みんなでつくろうストーリー8の6
約1年以上続いた、“みんなでつくろうストーリー8”…。
一旦終了したストーリーではありますが、実はまだ未完なのであります…。
とりあえず完結するのかどうかはわかりませんが、みんなでつくろうストーリーの主さまに代わり、私フリーターが、続きを書いてみることにいたします。
完結するなら8の10ぐらいまでにはなんとかしたいですな。
もちろん9スレにもストーリーを作りにいきます!
よろしくです\(^o^)/
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>> 483
田崎マネージャーが育て上げた、女優・如月由子は、学生時代から長く交際していた職人グチダキクオとの恋を実らせ、正式に結婚してからは、芸能活動よりは家庭生活に比重を置くようになり、田崎は、如月由子のマネージャーを別の人間に譲り、事務所スタッフとして働いていた。(みんなで作ろうストーリー4 参照)
長年自分に思いを寄せてくれていた、同じ事務所のスカウトマン・都築一郎とは入籍はせず、事実婚というかたちで暮らしている。
都築は、正式に結婚したがっていたし、自分もそれでもいいと思っていたが、結局事実婚のままで一緒に暮らしている。
やはり若い頃子宮がんになり、子宮を全摘したことが現在も尾を引いているのかもしれないと田崎は自分で思っている。
しばらくマネージャー業から遠ざかっていた田崎だったが、傲慢で有名な飯田紀美のマネージャーの話があった時、
じゃじゃ馬ならしもいいかもね
と思って引き受け、2年近くが過ぎている。
紀美も、なぜだか、田崎には少し気持ちを許しているのである…
>> 475
波田「そんなことないと思うけどな…」
と波田は言った。
だが、波田は、紀美の出演したドラマは全部見ているが、演技に関しては、やや残念な印象を持っていた。
グラビアアイドルから女優に転身し、結構な数のドラマに出演し、主役を勤めたドラマもあるのだが、主演のドラマは視聴率が取れず、ブレイクした作品もないのがそれを物語っているともいえた。
プロポーションは抜群で、顔も綺麗だが、演技というとなあ というのが、波田の正直な感想だが、弱気になっている紀美に本当のことをいうのは残酷な気がした。
それに、今は紀美もまだ22だしこれからどうなるかわからない
ひょっとしたら、今後大化けするかもしれないしなあ…。
紀美「本当にそう思ってんの?」
波田「うん」
紀美「いっそ、セレブな男でも捕まえて結婚しちゃおうかな~。弘樹と結婚って考えてたんだけど、弘樹はあんなトロい女に夢中みたいだしさあ…」
波田は黙っていた…
>> 473
紀美は、波田に近づいて、
「確か、同じクラスだった波田くんよね…?こんなところでひとりでどうしたの?」
と、自分のほうから話しかけた。
波田は、
「飯田さんの出てるドラマは全部見てます…。昔よりきれいになったなって思って、近づけなくて…」
と、たどたどしい口調でそれだけ言った。
紀美は、波田のことをはっきりと覚えているわけではなかった。
高校時代から、波田はわりに印象が薄かったので、紀美もかろうじて覚えていた感じだった。
紀美に群がる同級生たちをそっちのけで、紀美はしばらく波田と話していた。
話しているうちに、波田が高校卒業後に就職した会社が倒産し、現在はアルバイトを転々としていると聞いて、
「そういえば、うちの事務所でwebスタッフを探してるって言ってたわ。波田くんの前の会社って確かweb関連でしょ?あたしが社長に話してあげるし」
と言って、波田と連絡先を交換したのだった。
紀美は、事務所の電話番号ではなく、紀美個人の携帯を教えた。
「他の人には教えないでね」
と口止めはしたが…。
そして、波田は、紀美の事務所のwebスタッフになっただけでなく、たまに紀美に呼び出され、愚痴聞き役にされていたのだった…
>> 424
福岡の場末のキャバレーで、父親の借金の返済と、身体を壊して入院していた父親の入院費や生活費を稼ぐため、年齢をごまかしてホステスとして働いていた麻美と、そんな麻美を助け、守ってくれた真藤と、恋人としてつきあうようになって1年半が過ぎていた。
真藤が、斉藤とのお笑いコンビを解散し、旅行会社に就職したのは、いずれは麻美と結婚しようと考えてのことだとも、麻美にはわかっていた。
麻美も、本当は、真藤と結婚したかった。
だが、女優になるために移った新しい事務所は、諸戸社長のように理解がなく(麻美は、真藤とつきあっていることを諸戸社長には打ち明けていた。最も、諸戸にはとっくにバレバレだったのだが)、これから女優として本格的に売りだそうとしている麻美に、結婚してほしくはないようで、遠回しに真藤と別れるように麻美に言ってきたりもしていた。
麻美は、このまっちゃんに
「あたし、そんなに向いてないんですか…?」
と思わず聞いていた…
>> 385
飯田紀美の年齢は22歳だった。
10代半ばに、大手ランジェリー会社のオーディションに合格し、その会社のイメージモデルをつとめていた。
毎回新作のランジェリーや、ときにはセクシー系ランジェリーも身につけていたりしていて、プロポーションが抜群だった。
プロポーションがよいため、ランジェリー会社のイメージモデルの契約終了後は、おもに男性誌のグラビアモデルの仕事がメインとなっていた。
グラビアモデルとして人気と知名度が上がっていくと、女優としてドラマにも出演していくようになったが、どういうわけか、彼女のドラマは、グラビアほど人気がなかった。
ひとつは、飯田紀美が必ず共演の俳優と恋愛の噂を立てることで、ほとんどは紀美の所属事務所の捏造であるが、まれに、紀美がそのプロポーションを武器に共演俳優を誘惑したりすることもあるらしく、インターネット上の評判も芳しくない女優だった。
紀美も、麻丘弘樹主演のドラマで、弘樹の妹役ということで、汚名返上のためにはりきっていたのであった…
>> 374
麻美は、スタジオの隅で、汐里を励ます夏川日向子を見ていた。
そして、昔、真珠会社のオーディションで、緊張していた麻美に、当時まだ無名に近い駆け出し女優だった夏川日向子が
「ちゃんと背筋伸ばしなさい」
と、ピシッと、でもどこか暖かい声で言ってくれたことを思い出した。
あのときの真珠会社のイメージモデルに、麻美とWキャストで選ばれた日向子も、あのイメージモデルの仕事を機に、女優としての仕事がふえ、中年になった現在も、長く美しい脚は健在で、映画やドラマに出演し、代表作も数多くある。
そして数年前に、40前後の年齢で、有名パティシエ・二階堂晃司との結婚も果たした。
思えば、あのオーディション以来、麻美と日向子は深い友情で結ばれた親友だった。
日向子は、引退した麻美を惜しがったが、麻美が引退したことで、芸能界での愚痴や悩みを安心して麻美に吐き出せるようになっていたし、麻美もかつては芸能界にいたため、日向子の気持ちがわかる部分もあり、かえって密な友情を築くことになった。
麻美は、今また日向子が、娘の汐里を励ましている姿に、日向子との縁を感じ、感慨を覚えていた…
>> 360
べる子の下積み時代の話になった時、真藤は、昔自分と斉藤がお笑いコンビを組んでいたときも、そんなこともあったなあ…と思い出していた。
九州のキャバレーでボーイとして働きながら、斉藤とスーパーマーケットのイベントや、キャバレーのショータイムの前座としてどさ回りをしていた日々…。
俺は、斉藤ほど、お笑い志望ではなかったから、結局就職したけど、そのかわり、麻美と結婚して汐里をはじめ3人の娘に恵まれたし
昔を回想していた真藤は、家を出る前に言った麻美の言葉を思い出した。
麻美は
「私は、本当は芸能界で長く生きるよりも、あなたと平凡な家庭が欲しかったの。オーディションに合格したおかげで、モデルで活躍したし、日向子さんがすすめてくれたおかげで、女優としても少し活動したけど、モデルや女優の仕事って、楽しかったし、芸能界に入ったおかげで、お父さんの借金だって返せたんだから、その意味では芸能界にいてよかったと思っていたけど、あの世界って、なんだか私には合ってないような気がしていたの。それに、芸能界って、華やかだけど、裏は醜くて汚いものだってこともわかったし…。汐里は、昔の私に似ていたからか、中学生のときにスカウトされて、ティーンズ誌のモデルなんかしていたからわからないのかもしれないけど、芸能界でトップに立てるのなんてわずかに一握りの人たちだけ。それに、売れていけばいくほど、裏は汚れていくのよ…。汐里にそんな思いをさせたくないの。だから、なんとかべる子さんに頼んで汐里の芸能界入りを諦めさせて…」
と言っていた。
かつて、芸能界で脚光を浴びていたことがある麻美の言葉には真実味があった…
>> 354
べる子は 斉藤と住むマンションではなく、仕事部屋に借りているマンションのほうを指定していた。
最初、斉藤のほうに真藤からメールが入ったのだが、たまたまそのときにべる子がいて、誰からのメールか聞いてきたため、斉藤は真藤のことを話したのだった。
真藤の家で、一度だけ汐里と会っていた斉藤は、最初、麻美と間違えたくらい、汐里は若い頃の麻美に似ていた。
汐里が、ティーンズ誌で、“水樹汐里”という芸名でモデルをしていたことなど、斉藤は全く知らなかった。
子供がいないため、ティーンズ誌など目にすることもなかったせいもあるのかもしれないが…。
しかし、斉藤は、地方ロケが入っていて、しばらく東京に帰れなかった。
そこでべる子が
「あたしのほうが芸能界は長いんだし、あなたの代わりに話ぐらいは聞いてあげられるわよ」
としゃしゃり出て、真藤に勝手にメールをしたのだった…
>> 350
一方、真藤の家庭のほうでも、騒動が勃発していた。
24になった長女の汐里が、芸能界に入りたい と言い出したのである。
3人いる娘の中でも、いちばん麻美に似ている汐里は、10代前半からときたまティーンズ向けの雑誌でモデルの仕事をしたりしていたが、汐里が高校を卒業し、女子短大に入学したときに、真藤と麻美が芸能活動から引退させたのだった。
真藤も麻美も、娘たちには平凡な幸せを掴んでほしい と願っていたからだった。
だが、汐里の考えは、両親とは違っていた。
両親のすすめで芸能活動を中止し、短大を卒業して小さな会社に就職したが、会社勤めは性格に会わず、かつてモデルだった過去を知った同僚たちからの妬みゆえの嫌がらせなどもあり、半年で辞めてしまってからは、ときたまバイトするフリーター生活を続けていた。
父親の真藤からは、いつまでもこんな生活を続けてないで就職しろ なんなら自分の会社で働けばいい と言われたが、汐里は会社勤めはコリゴリだったし、母親の麻美が、モデルから女優に転身して売りだそうという時に父親との結婚を選んで芸能界を引退したのかがわからなかった。
汐里は、母親が出来なかったことを、自分がやってみたい との気持ちが強かった…
>> 348
斉藤とべる子の結婚式には、たくさんの芸能関係者が出席した。
べる子は、角隠しにキンキラ派手なの柄の大振り袖を着ていた。
だが、どちらかというと大柄なべる子には、その大振り袖は似合っていたし、7歳年下の斉藤に合わせたのか、かなりの厚化粧をしていて、並んでいると斉藤と似合いの年格好に見える。
斉藤は、昔真藤と麻美の結婚式に出席したときの、麻美の清楚なウェディングドレス姿を思い出した。
真藤は、旅行会社エラソー(現在はエラソートラベラー)に就職してまだ1年ちょっとで、麻美のほうも母親がいなくて、病気の父親だけだったため、結婚式は質素なものだったが、それでも、元モデルだった麻美のウェディングドレス姿は、さすがに美しかった。
斉藤はべる子に
「きれいだよ」
というと、べる子は
「嬉しい。最初の結婚の時は入籍だけで、式もやってなかったから、花嫁衣装にあこがれてたんだ。源ちゃん年下だし、老けてみえたら源ちゃんがかわいそうだしって思って」
と、少し涙ぐんで言った。
斉藤とべる子の結婚は、多数の女性誌やスポーツ新聞の紙面を飾り、結婚のおかげで、斉藤もべる子も仕事は増えた。
斉藤も、テレビ出演が増え、べる子のすすめで俳優業にも挑戦するようになり、これが意外に好評で、押しも押されぬメジャー芸人となっていった。
だが、結婚生活は、最初の頃は、べる子も得意の料理を頑張ったりと斉藤に尽くしたが、仕事が増えるにしたがって、家事もおろそかになり、たまの休みも、部屋でこんこんと眠っていることが増えた。
セックスも、もともと身体の相性が抜群によかったわけでもなかったため、ふたりの仕事が忙しくなるに従って激減していった。
べる子はどちらかというとセックスに淡白なほうで、別になくても平気なようだった。
斉藤は、べる子とのセックスが減っても、セックスの相手にはさほど不自由しなくなっていたが、べる子とのおしどり夫婦のイメージを壊さないため、あくまでも、いざとなったらお金で解決するような女性を選ぶように心がけ、ひとりの女性と長くつきあうことはしなかった。
しかし、時おりそういう女性を抱きながら、麻美とこうしたかった という気持ちは常にあった…
>> 347
斉藤とべる子の結婚式には、真藤と麻美も招待したが、出席したのは真藤だけで、麻美は来なかった。
真藤が
「実は…、麻美は妊娠してて、つわりがひどくて、無理だったんだ…。お前の晴れの日に来れなくて残念がっていたよ。おめでとう、くれぐれもよろしくって言っておいてくれって…」
と控え室で斉藤に言った。
斉藤は、麻美が来なかったのが残念だった。
麻美を一目見たかった。真藤の妻としてでもいいから…
でも、数ヶ月前に、麻美は二人目を出産したばかりのはずなのに、またすぐに妊娠しているなんて…
結婚式当日に、不謹慎かもしれないが、出産してもとの身体に戻った麻美と真藤がセックスしているところを想像し、斉藤は複雑な思いになった。
べる子を愛して、結婚生活をスタートさせようとしているのに、真藤に抱かれている麻美を想像して、真藤に対して妬ましさを覚えるのを、斉藤はどうしようもなかった。
余談だが、残念なことに、この時に妊娠していた子供は結局流産してしまい、真藤と麻美が3人目の娘を授かるのは、それから数年後のことだった…
>> 346
斉藤が
「ありがとうございます…。べる子が、式には伊藤さんにも来てもらいたいって言ってました…」
と伊藤に言うと、伊藤は
「ありがとう。聡子ちゃんのこと幸せにしてあげてくれよな。俺は、出来なかったけど…」
と、打ち明け口調で言った。
斉藤「え…?」
伊藤「実はさ、聡子ちゃんが離婚して、俺達のコンビも解散した時に、聡子ちゃんに、結婚してくれって言ったことがあったんだけど、断られちゃってね。もう男なんてコリゴリ、伊藤ちゃんは好きだけど、男としてじゃないって言われて、ショックだったよ、その時は…。でも、今思えば、聡子ちゃんはまだ前の亭主のことが好きだったんだよね。強がってたけど…。まあ、聡子ちゃんに振られて1年後に、俺は今のカミサンと出会って結婚したんだけどね。聡子ちゃんに振られたから、カミサンと出会えたし、今は俺も幸せだから、聡子ちゃんにも幸せになってほしいって思ってるんだけど」
斉藤は、伊藤の話に心をうたれ、べる子を愛そうと思い、結婚を決意したのだった…
>> 342
もう日は沈みかけ、沈む直前に空を真っ赤に染め上げていた。
べる子が
「あたし、源ちゃんが好き!源ちゃん、あたしをお嫁にもらって!」
と言うと同時に斉藤に抱きついてきたのだった。
斉藤は、突然のなりゆきに、べる子のギャグではないかと思っだが、あまりにも思いがけなかったため、言葉を失ってしまった。
そして、そこで番組ディレクターが
「ハイ、OK!いやぁ、実に感動的な最終回だったね~」
と言った。
べる子のマネージャーの清田や、斉藤のマネージャーの中澤、そしていつの間にロケ地に来ていたのか、諸戸社長までが一斉に拍手をしている。
斉藤は、もしかして、ハメられたのではないか と思った…
>> 319
まあ、ふたりが別々の部屋に泊まるのは当然といえば当然ではあるのだが、番組スタッフたちは斉藤とべる子との間にはすでに何かあるような感じで見ていて、露骨な好奇の目を斉藤とべる子に向けていたし、べる子も
「源ちゃん、源ちゃん」
と、収録後も斉藤にベッタリだった。
自分のために用意された部屋に引き上げて、斉藤は、ハーッと大きくため息をつき
なんでこんなことになってしまったのかな
諸戸社長も、べる子さん側も、俺とべる子さんがくっつくような雰囲気に仕立てようとしてるし…
べる子さんは、お笑い界の大先輩だし、トークも達者だし尊敬してるし、けっして嫌いじゃないけど…
年上ってことを抜きにしても、女としてはタイプじゃないからなあ…
斉藤はそんなことを考えながらシングルベッドに、疲れもあってか服のまま仰向けに寝転がり、そのまま眠ってしまった…
>> 316
社長の諸戸(もろと)は、
「まあ、今はあのふたりももうじき二人目の子供ができるそうだからな…。お前もべる子との噂のおかげで売れてきたし、新しい幸せってやつを考えてみたほうがいいのかもしれないぜ…」
と、いつになくしみじみと斉藤に言った。
斉藤「社長は、それがべる子さんとのことだっていうんですか…?」
諸戸「いや、そうは言わんが、少なくとも、水樹麻美への気持ちにだけは、決別するべきだって言ってるんだ。第一、真藤と麻美がつきあっていたことだって、コンビを組んでいたのに全く気づいてなかったお前にも罪はあるんだからな。本気で麻美が好きだったら、真藤とのことに気づいていたはずだぜ」
斉藤は、諸戸の言葉が当たっていただけに、何も言えなかった。
確かに、あの頃に気づいていたなら、挽回するチャンスだってあったかもしれないが、俺は気づかなかった…
斉藤はしばらく黙っていたが、やがて諸戸に
「少し、考えさせてください…」
とだけ言った…
>> 315
現在は真藤の妻で、3人の娘の母親でもある水樹麻美(現在は真藤麻美)は、真藤がすすめた真珠会社のイメージモデルのオーディションで、女優の夏川日向子とダブルキャストとしてではあったが、見事イメージモデルの座を射止め、そのCMを皮切りに、モデルの仕事のオファーが殺到するようになった。
もともと、真藤と斉藤の事務所に持ち込まれたオーディションの話だったので(むろん真珠会社は斉藤たちの事務所だけでなくあちこちの事務所にオーディションの話を持ちかけていたのだったが)、麻美は自動的に斉藤たちの事務所の所属になった。
フレッシュで、どこかアンニュイな雰囲気も漂う麻美はモデルとして活躍していたが、やがて、女優の夏川日向子のすすめもあり、女優に転向することを決めた。
その時に、所属事務所を移ったが、女優として少し活躍し始めた頃、麻美は真藤の子を妊娠する。
麻美と真藤は愛し合うようになっていて、真藤が斉藤とのコンビを解散しサラリーマンになってからも交際が続いていたのである。
斉藤は全く気づいていなかったのだが…。
やがて、麻美は芸能界を引退し、真藤と結婚した。
借金のために身体を壊して入院していた麻美の父親も、麻美がモデルの仕事で借金を返してくれて、麻美が真藤と結婚した2年後に、安心したように、安らかな顔で世を去った。
(詳細は「みんなで作ろうストーリー8の2」を参照)
斉藤は、麻美と真藤がひそかに距離を縮めていたことに全く気づいていなかったことが悔やまれていた。
あの頃は、真藤とふたりでメジャーになることばっかり考えて、ネタづくりのことで頭がいっぱいだったからな…と、斉藤は回想していた…
>> 314
さらに社長は思いがけないことを言った。
「いっそのこと、豪島べる子と結婚ってのはどうだ?豪島べる子はもともとはお笑い芸人だが、最近じゃ女優業にも進出してて、演技力もなかなかって評判はあるし、お前よりは年上だが、別に不細工でもなくいい線いってる外見だし…」
斉藤は
「やめてくださいよ~」
と言った。
社長は、そんな斉藤を見つめて、
「まあ、豪島べる子と結婚ってのは冗談だがな。お前はともかくも、向こうはまんざらでもないんじゃないか?お前だっていつかは身を固めなきゃいけないんだし…。お前はまだ、真藤の嫁さんになった水樹麻美のことが忘れられないのかもしれんがな…」
と言った。
斉藤「知ってたんですか、社長…」
社長「真藤とお前が彼女に好意を寄せていたことは、あの頃お前らと一緒にスーパーや商店街のイベントなんかでどさ回りしていた俺にはバレバレだったんだよ。まして水樹麻美は、真藤がすすめた真珠会社のオーディションで見事イメージモデルになって、しばらくうちの事務所にモデルとして所属してたんだからな。考えてみたら彼女のおかげでうちの事務所も多少潤って、マネージャーも雇えるようになったんだしな」
斉藤は、自分の片想いが社長にバレバレだったのが意外だった…
>> 304
斉藤がテレビのスイッチを入れると、ワイドショー番組が写し出され、ワイドショー番組では
“豪島べる子、若手芸人・斉藤源一郎と熱愛発覚! 斉藤はべる子のマンションに通い同棲か?!”
などと、見出しがつけられ、ワイドショー番組のキャスターたちは、斉藤とべる子のことについてあーでもないこーでもないと言いあっていた。
マネージャーは
「斉藤さんがべる子さんのマンションから出てきたところが、きょう発売の写真週刊誌にフォーカスされて、掲載されてたんですよ」
と言った。
半同棲って、俺はきのうはじめてべる子さんのマンションに行ったのに…
しかも、ただごはん食べてドンぺリをご馳走になっただけなのに…
斉藤には信じられない話だった…
>> 291
店は明け方という時間帯のせいで、客は斉藤とべる子だけしかいなかった。
店長がふたりが座るテーブルにグラスを2つおいた。
斉藤は店長に
「あのー、この店って、こんな時間からやってるんですか?」
と尋ねると店長は
「いつもいつもじゃなくて、不定期なんだよ。俺ひとりの店だから決まった時間に営業してるわけじゃないんだ。きょうはたまたまこの時間開けてたけどね」
と言った。
べる子はグラスの酒をチビチビ飲みながら
「そうなのよ。きょうは開けてるのかなって思ってたら閉まってたり、夜中の2時過ぎに用事で通りかかったら開いてたり、変な店なのよ~。でも、変な店だけど、お酒も料理も絶品でさ、ファンも結構いるんだよね。ね~、伊藤ちゃん」
と、店長にむかって言った。
店長の伊藤は
「聡子ちゃんとは故郷が同じでね。幼馴染みだったんだよ。俺もお笑いを目指してたこともあって、お笑い芸人目指してた聡子ちゃんとコンビを組んでたんだけど、うまくいかなくて…。コンビを解散してひとりになったら聡子ちゃんはたちまちメジャーになっちゃったから。俺はもうひとつの夢だった、店をもつことは叶えたんだけど…」
と言った…
>> 290
その店は、べる子の知り合いが経営している店で、店長は店に入ってきたべる子を見ると
「よう!聡子ちゃん、いらっしゃい!」
と、明け方なのに愛想よく言った。
斉藤は
「あ、あの…、聡子って…?」
と尋ねると、べる子は
「ああ、あたしの本名。本名は豪島聡子っていうの」
と答えた。
店長は、べる子の横にいる斉藤を見て
「おっ、そちらは売り出し中の斉藤源一郎くんだよね。聡子ちゃんとテレビに出てるの、いつも見てるよ。なかなかいい味だしてるよね」
と言った。
斉藤は、
「あ、ありがとうございます…」
と恥ずかしそうに言った。
べる子は、テーブル席のひとつに腰を下ろすと
「あんたも座ったら?」
と言ったので、なりゆき上べる子の向かいの席に座ってしまった…
>> 281
当時はべる子も、メジャーではありながら関西に住んでおり、東京で仕事があるときだけ上京していた。
現在は斉藤もべる子も、ともに全国区になったため東京に拠点を移したが。
べる子も関東出身で、最初なかなか関西に馴染めなかったことが共感となり、斉藤の世話をやいていた。
しかし、斉藤は、べる子に先輩としての感謝の気持ちはあるものの、恋愛感情はなく、べる子がタイプではなかったのもあった。
年に1度、正月の年賀状で、真藤と麻美が、子供たちに囲まれた写真をつけて送ってくるが、それを見るにつけ、斉藤は虚しさをかみしめた。
俺って何やってんのかな…
斉藤は孤独を酒で紛らわし、仕事が終わるとミナミやキタの盛り場でばか騒ぎを繰り返していた…
>> 277
斉藤も、そんなべる子を強いて追わなかった。
その日はオフだったため、ふたたびソファでまどろみはじめた斉藤は、夢うつつで、べる子との出合いを思い出していた。
真藤との漫才コンビを解散して、ピン芸人として九州のローカル番組にちょっとだけ出演したりしているうちに、斉藤は関西のバラエティー番組に出演するチャンスを得るようになる。
事務所のすすめもあり、斉藤は住み慣れた福岡を離れ、関西に移り住むことになった。
関西のバラエティー番組で顔を売れば、お笑い芸人として名を知られるようになる
関西で芸人として成功すれば、やがては全国区になる可能性もある と考えた斉藤は、関西での仕事に燃えていたが、もともとが九州出身だったためか、関西の笑いのテンポに馴染めず、戸惑うことも多かった。
さらに、関西に知り合いがいなかったこともあり、表向きは目一杯陽気なふりをしていたが、裏では反対に孤独地獄だった…
>> 275
目が覚めた斉藤に、べる子が
「あら、おはよう」
と、あっさりと挨拶した。
べる子は
「明け方までバラエティーの録りだったのよ。まったく最近の若手芸人って、アドリブ下手ってのが多いわね。もっと早く終わるはずが、こんな時間までかかっちゃって、仕事部屋に泊まるより帰ってくるほうが早いから…」
と言った。
べる子は現在、バラエティー番組のレギュラーが2本、半年前からはクイズ番組の司会もつとめるようになっていた。
仕事が忙しく、このマンションまで帰るよりもと、3年前から仕事部屋と称して2DKのマンションを借りていた。
マンションを借りてから、べる子はこのマンションに帰ってくるよりは、仕事部屋に泊まることが多くなり、実質的には斉藤とべる子は別居状態だった。
もっとも、仕事部屋を借りる時に、斉藤も1度だけ、べる子の仕事部屋のマンションを見たことがあり、場所も部屋の間取りも知っているのだが…。
契約のときと、仕事部屋に家具を運んだ時にマンションには行ったが、そのあとは、斉藤が仕事で遅くなっても、べる子が
「私の仕事部屋に泊まる?」
と言うこともなかった。
斉藤もそのほうが気楽だと思っていたのだが…
>> 263
斉藤は、かつての相方の真藤とお好み焼き屋に来ていたのだった。
由利は、真藤もチラッと見たはずだったが、真藤は斉藤以上に由利にはわからなかった。
斉藤は、風貌は当時と変わったとはいえ、まだテレビにも出演しているので、芸能人らしい雰囲気を漂わせているが、エラソートラベラーの課長をつとめ、一サラリーマンになった真藤は、もうどこからみても一般人だった。
斉藤と真藤は、大学時代、漫才だけでは食べていけなかったため、キャバレーのボーイのアルバイトをしていたが、同じキャバレーにいたホステスの水樹麻美にふたりは恋していた。
麻美が真藤のすすめでオーディションを受け、モデルとしてブレイクしていた頃、麻美と真藤は愛し合うようになり、真藤は斉藤ほどお笑い志望ではなかったため、麻美と結婚するために旅行会社エラソーに就職した。
真藤の就職とともに漫才コンビは解散し、やがて真藤は麻美と結婚、斉藤はピン芸人となった。
ピン芸人になって3年後、斉藤は、7歳年上のお笑い女優・豪島べる子(本名・豪島聡子)と電撃結婚し、10年以上たつが子供はなく、夫婦間もけっしてうまくいっているわけではなかった。
斉藤は離婚を考えているが、なかなか決心がつかず、真藤に相談することも考えていたが、真藤はかつて自分が好きだった麻美と結婚し、何人も子供がいて幸せそうだし、相談しても… と考え、結局当たり障りのない近況などを話すだけだった…
>> 258
由利が漫才を見に行くのは数年ぶりだが、まだ10代の終わりごろや、モデルの仕事を始めた頃は、結構漫才を見に行ったりしたものだった。
由利が高校生の頃は、父親の仕事の関係で九州に住んでいた。
高校生だった由利は、たまたま日曜の昼に出掛けたスーパーのイベントで、まだ大学生だったコンビが漫才をしていたのを見て、面白くて、それから漫才にハマっていったのだった。
由利は、その漫才コンビがメジャーになって売れるように陰ながら応援し、スーパーや商店街などのイベントでコンビが漫才をやるときには必ず見に行った。
だが、結局メジャーになれないまま、由利が再び父親の仕事の都合で九州を離れた頃、その漫才コンビは解散したようだった。
コンビは解散したが、コンビの片割れは、その後ピン芸人としてブレイクし、メジャーになって現在も第一線で活躍している。
そのピン芸人は、斉藤源一郎という名前だった。
コンビを組んでいた真藤は、旅行会社エラソーに就職し、現在はエラソートラベラーの課長を勤めているのであるが…(みんなで作ろうストーリー8の2参照)
>> 255
由利は、モデル引退後、広告代理店でアルバイトをし、社員だったかつての夫と結婚し、広告代理店を辞めてからは専業主婦だったため、離婚後は生保レディーや、コールセンターなどの派遣業を転々としたが、元モデルという変なプライドのせいか、どの仕事も長続きしなかった。
そんな由利だったが、35歳のときに、やはり元モデルだったというスナックのママと知り合い、意気投合して彼女のスナックで現在も働いている。
水商売は、思ったよりも自分にあっていたのが由利は意外だった。
ママの愛子も、元モデルだったせいか、愛子のスナックには、ちょっと年輩の業界人や、劇団員やしたっぱの大部屋俳優なども客として訪れることもあった。
先輩劇団員に連れられて、渉が愛子の店に来て、由利が接客したのが、ふたりの出合いだった…
>> 247
由利は
「年も同じで、同じバツイチなのに、なんで菜穂子にばっかそういう話が来てあたしには来ないのかしら~。神様って不公平よね。しかもあたしは子供もいないのに…」
と言ったが、菜穂子は答えず、ランチを口にした。
由利は、菜穂子の高校時代の同級生だった。
由利は身長171㎝の長身で、大学時代モデルにスカウトされ、女子大生モデルとして雑誌を飾っていたこともあった。
由利はモデルから歌手か女優に転身したかったようだが、いくら由利が美人でスタイルがよかったとはいえ、由利レベルの芸能人は結構いるし、歌も下手で、演技の勉強などもろくにしていないし、そうこうするうちに由利の所属事務所から、AVへの進出を打診され、頭にきて芸能界を引退したのだった。
菜穂子は、高校卒業後、私立の女子短大に進学したので、4年制大学へ進学した由利とは別々の道を歩いていたが、気があって現在まで何となくつきあいは続いていた。
短大卒業後、アルバイトで商社に勤めた菜穂子は、当時は同じ商社にいた島津雅彦と恋に落ち、結婚したが、由利も菜穂子と同じ時期に、広告代理店に勤務する男と結婚したのだった。
島津は商社を退社し、輸入食器会社を興した頃、菜穂子は、由紀という娘に恵まれたが、由利には子供が出来ず、結婚して4年で離婚し、その後は彼氏のいる時期はあっても再婚はしていない。
もっと若い頃は由利にもわりに再婚話はあったのだが、由利が高望みだったせいでうまくいかず、そうしてる間に、またまだ綺麗でスタイルはいいが由利も年齢を重ねていき、条件が悪くなっていたのである。
なので、ある意味由利の自業自得でもあるのだが、由利は適当に年下の彼氏がいたりもするので、口ほどには菜穂子をうらやましがってもいなさそうであった…
>> 238
一方、島津も流郷の家で安穏としていたわけではなく、職探しに必死だった。
菜穂子を抱いたことで、一層島津も、菜穂子と由紀と3人で暮らそうと改めて思っていた。
しかし、島津の職探しは難航していた。
その間も、島津は時々菜穂子と会っていた。
菜穂子は、田沼滋や美恵子や由紀が出掛けてから、島津に電話をかけ、再会したビジネスホテルの部屋で、島津に抱かれた。
島津も菜穂子も、会えば激しく互いを求めあい、時のたつのを忘れるほどに何度も交わるのだった。
島津は、菜穂子を抱きながら、以前の菜穂子は、ここまで激しくもなく、どちらかといえば淡泊なタイプだったはずだが と思った。
だが、考えてみれば、菜穂子も40代で、まだ女盛りであり、加えて11年ぶりに夫に抱かれ、肉体に火がつくのも当然といえば当然でもあった。
島津も、菜穂子の情熱に溺れるように菜穂子を求め、激しく菜穂子の身体を抱いた…
>> 234
菜穂子がそう言って島津の胸に顔を埋めてくると、島津は再び菜穂子を抱きしめ、唇を重ねた。
ふたりは口づけをしながら、そのままそばにあるベッドに倒れこみ、島津は菜穂子の唇を離すと、菜穂子の首筋に唇を這わせながら、菜穂子のワンピースを脱がせていった。
菜穂子は、島津にされるままになっている。
島津は、菜穂子のワンピースや下着を脱がせて裸にすると、自分も服を脱いで、裸の菜穂子を抱きしめた。
菜穂子は
「恥ずかしいわ…」
と言ったが、菜穂子の身体は昔とほとんど変わっていなかった。
由紀を産んだとは思えないぐらいの細い腰で、胸もあまり大きくはなく、少女めいた身体つきの菜穂子だった。
「きれいだよ…、菜穂子…。昔とちっとも変わっていない…」
そう言って菜穂子と唇を合わせると、今度は菜穂子のほうから強く唇を吸ってきた。
島津は、11年の間、女を抱いたことは一度もなかった。
ホームレス生活だったので、女が寄ってこなかったためだったが、菜穂子以外の女をだく気になれなかったためもあった。
菜穂子も、11年の間、他の男に身体を許すこともなかった。
抱きあったふたりには、そのことがわかった。
どこかぎこちなかったが、ふたりは肉体のふれあいで愛を確かめあい、菜穂子は島津に抱かれてのぼりつめた。
島津と菜穂子はほぼ同時に果てたのだった…
>> 220
島津は、ストレートの紅茶が好きで、菜穂子はよくスコーンを焼いた。
輸入食器会社を経営していた島津は、食器にもうるさく、食器はすべて輸入物で、日本でもよく知られたブランドのものばかりが揃っていた。
島津は、ストレートの紅茶を、ウエッジウッドのティーカップで飲み、菜穂子が焼いたスコーンでティータイムを楽しんだ。
当時、社長業が忙しく、時には仕入れで海外に行くこともあった島津にとって、菜穂子の焼いたスコーンで紅茶を飲むひとときは、一番心休まる時でもあった。
紅茶のおかわりを注ぐ菜穂子の手をつかみ、自分に引き寄せて、菜穂子を抱きしめ、唇を重ねることもあった。
菜穂子は、島津が好きだったストレートの紅茶をひとりで飲みながら
あの人がいなくなってから、スコーンを焼くこともなくなったわ
あの人はよく、買いつけのためにイギリスにも行ってたけど、イギリスのホテルで出されるスコーンよりも、私のスコーンのほうがおいしいとよく言ってくれた…
そう言って私を抱きしめてくれた…
菜穂子は、猿渡と会った翌日だからか、なぜか島津のことばかり思い出すわ と思っていた…
>> 216
子供だった由紀は、時おり、父と母がキスをしている場面も垣間見たこともあった。
父と母は、由紀が見ているとは知らず、服のままではあったが、父は母を抱きしめ、唇を重ねていた。
唇を離したときに、母はうっとりと父を見つめ、今度は母のほうから父に唇を寄せていき、ふたたびふたりはキスをするのだった。
幼かった由紀は、ふたりが何をしているのかもわからなかっだが、そんな光景にドキドキし、同時にふたりの幸せそうな姿が強烈に胸に焼きついていたのである。
父と母は、愛しあっていたんだ
だから、母が猿渡と再婚なんて考えられないことだわ
そう思いながらも、由紀は、将来奏と結婚した時のことを想像し、想像の中で、あの時の父と母の光景に、自分と奏を重ね合わせ、少し顔を赤らめた…
>> 215
次の日、由紀と奏は、ふたりで仲良く登校していった。
由紀は奏に
「昨日はごめんなさい。本当は奏くんと一緒に図書館で勉強したかったんだけど、お母さんの用事で…」
と言った。
奏は、
「気にしてないよ。それよりもきょうは一緒に帰ろう。昨日の夕方は、由紀の家に行けなかったし、由紀の家で一緒に勉強したいんだけど…、いいかな…?」
と言った。
田沼滋から交際を認められてから、奏は時々由紀の家に行っていたが、田沼滋の言いつけを守って、決して由紀とふたりきりになることはなく、必ず祖母の美恵子や、菜穂子や田沼滋の目の届くリビングで勉強したり、ゲームをしたりしていた。
由紀も、学校の友達から、同年代の男子は、性に対して興味を持ち、彼女が出来れば、そういう関係になりたがるものだということは聞いていた。
昨日の大輔の視線も、そういう視線だったのかもしれない…
と由紀は思っていた。
奏にも、そういう欲望があるのだろうか
あっても、決して態度に出さず、いつも私のことを大事にしてくれてる…
由紀は、そんな奏が好きだった。
由紀も、高校卒業して、奏と同じ大学に進学し、大学を卒業したら、奏と結婚したい と思っていた。
奏くんと結婚して、お父様とお母さまみたいな夫婦になりたい…
まだ父親の島津が蒸発する前、由紀は子供だったが、子供だった由紀の目にも、父と母は仲がよい夫婦に見えた。
父も母も、お互いのそばにいるときは、この上なく幸せそうだった…
>> 207
そうこうしているうちに、菜穂子と由紀を迎えに行く時刻が迫ってきていた。
西田は、何とか菜穂子だけを島津と会わせたいと考えていた。
一方、食事も終わり、デザートも食べ終わって四人はお茶を飲んでいたが、やはり大輔は、時おり由紀に淫らな視線を向けていた。
親父が再婚したら、ひとつ屋根の下で暮らすわけだから、やれるチャンスだって
いや、こんないい女、それまで待てないや
大輔は中学生ですでに何人かの女とセックスしていたが、相手になった女はたいてい、場合によってはカネで簡単に身体を許すような不良少女か、自分の母親ぐらいな年齢の女で、由紀のような美人で上品な少女ではなかった。
うまくいけば、ひとつ屋根の下で、毎日やりたい放題だよな
由紀は、時おり感じる大輔の視線がたまらなく嫌だった。
西田さんが早く迎えに来ないかな
由紀は思っていた…
>> 206
西田には、菜穂子を愛していながら、島津がためらう気持ちも痛いほどわかっていた。
西田も、昔、菜穂子にあこがれていたからである。
西田は、菜穂子への気持ちを封印し、田沼滋がすすめる見合いの相手だった広恵と結婚した。
広恵は、菜穂子とちがい平凡な容姿の女だったが、気立てもよく、子供にも恵まれ、それなりに幸せだし、由美子と結婚してよかったと思っている。
だが、菜穂子に対するあこがれは消えることはなく、西田は菜穂子の幸せのためならどんなことでもしようと決めていたのだ。
若かった菜穂子が、島津と恋におち、田沼滋から反対されていても、田沼滋の目を盗んで積極的にデートに協力したこともあったのだ。
西田は、菜穂子の幸せのために というのもあったが、島津とウマがあい、島津を好きになったからでもあった。
西田「島津さん、あなたの気持ちも僕なりによくわかるつもりです。でも、このままでは駄目です。僕に考えがあります…」
西田は、田沼滋や猿渡には極秘で、島津と菜穂子を会わせよう と考えていた…
>> 198
一方、島津は、だんだんと体力も回復し、少しずつ起き上がれるようになっていた。
流郷は、友人の五十嵐からも、それとなく島津の身の上を聞いていた。
だが、島津の前では、何も知らないように振る舞っていたが…。
流郷は、島津が最初、土管の中で寝ていたことを思いだし、すべてを察した。
流郷は島津に言った。
「もしも、仕事もなく、行くところもないのならしばらくここにいませんか…。ごらんのとおりのちっぽけな町の診療所だし、看護師も置けないぐらいの貧乏医者なんで、彼女もいないし結婚だってしてないんですよ。ひとり暮らしだから気兼ねはいりませんよ。庭の草むしりとか、結構やることもあるし、できることをしてくれたらいいんです」
狭い診療所の裏には、多少老朽化はしているが、流郷の自宅になっている平屋の家があるので、島津とふたりで暮らしても問題はなさそうだった。
島津は、流郷の申し出を受けることにした…
>> 192
猿渡の妻は、大輔が7歳の時に病気で他界したが、猿渡は、社長として仕事に追われる毎日だったので、大輔の世話は家事代行の人間に任せっぱなしだった。
猿渡は、仕事でかまってやれない負い目と、母親のいない寂しさを、豊富な小遣いで補っていた。
そのため、大輔は、父親の幸三の前ではいい子を演じていたが、裏ではかなり遊び放題で、中学生でありながら、酒やタバコもひととおり経験し、すでに何人かの異性と遊びで肉体関係も持っていたのだった。
大輔も、猿渡に似てそこそこ顔立ちもよかったことと、豊富な小遣いで遊んでいるうちに、ちょっと柄のよくない高校生たちと知り合い、つるんで遊ぶようになったせいもあったため、異性とセックスするチャンスも生まれたのである。
大輔は、
親父が再婚したら、この女が俺の姉さんになるのか
こんな美人の姉ができて、同じ家に暮らせば、うぶな弟を装おって、夜中に部屋に忍び込むか、誰もいない時に無理矢理やっちまうとか…
不良高校生たちとつるんで遊んだとき、大輔は、強姦に近いようなこともやったことがあったので、なに食わぬ顔で食事をしながら、由紀を無理矢理押さえつけ、犯す想像をしていたのだった…
>> 190
そして日曜日。
待ち合わせは猿渡グループが経営するファミリーレストランのひとつで、時間は正午だった。
菜穂子はラフすぎず、フォーマルすぎでもない藤色のワンピースを着ていた。
藤色のワンピースは、色白の菜穂子によく似合い、菜穂子をより美しく見せていた。
由紀も、上品な感じのワンピースを着ていた。
ふたりが西田の運転する車で、指定されたファミリーレストランに到着すると、スーツにネクタイの出で立ちの猿渡がすでに到着していた。
「やあ、菜穂子さん。きょうは来てくれてありがとう。そのワンピース、とても素敵ですよ。きょうの菜穂子さんはとても美しい…」
と猿渡は感激した口調で菜穂子に言ってから由紀を見て
「由紀さんですね。初めまして。猿渡幸三といいます。横にいるのは息子の大輔です」
そう言われて由紀は、猿渡の横にいた大輔を見たが、何となく、大輔が、品のよくない表情をしているのが気になった…
>> 188
猿渡が指定してきた日は日曜日だった。
由紀にその話をすると、由紀はちょっと難色を示した。
その日は、奏と一緒に図書館で勉強しながらデートの予定だったからである。
奏と由紀は、田沼滋から認められ、一緒に登校だけでなく交際することも許されていた。
ただし、節度を守れ とは言われていた。
要するに、高校生で肉体的なつきあいはするな ということである。
奏も高校生で年頃の健全な男子である。
ひとりのときは、由紀の身体のことを想像することもあるし、由紀にキスしたい、裸になった由紀を抱きたい と考えることもあった。
だが、奏は、そう思いながらも、田沼滋が交際を許可してくれたことが嬉しかったので、田沼滋を裏切るようなことはすまい と心に決めていた。
それだけでなく、由紀を心から大切に思うようになっていたこともあった。
まだ今は高校生だけど、大学に入って、就職したら由紀と結婚しよう と奏は思っていたのだ…
>> 183
求婚者の猿渡幸三は、年齢は50歳。
田沼滋がすすめてきた再婚相手候補のひとりだった。
リゾートホテルやファミリーレストランを経営する猿渡グループのオーナー社長であったが、7年前に妻を亡くし、子供は、中学生の息子がひとりの男やもめであった。
猿渡幸三は、半年前、見合いの席で菜穂子を見初め、田沼滋に菜穂子との縁談を積極的に働きかけていた。
菜穂子は、父親の田沼滋に泣きつかれ、見合いだけなら としぶしぶ出かけた席だったのだが…。
田沼滋も、猿渡との縁談にはかなり乗り気であった。
「向こうにも、由紀と年齢の近い息子がいるんだし、子持ち同士なら気がねもいらないし、なんたって猿渡グループの社長なんだから…」
しかし、やはり菜穂子は、猿渡に断りの返事をした。
猿渡も、年齢のわりには若く見え、島津ほどではなかったが、まずまずイケメンの部類に属する顔立ちだし、43歳の菜穂子とも年齢的にはまずまず釣り合いもとれている。
だが、菜穂子の胸には、夫の島津への愛が消えることなく残っていた。
猿渡は、断られても諦めず、菜穂子にアプローチを続けていたのだが…
菜穂子はこの
押しの強い男に
少しずつ気持ちが傾きかけてきていた。
男は毎日のようにチャイムを鳴らした後、玄関先に花束を置いて帰るのだ。
島津を思いつつも
菜穂子はその美しい花束を複雑な気持ちで見つめた…
>> 173
ニーチェの原書は、亡き島津の父親が、まだ中学生だった島津に与えたものだった。
中学生の島津には、全くわからなかったが、父親は
「大人になったらな、これを読めるようになれよ」
と、島津に言ったのを覚えている。
奇しくも、ニーチェの原書をもらってから間もなく、島津の父親は交通事故で突然他界した。
島津の父親は公務員だったので、母親とふたり残されても、生活にさほど困ることはなかったが、島津には、ニーチェの本と、父親の言葉がいつまでも胸に残っていた。
高校卒業後、本格的に語学を勉強したのも、父親の言葉が胸に残っていたせいもあった。
そして、原書を読めるようになった時、島津は感銘を受けたのだった。
語学を必死で勉強したおかげで、後に自分で輸入食器会社を興した時に大いに役立ったのだが…
>> 157
まだ、一緒に登校はできてはいなかったが、田沼滋の態度がかなり軟化していて、今度、奏は田沼滋から自宅に招かれているのである。
もちろん、一緒に登校できてなくても、あれから奏と由紀は毎日ラインでやりとりをしていた。
奏が由紀を好きなだけでなく、由紀も奏に惹かれていた。
由紀は、ラインでやりとりをするうちに、だんたんと奏に心を開き、11年前由紀の父親が母親と離婚して行方不明になり、現在もどこでどうしてるのかわからないことを、奏に打ち明けた。
父親が行方不明になったのは、由紀が6歳で、小学校に入学したばかりの時だった。
奏は、由紀の事情を知り、そんなかげりなど少しも見せない由紀を改めて好きになった…
>> 149
島津「いや、君の気持ちは嬉しいが、君の家には奥さんや子供がいるんだし、そこへ他人の私が図々しく居候するわけにもいかないよ。それに私はまだ完全に回復したわけじゃないから、しばらくはまだここにいなければいけないだろうし…」
あとで、医師の流郷に聞いたところ、島津は肺炎をおこしかけていて、あと何日か発見が遅れていたら生命の危機だったという。
意識が戻って、ひとまず危機は脱したとはいうものの、まだ熱はあり、長年のホームレス生活や慣れない仕事の無理がたたって、体力も弱っていた。
流郷「確かに、もうしばらくはここにいたほうがいいと思う。体力が回復してきたら、また今後のことを考えればいいし、今決めなくてもいいんじゃないか?」
五十嵐は、それも一理あると思った…
>> 147
五十嵐「そうですよ。僕がまだ子供だった頃、島津さんは大学生でしたよね。その頃、父を訪ねてよくわが家に来られてましたね。大学を卒業されて、会社を興す前に商社に就職されて、きれいな奥様と来られた時もありましたね…」
島津「そうだっだね。あなたの父上のお母様のカルさんからもよくしてもらった…」
五十嵐「祖母は今も元気ですよ。ひ孫ができたと喜んでくれて」
島津「ひ孫…、じゃあ、君は結婚したのか…」
五十嵐「はい、去年ですが…」
妻になった五月を嫌いではないし、五月が産んだ女の子・美也子も、肉体的には自分の子に間違いはないのだが、精神的には、五月と、魂が入れかわった康成との間にできた女の子 という気持ちがぬぐえず、さほど可愛いとは思えないのだが、そんなことまで島津に話す必要はなかった…
>> 145
流郷の横に五十嵐が立っていた。
五十嵐は、島津の様子をときどき見に来ていたのだが、五十嵐は、島津が、死んだ自分の父親の大学の後輩として、昔よく家に来ていたことを思い出したのだった。
死んだ五十嵐の父親は、面倒見のよい性格だったので、五十嵐の父親を慕って五十嵐の家にはいろいろな人が訪ねていた。
父親の部下だった舅の朝倉俊三や、島津もそうだった。
島津は昔、輸入食器会社の社長をしていて、買い付けのために外国へ行くこともあり、英国やフランス語は堪能だった。
多額の借金を背負って会社は倒産した と風の噂で聞いてはいたが…
五十嵐は、目の前のみすぼらしい島津の姿が信じられない気分だった…
>> 137
五月は
「今どき“子”のつく名前なんて」
と言ったが、五十嵐が半ば強引に決めてしまったのである。
舅の朝倉には好評だったので、結局五十嵐の主張が通ったのだが…。
そして、もとに戻った康成も、美也子が産んだ男の子に“皐月”と名づけた。
幸い美也子はその名前を喜んだ。
さすがに康成は、五月の名前をそのままの漢字で使うのは気が引けたので、字は変えたのである。
康成も五十嵐も、もとの肉体に戻ったので、当然のことながら、美也子や五月に対する態度も微妙に変化していった。
その話はひとまず置いて、五十嵐は友人の医者がやっている町の医院に駆け込み、事情を説明した。
五十嵐の友人の医者の流郷(りゅうごう)は、五十嵐から事情を聞くと、すぐさま島津が寝ている土管へと向かった…
>> 133
運命のいたずらで、長年忘れられなかった菊池美也子の夫の菊池康成と魂が入れかわってしまい、康成になった五十嵐は、身も心も美也子を愛し、美也子は肉体の悦びを知ると同時に、結婚して10年以上たって妊娠もしたのである。
身体は康成なので、康成の子だが、五十嵐は自分と美也子との子供だと思っている。
自分の身体になった美也子の夫の康成が、自分が以前家庭教師をしていた朝倉五月と結婚して、子供を作っていたのには驚いたが。
そう、同じ時期に妊娠した美也子と五月は、同じ日に産気付いたのだった。
連絡を受けて五十嵐も康成も走って産婦人科に駆けつけたのだが、産婦人科の門の前で思い切りぶつかったふたりは気を失い、魂が入れ替わり、もとに戻ってしまったのであった…
>> 126
数日後、興信所からの報告書が、田沼滋のもとにひそかに届けられた。
興信所の報告によると、桂川奏の父親は、桂川商事という商事会社の社長をしている。
会社の経営状態も、堅実で、そう悪くはない。
桂川奏の母親は、結婚前はピアノ奏者として交響楽団にいたこともあり、結婚を機に専業主婦になっている。
奏には国立大に通う大学生の兄と、全寮制の私立の中学に通う弟がおり、奏は次男坊である。
子供の頃、身体が弱かったせいで、奏の父親がボクシングジムに通わせいて、現在も運動のために時たま通っている。由紀を助けることができたのもボクシングのおかげだが、普段はボクシングが出来ることなどけぶりにも出さず、成績も学年では上位で、おだやかでやさしく、クラスでも慕われているという、反対する理由を見つけることのほうが難しい高校生だった。
田沼滋は、報告書を見て、もう由紀と一緒に登校することを許す気になっていたが、それでも一度自分の目で桂川奏を見てみたい と思った…
>> 125
田沼滋は、菜穂子が部屋を出たあとに、西田に
「西田、お前は昼前、その男子高校生を見たんだろう?どんな感じだった?」
と尋ねた。
西田は
「育ちの良さそうな、今どきの高校生らしくない雰囲気でしたが。栄高校の制服を着てましたね」
と言った。
田沼滋は
「確かに栄高校なら、由紀の学校とも近いが…。栄高校は学力レベルも高いし、比較的良家の人間が通っているところだから心配はないと思うが…」
と言ってからしばらくして
「私が昔から信頼している興信所に頼んで、その桂川奏という高校生の身元調査をしてもらおう。菜穂子に返事をするのはそれからでも遅くはない。くれぐれも、興信所の件は菜穂子や由紀には気取られないようにな…」
と言った…
>> 124
田沼滋は、当然のことながら、菜穂子の頼みでも、すぐに首を縦にはふらず
「考えておく」
と言っただけだった。
菜穂子は由紀に
「頼んではみたけど、おじいさまは承諾しなかったわ。でも、おじいさまはそんなにひどく反対はしなかったから望みはあると思うの。奏さんにも伝えて…」
と言ったので、由紀はその夜ラインで
“お母さんがおじいさまに頼んでくれたけど、すぐにはうんと言ってくれなかったみたい。でも、必ず説得するって言ってくれたから、もう少し待ってほしいの”
と、奏に伝えた。
奏は由紀からのラインを見てちょっとがっかりしたが、すぐさま由紀からラインがあり
“早く桂川くんと一緒に学校に行きたい”
とあったので、奏は嬉しかった。
そして奏は、由紀に恋をしたことに気づいたのだった…
>> 113
奏はアンティークなソファーや机などの家具が配置された応接室に通された。
しばらく待っていると、菜穂子がみずから紅茶を入れたカップをのせた盆を持って入ってきた。
菜穂子は、紅茶を奏にすすめ、奏の向かいのソファーに座ると
「あなたのことは由紀からも聞いていますわ。危ないところを助けてくださったそうで、ありがとうございます」
と、まず奏にお礼を言った。
「あの子の祖父…、私には父ですけど、あれ以来ずっと自分の車を使わせて通学させていて。もちろんあんなことのあったあとだし、仕方ない部分はあるんですが、他の子はみんな電車やバスで通っているので、ひとりだけ車で送り迎えされるのが恥ずかしいらしいんです。あの子も、本当は電車で学校に行きたいみたいで…」
と、菜穂子は奏に話した。
由紀は、菜穂子には、奏に助けてもらったことや、本当は電車で通いたいし、奏がボディーガードになると言ってくれていることを話していたのだった…
>> 100
田沼家専属運転手の西田保は、もう20年近く田沼家で働いている。父親も田沼家の運転手を長年勤めていて、父親のあとをつぐ形で、田沼家運転手として働くことになった。
採用されたばかりの頃は、西田もまだ20代の青年で、田沼滋だけでなく、娘の菜穂子の用事で運転することもあり、美しい菜穂子にほのかな憧れを抱いていたが、所詮は菜穂子と自分は釣り合うわけもないという諦めの気持ちもあったので、採用されて2年後に、田沼滋がすすめた見合いで知り合った女性と結婚し、子供にも恵まれ、それなりに幸せな生活をきずいている。
しかし、結婚しても、子供が生まれても、菜穂子に対するほのかな憧れが消えることはなく、そのため、菜穂子が島津雅彦と恋に落ち、田沼滋の目を盗んでデートするときなど、菜穂子に積極的に協力したりもしていたのである。
それに西田は、島津とも結構ウマがあい、菜穂子と島津が結婚してからも、島津ともわりと交流があったのである。
島津が離婚後、蒸発してからは、もちろん西田とも音信不通であったが…。
西田は車に乗り、運転しながら、
そうだ、島津さんに似ていたんだ。あの作業員は…
と、思い出していた…
>> 97
その日、由紀が家に帰ると、朝の事件のことはすでに学校から連絡があったようで、菜穂子と祖父の田沼滋、祖母の美恵子の心配ぶりがただ事ではなかった。
祖父の田沼滋は、
「だから電車通学なんか危ないと言ってたんだ。由紀は菜穂子に似て美人なんだから不良学生たちから目をつけられたりするんだ。明日からは、わしの車を使って学校に通いなさい。いいね、由紀」
と言ったが、由紀は
「でも、おじいさま。友達や他の子はみんな電車で通ってるし、私だけおじいさまの車なんて…」
と言った。
だが、祖父は
「駄目だ。またこんなことがあったらどうする。駅員の話によれば不良学生たちはお前にイタズラする寸前だったらしいじゃないか。可愛いお前をまたそんな目にあわすわけにはいかん。これは命令じゃ、わかったな、由紀」
と言下に由紀に言ったので、由紀はもうそれ以上に言えなかった…
>> 95
そう決意した島津ではあったが、菜穂子の父親である田沼滋にもともとよく思われていなかったことや、保証人になったために莫大な借金を背負ったとき、かなりな迷惑をかけたことなどを考えると、やはりある程度の経済力をつけてから とも考えていた。
興信所の調査で、田沼滋がしきりに菜穂子に再婚話を持ち掛けていることなども報告があったので、よけいに、着の身着のままでは帰れない と思っていた。
しかし、妻や娘の姿をせめて遠くからでも見たい との思いも強く、偶然にも由紀の通う青蘭女子学園の近くに日雇い仕事があるのを見つけ、日雇い仕事に汗を流しながら、遠くからそっと由紀を見るだけの毎日だったのだが…
>> 94
ホームレス生活から足を洗い、いつかは家族のもとに帰りたいとひそかに願う島津だったが、さすがにすぐにも帰れず、ホームレス時代にこっそり隠し持っていた金で、まずは興信所に妻の菜穂子と娘の由紀が現在どうしているのかを調べてもらうように頼んでいた。
菜穂子がもしも再婚していたなら、もうふたりに会うことは諦めようと島津は思った。
興信所の調査結果では、妻の菜穂子と娘の由紀は、菜穂子の父親である田沼滋のもとに身を寄せており、菜穂子は離婚後も島津姓を名乗ったまま再婚もしていないとわかった。
ひとり娘の由紀ももう17歳で、青蘭女子学園に通っていることもわかった。
興信所が隠し撮りした菜穂子や由紀の現在の写真を見たとき、島津は思わず涙をこぼした。
菜穂子…、昔とちっとも変わっていない…
由紀、昔の菜穂子に似て、可愛い娘になったな…
島津は、いつかは必ずふたりのもとへ帰ろう と固く決意したのだった…
>> 91
奏は、由紀に言ったように、子供の頃は身体が弱かった。
虚弱体質というわけでもないが、すぐに風邪をひいたり病気がちだったので、心配した奏の父親が、昔の友人が当時オープンしたばかりのボクシングジムに奏を通わせることにしたのだった。
ボクシングジムは、子供向けのコースもあり、奏はオーナーでありコーチでもあった稲森の教えで、身体を動かすことやボクシングの楽しさを知り、それにつれて身体もだんだんと丈夫になっていったのだった。
奏は、プロボクサーになるつもりもなく、あくまでも運動としてボクシングを続けていたが、稲森からも、ボクシングの技は凶器にもつながるので下手に乱用するなと厳しく言い渡されていたし、友人にも誰にも、ボクシングジムにたまに通っていることはだまっていたのだった。
だから、奏にとっても、ボクシングの技をジム以外で使ったのは今回がはじめてだったし、尾形をなぐったときもかなり手加減はしているのだった(それでも一般人にすればかなり痛いとは思うが)。
奏は、由紀を守るためにボクシングが役に立ってよかったと思っていた…
>> 90
奏は、うずくまっている尾形を、駅員につきだした。
車内で尾形が、由紀に迷惑行為をしていたことは電車に乗っていた男たちが証言してくれた。
尾形を駅員に引き渡し、ホームで次の電車を並んで待っている時に、由紀は奏に
「ありがとうございます…」
と、お礼を言った。
奏が、お礼を言った時の由紀の笑顔の可愛さにドギマギしながらも
「いや、いいんだよ。それより学校遅刻になっちゃったね。まあ、駅員さんが学校に電話してくれたからいいけどさ」
と言った。
由紀は、サラサラの髪や、整ったきれいな顔立ちで喧嘩なんかしそうにない外見の奏が、なんであんなに強いのか意外な気がした。
奏は、由紀のそんな思いを見抜いたかのように
「僕、子供の頃、身体が弱くてさ、親の知り合いがやってるボクシングジムに通ってたんだよ。別にプロボクサーになるつもりはないけど、ジムでサンドバッグ叩いたり縄跳びしてたりすると、ストレス解消にもなるから、今もたまに通ってるんだ」
と笑って言った…
>> 89
奏は
「次の駅で降りてもらおうか」
と、至って冷静に男子高校生たちに言った。
由紀の胸にさわっていた、いちばん図体のデカイボス格の男が
「おう、相手してやるぜ」
と言い、電車が次の駅に着いたところで、奏と高校生たちも電車を降りた。
ボス格の高校生・尾形はなぜか由紀の腕をつかんで一緒に電車を降りた。
尾形は、
「お前をボコボコに叩きのめしてから、この女をお前の目の前で輪姦(まわし)てやるぜ」
と不適な笑いを浮かべて奏に挑みかかったが、次の瞬間、奏から腹にボディーブローを食らった。
尾形は
「ぐえっ…」
と、こみ上げる吐き気をこらえながらなんとか立ち上がったが、腹を押さえてうずくまってしまった。
ボス格の尾形があっけなくやられたことで、他の奴らはこそこそと逃げていった。
電車に乗っていて、どうなるのか気になって一緒に降りた男たちは、奏に拍手した…
>> 87
もちろん由紀が、電車に乗ってるどの女子高生よりも群を抜いてかわいかったからだが、桂川奏も、毎日同じ電車に乗る由紀のかわいさが気になっていたひとりだった。
由紀に絡んでいる数人の男子高校生は、ちょっと先の男子校の生徒で、その男子校は柄がよくないことでも有名だった。
「青蘭女子のネーチャン、俺たちとデートしようぜ」
「デートがダメなら断り賃くれよ。なんなら身体でもいいんだぜ~」
由紀は
「やめてください…」
と必死で言うが、電車に乗っている他の高校生や大人たちも、トラブルを恐れて見て見ぬふりをするしまつ。
そのうちに不良男子高校生たちは、可愛い青蘭女子の制服に包まれた由紀の胸をさわりはじめた。
「ネーチャン意外といい乳してんじゃん。これから学校サボってさ、俺たちといいことしようぜ。いっぱい感じさせてやっからさ~」
由紀が泣きそうな顔で顔をそむけている。
大人たちも、見て見ぬふりをしながら、興味本意でニヤニヤ見ていたり、あんまりかわいくない他校の女子たちは半ば いい気味 みたいな目で見ていて誰も絡まれている由紀を助けようともしなかった。
胸をさわっていた不良男子高校生のひとりが、由紀の制服のベストの中に手を入れて、下のブラウスのボタンを外しはじめた。
ひとりはスカートの中に手を入れようとしている。
その時だった。
奏が
「やめろよ!」
と大きな声をあげた…
>> 82
ある日、菜穂子は由紀の部屋をそっと訪れ、由紀にどことなく元気のない理由を思いきって聞いてみた。
由紀は、はじめはためらって、なかなか理由を言わなかったが、奈穂子の優しい問いかけに、とうとう本当の理由を話した。
奈穂子は優しく由紀に微笑んで
「バかね…、由紀。お母さんは由紀のことを重荷だなんて思ったことなんて一度もないし、再婚なんて考えてないわ。お父さんはきっと、お母さんと由紀のところに帰ってくる ってずっと信じてるのよ。もう11年も…」
と言って由紀を抱き締めた。
奈穂子「本当は、実家になんか帰ってこないで、私が働いて由紀とふたりで生きていけばよかったかもしれない…。でも、お父さんが、離婚のときに、経済的に不自由のない実家にいるほうがいい と言ったし、お祖父さんやお祖母さんにとってはあなたはたったひとりの孫ですもの。だからそばにいてあげることがいいと思ったから…」
奈穂子の姉である美穂子の夫婦には子供がなく、田沼滋にとっては由紀がただひとりの孫であることは変わりないのだった。
奈穂子に似て美しく、聡明で素直な由紀を、祖父・田沼滋が可愛がっていることも事実だった…
>> 80
祖父母は、些少ではあるが、先祖代々からの土地を受け継ぐ地主だった。
土地は郊外にあり、些少なのでさほど大地主というわけでもないが、昔ながらの地主という祖父・田沼滋のプライドは高かった。
祖父母には娘だけふたりいて、菜穂子の姉で由紀には叔母にあたる美穂子は早々と他家に嫁いでしまったので、祖父母は菜穂子に婿をとらせたがっていたが、菜穂子も島津雅彦と恋に落ち、祖父母の反対を押しきって結婚したのだった。
それでも島津が輸入食器会社を興し、成功していた間は、祖父母もなにも言わなかったのだが、島津が保証人になり、家や社屋が抵当にとられてなくなり、島津が菜穂子と離婚して蒸発してしまってからは、由紀とともに身を寄せる菜穂子に、祖父・田沼滋はしきりと再婚話を持ち掛けてくるのだった。
祖父はある時菜穂子に、
「由紀がいるせいで再婚をためらってるんだったら、由紀はわしらの養女として戸籍を移して、わしらの子として成人するまでなんとかわしらが育てる。お前もあんな男のことははやく忘れて、わしの土地を継いでくれるような男と再婚してほしいんだ。わしらもいつまでも元気なわけでもないし、お前だってまだ40をちょっと出たばかりじゃないか。まだ若い今のうちになんとか、わしらの願いを聞いてくれ…」
と言っていたのを由紀は聞いてしまったこともあったのだった…
>> 59
ミシェルはフランスに強制送還されることになったが、心のどこかでホッとしている自分に気づいてもいた。
日本に来ても、ほとんど日本語もわからず、ホームレスの生活にも疲れていたからだ。
ホームレスの人々は結構親切だったが、残飯を漁ったり、何日も風呂に入らず着の身着のままの生活。
家を売ったおカネも、日本に到着してすぐに、日本の円に両替して、しばらくは赤坂や有楽町のホテル暮らしだったが、快適で有名なホテルはとても高く、いつまでもいられるわけはなかった。
赤坂や六本木で日本の女を身振り手振りでナンパし、成功しても彼女たちは必ずミシェルに金を要求してきたので、日本の女にも辟易していたミシェルだった…
>> 43
ミリアン(ゼナ)は、例のスキャンダル以来かなりな売れっ子になっていた。
そのせいでとばっちりを食ったジャンだったが、ジャンはあれから、ユリアが元気がなくなっていたのをずっと気にしていた。
ユリアは、ジャンをミリアンに取られてしまったようで面白くなかったのである。
ジャンは、ユリアに会い、なぜ元気がないのか問いただした。
そして、その流れで、ユリアに告白したのである。
ユリアも、ジャンを好きだったので、ジャンの告白は嬉しく、半年後 ーそう、マシューに双子のライアとアリスが生まれた直後ぐらいにー ユリアとジャンは結婚したのである。
ジャンは、ユリアと交際するようになると、ミリアンとテレビに出ることをきっぱり断った。
ミリアン(ゼナ)はさびしかったが、ユリアは幼なじみでもあるし、ジャンの言い分を聞き入れ、二人を祝福した…
シモーヌももちろんひ孫の誕生が嬉しく、マシューの双子の赤ちゃんとともにマリオを可愛がった。
マリオと、マシューが産んだ双子、ライアとアリスは、こうやって、ほとんど3人一緒にいることが多くなっていくのであるが…
>> 36
自分でアパルトマンを借りて、ほとんど寄り付かないジュリアンも、やはり孫が生まれたことは嬉しく、たびたび、ピエールと夏海が暮らすアパルトマンに顔を出していた。
末期癌におかされたロベールは、生命力が強いのか、やつれながらも小康状態を保っているらしい。
ただ、そうは言っても、いつロベールの容態が急変するかわからないので、マリオは可愛いが、あまり長くいることもなく、帰っていくのであった。
ピエールは、年頃になってくると、父親には同性の愛人が数多くいて、母親とはすでに何年も事実上の夫婦ではないことを知るようになっていた。
たくさんの同性の愛人がいても、現在病気の為面倒を見ているロベールという男性を、父がいちばん愛していることも…。
しかし、たまに会うと、ピエールにとってはいつも優しい父親であったので、ピエールも、父親の生き方を完全に否定する気はなかった。
ただ、母が多少気の毒ではあるが、母は母で、結構割りきって生活を楽しんでいるらしいこともわかっているので、ピエールは、それはそれでいい とも考えていた…
>> 33
ミシェルが、日本でどうしているのかは、いずれ語られる機会もあろう。
シモーヌの下宿に移って1年たち、双子たちが一歳になる頃には、マシューはだいぶいろんな知識を身につけていた。
もちろん酒場などではなく、新しい普通の仕事も見つけ、マシューは、シモーヌの下宿に住んで、シモーヌやアンナの協力も得ながら、双子を育てていくのである。
話が前後するが、ピエールと塩川夏海にも子供が誕生した。
可愛い男の子で、夏海はその子に、“マリオ”と名付けた。
“マリオ”は、日本人の名前にもあるからで、いずれ日本で暮らす日が来るかもしれないと考えて夏海は名付けたのである。
マリオの誕生を知った師の二階堂からは、祝福のメッセージと、盛大なプレゼントが贈られていた。
母になった夏海は、以前よりもさらに美しくなっていた…
>> 19
半年経ち、スクープは沈静化し、ミシェルはスクープ当初ほど好奇の目では見られなくはなっていたが、マシューからはネチネチと責められ、誰にも言わずにフランスを離れたい気持ちは変わることはなかった。
ただ、ミシェルは日本語がほとんどできなかったので、ミシェルも、日本に行くのはいいが、日本に着いてからのことを全く考えていなかったのが、なんだかんだいってもボンボンなのか、いい年なのに世間知らずというのか…。
日本人女性と交際していた時は、相手の女性がフランス語が堪能だったため、日本語がわからなくてもなんとかなっていたからである。
それはさておき、ミシェルが蒸発したとわかり、産後まもないこともあって、マシューは半狂乱になった…
>> 18
ミシェルが、数ある国の中から日本を選んだのは、以前、元妻のアマンダに隠れて、観光に来ていた日本人女性と短いラブアフェアを楽しんだ思い出があったからだった。
彼女が日本に帰国するまでのつきあいだったが、彼女とつきあって、日本人女性のよさを発見していた。
ベッドも魅力的だったし、あんな女性たちのいる国に行って暮らせたら…
ミシェルは、現象逃避の意味もあり、そんなことを考えるようになったが、さすがにすぐには実行には移せなかった。
結局、ミシェルが誰にも言わず、日本へ渡ったのは、それから約半年ほど経ってからだった。
ミシェルが朝、普段通りに会社に行くと言って出ていってしばらくして、マシューが産気付き、病院で双子を産んだ。
ミシェルに連絡しだが、ミシェルは無断欠勤をしている と言う。
その頃、ミシェルはすでに日本へ向かう飛行機の中だった…
>> 1
みんスト8のあらすじを簡単に書くのはむずかしいのですが、とりあえず舞台は現代のフランスであります。
ニューハーフタレントのシータは…
ミシェルは、酒場でシータと盛り上がり、シータと連絡先を交換して別れると、連絡先のメモを見ながらひとりにやついていた。
さっきの美人も、どっかで見たような感じだったけどな…
家に帰れば、マシューが待っていた。
そろそろお腹も目立ちはじめている。
妊娠のイライラを、自分に向けてるんだろうな と思うと、多少同情するが、やはり憂鬱だった…
- << 5 ミシェルはお腹が大きくなったマシュー とセックスが出来ない事もあり シータへの欲望を膨らませていた。 それでは参加させて頂きます。😊
みんスト8のあらすじを簡単に書くのはむずかしいのですが、とりあえず舞台は現代のフランスであります。
ニューハーフタレントのシータは、ライバルのミリアンの人気を妬み、自分も誰かとスキャンダルを起こそうかな と盛り場を物色していたが、目をつけたのは、イケメンだが女ぐせの悪いミシェルだった。
ミシェルは、若い頃に結婚した年上の妻のアマンダと離婚し、妊娠した若い愛人のマシューと同棲していたのだが、マシューが最初のしおらしさはどこへやら、鬼嫁化してきたので、連日飲み歩いていたところを、シータに声をかけられたのであった…
- << 3 ミシェルは、酒場でシータと盛り上がり、シータと連絡先を交換して別れると、連絡先のメモを見ながらひとりにやついていた。 さっきの美人も、どっかで見たような感じだったけどな… 家に帰れば、マシューが待っていた。 そろそろお腹も目立ちはじめている。 妊娠のイライラを、自分に向けてるんだろうな と思うと、多少同情するが、やはり憂鬱だった…
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