



由紀は奏のラインの返事が嬉しかった…




No.191 15/06/19 01:56
旅人 

>> 190 そして日曜日。



待ち合わせは猿渡グループが経営するファミリーレストランのひとつで、時間は正午だった。



菜穂子はラフすぎず、フォーマルすぎでもない藤色のワンピースを着ていた。
藤色のワンピースは、色白の菜穂子によく似合い、菜穂子をより美しく見せていた。



由紀も、上品な感じのワンピースを着ていた。



ふたりが西田の運転する車で、指定されたファミリーレストランに到着すると、スーツにネクタイの出で立ちの猿渡がすでに到着していた。



「やあ、菜穂子さん。きょうは来てくれてありがとう。そのワンピース、とても素敵ですよ。きょうの菜穂子さんはとても美しい…」


と猿渡は感激した口調で菜穂子に言ってから由紀を見て



「由紀さんですね。初めまして。猿渡幸三といいます。横にいるのは息子の大輔です」



そう言われて由紀は、猿渡の横にいた大輔を見たが、何となく、大輔が、品のよくない表情をしているのが気になった…








No.192 15/06/19 02:04
旅人 

>> 191 それから、四人がけのテーブルで、食事がはじまった。


菜穂子の向かいの席に猿渡が、由紀の向かいの席には大輔が座った。


猿渡は、食事中も菜穂子に何かかにかと話しかけ、菜穂子が相づちをうつ。



由紀はあまり口もきかず、食事をしていたが、同じようにあまり話さず食事をしている大輔は、由紀のことを粘っこい視線でチラチラと見ている。



大輔も、中学生で、性に関心のある年頃だった。



大輔は由紀のきれいな顔立ちや、ワンピースの上からふんわりと膨らんだ胸元に、粘っこい視線を這わせ、由紀の裸を想像しながら食事を楽しんでいた…



No.193 15/06/19 02:25
旅人 

>> 192 猿渡の妻は、大輔が7歳の時に病気で他界したが、猿渡は、社長として仕事に追われる毎日だったので、大輔の世話は家事代行の人間に任せっぱなしだった。


猿渡は、仕事でかまってやれない負い目と、母親のいない寂しさを、豊富な小遣いで補っていた。



そのため、大輔は、父親の幸三の前ではいい子を演じていたが、裏ではかなり遊び放題で、中学生でありながら、酒やタバコもひととおり経験し、すでに何人かの異性と遊びで肉体関係も持っていたのだった。



大輔も、猿渡に似てそこそこ顔立ちもよかったことと、豊富な小遣いで遊んでいるうちに、ちょっと柄のよくない高校生たちと知り合い、つるんで遊ぶようになったせいもあったため、異性とセックスするチャンスも生まれたのである。



大輔は、




親父が再婚したら、この女が俺の姉さんになるのか



こんな美人の姉ができて、同じ家に暮らせば、うぶな弟を装おって、夜中に部屋に忍び込むか、誰もいない時に無理矢理やっちまうとか…




不良高校生たちとつるんで遊んだとき、大輔は、強姦に近いようなこともやったことがあったので、なに食わぬ顔で食事をしながら、由紀を無理矢理押さえつけ、犯す想像をしていたのだった…




No.194 15/06/19 10:24
旅人 

>> 193 由紀は、最初のうちは特になんとも思わなかったのだが、時おり感じる大輔の視線に、何とも言えない不快感を感じていた。



ちょっとおとなしめな感じの普通に顔立ちのいい少年なのだが、時おり、何気なく、すれた感じの表情をしたり、無遠慮な視線を向ける。



菜穂子のほうを見ると、菜穂子は猿渡の話に楽しそうに相槌を打っていた…



No.195 15/06/19 12:25
名無し2 

>> 194 猿渡の話は尽きることがなかった。

4人は一見すると普通の家族に見えた。
メインディッシュを食べ終わると

デザートにソフトクリームが出てきた。
猿渡『これは当店自慢のソフトクリームなんですよ。』

と相変わらず笑顔ですすめてきた。

由紀がソフトクリームをスプーンで口に運ぶと

息子は由紀の口元をじっと見ているのであった…



No.196 15/06/19 15:28
旅人 

>> 195 大輔は、由紀の、ソフトクリームをスプーンですくって口に運ぶ様子を、エロチックに感じ、






嫌がる由紀を犯すうちに、由紀のほうが感じてきて、動物的な交わりを楽しむ







という、淫らな想像をしていた。




由紀は、何となく、大輔の視線が嫌で、早く家に帰りたくなっていたが、菜穂子は猿渡と楽しそうに話していた。




菜穂子も、ソフトクリームを食べて


「とてもおいしいですわ」



と、笑顔になった…




No.197 15/06/19 15:34
旅人 

>> 196 西田は、夕方に、菜穂子と由紀を車で迎えにくることになっていた。



それまで時間があるので、西田は、流郷の診療所へ行ってみよう と考えていた…




No.198 15/06/19 22:11
名無し2 

>> 197 西田は猿渡という男があまり好きではなかった。

今日菜穂子と猿渡が家族ぐるみで

会食をするのも

あまりいい気持ちがしなかった。

そのこともあり、先日突き止めた

島津に今一度問いかけたかった。

このままでいいのかと…



No.199 15/06/19 22:47
旅人 

>> 198 一方、島津は、だんだんと体力も回復し、少しずつ起き上がれるようになっていた。


流郷は、友人の五十嵐からも、それとなく島津の身の上を聞いていた。
だが、島津の前では、何も知らないように振る舞っていたが…。



流郷は、島津が最初、土管の中で寝ていたことを思いだし、すべてを察した。


流郷は島津に言った。


「もしも、仕事もなく、行くところもないのならしばらくここにいませんか…。ごらんのとおりのちっぽけな町の診療所だし、看護師も置けないぐらいの貧乏医者なんで、彼女もいないし結婚だってしてないんですよ。ひとり暮らしだから気兼ねはいりませんよ。庭の草むしりとか、結構やることもあるし、できることをしてくれたらいいんです」


狭い診療所の裏には、多少老朽化はしているが、流郷の自宅になっている平屋の家があるので、島津とふたりで暮らしても問題はなさそうだった。



島津は、流郷の申し出を受けることにした…


No.200 15/06/20 12:27
名無し2 

>> 199 そこへ西田がやって来た。

西田はこの前来た時は、島津に会うのをためらい

確かにそれが島津だと確信して、そっと帰ったのであった。
西田は緊張しながらも

流郷の家のベルを押した…



  • << 201 流郷は診察中だった為、玄関に出てきたのは島津であった。 それは西田と島津の11年ぶりの再会だった。 西田を見た島津は 『あ…西田さん。』 と驚いた顔をした。 西田『島津さん…。お久しぶりです。大変不躾ではありますが あなたに会ってお話したいことが有りまして あなたを捜していたんです。』…
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