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きる( lbwJnb )
12/04/15 23:38(更新日時)

どんなものでも

あなたの望んだ通りのものが届きます。

どんなものでも……

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No.1699335 11/11/04 23:04(スレ作成日時)

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No.2 11/11/04 23:27
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


結婚して十数年

毎日毎日同じことの繰り返し

無関心な夫
自分勝手な子供

虚しかった

寂しかった

そんな時、目にとまった

『どんなものでも』って?

そして、私は堕ちていった……





No.3 11/11/04 23:51
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


そこは『通販のサイト』ではあったが
商品案内が何も無かった

ただ

『必ずご満足いただけます』
『お支払は、あなたに可能な形で』

とだけ記載されていた

一目見ただけで、おかしいしし

まともな大人だったら引っ掛かるどころか

気にもとめないだろう

私は、どうかしていた





No.4 11/11/05 01:17
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


その時の私は

そのページが
なんとなく気になり、眺めていた

そして
催眠術にかかったように

『恋人』と入力

カチッ

手続き完了

『そんなもの、来るわけないし……ね』





No.5 11/11/05 01:57
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


そんな『注文』も忘れた頃だった

その日は特に予定もなく
ひとり、ウインドウショッピング

ゆっくり街を歩いていた

声をかけられ、見ると

スラッとした男の人

スマートなイケメン

年がいもなく、ドキッとし、ぽぅ……としてしまっていた

「リナさん、はじめまして」

と、にっこり微笑んでいる

『なに、この人!?
しかも、どうして、私の名前を知っているの!?』





No.6 11/11/05 07:51
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リナ「あ、あの
何で、私の名前を知っているんですか!?」

彼「リナさんの『ご注文』ですから」

『!?』

わからない

何なの!?この人は
何を言っているの!?
変な人

それにしても
人間とはいい加減なものだ

正直

彼が『サエナイ男』だったら
無視して、その場から去っていたであろう

でも、彼は

カッコいい……





No.7 11/11/05 16:23
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


そんな彼に声をかけられ正直、嫌な気はしない

彼に見とれながら

『一体何なの?』
と、必死に考える

『えっ!?まさか!』

彼「ようやく分かったみたいだね
『あれは』冗談なんかじゃないよ
『必ずご満足いただける商品』
だから、期待して」

と、耳元で囁かれ
ドキッと、する
同時に怖くなったが、

彼の優しく甘いルックスに
完全に堕ちていた

悪魔との契約
地獄への導き
とも知らずに……





No.8 11/11/05 21:41
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


彼「リナさんが
今日はフリーだっていうことは
知っているから

じゃあ、始めようか

恋人なんだからさぁ、デートだよね

どのくらい親密な関係がいい?

まだ知り合ったばかりの初々しいカップルがいい?

今からホテルでもいいよ
大人なんだし、面倒なことはとばしてさ

リナさんの希望通り
どんなことにも応じるよ

さぁ、どうぞ
お姫さま」

混乱したまま
現実味のない話を次々とされ
訳が分からず
どうしたら良いのか分からない

ぼぅ……と、してしまう

ただ

彼はとても感じの良い人で

居心地の良い人で

離れたくなかった

そして

放したくなかった





No.9 11/11/06 09:42
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


彼「リナさん?

何にも言わないけど、大丈夫?

緊張してる?

かわいいじゃん

じゃあ今日はオレに任せて

あ、オレ、リョウ

行こうか」

そう言うと
私の手を握り
歩き出した

リナ「えっ!?あの、ちょっと、えっ!??」

でも、悪い気はしない……

信じられない状況に混乱しながらも
私はその状況に酔い
何かを期待していた

私の日常では決して出会うことの出来ない
格好いい彼に手を引かれ

この先
私は何処へ向かうのだろう

『リョウっていうんだ……』




No.10 11/11/06 21:37
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウに手を引かれながら
我にかえる
『ちょっと、私、何しているの』

リナ「あの、ちょっと待ってください!」

リョウ「んっ?どうかした?」

リナ「どうかした?じゃないです!
何が何だか分からないし
えっと、あの、その……」

年下相手に
こんなに動揺して
情けないことに
上手く言葉も出ない

私、どうかしている

リョウは優しく微笑み

リョウ「全然『免疫』無いの?かわいい人だなぁ
とりあえず、そこのカフェ、入ろうか」





No.11 11/11/06 22:14
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


入ったカフェは
一人でも気軽に入る
慣れたカフェだった

いつもと同じブレンドコーヒーを注文

それにも、かかわらず
上手く口に運べないし
味も全然分からない

聞きたいことも沢山あるのに
しゃべれない

そもそも
細かい詳細を入力したわけでもないのに
何故、私のことを知っているのか?

そう
それだけでも
『普通の組織』ではないし
『恐ろしいこと』だ

冷静に考えれば
直ぐに気付くはずのことに
私は全然気付くことが出来なかった

完全に舞い上がっていた

あまりにも素敵だったリョウに……





No.12 11/11/06 22:46
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウ「リナさんが困惑するのは当然だよ
そんなこと最初から承知の上のこと

大丈夫
とにかく今日一日オレを試してみなよ

今後のことは、その後で決めればいい

今日は『試し』だから
リナさんに『かかる負担』は無し

でも、きっと
『注文』したくなるよ」

そう言って微笑んでいる

進むも
戻るも
私次第

進まなくては
今まで通り
何も変わらない
何も動かない

そうして私は
パンドラの箱をあけてしまうことになる





No.13 11/11/07 01:22
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウ「車、用意してある

ここで立ち止まったら
何も始まらない

行こう」

リョウの強引さが
かえって心地よい

『行こう』

そうして私は

会ったばかりの男の人と二人きり

慣れた場所を離れて行く

夢にも思わなかった時間を
過ごすために

忘れられない
蜜の時間を……




No.14 11/11/07 01:51
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウ「夕方には帰るから、心配しないで」

そう言って高速道路に入る

地理に疎い私は
どこへ向かっているのか
よく分からない

見慣れない景色が
現実を忘れさせてくれる

男の人と二人きりの車内
助手席に乗ることも久しぶり

少しずつ時間を重ねることで
緊張も少しとけてきた

リナ「あっ、海!」

リョウ「海……リナさん、好きだったよね」





No.15 11/11/07 11:36
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リナ「えっ!?何で、そんなこと知っているの?」

穏やかになってきた気分は一転
また緊張がはしり
怖くなる

そんな私に
リョウは穏やかに言った

リョウ「素直に今を楽しめば良いんだよ

せっかくここまで来て
この先、疑って、怖がって、いちいち考え込んでいくわけ?

同じ時間を過ごすのに
心底楽しんでも
疑いながらビクビクしていても
過ごす時間は同じだよ?

だったら
思い切り楽しんだ方がいいじゃん」

そうかも知れない
でも、そんな簡単にはいかない
でも、現実ここまで来てしまった

揺れ動いた

揺れ動きながらも

目の前に広がってくる綺麗な海

爽やかに気持ち良い潮風

現実離れした時間

リョウの存在

それらに惑わされ

もう
全てがどうでも良くなってくる

『溺れてもいい
本能のまま生きよう

きっと、もう
二度とあることではないから……』





No.16 11/11/07 22:16
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


平日の季節はずれの海辺に
人影は無い

穏やかに晴れた今日は
海も穏やかに波打っている

まるで二人だけの異空間にいるような錯覚に陥る

聞きたいことは沢山あるのに
ありすぎてまとまらない

そのせいで
逆に言葉数が減る

『今を素直に楽しむ……』
リョウの言葉がよぎり
段々全てが
ごく自然に受け入れられていった

そんな穏やかなゆっくりとした時間の流れの中で
いつの間にか
リョウとの隔たりは薄れていった

ついさっき会ったばかりとは思えない

リョウには
全てをゆだねてしまえる安心感があった
と同時に
性的にゾクッとするほど惹かれるものが見え隠れする……





No.17 11/11/08 05:50
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウ「リナ……」

少し前を歩いていたリョウは振り返り
優しく私を抱きしめた

驚き
何も出来ず固まってしまう

リョウ「オレたち『恋人』なんだから

力、抜きなよ」

『そう
リョウとは今は恋人として
ここにいる』

そう思うと徐々に
力が抜け
リョウを感じる……

スリムに見えるが
男を感じる胸

リョウの匂い

リョウの体温

リョウの鼓動

そっと顔を上げると

自然に唇が重なった……

リョウは優しく私の唇を開き
そっと舌を入れてきた

段々激しさを増すリョウに応えながら

砕けてしまいそうになる

『こんな熱いキス
何年ぶりだろう
違う……
こんなキス初めて』





No.18 11/11/08 15:36
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


唇がはなれ

リョウ「……もう、時間だ」

崩れそうになる私の肩をを
リョウは優しく抱き
歩き出す

『これで終わってしまうの……?』

複雑な切なく虚しい気持ちに襲われ
さっきまでとは違う思いに
揺れ動く

短時間の間に
いろんなことがありすぎて
朦朧とする

『もともと、あり得ないこと
これ以上何を期待するというの?

そもそもリョウと
ほんのひとときとはいえ一緒にいたことさえも罪

ここまでにすべきよ

ここで引き返すべきよ』

気付いたら
見慣れた風景が目に入ってきた

『戻ってきたんだ……』

切なさが増してくる

車に乗り込んだ場所に着いた

リョウ「今日の使い心地はどうだった?」





No.19 11/11/09 00:44
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


使い心地?

そう……
そうなんだ……

リョウは『注文商品』

そんなことを言われ

会ったばかりのリョウに心奪われていた自分が

悲しく、情けない、恥ずかしい

『使い心地』
こんな屈辱的なことを言われた時点で

冷静に気付き引き返せば
この先『支払う代価』を思えば

平凡でも、平穏な日々を過ごせたのだろう

今日を思い返しても

戻れるチャンスは
いくらでもあった

でも

出来なかった
ズルズルと誘惑に落ちていった

リョウには

離れたくなくなる
『何か』があった

リョウ「もし、気に入ってもらえたのなら
正式に契約手続きしておいて。
方法は同じだから
PCからよろしく」

リョウは
そう言い残していった





No.20 11/11/09 20:54
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウが目の前から去り

しばらく
ぼんやりと歩き続けていた

どこをどう歩いていたのか覚えていない

とにかく混乱して
落ち着かなかった

リョウとの時間は
夢だったのだろうか

違う

確かにリョウと過ごした時間は存在した

さまようように歩き続け

じきに自宅に戻っていった

そして、また

虚しく、つまらない日常が始まる





No.21 11/11/09 21:18
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


つまらない毎日が続いた

それでも
平凡を受け入れ
真面目に生きて行けば
報われる日が来たのかもしれない

でも
知ってしまった

甘い蜜の味を

知ってしまったがゆえに

更なる甘さが欲しくてたまらなくなった

欲望に取りつかれたら最後

コントロールはきかない
冷静な判断も出来ない

葛藤もあった

抑えられない

イライラする

『欲しい』

たまらなくなり

ページを切り替え
必死に探す

『あった!これだ』

そして

ついに悪魔との契約をしてしまう




No.22 11/11/09 21:55
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


手続きが完了し
急に怖くなってきた

初めてアクセスした時……

気になったものの
『冗談でしょ』
と、忘れていた

それにもかかわらず向こうは
こちらの『完璧な情報』を持って現れた

『お支払はあなたに可能な形で』
って一体どういうことなの?

不気味なことが多い……

『どうしよう
私、何てことを……』

全身から力が抜けていくような感覚に襲われる

それでも

リョウにもう一度会いたかった

どうしても会いたかった

『あのキス』が欲しかった





No.23 11/11/10 14:39
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


手続き完了後
すぐにメールが届く

タイトルは『リョウ』

怖い

でも、戻れない

まだ揺れ動いていた

全て強要されたものではない

全て自分の意志なのだから
潔くなれないのか

欲望に溺れながら
ビクビクする自分に苛立つ

そんな思いが頭の中を駆け巡り
混乱、動揺でガクガクと震える

『やはり止めるべきだった

私には
そんな度胸などないのに

バカだった』

いい歳の大人が
小さな子どものように泣きそうになりながら

震える手でメールを開く




No.24 11/11/10 16:21
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウからのメールは

『ありがとう

勇気を持ってアクセスしてくれて嬉しいよ

良い思い出作ろう

明日10時
この前出会った場所で待っている』

ごく『普通のメール』だった

それに安心し、親近感を覚えた私は、すっかり緩んでしまう

そして、明日の外出ために、てきぱきと家事を済ませていった

「お母さん、何か機嫌いいね
何かいいことあった?」

家族に言われ、ドキッとする

「まぁ理由なんて何でも良いよ
お母さんがイライラしていなければ、それで良いよ」

『えっ!?
私、そんなにイライラしていたの!?』

ショックだった

良い妻であり、良い母であると思っていた

家族のことを最優先し、欲しいもの、やりたいことを我慢してきた

贅沢をしないで、地味に頑張ってきた

それなのに

家族は、私のことをそんな風に思っていた

だったら

好きなことをして、適当に楽しんで、それで生まれる余裕が笑顔を生んで

その笑顔で家族が癒されるのなら

好きなようにした方が良い

リョウとのことで私が癒され

結果、家族が癒されるのなら

家族にとっても、良いことではないか



No.25 11/11/10 21:10
まーくん ( RSjL )


切ない😫

No.26 11/11/10 22:32
きる ( lbwJnb )

まーくんさんへ

きるです。

読んでいただき
ありがとうございます。

不規則にはなりますが、出来る限り『一日一回更新』を目標に続けて参りたいと思っております。

本当にありがとうございます。



No.27 11/11/10 23:06
りのすけ ( 7LlBnb )

はじめまして😄


設定と主人公の心の動きがとても面白いです✨

これから堕ちて行くのかなあ😱

応援しています✨
頑張って下さいね!

No.28 11/11/10 23:46
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


『今日の10時か……』

期待と不安、緊張に興奮

夜もほとんど眠れないまま朝を迎えた

十代の女の子の初デートのように浮かれている

何、着ていこう?
メイクは?

そんなことを考えているうちに

ふと、思う

『もう、何年も、自分にかまっていなかったんだ……』

可愛い服なんて無い

メイク道具も古くなっていて、今みんながどんな色を使い、どんなメイクが流行っているのかも、わからない

下着も……綺麗で可愛いものが無い

無性に悲しくなった

悲しくて情けなくて

涙が溢れてきた


いいオバサンの私が……

そんなことでメソメソ泣いている

さぞ、みっともなくて、滑稽な姿だろう

『会えない、もう、リョウには会えない、恥ずかしくて会えない』

メールが届いた

リョウからだ……



No.29 11/11/10 23:54
きる ( lbwJnb )

りのすけさんへ

きるです。

読んでいただき
ありがとうございます。

見ず知らずの方に読んでいただいている上に、応援までいただき、本当に嬉しく、ありがたいです。

本当にありがとうございます。



No.30 11/11/11 00:25
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


『おはようリナさん

体調はどう?

緊張したりなんか、していないよね?

リナさんはお客様
オレは商品

だから、リナさん、オレに気なんてつかうなよ

じゃあ、またあとで』

そんなメールだった

どこかで見ているのか?

タイミングがあまりに良すぎる

でも、そんなこと、もうどうでもいい

私は声をあげて泣いていた

そんな風に気づかってもらったことも
本当に久しぶりだった

もう、どんな関係でもいい

もう、どんな格好でもいい

『とにかく行こう』

唯一持っていたワンピースを着た



No.31 11/11/11 21:08
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


待ち合わせの場所へと急ぐ

何かから逃れたいかのように

報われない犠牲を払うことに
もう、疲れた

決して多くを求めていたわけではない

ほんの少しでいい
労ってほしかった

ほんの少しでいい
大切に思ってほしかった

ほんの少しでいい
存在価値を認めてほしかった

『私は私を生きたい』

私は
自分がこんなに張りつめ
ギリギリのラインにいた
という自覚が全くなかった

張りつめた糸は
とうとう限界を迎え
プツリと、切れた

リョウ!

リョウの姿が目に入る

思わず駆け出していた

ゆっくり近づいてきたリョウに

そっと肩を抱かれ

車へとエスコートされる


No.32 11/11/12 00:04
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウ「勇気を持って、よく来てくれたね」

私は胸がいっぱいで言葉にならない
ただ、頷くだけが精一杯だった

車がどこを走ってきたのか、わからない

一時間くらいしか走っていないにもかかわらず

着いた場所は
童話の中のようだった

静かな森

可愛いペンション風のお家がひっそりと建っていた

そのお家は『自己主張』することなく
風景に溶け込み
吸い込まれてしまいそうな不思議な雰囲気をただよわせていた

『こんなに近くに、こんな場所があったんだ』

現実離れした空間

『私、一体、何処をさまよっているの?』

夢なのか、現実なのか
本当にわからなくなる

リョウ「ここは
誰にも邪魔されない
誰の目も気にしなくていい
今日はここでゆっくり楽しもう」

そう言ってリョウは
私を抱きしめた






No.33 11/11/12 00:32
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウ「リナさんはお客様だからね

何もしないで
何も考えないで

ただ、好きなことだけをすればいい

ここでは
自分のためだけに過ごせばいい」

テラスに案内される

可愛いテーブルに椅子

リョウ「どうぞ

紅茶いれてくるから」

本当に静かだ

妻でもなく、母でもなく
私が私として

こんなにゆっくり過ごせるのは、いつ以来だろう

ゆっくりすることで、苛立ちは消えてゆき
次第に自分を取り戻してゆく

いろんなことを思い出し
胸がいっぱいになる

楽しかったこと
悲しかったこと
辛かったこと
切なかったこと

涙が溢れてきた

『優しくされれば、優しい気持ちが取り戻せるんだ……』


No.34 11/11/12 00:46
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウ「ランチも任せて」

『もう、そんな時間なんだ』

リョウはてきぱきとランチまで用意してくれた

サラダ、ピザ、パスタ……
私の好きなものばかり
どれも美味しい

『リョウって、一体、どんな人なんだろう?』

リョウは、私のことをよく知っているのに

私は、リョウのことを何も知らない


No.35 11/11/12 12:52
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウに聞きたいことは沢山あるのに
どう切り出したら良いのかわからない

私は社交的ではなく
コミュニケーションが苦手

人目を惹き付ける魅力もなく
いつも誰かの陰

そもそも
行動力も好奇心も積極性も無い私がここに
リョウと二人きりでいること事態
信じ難いこと

そんな思いが駆け巡るだけで
上手く間をもたすこともできないでいた

リョウはそんな私を見透かすように

リョウ「リナさんの考えていること、わかるよ

オレのことなんて
どうでもいいんじゃない?

『時』には限りがあるんだ

オレたちの関係は
お互いのことを詮索しあう必要は無い、無駄なんだよ

そんなことしなくても
既にこんなにも『近く』にいる

『今だけ』を大切にしようよ……」

そう言いながら

リョウの口が私の口をふさいだ

舌が入り込み
激しく吸われ

あまりの熱さと激しさに

意識が遠のいていきそう

クラクラする……



No.36 11/11/12 20:30
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウは
ゆっくり唇を離すと
そのまま私を抱き上げ歩き出す

驚き
リョウにされるがまま
人形のように動けない私

リョウの言葉
リョウの行動は

年齢を重ねただけの
世間知らずな私には

全て予想が出来ず
驚くことしか出来ない

十代の処女でもないのに
情けないくらい何も知らない

たどり着いた部屋の
綺麗に整えられたベッドに
静かに寝かされる

こんな静かな場所に
大人の男女が二人きり
二人の関係が『恋人同士』なら

この先起こることなんて
驚くようなものではない

だが世間知らずの愚かな私は
恐らく、処女のように震えていたのであろう

リョウ「大丈夫だよ
全てオレにゆだねていればいい

『女に生まれて良かった』と思わせてあげる」



No.37 11/11/13 04:23
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウの暗示のような甘い台詞に酔っていたが我に返る

『いや!』

このまま流されて行くことが嫌なのではない

美しくない身体……
更に年齢を重ね醜く衰えてきている身体を

美しいリョウにさらすわけにはいかない

リョウは
そんな私の思いも既に理解していた

リョウ「いいんだよ

ありのままでいい
そのままでいい

素直に飛び込むんだ」

ありのまま……

全てを否定することなく受け入れてもらえる安心感に

リョウの顔が涙でかすんだ

全てをゆだねて行く



No.38 11/11/13 04:55
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウは
私の緊張をほどいて行くように優しくキスする

ゆっくりとした丁寧な優しいキス

次第に緊張は消えて行った

緊張どころか……

リョウのキスが

私の全身に今まで知らなかった感覚を感じさせる

生まれて初めて

『欲しい』

と身体が身体を求めた

今までの私はセックスを

気持ち良いとも
楽しいとも

思ったことがなかった

ましてや

求めたことなど

一度もなかった


No.39 11/11/13 06:27
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


キスをしながら

リョウは優しくワンピースのファスナーを下ろす

キャミソールの上からも

乳首の突きだしがわかるほど
身体は熱く感度を増していた

リョウの手に乳房が包まれ
そっと揉まれる

乳首が更にきゅんと固くコリっとし
たまらない感覚に襲われた

そのコリコリを指先で
摘まんだり、コロコロ転がしたり……

たまらなくなり

ため息のような小さな声を漏らしてしまう

リョウ「恥ずかしがらないで
素直に感じて……」

やがて
キャミソールも脱がされ
乳房が露に

思わず手で隠してしまう

リョウは微笑みながら

隠した手をほどき

乳首を口に含んだ

口での愛撫に感じすぎて

私は私でなくなってしまいそうになる

リナ「んっ……あっ、あん……」

思わず小さな声を漏らす

今まで

喘ぎ声なんて……出したことがなかった



No.40 11/11/14 06:10
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


乳首を吸われながら

敏感なその部分を舌が優しくいたぶる

『こんなにも感じるなんて……』

リョウの手は私の身体をなぞり
一番敏感な秘部へとたどり着く

瞬間、ビクッと新たな感覚が走る

リナ「あっああんっ……」

『こんなの初めて……』

リョウ「すごく濡れているね……
下着にしみだしてきているよ」

『濡れる!?』

最初リョウの言っている意味が解らなかった

私は出産まで経験しておきながら未だに
本当のセックスを知らずにいたのかもしれない

濡れらすほど
感じたことがなかった

リョウの言葉を理解した瞬間

リナ「えっ!?恥ずかしい!」

リョウ「恥ずかしいことなんかじゃない
素晴らしいことだよ

言っただろ?
『女に生まれて良かったと思わせてあげる』って

開いてあげるよ……」

No.41 11/11/14 23:14
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウ「これ以上下着を濡らすわけにはいかないよね……」

そして、ショーツも取り除かれ

リョウに
すべてをさらし
身をあずける

リョウ「恥ずかしがらないで

リラックスして

力を抜いて

そう……

綺麗だよ……」

リョウが

見つめている

私の……

一番恥ずかしいところを……

そう思うと

恥ずかしい思いと同時に熱くなり

今まで思ったこともない
信じられない思いになった

『恥ずかしいの……
でも、もっと見て
お願い、もっと……』

すると、突然

秘部に

生暖かく

ものすごく気持ち良い

ゾクッとする感触を覚え

震え上がった



No.42 11/11/15 04:26
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


それは
私には初めての経験

秘部にくちづけを受け

私は本当に
どうかなってしまうのではないか
というほどに狂い乱れた

『そんな恥ずかしいこと!信じられない!
でも……』

リナ「あああんっ……あっ、あっ、んっ……あああん……」

初めて体験する
狂ってしまうほどの最高の感覚に

私は何度も何度も
ヒクヒクと小刻みに震えた

恥ずかしいと思えば思うほど
身体は熱く求める

『これがイク?なの?
止めないで
もっと、お願い、もっと……』

開花された私は

この先
リョウから離れられなくなって行く



No.43 11/11/15 17:48
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウは私の反応を楽しむかのように
未知の部分をめくり開く

舌が一枚一枚を丁寧に開き
溢れる蜜を吸い付くしてくれる

時折聞こえる
いやらしく刺激的な音が恥ずかしく

更に興奮してしまう

そして
一番敏感な小さく突きだした突起部に吸い付かれながら
舌でいたぶるような刺激をされた時

私は最高に昇りつめた

リナ「あああっあああんっ……」

『こんなの

こんなの

初めて……』



No.44 11/11/16 10:18
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


絶頂に達している私は
自分で自分をどうしたら良いのか
わからない

思わず閉じてしまう脚を
リョウはぐっと押さえ
決して閉じることを許さない

『これ以上私
どうなってしまうの……』

リョウは
執拗に
でも優しく
丁寧に
攻め続けてくる

決して雑に乱暴にすることはなかった

そして私は
本当の限界に達し

何かを噴き出してしまった

『恥ずかしい
私、本当に
どうしたら良いの……』

心も身体も
自分のものなのに
どうすることも出来ず

涙が溢れる

そんな私を

リョウは優しく抱きしめてくれた


No.45 11/11/16 16:15
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウは私を優しく抱きながら
耳元で囁く

リョウ「ここからだよ……」

ゾクッとする囁きに

飼い慣らされたかのように反応する私の身体

淫らな自分が恥ずかしい反面

もっと『犯してほしい』と欲した

リョウは私の耳元から首筋へ……
熱いキスをしながら

敏感に火照り
潤いに満ちた秘部を
指で熱くめくり
その奥を掻き乱す


リナ「ああっあああんっ……」

そして

熱く大きくなったリョウが入ってきた

リナ「あああん……」

『気持ち良い……』

私は中で
リョウに吸い付き
リョウを包み込む

入ってくるのを
こんなにも気持ち良く感じるなんて
初めてだった



No.46 11/11/17 09:57
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リナ「んっ……あんっ……あんっ……あんっ……」

『このまま……
このまま時間が止まって欲しい
もう、帰りたくない
ずっと繋がっていたい』

突き上げられる度に私は
リョウの深みにハマって行く

リョウ「……オレたちは
また、しばらく離れなければならないんだ……

今日は間もなく終わる

次を望むなら……

リナ次第だよ……」

リョウに最後に強く突き上げられ

今日が閉じる……



No.47 11/11/17 15:53
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


一気に現実に引き戻される

これが現実

私達の関係は所詮
虚構にすぎない

……心がついていかなかった

ぬけがらのようになってしまい

今まで当たり前にこなせていたことに手間取る

『会いたい……』

蜜の時から
わずか3日しか経っていないにもかかわらず

随分、長い時が過ぎ去ったように感じる

そんな時
封書が届く

『リョウとの時』の請求書だった

金額は
10万……

安い金額ではないが
今の私に払えない額ではなかった

『これなら……』

今まで何一つ贅沢してこなかったのだから

カバンも、靴も、服も、装飾品も、旅行も……我慢してきたのだから

記念日も、誕生日も、プレゼントや外食一切無かったのだから

私は振り込みを済ますと
すぐに『次回』の購入手続きを済ませた

すぐにリョウから
お礼と次回の約束のメールが届く

リョウとの約束で
心の落ち着きが戻り

家事もいつも通り
いや、それ以上にこなしていく



No.48 11/11/18 00:15
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


私は『秘密』を持つことで
心の安定を保つことが出来た

こんな風にしか自分を保てない不健全さ

そんな寂しい家族関係

私の家族は
『私の心の安定』の本当の理由を知らないし
知ろうともしなかった

私の干渉の対象が
自分たち家族でなくなったことに逆に安住し

私達家族は
それぞれ勝手な方向に進んでいく

行き着く先が
家庭崩壊であるとも知らずに……

家族は例え煩わしくとも
心配だから
大切だから
時に関わり過ぎて
ぶつかり
でも
大切なんだと
慰め
いたわり
同じ方向を向き
かけがえの無い絆を深めて行くのであろう

キツイ時もある
辛い時もあるけど

家族がバラバラにならないように家庭を守る

妻となり
ましてや
母となったら
『守る』そして『送り出す』覚悟を決めなくてはならないのであろう

でも、私は……

快楽に溺れて行く

家族のせいにしてはいけない

でも、孤独だった

リョウは隙間を埋め

たっぷりと満たしてくれるから……



No.49 11/11/18 17:56
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウとのことを考える時だけが
心を保つことができる

初恋に溺れる少女のようにのめり込んで行く

でも『悪いことばかり』ではなかった……はず……

つまらない苛立ちが無くなり

イライラすることが無くなった

愚痴や不平不満も
ほとんど言わなくなっていた

リョウとの約束のために家事も早めに片付けていった

そして

お洒落になった

リョウに
少しでも可愛く
少しでも若く
見せたい

そんな努力をする女は
健気だ……

お洒落……

良いことではあるが

大きな破綻への足かせとなっていく

今まで抑圧し過ぎたことで
歯止めが効かなくなっていった



No.50 11/11/18 21:39
きる ( lbwJnb )

注文1恋人


リョウ「リナ……綺麗になったね

魅力的だよ

こんなにも濡れて

こんなにも熟れて

垂れてきている……」

リナ「あああんっ、お願い……

もっと……もっと……お願い……

あっあっあんっ……」

リョウ「いやらしいな……

すごく吸い付いてきて……

正直な身体だ

もっと、欲しいって?」

リナ「あああんっあんっあああんっ……」



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