愛されたかった子供
今から28年前
三人兄妹の末っ子として
この世に産まれました。
小説の主人公から名前をとり
リコと名付けられました。
私の記憶がはっきり残っているのは 三歳から。
嫌な事、嬉しい事、全て覚えています。
つまらない人生ですが
書いていこうと思っています。
新しいレスの受付は終了しました
1:私のうちは、父が自営で小さな部品を作る仕事をしていて
生活は安定していませんでした。
生活が安定していないのに
遊び歩いたり、飲みに行ったりと自由奔放な父でした。
短気な母は
怒るとすぐ殴る人でした。
人付き合いも苦手だったのか
嫌われていたのか…
近所のおばちゃんには
『あの家の子?まぁ…』
と嫌な顔をされたのを覚えています。
2:母は専業主婦でしたが、おうちで遊んでもらった事もなく
おやつを作ってもらった事もなく
寄っていけば
『邪魔!!!!!』
と言われていました。
夜寝る時も
姉、兄と私は2階の広い和室で寝て
両親は1階で寝ていました。
夜中によく目を覚ましては、寂しくて悲しくて
ずっと泣いていました。
泣いていると母がきて、背中をトントンしてくれるので
私は毎日夜泣きをしました。
3:ただ、母の機嫌の悪い時には
ビンタを一発して
すぐに1階に降りていってしまいました。
幼稚園には入ってはいましたが
母は、別に行っても行かなくてもどーでもいい人なので
毎朝、幼稚園に行きたい!連れてって!
と泣きながら悲願して、 大幅に遅刻して登園するのを繰り返していました。
幼稚園の先生には
『あんたのうちはどーなってんの?』
とよく怒られました。
制服も洗濯していなくて汚れていて
先生から、汚い汚いとよく言われたものです。
4:自営なので私達家族には
土日祝日は関係ありませんでした。
歳の離れた姉や兄が遊んでくれるわけでもなく
私はいつも独りであそんでいました。
小さなバケツとスコップをもって
お隣りのアパートのまえの小さな砂場で一人
おままごとをしていました。
すぐにアパートの管理人のおばちゃんが出てきて
『こんな所で遊ぶんじゃない!あっちに行きなさい!!!!!』
と怒られました。
その砂場は、近所の子供達もよく利用している所でした。
私だけは使うと怒られるので
だんだん砂場では遊ばなくなりました。
5:ある日の事
家の裏にある原っぱで
一人歌を歌って踊り
遊んでいました。
『こんにちは~』
と声をかけられ
振り向いたら
若い感じのお兄さんがたっていました。
『一緒に遊んであげようか』
そう言われ、飛び上がるほどうれしかったのを覚えています。
二人でかけっこ
鬼ごっこ
ぐるぐる回してもらったり
本当に楽しく遊んでもらいました。
『お兄ちゃん!お兄ちゃん!』
と、私はすっかり懐いていたのでした。
しばらく遊んでいると
お兄ちゃんに抱きしめられ
『ここを触ってみて』
と言われ
お兄ちゃんに言われたとおりの事を一通りしました。
苦痛でもなく
違和感もなく
お兄ちゃんのしてほしい事は
喜んでしてあげました。
6:しばらくすると
家から母の怒鳴り声がしました
『リコ!!!!!!!
早く帰ってこんかー!!』
お兄ちゃんとの事を見ていたようでした。
うちに帰ると
『あんな見知らぬ変な男と変な遊びをしやがって!』
とボコボコに殴られました。
でも私は
『お兄ちゃんは変な人なんかじゃない!優しいお兄ちゃんだった!』
と否定し、
更に殴られたのでした。
その日以来
お兄ちゃんに会う事はありませんでした。
小学校二年の時
都会に引っ越しをしました。
引っ越しやさんを呼ぶお金もなく
軽トラに荷物を積んで
両親は運転席と助手席。
子供達は軽トラの荷台に 乗せられ
『落ちたらただじゃおかないよ。人に見られたらダメだから隠れてなさいよ!』
と言われたので
箪笥の端に丸まって座っていました。
新しいうち、新しい友達、
私はいろんな事を考えてワクワクしていました。
↑7:の番号つけわすれました。ごめんなさい。
8:引っ越してから
母はパートに出るようになり
私の鍵っ子生活が始まりました。
帰ってきても誰もいない…
兄は中学
姉は高校
毎日友達の家をピンポンして
『今日遊べる?』
と聞いてばかりいました。
平日は友達と遊んでも
土日は誰も遊べませんでした。
私は土日も一人でした。
両親が趣味でゴルフを始めたため
兄は図書館
姉はバイト
両親はゴルフ
で、私は一人でした。
駅前を一人ウロウロし
パン屋さんの試食をこっそり食べたり
公園に行ったり
そんな週末を過ごしていました。
9:ある日曜日
駅前でぶらついていると
『○○小学校はどこですか?』
とおじさんに話し掛けられました。
私は近くなので連れて行ってあげました。
おじさんは私の担任の先生の名前も知っていて、
『ちょっとおじさんと遊ぼうか』
と言われました。
やっぱり私は嬉しくて、
アイスを買ってもらい、
ご機嫌でおじさんについていきました。
ひとけのないビルの屋上まで行きました。
服を脱いでと言われ
素直に服を脱ぎ
おじさんは私の体を舐めたり
いろんな事をしました。
夕方になり、
『ここで待っててくれる?すぐ戻るから』
と言われ
立ち去ったおじさんの帰りをいつまでも待っていました。
9時を過ぎた位から
だんだん不安になり
走ってうちに帰りました。
うちでは母や近所の人まで
私を探していました
10:母は私を見ると
近所の人に頭を下げ
私の髪を掴んで
うちの中に入れました。
私のスカートについていた
白い液体を見て
狂ったように私を叩きました。
散々叩いた後は
1時間位
ずっとシャワーを浴びさせられ
その後は
口をきいてもらえませんでした。
11:翌朝母は
『昨日の事は誰にも言うんじゃないぞ!』
と怒鳴られながら
学校に行きました。
授業が始まると
担任の先生が私を睨んで言いました。
『給食費の袋を先日皆さんからもらいましたが、一人だけ お金が足りなかったおバカさんがいます~誰でしょう!』
みんなは『わかんな~い』
とか
『知らな~い』
とか言っていました。
私もつられて
わかんないと言っていたら
『わからない?リコちゃん!給食費が足りなかったおバカはあんたのとこよ!!!!!』
と机に給食費の袋を投げつけられました。
そこからしばらく
私のあだ名は
『おバカ』になりました。
仲良しの女の子達まで
私を馬鹿とよんでいました。
12:家に帰り
母が帰宅してから
給食費の事を言いました。
何故か母は怒って
『今お金がないのよ!!だからとりあえずこれだけ入れておいたのに!!あんたの担任は鬼だな!!!!』
私は翌日
給食費を学校に持っていけませんでした。
職員室で
先生に怒られ、たくさん泣きました。
最後に先生に
『○○という男の人を知っていますか?』
と聞きました。
それは日曜日に私をビルの屋上に連れていったおじさんの名前…。
先生の名前を知っていたので
知り合いかとおもったからです。
先生からは
『は?????誰?』
と言われただけでした。
13:結局給食費を払ったのは父でした。
父は自分勝手でフラフラどこへでも出掛けてしまう人でしたが、
優しい人でした。
たまにお小遣いをくれて
私はそのお金で毎回『りぼん』を買っていました。
次の日
父と警察に行きました。
14: 日曜日の事で被害届を出すみたいでした。
父は、
『こういうのは母親もこないと…』
と言いましたが
母は
『嫌よ!恥ずかしい!みっともない!!!!!』
と言われ
きてはくれませんでした。
警察では
別室に通され
色々聞かれましたが、ほとんど答えられませんでした。
私が色々話したらおじさんは捕まってしまうと思ったら…。
性の知識のない子供だった私は
性犯罪者だろうが
誘拐犯だろうが
こんな私と遊んでくれた優しいおじさんでしかなかったのです。
15:それから私は
土日は外出禁止になり、
家で一人で過ごす事が多くなりました。
ぼーっとしながら、思い出すのは
優しかったお兄ちゃんや
おじさん…
考えていたら 布団の中で
お兄ちゃんやおじさんにされた事を自分でしてしまいました。
小2にして性に目覚めてしまった瞬間でした。
16:両親がいない土日や
平日、遊ぶ友達がいない時
私は布団の中に入って
性的快感を得ていました。
性的快感というか…
嫌な事も、辛い事も
忘れられる瞬間でもあったので。
兄の部屋からエロ本を見つけた私は
衝撃を受けて
ますます大人の世界に
興味をもっていきました。
17: 兄のエロ本は
収納場所が次々に変わる為
見つけられない日がありました。
だから私は
性的に興奮する絵を
自分でノートに書くようになりました。
毎日毎日親に隠れて何枚も。
小学生の下手くそな絵で
今の私から見たら
笑っちゃうような
胸が苦しくなるような
そんな感覚ですが
当時の私には
現実を忘れたい
逃げたい
お兄ちゃんもおじさんも
こんな事がしたかったんだから
私が服を脱げば
私が色々してあげれば
だれか私を見てくれるかもしれない
寂しいおもいはしないかもしれない
こんな気持ちだらけでした。
18:そうして出来上がった私の秘密のノートは
いつも本棚の奥に隠してありました。
時々出しては布団に篭り
また本棚にしまい…
を繰り返していました。
そんなある日
夜中に借金取りが来ました。
ドンドンドンドン!!
いつんなったら払ってもらえるんですかぁ~! きちんと払えよバカヤロー!!!!!!!
私は恐怖で母にしがみつきました。
怖くて怖くて
母だけが頼りでした。
父が警察を呼び
しばらく外で話し合いみたいな事をしていました。
私は一方的に母にずっとしがみついていましたが
母が私を抱きしめることもなく
しばらくしたら突き放されました。
19:私の恐怖心は
全くおさまらず
突き放された私は
布団の端を、ぐーっと噛んで
震えながら泣き続けました。
母が別室に行った時
私は泣きすぎてぼーっとしたまま
ノート、ノート…
と呟き
ノートを手に取り布団に潜り
何度も何度も
一人でしてしまい
そのまま眠ってしまいました。
20:次の日 学校から帰ると
秘密のノートがありません。
青ざめて必死になって探しても
ありませんでした。
仕事が終わって帰宅した母が
私の髪を掴んで、
別室へ引きずっていきました。
『なんだこれは!!!!!!!!!!』
秘密のノートが母にばれました。
恥ずかしくて悲しくて
心臓がバクバクして
何も言えませんでした。
足が震えているのが
自分でもよくわかりました。
そこから4時間
母からの罵声がありました。
私は一言も喋れませんでした。
21: それから母は私を無視するようになりました。
父がいる日は夕食を作ってくれましたが
父が不在の時は
夕食は食パンでした。
秘密のノートがばれた事によって
私は布団に篭る事も
性的な絵を書く事も
なくなりました。
いつしか馬鹿にしたクラスメートの一人の女の子に
たまっていた
我慢していた気持ちが蘇りました。
金持ちで
自分の部屋もあって
優しいママが毎日おやつを作ってくれて
パパが毎週どこかに連れってくれて
そして貧乏な私を見下し
誕生日会でも
少ないお金で一緒懸命選んだハンカチのプレゼントに
『…なにこれ…………………これだけ?』
といって
門前払いしたあの子。
許せない
許せない
私の中で怒りが爆発してしまいました。
22: 女の子の名前はAちゃん。
担任が私を『おバカ』と言った時
真っ先に私を馬鹿と呼んできたAちゃん。
最初はすごく仲良しで
いつもおうちに誘ってくれて
Aちゃんママの作ったケーキと
たくさんあるおもちゃ
シルバニア
服もたくさんあって
うらやましくて
でも優しいAちゃんが大好きで憧れていました。
いつしかAちゃんが
うちに遊びに来たいと言った時
母に聞いたら
『我が家にはお友達は絶対呼んではいかんよ!!!!見つけたら友達もあんたも追い出すから!!』
といわれて断念した時くらいから
私に対する態度が少しずつ変わっていったようにおもう。
ディズニーランド何回行った~?
と話しが盛り上がる女子の群れについていけない時も
『リコちゃんはダメダメ(笑)東京すら行った事ないもんね!』
私の貧乏話を膨らませてみんなに喋っていて
『ねぇ!Aちゃんからきいたけど、リコちゃんって貧乏でご飯食べられないからお水だけ飲んでるんだって?』
と 言われた事がありました。
23:私はAちゃんをいじめ始めました。
侮辱した仕返し
ひがみも含めて…
私は
『貧乏なリコちゃん』から
『逆らうと怖いリコちゃん』
に変わりました。
集団無視
仲間外れ
さまざまな事をしました。
本当に最低でした。
24:ある日
Aちゃんから電話があり
『渡したいものがあるから公園にきてくれる?』
と
弱々しい声で言われました。
公園に友達をたくさん連れて行くと
AちゃんとAちゃんのママがいました。
私は
Aちゃんママの悲しそうな顔を見て
胸が苦しくなりました。
てっきり怒られるかと思いましたが
Aちゃんママは
『リコちゃん…おばちゃんは怒ったりはしないよ?
でもね、理由がしりたいの…
うちの子がリコちゃんに何かしたなら、おばちゃんも一緒に謝るから。
どうしてこんな事してるのか
本当のわけを教えてくれないかな…』
うらやましいな…
優しい優しいAちゃんママ…
でも理由は言えない…
言ったらみじめになる…
色々な事が頭を駆け巡り
やっと言えた言葉は
『そんなの言えない!Aちゃんなんか大嫌い!』
こんな事が言いたかったんじゃない…
しばらく沈黙が続きました。
25: しばらくすると
Aちゃんママが私にかわいい紙袋をくれました。
『これ…ディズニーランドのお土産。
Aちゃんと二人で選んだよ。いつかまたAちゃんと仲良く遊んでね…』
私は
自分の目から大量の涙が溢れるのがわかり、
見られまいと、下を向き
もらった紙袋をしっかり握って
家まで走って帰りました。
誰もいない家でよかった…
わんわん泣きました。
散々泣いて、ふと紙袋に目がとまりました。
紙袋をあけると
かわいい缶に入ったキャンディでした。
こんなかわいいもの、親にも貰った事はありません。
私はまた泣きました。
26: 結局Aちゃんへのいじめは
だんだんなくなり
でも『逆らうと怖いリコちゃん』
のまま
6年生になりました。
周りにいた友達は
逆らうと自分がいじめられると思い、
とりあえず近くいる、みたいな感じだったので
本当の友達ではありませんでした。
自分の弱さを見せたくなくて
必死で強がって
今考えると馬鹿だなぁと思います。
27: 私は中学になり、 嫉妬や劣等感を感じる事は少しだけ減りました。
中学は
みんな同じ制服
鞄も靴も同じ
私が貧乏だということが
ばれにくいと思いました。
そしていじめも全くなくなり
部活に夢中になりました。
28:部活はバレー部でした。
部活に入るとともに
練習のシューズや
ハーフパンツなど
みんな同じものを購入する事になりました。
私は…
母が『お金がかかるなら部活はやめなさい』
と言われ、
父の知り合いの方に
昔使っていたシューズを譲ってもらい
ハーフパンツは父に買ってもらいました。
母は毎日自分だけ寿司を食べ、
私達はご飯のみでした。
中学は毎日お弁当でしたが
母が作るはずもなく
私は自分でお弁当を作って持っていきました。
29: 自分で作るお弁当は
品数が少なくても
海苔を切って可愛くしたり
卵焼きをハートにしたり
みんなが持ってくる
お母さんの愛情こもったお弁当に負けないように
毎日作っていました。
そしてお弁当作りが好きになり
高校卒業までお弁当作りは続きました。
自立しなければ…
早く家をでなければ…
私は毎日考えました。
そして部活に入った事により
本当の友達がたくさんできました。
同じような家庭環境の子もいて
学校が楽しくて楽しくて
毎日が充実していました。
30:学校は楽しくても 家庭内は最悪でした
機嫌の悪い母に
扇風機を投げつけられたり
グーで殴られて
両頬にアザを作って登校し
先生に心配されたりもしましたが
私は笑いながら
『寝ぼけて角でぶっちゃって~あはは』
とごまかすしかありませんでした。
本当の事なんていえませんでしたし。
友達には包み隠さず話して
一緒に泣いてくれたり
家に泊めてくれたりしてもらい
あの時自殺を何度も考えた私を
本当に救ってもらいました。
31:中学二年の時
私は恋をしました。
学級委員の男の子
名前はJ君。
たまたま席が隣同士で
私が消しゴムを忘れて
『ごめん、消しゴムかしてくれる?(>_<)』
と聞いたら
『うんあるよ。一日消しゴムないと困るだろうから、これを使いなよ』
といって
自分の消しゴムを
二つに割って
私にくれました。
こんな単純な事で
J君の優しさに涙が出そうで
『あ、あ…ありがとう』
と小さな声で言うのが精一杯でした。
32:J君は頭も良くて
学年でもいつも1番でした。
スポーツもできるし
面白いキャラでもありました。
急にJ君を意識しだしてから
毎日自分の身なりを気にしたり
朝何分も髪型を悩んだりする日々が続きました。
周りはJ君の事を
『あんな不細工どこがいいの(°□°;)』
と言いましたが
外見なんて関係ありませんでした。
3ヶ月ほど後に
J君に告白しました。
33:その日はすごい雨でした。
部活が終わる6時頃、
友達に呼び出してもらいました。
J君がこなかったらどうしよう。
ふざけて友達連れてきたらどうしよう。
悪いいたずらだと思って怒ったらどうしよう。
色んな事が駆け巡り、部活に集中できませんでした。
部活が終わり、呼び出した公園のベンチへ急いで行きました。
息が切れるほど走りましたが
公園の手前で足がすくんで
どうしても前に進めず
しゃがんでしまいました。
ドキドキしすぎて吐きそうでした。
34:しゃがんだ所から
草と草の間に
ベンチが見えました。
J君が一人
座っていました。
ちゃんと来てくれた!
嬉しくて
J君の所に走っていきました。
『ごめん!J君!こんな所に呼び出してごめん! なんだろうって思ったでしょう?
本当にごめんなさい!私の勝手で
友達使って呼び出して!ごめん!』
J君は、フっと笑って
『大丈夫だよ。そんなに謝らなくても…ハハハ』
J君の笑顔が愛おしくて
胸が痛いほど締め付けられました。
J君が
『でさ、話って何?俺に相談があるの?』
と言いました。
35: 『あ…あの…
すごく言いにくいのだけど…………………………………………………』
沈黙が続きました。
いつもの学ランのJ君も素敵だけど
サッカー部のユニホームのJ君も素敵で
真面目に話を聞こうとしている姿は本当にカッコイイというか …
考えてるうちに言葉が口から出てしまいました。
『…好き…』
J君がびっくりした顔で私を見ました。
『あ、あの、私、J君好きなの!すごく、すごく好きなの!ごめん!気持ち伝えたくて、それて呼び出したの!本当に…
本当にJ君大好きなの…』
J君の顔が真っ赤でした。
私の顔も真っ赤でした。
長い沈黙の後
J君が下を向いて話始めました。
36:『俺さ…女の子と…つ…付き合うとか…
考えた事なくて…
今は部活に集中したいというか…
あの…
ありがとう…
でもごめんなさい』
下を向いて、話すJ君の手元は
こぶしをぎゅっと力強く握りしめていて、
しばらくうつむいたままでした。
私は涙が止まらなくて
顔を見られたくなくて
後ろを向きながら言いました。
『わかった…話を聞いてくれてありがとう…
これからも友達でいてくれるかな…』
『うん…いいよ』
J君はそう言うと
大きな部活の鞄を背負って
帰っていきました。
37:土日を挟んで月曜日
たくさん泣いて
少し落ち着いた私でしたが
J君を見たら
その場にいられなくなり
トイレに逃げてしまいました。
その時友達が
『告白して気持ちが伝わったなら、今からが勝負じゃないの?逃げてちゃ相手を振り向かせられないじゃん!』
その言葉に背中を押され
以後J君とは普通に接する事ができました。
ただJ君は意識してしまっているのか
ぎこちないというか
冷たい感じでした。
でも私は明るく
笑顔を絶やさないように
とにかく普通に友達として接していました
でも時々泣きそうでした。
38:ぎこちない感じが2週間ほど続いたある日
朝 隣の席のJ君に
『おはよう☆今日朝練寒くなかった?』
と普通に声をかけました。
いつもなら ぎこちないなりに
『うん。寒かったさー』
とか返してくれるのですが
J君は何もいいませんでした。
私は泣きそうになりましたが
我慢して
J君に見られないように
両手で頬杖をついて
涙をこらえてくしゃくしゃの顔をしていました。
その日部活の時間まで
J君とは全く話さず
私の中で色々な不安が出てきました。
39:私が、
フラれたにも関わらず
馴れ馴れしく喋ってたからだ…
きっとウザかったんだ…
どうしよう
J君怒ってるみたいだった
もう話しかけないようにしなくちゃ
嫌われたくない。
私は馬鹿だ
本当に馬鹿だ
部活中の頭の中は
こんな言葉が頭をぐるぐる回り
ぼーっとしていたので
頭にバレーボールが当たってしまい
先生に怒られて
体育館を出て運動場を10周走れと言われました。
運動場ではJ君がサッカーをしています。
その周りを10周も走らなきゃいけないなんて…
よりによってこんな時に…
私は泣きながら走りました。
40: 夕方になり
部活が終わって
一人重い足どりで
下校していました。
ふと前を見ると
曲がり角の所に誰か座っていました。
私は目が悪いので
色合いから見て
サッカー部の男の子だとわかりましたが
まさかJ君とは
思いませんでした。
近くまで歩いてきて
J君だとわかり、
私は反射的に逃げ出しました。
近くの公園に逃げようと走りましたが
J君が私を追いかけてきました。
41:私は足がもつれそうになるくらい必死で走り
姿を隠そうと公園の森へめがけて走っていましたが
運動神経抜群のJ君に
あっという間に追いつかれ
腕を掴まれました。
J君が口を開く前に
私は
『J君ごめんなさい!
私すごく馴れ馴れしかった!
本当にごめんなさい!』
と何回も言い
J君は
『違うんだ。話を聞いて!』
と言っているのに私は
『もう話しかけないから!嫌わないで…
もう話しかけないから… 』
言いながら泣き出してしまいました。
新しいレスの受付は終了しました
小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。
- レス新
- 人気
- スレ新
- レス少
- 閲覧専用のスレを見る
-
-
君は私のマイキー、君は俺のアイドル9レス 122HIT ライターさん
-
タイムマシン鏡の世界4レス 111HIT なかお (60代 ♂)
-
運命0レス 77HIT 旅人さん
-
九つの哀しみの星の歌1レス 91HIT 小説好きさん
-
夢遊病者の歌1レス 94HIT 小説好きさん
-
私の煌めきに魅せられて
そうだそうだ、今日は新しい男だった。なんか今日はやけに視線が,,,。歓…(瑠璃姫)
64レス 724HIT 瑠璃姫 -
また貴方と逢えるのなら
,,,。何も,,,できることなんか,,,。 !!!私の能力!! …(読者さん0)
2レス 208HIT 読者さん -
仮名 轟新吾へ(これは小説です)
ち!書き間違えたわ❗❗ あなたと私が 1987年からずっと恋人とし…(匿名さん72)
198レス 2937HIT 恋愛博士さん (50代 ♀) -
君は私のマイキー、君は俺のアイドル
女友達と外へ出て紹介する。 私とマイキは、会う前に通話したり …(ライターさん0)
9レス 122HIT ライターさん -
神社仏閣珍道中・改
(続き) この桐生市の本町通りに面した不動堂、『新田不動尊』は、…(旅人さん0)
283レス 9849HIT 旅人さん
-
-
-
閲覧専用
🌊鯨の唄🌊②4レス 140HIT 小説好きさん
-
閲覧専用
人間合格👤🙆,,,?11レス 148HIT 永遠の3歳
-
閲覧専用
酉肉威張ってマスク禁止令1レス 154HIT 小説家さん
-
閲覧専用
今を生きる意味78レス 523HIT 旅人さん
-
閲覧専用
黄金勇者ゴルドラン外伝 永遠に冒険を求めて25レス 978HIT 匿名さん
-
閲覧専用
🌊鯨の唄🌊②
母鯨とともに… 北から南に旅をつづけながら… …(小説好きさん0)
4レス 140HIT 小説好きさん -
閲覧専用
人間合格👤🙆,,,?
皆キョトンとしていたが、自我を取り戻すと、わあっと歓声が上がった。 …(永遠の3歳)
11レス 148HIT 永遠の3歳 -
閲覧専用
酉肉威張ってマスク禁止令
了解致しました!(小説好きさん1)
1レス 154HIT 小説家さん -
閲覧専用
おっさんエッセイ劇場です✨🙋🎶❤。
ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1408HIT 檄❗王道劇場です -
閲覧専用
今を生きる意味
迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 523HIT 旅人さん
-
閲覧専用
サブ掲示板
注目の話題
-
これって付き合ってると思いますか?
職場に好きな人がいて、なんとなくその人の動向を見てて気づいたのですがどうでしょうか…。 まずそ…
20レス 775HIT OLさん (20代 女性 ) -
箱入り妹について
初めまして昨年12月に入籍した32歳です。夫の家族について相談させていただきたいです。 夫の家系は…
18レス 452HIT 聞いてほしい!さん (30代 女性 ) -
連れ子が嫌いと言われた
ステップファミリーで結婚して8年経ちます。 私には13歳7歳4歳の子供がいて13歳の子は私の連れ後…
41レス 892HIT どうしようないお母さん (30代 女性 ) -
子ありと子なしはどちらが老後安泰?
子あり夫婦と子なし夫婦は、どちらが老後安泰? 子どものデキにもよるけど…
19レス 406HIT おしゃべり好きさん -
気になる人が社内恋愛。それを理由に仕事をやめるのはありか
どうやら好きな人は同じ部署に付き合ってる人がいるみたいです。 パートさんの噂なので、ある意味信憑性…
15レス 432HIT 通りすがりさん (20代 女性 ) -
同僚から紹介された相手とどうするのがよいでしょうか…
会社の同僚から独身か聞かれて全く恋愛経験が無かったのでそう答えたら女性を紹介されました。 二回食事…
9レス 211HIT 匿名さん (30代 男性 ) - もっと見る