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自分は47なのに、29の私に女として終わりと言う彼
彼女に敢えて冷たく接すべきか悩みます
どう接したらいいでしょうか?

お題リレー短編小説

レス500 HIT数 33299 あ+ あ-

高校生さん( 10代 ♂ 7JsUh )
11/06/24 14:02(更新日時)

普通のリレー小説では無いんですが!
お題リレー小説をしませんか?

つまりお題に沿った超短編小説(小話)を書きます。
書き終われば何か1つお題を出して次の方に回します。

お題をもらう。

お題に沿った小説(小話)を書く。

次の方にお題を出す。

こう言った感じです。
俳句や短歌、ポエムなんかでも全然OKです
尚、出すお題については“なるべく”自分の書いた話しに関与している物にして下さい。
例)
―――――――――
「もらったお題(タイトル)」

************
************
************



「渡すお題(タイトル)」
―――――――――
注)物語が終わらず続く物は禁止です。かならず1レスで物語を終わらせましょう。

お題をタイトルにしましょう。

お題(タイトル)は物語の初めに必ず書いて下さい。次に出すお題(タイトル)も物語の最後に必ず書いて下さい。

では、スタートです。

初めのお題「秋」

No.1160585 09/09/05 05:50(スレ作成日時)

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No.301 10/10/24 23:48
pure ( ♀ dKpJh )

>> 300 🎵【面影】
鏡に映る自分の顔。お化粧をするために額を出し、順番に顔に塗りたくる。

肌の艶が衰えて、目の下が弛みはじめ、目尻にはカラスの足跡が気になり始めた。

やだわ、だんだん母や祖母に似てきている。体系も含め、祖母の面影と瓜二つになっていく自分の顔立ちを鏡越しに眺め、表情や雰囲気も遺伝子が関わってくることを思い知った。

娘は小さい頃は主人にそっくりだった。主人に似たたれ目。一重瞼に嫌悪感を持っていた。まつげが長く、目が大きいのは私に似たからか、メイクをすると別人のように変身する。

お前に似てきたな…
主人がボソッと言った。

娘は、うそ!本当?ママに似てきた?と喜びを隠せない。


あぁ、ママに似ていい女になっていくよ。俺に似たら心配だ。嫁のもらい手がいなくなる。
謙遜も含めて、笑いながら娘に話しかけていた。

私は複雑な気持ちになった。主人は決して美男子な顔立ちではない。でも私と愛する夫の子供たちだから、私より主人の面影に似て欲しいのだ。

愛する夫の遺伝子を残したい。かつて、不妊に悩んだ女優の言葉の深さを私はかみしめていた。

次のお題は
【不妊】

No.302 10/10/25 02:21
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 301 [不妊]
不妊治療を始め、
カレンダーを見ながら
指折り数えて‥

「⁉」
ベランダからの
鳴き声に
身を乗り出すと

そこには✨👀
黄金の瞳で必死に訴える
小さな黒猫が居た。

「どうする?入る?」。
ベランダの窓を全開にすると

自然に
素直に
入って来た🎵

ダンナ「ただいま~💕ん⁉」。
なんと、お出迎え‼。

黄金色の瞳で小さな黒猫にKOされたダンナ💘
「夏に来たからね🎵」

黒猫「ナツキ」との
楽しい日々に
いつのまにか
不妊治療の事など忘れていた。

「遅れてる?」。
まさか、と医師の所に行くと‥

「✨おめでとうございます✨」。

急いで💨
帰宅すると‥
出迎えるハズの
「ナツキ」が
出て来ない⁉

「ナツキ⁉何処ぉ⁉」。
見渡せど「ナツキ」の姿は無く

「⁉」。

私の足元に
じゃれつく毛触りを感じた後
ふわり、と
ベランダの外に出て行く
「ナツキ」の様子がわかった。

「ナツキ‥またね‥待ってるよ✨」

ナツキの黄金色の瞳が煌めき
また、会えると感じた。


次は「再会」。

  • << 304 【再会】 銀座で映画を観た帰りに、文房具の伊東屋によく立ち寄る。 文房具が好きで、特に何を買うと言う訳でもないが、目新しい文房具を見つけるとワクワクする。 その日もあれこれ見ていたら、突然 「木村麗さんじゃないですか?」 と、スーツ姿の男性に声を掛けられた。 木村は旧姓だ。 しかもフルネームで! 訝しげにしてる私に 「僕、白藤です。同じ小中学校で一緒だった、覚えてませんか?」 「…、あ~!白藤良雄君!」 私もフルネームで、しかも君付けしてしまった。 何十年振りだろうか。 思いもしない場所での再会に、思わず九階のカフェまで行ってしまったが、 『私達そんなに親しく無かったな』 そう思っていたら、 大人しかった白藤君が、人懐っこく昔の話をあれこれ話始めたので、びっくりした。 『白藤君大人になったんだなぁ』 と、流れた年月を感じた。 私が忘れていた、私の母のエピソードまで話す白藤君にまたまた驚いた。 今度同窓会来てよと誘われて、 「それではまた」 と、大人の挨拶交わして、ミニ同窓会は散会した。 『お互い老けたな』 私は背筋伸ばして銀座の街を歩き出した。 次は【同窓会】

No.303 10/10/25 03:00
秋扇公主 ( aVaWh )

>> 302 【再会】
結婚三周年記念日。
「そろそろ僕らも新しい家族が欲しいね、ヨーコ」
「貴方そっくりの灰色の目に栗色のカーリーヘアの子が欲しいわ、ジョン」

結婚五周年記念日。
「君に子供ができたら、僕らももっと幸せなのに」
「…私だって欲しいのよ」

結婚七周年記念日。
「ヨーコ、今日は大事な話がある」
「私もよ、ジョン」
「別れて欲しいんだ」
「…」
「秘書が僕の子を妊娠した」
「…」
「君の話は?」
「…私も、同じ話をしようと思ってたわ」

数年後のある日。
「元気そうで良かったよ、ヨーコ」
「貴方もね、ジョン」
「もうすっかり白髪さ。ここ数年は泥沼だったからね」
「…」
「知らずに他の男の子供を押し付けられていたなんて、吐き気がするよ」
「…」
「子供が出来なかったのは、きっと君じゃなくて僕に原因があったんだろう」
「ジョン、貴方に見せたいものがあるわ」

「遅いよ、ママ!」
「ごめんね、ショーン」
ヨーコは灰色の目を輝かせて駆け寄る息子を抱き上げると、カールした栗色の髪にそっと口付けた。
「ママ、このお爺ちゃんは誰?」

次は【血筋】

  • << 305 秋扇公主さん タブッてすみません。 削除するとペナが付くので、このままにしますが、次の方は、私のは除いて下さい。 宜しくお願いします。
  • << 306 [血筋] 美貌と賢さを噂に 略奪された母は 父の後宮で 母似の私を産んだ。 ゙陛下の御種では無い゙ かしましい雀達が囁く 心無い後宮の噂話だが。 母も父も 私の誕生と成長を喜び 母から父から 手解きされ 習い学ぶ事を 吸収していく私に目を細めた。 「貴国の婿になりたい」。 北方に勢力を持つ 遊牧民の長の申し出に後宮が色めき立った。 最近は、父も母も 候補者選びの会議だ。 禁内に後宮に慌ただしいことよ。 慌ただしい周囲を よそに剣術に音楽に書に勤しむだけ… 「そんな所は父上様に似たのかい?それとも母上様かな?」。 いつもの四阿で勤しんでいると現れる。 禁内の客人か‥ 禁内の匂いがしない。 衣服が美しい筋肉を隠している。 そして‥バカじゃなさそうだ。 何よりも 「懐かしい草原」の匂いがする。 「草原の血が騒ぐ」のだ。 「また来るね」。 一抹の寂しさが残る四阿 机上の書物が風に捲られるがままだ。 「血筋‥か‥」。 次は「騒ぐ」。

No.304 10/10/25 03:35
陽子 ( ♀ oQ9K )

>> 302 [不妊] 不妊治療を始め、 カレンダーを見ながら 指折り数えて‥ 「⁉」 ベランダからの 鳴き声に 身を乗り出すと そこには✨👀 黄金の… 【再会】

銀座で映画を観た帰りに、文房具の伊東屋によく立ち寄る。
文房具が好きで、特に何を買うと言う訳でもないが、目新しい文房具を見つけるとワクワクする。
その日もあれこれ見ていたら、突然
「木村麗さんじゃないですか?」
と、スーツ姿の男性に声を掛けられた。

木村は旧姓だ。
しかもフルネームで!

訝しげにしてる私に

「僕、白藤です。同じ小中学校で一緒だった、覚えてませんか?」

「…、あ~!白藤良雄君!」

私もフルネームで、しかも君付けしてしまった。
何十年振りだろうか。
思いもしない場所での再会に、思わず九階のカフェまで行ってしまったが、

『私達そんなに親しく無かったな』

そう思っていたら、
大人しかった白藤君が、人懐っこく昔の話をあれこれ話始めたので、びっくりした。

『白藤君大人になったんだなぁ』
と、流れた年月を感じた。

私が忘れていた、私の母のエピソードまで話す白藤君にまたまた驚いた。

今度同窓会来てよと誘われて、
「それではまた」
と、大人の挨拶交わして、ミニ同窓会は散会した。

『お互い老けたな』

私は背筋伸ばして銀座の街を歩き出した。

次は【同窓会】

No.305 10/10/25 03:41
陽子 ( ♀ oQ9K )

>> 303 【再会】 結婚三周年記念日。 「そろそろ僕らも新しい家族が欲しいね、ヨーコ」 「貴方そっくりの灰色の目に栗色のカーリーヘアの子が欲しいわ、ジ… 秋扇公主さん
タブッてすみません。

削除するとペナが付くので、このままにしますが、次の方は、私のは除いて下さい。
宜しくお願いします。

No.306 10/10/25 04:50
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 303 【再会】 結婚三周年記念日。 「そろそろ僕らも新しい家族が欲しいね、ヨーコ」 「貴方そっくりの灰色の目に栗色のカーリーヘアの子が欲しいわ、ジ… [血筋]
美貌と賢さを噂に
略奪された母は
父の後宮で
母似の私を産んだ。

゙陛下の御種では無い゙

かしましい雀達が囁く
心無い後宮の噂話だが。

母も父も
私の誕生と成長を喜び

母から父から
手解きされ
習い学ぶ事を
吸収していく私に目を細めた。


「貴国の婿になりたい」。


北方に勢力を持つ
遊牧民の長の申し出に後宮が色めき立った。

最近は、父も母も
候補者選びの会議だ。
禁内に後宮に慌ただしいことよ。

慌ただしい周囲を
よそに剣術に音楽に書に勤しむだけ…

「そんな所は父上様に似たのかい?それとも母上様かな?」。

いつもの四阿で勤しんでいると現れる。

禁内の客人か‥
禁内の匂いがしない。
衣服が美しい筋肉を隠している。
そして‥バカじゃなさそうだ。

何よりも
「懐かしい草原」の匂いがする。
「草原の血が騒ぐ」のだ。

「また来るね」。

一抹の寂しさが残る四阿
机上の書物が風に捲られるがままだ。

「血筋‥か‥」。


次は「騒ぐ」。

No.307 10/10/25 13:27
pure ( ♀ dKpJh )

>> 306 🎵【同窓会】【騒ぐ】

高校の同窓会に参加した。15年ぶりに会う同級生は、人生の節目によって様々な生き様が露見する。
クラスのムードメーカーで、いつも騒いでいた聡子は、どこか妖艶な女性に変わっていたし、大人しくて目立たなかった香奈は、玉の輿にのったのか、きらびやかなブランド品で身を包み、自分の自慢話を豪語していた。
再会してわかったことは、高校時代、付き合っていた彼氏と結婚までいった人は、誰一人としていないことだ。

大学、就職を経て、それぞれが成長する段階で、男も女も将来の相手はグレードが上下するのかもしれない。

同窓会に参加する者は、基本的にそこそこ幸せな人生を送っている人だ。生活に荒んだ者は、人に会いたいとは思えない。

結婚した相手がどんな企業に勤めているか。子供は何人か。あと十年もすれば、やれ子供がどこの大学に進学したとか、子供の結婚や孫の話しになるのだろう。

女って面倒くさいな…きみまろの漫談を笑い合える年代になった時、今の話題がいかにチンケなものかわかる時もくるかもしれない。姑の生き様を知っているだけに、この場所の異様な空気は滑稽に見えた。

次のお題は
【異様】

No.308 10/10/25 14:59
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 307 [異様]

就活での面接。

互いに
品定めし合う異様な空気‥

判で押した様に
「考えておきますね⤴」の返答に

私も
「ありがとうございました⤴」。
1日、何回、言っただろうか‥

社員のIDカードが眩しい。
コレも
「就活中」という
異様な環境のせいだろう‥

「やば💦遅れちゃう💦」。

次の面接の時間が迫って来た。


次は「品定め」。

No.309 10/10/26 22:19
pure ( ♀ dKpJh )

>> 308 🎵【品定め】

温泉旅館の板前をしている彼は、やっと前菜を任されるようになった。

板長が決めたメニューの仕入れ食材を先輩と品定めしながら学んでいく。
専門学校で学んではいたものの、現場の雰囲気や板長の熱意で戸惑うこともあったらしいが、最近は落ち着いたようだ。

私と彼は夢がある。お金を貯めて、二人でペンションをやりたい。そう思っている。

私と彼は温泉町の幼なじみ。私は経営を大学で学び、スキルを積んで夢を果たすために、今は実家の知り合いの旅館で経理の仕事をしている。
ホームページも立ち上げ、若い女性をターゲットにしたプランのご意見番も女将さんから頼まれることもある。

今はインターネットの普及で、口コミの情報が売り上げに比例していくようだ。
施設、料理、温泉、サービス。いろんなお客様の意見は、すぐさまインターネットで書き込みされる。

接客はね、大変な分喜びも大きいのよ。ネットの口コミを確認しながら女将さんがにっこりと微笑む。
着物姿が凛としている女将さんの人柄は学ぶべきものが多い。

人の出会いは、自分を高めてくれるのかもしれない。女将さんを見てそう思う。

次のお題は
【口コミ】

No.310 10/10/27 16:22
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 309 [口コミ]

勤務終了後の女性更衣室は
口コミの情報交換が一気に炸裂する時間。

「その口紅イイ色だね💄」
「このファンデーション、イイよ✨」
「今、使ってる美容液、イイよ⤴」
「今日、合コンなんだけど‥イケメンかなぁ‥」
「イケメン狙い?‥最近、入ったコいるじゃん?彼女いるのかなあ?タイプ💘なんだよね‥」

どうしたら、そんなに連チャンで話せるのよ?💨
同じ女性でも不思議な部分よね‥。

「お疲れ~お先に👋」。
外に出ると
さっきの口コミで
「タイプ💘なんだよね‥」。の彼が
車のクラクションで私を呼んだ。

「この場面を見られると
明日の口コミ情報が更にヒートアップするよね‥」。

一抹の冷や汗とスリルが
彼の車のライトに眩しい。


次は「車🚗」。

No.311 10/10/28 21:37
秋扇公主 ( aVaWh )

>> 310 【車】
「静安寺(せいあんじ)通りまで」
「はい!」
また違う女だった。
俺は走りながら気付かれない様に息を吐く。

座席に乗せた女はかなりの上玉だが、あいつとは似ても似つかない。
大体、あいつは亀が嫌いだったから、こんな苔(コケ)が生えたみたいな緑色の服は間違っても着ない。
あいつが好きなのは、故郷(くに)の湖の畔に咲く桃李や海棠の花みたいな、薄紅色だ。

それなのに、どうして、あいつは故郷を捨てて出ていってしまったんだろう。
それとも、俺から逃げたかっただけなのか。

横目に過ぎて行く通りには灯りが点き始めた。
もしかすると、あいつは通りで人力車なんて待っていなくて、この無数にある灯りのどこかで、椅子に腰掛けて刺繍でもしているのかもしれない。
俺が上海に来て半年余りも車を引いていることも知らずに。

「最近、また車代が高くなったわね」
客はビーズのバッグに財布を仕舞うと、降りながらぼやいた。
何を言われようが、代金さえ貰えば、あいつ以外の女に用はない。

日がとっぷり暮れて暗くなった道を俺は再び走り出す。
遥か遠くに、手を振って招く人影がまた見えてきた気がした。

次は【夕暮れ】

  • << 313 [夕暮れ] 「エスプレッソ」。 この喫茶店では 夕暮れ時になると ボサノヴァが店内に流れる。 夜までの時間を ゆったりと過ごせるのだ。 この贅沢な過ごし方を昔の男に教わって以来、 「夕暮れ時のボサノヴァ」は 私の中でセピア色の思い出と共に、一層、贅沢にしてくれる。 「待ったかい?」。 彼が扉を開けた時に、店内で流れるボサノヴァはジャズに変わった。 「肌を重ねる時はジャズ」。 昔の男が言ってたっけ‥ 「もう行かないと 始まっちゃうよ?」。 今夜はジャズのライブがある。 私は聴いている内に発情しちゃうかも‥。 「エスプレッソ、 ご馳走様でした💖」。 マスターの意味深な微笑みに 私のラブスイッチがONになった。 次は「スイッチ」。

No.312 10/10/29 00:46
バトー ( 20代 ♂ IbDL )

>> 311 『夕暮れ』



《夕焼けこやけの赤トンボ》
と言う歌詞が不意に浮かんだ。
河原で夕暮れを眺めるのはいつぶりだろうか。

昔は祖母と二人でよく河原を散歩したものだ。
夕焼け空の下を、祖母と散歩するのは私の何よりの楽しみだった。
祖母は私に色んな話を聞かせてくれた。



――ある日、散歩の途中で赤トンボがススキの穂先に留まっているのを見つけた。
私はとっさに、その赤トンボを捕まえようとしたが、それを祖母に制止された。

『赤トンボはね、死んだ人が生まれ変わった姿なんだよ。
だから絶対に、捕まえたり殺したりしてはいけないよ』

何故かは分からなかったが、私はその言葉がずっと頭から離れなかった。



あれから二十年近くの月日が経った。
今日は、その祖母の葬儀が執り行われた。

河原で、近所の子供が虫取り網を振り回している。
どうやら赤トンボを捕まえたようだ。
私はその子供のもとに歩み寄った。

「知ってるかい坊や。
赤トンボはね、死んだ人が生まれ変わった姿なんだよ」

「死んだ人?」

子供が手を離すと、赤トンボは再び夕焼け空に飛び上がっていった。


次は
《トンボ》

No.313 10/10/29 00:54
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 311 【車】 「静安寺(せいあんじ)通りまで」 「はい!」 また違う女だった。 俺は走りながら気付かれない様に息を吐く。 座席に乗せた女はかなり… [夕暮れ]

「エスプレッソ」。

この喫茶店では
夕暮れ時になると
ボサノヴァが店内に流れる。

夜までの時間を
ゆったりと過ごせるのだ。

この贅沢な過ごし方を昔の男に教わって以来、
「夕暮れ時のボサノヴァ」は
私の中でセピア色の思い出と共に、一層、贅沢にしてくれる。


「待ったかい?」。
彼が扉を開けた時に、店内で流れるボサノヴァはジャズに変わった。

「肌を重ねる時はジャズ」。
昔の男が言ってたっけ‥

「もう行かないと
始まっちゃうよ?」。
今夜はジャズのライブがある。

私は聴いている内に発情しちゃうかも‥。
「エスプレッソ、
ご馳走様でした💖」。

マスターの意味深な微笑みに
私のラブスイッチがONになった。


次は「スイッチ」。

No.314 10/10/29 01:21
ヴァノーラ ( URR6h )

うわ💦バトーさん、申し訳あらしまへんm(_ _)m

[トンボ][スイッチ]

飛び回っているトンボを
子供たちが無邪気に追っていく。

「あんな時期もあったのね~」。

肩にトンボが乗っている。
捕まえようとしたら逃げられた。

瞬間、私は幼い頃に戻るスイッチの音が頭に鳴った。

しばらく飛び回るトンボと遊んだ私は
「無邪気な自分」になれて満足だった。

「さぁ‥て帰らないとね」。
路を歩ってると

「お母さん、お帰り!」。

息子の熱烈歓迎の後で手を繋いだ私と息子の肩に
止まったトンボが名残惜しそうに羽を瞬かせた。


次は「名残」。

No.315 10/10/30 03:47
pure ( ♀ dKpJh )

>> 314 🎵【名残】

玄関を出て、車に乗り込む。
ふと母屋を眺めて、涙がこぼれ落ちた。
私が出かけるたびに、姑がカーテン越しに
「どこかに行くの?」
「ちゃんとシートベルトしなさい」
「何時頃帰るの?」と矢継ぎ早に大声で話しかける。
そんな光景がいつもあった。

急に具合が悪くなった姑は、あまり苦しまずに、あっという間にこの世を去った。

心の整理がつかない私たちは、母屋もそのままにしてある。

四十九日の法要と納骨が済んだ後、姑の遺品をボチボチ片づけることになった。
姑のバック、洋服、歯ブラシやアクセサリー。持ち主がいなくなった遺品は、姑の名残を感じさせる。

人の死はあっけない。昨日まで元気で、煩わしいほどうるさい人だったのに、いざいなくなると無性に寂しい。

もっと喧嘩したかったな。もっと一緒に笑いたかったな。もっと一緒に出かければ良かったな。日を増すごとに、もっと、もっとが増える。

お義母さん、ありがとう。私は泣きながら車を発進させた。

ふとバックミラーに目をやるとカーテン越しに姑が微笑んでいるような気配を感じた

次のお題は
【気配】

No.316 10/10/30 21:56
秋扇公主 ( aVaWh )

>> 315 【気配】
人の気配を察してギター弾きは盲(めし)いた瞳をそちらに向けた。

「お食事をお持ちしました」
相手はそう告げると急に咳き込んだ。
「どうもありがとうございます」
頭を下げながら彼は訝る。この女将、病身なのか?

「お客さん、この街は初めてで?」
食器を並べる音に混じって、女将の問い掛けと咳き込む音が続く。
「いえ、二度目です」
「初めていらしたのは?」
「三十年も前です」
「どうして、また?」
「色々思い出深い街ですから」
「…例えば、どんな?」
「『ハート』がどんな形か教えてくれた娘がいました」
「どんなものだと?」
「丸くて、凹んで、その癖、尖った形だと。彼女の指輪の石をなぞらせて教えてくれました」
「その娘はどうしたんです?」
「一緒に他の街へ逃げようと言われましたが、約束の場所に彼女は現れませんでした」
「酷い話ですわね」
「いや、仕方ないですよ」
「いいえ、その娘は、本当に…」
「女将さん?」

言葉を切らした相手に不安を覚え、ギター弾きが手を伸ばすと相手の手に触れた。
冷たい指の付け根には指輪が嵌まり、飾りの石をなぞると、ハートの形が浮かび上がった。

次は【指輪】

No.317 10/10/30 23:22
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 316 [指輪]

差し出された右手が
女主人の右手の薬指に触れる。

「‼」…。

その場で
足元から崩れた男性の眼が
見開いたまま
静かに横を眺めている。

女主人は
右手の薬指に輝く指輪を眺めながら
呼び鈴を鳴らした。

「お呼びですか?」。
部屋の様子に
動揺せず厳かな執事の声が
女主人を伺う。

「片付けて」。
冷たく言い放つ
女主人の微笑みに応える
任務を終えた指輪に付いた1本の針が光った。


次は「任務」。

No.318 10/10/31 00:48
秋扇公主 ( aVaWh )

>> 317 【任務】
「この指輪はどうかな?」
女は身を固くして男に答えた。
「こんな安っぽいの、嫌いだわ」
いよいよ初任務だ。あたしはこの男を殺す。
「オーナー、もっと上等なのを見せてくれ」
「かしこまりました」
オーナーが奥に消えた途端、女は銃を出して男の胸に突き付けた。
「死んでもらうわ」
男は笑った。
「君に殺されるなら本望だ」
「…」
女は銃口を自らのこめかみに当てると、引き金を引いた。

「あれ?」
女は無傷のこめかみを撫でる。
目の前の男と戻ってきたオーナーが、顔をべリリと破いた。
「隊長に副長!」

「これがスパイ養成の最終試験だ」
隊長は床に落ちた銃弾を拾い上げると、ペシャリと潰す。
「君は失格だ」
隊長は笑顔で続ける。
「どこへでも好きな所に行きなさい」
女は暫し呆然としていたが、急に晴れやかな表情になると頭を下げた。
「お世話になりました」

女が去った後、副長は言った。
「失格者はその場で射殺のはずですよ」
隊長は苦笑いする。
「俺は任務不履行だな」
「いや、僕もです」
「失格者は射殺し、死体は既に処理済みと上には報告しておこう。それで、全員任務遂行さ」

次は【試験】

No.319 10/10/31 02:40
pure ( ♀ dKpJh )

>> 318 🎵【試験】
公務員試験会場が東大だった。話の種に受験することにした。
地下鉄を乗り継ぎ、赤門前に着いた。
これが東大の入り口か。テレビで見てはいたが、何の感動も感情もわかなかった。
受験番号順に教室が振り分けられている。
教室に入ると、様々な出で立ちの人たちが、参考書を眺めながら着席しているのが見えた。
東大生はこういう感じで勉強するわけだ。段々畑のような席を見上げ、自分も所定の席に座った。
分厚い試験の束を抱えて、試験官が入って来た。諸注意を受け、いよいよ試験開始の時刻になった。
「はい、始めて下さい」一斉に問題用紙を開き、問題に取り組む。鉛筆の音と人の息づかいだけが静寂の中から聞こえる。
動機が不純だったな。公務員になるつもりも、なりたいとも思わない。民間企業に勤めていながら、受験に望んだのは、ちょっとした裏切り行為かもしれない。
お世話になっている上司の顔が浮かんだ。

あと二時間。東大生になったつもりで、たそがれてみるか。窓から緑の木々を眺めながら、私は鉛筆を置いた。

次のお題
【鉛筆】

No.320 10/10/31 04:48
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 319 [鉛筆]

白いキャンバスに
木炭に鉛筆が
「私」を
黒い輪郭で語る。

鉛筆を走らせ
「私」を見る。

「パキッ‥」😨😨

「あ😨折れちゃった‥」。
「今日の1本目ね☺」。
張り詰めた心地良い緊張が
一瞬にして緩む。

「今日は何本かしらね~🎵」。

「‥💢」。
別の鉛筆を
勢いよく
滑らせ走らせる音が続く

新たな緊張が生まれ
「私」に魂が入る。


次は「アーティスト」。

No.321 10/10/31 07:07
陽子 ( ♀ oQ9K )

>> 320 【アーティスト】

今夜は『デート』
康之が久々の休みで、『デート』の時間を作ってくれた。
夜の9時が約束の時間。
携帯が鳴る。

「はぁ~い!今日は何してた?」
「特にないよ。いつもと同じ」
康之と何てことないお喋りを続けた。

康之が「ちょっと待って」と言って何やらギターをチューニングしてる音がして来た。
康之は昔バンドをしていたそうで、名古屋のライブハウスで歌ってた話は聞いていて、いつか聴かせてと話していた。

「今夜は陽子だけのコンサート
何歌おうか?リクエスト有る?」
「康之がよく歌うのを歌って!」

康之はバラードを何曲か歌い
「久々だから、声が出ないや」と言ったがすっかりアーティスト気分になっている。

「この歌知ってる?」と歌い出した曲は、私も好きでCD買って、何回も聴い歌だった。
「それ好き!
CDも持ってるよ!」
と言うと

「じゃあ、一緒に歌おう!」
岐阜と埼玉の二人は、携帯で一緒に歌った。

「今度は生演奏で聴かせるね」
「うん!」

おやすみの挨拶交わし携帯デートは終了し、一人ポツンと静かな夜に残された。

「。。。会いたい」


次は【歌】

No.322 10/10/31 15:12
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 321 [歌]

バックヴォーカルの
オーディション会場には
「彼」と歌いたい思いに溢れる
人々が次々と現れ
番号札を渡され順番を待つ。

「30~35番号札の方、どうぞ」。

32番号札の私は緊張したままステージに立った。

客席に「彼」がいる。
目が合った✨👀
気を失いそう💦

「全員、この曲を主旋律で」。

「1人ずつ
今の曲を半音上げて」。

「2半音下げて」。
指示通りに
私を含め1人1人が
「歌」に思いを込めて歌う。

きっと皆、
同じ緊張の中で
同じ思いで
歌っている。

「お疲れ様。
32番と35番は
残って」。

😲受かった🎉

受かった人達がいる席に座ると
再び、「彼」と目が合った✨👀
今度は
間違いなく
気を失った。


次は「合格」。

No.323 10/10/31 19:15
pure ( ♀ dKpJh )

>> 322 🎵【合格】
娘二人と漢検を受験した。とりあえず、長女と同じ級を一緒にしてみた。
試験会場に着くと老若男女がごった返している。
上履きと筆記用具。受験票を手に会場に入る。受験級によって、受験時間が異なるため、下の娘は今受験中だ。待合室で上の娘と一緒に問題を眺めながら過ごす。
下の娘は、この場所で入れ替わり待つことになる。
上の娘と前後の席で漢検を受験した。何だか不思議な気分だ。きっとこの経験も親子の思い出になるに違いない。

1ヶ月後、親子三人で受験した漢検は見事合格。お祝いパーティーを行った。

家族延べ三人の合格は、表彰状を貰える。漢検協会に申請し、大きな賞状が届いた。この賞状は、親子で学び、受験した思い出の親子記念になった。

歳月は流れ…
年老いた私は、娘とその子供(孫)と試験会場にいる。今度は親子三代で受験に望む。
結果はいかに。

次のお題は
【親子三代】

No.324 10/10/31 22:23
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 323 [親子三代]

私👸「ばあちゃん🎵」。

祖母👵「いらっしゃい🎵」。

母👩「ただいま🎵」。

近所に住む祖母の家。
行く時ば男抜ぎ
親子三代、女同士だもの。

「始めるよ~🎵」。
祖母👵の声に座布団を囲む

親子三代にして
🎴花札好き💖

ここから
本格的に
話が延々と続き
あっという間に
時間が進む。

ある日
母が出掛けた。
「ちょっと、ウチの母の所に」。
゙ちょっどが
翌日になった😥

ご近所にも🎴花札仲間が居て
あれよあれよと翌日コースに‥。

「お父さんに電話するね」。
母が携帯から電話する。

今日も
🎴翌日コースらしい💦

「母さん、狙ってたのに~💦」。
母の声が娘になる。
「月見酒できた🎵」。
祖母の笑顔があった。


次は「笑顔」。

No.325 10/11/01 00:01
pure ( ♀ dKpJh )

>> 324 🎵【笑顔】
おっぱいを飲むわが子に微笑みかける。
目と目を合わせて、いとおしい気持ちを心の底から感じる時、いつの間にか笑顔の自分を見つけられる。

夫が帰宅し、ベビーベッドでスヤスヤ眠る息子をじ~っと眺め、野太い声で語りかけようとした時、私は慌てて
しーッと人差し指を唇に当てて、黙るように促す。

やっと寝たのだから、そのままにしてあげて。
手を握りしめ、万歳のかたちで寝入る息子。
時々夢でも見るように、にっこりと口元が動く。
テレビの音さえ気を使いながら、夫は晩酌を始めた。

いつの間にか息子中心の生活にどっぷりつかった私たちに、

たまにはパパとママに二人の時間をあげるよ…と
息子が気を利かせたような、そんな静かな夜の時間が与えられた。

駆けつけ一杯を飲み干した夫は、うまい!を凝縮したような声をはあーッと漏らした。

次のお題は
【晩酌】

  • << 327 [晩酌] ビール片手につまみを作る。 元々、飲まなかったが ゙つまみ゙を作る様になってから 飲みながら味付けしないと 解らない事があり(⬅言い訳💦) 今では立派な飲兵衛だ🍺🍷🍶 ゙つまみ゙で幾つも作るから それだけでも満腹になるが 「お土産~🎁」😍が来たら お土産🎁にも手が出るし、 酒が変わる。 味が変わる。 これだから止められない🎵 「晩酌」は。 次は「味」。

No.326 10/11/01 00:40
陽子 ( ♀ oQ9K )

>> 325 【晩酌】

「今日は冷えたねぇ」
冷たい外気と一緒に父が帰宅した。

着替えると、炬燵を付けて好きな缶ビールを開けた。

プッシュッ!

「あ、あ、あっ!」

泡が噴き出し、慌てて缶の口に口を付けて

「あ~勿体ない」
と吸った。

テレビ付けたが
「どこも面白いのやってないねぇ」
とスポーツ新聞の競馬欄を開いて、チェック始めた。

新しい缶ビールを用心深く開ける音がした。
父の部屋を覗くと、またスケッチブックを壁に立て掛けて見ていた。

スケッチブックには何枚も母が描かれている。

絵描きに成りたかった父が、母をモデルに何枚も描いていた。
風景画を得意にする父が描く人物画は母だけだった。

その絵を眺めながら、一人晩酌する父。


そんな父も、母の命日に召された。

次は【命日】

  • << 328 【命日】【味】 「ママがまだ見習いだった頃、パパから味付けが甘過ぎるとよく怒られたの。俺らのメインディッシュが台無しだって。」 パティシエールだったママがよく私に聞かせた話。 「でも、おかげで鍛えられたわ。」 シェフのパパとパティシエールのママはそれから二人三脚で頑張ってお店を持った。 でも、去年のイブ、ママは厨房で倒れて救急車で運ばれ、そのまま無くなった。 「えーと、お砂糖はこの分量で…。」 今日はクリスマスイブ。 まだ、店の厨房には立てないけれど、 私がパパにクリスマスケーキをプレゼントする。 次は【プレゼント】

No.327 10/11/01 00:53
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 325 🎵【笑顔】 おっぱいを飲むわが子に微笑みかける。 目と目を合わせて、いとおしい気持ちを心の底から感じる時、いつの間にか笑顔の自分を見つけられ… [晩酌]

ビール片手につまみを作る。

元々、飲まなかったが
゙つまみ゙を作る様になってから
飲みながら味付けしないと
解らない事があり(⬅言い訳💦)
今では立派な飲兵衛だ🍺🍷🍶

゙つまみ゙で幾つも作るから
それだけでも満腹になるが

「お土産~🎁」😍が来たら
お土産🎁にも手が出るし、
酒が変わる。
味が変わる。

これだから止められない🎵
「晩酌」は。


次は「味」。

  • << 329 💦陽子さん 申し訳あらしまへん💦 [命日][味] 母のレシピ通りに作っても 母の味には かなわない。 何が足りないんだろう? 亡き母の命日が来る度に考える。 「はい、お母さん」。 優しく微笑む 母の遺影が 「頑張んなさいね」と 娘の私に語りかけた。 次は「レシピ」。

No.328 10/11/01 01:07
秋扇公主 ( aVaWh )

>> 326 【晩酌】 「今日は冷えたねぇ」 冷たい外気と一緒に父が帰宅した。 着替えると、炬燵を付けて好きな缶ビールを開けた。 プッシュッ! … 【命日】【味】
「ママがまだ見習いだった頃、パパから味付けが甘過ぎるとよく怒られたの。俺らのメインディッシュが台無しだって。」

パティシエールだったママがよく私に聞かせた話。

「でも、おかげで鍛えられたわ。」

シェフのパパとパティシエールのママはそれから二人三脚で頑張ってお店を持った。

でも、去年のイブ、ママは厨房で倒れて救急車で運ばれ、そのまま無くなった。

「えーと、お砂糖はこの分量で…。」

今日はクリスマスイブ。
まだ、店の厨房には立てないけれど、
私がパパにクリスマスケーキをプレゼントする。

次は【プレゼント】

  • << 331 🎵【プレゼント】【レシピ】 今日は結婚記念日。スイートテンダイヤモンドもスルーされ、今年は15回目の記念日だ。 本当はコジャレたレストランにでも行きたいところだが、子育て中は我慢しかない。 私が子供の頃、母が結婚記念日によく料理していたレシピがある。私はそのレシピ通りに料理を開始した。 子どもたちはケーキが食べれるとワクワクしている。 「パパは何かプレゼントを用意してるかな?」子どもの問いかけに、 「無い、無い。今までだって少ないお小遣いで我慢してくれてるし、ママにプレゼントを買う余裕なんか無いもの。ママはパパが健康で、今まで通り優しいパパでいてくれたら幸せよ」 そんな会話をしながら、夕食の支度が整った。 ピンポーン。ドアホンが鳴り、子供たちは玄関に駆け寄る。 帰宅した夫は、なぜかそわそわしている。 「ママ、いつもありがとう」 夫は子供と一緒に照れながらプレゼントをくれた。促されて空けてみると、そこには羊の抱き枕が入っていた。 「パパね、うんと悩んで決めたんだよ、ねっ」 どんな気持ちで子供と選んだのかしら。はにかんだ夫を見ながら、私も微笑んだ。 次のお題は【枕】

No.329 10/11/01 01:13
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 327 [晩酌] ビール片手につまみを作る。 元々、飲まなかったが ゙つまみ゙を作る様になってから 飲みながら味付けしないと 解らない事があり… 💦陽子さん
申し訳あらしまへん💦
[命日][味]

母のレシピ通りに作っても
母の味には
かなわない。

何が足りないんだろう?

亡き母の命日が来る度に考える。

「はい、お母さん」。

優しく微笑む
母の遺影が
「頑張んなさいね」と
娘の私に語りかけた。


次は「レシピ」。

No.330 10/11/01 01:20
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 329 次の方へ
秋扇公主さんの
「お題」で
お願いします🙇

秋扇公主さん
被ってしまい
申し訳あらしまへんどした🙇

No.331 10/11/01 01:57
pure ( ♀ dKpJh )

>> 328 【命日】【味】 「ママがまだ見習いだった頃、パパから味付けが甘過ぎるとよく怒られたの。俺らのメインディッシュが台無しだって。」 パティシエ… 🎵【プレゼント】【レシピ】
今日は結婚記念日。スイートテンダイヤモンドもスルーされ、今年は15回目の記念日だ。
本当はコジャレたレストランにでも行きたいところだが、子育て中は我慢しかない。
私が子供の頃、母が結婚記念日によく料理していたレシピがある。私はそのレシピ通りに料理を開始した。
子どもたちはケーキが食べれるとワクワクしている。
「パパは何かプレゼントを用意してるかな?」子どもの問いかけに、
「無い、無い。今までだって少ないお小遣いで我慢してくれてるし、ママにプレゼントを買う余裕なんか無いもの。ママはパパが健康で、今まで通り優しいパパでいてくれたら幸せよ」
そんな会話をしながら、夕食の支度が整った。

ピンポーン。ドアホンが鳴り、子供たちは玄関に駆け寄る。
帰宅した夫は、なぜかそわそわしている。
「ママ、いつもありがとう」
夫は子供と一緒に照れながらプレゼントをくれた。促されて空けてみると、そこには羊の抱き枕が入っていた。
「パパね、うんと悩んで決めたんだよ、ねっ」

どんな気持ちで子供と選んだのかしら。はにかんだ夫を見ながら、私も微笑んだ。

次のお題は【枕】

No.332 10/11/01 03:00
秋扇公主 ( aVaWh )

>> 331 【枕】
ドン!ドン!ドン!
叩く音ですぐあいつと分かる。
「開いてるわ」
あたしが言うが早いか扉がバン!と開いた。
「よう!」
阿建(アジェン)は満面の笑顔で、紙包みを見せた。
「今日は洋梨買ってきたぜ」
「本当?」
「早速酒盛にしよう」

「これ、まだ早かったみたいだな」
剥いた梨の最後の一切れを口に放ると、阿建は苦笑いした。
「次は林檎がいいな」
「この食いしん坊」
「あんただって」
「薇薇(ウェイウェイ)…」
彼の声が甘くなって、二人は口づける。

一しきり抱き合った後、彼はあたしの枕を使い、あたしは彼の腕を枕に眠る。
最初は逆だったが、彼は枕が無いとよく寝付けないらしく、自然とそうなった。
阿建の腕は太くて柔らかいので枕に丁度いい。

「今日は、早いのね」
「ああ」
朝の彼は不機嫌で無口だ。
「最近、忙しい?」
彼の背中は答えない。
「ごめん、もともと暇じゃないわよね」
短い沈黙の後、ぽつりと彼が呟く。
「暫く、来られない」

あれから一月。
組織の命で旅に出た彼はまだ戻らない。
彼の為に買った新しい枕を抱きしめながら、あたしは今日も一人、眠れぬ夜を過ごす。

次は【不眠】

No.333 10/11/01 14:03
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 332 [不眠]

日付が変わっても
眼は爛々と冴えていく。
白々と明るくなっていくのを
見届けて

やっと
うつらうつらし始めた。

🔉目覚まし時計が告げる1日の始まり

私は青いシャツに
袖を通した。


次は「シャツ」。

No.334 10/11/01 14:54
陽子 ( ♀ oQ9K )

>> 333 【シャツ】

ベランダでシャツが右に左に揺れて、風を楽しんでいるように見えた。
『生乾きのうちに取り込まなきゃ』

ベランダに出て、シャツの乾き具合を確かめた。
『これくらいだな』

5枚のシャツを部屋に移し、シャツがあった所に他の洗濯物をずらした。

『さぁて、アイロンタイム』

ワイシャツのアイロン掛けは難しい。厄介な仕事だ。

最初は襟から始める。
襟の端をピンと伸し、片側ずつ体重掛けてアイロンをあてる。

糊の匂いとアイロンの熱の匂いが香ってくる。

襟の次は袖口。
ボタンがあるから慎重に。
次は後ろ身ごろの切り返し部分。
アイロン台に上手く被せて掛け易くする。
次はそのまま後ろ身ごろ。
そして長い袖。
次はやっと前身ごろ。
ポケットは慎重に。

『1枚終了!』

ハンガーに掛ける。

全部掛け終わり、夫の収納タンスに掛ける。

『ふぅ~、一仕事終わった』

居間に戻り、珈琲飲みながら、ベランダで揺れる洗濯物を眺める。

『夕飯何しよう?』

次は【ベランダ】

No.335 10/11/02 00:17
pure ( ♀ dKpJh )

>> 334 🎵【ベランダ】

蛍族。
新築にしてから室内でタバコを吸うのを止めた。クロスが汚れ、ヤニ臭くなるからとベランダでタバコを吸うことに決めた。
ベランダは広い方がいい。デッキチェアとスタンド式の灰皿。
スポットライトのような照明に、妻が植えたプランターの花を眺めながら一服する。

春や秋は気持ちが良いが、夏は蚊がやってくる。それでも夏は、ビールを飲みながら、夏の星空を眺めて、結構楽しめる。
しかし冬は辛い。北風が吹くから、風呂上がりでの一服は、湯冷めがひどい。
あー寒い!手が悴んでタバコを持つ指に感覚が無くなる。
こんなことなら止めればいいのに。自分でもそう思うが、なかなか踏ん切れない。
タバコが値上げになった。これを機会に禁煙が頭をよぎったが、結局禁煙を貫くまでにはいたらなかった。

妻は、風邪を引いちゃうから、部屋で吸っていいわよと言う。

自分で決めたことだ。せめてベビースモーカーとして、ベランダで吸うことだけは貫きたい。

へんなところが意地っ張りで、全く困った人ね。妻は呆れた顔でため息をつく。

次のお題は
【意地っ張り】

No.336 10/11/02 03:28
秋扇公主 ( aVaWh )

>> 335 【意地っ張り】
「もしあんたが立派な兵隊さんになったらね」
オカッパ頭の花子は言いました。
「その時はお嫁さんになってもいいわ」
「大きなお世話だよ、バーカ」
チビの太郎は答えました。

「もしあんたが生きて帰ってきたらね」
日の丸を手に花子は言いました。
「その時は嫁になってやってもいいわ」
「こっちから願い下げだよ、バカ」
軍服姿の太郎は答えました。

終戦後、数年経っても、太郎は帰りませんでした。
「あんたもいい加減、新しい人と…」
周囲は花子に言いました。
「もしあたしが結婚したら、」
花子は頑なに答えました。
「あのバカには嫁の来手がないわ」

「恥ずかしながら帰還しました」
それから数年後、太郎は南方のジャングルから、はるばる故郷に帰って来ました。

「花子は去年の暮れに死にました」
家を訪れた太郎に年老いた母親は言いました。
「息を引き取る前に預かった手紙です」

《もしあんたが生きてあたしの墓前で泣いてくれたら、天国で嫁になってやってもいいわ》

「バカめ、このバカめ、…」
太郎は花子の墓前まで行くと、破った手紙を墓石に投げ付けて泣き続けました。

次は【手紙】

No.337 10/11/02 08:48
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 336 [手紙]

プロポーズされて一週間後
彼から手紙が届いた。

優しい色の封書に
銀のペーパーナイフ
が滑っていくと
鎮座する手紙が
開けられるのを
「早く早く~」
催促して待っていた。

折り畳まれた手紙に
文章はなく
あったのは
手紙いっぱいの

「?」。

私は便箋を捕まえると
1枚の選ばれた便箋いっぱいに書いた

「!」。

便箋と
お揃いの封筒に
綺麗に折り畳まれた
1枚の便箋が
「行って来るね」と
横になった。

「彼を喜ばせてね」。
呪文を掛けた手紙を📪ポストに投函すると
受け取った彼の様子を想像して
クスリと笑った。



次は「様子」。

No.338 10/11/02 13:59
pure ( ♀ dKpJh )

>> 337 🎵【様子】
母の様子がおかしい。大抵お彼岸の頃になると感情的になる。

父とは18で結婚。馴れ初めは、7つ年上の父と職場で出会い、日帰りで出かけた時、台風で電車が不通。あえなく泊まり、父に手込めにされたかららしい。
父も母もお互い初めて同士で、昔気質の父は、女は体の関係を持つと狂うと言う持論を持っている。
母には付き合っていた人がいた。年上の父の強引さと、父とそんな関係になり、勢いよく結婚した。だから父との不満が溢れると昔の恋人の話をする。

父は父で男として責任をとった。俺は誠実でえらいと自慢する。
何がえらい?犯罪じゃないか。言いたい言葉をゴクリと飲み込み、右から左へ聞き流す。

そんな両親に育った私は、結婚まで体を守れと教育された。確かに体の関係は、感情を錯覚すものが潜んでいるようにも思う。しかし男女間の免疫もなく生きていくのも苦労が耐えないと感じる。
夫婦は妥協と我慢の連続。そんな背中を見せてくれた両親には感謝すべきだろう。

父がお彼岸になると、母の様子を察知して、柔和な態度に変わる。これは長年の傾向と対策。その奥底に愛があることは言うまでもない。

次のお題は
【お彼岸】

No.339 10/11/03 02:13
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 338 [お彼岸]

その通りだった。

漉し餡に粒餡、黄粉
白餡や桜餡、胡麻餡‥etc
「おはぎ」を見掛けると
「お彼岸」の時期

季節がホッと一息つくと共に
これからの季節を迎える
身構えに襟を正す頃

「暑さ寒さも彼岸まで」。

やはり
今年もそうだった。


次は「季節」。

No.340 10/11/04 00:44
pure ( ♀ dKpJh )

>> 339 🎵【季節】
季節がわからないほど店頭には果物や野菜が並ぶ。旬なものは値段も安く、そうでないものは値段が高くなる。

ファームワークキャンプに参加してきた娘は、自給自足の生活を体験し、無農薬野菜の収穫も携わったようだ。

好き嫌いの激しい娘だったが、その後は食べ物を粗末に扱わなくなった。
強烈だったのは、鶏を絞めて、食したことだと言う。鶏が息絶えていくさまが脳裏にやきついて、プライドチキンが食べられなくなった。

考えてみれば、豚も牛も誰かが育てて、殺されて、食肉に加工され食卓にあがる。魚も漁師が命がけで捕ってくれている。
野菜も果物も太陽の恵みと水が不可欠であり、収穫までには、生産農家が丹誠を込めて作り上げる。

口でいくら伝えたところで、なかなかその精神は身につくものでは無いのかもしれない。こんなにも季節がはっきり分かれ、水も豊かな国に生まれ落ちたことはラッキーなことだ。でも、当たり前は所詮当たり前で扱われ、感謝する心は苦境に立たないと理解できないものかもしれない。

次のお題は
【苦境】

No.341 10/11/05 01:01
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 340 [苦境]

今の時期が
毎年1番の苦境の時期。

何故かって?

11月から
クリスマス一色になった街
イルミネーションに
聞こえてくる音楽もCMまで
クリスマスだらけ

もう、うんざり‥

両親は既に他界し
実家も無く
彼氏ナシ

もっと
親の愛が
欲しかった私は

この苦境の時期になると
親との間での辛苦の涙が
男の胸で流す時もあった涙が

枯れる事を知らずに
絶える間も無く
頬を濡らす

家族を、人恋しさを
1年の中で
1番思い出す
この苦境の時に
どれくらいの涙を流すのだろう。

「就寝時間よ」。

明かりの消えた夜の病室に

星空は明るく

苦境で涙を湛える私の瞳に

大きな弧を描く流れ星が映った。



次は「流れ星」。

No.342 10/11/05 14:47
秋扇公主 ( aVaWh )

>> 341 【流れ星】
「母ちゃん、見て!流れ星」
「どこ?」
「ああ、もう消えちゃった」
鴉児(ヤール)は舌打ちする。
「どうしてすぐ消えちゃうのかな?」
花籠を提げた母親は笑った。
「お星様だからよ」

「それじゃ、母ちゃんは出かけるから、朝までいい子で寝てるのよ」
鴉児は目を合わさずに答える。
「うん」
化粧をした夜の母ちゃんは嫌いだ。

「母ちゃん」
朝を迎えた大通りには一面に雪が積もっていた。
「母ちゃーん!」
ボロ靴で駆け出して、凍り付いた道に転ぶ。

「あっ!」
鴉児は転んだまま空を見上げて息を飲む。
暁の空を、白い星が尾を引きながら、緩やかに流れ落ちていく。

鴉児は雪の上に膝を着くと、小さな手を合わせて震えながら祈った。
「お星様、どうか母ちゃんに会わせて下さい」
星は光りながら暁の空に紛れて消えた。

立ち上がった鴉児はまた歩き出す。足は自然といつも花売りへ行く公園に向かう。
人影のない舗道を進んでいくと、道の上に何かが半ば雪に埋もれて落ちている。
拾うと、それは母親が夜に履く踵の高い靴だった。

こっちだ!

鴉児は片方だけの靴を抱くと、夢中で駆け出した。

次は【早朝】

No.343 10/11/05 17:40
ヴァノーラ ( URR6h )

>> 342 [早朝]

冬の早朝

いつもは
人々で賑わう
その場所は

ピンと
張り詰めた
荘厳な
白い静寂に包まれて
深い沈黙に鎮座する

大きな仏様が
いつもと違う表情で佇んでいた。



次は「沈黙」。

No.344 10/11/05 22:27
pure ( ♀ dKpJh )

>> 343 🎵【沈黙】
彼は沈黙のあと別れを切り出した。

四年間つきあい、彼と結婚する運命なのかなと思った時もあったが、この半年は私も仕事が面白くて、なかなか会えない時期が続いていた。

話があると彼に言われ、プロポーズか別れかどちらだろう…ほのかな期待と不吉な予感を持ちながら、待ち合わせのお店に向かった。
彼の表情を見て別れだと確信した。私はあえて明るく振る舞い、なるべく沈黙にならないよう頑張ってみたが、一時間ともたなかった。

彼に好きな人が出来たと言う。学生時代を含めて四年間、彼の性格は熟知しているつもりだ。彼は有言実行の性格。今日で彼とは永遠の別れになるだろう。

だが、私は静寂の中にいた。社会人になって、彼と私の住む世界や価値観のギャップが気になり始めたからかもしれない。
本当は泣きじゃくり、別れを抵抗するべきかもしれない。涙のひとつも流すかわいい女になれば良かったかもしれない。

いろいろありがとう。元気でね…彼と握手をしたら引き寄せられて、ちょっと弱い女になった。

ダメだ。涙が出そうだ。慌てて、彼の腕を放して私は地下鉄へ向かった。

次のお題は【地下鉄】

No.345 10/11/06 20:11
秋扇公主 ( aVaWh )

>> 344 【地下鉄】
結局、俺が振られたということなんだろう。
各駅停車のがら空きの車内に乗り込むと、彼はすぐ目についた空き場所に腰を下ろす。

「他に好きな子が出来た」
一か八かの賭けで、彼は嘘を吐いた。
「そうなの」
彼女の顔も声もまるで他人事だった。
「じゃ、今日でお仕舞いね」
地下鉄の階段を降りていく後ろ姿は、次の仕事へ急ぐキャリアウーマンそのものに見えた。

電車が緩やかに動き出す。

振り返ると、反対方面は急行列車が出たばかりらしく、ホームには誰もいなかった。

携帯電話の表示は「圏外」。地下鉄では、通話どころかメールも出来ない。

扉が開いた瞬間、彼はホームに飛び出した。
いつも通り過ぎるだけで、一度も降りたことのない駅。

液晶画面が電波の圏内を示す。

《お掛けになった電話番号は、現在電波の届かない所にあるか、電源が入っていない為、お繋ぎ出来ません》

そうだ、彼女も今、地下鉄に乗ってるんだった!

電話が繋がるまで待とうか?

それとも、次に来る反対方面の電車に乗って追い掛けようか?

立ち尽くす彼の鼻先を、この駅では停まらない快速列車が通り過ぎる。

次は【途中下車】

No.346 10/11/07 01:25
pure ( ♀ dKpJh )

>> 345 🎵【途中下車】
彼に別れを告げられて、泣くのをこらえてホームに佇む。次の電車が入ってくることを電光掲示板が伝えている。

私は、ふと、きびすを返して、下りのホームへ向かった。

このまま帰りたくない。彼と別れたくない。そんな感情が溢れ出し、彼のマンションまで向かおうと思った。

電車に乗り込んでみたものの、やはり躊躇する自分がいた。もし、彼のマンションに新しい彼女がいたら、私は冷静ではいられない。素敵な思い出のまま終わりにするのか。それとも結末を泥臭くするのか。

電車は地上に上がった。「次は~代官山、代官山」アナウンスが入る。私は思わず途中下車した。

昔、彼と歩いたデートコース。渋谷、代官山、中目黒。学生でお金が無い頃、手を繋いで、夜道を散歩した。

思い出を噛みしめるように、ハイヒールの音をコツコツと響かせながら、冷たい風を受けて一人で歩く。肩を抱いてくれた彼はもういない。

私が私らしくいられたのは、彼の存在があったからかもしれない。

今頃気づくなんて、後の祭り…惨めな気持ちを押し殺しながら、私は帰途についた。

次のお題は
【後の祭り】

No.347 10/11/07 18:10
陽子 ( ♀ oQ9K )

>> 346 【後の祭り】

冷たい風が吹き込んで来る。
コートの襟を立て、膨らんでいるポケットに手を突っ込んだ。
ポケットの中のケースを握って
『馬鹿なことをした…
別れるなんて考えもしてなかった…
いや、してたのか?
だから、他に好きな人が居るなんてことを言ってしまったのか?』

突然の別れに動揺して、自分自身の考えも分からなくなってきた。

『彼女は真面に取った
昔なら、ニヤリと笑って
『もう!』と口を尖らせ、叩く真似をしたのに…
俺が、他に誰かを好きになるって疑いもしなくなったのか?』

ケースには、銀座TIFFANYで買ったダイヤの指輪が入ってる。

『グタグダ言っても後の祭り…
にはしない!』

ケースを握り締め、勢いよく立上がり走り出した。

次は【TIFFANY】

No.348 10/11/07 22:45
pure ( ♀ dKpJh )

>> 347 🎵【TIFFANY】
大学を卒業した俺は、彼女に銀座のTIFFANYで、クリスマスプレゼントを買った。

彼女はサークルの後輩で2つ下。真っ直ぐで、明るくて、地方から出てきたからか?育ちなのか?すれていない子だった。
社会人になった俺は、ボーナスが出たのもあって、どうしても人並みな彼氏をやってみたかった。

彼女は値札を見て、ギョッとしていた。安いアクセサリーなら、これがいい、あれがかわいいと無邪気になるが、今回ばかりは勝手が違うと思ったらしい。

店内で、俺のスーツの裾をさりげなく引っ張り
「ねぇ、高いから止めよう。私、こんな高価なものいらないよ」と小さい声でささやいた。

彼女らしい感想だ。いつでも堅実で、決して贅沢をしない。逆に、いかにコストをかけずに、自分らしくおしゃれが出来るかを生きがいにしている。

俺は、彼女の心配をよそに、ショーケースにあったシルバーのネックレスを選んだ。これなら彼女も納得してくれるだろう。

彼女の首にかけてあげた時、彼女は真っ赤な顔で、無邪気に振る舞った。俺はそんな彼女を見て、ここで婚約指輪は絶対買うぞと心に誓った。

次のお題は
【婚約指輪】

No.349 10/11/09 01:33
秋扇公主 ( aVaWh )

>> 348 【婚約指輪】
嵐の晩、海辺で宿を開く寡婦マリアは若者を一人泊めた。
翌日、レオと名乗る若者は言った。
「暫く、ここで働かせて下さい」

「これ、どうしたの?」
マリアは海と同じ色に輝く石に息を飲んだ。
「死んだママの形見さ」
レオは青い目を潤ませて言った。
「君に受け取って欲しい」

「レオ・フェリーニだな?」
式場に乗り込んだ刑事は新郎を睨んだ。
「ブルーオリオン、逮捕する」
レオは悪戯っぽくマリアに笑った。
「騙されてくれてありがとう」

《怪盗ブルーオリオン、遂に逮捕》
《ブルーオリオン、脱走》
《ブルーオリオンの逃走ヘリ、海に墜落》
《死体は見つからず》

「これだけはいくら調べても盗んだ証拠が出ませんのでお返しします」
刑事はビニルに入った指輪をマリアに差し出した。
「しかし、これは稀に見る逸品です」
刑事は興奮気味に続けた。
「奴から何か聞いていませんか?」
「いえ、何も」

浜辺に一人立つマリアは穏やかに波打つ海を見詰めた。

「レオ、あんな話、全部嘘なんでしょう?」
「きっと、あんたはどこかで生きて笑ってるのよね?」

指輪は揺れながら、波間に消えた。

次は【海】

  • << 351 [海] 台風が近づいて来ると いつもは穏やかな海が もう1つの凶暴な顔を見せる。 煽られるまま踊らされる 荒れ狂う海に向かって 次々と 嬉々として 飢えたサーフボードが 荒ぶる海へと飛び込み より危険で うねる高波を求め 征服して行く。 人間が自然に 無謀にも挑戦する様子に 海は 一袖でモノともせずに 容赦なく襲いかかり 一瞬にして引き離された サーフボードと人間が 宙に舞った。 「あ~あ‥ やられちゃった」。 はぐれた相方を抱えながら 浜辺に戻ってくると 我も我もと うねる危険な高波を 征服し続ける 貪欲な彼らに 「浜辺に上がれ」の 合図を送った。 合図を見て 次々と潔く浜辺に上がる彼らが いよいよ荒ぶる海を いよいよ危険で高くなる波を 「まだまだ足りない」。 名残惜しい思いで 海を見つめていた。 次は「潔さ」。

No.350 10/11/09 02:12
陽子 ( ♀ oQ9K )

>> 349 【海】

「こっちに住んじゃえば?」

沖縄のコバルトブルーの海辺を散歩してた時、慶彦が突然言った。

香奈は
「うん、住みたいよ。こんな綺麗な海を毎日見れるなんて最高!」
香奈は海を吸い込むかのように大きく深呼吸した。

「だから、来れば良いじゃない」

「慶彦さん、簡単に言うねぇ、あははは」

「難しくないよ」

「住むとこは?仕事だって」

慶彦は
「香奈さんが本当に来るなら、住むとこも、仕事も用意するよ。
沖縄はみんなが助け合うんだよ。
何も持って来なくても、みんなが持ち寄ってくれるし、贅沢は出来ないけど、生きていけるんだよ、沖縄は」

香奈は
「みんなは私を知らないのに?」
驚いたように訊いた。
慶彦は
「大丈夫、直ぐに仲間になるから」

香奈はコバルトブルーの海を見つめて、本当に此所に住んじゃおうかな?と思った。

「取り敢えず、オリオンビール呑み行こう!」

次は【オリオンビール】

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