みんなでつくろうストーリー8の6
約1年以上続いた、“みんなでつくろうストーリー8”…。
一旦終了したストーリーではありますが、実はまだ未完なのであります…。
とりあえず完結するのかどうかはわかりませんが、みんなでつくろうストーリーの主さまに代わり、私フリーターが、続きを書いてみることにいたします。
完結するなら8の10ぐらいまでにはなんとかしたいですな。
もちろん9スレにもストーリーを作りにいきます!
よろしくです\(^o^)/
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>> 59
ミシェルはフランスに強制送還されることになったが、心のどこかでホッとしている自分に気づいてもいた。
日本に来ても、ほとんど日本語もわからず、ホームレスの生活にも疲れていたからだ。
ホームレスの人々は結構親切だったが、残飯を漁ったり、何日も風呂に入らず着の身着のままの生活。
家を売ったおカネも、日本に到着してすぐに、日本の円に両替して、しばらくは赤坂や有楽町のホテル暮らしだったが、快適で有名なホテルはとても高く、いつまでもいられるわけはなかった。
赤坂や六本木で日本の女を身振り手振りでナンパし、成功しても彼女たちは必ずミシェルに金を要求してきたので、日本の女にも辟易していたミシェルだった…
>> 80
祖父母は、些少ではあるが、先祖代々からの土地を受け継ぐ地主だった。
土地は郊外にあり、些少なのでさほど大地主というわけでもないが、昔ながらの地主という祖父・田沼滋のプライドは高かった。
祖父母には娘だけふたりいて、菜穂子の姉で由紀には叔母にあたる美穂子は早々と他家に嫁いでしまったので、祖父母は菜穂子に婿をとらせたがっていたが、菜穂子も島津雅彦と恋に落ち、祖父母の反対を押しきって結婚したのだった。
それでも島津が輸入食器会社を興し、成功していた間は、祖父母もなにも言わなかったのだが、島津が保証人になり、家や社屋が抵当にとられてなくなり、島津が菜穂子と離婚して蒸発してしまってからは、由紀とともに身を寄せる菜穂子に、祖父・田沼滋はしきりと再婚話を持ち掛けてくるのだった。
祖父はある時菜穂子に、
「由紀がいるせいで再婚をためらってるんだったら、由紀はわしらの養女として戸籍を移して、わしらの子として成人するまでなんとかわしらが育てる。お前もあんな男のことははやく忘れて、わしの土地を継いでくれるような男と再婚してほしいんだ。わしらもいつまでも元気なわけでもないし、お前だってまだ40をちょっと出たばかりじゃないか。まだ若い今のうちになんとか、わしらの願いを聞いてくれ…」
と言っていたのを由紀は聞いてしまったこともあったのだった…
>> 82
ある日、菜穂子は由紀の部屋をそっと訪れ、由紀にどことなく元気のない理由を思いきって聞いてみた。
由紀は、はじめはためらって、なかなか理由を言わなかったが、奈穂子の優しい問いかけに、とうとう本当の理由を話した。
奈穂子は優しく由紀に微笑んで
「バかね…、由紀。お母さんは由紀のことを重荷だなんて思ったことなんて一度もないし、再婚なんて考えてないわ。お父さんはきっと、お母さんと由紀のところに帰ってくる ってずっと信じてるのよ。もう11年も…」
と言って由紀を抱き締めた。
奈穂子「本当は、実家になんか帰ってこないで、私が働いて由紀とふたりで生きていけばよかったかもしれない…。でも、お父さんが、離婚のときに、経済的に不自由のない実家にいるほうがいい と言ったし、お祖父さんやお祖母さんにとってはあなたはたったひとりの孫ですもの。だからそばにいてあげることがいいと思ったから…」
奈穂子の姉である美穂子の夫婦には子供がなく、田沼滋にとっては由紀がただひとりの孫であることは変わりないのだった。
奈穂子に似て美しく、聡明で素直な由紀を、祖父・田沼滋が可愛がっていることも事実だった…
>> 87
もちろん由紀が、電車に乗ってるどの女子高生よりも群を抜いてかわいかったからだが、桂川奏も、毎日同じ電車に乗る由紀のかわいさが気になっていたひとりだった。
由紀に絡んでいる数人の男子高校生は、ちょっと先の男子校の生徒で、その男子校は柄がよくないことでも有名だった。
「青蘭女子のネーチャン、俺たちとデートしようぜ」
「デートがダメなら断り賃くれよ。なんなら身体でもいいんだぜ~」
由紀は
「やめてください…」
と必死で言うが、電車に乗っている他の高校生や大人たちも、トラブルを恐れて見て見ぬふりをするしまつ。
そのうちに不良男子高校生たちは、可愛い青蘭女子の制服に包まれた由紀の胸をさわりはじめた。
「ネーチャン意外といい乳してんじゃん。これから学校サボってさ、俺たちといいことしようぜ。いっぱい感じさせてやっからさ~」
由紀が泣きそうな顔で顔をそむけている。
大人たちも、見て見ぬふりをしながら、興味本意でニヤニヤ見ていたり、あんまりかわいくない他校の女子たちは半ば いい気味 みたいな目で見ていて誰も絡まれている由紀を助けようともしなかった。
胸をさわっていた不良男子高校生のひとりが、由紀の制服のベストの中に手を入れて、下のブラウスのボタンを外しはじめた。
ひとりはスカートの中に手を入れようとしている。
その時だった。
奏が
「やめろよ!」
と大きな声をあげた…
>> 89
奏は
「次の駅で降りてもらおうか」
と、至って冷静に男子高校生たちに言った。
由紀の胸にさわっていた、いちばん図体のデカイボス格の男が
「おう、相手してやるぜ」
と言い、電車が次の駅に着いたところで、奏と高校生たちも電車を降りた。
ボス格の高校生・尾形はなぜか由紀の腕をつかんで一緒に電車を降りた。
尾形は、
「お前をボコボコに叩きのめしてから、この女をお前の目の前で輪姦(まわし)てやるぜ」
と不適な笑いを浮かべて奏に挑みかかったが、次の瞬間、奏から腹にボディーブローを食らった。
尾形は
「ぐえっ…」
と、こみ上げる吐き気をこらえながらなんとか立ち上がったが、腹を押さえてうずくまってしまった。
ボス格の尾形があっけなくやられたことで、他の奴らはこそこそと逃げていった。
電車に乗っていて、どうなるのか気になって一緒に降りた男たちは、奏に拍手した…
>> 90
奏は、うずくまっている尾形を、駅員につきだした。
車内で尾形が、由紀に迷惑行為をしていたことは電車に乗っていた男たちが証言してくれた。
尾形を駅員に引き渡し、ホームで次の電車を並んで待っている時に、由紀は奏に
「ありがとうございます…」
と、お礼を言った。
奏が、お礼を言った時の由紀の笑顔の可愛さにドギマギしながらも
「いや、いいんだよ。それより学校遅刻になっちゃったね。まあ、駅員さんが学校に電話してくれたからいいけどさ」
と言った。
由紀は、サラサラの髪や、整ったきれいな顔立ちで喧嘩なんかしそうにない外見の奏が、なんであんなに強いのか意外な気がした。
奏は、由紀のそんな思いを見抜いたかのように
「僕、子供の頃、身体が弱くてさ、親の知り合いがやってるボクシングジムに通ってたんだよ。別にプロボクサーになるつもりはないけど、ジムでサンドバッグ叩いたり縄跳びしてたりすると、ストレス解消にもなるから、今もたまに通ってるんだ」
と笑って言った…
>> 91
奏は、由紀に言ったように、子供の頃は身体が弱かった。
虚弱体質というわけでもないが、すぐに風邪をひいたり病気がちだったので、心配した奏の父親が、昔の友人が当時オープンしたばかりのボクシングジムに奏を通わせることにしたのだった。
ボクシングジムは、子供向けのコースもあり、奏はオーナーでありコーチでもあった稲森の教えで、身体を動かすことやボクシングの楽しさを知り、それにつれて身体もだんだんと丈夫になっていったのだった。
奏は、プロボクサーになるつもりもなく、あくまでも運動としてボクシングを続けていたが、稲森からも、ボクシングの技は凶器にもつながるので下手に乱用するなと厳しく言い渡されていたし、友人にも誰にも、ボクシングジムにたまに通っていることはだまっていたのだった。
だから、奏にとっても、ボクシングの技をジム以外で使ったのは今回がはじめてだったし、尾形をなぐったときもかなり手加減はしているのだった(それでも一般人にすればかなり痛いとは思うが)。
奏は、由紀を守るためにボクシングが役に立ってよかったと思っていた…
>> 94
ホームレス生活から足を洗い、いつかは家族のもとに帰りたいとひそかに願う島津だったが、さすがにすぐにも帰れず、ホームレス時代にこっそり隠し持っていた金で、まずは興信所に妻の菜穂子と娘の由紀が現在どうしているのかを調べてもらうように頼んでいた。
菜穂子がもしも再婚していたなら、もうふたりに会うことは諦めようと島津は思った。
興信所の調査結果では、妻の菜穂子と娘の由紀は、菜穂子の父親である田沼滋のもとに身を寄せており、菜穂子は離婚後も島津姓を名乗ったまま再婚もしていないとわかった。
ひとり娘の由紀ももう17歳で、青蘭女子学園に通っていることもわかった。
興信所が隠し撮りした菜穂子や由紀の現在の写真を見たとき、島津は思わず涙をこぼした。
菜穂子…、昔とちっとも変わっていない…
由紀、昔の菜穂子に似て、可愛い娘になったな…
島津は、いつかは必ずふたりのもとへ帰ろう と固く決意したのだった…
>> 95
そう決意した島津ではあったが、菜穂子の父親である田沼滋にもともとよく思われていなかったことや、保証人になったために莫大な借金を背負ったとき、かなりな迷惑をかけたことなどを考えると、やはりある程度の経済力をつけてから とも考えていた。
興信所の調査で、田沼滋がしきりに菜穂子に再婚話を持ち掛けていることなども報告があったので、よけいに、着の身着のままでは帰れない と思っていた。
しかし、妻や娘の姿をせめて遠くからでも見たい との思いも強く、偶然にも由紀の通う青蘭女子学園の近くに日雇い仕事があるのを見つけ、日雇い仕事に汗を流しながら、遠くからそっと由紀を見るだけの毎日だったのだが…
>> 97
その日、由紀が家に帰ると、朝の事件のことはすでに学校から連絡があったようで、菜穂子と祖父の田沼滋、祖母の美恵子の心配ぶりがただ事ではなかった。
祖父の田沼滋は、
「だから電車通学なんか危ないと言ってたんだ。由紀は菜穂子に似て美人なんだから不良学生たちから目をつけられたりするんだ。明日からは、わしの車を使って学校に通いなさい。いいね、由紀」
と言ったが、由紀は
「でも、おじいさま。友達や他の子はみんな電車で通ってるし、私だけおじいさまの車なんて…」
と言った。
だが、祖父は
「駄目だ。またこんなことがあったらどうする。駅員の話によれば不良学生たちはお前にイタズラする寸前だったらしいじゃないか。可愛いお前をまたそんな目にあわすわけにはいかん。これは命令じゃ、わかったな、由紀」
と言下に由紀に言ったので、由紀はもうそれ以上に言えなかった…
>> 99
車は、青蘭女子学園の門の手前で止まり、まず西田が運転席から降りて、後部座席のドアを開け、由紀が降りてから
「行ってらっしゃいませ。学校の終わるころにまたお迎えに参ります」
と深々と礼をし、由紀が門の中に入るまで見送るのだった。
由紀は、祖父の気持ちは嬉しいが、他の登校している生徒たちからはじろじろ見られ、恥じらいも感じていた。
西田が由紀を見送り、運転席に乗り込もうとした時、近くの工事現場に、何だかどこかで見たような感じの作業員がいるのが目に止まった。
どこかで見たような…
西田はすぐには思い出せなかったが…
- << 101 田沼家専属運転手の西田保は、もう20年近く田沼家で働いている。父親も田沼家の運転手を長年勤めていて、父親のあとをつぐ形で、田沼家運転手として働くことになった。 採用されたばかりの頃は、西田もまだ20代の青年で、田沼滋だけでなく、娘の菜穂子の用事で運転することもあり、美しい菜穂子にほのかな憧れを抱いていたが、所詮は菜穂子と自分は釣り合うわけもないという諦めの気持ちもあったので、採用されて2年後に、田沼滋がすすめた見合いで知り合った女性と結婚し、子供にも恵まれ、それなりに幸せな生活をきずいている。 しかし、結婚しても、子供が生まれても、菜穂子に対するほのかな憧れが消えることはなく、そのため、菜穂子が島津雅彦と恋に落ち、田沼滋の目を盗んでデートするときなど、菜穂子に積極的に協力したりもしていたのである。 それに西田は、島津とも結構ウマがあい、菜穂子と島津が結婚してからも、島津ともわりと交流があったのである。 島津が離婚後、蒸発してからは、もちろん西田とも音信不通であったが…。 西田は車に乗り、運転しながら、 そうだ、島津さんに似ていたんだ。あの作業員は… と、思い出していた…
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