注目の話題
価値観の違いについて
捨てることがやめられない。
義母の愚痴です。皆さんも聞かせてください。

− 乱舞 −

レス230 HIT数 118712 あ+ あ-

麗( hXqgi )
09/12/19 13:06(更新日時)

私には 部屋が二つ有る


キラキラとした夜景が広がる高層マンションの一室


広い部屋の真ん中には 大きなダブルベッド


私は週に二度 20才も歳の離れた貴方《優一》に 愛される…

タグ

No.1159411 09/03/24 00:33(スレ作成日時)

新しいレスの受付は終了しました

投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.101 09/05/20 16:24
麗 ( hXqgi )

力が抜けた
私の身体を
軽く持ち上げ
ベッドに運ぶ

仰向けに
寝かされた身体に
また舌を
絡み付かせる…


首…


胸…


ウエスト…


手の甲までが
今は性感帯となり
私を悶えさせる

一度絶頂を
迎えた小さな蕾は
触れられるたび

- ピクッ ピクッ -

と身体を震わせる


『麗…  私の麗…』

透に比べれば
少しだけ
柔らかい
優一のもの…

それでも
私を満たすには
充分過ぎる


私の名を呼びながら
少しずつ沈めて行く



 -カタン-

クローゼットから
物音が
聞こえた気がしたが
そんな事には構わず
快楽の世界に堕ちた



クローゼットの
中に居る透は
いったい
何を想い
息を潜めているのだろう

消えそうな
意識の中
穏やかなJazzだけが
心地よく流れていた

No.102 09/05/21 22:29
みくる ( RndL )

続き楽しみにしています😺

No.103 09/05/22 13:59
麗 ( hXqgi )

>> 102 ありがとうございます昀 (*^-^*)昀昀

No.104 09/05/23 15:40
麗 ( hXqgi )

透はまだそこで
息を潜めて
いるのだろうか?

満たされ
脱力した私の中で
もう一人の私が
冷静に考えている

『シャワー浴びなさい』

腕に乗せた
頭をそっと外し
優一は言う

透が気になった私は

『先に浴びて』

横になったまま
優一にお願いした



シャワーの
音が聞こえると
私はすぐに
クローゼットの
扉をあけてみた


… トオル ? …

一瞬
訳が解らず
息をのんだ


うなだれて
座る透は

膝までズボンを下げ
明らかに一人
その行為を
したと判断出来る
残骸を残していた


『なんでだよ…』


膝を抱え
透は肩を震わせ
泣いた…


何故か私は無償に
可愛いと思ったし
愛おしいと思った


今は
抱きしめる
時間はない

『透、早く
   今のうちに』


私はティッシュで
丁寧に拭い
軽くkissをし


クローゼットからも
部屋からも

無理矢理追い出した

No.105 09/05/29 09:01
麗 ( hXqgi )

罪悪感…

自分への嫌悪感…

そして
満足感…?


鳴り止まない
心臓を押さえながら
いつも通り
優一と食事をし
部屋へと戻ったが

何をしても
透の事が
気になって
仕方なかった


いったい私は
何をしたいのか
何を求めてるのか


優一と
会話もしたけど
内容などは
何ひとつ頭に
入らなかった


…透の声が聞きたい…


眠った優一を
起こさないよう
トイレに入って
透の携帯を鳴らした


一回…

二回…

三回…

四回…



『もしもし?透?』

  … ツーツーツー …

何度かの
呼び出しの後
電話は切れた

一瞬繋がったと
思ったのは
気のせいだった?


もう一度掛けてみる


-おかけになった電話は 電波の届かない場所に-
………

透は出なかった

No.106 09/05/29 11:01
麗 ( hXqgi )

次の日も…
その次の日も

透が電話に
出る事はなかった


それでも
時間が経てば
あれは夢だったと
錯覚するほど
私の記憶は
曖昧になっていた


連絡が取れなくなって
数日経った頃

私の携帯に
非通知で
電話がかかる様に
なっていた…

それは一日に
一回から
今では何度も
かかって来ている


ワン切りじゃなく
明らかに通話を
目的としているのか
長い時は一分も
鳴り続けた

だから仕事の時は
必ずバイブ抜きの
マナーモードにした


 …もしかしたら
        透?…

次は出てみよう!

そう思っていても
仕事中だったり…

思うように
出れない事ばかりで
タイミングを
逃していた





サークルに
行く日の朝

また非通知がなった


『…もしもし…  』
私は電話に出た

『もしもし?
どちら様ですか?』

『……………』

No.107 09/06/03 11:16
麗 ( hXqgi )

『もしもし?』
繰り返しても
何も返事はない


耳を澄ませ
携帯越しの音を
拾ってみる

『………
……………
…………
ツー…ツー…ツー……
………………』


切れる直前
聞き覚えの有る
感覚が
ほんの少し
耳をかすめた


  …?…

あまりに音が
遠いからなのか
その時の私には
解らなかった


でもそれは
教室の扉を開けた時
確実にメロディとなり
蘇る


 …これだ!…

教室の片隅で
優しく微笑む
里美が

『お久しぶりね、麗さん… 最近余りいらっしゃらないんですね』


キラキラと光る
リングをはめた手で
前髪を整えながら
私に向かい歩いて来た

No.108 09/06/05 20:00
あやめ ( 20代 ♀ CJIUh )

続き楽しみ✨ドキドキです💕頑張ってくださいね☺

No.109 09/06/06 03:11
麗 ( hXqgi )

>> 108 ありがとうございます昀

ちょっと忙しく
ゆっくり更新に
なってしまいますが
最後まで
書き上げるつもりです昀

応援
嬉しいです(*^-^*)戓

No.110 09/06/08 12:30
麗 ( hXqgi )

『あ… 
 お久しぶりです』

まだ把握出来ずに
頭を下げた

『お忙しそうですけど、どなたかいい人でも
見つけたの?
あ!そうそう
あの時の彼かしら?』

笑顔で話す
その目は
決して笑ってはいない

里美の後ろで仲間が
こっちを向いて
何か話してる…
そんな気もした

頭の中を
一生懸命整理しながら
返す言葉を探す

『いえ… あの…』

思考が定まらず
無意味に
辺りを見回した

教室の中は
中年カップル達が
ステップを踏み
ケラケラと笑いながら
ああでもない…
こうでもないと
楽しそうにはしゃいでいる



『お早うございます』

私の後ろから
優一の声がした


『あら、あなた
間に合わないんじゃ
ないかと思ってました』

『すまない 何とか間に合って良かったよ
麗さん
お早うございます』

ざわつく
教室に一瞬
空間が出来たように
優一の声だけが
私の耳に入る


思い過ごしなのか

私は 何故か
凍りつく様な
冷たい空気を感じた

No.111 09/06/08 13:53
麗 ( hXqgi )

二時間の
レッスンを終え
帰り支度を整える


優一への
恋しい想いは
有ったものの
相変わらずの
刺さる様な視線が
私には苦痛で
早くこの場を
去りたかったのが
正直な気持ちだった


…あの無言電話は
      彼女 …

透だとほぼ
確信してた私は
以外な展開に
戸惑っていたのも
事実だった

優一は何も
気付いては
いないのだろう

いつも通り
私に視線もくれず
妻を優しく
エスコートしていた

帰ろうとした
その時…

『麗さん!
良かったら
一緒に帰りませんか?
お送り致しますから

ねぇ、いいわよね?
あなた』

いつもは動じない彼も
さすがに驚いた顔をして
私を見た

『里美、突然だね…
麗さんも困ってるよ』

『あら、たまにはよろしいでしょ?
私もお若い方と
お友達になりたいわ』


『で、でも…』

『さぁ、どうぞどうぞ』

半ば無理矢理
私を車に押し込み
車を走らせた


ルームミラーで
眉を寄せた
運転手と目が合い

私は目を閉じ
細く深呼吸をした

No.112 09/06/11 08:51
麗 ( hXqgi )

優一



里美…

そう並んで座った
車内の空気は
気を紛らす
言葉も思い浮かばず
ただ
重い空気を
漂わせている

《なんで?》

それぞれが
多分同じ事を
考えていたに
違いない

口を開いたのは
運転手だった

『どちらへ向かえば
よろしいですか?』

自分のマンションを
教えるべきか…

戦いに挑み
優一とのマンションを
教えるのか悩んでいた…


『自宅に行って頂戴』

さらっと
里美が言い
優一を見て
優しく微笑む

穏やかでは
いられなかったのか
優一は返事もせずに
視線を外した


『ご自宅ですね』

運転手の言葉を
さえぎる様にして

『あの…私そんなに
時間ないんです…』

『あら、そうなの…
でも せっかくだから
お茶だけでも
召し上がって行って』

里美は強引だった
すがる想いで
優一を見たが

やはり
視線を合わす
事はなかった


助けてはくれない


そう直感した

No.113 09/06/11 10:12
ウラン ( 30代 ♀ l0eVh )

毎回ドキドキしながら楽しみに見ています✌
頑張って下さいね👍

No.114 09/06/11 10:48
麗 ( hXqgi )

>> 113 ありがとうございます昀

下手なりに
頑張らせて
頂いてます(*^-^*)戓

m(._.)m昀昀昀

No.115 09/06/11 17:07
麗 ( hXqgi )

10分足らずの
移動時間で
頭の中を
様々な想いが過ぎり
何度も巡る


あんなに優しく
私を愛してくれた
優一は今いない

あからさまに
目線を合わせる
訳にも行かず

膝の上で固く
握った両手は
じっとりと
汗をかいていた

嫉妬に狂い
里美を憎んだ
あの時の気持ちは
どこへ行ったのか

守って貰えない
絶望感に包まれ
長い廊下を進む
私の足どりを
重くした


『さあどうぞ
お座りになって
今珈琲入れますから』


大きなスクリーンに
向かって
並べられた
ソファーへ
案内され座った


優一はテラス窓から
綺麗に手入れのされた
庭を眺め
無言で煙草を
吸っている

まるで
私の事など
眼中にないかの様に

声など
掛けられなかった


程なくして
珈琲のいい香りと共に
里美がやってきた


『麗さん
お気に召すかしら?
あなた
あなたもどうぞ』

この重苦しい
空間から
抜け出したくて

『頂きます』

ミルクをいれ
少しずつ飲んだ

No.116 09/06/18 10:20
麗 ( hXqgi )

里美の有り触れた
会話に相槌をうちながら
優一も私も
黙ったまま
珈琲を飲んだ


『あの彼はお元気?』

クリスマスに会った
透の事だった

『ええ…』

『あまり彼を
悲しませない方が
いいんじゃない?』

なんの事なのか
里美は意味深に
言ってきた

返事も出来ず
優一を見た

彼はまた
タバコに火をつけ
大きな呼吸と共に
口から煙りを吐き
里美を見つめている

まるで
それ以上話すな
とでも言うような
顔をしている

『麗さん
ルールは守って
頂かないと…』

もういつもの
上品な里美ではない
立ち上がり
部屋に有る
複雑なスイッチを押した

ゆっくりと
いくつも有る
カーテンが
閉まっていく

遮光だろう
あっという間に
暗くなった
スクリーンに
見覚えの有る
ベッドが映し出された…
……?……

…何?…

私は何が何だか
わからなかった

『里美!やめなさい』

いつになく
声を荒らげた
優一がスクリーンの
前に立った

でも意味がない
優一に重ねて
映し出されたのは
紛れも無く
私が愛され
乱れるその姿だった

No.117 09/06/18 10:41
麗 ( hXqgi )

全身が震え
頭の中が
真っ白になる

私が愛されていたと
想っていた
あの日々はいったい…


優一と里美が
何かを言い争って
いたみたいだが
そんな事は
耳になど入らず
今までの全てが
ぐるぐると心を頭を
駆け巡り
繰り返していた


『ルールさえ
守って下されば
こんな事知らずに
幸せでいられたのに』

感情のない
里美が言葉を
吐き捨てた直後

しゃがみ込み
頭を抱え
何かを叫び泣いている

慌てた優一は
バッグから
薬を取り出し
里美に飲ませ

『大丈夫だから…』

そう言って
彼女を抱きしめた


『優一…さん…』

…私は?
私はどうしたらいいの?
…ねぇ…

…私も苦しいよ…

…抱きしめて欲しいよ…

『優一さん!』

私も泣き叫んだ


『すまない…麗…』



優一は
ほんの一瞬
私を見ただけで
里美を
抱きしめたまま
部屋を出て行った

すぐにでも
ここから
走って逃げ出したい

それなのに
私は力無く
しゃがみ込み

声の無い
映像をぼーっと
目に映していた

No.118 09/06/18 17:09
ウラン ( 30代 ♀ l0eVh )

更新お疲れ様です★
ドキドキ…バクバク…凄い展開で、続きが楽しみです!

No.119 09/06/18 18:04
麗 ( hXqgi )

>> 118 ありがとうございます昀

ゆっくりで
ごめんなさい昉昉

No.120 09/06/19 09:13
麗 ( hXqgi )

音の無い
その映像は

まるで他人事の様に
不思議と抵抗無く
視界に入って来た

淫らに喘ぐ
自分の姿さえ
美しくもみえ
妄想までも掻き立てる


頬を伝う涙とは別に
私の身体は
確実に体温を上げ
湿度を増していた

思わず太ももに
入れた力が
キュンと
下腹部に伝わった


…透…
きっと
あの時の貴方は
今の私と同じ…


そんな事までも
冷静に考える
自分にも驚いていた


どんなに辛くても
苦しくても
肉体は別なんだ

悲しいのか
悔しいのか
解らない涙がまた
一筋零れた…



『… 麗 …』

しゃがんだ
私の背後から
優一が抱きしめる

『本当にすまない…
許しておくれ…  』

肩に掛かる髪に
顔を埋め
優一が首筋に
Kissする様に囁く

『 あっ …』

身体は敏感に
反応した…


スクリーンには
まだ
優一と乱れる姿が
映画の様に流れていた

私は抱きしめられた
両手を摺り抜け
優一の唇を貪った

No.121 09/06/21 23:19
なち ( 20代 ♀ dojKh )

更新楽しみにしてます😣✨

横レスですみません…

No.122 09/06/22 08:42
麗 ( hXqgi )

>> 121 読んで頂き
ありがとうございます昀

楽しみにして
下さる方がいるのに
本当にごめんなさい昉

応援嬉しいです戓

_(._.)_

No.123 09/06/22 09:39
麗 ( hXqgi )

私は
まともじゃない

当然優一も…



涙を流しながら
唇を貪り
彼の頭…顔…

撫で回し
くちづけ
何度も言った

『抱いて…ダイテ…』

優一は
私の服を捲り上げ
ブラのホックを
簡単に外した

開放され
はみ出した乳房が
優一の手に包まれ
舌で乳首に触れた…

私は淫らに声をあげた

『ああん…優一サン…』
『麗… 麗…』

応えるように
息を荒くした
優一の身体も
昂揚し熱くなった


映像の光が重なり
それもまた
普段にも増して
やけに二人を
興奮させていた


ふいに
ソファーに
座らせられ
大きく足を広げ
優一は顔を埋めた

固くなった
小さなそこを
微妙に外しながら
優しくなぞる

『…イ…イヤ… ン…』

目の前の
スクリーンには
相変わらず
いやらしい表情をした
私が乱れている…

我慢出来ずに
私は腰を浮かし
優一の舌を
蕾に当てた

『 ああぁぁ… 』

思わず優一の
頭を押さえつけ
弓なりにのけ反る


スクリーンの前で

私は
理性のない
ケモノとなっていた

No.124 09/06/22 11:04
麗 ( hXqgi )

壁こそ隔ててるが
間違いなく
この同じ屋根の下

薬を飲んだとは言え
里美が眠っている…


私がケモノなら
優一もケモノだ…

四つん這いに
させた背後から
確実に
私を攻めていく

ゆっくり…

ゆっくり…

弱く…

激しく…

『 ん…ハン…アアン 
アッ、アッ…  アァ…』

握りしめた
ソファーカバーも
くしゃくしゃになり
足元に絡み付いた

 カチャ…  カチャ…

時々当たる
テーブルに置いた
カップの音と
私の声…
優一の時々漏らす声…

どんどん
激しさを増した


もしかしたら
今度はどこからか
里美が覗いてるかも…


そんな事を
思い浮かべた瞬間

頭の中が真っ白になる

…イ… イク… …

ンンン! ウゥゥ…………

ビクン ビクン

小さく痙攣して
私はイッた

直後

私を力いっぱい
抱きしめて
唸りながら
優一も果てた


… …

No.125 09/06/22 16:28
麗 ( hXqgi )

もう夕方なのか

カーテンの
隙間から
オレンジ色の
光が一筋
部屋に流れこんでいる


私はソファーに
横たえたまま
虚に優一を見ていた


ズレたテーブルを
真っ直ぐに戻し

片付けたのか
そこには
カップも無い


気付けば
淫らに舞う二人も
スクリーンには
もう映ってはいない


黙々と片付ける
優一もまた
きちんと
身なりを整えていた


『麗…シャワー浴びなさい』

目覚めた私に気付き
バスタオルを
差し出した

黙って受け取り
案内のまま
バスルームに行き
思いきり
シャワーを流し
頭から浴びた


……あんな惨めな
想いをさせた私に
優しい言葉はないの?

セックスをすれば
感じれば
全てチャラなの?……


私は
声をあげて泣いた


……あんなに
愛してるって
抱きしめたのに……


欲に負け
身を委ねる事を
望んだ自分が
あまりに惨め過ぎた

No.126 09/06/24 10:30
笑い袋 ( ♂ xcYYh )

>> 125 麗さん🙇

ファンの皆様🙇失礼します🙇

麗さんピヨさんがリレー始めるそうです👮

良かったら来て下さい🙇

お待ちしております🙇


失礼致しましたm(_ _)m

No.127 09/06/29 10:02
麗 ( hXqgi )

送ってもらう
帰りの車に
優一は居なかった


いつもの
後部座席で
私はポツンと
一人座っていた


『麗さん… 
  大丈夫ですか?』

俯いた顔を
上げると
ルームミラーに
運転手が心配気に
私を見ているのが写った

何度も会ってはいたけど
言葉を掛けて
くれたのは
この時が初めてだった


シャワーを浴び
化粧もせず
泣き腫らした顔に
まだ濡れた髪…

…大丈夫です…

そう言うには
かなり無理が有る
ひどい姿だった

『涙をお拭きなさい』

マンションに着く
少し手前の赤信号で
手袋をはめた
白い手で
真っ白なハンカチを
手渡してくれた


『…ありがと …』
その優しさに
また
涙がいっぱい溢れた


『大丈夫ですか?』

また彼は言った

『はい… 本当に
ありがとうございました… 』

私は車を降り
見えなくなるまで
頭を下げた

No.128 09/06/29 13:38
麗 ( hXqgi )

テラスに出て
キラキラ
灯り出した地上を
見下ろした


現実に起きた
あまりの事実に
ちっとも
頭の中が纏まらない


…何故
優一と里美は
あんな事を?

今迄ずっと
見ていたの?


  ……!……

ふと
我に返り
部屋に戻って
辺りを見回した

私と優一の
淫らに愛し合う姿が
映されていた
方向を思い出す

………

ここだ…

それは
ベッドが見える
クローゼット…

そう…
透が隠れた
その場所だった


今まで全く
気付きもしなかった
小さなレンズが
上部に取り付けられていた


そして
優一の好みの
間接照明にもまた
同じように
得体の知れない
小さな物体が
取り付けられていた


『フフ…
    アハハハハ!』

声を立てて笑った
でもそれはすぐに
鳴咽となり涙が流れた

   ガシャーン!!


照明をコードごと
引きちぎり
力一杯床に投げ付けた


粉々になり
飛び散った
ガラスの破片が
まるで
宝石のように美しく
部屋に広がっていた

No.129 09/06/30 09:05
麗 ( hXqgi )

何も考える事が
出来ない…

不安だけが
胸を締め付けた

睡眠薬を2錠含み
缶ビールで
流しこむ

ゴクゴクと
飲み干した後
暖かい床に
寝転んでみた


溶けて水滴に
なった雪…
硝子のかけら…

視点を定めず
寝転んだ視界には

万華鏡のように
美しい世界が
広がっている


さすがに
薬2錠に
アルコールは
効き過ぎなのか

あっという間に
酔っ払い
テンションが
どんどん
上がっていった

現実なのか
夢なのか

遠い昔に
シンナーを吸って
得たあの感覚が
蘇っていた


今なら
何をしても
怖くない
何でも出来る

フラフラと
よろけながら
テラスへと
向かった


……これは夢
  何も怖い事
  なんかない
  大丈夫
  私にはほら…
  羽がはえてる……


ほんの少しの
距離なのに…

羽ばたきたいのに…

何かに足を取られ
なかなか
辿りつく事が出来ず

何度も転び
何度も起き上がり
足を進めた…


最後に
倒れた時には
起き上がる
力は無く

そのまま眠り
命は繋がれた

No.130 09/06/30 11:47
麗 ( hXqgi )

~♪♪ ♪♪♪ ♪♪~


……携帯が
  なっている?
  出なきゃ
  どこ…?
  携帯… ……

頭痛がし
瞼が開かない…
身体を起こし
冷えた手で
携帯を探った


『痛っ!』

四つん這いで
移動した手足に
硝子が刺さって
血を滲ませる


『もしもし…』

『… 麗?久しぶり』

美砂からの
電話だった

『麗… 
 透から聞いたよ
 あんた本当に
 最低だよ… 』

美砂は
何の言い訳も
させてはくれず
ただ一人で
話続けていた


  …頭が痛い…

美砂の話は
私をただ責める
ものばかりで

耳を素通りしていた

数分
ただ黙って
携帯を耳に当て
聞いていた
美砂が最後に言った

『私 透と
 付き合ってるから…』

『もう麗とは
 友達にも戻れない』

それだけが
心に残っていた



ひとつ
またひとつ…

私の手から
大切なものが
消えて行った

No.131 09/07/04 10:44
麗 ( hXqgi )

- ザザザザ…

ザッパーン…ザザザ… -


海を見ていた

冬の冷たい海が
ほんのつかの間
私を癒してくれる

あれから
何度この海に来て
どれくらい
時間が過ぎて
いるのだろう…

何もする気になれず
仕事も辞めて
優一から渡される
お金で過ごした


彼が少しだけ
話してくれた
夫婦の過去…

優一と里美は
心から
愛し合っている…
それが間違いでは
無い事は
優一の話から
突き刺さるほど
伝わっていた

でもなぜなのか
肉体で愛し合う事が
出来ない…

優一の身体を
満たす役目を
私に託した?

始めから
里美が仕組んだのだ

それを全て
容認する事で
彼女は救われてたの?


普通ではないはず
理解は出来ない

私はただの
性処理の道具だった

ただそれだけの女


苦しいほど

悲しいほど

愛した優一は

私を見てなど
いなかった

No.132 09/07/04 13:27
麗 ( hXqgi )

優一の事…
透の事…
押し寄せる
波を見ながら
ぼんやり考えてた

視界に
小さな赤いボールが
コロコロと
転がってきた

赤いボールは
私の足元で止まり
小さな女の子が
よちよちと
ボールを追い掛け
目の前で止まった 

目のくりっとした
可愛い女の子が
私に向かって
微笑み両手を
差し出している…

思わず
その愛らしさに
私も微笑み

『はい どうぞ』

ボールを手渡した

『アート』

女の子はそう言って
膝をちょこんと曲げ
またニコッと笑った

《ありがと》
不思議とそれが
自然に伝わった

なぜか無償に
愛おしくなり
そっと抱きしめた

『バイバイ』

抱きしめた手を離し
女の子の頭を撫でた

『ママ~』

そう言いまた
よちよちと歩き出す

…………… ?

    あれ?………

視線の先には
誰もいない

戻した視線の中にも
小さな女の子は
居なかった…


………夢?

   
   おなか
   空いたな…… 

昨日から何も
口にしていない私は
空腹を感じ
女の子の感触を
残したまま
歩きだした

No.133 09/07/04 17:05
麗 ( hXqgi )

怠い身体を
引きずり
ファーストフードで
ハンバーガーと
ポテトを買い
マンションで食べた

確か一昨日
口に入れたのも
ハンバーガーに
ポテトだった…


風邪気味なのか
ここんとこ
数日は熱っぽい
気もしていて
何もやる気が
起きない


優一は変わらず
優しく愛してくれる
でも…
私にとっては

《無神経にやって
 来て私を抱いて帰る》

そんな想いが
無かった訳もない

一度快楽を
覚えた身体は
簡単には
忘れる事はない

抱かれる時だけは
何も考えずに
済んだから
それはそれで
良かったんだろうか


ふと鏡にうつる姿に
また少し
痩せたのがわかる


 …何やってんだろ…

最後のパンを
含んだ途端
猛烈な吐き気を催し
慌ててトイレに
駆け込んだ


全て吐き出し
カレンダーを見る




  …まさか… 




もうすぐ二月も
終わろうとしている
まだまだ寒い日だった

No.134 09/07/04 22:54
ウラン ( 30代 ♀ l0eVh )

麗サン★

ドキ②の展開にワクワクしていますo(^-^)o

楽しみに更新待ってます。

No.135 09/07/05 18:39
麗 ( hXqgi )

>> 134 ウランさん昀
いつも応援
ありがとうございます晥

もう少し待っていて
下さい(*^-^*)戓

頑張ります叝

No.136 09/07/06 18:57
麗 ( hXqgi )

『うーん…
 生理が不順で
 ちゃんとした
 予定日が
 出せないけど…
 この大きさから
 十月半ばくらいね』

産婦人科の
診察台で女医が
子宮に器具を入れ
目の前のモニターを
指差しながら言った

黒い画像の中に
小さい楕円の
袋が見えた

「分かる?
 これが赤ちゃんだよ」

 … 赤ちゃん …

実感は無かった
どうしたらいいのか
考える事も出来ない

女医はそんな私に
気付いたのか

「父親とよく
 相談して
 今度は一緒に
 いらっしゃい」

そう言われ
診察室を出た



……父親と一瞬に
  って…
  無理だよ
  無理に決まってる
  言えないよ ……


お腹の子は…
 誰の…


優一とも透とも
普段は必ず
避妊していた

でもあの時…


重なって一度だけ
無防備だった
二人との記憶が蘇る…


たった一度…

それなのに

結果となって
私の中に
命を宿した

No.137 09/07/06 20:54
麗 ( hXqgi )

…赤ちゃん…

  私の赤ちゃん…


………神様…

 私は幸せなのですか?

 それとも…

 不幸なのですか?


 赤ちゃん…?

 あなたは
 私のもとに
 生まれたとして
 幸せになれるの
 でしょうか… ………


ただ漠然と
考えていた


不安定な
毎日の中で
きちんと考える
余裕は無かったの
かもしれない


誰に相談する
事も出来ずに
じっと
部屋の隅に
うずくまった


神様…

これは
私の罪ですか?

それとも
ご褒美なのですか?



私は優一に
【少し一人に
   させて下さい】

それだけメールして
携帯の電源を切った

No.138 09/07/14 12:13
麗 ( hXqgi )

私に宿った
小さな命は

何をしても
しなくても
成長を続ける


悪阻がその
証拠なのだろう


デリバリーの
ハンバーガーに
ポテト…

大好きだったはずの
オニオンリングは
何故か受け付けなかった


何日も何日も
引きこもり
考えたのに…

生みたいのか
生みたくないのか
少しも決められない


 …私はどうすれば
       いいの…


  - Ping-pong -


チャイムが鳴り
すぐに鍵が開いた

連絡が取れない
私を心配して
来てくれたと
優一は言う

『どうした?』

やつれたらしい
私の頬を撫で
抱きしめる


『赤ちゃん出来た』

解決出来ない問題を
抱えられなくなり
淡々と優一に
報告していた

私を胸に抱いたまま

『生んでくれないか?』

優一もサラっと言う

『え?なんで??
そんな事出来ないよ』

優一の子か
透の子か
分からない事も
躊躇せず伝えた


例えそれが
透との子だったとしとも
お腹の子と私の一生の
責任を持つ
だから生んで欲しい

優一はそう言った

No.139 09/07/15 11:21
麗 ( hXqgi )

私には
考える余裕も
時間もない

『わかった』

数分の後
答えを出した

目の前に
生んで欲しいと
願う優一が
居るだけで

不思議と
迷いが消えていた


……これでもう
  実家に
  戻る事も
  出来なくなるな……


やけに喜ぶ
優一の姿に
違和感を覚えたのも
事実だったが

私は自然と
安堵の微笑みを
浮かべていた




……里美は
  この事実を
  受け止める事が
  出来るのだろうか…

優一が帰ってから
里美の事が
気にはなったが

この時は
先に起こる
地獄の様な日々を
全く想像する事も
出来ずに

穏やかな気持ちで
外を眺めてみた


『赤ちゃん…
  ママですよ…』


お腹をそっと
撫でながら…

No.140 09/07/21 15:16
麗 ( hXqgi )

相変わらずの
悪阻の中でも
未来が決まった事で
気持ちは
楽になっていた


胎教にいいからと
優一の好きな
Jazzを流し
ゆったりと
穏やかな未来を
待ち望んで過ごす


今迄の事も
忘れるほど
別人の様になり

お腹を撫でたり
話しかけたり…

来れない日には
電話を掛けて来て

私と赤ちゃんの為に
時間を費やして
くれていた


『ほら、可愛いだろう』

ベビードレスに
帽子に靴下

時には
玩具までも
買って来ては
楽しそうに微笑む

『パパは親バカね』



当たり前の幸せを
当たり前の幸せだと
感じていたのは

未熟で浅はかな
私の
錯覚でしかなかった

No.141 09/07/21 16:01
麗 ( hXqgi )

優一がマンションに
通うようになって
一週間が過ぎた頃


『そうだ… 
 優一さん
 病院行かなきゃ
 いけないんだ… 
 一緒に行って
 欲しいんだけど…』

病院で女医に
言われてた事を
思い出して言った

生むと決めたら
誰かに報告したかった
だけなのかも…

友人だった
美砂にも
もちろん透にも
ましてや親になど
言えるはずもない


笑顔で報告が
出来るのは
今の私には
女医だけしか
居なかった

分厚い手帳で
スケジュールを
確認し

『じゃあ
 今週にでも行くか?』


頬にkissをしながら
優一は私を
そっと抱き寄せ
愛おしむように
髪にもkissをした

『うん、お願い』

私はニコニコしながら
優一の買って来てくれた
ハンバーガーを
ぺろりと平らげ

最後の
オニオンリングを
口移しで
優一に渡した…


『麗と居なかったら
 一生食べなかった
 かもしれないね…』

美味しそうに
移されたリングを
食べながら
優一は微笑んでいた

No.142 09/07/23 09:12
麗 ( hXqgi )

『余り大きく
 なってない
 みたいね…
 悪阻は有る?』

一通りの診察後

女医はゆっくり
問い掛ける

『えっ…?』

……そう言えば
  ここのところ
  吐き気もなく
  気分が良かった

  精神的に
  落ち着いたからと
  安易に考えていた
  
  大きくなってない?         ……


『あの、先生…
 大きくなって
 ないとはどういう
 事でしょうか』

沈黙を破る様に
優一が質問した


『赤ちゃんの
 お父さんですね?
 まだ、はっきり
 断言は出来ませんが
 赤ちゃんが
 育ってない
 可能性が有ります』

『……』


また一週間後に
診察に来る事

出血が有れば
すぐに診察に
来る事


【様子を見る】
女医は淡々と
そう説明をした


『ありがとう
 ございました』

来る時とは違い
重い空気が
二人を包んでいた

No.143 09/07/23 09:49
麗 ( hXqgi )

……
 育ってない? 
 そんなはずない

 でも…

 言われてみれば
 確かに…
 食欲も有り
 吐き気もない

 初めての妊娠で 
 分からないとは言え
 何かが違って
 いるのは
 確実だった
 

『麗?大丈夫か?』

黙って一点を見つめ
考え込んでる
私を見て
優一は声を
掛けてくれた

『うん…』


【妊娠したら
   必ず生まれる】

私にはそれが
当たり前で
育っていないと言う
その言葉自体
理解出来ないでいた


『……あ!…』

『どうした?』

先日食べたものが
鮮明に浮かんだ

………
 大好きだった
 オニオンリング…
 
 妊娠した途端
 口に出来なかった
 オニオンリングを
 優一と一緒に食べた

 何の違和感もなく
 美味しく食べた
        ………

そのたった一つの
事実だけが
継続されないで
有ろう事を
物語った気がした

No.144 09/07/23 16:38
麗 ( hXqgi )

……
大丈夫
きっと無事に
生まれてくる……

そう言い聞かせる
自分と

……
ダメかもしれない……

心の奥底で
感じる自分がいた


『きっと大丈夫だよ』

そんな優一の
言葉にすがる様に

……
 この子は
 神様が与えて
 くれた
 ご褒美……

そう信じたかった

一日…

二日…

三日…

優一は毎日の様に
マンションに
通って来た

里美が何も
言って来ない事も
不思議だったが

自分の事で
精一杯で
この時は
考える事も
しなかった


優一は
安静にと
私に気を遣い
身の回りの事を
全てしてくれている

おとなしく
ベッドに
横になり過ごした


……
 この子を生んで
 私は幸せになれる
 この子と一緒に
 幸せになりたい
        ……

優一が買い集めた
赤ちゃんの
洋服や玩具を
回りに置いて
祈る様に過ごした

No.145 09/07/28 08:46
麗 ( hXqgi )

……
 ん?なんだろう
        ……
いつもと違う
感覚で目覚めた

何かが違う
そう感じた
四日目の朝

トイレに行くと
うっすらと
ピンク色の汚れが
ティッシュに付いた


……
何?まさか
 出血……?
      ……

慌てた私は
時間も構わず
優一の携帯を
鳴らしていた


トゥルルル…

トゥルルル…

トゥルルル…

呼び出し音が続き
留守電に切り替わる

『優一さん
 電話を下さい!』


病院に連絡もせず
携帯を握りしめ
ひたすら
連絡を待った

凄く長く感じた
10分後

折り返して来た
優一に
出血かもしれない
と報告をする

病院にも
行かなくては
いけない…

でも一人では
不安だと伝えると

『麗、大丈夫だよ
 横になって
 少し待ってなさい』

そう言って
電話を切り
言われた通り
ベッドに
横になり
優一が来るのを待った

No.146 09/07/28 09:03
麗 ( hXqgi )

一人で
ベッドに居ると
不安ばかりで
落ち着かず
何度もトイレに
行っては確認し
確認しては
横になり…

何度か
繰り返した時

 - Ping-pong -

チャイムが鳴った


…… 良かった …… 


不安な気持ちも
優一が居れば
必ず和らぐ事を
私は知っている

こんな時は
尚更甘えて
寄り掛かってたい


大丈夫だよ!と
髪を撫で
抱きしめて欲しい


ホッとした時


ロックが
外される音と共に
玄関が開いた


『麗さん!
 大丈夫?』

真剣な面持ちで
小走りに
近寄って来たのは


優一では無く
妻、里美だった

No.147 09/07/28 09:25
麗 ( hXqgi )

どれくらいの
出血なのか

お腹は
痛まないのか

いつからなのか


優一ではなく
里美が来た事に
動揺する私に
お構いなく
一通り質問した後


まるで全てを
知ってるかの様に

閉まってある
カップを出し

お湯を沸かし
紅茶を入れた


『私は子供を
 生む事が
 出来なかったの』


湯気のたった
いつもの香りの
紅茶を手渡し
里美は
優しく微笑んで
私の横に座り


相変わらず
動揺したままの
私の背中を
ゆっくり摩りながら

『これを
 頂いたら
 病院に
 行きましょう
 きっと
 大丈夫よ』


優しく悲しげな
里美の瞳が
とても美しく
見えたからなのか

『はい…』

背中を摩る
里美の手の
温もりが
そうさせるのか

安堵する自分がいた

No.148 09/07/29 17:21
麗 ( hXqgi )

いつもの車に
いつもの運転手

隣に優一ではなく
里美がいる


またも運転手と
ミラー越しに
視線が合う

気のせいなのか
彼は

『何が有ったの?』

そうとでも
言いたげな
顔をして
心配気に私を見る


大丈夫と
頷く様に
視線を外して
病院までの道のりを
俯いて過ごした


『大丈夫よ
 きっと大丈夫』

隣で里美は
何度もつぶやく
様に言う

まるで自分に
言い聞かせてる


私にはそんな
気がしていた

No.149 09/07/30 09:10
麗 ( hXqgi )

待合室に入ると

お腹の大きな
妊婦さんが
旦那さんと一緒に
並んで座り

時折、目を
合わせ微笑んだり
お腹を撫でたり…


多分私も
特別では無い


隣に寄り添う
様にして座る
里美をみれば
きっとそう

娘に付き添う
母親に見えて
不思議はない


『お母様もどうぞ』

看護士の言葉からも
それが読み取れる


ドア越しの
診察台に上がり
診察を受ける

『少し出血有るね
 赤ちゃんも
 余り変わらないな
 お腹の
 張りとか有る?』

『特別感じません』

『じゃあ
 悪阻はどうかな?』

診察しながら
女医は淡々と
問診してくる

『…悪阻…
 有る様な…
 無い様な感じで…』


薄ピンクの
天井を見上げながら
小さく答える


悪阻は無い
気付いていた

ダメだと
言われたくない
余りについた
精一杯の嘘だった

No.150 09/07/30 14:35
麗 ( hXqgi )

里美の居る
診察室に戻ると

『もう少し
 様子見ましょう
 変わりが無ければ
 また来週来て下さい』

女医はペンを
取りながら
簡単にそう言った

診察室を出ようと
ノブに手を掛けた時

『あの…
 お腹の子供は
 大丈夫ですよね?』

女医のもとに
戻り
真剣な顔で
里美は質問する


『お母様
 今は何とも…』

私と里美は
同時に頭を下げ
病院を後にした

投稿順
新着順
主のみ
付箋

新しいレスの受付は終了しました

お知らせ

5/28 サーバメンテナンス(終了)

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧